JP7342596B2 - 液体吐出ヘッド、吐出ユニット、液体を吐出する装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、吐出ユニット、液体を吐出する装置 Download PDF

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Description

本発明は液体吐出ヘッド、吐出ユニット、液体を吐出する装置に関する。
液体吐出ヘッドにおいては、相互干渉を抑制するために、例えば、共通流路の壁面を復元可能に変形可能なダンパ領域として伝搬される圧力波を減衰することが行われている。
従来、共通液室部材の壁面の一部に変形可能なダンパ領域を形成する壁面部材を備え、流路板と共通液室部材とは、壁面部材を挟んで積層され、流路板には、ダンパ領域に対応する凹状のダンパ室が形成され、ダンパ室の凹状の底部には、積層方向の対向する壁面部材の壁面に接続される支柱部が設けられ、支柱部は、ノズル配列方向と直交する方向のダンパ室の壁面に設けられた壁部であり、壁部には、空気が通じる1又は複数の通路が形成されているものが知られている(特許文献1)。
特許第6347159号公報
ところで、ダンパ室に支柱を配置した場合、支柱部に対応するノズルと対応しないノズルとで構造的な圧力室の剛性が異なり、吐出特性のばらつきが生じるおそれがあるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、吐出特性のばらつきを抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液体を吐出する複数のノズルを有するノズル板と、
前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を形成する流路板と、
前記複数の圧力室に連通する共通流路を形成する共通流路部材と、
前記共通流路の壁面の一部に変形可能な領域を形成する壁面部材と、を備え、
前記流路板と前記共通流路部材とは前記壁面部材を挟んで配置され、
前記流路板には前記変形可能な領域が臨む気体室が設けられ、
前記流路板は、前記気体室をノズル配列方向において部分的に分断する架橋部を有し、
前記架橋部は、前記壁面部材及び前記ノズル板と接していない
構成とした。
本発明によれば、吐出特性のばらつきを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図2のB1-B1線に相当する断面説明図である。 同じく各部材の平面説明図である。 同じくノズル配列方向に沿う図1のA1-A1線に相当する断面説明図である。 比較例1の説明図である。 比較例2の説明図である。 比較例3の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図9のB2-B2線に相当する断面説明図である。 同じく各部材の平面説明図である。 同じくノズル配列方向に沿う図7のA2-A2線に相当する断面説明図である。 本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図11のB3-B3線に相当する断面説明図である。 同じく各部材の平面説明図である。 同じくノズル配列方向に沿う図10のA3-A3線に相当する断面説明図である。 本発明の第4実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図14のB4-B4線に相当する断面説明図である。 同じく各部材の平面説明図である。 同じくノズル配列方向に沿う図13のA4-A4線に相当する断面説明図である。 本発明の第5実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図17のB5-B5線に相当する断面説明図である。 同じく各部材の平面説明図である。 同じくノズル配列方向に沿う図16のA5-A5線に相当する断面説明図である。 本発明の第6実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図20のB6-B6線に相当する断面説明図である。 同じく各部材の平面説明図である。 同じくノズル配列方向に沿う図19のA6-A6線に相当する断面説明図である。 本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例の要部平面説明図である。 同装置の要部側面説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図2のB1-B1線に相当する断面説明図、図2は同じく各部材の平面説明図、図3は同じくノズル配列方向に沿う図1のA1-A1線に相当する断面説明図である。
液体吐出ヘッド1は、ノズル板(ノズル部材)10と、流路板20と、壁面部材としての振動板部材30とを積層接合している。そして、振動板部材30の振動領域(ダイアフラム領域、振動板)31を変位させる圧電アクチュエータ40と、ヘッドのフレーム部材を兼ねている共通流路部材50とを備えている。
ノズル板10は、複数のノズル11を配列したノズル列を有している。
流路板20は、複数のノズル11に通じる複数の圧力室21、各圧力室21にそれぞれ通じる流体抵抗部を兼ねる個別供給流路22、1又は複数の個別供給流路22に通じる1又は複数の中間供給流路23となる溝を形成している。
振動板部材30は、流路板20の圧力室21の壁面を形成する変位可能な複数の振動領域31を有する。ここでは、振動板部材30は2層構造(限定されない)とし、流路板20側から薄肉部を形成する第1層30aと、厚肉部を形成する第2層30bで構成されている。
そして、薄肉部である第1層30aで圧力室21に対応する部分に変形可能な振動領域31を形成している。振動領域31内には、第2層30bで圧電アクチュエータ40と接合する厚肉部である島状の凸部31aを形成している。
そして、振動板部材30の圧力室21とは反対側に、振動板部材30の振動領域31を変形させる駆動手段(アクチュエータ手段、圧力発生手段)としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ40を配置している。
この圧電アクチュエータ40は、ベース部材43上に接合した圧電部材41にハーフカットダイシングによって溝加工をして、ノズル配列方向において、所要数の柱状の圧電素子42を所定の間隔で櫛歯状に形成している。
そして、複数の圧電素子42は、交互に駆動電圧が与えられる圧電素子と支柱部となる圧電素子として使用し、駆動電圧が与えられる圧電素子42は振動領域31の島状の凸部31aに接合されている。また、支柱部となる圧電素子は隣り合う振動領域31、31間の厚肉部に接合されている。
圧電部材41は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極(端面電極)に接続され、外部電極にフレキシブル配線部材が接続される。
共通流路部材50は共通流路51を形成している。共通流路51は、振動板部材30に設けた開口部39を介して中間供給流路23に通じている。
この液体吐出ヘッド1においては、例えば圧電素子42に与える電圧を基準電位(中間電位)から下げることによって圧電素子42が収縮し、振動板部材30の振動領域31が引かれて圧力室21の容積が膨張することで、圧力室21内に液体が流入する。
その後、圧電素子42に印加する電圧を上げて圧電素子42を積層方向に伸長させ、振動板部材30の振動領域31をノズル11に向かう方向に変形させて圧力室21の容積を収縮させることにより、圧力室21内の液体が加圧され、ノズル11から液体が吐出される。
なお、ヘッドの駆動方法については上記の例(引き-押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
次に、第1実施形態におけるダンパ機能(振動減衰機能)に係る部分について説明する。
本実施形態では、共通流路51の壁面の一部に変形可能な領域(以下、「ダンパ領域」という。)61を形成する壁面部材としての振動板部材30を備えている。流路板20と共通流路部材50とは、壁面部材である振動板部材30を挟んで配置されている。
振動板部材30は、第1層30aでダンパ領域61を形成している。
流路板20には、ダンパ領域61が臨む気体室としての空気室62が設けられている。つまり、流路板20は、ダンパ領域61を挟んで共通流路51と反対側に空気室62が設けられ、空気室62の壁面の一部はダンパ領域61で形成されている。言い換えれば、ダンパ領域61の共通流路51に接する面と反対側の面は空気室62に接している。
そして、流路板20は、空気室62をノズル配列方向において部分的に分断する架橋部63を有している。架橋部63は、壁面部材(振動板部材30)及びノズル板10と接していない構成としている。
架橋部63は、流路板20の厚み方向において、流路板20の各表面から離間した位置に形成することで、壁面部材(振動板部材30)及びノズル板10に接しないようにしている。言い換えれば、流路板20には、架橋部63の部分では、流路板20の両面から凹部65、65が形成されることで、残存部分を架橋部63としている。
本実施形態によれば、流路板20の空気室62には架橋部63が設けられているので、流路板20の剛性低下による接合位置ズレを防止できる。
また、本実施形態によれば、ノズル板10と流路板20とを加圧して接着剤で接合するときに接合不良が発生する箇所がないため、接合不良を起因とする異常振動を防止できる。
つまり、接合不良を起因とする異常振動は、構造的に接続されているところが影響を及ぼし合うために、接合状態によって振動の伝わり方が変化することによる。安定して接合できない(接合不良)状態が生じると、接合状態毎に振動伝搬状態が変化し、品質のばらつきに繋がる。そこで、本実施形態では、架橋部63はノズル板10、振動板部材30と接合しないことで、接合状態のばらつきが生じないようにしている。
さらに、ノズル単位で架橋部による構造的な圧力室の剛性の差を低減することができるため、吐出特性のばらつきを低減できる。
本実施形態の作用効果の説明に供するため比較例1ないし比較例3について図4ないし図6を参照して説明する。図4ないし図6は比較例1ないし3の説明図であり、各図(a)はノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、(b)は(a)の気体室部分のノズル配列方向に沿う断面説明図である。
図4の比較例1は、流路板20を貫通する空気室62を設けて、架橋部を有しない構成としている。この比較例1では、架橋部がないことで流路板20の剛性が低下する。
図5の比較例2は、流路板20に凹部形状の空気室62を設けて、架橋部を有しない構成としている。この比較例2では、ノズル板10と流路板20とを加圧して接着剤で接合するとき、空気室62の部分で加圧力が不足して、接合不良が発生しやすい。
図6の比較例3は、流路板20に凹部形状の空気室62を設けて、振動板部材30とノズル板10に接触する架橋部63を有する構成としている。この比較例3では、架橋部63でノズル板10と流路板20と振動板部材30とが接合されている部分に対応するノズル11と対応しないノズル11とで圧力室の剛性が異なり、吐出特性に周期的なばらつきが発生する。
本実施形態によれば、これらの比較例1ないし比較例3の問題点を解決することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図7ないし図9を参照して説明する。図7は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図9のB2-B2線に相当する断面説明図、図8は同じく各部材の平面説明図、図9は同じくノズル配列方向に沿う図7のA2-A2線に相当する断面説明図である。
本実施形態では、流路板20の架橋部63は、厚み方向でノズル板10側に偏って設けている。架橋部63の振動板部材30側(壁面部材側)は振動板部材30に接しない(離間している)構成となる。
そして、ノズル板10には、架橋部63に対応する部分に凹部12を形成している。ノズル板10に凹部12を形成することで、架橋部63とノズル板10とは接触しない(離間している)構成となる。その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
このように、流路板20の架橋部63のノズル板10側の面は流路板20の表面と同一面とすることで、流路板20の剛性低下が抑えられ、しかも、流路板20の加工難度を低減できる。
次に、本発明の第3実施形態について図10ないし図12を参照して説明する。図10は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図11のB3-B3線に相当する断面説明図、図11は同じく各部材の平面説明図、図12は同じくノズル配列方向に沿う図10のA3-A3線に相当する断面説明図である。
本実施形態では、前記第1実施形態の構成において、ダンパ領域61には共通流路51側に補強部66を設けている。補強部66は、ノズル配列方向と直交する方向に設けられ、ノズル配列方向においてダンパ領域61を複数の領域に分割している。
このように、ダンパ領域61に補強部66を設けることで、ダンパ領域61の変形量は小さくなるが、共通流路51のノズル配列方向(長手方向)の位置によるコンプライアンス効果の分布(偏り)を防止できる。
次に、本発明の第4実施形態について図13ないし図15を参照して説明する。図13は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図14のB4-B4線に相当する断面説明図、図14は同じく各部材の平面説明図、図15は同じくノズル配列方向に沿う図13のA4-A4線に相当する断面説明図である。
本実施形態においては、流路板20は、2つの板状部材20A、20Bを積層して構成している。
板状部材20Aは、圧力室21の一部21aと、個別供給流路22と、中間供給流路23の一部23aとを構成する溝部を形成している。
板状部材20Bは、圧力室21の一部21bを構成する溝部と、中間供給流路23の一部23bを構成する開口部とを形成している。中間供給流路23の一部23bは、ノズル配列方向において架橋部24bで複数に分割され、複数の圧力室21に通じる複数の中間供給流路23の一部23aに跨って設けられている。
また、板状部材20Aは、空気室の一部62aと、架橋部63aを形成している。板状部材20Bは、空気室の一部62bと、架橋部63bを形成している。本実施形態では、板状部材20Aで形成する架橋部63aと板状部材20Bで形成する架橋部63bとは、ノズル配列方向において同じ位置に配置されている。
このように構成することで、架橋部63a、63bの流路板20の厚み方向の一面は板状部材20A、20Bの表面と同一面とすることができ、流路板20の加工難度を低減できる。
また、本実施形態では、共通流路51と中間供給流路23との間にフィルタ部90を配置している。フィルタ部90は、振動板部材30の第1層30aで形成している。
次に、本発明の第5実施形態について図16ないし図18を参照して説明する。図16は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図17のB5-B5線に相当する断面説明図、図17は同じく各部材の平面説明図、図18は同じくノズル配列方向に沿う図16のA5-A5線に相当する断面説明図である。
本実施形態では、前記第4実施形態と同様に、振動板部材30側の板状部材20Bは、圧力室21の一部21bを構成する溝部と、中間供給流路23の一部23bを構成する開口部とを形成している。中間供給流路23の一部23bは、ノズル配列方向において架橋部24bで複数に分割され、複数の圧力室21に通じる複数の中間供給流路23の一部23aに跨って設けられている。
そして、本実施形態では、板状部材20Aで形成する架橋部63aと、板状部材20Bで形成する架橋部63bとは、ノズル配列方向において、交互に(異なる位置に)配置されている。
これにより、板状部材20Aと板状部材20Bとを接合するときに、架橋部63aと架橋部63bとの接合がなくなるので、架橋部同士の接合不良による異常振動の発生を防止できる。
次に、本発明の第6実施形態について図19ないし図21を参照して説明する。図19は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う図20のB6-B6線に相当する断面説明図、図20は同じく各部材の平面説明図、図21は同じくノズル配列方向に沿う図19のA6-A6線に相当する断面説明図である。
本実施形態においては、流路板20は、5つの板状部材20A~20Eを積層して構成している。
板状部材20Aは、圧力室21の一部21aと、個別供給流路22と、中間供給流路23の一部23aとを構成する溝部を形成している。
板状部材20Bは、圧力室21の一部21bと、中間供給流路23の一部23bとを構成する溝部を形成している。板状部材20Cは、圧力室21の一部21cと、中間供給流路23の一部23cとを構成する溝部を形成している。板状部材20Dは、圧力室21の一部21dと、中間供給流路23の一部23dとを構成する溝部を形成している。
板状部材20Eは、圧力室21の一部21eを構成する溝部と、中間供給流路23の一部23eを構成する開口部とを形成している。中間供給流路23の一部23eは、ノズル配列方向において架橋部24eで複数に分割され、複数の圧力室21に通じる複数の中間供給流路23の一部23a~23dに跨って設けられている。
また、板状部材20Aは、空気室の一部62aと、架橋部63aを形成している。板状部材20Bは、空気室の一部62bと、架橋部63bを形成している。板状部材20Cは、空気室の一部62cと、架橋部63cを形成している。板状部材20Dは、空気室の一部62dと、架橋部63dを形成している。板状部材20Eは、空気室の一部62eと、架橋部63eを形成している。
そして、本実施形態では、板状部材20A~29Dで形成する架橋部63a~63eは、流路板20の厚み方向で隣り合う架橋部63とは、ノズル配列方向において異なる位置に配置されている。
このように構成することで、流路板20の厚み方向で隣り合う架橋部同士の接合不良による異常振動の発生を防止できる。また、本実施形態では、架橋部の配置位置パターンは2つとしているので、部品の共通化などを図れる。ただし、架橋部の配置位置パターンは3つ以上とすることもできる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例について図22及び図23を参照して説明する。図22は同装置の要部平面説明図、図23は同装置の要部側面説明図である。
この印刷装置500は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド1とヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。
液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド1は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド1は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
この印刷装置500は、用紙4101搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド1に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド1の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド1のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの印刷装置500においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を 気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
1 液体吐出ヘッド
10 ノズル板
11 ノズル
20 流路板
21 圧力室
30 振動板部材
40 圧電アクチュエータ
50 共通流路部材
51 共通流路
61 ダンパ領域
62 空気室
63、63a~63e 架橋部
403 キャリッジ
440 液体吐出ユニット
500 印刷装置(液体を吐出する装置)

Claims (9)

  1. 液体を吐出する複数のノズルを有するノズル板と、
    前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を形成する流路板と、
    前記複数の圧力室に連通する共通流路を形成する共通流路部材と、
    前記共通流路の壁面の一部に変形可能な領域を形成する壁面部材と、を備え、
    前記流路板と前記共通流路部材とは前記壁面部材を挟んで配置され、
    前記流路板には前記変形可能な領域が臨む気体室が設けられ、
    前記流路板は、前記気体室をノズル配列方向において部分的に分断する架橋部を有し、
    前記架橋部は、前記壁面部材及び前記ノズル板と接していない
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記架橋部は、前記壁面部材側及び前記ノズル板側から離れている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記架橋部は、前記壁面部材側から離れており、前記ノズル板には前記架橋部に対応して凹部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記変形可能な領域には、前記架橋部に対応する部分で、前記共通流路側に補強部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記流路板は、複数の板状部材が積層されて構成され、
    前記ノズル板側の板状部材及び前記壁面部材側の板状部材には、少なくとも前記ノズル板又は前記壁面部材に接していない前記架橋部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記複数の板状部材の前記架橋部は、少なくとも2枚の板状部材間において、ノズル配列方向で異なる位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記複数の板状部材の前記架橋部は、少なくとも積層方向で隣接する2枚の板状部材間において、ノズル配列方向で異なる位置に設けられている
    ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えている
    ことを特徴とする吐出ユニット。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項8に記載の吐出ユニットを備えている
    ことを特徴とする液体を吐出する装置。
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