JP7341615B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
図2は、本実施例のスライド回転機構の斜視図である。なお、本実施例では、左前の席(例えば助手席)に好適な車両用シート1について述べるが、他の席にも適用可能である。なお、車両の右側の席に適用した場合には、左右を入れ替えた構成となる。
図3は、左右一対のロアレール5L,5Rと、これらを連結する連結板6と、を示す平面図である。ロアレール5L,5Rは、鉄などの金属材料からなる、車両の前後方向に沿って延びるレールであり、車両の床面に対して、リベットなどの固定部材を用いて取付けられる。
連結板6の幅方向の略中央には、前後方向に延びる案内溝6aが形成されており、後述するパイプ挿通部11b底面の凸部が挿入できるようになっている。この案内溝6aは、回転盤11の回転動作を支持する回転支持部としての役割と、回転盤11の前後方向へのスライド動作を案内するスライド案内部としての役割と、を有する。また、連結板6の前後方向中央を幅狭にすることで、側方切欠部6bが形成され、連結板6が軽量化されている。そして、連結板6の前方寄りに案内溝6aを設けることで、後方切欠部6cも形成され、連結板6の更なる軽量化が図られている。なお、本実施例では連結板6とロアレール5L,5Rとを別体で形成しているが、これらを一体で形成しても良い。
図4は、左右一対のアッパレール7L,7Rと、これらのアッパレールを駆動する左右一対の駆動部(モータ8L,8R及びギヤボックス9L,9R等)と、各アッパレール7L,7Rに対して伸縮可能に接続される接続パイプ10と、を示す平面図である。アッパレール7L,7Rは、鉄などの金属材料からなる、車両の前後方向に沿って延びるレールであり、それぞれに設けられた駆動部によってロアレール5L,5R上をスライドする。
ここで、本実施例では、各アッパレール7L,7Rに同様の駆動部を設けているため、左側のアッパレール7Lを例に挙げて、駆動部の詳細について説明する。駆動部は、スクリューネジ(図示せず)と、ギヤボックス9Lと、モータ8Lと、を有している。スクリューネジは、アッパレール7Lの長手方向(前後方向)に挿通された状態で、一端(後端)側がアッパレール7Lに設けられた軸受で回動可能に支持され、他端(前端)側がギヤボックス9Lに連結されている。また、ギヤボックス9Lは、アッパレール7Lに固定され、モータ8Lのシャフトと連結されている。モータ8Lは、制御部によって制御される。そして、モータ8Lで発生させた回転力がギヤボックス9Lで減速されてスクリューネジに伝達され、このスクリューネジに噛合してロアレール5Lに固定されるナット部材の位置が、当該スクリューネジの回転に伴って前後方向に移動することで、アッパレール7Lがロアレール5Lに対して相対移動する。
接続パイプ10は、径の異なる筒状部材を組み合わせた伸縮可能なパイプとなっており、縮んだ状態では大径部に小径部が入り込み、伸びた状態では大径部から小径部が抜け出すようにして、伸縮が可能である。また、接続パイプ10の一端(左端)は、軸支部10aによってアッパレール7Lの上部に対し回転可能に支持され、接続パイプ10の他端(右端)は、同様に軸支部10aによってアッパレール7Rの上部に対し回転可能に支持されている。したがって、一方のアッパレールが駆動部により回転軸13に対して前方へ移動し、他方のアッパレールが駆動部により回転軸13に対して後方へ移動した場合には、それに追従するように、接続パイプ10が伸縮する。すなわち、一方のアッパレールを他方のアッパレールに対して前後方向に相対移動させた場合には、回動力が発生し、接続パイプ10が鉛直軸を中心に回転する。
図5は、回転盤11と、この回転盤11上に固定されるライザ12L,12Rと、を示す平面図である。回転盤11は、ライザ12L,12Rを介してクッションフレームを載置するものであり、シートクッション2と一体となって、前後方向へスライドしたり、鉛直軸を中心に回転したりする。また、回転盤18の後端部における切り欠きは、後席者の足元のスペースを確保するために形成されている。
図6は、本実施例のスライド回転機構の背面図であり、図7は、本実施例のスライド回転機構を下方から見た平面図である。図6に示すように、回転盤11の下面側には、接続パイプ10を挿通するパイプ挿通部11bが、一体又は別体で設けられている。このため、左右一対のアッパレール7L,7Rが前後方向に相対移動することで接続パイプ10が回転すると、それに同期してパイプ挿通部11b及び回転盤11も回転する。つまり、左右一対の相対移動により発生した回動力が、接続パイプ10とパイプ挿通部11bとからなる回動力伝達部によって、回転盤11に伝達される。
図2及び図5に示す通り、ライザ12L,12Rは、左右それぞれの前後に合計4か所設けられ、これらによってクッションフレームを安定的に支持している。各ライザ12L,12Rは、一枚の金属板をプレス加工して成型することで側壁部及び底壁部が形成されており、側壁部に対してクッションフレームがボルト等で固定され、底壁部の前後2か所で、ライザ固定部材12aによって回転盤11上面に固定されている。このように、ライザ12L,12Rが、アッパレール7L,7Rではなく、回転盤11に対して固定されているので、ライザ12L,12Rが支持するクッションフレームを、回転盤11の回転に伴って一体的に回転させることができる。
また、車両用シート1は、図示しないシートベルト装置を備えている。そして、本実施例のシートベルト装置は、ウェビングと、リトラクタと、バックルと、アンカと、を有する。リトラクタは、シートバック3の内部のバックフレーム等に取付けられる場合もある。ただし、シートベルト装置を車両用シート1に搭載する仕様に限らず、例えばリトラクタを車両に固定するなど、シートベルト装置を車両側に搭載する仕様であっても良い。シートベルト装置の少なくとも一部を車両側に搭載すれば、高い強度が保持できる。
次に、図8~図10を用いて、本実施例のスライド回転機構の動作について説明する。図8~図10は、本実施例のスライド回転機構を上方から見たときの平面図であり、図8は回転前の状態、図9は左へ回転した状態、図10は右へ回転した状態、をそれぞれ示している。
通常PWRスライド機構は、駆動側と従動側の2本で構成され、駆動側にモータを搭載し、その駆動力がケーブルを介して従動側へ供給されることで、前後作動を可能にしている。しかし、本実施例に係る構造は、右側/左側のスライドレールがそれぞれ独立のモータを搭載しているため、通常スライド時の同期作動に関してずれが生じる可能性がある。そこで、回転動作と通常のスライド動作との両方を可能にする方法を説明する。
本実施例によれば、以下の効果を得ることが可能である。まず、前後方向にスライドさせるモータ等を利用することで、シートを回転させるために専用のモータ等を設けなくても、回転機能付きの車両用シートを安価に提供できる。また、シート幅方向中心の鉛直軸を中心にシートが回転できるので、シートの回転軌跡が小さくなり、限られた幅方向スペースであっても、回転機能付きの車両用シートを配置できる。
図11は、本実施例のスライド回転機構の斜視図である。本実施例の回転盤18は、後述の樹脂スライダ19によってアッパレール7L,7Rと連結されているため、回転盤18が受ける乗員の荷重を、アッパレール7L,7Rで受けることが可能となり、信頼性の高いスライド回転機構を実現できる。
図12は、回転盤18と、この回転盤18上に固定されるライザ15L,15Rと、このライザ15L,15Rに連結されるリフターリンク(前側リンク16L1,後側リンク16L2,前側リンク16R1,後側リンク16R2)と、を示す、上方から見たときの平面図である。リフターリンクは、ライザに対してクッションフレームを昇降させるものであり、クッションフレームの前側とライザ15L,15Rの前側とを接続する前側リンク16L1,16R1と、クッションフレームの後側とライザ15L,15Rの後側とを接続する後側リンク16L2,16R2と、を有している。本実施例の回転盤18も、アッパレール7L,7Rと共に前端位置から後端位置まで前後方向へ移動可能であり、かつ、左右のロアレール5L,5Rの中間位置にある回転軸を中心として回転可能となっている。
図14は、図13における点線部分の拡大図である。本実施例のアッパレール7L,7Rは、前後方向の所定箇所の上面に、複数の孔を有している。そして、連結部であるスタッドボルト20が、回転盤18の長孔18bを貫通するとともに、アッパレール7L,7R上面の孔も貫通している。スタッドボルト20の両端側にはネジ部が形成されており、下端側はアッパレール7L,7Rの上面に固定され、上端側はワッシャ21を介してキャップボルト22が締結されている。なお、スタッドボルト20の上端側は、回転盤18の長孔18bとの嵌合状態を維持するよう抜け止め支持されていれば、他の構造であっても良い。
図15は、本実施例の車両用シートの構成を示すブロック図である。図15に示すように、本実施例の車両用シート1は、電子制御部(ECU)23と、内側レール駆動用モータ24と、外側レール駆動用モータ25と、シート位置スイッチ26と、乗員検知センサ27と、を備えている。
乗員が乗車するのを出迎える、乗車モードにおけるスライド回転機構の動作について、左側の席を例に挙げて説明する。
乗員が降車するのを送り出す、降車モードにおけるスライド回転機構の動作について、左側の席を例に挙げて説明する。
自動運転が設定されている際、左右に隣り合う席が互いに向かい合う向きに回転される、会議/パーティモードにおけるスライド回転機構の動作について、説明する。
その後、各ECU23は、内側レール駆動用モータ24及び外側レール駆動用モータ25を駆動させることで、回転盤18を前後方向にスライドさせ、回転盤18を最後方の位置まで移動させる。これにより、車両用シート1を設置する前後方向スペースに制約がある場合であっても、会議/パーティモードにおいて、シートクッション2を内側に向けつつ後方にも下げることにより、乗員がゆとりをもって着座しながら会話を楽しむことが可能となる。
自動運転が設定されている際、左右に隣り合う席が互いに背を向ける向きに回転される、プライベートモードにおけるスライド回転機構の動作について、説明する。
2:シートクッション
3:シートバック
4:ヘッドレスト
5L,5R:ロアレール
6:連結板
6a:案内溝
6b:側方切欠部
6c:後方切欠部
7L,7R:アッパレール
7a:ブラケット
8L,8R:モータ
9L,9R:ギヤボックス
10:接続パイプ
10a:軸支部
10b:湾曲部
10c:伸縮部
11:回転盤
11a:切欠部
11b:パイプ挿通部
12L,12R:ライザ
12a:ライザ固定部材
13:回転軸
14:抜止部材
15L,15R:ライザ
16L1,16R1:前側リンク
16L2,16R2:後側リンク
17:ブラケット
18:回転盤
18a:パイプ用孔
18b:長孔
18c:凸部
18d:パイプ挿通部
19:樹脂スライダ
20:スタッドボルト
21:ワッシャ
22:キャップボルト
23:電子制御部(ECU)
24:内側レール駆動用モータ
25:外側レール駆動用モータ
26:シート位置スイッチ
27:乗員検知センサ
28:車両ECU
29:スマートフォン
Claims (8)
- 回転軸を中心に回転可能な回転盤と、
前記回転盤に載置されるクッションフレームと、
前記クッションフレームに取付けられたシートクッションと、
前後方向に延びる左右一対のロアレールと、
前記ロアレールに対して相対移動する左右一対のアッパレールと、
前記アッパレールを前後方向に摺動させる左右一対の駆動部と、
一端が一方の前記アッパレールに対し回転可能に支持され他端が他方の前記アッパレールに対し回転可能に支持された伸縮可能な接続パイプと、
前記回転盤に設けられて前記接続パイプを挿通するパイプ挿通部と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、車両の制御装置から入力される信号に基づいて、一方の前記アッパレールを前記回転軸に対して前方へ移動させ、他方の前記アッパレールを前記回転軸に対して後方へ移動させることで、回動力を発生させ、
前記回動力が、前記接続パイプと前記パイプ挿通部によって前記回転盤に伝達されることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
前記回転盤は、前記アッパレールと共に前端位置から後端位置まで前後方向へ移動可能であって、
前記回転軸が左右の前記ロアレールの中間位置にあることを特徴とする車両用シート。 - 請求項2に記載の車両用シートにおいて、
前記制御部は、前記回転盤が前記前端位置と前記後端位置との中間位置にあるときに、前記回転盤を回転させることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
自動運転の設定中に所定の操作がされた場合、前記制御部は、前記車両の制御装置から信号が入力され、前記シートクッションが前記車両の内側を向くように、前記回転盤を回転させることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
前記制御部は、自動運転の設定中に、乗員が所持する携帯無線端末に着信があったことを示す信号が、前記携帯無線端末から入力されると、前記シートクッションが前記車両の外側を向くように、前記回転盤を回転させることを特徴とする車両用シート。 - 請求項5に記載の車両用シートにおいて、
前記制御部は、前記信号が入力された場合、乗員が所持する携帯無線端末へ回転可否を確認する信号を出力し、前記携帯無線端末から回転を許可する信号が入力されると、前記回転盤を回転させることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
乗員が着座したことを検知する乗員検知センサを備え、
前記制御部は、車両のドアが開いたことを示す信号が、前記車両の制御装置から入力されると、前記シートクッションが前記車両の外側を向くように、前記回転盤を回転させ、
前記制御部は、前記乗員が乗車したことを示す信号が、前記乗員検知センサから入力されると、前記シートクッションが元の位置に戻るように、前記回転盤を回転させることを特徴とする車両用シート。 - 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
乗員が着座したことを検知する乗員検知センサを備え、
前記制御部は、車両のシフトレンジがパーキングレンジの状態にあることを示す信号と、前記車両のドアが開いたことを示す信号と、が前記車両の制御装置から入力されると、前記シートクッションが前記車両の外側を向くように、前記回転盤を回転させ、
前記制御部は、前記乗員が降車したことを示す信号が、前記乗員検知センサから入力され、かつ、前記車両のドアが閉じたことを示す信号が、前記車両の制御装置から入力されると、前記シートクッションが元の位置に戻るように、前記回転盤を回転させることを特徴とする車両用シート。
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