JP7341044B2 - アシスト器具 - Google Patents
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これにより、作業者の前後バランスの悪化を補う為に、作業者は、膝を曲げて身体全体を少し後側にそらして、作業者の前後バランスを修正したり、右脚又は左脚を少し前に出して身体を支えたりすることがある。
これにより、アーム部及びウェイトにより下向きのモーメントが発生するのであり、下向きのモーメントが、アーム部、本体部及び肩ベルトを介して、上向きのモーメントに変換されて、作業者の上半身に伝達され、本体部及び肩ベルトにより作業者の上半身が支えられる。
作業者から取り外されたアシスト器具を持ち運んだり格納しておくような場合、アーム部を非作業姿勢に設定しておくことにより、アシスト器具を容易に持ち運ぶことができ、アシスト器具を格納場所にコンパクトに格納することができる。
これにより、アーム部の本体部に対する姿勢を、作業に適した姿勢に設定することができるようになって、アシスト器具の補助機能を向上させることができる。
アシスト器具を装着した作業者が前傾状態になると、アーム部が本体部の下部から作業者の上半身の反対側に延出されたアシスト姿勢に設定されて、ウェイトが作業者から離れる。
これにより、アーム部及びウェイトにより下向きのモーメントが発生するのであり、下向きのモーメントが、アーム部、本体部及び肩ベルトを介して、上向きのモーメントに変換されて、作業者の上半身に伝達され、本体部及び肩ベルトにより作業者の上半身が支えられる。
作業者が前傾状態になって作業者の重心が前側に移動しても、アーム部がアシスト姿勢に設定されることにより、ウェイトが作業者から離れるので、作業者の重心の前側への移動がウェイトにより相殺されて、作業者の前後バランスの悪化が抑えられる。
以上のように、作業者が前傾状態を維持するような場合、作業者の前後バランスの悪化を抑えながら、作業者の上半身を支えることができるようになって、アシスト器具の補助機能を向上させることができる。
本発明によると、アシスト器具を装着した作業者が起立状態になると、アーム部が本体部の下部から下側に延出されて上下方向に沿った非アシスト姿勢に設定され、ウェイトが作業者の脚に接近する状態となる。
この状態において、アーム部及びウェイトによる下向きのモーメントは、殆ど発生しないか又は発生しても小さなモーメントである点、並びに、作業者からアーム部及びウェイトが横方向に大きく出る状態とはならない点により、アシスト器具を装着した作業者において起立状態での作業が妨げられることはない。
本発明によると、例えば、アシスト器具を装着した作業者において前傾状態でのアシスト器具の補助が必要ない場合、アーム部の延出部分が本体部の下部に接近した非作業姿勢に、アーム部を設定しておくと、アーム部が本体部の下部から下側に延出された状態とはならず、ウェイトは作業者の腰や臀部、太腿に接近した状態となるので、アシスト器具を装着した作業者の作業が妨げられることはない。
アシスト器具を装着した作業者が前傾状態になると、アーム部が本体部の下部から作業者の上半身の反対側に延出されたアシスト姿勢に設定されて、ウェイトが作業者から離れる。
これにより、アーム部及びウェイトにより下向きのモーメントが発生するのであり、下向きのモーメントが、アーム部、本体部及び肩ベルトを介して、上向きのモーメントに変換されて、作業者の上半身に伝達され、本体部及び肩ベルトにより作業者の上半身が支えられる。
作業者が前傾状態になって作業者の重心が前側に移動しても、アーム部がアシスト姿勢に設定されることにより、ウェイトが作業者から離れるので、作業者の重心の前側への移動がウェイトにより相殺されて、作業者の前後バランスの悪化が抑えられる。
以上のように、作業者が前傾状態を維持するような場合、作業者の前後バランスの悪化を抑えながら、作業者の上半身を支えることができるようになって、アシスト器具の補助機能を向上させることができる。
本発明によると、アシスト器具を装着した作業者が起立状態になると、アーム部が本体部の下部から上側に延出されて上下方向に沿った非アシスト姿勢に設定され、ウェイトが作業者の肩や後頭部に接近する状態となる。
非アシスト姿勢において、アーム部及びウェイトが作業者の脚に対して上側に離れるので、作業者が脚を大きく動かして行う作業において有利になる。
本発明によると、アシスト器具を装着した作業者が起立状態及び前傾状態になるとにより、アーム部操作機構によって、アーム部が本体部の下部の支点周りに揺動操作されて非アシスト姿勢及びアシスト姿勢に自動的に操作されるので、アシスト器具の補助機能を向上させることができる。
同様に、作業者が前傾状態から起立状態になる場合、作業者(本体部)が前傾状態から後側の起立状態になることに伴なって、アーム部が本体部に接近した非アシスト姿勢に向けて前側に揺動していく状態となる。
これにより、作業者は前後バランスを崩すことなく無理なく、起立状態から前傾状態及び前傾状態から起立状態になることができる。
これにより、アシスト器具を装着した作業者の動作によりウェイトが作業場所の壁や棚等に接触しても、作業者に伝達される衝撃が緩和されるのであり、衝撃により作業者がバランスを崩すような状態が少なくなる。
本発明の実施形態における方向は、作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者から視て前側が「前」であり、後側が「後」であり、上側が「上」であり、下側が「下」であり、右側が「右」であり、左側が「左」である。
図1,2,3,4に示すように、アシスト器具は、本体部1、作業者がアシスト器具を装着する為の装着部2、本体部1に支持されたアーム部3、及びウェイト4等が設けられて、構成されている。
図1,2,3,4に示すように、本体部1は、上下方向に沿って配置された右及左の支持フレーム5、右及び左の支持フレーム5の上部に亘って左右方向に沿って連結された上部フレーム6、右及び左の支持フレーム5の下部に亘って連結された支点部7等が設けられており、上下方向に沿った枠状に構成されている。
支点部7は、平板状の板材が平面視でチャンネル状に折り曲げられて構成されており、支点部7の右部7a及び左部7bに亘って、補強部材8が連結されている。
図1,2,3,4に示すように、装着部2は、接続部13、装着上部14、装着下部15、肩ベルト16及び腰ベルト17等が設けられて、構成されている。
図1,2,3,4に示すように、右及び左のアーム部3が設けられており、アーム部3は細長い平板状の部材により構成されている。四角形の枠状の補強部材24が、右及び左のアーム部3の基部3aに亘って連結されている。
図1,4,5に示すように、支点部7の右部7a及び左部7bの外面に、ボス部26が連結されている。右及び左のアーム部3の基部3aの内面に、ボス部27及び半リング状の補強部材28が連結されている。右及び左のアーム部3の基部3a及び補強部材28に、複数の固定孔31,32,33,34が、半円状に配置されて開口されている。
以上のように、ロックピン10(前述の(本体部の構成)を参照)、支点軸29及び右のアーム部3の固定孔31~34等を有する姿勢変更機構30が備えられている。
姿勢変更機構30において、作業者が、ロックピン10をアーム部3の固定孔31~34から抜き操作し、アーム部3を本体部1の下部の支点P1周りに揺動させて、ロックピン10をアーム部3の固定孔31~34のうちの一つに挿入することにより、本体部1に対するアーム部3の姿勢を変更して固定することができる。
図1,2,3,4に示すように、アシスト器具を装着する場合、作業者は、腕及び肩を肩ベルト16に入れて、バックル部23により右及び左の接続ベルト22を連結するのであり、腰ベルト17を腰に巻き付けて、バックル部21により右及び左の腰ベルト17を連結する。
図1に示す状態から図6に示すように、作業者が起立状態から前傾状態になると、アーム部3が本体部1の下部から作業者の上半身の反対側に延出されたアシスト姿勢A22(A12)に設定されて、ウェイト4が作業者の脚から後側に離れる。
この状態において、作業者が荷物B1を持った場合、本体部1及び肩ベルト16(上向きのモーメントM2)により、作業者の上半身が支えられる。
アシスト器具を装着した作業者において、前述のような前傾状態でのアシスト器具の補助が必要ない場合では、前述の(姿勢変更機構によるアーム部の操作)及び図1に示すように、作業者は、ロックピン10を固定孔33に挿入して、アーム部3を本体部1に対して非作業姿勢A3に設定すればよい。非作業姿勢A3において、アーム部3の延出部分及びウェイト4は、作業者の肩や後頭部に接近した状態となる。
図7に示すように、本体部1において、支持フレーム5が側面視で直線状に構成され、支持フレーム5に沿って開口された長孔及び固定用のボルト等を有する姿勢変更機構30が備えられてもよい。
アシスト器具が、図8に示すように構成されてもよい。
図8に示すアシスト器具において、図3及び図4に示す本体部1、装着部2、アーム部3及びウェイト4が備えられており、姿勢変更機構30は備えられていない。姿勢変更機構30に代えて、アーム部操作機構35が本体部1の下部に設けられている。
前述の(発明の実施の第2別形態)において、アーム部操作機構35を以下の説明のように構成してもよい。
前述の(発明の実施の第2別形態)(発明の実施の第3別形態)において、アーム部3が非アシスト姿勢A31に設定された状態で、アーム部操作機構35を停止させると、本体部1の脚アーム部36に対する動作に関係なく、アーム部3が非アシスト姿勢A31に保持されるように構成してもよい。
これにより、非アシスト姿勢A31が、アーム部3の延出部分が本体部1の上部に接近した非作業姿勢A3(図8の左部分参照)となる。
図1~図6の構成、及び(発明の実施の第1別形態)~(発明の実施の第4別形態)において、図9に示すように、アーム部3の延出部分が、先端部と基部3aの側の部分とに分離され、アーム部3の先端部と基部3aの側の部分とが、コイルバネ38(弾性体に相当)を介して連結されるように構成されてもよい。これにより、ウェイト4がコイルバネ38を介してアーム部3の延出部分に取り付けられた状態となる。
コイルバネ38に代えて、板バネ(図示せず)や、少し柔らかな合成樹脂(図示せず)が、弾性体として使用されてもよい。
姿勢変更機構30を廃止して、アーム部3が本体部1に対して、第1姿勢A1又は第2姿勢A2に固定されていてもよく、第1姿勢A1と第2姿勢A2との間の姿勢に固定されていてもよい。
3 アーム部
4 ウェイト
16 肩ベルト
30 姿勢変更機構
35 アーム部操作機構
36 脚アーム部
38 弾性体
A11 非アシスト姿勢
A12 アシスト姿勢
A21 非アシスト姿勢
A22 アシスト姿勢
A31 非アシスト姿勢
A32 アシスト姿勢
A3 非作業姿勢
P1 支点
Claims (8)
- 本体部と、
前記本体部に取り付けられて、作業者の腕が通されることにより、前記本体部が作業者の背中に上下方向に沿って取り付けられるようにする肩ベルトと、
前記本体部の下部に支持されて、前記本体部の下部から延出されたアーム部と、
前記アーム部の延出部分に取り付けられたウェイトとが備えられ、
作業者の上半身が起立した起立状態で、前記ウェイトが作業者に接近するように、前記アーム部が、上下方向に沿った非アシスト姿勢に設定され、且つ、
作業者の上半身が前傾した前傾状態で、前記ウェイトが作業者から離れるように、前記アーム部が、前記本体部の下部から作業者の上半身の反対側に延出されたアシスト姿勢に設定され、
前記起立状態で、前記ウェイトが作業者の脚に接近するように、前記アーム部が、前記本体部の下部から下側に延出されて、上下方向に沿った前記非アシスト姿勢に設定され、
前記アーム部を前記本体部の下部の支点周りに揺動させて、前記アーム部の延出部分が前記本体部の上部に接近した非作業姿勢に、前記アーム部を前記本体部に対して姿勢変更可能な姿勢変更機構が備えられているアシスト器具。 - 前記姿勢変更機構は、前記非アシスト姿勢及び前記アシスト姿勢と前記非作業姿勢との間において、前記アーム部を前記本体部の下部の支点周りに揺動させて、前記アーム部の前記本体部に対する姿勢を任意の姿勢に設定可能である請求項1に記載のアシスト器具。
- 本体部と、
前記本体部に取り付けられて、作業者の腕が通されることにより、前記本体部が作業者の背中に上下方向に沿って取り付けられるようにする肩ベルトと、
前記本体部の下部に支持されて、前記本体部の下部から延出されたアーム部と、
前記アーム部の延出部分に取り付けられたウェイトとが備えられ、
作業者の上半身が起立した起立状態で、前記ウェイトが作業者に接近するように、前記アーム部が、上下方向に沿った非アシスト姿勢に設定され、且つ、
作業者の上半身が前傾した前傾状態で、前記ウェイトが作業者から離れるように、前記アーム部が、前記本体部の下部から作業者の上半身の反対側に延出されたアシスト姿勢に設定され、
前記起立状態で、前記ウェイトが作業者の脚に接近するように、前記アーム部が、前記本体部の下部から下側に延出されて、上下方向に沿った前記非アシスト姿勢に設定され、
前記アーム部を前記本体部に沿ってスライドさせて、前記アーム部の延出部分が前記本体部の下部に接近した非作業姿勢に、前記アーム部を前記本体部に対して姿勢変更可能な姿勢変更機構が備えられているアシスト器具。 - 本体部と、
前記本体部に取り付けられて、作業者の腕が通されることにより、前記本体部が作業者の背中に上下方向に沿って取り付けられるようにする肩ベルトと、
前記本体部の下部に支持されて、前記本体部の下部から延出されたアーム部と、
前記アーム部の延出部分に取り付けられたウェイトとが備えられ、
作業者の上半身が起立した起立状態で、前記ウェイトが作業者に接近するように、前記アーム部が、上下方向に沿った非アシスト姿勢に設定され、且つ、
作業者の上半身が前傾した前傾状態で、前記ウェイトが作業者から離れるように、前記アーム部が、前記本体部の下部から作業者の上半身の反対側に延出されたアシスト姿勢に設定され、
前記起立状態で、前記ウェイトが作業者の背中又は後頭部に接近するように、前記アーム部が、前記本体部の下部から上側に延出されて、上下方向に沿った前記非アシスト姿勢に設定されるアシスト器具。 - 前記本体部の下部の支持支点周りに揺動可能に支持されて、作業者の太腿に取り付けられる脚アーム部が備えられ、
前記本体部の前記脚アーム部に対する動作に基づいて、前記アーム部を、前記本体部の下部の支点周りに揺動させて、前記非アシスト姿勢及び前記アシスト姿勢に操作するアーム部操作機構が備えられている請求項4に記載のアシスト器具。 - 前記アーム部操作機構は、前記本体部の前記脚アーム部に対する動作を、前記アーム部に機械的に伝達して、前記本体部の前記脚アーム部に対する動作により、前記アーム部を前記本体部の下部の支点周りに揺動させる請求項5に記載のアシスト器具。
- 前記ウェイトにおける前記アーム部の取付位置が、前記アーム部の延出方向に沿って変更可能である請求項1~6のうちのいずれか一項に記載のアシスト器具。
- 前記ウェイトが弾性体を介して前記アーム部の延出部分に取り付けられている請求項1~7のうちのいずれか一項に記載のアシスト器具。
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