本発明のゲームシステムを図面に基づいて説明する。
情報処理装置1は、シンボル表示領域において、入賞であるか否かを判定するための入賞ラインを上下・左右のパターンで設定するように構成されている。これにより、リールを増やすことなく入賞ラインを増加させることが可能となっている。
図1に示すように、情報処理装置1は、スキャッタシンボル510と、ペイライン220上で入賞が判定されるペイラインシンボル520とを含む複数のシンボル500が再配置されるマトリクス状のシンボル表示領域21を表示するディスプレイ2を有している。そして、情報処理装置1は、スロットゲームを実行し、シンボル表示領域21の行方向および列方向にペイライン220を設定して入賞判定を行う処理と、シンボル表示領域21にスキャッタシンボル510が再配置されたスロットゲームにおいて所定条件が成立している場合、当該スキャッタシンボル510を当該スロットゲームの次のスロットゲームにおいてシンボル表示領域21における同じ位置に再配置する処理と、を実行する。
情報処理装置1は、インターネット回線101を介して、サーバ10にデータ通信可能に接続されており、情報処理装置1と、サーバ10とを有するゲームシステム100が構成されている。尚、ゲームシステム100はこれに限定されず情報処理装置1のみで構成されていてもよい。また、情報処理装置1は、スマートフォン等の端末装置とサーバとを有するゲームシステム自体を意味するものであってもよい。また、本実施形態で説明する情報処理装置1の機能は、ゲームシステムの構成要素の何れが備えるものであってもよい。
複数の情報処理装置1には、各情報処理装置1のOS(Operating System)に応じたアプリケーションストアサーバ等を介して共通のアプリケーションがインストールされている。本実施形態では、情報処理装置1にインストールされたアプリケーションにおけるゲーム要素としてスロットゲームがプレイ可能にされている。即ち、ユーザは、このアプリケーション上でスロットゲームをプレイすることが可能となる。尚、スロットゲームは、アプリケーションのアドインでもよい。即ち、スロットゲームは、アプリケーションの追加機能として、アプリケーションとは別にアプリケーションストアサーバやサーバ10等で提供されるものであってもよい。また、アプリケーションにおいて、演出態様や、ルールの異なる複数種類のスロットゲームがプレイ可能にされていてもよい。尚、アプリケーションは、ウェブブラウザであってもよい。
詳細は後述するが、スロットゲームは、累積可能なゲーム価値の消費を条件として開始される。スロットゲームの結果、入賞があった場合には入賞の種別と消費したゲーム価値とに応じたゲーム価値が、累積されたゲーム価値に追加される。このように、情報処理装置1は、結果に応じて、累積可能なゲーム価値を増減させるスロットゲームを実行する。ゲーム価値は、スロットゲームを開始するためだけに用いられる金銭的な価値を有さない情報(ゲームポイント)であってもよいし、金銭的な価値に相当する電子的な有価情報であってもよい。
図1に示すように、本実施形態で例示する情報処理装置1は、所謂スマートフォンであり、筐体11の前面に設けられたディスプレイ2と、ディスプレイ2の全面に設けられたタッチパネル5と、を有している。ディスプレイ2には、ゲームが開始されることでシンボルの変動表示及び停止表示が行われるシンボル表示領域21が設けられる。
シンボル表示領域21は、9つのスクロール領域210(スクロール領域211・212・213・214・215・216・217・218・219)を有している。スクロール領域210は、3列3行のマトリクス状に配列されている。スロットゲームが開始されると、各スクロール領域210のそれぞれの領域で複数のシンボルが配列されたシンボル列を有するビデオリールがスクロールされる。ビデオリールのスクロールが停止した際には、各スクロール領域210において、それぞれ1つのシンボルが再配置される。即ち、シンボル表示領域21には、9つのシンボルが再配置される。
上述のように、シンボル500は、ペイラインシンボル520と、スキャッタシンボル510とを含む。ペイラインシンボル520はペイライン方式で入賞判定が行われ、スキャッタシンボル510はスキャッタ方式で入賞判定が行われる。ペイライン方式では、シンボル表示領域21に設定されたペイラインが用いられる。
本実施形態において、ペイライン220は、3つのスクロール領域210の組み合わせを示す。ペイラインは、列方向に並ぶスクロール領域210から1つずつ選択された行方向ペイライン221と、行方向に並ぶスクロール領域210から1つずつ選択された列方向ペイライン222と、を有している。
例えば、図1に示すように、列方向に並ぶスクロール領域211・214・217からスクロール領域214が選択され、列方向に並ぶスクロール領域212・215・218からスクロール領域212が選択され、列方向に並ぶスクロール領域213・216・219からスクロール領域213が選択され、選択されたスクロール領域214・215・216を有する行方向ペイライン221が設定される。また、例えば、行方向に並ぶスクロール領域211・212・213からスクロール領域212が選択され、行方向に並ぶスクロール領域214・215・216からスクロール領域214が選択され、行方向に並ぶスクロール領域217・218・219からスクロール領域218が選択され、選択されたスクロール領域212・215・218を有する列方向ペイライン222が設定される。以下、ペイライン220が有するスクロール領域210に再配置されたシンボルを、ペイライン上のシンボルと称す。
ペイライン方式では、このように設定されたペイライン220上のシンボルが所定の態様である場合に当該態様に応じた入賞となる。本実施形態では、所定の態様とは、ペイライン上のシンボルが全て同じ種類のペイラインシンボル520であること、または、ペイライン上のシンボルが全て同じ種類に属するペイラインシンボル520であること、であるがこれに限定されない。本実施形態において設定されるペイライン220については後述する。
スキャッタ方式では、シンボル表示領域21に再配置されたスキャッタシンボル510が所定数以上である場合に入賞となる。本実施形態では、スキャッタシンボル510は、通常スキャッタシンボル511、ダブルスキャッタシンボル512、リスピンスキャッタシンボル513、及び、ボーナススキャッタシンボル514を有しており、3種類の入賞が判定される。具体的に、スキャッタシンボル510による入賞は、固定配当と、リスピンと、ボーナストリガーとである。固定配当は、通常スキャッタシンボル511、ダブルスキャッタシンボル512、リスピンスキャッタシンボル513、及び、ボーナススキャッタシンボル514が合わせて4つ以上シンボル表示領域21に再配置された場合に入賞となる。固定配当では、再配置されたスキャッタシンボル510の数に応じた配当が付与される。尚、ダブルスキャッタシンボル512は、2個分のスキャッタシンボル510として計算される。
また、図1に示すように、リスピンは、リスピンスキャッタシンボル513が1以上再配置された場合に入賞となる。リスピンに入賞した場合、再配置された全てのスキャッタシンボル510が次ゲームでも同じ位置に再配置され、さらに次ゲームでのベットが不要なフリーゲームとなる。ボーナストリガーは、ボーナススキャッタシンボル514が3以上再配置された場合に入賞となる。ボーナストリガーとなった場合、複数回のフリーゲームをプレイするボーナスゲームとなる。当該ボーナスゲームでは、シンボル表示領域21における所定の位置に、通常スキャッタシンボル511が再配置され続けるようになっている。
このように、情報処理装置1は、スキャッタシンボル510と、ペイライン220上で入賞が判定されるペイラインシンボル520とを含む複数のシンボル500が再配置されるマトリクス状のシンボル表示領域21を表示するディスプレイ2を有している。そして、情報処理装置1は、スロットゲームを実行し、シンボル表示領域21の行方向および列方向にペイライン220を設定して入賞判定を行う処理と、シンボル表示領域21にスキャッタシンボル510が再配置されたスロットゲームにおいて所定条件が成立している場合、当該スキャッタシンボル510を当該スロットゲームの次のスロットゲームにおいてシンボル表示領域21における同じ位置に再配置する処理と、を実行する。本実施形態において、所定条件は、リスピンスキャッタシンボル513が停止すること、及び、ボーナストリガーに入賞することの何れかである。
このように、従来のような行方向のペイラインでだけでなく、列方向のペイラインが設定されるため、従来よりも多くのペイライン220で入賞判定が行われる。また、スキャッタシンボル510が再配置されたゲームにおいて所定条件が成立している場合には、次ゲームにおいてもスキャッタシンボル510が維持される。これにより、スキャッタシンボル510が停止したゲームにおいてスキャッタシンボル510による入賞が無かったとしても、所定条件が成立していればスキャッタシンボル510が維持されるため、次ゲームにおいてスキャッタシンボル510による入賞確率が向上される。その結果、スキャッタシンボル510によってペイライン220の入賞が阻害されることに対し、スキャッタシンボル510による入賞確率の向上によって補填することができる。
また、情報処理装置1は、通常のスロットゲームよりも有利なスロットゲームを実行するボーナスゲームにおいて、シンボル表示領域21における所定の位置に、スキャッタシンボル510を再配置し続ける。このように、ボーナスゲームにおいてスキャッタシンボル510が所定の位置に再配置し続けるため、スキャッタシンボル510による入賞確率がより向上される。
このような構成は、シンボル表示領域に再配置されるシンボル数が少ないほどより効果的に機能する。即ち、シンボル表示領域に再配置されるシンボル数が少ないほど、設定されるペイライン数の上限は減少し、1つのスキャッタシンボルによってペイラインによる入賞が阻害される確率が増加してしまうためである。従って、本実施形態のような3列3行のマトリクスで構成されるシンボル表示領域21に上述のような構成が適用されることが好ましいがこれに限定されない。また、本実施形態では、列数と行数とが同じシンボル表示領域を用いているがこれに限定されない。
なお、スキャッタシンボルが次のスロットゲームにおいて同じ位置に再配置される場合、スキャッタシンボルは次のスロットゲームのゲーム結果が出るまで表示され続けるものであってもよいし、次のスロットゲームでの変動表示の結果として同じ位置に表示されるものであってもよい。
上述のように、情報処理装置1は、筐体11の前面に設けられたディスプレイ2と、ディスプレイ2の全面に設けられたタッチパネル5と、を有している。本実施形態では、情報処理装置1は、スマートフォンを例示するが、携帯型及び据置型の何れであってもよい。携帯型の情報処理装置1としては、ポータブルコンピュータやラップトップコンピュータ、タブレット型パソコン、ハンドヘルド型パソコン、PDA(Personal Data Assistant)、等の携帯情報機器が例示される。
ディスプレイ2は、画像を表示可能に構成されている。ディスプレイ2の表示方式としては、液晶方式、有機エレクトロルミネッセンス方式、CRT(Cathode Ray Tube)方式、プラズマ方式等の各種の表示方式が例示される。タッチパネル5は、ユーザの指等が接触した部位の座標を検出可能に構成されている。タッチパネル5には、電磁誘導方式、及び、静電容量方式等の既知の技術が採用される。情報処理装置1は、タッチパネル5が検出した座標からユーザが接触した画面上のオブジェクト、及び、スワイプ等のタッチの態様等を判定する。そして、情報処理装置1は、その判定結果に応じた応答を行う。尚、以下の説明において、情報処理装置1がユーザの入力対象となったオブジェクトを判定することを、ユーザがオブジェクトに対して選択やタッチ操作を行った、と記載する場合がある。
尚、タッチパネル5は、ディスプレイ2の全面に設けられることに限定されない。例えば、タッチパネル5は、筐体11のディスプレイ2とは反対側の裏側に設けられるものであってもよい。また、タッチパネル5は、ディスプレイ2の一部に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、タッチパネル5が入力装置として作動し、スワイプ操作やタッチ操作等を受け付けるようになっているがこれに限定されない。例えば、入力装置として、マイクやカメラであってもよく、ユーザの音声やジェスチャを指示操作として受け付けてもよい。
図2に示すように、情報処理装置1は、CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、操作ボタン108、電源スイッチ109、バスライン110、ネットワークI/F111、カメラ112、撮像素子I/F113、マイク114、スピーカ115、音入出力I/F116、ディスプレイI/F117、センサーコントローラ118、近距離通信回路119、近距離通信回路119のアンテナ119aを、筐体11内に備えている。
また、サーバ10は、CPU1101、ROM1102、RAM1103、ハードディスクドライブ等の記憶装置1104、ネットワークI/F1111を備える所謂コンピュータである。
CPU(Central Processing Unit)101は、情報処理装置1におけるコントローラの主たる構成として機能し、情報処理装置1全体の動作を制御する。CPU1101は、サーバ10におけるコントローラの主たる構成として機能し、サーバ10全体の動作を制御する。即ち、CPU101・1101は、ゲームシステム100全体の動作を制御するコントローラとして機能する。ROM(Read Only Memory)102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。
RAM(Random Access Memory)103・RAM1103は、CPU101・CPU1101のワークエリアとして使用される。操作ボタン108は、情報処理装置1を初期設定する場合などに操作されるボタンである。電源スイッチ109は、情報処理装置1の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。
メモリとしてのフラッシュメモリ104は、ゲームプログラム、通信用プログラム、画像データ、及び音データ等の各種データを記憶するコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体である。記憶装置1104は、データベースとして機能し、複数の情報処理装置1毎のゲームデータを記憶するコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体である。サーバ10は、情報処理装置1のゲームプログラムからの要求に対して、適宜記憶装置1104のデータベースを参照して応答を返す。
例えば、フラッシュメモリ104は、コントローラとしてのCPU101が実行するゲームプログラムを含む各種プログラムや各種プログラムが用いる各種のデータを格納する。換言すれば、当該プログラムは、CPU101とフラッシュメモリ104とを備えるコンピュータである情報処理装置1に、各種プログラムが有する処理を実行させる。情報処理装置1をゲームシステム100として考える場合には、フラッシュメモリ104・記憶装置1104が、コントローラとしてのCPU101・CPU1101が実行するゲームプログラムを含む各種プログラムや各種プログラムが用いる各種のデータを格納する。換言すれば、当該プログラムは、CPU101・CPU1101とフラッシュメモリ104・記憶装置1104とを備えるゲームシステム100である情報処理装置1に、各種プログラムが有する処理を実行させる。このように、情報処理装置1の処理や動作をプログラムやゲーム制御方法として置き換えることができる。このように、情報処理装置1の処理や動作をプログラム、プログラムが記憶されたコンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体、及び、ゲーム制御方法等として置き換えることができる。
尚、フラッシュメモリ104及び記憶装置1104に格納されるデータやプログラムは、工場出荷段階において予め格納されていてもよいし、或いは、図示しないサーバ等から通信手段によりダウンロードされて格納されていてもよい。通信手段は、インターネットやケーブルテレビ等の双方向に通信可能な伝送路であってもよいし、一方向にだけ情報を送信する放送であってもよい。また、フラッシュメモリ104及び記憶装置1104に格納されるデータやプログラムは、フロッピーディスクやCD-ROM、DVD-ROM、MO(光磁気ディスク)、フラッシュメモリ等の記録媒体に格納され、必要に応じて記録媒体から読み出されてインストールされてもよい。
ネットワークI/F(Interface)111・ネットワークI/F1111は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。カメラ112は、CPU101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F113は、カメラ112の駆動を制御する回路である。マイク114は、音声を入力する内蔵型の集音手段の一種である。音入出力I/F116は、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイI/F117は、CPU101の制御に従ってディスプレイ2に画像データを送信する回路である。ディスプレイ2は、筐体11の前面に設けられている。センサーコントローラ118は、ディスプレイ2に設けられたタッチパネル5からの入力を受け付ける回路である。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。バスライン110は、CPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
スロットゲームは、情報処理装置1にインストールされたアプリケーションにおけるゲーム要素としてユーザがプレイ可能にされている。スロットゲームは、複数のシンボルがシンボル表示領域21内において変動後に停止され(再配置)、シンボル表示領域21内に表示されたシンボルの組み合わせによりゲーム価値が付与されるゲームである。尚、複数のシンボルがシンボル表示領域内において変動後に停止された状態を『再配置』と称している。スロットゲームでは、通常ゲームを行い、通常ゲームにおいて所定の条件を満たした場合に、通常ゲームよりもユーザに有利なボーナスゲームを実行してもよい。
ゲーム価値は、ゲーム内において擬似的にクレジットの代替として用いられるものであり、スロットゲームの実行条件としてベットに用いられる。即ち、ユーザは、ゲーム価値をベットして1のスロットゲーム(単位ゲーム)をプレイし、スロットゲームの結果としてゲーム価値を獲得し得る。
『単位ゲーム』とは、ベットの受付開始から賞成立となり得る状態までの一連の動作である。即ち、単位ゲームは、ベットを受け付けるベットタイムと、停止されたシンボルを再配置するゲームタイムと、配当を付与する払出処理の払出タイムと、をそれぞれ1回含む状態である。
図3に示すように、スロットゲームを実行するゲーム機とされた情報処理装置1は、下記の機能を有している。具体的に説明すると、情報処理装置1は、BET入力部601とスピン入力部602とを有している。尚、BET入力部601とスピン入力部602は、インプットデバイスの一種である。BET入力部601は、ユーザの操作によりベットを受け付ける機能を有している。スピン入力部602は、ユーザの操作、即ち、スタート操作によりゲームの開始を受け付ける機能を有している。
また、情報処理装置1は、スタートチェック部603と、通常ゲーム実行部605と、ボーナスゲーム開始判定部606と、ボーナスゲーム実行部607と、抽選ゲーム実行部608と、乱数値抽出部615と、シンボル決定部612と、演出用乱数値抽出部616と、演出内容決定部613と、サウンド出力部617と、演出表示処理部618と、入賞判定部619と、賞付与部620と、ゲーム表示処理部631とを有している。
通常ゲーム実行部605は、BET入力部601の操作を条件としてベースゲームである通常ゲームを実行する機能を有している。ボーナスゲーム開始判定部606は、通常ゲームにおいて再配置されたシンボルの組み合わせに基づいてボーナスゲームを実行するか否かを判定する。即ち、ボーナスゲーム開始判定部606は、ボーナストリガー条件が成立されたときに、ボーナスゲームに当選したと判定し、次回の単位ゲームからボーナスゲームを実行するようにボーナスゲーム実行部607に処理を移行する機能とを有している。抽選ゲーム実行部608は、ボーナスゲームを含む複数の賞を抽選する機能を有しており、ボーナスゲーム実行部607の実行後に実行されることによって、ボーナスゲームを繰り返して実行可能にしている。
シンボル決定部612は、ベースゲーム処理部612aと、ボーナスゲーム処理部612bとを有している。これらの処理部612a・612bを含むシンボル決定部612は、乱数値抽出部615からの乱数値を用いて、再配置の対象となるシンボルを決定する機能と、決定したシンボルをディスプレイ2のゲーム領域291において再配置する機能と、シンボルの再配置情報を入賞判定部619に出力する機能と、シンボルの再配置の組合せに基づいて演出指令信号を演出用乱数値抽出部616に出力する機能とを有している。
演出用乱数値抽出部616は、シンボル決定部612から演出指令信号を受けた場合に、演出用乱数値を抽出する機能と、演出用乱数値を演出内容決定部613に出力する機能とを有している。演出内容決定部613は、演出用乱数値を用いて演出内容を決定する機能と、決定した演出内容の映像情報を演出表示処理部618に出力する機能と、決定した演出内容の音声・発光情報をサウンド出力部617に出力する機能と、を有している。
入賞判定部619は、シンボルの再配置情報が得られた場合に、シンボルの組合せに基づいて入賞の有無を判定する機能と、入賞したと判定したときに入賞役に基づいて払い出し量を算出する機能と、払い出し量に基づいた払い出し信号を賞付与部620に出力する機能と、を有している。賞付与部620は、遊技価値をユーザに払い出す機能を有している。
本実施形態において、シンボル決定部612は、前回のスロットゲームにおいて、シンボル表示領域21にスキャッタシンボル510が再配置されており、さらにこのスロットゲームにおいてリスピンスキャッタシンボル513が再配置されていた場合、スキャッタシンボル510が再配置されていた位置に再度スキャッタシンボル510を継続して再配置させる。そして、シンボル決定部612は、スキャッタシンボル510を継続して再配置させていない位置に再配置させるシンボル500を、乱数値抽出部615からの乱数値を用いて決定する。
また、例えば、情報処理装置1がベット額に対する払い出し量の割合に応じて予兆演出を行う場合、入賞判定部619は、払い出し量を演出内容決定部619へ出力する機能を有していてもよい。そして、演出内容決定部619は、ベット額に対する当該払い出し量の割合が予兆演出を行う条件に合致している場合に演出用乱数値抽出部616へ予兆演出を決定するための乱数値を要求する機能を有していてもよい。そして、演出内容決定部619は、当該乱数値に基づいて予兆演出を決定する機能を有していてもよい。
尚、図示しないが、上記の各処理部による出力内容は、通信回線を介して接続されるサーバ10へ適宜送信される。
本実施形態においては、スマートフォンである情報処理装置1がこれら機能を有しているものとして処理や動作を説明するが、ゲームシステム100の構成要素に機能を分散させてもよい。例えば、スロットゲームの結果を決定するための抽選をサーバ10で行ってもよい。
スロットゲームのゲーム内容について説明する。情報処理装置1は、スロットゲームとして、通常ゲームモードとボーナスゲームモードとの2種類のゲームモードを有する。通常ゲームモードは、通常ゲーム中のゲーム状態であり、ボーナスゲームモードは、フリーゲーム中のゲーム状態に相当する。情報処理装置1は、通常ゲームモードをメインとして単位ゲームを実行し、通常ゲームモードにおいてボーナストリガー条件が成立したときに、ゲームモードをボーナスゲームモードに移行する。例えば、ボーナスゲームのトリガーは、ボーナスシンボルが3個以上出現(再配置)するという条件である。尚、ボーナスゲームのトリガーは他の条件でもよい。
通常ゲームモードについて具体的に説明すると、ディスプレイ2(図1参照)に表示されたゲーム領域において、3行3列でビデオリールのスロットゲーム用シンボルが再配置可能にされている。ベット処理において、ベット数がユーザにより選択される。例えば、ベット数は、1、2、3、5、10等の選択がベットボタンの操作により選択可能にされていてもよいし、所望数を入力可能にされていてもよい。そして、これらのベット数の一部を累計した原資がジャックポットとされる。
次に、ゲーム領域内において、ビデオリールが変動表示(スクロール移動)及び停止表示(スクロール停止)されることによって、シンボルが再配置されると、入賞の有無が判定される。そして、再配置されたシンボルの再配置の態様に基づいてウィン判定が行われる。例えば、ボーナスシンボルがゲーム領域内に3個以上再配置されればボーナスゲームトリガーの入賞となる。
通常ゲームモードにおいて、ボーナスゲームのトリガー条件が成立すると、ボーナスゲームモードに移行し、先ず、フリーゲーム処理が実行される。
フリーゲーム処理においては、フリーゲーム中に使用するフリーゲーム用のリール帯が決定されると共に、所定のフリーゲーム数が設定される。尚、フリーゲーム用のリール帯及びフリーゲーム数は、複数の選択中から乱数抽選より設定されてもよい。
フリーゲームが実行されると、ウィン判定が行われる。尚、ウィン判定は、通常ゲームにおけるウィン判定と同一であってもよい。例えば、ボーナスシンボルがゲーム領域内に再度3個以上出現した場合は、ボーナスゲーム(フリーゲーム)のリトリガー条件が成立し、フリーゲーム数が加算される。
この後、フリーゲームの終了判定が行われ、フリーゲーム数がすべて消化されていなければ、フリーゲームが継続され、残りのフリーゲームが実行される。
図4を参照して、本実施形態のペイラインについて具体的に説明する。図4に示されるように、シンボル表示領域21を構成する9個の領域のうち塗りつぶされた3つの領域を結んで形成されるラインを、ペイラインとしている。上述したように、このペイライン上に、連続して3個の同種のシンボルが再配置された場合に入賞となる(配当が付与される)。なお、本実施形態では、図4に示すような、行方向ペイラインおよび列方向ペイラインで構成される40個のペイラインが設定されているがこれに限定されない。
次に、図面を参照して、リスピン入賞する場合のシンボル表示領域21の表示状態について具体的に例示する。
図5Aに示すように、スロットゲームが開始されると、スクロール領域211~219のそれぞれの領域内においてスクロールが行われる。
そして、図5Bに示すように、シンボル500が再配置され、ペイラインシンボル520やスキャッタシンボル510の入賞判定が行われる。図5Bに示す例では、9番目のペイライン(図4参照)上に同種のシンボル500が再配置されているため、当該ペイラインの入賞が確定している。また、スクロール領域211には、リスピンスキャッタシンボル513が再配置されているため、リスピン入賞が確定している。
その後、図5Cに示すように、スキャッタシンボル510が再配置されたスクロール領域210を除くスクロール領域210においてスクロールが行われる。即ち、図5Bにおいて、スクロール領域211にリスピンスキャッタシンボル513が再配置され、スクロール領域212およびスクロール領域218に通常スキャッタシンボル511が再配置されているため、これらを除くスクロール領域213・214・215・216・217・219においてスクロールが行われる。
その後、図5Dに示すように、スクロールが行われたスクロール領域213・214・215・216・217・219において、シンボル500の再配置が行われる。図5Dに示す例では、スクロール領域213およびスクロール領域215に、さらにボーナススキャッタシンボル514が再配置されている。これにより、シンボル表示領域21に、5個のスキャッタシンボル510が再配置されることになる。本実施形態では、4個以上のスキャッタシンボル510が再配置された場合に固定配当入賞となる。
このように、リスピンスキャッタシンボル513が再配置されリスピン入賞することを条件に、次のスロットゲームでも、スキャッタシンボル510が同じ位置に再配置される。
次に、図面を参照して、ボーナス入賞してフリーゲームが行われる場合のシンボル表示領域21の表示状態について具体的に例示する。
図6Aに示すように、シンボル表示領域21においてスクロール(図5A参照)が行われた後、ボーナススキャッタシンボル514が3つ再配置された場合に、ボーナストリガー入賞となる。図6Aに示す例では、スクロール領域211・215・219にボーナススキャッタシンボル514が再配置されている。ボーナストリガー入賞となった場合、所定回数(本実施形態では7回)のフリーゲームが実行されるボーナスゲームが開始される。
本実施形態において、図6Bに示すように、ボーナストリガー入賞となったスロットゲームにおいて、ボーナススキャッタシンボル514がスクロール領域210の何れに再配置されても、ボーナスゲームのフリーゲームでは、スクロール領域211・215・219に通常スキャッタシンボル511が固定的に配置される。なお、これに限定されず、ボーナストリガー入賞となったスロットゲームにおいてボーナススキャッタシンボル514が再配置されたスクロール領域210に、通常スキャッタシンボル511が固定的に配置されるものであってもよい。また、本実施形態では、ボーナスゲームのフリーゲームで固定的に配置される通常スキャッタシンボル511の数は3つであるが、ボーナストリガー入賞となったスロットゲームにおいてボーナススキャッタシンボル514が再配置された数と同数であってもよい。
このように、ボーナススキャッタシンボル514が3個以上再配置されてボーナストリガー入賞することを条件に、ボーナスゲームの期間においてスキャッタシンボル510が同じ位置に再配置され続ける。
次に、情報処理装置1に記憶されるデータテーブルの例を説明する。
例えば、図7に示すように、情報処理装置1のフラッシュメモリ104には、スキャッタ配当テーブルが記憶されている。
スキャッタ配当テーブルは、スキャッタシンボル数欄と、固定配当欄と、配当数欄とを有している。スキャッタ配当テーブルでは、再配置されたスキャッタシンボル510の数に対応する固定配当の額と、実際に付与される配当額とが対応付けられている。即ち、実際に付与される配当額は、配当数欄に格納される数値であり、スキャッタシンボル数と当該数値は固定配当欄の数値とを乗算した値となる。
このように本実施形態では、スキャッタシンボルによる配当額は、スキャッタシンボル数と、スキャッタシンボル数ごとに対応付けられスキャッタシンボル数が増加する毎に増加する固定配当数と、を乗算した値となる。なお、これに限定されず、固定配当に設定された値をスキャッタシンボルによる配当額として付与してもよい。
次に、情報処理装置1のCPU101により実行されるゲームプログラムについて説明する。
図8を参照して、情報処理装置1のCPU101により実行されるスロットゲーム処理のゲームプログラムについて説明する。
図8に示すように、CPU101は、1ゲーム終了時初期化処理を実行する(S1)。CPU101は、例えば、ベット数や抽選により決定されたシンボルなど、RAM103の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータをクリアする。そして、CPU101は、通常ゲームスタート処理を実行する(S2)。通常ゲームスタート処理において、CPU101は、タッチパネル5などで選択されたベット額などの入力チェック等を行う。その後、CPU101は、通常ゲームシンボル抽選処理を実行する(S3)。この処理では、CPU101は、シンボル列テーブルを参照して、乱数値に基づいた停止予定のシンボル500の抽選及び決定を行う。
次に、CPU101は、払出数決定処理を実行する(S4)。具体的に、CPU101は、設定されたペイラインにおいてウイニングコンビネーションが成立し入賞しているか否かを判定し、入賞している場合にはペイラインに係る全ての入賞に関する払出数を決定する。尚、ボーナスゲームがトリガーしているか否かについても決定する。
次に、CPU101は、通常ゲーム演出決定処理を実行する(S5)。次に、CPU101は、通常ゲームリール変動停止処理を実行する(S6)。この処理では、CPU101は、ステップS6で決定した内容の演出に基づき、当該演出内容をディスプレイ2に表示し、スピーカ115により音声を出力する等の制御を行う。
次に、CPU101は、払出処理を実行する(S7)。具体的に、CPU101は、払出数記憶領域に格納されている値を、RAM103に設けられているクレジット数記憶領域に格納されている値(クレジット数カウンタ)に加算する。そして、CPU101は、リスピン処理を実行する(S8)。リスピン処理については、図9を参照して説明する。
次に、CPU101は、ステップS4の処理に基づいて、ボーナスゲームトリガーが成立したか否かを判定する(S9)。ボーナスゲームトリガーが成立したと判定したときには(S9:YES)、CPU101は、ボーナスゲーム処理を実行する(S10)。
一方、ボーナスゲームトリガーが成立していない場合(S9:NO)、又は、ステップS10のボーナスゲーム処理の実行後、CPU101は、S1から処理を再実行する。
次に、図9を参照して、情報処理装置1のCPU101により実行されるスロットゲーム処理のサブルーチンであるリスピン処理のゲームプログラムについて説明する。
先ず、CPU101は、通常ゲームにおいてリスピンスキャッタシンボル513が再配置されたか否かを判定する(S11)。リスピンスキャッタシンボル513が再配置されない場合(S11:NO)、CPU101は、本ルーチンを終了する。
一方、リスピンスキャッタシンボル513が再配置された場合(S11:YES)、CPU101はスキャッタシンボル再配置処理を実行する(S12)。例えば、CPU101は、呼出元のスロットゲーム処理において再配置されたスキャッタシンボル510を再度再配置するように設定する。尚、リスピンゲームにおけるベット数は、リスピンゲームに移行する直前の通常ゲームにおけるものが用いられる。
その後、CPU101は、フリーゲームシンボル抽選処理を実行する(S13)。フリーゲームシンボル抽選処理において、CPU101は、スキャッタシンボル510を再度再配置するスクロール領域210を除くスクロール領域210に再配置するシンボル500を抽選により決定する。
その後、CPU101は、通常ゲームの場合と同様に、払出数決定処理(S14)、フリーゲーム演出決定処理(S15)、フリーゲームリール変動停止処理(S16)、払出処理(S17)を実行し、本ルーチンを終了する。ステップS16では、図5A~図5Dに示すような表示画面が表示される。
次に、図10を参照して、情報処理装置1のCPU101により実行されるスロットゲーム処理のサブルーチンであるボーナスゲーム処理のゲームプログラムについて説明する。
先ず、CPU101は、フリーゲーム数をセットする(S21)。例えば、CPU101は、フリーゲーム数として7をセットする。この後、CPU101は、1ゲーム終了時初期化処理を実行する(S22)。例えば、CPU101は、抽選により決定されたシンボルなど、RAM103の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータをクリアする。尚、ボーナスゲームにおけるベット数は、ボーナスゲームに移行する直前の通常ゲームにおけるものが用いられる。
この後、CPU101は、通常ゲームの場合と同様に、フリーゲームスタート処理(S23)、フリーゲームシンボル抽選処理(S24)、払出数決定処理(S25)、フリーゲーム演出決定処理(S27)、フリーゲームリール変動停止処理(S28)、払出処理(S29)を実行する。
尚、ステップS24のフリーゲームシンボル抽選処理では、スクロール領域212・213・214・216・217・218に再配置するシンボル500が抽選により決定される。即ち、ステップS28のフリーゲームリール変動停止処理では、図6A・6Bに示すように、スクロール領域211・215・219は変動表示されず、通常スキャッタシンボル511が再配置され続けることになる。
また、フリーゲームでは、通常ゲームで使用されたシンボル列テーブルとは異なるフリーゲーム用のシンボル抽選テーブルが用いられてもよい。この場合、フリーゲーム用のシンボル抽選テーブルは、通常ゲーム用のものより有利であることが好ましい。例えば、フリーゲーム用のシンボル列テーブルでは、配当数の多いウイニングコンビネーションに係るシンボルの割合が多い(又は停止確率が高い)、ワイルドシンボルの数が多い(又は停止確率が高い)、ボーナスシンボルの数が多い(又は停止確率が高い)等が例示される。
この後、CPU101は、セットされているフリーゲーム数を1デクリメントする(S29)。そして、CPU101は、ボーナスゲームが終了である否かを判定する(S30)。フリーゲーム数が0でない場合は(S30:NO)、CPU101は、ボーナスゲームが終了していないと判定し、S22の処理からフリーゲームを再実行する。一方、フリーゲーム数が0である場合は(S30:YES)、CPU101は、ボーナスゲームが終了したと判定し、本サブルーチンを終了し、スロットゲーム処理に戻る。
尚、図示しないが、スロットゲーム処理、及び、ボーナスゲーム処理において、払い出し数が決定した場合、CPU101は、サーバ10に対して、当該払い出し数を獲得数として送信する処理を実行する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。