JP7339427B2 - (ポリ)アルキレングリコール含有化合物 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、スケール防止剤、洗剤組成物、顔料分散剤として用いられる特定の構造で表されるポリアルキレングリコールが開示されている。
特許文献2には、ポリアセタールポリエーテル、ポリヘメアミナールポリエーテル、ポリアミドポリエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される主鎖と主鎖に結合した少なくとも1つのラクタム含有部分とを有するラクタム官能化ポリマーが開示され、塗料用途に用いられることが開示されている。
特許文献3には、ピロリドン単位を含む特定の化合物からなる非イオン界面活性剤が開示されている。特許文献4には、ピロリドン骨格を有する所定の構造で表されるポリアルキレングリコール含有化合物が開示されている。また、特許文献5には、(A)ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応によって得られた分子中に遊離の-NCO基を2個以上有するウレタンプレポリマーと、分子中に-N=C-NH-骨核を有する複素環式化合物との反応によって得られた水硬性ブロックトイソシアネート化合物、及び(B)活性水素を有しない低粘度溶剤を含有してなる歯科技工用分離性能付与剤組成物が開示されている。
上記製造方法は、下記(i)~(iv)のいずれかの工程を含む(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の製造方法でもある。
(i)窒素原子含有環状化合物と、(ポリ)アルキレングリコールの片末端に疎水性基を有する化合物とを反応させる工程
(ii)窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物と疎水性基を有する化合物とを反応させる第2工程
(iii)疎水性基を有する化合物と窒素原子含有環状化合物とを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物とアルキレンオキシドとを反応させる第2工程
(iv)疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる工程
本発明のPAG化合物は、親水性の(ポリ)アルキレングリコール部位(B)と、皮脂や食物等に含まれる油及び油の加熱物等の汚れに含まれるカルボキシル基やエステル基と相互作用する窒素原子を含む環構造とを有し、かつ、疎水性の構造部位を化合物の末端に有することにより、疎水性と親水性とのバランスに優れ、親水性汚れと疎水性汚れが複合した複合汚れとの相互作用が強まるため、複合汚れに対する洗浄力が向上する。上記複合汚れとしては、例えば泥と皮脂とが複合した衣類汚れ;食物に含まれる油やタンパク質等の焦げ付き汚れ等の台所汚れ等が挙げられる。
また、本発明のPAG化合物は、上記構造を有することにより複合汚れに対する再汚染防止能にも優れる。
本発明のPAG化合物は、後述する実施例で示されるように通常条件で複合汚れに対する洗浄力を発揮できる他、時短条件(例えば、後述する実施例に記載の時短条件)でも優れた洗浄力を発揮できるものである。
上記PAG化合物は、窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)を1~100有することが好ましい。構造部位(C)の数としてより好ましくは1~50であり、更に好ましくは1~20であり、特に好ましくは1~10であり、最も好ましくは1~5である。
なお、上記構造部位(A)は、PAG化合物に疎水性の構造部位を導入するために用いる原料由来の構造をいうものとする。例えば、上記PAG化合物の製造において後述する疎水性基含有化合物を用いる場合、疎水性基含有化合物由来の構造が構造部位(A)となる。
なお、上記部位(B)は、PAG化合物中に(ポリ)アルキレングリコールを導入するために用いる原料由来の構造をいうものとする。例えば、上記PAG化合物の製造において後述するアルキレンオキシド又は(ポリ)アルキレングリコールを用いる場合、これらの化合物由来の構造が部位(B)となる。
なお、上記構造部位(C)は、PAG化合物に窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)を導入するために用いる原料由来の構造をいうものとする。例えば、上記PAG化合物の製造において後述する窒素原子を含む環構造含有化合物を用いる場合、該化合物由来の構造が構造部位(C)となる。
また、上記PAG化合物における窒素原子を有する環構造の質量割合は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、1~80質量%であることが好ましい。より好ましくは2~70質量%であり、更に好ましくは2.5~60質量%であり、一層好ましくは3.0~50質量%であり、より一層好ましくは3.5~40質量%であり、更に一層好ましくは4.0~30質量%であり、特に好ましくは5.0~20質量%であり、特に一層好ましくは5.5~15質量%であり、最も好ましくは6.0~10質量%である。
上記PAG化合物における疎水性の構造部位(A)は、疎水性を示す有機化合物由来の構造であることが好ましい。疎水性を示す有機化合物由来の構造部位(A)とは、該有機化合物から1又は2以上の水素原子を引き抜いて得られる構造を意味する。
上記有機化合物は、25℃において100gの水に10g溶解させた際の不溶分が9.5g以上であることが好ましい。
上記有機化合物は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物が好ましい。上記炭化水素化合物の炭素数としては、5~30であることが好ましい。より好ましくは6~21であり、更に好ましくは8~18であり、特に好ましくは10~14である。
近年、短時間で洗浄を行う等の観点から、洗浄時や濯ぎ時に過度に泡立つことを抑制することも求められる。疎水性の構造部位(A)が上記の特定の構造であることにより、泡立ち抑制効果にも優れることになる。
炭素数1~50のアルカンとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、テトラコサン、トリアコンタン、テトラコンタン、ペンタコンタン等の直鎖又は分岐鎖を有するアルカンが挙げられる。
上記PAG化合物は、(ポリ)アルキレングリコール部位(B)を有し、部位(B)を構成するアルキレン基の炭素数は、同一又は異なって、2~20であることが好ましい。
上記アルキレン基の好ましい炭素数は、「同一又は異なって」2~20であるが、これは、(ポリ)アルキレングリコール中にアルキレン基が複数存在する場合に、アルキレン基の炭素数が全て同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。
上記PAG化合物は、部位(B)の位置は特に制限されないが、PAG化合物の末端に位置していることが好ましく、化合物の末端に(ポリ)アルキレングリコール鎖を有するものであることがより好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール部位(B)は、末端にヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を有していてもよく、該炭化水素基の炭素数は、上記疎水性の構造部位(A)に含まれる炭素数よりも小さいことが好ましい。
-(R3O)n- (3)
(式中、R3は、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。nは、同一1~100の数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
R3は、「同一又は異なって」、炭素数2~20のアルキレン基を表すが、これは、(ポリ)アルキレングリコール中にn個存在するR3のアルキレン基が全て同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。
R3Oで表されるオキシアルキレン基は、アルキレンオキシド付加物であり、このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2~8のアルキレンオキシドが挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2~4のアルキレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
また、上記ポリアルキレングリコールが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる任意の2種類以上のアルキレンオキシド付加物である場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよい。なお、親水性と疎水性とのバランス確保のため、(ポリ)アルキレングリコール中のオキシアルキレン基として、オキシエチレン基を必須成分として有することが好ましく、50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、90モル%以上がオキシエチレン基であることが更に好ましい。
上記PAG化合物における窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)は、窒素原子を含む環構造を有し、かつ、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であること、及び/又は、芳香族性を有するものである。
環構造を形成するヘテロ原子としては窒素原子とその他のヘテロ原子であればよく、その他のヘテロ原子として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、好ましくは酸素原子である。
ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾリジンジオン、オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルフォリン、オキサジン、チオモルフォリン、チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、チオモルフォリンジオキサイド、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジアゼピン、チアゼピン等。
ピロール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インドリン、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、アデニン、グアニン、テトラヒドロキノリノリン、ジヒドロイソキノリノリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、キノリノン、イソキノリノン、カルベゾール、アクリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン等。
ハンセン溶解度パラメータの定義と計算はCharles M.Hansen著「Hansen Solubility Parameters;A Users Handbook(CRC Press,2007)」に記載されている。また、コンピュータソフトウェア「HSPiP4.1.0」を用いることにより、文献にパラメータ値の記載がない単量体に関しても、その化学構造からハンセン溶解度パラメータを推算することができる。
上記窒素原子含有環状化合物は、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)におけるδd(分散項)、δp(極性項)及びδh(水素結合項)が、それぞれ以下の範囲であることが好ましい。
0≦δd≦50
0≦δp≦50
0≦δh≦50
以下の範囲であることがより好ましい。
5≦δd≦40
1≦δp≦40
1≦δh≦40
以下の範囲であることが更に好ましい。
10≦δd≦30
2≦δp≦30
2≦δh≦30
以下の範囲であることが最も好ましい。
15≦δd≦25
3≦δp≦20
3≦δh≦20
すなわち、上記A1における原子の2以上が窒素原子であるであることが好ましく、A1は、以下の窒素原子含有環状化合物由来の構造であることが好ましい。
ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、シトシン、チミン、ウラシル、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、フェナジン、ジアゼピン、チアゼピン等。
炭化水素基の具体例は上述のとおりであり、ヘテロ原子を有するものとしては、上記官能基を有するものが挙げられる。
炭化水素基として好ましくはアルキル基、アリール基である。中でも好ましくは炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基等である。
上記炭化水素基の炭素数として好ましくは1~15であり、より好ましくは1~10であり、更に好ましくは1~6である。
上記R6における炭化水素基の炭素数としては1~15が好ましく、より好ましくは1~10であり、更に好ましくは1~5である。
上記R6における炭化水素基はヘテロ原子を有していてもよく、例えば上述の置換基を有していてもよい。
上記R6として好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基である。
上記式(4)におけるR2は、直接結合又は下記式(2)~(2’’);
上記R5におけるアルキレン基の炭素数は、1~7が好ましく、より好ましくは1~5であり、更に好ましくは1~3である。
上記R2としてより好ましくは、直接結合又は下記式(6)~(6’’);
上記zとして好ましくは0~3であり、より好ましくは0~2であり、更に好ましくは0又は1である。
x、y、zの好ましい組み合わせとしては(x,y,z)=(1,1,1)、(1,0,1)、(0,0,0)である。
有機基として具体的には、置換基を有していてもよい炭化水素基や、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。置換基、ヘテロ原子の具体例は上述のとおりである。
炭化水素基の炭素数として好ましくは1~50であり、より好ましくは3~30であり、更に好ましくは4~21であり、一層好ましくは6~18であり、特に好ましくは8~14である。
なお、上記炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数も含むものとする。
上記炭化水素基としては、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられる。
ヘテロ原子を有する炭化水素基としては、複素環基等が挙げられる。
上記式(1)においてR1が疎水性基であって、R4が水素原子又はメチル基である形態は本発明の好適な実施形態の1つである。
上記2価の連結基としては特に制限されないが、例えば、ウレタン基(結合)、エステル基(結合)、エーテル基(結合)、カルボニル基、カーボネート基(結合)、チオエーテル基(結合)、イソシアネート基、アミド基等の極性基や、これらの極性基やその他の置換基を有していてもよい2価の炭化水素基等が挙げられる。中でも好ましくはウレタン基、エステル基、エーテル基、カルボニル基、カーボネート基、硫黄原子を含む2価の有機基、イソシアネート基、アミド基が好ましい。
上記連結基の中でも、エステル基、アミド基、ウレタン基は、加水分解性を有するため、X1、X2がこれらの基であれば、本発明のPAG化合物の生分解性が向上する。生分解性の観点からより好ましくはエステル基、アミド基であり、更に好ましくはエステル基である。
上記その他の置換基としては、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、スルホン酸基、アミノ基、リン酸基等が挙げられる。
上記炭化水素基の炭素数としては1~5であることが好ましい。
X2としてより好ましくは直接結合、エーテル基(結合)又は上記式(7)で表される基であり、更に好ましくは直接結合、エーテル基(結合)又はエステル基(結合)である。
硫黄原子を含む構造は、硫黄原子を含む2価の有機基であれば特に制限されないが、下記式(8);
-R7―S― (8)
(式中、R7は、炭素数1~10の2価の有機基を表す。)で表される構造が好ましい。
炭素数1~10の2価の有機基としては、カルボニル基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい炭素数1~3の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等から水素原子を1つ引き抜いて得られる基であることが好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基の具体例は上述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基の具体例に含まれる。
上記2価の連結基としてより好ましくは下記式(9);
上記アルキレン基の炭素数としては、1~8であることが好ましく、より好ましくは1~6であり、更に好ましくは1~4であり、最も好ましくは2である。
R8としては置換基を有しないアルキレン基が好ましい。
上記アルキレン基としては、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基等が挙げられる。これらの中でも好ましくはメチレン基、メチルメチレン基、エチレン基、n-プロピレン基であり、更に好ましくはエチレン基である。
例えば、後述する製造方法において、(ポリ)アルキレングリコール化合物にメルカプトカルボン酸を反応させて得られた反応物と窒素原子含有環状化合物とを反応させて式(1)の化合物を製造することにより、式(1)におけるX2が式(9)で表される構造となる。
本発明はまた、上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を製造する方法であって、上記製造方法は、下記(i)~(iv)のいずれかの工程を含むとする(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の製造方法でもある。
(i)窒素原子含有環状化合物と、(ポリ)アルキレングリコールの片末端に疎水性基を有する化合物(疎水性基含有化合物)とを反応させる工程
(ii)窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物と疎水性基を有する化合物(疎水性基含有化合物)とを反応させる第2工程
(iii)疎水性基を有する化合物(疎水性基含有化合物)と窒素原子含有環状化合物とを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第2工程
(iv)疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる工程
以下において、上記疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールと疎水性基を有しない(ポリ)アルキレングリコールとを単に(ポリ)アルキレングリコール化合物ともいう。
本発明のPAG化合物の製造方法に用いられる窒素原子含有環状化合物は、窒素原子を含む環構造を有し、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であること、及び/又は、芳香族性を有するものであって、上記(i)における疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールや上記(ii)、(iv)の(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシド、上記(iii)における疎水性基含有化合物と反応することができるものであれば特に制限されないが、構造部位(C)において述べた窒素原子含有環状化合物やこれらに反応性の官能基を有する化合物等が挙げられる。
反応性の官能基としては、エポキシ基、ビニル基等の重合性不飽和基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。好ましくはエポキシ基、ビニル基、水酸基であり、より好ましくはエポキシ基、水酸基、アミノ基である。
また、窒素原子を有する環構造以外に反応性の官能基を有しない場合には、環構造における窒素原子やその他のヘテロ原子において、疎水性基含有化合物、(ポリ)アルキレングリコール化合物やアルキレンオキシドを反応させることができる。
例えば、窒素原子含有環状化合物がイミダゾリンである場合、環構造におけるNH基と疎水性基含有化合物、(ポリ)アルキレングリコール化合物やアルキレンオキシドを反応させることができる。
上記R1、R2、Aの具体例及び好ましい例は、上記式(1)に述べたとおりである。X2’における反応性官能基は、(ポリ)アルキレングリコール化合物又はアルキレンオキシドと反応することができる基であればよく、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、次亜リン酸基等が挙げられる。
上記反応性官能基としては水酸基、エポキシ基が好ましい。
上記R2が式(2)~式(2’’)のいずれかで表される構造である場合、X2’として好ましくは水素原子である。
上記(i)における疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールは、上述の疎水性基と(ポリ)アルキレングリコール鎖とを有し、上記窒素原子含有環状化合物と反応することができる化合物であれば特に制限されないが、下記式(11);
(式中、R1’は、疎水性基を表す。R3’は、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。X2’’は、水素原子、又は、反応性官能基を有する炭素数1~10の有機基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記式(11)におけるR1’、R3’の具体例及び好ましい例は、式(1)等におけるR1、R3についてと同様である。
X2’’における反応性官能基は、窒素原子含有環状化合物における反応性官能基と結合を形成することができる基であればよく、チオール基、エポキシ基、グリシジルエーテル基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、次亜リン酸基等が挙げられる。
X2’’における有機基は、窒素原子含有環状化合物と結合を形成する官能基以外に官能基を有していてもよく、例えば、カルボニル基、水酸基等を有していてもよい。
X2’’として好ましくは、水素原子又は下記式(12);
-R7―SH (12)
(式中、R7は、炭素数1~10の2価の有機基を表す。)で表される基である。
X2’’としてより好ましくは、水素原子又は下記式(13);
窒素原子含有環状化合物としてエポキシ基等の反応性官能基を有する化合物を用いる場合には、疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールは、式(15)においてX2’が水素原子又はグリシジルエーテル基である化合物が好ましい。
窒素原子含有環状化合物としてビニル基等の重合性不飽和基を有する化合物を用いる場合には、疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールは、式(15)においてX2’が式(17)で表される基である化合物が好ましい。
上記式(12)におけるR7、式(13)におけるR8の具体例及び好ましい例は、式(8)、(9)について述べたとおりである。
上記方法(ii)で用いられる(ポリ)アルキレングリコールは、(ポリ)アルキレングリコール鎖と少なくとも1つの末端に反応性の官能基とを有するものであればよいが、好ましくは下記式(14);
X2’-(R3’O)n-R4’ (14)
(式中、R4’は、水素原子又は疎水性基を表す。R3’は、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。X2’は、水素原子、又は、反応性官能基を表す。nは、1~100の数を表す。)で表される化合物である。
上記式(14)におけるn、R3’、R4’の具体例及び好ましい例はそれぞれ、式(1)のn、R3、R4と同様である。
X2’における反応性官能基は、窒素原子含有環状化合物における反応性官能基と結合を形成することができる基であればよく、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、次亜リン酸基等が挙げられる。
X2’として好ましくは水素原子である。
上記(ポリ)アルキレングリコールは、例えば上記式(14)においてR4’が炭素数1~3のアルキル基であって、X2’が水素原子である場合、炭素数1~3のアルキルアルコールにアルキレンオキシドを反応させて得ることができるが、市販品を用いることもできる。
上記方法(ii)の第2工程、方法(iii)の第1工程で用いる疎水性基含有化合物は、疎水性基を有し、窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール化合物との反応物と反応できるものであれば特に制限されないが、下記式(15);
R1’-X1’ (15)
(式中、R1’は、疎水性基を表す。X1’は、反応性官能基を表す。)で表される化合物が好ましい。
上記式(15)におけるR1’の具体例及び好ましい例は、式(1)のR1の具体例及び好ましい例と同様である。
上記式(15)におけるX1’は、上記(ii)の第1工程で得られた反応生成物、窒素原子含有環状化合物における官能基と反応性を有する官能基であれば特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子、エポキシ基、グリシジル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられる。X1’として好ましくはハロゲン原子、グリシジル基、エポキシ基である。
上記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、好ましくは塩素、ヨウ素である。
これらの中でも好ましくは、エポキシ基を有する疎水性基含有化合物、水酸基を有する疎水性基含有化合物、ハロゲン原子を有する疎水性基含有化合物、カルボン酸であり、より好ましくはエポキシ基を有する疎水性基含有化合物である。
上記疎水性基含有化合物の炭素数として好ましくは1~50であり、より好ましくは3~30であり、更に好ましくは4~21であり、一層好ましくは8~18であり、特に好ましくは10~14である。
炭素数6~50のアリールアミンとして好ましくは、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
炭素数7~50のN-アルキル-N-アリールアミンとして好ましくは、N-メチルアニリン、N-エチルアニリン、N-プロピルアニリン、N-ブチルアニリン、N-ペンチルアニリン、N-ヘキシルアニリン、N-ヘプチルアニリン、N-オクチルアニリン、N-ノニルアニリン、N-デシルアニリン、N-ウンデシルアニリン、N-ドデシルアニリン、N-トリデシルアニリン、N-テトラデシルアニリン、N-ペンタデシルアニリン、N-tert-ブチル-3,5-ジメチルアニリン、N-メチルベンジルアミン、N-ブチルベンジルアミン、N-tert-ブチル-ベンジルアミン等が挙げられる。
上記方法(i)における窒素原子含有環状化合物の使用量は、(ポリ)アルキレングリコール化合物100モル%に対して、100~10000モル%であることが好ましい。より好ましくは100~7500モル%であり、更に好ましくは100~5000モル%であり、特に好ましくは100~1000モル%である。
方法(ii)、(iii)(iv)において、(ポリ)アルキレングリコール化合物を用いる場合の窒素原子含有環状化合物((iii)においては第1工程で得られた反応物、(iv)においては疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物)の使用量の好ましい範囲も上記(i)における窒素原子含有環状化合物の使用量の好ましい範囲と同様である。
重合触媒としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2’-アゾビス-2-メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’-アゾビス-2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2-カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤等が挙げられる。
エポキシ基等の反応性官能基を有する窒素原子含有環状化合物と、ポリアルキレングリコール末端が水酸基等の反応性官能基である(ポリ)アルキレングリコール化合物とを反応させる場合には、塩基性触媒を用いることが好ましい。塩基性触媒としてより好ましくは水酸化ナトリウムである。
ビニル基等の重合性不飽和基を有する窒素原子含有環状化合物と、末端にチオール基を有する(ポリ)アルキレングリコール化合物とを反応させる場合には、水溶性アゾ系開始剤を用いることが好ましい。水溶性アゾ系開始剤としてより好ましくはアゾアミジン化合物である。
また、(疎水性基を有する)窒素原子含有環状化合物を使用する反応における上記触媒の使用量は、(疎水性基を有する)窒素原子含有環状化合物100モル%に対して、1~200モル%であることが好ましい。より好ましくは2~100モル%である。
上記方法(ii)、(iii)の第2工程における上記触媒の使用量は、第1工程で得られた反応物100モル%に対して、0.01~200モル%であることが好ましい。より好ましくは0.02~200モル%である。
精製工程としては、残存原料、副生成物、水分、触媒の残渣等を除去する工程や、触媒を中和する工程等が挙げられる。
例えば、反応工程後の溶液について目的の化合物の分子量に応じた分画分子量の透析膜を用いて透析を行うことにより精製を行うことが好ましい。
本発明のPAG化合物を含む組成物は、本発明のPAG化合物を必須として含むものである。上記組成物は、本発明のPAG化合物以外に、未反応の原料、副生成物、触媒の残渣、溶媒等のその他の成分を含みうる。
すなわち、本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を含む組成物は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外のその他の成分とを含み、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の含有量が、組成物100質量%に対して、1~99.9質量%である。(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の含有量として好ましくは30~99.9質量%であり、更に好ましくは50~99.9質量%である。
本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、洗剤用ビルダー、洗剤、粉末洗剤、液体洗剤、パウチ型洗剤、衣料用洗剤、手洗い食器用洗剤、自動食洗器用洗剤、硬質表面洗浄剤、表面改質剤、水処理剤、スケール防止剤、分散剤等、種々の用途に用いられるが、好ましくは洗剤用ビルダー、洗剤;衣料用洗剤等の洗濯洗剤;手洗い食器用洗剤、自動食洗器用洗剤等の台所用洗剤等に用いられることが好ましい。
本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を洗剤用添加剤として使用する方法もまた、本発明の1つである。
本発明はまた、本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外の洗剤用添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
(1)5cm×5cmの湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会頒布)の白色度を予め日本電色工業社製の分光色差計SE6000型を用いて、反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム二水和物7.34gに純水を加えて20kgとし、硬水を調製した。
(3)20mLのスクリュー管に、各評価サンプルの固形分2%水溶液を10g調製した。
(4)洗剤成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)0.5g、硫酸ナトリウム2g、炭酸ナトリウム0.5gをビーカーに量り取った。
(5)(4)のビーカーに(2)の硬水を加えて2kgに調整し、洗浄液とした。
(6)ターゴットメーターを25℃に設定し、各ポットに(5)の洗浄液500mL、(3)のサンプル水溶液1.0mLを投入し、100rpmで2分間撹拌した。その後、汚染布5枚と浴比調整のための綿布(Test fabrics社製5cm×5cmのStyle#460)14.6gを入れ、100rpmで10分間撹拌した。(リファレンスとして、(3)のサンプル溶液の代わりに純水を添加したものを併せて評価した。)
(7)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、(2)の硬水500mLをポットに入れ25℃に調温し、100rpmで4分間撹拌した。
(8)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、室温で一晩乾燥させた後、上記分光色差計にて再度、汚染布の白色度を反射率にて測定した。
(9)(8)と同様に、汚染されていない布(以下、白布とも称する)として、Style#460の白色度を反射率にて測定した。
(10)以上の測定結果から下式により洗浄率(洗浄力)を求めた。
洗浄率(%)=((洗浄前の汚染布の白色度)-(洗浄後の汚染布の白色度))/((洗浄前の汚染布の白色度)-(白布の白色度))×100
洗浄率の値が大きいほど、洗浄力が良好であることを意味する。
(1)5cm×5cmの湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会頒布)の白色度を予め日本電色工業社製の分光色差計SE6000型を用いて、反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム二水和物7.34gに純水を加えて20kgとし、硬水を調製した。
(3)20mLのスクリュー管に、各評価サンプルの固形分2%水溶液を10g調製した。
(4)洗剤成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)0.5g、硫酸ナトリウム純水2g、炭酸ナトリウム0.5gをビーカーに量り取った。
(5)(4)のビーカーに(2)の硬水を加えて2kgに調整し、洗浄液とした。
(6)ターゴットメーターを25℃に設定し、各ポットに(5)の洗浄液500mL、(3)のサンプル水溶液1.0mLを投入し、100rpmで2分間撹拌した。その後、汚染布5枚と浴比調整のための綿布(Test fabrics社製Style#460、5cm×5cmサイズ)14.6gを入れ、100rpmで3分間撹拌した。(リファレンスとして、(3)のサンプル溶液の代わりに純水を添加したものを併せて評価した。)
(7)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、(2)の硬水500mLをポットに入れ25℃に調温し、100rpmで2分間撹拌した。
(8)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、室温で一晩乾燥させた後、上記分光色差計にて再度、汚染布の白色度を反射率にて測定した。
(9)(8)と同様に、汚染されていない布(以下、白布とも称する)として、Style#460の白色度を反射率にて測定した。
(10)以上の測定結果から下式により時短条件における洗浄率(洗浄力)を求めた。
時短条件における洗浄率(%)=((洗浄前の汚染布の白色度)-(洗浄後の汚染布の白色度))/((洗浄前の汚染布の白色度)-(白布の白色度))×100
この洗浄率の値が大きいほど、時短条件における洗浄力が良好であり、洗浄速度が高いことを意味する。
(1)10mLのスクリュー管に各評価サンプルの固形分2%水溶液を5g調製した。
(2)(1)0.2gに純水を加えて100gとし、測定水溶液を調製した。
(3)界面張力測定装置(協和界面科学製、DMs-401)を用いて、(2)の測定水溶液とオレイン酸の界面張力を以下の条件で測定した。
・測定水溶液密度: 1.000g/ml
・オレイン酸密度: 0.895g/ml
・測定温度: 25℃
・解析手法: Young-Laplase法
(1,2-エポキシテトラデカン-プロピルイミダゾリン)の合成
温度計、攪拌機及び窒素導入管を備えた容量500mLのガラス製四つ口ナスフラスコ反応容器に、2-プロピル-2-イミダゾリン56.51g(0.50mоl)を仕込み、撹拌下、100℃まで加熱した。その後、1,2-エポキシテトラデカン53.49g(0.25mоl)を反応容器内に滴下ロートで60分かけて滴下し、窒素雰囲気下で4時間その温度を保持し、反応の粗生成物を得た。粗生成物に300mlのヘキサンを加え、1000ml分液漏斗に移した。これを純水で4回洗浄し、未反応の2-プロピル-2-イミダゾリンを除去した。その後、有機層を回収し、ヘキサンをエバポレーションによって除去し、イミダゾリン環を有するアルキレンアルコール化合物(以下、中間体(1))を得た。
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えた容量1LのSUS製オートクレーブ反応容器に、中間体(1)68.29g(0.21mоl)、触媒として水酸化カリウム0.150g(2.67mmоl)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で130℃まで加熱した。その後、反応容器内を真空ポンプを用いて2.9kPaまで減圧状態にして、撹拌下で1時間脱水を行った。そして安全圧下で150±5℃を保持したままエチレンオキシド231.71g(5.26mоl)を5時間かけて反応器内に導入し、導入後さらに1時間その温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、中間体(1)に平均25モルのエチレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール含有化合物(1)を得た。
Claims (8)
- 疎水性の構造部位(A)と(ポリ)アルキレングリコール部位(B)と窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)とを有し、該疎水性の構造部位(A)が化合物の末端に位置し、
該構造部位(C)は、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であること、及び/又は、芳香族性を有し、
下記式(1);
- 前記構造部位(C)は、2以上の窒素原子を有することを特徴とする請求項1に記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物。
- 前記構造部位(C)は、環構造を形成する原子の2以上が窒素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物。
- 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を製造する方法であって、
該製造方法は、下記(i)~(iv);
(i)窒素原子含有環状化合物と、アルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコールの片末端にヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物とを反応させる工程
(ii)窒素原子含有環状化合物とアルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物とヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物とを反応させる第2工程
(iii)ヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物と窒素原子含有環状化合物とを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物とアルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第2工程
(iv)疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物とアルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる工程
のいずれかの工程を含み、
該(i)、(ii)、(iii)における窒素原子含有環状化合物が、ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾリジンジオン、オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルフォリン、オキサジン、チオモルフォリン、チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、チオモルフォリンジオキサイド、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジアゼピン、チアゼピン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、インドリン、インドール、イソインドール、インドリジン、テトラヒドロキノリノリン、ジヒドロイソキノリノリン、キノリン、イソキノリン、キノリノン、イソキノリノン、カルベゾール及びアクリジンからなる群より選択される化合物又はこれらの化合物の環構造に1~5の有機基を有する化合物であり、
該有機基が、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、次亜リン酸基、スルホン酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基及び/又はヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の炭化水素基であり、
該(iv)における疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物は、該(i)、(ii)、(iii)における窒素原子含有環状化合物がヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物であることを特徴とする(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の製造方法。 - 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外のその他の成分とを含み、
(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の含有量が、組成物100質量%に対して、1~99質量%であることを特徴とする組成物。 - 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外の洗剤添加剤とを含むことを特徴とする洗剤組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と界面活性剤とを含むことを特徴とする洗剤組成物。
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