JP7339427B2 - (ポリ)アルキレングリコール含有化合物 - Google Patents

(ポリ)アルキレングリコール含有化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP7339427B2
JP7339427B2 JP2022505926A JP2022505926A JP7339427B2 JP 7339427 B2 JP7339427 B2 JP 7339427B2 JP 2022505926 A JP2022505926 A JP 2022505926A JP 2022505926 A JP2022505926 A JP 2022505926A JP 7339427 B2 JP7339427 B2 JP 7339427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
poly
carbon atoms
alkylene glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022505926A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021182152A1 (ja
Inventor
毅 西川
大祐 道尭
義貴 池内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Publication of JPWO2021182152A1 publication Critical patent/JPWO2021182152A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7339427B2 publication Critical patent/JP7339427B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/02Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring
    • C08G65/26Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring from cyclic ethers and other compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D1/00Detergent compositions based essentially on surface-active compounds; Use of these compounds as a detergent
    • C11D1/38Cationic compounds
    • C11D1/58Heterocyclic compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Description

本発明は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物に関する。より詳しくは、洗剤等に有用な(ポリ)アルキレングリコール含有化合物に関する。
(ポリ)アルキレングリコール鎖を有する化合物は、その鎖長や構成するアルキレンオキシドを適宜調整することによって親水性や疎水性、柔軟性や立体反発等の特性が付与され、洗剤用ビルダー、洗剤、水処理剤、スケール防止剤、分散剤等、種々の用途に用いられている。
例えば特許文献1には、スケール防止剤、洗剤組成物、顔料分散剤として用いられる特定の構造で表されるポリアルキレングリコールが開示されている。
特許文献2には、ポリアセタールポリエーテル、ポリヘメアミナールポリエーテル、ポリアミドポリエーテル、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される主鎖と主鎖に結合した少なくとも1つのラクタム含有部分とを有するラクタム官能化ポリマーが開示され、塗料用途に用いられることが開示されている。
特許文献3には、ピロリドン単位を含む特定の化合物からなる非イオン界面活性剤が開示されている。特許文献4には、ピロリドン骨格を有する所定の構造で表されるポリアルキレングリコール含有化合物が開示されている。また、特許文献5には、(A)ポリイソシアネートとポリエーテルポリオールとの反応によって得られた分子中に遊離の-NCO基を2個以上有するウレタンプレポリマーと、分子中に-N=C-NH-骨核を有する複素環式化合物との反応によって得られた水硬性ブロックトイソシアネート化合物、及び(B)活性水素を有しない低粘度溶剤を含有してなる歯科技工用分離性能付与剤組成物が開示されている。
特開2012-149186号公報 国際公開第2018/005731号 米国特許第4801400号明細書 特開2019-137833号公報 特開昭60-589082号公報
上記の通り、特許文献1~5には、(ポリ)アルキレングリコール構造を有する化合物が開示されているものの、従来の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、親水性汚れと疎水性汚れが複合した複合汚れに対する洗浄力において改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物よりも親水性汚れと疎水性汚れが複合した複合汚れに対する洗浄力に優れる(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を提供することを目的とする。
本発明者は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物について種々検討したところ、疎水性の構造部位と、(ポリ)アルキレングリコール部位と、特定の構造の窒素原子含構造部位とを有し、上記疎水性の構造部位が化合物の末端に位置する(ポリ)アルキレングリコール含有化合物が従来の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物よりも親水性汚れと疎水性汚れが複合した複合汚れに対する洗浄力に優れることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、疎水性の構造部位(A)と(ポリ)アルキレングリコール部位(B)と窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)とを有し、上記疎水性の構造部位(A)が化合物の末端に位置し、上記構造部位(C)は、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であること、及び/又は、芳香族性を有する(ポリ)アルキレングリコール含有化合物である。
上記構造部位(C)は、2以上の窒素原子を有することが好ましい。
上記構造部位(C)は、環構造を形成する原子の2以上が窒素原子であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、下記式(1);
Figure 0007339427000001
(式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は疎水性基を表す。但し、R、Rの少なくとも一方は、疎水性基である。Rは、直接結合、又は、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。Aは、同一又は異なって、窒素原子を含む環構造を有し、以下の(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす置換基を表す。(i)環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子である。(ii)芳香族性を有する。X、Xは、同一又は異なって、直接結合又は2価の連結基を表す。m、nは、同一又は異なって、1~100の数を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記構造部位(C)は、下記式(4);
Figure 0007339427000002
(式中、Rは、直接結合、又は、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Aは、同一又は異なって、窒素原子を含む環構造であり、以下の(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす。(i)環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子である。(ii)芳香族性を有する。Rは、水素原子、又は、有機基を表し、環に複数結合していてもよい。)で表される構造であることが好ましい。
上記A又はAは、ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾリジンジオン、オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルフォリン、オキサジン、チオモルフォリン、チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、チオモルフォリンジオキサイド、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジアゼピン及びチアゼピンからなる群より選択される少なくとも1つの窒素原子含有環状化合物由来の構造であることが好ましい。
上記A又はAは、ピロール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インドリン、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、アデニン、グアニン、テトラヒドロキノリノリン、ジヒドロイソキノリノリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、キノリノン、イソキノリノン、カルベゾール、アクリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン及びフェノチアジンからなる群より選択される少なくとも1つの窒素原子含有環状化合物由来の構造であることが好ましい。
上記構造部位(C)は、下記式(5)又は(5’);
Figure 0007339427000003
(式中、Rは、直接結合、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、有機基を表し、環に複数結合していてもよい。)で表される構造であることが好ましい。
上記Rは、同一又は異なって、直接結合又は下記式(2)~(2’’);
Figure 0007339427000004
(式中、xは、0又は1を表す。Rは、直接結合、又は、エーテル構造を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を表す。)のいずれかで表される構造であることが好ましい。
上記Rは、直接結合又は下記式(6)~(6’’);
Figure 0007339427000005
(式中、x、yは、同一又は異なって、0又は1を表す。zは、0~5の数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、疎水性の構造部位(A)の含有割合が、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、2.5~60質量%であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、(ポリ)アルキレングリコール部位(B)の含有割合が、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、5~95質量%であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)の含有割合が、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、2.5~60質量%であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、構造部位(A)、部位(B)、構造部位(C)以外のその他の構造(E)の含有割合が、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、0~50質量%であることが好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、数平均分子量が、500~100000であることが好ましい。
本発明はまた、上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を製造する方法であって、
上記製造方法は、下記(i)~(iv)のいずれかの工程を含む(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の製造方法でもある。
(i)窒素原子含有環状化合物と、(ポリ)アルキレングリコールの片末端に疎水性基を有する化合物とを反応させる工程
(ii)窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物と疎水性基を有する化合物とを反応させる第2工程
(iii)疎水性基を有する化合物と窒素原子含有環状化合物とを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物とアルキレンオキシドとを反応させる第2工程
(iv)疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる工程
上記窒素原子含有環状化合物は、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン等及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明は更に、上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外のその他の成分とを含み、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の含有量が、組成物100質量%に対して、1~99質量%である組成物でもある。
本発明は更に、上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外の洗剤添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
本発明は更に、上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と界面活性剤とを含む洗剤組成物でもある。
本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、従来の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物よりも親水性汚れと疎水性汚れが複合した複合汚れに対する洗浄力に優れるため、洗剤等に好適に用いることができる。
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物(以下、PAG化合物ともいう)は、疎水性の構造部位(A)と(ポリ)アルキレングリコール部位(B)と窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)とを有し、疎水性の構造部位(A)が化合物の末端に位置する。
本発明のPAG化合物は、親水性の(ポリ)アルキレングリコール部位(B)と、皮脂や食物等に含まれる油及び油の加熱物等の汚れに含まれるカルボキシル基やエステル基と相互作用する窒素原子を含む環構造とを有し、かつ、疎水性の構造部位を化合物の末端に有することにより、疎水性と親水性とのバランスに優れ、親水性汚れと疎水性汚れが複合した複合汚れとの相互作用が強まるため、複合汚れに対する洗浄力が向上する。上記複合汚れとしては、例えば泥と皮脂とが複合した衣類汚れ;食物に含まれる油やタンパク質等の焦げ付き汚れ等の台所汚れ等が挙げられる。
また、本発明のPAG化合物は、上記構造を有することにより複合汚れに対する再汚染防止能にも優れる。
本発明のPAG化合物は、疎水性の構造部位(A)が、化合物の末端に位置する限り特に制限されないが、例えば構造部位(A)、(B)、(C)をこの順に有する形態(1)、構造部位(A)、(C)、(B)をこの順に有する形態(2)が挙げられ、好ましくは形態(2)である。上記形態(2)の場合、化合物中に疎水性から親水性に徐々に変化する濡れ性勾配が形成されるため、洗濯水と複合汚れにおける疎水成分との界面張力を効果的に下げ、これにより複合汚れに対するより優れた洗浄力を発揮することができると推定される。ただし本発明は、当該メカニズムに限定されるものではない。
本発明のPAG化合物は、後述する実施例で示されるように通常条件で複合汚れに対する洗浄力を発揮できる他、時短条件(例えば、後述する実施例に記載の時短条件)でも優れた洗浄力を発揮できるものである。
上記PAG化合物は、上記の構造を有する限り、例えば構造部位(A)、(B)、(C)を複数有していてもよい。
上記PAG化合物は、窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)を1~100有することが好ましい。構造部位(C)の数としてより好ましくは1~50であり、更に好ましくは1~20であり、特に好ましくは1~10であり、最も好ましくは1~5である。
上記PAG化合物における疎水性の構造部位(A)の含有割合は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、2.5~60質量%であることが好ましい。これにより、PAG化合物の疎水性が好適な範囲となるため、皮脂等の汚れに対する相互作用がより強まる。より好ましくは2.7~50質量%であり、更に好ましくは3.0~40質量%であり、一層好ましくは3.5~35質量%であり、より一層好ましくは4~30質量%、更に一層好ましくは6~25質量%であり、特に好ましくは8~22質量%であり、最も好ましくは9~15質量%である。
なお、上記構造部位(A)は、PAG化合物に疎水性の構造部位を導入するために用いる原料由来の構造をいうものとする。例えば、上記PAG化合物の製造において後述する疎水性基含有化合物を用いる場合、疎水性基含有化合物由来の構造が構造部位(A)となる。
上記PAG化合物における(ポリ)アルキレングリコール部位(B)の含有割合は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、5~95質量%であることが好ましい。より好ましくは10~95質量%であり、更に好ましくは20~93質量%であり、一層好ましく30~90質量%であり、更に一層好ましくは40~88質量%であり、特に好ましくは50~85質量%であり、最も好ましくは70~80質量%である。
なお、上記部位(B)は、PAG化合物中に(ポリ)アルキレングリコールを導入するために用いる原料由来の構造をいうものとする。例えば、上記PAG化合物の製造において後述するアルキレンオキシド又は(ポリ)アルキレングリコールを用いる場合、これらの化合物由来の構造が部位(B)となる。
上記PAG化合物における窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)の含有割合は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、2.5~60質量%であることが好ましい。より好ましくは3~50質量%であり、3.5~40質量%であり、更に好ましくは4~30質量%であり、最も好ましくは5~20質量%である。
なお、上記構造部位(C)は、PAG化合物に窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)を導入するために用いる原料由来の構造をいうものとする。例えば、上記PAG化合物の製造において後述する窒素原子を含む環構造含有化合物を用いる場合、該化合物由来の構造が構造部位(C)となる。
また、上記PAG化合物における窒素原子を有する環構造の質量割合は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、1~80質量%であることが好ましい。より好ましくは2~70質量%であり、更に好ましくは2.5~60質量%であり、一層好ましくは3.0~50質量%であり、より一層好ましくは3.5~40質量%であり、更に一層好ましくは4.0~30質量%であり、特に好ましくは5.0~20質量%であり、特に一層好ましくは5.5~15質量%であり、最も好ましくは6.0~10質量%である。
上記PAG化合物における各構造部位(A)、(B)、(C)の含有比率は、以下の通りであることが好ましい。上記構造部位(C)の含有比率は、上記構造部位(A)100質量%に対して、3~10000質量%であることが好ましく、より好ましくは5~5000質量%であり、更に好ましくは10~3000質量%であり、一層好ましくは15~2000質量%であり、より一層好ましくは20~1000質量%であり、更に一層好ましくは30~800質量%であり、特に好ましくは40~600質量%であり、特に一層好ましくは50~400質量%であり、最も好ましくは60~200質量%である。上記部位(B)の含有比率は、上記構造部位(A)100質量%に対して、50~6000質量%であることが好ましく、より好ましくは80~5500質量%であり、更に好ましくは100~5000質量%であり、一層好ましくは130~4000質量%であり、より一層好ましくは150~3500質量%であり、更に一層好ましくは180~3000質量%であり、特に好ましくは200~2500質量%であり、特に一層好ましくは350~1000質量%であり、最も好ましくは450~800質量%であり、上記構造部位(C)100質量%に対して、10~4000質量%であることが好ましく、より好ましくは50~3000質量%であり、更に好ましくは100~3000質量%であり、一層好ましくは150~2500質量%であり、より一層好ましくは200~2000質量%であり、更に一層好ましくは250~1800質量%であり、特に好ましくは300~1500質量%であり、特に一層好ましくは400~1200質量%であり、最も好ましくは500~1000質量%である。
上記PAG化合物は、構造部位(A)、部位(B)、構造部位(C)以外のその他の構造(E)を有していてもよい。その他の構造(E)の含有割合は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物100質量%に対して、0~50質量%であることが好ましい。より好ましくは0~40質量%であり、更に好ましくは0~30質量%であり、特に好ましくは0~20質量%であり、特に一層好ましくは0~10質量%であり、最も好ましくは0~5質量%である。
上記PAG化合物の数平均分子量は、特に制限されないが、500~100000であることが好ましい。これにより、複合汚れに対する洗浄力がより向上することとなる。重量平均分子量としてより好ましくは600~50000であり、更に好ましくは800~10000であり、特に好ましくは1000~5000である。PAG化合物の数平均分子量は、PAG化合物を構成する各構造単位の分子量及び各構造単位の数に基づき算出することができる。
<疎水性の構造部位(A)>
上記PAG化合物における疎水性の構造部位(A)は、疎水性を示す有機化合物由来の構造であることが好ましい。疎水性を示す有機化合物由来の構造部位(A)とは、該有機化合物から1又は2以上の水素原子を引き抜いて得られる構造を意味する。
上記有機化合物は、25℃において100gの水に10g溶解させた際の不溶分が9.5g以上であることが好ましい。
上記有機化合物は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物が好ましい。上記炭化水素化合物の炭素数としては、5~30であることが好ましい。より好ましくは6~21であり、更に好ましくは8~18であり、特に好ましくは10~14である。
上記炭化水素化合物としては、例えば、非環式炭化水素化合物、環式飽和炭化水素化合物、芳香族化合物等が挙げられる。上記炭化水素化合物は、PAG化合物における疎水性の構造部位が疎水性を示す限り、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、リン原子、ハロゲン原子等のヘテロ原子を有していてもよく、また、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、スルホン酸基、アミノ基、リン酸基等の置換基を有していてもよい。
上記PAG化合物における疎水性の構造部位(A)は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1~50の非環式炭化水素化合物、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数3~50の環式飽和炭化水素化合物、及び、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数6~50の芳香族化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物由来の構造であることが好ましい。
近年、短時間で洗浄を行う等の観点から、洗浄時や濯ぎ時に過度に泡立つことを抑制することも求められる。疎水性の構造部位(A)が上記の特定の構造であることにより、泡立ち抑制効果にも優れることになる。
非環式炭化水素化合物としては、炭素数1~50のアルカン、アルケン、アルキン等が挙げられる。
炭素数1~50のアルカンとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、テトラコサン、トリアコンタン、テトラコンタン、ペンタコンタン等の直鎖又は分岐鎖を有するアルカンが挙げられる。
炭素数2~50のアルケンとしては、エチレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン、ヘンイコセン、テトラコセン、トリアコンテン、テトラコンテン、ペンタコンテン等の直鎖又は分岐鎖を有するアルケンが挙げられる。
炭素数2~50のアルキンとしては、アセチレン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチン、ノニン、デシン、ウンデシン、ドデシン、トリデシン、テトラデシン、ペンタデシン、ヘキサデシン、ヘプタデシン、オクタデシン、ノナデシン、イコシン、ヘンイコシン、テトラコシン、トリアコンチン、テトラコンチン、ペンタコンチン等の直鎖又は分岐鎖を有するアルキンが挙げられる。
炭素数3~50の環式飽和炭化水素化合物としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等やこれらに1又は2以上のアルキル基、アルケニル基等を有するものが挙げられる。
ヘテロ原子を有する炭素数3~50の環式飽和炭化水素化合物としては、炭素数1~50の複素環式化合物が挙げられ、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、カルバゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ベンゾチアジアゾール、フェナントリジン、オキサジアゾール、チアジアゾール等や、これらの複素環に1又は2以上のアルキル基、アルケニル基等を有するものが挙げられる。
炭素数6~50の芳香族化合物としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、ターフェニル、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、o-t-ブチルトルエン、m-t-ブチルトルエン、p-t-ブチルトルエン、1-エチル-4-メチルベンゼン、1-エチル-3-メチルベンゼン、1-イソプロピル-4-メチルベンゼン、1-t-ブチル-4-メチルベンゼン、メシチレン、プソイドクメン、デュレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、メチルアントラセン、4,4’-ジメチルビフェニル、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、1,4-ジエチルベンゼン、スチレン、ジスチレン化フェニル、クアテルフェニル、キンクフェニル、セキシフェニル、セプチフェニル、オクチフェニル等やこれらの他に芳香環に1又は2以上のアルキル基、アルケニル基等を有する化合物が挙げられる。
<(ポリ)アルキレングリコール部位(B)>
上記PAG化合物は、(ポリ)アルキレングリコール部位(B)を有し、部位(B)を構成するアルキレン基の炭素数は、同一又は異なって、2~20であることが好ましい。
上記アルキレン基の好ましい炭素数は、「同一又は異なって」2~20であるが、これは、(ポリ)アルキレングリコール中にアルキレン基が複数存在する場合に、アルキレン基の炭素数が全て同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。
上記PAG化合物は、部位(B)の位置は特に制限されないが、PAG化合物の末端に位置していることが好ましく、化合物の末端に(ポリ)アルキレングリコール鎖を有するものであることがより好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコール部位(B)は、末端にヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を有していてもよく、該炭化水素基の炭素数は、上記疎水性の構造部位(A)に含まれる炭素数よりも小さいことが好ましい。
上記PAG化合物における(ポリ)アルキレングリコール部位(B)は、下記式(3);
-(RO)- (3)
(式中、Rは、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。nは、同一1~100の数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
は、「同一又は異なって」、炭素数2~20のアルキレン基を表すが、これは、(ポリ)アルキレングリコール中にn個存在するRのアルキレン基が全て同一であってもよく、異なっていてもよいことを意味する。
Oで表されるオキシアルキレン基は、アルキレンオキシド付加物であり、このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、スチレンオキシド等の炭素数2~8のアルキレンオキシドが挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2~4のアルキレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
また、上記ポリアルキレングリコールが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の中から選ばれる任意の2種類以上のアルキレンオキシド付加物である場合、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態であってもよい。なお、親水性と疎水性とのバランス確保のため、(ポリ)アルキレングリコール中のオキシアルキレン基として、オキシエチレン基を必須成分として有することが好ましく、50モル%以上がオキシエチレン基であることがより好ましく、90モル%以上がオキシエチレン基であることが更に好ましい。
上記式(3)におけるnはオキシアルキレン基の平均付加モル数であって、1~100の数を表す。nとして好ましくは2~90であり、より好ましくは3~80であり、更に好ましくは4~70であり、一層好ましくは5~60であり、特に好ましくは6~50であり、より一層好ましくは7~45であり、更に一層好ましくは8~40であり、最も好ましくは10~30である。
<窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)>
上記PAG化合物における窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)は、窒素原子を含む環構造を有し、かつ、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であること、及び/又は、芳香族性を有するものである。
環構造を形成するヘテロ原子としては窒素原子とその他のヘテロ原子であればよく、その他のヘテロ原子として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、好ましくは酸素原子である。
上記構造部位(C)は、下記式(4);
Figure 0007339427000006
(式中、Rは、直接結合、又は、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Aは、同一又は異なって、窒素原子を含む環構造であり、以下の(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす。(i)環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子である。(ii)芳香族性を有する。Rは、水素原子、又は、有機基を表し、環に複数結合していてもよい。)で表される構造であることが好ましい。
上記Aは、窒素原子を含む環構造であり、上記(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす限り特に制限されず、環構造が1つであっても、複数の環が縮合した形態であってもよい。好ましくは環構造を1つ有する形態である。
上記Aが、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であるものの場合、以下の窒素原子含有環状化合物由来の構造が挙げられる。
ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾリジンジオン、オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルフォリン、オキサジン、チオモルフォリン、チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、チオモルフォリンジオキサイド、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジアゼピン、チアゼピン等。
上記Aが、芳香族性を有するものである場合、以下の窒素原子含有環状化合物由来の構造が挙げられる。
ピロール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インドリン、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、アデニン、グアニン、テトラヒドロキノリノリン、ジヒドロイソキノリノリン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、キノリノン、イソキノリノン、カルベゾール、アクリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン等。
上記窒素原子含有環状化合物は、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)の値が好適な範囲であり、好適な疎水性を有し、得られる構造部位(C)が親水性と疎水性のバランスに優れるものとなる。
ハンセン溶解度パラメータの定義と計算はCharles M.Hansen著「Hansen Solubility Parameters;A Users Handbook(CRC Press,2007)」に記載されている。また、コンピュータソフトウェア「HSPiP4.1.0」を用いることにより、文献にパラメータ値の記載がない単量体に関しても、その化学構造からハンセン溶解度パラメータを推算することができる。
上記窒素原子含有環状化合物は、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)におけるδd(分散項)、δp(極性項)及びδh(水素結合項)が、それぞれ以下の範囲であることが好ましい。
0≦δd≦50
0≦δp≦50
0≦δh≦50
以下の範囲であることがより好ましい。
5≦δd≦40
1≦δp≦40
1≦δh≦40
以下の範囲であることが更に好ましい。
10≦δd≦30
2≦δp≦30
2≦δh≦30
以下の範囲であることが最も好ましい。
15≦δd≦25
3≦δp≦20
3≦δh≦20
上記構造部位(C)は2以上の窒素原子を有することが好ましく、環構造を形成する原子の2以上が窒素原子であることがより好ましい。
すなわち、上記Aにおける原子の2以上が窒素原子であるであることが好ましく、Aは、以下の窒素原子含有環状化合物由来の構造であることが好ましい。
ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、シトシン、チミン、ウラシル、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、フェナジン、ジアゼピン、チアゼピン等。
上記窒素原子含有環状化合物として好ましくはピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン等であり、より好ましくはイミダゾリン、イミダゾール等である。
上記Rは、水素原子、又は、有機基を表し、環に複数結合していてもよい。環に結合するRの有機基の数としては、0~5が好ましく、より好ましくは0~4であり、更に好ましくは1~3であり、特に好ましくは1~2である。
上記有機基としては特に制限されないが、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、次亜リン酸基、スルホン酸基、エーテル基等の官能基や、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~20の炭化水素基等が挙げられる。
炭化水素基の具体例は上述のとおりであり、ヘテロ原子を有するものとしては、上記官能基を有するものが挙げられる。
炭化水素基として好ましくはアルキル基、アリール基である。中でも好ましくは炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~20のアリール基等である。
上記炭化水素基の炭素数として好ましくは1~15であり、より好ましくは1~10であり、更に好ましくは1~6である。
上記Rとして好ましくは炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基であり、より好ましくは炭素数1~20のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1~10のアルキル基である。
上記構造部位(C)としてより好ましくは、下記式(5)又は(5’);
Figure 0007339427000007
(式中、Rは、直接結合、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、有機基を表し、環に複数結合していてもよい。)で表される構造である。
上記Aは、窒素原子を含む環構造であり、上記(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす限り特に制限されず、環構造が1つであっても、複数の環が縮合した形態であってもよい。
上記式(4)のRにおける炭化水素基の炭素数としては炭素数2~7が好ましく、より好ましくは2~5である。
上記Rにおける炭化水素基の炭素数としては1~15が好ましく、より好ましくは1~10であり、更に好ましくは1~5である。
上記Rにおける炭化水素基はヘテロ原子を有していてもよく、例えば上述の置換基を有していてもよい。
上記Rとして好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基である。
上記式(4)におけるRは、直接結合又は下記式(2)~(2’’);
Figure 0007339427000008
(式中、xは、0又は1を表す。Rは、直接結合、又は、エーテル構造を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を表す。)のいずれかで表される構造であることが好ましい。
上記Rにおけるアルキレン基の炭素数は、1~7が好ましく、より好ましくは1~5であり、更に好ましくは1~3である。
上記Rとしてより好ましくは、直接結合又は下記式(6)~(6’’);
Figure 0007339427000009
(式中、x、yは、同一又は異なって、0又は1を表す。zは、0~5の数を表す。)で表される構造である。
上記zとして好ましくは0~3であり、より好ましくは0~2であり、更に好ましくは0又は1である。
x、y、zの好ましい組み合わせとしては(x,y,z)=(1,1,1)、(1,0,1)、(0,0,0)である。
本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物として好ましくは、下記式(1);
Figure 0007339427000010
(式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は疎水性基を表す。但し、R、Rの少なくとも一方は、疎水性基である。Rは、同一又は異なって、直接結合、又は、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。Aは、同一又は異なって、窒素原子を含む環構造を有し、以下の(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす置換基を表す。(i)環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子である。(ii)芳香族性を有する。X、Xは、同一又は異なって、直接結合又は2価の連結基を表す。m、nは、同一又は異なって、1~100の数を表す。)で表される化合物である。
上記Aにおける窒素原子を含む環構造を有し、上記(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす置換基としては、上記Aに述べた窒素原子含有環状化合物由来の構造が好ましい。
上記式(1)におけるR、Rは、同一又は異なって、水素原子又であり、少なくとも一方が疎水性基であり、R、Rがともに疎水性基であってもよい。好ましくはRが疎水性基である形態である。
上記R、Rにおける疎水性基としては、疎水性を示す有機基であることが好ましい。
有機基として具体的には、置換基を有していてもよい炭化水素基や、ヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。置換基、ヘテロ原子の具体例は上述のとおりである。
炭化水素基の炭素数として好ましくは1~50であり、より好ましくは3~30であり、更に好ましくは4~21であり、一層好ましくは6~18であり、特に好ましくは8~14である。
なお、上記炭化水素基の炭素数には、置換基の炭素数も含むものとする。
上記炭化水素基としては、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等が挙げられる。
ヘテロ原子を有する炭化水素基としては、複素環基等が挙げられる。
炭素数1~50のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基(アミル基)、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコサニル基、i-プロピル基、sec-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、i-アミル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、t-アミル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-エチル-2-メチルプロピル基、1-メチルヘプチル基、2-エチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、t-オクチル基、2,6-ジメチルオクチル基、2-ブチルオクチル基、分岐したノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、テトラコンチル基、ペンタテトラコンチル基、ペンタコンチル基等の脂肪族アルキル基;シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロヘキシルプロピル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基(C7)、アダマンチル基(C10)、シクロペンチルエチル基、シクロプロピルオクタデシル基、シクロブチルヘプタデシル基、シクロペンチルヘキサデシル基、シクロヘキシルペンタデシル基、シクロヘプチルテトラデシル基、シクロオクチルトリデシル基等の脂環式アルキル基が挙げられる。
炭素数2~50のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、イコセニル基、エイコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基、ペンタトリアコンテニル基、テトラコンテニル基、ペンタテトラコンテニル基、ペンタコンテニル基等が挙げられる。
炭素数2~50のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ドデシニル基、オクタデシニル基、イコシニル基、エイコシニル基、ヘンイコシニル基、ドコシニル基、トリコシニル基、テトラコシニル基、ペンタコシニル基、ヘキサコシニル基、ヘプタコシニル基、オクタコシニル基、ノナコシニル基、トリアコンチニル基、ペンタトリアコンチニル基、テトラコンチニル基、ペンタテトラコンチニル基、ペンタコンチニル基等が挙げられる。
炭素数6~50のアリール基としては、例えば、フェニル基;ナフチル基;ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、スチリル基(Ph-CH=C-基)、シンナミル基(Ph-CH=CHCH2-基)、1-ベンゾシクロブテニル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、クォーターフェニル基、キンクフェニル基等、及び、これらの基やフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ジスチレン化フェニル基等やこれらの他、ベンゼンやナフタレン等の芳香環にアルキル基等が結合した基が挙げられる。
炭素数2~50の複素環基としては、例えば、ピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、テトラゾール基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、1,2,3-トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基、ブテリジニル基、クマリニル基、クロモニル基、1,4-ベンゾジアゼピニル基、インドール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾフラニル基、プリニル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基等や、これら以外に芳香族複素環に上記のアルキル基を有するもの等が挙げられる。複素環基としては芳香族性を有する芳香族複素環基が好ましく、テトラゾール基、イミダゾール基がより好ましい。
上記疎水性基として好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい脂肪族アルキル基であり、更に好ましくは、置換基を有しない直鎖又は分岐鎖を有する脂肪族アルキル基である。
上記式(1)におけるRの具体例及び好ましい例並びにnの好ましい範囲は、式(3)について述べたとおりである。式(1)におけるRの具体例及び好ましい例は、式(2)~(2’’)について述べたとおりである。
上記Rが水素原子以外の基である場合、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基であり、より好ましくは置換基を有していてもよい脂肪族アルキル基であり、更に好ましくは置換基を有しない直鎖又は分岐鎖を有する脂肪族アルキル基である。Rとして好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~3のアルキル基又は水素原子であり、より好ましくはメチル基又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である。
上記式(1)においてRが疎水性基であって、Rが水素原子又はメチル基である形態は本発明の好適な実施形態の1つである。
上記式(1)におけるX、Xは、同一又は異なって、直接結合又は2価の連結基を表す。
上記2価の連結基としては特に制限されないが、例えば、ウレタン基(結合)、エステル基(結合)、エーテル基(結合)、カルボニル基、カーボネート基(結合)、チオエーテル基(結合)、イソシアネート基、アミド基等の極性基や、これらの極性基やその他の置換基を有していてもよい2価の炭化水素基等が挙げられる。中でも好ましくはウレタン基、エステル基、エーテル基、カルボニル基、カーボネート基、硫黄原子を含む2価の有機基、イソシアネート基、アミド基が好ましい。
上記連結基の中でも、エステル基、アミド基、ウレタン基は、加水分解性を有するため、X、Xがこれらの基であれば、本発明のPAG化合物の生分解性が向上する。生分解性の観点からより好ましくはエステル基、アミド基であり、更に好ましくはエステル基である。
上記その他の置換基としては、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、スルホン酸基、アミノ基、リン酸基等が挙げられる。
上記炭化水素基の炭素数としては1~5であることが好ましい。
上記式(1)におけるXとしては直接結合、ウレタン基(結合)、エーテル基(結合)、エステル基(結合)、カルボニル基又は下記式(7);
Figure 0007339427000011
(式中、Z、Zは、水素原子又は水酸基を表し、Z、Zの一方が水素原子であり、もう一方が水酸基である。)で表される基であることが好ましい。
としてより好ましくは直接結合、エーテル基(結合)又は上記式(7)で表される基であり、更に好ましくは直接結合、エーテル基(結合)又はエステル基(結合)である。
上記Xが2価の連結基である場合、硫黄原子を含む構造であることが好ましい。
硫黄原子を含む構造は、硫黄原子を含む2価の有機基であれば特に制限されないが、下記式(8);
-R―S― (8)
(式中、Rは、炭素数1~10の2価の有機基を表す。)で表される構造が好ましい。
炭素数1~10の2価の有機基としては、カルボニル基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい炭素数1~3の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基等から水素原子を1つ引き抜いて得られる基であることが好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基の具体例は上述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基の具体例に含まれる。
上記2価の連結基としてより好ましくは下記式(9);
Figure 0007339427000012
(式中、Rは、置換基を有していてもよい、炭素数1~9のアルキレン基を表す。)で表される構造である。
上記アルキレン基の炭素数としては、1~8であることが好ましく、より好ましくは1~6であり、更に好ましくは1~4であり、最も好ましくは2である。
としては置換基を有しないアルキレン基が好ましい。
上記アルキレン基としては、メチレン基、メチルメチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基等が挙げられる。これらの中でも好ましくはメチレン基、メチルメチレン基、エチレン基、n-プロピレン基であり、更に好ましくはエチレン基である。
上記式(1)におけるXは、直接結合又は上記式(9)で表される構造であることが好ましい。
例えば、後述する製造方法において、(ポリ)アルキレングリコール化合物にメルカプトカルボン酸を反応させて得られた反応物と窒素原子含有環状化合物とを反応させて式(1)の化合物を製造することにより、式(1)におけるXが式(9)で表される構造となる。
上記式(1)におけるmは、PAG化合物における構造部位(C)の数を表し、1~100である。好ましくは1~50であり、より好ましくは1~25であり、更に好ましくは1~10であり、特に好ましくは1~5である。
本発明のPAG化合物において、Rの炭素数は上述の範囲であることが好ましいが、上記式(1)におけるR、X、R、Xの合計の炭素数が1~50であることが好ましく、より好ましくは3~30であり、更に好ましくは5~25である。
上記R、X、R、Xの合計の炭素数が上記範囲である場合、Rの炭素数として好ましくは1~48であり、より好ましくは3~30であり、更に好ましくは4~21であり、一層好ましくは6~18であり、特に好ましくは8~14である。
≪本発明のPAG化合物の製造方法≫
本発明はまた、上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を製造する方法であって、上記製造方法は、下記(i)~(iv)のいずれかの工程を含むとする(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の製造方法でもある。
(i)窒素原子含有環状化合物と、(ポリ)アルキレングリコールの片末端に疎水性基を有する化合物(疎水性基含有化合物)とを反応させる工程
(ii)窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物と疎水性基を有する化合物(疎水性基含有化合物)とを反応させる第2工程
(iii)疎水性基を有する化合物(疎水性基含有化合物)と窒素原子含有環状化合物とを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第2工程
(iv)疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる工程
以下において、上記疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールと疎水性基を有しない(ポリ)アルキレングリコールとを単に(ポリ)アルキレングリコール化合物ともいう。
<窒素原子含有環状化合物>
本発明のPAG化合物の製造方法に用いられる窒素原子含有環状化合物は、窒素原子を含む環構造を有し、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であること、及び/又は、芳香族性を有するものであって、上記(i)における疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールや上記(ii)、(iv)の(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシド、上記(iii)における疎水性基含有化合物と反応することができるものであれば特に制限されないが、構造部位(C)において述べた窒素原子含有環状化合物やこれらに反応性の官能基を有する化合物等が挙げられる。
反応性の官能基としては、エポキシ基、ビニル基等の重合性不飽和基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。好ましくはエポキシ基、ビニル基、水酸基であり、より好ましくはエポキシ基、水酸基、アミノ基である。
上記窒素原子含有環状化合物は、窒素原子を有する環構造以外に上述のとおり反応性の官能基を有していてもよく、その場合、窒素原子含有環状化合物における反応性の官能基に、疎水性基含有化合物、(ポリ)アルキレングリコール化合物やアルキレンオキシドを反応させることができる。
また、窒素原子を有する環構造以外に反応性の官能基を有しない場合には、環構造における窒素原子やその他のヘテロ原子において、疎水性基含有化合物、(ポリ)アルキレングリコール化合物やアルキレンオキシドを反応させることができる。
例えば、窒素原子含有環状化合物がイミダゾリンである場合、環構造におけるNH基と疎水性基含有化合物、(ポリ)アルキレングリコール化合物やアルキレンオキシドを反応させることができる。
上記窒素原子含有環状化合物としては、上記式(4)におけるAについて述べた窒素原子含有環状化合物やこれらに有機基が結合した誘導体等が挙げられる。ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン等及びこれらの誘導体であり、より好ましくはイミダゾリン、イミダゾール及びこれらに炭素数1~20のアルキル基が結合した誘導体である。具体的は、メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、プロピルイミダゾリン、ブチルイミダゾリン、ヘプチルイミダゾリン、メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、プロピルイミダゾール、ブチルイミダゾール、ヘプチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明のPAG化合物は、上記方法(iv)において、疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物は、疎水性基を有し、かつ(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドと反応することができるものであればよいが、下記式(10);
Figure 0007339427000013
(式中、Rは、疎水性基を表す。Rは、直接結合、又は、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Aは、同一又は異なって、窒素原子を含む環構造を有し、以下の(i)、(ii)の少なくともいずれかを満たす置換基を表す。(i)環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子である。(ii)芳香族性を有する。Xは、直接結合又は2価の連結基を表す。X2’は、水素原子、又は、反応性官能基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記R、R、Aの具体例及び好ましい例は、上記式(1)に述べたとおりである。X2’における反応性官能基は、(ポリ)アルキレングリコール化合物又はアルキレンオキシドと反応することができる基であればよく、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、次亜リン酸基等が挙げられる。
上記反応性官能基としては水酸基、エポキシ基が好ましい。
上記Rが式(2)~式(2’’)のいずれかで表される構造である場合、X2’として好ましくは水素原子である。
<疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコール>
上記(i)における疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールは、上述の疎水性基と(ポリ)アルキレングリコール鎖とを有し、上記窒素原子含有環状化合物と反応することができる化合物であれば特に制限されないが、下記式(11);
1’-O-(R3’O)n-X2’’ (11)
(式中、R1’は、疎水性基を表す。R3’は、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。X2’’は、水素原子、又は、反応性官能基を有する炭素数1~10の有機基を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
上記式(11)におけるR1’、R3’の具体例及び好ましい例は、式(1)等におけるR、Rについてと同様である。
2’’における反応性官能基は、窒素原子含有環状化合物における反応性官能基と結合を形成することができる基であればよく、チオール基、エポキシ基、グリシジルエーテル基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、次亜リン酸基等が挙げられる。
2’’における有機基は、窒素原子含有環状化合物と結合を形成する官能基以外に官能基を有していてもよく、例えば、カルボニル基、水酸基等を有していてもよい。
2’’として好ましくは、水素原子又は下記式(12);
-R―SH (12)
(式中、Rは、炭素数1~10の2価の有機基を表す。)で表される基である。
2’’としてより好ましくは、水素原子又は下記式(13);
Figure 0007339427000014
(式中、Rは、置換基を有していてもよい、炭素数1~10のアルキレン基を表す。)で表される基である。
窒素原子含有環状化合物としてエポキシ基等の反応性官能基を有する化合物を用いる場合には、疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールは、式(15)においてX2’が水素原子又はグリシジルエーテル基である化合物が好ましい。
窒素原子含有環状化合物としてビニル基等の重合性不飽和基を有する化合物を用いる場合には、疎水性基含有(ポリ)アルキレングリコールは、式(15)においてX2’が式(17)で表される基である化合物が好ましい。
上記式(12)におけるR、式(13)におけるRの具体例及び好ましい例は、式(8)、(9)について述べたとおりである。
上記式(11)におけるX2’’が水素原子である化合物は、例えば、疎水性基を有するアルコールに酸化エチレン等の酸化アルキレンを付加させることにより得ることができるが、市販品を用いることもできる。
上記式(11)におけるX2’’が式(13)で表される基である化合物は、式(11)におけるX2’’が水素原子である化合物にメルカプトカルボン酸を反応させて得ることができる。上記メルカプトカルボン酸として具体的には、チオグリコール酸(メルカプト酢酸)、3-メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトプロピオン酸(チオ乳酸)、4-メルカプトブタン酸、チオリンゴ酸等が挙げられる。好ましくは3-メルカプトプロピオン酸である。
<(ポリ)アルキレングリコール>
上記方法(ii)で用いられる(ポリ)アルキレングリコールは、(ポリ)アルキレングリコール鎖と少なくとも1つの末端に反応性の官能基とを有するものであればよいが、好ましくは下記式(14);
2’-(R3’O)n-R4’ (14)
(式中、R4’は、水素原子又は疎水性基を表す。R3’は、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。X2’は、水素原子、又は、反応性官能基を表す。nは、1~100の数を表す。)で表される化合物である。
上記式(14)におけるn、R3’、R4’の具体例及び好ましい例はそれぞれ、式(1)のn、R、Rと同様である。
2’における反応性官能基は、窒素原子含有環状化合物における反応性官能基と結合を形成することができる基であればよく、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、次亜リン酸基等が挙げられる。
2’として好ましくは水素原子である。
上記(ポリ)アルキレングリコールは、例えば上記式(14)においてR4’が炭素数1~3のアルキル基であって、X2’が水素原子である場合、炭素数1~3のアルキルアルコールにアルキレンオキシドを反応させて得ることができるが、市販品を用いることもできる。
<疎水性基含有化合物>
上記方法(ii)の第2工程、方法(iii)の第1工程で用いる疎水性基含有化合物は、疎水性基を有し、窒素原子含有環状化合物と(ポリ)アルキレングリコール化合物との反応物と反応できるものであれば特に制限されないが、下記式(15);
1’-X1’ (15)
(式中、R1’は、疎水性基を表す。X1’は、反応性官能基を表す。)で表される化合物が好ましい。
上記式(15)におけるR1’の具体例及び好ましい例は、式(1)のRの具体例及び好ましい例と同様である。
上記式(15)におけるX1’は、上記(ii)の第1工程で得られた反応生成物、窒素原子含有環状化合物における官能基と反応性を有する官能基であれば特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子、エポキシ基、グリシジル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられる。X1’として好ましくはハロゲン原子、グリシジル基、エポキシ基である。
上記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、好ましくは塩素、ヨウ素である。
上記式(15)で表される疎水性基含有化合物として、具体的には、炭素数1~50のアルキルアルコール、アルケニルアルコール、アリールアルコール等の水酸基を有する疎水性基含有化合物;炭素数1~50のハロゲン化アルキル等のハロゲン原子を有する疎水性基含有化合物;炭素数4~50のアルキルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル基を有する疎水性基含有化合物;炭素数2~50のエポキシアルカン等のエポキシ基を有する疎水性基含有化合物;炭素数2~50のアルキルイソシアネート等のイソシアネート基を有する疎水性基含有化合物;炭素数1~50のアルキルアミン、アリールアミン、N-アルキル-N-アリールアミン等のアミノ基を有する疎水性基含有化合物;炭素数2~50のカルボン酸;等が挙げられる。
これらの中でも好ましくは、エポキシ基を有する疎水性基含有化合物、水酸基を有する疎水性基含有化合物、ハロゲン原子を有する疎水性基含有化合物、カルボン酸であり、より好ましくはエポキシ基を有する疎水性基含有化合物である。
上記疎水性基含有化合物の炭素数として好ましくは1~50であり、より好ましくは3~30であり、更に好ましくは4~21であり、一層好ましくは8~18であり、特に好ましくは10~14である。
上記炭素数1~50のアルキルアルコールとして好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール(ラウリルアルコール)、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール及びイコシルアルコール等である。
炭素数2~50のアルケニルアルコールとして好ましくはビニルアルコール、プロペニルアルコール、イソプロペニルアルコール、3-ブテニルアルコール、2-ペンテニルアルコール、3-ペンテニルアルコール、4-ペンテニルアルコール、2-メチル-2-ブテニルアルコール、2-メチル-3-ブテニルアルコール、4-ヘキセニルアルコール、6-ヘプテニルアルコール、2-メチル-5-ヘキセニルアルコール、7-オクテニルアルコール、cis-3-オクテン-1-オール、2-メチル-7-オクテニルアルコール、8-ノネニルアルコール、9-デセニルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
炭素数6~50のアリールアルコールとして好ましくはフェニルアルコール、メチルフェニルアルコール(o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール)、クレオソール、エチルフェニルアルコール、プロピルフェニルアルコール、ブチルフェニルアルコール、ブチルメチルフェニルアルコール、ジメチルフェニルアルコール、ジエチルフェニルアルコール、ジブチルフェニルアルコール、ヒドロキシビフェニル、4-ヒドロキシメチルビフェニル、3-ヒドロキシメチルビフェニル、4-ヒドロキシエチルビフェニル、3-ヒドロキシエチルビフェニル、ナフトール、1-ヒドロキシメチル-ナフタレン、1-ヒドロキシエチル-ナフタレン、2-ヒドロキシメチル-ナフタレン、2-ヒドロキシエチル-ナフタレン等が挙げられる。
上記炭素数1~50のハロゲン化アルキルとして好ましくはハロゲン化ブチル、ハロゲン化ペンチル、ハロゲン化ヘキシル、ハロゲン化ヘプチル、ハロゲン化オクチル、ハロゲン化ノニル、ハロゲン化デシル、ハロゲン化ウンデシル、ハロゲン化ドデシル、ハロゲン化トリデシル、ハロゲン化テトラデシル、ハロゲン化ペンタデシル、ハロゲン化ヘキサデシル、ハロゲン化ヘプタデシル、ハロゲン化オクタデシル、ハロゲン化ノナデシル及びハロゲン化イコシル等である。
上記炭素数4~50のアルキルグリシジルエーテルとして好ましくはメチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル(ラウリルグリシジルエーテル)、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、ヘプタデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、ノナデシルグリシジルエーテル及びイコシルグリシジルエーテル等である。
炭素数2~50のエポキシアルカンとして好ましくは上述のエチレンオキシド;1,2-エポキシヘキサン、1,2-エポキシヘプタン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキシノナン、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシウンデカン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキシテトラデカン、1,2-エポキシペンタデカン、1,2-エポキシヘキサデカン、1,2-エポキシヘプタデカン、1,2-エポキシオクタデカン、1,2-エポキシノナデカン、1,2-エポキシエイコサン等である。
炭素数2~50のアルキルイソシアネートとして好ましくはメチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ヘプチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ノニルイソシアネート、デシルイソシアネート、ウンデシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、トリデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ペンタデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、ヘプタデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ノナデシルイソシアネート及びイコシルイソシアネート等である。
炭素数1~50のアルキルアミンとして好ましくはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン及びイコシルアミン等である。
炭素数6~50のアリールアミンとして好ましくは、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
炭素数7~50のN-アルキル-N-アリールアミンとして好ましくは、N-メチルアニリン、N-エチルアニリン、N-プロピルアニリン、N-ブチルアニリン、N-ペンチルアニリン、N-ヘキシルアニリン、N-ヘプチルアニリン、N-オクチルアニリン、N-ノニルアニリン、N-デシルアニリン、N-ウンデシルアニリン、N-ドデシルアニリン、N-トリデシルアニリン、N-テトラデシルアニリン、N-ペンタデシルアニリン、N-tert-ブチル-3,5-ジメチルアニリン、N-メチルベンジルアミン、N-ブチルベンジルアミン、N-tert-ブチル-ベンジルアミン等が挙げられる。
炭素数2~50のカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2-エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸の飽和脂肪酸類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸(パウリン酸)、エルカ酸、ネルボン酸等のモノ不飽和脂肪酸;リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸等のジ不飽和脂肪酸;α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸等のトリ不飽和脂肪酸;ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸等のテトラ不飽和脂肪酸;ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸等のペンタ不飽和脂肪酸;ドコサヘキサエン酸、ニシン酸等のヘキサ不飽和脂肪酸;等が挙げられる。
<本発明のPAG化合物の製造方法における各化合物の使用量及び反応条件>
上記方法(i)における窒素原子含有環状化合物の使用量は、(ポリ)アルキレングリコール化合物100モル%に対して、100~10000モル%であることが好ましい。より好ましくは100~7500モル%であり、更に好ましくは100~5000モル%であり、特に好ましくは100~1000モル%である。
方法(ii)、(iii)(iv)において、(ポリ)アルキレングリコール化合物を用いる場合の窒素原子含有環状化合物((iii)においては第1工程で得られた反応物、(iv)においては疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物)の使用量の好ましい範囲も上記(i)における窒素原子含有環状化合物の使用量の好ましい範囲と同様である。
方法(ii)、(iii)(iv)において、アルキレンオキシドを用いる場合、アルキレンオキシドの使用量は、窒素原子含有環状化合物((iii)においては第1工程で得られた反応物、(iv)においては疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物)100モル%に対して、100~10000モル%であることが好ましい。より好ましくは300~8000モル%であり、更に好ましくは500~6000モル%である。
方法(ii)、(iii)における疎水性基含有化合物の使用量は、第1工程で得られた反応物((iii)においては窒素原子含有環状化合物)の使用量100モル%に対して、5~5000モル%であることが好ましい。より好ましくは7~1000モル%であり、更に好ましくは10~500モル%である。
上記方法(i)~(iv)における反応工程では、反応速度の観点から触媒を用いることが好ましい。触媒としては、硫酸、リン酸などの鉱酸、四塩化スズ、三フッ化ホウ素等のルイス酸等の酸触媒;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の塩基性触媒;重合触媒等が挙げられる。
重合触媒としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2’-アゾビス-2-メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’-アゾビス-2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2-カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性アゾ系開始剤等が挙げられる。
エポキシ基等の反応性官能基を有する窒素原子含有環状化合物と、ポリアルキレングリコール末端が水酸基等の反応性官能基である(ポリ)アルキレングリコール化合物とを反応させる場合には、塩基性触媒を用いることが好ましい。塩基性触媒としてより好ましくは水酸化ナトリウムである。
ビニル基等の重合性不飽和基を有する窒素原子含有環状化合物と、末端にチオール基を有する(ポリ)アルキレングリコール化合物とを反応させる場合には、水溶性アゾ系開始剤を用いることが好ましい。水溶性アゾ系開始剤としてより好ましくはアゾアミジン化合物である。
上記(ポリ)アルキレングリコール化合物を使用する反応における上記触媒の使用量は、(ポリ)アルキレングリコール化合物100モル%に対して、0.5~10モル%であることが好ましい。より好ましくは1~5モル%である。
また、(疎水性基を有する)窒素原子含有環状化合物を使用する反応における上記触媒の使用量は、(疎水性基を有する)窒素原子含有環状化合物100モル%に対して、1~200モル%であることが好ましい。より好ましくは2~100モル%である。
上記方法(ii)、(iii)の第2工程における上記触媒の使用量は、第1工程で得られた反応物100モル%に対して、0.01~200モル%であることが好ましい。より好ましくは0.02~200モル%である。
本発明の製造方法における各反応工程における反応温度としては特に制限されないが、20~180℃が好ましく、より好ましくは30~160℃である。また、反応圧力としては、常圧から20Kg/cmG以下が好ましく、より好ましくは1~10Kg/cmGである。
上記反応工程では、窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。また、反応後に窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で保存してもよい。
上記方法(i)における反応工程の後、必要に応じて、反応物と、前述の式(15)で表される化合物と同様の化合物とを反応させても構わない。
本発明のPAG化合物の製造方法では、必要に応じて、上記方法(i)、(iv)の反応工程、及び、上記方法(ii)、(iii)の第1工程、第2工程の後または途中に、精製工程を設けてもよい。
精製工程としては、残存原料、副生成物、水分、触媒の残渣等を除去する工程や、触媒を中和する工程等が挙げられる。
例えば、反応工程後の溶液について目的の化合物の分子量に応じた分画分子量の透析膜を用いて透析を行うことにより精製を行うことが好ましい。
≪本発明のPAG化合物を含む組成物≫
本発明のPAG化合物を含む組成物は、本発明のPAG化合物を必須として含むものである。上記組成物は、本発明のPAG化合物以外に、未反応の原料、副生成物、触媒の残渣、溶媒等のその他の成分を含みうる。
上記組成物における本発明のPAG化合物の含有量は、組成物100質量%に対して、1~99.9質量%であることが好ましい。より好ましくは1~99質量%である。
すなわち、本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を含む組成物は、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外のその他の成分とを含み、(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の含有量が、組成物100質量%に対して、1~99.9質量%である。(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の含有量として好ましくは30~99.9質量%であり、更に好ましくは50~99.9質量%である。
≪本発明のPAG化合物の用途≫
本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物は、洗剤用ビルダー、洗剤、粉末洗剤、液体洗剤、パウチ型洗剤、衣料用洗剤、手洗い食器用洗剤、自動食洗器用洗剤、硬質表面洗浄剤、表面改質剤、水処理剤、スケール防止剤、分散剤等、種々の用途に用いられるが、好ましくは洗剤用ビルダー、洗剤;衣料用洗剤等の洗濯洗剤;手洗い食器用洗剤、自動食洗器用洗剤等の台所用洗剤等に用いられることが好ましい。
本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を洗剤用添加剤として使用する方法もまた、本発明の1つである。
<洗剤組成物>
本発明はまた、本発明の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外の洗剤用添加剤とを含む洗剤組成物でもある。
上記(ポリ)アルキレングリコール含有化合物以外の洗剤添加剤としては、界面活性剤や通常洗剤に用いられる添加剤であれば特に制限されず、洗剤分野において従来公知の知見が適宜参照されうる。
また、上記洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であってもよいし、液体洗剤組成物であってもよい。
上記界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸又はエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステル又はその塩、アルケニルリン酸エステル又はその塩等が好適である。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等が好適である。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基には、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が好適である。また、両性界面活性剤としては、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤等が好適である。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基等のアルキル基が分岐していてもよい。
上記界面活性剤の配合割合は、通常、洗剤組成物の全量に対して10~60質量%であり、好ましくは15~50質量%であり、更に好ましくは20~45質量%であり、特に好ましくは25~40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮できなくなる虞があり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下する虞がある。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<複合汚れ(油/タンパク質/泥/カーボンブラック)の洗浄力評価試験1(通常条件)>
(1)5cm×5cmの湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会頒布)の白色度を予め日本電色工業社製の分光色差計SE6000型を用いて、反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム二水和物7.34gに純水を加えて20kgとし、硬水を調製した。
(3)20mLのスクリュー管に、各評価サンプルの固形分2%水溶液を10g調製した。
(4)洗剤成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)0.5g、硫酸ナトリウム2g、炭酸ナトリウム0.5gをビーカーに量り取った。
(5)(4)のビーカーに(2)の硬水を加えて2kgに調整し、洗浄液とした。
(6)ターゴットメーターを25℃に設定し、各ポットに(5)の洗浄液500mL、(3)のサンプル水溶液1.0mLを投入し、100rpmで2分間撹拌した。その後、汚染布5枚と浴比調整のための綿布(Test fabrics社製5cm×5cmのStyle#460)14.6gを入れ、100rpmで10分間撹拌した。(リファレンスとして、(3)のサンプル溶液の代わりに純水を添加したものを併せて評価した。)
(7)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、(2)の硬水500mLをポットに入れ25℃に調温し、100rpmで4分間撹拌した。
(8)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、室温で一晩乾燥させた後、上記分光色差計にて再度、汚染布の白色度を反射率にて測定した。
(9)(8)と同様に、汚染されていない布(以下、白布とも称する)として、Style#460の白色度を反射率にて測定した。
(10)以上の測定結果から下式により洗浄率(洗浄力)を求めた。
洗浄率(%)=((洗浄前の汚染布の白色度)-(洗浄後の汚染布の白色度))/((洗浄前の汚染布の白色度)-(白布の白色度))×100
洗浄率の値が大きいほど、洗浄力が良好であることを意味する。
<複合汚れ(油/タンパク質/泥/カーボンブラック)の洗浄力評価試験2(時短条件)>
(1)5cm×5cmの湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会頒布)の白色度を予め日本電色工業社製の分光色差計SE6000型を用いて、反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム二水和物7.34gに純水を加えて20kgとし、硬水を調製した。
(3)20mLのスクリュー管に、各評価サンプルの固形分2%水溶液を10g調製した。
(4)洗剤成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)0.5g、硫酸ナトリウム純水2g、炭酸ナトリウム0.5gをビーカーに量り取った。
(5)(4)のビーカーに(2)の硬水を加えて2kgに調整し、洗浄液とした。
(6)ターゴットメーターを25℃に設定し、各ポットに(5)の洗浄液500mL、(3)のサンプル水溶液1.0mLを投入し、100rpmで2分間撹拌した。その後、汚染布5枚と浴比調整のための綿布(Test fabrics社製Style#460、5cm×5cmサイズ)14.6gを入れ、100rpmで3分間撹拌した。(リファレンスとして、(3)のサンプル溶液の代わりに純水を添加したものを併せて評価した。)
(7)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、(2)の硬水500mLをポットに入れ25℃に調温し、100rpmで2分間撹拌した。
(8)各ポットから汚染布を取り出し、手で水を切り、室温で一晩乾燥させた後、上記分光色差計にて再度、汚染布の白色度を反射率にて測定した。
(9)(8)と同様に、汚染されていない布(以下、白布とも称する)として、Style#460の白色度を反射率にて測定した。
(10)以上の測定結果から下式により時短条件における洗浄率(洗浄力)を求めた。
時短条件における洗浄率(%)=((洗浄前の汚染布の白色度)-(洗浄後の汚染布の白色度))/((洗浄前の汚染布の白色度)-(白布の白色度))×100
この洗浄率の値が大きいほど、時短条件における洗浄力が良好であり、洗浄速度が高いことを意味する。
<オレイン酸/水の界面張力測定>
(1)10mLのスクリュー管に各評価サンプルの固形分2%水溶液を5g調製した。
(2)(1)0.2gに純水を加えて100gとし、測定水溶液を調製した。
(3)界面張力測定装置(協和界面科学製、DMs-401)を用いて、(2)の測定水溶液とオレイン酸の界面張力を以下の条件で測定した。
・測定水溶液密度: 1.000g/ml
・オレイン酸密度: 0.895g/ml
・測定温度: 25℃
・解析手法: Young-Laplase法
<中間体(1)の合成例>
(1,2-エポキシテトラデカン-プロピルイミダゾリン)の合成
温度計、攪拌機及び窒素導入管を備えた容量500mLのガラス製四つ口ナスフラスコ反応容器に、2-プロピル-2-イミダゾリン56.51g(0.50mоl)を仕込み、撹拌下、100℃まで加熱した。その後、1,2-エポキシテトラデカン53.49g(0.25mоl)を反応容器内に滴下ロートで60分かけて滴下し、窒素雰囲気下で4時間その温度を保持し、反応の粗生成物を得た。粗生成物に300mlのヘキサンを加え、1000ml分液漏斗に移した。これを純水で4回洗浄し、未反応の2-プロピル-2-イミダゾリンを除去した。その後、有機層を回収し、ヘキサンをエバポレーションによって除去し、イミダゾリン環を有するアルキレンアルコール化合物(以下、中間体(1))を得た。
<実施例1>
温度計、撹拌機、原料導入管及び窒素導入管を備えた容量1LのSUS製オートクレーブ反応容器に、中間体(1)68.29g(0.21mоl)、触媒として水酸化カリウム0.150g(2.67mmоl)を仕込み、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で130℃まで加熱した。その後、反応容器内を真空ポンプを用いて2.9kPaまで減圧状態にして、撹拌下で1時間脱水を行った。そして安全圧下で150±5℃を保持したままエチレンオキシド231.71g(5.26mоl)を5時間かけて反応器内に導入し、導入後さらに1時間その温度を保持した。最後に、撹拌下に反応容器内を窒素置換し、室温まで冷却した。こうして、中間体(1)に平均25モルのエチレンオキシドが付加したポリアルキレングリコール含有化合物(1)を得た。
実施例1で得られたポリアルキレングリコール含有化合物(1)、比較例1として日本乳化剤株式会社製ニューコール2320(炭素数12~13の第1級アルコールに酸化エチレンを平均20モル付加した化合物であり、以下、NC2320とも称する)について、上記複合汚れの洗浄力評価試験1及びオレイン酸/水の界面張力測定を行い、結果を表1に示した。
Figure 0007339427000015

Claims (8)

  1. 疎水性の構造部位(A)と(ポリ)アルキレングリコール部位(B)と窒素原子を含む環構造を有する構造部位(C)とを有し、該疎水性の構造部位(A)が化合物の末端に位置し、
    該構造部位(C)は、環構造を形成する原子の2以上がヘテロ原子であること、及び/又は、芳香族性を有し、
    下記式(1);
    Figure 0007339427000016
    (式中、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又はヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を表す。但し、R、Rの少なくとも一方は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基である。R、ヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の3価の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、炭素数2~20のアルキレン基を表す。Aは、-A-Rを表し、Aは、同一又は異なって、ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾリジンジオン、オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルフォリン、オキサジン、チオモルフォリン、チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、チオモルフォリンジオキサイド、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジアゼピン、チアゼピン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、インドリン、インドール、イソインドール、インドリジン、テトラヒドロキノリノリン、ジヒドロイソキノリノリン、キノリン、イソキノリン、キノリノン、イソキノリノン、カルベゾール及びアクリジンからなる群より選択される化合物由来の構造を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子、又は、有機基を表し、Aの環構造に結合する該有機基の数が0~5であり、該有機基は、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、次亜リン酸基、スルホン酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基及び/又はヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の炭化水素基である。X、Xは、同一又は異なって、直接結合又は2価の連結基を表す。m、nは、同一又は異なって、1~100の数を表す。)で表される化合物であることを特徴とする(ポリ)アルキレングリコール含有化合物。
  2. 前記構造部位(C)は、2以上の窒素原子を有することを特徴とする請求項1に記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物。
  3. 前記構造部位(C)は、環構造を形成する原子の2以上が窒素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物。
  4. 前記Rが、同一又は異なって、下記式(2)~(2’’);
    Figure 0007339427000017
    (式中、xは、0又は1を表す。Rは、直接結合、又は、エーテル構造を有していてもよい炭素数1~8のアルキレン基を表す。)のいずれかで表される構造であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物を製造する方法であって、
    該製造方法は、下記(i)~(iv);
    (i)窒素原子含有環状化合物と、アルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコールの片末端にヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物とを反応させる工程
    (ii)窒素原子含有環状化合物とアルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物とヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物とを反応させる第2工程
    (iii)ヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物と窒素原子含有環状化合物とを反応させる第1工程と、第1工程で得られた反応物とアルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる第2工程
    (iv)疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物とアルキレン基の炭素数が2~20である(ポリ)アルキレングリコール又はアルキレンオキシドとを反応させる工程
    のいずれかの工程を含み、
    該(i)、(ii)、(iii)における窒素原子含有環状化合物が、ジアゼチジン、ピラゾリドン、イミダゾリンジン、ピラゾリン、イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾリジンジオン、オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルフォリン、オキサジン、チオモルフォリン、チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、チオモルフォリンジオキサイド、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロピロロピロール、フロピロール、チエノピロール、インダゾール、ベンズイミダゾール、アザインドール、ピラゾロピリミジン、プリン、ベンズイソオキサゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾチアジゾール、アデニン、グアニン、キノキサリン、フサラジン、キナゾリン、シンノリン、ナフスリジン、ピリドピリミジン、ピリドピラジン、プテリジン、ベンゾオキサジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、ジアゼピン、チアゼピン、ピロール、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、インドリン、インドール、イソインドール、インドリジン、テトラヒドロキノリノリン、ジヒドロイソキノリノリン、キノリン、イソキノリン、キノリノン、イソキノリノン、カルベゾール及びアクリジンからなる群より選択される化合物又はこれらの化合物の環構造に1~5の有機基を有する化合物であり、
    該有機基が、チオール基、エポキシ基、ビニル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、次亜リン酸基、スルホン酸基及びエーテル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基及び/又はヘテロ原子を有していてもよい、炭素数1~10の炭化水素基であり、
    該(iv)における疎水性基を有する窒素原子含有環状化合物は、該(i)、(ii)、(iii)における窒素原子含有環状化合物がヘテロ原子を有していてもよい炭素数4~50の炭化水素化合物由来の基を有する化合物であることを特徴とする(ポリ)アルキレングリコール含有化合物の製造方法。
  6. 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外のその他の成分とを含み、
    (ポリ)アルキレングリコール含有化合物の含有量が、組成物100質量%に対して、1~99質量%であることを特徴とする組成物。
  7. 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と該化合物以外の洗剤添加剤とを含むことを特徴とする洗剤組成物。
  8. 請求項1~4のいずれかに記載の(ポリ)アルキレングリコール含有化合物と界面活性剤とを含むことを特徴とする洗剤組成物

JP2022505926A 2020-03-12 2021-03-01 (ポリ)アルキレングリコール含有化合物 Active JP7339427B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020042937 2020-03-12
JP2020042937 2020-03-12
PCT/JP2021/007665 WO2021182152A1 (ja) 2020-03-12 2021-03-01 (ポリ)アルキレングリコール含有化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021182152A1 JPWO2021182152A1 (ja) 2021-09-16
JP7339427B2 true JP7339427B2 (ja) 2023-09-05

Family

ID=77671798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022505926A Active JP7339427B2 (ja) 2020-03-12 2021-03-01 (ポリ)アルキレングリコール含有化合物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7339427B2 (ja)
WO (1) WO2021182152A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115181260B (zh) * 2022-09-13 2022-12-20 广东腐蚀科学与技术创新研究院 一种水性重防腐涂料用改性环氧树脂及其制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303347A (ja) 2007-06-11 2008-12-18 Nippon Shokubai Co Ltd ポリアルキレングリコール系化合物とその製造方法ならびにその用途
JP2010132814A (ja) 2008-12-05 2010-06-17 Nippon Shokubai Co Ltd ポリアルキレングリコール系化合物とその製造方法ならびにその用途
JP2012132007A (ja) 2010-12-17 2012-07-12 Nippon Shokubai Co Ltd ポリアルキレングリコール系重合体及びその製造方法
US20150344461A1 (en) 2013-01-22 2015-12-03 Isp Investments Inc. Hemi-aminal ethers and thioethers of n-alkenyl cyclic compounds
JP2019137833A (ja) 2018-02-14 2019-08-22 株式会社日本触媒 ポリアルキレングリコール含有化合物

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0584967A1 (en) * 1992-08-13 1994-03-02 Huntsman Corporation Polyether polyols and polyetherdiamines containing imidazolidone groups

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303347A (ja) 2007-06-11 2008-12-18 Nippon Shokubai Co Ltd ポリアルキレングリコール系化合物とその製造方法ならびにその用途
JP2010132814A (ja) 2008-12-05 2010-06-17 Nippon Shokubai Co Ltd ポリアルキレングリコール系化合物とその製造方法ならびにその用途
JP2012132007A (ja) 2010-12-17 2012-07-12 Nippon Shokubai Co Ltd ポリアルキレングリコール系重合体及びその製造方法
US20150344461A1 (en) 2013-01-22 2015-12-03 Isp Investments Inc. Hemi-aminal ethers and thioethers of n-alkenyl cyclic compounds
JP2019137833A (ja) 2018-02-14 2019-08-22 株式会社日本触媒 ポリアルキレングリコール含有化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2021182152A1 (ja) 2021-09-16
WO2021182152A1 (ja) 2021-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7339427B2 (ja) (ポリ)アルキレングリコール含有化合物
US2183853A (en) Polyoxyalkylene ether acid compounds containing a higher aliphatic group
ES2707251T3 (es) Composiciones de limpieza con polialcanolaminas alcoxiladas
JP4868545B2 (ja) 低発泡性界面活性剤としてのエステル化アルキルアルコキシレート
US20080039666A1 (en) Composition Comprising Alcohol Alkoxylates And Their Use
KR20130124288A (ko) 알콕실레이트 및 이의 용도
JP5456111B2 (ja) ポリアルキレングリコール親水化物、その製造方法及びその用途
CN117024291A (zh) 烷氧基化酯胺及其盐
JP7207844B2 (ja) (ポリ)アルキレングリコール含有化合物
WO2017073741A1 (ja) 液体洗浄剤
JP2007224199A (ja) 衣料用液体洗浄剤組成物
JP2010209316A (ja) 液体洗浄剤組成物
TW503261B (en) Compositions for drying solid surfaces
JP7131306B2 (ja) カルボン酸亜鉛塩混合物およびそれを含有するカルボン酸亜鉛混合物溶液
US20210032568A1 (en) Polyalkylene glycol-containing compound
JP2019501995A (ja) ポリアルカノールアミンを有する洗浄組成物
WO2020241734A1 (ja) (ポリ)アルキレングリコール含有化合物
US8492326B2 (en) Alkoxylates and use thereof
CN113621443B (zh) 一种用于半导体芯片固体蜡清洗的组合物
TWI831967B (zh) 羧酸鋅組合物及含有羧酸鋅組合物的羧酸鋅溶液
JP7184560B2 (ja) ポリアルキレングリコール化合物
JP2011236347A (ja) ノニオン型界面活性剤
JP2019501994A (ja) アルコキシル化ポリアルカノールアミンを有する洗浄組成物
US2206249A (en) Agents of capillary action from alkyl-amino-carboxylic acids with tertiary or quaternary bound nitrogen
JP2010229276A (ja) 含フッ素アニオン系界面活性剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7339427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150