JP7338567B2 - 電磁波透過カバー - Google Patents

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Description

本発明は、レーダ装置により送信及び受信される電磁波の経路内に配置される電磁波透過カバーに関する。
ミリ波レーダ装置等のレーダ装置が搭載された車両では、そのレーダ装置からミリ波等の電磁波が車外へ向けて送信される。先行車両、歩行者等を含む車外の物体に当たって反射された電磁波は、レーダ装置によって受信される。レーダ装置では、送信及び受信された電磁波により、上記物体の認識や、車両と物体との距離、相対速度等の検出が行なわれる。
上記レーダ装置は、車外から見えると、車両の外観を損なう。そのため、レーダ装置を車外から見えにくくする必要がある。但し、車両の既存の外装部品、例えば、フロントグリル、バンパ等の裏側にレーダ装置を配置すると、同外装部品がレーダ装置による電磁波と干渉する。
そこで、電磁波を透過する機能を上記外装部品に付与することが考えられている。例えば、特許文献1では、車両のバンパの裏側にレーダ装置が配置されている。バンパにおいて、電磁波の経路となる箇所には、電磁波の透過性を有するレドーム部が形成されている。
また、フロントグリルのうち、レーダ装置からの電磁波の経路となる箇所に開口部を設け、電磁波を透過するカバー(電磁波透過カバー)を、この開口部に配置する技術も提案されている。
さらに、上記特許文献1では、電磁波を透過する材料からなる塗料が用いられて、バンパに無反射コーティング処理が施されている。
特許第3419675号公報
ところで、上記バンパのレドーム部でも上記電磁波透過カバーでも、電磁波が照射されると、その電磁波の一部が反射される。その反射の分、透過する電磁波が少なくなり、レーダ装置の検出性能が低下する。そのため、反射される電磁波を如何にして少なくするかが重要となってくる。
ところが、上記特許文献1に記載された無反射コーティング処理は、コーティングによる反射を発生させないことでバンパにおける電磁波の透過性を維持させる技術であり、バンパにおける電磁波の反射を抑制する技術ではない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電磁波の反射を抑制して、電磁波の透過性能の向上を図ることのできる電磁波透過カバーを提供することにある。
上記課題を解決する電磁波透過カバーは、電磁波を送信及び受信するレーダ装置の前記電磁波の経路内に配置される部材であり、誘電体からなり、かつ前記電磁波の透過性を有する基材と、前記電磁波の進行方向における前記基材の両面の少なくとも一方に積層される層であり、誘電体からなり、かつ前記電磁波の透過性を有するとともに同電磁波の反射を抑制する反射抑制層とを備える電磁波透過カバーであって、前記反射抑制層中における電磁波の波長をλ2とし、2π/λ2を位相定数βとし、前記進行方向における前記反射抑制層の前側の界面で反射する反射波の位相と、後側の界面で反射する反射波の位相とのずれ量を位相ずれ量βとした場合、前記反射抑制層の厚さLは、β/βに設定されている。
上記の構成によれば、レーダ装置により送信及び受信される電磁波の一部は、電磁波透過カバーの反射抑制層及び基材を透過するが、他の一部の電磁波は、同電磁波の進行方向における反射抑制層の前側の面で反射され、さらに他の一部は上記反射抑制層の後側の面で反射される。
反射抑制層の厚さLが上記の条件を満たすように設定されると、両反射波の位相がπだけずれ、逆位相となる。そのため、反射抑制層のうち、電磁波の進行方向における前側の面で反射する反射波と、後側の面で反射する反射波とが打ち消し合う。反射波が打ち消される分、電磁波透過カバーを透過する電磁波が多くなる。
上記電磁波透過カバーにおいて、前記反射抑制層は、前記進行方向における前記基材の両面のうち、後側の面であって、前記電磁波が照射される領域に少なくとも形成されていることが好ましい。
反射抑制層が基材において上記の条件を満たす領域に形成されることで、レーダ装置から送信される電磁波の一部が、進行方向における反射抑制層の前側の面で反射され、他の一部が後側の面で反射される。そして、反射抑制層の厚さLが、上記のようにβ/βを満たす値に設定されることで、両反射波が互いに打ち消し合う。
上記電磁波透過カバーにおいて、前記基材中における電磁波の波長をλ1とし、2π/λ1を位相定数βとし、前記進行方向における前記基材の前側の界面で反射する反射波の位相と、後側の界面で反射する反射波の位相とのずれ量を位相ずれ量αとするとともに、前記基材の厚さをLとし、さらに前記基材の比誘電率をεαとし、前記反射抑制層の比誘電率をεβとした場合、前記位相ずれ量βは、以下の(式1)~(式5)に基づいて設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、基材における位相ずれ量αと、基材及び反射抑制層のそれぞれにおける比誘電率εα,εβとが判っている場合には、反射抑制層における位相ずれ量βを、上記(式1)~(式5)に基づいて算出することが可能である。
上記電磁波透過カバーによれば、電磁波の反射を抑制して、電磁波の透過性能の向上を図ることができる。
電磁波透過カバーを車両用のエンブレムに具体化した一実施形態を示す図であり、同エンブレムを、窓部を有するフロントグリルの一部とともに示す概略断面図。 一実施形態において、単位円とミリ波の波形との関係を示す説明図。 一実施形態における反射波の位相差を説明する波形図。 一実施形態において、各反射抑制層により反射波が打ち消される作用を説明する説明図。 (a),(b)は、一実施形態の基材における反射波の位相ずれ量αを説明する説明図。 (a),(b)は、一実施形態の反射抑制層における反射波の位相ずれ量βを説明する説明図。 一実施形態において、反射抑制層の厚さと、ミリ波の反射量との関係を示すグラフ。
以下、電磁波透過カバーを車両用のエンブレムに具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の記載に関し、車両の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は車両の上下方向を意味するものとする。また、図1では、エンブレムにおける各部を認識可能な大きさとするために、各部の縮尺を適宜変更して図示している。
図1に示すように、車両10の前部の車幅方向における中央部分であって、フロントグリル11の後方には、前方監視用のミリ波レーダ装置13が配置されている。ミリ波レーダ装置13は、電磁波におけるミリ波を、車外のうち前方へ向けて送信し、かつ、車外の物体に当たって反射されたミリ波を受信する機能を有する。ミリ波とは、波長が1mm~10mmであり、周波数が30GHz~300GHzである電波をいう。
上記フロントグリル11の厚みは、一般的なフロントグリルと同様、一定ではない。また、フロントグリル11では、樹脂製基材の表面に金属めっき層が形成されることがある。従って、フロントグリル11は、送信又は反射されたミリ波と干渉する。このため、フロントグリル11において、ミリ波の送信方向におけるミリ波レーダ装置13の前方には、窓部12が開口されている。
上記窓部12には、本実施形態のエンブレム15が配置されている。ここで、エンブレム15を説明するにあたり、同エンブレム15の意匠面側(図1では左側)を表側といい、意匠面とは反対側(図1では右側)を裏側というものとする。
エンブレム15は、その表面(意匠面)が車両10の前方を向き、かつ同エンブレム15の裏面が車両10の後方を向くように、起立した状態で配置される。この配置状態では、エンブレム15の表側が車両10の前側に対応し、エンブレム15の裏側が車両10の後側に対応する。
そのため、エンブレム15の説明に際し、車両前後方向に対応する方向を特定する場合には、「表」及び「裏」の語を用いるものとする。
本実施形態のエンブレム15は、基材16を一対の反射抑制層21,24によって挟み込んだ3層構造を採っている。基材16は、ミリ波の透過性を有し、かつ比誘電率が既知である材料、例えば、樹脂材料によって板状に形成されている。基材16の形成に用いられる樹脂材料は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。また、ここでは、説明を簡略化するために、基材16が単一の層によって構成されている場合を例にとって説明するが、複数の層によって構成されてもよい。
ここで、図2は、単位円と、y=sinθのグラフで表されるミリ波の波形との関係を示している。このグラフにおけるyの値は、角度θの値によって変動する。図2及び図4に示すように、基材16の厚さをLとし、基材16中におけるミリ波の波長をλ1とし、2π/λ1を位相定数βとする。基材16は、ミリ波透過領域では厚さLが均一となるように形成されている。
図4及び図5(a),(b)に示すように、ミリ波の進行方向(図4では送信方向)における座標をZとする。ミリ波の進行方向における基材16の裏面18の座標をZ1とし、同基材16の表面17の座標をZ2とする。図4及び図5(a)に示すように、タイミングt0において、基材16の裏面18(座標Z1)でミリ波が反射するときの位相を、反射波のZ1位相とする。また、図4及び図5(b)に示すように、上記と同じタイミングt0において、基材16の表面17(座標Z2)でミリ波が反射するときの位相を、反射波のZ2位相とする。Z2位相とZ1位相とのずれ量を位相ずれ量αとする。位相ずれ量αは、(式1)によって表される。
図1及び図4に示すように、基材16の裏面18の周辺部分における複数箇所には、エンブレム15をフロントグリル11又は車体に組付けるための取付部19が設けられている。取付部19は、クリップ、ビス、係合爪等によって構成されている。
図4に示すように、基材16よりも表側の反射抑制層21は、同基材16の表面17に積層されている。基材16よりも裏側の反射抑制層24は、同基材16の裏面18の全面を対象として積層されている。この積層の対象となる面には、ミリ波が照射される領域が含まれている。両反射抑制層21,24は、ミリ波の透過性を有し、かつ比誘電率が既知である材料、例えば、樹脂材料によって形成されている。両反射抑制層21,24の形成に用いられる樹脂材料は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。
各反射抑制層21,24としては、シート状をなすものが用いられてもよい。この場合、反射抑制層21は、基材16の表面17に貼付けられ、反射抑制層24は、基材16の裏面18に貼付けられる。また、反射抑制層21,24は、上記貼付けに代えて樹脂成形法によって、基材16に積層された状態で形成されてもよい。
ここで、図4及び図6(a),(b)に示すように、各反射抑制層21,24の厚さをLとし、反射抑制層21,24中におけるミリ波の波長をλ2とし、2π/λ2を位相定数βとする。両反射抑制層21,24の厚さLは互いに同一に設定されている。また、ミリ波の進行方向における反射抑制層24の裏面26の座標をZ0とする。同反射抑制層24の表面25の座標は、基材16の裏面18の座標と同じ(Z1)になる。
図4及び図6(a)に示すように、タイミングt0において、反射抑制層24の裏面26(座標Z0)でミリ波が反射するときの位相を、反射波のZ0位相とする。また、図4及び図6(b)に示すように、上記と同じタイミングt0において、反射抑制層24の表面25(座標Z1)でミリ波が反射するときの位相を、反射波のZ1位相とする。Z1位相とZ0位相とのずれ量を位相ずれ量βとする。
反射抑制層21の表面22の座標をZ3とする。同反射抑制層21の裏面23の座標は、基材16の表面17の座標と同じ(Z2)になる。
図示はしないが、上記タイミングt0において、反射抑制層21の裏面23(座標Z2)でミリ波が反射するときの位相を、反射波のZ2位相とする。また、上記と同じタイミングt0において、反射抑制層21の表面22(座標Z3)でミリ波が反射するときの位相を、反射波のZ3位相とする。反射抑制層21が上記反射抑制層24と同一の厚さL及び比誘電率を有していることから、Z3位相とZ2位相とのずれ量は、上記位相ずれ量β(図6(b)参照)と同一になる。
両反射抑制層21,24における位相ずれ量βは、(式2)によって表される。
上記(式2)中のAは、(式3)で表され、Bは(式4)で表され、Cは(式5)で表される。(式3)~(式5)中のεαは、基材16の比誘電率であり、εβは各反射抑制層21,24の比誘電率である。
上記(式2)から各反射抑制層21,24の厚さLは、(式6)で表される。(式6)中のλは真空中の波長である。
なお、上記(式2)~(式6)は、次のようにして求められたものである。
反射抑制層21,24及び基材16をあわせたFマトリクスは、それぞれを表すFマトリクスを縦続接続することにより,下記(式7)~(式11)のように表される。(式7)~(式11)のjは虚数単位であり、Zは真空中の特性インピーダンスである。
ここで、Fマトリクスより、反射係数Rは(式12)のように計算できる。反射係数Rは、界面で生ずる反射の程度(反射波の入射波に対する比:図4参照)を表す係数であり、反射がないときに0となる。
ミリ波の全てがエンブレム15を透過(完全透過)する条件は、反射係数Rが0になるときであり、上記(式12)中の分子の値が0となればよい。上記Fマトリクスの値を、(式12)における分子の式に代入して整理すると、下記(式13)が得られる。
(式13)から分子が0となる条件は、下記(式14)で表される。
(式14)中、位相ずれ量α、比誘電率εα,εβは既知であり、(式14)中の変数は位相ずれ量βのみである。そのため、位相ずれ量βに注目して(式14)をまとめると、(式15)となる。(式15)中の各項をcosβで除算すると、(式16)が得られる。tanβ=xとすると、(式16)は、2次関数を示す(式17)で表され、xは(式18)で表される。(式18)から、上記(式1)及び(式6)が得られる。
そして、上記のように構成されたエンブレム15は、図1に示すように、起立させられた状態で窓部12の内部に配置され、取付部19においてフロントグリル11又は車体に取付けられている。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
図1及び図4に示すミリ波レーダ装置13からミリ波が送信されると、そのミリ波の一部は、エンブレム15のミリ波透過領域において各部を透過する。透過したミリ波は、先行車両、歩行者等を含む車両前方の物体に当たって反射された後、再びエンブレム15のミリ波透過領域を透過し、ミリ波レーダ装置13によって受信される。ミリ波レーダ装置13では、送信及び受信された上記ミリ波に基づき、物体の認識や、車両10と同物体との距離、相対速度等の検出が行われる。
ミリ波レーダ装置13から送信されてエンブレム15に入射されたミリ波(入射波)の一部は、エンブレム15を構成する各部の界面で反射される。基材16を表裏方向における両側から反射抑制層21,24によって挟み込むことで構成された本実施形態のエンブレム15では、基材16よりも裏側の反射抑制層24の表面25及び裏面26と、同基材16よりも表側の反射抑制層21の表面22及び裏面23とがそれぞれ界面となる。裏側の反射抑制層24の表面25は、基材16の裏面18との界面に該当し、同反射抑制層24の裏面26は、空気との界面に該当する。表側の反射抑制層21の裏面23は、基材16の表面17との界面に該当し、同反射抑制層21の表面22は、空気との界面に該当する。上記表面22,25は、ミリ波の進行方向における反射抑制層21,24の前側の界面に該当する。上記裏面23,26は、ミリ波の進行方向における反射抑制層21,24の後側の界面に該当する。
上記入射波の一部は、裏側の反射抑制層24では、裏面26及び表面25においてそれぞれ裏側へ反射される。この際、図3に示すように、反射抑制層24の表面25で反射されたミリ波(反射波)と、裏面26で反射されたミリ波(反射波)との間に位相のずれ(位相差)が生ずる。
また、上記入射波の他の一部は、表側の反射抑制層21では、裏面23及び表面22においてそれぞれ裏側へ反射される。この際、反射抑制層21の表面22で反射されたミリ波(反射波)と、同反射抑制層21の裏面23で反射されたミリ波(反射波)との間に位相のずれ(位相差)が生ずる(図3参照)。
ここで、裏側の反射抑制層24でも表側の反射抑制層21でも厚さLが上記(式6)を満たしている。このことから、各反射抑制層24,21では、表面25,22での反射波と裏面26,23での反射波との位相がπだけずれ、逆位相となる。そのため、裏側の反射抑制層24でも、表側の反射抑制層21でも、図3において実線で示すように、裏面26,23で反射する反射波と、同図3において二点鎖線で示すように、表面25,22で反射する反射波とが打ち消し合う。表現を変えると、位相がキャンセルされる。図7は、反射抑制層21,24の厚さLとミリ波の反射量との関係を示している。この図7に示すように、(式6)に基づいて求められた値が、厚さLとして設定された場合に、他の値が設定された場合よりも反射量が少なくなる。その分、エンブレム15を透過するミリ波が多くなり、透過係数Tが大きく(最大値1)になる。
このようにして、どのような厚みLや比誘電率εαを有する基材16に対しても、反射抑制層21,24の厚さLを適切に設定することによって、反射をキャンセルして低減することができる。
上記(式1)~(式5)を満たすエンブレム15の一例を示す。この例では、基材16がASA(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合)樹脂によって形成され、各反射抑制層21,24がPC(ポリカーボネート)樹脂によって形成されている。基材16の厚さLは3mmである。この厚さLでは、基材16の反射係数Rが高く、ミリ波が表面17及び裏面18で多く反射する。ミリ波の周波数は、76.5[GHz]である。ASA樹脂の比誘電率εαは2.70であり、PC樹脂の比誘電率εβは2.78である。nは整数である。位相ずれ量βは約0.927585+nπ又は約-1.01323+nπになる。位相ずれ量βが0.927585+nπの場合には、厚さLは、約0.280+1.175n[mm]となる。位相ずれ量βが-1.01323+nπの場合には、厚さLは、約-0.296+1.175n[mm]となる。これらのことから、反射抑制層21,24は、厚さLが0.280[mm]と0.880[mm]のそれぞれ1/2波長倍のときに、反射係数Rが0となる、いわゆる無反射膜のような作用をする。
従って、基材16の裏面18及び表面17でのミリ波の反射が原因で、エンブレム15を透過するミリ波の量が少なくなるのを抑制することができる。ミリ波レーダ装置13から送信されるミリ波に対し、同ミリ波レーダ装置13に戻ってくるミリ波の度合いを高め、ミリ波レーダ装置13の検出機能を高めることができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組合わせて実施することができる。
・反射抑制層21,24の一方が省略されてもよい。この場合であっても、厚さLがβ/βとなるように設定されることで、上記実施形態と同様、ミリ波の反射を抑制してミリ波の透過性能の向上を図る効果が得られる。
・ミリ波の進行方向における基材16の両面のうち、後側の面では、反射抑制層24が、ミリ波が照射される領域にのみ形成されてもよい。
・上記電磁波透過カバーは、車外の物体を検出するための電磁波を送信及び受信するレーダ装置が搭載された車両に組込まれる電磁波透過カバーであれば適用可能である。この場合、レーダ装置が送信及び受信する電磁波には、ミリ波のほかにも、赤外線等の電磁波が含まれる。
・車外の物体を検出するための電磁波を送信及び受信するレーダ装置としては、前方監視用以外にも、後方監視用、前側方監視用、又は後側方監視用のレーダ装置であってもよい。この場合、電磁波透過カバーは、電磁波の送信方向における上記レーダ装置の前方に配置される。
・上記電磁波透過カバーは、オーナメント、マーク等、エンブレム以外の電磁波透過カバーにも適用可能である。
13…ミリ波レーダ装置(レーダ装置)
15…エンブレム(電磁波透過カバー)
16…基材
21,24…反射抑制層

Claims (2)

  1. 電磁波を送信及び受信するレーダ装置の前記電磁波の経路内に配置される部材であり、誘電体からなり、かつ前記電磁波の透過性を有する基材と、
    前記電磁波の進行方向における前記基材の両面の少なくとも一方に積層される層であり、誘電体からなり、かつ前記電磁波の透過性を有するとともに同電磁波の反射を抑制する反射抑制層とを備える電磁波透過カバーであって、
    前記反射抑制層中における電磁波の波長をλ2とし、2π/λ2を位相定数βとし、
    前記進行方向における前記反射抑制層の前側の界面で反射する反射波の位相と、前記反射抑制層の前側の界面で反射する反射波と同じタイミングで後側の界面で反射する反射波の位相とのずれ量であり、かつ両位相がπずれて互いに逆位相の関係となるずれ量を位相ずれ量βとした場合、
    前記反射抑制層の厚さLは、β/βに設定されており、
    前記基材中における電磁波の波長をλ1とし、2π/λ1を位相定数β とし、
    前記進行方向における前記基材の前側の界面で反射する反射波の位相と、後側の界面で反射する反射波の位相とのずれ量を位相ずれ量αとするとともに、前記基材の厚さをL とし、さらに前記基材の比誘電率をε α とし、前記反射抑制層の比誘電率をε β とした場合、
    前記位相ずれ量βは、以下の(式1)~(式5)に基づいて設定されている
    磁波透過カバー。
  2. 前記反射抑制層は、前記進行方向における前記基材の両面のうち、後側の面であって、前記電磁波が照射される領域に少なくとも形成されている請求項1に記載の電磁波透過カバー。
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