JP7338495B2 - 変位分布計測装置、変位分布計測方法、及び変位分布計測装置の制御プログラム - Google Patents

変位分布計測装置、変位分布計測方法、及び変位分布計測装置の制御プログラム Download PDF

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本発明は、変位分布計測装置、変位分布計測方法、及び変位分布計測装置の制御プログラムに関する。
物体の表面の変位を計測する種々の技術が知られている。
例えば、特許文献1には、変位計測装置が、所定の位置に設けられた変位計測用の格子を含む変位計測用画像を撮影する撮影部と、変位計測用画像から格子の領域を検出して該格子領域の画像を抽出する格子領域検出部と、抽出した格子領域の画像に対してサンプリングモアレ法により格子領域の画像に対するモアレの位相分布を導出する位相分布導出部と、位相分布から求められた所定の位置における変位前後の位相差と、予め定められた格子ピッチとから所定の位置における変位を決定する変位決定部と、を備えた技術が開示されている。
特開2011-174874号公報
しかしながら、特許文献1に記載の変位計測装置では、格子領域の画像に対するモアレの位相分布を導出し、位相分布から求められた所定の位置における変位前後の位相差と、予め定められた格子ピッチとから所定の位置における変位を決定する。よって、撮影画像中の格子パターンに対応する格子領域の一部が欠落している場合には、モアレの位相分布を導出することができない可能性があり、所定の位置における変位を決定することができない可能性がある。格子領域の一部が欠落する原因の例として、測定対象への格子パターン転写の失敗、孔等の構造的欠損がある対象の測定、カメラの設定ミス等が挙げられる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、撮影画像中の格子等のパターンの一部が欠落した場合であっても、機械試験機によって変形される試験材料の表面の変位分布を算出可能な変位分布計測装置、変位分布計測方法、及び変位分布計測装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測装置であって、前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像部と、第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出部と、前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出部と、を備える。
本発明の第2の態様は、機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測方法であって、前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像ステップと、第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出ステップと、前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出ステップと、を含む。
本発明の第3の態様は、カメラ及びコンピュータを備え、機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測装置の制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記カメラによって前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像部、第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出部、及び、前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出部、として機能させる。
本発明の第1の態様によれば、第1パターン画像と第1パターン画像の所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を算出し、所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の試験材料の変位分布を算出する。
したがって、パターン画像の一部が欠落した場合であっても、所定時間を適正に設定することによって、物体の表面の変位分布を算出することが可能になる。例えば、パターンが格子状のパターンであって、所定時間毎の格子の間隔の変化量が格子の間隔以下である場合には、物体の表面の変位分布を算出できる。
本発明の第2の態様によれば、第1パターン画像と第1パターン画像の所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を算出し、所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の試験材料の変位分布を算出する。
したがって、パターン画像の一部が欠落した場合であっても、所定時間を適正に設定することによって、物体の表面の変位分布を算出することが可能になる。例えば、パターンが格子状のパターンであって、所定時間毎の格子の間隔の変化量が格子の間隔以下である場合には、物体の表面の変位分布を算出できる。
本発明の第3の態様によれば、第1パターン画像と第1パターン画像の所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を算出し、所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の試験材料の変位分布を算出する。
したがって、パターン画像の一部が欠落した場合であっても、所定時間を適正に設定することによって、物体の表面の変位分布を算出することが可能になる。例えば、パターンが格子状のパターンであって、所定時間毎の格子の間隔の変化量が格子の間隔以下である場合には、物体の表面の変位分布を算出できる。
本実施形態に係る引張試験機の構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る変位分布計測装置の構成の一例を示す平面図である。 パターン画像の一例を示す図である。 試験材料の変位分布の算出方法の一例を示す図である。 格子間隔が不均一である場合の課題を示す図、及び、同一格子の変形前の座標を検索する方法の一例を示す図である。 アンラッピングされた位相を用いて座標を検索する方法の一例を示すグラフである。 欠落領域を含むパターン画像の一例を示す図である。 パターン画像が欠落領域を含む場合の課題の一例を示す図である。 パターン画像が欠落領域を含む場合の課題を解消するための変位分布の算出方法の一例を示す図である。 本実施形態に係る制御部の機能的な構成の一例を示す図である。 本施形態に係る制御部の処理の一例を示す疑似コード図である。 本施形態に係る制御部の処理の一例を示すフローチャートである。 格子間隔及び歪み算出結果の一例を示すグラフである。 本施形態に係る歪み算出結果の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。
[1.引張試験機の構成]
図1は、本実施形態に係る引張試験機1の構成の一例を示す図である。
本実施形態の引張試験機1は、試験材料TPに試験力Fを与えて、試料の引張強度、降伏点、伸び、絞りなどの機械的性質を測定する材料試験を行う。試験力Fは、引張力である。
引張試験機1は、試験対象の材料である試験材料TPに試験力Fを与えて引張試験を行う引張試験機本体2と、引張試験機本体2による引張試験動作を制御する制御ユニット4と、を備える。
なお、引張試験機1は、「材料試験機」の一例に対応する。
試験機本体2は、テーブル26と、このテーブル26上に鉛直方向を向く状態で回転可能に立設された一対のねじ棹28、29と、これらのねじ棹28、29に沿って移動可能なクロスヘッド10と、このクロスヘッド10を移動させて試験材料TPに負荷を与える負荷機構12と、ロードセル14と、を備える。ロードセル14は、試験材料TPに与えられる引張荷重である試験力Fを測定し、試験力測定信号SG1を出力するセンサである。
負荷機構12は、各ねじ棹28、29の下端部に連結されるウォーム減速機16、17と、各ウォーム減速機16、17に連結されるサーボモータ18と、ロータリエンコーダ20と、を備える。ロータリエンコーダ20は、サーボモータ18の回転量を測定し、回転量に応じたパルス数の回転測定信号SG2を制御ユニット4に出力するセンサである。
そして負荷機構12は、ウォーム減速機16、17を介して、一対のねじ棹28、29にサーボモータ18の回転を伝達し、各ねじ棹28、29が同期して回転することによって、クロスヘッド10がねじ棹28、29に沿って昇降する。
クロスヘッド10には、試験材料TPの上端部を把持する上つかみ具21が付設され、テーブル26には、試験材料TPの下端部を把持する下つかみ具22が付設される。試験機本体2は、引張試験の際に、試験材料TPの両端部を上つかみ具21及び下つかみ具22によって把持した状態で、制御ユニット4の制御に従って、クロスヘッド10を上昇させることによって、試験材料TPに試験力Fを与える。
試験材料TPには、変位センサ15が配置される。試験材料TPは、例えば、中央がくびれて形成されたダンベル型試験材料が用いられる。変位センサ15は、試験材料TPの1対の標点の間の距離を測定することによって、伸び計測値EDを測定し、伸び測定信号SG3を出力するセンサである。1対の標点は、試験材料TPがくびれた領域の上部と下部とに配置される。
制御ユニット4は、統括制御装置30と、表示装置32と、試験プログラム実行装置34と、を備える。
統括制御装置30は、試験機本体2を中枢的に制御する装置であり、試験機本体2との間で信号を送受信可能に接続される。試験機本体2から受信する信号は、ロードセル14が出力する試験力測定信号SG1、ロータリエンコーダ20が出力する回転測定信号SG2、変位センサ15が出力する伸び測定信号SG3、及び制御や試験に要する適宜の信号等である。
表示装置32は、統括制御装置30から入力される信号に基づいて各種情報を表示する装置であり、例えば、統括制御装置30は、引張試験の間、伸び測定信号SG3に基づいて試験材料TPの伸びの測定値である伸び計測値EDを表示装置32に表示する。また、例えば、統括制御装置30は、引張試験の間、回転測定信号SG2に基づくクロスヘッド10の変位を示す変位計測値XDを表示装置32に表示する。
引張試験プログラム実行装置34は、引張試験の試験条件といった各種設定パラメータの設定操作や実行指示操作などのユーザ操作を受け付け、統括制御装置30に出力する機能や、試験力計測値FDのデータを解析する機能などを備えた装置である。
引張試験プログラム実行装置34はコンピュータを備え、このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリデバイスと、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ装置と、統括制御装置30や各種の周辺機器などを接続するためのインターフェース回路と、を備える。そして、プロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶されたコンピュータプログラムである引張試験プログラムを実行することで、上述の各種の機能を実現する。
次いで、本実施形態の統括制御装置30について、更に説明する。統括制御装置30は、信号入出力ユニット40と、制御回路ユニット50と、を備える。
信号入出力ユニット40は、試験機本体2との間で信号を送受信する入出力インターフェース回路を構成するものであり、本実施形態では、第1センサアンプ42と、第2センサアンプ45と、カウンタ回路43と、サーボアンプ44とを有する。
第1センサアンプ42は、ロードセル14が出力する試験力測定信号SG1を増幅して制御回路ユニット50に出力する増幅器である。第2センサアンプ45は、変位センサ15が出力する伸び測定信号SG3を増幅して制御回路ユニット50に出力する増幅器である。
カウンタ回路43は、ロータリエンコーダ20が出力する回転測定信号SG2のパルス数を計数し、サーボモータ18の回転量、すなわちサーボモータ18の回転によって昇降するクロスヘッド10の変位計測値XDを示す変位測定信号A3を制御回路ユニット50にデジタル信号で出力する。サーボアンプ44は、制御回路ユニット50の制御に従って、サーボモータ18を制御する装置である。
制御回路ユニット50は、通信部51と、フィードバック制御部52を備える。
制御回路ユニット50は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスと、HDDやSSDなどのストレージ装置と、信号入出力ユニット40とのインターフェース回路と、引張試験プログラム実行装置34と通信する通信装置と、表示装置32を制御する表示制御回路と、各種の電子回路と、を備えたコンピュータを備える。また、制御回路ユニット50のプロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶された制御プログラムを実行することで、図1に示す各機能部を実現する。
また、信号入出力ユニット40のインターフェース回路にはA/D変換器が設けられており、アナログ信号の試験力測定信号SG1及び伸び測定信号SG3がA/D変換器によってデジタル信号に変換される。
なお、制御回路ユニット50は、コンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。
通信部51は、試験プログラム実行装置34との間で通信し、試験条件の設定や各種設定パラメータの設定値、引張試験の実行指示や中断指示などを試験プログラム実行装置34から受信する。また、通信部51は、伸び測定信号SG3に基づく伸び計測値ED、及び試験力測定信号SG1に基づく試験力計測値FDを適宜のタイミングで試験プログラム実行装置34に送信する。また、通信部51は、回転測定信号SG2に基づく変位計測値XDを適宜のタイミングで試験プログラム実行装置34に送信する。
フィードバック制御部52は、試験機本体2のサーボモータ18をフィードバック制御して引張試験を実行する。フィードバック制御部52は、サーボモータ18のフィードバック制御を実行する回路である。
フィードバック制御部52が位置制御を実行する場合には、フィードバック制御部52は、例えば、ロードセル14が出力する試験力計測値FDについて位置制御を実行する。この場合には、フィードバック制御部52は、試験力計測値FDを試験力目標値FTに一致させるように変位計測値XDの指令値dXを演算し、当該指令値dXを示す指令信号A4をサーボアンプ44に出力する。なお、試験力目標値FTは、試験力計測値FDの目標値を示す。
なお、「位置制御」とは、センサ等によって測定された検出値を、その目標値に一致させるように制御することを示す。
なお、位置制御を実行する場合について説明するが、フィードバック制御部52が速度制御を実行してもよい。「速度制御」とは、センサ等によって測定された検出値の単位時間当たりの変化量を、その目標値に一致させるように制御することを示す。
[2.変位分布計測装置の構成]
図2は、本実施形態に係る変位分布計測装置200の構成の一例を示す平面図である。図2に示すように、変位分布計測装置200は、カメラ6と、制御部8とを備える。
試験材料TPの特定面TP1には、パターンPTNが形成されている。特定面TP1は、試験材料TPのカメラ6に近接する側の面を示す。試験材料TPのカメラ6に近接する側は、図2では下側を示す。パターンPTNについては、後述にて図3を参照して説明する。
カメラ6は、制御部8の指示に従って、パターンPTNの画像を示すパターン画像PNを生成する。カメラ6は、CCD(Charge Coupled Device)、及び、CMOS(Complementary MOS)等のイメージセンサーを備える。パターン画像PNについては、後述にて図3を参照して説明する。
カメラ6の撮影方向C6は、試験材料TPの幅方向の中央を通り、試験材料TPの特定面TP1と直交するようにカメラ6が配置される。試験材料TPの幅方向は、図2の左右方向を示す。撮影方向C6は、カメラ6の撮影範囲の中心を示す。
カメラ6は、引張試験機1によって試験材料TPの引張試験を実施している間において、所定時間ΔT毎に、パターンPTNの画像を示すパターン画像PNを生成する。所定時間ΔTは、例えば、1/30秒である。換言すれば、カメラ6のフレームレートは、30fpsである。
カメラ6は、「撮像部」の一部に対応する。
本実施形態では、カメラ6のフレームレートは、30fpsであるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。カメラ6のフレームレートは、試験材料TPの変形速度、及び、試験材料TPに形成される格子間隔に応じて決定すればよい。例えば、試験材料TPの変形速度が速い程、フレームレートを大きくすることが好ましい。また、例えば、試験材料TPに形成される格子間隔が狭い程、フレームレートを大きくすることが好ましい。
制御部8は、変位分布計測装置200の動作を制御する。また、制御部8は、制御回路ユニット50と通信可能に構成され、制御回路ユニット50からの指示に従って、カメラ6の動作を制御する。具体的には、制御部8は、制御回路ユニット50からの指示に従って、カメラ6の撮影タイミングを決定する。
制御部8は、CPUやMPU等のプロセッサ8Aと、ROMやRAM等のメモリデバイス8Bと、HDDやSSD等のストレージ装置8Cと、制御回路ユニット50及びカメラ6と通信する通信装置8Dと、各種の電子回路と、を備えたパーソナルコンピュータで構成される。また、制御部8のプロセッサ8Aがメモリデバイス8B又はストレージ装置8Cに記憶された制御プログラムを実行することで、図10に示す各機能部を実現する。プロセッサ8Aは、「コンピュータ」の一例に対応する。
なお、制御部8は、パーソナルコンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。また、制御部8は、例えば、タブレット端末、又はスマートフォンとして構成されてもよい。
また、制御部8は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等、プログラムされたハードウェアを備えてもよい。また、制御部8は、SoC(System-on-a-Chip)-FPGAを備えてもよい。
制御部8の機能構成については、後述にて図10を参照して説明する。
[3.変位分布の算出方法]
次に、図3及び図4を参照して、試験材料TPの表面の変位分布の算出方法の一例について説明する。
図3は、本実施形態に係るパターン画像PNの一例を示す図である。図3の左側のパターン画像PN1は、初期状態の試験材料TPのパターンPTNの一例を示す。パターンPTNは、格子状のパターンPTNを示す。すなわち、パターン画像PN1には、正方形状の黒塗り画像Qij(i=1~n,j=1~8)が左右方向及び上下方向に等間隔で配置されている。
黒塗り画像Qijのサイズは、例えば1辺が1mmの正方形である。黒塗り画像Qijは、左右方向及び上下方向に、例えば1mm間隔で配置される。
本実施形態では、黒塗り画像Qijのサイズは、例えば1辺が1mmの正方形であるが、1辺が1mmより大きい正方形、例えば、1辺が1.2mmの正方形、1辺が1.5mmの正方形、1辺が2mmの正方形等でもよい。また、黒塗り画像Qijのサイズは、1辺が1mmより小さい正方形、例えば、1辺が0.8mmの正方形、1辺が0.5mmの正方形、1辺が0.3mmの正方形等でもよい。
また、本実施形態では、黒塗り画像Qijは、左右方向及び上下方向に、例えば1mm間隔で配置されるが、黒塗り画像Qijが、左右方向及び上下方向に、1mmより大きい間隔で配置されてもよい。黒塗り画像Qijが、左右方向及び上下方向に、例えば、1.2mm間隔、1.5mm間隔、2mm間隔等で配置されてもよい。また、黒塗り画像Qijが、左右方向及び上下方向に、1mmより小さい間隔で配置されてもよい。黒塗り画像Qijが、左右方向及び上下方向に、例えば、0.8mm間隔、0.5mm間隔、0.3mm間隔等で配置されてもよい。
図3の右側のパターン画像PN2は、試験材料TPが上下方向に伸びた状態におけるパターンPTNの一例を示す。すなわち、パターン画像PN2には、方形状の黒塗り画像Rij(i=1~n,j=1~8)が左右方向及び上下方向に略等間隔で配置されている。
図3のx軸については、図4を参照して説明する。
図4は、試験材料TPの変位分布の算出方法の一例を示す図である。図4では、制御部8は、例えば、x軸方向の変位量を算出する。変位量の基準点は、最も下端に位置する黒塗り画像Q14、又は黒塗り画像R14の中心である。すなわち、黒塗り画像Ri4(i=2~n)と黒塗り画像R14との間隔を、黒塗り画像Qi4(i=2~n)と黒塗り画像Q14との間隔とを比較することによって、x軸方向の変位量を算出する。
x軸方向は、試験材料TPの長辺方向を示す。
図4の最も上のグラフG11は、x軸方向の輝度値Bの変化を正弦波近似したグラフである。グラフG11の横軸は、x軸であり、縦軸は、輝度値Bである。黒塗り画像Ri4では輝度値Bが低く、黒塗り画像Ri4と隣接する黒塗り画像R(i+1)4との間では、輝度値Bが高い。したがって、x軸方向の輝度値Bの変化は、図略の矩形状のグラフで表される。
グラフG11は、黒塗り画像Ri4と隣接する黒塗り画像R(i+1)4との間で、矩形状のグラフを正弦波で近似したグラフである。パターン画像PNが、パターン画像PN1である場合には、パターン画像PN1において黒塗り画像Qi4は、等間隔に形成されているため、グラフG11は、正弦波になる。
x軸方向は、「所定方向」の一例に対応する。
図4の上から2番目のグラフG12は、グラフG11の位相φを示すグラフである。グラフG12の横軸は、x軸であり、縦軸は、位相φである。位相φは、-πから+πまでの間で変化する。したがって、グラフG12は、鋸刃状のグラフになる。すなわち、グラフG12では、x座標の増加に伴って、位相が-πから+πまで直線状に増加し、位相が+πに到達した位置で、位相が-πにステップ状に減少する。
本実施形態では、制御部8は、例えば、次の式(1)に示す窓関数フーリエ変換(Windowed Fourier Transform)によってグラフG12に示す位相φ(x)を算出する。
Figure 0007338495000001
なお、窓関数フーリエ変換では、対象座標の周囲を窓関数w(x)により重みをかけた後にフーリエ変換を行い、格子周期の周波数成分を抜き出すことで位相φ(x)を求める。格子周期は、黒塗り画像Ri4(i=2~n)と黒塗り画像R14との間隔に対応する。
周波数fを(1/N)と置換し、窓関数w(x)の非ゼロ範囲を(2N-1)として離散フーリエ変換で位相計算を書き直すと次の式(2)のようになる。
Figure 0007338495000002
ただし、個数Nは、1周期に対応する画素数を示す。個数Nは、例えば10個である。なお、図4の最も上のグラフG11の右端位置に、窓関数wを示すグラフWDの一例を記載している。
本実施形態では、窓関数w(x)として次の式(3)に示すガウシアン関数を用いる。
Figure 0007338495000003
ただし、係数σは、ガウシアン窓の裾野の広がりを決める係数である。
式(2)によって得られる位相φは-π~+πの間に折りたたまれて、すなわちラッピングされているため、異なる座標について位相φの差分をとると正しい値が得られない場合がある。そこで、式(4)で示すように、位相アンラッピング処理によって位相φが連続的になるように接続する。
Figure 0007338495000004
位相アンラッピング処理は、-π~+πの範囲に折りたたまれた位相φを復元する処理を示す。
図4の最も下側のグラフG13は、図4の上から2番目のグラフG12に対して、位相アンラッピング処理を行った後のグラフを示す。グラフG13の横軸は、x軸であり、縦軸は、位相Φである。グラフG12では、位相φが+πに到達した位置で位相φが-πにステップ状に減少するが、グラフG13では、位相φのステップ状の変化をさせないように、位相φが+πから-πに減少する度に、位相φを2×πだけ増加する。その結果,アンラッピングされた位相Φが求められる。グラフG13に示すように、位相Φはx座標の増加に伴って直線状に増加する。
アンラッピングされた位相Φの勾配から、次の式(5)により局所的な格子周期P(x)が得られる。
Figure 0007338495000005
グラフG14は、パターン画像PN2に対応する。グラフG14は、グラフG13と比較して傾斜が小さい。すなわち、グラフG13では、位相φが2×πだけ変化するためのx軸の座標の差が距離L1であるのに対して、グラフG14では、位相φが2×πだけ変化するためのx軸の座標の差が距離L2である。距離L2は、距離L1より大きい。距離L2と距離L1との差は、変位ΔLを示す。
このようにして、制御部8は、試験材料TPの表面の変位分布を算出することができる。すなわち、次の式(6)によって、歪みを示すStrain(x)が求められる。
Figure 0007338495000006
ただし、格子周期Pb(x)は、変形前の格子周期を示し、格子周期Pa(x)は、変形後の格子周期を示す。
本実施形態では、窓関数フーリエ変換によって位相φ(x)を求めるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ウェーブレット解析法、及びサンプリングモアレ法等によって位相φ(x)を求めてもよい。
また、本実施形態では、窓関数w(x)がガウシアン関数であるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。窓関数w(x)として、例えば、三角波関数、cubic関数等を用いてもよい。
また、本実施形態では、窓関数w(x)の非ゼロ範囲、すなわち区間が、格子の間隔の2倍であるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。窓関数w(x)の区間は、格子の間隔の2倍以上、格子の間隔の6倍以下の範囲であればよい。窓関数w(x)の区間が広い程、位相φ(x)を正確に算出できる。窓関数w(x)の区間が狭い程、窓関数フーリエ変換の計算量を低減できる。
[4.格子間隔が不均一である場合の課題と解消策]
次に、図5を参照して、格子間隔が不均一である場合の課題とその解消策について説明する。
上記の式(6)では、歪みを求めるために、変形前後の画像の同じx座標にある画素について、変形前の格子周期Pb(x)と変形後の格子周期Pa(x)とを比較している。
図1に示す引張試験機1において試験材料TPを引っ張る場合には、試験材料TPの下端部は下つかみ具22を介してテーブル26に固定され、試験材料TPの上端部が上つかみ具21に引っ張られて移動する。よって、上端部の格子は、下端部の格子と比較して大きく移動する。
変形前の格子間隔が均一であり、各格子間隔が一様に延びる場合には、変形後の格子間隔も均一になる。そこで、この場合には、式(6)によって正確に歪みを算出できる。
一方、図5の左図に示すように、変形前の格子間隔が不均一である場合には、変形前後で異なる格子間距離を比較しているために、式(6)によって算出する歪みStrain(x)には、実際には存在しない歪みが現れてしまう。
例えば、図5の左図において、最上の図は、変形前の格子間隔の一例を示し、上から2番目の図は、変形後の格子間隔の一例を示す。また、上から3番目の図において、グラフG21は、変形前の格子周期Pb(x)の一例を示し、グラフG22は、変形後の格子周期Pa(x)の一例を示す。また、最下の図において、グラフG23は、式(6)によって算出される歪みStrain(x)の一例を示す。
図5の左図の最上の図に示すように、変形前には、左端の格子間隔に対して、左から2番目の格子間隔は広く、左から3番目の格子間隔は狭い。そこで、変形後においても、上から2番目の図に示すように、左端の格子間隔に対して、左から2番目の格子間隔は広く、左から3番目の格子間隔は狭い。
その結果、式(6)によって算出する歪みStrain(x)は、グラフG23に示すように、左端の歪みStrain(x)を基準として、範囲Rx1において歪みStrain(x)は実績値よりも小さい値となり、範囲Rx2において歪みStrain(x)は実績値よりも大きい値となり、範囲Rx3において歪みStrain(x)は実績値よりも小さい値となる。
このように、歪みStrain(x)が変動する原因は、範囲Rx1、範囲Rx2及び範囲Rx3において、変形前後で異なる格子間距離を比較しているためである。例えば、範囲Rx2では、変形前の黒塗り画像Q34と黒塗り画像Q44との間の格子間距離と、変形後の黒塗り画像Q24と黒塗り画像Q34との間の格子間距離とを比較しているためである。
そこで、図5の左図で示すように、変形前後で同じ画素で格子間隔を比較するのではなく、図5の右図で示すように、変形前後で同じ格子の座標を探して格子間隔を比較することで正しい歪みを得ることが可能である。この点について、図5の右図を参照して説明する。
図5の右図において、最上の図は、変形前の格子間隔の一例を示し、上から2番目の図は、変形後の格子間隔の一例を示す。また、上から3番目の図において、グラフG31は、変形前の格子周期Pb(x)の一例を示し、グラフG32は、変形後の格子周期Pa(x)の一例を示す。また、最下の図において、グラフG33は、変形前後で同じ格子の座標を探して格子間隔を比較した場合に式(6)によって算出される歪みStrain(x)の一例を示す。
図5の右図のグラフG33に示すように、変形前後で同じ格子の座標を探して格子間隔を比較することで正しい歪みを得ることができる。変形前後で同じ格子の座標を探して格子間隔を比較する具体的な方法については、図6を参照して説明する。
図6は、アンラッピングされた位相Φ(x)を用いて変数xを検索する方法の一例を示すグラフである。
図6の左図は、変形後の位相Φa(x)を示すグラフG41を示す。図6の左図において、縦軸は、変形後の位相Φa(x)を示し、横軸は、変数xに対応する位置を示す。
図6の右図、変形前の位相Φb(x)を示すグラフG42を示す。図6の右図において、縦軸は、変形後の位相Φb(x)を示し、横軸は、変数xに対応する位置を示す。変数xrは、次の式(7)を満たす変数xを示す。
Φb(xr)=Φa(x) (7)
すなわち、変数xrは、変形後のアンラッピングされた位相Φa(x)と、変形前のアンラッピングされた位相Φb(xr)とが一致する変数xを示す。
図4を参照して説明したように、グラフG41の傾きは、グラフG42の傾きと比較して小さいため、変数xrの値は、変数xの値より小さい。
以下の説明では、図5の左図を参照して説明した歪みの算出方法を「第1方法」と記載し、図5の右図及び図6を参照して説明した歪みの算出方法を「第2方法」と記載する。
[5.パターン画像に欠落領域がある場合の課題と解消策]
図7は、欠落領域HLを含むパターン画像PN3の一例を示す図である。
図7に示すパターン画像PN3は、試験材料TPにおけるパターンPTNの一例を示す。すなわち、パターン画像PN3には、方形状の黒塗り画像Sij(i=1~n,j=1~8)が左右方向及び上下方向に略等間隔で配置されている。
また、パターン画像PN3には、欠落領域HLが形成されている。欠落領域HLは、パターン画像PN3の一部が欠落した領域を示す。図7では、試験材料TPに円形状の孔が形成されている場合について説明する。
図7に示す欠落領域HLは、円形状に形成される。欠落領域HLによって、4つの黒塗り画像Sij(i=5~6,j=4~5)が欠落している。x軸上においては、黒塗り画像S54と黒塗り画像S64とが欠落している。
本実施形態では、試験材料TPに円形状の孔が形成されている場合について説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。パターン画像PN3に欠落領域HLが形成されていればよい。例えば、試験材料TPへのパターンPTNの転写の失敗、及びカメラ6の設定ミス等に起因して、パターン画像PN3に欠落領域HLが形成されてもよい。
図8は、パターン画像PN3が欠落領域HLを含む場合の課題の一例を示す図である。図8では、制御部8は、例えば、x軸方向の変位量を算出する。変位量の基準点は、最も下端に位置する黒塗り画像S14の中心である。すなわち、黒塗り画像Si4(i=2~n)と黒塗り画像S14との間隔を、引張試験後の図略の黒塗り画像の間隔とを比較することによって、x軸方向の変位量を算出する。図8では、第2方法によって、歪みを算出する場合について説明する。
図8の最上の図は、x軸方向の輝度値Bの変化を正弦波近似したグラフである。横軸は、x軸であり、縦軸は、輝度値Bである。欠落領域HLでは、黒塗り画像S54と黒塗り画像S64とが欠落しているため、輝度値Bが、例えば試験材料TPを構成する材料の色に対応する。そこで、欠落領域HLでは、グラフG51に示すように輝度値Bが不規則に変化している。その結果、欠落領域HLでは、正弦波近似をすることができない。
図8の上から2番目の図は、グラフG51の位相φを示すグラフである。横軸は、x軸であり、縦軸は、位相φである。グラフG52に示すように、位相φは、-πから+πまでの間で変化する。また、欠落領域HLでは、輝度値Bが不規則に変化しているため、位相φも、-πから+πまでの間で変化しているが、鋸刃状のグラフにはなっていない。
図8の最も下側の図は、図8の上から2番目のグラフG52に対して、位相接続を行った後のグラフを示す。横軸は、x軸であり、縦軸は、位相Φである。グラフG52では、位相φが+πに到達した位置で位相φが-πにステップ状に減少するが、グラフG53では、位相φのステップ状の変化をさせないように、位相φが+πから-πに減少する度に、位相φを2×πだけ増加する。その結果,グラフG53では、x座標の増加に伴って位相Φが増加する。
ただし、グラフG53において、欠落領域HLでは、x座標の増加に伴って位相Φが不規則に変化しながら増加している。図4を参照して説明したグラフG13では、x座標の増加に伴って位相Φが直線状に増加するのに対して、グラフG53は、x座標の増加に伴って位相Φが直線状には増加しない。そこで、「第2方法」では、試験材料TPの表面の変位分布を算出することができないことになる。
この課題を解消するために、本実施形態では、制御部8は、図9を参照して説明するようにして表面の変位分布を算出する。
図9は、パターン画像PN3が欠落領域HLを含む場合の課題を解消するための変位分布の算出方法の一例を示す図である。図9を参照して説明する変位分布の算出方法を以下の説明において「第3方法」と記載する。
図9の左図は、フレーム毎の黒塗り画像Si4(i=1~n)の間隔の変化を示す。最上に示す黒塗り画像Si4は、試験材料TPが変形前の黒塗り画像Si4の間隔、すなわち、フレーム番号tが「0」のフレームに対応するパターン画像PN(0)における黒塗り画像Si4の間隔を示す。なお、フレーム番号tは、カメラ6によって所定時間ΔT毎に生成されるパターン画像PNの順番を示す。フレーム番号tは、0~Tの範囲の値である。個数Tは、カメラ6によって生成されるパターン画像PNの個数を示す。例えば、試験材料TPの引張試験の試験時間が2秒間である場合には、個数Tは、60個(=30×2)である。
上から2番目に示す黒塗り画像Si4は、(t-1)番目のフレームに対応するパターン画像PN(t-1)における黒塗り画像Si4の間隔を示す。上から3番目に示す黒塗り画像Si4は、t番目のフレームに対応するパターン画像PN(t)における黒塗り画像Si4の間隔を示す。上から2番目に示す黒塗り画像Si4と、上から3番目に示す黒塗り画像Si4とは、試験材料TPが変形中の黒塗り画像Si4を示す。
最下に示す黒塗り画像Si4は、試験材料TPが変形後の黒塗り画像Si4の間隔、すなわち、フレーム番号tが「T」のフレームに対応するパターン画像PN(T)における黒塗り画像Si4の間隔を示す。
図9の左図に示すように、時間的に隣り合うフレームでは黒塗り画像Si4の変位は小さいため、ラッピングされた位相φから変位を正しく計算することができる。
そこで、図9の右図に示すように、時間的に隣り合うフレームの変位Δv(x)を積算していくことで変形前後の変位ΔU(x)を得ることができる。
パターン画像PN(t-1)は、「第1パターン画像」の一例に対応する。
パターン画像PN(t)は、「第2パターン画像」の一例に対応する。
図9の右図の上側のグラフG61は、位相φt-1(x)を示す。縦軸は、位相φt-1(x)を示し、横軸は変数xを示す。位相φt-1(x)は、(t-1)番目のフレームにおける位相φを示す。
図9の右図の下側のグラフG62は、位相φ(x)を示す。縦軸は、位相φ(x)を示し、横軸は変数xを示す。位相φ(x)は、t番目のフレームにおける位相φを示す。
(t-1)番目のフレームとt番目のフレームとの間における変位Δv(x)を図9に示している。
この方法では、対応点の探索にアンラッピングされた位相Φを用いる必要がないため、格子に欠陥があった場合にも、変位を正確に算出できる。
本実施形態では、カメラ6によって生成されるフレーム毎の変位を算出するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。変位Δv(x)が格子間隔以下であればよい。例えば、1/15秒毎のパターン画像PNに基づいて変位Δv(x)を算出してもよい。
[6.制御部の機能的な構成と制御部の処理]
[6-1.制御部の機能的な構成]
図10は、本実施形態に係る制御部8の機能的な構成の一例を示す図である。制御部8は、図9を参照して説明した第3方法によって、歪みを示すε(x)を算出する。
図10に示すように、制御部8は、撮像制御部811と、変換実行部812と、周期算出部813と、変位算出部814と、変位積算部815と、歪み算出部816と、撮像画像記憶部821とを備える。
具体的には、制御部8のプロセッサ8Aが、メモリデバイス8B又はストレージ装置8Cに記憶された制御プログラムを実行することによって、撮像制御部811、変換実行部812、周期算出部813、変位算出部814、変位積算部815、及び、歪み算出部816として機能する。
また、制御部8のプロセッサ8Aが、メモリデバイス8B又はストレージ装置8Cに記憶された制御プログラムを実行することによって、メモリデバイス8B又はストレージ装置8Cを、撮像画像記憶部821として機能させる。
撮像画像記憶部821は、カメラ6が生成したパターン画像PNを示す画像情報を記憶する。カメラ6のフレームレートが30fpsであり、試験材料TPの引張試験の試験時間が2秒間である場合には、60個のパターン画像PNの各々に対応する画像情報が撮像画像記憶部821に記憶される。
撮像制御部811は、試験材料TPに形成されたパターンPTNをカメラ6に撮像させて、パターンPTNの画像を示すパターン画像PNを生成させる。具体的には、撮像制御部811は、制御回路ユニット50からの指示に従って、パターン画像PNを生成する。
また、撮像制御部811は、所定時間ΔT毎にパターン画像PNを生成する。所定時間ΔTは、例えば、1/30秒である。具体的には、引張試験機1が引張試験の実行を開始してから、引張試験の実行を終了するまでの間において、撮像制御部811は、所定時間ΔT毎にパターン画像PNを生成する。
撮像制御部811は、「撮像部」の一部に対応する。すなわち、カメラ6及び撮像制御部811は、「撮像部」の一例を構成する。
変換実行部812は、撮像制御部811によって生成された各パターン画像PNにおいて、図7に示すx軸方向に沿って配列された1行の画素群毎に、各画素の輝度値Bに対して、図4を参照して説明した式(2)に示す窓関数フーリエ変換を実行する。x軸方向は、試験材料TPの長辺方向と平行な方向を示す。
また、変換実行部812は、図4を参照して説明した式(3)に示す窓関数w(x)を1画素ずつx軸方向に移動させながら、式(2)に示す窓関数フーリエ変換を実行する。
また、変換実行部812は、x軸方向と直交する方向に1画素ずつ移動させて、x軸方向に沿って配列された1行の画素群毎に、各画素の輝度値Bに対して、式(2)に示す窓関数フーリエ変換を実行する。
周期算出部813は、変換実行部812による窓関数フーリエ変換の結果に基づいて、格子周期P(x)を次の式(8)によって算出する。
Figure 0007338495000007
式(8)では、位相φ(x)を変数xについて微分することによって格子周期P(x)を算出する。図4を参照して説明した上記式(5)では、位相Φ(x)を変数xについて微分するのに対して、式(8)では、位相φ(x)を変数xについて微分するため、位相Φを算出する必要がない。
変位算出部814は、時間的に隣り合うフレームの変位Δv(x)を算出する。具体的には、変位算出部814は、(t-1)番目のフレームに対応するパターン画像PN(t-1)とt番目のフレームに対応するパターン画像PN(t)との間の変位Δv(x)を、次の式(9)によって算出する。
Figure 0007338495000008
なお、位相差Δφ(x)は、次の式(10)によって算出される。
Figure 0007338495000009
なお、位相φt-1(x)は、(t-1)番目のフレームに対応するパターン画像PN(t-1)における位相φ(x)を示し、位相φ(x)は、t番目のフレームに対応するパターン画像PN(t)における位相φ(x)を示す。位相φ(x)は、変換実行部812による窓関数フーリエ変換によって得られる。
変換実行部812、周期算出部813、及び変位算出部814は、「第1算出部」の一例に対応する。
変位積算部815は、変位算出部814によって算出された変位Δv(x)を積算することによって、変形前後の変位ΔU(x)を算出する。
変位積算部815は、「第2算出部」の一例に対応する。
歪み算出部816は、変形前後の歪みε(x)を次の式(11)によって算出する。
Figure 0007338495000010
なお、変数xは、次の式(12)によって求められる。
Figure 0007338495000011
すなわち、変数xは、変形後の変数xに対応する変形前のx座標を示す。
図11は、本施形態に係る制御部8の処理の一例を示す疑似コード図である。
なお、関数phaseCalc(S(x))は、図4を参照して説明した式(2)によって位相φ(x)を算出する。すなわち、関数phaseCalc(S(x))は、窓関数フーリエ変換を実行することによって位相φ(x)を算出することを示す。
また、関数pitchCalc(φ(x))は、図10を参照して説明した式(8)によって格子周期P(x)を算出する。
[6-1.制御部の処理]
図12は、本施形態に係る制御部8の処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図12では、撮像制御部811がカメラ6に生成させたパターン画像PNを示す画像情報が、予め撮像画像記憶部821に記憶されている場合について説明する。
まず、ステップS101において、制御部8は、フレーム番号tを「1」に設定する。
次に、ステップS103において、制御部8は、前フレームのパターン画像PNを撮像画像記憶部821から読み出すことによって取得する。前フレームのパターン画像PNとは、(t-1)番目のフレームのパターン画像PN(t-1)を示す。
次に、ステップS105において、変換実行部812は、前フレームのパターン画像PN(t-1)に対して窓関数フーリエ変換を実行し、位相φt-1(x)を算出する。
次に、ステップS107において、周期算出部813は、変換実行部812による窓関数フーリエ変換の結果に基づいて、格子周期Pt-1(x)を算出する。
次に、ステップS109において、制御部8は、後フレームのパターン画像PNを撮像画像記憶部821から読み出すことによって取得する。後フレームのパターン画像PNとは、(t)番目のフレームのパターン画像PN(t)を示す。
次に、ステップS111において、変換実行部812は、後フレームのパターン画像PN(t)に対して窓関数フーリエ変換を実行し、位相φ(x)を算出する。
次に、ステップS113において、周期算出部813は、変換実行部812による窓関数フーリエ変換の結果に基づいて、格子周期P(x)を算出する。
次に、ステップS115において、変位算出部814は、図10を参照して説明した式(10)によって位相差Δφ(x)を算出する。
次に、ステップS117において、変位算出部814は、図10を参照して説明した式(8)によって変位Δv(x)を算出する。
次に、ステップS119において、変位積算部815は、次の式(13)によって、変位Δv(x)を積算して変位ΔU(x)を算出する。
ΔU(x)=ΔU(x-Δv(x))+Δv(x) (13)
次に、ステップS121において、制御部8は、フレーム番号tが最大のフレーム番号TAであるか否かを判定する。フレーム番号TAは、例えば60である。
フレーム番号tが最大のフレーム番号TAではないと制御部8が判定した場合(ステップS121;NO)には、処理がステップS123に進む。
そして、ステップS123において、制御部8は、フレーム番号tを「1」だけインクリメントする。その後、処理がステップS103に戻される。
フレーム番号tが最大フレーム番号TAであると制御部8が判定した場合(ステップS121;YES)には、処理がステップS125に進む。
そして、ステップS125において、歪み算出部816は、変形前後の歪みε(x)を、図10を参照して説明した式(11)によって算出する。その後、処理が終了する。
ステップS117が、「第1算出ステップ」の一例に対応する。ステップS119が、「第2算出ステップ」の一例に対応する。
[7.シミュレーションについて]
次に、図13及び図14を参照して、本発明に係る試験材料TPの表面の変位分布の算出方法である第3方法の効果を検証するシミュレーションについて説明する。
[7-1.シミュレーション方法について]
まず、シミュレーション方法について説明する。
個数Nは、10個とした。ただし、個数Nは、1周期に対応する画素数を示す。シミュレーション点数、すなわち、x軸上の画素数は「4000」とした。ランチョス法(Lanczos algorithm)を用いて、格子模様全体を1.02倍に拡大することで、引張試験機1で試験材料TPに対して伸び2%の均一な歪みを与えた場合をシミュレートした。なお、拡大処理は100回に分けて実行した。すなわち、パターン画像PNの個数は、101個とした。
図13は、格子間隔、及び歪み算出結果の一例を示すグラフである。
図13の上図は、格子周期の変化を示すグラフである。横軸は、変数xに対応する位置を示す画素番号であり、縦軸は格子周期Pを示す。
格子周期Pを不均一にするために、格子模様の周期を、平均10.5画素で標準偏差0.5%として、図13のグラフG7に示すようにランダムに変化させた。
また、欠落領域HLを含ませるために、400画素にわたって格子模様がない領域を設定した。具体的には、グラフG7に示すように、4000画素のうちの1801番目の画素から2200番目の画素の輝度値を「0」にした。
[7-2.シミュレーション結果について]
図13の下図、及び図14に、シミュレーション結果の一例を示す。
図13の下図、図14の上図、及び図14の下図の横軸は、変数xに対応する位置を示す画素番号であり、縦軸は歪みε(%)を示す。図13の下図のグラフG81は、第1方法によるシミュレーション結果を示し、図14の上図のグラフG82は、第2方法によるシミュレーション結果を示し、図14の下図のグラフG83は、第3方法によるシミュレーション結果を示す。
第1方法では、図5の左図を参照して説明したように格子周期Pが不均一であることに起因する誤差が発生するため、図13の下図のグラフG81に示すように、欠落領域HLの前の画素においても、歪みεが1.0%~3.3%の範囲で大きく変動した。
第2方法では、図5の右図を参照して説明したように格子周期Pが不均一であることに起因する誤差が解消されるが、図8を参照して説明したように、欠落領域HLの後の画素では、試験材料TPの表面の変位分布を算出することができない。そこで、図14の上図のグラフG82に示すように、欠落領域HLの前の画素では、歪みεを正確に算出できたが、欠落領域HLの後の画素では、歪みεが1.0%~3.0%の範囲で大きく変動した。
第3方法では、図14の下図のグラフG83に示すように、欠落領域HLの前の画素、及び、欠落領域HLの後の画素において、歪みεを1.7%~2.2%の範囲で正確に算出できた。
[6.態様と効果]
上述した実施形態及び変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)
一態様に関わる変位分布計測装置は、機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測装置であって、前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像部と、第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出部と、前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出部と、を備える。
第1項に記載の変位分布計測装置によれば、第1パターン画像と、第1パターン画像の所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を算出し、所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の試験材料の変位分布を算出する。
したがって、パターン画像の一部が欠落した場合であっても、所定時間を適正に設定することによって、物体の表面の変位分布を算出することが可能になる。例えば、パターンが格子状のパターンであって、所定時間毎の格子の間隔の変化量が格子の間隔以下である場合には、物体の表面の変位分布を算出できる。
(第2項)
第1項に記載の変位分布計測装置において、前記パターンは、格子状のパターンを示し、前記第1算出部は、前記所定時間毎に前記格子の間隔の変化量を算出することによって、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出し、前記所定時間毎の前記格子の間隔の変化量が、前記格子の間隔以下になるように前記所定時間が設定される。
第2項に記載の変位分布計測装置によれば、第1算出部は、所定時間毎に格子の間隔の変化量を算出することによって、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を算出し、所定時間毎の格子の間隔の変化量が、格子の間隔以下になるように所定時間が設定される。
よって、所定時間毎の格子の間隔の変化量が、格子の間隔以下になるように所定時間が設定されるため、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を正確に算出できる。したがって、試験材料の表面の変形前後の変位分布を正確に算出できる。
(第3項)
第2項に記載の変位分布計測装置において、前記格子状のパターンは、所定方向と平行な軸に沿って配列され、前記第1算出部は、前記格子状のパターンを前記所定方向と平行な軸に沿った輝度値の正弦波と見做して、窓関数フーリエ変換によって前記正弦波の位相を算出し、前記正弦波の位相に基づいて、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する。
第3項に記載の変位分布計測装置によれば、格子状のパターンを所定方向と平行な軸に沿った輝度値の正弦波と見做して、窓関数フーリエ変換によって正弦波の位相を算出し、正弦波の位相に基づいて、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を算出するため、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を簡素な構成で正確に算出できる。また、格子状のパターンは、所定方向と平行な軸に沿って配列されるため、所定方向を適正に設定することによって、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を更に正確に算出できる。したがって、試験材料の表面の変形前後の変位分布を正確に算出できる。
(第4項)
第3項に記載の変位分布計測装置において、前記窓関数フーリエ変換における窓関数の区間は、前記格子の間隔の2倍以上、前記格子の間隔の6倍以下の範囲に設定される。
第4項に記載の変位分布計測装置によれば、窓関数フーリエ変換における窓関数の区間は、格子の間隔の2倍以上、格子の間隔の6倍以下の範囲に設定されるため、窓関数フーリエ変換の計算量を低減すると共に、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を正確に算出できる。したがって、試験材料の表面の変形前後の変位分布を正確に算出できる。
(第5項)
第3項又は第4項に記載の変位分布計測装置において、前記試験材料は矩形状に形成され、前記所定方向は、前記試験材料の長辺方向又は短辺方向を示す。
第5項に記載の変位分布計測装置によれば、所定方向は、試験材料の長辺方向又は短辺方向を示すため、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を正確に算出できる。例えば、機械試験機が長辺方向に沿って引っ張る引張試験を行う場合には、所定方向を試験材料の長辺方向とすることによって、試験材料の表面の所定時間毎の変位分布を正確に算出できる。したがって、試験材料の表面の変形前後の変位分布を正確に算出できる。
(第6項)
第1項から第5項のいずれか1項に記載の変位分布計測装置において、前記パターン画像が前記パターン画像の一部が欠落した欠落領域を含む。
第6項に記載の変位分布計測装置によれば、パターン画像の一部が欠落した欠落領域をパターン画像が含む場合にも、試験材料の表面の変形前後の変位分布を正確に算出できる。
(第7項)
第6項に記載の変位分布計測装置において、前記機械試験機は、引張試験機であって、前記試験材料には、前記欠落領域として円形状の孔が形成される。
第7項に記載の変位分布計測装置によれば、械試験機は引張試験機であって、試験材料には欠落領域として円形状の孔が形成されるため、円形状の孔が形成された試験材料の引張試験を実行する場合に、試験材料の表面の変形前後の変位分布を正確に算出できる。
(第8項)
第1項から第7項のいずれか1項に記載の変位分布計測装置において、変形前後の前記試験材料の変位分布に基づき、前記試験材料の歪み分布を算出する歪み算出部を備える。
第8項に記載の変位分布計測装置によれば、変形前後の前記試験材料の変位分布に基づき、前記試験材料の歪み分布を算出するため、試験材料の歪み分布を算出できる。
(第9項)
一態様に関わる変位分布計測方法は、機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測方法であって、前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像ステップと、第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出ステップと、前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出ステップと、を含む。
第9項に記載の変位形状検出方法によれば、第1項に記載の変位分布計測装置と同様の効果を奏する。
(第10項)
一態様に関わる変位分布計測装置の制御プログラムは、カメラ及びコンピュータを備え、機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測装置の制御プログラムであって、前記コンピュータを、前記カメラによって前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像部、第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出部、及び、前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出部、として機能させる。
第10項に記載の変位分布計測装置の制御プログラムによれば、第1項に記載の変位分布計測装置と同様の効果を奏する。
[7.その他の実施形態]
なお、本実施形態に係る変位分布計測装置200は、あくまでも本発明に係る変位分布計測装置の態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形および応用が可能である。
例えば、本実施形態では、材料試験機が引張試験機1である場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。材料試験機が試験材料TPに試験力を付与し、試験材料TPを変形させて材料試験を行えばよい。例えば、材料試験機が、圧縮試験機、曲げ試験機、又はねじり試験機でもよい。
また、本実施形態では、試験材料TPに円形状の孔が形成されている場合について説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。パターン画像PN3に、パターン画像PN3の一部が欠落した欠落領域が形成されていればよい。例えば、試験材料TPへのパターンPTNの転写の失敗、及びカメラ6の設定ミス等に起因して、パターン画像PN3に欠落領域が形成されてもよい。
また、本実施形態では、窓関数フーリエ変換によって位相φ(x)を求めるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、ウェーブレット解析法、及びサンプリングモアレ法等によって位相φ(x)を求めてもよい。
また、本実施形態では、窓関数w(x)がガウシアン関数であるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。窓関数w(x)として、例えば、三角波関数、cubic関数等を用いてもよい。
また、本実施形態では、制御部8が、撮像制御部811、変換実行部812、周期算出部813、変位算出部814、変位積算部815、歪み算出部816、及び、撮像画像記憶部821として機能する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。制御回路ユニット50が、撮像制御部811、変換実行部812、周期算出部813、変位算出部814、変位積算部815、歪み算出部816、及び、撮像画像記憶部821のうちの少なくとも1つとして機能してもよい。例えば、制御回路ユニット50が、撮像制御部811、変換実行部812、周期算出部813、変位算出部814、変位積算部815、歪み算出部816、及び、撮像画像記憶部821として機能してもよい。
また、図10に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
また、図12に示すフローチャートの処理単位は、制御部8の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。図12のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
また、変位分布計測装置200の制御方法は、制御部8が備えるプロセッサ8Aに、変位分布計測装置200の制御方法に対応した制御プログラムを実行させることで実現できる。また、この制御プログラムは、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、画像処理装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。また、変位分布計測装置200の制御方法に対応した制御プログラムをサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御部8に、制御プログラムをダウンロードすることで変位分布計測装置200の制御方法を実現することもできる。
1 引張試験機(材料試験機)
2 引張試験機本体
4 制御ユニット
6 カメラ(撮像部の一部)
8 制御部
10 クロスヘッド
12 負荷機構
14 ロードセル
15 サーボモータ
20 ロータリエンコーダ
21 上つかみ具
22 下つかみ具
26 テーブル
28、29 ねじ棹
30 統括制御装置
32 表示装置
34 試験プログラム実行装置
40 信号入出力ユニット
42 センサアンプ
43 カウンタ回路
44 サーボアンプ
50 制御回路ユニット
200 変位分布計測装置
8A プロセッサ
8B メモリデバイス
8C ストレージ装置
8D 通信装置
811 撮像制御部(撮像部の一部)
812 変換実行部(第1算出部の一部)
813 周期算出部(第1算出部の一部)
814 変位算出部(第1算出部の一部)
815 変位積算部(第2算出部)
816 歪み算出部
821 撮像画像記憶部
B 輝度値
HL 欠落領域
P、Pa、Pb 格子周期
PN、PN1、PN2、PN3 パターン画像
PTN パターン
Qij、Rij、Sij 黒塗り画像
TP 試験材料
TP1 特定面
x 変数
φ、Φ 位相
ε 歪み

Claims (9)

  1. 機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測装置であって、
    前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像部と、
    第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出部と、
    前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出部と、
    を備え
    前記パターンは、格子状のパターンを示し、
    前記第1算出部は、前記所定時間毎に前記格子の間隔の変化量を算出することによって、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出し、
    前記所定時間毎の前記格子の間隔の変化量が、前記格子の間隔以下になるように前記所定時間が設定される、変位分布計測装置。
  2. 前記格子状のパターンは、所定方向と平行な軸に沿って配列され、
    前記第1算出部は、前記格子状のパターンを前記所定方向と平行な軸に沿った輝度値の正弦波と見做して、窓関数フーリエ変換によって前記正弦波の位相を算出し、前記正弦波の位相に基づいて、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する、請求項に記載の変位分布計測装置。
  3. 前記窓関数フーリエ変換における窓関数の区間は、前記格子の間隔の2倍以上、前記格子の間隔の6倍以下の範囲に設定される、請求項に記載の変位分布計測装置。
  4. 前記試験材料は矩形状に形成され、
    前記所定方向は、前記試験材料の長辺方向又は短辺方向を示す、請求項又は請求項に記載の変位分布計測装置。
  5. 前記パターン画像が前記パターン画像の一部が欠落した欠落領域を含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の変位分布計測装置。
  6. 前記機械試験機は、引張試験機であって、前記試験材料には、前記欠落領域として円形状の孔が形成される、請求項に記載の変位分布計測装置。
  7. 変形前後の前記試験材料の変位分布に基づき、前記試験材料の歪み分布を算出する歪み算出部を備える、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の変位分布計測装置。
  8. 機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測方法であって、
    前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像ステップと、
    第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出ステップと、
    前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出ステップと、
    を含
    前記パターンは、格子状のパターンを示し、
    前記第1算出ステップでは、前記所定時間毎に前記格子の間隔の変化量を算出することによって、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出し、
    前記所定時間毎の前記格子の間隔の変化量が、前記格子の間隔以下になるように前記所定時間が設定される、変位分布計測方法。
  9. カメラ及びコンピュータを備え、機械試験機によって変形される試験材料の表面に形成されたパターンの画像に基いて、前記試験材料の表面の変位分布を計測する変位分布計測装置の制御プログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記カメラによって前記パターンを撮像して、前記パターンの画像を示すパターン画像を所定時間毎に生成する撮像部、
    第1パターン画像と前記第1パターン画像の前記所定時間後に生成される第2パターン画像とに基づき、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出する第1算出部、及び、
    前記所定時間毎の変位分布を積算して変形前後の前記試験材料の変位分布を算出する第2算出部、
    として機能させ
    前記パターンは、格子状のパターンを示し、
    前記第1算出部は、前記所定時間毎に前記格子の間隔の変化量を算出することによって、前記試験材料の表面の前記所定時間毎の変位分布を算出し、
    前記所定時間毎の前記格子の間隔の変化量が、前記格子の間隔以下になるように前記所定時間が設定される、変位分布計測装置の制御プログラム。
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