JP7338296B2 - 超音波洗浄装置 - Google Patents

超音波洗浄装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7338296B2
JP7338296B2 JP2019137571A JP2019137571A JP7338296B2 JP 7338296 B2 JP7338296 B2 JP 7338296B2 JP 2019137571 A JP2019137571 A JP 2019137571A JP 2019137571 A JP2019137571 A JP 2019137571A JP 7338296 B2 JP7338296 B2 JP 7338296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultrasonic
cleaning
cleaning liquid
conveying
cleaned
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019137571A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021020155A (ja
Inventor
泰宏 永野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Proterial Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Proterial Ltd filed Critical Proterial Ltd
Priority to JP2019137571A priority Critical patent/JP7338296B2/ja
Publication of JP2021020155A publication Critical patent/JP2021020155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7338296B2 publication Critical patent/JP7338296B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、超音波洗浄装置、それ用いた超音波洗浄方法およびR-T-B系焼結磁石の製造方法に関する。
R-T-B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdおよびPrの少なくとも一方を必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)は優れた磁気特性を有していることから自動車や産業用機械、電子機器など様々な分野で使用されている。その使用量は電気自動車や電子機器の普及により増加が期待されている。
また、一般的にR-T-B系焼結磁石の製造工程において、その用途に応じて加工工程や表面塗装工程を行う場合がある。加工工程では、例えば、R-T-B系焼結磁石の磁石表面に付着した切削粉等を除去するために超音波洗浄装置を用いて洗浄することが知られている。また、加工の際にR-T-B系焼結磁石と加工治具等を接着したり、R-T-B系焼結磁石どうしを接着して切削加工等を行った場合、R-T-B系焼結磁石と加工治具等の剥離やR-T-B系焼結磁石どうしを剥離するために超音波洗浄装置を用いて接着剤を除去(洗浄)することが知られている。また、表面塗装工程では、表面塗装を行う前や行った後に超音波洗浄装置を用いて洗浄することが知られている。
特許文献1に記載の超音波洗浄装置は、洗浄液が充填される洗浄槽と、洗浄槽の腹部を貫通移動するネットコンベアと、ネットコンベアの上下面に対向させ少なくとも一対の超音波振動子を有しており、被洗浄物を洗浄する際には、ネットコンベアに被洗浄物を載置し、上下の超音波振動子の間に搬送して超音波洗浄をおこなっている。
特開2015-123435号公報
しかし、特許文献1に記載の超音波洗浄装置のように、洗浄槽内に洗浄液を供給する方式では洗浄液に気泡が含まれていることが多く、浮上する気泡により被洗浄物の位置ずれが発生して他の被洗浄物と重なったり、一対の超音波振動子の間に気泡が留まることにより超音波の力が弱まったりするなど、良好な洗浄が困難になる場合あった。
そこで本発明は、良好な洗浄が可能な超音波洗浄装置、それを用いた超音波洗浄方法およびR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
上記の点に鑑みてなされた本発明の超音波洗浄装置は、例示的な態様1において、洗浄液が充填される洗浄槽と、洗浄槽内に配置され、被洗浄物を搬送するための搬送部と、洗浄槽内に配置され、第1の超音波振動子と第2の超音波振動子を鉛直方向に上下に対向させた一対の超音波振動子とを備え、搬送部の搬送方向に沿って間隔を設けて複数対配置し、第1の超音波振動子と第2の超音波振動子の間に被洗浄物を搬送して洗浄する超音波洗浄装置であって、複数対配置されている一対の超音波振動子のうち、鉛直方向の下に配置された複数の第2の超音波振動子の間を塞ぐように泡抑制部材を設ける、超音波洗浄装置である。
態様2において、泡抑制部材の鉛直方向の下側の面に凹部が形成されている、態様1に記載の超音波洗浄装置である。
態様3において、泡抑制部材の鉛直方向の下側の面が平坦面である、態様1に記載の超音波洗浄装置である。
態様4において、泡抑制部材の搬送方向に対して交差する方向の長さは、第2の超音波振動子の搬送方向に対して交差する方向の長さよりも長い、態様1乃至態様3のいずれかに記載の超音波洗浄装置である。
態様5において、搬送部は、コンベアと、コンベアを支持するための支持部材を有し、第2の超音波振動子における搬送部の搬送方向と平行な側面に泡抑制部材を更に設ける、態様1乃至態様4のいずれかに記載の超音波洗浄装置である。
態様6において、第2の超音波振動子における搬送部の搬送方向と平行な側面に設けられている泡抑制部材は、第2の超音波振動子における搬送部の搬送方向と平行する方向の長さ以上である、態様5に記載の超音波洗浄装置である。
態様7において、洗浄槽は、鉛直方向の上が開口し、底面と、底面を囲む側面と、を有し、少なくとも一つの側面に設けられ、開口している洗浄槽の開口面から底面と離間する位置まで延び、他の側面から離間して対向する位置に緩衝部材を設け、緩衝部材と他の前記側面の間に洗浄液を供給するための洗浄液供給口が開口面側に設けられている、態様1乃至態様6のいずれかに記載の超音波洗浄装置である。
態様8において、洗浄槽は、底面と、底面を囲み、洗浄液を供給するための洗浄液供給口が少なくとも1つ設けられている側面と、を有し、洗浄槽の底面および側面の少なくとも一方から鉛直方向に被洗浄物が搬送される位置まで延び、洗浄液供給口から離間して対向する位置に緩衝部材が設けられている、態様1乃至態様6のいずれかに記載の超音波洗浄装置である。
本発明の超音波洗浄方法は、態様9において、態様1乃至態様8のいずれかに記載の超音波洗浄装置を用いるR-T-B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdおよびPrの少なくとも一方を必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)の製造方法であって、R-T-B系焼結磁石を用意する工程と、70℃以上、100℃以下に加熱された洗浄液を洗浄槽に充填する工程と、搬送部によりR-T-B系焼結磁石を、0.2m/min以上、0.6m/min以下で搬送し、複数配置されている一対の超音波振動子によりR-T-B系焼結磁石を洗浄する工程と、を含むR-T-B系焼結磁石の製造方法である。
本発明によれば、良好な洗浄が可能な超音波洗浄装置、それを用いた超音波洗浄方法およびR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供することができる。また、R-T-B系焼結磁石や加工治具等に例示される被洗浄物の洗浄および剥離を行う場合に好適に使用することができる。
実施形態に係る超音波洗浄装置の概略断面図を示す。 図1の線分A-Aから見た超音波洗浄装置の概略上面図を示す。 泡抑制部材の変形例を示す断面図であり、(a)は凹部を有する断面が山形形状(V字形状)の泡抑制部材を示し、(b)は凹部を有する楕円の半円形状(C字形状)の泡抑制部材を示し、(c)は板状形状の泡抑制部材を示す。 図1の線分A-Aから見た超音波洗浄装置の概略上面図であり、(a)乃至(c)は泡抑制部材の配置に係る他の一例を示す。 他の実施形態に係る超音波洗浄装置の部分拡大図を示し、(a)は洗浄液を-Z方向に向かって供給する場合の一例を示し、(b)は洗浄液を-X方向に供給する場合の一例を示す。
実施形態の超音波洗浄装置は、一対の超音波振動子を複数対備えた超音波洗浄装置であり、下側に配置された超音波振動子の間全体に泡制御部材を設けることによって、浮上する気泡による被洗浄物の位置ずれや、一対の超音波振動子の間に気泡が留まることによる超音波の力の弱まりを抑制し、良好な洗浄が可能となる。
以下に、実施形態の超音波洗浄装置1について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、図面には、参考のため、互いに直交する-X-X軸、-Y-Y軸及び-Z-Z軸が模式的に示されている。Z軸が鉛直方向に平行である。
図1は超音波洗浄装置1の概略断面図を示し、図2は図1の線分A-Aから見た概略上面図を示している。なお、図2は構成を見やすくするために後述するワークWの一部を省略している。
図1、図2に示すように、超音波洗浄装置1は、被洗浄物を超音波によって洗浄するための装置であり、洗浄槽2と、搬送部3と、第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bを有する一対の超音波振動子4と、泡抑制部材5と、洗浄液循環部6を備えている。
図2に示すように、本実施形態の被洗浄物は、R-T-B系焼結磁石W1(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdおよびPrの少なくとも一方を必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)であり、超音波洗浄時や搬送時の位置ずれを抑制するためのトレーW2上に複数設けている。
トレーW2は第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bから発振される超音波をR-T-B系焼結磁石W1に伝達でき、位置ずれを抑制出来ればどの様なものでもよい。R-T-B系焼結磁石W1をトレーW2に設けたものをワークWと呼び、この状態で超音波洗浄をおこなう。なお、被洗浄物はR-T-B系焼結磁石W1に限られることはなく、目的に応じて適宜変更してもよい。また、大きさによっては複数でなく単数でもよい。そして、トレーW2を用いずに被洗浄物を搬送し、超音波洗浄できる場合はトレーW2を用いなくてもよい。この場合、被洗浄物がワークWにもなりうる。
図1に示すように、洗浄槽2は、洗浄液Lが充填されるものであり、傾斜している底面2aと、底面2aを囲む側面とを有し、Z方向に開口している。また、洗浄液Lを供給するための洗浄液供給口2bと、洗浄液Lが排出される第1のドレン口2cと、洗浄液Lの量を調整するための第2のドレン口2dとを設けている。
底面2aは、X-Y平面に対して傾斜するように設けており、洗浄槽2のX軸方向の長さの中間位置が窪んでいる。言い換えると、X軸方向の長さの中間位置からX方向および-X方向に向かって角度を有するように傾斜しており、中間位置が一番深くなっている。この様に設けることで、R-T-B系焼結磁石W1を洗浄し、底面2aに剥離して沈殿した付着物(例えば、粉塵や磁石くず、砥粒等のスラッジなどの固形物)を集めやすくすることができる。なお、窪ませる位置はこれに限られず、どの位置であってもよい。また、底面2aは必ずしも窪ませる必要はなく、平面など適宜変更してよい。
洗浄液供給口2bは、洗浄槽2の側面(Y-Z平面と平行で、X方向側の側面)に設けられ、気泡を多く含んだ洗浄液Lの流れがワークWに直接当たらない位置、言い換えると搬送部3上に配置されるワークWの位置よりも-Z方向側の位置に設けている。なお、洗浄液供給口2bの位置はこれに限られることはなく、気泡を多く含んだ洗浄液Lの流れがワークWに直接当たらなければどのような位置に設けてもよいが、ワークWに直接当たる位置に設ける場合は、後述する緩衝部材を設けることが好ましい。
第1のドレン口2cは、洗浄槽2の側面(X-Z平面と平行な面で、Y方向側の側面)に形成され、洗浄槽2のX軸方向の長さの中間位置に設けている。また、第1のドレン口2cは、ワークWの位置よりも-Z方向側の位置にあり、底面2aに沈殿したR-T-B系焼結磁石W1の付着物を排出しやすい位置に設けている。なお、第1のドレン口2cの位置はこれに限られず、洗浄液Lが排出できればどのような位置に設けてもよい。
第2のドレン口2dは、洗浄槽2の側面(X-Z平面と平行な面で、Y方向側の側面)に形成され、洗浄槽2のX軸方向の長さの中間位置に設けている。また、第2のドレン口2dは、ワークWの位置よりもZ方向側の位置にある。言い換えると第1のドレン口2cに対してZ方向側に離間しており、洗浄液Lのオーバーフローを抑制しながらワークWの洗浄ができる位置に設けている。
なお、第2のドレン口2dの位置はこれに限られず、洗浄液Lのオーバーフローを抑制しながらワークWの洗浄ができればどのような位置でもよい。また、第2のドレン口2dは必ずしも必要ではなく、オーバーフローするように洗浄液Lを供給する場合や、オーバーフローしないように制御している場合はなくてよい。
図1、2に示すように、搬送部3は、洗浄槽2内に配置され、ワークWを搬送するためのものであり、ワークWが載置され、搬送するコンベア3aと、回転することでコンベア3aを搬送方向(-X方向であり、Y2方向)に送るためのプーリ3bと、コンベア3aとプーリ3bを支持する支持部材3cとを有している。
コンベア3aは、チェーンコンベアを用いており、ワークWをX-Y平面と平行に搬送可能に設けている。また、一対の超音波振動子4の第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bとの間と、第2の超音波振動子4bと洗浄槽2の底面2aとの間をコンベア3aが貫通するように設けている。そして、コンベア3aにはワークWを搬送する際にワークWの位置ずれを抑制するための突起状のストッパー(図示せず)を設けている。
なお、コンベア3aの種類は超音波洗浄が可能であればどの様な種類であってもよい。また、一対の超音波振動子4の第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bとの間に、位置ずれせずにワークWを搬送できれば、ストッパーはなくてもよい。
プーリ3bは複数設けられており、コンベア3aがワークWをX-Y平面と平行に搬送でき、一対の超音波振動子4の第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bとの間と、第2の超音波振動子4bと洗浄槽2の底面2aとの間を貫通できるように配置している。また、図2に示すようにプーリ3bは、Y軸方向と平行になるように設けている。そして、両端は支持部材3cと接続し、回転可能に設けている。
なお、プーリ3bの設け方はこれに限られず、コンベア3aによって一対の超音波振動子4の第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bとの間にワークWを搬送することが可能であれば、どのように設けてもよい。
支持部材3cは、コンベア3aに沿って設けられ、ワークWを搬送する際にコンベア3aのたわみを抑制し、X-Y平面に対して平行に搬送できるようコンベア3aを支持している。また、プーリ3bも回転可能に支持している。
図1に示すように、一対の超音波振動子4は、第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bを鉛直方向に上下に対向させ、第1の超音波振動子4aと前記第2の超音波振動子4bの間にワークWを搬送できるよう設けている。また、一対の超音波振動子4は、搬送部3の搬送方向に沿って間隔を設けて複数対配置されており、本実施形態の場合は2対設けている。なお、一対の超音波振動子4の数はこれに限られず、必要に応じて3対以上設けてもよい。
第1の超音波振動子4aはコンベア3aに対して上(ワークWが搬送される側であり、鉛直方向の上側)に配置され、傾斜するように設けている。より詳しくは、発振面4a1がY軸方向を中心として反時計回り方向に傾斜し、X-Y平面に対して交差するように設けている。この様に設けることで、第1の超音波振動子4aの発振面4a1に洗浄液L中の泡が溜まることを抑制し、超音波振動をワークWへと伝達しやすくなり、良好な洗浄をおこなうことが可能になる。なお、第1の超音波振動子4aの設け方はこれに限られず、発振面4a1がコンベア3aと平行になるように設けてもよく、また傾斜方向も適宜調整してよい。
第2の超音波振動子4bはコンベア3aに対して下(ワークWが搬送される側とは反対側であり、鉛直方向の下側であり)に配置され、超音波振動がX-Y平面に対して垂直方向に伝達できるように、発振面4b1がコンベア3aと平行になるように設けている。なお、本実施形態では第2の超音波振動子4bの発振面4b1がコンベア3aと平行になるように設けているが、これに限られることはない。
第1の超音波振動子4aと第2の超音波振動子4bの間隔は、第1の超音波振動子4aから発振した超音波と、第2の超音波振動子4bから発振した超音波とがワークW近傍で打ち消しあわない距離に配置するとよい。
泡抑制部材5は、凹部51を有し、断面がコの字形状に形成され、第2の超音波振動子4bの間を塞ぐように設けており、それぞれの第2の超音波振動子4bと接するように設けている。このように、第2の超音波振動子4bの間を塞ぐように設けることで、第2の超音波振動子4bと洗浄槽2の底面2aとの間に流れてきた気泡が第2の超音波振動子4bの間から浮上することを抑制することができる。また、凹部51により浮上してきた気泡をY軸方向の端部まで誘導して浮上できるため、洗浄液Lの流れにより浮上した気泡が第2の超音波振動子4bの間に入り込むことを抑制することができる。なお、第2の超音波振動子4bと接するとは、製造における誤差などにより一部が接していない場合も含む。
なお、実施形態の泡抑制部材5は、断面がコの字形だがこれに限られない。図3(a)乃至図3(c)は泡抑制部材の変形例を示す断面図である。例えば、図3(a)に示すように凹部5a1を有する断面が山形形状(V字形状)の泡抑制部材5aや、図3(b)に示すような凹部5b1を有する楕円の半円形状(C字形状)の泡抑制部材5bの様に、凹部を有していればどの様な形状であってもよい。また、必ずしも凹部が形成されている必要はなく、図3(c)に示すような板状形状の泡抑制部材5cのように、凹部がなく平坦な面を有する形状であってもよい。
泡抑制部材5のY軸方向の長さは、第2の超音波振動子4bのY軸方向の長さよりも長くなるように設けており、泡抑制部材5の端部がコンベア3aの支持部材3cと接するように設けている。なお、泡抑制部材5の長さはこれに限られないが、第2の超音波振動子4bのY軸方向の長さ以上であればよく、長い方が第2の超音波振動子4bの間に対して離間した位置から気泡を浮上させやすくなるため、洗浄液Lの流れにより浮上した気泡が第2の超音波振動子4bの間に入りこむことを抑制し、より良好な洗浄をすることができる。
また、泡抑制部材5は複数の第2の超音波振動子4bの間だけでなく、第2の超音波振動子4bの搬送方向と平行な側面に設けてもよい。図4は、図1の線分A-Aから見た超音波洗浄装置の概略上面図であり、図4(a)乃至図4(c)は泡抑制部材の配置に係る他の一例を示す。なお、構成を見やすくするために搬送部3のコンベア3aやプーリ3b、ワークWを省略している。
図4(a)は、第2の超音波振動子4bのX-Z平面と平行で、Y方向側の側面に接し、それぞれ凹部を有し断面がコの字形状に形成されている(図示せず)泡抑制部材5dを設けた一例である。このように設けることで、複数の第2の超音波振動子4bのX-Z平面と平行で、Y方向側の側面から気泡が浮上することを抑制でき、より良好な洗浄をおこなうことができる。なお、泡抑制部材5dは第2の超音波振動子4bのそれぞれに設けているが、連続した1つの部材として設けてもよい。また、泡抑制部材5dは、断面がコの字形状に形成されている(図示せず)が、これに限られない。また、第2の超音波振動子4bと接するとは、製造における誤差などにより一部が接していない場合も含む。
泡抑制部材5dのX軸方向の長さは、それぞれの第2の超音波振動子4bのX軸方向の長さよりも長くなるように設けているがこれに限られない。第2の超音波振動子4bより長い方が、第2の超音波振動子4bと離間した位置から気泡を浮上させやすくなるため、洗浄液Lの流れにより浮上した気泡が第2の超音波振動子4bとワークWの間に入り込むことを抑制し、より良好な洗浄をおこなうことができる。また、泡抑制部材5dは、凹部により浮上してきた気泡をX軸方向の端部まで誘導して浮上できるため、洗浄液Lの流れにより浮上した気泡が第2の超音波振動子4bとワークWの間に入り込むことを抑制し、更に良好な洗浄をおこなうことができる。
図4(b)は、第2の超音波振動子4bのX-Z平面と平行で、-Y方向側の側面に接し、それぞれ凹部を有し断面がコの字形状に形成されている(図示せず)泡抑制部材5eを設けた一例である。このように設けることで、複数の第2の超音波振動子4bのX-Z平面と平行で、-Y方向側の側面から気泡が浮上することを抑制でき、より良好な洗浄をおこなうことができる。なお、泡抑制部材5eは第2の超音波振動子4bのそれぞれに設けているが、連続した1つの部材として設けてもよい。また、泡抑制部材5eは、断面がコの字形状に形成されている(図示せず)が、これに限られない。そして、第2の超音波振動子4bと接するとは、製造における誤差などにより一部が接していない場合も含む。
泡抑制部材5eのX軸方向の長さは、それぞれの第2の超音波振動子4bのX軸方向の長さよりも長くなるように設けているがこれに限られない。第2の超音波振動子4bより長い方が、第2の超音波振動子4bと離間した位置から気泡を浮上させやすくなるため、洗浄液Lの流れにより浮上した気泡が第2の超音波振動子4bとワークWの間に入り込むことを抑制し、より良好な洗浄をおこなうことができる。また、泡抑制部材5eは、凹部により浮上してきた気泡をX軸方向の端部まで誘導して浮上できるため、洗浄液Lの流れにより浮上した気泡が第2の超音波振動子4bとワークWの間に入り込むことを抑制し、更に良好な洗浄をおこなうことができる。
図4(c)は、図4(a),(b)の泡抑制部材5d,5eの両方を設けた一例である。この場合も、複数の第2の超音波振動子4bのX-Z平面と平行で、Y及び-Y方向側の側面から気泡が浮上することを抑制でき、良好な洗浄をおこなうことができる。
図2に示すように、洗浄液循環部6は、洗浄槽2内の付着物を含む洗浄液Lを貯留タンク6aに回収し、セパレータ6bにより付着物を除去した洗浄液L、あるいは補給用タンク6cから供給される新しい洗浄液Lを貯留タンク6aから供給するものである。なお、超音波洗浄装置1は、必ずしも洗浄液循環部6を有している必要はなく、別の装置の洗浄液循環部6であってもよい。
貯留タンク6aは、洗浄槽2の第1のドレン口2cと、第2のドレン口2dと、に接続しており、洗浄槽2内の付着物を含む洗浄液Lを回収するように設けている。また、貯留タンク6aは、ポンプPを介して洗浄槽2の洗浄液供給口2bにも接続しており、洗浄槽2へと洗浄液Lを供給するように設けている。更に、洗浄液Lを加熱することができ、所定の温度に維持しながら循環させることが可能である。
また、貯留タンク6aは、セパレータ6bと接続しており、付着物を含む洗浄液Lを供給し、付着物が除去された洗浄液Lを貯留タンク6aへと戻している。また、補給用タンク6cとも接続しており、洗浄液Lが供給される。
セパレータ6bは、マグネットセパレータを使用しており、貯留タンク6aから供給される付着物を含む洗浄液Lから、付着物である粉塵や磁石くず、砥粒等のスラッジを除去している。なお、マグネットセパレータに限られることはなく、目的に応じて適宜その他のセパレータを用いてもよい。
補給用タンク6cは、貯留タンク6aにより洗浄液Lを加熱した場合、洗浄液の一部が徐々に蒸発していき液量が減ってくるため、減った分の洗浄液Lを供給するために設けている。また、貯留タンク6a内や洗浄槽2内の洗浄液Lをメンテナンス等で除いた後、洗浄液Lを貯留タンク6aに供給するために使用する。
以上、実施形態に係る超音波洗浄装置1は、複数の第2の超音波振動子4bの間を塞ぐように泡抑制部材5を設けている。このように設けることで、第2の超音波振動子4bの間から気泡が浮上することを抑制でき、良好な洗浄が可能となる。
なお、超音波洗浄装置1の洗浄液供給口2bの配置についてはこれに限られることはなく、洗浄液L中の気泡を減らすための緩衝部材を用いた他の配置であってもよい。図5は他の実施形態に係る超音波洗浄装置の部分拡大図であり、図5(a)は洗浄液Lを-Z方向に向かって供給する場合の一例を示し、図5(b)は洗浄液Lを-X方向に供給する場合の一例を示す。なお、図1と同じ構成のものについては同じ符号を付している。
例えば、図5(a)に示すように-Z方向に向かって洗浄液Lが供給できるように洗浄槽2の開口面K側に洗浄液供給口2bとして設けてもよい。つまり、気泡を多く含んだ洗浄液Lの流れがワークWに直接当たらないようにするため、緩衝部材7をX-Z平面と平行な側面に設け、洗浄槽2の開口面Kから底面2aと離間する位置までY-Z平面と平行に延び、洗浄槽2の他の側面(Y-Z平面と平行で、X方向側の側面)から離間して対向する位置に配置している。そして、緩衝部材7と洗浄槽2の側面との間から洗浄液Lが供給できるように洗浄液供給口2bを設けている。
この様な構成にすることで、緩衝部材7と洗浄槽2の側面との間で洗浄液L中の気泡を減らすことができ、良好な洗浄が可能となる。なお、緩衝部材7の配置はこれに限られず、少なくとも一つの側面に設けられ、開口面Kから底面2aと離間する位置まで延び、他の側面から離間して対向する位置に緩衝部材7を設け、緩衝部材7と洗浄槽2の他の側面との間から洗浄液Lを供給出来ればどのように配置してもよい。
また、洗浄液L中の気泡が非常に多い場合は、図5(b)に示すように洗浄液供給口2bと対向する位置に緩衝部材8を設け、気泡が減少する構造にしてもよい。つまり、洗浄槽2の底面2aからワークWの位置までY-Z平面に平行に延びる緩衝部材8を、洗浄液供給口2bから離間して対向する位置に設ける。
この様な構成にすることで、緩衝部材8と洗浄槽2の側面との間で洗浄液L中の気泡を減らすことができ、良好な洗浄が可能となる。なお、緩衝部材8の配置はこれに限られず、底面および側面の少なくとも一方から鉛直方向にワークWが搬送される位置まで延び、洗浄液供給口2bから離間して対向する位置に緩衝部材8を設け、洗浄液Lを緩衝部材8に向かって供給出来ればどのように配置してもよい。
次に、図1、図2を用いて超音波洗浄装置1を用いた超音波洗浄方法について説明する。まず、洗浄槽2内に洗浄液Lを充填する。洗浄液Lは、洗浄力を高めるため、あらかじめ洗浄液循環部6の貯留タンク6a内で70℃以上、100℃以下に加熱したものを用いることが望ましい。70℃より低い温度で洗浄した場合、洗浄力が低くなるため、超音波振動による洗浄時間を長くする必要があり、効率が悪化する。また100℃よりも高い温度で洗浄した場合、一対の超音波振動子4は振動子(素子)を用いていることから洗浄液Lの温度の影響を受けてしまい、出力ゲージが約2割以下と大きく下がってしまい、超音波による洗浄力が低下することが考えられるためである。
また、洗浄液Lは、アルカリ性の剥離液を用いており、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液を用いており、濃度が5%~10%のものを用いている。なお、本実施形態ではアルカリ性の剥離液を用いているが、被洗浄物や目的に応じて水溶液の種類を変更してもよく、酸性や中性のものを適宜選択してよい。また、剥離液の濃度も適宜設定してよい。
洗浄液Lは洗浄槽2の洗浄液供給口2bから供給され、少なくとも第1の超音波振動子4aの発振面4a1が浸かる程度に供給する。なお、本実施形態では第1の超音波振動子4aの発振面4a1が浸かる程度に供給しているが、これに限られることはなく全てが浸漬する量を充填してもよい。
次に、R-T-B系焼結磁石W1を設けたワークWを矢印Y1に示すように搬送部3のコンベア3a上に設ける。そして、矢印Y2方向(-X方向)に向かってワークWを搬送し、ワークW上のR-T-B系焼結磁石W1を複数配置されている一対の超音波振動子4によって洗浄をおこなう。この時、搬送速度は0.2m/min以上、0.6m/min以下の速度で搬送するとよい。0.2m/minより遅い速度で搬送した場合、処理時間が非常に長くなり生産性が悪化する。また、0.6m/minよりも早い速度で搬送した場合、洗浄が不足する可能性が高くなるためである。
超音波振動子4の周波数は、洗浄したい付着物の大きさに合わせて調整するのが望ましい。本発明では、剥離、研磨粉や切削粉を除去する場合に適した、20kHz以上、100kHz以下となるように調整している。洗浄が終わると、ワークWは矢印Y3方向(Z方向)に向かって取り出される。
以上、本発明の超音波洗浄装置1を用いた超音波洗浄方法は、70℃以上、100℃以下に加熱された洗浄液を洗浄槽に充填する工程と、搬送部上に被洗浄物を設け、0.2m/min以上、0.6m/min以下で搬送し、複数配置されている一対の超音波振動子により被洗浄物を洗浄する工程と、を含む超音波洗浄方法である。このような洗浄方法を行うことで、良好な洗浄が可能となる。
次に、図1、図2を用いて超音波洗浄装置1を用いたR-T-B系焼結磁石W1の製造方法について説明する。まず、R-T-B系焼結磁石W1を用意する。R-T-B系焼結磁石W1は、公知のR-T-B系焼結磁石を用いることが出来る。例えば、原料を合金化して粉砕し、磁場中成形した後、焼結・熱処理し、切削加工されたものを用意する。なお、切削加工されたものに限られず、焼結されたもので洗浄が必要な場合は適宜適用することができる。
次に、洗浄液Lを洗浄槽2に充填する。充填するタイミングはR-T-B系焼結磁石W1を用意するタイミングより早い方が望ましいが、同じでも遅くてもよい。洗浄液Lは、洗浄力を高めるため、あらかじめ洗浄液循環部6の貯留タンク6a内で70℃以上、100℃以下に加熱したものを用いることが望ましい。70℃より低い温度で洗浄した場合、洗浄力が低くなるため、超音波振動による洗浄時間を長くする必要があり、効率が悪化する。また100℃よりも高い温度で洗浄した場合、一対の超音波振動子4の出力ゲージが約2割以下と大きく下がってしまい、超音波の洗浄力が低下することが考えられるためである。
洗浄液Lは、アルカリ性の剥離液を用いており、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの水溶液を用いており、濃度が5%~10%のものを用いている。なお、洗浄液Lはアルカリ性でR-T-B系焼結磁石W1の特性を悪化させないものであればどの様な水溶液でもよく、剥離液の濃度も適宜設定してよい。
洗浄液Lは洗浄槽2の洗浄液供給口2bから供給され、少なくとも第1の超音波振動子4aの発振面4a1が浸かる程度に供給する。なお、本実施形態では第1の超音波振動子4aの発振面4a1が浸かる程度に供給しているが、これに限られることはなく全てが浸漬する量を充填してもよい。
次に、R-T-B系焼結磁石W1を設けたワークWを矢印Y1に示すように搬送部3のコンベア3a上に設ける。そして、矢印Y2方向(-X方向)に向かってワークWを搬送
し、ワークW上のR-T-B系焼結磁石W1を複数配置されている一対の超音波振動子4によって洗浄をおこなう。この時、搬送速度は0.2m/min以上、0.6m/min以下の速度で搬送するとよい。0.2m/minより遅い速度で搬送した場合、処理時間が非常に長くなり生産性が悪化する。また、0.6m/minよりも早い速度で搬送した場合、洗浄が不足する可能性が高くなるためである。
周波数は、洗浄したい付着物の大きさに合わせて調整するのが望ましい。本発明では、剥離、研磨粉や切削粉を除去する場合に適した、20kHz以上、100kHz以下となるように調整している。洗浄が終わると、ワークWは矢印Y3方向(Z方向)に向かって取り出される。
以上、本発明の超音波洗浄装置1を用いたR-T-B系焼結磁石W1の製造方法は、R-T-B系焼結磁石W1を用意する工程と、70℃以上、100℃以下に加熱された洗浄液Lを洗浄槽2に充填する工程と、搬送部3上にR-T-B系焼結磁石を設け、0.2m/min以上、0.6m/min以下で搬送し、複数配置されている一対の超音波振動子によりR-T-B系焼結磁石を洗浄する工程と、を含むR-T-B系焼結磁石の製造方法である。このような洗浄方法を行うことで、良好な洗浄が可能となる。
本実施例では、洗浄液の温度と被洗浄物の搬送速度の関係について検討をおこなった。検討では、図1、図2に記載の超音波洗浄装置1を使用し、被洗浄物は焼結・熱処理した後、接着剤を用いて積層し、切削加工をおこなって得られたR-T-B系焼結磁石W1を使用した。洗浄液Lは、濃度が5%~10%になるように調整された水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを含む水溶液を使用し、第1の超音波振動子4aの発振面4a1が浸かる程度まで充填した。また、複数配置されている一対の超音波振動子4の周波数は26kHzとなるように調整した。
また、洗浄液の温度は、60℃、80℃、90℃、100℃について、この順番で検討をおこなった。評価は目視でおこない、搬送されたR-T-B系焼結磁石W1全体に対して切削粉や接着剤の剥離が出来ている度合いで評価しており、全て剥離が出来ている場合は「〇」、95%以上剥離が出来ている場合は「△」、95%未満の剥離の場合は「×」とした。そして、剥離が95%以上(〇と△)を実施例とし、95%未満(×)を比較例とする。また、実験を行っていない場合は「-」とした。その結果を表1に示す。
Figure 0007338296000001
60℃の洗浄液では、搬送速度が0.2m/minと0.3m/minの場合について検討した。搬送速度が0.2m/minの場合、90%の剥離であった(比較例1)。また、搬送速度を上げて0.3m/minで検討したが、55%の剥離であった(比較例2)。なお、0.4m/min以上の速度については、剥離度合いが低下することが予想されるため、実験をおこなっていない。この結果から、60℃の洗浄液では0.2m/min以上の搬送速度では洗浄が不十分であり、時間をかけて洗浄をおこなう必要があることが分かった。
80℃の洗浄液では、搬送速度が0.2~0.7m/minまで0.1m/min毎に検討した。また、検討の順番は0.2m/minから順に検討し、0.1m/minずつ速度を上げて検討した。搬送速度が0.2~0.5m/minまでの各搬送速度では、全て剥離することができた(実施例1~4)。搬送速度が0.6m/minの場合、98%の剥離であった(実施例5)。搬送速度が0.7m/minの場合、90%の剥離であった(比較例3)。この結果から、80℃になると60℃の時よりも洗浄力が向上し、搬送速度により洗浄度合の影響を受けることが分かった。また、搬送速度が0.6m/min以下となるように調整するとよいことが分かった。
また、80℃の時の複数配置されている一対の超音波振動子4の超音波の出力を測定したところ、90%の出力であった。このことから、出力損失が小さい状態で洗浄出来ていることが分かった。
90℃の洗浄液では、搬送速度が0.6m/minと0.7m/minの場合について検討した。搬送速度が0.2~0.5m/minまでの各搬送速度は80℃の場合で得られた結果から全て剥離可能であることが予想されるため実験をおこなっていない。搬送速度が0.6m/minの場合、98%の剥離であった(実施例6)。搬送速度が0.7m/minの場合、90%の剥離であった(比較例4)。この結果から、80℃の洗浄液と比較し、洗浄度合いに差異がないことが分かった。また、搬送速度が0.6m/min以下となるように調整するとよいことが分かった。
また、90℃の時の複数配置されている一対の超音波振動子4の超音波の出力を測定したところ、60%の出力であった。このことから、80℃の時よりも出力損失が大きいことが分かった。また、出力損失が大きいが洗浄度合いに差異がなかったことから、洗浄液Lの熱の影響で洗浄度合いが同等程度になっていることが分かった。
100℃の洗浄液では、搬送速度が0.6m/minと0.7m/minの場合について検討した。搬送速度が0.2~0.5m/minまでの各搬送速度は80℃の場合で得られた結果から全て剥離可能であることが予想されるため実験をおこなっていない。搬送速度が0.6m/minの場合、98%の剥離であった(実施例7)。搬送速度が0.7m/minの場合、90%の剥離であった(比較例5)。この結果から、80℃の洗浄液と比較し、洗浄度合いに差異がないことが分かった。また、搬送速度が0.6m/min以下となるように調整するとよいことが分かった。
また、100℃の時の複数配置されている一対の超音波振動子4の超音波の出力を測定したところ、30%の出力であった。このことから、90℃の時よりも出力損失が大きいことが分かった。また、出力損失が大きいが洗浄度合いに差異がなかったことから、洗浄液Lの熱の影響で洗浄度合いが同等程度になっていることが分かった。また、100℃より温度を上げた場合、超音波の出力が30%未満になることが考えられ、超音波による洗浄の効果が非常に小さくなることが考えられる。そのため、100℃以下で超音波洗浄を行う方が望ましいことが分かった。
本発明は、良好な洗浄が可能な超音波洗浄装置、それを用いた超音波洗浄方法およびR-T-B系焼結磁石の製造方法を提供でき、R-T-B系焼結磁石や加工治具等に例示される被洗浄物の洗浄および剥離を行う場合に好適に使用することができる点において、産業上の利用可能性を有する。
1…超音波洗浄装置
2…洗浄槽
2a…底面
2b…洗浄液供給口
2c…第1のドレン口
2d…第2のドレン口
3…搬送部
3a…コンベア
3b…プーリ
3c…支持部材
4…一対の超音波振動子
4a…第1の超音波振動子
4a1,4b1…発振面
4b…第2の超音波振動子
5、5a、5b、5c、5d、5e…泡抑制部材
51、5a1、5b1…凹部
6…洗浄液循環部
6a…貯留タンク
6b…セパレータ
6c…補給用タンク
7、8…緩衝部材
L…洗浄液
W…ワーク
W1…R-T-B系焼結磁石
W2…トレー
K…開口面

Claims (11)

  1. 洗浄液が充填される洗浄槽と、前記洗浄槽内に配置され、被洗浄物を搬送するための搬送部と、前記洗浄槽内に配置され、第1の超音波振動子と第2の超音波振動子を鉛直方向に上下に対向させた一対の超音波振動子とを備え、前記一対の超音波振動子を前記搬送部の搬送方向に沿って間隔を設けて複数対配置し、前記第1の超音波振動子と前記第2の超音波振動子の間に前記被洗浄物を搬送して洗浄する超音波洗浄装置であって、
    複数対配置されている前記一対の超音波振動子のうち、鉛直方向の下に配置された複数の前記第2の超音波振動子の間を塞ぐように設けられた第1の泡抑制部材を有する、超音波洗浄装置。
  2. 前記泡抑制部材の鉛直方向の下側の面に凹部が形成されている、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  3. 前記泡抑制部材の鉛直方向の下側の面が平坦面である、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  4. 前記泡抑制部材の前記搬送方向に対して交差する方向の長さは、前記第2の超音波振動子の前記搬送方向に対して交差する方向の長さよりも長い、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  5. 前記第2の超音波振動子における前記搬送部の搬送方向と平行な側面に設けられた第2の泡抑制部材を更に有する、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  6. 第2の泡抑制部材は、前記第2の超音波振動子における前記搬送部の搬送方向と平行する方向の長さ以上である、請求項5に記載の超音波洗浄装置。
  7. 前記洗浄槽は、鉛直方向の上が開口し、底面と、前記底面を囲む側面と、を有し、
    少なくとも一つの前記側面に設けられ、開口している前記洗浄槽の開口面から前記底面と離間する位置まで延び、他の前記側面から離間して対向する位置に緩衝部材を設け、
    前記緩衝部材と他の前記側面の間に前記洗浄液を供給するための洗浄液供給口が前記開口面側に設けられている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  8. 前記洗浄槽は、底面と、前記底面を囲み、前記洗浄液を供給するための洗浄液供給口が少なくとも1つ設けられている側面と、を有し、
    前記洗浄槽の前記底面および前記側面の少なくとも一方から鉛直方向に前記被洗浄物が搬送される位置まで延び、前記洗浄液供給口から離間して対向する位置に緩衝部材が設けられている、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の超音波洗浄装置。
  9. 前記洗浄槽に充填される洗浄液は70℃以上、100℃以下に加熱されている、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  10. 前記搬送部によって搬送される被洗浄物の搬送速度が0.2/min以上、0.6/min以下である、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
  11. 前記被洗浄物がR-T-B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdおよびPrの少なくとも一方を必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む、Bはホウ素である)である、請求項1に記載の超音波洗浄装置。
JP2019137571A 2019-07-26 2019-07-26 超音波洗浄装置 Active JP7338296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019137571A JP7338296B2 (ja) 2019-07-26 2019-07-26 超音波洗浄装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019137571A JP7338296B2 (ja) 2019-07-26 2019-07-26 超音波洗浄装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021020155A JP2021020155A (ja) 2021-02-18
JP7338296B2 true JP7338296B2 (ja) 2023-09-05

Family

ID=74574607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019137571A Active JP7338296B2 (ja) 2019-07-26 2019-07-26 超音波洗浄装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7338296B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015123435A (ja) 2013-12-27 2015-07-06 日立金属株式会社 洗浄装置およびこの装置を用いた被洗浄物の洗浄方法
JP2015202441A (ja) 2014-04-11 2015-11-16 株式会社ジェイテクト リング状のワークの洗浄装置
CN107262451A (zh) 2017-07-13 2017-10-20 徐继传 一种基于超声波的手术器材清洗设备

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3030313B2 (ja) * 1992-02-12 2000-04-10 住特フェライト株式会社 連続超音波洗浄装置
JPH07232142A (ja) * 1994-02-22 1995-09-05 Kimura Chem Plants Co Ltd 超音波振動洗浄装置
JPH08318235A (ja) * 1995-05-29 1996-12-03 Hitachi Ltd 超音波洗浄方法とその洗浄装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015123435A (ja) 2013-12-27 2015-07-06 日立金属株式会社 洗浄装置およびこの装置を用いた被洗浄物の洗浄方法
JP2015202441A (ja) 2014-04-11 2015-11-16 株式会社ジェイテクト リング状のワークの洗浄装置
CN107262451A (zh) 2017-07-13 2017-10-20 徐继传 一种基于超声波的手术器材清洗设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021020155A (ja) 2021-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101571685B1 (ko) 초음파 세정 장치 및 초음파 세정 방법
CN103229279B (zh) 超声波清洗装置和超声波清洗方法
JP5602553B2 (ja) 表面処理装置
CN107206436B (zh) 清洗装置
WO1995014798A1 (en) Ultrasonic agitator
CN103506238B (zh) 洗涤装置和洗涤方法
KR920003879B1 (ko) 반도체기판의 표면처리방법
CN101373705A (zh) 基板清洁装置和基板清洁方法
JP7338296B2 (ja) 超音波洗浄装置
KR20230011474A (ko) 평탄 가공 장치
JP2015028971A (ja) ウエハ洗浄装置およびウエハ洗浄方法
CN109652851B (zh) 镀覆装置以及镀覆方法
JPH05508744A (ja) 複数の孔を有する被処理製品をその湿式化学処理時、例えば電気メッキ時に運動させる方法並びに該方法を実施する装置
JPH0234923A (ja) 超音波洗浄装置
CN102017063B (zh) 用于清洗晶片堆的设备和方法
JP5517756B2 (ja) 洗浄装置
JP6848408B2 (ja) ガラス物品の製造方法
JP2008533727A (ja) 物体を処理する方法、特に、半導体素子を洗浄する方法および装置
CN1246091C (zh) 超声清洗多个相邻分布条状产品如导线、型钢和管的装置
JP2016060558A (ja) 振動式部品搬送装置
JPS59150584A (ja) 半導体ウエハの超音波洗浄方法
JP5320845B2 (ja) 洗浄装置、洗浄方法及び電子デバイスの製造方法
JP2021049488A (ja) 超音波洗浄装置、超音波洗浄方法、r−t−b系焼結磁石の製造方法、搬送用治具、搬送装置
JP5259952B2 (ja) 基板処理装置
JP3869137B2 (ja) 超音波洗浄機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220614

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7338296

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150