JP7337760B2 - 生体分子の分析方法 - Google Patents
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これらのマイクロウェルアレイのウェルは、微小体積の流体中で種々の生化学的又は化学的反応をさせるための化学反応容器として用いられている。
例えば、特許文献1~3には、このようなマイクロ流体システムを、種々のマイクロチップ、バイオチップとして用いることが記載されている。
例えば、核酸の検出及び定量における新しいアプローチの一つとして、デジタルPCR技術が挙げられる。
デジタルPCR技術とは、試薬と核酸との混合物を無数の微小液滴に分割してPCR増幅をおこない、核酸を含んだ液滴からは蛍光等のシグナルが検出されるようにしておき、シグナルが検出された液滴を数えることにより定量をおこなう技術である。
前記ウェルの底面部直径は3.82μm以上6.46μm以下である。
図1は、本実施形態におけるマイクロ流体デバイスを示す斜視図(a)、および(a)におけるb-b線断面図(b)であり、図2は、本実施形態におけるマイクロウェルアレイを示す断面図(a)、斜視図(b)であり、図3は、本実施形態におけるマイクロウェルアレイの製造方法を示す断面図である。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
本実施形態において、本発明は、ウェル表面に親水性部分及び疎水性部分を有する複数のウェルを備える、マイクロウェルアレイを提供する。
後述するように、本実施形態のマイクロウェルアレイは、ウェル内に水性液体を封入することが非常に容易である。
隔離する方法としては、例えば、ウェルに水性液体を導入した後、ウェルの上部にオイル層を形成すること等が挙げられる。
本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、マイクロウェルアレイを構成するウェルの90%以上、例えば95%以上、例えば99%以上、例えば100%に水性液体を容易に封入することができる。
ウェル1つあたりの容量がこのような範囲であると、デジタルPCRやインベーダー反応等の微小空間内でおこなう酵素反応を好適におこなうことができる。
デジタルPCRにより、例えば遺伝子の変異検出等をおこなうことができる。
変化させる温度の範囲は、例えば0℃~100℃であり、好ましくは0℃~80℃であり、さらに好ましくは20℃~70℃である。
ウェルに封入した水性溶液がこのような範囲であると、デジタルPCRやインベーダー反応等の微小空間内でおこなう酵素反応を好適におこなうことができる。
あるいは、マイクロウェルアレイの材質(材料)表面に、酵素反応を阻害しない物質をコーティングすることも可能である。
担体は例えばビーズであってもよく、担体には試料である生体分子が結合されていてもよい。
また、逆円錐形、逆角錐形の場合、円錐や角錐の底面がウェルの入り口(開口部)となるが、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状であってもよい。
この場合、マイクロウェルの底部は平坦になる。
マイクロウェルの底部を曲面とすることができるのは、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状の場合も同様である。
ウェル1つあたりの容積に対し、ウェルの底面積がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、マイクロウェルアレイを構成するウェルの90%以上、例えば95%以上、例えば99%以上、例えば100%に水性液体を容易に封入することができる。
後述するように、発明者らは、このような構成とすることにより、マイクロウェルアレイのウェルに水性液体を封入させることが非常に容易になることを見出した。
例えば、図2に示すように、ウェルの開口部の平面積S2(10-12m2)が、ウェルの底面積S1の0.5倍以上2.2倍以下であり、好ましくは1倍以上2倍以下であり、さらに好ましくは1.1倍以上1.8倍以下である。
ウェル1つあたりの容積に対し、ウェルの底面積がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
ウェルの開口部の最大径に対し、ウェルの底面の最大径がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
また、側面角度θが、77°以上であること、または前記ウェルの容積V(10-18m3)の三乗根の値が3.5以上であることができる。
ウェル底面から形成される側面の角度がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
ウェル底面から形成される側面の角度がこのような範囲であると、本実施形態のマイクロウェルアレイによれば、水性液体を封入させることが非常に容易になる。
ウェルの寸法は、ウェルに収容する水性液体の量や、生体分子を付着させたビーズ等の担体の大きさとウェルの寸法の好適な比等を考慮して、1つのマイクロウェルに1つ、もしくは数個の生体分子が収容されるように、適宜決定する。
例えば、生体分子であるDNAを検出対象とする場合、ウェルは、DNAが1分子入るような形状と大きさであってもよい。
ウェルの密度がこのような範囲であると、所定数のウェルに試料である水性液体を封入させる操作が容易である。
また、実験結果を解析するためのウェルの観察も容易である。
ただし、本実施形態を実現できる条件であれば、マイクロウェルは基板と同一材料とされて、成型加工や切削加工によって形成されてもよい。
本実施形態のマイクロウェルアレイは、基板上に形成されていてもよい。
基板は、電磁波透過性を有するものであってもよく、有さないものであってもよい。ここで、電磁波としては、X線、紫外線、可視光線、赤外線等が挙げられる。
マイクロウェルアレイが電磁波透過性を有する基板上に形成されていた場合には、マイクロウェルアレイ上でおこなった実験結果を解析するために、電磁波を利用することが可能になる。
例えば、電磁波を照射した結果生じる蛍光、燐光等を基板側から計測することができる。蛍光、燐光等の検出には、例えば蛍光顕微鏡等を利用することができる。
この場合、電磁波は、例えば基板側から照射してもよいし、例えばウェルの入り口側から照射してもよい。
樹脂基板としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、COC(シクロオレフィンコポリマー)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ酢酸ビニル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。
これらの樹脂は各種添加剤を含んでいてもよく、複数の樹脂が混合されていてもよい。
例えば、検出対象の蛍光に比べて1/2以下、1/10以下程度の自家蛍光の強さであれば、実験結果の検出に影響を与えないほど微弱であるといえる。
自家蛍光が微弱であり、電磁波を用いた実験結果の検出に支障がない素材としては、低蛍光ガラス、アクリル樹脂、COC(シクロオレフィンコポリマー)、COP(シクロオレフィンポリマー)等が挙げられる。
この蛍光観察により、所定の蛍光を発するマイクロウェルの個数を数えることで、目的分子の数を特定することができる。
あるいは、対象分子を特異的に認識するビーズを用いて、対象分子を補足した後に、ビーズをウェルに収容し、対象分子を特異的に標識し得る蛍光標識と接触させて、目的分子をウェル内で蛍光標識してもよい。
濁度は、例えば400~1000nm程度の波長の光の透過性により測定することができる。
親水性部分を形成する樹脂(以下「親水性樹脂」という場合がある。)としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、樹脂の構成成分の分子が、親水性を発現する親水性基を有するものが挙げられる。
親水性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン基、スルホニル基、アミノ基、アミド基、エーテル基、エステル基等が挙げられる。
親水性樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、電子線やUV光等の活性エネルギー線により硬化する樹脂であってもよく、エラストマーであってもよい。
例えば、熱硬化性のシランカップリング剤等を基板に塗布し、熱硬化させてシロキサンポリマーを形成することにより、親水層を形成してもよい。
疎水性部分を形成する樹脂(以下「疎水性樹脂」という場合がある。)としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、例えば、ノボラック樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;スチレン樹脂;塩化ビニル樹脂;塩化ビニリデン樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルフォン樹脂;フッ素樹脂;シリコーン樹脂;ユリヤ樹脂;メラミン樹脂;グアナミン樹脂;フェノール樹脂;セルロース樹脂;上記の樹脂の組み合わせ等の中から、JIS R3257-1999に規定された静滴法に準じて測定した接触角が70度以上であるものを適宜選択して使用することができる。
疎水性樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、電子線やUV光等の活性エネルギー線により硬化する樹脂であってもよく、エラストマーであってもよい。
本実施形態において、本発明は、流路と、前記流路内に配置された上記のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイスを提供する。
このようなマイクロ流体デバイスを用いることにより、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入することが容易になる。
本実施形態に係るマイクロ流体デバイス1000は、底部部材1100と、蓋部材1200と、流路1300と、流路1300の一端に設けられた流路入口1210と、流路1300の他端に設けられた流路出口1220と、流路1300の側面を形成する封止部材1400と、流路1300の内部に配置されたマイクロウェルアレイmとを備える。
流路1300に流体を送液する場合には、例えば、シリンジ等を用いて、流路入口1210から流体を導入し、流路出口1220から排出するとよい。
マイクロウェルアレイmの基板110と、マイクロ流体デバイス1000の底部部材1100は一体であってもよい。
すなわち、マイクロウェルアレイmは、マイクロ流体デバイス1000の底部部材1100上に形成されていてもよい。
また、封止部材1400の材質としては、特に制限されないが、例えばシリコーンゴム、アクリル発泡体からなる芯材フィルムの両面にアクリル系粘着剤が積層された両面粘着テープ等が挙げられる。
本実施形態において、本発明は、流路と、前記流路内に配置された上記のマイクロウェルアレイとを備える、マイクロ流体デバイスの前記流路に水性液体を送液し、前記マイクロウェルアレイのウェルに前記水性液体を導入する工程と、前記流路に封止液を送液し、前記ウェルに導入された前記水性液体の上層に封止液の層を形成させ、前記水性液体を前記ウェル内に封入する工程を備える、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法を提供する。
生体試料とは一般的に水性液体である。
水性液体とは、例えば、生体試料を鋳型とし、検出試薬としてSYBR Greenを含むPCR反応溶液等であってもよい。
また、水性液中には界面活性剤などを含むことで、ウェル内に液体を封入しやすくしてもよい。
オイルとしては、例えばシグマ社製の商品名「FC40」や、3M社製の商品名「HFE-7500」、PCR反応等に用いられるミネラルオイル等を用いることができる。
従来のマイクロウェルアレイでは、ミネラルオイルを封止液に利用することは困難な場合があるが、上述したマイクロウェルアレイであれば、ミネラルオイルを封止液に利用しても、ウェルに水性液体を封入することができる。
封止液の接触角がこの範囲であると、マイクロウェルアレイのウェルに水性液体を封入することができる。
封止液の接触角は、例えば、JIS R3257-1999に規定された静滴法に準じて、水の代わりに封止液を用いて測定すればよい。
まず、シリンジ等を用いて、マイクロ流体デバイス1000の流路入口1210からPCR反応溶液、インベーダー反応溶液等の水性液体を送液する。
その結果、流路1300の内部に配置されたマイクロウェルアレイmの各ウェル内に水性液体が導入される。
その結果、流路1300の内部に配置されたマイクロウェルアレイmの各ウェルのウェル入り口近傍に封止液の層が形成され、ウェル内に水性液体が封入される。
マイクロウェルアレイmが上述した構成を備えていることにより、本実施形態の方法によって、マイクロウェルアレイmの各ウェルに水性液体を容易に封入することができる。
(第1実施形態)
本実施形態においては、電磁波透過性を有する基板上に疎水性材料を積層して疎水層を形成する工程と、前記疎水層を掘削して複数のウェルを形成する工程と、を備える、マイクロウェルアレイの製造方法を提供する。
図3は、第1実施形態のマイクロウェルアレイ100の製造方法を示す断面図である。
基板110は、例えばガラス基板であってよい。
このとき、ガラス基板の表面にHMDS(ヘキサメチルジシラザン)を含む溶液を塗布してもよい。
これにより基板110への疎水層120の密着が良好になる。
この場合、フォトレジストをスピンコート等により疎水層120上に塗布する。そして、スピンコート後、フォトレジストに熱を加えてプリベークをおこない、固化させて疎水層120を生成する。
具体的には、疎水層120上にパターンマスクを取り付け、その上から紫外線等を照射して感光させる。
露光時間や条件は、使用するフォトレジストのデータシートを参照して適宜決定するとよい。
現像後、リンス液で現像を止め、洗浄する。リンス液としては、例えば純水等を使用すればよい。
続いて、必要に応じてポストベークをおこない、フォトレジストを安定化させる。
以上の操作により、図2に示すような本実施形態のマイクロウェルアレイ100を製造することができる。
以上の方法により、基板110の表面が露出したウェルを有するマイクロウェルアレイを製造することができる。
本実施形態においては、水性液体が封入された、上記のマイクロウェルアレイのウェルに電磁波を照射する工程と、ウェルから放出される蛍光又は燐光を検出する工程と、を備える、水性液体の分析方法を提供する。
例えば、マイクロウェルアレイ内でPCR反応をおこない、PCR増幅が見られたウェルにおけるSYBR Greenの蛍光を検出することにより、増幅が見られたウェルの割合を算出することができる。
また、電磁波の照射は、マイクロウェルアレイの基板側からおこなってもよく、ウェル側からおこなってもよく、その他の任意の方向からおこなってもよい。
また、電磁波の照射の結果発生する蛍光又は燐光の検出は、マイクロウェルアレイの基板側からおこなってもよく、ウェル側からおこなってもよく、その他の任意の方向からおこなってもよいが、例えば蛍光顕微鏡を用いて蛍光又は燐光を検出する場合には、マイクロウェルアレイの基板側からおこなうことが簡便である。
上述した第1実施形態の製造方法にしたがって、実験例1のマイクロウェルアレイを作製した。
図4は、実験例1のマイクロウェルアレイの構造を示す断面図である。
また、疎水性樹脂120として、ポジ型フォトレジスト(型番「PFI89-B4」)住友化学社製を使用した。
実験例1と同様にして、実験例2のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例2のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約6.96μm、底面部直径D1約6.46μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ポジ型フォトレジスト(型番「PMER P-HA 100PM」、東京応化工業社製)を使用した。
また密着剤にはHMDSを使用した。
実験例1、2と同様にして、実験例3のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例3のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約5.32μm、底面部直径D1約4.08μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ポジ型フォトレジスト(型番「MICRO POSIT S1818」ローム&ハース社製)を使用した。
続いて、上記のマイクロ流体デバイスに、シリンジを用いて、蛍光物質であるFITCを適量溶解し、界面活性剤を適量含む水性液体を送液した。
その後、上記のマイクロ流体デバイスに、シリンジを用いてオイル(型番「FC40」、シグマ社製)を送液した。
マイクロ流体デバイス1000は、マイクロウェルアレイを保持する底部部材1110と、蓋部材1200と、マイクロ流路1300とを備えていた。
本実験例においては、底部部材1110は、実験例1のマイクロウェルアレイ100の基板110と一体になっている。
すなわち、実験例1のマイクロウェルアレイ100は、底部部材1110を基板110として形成されたものであった。
すなわち、マイクロウェルアレイ100のウェル内に水性液体440が封入された。
各ウェルは、微小体積の水性液体440中で種々の生化学的又は化学的反応を行う化学反応容器として機能する。
その結果、図6に示すように、実験例1のマイクロウェルアレイのウェルのパターンに、規則正しくFITCの蛍光が観察された。
図6において、白く見える部分が蛍光を発しているウェルであり、黒い部分は基板である。
この結果は、実験例1のマイクロウェルアレイの各ウェルに、FITC溶液を封入することができたことを示す。
その結果、図7に示すように、実験例2のマイクロウェルアレイのウェルのパターンに、規則正しくFITCの蛍光が観察された。
図7において、白く見える部分が蛍光を発しているウェルであり、黒い部分は基板である。
この結果は、実験例2のマイクロウェルアレイの各ウェルに、FITC溶液を封入することができたことを示す。
その結果、図8に示すように、実験例3のマイクロウェルアレイのウェルのパターンに、規則正しくFITCの蛍光が観察された。
図8において、白く見える部分が蛍光を発しているウェルであり、黒い部分は基板である。
この結果は、実験例3のマイクロウェルアレイの各ウェルに、FITC溶液を封入することができたことを示す。
実験例1~3と同様にして、実験例4のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例4のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約4.10μm、底面部直径D1約2.32μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ネガ型フォトレジスト(型番「ZPN1150-90」日本ゼオン社製)を使用した。
実験例1~4と同様にして、実験例5のマイクロウェルアレイを作製した。
実験例5のマイクロウェルアレイは、開口部直径D2約4.34μm、底面部直径D1約2.88μm、高さH約3μmの円錐台のウェルを有しており、基板110としては、ガラス基板を使用した。
また、疎水性樹脂120として、ネガ型フォトレジスト(型番「ZPN1150-90」)を使用した。
その後、上記のマイクロ流体デバイスに、シリンジを用いてオイル(型番「FC40」、シグマ社製)を送液した。
図10は、オイルを送液した後の、実験例4のマイクロウェルアレイを基板側から蛍光顕微鏡観察した結果を示す写真である。
その結果、図10に示すように、実験例4のマイクロウェルアレイにおいては、複数のウェルにまたがって蛍光が観測され、ウェルのパターンに沿った規則正しいFITCの蛍光は観察されなかった。
この結果は、実験例4のマイクロウェルアレイには、FITC溶液を封入することができなかったことを示す。
その結果、図11に示すように、実験例5のマイクロウェルアレイにおいては、複数のウェルにまたがって蛍光が観測され、ウェルのパターンに沿った規則正しいFITCの蛍光は観察されなかった。
この結果は、実験例5のマイクロウェルアレイには、FITC溶液を封入することができなかったことを示す。
すなわち、ある大きさ以上で底面が送液した液体に接着していないマイクロウェルが形成されている場合、水性溶液を保持することが困難となり、オイルを送液した際に、ウェル内の水性溶液が全てオイルに置き換わってしまうことが明らかとなった。
また、上記のマイクロウェルアレイの製造方法、マイクロ流体デバイス、マイクロウェルアレイのウェル内に水性液体を封入する方法及び水性液体の分析方法を提供することができる。
例えば、生体由来のDNAやRNA等の検出により診断を行う場合等に、微小な空間内へ試薬とともに核酸を入れることが可能となる。
110,1100…基板
115…表面
1120…親水層
120,1130…疎水層
1000…マイクロ流体デバイス
1100…底部部材
1200…蓋部材
1300…マイクロ流路
1210…流路入口
1220流路出口
1400…封止部材
m…マイクロウェルアレイ
440…水性液体
450…オイル
Claims (3)
- 複数のウェルを備え、前記ウェルの開口部の平面積S2が、ウェル底面積S1の1.1倍以上1.7倍以下であるマイクロウェルアレイ中の前記ウェルに、生体分子を含む水性液体を封入し、
前記ウェルの底面部直径が3.82μm以上6.46μm以下であり、
前記水性液体が、前記ウェルの上面を通過して前記マイクロウェルアレイに連通し、かつ前記ウェルどうしを連通する流路を経由して前記ウェルに導入され、
前記水性液体が前記ウェルに導入された後に前記流路に封止液を送液することにより前記水性液体が封入され、
前記ウェル内で酵素反応を行う、
生体分子の分析方法。 - 前記酵素反応がインベーダー反応である、
請求項1に記載の生体分子の分析方法。 - 前記生体分子が核酸である、
請求項1に記載の生体分子の分析方法。
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