JP7336349B2 - 未臨界度測定装置および未臨界度測定方法 - Google Patents

未臨界度測定装置および未臨界度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、未臨界度測定装置および未臨界度測定方法に関する。
従来、例えば、特許文献1には、核反応の未臨界中性子倍増率を測定する方法について記載され、使用済燃料ピットでの適用が記載されている。
特開2004-170427号公報
中性子を測定できる検出器の多くは中性子以外にガンマ線の感度を持つ。使用済燃料からは強いガンマ線が発生するため、この影響を排除するためには、検出器にガンマ線遮蔽体を設置するなどの対策が必要である。このため、検出器の大型化を招き、炉心形状の大幅な変更を必要とする。さらに、ガンマ線の影響から検出器が早期に故障する場合もある。これらのことから、未臨界を監視するシステムを設置したうえで設計余裕の合理化を行うことは難しかった。
本開示は、上述した課題を解決するものであり、未臨界度を精度よく測定することのできる未臨界度測定装置および未臨界度測定方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る未臨界度測定装置は、内部に燃料収納ラックが設けられる燃料ピット内に配置される中性子検出器と、前記中性子検出器の検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理する信号処理部と、前記信号処理部から得たカウント値から未臨界度を算出する演算部と、を備える。
上述の目的を達成するために、本開示の一態様に係る未臨界度測定方法は、内部に燃料収納ラックが設けられる燃料ピット内に配置される中性子検出器を適用し、前記燃料収納ラックに対する核燃料物質の貯蔵中において、前記中性子検出器から得た検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理することと、前記カウント値から未臨界度を算出することと、を含む。
本開示によれば、中性子検出器が、内部に燃料収納ラックが設けられる燃料ピット内に配置されているため、燃料収納ラックに収納される核燃料物質の近傍に中性子検出器を配置することができ、核燃料物質が発生する中性子を高感度で検出できる。そして、中性子検出器の検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理し、カウント値から未臨界度を算出することで、未臨界度を精度よく測定することができる。
図1は、本開示の実施形態に係る未臨界度測定装置を示す概略構成図である。 図2は、本開示の実施形態に係る未臨界度測定装置の動作を示すフローチャートである。 図3は、本開示の実施形態に係る未臨界度測定装置の動作結果の一例を示すグラフである。 図4は、本開示の実施形態に係る未臨界度測定装置の動作結果の一例を示すグラフである。 図5は、本開示の実施形態に係る未臨界度測定装置の配置例を示す燃料ピットの縦断面図である。 図6は、図5に示す燃料ピットの横断面概略図である。
以下に、本開示に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本実施形態の未臨界度測定装置、未臨界度測定方法および中性子検出器は、原子力発電プラントに適用される。原子力発電プラントは、原子炉容器の内部に核燃料物質としての燃料集合体が配置される炉心が設けられている。使用済の燃料集合体や、未使用の燃料集合体は、原子力発電プラントの燃料ピットに保管される。使用済の燃料集合体は、キャスクに収納されて保管設備に輸送される。本実施形態の未臨界度測定装置、未臨界度測定方法および中性子検出器は、このような原子力発電プラントにおいて燃料集合体の未臨界度を測定する。なお、核燃料物質としては、核燃料が様々な形態で構成されたものを含み、複数の燃料棒が束ねられた燃料集合体に限定されるものではない。以下の説明では、燃料集合体を例に説明する。また、燃料を扱うプラントとしては、燃料再処理工場や燃料加工施設などがあり、原子力発電プラントに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る未臨界度測定装置を示す概略構成図である。
本実施例に係る未臨界度測定装置1は、検出部2と、信号処理部3と、監視操作部4と、を含み構成されている。
検出部2は、中性子検出器21と、プリアンプ22と、を有する。中性子検出器21は、中性子を検出するものである。プリアンプ22は、中性子検出器21から出力される検出信号を増幅する。
信号処理部3は、電源装置31と、信号処理装置32と、MCA33と、を有する。電源装置31は、信号処理部3において信号処理装置32およびMCA33に電源を供給する。信号処理装置32は、検出部2においてプリアンプ22により増幅された検出信号を入力し、計測に不要なノイズを除去する。MCA33は、マルチチャンネルアナライザ(Multi-Channel Analyzer)であり、信号処理装置32によりノイズを除去された検出信号を入力し、この検出信号を所定時間当たりのカウント値、即ち高計数率中性子のパルスイベントとして処理する。そして、MCA33は、このパルスイベントを記録する。
監視操作部4は、電源装置41と、演算部42と、監視制御装置43と、を有する。電源装置41は、監視操作部4において演算部42および監視制御装置43に電源を供給する。演算部42は、信号処理部3のMCA33が記録するパルスイベントのカウント値から未臨界度を算出する。演算部42は、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、演算処理装置、記憶装置などにより実現され、表示装置、入力装置、音声出力装置、ドライブ装置、および入出力インターフェース装置を有してもよい。演算処理装置は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを含む。記憶装置は、ROMやRAMのようなメモリおよびストレージを含む。演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施する。表示装置は、フラットパネルディスプレイを含む。入力装置は、操作されることにより入力データを生成するもので、キーボードおよびマウスの少なくとも一方を含む。なお、入力装置が表示装置の表示画面に設けられたタッチセンサを含んでもよい。音声出力装置は、スピーカーを含む。ドライブ装置は、処理を実行するためのプログラムなどのデータが記録された記録媒体からデータを読み出す。記録媒体は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスクなどのように情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリなどの様に情報を電気的に記録する半導体メモリなど、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。入出力インターフェース装置は、演算処理装置と記憶装置と表示装置と入力装置と音声出力装置とドライブ装置との間でデータ通信する。
演算部42において、未臨界度の算出は、例えば、ファインマンα法に基づく。また、対象となる燃料集合体の配置状態が未臨界度に影響することから、計測した結果に係数を掛けて未臨界度に換算する。係数は、例えば、炉心の形状に基づき予め計算して得られる。また、未臨界度の算出は、同じような燃料ピットで繰り返し行い、過去データ(パルスイベントのテーブル)をフィードバックして更生することで不確定さをより小さくすることができる。
監視制御装置43は、演算部42により算出された未臨界度を監視する。監視制御装置43は、例えば、コンピュータであり、図には明示しないが、演算処理装置、記憶装置などにより実現され、表示装置、入力装置、音声出力装置、ドライブ装置、および入出力インターフェース装置を有してもよい。これらの構成は演算部42と同様であり、監視制御装置43は演算部42と共に構成できる。
監視制御装置43において、未臨界度の監視は、演算部42により算出された未臨界度の変動を表示装置にて表示することで実施できる。また、未臨界度の監視は、演算部42により算出された未臨界度の変動において、未臨界度が所定の閾値よりも下回った場合に異常を判定し、表示装置や音声出力装置により報知することで警報を実施できる。
監視制御装置43において、未臨界度の監視は、演算部42により算出された未臨界度および燃料集合体が配置された条件に基づいて未臨界度を評価する。燃料集合体が配置された条件は、例えば、燃料集合体の配置や、新規の燃料集合体と使用中の燃料集合体との配置関係などに基づく。未臨界度の評価は、推論規則に基づいて実施される。推論規則は、記憶装置に記憶され、例えば、ニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、サポートベクタマシン、および事例ベース推論などによる1または複数からなる。なお、推論規則は、記録媒体やネットワークを介して監視制御装置43に入力され記憶装置に記憶される。また、監視制御装置43では、時々刻々と変わる情報に基づき記憶装置に記憶されている推論規則を更新することができる。そのため、記憶装置には、推論規則を更新する更新プログラムが記憶されている。
図2は、本実施形態に係る未臨界度測定装置の動作を示すフローチャートである。図3および図4は、本実施形態に係る未臨界度測定装置の動作結果の一例を示すグラフである。
図2に示すように、未臨界度測定装置1は、検出部2において中性子検出を行う(ステップ:S1)。次に、未臨界度測定装置1は、信号処理部3において検出部2により検出された中性子の検出信号をカウントする(ステップ:S2)。次に、未臨界度測定装置1は、監視操作部4の演算部42において未臨界度を算出する(ステップ:S3)。次に、未臨界度測定装置1は、監視操作部4の監視制御装置43において未臨界度を表示する(ステップ:S4)。次に、未臨界度測定装置1は、監視操作部4の監視制御装置43において未臨界度の異常を判定する(ステップ:S5)。
ステップS2において、検出部2により検出された中性子の検出信号は、図3に示すように、時間ごとに検出信号の波高をカウントする。また、ステップS3において、未臨界度の算出は、図3に示すように、ゲート時間ΔTの間の検出信号のカウントに基づいて実施される。また、ステップS4において、未臨界度の表示は、図4に示すように、時間当たりの未臨界度の変動として表示される。また、ステップS5において、未臨界度の異常の判定は、図4の表示データにて未臨界度の閾値を任意に設定し、未臨界度が閾値を下回る場合に臨界の可能性がある異常を判定する。ステップS5において、監視操作部4の監視制御装置43は、未臨界度の異常を判定した場合は報知を実施する。
図5は、本実施形態に係る未臨界度測定装置の配置例を示す燃料ピットの縦断面図である。図6は、図5に示す燃料ピットの横断面概略図である。
燃料ピット101は、原子力発電プラントにおいて原子炉にて使用された使用済みの燃料集合体や、未使用の燃料集合体が貯蔵される。燃料集合体は、複数の核燃料(燃料棒)が束ねられた集合体である。燃料ピット101は、矩形状で上部が開放されたコンクリート躯体のプールとして構成されている。燃料ピット101は、床面101aおよび周囲の側壁面101bを有している。この燃料ピット101は、床面101aに燃料収納ラック102が設置される。燃料収納ラック102は、上方が開放して周囲が板材で囲まれた矩形状のラック本体102Aと、ラック本体102Aに支持された複数の燃料収納部102Bとを有する。燃料収納部102Bは、上部が開放されて上方から燃料集合体が挿入されるものである。燃料収納部102Bは、ラック本体102Aの内部において、板材が格子状に組まれて複数区画された構成や、複数の角筒に形成されたラックセルとした構成がある。この燃料ピット101は、内部に水Wが貯留された状態で、燃料収納ラック102の各燃料収納部102Bに燃料集合体が立てられた状態で収納されて貯蔵される。
燃料ピット101は、その床面101aおよび側壁面101bの内面であるコンクリート面にライニングが張り付けられている。ライニングは、厚さ6mm程度のオーステナイト系ステンレス鋼からなり、燃料ピット101の床面101aおよび側壁面101bの内面を保護するものである。
上述した原子炉に対し、本実施形態の未臨界度測定装置1は、図5および図6に示すように、検出部2における中性子検出器21が燃料ピット101の内部にて燃料集合体の近傍に配置される。検出部2におけるプリアンプ22や、信号処理部3や、監視操作部4は、燃料ピット101の外部に配置される。中性子検出器21とプリアンプ22とを接続する信号ケーブルは、燃料ピット101の内部に貯留された水Wの水面Waから燃料ピット101の外部に引き出されプリアンプ22に接続される。従って、検出部2におけるプリアンプ22や、信号処理部3や、監視操作部4は、中性子やガンマ線の影響を受けにくい環境に配置できる。
中性子検出器21は、図5および図6に示すように、燃料収納ラック102におけるラック本体102Aの側面(ラック本体102Aの間)や、燃料収納部102Bの側面(燃料収納部102Bの間)や、燃料ピット101における側壁面101bのライニングのような狭隘な箇所に配置される。中性子検出器21は、その外形寸法が上述した範囲を満たすことで、中性子検出器21は、燃料集合体の長さの範囲全体から発生する中性子を検出できるように、図5に示すように、燃料集合体の長さであって、燃料収納ラック102の上下方向の長さに合わせた範囲に配置することが好ましい。これに限らず、中性子検出器21は、燃料集合体の長さであって、燃料収納ラック102の上下方向の長さの範囲の複数箇所に配置してもよい。また、中性子検出器21は、図6に示すように、複数の燃料集合体を配置した燃料ピット101の複数箇所に配置することが好ましい。図6では、複数の燃料収納ラック102の各ラック本体102Aの間や、1つの燃料収納ラック102の各燃料収納部102Bの間の複数箇所に中性子検出器21を配置した例を示している。また、図6では、燃料収納ラック102の周囲であって、燃料ピット101における側壁面101bの複数箇所に中性子検出器21を配置した例を示している。このように、中性子検出器21を燃料ピット101の内部の複数箇所に配置することで、燃料ピット101の複数のエリアごとに中性子検出器21を配置し、エリアごとの未臨界度を測定することができる。ここで、燃料ピット101の各エリアは、図6に示すように、複数並べられた燃料収納ラック102のうち燃料収納ラック102で囲まれた斜線で示す中央のエリアA1や、その外側を囲む燃料収納ラック102が配置された外周のエリアA2や、燃料収納ラック102の外側で燃料ピット101の側壁面101bまでのエリアA3がある。
中性子検出器21は、例えば、板状や棒状に形成されることが好ましい。中性子検出器21を板状や棒状に構成することで、図5および図6を参照するような狭隘な箇所に配置することができる。このため、燃料ピット101や燃料収納ラック102の設計を大幅に変更することなく、燃料集合体の近傍に配置することができる。現状の燃料ピット101および燃料収納ラック102の構造のまま、燃料集合体120の数を減らさず中性子検出器21を配置することができる。また、中性子検出器21を板状や棒状に構成することで、中性子検出器21にガンマ線を透過させてガンマ線の検出感度を低くすることができる。また、中性子検出器21は、検出素子が複数配列されていることが好ましく、多くの検出信号を出力することができる。
上述した、本実施形態の未臨界度測定装置1は、内部に燃料収納ラック102が設けられる燃料ピット101内に配置される中性子検出器21と、中性子検出器21の検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理する信号処理部3と、信号処理部3から得たカウント値から未臨界度を算出する演算部42と、を備える。
中性子検出器21が、内部に燃料収納ラック102が設けられる燃料ピット101内に配置されているため、燃料収納ラック102に収納される燃料集合体(核燃料物質)の近傍に中性子検出器21を配置することができる。このため、燃料集合体が発生する中性子を高感度で検出できる。そして、信号処理部3により中性子検出器21の検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理し、演算部42により信号処理部3から得たカウント値から未臨界度を算出する。このため、未臨界度を精度よく測定することができる。
ところで、燃料ピット101は、貯留された水Wにより燃料集合体を冷却して臨界にならないよう未臨界を維持するように管理されている。具体的には、原子力発電プラントにおいて、燃料集合体を冷却する際に規定量の水Wを確保するように管理したり、地震などの災害時に燃料ピット101の水Wが減少して燃料集合体が臨界になるような事象の際にスプレイ水により燃料集合体の冷却を行うように管理したりしている。本実施形態の未臨界度測定装置1では、中性子検出器21を燃料集合体の近傍に配置することができることから、燃料集合体を冷却する際に未臨界度を測定することができる。また、本実施形態の未臨界度測定装置1では、中性子検出器21を燃料集合体の近傍に配置することができることから、スプレイ水により燃料集合体の冷却の際に未臨界度を測定することで、臨界にならないようにスプレイ水の供給を制御することができる。この結果、原子力発電システムの安全性および信頼性を向上できる。
また、本実施形態の未臨界度測定装置1では、未臨界度を表示すると共に未臨界度が所定の閾値を下回った場合に報知を行う監視制御装置43をさらに備える。
未臨界度を表示することで、未臨界度の変動を目視により確認できる。この未臨界度の変動において未臨界度が所定の閾値を下回った場合に報知を行うことで、異常を認識し、早急な対応を行うことができる。
また、本実施形態の未臨界度測定装置1では、少なくとも1つの中性子検出器21は、燃料収納ラック102において燃料集合体が挿入される燃料収納部102Bを支持するラック本体102Aに配置される。
即ち、燃料集合体の近傍とは、燃料収納ラック102において燃料集合体が挿入される燃料収納部102Bを支持するラック本体102Aであり、ここに中性子検出器21を配置することで、燃料集合体が発生する中性子を高感度で検出することができる。
また、本実施形態の未臨界度測定装置1では、少なくとも1つの中性子検出器21は、燃料収納ラック102においてラック本体102Aに支持されて燃料集合体が挿入される燃料収納部102Bに配置される。
即ち、燃料集合体の近傍とは、燃料収納ラック102においてラック本体102Aに支持されて燃料集合体が挿入される燃料収納部102Bであり、ここに中性子検出器21を配置することで、燃料集合体が発生する中性子を高感度で検出することができる。
また、少なくとも1つの中性子検出器21は、燃料収納ラック102の周囲であって、燃料ピット101の側壁面101bに配置される。
即ち、燃料集合体の近傍とは、燃料収納ラック102の周囲であって、燃料ピット101の側壁面101bであり、ここに中性子検出器21を配置することで、燃料集合体が発生する中性子を高感度で検出することができる。
また、本実施形態の未臨界度測定装置1では、中性子検出器21は、燃料ピット101における複数のエリアごとに配置される。
中性子検出器21を燃料ピット101における複数のエリアごとに配置することで、監視制御装置43は、演算部42が算出したエリアごとの未臨界度および、エリアごとに燃料集合体が配置された条件に基づいて未臨界度を評価することができる。従って、燃料集合体が配置された条件に基づいて、より未臨界度を向上するための燃料集合体の配置を知ることができ、原子力発電システムの安全性および信頼性を向上できる。
本実施形態の未臨界度測定装置1では、前記エリアは、複数並べられた燃料収納ラック102のうち燃料収納ラック102で囲まれた中央のエリアA1や、その外側を囲む燃料収納ラック102が配置された外周のエリアA2や、燃料収納ラック102の外側で燃料ピット101の側壁面101bまでのエリアA3の少なくとも1つを含む。
従って、各エリアA1,A2,A3の未臨界度を評価することができる。
また、本実施形態の未臨界度測定方法は、内部に燃料収納ラック102が設けられる燃料ピット101内に配置される中性子検出器21を適用し、燃料集合体の貯蔵中において、中性子検出器21から得た検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理するステップと、カウント値から未臨界度を算出するステップと、を含む。
中性子検出器21が、内部に燃料収納ラック102が設けられる燃料ピット101内に配置されているため、燃料収納ラック102に収納される燃料集合体の近傍に中性子検出器21を配置することができる。このため、燃料集合体が発生する中性子を高感度で検出できる。そして、中性子検出器21の検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理し、カウント値から未臨界度を算出することで、未臨界度を精度よく測定することができる。
また、本実施形態の未臨界度測定方法では、中性子検出器21を燃料集合体の近傍に配置することができることから、燃料集合体を冷却する際に未臨界度を測定することができる。また、本実施形態の未臨界度測定装置1では、中性子検出器21を燃料集合体の近傍に配置することができることから、スプレイ水により燃料集合体の冷却の際に未臨界度を測定することで、臨界にならないようにスプレイ水の供給を制御することができる。この結果、原子力発電システムの安全性および信頼性を向上できる。
また、本実施形態の未臨界度測定方法では、カウント値に予め計算した係数を掛けて未臨界度に換算するステップをさらに含む。
この未臨界度測定方法によれば、計測した結果に係数を掛けて未臨界度に換算することで、燃料集合体の配置状態などによる未臨界度の影響を補正できる。
1 未臨界度測定装置
2 検出部
21 中性子検出器
22 プリアンプ
3 信号処理部
31 電源装置
32 信号処理装置
4 監視操作部
41 電源装置
42 演算部
43 監視制御装置
101 燃料ピット
102 燃料収納ラック
102A ラック本体
102B 燃料収納部

Claims (8)

  1. 内部に燃料収納ラックが設けられる燃料ピット内に配置され少なくとも1つが前記燃料収納ラックの周囲であって、前記燃料ピットの側壁面に配置される中性子検出器と、
    前記中性子検出器の検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理する信号処理部と、
    前記信号処理部から得たカウント値から未臨界度を算出する演算部と、
    を備える未臨界度測定装置。
  2. 前記未臨界度を表示すると共に前記未臨界度が所定の閾値を下回った場合に報知を行う監視制御装置をさらに備える請求項に記載の未臨界度測定装置。
  3. 少なくとも1つの前記中性子検出器は、前記燃料収納ラックにおいて核燃料物質が挿入される燃料収納部を支持するラック本体に配置される請求項1または2に記載の未臨界度測定装置。
  4. 少なくとも1つの前記中性子検出器は、前記燃料収納ラックにおいてラック本体に支持されて核燃料物質が挿入される燃料収納部に配置される請求項1~のいずれか1つに記載の未臨界度測定装置。
  5. 前記中性子検出器は、前記燃料ピットにおける複数のエリアごとに配置される請求項1~のいずれか1つに記載の未臨界度測定装置。
  6. 前記エリアは、複数並べられた前記燃料収納ラックのうち当該燃料収納ラックで囲まれた中央のエリアや、その外側を囲む前記燃料収納ラックが配置された外周のエリアや、前記燃料収納ラックの外側で前記燃料ピットの側壁面までのエリアの少なくとも1つを含む、請求項に記載の未臨界度測定装置。
  7. 内部に燃料収納ラックが設けられる燃料ピット内に配置され少なくとも1つが前記燃料収納ラックの周囲であって、前記燃料ピットの側壁面に配置される中性子検出器を適用し、
    前記燃料収納ラックへの核燃料物質の貯蔵中において、前記中性子検出器から得た検出信号を所定時間当たりのカウント値として処理するステップと、
    前記カウント値から未臨界度を算出するステップと、
    を含む未臨界度測定方法。
  8. 前記カウント値に予め計算した係数を掛けて未臨界度に換算するステップをさらに含む、請求項に記載の未臨界度測定方法。
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