JP7335419B2 - 回転電機用ステータ製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、回転電機用ステータ製造方法に関する。
回転電機のステータコイルを形成するための一のコイル片と他の一のコイル片の先端部同士を当接させ、当接させた先端部に係る溶接対象箇所に、ループ状に照射位置が移動する態様でレーザビームを照射するステータの製造方法が知られている。
特開2018-20340号公報
しかしながら、上記のような従来技術は、赤外レーザ(ファイバレーザ)を利用することに起因して、コイル片間での必要な接合面積を得るためには比較的大きい入熱量が必要となり、熱影響が大きく、溶接が不安定となるおそれがある。
そこで、本開示は、比較的少ない入熱量で、コイル片間での必要な接合面積を確保することを目的とする。
本開示の一局面によれば、回転電機のステータコイルを形成するための一のコイル片と他の一のコイル片の先端部同士を当接させる工程と、
当接させた前記先端部に係る溶接対象箇所に、0.6μm以下の波長のレーザビームを照射する溶接工程とを含み、
前記レーザビームの焦点における出力分布は、中心部が平坦状である、回転電機用ステータ製造方法が提供される。
本開示によれば、比較的少ない入熱量で、コイル片間での必要な接合面積を確保することが可能となる。
一実施例によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 ステータコアの単品状態の平面図である。 ステータコアに組み付けられる1対のコイル片を模式的に示す図である。 ステータのコイルエンド周辺の斜視図である。 同相のコイル片の一部を抜き出して示す斜視図である。 一のコイル片の概略正面図である。 互いに接合されたコイル片の先端部及びその近傍を示す図である。 溶接対象箇所を通る図7のラインA-Aに沿った断面図である。 レーザ波長と各種材料の個体に対するレーザ吸収率との関係を示す図である。 溶接中の吸収率の変化態様の説明図である。 グリーンレーザを用いた場合のキーホール等のイメージ図である。 赤外レーザを用いた場合のキーホール等のイメージ図である。 グリーンレーザの場合におけるレーザ出力と溶接深さとの関係を示す図である。 グリーンレーザの場合におけるレーザ出力と溶接深さとの関係を示す図である。 本実施例によるグリーンレーザによる溶接方法の説明図である。 照射位置に応じたレーザ出力と入熱量の変化特性(ダウンスロープなしの照射態様)を概略的に示す説明図である。 パスごとの照射位置の変化態様の説明図である。 照射位置に応じたレーザ出力と溶接入熱の変化特性(ダウンスロープ有りの照射態様)を概略的に示す説明図である。 溶接方向が同一である2つのパスにより溶接が実現される場合の説明図である。 溶接方向が異なる2つのパスにより溶接が実現される場合の説明図である。 体積膨張に起因した突起等の説明図である。 突起やブローホールを低減することを可能とする溶接方法の説明図である。 図20に示す2つのパスで溶接を実現した場合の溶接部の断面を示す図である。 突起やブローホールを低減することを可能とする他の溶接方法の説明図である。 突起やブローホールを低減することを可能とする他の溶接方法の説明図である。 ステータの製造の流れを概略的に示すフローチャートである。 グリーンレーザによる溶接時の温度履歴の測定結果を示す図である。 異物耐性を検証するための試験の説明図である。 本実施例によるグリーンレーザのレーザビームの焦点における出力分布の説明図である。 図27の出力分布に関する説明図である。 比較例による同出力分布の説明図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、本明細書において、「所定」とは、「予め規定された」という意味で用いられている。
図1は、一実施例によるモータ1(回転電機の一例)の断面構造を概略的に示す断面図である。
図1には、モータ1の回転軸12が図示されている。以下の説明において、軸方向とは、モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12を中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
モータ1は、例えばハイブリッド車両や電気自動車で使用される車両駆動用のモータであってよい。ただし、モータ1は、他の任意の用途に使用されるものであってもよい。
モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、径方向外側がモータハウジング10に固定される。
ロータ30は、ステータ21の径方向内側に配置される。ロータ30は、ロータコア32と、ロータシャフト34とを備える。ロータコア32は、ロータシャフト34の径方向外側に固定され、ロータシャフト34と一体となって回転する。ロータシャフト34は、モータハウジング10にベアリング14a、14bを介して回転可能に支持される。なお、ロータシャフト34は、モータ1の回転軸12を画成する。
ロータコア32は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板から形成される。ロータコア32の内部には、永久磁石321が挿入される。永久磁石321の数や配列等は任意である。変形例では、ロータコア32は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。
ロータコア32の軸方向の両側には、エンドプレート35A、35Bが取り付けられる。エンドプレート35A、35Bは、ロータコア32を支持する支持機能の他、ロータ30のアンバランスの調整機能(切削等されることでアンバランスを無くす機能)を有してよい。
ロータシャフト34は、図1に示すように、中空部34Aを有する。中空部34Aは、ロータシャフト34の軸方向の全長にわたり延在する。中空部34Aは、油路として機能してもよい。例えば、中空部34Aには、図1にて矢印R1で示すように、軸方向の一端側から油が供給され、ロータシャフト34の径方向内側の表面を伝って油が流れることで、ロータコア32を径方向内側から冷却できる。また、ロータシャフト34の径方向内側の表面を伝う油は、ロータシャフト34の両端部に形成される油穴341、342を通って径方向外側へと噴出され(矢印R5、R6)、コイルエンド220A、220Bの冷却に供されてもよい。
なお、図1では、特定の構造のモータ1が示されるが、モータ1の構造は、溶接により接合されるステータコイル24(後述)を有する限り、任意である。従って、例えば、ロータシャフト34は、中空部34Aを有さなくてもよいし、中空部34Aよりも有意に内径の小さい中空部を有してもよい。また、図1では、特定の冷却方法が開示されているが、モータ1の冷却方法は任意である。従って、例えば、中空部34A内に挿入される油導入管が設けられてもよいし、モータハウジング10内の油路から径方向外側からコイルエンド220A、220Bに向けて油が滴下されてもよい。
また、図1では、ロータ30がステータ21の内側に配されたインナーロータ型のモータ1であるが、他の形態のモータに適用されてもよい。例えば、ステータ21の外側にロータ30が同心に配されたアウターロータ型のモータや、ステータ21の外側および内側の双方にロータ30が配されたデュアルロータ型のモータ等に適用されてもよい。
次に、図2以降を参照して、ステータ21に関する構成を詳説する。
図2は、ステータコア22の単品状態の平面図である。図3は、ステータコア22に組み付けられる1対のコイル片52を模式的に示す図である。図3では、ステータコア22の径方向内側を展開した状態で、1対のコイル片52とスロット220との関係が示される。また、図3では、ステータコア22が点線で示され、スロット220の一部については図示が省略されている。図4は、ステータ21のコイルエンド220A周辺の斜視図である。図5は、同相のコイル片の一部を抜き出して示す斜視図である。
ステータ21は、ステータコア22と、ステータコイル24とを含む。
ステータコア22は、例えば円環状の磁性体の積層鋼板からなるが、変形例では、ステータコア22は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。なお、ステータコア22は、周方向で分割される分割コアにより形成されてもよいし、周方向で分割されない形態であってもよい。ステータコア22の径方向内側には、ステータコイル24が巻回される複数のスロット220が形成される。具体的には、ステータコア22は、図2に示すように、円環状のバックヨーク22Aと、バックヨーク22Aから径方向内側に向かって延びる複数のティース22Bとを含み、周方向で複数のティース22B間にスロット220が形成される。スロット220の数は任意であるが、本実施例では、一例として、48個である。
ステータコイル24は、U相コイル、V相コイル、及びW相コイル(以下、U、V、Wを区別しない場合は「相コイル」と称する)を含む。各相コイルの基端は、入力端子(図示せず)に接続されており、各相コイルの末端は、他の相コイルの末端に接続されてモータ1の中性点を形成する。すなわち、ステータコイル24は、スター結線される。ただし、ステータコイル24の結線態様は、必要とするモータ特性等に応じて、適宜、変更してもよく、例えば、ステータコイル24は、スター結線に代えて、デルタ結線されてもよい。
各相コイルは、複数のコイル片52を接合して構成される。図6は、一のコイル片52の概略正面図である。コイル片52は、相コイルを、組み付けやすい単位(例えば2つのスロット220に挿入される単位)で分割したセグメントコイルの形態である。コイル片52は、断面略矩形の線状導体(平角線)60を、絶縁被膜62で被覆してなる。本実施例では、線状導体60は、一例として、銅により形成される。ただし、変形例では、線状導体60は、鉄のような他の導体材料により形成されてもよい。
コイル片52は、ステータコア22に組み付ける前の段階では、一対の直進部50と、当該一対の直進部50を連結する連結部54と、を有した略U字状に成形されてよい。コイル片52をステータコア22に組み付ける際、一対の直進部50は、それぞれ、スロット220に挿入される(図3参照)。これにより、連結部54は、図3に示すように、ステータコア22の軸方向他端側において、複数のティース22B(及びそれに伴い複数のスロット220)を跨ぐように周方向に延びる。連結部54が跨ぐスロット220の数は、任意であるが、図3では3つである。また、直進部50は、スロット220に挿入された後は、図6において、二点鎖線で示すように、その途中で周方向に屈曲される。これにより、直進部50は、スロット220内において軸方向に延びる脚部56と、ステータコア22の軸方向一端側において周方向に延びる渡り部58と、になる。
なお、図6では、一対の直進部50は、互いに離れる方向に屈曲するが、これに限られない。例えば、一対の直進部50は、互いに近づく方向に屈曲されてもよい。また、ステータコイル24は、3相の相コイルの末端同士を連結して中性点を形成するための中性点用コイル片等も有することがある。後述する先端部40の形状は、これら連結用コイル片や、中性点用コイル片に適用されてもよい。
一つのスロット220には、図6に示すコイル片52の脚部56が複数、径方向に並んで挿入される。従って、ステータコア22の軸方向一端側には、周方向に延びる渡り部58が複数、径方向に並ぶ。図3及び図5に示すように、一つのスロット220から飛び出て周方向第1側(例えば時計回りの向き)に延びる一のコイル片52の渡り部58は、他のスロット220から飛び出て周方向第2側(例えば反時計回りの向き)に延びる他の一のコイル片52の渡り部58に接合される。
本実施例では、一例として、1つのスロット220に6つのコイル片52が組み付けられる。以下では、径方向で最も外側のコイル片52から順に、第1ターン、第2ターン、第3ターンとも称する。この場合、第1ターンのコイル片52と第2ターンのコイル片52とは、後述の接合工程により先端部40同士が接合され、第3ターンのコイル片52と第4ターンのコイル片52とは、後述の接合工程により先端部40同士が接合され、第5ターンのコイル片52と第6ターンのコイル片52とは、後述の接合工程により先端部40同士が接合される。
ここで、コイル片52は、上述した通り、絶縁被膜62で被覆されているが、先端部40だけは、当該絶縁被膜62が除去される。これは、先端部40にて他のコイル片52との電気的接続を確保するためである。また、図5及び図6に示すように、コイル片52の先端部40のうち、最終的に軸方向外側端面42、すなわち、コイル片52の幅方向一端面を、軸方向外側に凸の円弧面としている。
図7は、互いに接合されたコイル片52の先端部40及びその近傍を示す図である。なお、図7には、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1が模式的に示される。図8は、溶接対象箇所90を通る図7のラインA-Aに沿った断面図である。
コイル片52の先端部40を接合する際には、互いに接合される2つの先端部40を、それぞれの円弧面(軸方向外側端面42)の中心軸Oが一致するように、その厚み方向に重ねて接合されてよい。このように中心軸を合わせて重ねることで、屈曲角度αが比較的大きい場合や小さい場合でも、互いに接合される2つの先端部40の軸方向外側のラインが一致し、適切に、重ね合わせることができる。
ここで、本実施例では、コイル片52の先端部40を接合する際の接合方法としては、溶接が利用される。そして、本実施例では、溶接方法としては、TIG溶接に代表されるアーク溶接ではなく、レーザビーム源を熱源とするレーザ溶接が採用される。TIG溶接に代えて、レーザ溶接を用いることで、コイルエンド220A、220Bの軸方向の長さを低減できる。すなわち、TIG溶接の場合は、当接させるコイル片の先端部同士を軸方向外側に屈曲させて軸方向に延在させる必要があるのに対して、レーザ溶接の場合は、かかる屈曲の必要性がなく、図7に示すように、当接させるコイル片52の先端部40同士を周方向に延在させた状態で溶接を実現できる。これにより、当接させるコイル片52の先端部40同士を軸方向外側に屈曲させて軸方向に延在させる場合に比べて、コイルエンド220A、220Bの軸方向の長さを低減できる。
レーザ溶接では、図5に模式的に示すように、当接された2つの先端部40における溶接対象箇所90に溶接用のレーザビーム110を当てる。なお、レーザビーム110の照射方向(伝搬方向)は、軸方向に略平行であり、当接された2つの先端部40の軸方向外側端面42に、軸方向外側から向かう方向である。レーザ溶接の場合は、局所的に加熱できるため、先端部40及びその近傍のみを加熱することができ、絶縁被膜62の損傷(炭化)等を効果的に低減できる。その結果、適切な絶縁性能を維持したまま、複数のコイル片52を電気的に接続できる。
溶接対象箇所90の周方向の範囲D1は、図7に示すように、2つのコイル片52の先端部40同士の当接部分における軸方向外側端面42の周方向の全範囲D0のうちの、両端を除く部分である。両端は、軸方向外側端面42の凸の円弧面に起因して、十分な溶接深さ(図7の寸法L1参照)を確保し難いためである。溶接対象箇所90の周方向の範囲D1は、コイル片52間での必要な接合面積や必要な溶接強度等が確保されるように適合されてよい。
溶接対象箇所90の径方向の範囲D2は、図8に示すように、2つのコイル片52の先端部40同士の当接面401を中心とする。溶接対象箇所90の径方向の範囲D2は、レーザビーム110の径(ビーム径)に対応してよい。すなわち、レーザビーム110は、照射位置が径方向に実質的に変化することなく周方向に沿って直線的に変化する態様で、照射される。
図9は、レーザ波長と各種材料の個体に対するレーザ吸収率(以下、単に「吸収率」とも称する)との関係を示す図である。図9では、横軸に波長λを取り、縦軸に吸収率を取り、銅(Cu)、アルミ(Al)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、及び鉄(Fe)の各種材料の個体に係る特性が示される。
ところで、レーザ溶接で一般的に用いられる赤外レーザ(波長が1064nmのレーザ)は、図9にてλ2=1.06μmの点線との交点の黒丸で示すように、コイル片52の線状導体60の材料である銅に対して吸収率が約10%と低い。すなわち、赤外レーザの場合、レーザビーム110の大部分は、コイル片52で反射してしまい、吸収されない。このため、接合対象のコイル片52間での必要な接合面積を得るためには比較的大きい入熱量が必要となり、熱影響が大きく、溶接が不安定となるおそれがある。
この点を鑑み、本実施例では、赤外レーザに代えて、グリーンレーザを利用する。なお、グリーンレーザとは、波長が532nmのレーザ、すなわちSHG(Second Harmonic Generation:第2高調波)レーザのみならず、532nmに近い波長のレーザをも含む概念である。なお、変形例では、グリーンレーザの範疇に属さない0.6μm以下の波長のレーザが利用されてもよい。グリーンレーザに係る波長は、例えばYAGレーザやYVO4レーザで生み出された基本波長を酸化物単結晶(例えば、LBO:リチウムトリボレート)に通して変換することで得られる。
グリーンレーザの場合、図9にてλ1=0.532μmの点線との交点の黒丸で示すように、コイル片52の線状導体60の材料である銅に対して吸収率が約50%と高い。従って、本実施例によれば、赤外レーザを利用する場合に比べて、少ない入熱量で、コイル片52間での必要な接合面積を確保することが可能となる。
なお、赤外レーザに比べてグリーンレーザの方が吸収率が高くなるという特性は、図9に示すように、銅の場合において顕著であるが、銅のみならず、他の金属材料の多くにおいて確認できる。従って、コイル片52の線状導体60の材料が銅以外の場合でもグリーンレーザによる溶接が実現されてもよい。
図10は、溶接中の吸収率の変化態様の説明図である。図10では、横軸にレーザパワー密度(「Laser Power Density」と表記)を取り、縦軸に銅のレーザ吸収率(「Laser Absorption Rate」と表記)を取り、グリーンレーザの場合の特性100Gと、赤外レーザの場合の特性100Rとが示される。
図10では、グリーンレーザの場合と赤外レーザの場合における銅の溶融が開始するポイントP1、P2が示されるとともに、キーホールが形成されるポイントP3が示される。図10にポイントP1、P2にて示すように、赤外レーザに比べてグリーンレーザの方が、小さいレーザパワー密度で銅の溶融を開始させることができることが分かる。また、上述した吸収率の相違に起因して、赤外レーザに比べてグリーンレーザの方が、キーホールが形成されるポイントP3での吸収率と照射開始時の吸収率(すなわちレーザパワー密度が0のときの吸収率)との差が小さいことが分かる。具体的には、赤外レーザの場合、溶接中の吸収率の変化が約80%であるのに対して、グリーンレーザの場合、溶接中の吸収率の変化が約40%となり、約半分である。
このように、赤外レーザの場合、溶接中の吸収率の変化(落差)が約80%と比較的大きいため、キーホールが不安定となり溶接深さや溶接幅のバラツキや溶融部の乱れ(例えば、スパッタ等)が生じやすい。これに対して、グリーンレーザの場合、溶接中の吸収率の変化(落差)が約40%と比較的小さいため、キーホールが不安定となり難く、また、溶接深さや溶接幅のバラツキや溶融部の乱れ(例えばスパッタ等)が生じ難い。なお、スパッタとは、レーザ等を照射することにより飛散する金属粒等である。
なお、赤外レーザの場合、上述のように吸収率が低いため、ビーム径を比較的小さくする(例えばφ0.075mm)ことで、吸収率の低さを補うことが一般的である。この点も、キーホールが不安定となる要因となる。なお、図11Bは、赤外レーザを用いた場合のキーホール等のイメージ図であり、1100は、溶接ビードを示し、1102は、溶融池を示し、1104は、キーホールを示す。また、矢印R1116は、ガス抜けの態様を模式的に示す。また、矢印R110は、ビーム径が小さいことに起因して赤外レーザの照射位置が移動される様子を模式的に示す。このように、赤外レーザの場合、上述のように吸収率が低くビーム径を比較的大きくすることが難しいことに起因して、必要な溶融幅を得るために蛇行を含んだ比較的長い照射位置の移動軌跡(連続的な照射時間)が必要となる傾向がある。
他方、グリーンレーザの場合、上述のように吸収率が比較的高いため、ビーム径を比較的大きくする(例えばφ0.1mm以上)ことが可能であり、キーホールを大きくして安定化することができる。これにより、ガス抜けが良好となり、スパッタ等の発生を効果的に低減できる。なお、図11Aは、グリーンレーザを用いた場合のキーホール等のイメージ図であり、符号の意義は図11Bを参照して上述したとおりである。グリーンレーザの場合、図11Aから、ビーム径の拡大に起因してキーホールが安定化しガス抜けが良好となる様子がイメージとして容易に理解できる。また、グリーンレーザの場合、赤外レーザの場合とは対照的に、上述のように吸収率が比較的高くビーム径を比較的大きくすることが可能であることから、必要な溶融幅(図8に示す溶接対象箇所90の径方向の範囲D2参照)を得るために必要な照射位置の移動軌跡(照射時間)を比較的短く(小さく)できる。
図12A及び図12Bは、グリーンレーザの場合におけるレーザ出力と溶接深さとの関係を示す図である。図12Aには、横軸に溶接速度(「Welding Speed」と表記)を取り、縦軸に溶接深さ(「Welding Depth」と表記、以下同様)を取り、各種のレーザ出力(ここでは、1.0kW、2.5kW、3.0kW、3.5kW)の場合の各特性が示される。図12Bには、横軸に溶接入熱(「Welding Heat Input」と表記、以下同様)を取り、縦軸に溶接深さを取り、各種のレーザ出力(ここでは、1.0kW、2.5kW、3.0kW、3.5kW)の場合の各特性が示される。
図12A及び図12Bからは、溶接深さ(溶け込み深さ)に対しては、レーザ出力の影響が大きいことが分かる。他方、溶接速度を低減させると溶接入熱が増加するが、溶接深さ(溶け込み深さ)に対する影響は比較的小さい。例えば、図12A及び図12Bに示すように、レーザ出力3.0kWで溶接速度が約35mm/sのときのプロット点PL1は、溶接入熱が約90J/mmと比較的大きいにもかかわらず、レーザ出力3.5kWで溶接速度が約150mm/sのときのプロット点PL2と比較しても、溶接深さは略同等である(矢印Q1参照)。このことから、レーザ出力が高いほど入熱効率の高い溶接が実現できることが分かる。
図13は、本実施例によるグリーンレーザによる溶接方法の説明図である。図13では、横軸に時間(「Time」と表記、以下同様)を取り、縦軸にレーザ出力(「Output」と表記、以下同様)を取り、溶接の際のレーザ出力の時系列波形を模式的に示す。
本実施例では、図13に示すように、レーザ出力3.8kWでグリーンレーザのパルス照射により溶接を実現する。図13では、10msecだけレーザ出力3.8kWとなるようにレーザ発振器のパルス発振が実現され、インターバル100msec後に、再び、10msecだけレーザ出力3.8kWとなるようにレーザ発振器のパルス発振が実現される。以下では、このようにして一回のパルス発振により可能なパルス照射(10msecのパルス照射)の1回分を、「1パス」とも称する。なお、図13では、1パス目(N=1)から3パス目(N=3)の照射がパルス波形130Gで示され、Nは、Nパス目かを表す(以下、図17等においても同様)。また、図13には、比較用として、赤外レーザの場合のパルス照射に係るパルス波形130Rが併せて示される。
ここで、グリーンレーザの場合、レーザ発振器の出力が低く(例えば連続的な照射時は最大で400W)、深い溶け込みを確保するために必要な高出力(例えばレーザ出力3.0kW以上の高出力)を得ることが難しい。すなわち、グリーンレーザは、上述のように酸化物単結晶のような波長変換結晶を通して生成されるので、波長変換結晶を通る際に出力が低下する。このため、グリーンレーザのレーザビームを連続的に照射しようとすると、深い溶け込みを確保するために必要な高出力を得ることができない。
この点、本実施例では、上述のように、深い溶け込みを確保するために必要な高出力(例えばレーザ出力3.0kW以上の高出力)を、グリーンレーザのパルス照射により確保する。これは、連続的な照射の場合は例えば最大で400Wしか出力できない場合でも、パルス照射であれば、例えば3.0kW以上の高出力が可能となるためである。このようにして、パルス照射は、ピークパワーを上げるための連続エネルギを蓄積してパルス発振することで実現される。そして、本実施例では、一の溶接対象箇所に対して、複数回のパルス発振で発生させるグリーンレーザのビームを照射する。すなわち、本実施例では、一の溶接対象箇所に対して、比較的高いレーザ出力(例えばレーザ出力3.0kW以上)による2パス以上の照射が実行される。これにより、上述の溶接対象箇所90の周方向の範囲D1が比較的広い場合でも、溶接対象箇所90の全体にわたり深い溶け込みを確保しやすくなり、高い品質の溶接を実現できる。
なお、図13では、インターバルが特定の値100msecであるが、インターバルは、任意であり、必要な高出力が確保される範囲内で最小化されてよい。また、図13では、レーザ出力は特定の値3.8kWであるが、レーザ出力は、3.0kW以上であれば、必要な溶接深さが確保される範囲内で適宜変更されてよい。
図13では、赤外レーザの場合として、レーザ出力2.3kWで、比較的長い時間である130msec間、連続的に照射される際のパルス波形130Rが併せて示される。赤外レーザの場合は、グリーンレーザとは異なり、比較的高いレーザ出力(2.3kW)で連続的な照射が可能である。ただし、上述したように、赤外レーザの場合、必要な溶融幅を得るために蛇行を含んだ比較的長い照射位置の移動軌跡(連続的な照射時間)が必要となり、この場合、入熱量は、約312Jであり、図13に示すグリーンレーザの場合の入熱量である約80J(2パスの場合)に対して、有意に大きくなる。
このようにして、本実施例によれば、グリーンレーザを利用することで、赤外レーザを利用する場合に比べて、コイル片52の線状導体60の材料(本例では銅)に対して高い吸収率を有するレーザビームによる溶接が可能となる。これにより、必要な溶融幅(図8に示す溶接対象箇所90の径方向の範囲D2参照)を得るために必要な照射位置の移動軌跡(時間)を比較的短く(小さく)できる。すなわち、比較的大きいビーム径による1回のパルス発振あたりの、増加されたキーホールに起因して、必要な溶融幅を得るために必要なパルス発振回数を比較的少なくできる。この結果、比較的少ない入熱量で、コイル片52間での必要な接合面積を確保することが可能となる。
また、本実施例によれば、一の溶接対象箇所に対して2パス以上のグリーンレーザの照射を実行することで、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1が比較的広い場合でも、溶接対象箇所90の全体にわたり深い溶け込みを確保しやすくなり、高い品質の溶接を実現できる。
次に、図14から図23を参照して、グリーンレーザによるレーザ照射の好ましい例について説明する。
図14は、一のパスに係るレーザ出力と溶接入熱とが、照射位置(図14では「Position」と表記、以下同様)に応じて変化する態様を示す概略図であり、照射位置に応じたレーザ出力の変化特性150Pと、照射位置に応じた溶接入熱の変化特性150Lとが概略的に示される。図15は、パスごとの照射位置の変化態様(図15では照射位置の変化量である移動距離を、「Distance」と表記)であって、時間に対する照射位置の変化態様の説明図である。
本実施例では、一例として、一のパスにおいて、照射位置の変化速度、すなわち溶接速度は、図15に示すように、一定であるものとする。約10msecのパスにおいて、照射位置の変化量(レーザビーム110の移動距離)は、好ましくは、1mmから2mmの範囲であり、本実施例では、一例として、約1.45mmである。そして、本実施例では、一例として、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の長さは、約2.9mmであるものとする。なお、1パルスあたりの最大の照射時間(本例では、約10msec)は、実質的には、1パルスあたりのグリーンレーザの照射エネルギから決まるので、溶接速度が同じである条件下で、1パルスあたりの照射エネルギが大きくなれば、1パルスあたりのレーザビーム110の移動距離は、より大きくすることができる。
具体的には、図14に示すように、一のパスは、位置P10から開始される。すなわち、位置P10から一のパルス発振が開始される。この場合、位置P10でレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がる(矢印R140参照)。そして、照射位置が位置P10から位置P12へと直線状に一定速度で変化される。この間、レーザ出力は所定値(本例では、一例として3.8kW)で維持される(矢印R141参照)。照射位置が位置P12に達すると、レーザ出力は所定値(本例では、一例として3.8kW)から0へと立ち下げられる(矢印R142参照)。すなわち、一のパルス発振が終了される。なお、照射位置が位置P12に達しても、照射位置は、更に距離Δ1(例えば図15の時間t0からの距離Δ1参照)だけ離れた位置P13に移動するまで変化されてもよい。この間、残留するレーザ出力に起因して僅かな溶接入熱が発生する(図14のQ14参照)。なお、変形例では、照射位置が位置P12又はその直前の位置(図示せず)に達した際に、照射位置の変化(一定速度での変化)が終了されてもよい。
このような照射態様によれば、位置P10にてレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がるが、実際のレーザ出力が所定値に達するまでの間は、溶接入熱は最大値までは一気に増加しない。このため、図14に変化特性150Lにて示すように、位置P10から位置P11までは溶接入熱は徐々に増加していく。そして、位置P12にてレーザ出力が0まで瞬時的に立ち下げられるが、この直前まで溶接入熱は最大値で維持されている。以下、このようなレーザ出力が0まで瞬時的に立ち下げられる照射態様を、後述する別の照射態様と区別するために、「ダウンスロープなしの照射態様」とも称する。
従って、ダウンスロープなしの照射態様では、一のパスの開始位置での溶接入熱は、当該一のパスの終了位置での溶接入熱に比べて有意に小さくなる傾向がある。
図16は、他の照射態様(以下、区別のため、「ダウンスロープ有りの照射態様」とも称する)の説明図であり、図14と同様、1パスに係るレーザ出力と溶接入熱とが、照射位置に応じて変化する態様を示す概略図である。図14と同様、図16では、照射位置に応じたレーザ出力の変化特性150Pと、照射位置に応じた溶接入熱の変化特性150Lとが概略的に示される。
なお、ダウンスロープ有りの照射態様についても、上述したダウンスロープなしの照射態様の場合と同様、一のパスにおいて、照射位置の変化速度、すなわち溶接速度は、図15に示したように、一定であるものとする。
具体的には、図16に示すように、一のパスは、位置P10から開始される。すなわち、位置P10から一のパルス発振が開始される。この場合、位置P10でレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がる(矢印R140参照)。そして、照射位置が位置P10から位置P12へと直線状に一定速度で変化される。照射位置が位置P10から位置P14までの間、レーザ出力は所定値(本例では、一例として3.8kW)で維持される(矢印R141参照)。照射位置が位置P14に達すると、レーザ出力は所定値(本例では、一例として3.8kW)から0へと段階的に立ち下げられる(矢印R143参照)。具体的には、照射位置が位置P14に達すると、レーザ出力は一段階だけ下げられ、照射位置が位置P12に達すると、レーザ出力は更に一段階だけ下げられ、照射位置が位置P15に達すると、レーザ出力は0へと立ち下げられる。なお、照射位置が位置P15に達しても、照射位置は、更に距離Δ1だけ離れた位置P16に移動するまで変化される。この間、残留するレーザ出力に起因して僅かな溶接入熱が発生する(図16のQ14参照)。距離Δ1は、上述したダウンスロープなしの照射態様の場合と同様であってもよいし、上述したダウンスロープなしの照射態様の場合と同様よりも短くてもよい。なお、変形例では、照射位置が位置P16に達した際に、照射位置の変化(一定速度での変化)は終了されてもよい。
このような照射態様(ダウンスロープ有りの照射態様)によれば、位置P10にてレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がるが、実際のレーザ出力が所定値に達するまでの間は、溶接入熱は最大値までは一気に増加しない。このため、図16に示すように、位置P10から位置P11までは溶接入熱は徐々に増加していく。ここまでの特性は、上述したダウンスロープなしの照射態様の場合と同様である。そして、位置P14にてレーザ出力が低下されるが、この直前まで溶接入熱は最大値で維持されている。位置P14を過ぎると、レーザ出力が位置P15で0になるように徐々に低下されるので、溶接入熱は、上述したダウンスロープなしの照射態様の場合よりも緩やかに低下していく。
なお、図16に示す例では、レーザ出力は所定値から2つの中間値を介して0へと低下されるが、中間値の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、各中間値の値自体も任意であり、各中間値は、レーザ出力が所定値から一定の低下幅で段階的に低下するように設定されてもよいし、レーザ出力が所定値から、変化する低下幅で段階的に低下するように設定されてもよい。また、レーザ出力の段階的な低下が生じる位置P14、P12や、レーザ出力が0となる位置P15は、任意であり、所望の特性(照射位置に応じた溶接入熱の変化特性150L)が得られるように適合されてよい。例えば、可能な場合には、図16に示す位置P14(ダウンスロープが開始する位置)は、位置P10から1.45mm離れた位置(図中の位置P12に対応する位置)と一致させてもよい。
ここで、上述のように、本実施例では、一の溶接対象箇所に対して2パス以上のグリーンレーザの照射が実行される。この際、一の溶接対象箇所に対して、上述したダウンスロープなしの照射態様によるレーザ照射が、すべてのパスに対して実現されてもよいし、上述したダウンスロープ有りの照射態様によるレーザ照射が、すべてのパスに対して実現されてもよい。あるいは、一の溶接対象箇所に対して、パスごとに照射態様を変化させる態様で、上述したダウンスロープなしの照射態様と上述したダウンスロープ有りの照射態様とが組み合わせられてもよい。
また、一の溶接対象箇所に対する2以上のパスのそれぞれは、溶接方向(照射位置の変化方向)が同一であってもよいし、溶接方向が一部の他のパスと異なってもよい。
以下、図17及び図18を参照して、一の溶接対象箇所に対して2つのパスのレーザ照射が実現される場合に関して、当該2つのパスに係る照射態様の組み合わせ例について説明する。
図17は、溶接方向(照射位置の変化方向)が同一である2つのパスにより溶接が実現される場合の説明図であり、上側は、照射位置に応じたレーザ出力の変化特性を概略的に示し、下側は、照射位置に応じた溶接入熱の変化特性を概略的に示す。照射位置に応じた溶接入熱の変化特性については、パスごとに分けて示し、図14及び図16とは異なり、下方に向かうほど、溶接入熱が大きいことを表す。面積W1は、1パス目の入熱量に関し、面積W2は、2パス目の入熱量に関する。また、図17では、照射位置に応じた溶接入熱の変化特性に対応付けて、溶接方向が矢印R171、R172で示される。矢印R171は、1パス目の溶接方向であり、矢印R172は、2パス目の溶接方向である。矢印R140、矢印R141、及び矢印R142の意味は、図14で説明したとおりである。図17には、説明上、X方向と、X方向に沿ったX1側及びX2側が定義されている。
図17に示す例では、1パス目及び2パス目は、ともに上述したダウンスロープなしの照射態様である。また、1パス目及び2パス目は、矢印R171、R172で示すように、溶接方向(照射位置の変化方向)が互いに同一であり、X方向に沿ってX1側からX2側へと照射位置が変化する方向である。
図17に示す例では、1パス目は、第1範囲D11にレーザビーム110を照射する一のパルス発振より実現され、2パス目は、第2範囲D12にレーザビーム110を照射する次の一のパルス発振により実現される。1パス目による溶接と2パス目による溶接は、協動して、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の全体をカバーする。
また、第1範囲D11及び第2範囲D12は、図17に示すように、互いに対して異なる部分を含む。具体的には、第1範囲D11及び第2範囲D12は、X方向で重複せずに連続する態様で設定される。すなわち、2パス目が開始される位置(図14の位置P10に対応する位置)は、1パス目が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)と一致する。
ただし、変形例では、第1範囲D11及び第2範囲D12は、互いに重複する部分を含んでもよい。例えば、2パス目が開始される位置(図14の位置P10に対応する位置)は、1パス目が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)に対してX1側にオフセットされてもよい。この場合、第1範囲D11は、溶接方向の下流側(X2側)の端部が、第2範囲D12における溶接方向の上流側(X1側)の端部と重なるものの、その他の部分が第2範囲D12と重なることはない。また、第2範囲D12は、溶接方向の上流側(X1側)の端部が、第1範囲D11における溶接方向の下流側(X2側)の端部と重なるものの、その他の部分が第1範囲D11と重なることはない。この場合、2パス目が開始される位置(図14の位置P10に対応する位置)は、好ましくは、2パス目におけるレーザ出力が所定値に維持される範囲(図14の位置P11から位置P12までの範囲に対応)が、1パス目におけるレーザ出力が所定値に維持される範囲(図14の位置P11から位置P12までの範囲に対応)に対してX方向で有意に重なることがないように、設定される。これにより、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1のうちの、2つのパスでカバーできる範囲(すなわち第1範囲と第2範囲とを組み合わせた範囲)を効率的に増加できる。
あるいは、逆に、2パス目が開始される位置は、1パス目が実質的に終了される位置に対してわずかにX2側にオフセットされてもよい。この場合、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1のうちの、2つのパスでカバーできる範囲(すなわち第1範囲と第2範囲とを組み合わせた範囲)を最大化することができる。ただし、この場合、2パス目が開始される位置は、1パス目により実現される溶接部分と2パス目により実現される溶接部分とがX方向で離間しないように設定される(すなわち継ぎ目の溶接が適切に実現されるように設定される)。
なお、図17に示す例では、1パス目及び2パス目は、ともに上述したダウンスロープなしの照射態様であるが、いずれか一方又は双方が、上述したダウンスロープ有りの照射態様であってもよい。
図18は、溶接方向(照射位置の変化方向)が異なる2つのパスにより溶接が実現される場合の説明図であり、上側は、照射位置に応じたレーザ出力の変化特性を概略的に示し、下側は、照射位置に応じた溶接入熱の変化特性を概略的に示す。照射位置に応じた溶接入熱の変化特性については、パスごとに分けて示し、図14及び図16とは異なり、下方に向かうほど、溶接入熱が大きいことを表す。面積W1は、1パス目の入熱量に関し、面積W2は、2パス目の入熱量に関する。矢印R171、R172の意味は、図17と同様である。また、矢印R140、矢印R141、及び矢印R142の意味は、図14で説明したとおりである。
図18に示す例では、図17に示す例と同様、1パス目は、第1範囲D11にレーザビーム110を照射する一のパルス発振により実現され、2パス目は、第2範囲D12にレーザビーム110を照射する次の一のパルス発振により実現される。1パス目による溶接と2パス目による溶接は、協動して、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の全体をカバーする。
また、図18に示す例では、図17に示す例と同様、1パス目及び2パス目は、ともに上述したダウンスロープなしの照射態様である。
ただし、図18に示す例では、図17に示す例に対して、1パス目と2パス目とで溶接方向(照射位置の変化方向)が異なる。具体的には、1パス目は、第1範囲D11におけるレーザビーム110の照射位置をX方向に沿ってX1側からX2側へと直線状に変化させる方向であるのに対して、2パス目は、第2範囲D12におけるレーザビーム110の照射位置をX方向に沿ってX2側からX1側へと直線状に変化させる方向である。すなわち、1パス目及び2パス目は、ともに、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の中心に向かって外側から照射が開始される。
また、図18に示す例では、図17に示す例と同様、第1範囲D11及び第2範囲D12は、図18に示すように、互いに対して異なる部分を含む。具体的には、第1範囲D11及び第2範囲D12は、X方向で重複せずに連続する態様で設定される。すなわち、2パス目が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)は、1パス目が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)と一致する。
ただし、変形例では、第1範囲D11及び第2範囲D12は、互いに重複する部分を含んでもよい。すなわち、2パス目が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)は、1パス目が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)に対して、X1側にわずかにオフセットされてもよいし、X2側にわずかにオフセットされてもよい。
ここで、図18に示す例では、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1のうちの両端部(X1側とX2側の端部)において、実際のレーザ出力が所定値よりも小さくなる。なお、図17に示す例では、対照的に、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1のうちの、X1側の端部のみにおいて、実際のレーザ出力が所定値よりも小さくなる。より具体的には、図18に示す例では、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1のうちの、X1側の端部では、X2側に向かうにつれて溶接入熱が徐々に増加し、かつ、X2側の端部では、X1側に向かうにつれて溶接入熱が徐々に増加する特性となる。このような特性は、溶接対象箇所90のX方向の両端部において、溶接対象物(個体)の溶接深さ方向の寸法が小さくなる構成に好適である。これは、溶接対象物(個体)における溶接深さ方向の寸法が不十分な部位に対して、溶接入熱が比較的大きくなると、キーホールが貫通する等により溶接の品質が損なわれやすいためである。
この点、本実施例では、図7に示したように、溶接対象箇所90を形成する2つの先端部40は、先細りの形態(軸方向外側端面42が湾曲する形態)である。従って、当接される先端部40同士の重なる範囲の溶接深さ方向の寸法(すなわち径方向に視たときの重なる範囲における、レーザビーム110の照射方向に沿った寸法)は、溶接対象箇所90のX方向の両端部の寸法L1の方が、溶接対象箇所90のX方向の中央部の同寸法L0よりも有意に小さい。このため、当接させた先端部40同士の重なる範囲の寸法であってレーザビーム110の照射方向の寸法は、第1範囲D11におけるX1側において、第1範囲D11におけるX2側よりも小さく、かつ、第2範囲D12におけるX2側において、第2範囲D12におけるX1側よりも小さい。
従って、図18に示す例によれば、溶接方向(照射位置の変化方向)が異なる2つのパスであって、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の中心に向かって外側から照射が開始される2つのパスによって、軸方向外側端面42が湾曲する形態の先端部40における溶接対象箇所90に対しても高い品質の溶接部を形成できる。
なお、図18に示す例では、1パス目及び2パス目は、ともに上述したダウンスロープなしの照射態様であるが、いずれか一方又は双方が、後述するように、上述したダウンスロープ有りの照射態様であってもよい。
また、図18に示す例(図17に示す例についても同様)では、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の全体を、2つのパスでカバーしているが、3つ以上のパスでカバーしてもよい。
ところで、一般的に、溶接は、シールドガス(例えば窒素ガス)を用いない環境下や、シールドガスを用いる環境下で実行される。シールドガスを用いない環境下では、先端部40のうちの、レーザビーム110により溶解した部分の凝固部が空気成分と結合して、体積膨張が生じる。すなわち、大気中の酸素が溶融池に溶け込み、凝固する際に酸化物等に起因して体積膨張が生じる。このような体積膨張が生じると、それに応じてモータ1の体格が増加する傾向となる(後述する樹脂モールドを行う際に、樹脂部の厚みが増加してモータ1の体格が増加する傾向となる)。なお、このような体積膨張は、上述のダウンスロープなしの照射態様によるパスにおける照射が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)で生じやすい傾向がある。これは、照射が実質的に終了される位置でレーザ出力の低下が急峻となり、凝固速度が速くなるため(それ故に酸素が閉じ込められやすいため)と考えられる。
図19は、体積膨張に起因した突起等の説明図であり、図18に示した2つのパスで溶接を実現した場合の溶接部の断面を示す図である。図19には、当接された2つの先端部40のうちの一方が図示されており、点線で囲まれた領域1900が溶接部(溶接深さを表している)である。図19には、1パス目に係る第1範囲D11と2パス目に係る第2範囲D12とが併せて示される。
図19から分かるように、図18に示した2つのパスで溶接を実現した場合、軸方向外側端面42における溶接対象箇所90において凹凸が生じている。特に、上述のダウンスロープなしの照射態様による2パス目における照射が実質的に終了される位置で、比較的大きな突起1902(軸方向外側に凸となる突起)が生じている。また、1パス目と2パス目との境界部分(継ぎ目)に、ブローホール1904が生じている。
そこで、本実施例では、好ましくは、上述したダウンスロープ有りの照射態様を利用して、かかる突起やブローホールを低減することを可能とする。以下、このような構成について、図20から図23を参照して説明する。
図20は、突起やブローホールを低減することを可能とする溶接方法の説明図であり、2パスのそれぞれについて、照射位置に応じたレーザ出力の変化特性を概略的に示す図である。図20の見方(後出の図22及び図23も同様)は、上述した図17と同様である。図20において、矢印R140、矢印R141、及び矢印R143の意味は、図16で説明したとおりである。また、矢印R143については、1パス目に関しては(1)が付され、2パス目に関しては(2)が付されている。
図20に示す例では、図18に示す例と同様、1パス目は、第1範囲D11にレーザビーム110を照射する一のパルス発振により実現され、2パス目は、第2範囲D12にレーザビーム110を照射する次の一のパルス発振により実現される。1パス目による溶接と2パス目による溶接は、協動して、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の全体をカバーする。
また、図20に示す例では、図18に示す例と同様、1パス目と2パス目とで溶接方向(照射位置の変化方向)が異なる。すなわち、1パス目及び2パス目は、ともに、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の中心に向かって外側から照射が開始される。
ただし、図20に示す例では、図18に示す例とは異なり、1パス目及び2パス目は、ともに上述したダウンスロープ有りの照射態様である。
具体的には、1パス目では、第1範囲D11のX1側の端点である位置P20にてレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がり(矢印R140参照)、位置P20に対して所定距離d1(図示せず)だけX2側の位置P21まで所定値(本例では、一例として3.8kW)が維持される(矢印R141参照)。そして、位置P21にてレーザ出力が第1中間値(本例では、一例として2.0kW)まで低下され、次いで、位置P21に対して所定距離d2(図示せず)だけX2側の位置P22にてレーザ出力が0まで低下される(矢印R143(1)参照)。
また、2パス目では、第2範囲D12のX2側の端点である位置P30にてレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がり(矢印R140参照)、位置P30に対して所定距離d3(図示せず)だけX1側の位置P31まで所定値(本例では、一例として3.8kW)が維持される(矢印R141参照)。そして、位置P31にてレーザ出力が第1中間値(本例では、一例として2.0kW)まで低下され、次いで、位置P31に対して所定距離d4(図示せず)だけX1側の位置P32にてレーザ出力が第2中間値(本例では、一例として1.0kW)まで低下され、次いで、位置P32に対して所定距離d5(図示せず)だけX1側の位置P33にてレーザ出力が0まで低下される(矢印R143(2)参照)。
なお、図20に示す例では、1パス目に係るレーザ出力の段階的な低下が開始される位置P21と、2パス目に係るレーザ出力の段階的な低下が開始される位置P31とは、一致しているが、X方向で離間されてもよい。例えば、位置P31は、位置P21に対してX1側にオフセットされてもよいし、X2側にオフセットされてもよい。
図21は、図19の対比として、図20に示す2つのパスで溶接を実現した場合の溶接部の断面を示す図である。図21には、当接された2つの先端部40のうちの一方が図示されており、点線で囲まれた領域2000が溶接部である。図21には、1パス目に係る第1範囲D11と2パス目に係る第2範囲D12とが併せて示される。
図21から分かるように、図20に示す2つのパスで溶接を実現した場合、軸方向外側端面42においては、溶接対象箇所90においても比較的滑らかな湾曲面が維持されている。すなわち、図20に示す2つのパスで溶接を実現した場合、図19で示したような凹凸が低減され、特に比較的大きな突起1902(図19参照)が発生していない。これは、2パス目の位置P31付近から位置P33までの照射によって、1パス目の終了位置付近で生じやすい突起(図19に示した突起1902のような突起)が均されるためと考えられる。すなわち、2パス目の位置P31付近から位置P33までの照射によって、1パス目の際に一度凝固した突起が再度溶融することで、当該突起が均されるためと考えられる。なお、本実施例では、上述のようにグリーンレーザを用いるので、上述のように吸収率が高く、第1中間値等のような比較的低いレーザ出力によっても、当該突起を溶融することが可能である。これは、かかる比較的低いレーザ出力では当該突起を溶融できない可能性が高い赤外レーザとは対照的である。
また、図21から分かるように、図20に示す2つのパスで溶接を実現した場合、図19で示したようなブローホール1904が発生していない。これは、2パス目の位置P31付近から位置P33までの照射によって、第1範囲D11のX2側の端部範囲(1パス目の終了位置付近の範囲)が再度溶融されるためと考えられる。
このようにして、図20に示す例によれば、2パス目に係る第2範囲D12が1パス目に係る第1範囲D11における照射の終了位置付近を含むことで、1パス目に係る第1範囲D11における照射の終了位置付近で生じやすい凝固部に起因した突起を、溶融させることができ、その結果、当該突起の高さを低減できる。これにより、モータ1の軸方向の体格を低減できる。
また、図20に示す例によれば、2パス目に係る第2範囲D12のうちの、1パス目に係る第1範囲D11における照射の終了位置付近と重複する部分(パス目の位置P31付近から位置P33までの部分)では、レーザ出力が段階的に低下される。これにより、所定値(本例では、一例として3.8kW)よりも低い中間値(第1中間値等)により、気泡等が発生し難い態様で、上述した突起を溶融させることができる。これにより、シールドガスを用いない環境下においても、2パス目自体に起因した突起であって2パス目の終了位置付近で同様に生じうる突起の発生を低減しつつ、上述した突起を滑らかに均すことが可能となる。
なお、図20に示す例では、1パス目は、上述したダウンスロープ有りの照射態様であるが、上述したダウンスロープなしの照射態様であってもよい。また、1パス目は、1つの中間値を介したダウンスロープ有りの照射態様であるが、2つ以上の中間値を介したダウンスロープ有りの照射態様であってもよい。
また、図20に示す例では、2パス目は、2つの中間値を介したダウンスロープ有りの照射態様であるが、1つ又は3つ以上の中間値を介したダウンスロープ有りの照射態様であってもよい。
また、図20に示す例では、2パス目は、上述したダウンスロープ有りの照射態様であるが、上述したダウンスロープなしの照射態様であってもよい。この場合、図22に示すように、図17に示した例と同様、1パス目及び2パス目のそれぞれの溶接方向(矢印R171、R172参照)を同一とし、かつ、2パス目が開始される位置(図14の位置P10に対応する位置)を、1パス目が実質的に終了される位置(図14の位置P12に対応する位置)に対してX1側にオフセットしてよい。この場合、2パス目に係る第2範囲D12のうちの、1パス目に係る第1範囲D11における照射の終了位置付近と重複する部分は、実際のレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)に達する前の段階である。これにより、所定値(本例では、一例として3.8kW)に達する前のレーザ出力により、気泡等が発生し難い態様で、上述した突起を溶融させることができる。これにより、図20に示した例と同様、上述した突起を滑らかに均すことが可能となる。
なお、図22に示した変形例では、1パス目及び2パス目は、ダウンスロープなしの照射態様であるが、1パス目及び2パス目のうちの少なくともいずれか一方は、ダウンスロープ有りの照射態様であってもよい。
また、図20に示す例では、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の全体を、2つのパスでカバーしているが、次に説明する図23に示す例のように、3つ以上のパスでカバーしてもよい。
図23は、突起やブローホールを低減することを可能とする他の溶接方法の説明図であり、3パスのそれぞれについて、照射位置に応じたレーザ出力の変化特性を概略的に示す図である。なお、面積W3は、3パス目の入熱量に関する。また、矢印R143については、1パス目に関しては(1)が付され、2パス目に関しては(2)が付され、3パス目に関しては(3)が付されている。なお、矢印R172は、3パス目の溶接方向である。
図23に示す例では、1パス目と2パス目とで溶接方向(照射位置の変化方向)は同じであり、X1側からX2側に向かう方向である。他方、2パス目と3パス目とで溶接方向(照射位置の変化方向)は異なる。すなわち、3パス目は、X2側からX1側に向かう方向である。
図23に示す例では、1パス目から3パス目は、すべて、上述したダウンスロープ有りの照射態様である。1パス目と2パス目との関係は、上述した図22に示した1パス目と2パス目との関係に対して、1パス目と2パス目がともにダウンスロープ有りの照射態様である点以外は、実質的に同じである。また、2パス目と3パス目との関係は、上述した図20に示した1パス目と2パス目との関係と実質的に同じである。
具体的には、1パス目では、図23に実線の特性で示すように、第1範囲D11のX1側の端点である位置P40にてレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がり(矢印R140参照)、位置P40に対してX2側の位置P41まで所定値(本例では、一例として3.8kW)が維持される(矢印R141参照)。そして、位置P41にてレーザ出力が第1中間値(本例では、一例として2.0kW)まで低下され、次いで、位置P41に対してX2側の位置P42にてレーザ出力が0まで低下される(矢印R143(1)参照)。
また、2パス目では、図23に破線の特性で示すように、第2範囲D12のX1側の端点である位置P50であって、位置P41よりもX1側の位置P50にてレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がり(矢印R140参照)、位置P50に対してX2側の位置P51まで所定値(本例では、一例として3.8kW)が維持される(矢印R141参照)。そして、位置P51にてレーザ出力が第1中間値(本例では、一例として2.0kW)まで低下され、次いで、位置P51に対してX2側の位置P52にてレーザ出力が0まで低下される(矢印R143(2)参照)。
また、3パス目では、図23に一点鎖線の特性で示すように、第3範囲D13のX2側の端点である位置P60にてレーザ出力が所定値(本例では、一例として3.8kW)まで立ち上がり(矢印R140参照)、位置P60に対してX1側の位置P61まで所定値(本例では、一例として3.8kW)が維持される(矢印R141参照)。そして、位置P61にてレーザ出力が第1中間値(本例では、一例として2.0kW)まで低下され、次いで、位置P61に対してX1側の位置P62にてレーザ出力が第2中間値(本例では、一例として1.0kW)まで低下され、次いで、位置P62に対してX1側の位置P63にてレーザ出力が0まで低下される(矢印R143(3)参照)。
図23に示す例によっても、図22に示した例と同様の原理により、1パス目に係る第1範囲D11における照射の終了位置付近で生じやすい凝固部に起因した突起を、2パス目により溶融させることができるとともに、図20に示した例と同様の原理により、2パス目に係る第2範囲D12における照射の終了位置付近で生じやすい凝固部に起因した突起を、3パス目により溶融させることができる。これにより、溶接部に生じうる突起を低減でき、モータ1の軸方向の体格を低減できる。
また、図23に示す例によれば、上述した図18に示した例と同様、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1のうちの両端部(X1側とX2側の端部)において、実際のレーザ出力が所定値よりも小さくなる。このような特性は、溶接対象箇所90のX方向の両端部において、溶接対象物(個体)の溶接深さ方向の寸法が小さくなる構成に好適である。
この点、本実施例では、図7に示したように、溶接対象箇所90を形成する2つの先端部40は、先細りの形態(軸方向外側端面42が湾曲する形態)である。このため、当接させた先端部40同士の重なる範囲の寸法であってレーザビーム110の照射方向の寸法は、第1範囲D11におけるX1側において、第1範囲D11におけるX2側よりも小さく、かつ、第3範囲D13におけるX2側において、第3範囲D13におけるX1側よりも小さい。従って、図23に示す例によれば、上述した図18に示した例と同様、溶接方向(照射位置の変化方向)が異なる2つのパスであって、溶接対象箇所90の周方向の範囲D1の中心に向かって外側から照射が開始される2つのパス(1パス目と3パス目の2つのパス)に係る溶接によって、軸方向外側端面42が湾曲する形態の先端部40における溶接対象箇所90に対しても高い品質の溶接部を形成できる。
なお、図23に示す例では、2パス目に係るレーザ出力の段階的な低下が開始される位置P51と、3パス目に係るレーザ出力の段階的な低下が開始される位置P61とは、一致しているが、X方向で離間されてもよい。例えば、位置P61は、位置P51に対してX1側にオフセットされてもよいし、X2側にオフセットされてもよい。
次に、図24を参照してステータ21の製造の流れについて概説する。図24は、ステータ21の製造の流れを概略的に示すフローチャートである。
ステータ21の製造方法は、まず、ステータコア22を準備し、かつ、ステータコイル24を形成するための、真っ直ぐなコイル片52(成形前のコイル片52)を準備する工程(S12)を含む。
続いて、ステータ21の製造方法は、コイル片52の先端部40(始端および終端)の絶縁被膜62を除去する除去工程(S14)を含む。この絶縁被膜62の除去方法としては、任意であるが、例えば、絶縁被膜62は、刃具を用いて機械的に除去されてもよいし、エッチング等により化学的に除去されてもよい。また、絶縁被膜62は、レーザを用いて熱的に除去されてもよい。
なお、コイル片52同士を接合するためには、少なくとも、先端部40のうち実際に接合される面の絶縁被膜62のみが除去されていればよく、その他の面(裏面または表面の他方の面、および、側面)の絶縁被膜62は、残っていてもよい。
続いて、ステータ21の製造方法は、除去工程後に、真っ直ぐなコイル片52を、金型等を用いて屈曲させ、成形する成形工程(S16)を含む。例えば、コイル片52を、図6に示したような、一対の直進部50と、一対の直進部50を連結する連結部54と、を有した略U字状に成形する。なお、ステップS16及びステップS14の順番は入れ替わっていてもよい。
続いて、ステータ21の製造方法は、成形工程後に、コイル片52を、ステータコア22のスロット220に挿入する装着工程(S18)を含む。挿入工程は、全てのコイル片52の挿入が完了した段階で完了する。
続いて、ステータ21の製造方法は、挿入工程後に、直進部50のうち、各スロット220から突出している部分を、専用の治具を用いて、周方向に倒す変形工程(S20)を含む。これにより、直進部50は、スロット220内において軸方向に延びる脚部56と、軸方向一端側において周方向に延びる渡り部58とになる。
続いて、ステータ21の製造方法は、変形工程後に、周方向第1側(例えば時計回りの向き)に延びる一のコイル片52の渡り部58の先端部40と、周方向第2側(例えば反時計回りの向き)に延びる他の一のコイル片52の渡り部58の先端部40と、を接合する接合工程(S22)を含む。本実施例では、上述のように、2つの先端部40は、溶接により接合される。接合工程(レーザ溶接による接合工程)の詳細は、上述のとおりである。2つの先端部40ごとに溶接が実行され、すべての組の2つの先端部40が溶接されると、接合工程が終了する。
続いて、ステータ21の製造方法は、接合工程後に、仕上げ工程(S24)を含む。仕上げ工程は、例えば上述のようにコイル片52を組み付けることで形成されるコイルエンド220A、220Bに対して絶縁処理を行う工程等を含んでよい。なお、絶縁処理は、コイルエンド220A、220Bの全体を封止する態様で樹脂をモールドする処理であってよいし、ワニス等を塗布する処理であってもよい。
次に、図25を参照してグリーンレーザによる溶接熱の影響について説明する。
図25は、グリーンレーザによる溶接時の温度履歴の測定結果を示す図である。図25では、横軸に時間を取り、縦軸に温度(図25では、「Temperature」と表記)を取り、グリーンレーザによる溶接時の温度履歴が示される。図25に示す温度履歴は、軸方向外側端面42の溶接対象箇所90の近傍の温度を熱電対で測定した結果に基づく。なお、図25において、時点t1は、照射開始時点を表す。
ところで、一般的に溶接時には熱が発生するので、溶接により発生した熱によって、コイル片52の絶縁被膜62が損傷(炭化)する場合がある。ここで、損傷(炭化)した絶縁被膜62上には、絶縁材料(例えば樹脂や、ワニス等)を付与するのが困難になるため、溶接後におけるステータコイル24の絶縁性能が悪化する可能性がある。
この点、本実施例によれば、図25に示すように、溶接時の最高温度は約99℃に留まる。これは、グリーンレーザを用いることで、上述のように入熱量が有意に低減されるためである。なお、約99℃は、エナメルの炭化が生じる温度である180℃よりも有意に低い。このように、本実施例によれば、グリーンレーザを用いることで、コイル片52の絶縁被膜62の損傷が生じ難くすることができる。従って、本実施例によれば、絶縁被膜62を除去する除去工程(S14)(図24参照)において、先端部40のうちの接合される面の絶縁被膜62のみを除去し、その他の面の絶縁被膜62を残存させることが可能となりうる。
次に、図26を参照して、グリーンレーザによる溶接に係る異物耐性について説明する。
図26は、異物耐性を検証するための試験の説明図である。ここでは、図26に示すように、当接される先端部40同士の重なる範囲を6分割し、分割して得られる6つの領域A1からA6のいずれかに、絶縁被膜62を形成するエナメル被膜の小片を挟み込み(径方向で先端部40間に挟み込み)、グリーンレーザによる溶接を行った。そして、小片の挟み込み領域や小片のサイズを変更させてグリーンレーザによる溶接を行い、異物耐性を評価した。その結果、例えば、領域A1や領域A3においては、サイズ0.7mm×0.7mmの小片を挟み込んだ場合でも、溶接ビードの表面に穴空き等の欠陥が生じなかった。同様に、領域A2においては、サイズ1.0mm×1.0mmの小片を挟み込んだ場合でも、溶接ビードの表面に穴空き等の欠陥が生じなかった。その他も領域についても同様であった。これに対して、赤外レーザによる溶接の場合、サイズ0.2mm×0.2mmの小片を挟み込んだ場合に、溶接ビードの表面に穴空きが生じ、グリーンレーザによる溶接の異物耐性の高さを確認できた。
次に、図27から図29を参照して、グリーンレーザのレーザビーム110の好ましいプロファイルについて説明する。
図27は、本実施例によるグリーンレーザのレーザビーム110の焦点における出力分布の説明図である。図28は、図27の出力分布に関する説明図である。図29は、比較例による同出力分布の説明図である。
図27では、横軸に位置を取り、縦軸にエネルギを取り、グリーンレーザのレーザビーム110の出力分布特性が示される。なお、図27に示す出力分布特性は、図28に示すようなレーザビームの焦点を通る平面L25(照射方向に垂直な平面)内の特定の線分上の分布特性に対応する。この場合、特定の線分は、レーザビームの中心を通る線分である。レーザビームの中心とは、ビーム径に係る中心に対応する。換言すると、レーザビームは伝播方向に直交した面内において光強度の分布を有し、図27は、当該面内における光強度の分布を1次元で表現している。これは、図29も同様である。なお、図27から図29では、ビーム径に係る中心に対応する位置Cが横軸上に示される。
本実施例では、グリーンレーザのレーザビーム110は、図27にてQ24部内に示すように、中心部が平坦状となる出力特性分布を有する。すなわち、本実施例では、いわゆるトップハットビームが利用される。このようなビームプロファイルは、図29に示すようなガウシアンビームとは対照的である。すなわち、図29に示すようなガウシアンビームでは、Q25部内に示すように、中心部が鋭角になるのに対して、図27に示すようなトップハットビームでは、Q24部内に示すように、中心部が平坦状である。なお、図29に示すガウシアンビームと比較すると、図27に示すトップハットビームは、ビーム径が実質的に同じ状態において、エネルギのピーク値が有意に低くなる反面、エネルギのピーク値を有する範囲が広くなる。なお、図27では、中心部が完全に平らな出力特性分布であるが、中心部は、ガウシアンビームに係る鋭角に比べて有意に鈍角となる態様で上に僅かな凸状であってもよいし、微小な凹凸を有してもよい。「中心部が平坦状」とは、このような僅かな凸状等をも含む概念である。
なお、出力特性分布やビーム径の測定方法は、適切なビームプロファイラ等を用いて測定できる。ビーム径は、例えば、強度が最大強度の半分となるときの直径に対応してもよいし、強度分布の2次モーメントの値が1/eとなるレベルに基づいて決定されてよい。
なお、トップハットビームの形成方法自体は広く知られており、任意の方法が利用されてもよい。例えば、アキシコンレンズやホモジナイザー、適切なビームシェイパー(トップハットジェネレータ)を用いてトップハットビームを形成できる。この場合、ビームシェイパーは、コリメートされたガウシアンビームをコリメート状態のトップハットビームに変換する。
ところで、上述したように、グリーンレーザの場合、吸収率が比較的高いため、ビーム径を比較的大きくする(例えばφ0.1mm以上)ことが可能であり、キーホールを大きくして安定化することができる。
また、トップハットビームの場合、中心部が平坦状となる出力特性分布を有するため、ガウシアンビームの場合に比べて、キーホールに係る領域全体にわたるエネルギの変動(レーザパワー密度の分布における変動)が小さくなり、キーホールを安定化することができる。これにより、トップハットビームの場合、ガウシアンビームの場合に比べて、スパッタを大幅に低減できる。スパッタに関して本発明者が行った試験では、ガウシアンビームの場合にスパッタ飛散数が72個であったのに対して、トップハットビームの場合にスパッタ飛散数が16個であり、大幅な低減が確認できた。なお、赤外レーザのガウシアンビームの場合は、スパッタ飛散数が369個と非常に多い数であった。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、ステータコイル24は、セグメントコイルの形態の複数のコイル片52により形成されるが、これに限られない。例えば、ステータコイル24は、ティース22Bに複数回巻回(成形)された集中巻きのコイルの形態であってもよい。
1・・・モータ(回転電機)、24・・・ステータコイル、52・・・コイル片、40・・・先端部、401・・・当接面、110・・・レーザビーム、90・・・溶接対象箇所

Claims (4)

  1. 回転電機のステータコイルを形成するための一のコイル片と他の一のコイル片の先端部同士を当接させる工程と、
    当接させた前記先端部に係る溶接対象箇所に、0.6μm以下の波長のレーザビームを照射する溶接工程とを含み、
    前記レーザビームの焦点における出力分布は、中心部が平坦状である、回転電機用ステータ製造方法。
  2. 前記レーザビームの焦点におけるビーム径は、φ0.1mm以上である、請求項1に記載の回転電機用ステータ製造方法。
  3. 前記溶接工程は、一のパルス発振で発生させる前記レーザビームを第1範囲に照射する第1照射工程と、前記第1照射工程の後に、他の一のパルス発振で発生させる前記レーザビームを第2範囲に照射する第2照射工程とを含み、
    前記第2範囲は、前記第1照射工程での前記レーザビームの照射終了時の照射位置を含む、請求項1又は2に記載の回転電機用ステータ製造方法。
  4. 当接させた前記先端部同士の重なる範囲の寸法であって前記レーザビームの照射方向の寸法は、前記第1範囲における前記第1側において、前記第1範囲における前記第2側よりも小さく、かつ、前記第2範囲における前記第2側において、前記第2範囲における前記第1側よりも小さい、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の回転電機用ステータ製造方法。
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