JP7335301B2 - ノイズ調整装置及びノイズ調整方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ノイズを調整する技術に関する。
近年のFPGA(Field-Programmable Gate Array)の内部回路の高密度化と動作速度の高速化に伴い、メモリエラーなどにより、FPGAを使用する装置の誤動作を誘発するという問題が生じている。その理由は、FPGAの内部回路の動作率を高くし、クロックの速度を上昇させると、内部回路の動作負荷が高い場合には、電源ノイズや放射ノイズが発生するためである。装置の評価時及び検査工程では、FPGAの内部回路の高密度化と動作速度の高速化に伴う問題が発生した場合、内部回路の高密度化と動作速度の高速化が行われていないFPGAを使用する装置の調査方法を使用することは困難である。そのため、内部回路の高密度化と動作速度の高速化がなされたPFGAを使用する装置の調査及び検査は、手動で行われていた。そのため、調査及び検査に多くの時間が費やされていた。
これらの問題を解決するには、FPGAを搭載した基板側の電源とグラウンド間にセラミックコンデンサ、タンタルコンデンサ、EMI(Electromagnetic Interference)対策部品を実装することが考えられる。この方法は、ノイズを低減する点で有効である。しかし、部品のコストが高く、実装スペースが狭くなるという課題もあった。
また、特許文献1乃至4には、FPGAを使用する装置に使用可能な技術が開示されている。
特許文献1には、半導体集積回路において、通常論理回路がない空きエリアにフィラーセルの代わりに配置されている複数の電源ノイズ発生回路と、電源不老回路を制御する制御回路を含む半導体集積回路が記載されている。特許文献1の技術では、制御回路によって制御することによって、意図したエリアだけに意図したタイミングで電源ノイズを発生させる。
特許文献2には、半導体装置のノイズ量を測定し、ノイズ量の測定結果に応じてデカップリング容量を可変させる半導体装置が記載されている。
引用文献3には、回路基板のグランド電圧と集積回路内部のグランド電圧とが入力される差動アンプ回路によってグランドバウンスを検出し、その差動アンプ回路の出力を集積回路外部へ出力する端子を備える集積回路が記載されている。
特許文献4には、複数のスルーホールを上部電極とし、上部電極と誘電体層を介して形成された下部電極とにより構成されるキャパシタが形成されている多層配線基板が記載されている。
特開2007-232622号公報 特開2008-085321号公報 特開2009-180502号公報 特開2005-026670号公報
特許文献1及び2の技術では、ノイズを検出する回路を含まないので、ノイズを検出することができない。
特許文献3の技術では、回路基板に実装される集積回路において、グランドバウンスを検出可能な集積回路が提供され、ノイズの検出方法としてグランドバウンス検出部の出力を前記集積回路外部へ出力する端子が設けられたことを特徴としている。しかし、グランドバウンスが、装置の誤動作を誘発する直接要因であるかどうかは判定できない点が課題である。そのため、この方式では、装置の不具合調査及び検査工程の歩留まり調査を行う場合、ノイズの検出方法としては不十分であり、調査に多くの時間が費やされる。さらに、この方式では、集積回路の内部動作率や内部周波数を自由に可変できない。特許文献3の技術では、プリント基板に実装される集積回路は、内部動作負荷の大きさは一定であるため、プリント基板上に定常的な電源ノイズや放射ノイズしか発生しない。そのため、内部動作率や内部クロック周波数を可変した複数の集積回路(FPGAの場合は、プログラムの書き換えが必要)を用意する必要があり、多くの作業時間が費やされるという課題がある。装置の不具合調査及びFPGA検査工程の歩留まり調査などに使用した場合、疑似的ノイズを発生させる場合、特許文献3の技術は、疑似的ノイズを発生させる技術として不十分である。
特許文献4の技術では、基板上に配線層と絶縁層とを積層してなる多層配線基板において、コア基板の一方の面にキャパシタを配置し、基板間に挟み込んだ構成としている。このような多層配線基板を用いる製造方法では、キャパシタの誘電体層の材料、厚さを容易に変更できないという課題がある。
図2は、本開示の比較例に係る多層基板を模式的に表す図である。例えば、評価者が、図2に示すような、FPGAを搭載した多層基板を予め製作準備しなければならない。この多層基板は、キャパシタの誘電体層の材料、厚さを可変した基板A(6層基板コア材使用)、基板B(6層基板キャパシタ材充填10μm)、基板C(6層基板キャパシタ材充填20μm)を含む。また、評価者が、基板の電源ノイズ、放射ノイズを手動で測定し、キャパシタ材の有効性を判定している。そのため、複数基板を作成するためにコストがかかる上、多くの評価時間を必要としている。
本開示の目的の1つは、装置のコストを低減するとともに装置の不具合を調査する時間を短縮できるノイズ調整装置などを提供することである。
本開示の一態様に係るノイズ調整装置は、回路が形成された基盤に対して、複数の強度のノイズを発生させるノイズ発生部と、発生した前記ノイズを検出するノイズ検出部と、前記ノイズを低減するノイズ低減部と、を備える。
本開示の一態様に係るノイズ調整方法は、回路が形成された基盤に対して、複数の強度のノイズを発生させ、発生した前記ノイズを検出し、前記ノイズを低減する。
本開示には、装置のコストを低減するとともに装置の不具合を調査する時間を短縮できるという効果がある。
図1は、本開示の第1の実施形態に係る回路を模式的に表す図である。 図2は、本開示の比較例に係る多層基板を模式的に表す図である。 図3は、本開示の第1の実施形態に係るノイズ発生部の構成の例を表すブロック図である。 図4は、本開示の第1の実施形態に係る動作負荷可変回路の構成を模式的に表す図である。 図5は、本開示の第1の実施形態に係るノイズ検出部の構成の例を示すブロック図である。 図6Aは、本開示の第1の実施形態に係るキャパシタ可変部の構成を表す図である。 図6Bは、FPGAの底面から見た、本開示の第1の実施形態に係るキャパシタ可変部を表す図である。 図7は、本開示の第1の実施形態に係るFPGAを搭載したプリント基板の構造を表す図である。 図8は、本開示の第1の実施形態の実装例に係るプリント基板の全体の構成を表す図である。 図9は、本開示の第1の実施形態の実装例に係るキャパシタ可変部の詳細な構成を表す図である。 図10Aは、本開示の第1の実施形態に係るプリント基板の動作の例の全体を示すフローチャートである。 図10Bは、本開示の第1の実施形態に係るプリント基板のノイズ発生・検出処理の動作の例の全体を示すフローチャートである。 図11は、本開示の第1の実施形態の実装例に係る動作負荷可変回路の詳細な構成を示す図である。 図12は、本開示の第1の実施形態に係る動作負荷可変回路のレジスタ回路の信号の推移を示すタイムチャートである。 図13は、本開示の第1の実施形態に係るノイズ検出部の信号の推移を表すタイムチャートである。 図14Aは、本開示の第1の実施形態の他の実装例に係る、FPGAを搭載したプリント基板の構造の例を表す図である。 図14Bは、本開示の第1の実施形態の他の実装例に係る、FPGAを搭載したプリント基板の断面図を表す図である。 図15は、本開示の第2の実施形態に係るノイズ調整装置の構成の例を表すブロック図である。 図16は、本開示の第2の実施形態に係るノイズ調整装置の動作の例を表すフローチャートである。
以下では、本開示の実施形態について、図面を使用して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
<構成>
図1は、本開示の第1の実施形態に係る回路を模式的に表す図である。図1に示す例は、回路の主要部を表す。回路は、例えば、プリント基板上に実装される。図1に示す例では、回路は、FPGA(集積回路)1と、LED表示部5と、LED表示部6(Light Emitting Diode)と、DC/DC7(Direct Current)と、キャパシタ電圧制御回路86とを含む。図1に示す例では、回路は、セラミックコンデンサ88を含んでいるが、回路は、セラミックコンデンサ88を含んでいなくてよい。DC/DC7は、DC/DCコンバータである。DC/DC7には、電源82から電力が供給される。
FPGA(集積回路)1は、ノイズ発生部2と、ノイズ検出部3と、キャパシタ可変部4とを含む。
<ノイズ発生部2>
ノイズ発生部2は、プリント基板上に電源ノイズ及び放射ノイズを疑似的に発生させる。「疑似的」は、例えば、ノイズ発生部2が発生するノイズが、ノイズを発生することが目的ではない回路が発生するノイズではないことを表す。ノイズ発生部2は、例えばあらかじめ定められている、複数の動作負荷率のいずれか1つで、ノイズを発生させる。疑似的に発生させられたノイズの波形は、他の回路などが発生させるノイズの波形と異なっていてよい。疑似的に発生させられたノイズを、疑似的なノイズとも表記する。動作負荷率は、例えば、ノイズ発生部2が発生する最も強いノイズに対する、発生中のノイズの強さの割合を示す。動作負荷率は、例えば、1%、10%、50%、又は、100%である。動作負荷率は、以上の例に限られない。
そして、ノイズ発生部2は、疑似的なノイズを発生している間、ノイズを発生しているレジスタ回路の動作負荷率を表すノイズ動作負荷率信号9を外部端子から出力する。ノイズ発生部2の外部端子から出力されたノイズ動作負荷率信号9は、LED表示部5に入力される。ノイズ発生部2は、ノイズ動作負荷率信号9を、外部端子を介してLED表示部5に入力することによって、LED表示部5を点灯させる。
<LED表示部5>
LED表示部5は、ノイズ発生部2からノイズ動作負荷率信号9を受け取る。LED表示部5は、ノイズ動作負荷率信号9を受け取っている間、受け取ったノイズ動作負荷率信号9が表す動作負荷率を示すように点灯する。LED表示部5は、例えば、数字を表す形状で点灯する1つ以上のLED、点灯しているLEDの数、又は、点灯しているLEDの位置などによって、動作負荷率を示すように点灯する。それにより、使用者は、LED表示部5を目視することで、動作負荷率を視認できる。
<ノイズ検出部3>
ノイズ検出部3は、ノイズ発生部2を動作させた状態(すなわち、ノイズ発生部2によって疑似的なノイズが発生している状態)で、発生している疑似的なノイズを検出する。ノイズ検出部3は、ノイズを検出している間、ノイズが検出されたことを示すノイズ検出信号8を外部端子から出力する。ノイズ検出部3の外部端子から出力されたノイズ検出信号8は、LED表示部6に入力される。ノイズ検出部3は、ノイズ検出信号8を、外部端子を介してLED表示部6に入力することによって、LED表示部6を点灯させる。また、ノイズ検出部3の外部端子から出力されたノイズ検出信号8は、キャパシタ電圧制御回路86にも入力される。
<LED表示部6>
LED表示部6は、ノイズ検出部3から、ノイズ検出信号8を受け取る。LED表示部6は、ノイズ検出信号8を受け取っている間、点灯する。それにより、使用者は、LED表示部6を目視することで、ノイズ検出の有無を判定できる。
<キャパシタ電圧制御回路86>
キャパシタ電圧制御回路86には、DC/DC7からFPGA電圧10が入力されている。また、キャパシタ電圧制御回路86には、ノイズ検出部3から、ノイズ検出信号8が入力される。キャパシタ電圧制御回路86にノイズ検出信号8が入力されると、キャパシタ電圧制御回路86は、キャパシタ可変部4に、キャパシタ電圧87を供給する。
<セラミックコンデンサ88>
セラミックコンデンサ88は、DC/DC7の出力に接続され、電源ノイズを低減する。
<キャパシタ可変部4>
上述のように、キャパシタ電圧制御回路86にノイズ検出信号8が入力されると、キャパシタ可変部4は、キャパシタ電圧制御回路86からキャパシタ電圧87が供給される。キャパシタ電圧制御回路86からキャパシタ電圧87が供給されると、キャパシタ可変部4は、コンデンサ容量と同様に電源ノイズや放射ノイズを容易に低減する。そのため、図1に示す例ではDC/DC7の出力に接続されているセラミックコンデンサ88を削除することが可能である。
<詳細な構成>
次に、上述の回路の構成について、さらに詳細に説明する。
<ノイズ発生部2の詳細>
上述のように、ノイズ発生部2は、FPGAの内部動作負荷の大きさを変えることができる。そして、ノイズ発生部2は、プリント基板上に疑似的ノイズの大きさを変えることができる。
図3は、ノイズ発生部2の構成の例を表すブロック図である。図3に示す例では、ノイズ発生部2は、クロック速度可変回路11と、動作負荷可変回路12とを含む。
<クロック速度可変回路11>
クロック速度可変回路11は、水晶発振器13から供給される信号に基づいて、クロック信号16を生成し、生成したクロック信号16を、動作負荷可変回路12に供給する。以下の説明では、クロック速度可変回路11は、クロック速度を3段階に自動的に切り替える。
<動作負荷可変回路12>
動作負荷可変回路12には、クロック速度可変回路11からクロック信号16が供給される。動作負荷可変回路12は、FPGAの内部の動作負荷を4段階に自動的に切り替える。動作負荷可変回路12は、I/O(Input/Output)出力(例えば、I/O出力信号14)を外部に出力する。動作負荷可変回路12は、が出力したI/O出力信号14は、例えば、セラミックコンデンサ部15に入力される。
<水晶発振器13>
水晶発振器13は、クロックをクロック速度可変回路11に供給する。
<セラミックコンデンサ部15>
セラミックコンデンサ部15は、動作負荷可変回路12から、I/O出力信号14を受け取る。
<動作負荷可変回路12の詳細>
次に、動作負荷可変回路12について、さらに詳細に説明する。
図4は、動作負荷可変回路12の構成を模式的に表す図である。図4に示す例では、動作負荷可変回路12は、レジスタ回路1%ブロック21、レジスタ回路9%ブロック22、レジスタ回路40%ブロック23、及び、レジスタ回路50%ブロック24の4つに区分されている。レジスタ回路1%ブロック21は、動作負荷可変回路12のレジスタ回路のうち、1%のレジスタ回路を含む。レジスタ回路9%ブロック22は、動作負荷可変回路12のレジスタ回路のうち、9%のレジスタ回路を含む。レジスタ回路40%ブロック23は、動作負荷可変回路12のレジスタ回路のうち、40%のレジスタ回路を含む。レジスタ回路50%ブロック24は、動作負荷可変回路12のレジスタ回路のうち、50%のレジスタ回路を含む。図4の例では、レジスタ回路1%ブロック21の出力端子として、262本の出力端子が割り当てられている。レジスタ回路9%ブロック22の出力端子として、1の出力端子が割り当てられている。レジスタ回路40%ブロック23の出力端子として、1の出力端子が割り当てられている。レジスタ回路50%ブロック24の出力端子として、1の出力端子が割り当てられている。これらの出力端子の割り当てにより、4段階の動作負荷率を、信号が出力されている外部端子を判定することによって判別できる。レジスタ回路の区分及び出力端子の割り当ては、図4の例に限られない。
<ノイズ検出部3の詳細>
次に、ノイズ検出部3について、図面を使用してさらに詳細に説明する。本実施形態に係るノイズ検出部3は、プリント基板上でFPGAと接続された非ECC(Error-correcting code)メモリに対してデータを送受信した後、送信データと受信データを比較する。ノイズ検出部3は、データに誤りがある場合(すなわち、送信データと受信データとが異なる場合)、ノイズが検出されたことを示す信号を、ノイズ検出信号8として外部へ出力する。
図5は、本実施形態に係るノイズ検出部3の構成の例を示すブロック図である。図5に示す例では、ノイズ検出部3は、タイマ回路54、データ送受信回路51、メモリコントローラ52、比較回路55、ノイズ検出ON/OFF制御回路56、カウンタ回路58を含む。メモリコントローラ52は、非ECCメモリ53と接続されている。非ECCメモリ53は、プリント基板上に(具体的には、上述の回路の一部として)に実装されている。
<タイマ回路54>
タイマ回路54には、前述のノイズ発生部2(具体的には、ノイズ発生部2の動作負荷可変回路12)から、ノイズ動作負荷率信号9が入力される。また、タイマ回路54には、前述のクロック速度可変回路11から、クロック信号16が供給される。
タイマ回路54は、ノイズ動作負荷率信号9を受信すると、供給されるクロック信号16のパルス数のカウントを開始する。そして、タイマ回路54は、タイマ信号59を出力する。タイマ信号59は、データ送受信回路51と、カウンタ回路58とに入力される。
<カウンタ回路58>
カウンタ回路58には、タイマ回路54から、タイマ信号59が入力される。カウンタ回路58は、タイマ信号のパルス数をカウントし、カウントされたパルス数を示す信号を出力する。カウントされたパルス数を示す信号は、動作負荷可変回路12に入力される。
<データ送受信回路51>
データ送受信回路51には、タイマ信号59が入力される。データ送受信回路51は、タイマ信号59が入力されると、データ送信信号60を出力する。データ送受信回路51によって出力されたデータ送信信号60は、メモリコントローラ52に入力される。データ送信信号60は、メモリライトデータ61を示す信号を含んでいてよい。メモリライトデータ61は、予め適宜定められているデータであってよい。
データ送受信回路51は、メモリリードデータ62を示す信号を受け取る。データ送受信回路51は、メモリライトデータ61とメモリリードデータ62との一致の割合を示すビット誤り率を計算する。データ送受信回路51は、ビット誤り率を出力する。出力されたビット誤り率は、比較回路55に入力される。
<メモリコントローラ52>
メモリコントローラ52は、データ送受信回路51から、データ送信信号60を受け取る。データ送信信号60を受け取ると、メモリコントローラ52は、非ECCメモリ53に対しメモリライトデータ61を送信し、非ECCメモリ53からメモリリードデータ62を受信する。メモリコントローラ52は、受信したメモリリードデータ62を、データ送受信回路51に出力する。
<比較回路55>
データ送受信回路51から出力された、メモリライトデータ61とメモリリードデータ62との一致の割合を示す、計算されたビット誤り率が、比較回路55に入力される。比較回路55は、計算されたビット誤り率と、予め設定されている、ビット誤り率の設定値63とを比較する。計算されたビット誤り率が、設定値63を超えた場合、比較回路55は、比較回路出力信号64を出力する。比較回路55が出力した比較回路出力信号64は、ノイズ検出ON/OFF制御回路56に入力される。
<ノイズ検出ON/OFF制御回路56>
ノイズ検出ON/OFF制御回路56は、比較回路出力信号64が入力されると、ノイズ検出信号8を出力する。ノイズ検出信号8は、LED表示部6に入力される。ノイズ検出信号8が入力されると、LED表示部6は点灯する。それにより、使用者は、装置評価や製造の検査工程などでLED表示部6を目視することで、ノイズの検出の有無を確認することが可能である。
<キャパシタ可変部4の詳細>
次に、キャパシタ可変部4について、図面を使用して詳細に説明する。
図6Aは、キャパシタ可変部4の構成を表す図である。図6Aに示す例では、キャパシタ可変部4は、キャパシタA61、キャパシタB62、キャパシタC63、キャパシタD64を含む。このようなキャパシタ可変部4は、FPGAの多層基板の底面の4つの部分に異なるキャパシタ材を充填蒸着させることによって実現される。
図6Bは、FPGAの底面から見たキャパシタ可変部4を表す図である。言い換えると、図6Bは、FPGAの底面に向かう視線方向で見たキャパシタ可変部4を表す。
図7は、本実施形態に係るFPGAを搭載したプリント基板の構造を表す図である。図7に示すように、本実施形態に係るFPGAを搭載したプリント基板の構造は、FPGAの多層基板の電源プレーンとプリント基板のGNDプレーンとの間に、キャパシタ材が充填蒸着されたキャパシタ可変部4を挟み込む構造である。そのため、本実施形態では、キャパシタ材の厚さや大きさを容易に最適化することが可能である。このような構造によって、キャパシタ材の厚さ、キャパシタの位置、大きさなども自由に可変することが可能となる。さらに、PFGA直下にキャパシタ材を埋め込むことによって、プリント基板にキャパシタ材を挟み込む方式と比較して、FPGAとの距離を短くすることできる。そのため、FPGAの電源ノイズ及び放射ノイズを、さらに良好に抑制することが可能である。従って、図1に示す例では、DC/DC7の出力には、セラミックコンデンサ88が搭載されているが、これらのセラミックコンデンサ88を削減することができるという効果がえられる。
<実装例>
本実施形態は、イーサネットルータなどに使用されるFPGAを搭載したプリント基板に適用できる。以下では、ノイズ発生部2、ノイズ検出部3、ノイズを低減するキャパシタ可変部4を実現する実装例について詳細に説明する。
図8は、本実装例に係るプリント基板の全体の構成を表す図である。具体的には、図8は、SoC FPGA(System-on-a-Chip Field Programmable Gate Array)80が搭載されたプリント基板89の全体構成を表す。
SoC FPGA80は、FPGA1、HPS(Hard Processor System)101、キャパシタ可変部4を含む。
FPGA1は、ユーザによる書き込み及び消去が可能な領域である。(1)ノイズ発生、及び、(2)ノイズ検出は、この領域を使用して実現される。HPS101は、CPU102、USB(Universal Serial Bus)コントローラ103、FLASH ROM(Read Only Memory)コントローラ105、SPI(Serial Peripheral Interface)107、I2C(Inter-Integrated Circuit)109を含む。プリント基板上において、USBコントローラ103には、USBコネクタ104が接続されている。FLASH ROMコントローラ105には、FLASH ROM106が接続されている。SPI107には、シリアルROM108が接続されている。I2C109には、温度センサ110、電圧センサなどが接続されている。
(1)ノイズ発生
まず、ノイズの発生時の動作について説明する。
プリント基板上のPOW SW(Power Switch)81が押下されると、電源82からDC/DC7へ電源が供給される。DC/DC7はSoC FPGA80にFPGA電圧10を供給する。
ノイズ発生部2には、外部の水晶発振器13(例えば40MHz(Mega Hertz))から発振器信号90が入力される。クロック速度可変回路11は、クロック速度可変回路11の内部のPLL(Phase Loccked Loop)回路84によって、入力された発振器信号90を逓倍する。具体的には、クロック速度可変回路11は、入力された発振器信号90を、例えば3段階(例えば200MHz、400MHz、800MHz)のいずれかの周波数になるように逓倍する。クロック速度可変回路11は、これらの3段階の周波数を切り替えながら、逓倍された発振器信号90を、クロック信号16として出力する。なお、PLL回路84の分周器は、5分周(入力が40MHz、分周器が5分周とすると出力は5倍の200MHzとなる)であってよい。出力されたクロック信号16は、動作負荷可変回路12に入力される。
次に、動作負荷可変回路12にクロック信号16が入力されると、FPGA内部のレジスタ回路121が動作を開始する。レジスタ回路121は、4段階(例えば1%、10%、50%、100%)の動作負荷を自動的に切り替えながら動作するように構成されている。動作負荷可変回路12は、I/O出力信号17を出力する。なお、動作負荷可変回路12が動作負荷を4段階に切り替える場合のタイムチャートを、後述の図12に示す。
また、I/O出力信号17の外部端子には、セラミックコンデンサ部15(例えば、30pF(picofarad))が接続されている。セラミックコンデンサ部15へ入力されるI/O出力信号17は、ノイズ発生用に使用される。ノイズ発生部2は、セラミックコンデンサ部15へ出力されるI/O出力信号17のON/OFFのタイミングと、FPGA内部動作負荷のON/OFFのタイミングとを同一にすることによって、同時スイッチングノイズを疑似的に発生させている。なお、I/O出力信号17の外部ピンにセラミックコンデンサ(30pF)を接続した形態については、図11のノイズ発生部2の動作負荷可変回路12の動作の詳細を示す図に記載してある。
動作負荷可変回路12は、ノイズ動作負荷率信号9が出力する。ノイズ動作負荷率信号9は、LED表示部5に入力される。動作負荷可変回路12よりノイズ動作負荷率信号9が出力されると、接続先のLED表示部5が点灯する。このように、「(1)ノイズ発生」の経路を電子回路によって実現し、使用者が製造の検査工程などでLEDを目視することによって、動作負荷率のレベルを確認することが実現されている。
(2)ノイズ検出
次に、図8に示す本実装例に係る(2)ノイズ検出について説明する。
ノイズ検出部3は、プリント基板89の非ECCメモリ53と接続されている。ノイズ検出部3に、前述のノイズ動作負荷率信号9が入力されると、データ送受信回路51は、メモリコントローラ52に対し、送信の開始を要求する。次に、メモリコントローラ52は、非ECCメモリ53に対し、メモリライトデータ61を送信し、非ECCメモリ53から、メモリリードデータ62を受信する。メモリコントローラ52がメモリリードデータ62を受信した後、データ送受信回路51は、送信データ(すなわち、メモリライトデータ61)と受信データ(すなわち、メモリリードデータ62)の比較を行い、ビット誤り率を計算する。
比較回路55は、計数値(すなわち、計算されたビット誤り率)と設定値63(すなわち、あらかじめ設定されたビット誤り率)とを比較する。計算されたビット誤り率が設定値63を超えた場合、比較回路55は、比較回路出力信号64を出力する。設定値63は、予め設定されたビット誤り率でよい。比較回路出力信号64がノイズ検出ON/OFF制御回路56に入力されると、ノイズ検出ON/OFF制御回路56は、ノイズ検出信号8を出力する。出力されたノイズ検出信号8が接続先のLED表示部6に入力されると、接続先のLED表示部6が点灯する。同時に、ノイズ検出信号8は、ブザー85にも入力される。ノイズ検出信号8入力されると、ブザー85は、鳴動する。なお、ノイズ検出部3の構成については、図5にも示されている。このように、「(2)ノイズ検出」の経路を電子回路で実現し、使用者が、製造の検査工程などでLEDやブザー音を感知することによって、ノイズの検出の有無を確認することを実現されている。
(3)ノイズ低減
次に、図8に示す本実装例に係る(3)ノイズ低減について説明する。
図9は、キャパシタ可変部4の詳細な構成を表す図である。図9に示す例では、ノイズ検出部3のノイズ検出ON/OFF制御回路56から、ノイズ検出信号8がキャパシタ電圧制御回路86に入力される。キャパシタ電圧制御回路86は、ノイズ検出信号8が入力されると、キャパシタ可変部4へキャパシタ電圧87を出力する。
キャパシタ可変部4は、SoC FPGAの多層基板の底面部にキャパシタ材を充填することによって作成される。キャパシタ可変部4は、多層基板の電源プレーンとプリント基板のGNDプレーンの間に挟み込まれた構造を持つ。そのため、キャパシタ電圧A71、キャパシタ電圧B72、キャパシタ電圧C73、キャパシタ電圧D74が供給されると、キャパシタ可変部4は、コンデンサ容量と同様に寄与する。それにより、電源ノイズや放射ノイズを低減する効果が得られる。
上述のように、図9に示すキャパシタ可変部4は、SoC FPGAの底面部にキャパシタ材を4つに分けて充填蒸着させることによって生成される。具体的には、キャパシタA61、キャパシタB62、キャパシタC63、キャパシタD64が、4つに分けて充填蒸着されたキャパシタ材によって生成される。また、キャパシタ電圧制御回路86は、カウンタ制御回路91、FET(Field Effect Transistor)92、FET93、FET94、FET95を含む。
最初に、キャパシタ電圧制御回路86には、DC/DC7から出力されるFPGA電圧10が供給されている。この時、キャパシタA61、キャパシタB62、キャパシタC63、キャパシタD64には、電圧がまだ印加されていない。
次に、ノイズ検出信号8が、キャパシタ電圧制御回路86のカウンタ制御回路91に入力される。ノイズ検出信号8が入力されると、カウンタ制御回路91は、オン信号A96を出力し、オン信号A96の端子の電位をハイレベルに固定する。FET92は、オン信号A96が入力されると、キャパシタ電圧A71を出力する。キャパシタ電圧A71は、FPGA多層基板の電源プレーンA65、キャパシタA61、GNDプレーン69に印加される。このようにして、キャパシタA61は、コンデンサ容量と同様に寄与し、電源ノイズや放射ノイズを容易に低減する。
例えば、上述のRESET SW83が押されると、例えば、ノイズ検出部3のタイマ回路54は、RESET SW83が押されてから経過した時間(以下、経過時間と表記)の計測を開始する。
ノイズ検出部3のタイマ回路54によって計測された経過時間が第1の所定時間(例えば、30秒)を超えた後、ノイズ検出部3から出力されたノイズ検出信号8がカウンタ制御回路91に入力されると、カウンタ制御回路91は、オン信号B97を出力する。そして、カウンタ制御回路91は、オン信号B97の端子の電位をハイレベルに固定する。FET93にオン信号B97が入力されると、FET93は、キャパシタ電圧B72を出力する。キャパシタ電圧B72は、FPGA多層基板の電源プレーンB66、キャパシタB62、GNDプレーン69に印加される。
ノイズ検出部3のタイマ回路54によって計測された経過時間が第2の所定時間(例えば、60秒)を超えた後、ノイズ検出部3から出力されたノイズ検出信号8がカウンタ制御回路91に入力されると、カウンタ制御回路91は、オン信号C98を出力する。そして、カウンタ制御回路91は、オン信号C98の端子の電圧をハイレベルに固定する。FET94にオン信号C98が入力されると、FET93は、キャパシタ電圧C73を出力する。キャパシタ電圧C73は、FPGA多層基板の電源プレーンC67、キャパシタC63、GNDプレーン69に印加される。
ノイズ検出部3のタイマ回路54によって計測された経過時間が第3の所定時間(例えば、120秒)を超えた後、ノイズ検出部3から出力されたノイズ検出信号8がカウンタ制御回路91に入力されると、カウンタ制御回路91は、オン信号D99を出力する。そして、カウンタ制御回路91は、オン信号D99の端子の電圧をハイレベルに固定する。FET95にオン信号D99が入力されると、FET95は、キャパシタ電圧D74を出力する。キャパシタ電圧D74は、FPGA多層基板の電源プレーンD68、キャパシタD64、GNDプレーン69に印加される。このようにして、キャパシタA61、キャパシタB62、キャパシタC63、キャパシタD64に電圧が印加される。
ノイズ検出信号8の端子に接続されたLED表示部6を目視した結果、LED表示部6点灯していなければ、発生しているノイズは、低減が可能なノイズであると判定できる。このように、キャパシタ可変部4は、キャパシタ容量を自動的に変更することによって、ノイズも低減している。
<動作>
図10Aは、本実施形態に係るプリント基板の動作の例の全体を示すフローチャートである。プリント基板(具体的には、プリント基板が使用される装置)の電源がONになると、図10Aに示す動作が開始される。まず、装置は、FPGAのクロック周波数を、初期値(例えば、200MHz)に設定する(ステップS1)。FPGAのクロック周波数の初期値は、FPGAの動作限界の周波数(ここでは、FPGAの動作が保証される最大周波数。例えば、1GHz(Giga Hertz))よりも小さくなるように設定される。装置は、次に、ノイズ発生・検出処理を行う(ステップS2)。後で詳細に説明するように、ノイズ発生・検出処理においてノイズ(後述の例では、ECCメモリへの読み書きエラー)が検出されなかった場合、ノイズ発生・検出処理の中で、図10Aに示す動作は終了する。ノイズ発生・検出処理においてノイズが検出された場合、装置は、ステップS3の動作を行う。ステップS3において、ノイズ検出部3は、ノイズ検出信号を出力することによって、LED表示部6を点灯させる。
次に、ノイズ発生・検出処理について、図面を使用して詳細に説明する。
図10Bは、本実施形態に係るプリント基板のノイズ発生・検出処理の動作の例の全体を示すフローチャートである。
初期状態では、FPGAのクロック周波数は限界値よりも小さい(ステップS11においてYES)。この場合、装置は、iが1からNになるまでiを1ずつ増加させながら、ステップS12からステップS16までの動作を繰り返す。本動作の例では、Nは4であるが、Nは4に限定されない。
ステップS12において、ノイズ発生部2の動作負荷可変回路12は、レジスタ回路121の動作率を第i動作率に設定する。本動作の例では、第1動作率は1%であり、第2動作率は10%であり、第3動作率は50%であり、第4動作率は100%である。第i動作率は、以上の例に限定されない。
ステップS13において、ノイズ発生部2のLED制御回路127は、第i動作率に応じたI/O出力を出力することによって、LED表示部5を点灯させる。第1動作率に応じたI/O出力は、例えば、第1動作率に関連付けられている263個の端子をON状態(例えば、電位がハイレベルである状態)にすることである。第2動作率に応じたI/O出力は、例えば、第2動作率に関連付けられている1個の端子をON状態にすることである。第3動作率に応じたI/O出力は、例えば、第3動作率に関連付けられている1個の端子をON状態にすることである。第4動作率に応じたI/O出力は、例えば、第4動作率に関連付けられている1個の端子をON状態にすることである。LED表示部5は、動作率に応じたI/O出力ごとに異なる形態で点灯するように構成されている。これにより、LED制御回路127は、LED表示部5を動作率に応じた状態で点灯させる。
ステップS14において、ノイズ検出部3のデータ送受信回路51は、メモリコントローラを介して、例えばレジスタ回路の動作率が第i動作率に設定されてから所定時間(例えば、30秒)が経過するまで、非ECCメモリに対するデータの読み書きを実行する。
ステップS15において、ノイズ検出部3の比較回路55が、非ECCメモリに対するデータの読み書きエラー(すなわち、非ECCメモリに対する書き込みデータと、そのデータの非ECCメモリからの読み出しデータと、の間の相違)の有無を判定する。言い換えると、ノイズ検出部3の比較回路55は、非ECCメモリに対するデータの読み書きエラーを検出する。さらに言い換えると、非ECCメモリに対するデータの読み書きエラー(単に、エラーとも表記)が検出された場合、ノイズ検出部3は、ノイズが検出されたと判定する。
エラーが存在する場合(ステップS16においてYES)、すなわち、ノイズが検出された場合、装置は、図10Bに示す動作を終了し、図10AのステップS3の動作を行う。すなわち、ノイズ検出部3は、ノイズ検出信号を出力することによって、LED表示部6を点灯させる。
エラーが存在しない場合(ステップS16においてNO)、すなわち、ノイズが検出されない場合、装置は、次のiについて、ステップS12からステップS16までのループを実行する。
ステップS12からステップS16までのループがN回実行された後、ノイズ発生部2のクロック速度可変回路11は、FPGAのクロック周波数を増加させる(ステップS17)。ノイズ発生部2のクロック速度可変回路11は、FPGAのクロック周波数を、例えば、2倍にする。
FPGAのクロック周波数が限界値よりも小さい場合(ステップS11においてYES)、装置は、ステップS12からステップS16までのループと、ステップS17とを繰り返す。
FPGAのクロック周波数が限界値よりも小さくない場合(ステップS11においてNO)、ノイズ検出部3によってノイズが検出されなかった。この場合、装置は、図10A及び図10Bに示す動作を終了する。
<動作負荷可変回路12の詳細>
次に、動作負荷可変回路12について、図面を使用して招請に説明する。
図11は、本実装例に係る動作負荷可変回路の詳細な構成を示す図である。動作負荷可変回路12は、レジスタ回路121、タイマ回路126、LED制御回路127を含む。レジスタ回路121は、REG(register)の出力が後段のREGに入力されるように構成される。例えば、REG1(1個目のレジスタ)の出力端子が、後段のREG2(2※のレジスタ)の入力端子に接続される。また、レジスタ回路121の内部は、動作負荷に応じて動作するか否かが決定される複数のブロックに区分される。図11の例では、複数のブロックは、レジスタ回路1%ブロック122、レジスタ回路10%ブロック123、レジスタ回路50%ブロック124、レジスタ回路100%ブロック125の4つのブロックである。レジスタ回路1%ブロック122は、図4のレジスタ回路1%ブロック21に相当する。レジスタ回路10%ブロック123は、図4に示す、レジスタ回路1%ブロック21及びレジスタ回路9%ブロック22の組に相当する。レジスタ回路50%ブロック124は、図4に示す、レジスタ回路1%ブロック21、レジスタ回路9%ブロック22、レジスタ回路40%ブロック23の組に相当する。レジスタ回路100%ブロック125は、図4に示す、レジスタ回路1%ブロック21、レジスタ回路9%ブロック22、レジスタ回路40%ブロック23、レジスタ回路50%ブロック24の組に相当する。動作負荷可変回路12は、動作するレジスタの数の和が動作負荷率に応じた数になるように、複数のブロックのうち動作するブロックを変更することによって、プリント基板上に発生させるノイズ量を変更している。
また、レジスタは、異なる出力端子にも接続されている。それぞれの端子には、異なるセラミックコンデンサが接続されている。異なる例えば、REG1は、Iout1を出力し、セラミックコンデンサC1(30pf)に接続されている。REG2は、Iout2を出力し、セラミックコンデンサC2(30pf)に接続されている。動作負荷可変回路12は、これらのコンデンサの出力のON、OFFの切り替えのタイミングと、FPGA内部動作負荷回路のON、OFFのタイミングを同一にすることによって、疑似的に同時スイッチングノイズも発生させている。
また、レジスタ回路1%ブロック122が動作している場合、REG262から出力されるIout262信号が、LED制御回路127に入力される。LED制御回路127は、Iout262信号を動作負荷率1%信号128に変換した後、動作負荷率1%信号128を、外部に接続されたLEDAに入力する。これにより、LEDAが点灯する。レジスタ回路10%ブロック123が動作している場合、REG263から出力されるIout263信号が、LED制御回路127に入力される。LED制御回路127は、Iout263信号を動作負荷率10%信号129に変換した後、動作負荷率10%信号129を、外部に接続されたLEDBに入力する。これにより、LEDBが点灯する。レジスタ回路50%ブロック124が動作している場合、REG264から出力されるIout264信号が、LED制御回路127に入力される。LED制御回路127は、Iout264信号を動作負荷率50%信号130に変換した後、動作負荷率50%信号130を、外部に接続されたLEDCに入力する。これにより、LEDCが点灯する。レジスタ回路100%ブロックが動作している場合、REG265から出力されるIout265信号が、LED制御回路127に入力される。LED制御回路127は、Iout265信号を動作負荷率100%信号131に変換した後、動作負荷率100%信号131を、外部に接続されたLEDDに入力する。これにより、LEDDが点灯する。このような構成により、使用者は、4段階の動作負荷率を目視で判定できる。
図12は、本実装例に係る動作負荷可変回路12のレジスタ回路121の信号の推移を示すタイムチャートである。電源82が供給されると、まず、クロック速度可変回路11から200MHzのクロック信号16が入力される。次に、RESET信号132が解除されると(RESET信号132ハイレベルに固定されると)、クロック信号16の立ち上がりにおいて、REG1の出力がHighレベルに、REG2の出力がLowレベルになる。このように、動作負荷可変回路12は、REG回路1つごとに、出力のHIとLOが反転するように動作する。
図13は、本実装例に係るノイズ検出部の信号の推移を表すタイムチャートである。
まず、ノイズ検出部3には、200MHzのクロック信号16が入力される。
図13に示す例では、時刻t1において、ノイズ発生部2は、動作負荷率1%信号128をLED表示部5に入力する。時刻t1において、さらに、ノイズ検出部3のタイマ回路54は、クロック信号16のパルス数のカウントによる計時を開始する。データ送受信回路51は、HIとLOとが交互に反転する信号であるメモリDQnによって、データの送受信を行う。
タイマ回路54は、クロック信号のパルス数のカウントによる計時において、時刻t1から30秒が経過した時刻t2において、カウントを終了する。そして、比較回路55が、送信データと受信データとが一致しているか否か(すなわち、送信データと受信データとの比較の結果)を判定する。図13に示す例では、送信データと受信データは一致している。
送信データと受信データとが一致している場合、次に、ノイズ発生部2が、動作負荷率10%信号129をLED表示部5に入力する。ノイズ発生部2が動作負荷率10%信号129をLED表示部5に入力した時刻t3において、タイマ回路54は、クロック信号16のパルス数のカウントによる計時を開始する。タイマ回路54は、時刻t3から30秒が経過した時刻t4において、パルス数のカウントを終了する。そして、比較回路55が、送信データと受信データとが一致しているか否かを判定する。図13に示す例では、送信データと受信データは一致している。
送信データと受信データとが一致している場合、次に、ノイズ発生部2が、動作負荷率50%信号130をLED表示部5に入力する。ノイズ発生部2が動作負荷率50%信号130をLED表示部5に入力した時刻t5において、タイマ回路54は、クロック信号16のパルス数のカウントによる計時を開始する。タイマ回路54は、時刻t5から30秒が経過した時刻t6において、パルス数のカウントを終了する。そして、比較回路55は、送信データと受信データとが一致しているか否かを判定する。図13に示す例では、送信データと受信データは一致している。
送信データと受信データとが一致している場合、次に、ノイズ発生部2が、動作負荷率100%信号131をLED表示部5に入力する。ノイズ発生部2が動作負荷率100%信号131をLED表示部5に入力した時刻t7において、タイマ回路54は、クロック信号16のパルス数のカウントによる計時を開始する。タイマ回路54は、時刻t7から30秒が経過した時刻t8において、カウントを終了する。そして、比較回路55が、送信データと受信データとが一致しているか否かを判定する。図13に示す例では、送信データと受信データは一致していない。
送信データと受信データとが一致しない場合、比較回路55は、送信データと受信データとが一致しないこと(すなわち、ノイズが検出されたこと)を示す信号を、図13の例ではロウレベルのパルス信号によって出力する。ノイズ検出ON/OFF制御回路56は、ノイズ検出信号8を、ハイレベルのパルス信号として出力する。ノイズ検出信号8はLED表示部6に入力され、LED表示部6は、点灯する。この例では、LED表示部6が点灯している状態が、ノイズが検出されたことを示す。上述のノイズ検出信号8は、さらに、キャパシタ電圧制御回路86に入力される。ノイズ検出信号8がキャパシタ電圧制御回路86に入力されると、キャパシタA61にキャパシタ電圧Aが出力される(言い換えると、印加される)。キャパシタA61のコンデンサがFPGA電圧10に対するバイパスコンデンサ(パスコンとも表記)として機能する。
次、タイマ回路54が、クロック信号16のパルス数のカウントによる計時を開始する。タイマ回路54がクロック信号16のパルス数のカウントによる計時を開始した時刻t9から30秒が経過した時刻t10において、タイマ回路54は、カウントを終了する。そして、比較回路55が、送信データと受信データとが一致しているか否かを判定する。図13に示す例では、送信データと受信データは一致している。そのため、時刻t10において、ノイズ検出信号8は、ロウレベルのままである。言い換えると、ノイズ検出信号8は、ノイズが検出されていないことを示している。そのため、LED表示部6は、消灯する。これは、キャパシタA61が、パスコンとして機能し、電源ノイズや放射ノイズを低減していることを示す。
以上の例において、時刻t1~t10は、それぞれ、例えば、クロック信号16のパルスの立ち上がりの時刻である。
<第1の実施形態の他の実装例>
図14Aは、本開示の第1の実施形態の他の実装例に係る、FPGAを搭載したプリント基板の構造の例を表す図である。図14Bは、図14Aに示す、本開示の第1の実施形態の他の実装例に係る、FPGAを搭載したプリント基板の断面図を表す図である。図14A及び図14Bに示す例では、図7に示す構造に対して、キャパシタフィルムシート160が追加されている。本実装例は、キャパシタフィルムシート160が、FPGAの多層基板の底面部分のキャパシタA61、キャパシタB62、キャパシタC63、及び、キャパシタD64と、プリント基板のGNDプレーンと、の間に挟み込まれた構造を持つ。このような構造によって、実装の段階において、キャパシタフィルムシート160のキャパシタ材の厚さ、キャパシタの位置、大きさなどを自由に変更することが可能となる。それにより、本変形例は、電源ノイズ試験や放射ノイズ試験において、ノイズ低減効果を確認する際の時間を短縮することができるという効果がある。なお、キャパシタフィルムシート160は、キャパシタ材が塗布されたフィルムシートであってよい。
<効果>
本実施形態には、装置のコストを低減するとともに装置の不具合を調査する時間を短縮できるという効果がある。その理由は、ノイズ発生部2が複数の強度のノイズを発生させ、ノイズ検出部3が、発生しているノイズを検出するからである。そして、キャパシタ可変部4が、発生しているノイズを低減するからである。これにより、集積回路の動作率等を変えられない特許文献3の技術などに対して、装置のコストを低減するとともに装置の不具合を調査する時間を短縮できる。また、発生しているノイズが、ノイズ検出部3によって検出できないレベルまで、キャパシタ可変部4によって低減することが可能であるか否かを確認できる。そのため、不具合を調査する時間をさらに短縮できる。
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。
<構成>
図15は、本開示の第2の実施形態に係るノイズ調整装置の構成の例を表すブロック図である。図15に示す例では、ノイズ調整装置1001は、ノイズ発生部1002と、ノイズ検出部1003と、ノイズ低減部1004と、を備える。ノイズ発生部1002は、回路が形成された基盤に対して、複数の強度のノイズを発生させる。ノイズ検出部1003は、発生した前記ノイズを検出する。ノイズ低減部1004は、前記ノイズを低減する。
本実施形態のノイズ発生部1002は、第1の実施形態のノイズ発生部2と同様の構成を備え、ノイズ発生部2と同様に動作してよい。本実施形態のノイズ検出部1003は、第1の実施形態のノイズ検出部3と同様の構成を備え、ノイズ検出部3と同様に動作してよい。本実施形態のノイズ低減部1004は、第1の実施形態のキャパシタ可変部4と同様の構成を備え、キャパシタ可変部4と同様に動作してよい。
<動作>
次に、本実施形態の動作について説明する。
図16は、本開示の第2の実施形態に係るノイズ調整装置の動作の例を表すフローチャートである。図16に示す例では、ノイズ発生部1002は、回路が形成された基盤に対して、複数の強度のノイズを発生させる(ステップS101)。ノイズ検出部1003は、発生したノイズを検出する(ステップS102)。ノイズ低減部1004は、ノイズを低減する(ステップS103)。さらに、ノイズ検出部1003は、発生したノイズを検出してよい(ステップS104)。
<効果>
本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。その理由は、第1の実施形態の効果が生じる理由と同じである。
<第2の実施形態の変形例>
第2の実施形態に係るノイズ調整装置1001を、以下で説明するように変形することもできる。例えば、ノイズ低減部1004は、例えばノイズ発生部1002及びノイズ検出部1003が実装されているFPGAの底面に蒸着された、平面状のキャパシタシートによって実現することができる。ノイズ低減部1004は、例えばノイズ発生部1002及びノイズ検出部1003が実装されているFPGAの底面に蒸着された、独立に動作させることができる、複数のキャパシタシートによって実現することもできる。そして、ノイズ低減部1004が含む複数のキャパシタシートのうち、用いられる、すなわち、動作するキャパシタシートの数を変化させることによって、ノイズを段階的に低減してもよい。また、ノイズ検出部1003は、メモリ(例えば、ECCメモリ)に書き込んだデータと、そのデータをそのメモリから読み出すことによって得られるデータ(言い換えると、メモリから読み出されたデータ)と、を比較してもよい。そして、ノイズ検出部1003は、比較の結果、メモリに書き込んだデータと、メモリから読み出されたデータとが一致しない場合、ノイズを検出されたと判定してもよい(言い換えると、ノイズを検出してもよい)。また、ノイズ調整装置1001は、発生したノイズの強度を出力する強度出力部を含んでいてもよい。ノイズ調整装置1001は、ノイズの検出の結果を出力する検出結果出力部を含んでいてもよい。強度出力部は、例えば、第1の実施形態の、動作負荷可変回路12(特に、LED制御回路27)及びLED表示部6の少なくとも一方に対応する。検出結果出力部は、第1の実施形態の、ノイズ検出ON/OFF制御回路56及びLED表示部6の少なくとも一方に対応する。
以上、実施形態及び実装例を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態及び上記実装例に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
2 ノイズ発生部
3 引用文献
3 ノイズ検出部
4 キャパシタ可変部
5 LED表示部
6 LED表示部
8 ノイズ検出信号
9 ノイズ動作負荷率信号
10 FPGA電圧
11 クロック速度可変回路
12 動作負荷可変回路
13 水晶発振器
14 I/O出力信号
15 セラミックコンデンサ部
16 クロック信号
17 I/O出力信号
21 レジスタ回路1%ブロック
22 レジスタ回路9%ブロック
23 レジスタ回路40%ブロック
24 レジスタ回路50%ブロック
27 LED制御回路
51 データ送受信回路
52 メモリコントローラ
53 非ECCメモリ
54 タイマ回路
55 比較回路
56 ノイズ検出ON/OFF制御回路
58 カウンタ回路
59 タイマ信号
60 データ送信信号
61 メモリライトデータ
62 メモリリードデータ
63 設定値
64 比較回路出力信号
69 GNDプレーン
81 POW SW
82 電源
83 RESET SW
84 PLL回路
85 ブザー
86 キャパシタ電圧制御回路
87 キャパシタ電圧
88 セラミックコンデンサ
89 プリント基板
90 発振器信号
91 カウンタ制御回路
103 USBコントローラ
104 USBコネクタ
105 FLASH ROMコントローラ
106 FLASH ROM
110 温度センサ
121 レジスタ回路
122 レジスタ回路1%ブロック
123 レジスタ回路10%ブロック
124 レジスタ回路50%ブロック
125 レジスタ回路100%ブロック
126 タイマ回路
127 LED制御回路
128 動作負荷率1%信号
129 動作負荷率10%信号
130 動作負荷率50%信号
131 動作負荷率100%信号
132 RESET信号
160 キャパシタフィルムシート
1001 ノイズ調整装置
1002 ノイズ発生部
1003 ノイズ検出部
1004 ノイズ低減部

Claims (8)

  1. 集積回路内部の動作負荷率を変更し、前記集積回路が搭載された基板に対して、それぞれの前記動作負荷率でノイズを発生させるノイズ発生部と、
    発生した前記ノイズを検出するノイズ検出部と、
    前記ノイズ検出部で前記ノイズが検出された時点での前記動作負荷率で発生している前記ノイズを、キャパシタの容量を変更することで低減するノイズ低減部と、
    を備え
    前記ノイズ発生部は、前記動作負荷率で発生させた前記ノイズを、前記ノイズ検出部がノイズを検出しない場合に、前記動作負荷率を変更し、
    前記ノイズ低減部は、前記ノイズ検出部で前記ノイズが検出された時点での前記動作負荷率で発生している前記ノイズが、前記ノイズ検出部で検出されなくなるまで、前記キャパシタの容量を変更することで前記ノイズを低減する
    ノイズ調整装置。
  2. 前記ノイズ低減部は、キャパシタシートを用いて前記ノイズを低減し、複数のキャパシタシートのうち用いる前記キャパシタシートの数を変化させることによって前記ノイズを段階的に低減する
    請求項に記載のノイズ調整装置。
  3. 前記ノイズ検出部は、メモリに書き込んだデータと、前記メモリから読み出されたデータとが一致しない場合、前記ノイズを検出する
    請求項1または2に記載のノイズ調整装置。
  4. 発生した前記ノイズの強度を出力する強度出力部と、
    前記ノイズの検出の結果を出力する検出結果出力部と、
    をさらに備える請求項1乃至のいずれか1項に記載のノイズ調整装置。
  5. 集積回路内部の動作負荷率を変更し、前記集積回路が搭載された基板に対して、それぞれの前記動作負荷率でノイズを発生させ、
    発生した前記ノイズを検出し、
    前記動作負荷率で発生させた前記ノイズを検出しない場合に、前記動作負荷率を変更し、
    前記ノイズが検出された時点での前記動作負荷率で発生している前記ノイズを、該ノイズが検出されなくなるまで、キャパシタの容量を変更することで該ノイズを低減する
    ノイズ調整方法。
  6. キャパシタシートを用いて前記ノイズを低減し、複数のキャパシタシートのうち用いる前記キャパシタシートの数を変化させることによって前記ノイズを段階的に低減する
    請求項に記載のノイズ調整方法。
  7. メモリに書き込んだデータと、前記メモリから読み出されたデータとが一致しない場合、前記ノイズを検出する
    請求項5又は6に記載のノイズ調整方法。
  8. 発生した前記ノイズの強度を出力し、
    前記ノイズの検出の結果を出力する、
    請求項5乃至のいずれか1項に記載のノイズ調整方法。
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