JP7333858B2 - 流動物が収容されているパッケージ - Google Patents
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また、特許文献2には、平均粒径が1μm~20μmの樹脂粒子により形成された樹脂膜の表面に平均粒径が5nm~100nmの酸化物微粒子が分散付着している構造の撥水性膜が表面に形成されている蓋体が提案されている。
しかるに、このような微細な凹凸面を形成した場合では、水性の内容物に対する非付着性が高められるものの、内容物と微細な凹凸面が常時接触する場合、微細な凹凸面の凹部では水分の凝縮が非常におこりやすく、水分凝縮により凹部が埋まるためにその滑り性が悪化していく問題があり、さらなる滑り性の向上が求められている。
しかしながら、かかる技術では、容器内面に凹凸を形成する手段に難がある。即ち、かかる凹凸は、毛管現象により液体を保持するものであるため、そのピッチが極めて小さく、ピッチに対して、凹凸の高さがかなり高いという形態を有する。このような形態でなければ、毛管力が支配的にならず、重力により液体が落下してしまうからである。しかるに、このような形態の凹凸は、容器本体を成形した後の後加工、例えば、凹凸形成用の微粒子が分散された液を吹き付けたり或いはエッチング等の手段により形成されるものである。このため、ボトルなどの形態を有する容器では、容器成形後の凹凸形成のための工程が極めて煩雑となってしまい、コスト等の大幅な増大を免れない。
しかるに、この特許文献4は、液層の表面に局部的に突出している部分を形成していること、具体的には、容器内面の凹凸が液層表面に反映されており、容器内面の凸部に対応して、液層表面に局部的に突出ている部分を形成している点に、重要な特徴を有している。即ち、ここで形成されている液層は、容器内面を濡らす程度の薄層であり、このような液層が形成されている部分を容器内容物が流れるとき、容器内容物は、液層(局部的に突出している部分)と、局部的に突出している液層間に存在している空気層とに接触して流れることとなり、これにより、単に液層と接触させて容器内容物を流す場合に比して、より優れた滑り性が発揮されるというものである。
即ち、特許文献4の技術では、容器内面の潤滑液の液層が極めて薄い層であるため、容器内面に潤滑液をスプレー噴霧して液層を形成するという手段に適しておらず、容器内面を形成する樹脂に潤滑液を混合して容器を成形するという内添手段によって液層が形成される。即ち、容器内面を形成する樹脂層からのブリーディングにより液層が形成されるわけである。
このような内添手段は、確かに薄い液層の形成には有利であるが、内面全体に均一な厚みで形成し難く、部分的に液層が存在しない部分が形成されたり、場合によっては、内面の凹凸が液体保持力を有していないため、部分的に過剰な厚みの液層が形成されてしまうことがあり、このため、内容物に対する滑り性にバラつきが生じ易く、さらなる改善が必要である。
本発明者らは、このようなパッケージについて、更に検討を推し進めた結果、容器本体内に収容される流動物の濡れ性等の特性と、容器本体内面を被覆している潤滑液の濡れ性等の特性の間に一定の関係にある場合には、容器本体内面を粗面としなくとも、流動物の容器本体からの排出性を著しく向上させ得るという極めて意外な知見を見出した。
前記容器本体の内面は、前記流動物とは非混和性の潤滑液で被覆されており、該内面と該流動物との間に、該潤滑液の被覆層が介在していると共に、
前記容器本体が正立に保持された状態において、該容器本体内に収容されている前記流動物の上端面の周縁部には、前記被覆層を形成している潤滑液の液溜りが形成され、
該液溜りよりも上方のヘッドスペース部分の潤滑液の厚みが、前記流動物と前記容器本体の内面との間に存在する潤滑液の厚みに比して薄くなっており、
前記潤滑液は、0.1~10g/m 2 の量で容器本体内に存在しており、
前記潤滑液の前記内面に対する接触角が前記流動物の前記内面に対する接触角よりも小さいことを特徴とするパッケージが提供される。
本発明によれば、また、ヘッドスペースを残すようにして流動物が収容されている容器本体からなるパッケージから該流動物を排出させる流動物排出方法であって、
前記容器本体の内面に、0.1~10g/m 2 の量の前記流動物とは非混和性の潤滑液を供給して該内面を被覆し、
次いで、前記容器本体を正立に保持した状態に維持することにより、該容器本体内に収容されている前記流動物の上端面の周縁部に、前記被覆層を形成している前記潤滑液からなる液溜りを形成させておき、
前記容器本体を傾けることにより、前記流動物に接触している前記潤滑液が該流動物と一体に挙動し、かつ、該流動物が移動してできた空隙を埋めるように前記液溜りが該空隙に流れ込みながら該流動物を排出させる流動物排出方法が提供される。
即ち、このような潤滑液の液溜りが流動物の上端周縁部に形成されているため、容器本体を傾けて流動物を排出する際、この流動物は、常に、潤滑液と接触しながら排出されることを意味する。しかも、本発明において、容器本体の内面には潤滑液の被覆層が形成されている。この結果、本発明のパッケージでは、流動物に接触している潤滑液は流動物と一体に挙動し、容器本体を正立状態に復帰させると、流動物と一体に容器本体の内面に沿って流れ戻り、排出されずに残存した流動物と接触した状態で容器本体内に存在することとなる。
かくして本発明によれば、流動物(内容物)を繰り返し排出した場合でも常に安定した滑り性が発揮される。
即ち、本発明では、上述したような液溜りが形成されていると同時に、容器本体内に収容される流動物と容器本体内面を被覆している潤滑液とが上記の関係を満足するように選択されていることにより、容器本体を傾けて流動物を排出する場合、傾けられた容器本体の上部側に位置する内面から流動物が速やかに剥離して落下することとなる。即ち、流動物に対する剥離性が高められており、上述した滑り性と相俟って、著しく優れた排出性を発現させることができる。
図1および図2を参照して、本発明のパッケージは、内部に流動物3が収容された容器本体1からなるものであり、特に図1(A)および図2(A)に示されているように、正立状態において、容器本体1の上端は、シール箔5によりシールされており、適宜、蓋体(図示せず)により閉じられており、流動物3の上端面と容器本体1の上端(シール箔5)との間にはヘッドスペース7が形成されている。
図3において、全体として10で示されるダイレクトブローボトル(図1および図2の容器本体1に相当)は、螺条を備えた首部11、肩部13を介して首部11に連なる胴部壁15及び胴部壁15の下端を閉じている底壁17を有しており、その上端の開口部は、前記の流動物3(図3では図示せず)を充填した後に、アルミ箔等のシール部材19(図1のシール箔5に相当)によって閉じられ、さらにキャップ20が螺子装着されてシール性が確保されるものとなっている。
かかるボトル10は、粘稠な流動物の収容に好適に使用され、胴部壁15をスクイズすることにより、内部に収容された粘稠な物質を排出するというものである。
本発明では、潤滑液30の内面1aに対する接触角が流動物3の内面1aに対する接触角よりも小さくなるように、潤滑液30及び流動物3が選択されている。
本発明では、上記のようにして形成されている液溜り31により、流動物3の排出に際して、安定して優れた滑り性が発揮されることとなる。
また、一定量の流動物3を排出した後、容器本体1を正立状態に復帰させると、潤滑液30が受ける流動抵抗は小さいため、速やかに容器本体1の内部に流れ落ち、潤滑液30と共に、排出されなかった流動物3は容器本体1の内部に速やかに落下していくこととなる。
さらに、流動物3の排出後、そのまま容器本体1を正立状態に保持していくと、経時と共に、ヘッドスペース7部分の潤滑液30が次第に落下し、再び、図1(A)に示されるように流動物3の上端面周縁部に液溜り31が形成されることとなり、次に流動物3を排出するときも、初期と同様に速やかに排出することができる。
本発明において、上述した容器本体1は、その内面1aが平滑面で示されているが、上記のような挙動が阻害されない限り、粗面となっていてもよい。
熱可塑性樹脂としては、容器の形態に成形可能なものであれば特に制限されないが、一般的には、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中或いは高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンなどのオレフィン系樹脂や、これらのオレフィン類の共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート等のポリエステル樹脂が好ましく、これらは容器外面の形成にも好適である。
特に、この容器本体1を、図3に示されているようなダイレクトブローボトルとして使用する場合には、内容物の絞り出しに適しているという点で、低密度ポリエチレンや直鎖低密度ポリエチレンに代表されるオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
容器を傾けて流動物を排出させるさい、流動物が動き始めるきっかけを促すために、滑り性を発現する面を粗面、剥離性を発現する面を平滑面、即ち、下側の面を粗面として、下側に対向する面を平滑面とすることもできる。
粗面は粗面化剤として機能するようなシリカなどの無機材料等を内面樹脂に配合してもよい。配合する 粒子としては、平均粒子径が上記範囲にある限り特に制限されないが、一般的には、例えば酸化チタン、アルミナ、シリカ等の金属酸化物粒子、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、カーボンブラックなどの炭素系微粒子、ポリメチル(メタ)アクリレートや、ポリエチレン、ポリオルガノシルセスキオキサンに代表されるシリコーン粒子などから成る有機微粒子が代表的であり、これらは、シランカップリング剤やシリコーンオイル等により疎水化処理されていてもよい。本発明においては、ダイレクトブロー成形に代表される押出成形によっても実施可能であるため、溶融成形後に粒子径が保持できれば良く、例えば、疎水化処理されている微細粒子、特に疎水性シリカ、ポリメチルメタクリレート硬化物、超高分子量ポリエチレン、ポリオルガノシルセスキオキサン、シリコーン粒子が好適に使用される。
上記のようなエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、一般に、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%のエチレン-酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が好適である。
上述したガスバリア性樹脂は、それぞれ単独で使用することもできるし、2種以上がブレンドされていてもよい。また、内面層や外面層との接着性を高めるたるために、ガスバリア性が損なわれない範囲で、ポリエチレン等のポリオレフィンがガスバリア性樹脂にブレンドされていてもよい。
このような接着樹脂層の形成に用いる接着剤樹脂はそれ自体公知であり、例えば、カルボニル基(>C=O)を主鎖若しくは側鎖に1乃至100meq/100g樹脂、特に10乃至100meq/100g樹脂の量で含有する樹脂、具体的には、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸もしくはその無水物、アミド、エステルなどでグラフト変性されたオレフィン樹脂;エチレン-アクリル酸共重合体;イオン架橋オレフィン系共重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体;などが接着性樹脂として使用される。
このような容器本体1は、前述した各層を形成する樹脂を用いての押出成形によりプリフォームを形成した後、ブロー成形、プラグアシスト成形、真空成形等の後加工により所定の容器形状に賦形することにより製造される。
特に本発明では、この容器本体1は、図3に示されているような粘稠な流動物の排出に適したダイレクトブローボトルの形態を有していることが最適である。このようなダイレクトブローボトルは、押出成形によりチューブ形状のプリフォームを成形し、このプリフォームの一端をピンチオフして閉じ、次いで、エア等のブロー流体をプリフォーム内に吹き込んでボトル形状に賦形することにより製造される。
上記のような流動物3が収容されている容器本体1からなる本発明のパッケージにおいては、上記のようにして得られる容器本体1の内面1aを潤滑液30で被覆し、次いで、ヘッドスペース7が形成されるように流動物3が充填される。
例えば、流動物3が水や水を含む親水性物質である場合には、表面張力が10乃至40mN/m、特に16乃至35mN/mの範囲にある液体を潤滑液30として用いることが好ましく、フッ素系液体、フッ素系界面活性剤、シリコーンオイル、脂肪酸トリグリセライド、各種の植物油などが代表的である。この植物油としては、大豆油、菜種油、オリーブオイル、米油、コーン油、べに花油、ごま油、パーム油、ひまし油、アボガド油、ココナッツ油、アーモンド油、クルミ油、はしばみ油、サラダ油などが好適に使用できる。また、上記の液体をブレンドして用いてもよい。
また、上記の中から選択される潤滑液は、内面1aに対する濡れ性が高いこと(内面1aに対する接触角が小さいこと)が好ましく、また、液溜まり31を構成する潤滑液は、内面1aを被覆している潤滑液と異なっているものであってもよい。
なお、本発明でいう接触角(contact angle)とは、固体内表面と液体と気体が接触しているとき、この3相の接触する境界線において液体面が固体面と成す角度をいう。
即ち、本発明においては、上記の潤滑液30を用いて容器本体1の内面1aを被覆するが、流動物3を充填したときに、ヘッドスペース7に面している流動物3の周縁部に液溜り31が形成されるように(図1(A)参照)、過剰量の潤滑液30を容器本体1の内面11aに施すことにより、かかる被覆が行われる。
即ち、図1(A)に示されているように、流動物3が充填されている容器本体1が正立状態に保持されたとき、ヘッドスペース7に対面する部分に位置している内面1a(1a’)から潤滑液30が垂れ落ちるように、過剰の潤滑液30で内面1aの全体を被覆しておくか、場合によっては、流動物充填後、余剰の潤滑液を供給する。
従って、液溜り31が形成される限り、内面1aは粗面であってもよい。
例えば、ケチャップ、各種ソース類、蜂蜜、マヨネーズ、マスタード、ジャム、チョコレートシロップ、乳液などは、水分を含む親水性物質であり、潤滑液30としては、シリコーンオイル、グリセリン脂肪酸エステル、食用油などの食品添加物として認可されている油性液体の中から選択されることが好ましい。
尚、以下の実施例等で行った各種の特性、物性等の測定方法及び容器本体(ボトル)は次の通りである。
下記の層構成を有する、容量約500mLの多層ダイレクトブローボトルを公知の手法により成形し、下記の実験に用いた。
ボトルA;5種9層ダイレクトブロー多層ボトル
層構成:
内層/接着層/液拡散抑制層/接着層/メイン層/接着層/酸素バリア層/接着層/外層
内層:低密度ポリエチレン
接着層:酸変性ポリエチレン
液拡散抑制層:エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)
メイン層:低密度ポリエチレン(LDPE)
酸素バリア層:エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)
外層:低密度ポリエチレン(LDPE)
ボトルB;5種9層ダイレクトブロー多層ボトルB
層構成:
内層/接着層/液拡散抑制層/接着層/メイン層/接着層/酸素バリア層/接着層/外層
内層:平均粒子径が5μmのシリカが5重量%配合されている低密度ポリエチレン
接着層:酸変性ポリエチレン
液拡散抑制層:エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)
メイン層:低密度ポリエチレン(LDPE)
酸素バリア層:エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)
外層:低密度ポリエチレン(LDPE)
中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)
表面張力:28.8mN/m(23℃)
粘度:33.8mPa・s(23℃)
沸点:210℃以上
引火点:242℃(参考値)
尚、液体の表面張力は固液界面解析システムDropMaster700(協和界面科学(株)製)を用いて23℃にて測定した値を用いた。また、液体の表面張力測定に必要な液体の密度は、密度比重計DA-130(京都電子工業(株)製)を用いて23℃で測定した値を用いた。また、潤滑液の粘度は音叉型振動式粘度計SV-10((株)エー・アンド・デイ製)を用いて23℃にて測定した値を示した。
マヨネーズ様粘稠性食品
粘度:499Pa・s(0.1sec-1)、
94Pa・s(1sec-1)、
0.30Pa・s(1000sec-1)
尚、粘度の測定にはレオメーター(ARES、ティー・エイ・インスツルメント製)を用いた。パラレルプレートのジオメトリ、ギャップ0.5mmにて定常流法で測定した値を示した。
流動物をボトル内に200g充填し、流動物の上端面の周縁部に潤滑液(MCT)を数滴垂らし、液溜まりを作成した。また後述する剥離性試験のために、周縁部の一部分(周縁部の約1/4の区画)にのみ潤滑液(MCT)を垂らして局所的に液溜まりを作成した。
潤滑液の液溜まりを作成した後、室温下(25℃)において、正立状態のボトルを約45°傾けた際の内容物の滑り性を内容物がボトル口部側に滑り落ちきる時間により評価した。評価基準は次のとおりである。
○:滑り落ちきる時間が、5分未満である。
△:滑り落ちきる時間が、5分以上10分未満である。
×:滑り落ちきる時間が、10分以上である。
<流動物の剥離性試験>
上述の方法で局所的に液溜まりを作成したボトルを用い、室温下(25℃)において、正立状態のボトルを液溜まりの部分が上側になるようにして約45°傾け、内容物の剥離正を評価した。評価基準は次の通りである。
○:瞬時に剥離する。
×:剥離しない。または剥離する時間が10分以上である。
容器本体として、ボトルA(5種9層ダイレクトブロー多層ボトル)を用意した。
ボトルAの内面にエアブラシを用いたエアスプレー法で、潤滑液として中鎖脂肪酸トリグリセリドを表1に示す量となるように塗布した。内面に潤滑液が塗布されたボトルを用いて、前述の、潤滑液の液溜りの作成、および、流動物の滑り性試験、流動物の剥離性試験を行った。結果をまとめて表1に示す。なお、潤滑液の低密度ポリエチレン表面に対する接触角は、流動物よりも小さい。
潤滑液の液溜りの作成をしなかったこと以外は実験例1と同様にして、流動物の滑り性試験、流動物の剥離性試験を行った。結果をまとめて表1に示す。
内層用樹脂として、平均粒子径が5μmのシリカが5重量%配合されている低密度ポリエチレンを用いた以外は、実験例1と同様にして、成形されたボトルB(5種9層ダイレクトブロー多層ボトル)を用意した。
このボトルについて、上記と同様の評価を行い、その結果を表1に示した。
ボトルAの内面にエアブラシを用いたエアスプレー法で、潤滑液として中鎖脂肪酸トリグリセリドを塗布しなかったことと、潤滑液の液溜りの作成をしなかったこと以外は実験例1と同様にして、流動物の滑り性試験、流動物の剥離性試験を行った。結果をまとめて表1に示す。
また液膜を被覆せず、液溜まりも作成しない実験例4は滑り性、剥離性共に不良である。
以上のことから、液膜を被覆し、液溜まりを作成することで滑り性、剥離性共に良好となり、相乗効果で内容物を容易に排出させることが可能である。
1a:容器本体1の内面
3:流動物
5:シール箔
7:ヘッドスペース
30:潤滑液
31:液溜り
Claims (8)
- 流動物がヘッドスペースを残すようにして収容されている容器本体からなるパッケージにおいて、
前記容器本体の内面は、前記流動物とは非混和性の潤滑液で被覆されており、該内面と該流動物との間に、該潤滑液の被覆層が介在していると共に、
前記容器本体が正立に保持された状態において、該容器本体内に収容されている前記流動物の上端面の周縁部には、前記被覆層を形成している潤滑液の液溜りが形成され、
該液溜りよりも上方のヘッドスペース部分の潤滑液の厚みが、前記流動物と前記容器本体の内面との間に存在する潤滑液の厚みに比して薄くなっており、
前記潤滑液は、0.1~10g/m 2 の量で容器本体内に存在しており、
前記潤滑液の前記内面に対する接触角が前記流動物の前記内面に対する接触角よりも小さいことを特徴とするパッケージ。 - 前記流動物が、100mPa・s(25℃)以上の粘度を有する粘稠物質である請求項1に記載のパッケージ。
- 容器本体が、ダイレクトブローボトルである請求項1又は2に記載のパッケージ。
- ヘッドスペースを残すようにして流動物が収容されている容器本体からなるパッケージから該流動物を排出させる流動物排出方法であって、
前記容器本体の内面に、0.1~10g/m 2 の量の前記流動物とは非混和性の潤滑液を供給して該内面を被覆し、
次いで、前記容器本体を正立に保持した状態に維持することにより、該容器本体内に収容されている前記流動物の上端面の周縁部に、前記被覆層を形成している前記潤滑液からなる液溜りを形成させておき、
前記容器本体を傾けることにより、前記流動物に接触している前記潤滑液が該流動物と一体に挙動し、かつ、該流動物が移動してできた空隙を埋めるように前記液溜りが該空隙に流れ込みながら該流動物を排出させる流動物排出方法。 - 前記液溜りが、前記流動物よりも上方のヘッドペース部分の内面を被覆している前記潤滑液が流れ落ちることにより形成される、請求項4に記載の方法。
- 前記潤滑液の前記内面に対する接触角が前記流動物の前記内面に対する接触角よりも小さい、請求項4に記載の方法。
- 前記流動物が、100mPa・s(25℃)以上の粘度を有する粘稠物質である、請求項4に記載の方法。
- 容器本体が、ダイレクトブローボトルである、請求項4に記載の方法。
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