JP7332467B2 - シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法 - Google Patents

シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7332467B2
JP7332467B2 JP2019239634A JP2019239634A JP7332467B2 JP 7332467 B2 JP7332467 B2 JP 7332467B2 JP 2019239634 A JP2019239634 A JP 2019239634A JP 2019239634 A JP2019239634 A JP 2019239634A JP 7332467 B2 JP7332467 B2 JP 7332467B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure gauge
water pressure
pore water
earth
sand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019239634A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021107656A (ja
Inventor
泰明 小野
譲治 佐藤
大助 三宅
翼 大島
京晨 谷
Original Assignee
地中空間開発株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 地中空間開発株式会社 filed Critical 地中空間開発株式会社
Priority to JP2019239634A priority Critical patent/JP7332467B2/ja
Publication of JP2021107656A publication Critical patent/JP2021107656A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7332467B2 publication Critical patent/JP7332467B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

本発明は、シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法に関し、特に、土砂性状を判断するシールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法に関する。
従来、土砂性状を判断するシールド掘進機が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、隔壁に設置された土圧計をジャッキによりチャンバ内に進退移動させて土砂性状を判断するシールド掘進機が開示されている。このシールド掘進機は、土圧計によりチャンバ内の土圧を測定することによって、チャンバ内の土砂の硬軟(硬さおよび軟らかさ)の情報を得るように構成されている。
特開2010-13895号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のシールド掘進機では、土圧計によりチャンバ内の土砂の硬軟の情報のみが得られるだけであり、土砂の土質を正確に判断することはできないという問題点がある。すなわち、上記特許文献1に記載のシールド掘進機による土圧計では、チャンバ内に細かい粘土が密に詰まっている場合や、チャンバ内に粗い砂が密に詰まっている場合において土圧計の測定値が同じ数値として検出される可能性が高く、細かい粘土や粗い砂では運転方法などが異なるため、適切な運転条件でシールド掘進機を運転させることができないと考えられる。このため、土砂の土質を正確に判断してシールド掘進機を運転させることが求められている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、チャンバ内の土砂の土質をより正確に判断することが可能なシールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明のシールド掘進機は、掘削された土砂が貯留されるチャンバと、土砂の水圧を測定する間隙水圧計と、間隙水圧計の近傍に配置され、土砂の土圧を測定する土圧計と、間隙水圧計が設置される棒状部と、チャンバ内に貯留された土砂に対して、間隙水圧計とともに棒状部を進退移動させる駆動部と、駆動部により棒状部を移動させていない静止時において、間隙水圧計および土圧計の各測定値に基づいて、土砂の塑性流動性を判断するとともに、駆動部により棒状部を移動させている移動時において、間隙水圧計の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定する制御部と、を備え、制御部は、カッタヘッドを停止している間に駆動部により間隙水圧計とともに棒状部を進退移動させて、土砂の不透水性を推定するように構成されている
このシールド掘進機では、上記のように構成することによって、土圧計および間隙水圧計を用いて、土砂の塑性流動性および土砂の不透水性という2つの土砂の土質をより正確に把握するための指標を得ることができる。すなわち、土圧計および間隙水圧計を用いて、チャンバ内の土砂の土質をより正確に判断することができる。その結果、チャンバ内の土砂が細かい粘土または粗い砂であることなどが判別できるようになるので、適切な運転条件でシールド掘進機を運転させることができる。また、駆動部により棒状部とともに間隙水圧計を移動させることができるので、間隙水圧計により測定される水圧を容易に変動させることができる。ここで、不透水性とは水の通り難さの指標のことを指す。
上記シールド掘進機において、好ましくは、棒状部には、土圧計と間隙水圧計とが設けられ、土圧計は、駆動部により間隙水圧計とともに進退移動するように構成されている。このように構成すれば、土圧計と間隙水圧計とを共通の駆動部の棒状部に設置することができるので、装置構成を簡素化することができる。
上記シールド掘進機において、好ましくは、棒状部を移動させていない静止時において、土圧計が間隙水圧計の近傍となる隔壁に設けられる。このように構成すれば、土圧計と間隙水圧計とを異なる対象に設置することができるので、土圧計を隔壁に設置した状態のままで、間隙水圧計のみを取り外してメンテナンスなどを行うことができる。
上記シールド掘進機において、好ましくは、制御部は、駆動部による棒状部の1度の前進移動または後退移動の間に得られる間隙水圧計の複数の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定するように構成されている。このように構成すれば、比較的短い時間で間隙水圧計の複数の測定値を取得することができるので、容易に土砂の不透水性を推定することができる。
上記シールド掘進機において、好ましくは、間隙水圧計は、棒状部の先端に設置され、駆動部は、チャンバの後端を区画する隔壁に固定され、棒状部が進退移動の最も後方である後退限に位置する場合に、間隙水圧計は、掘進方向において、隔壁の前面の近傍に位置する。このように構成すれば、駆動部を前進させることにより、即座に間隙水圧計を隔壁の前面よりも前方に位置(配置)させることができるので、土砂の流動が大きいチャンバの中心側で間隙水圧計による測定を行うことができる。その結果、より精度よくチャンバ内の不透水性を推定することができる。
上記シールド掘進機において、好ましくは、制御部は、静止時の間隙水圧計および土圧計の各測定値から取得する有効応力に基づいて、土砂の塑性流動性を判断するとともに、有効応力および移動時の間隙水圧計の複数の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定するように構成されている。このように構成すれば、土砂の塑性流動性を判断するためおよび土砂の不透水性を推定するための指標として有効応力を用いることができるので、より精度よく土砂の塑性流動性を判断することができるとともに、土砂の不透水性を推定することができる。
この発明のシールド掘進機は、掘削された土砂が貯留されるチャンバと、受圧部と、受圧部に隣接して設けられ、水を貯留する貯留室と、貯留室への土粒子の流入を防ぎながら水の流入を許容するろ過材と、貯留室に洗浄水を噴射してろ過材の目詰まりを解消する洗浄部とを含み、土砂の水圧を測定する間隙水圧計と、間隙水圧計の近傍に配置され、土砂の土圧を測定する土圧計と、間隙水圧計が設置される棒状部と、チャンバ内に貯留された土砂に対して、間隙水圧計とともに棒状部を進退移動させる駆動部と、洗浄部から洗浄水を噴射させていない時において、間隙水圧計および土圧計の各測定値に基づいて、土砂の塑性流動性を判断するとともに、洗浄部から洗浄水を噴射させている時において、間隙水圧計の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定する制御部と、を備え、制御部は、カッタヘッドを停止している間に駆動部により間隙水圧計とともに棒状部を進退移動させて、土砂の不透水性を推定するように構成されている
このシールド掘進機では、上記のように構成することによって、土圧計および間隙水圧計を用いて、土砂の塑性流動性および土砂の不透水性という2つの土砂の土質をより正確に把握するための指標を得ることができる。すなわち、土圧計および間隙水圧計を用いて、チャンバ内の土砂の土質をより正確に判断することができる。その結果、チャンバ内の土砂が細かい粘土または粗い砂であることなどが判別できるようになるので、適切な運転条件でシールド掘進機を運転させることができる。また、間隙水圧計が備える構成である洗浄部を利用して、チャンバ内の土砂が細かい粘土または粗い砂であることなどが判別できるので、判別のために専用の構成を設ける必要がなく、装置構成が複雑化するのを抑制することができる。
この発明のシールド掘進機の土砂性状判別方法は、棒状部を含む駆動部により、間隙水圧計が設置された棒状部を間隙水圧計とともにチャンバ内に貯留された土砂に対して進退移動させている移動時において、間隙水圧計によりチャンバ内の土砂の水圧を測定する工程と、駆動部により棒状部を移動させていない静止時において、間隙水圧計の近傍に配置された土圧計によりチャンバ内の土砂の土圧を測定するとともに、間隙水圧計によりチャンバ内の土砂の水圧を測定する工程と、静止時における間隙水圧計および土圧計の各測定値に基づいて、土砂の塑性流動性を判断する工程と、移動時における間隙水圧計の測定値に基づいて、土砂の水の通り難さの指標である不透水性を推定する工程とを備え、土砂の不透水性を推定する工程は、カッタヘッドを停止している間に駆動部により間隙水圧計とともに棒状部を進退移動させて、土砂の不透水性を推定することを含む
このシールド掘進機の土砂性状判別方法では、上記のように構成することによって、土圧計および間隙水圧計を用いて、土砂の塑性流動性および土砂の不透水性という2つの土砂の土質をより正確に把握するための指標を得ることができる。すなわち、土圧計および間隙水圧計を用いて、チャンバ内の土砂の土質をより正確に判断することができる。その結果、チャンバ内の土砂が細かい粘土または粗い砂であることなどが判別できるようになるので、適切な運転条件でシールド掘進機を運転させることができる。また、駆動部により棒状部とともに間隙水圧計を移動させることができるので、間隙水圧計により測定される水圧を容易に変動させることができる。
この発明のシールド掘進機の土砂性状判別方法は、洗浄水を噴射する洗浄部から、駆動部に含まれる棒状部に設置された間隙水圧計の受圧部に隣接する貯留室に洗浄水を噴射させている時において、間隙水圧計によりチャンバ内の土砂の水圧を測定する工程と、洗浄部から洗浄水を噴射させていない時において、間隙水圧計の近傍に配置された土圧計によりチャンバ内の土砂の土圧を測定するとともに、間隙水圧計によりチャンバ内の土砂の水圧を測定する工程と、洗浄部から洗浄水を噴射させていない時における間隙水圧計および土圧計の各測定値に基づいて、土砂の塑性流動性を判断する工程と、洗浄部から洗浄水を噴射させている時における間隙水圧計の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定する工程とを備え、土砂の不透水性を推定する工程は、カッタヘッドを停止している間に駆動部により間隙水圧計とともに棒状部を進退移動させて、土砂の不透水性を推定することを含む。
このシールド掘進機の土砂性状判別方法では、上記のように構成することによって、土圧計および間隙水圧計を用いて、土砂の塑性流動性および土砂の不透水性という2つの土砂の土質をより正確に把握するための指標を得ることができる。すなわち、土圧計および間隙水圧計を用いて、チャンバ内の土砂の土質をより正確に判断することができる。その結果、チャンバ内の土砂が細かい粘土または粗い砂であることなどが判別できるようになるので、適切な運転条件でシールド掘進機を運転させることができる。また、間隙水圧計が備える構成である洗浄部を利用して、チャンバ内の土砂が細かい粘土または粗い砂であることなどが判別できるので、判別のために専用の構成を設ける必要がなく、装置構成が複雑化するのを抑制することができる。
本発明によれば、上記のように、チャンバ内の土砂の土質をより正確に判断することができる。
第1実施形態によるシールド掘進機の縦断面図である。 第1実施形態によるシールド掘進機の隔壁および駆動部の模式的な正面図である。 第1実施形態によるシールド掘進機の隔壁、土圧計および間隙水圧計を拡大して左右方向から示した断面図である。 時間と水圧/有効応力と貫入速度との関係を表したグラフである。 第2実施形態によるシールド掘進機の隔壁、土圧計および間隙水圧計を拡大して左右方向から示した断面図であり、(A)は前進限に位置する間隙水圧計を示し、(B)は後退限に位置する間隙水圧計を示している。 変形例によるシールド掘進機の隔壁、土圧計および間隙水圧計を拡大して左右方向から示した断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図4を参照して、第1実施形態によるシールド掘進機100について説明する。
(シールド掘進機の全体構成)
図1に示す第1実施形態によるシールド掘進機100は、シールド工法によるトンネル施工に用いる掘進機である。
シールド掘進機100は、カッタヘッド10と、センターシャフト11と、胴部20と、隔壁21と、チャンバ22と、スクリュコンベア23と、シールドジャッキ3と、駆動部4と、土圧計5および間隙水圧計6と、制御部7とを備えている。
駆動部4は、土圧計5および間隙水圧計6が設置される棒状部40(以下のジャッキ部41により移動させる対象)と、土圧計5および間隙水圧計6とともに棒状部40を前後方向に進退移動させるジャッキ部41とを含んでいる。なお、シールド掘進機100は、土圧計5および間隙水圧計6が設置される棒状部40を含む駆動部4を複数(4つ)備えている。
ここで、各図面では、シールド掘進機100の中心軸線αに沿った方向をX方向で示し、X方向のうち掘進方向(前方)をX1方向で示し、後方をX2方向により示す。また、上下方向をZ方向で示し、上方をZ1方向で示し、下方をZ2方向により示す。また、X方向およびZ方向に直交する左右方向(幅方向)をY方向により示す。
シールド掘進機100は、カッタヘッド10をシールド掘進機100(トンネル)の中心軸線α回りに回転させて掘削しながら、シールドジャッキ3により既設のセグメントSGのリング(覆工体)を支持体として掘進方向への推進力を発生させることにより、地山の掘削を行う。カッタヘッド10により掘削された土砂は、チャンバ22内に導入され、スクリュコンベア23によってシールド掘進機100の後方に排出される。
シールド掘進機100は、泥土圧式のシールド掘進機の例を示している。泥土圧式のシールド掘進機100では、チャンバ22内に作泥材が注入されて掘削土砂と混合されることにより、掘削土砂が不透水性と塑性流動性を持つ泥土に変換され、チャンバ22内に充満する。シールド掘進機100は、掘削土砂(泥土)をチャンバ22内に充満させた状態を維持してシールドジャッキ3の推力によりチャンバ22内に泥土圧を発生させることにより、地山側の圧力(切羽の土圧および地下水圧)に対抗させる。シールド掘進機100は、掘進量と排土量とのバランスによって圧力の平衡を保ちながら掘進する。なお、圧力の平衡が適切に保たれなければ、地山の崩れや、シールド掘進機100の故障などの問題が引き起こされる。
そこで、このような問題を抑制するために、シールド掘進機100は、土圧計5の測定値および間隙水圧計6の測定値に基づいて、掘進に伴い時々刻々と変動する土砂性状を判断(推定も含む)するように構成されている。
詳細には、シールド掘進機100(制御部7)は、駆動部4のジャッキ部41により棒状部40(間隙水圧計6および土圧計5)を移動させていない静止時において、間隙水圧計6および土圧計5の各測定値に基づいて、土砂の塑性流動性を判断するとともに、駆動部4のジャッキ部41により棒状部40を移動させている移動時において、間隙水圧計6の測定値に基づいて、土砂の水の通り難さの指標である不透水性を推定するように構成されている。制御部7により行われる制御の詳細については後述する。
(シールド掘進機の各部の構成)
以下、シールド掘進機100の各部の構成について説明する。
〈カッタヘッドおよびセンターシャフトの構成〉
カッタヘッド10は、掘進方向の前方の端部に配置されており、掘進方向(X方向)から見て、円形形状を有している。カッタヘッド10は、回転して土砂を掘削する掘削面を構成している。カッタヘッド10は、中心軸線αを中心として掘進方向に延びるセンターシャフト11により支持されている。すなわち、シールド掘進機100は、カッタヘッド10の支持方式としてセンターシャフト支持方式を採用している。カッタヘッド10には、カッタヘッド10を回転駆動するためのカッタ駆動部11aが設けられている。カッタ駆動部11aは、たとえば、油圧モータである。
〈胴部の構成〉
胴部20は、シールド掘進機100の外殻を構成している。胴部20は、掘進方向に延びる貫通穴状の内部空間を有する円筒形状を有している。胴部20の前方には、カッタヘッド10が配置されている。
〈隔壁の構成〉
隔壁21は、掘進方向に直交する方向に延びる円板形状(図2参照)を有しており、カッタヘッド10の後方で、円筒形状の胴部20の内部に配置されている。隔壁21は、胴部20に対して内周側から固定されている。隔壁21は、掘進方向の前方側(カッタヘッド10側)と後方側とを仕切るように構成されている。すなわち、隔壁21は、チャンバ22の後端を区画して、前方側のチャンバ22と、後方側の大気(作業領域)とを仕切っている。
図2に示すように、隔壁21には、複数(4つ)の駆動部4が固定(設置)されている。詳細には、隔壁21には、複数の駆動部4を固定するための複数の凹部21bが設けられている。凹部21bは、円形の断面形状を有し、隔壁21の前面21aから後方に向けて窪んでいる。複数(4つ)の凹部21bは、中心軸線αから略等距離で配置されている。また、複数(4つ)の凹部21bは、中心軸線αの直上、直下および左右方向の両側に1つずつ配置されている。すなわち、複数(4つ)の凹部21bは、掘進方向(前方)から見て、中心軸線αの周りに略等角度間隔で配置されている。
〈チャンバの構成〉
図1に示すように、チャンバ22は、掘進方向において、カッタヘッド10と隔壁21との間に形成されている。チャンバ22は、カッタヘッド10の後面と、隔壁21の前面21aと、胴部20の内周面とによって区画されている。チャンバ22には、カッタヘッド10によって掘削された土砂が一時的に貯留される。
〈スクリュコンベアの構成〉
スクリュコンベア23は、チャンバ22に接続され、チャンバ22内の土砂を排出するように構成されている。スクリュコンベア23は、チャンバ22内の土砂の高い圧力を、土砂の搬送過程で大気(作業領域)の圧力まで降下させる機能を有している。スクリュコンベア23は、ケーシング23aと、スクリュ23bとを含んでいる。
ケーシング23aは、土砂の排出経路を構成するように、掘進方向に対して傾斜して延びる細長い円管状に形成されている。ケーシング23aの前方の端部には、隔壁21を貫通してチャンバ22内に開口する入口部23cが設けられている。ケーシング23aの後方の端部には、大気に連通する土砂の出口部(図示せず)が設けられている。スクリュ23bは、ケーシング23a内に配置されており、回転によって土砂に対し後方への搬送力を付与するように構成されている。スクリュ23bは、ケーシング23a内で回転することにより、土砂を後方の出口部に向けて搬送するように構成されている。スクリュ23bは、図示しないスクリュ駆動部(図示せず)により回転駆動力(トルク)を付与されるように構成されている。スクリュ駆動部は、スクリュ23bに付与する回転駆動力(トルク)の大きさを自在に調整可能に構成されている。
〈シールドジャッキの構成〉
シールドジャッキ3は、胴部20に取り付けられている。シールドジャッキ3は、胴部20の外周部付近に周方向に並ぶように複数設けられている。シールドジャッキ3は、セグメントSGを後方に押圧して、その反力により胴部20を前方に推進させるように構成されている。
〈駆動部の構成〉
駆動部4は、隔壁21に固定されている。詳細には、駆動部4は、上記の通り、隔壁21の1つの凹部21bに対して1つずつ設けられている。駆動部4は、凹部21bの後方の端面(底の面)に固定されている。駆動部4は、チャンバ22内に貯留された土砂に対して、間隙水圧計6とともに棒状部40を一定の距離間隔で進退移動させるように構成されている。
駆動部4は、上記の通り、土圧計5および間隙水圧計6が設置される棒状部40と、土圧計5および間隙水圧計6とともに棒状部40を前後方向に進退移動させるジャッキ部41とを含んでいる。なお、間隙水圧計6は、棒状部40の先端40a(前方の端部)に設置されている。
ジャッキ部41は、シリンダ41aと、シリンダ41aの前方に配置され、シリンダ41aにより前後方向に進退移動されるロッド41bとを有している。ロッド41bの先端には、棒状部40が固定(設置)されている。したがって、棒状部40は、ロッド41bとともに前後方向に進退移動するように構成されている。この際、棒状部40の先端40aに圧力変動が発生して、棒状部40の先端40aに設置された間隙水圧計6の測定値が変動する。棒状部40は、前後方向に延びる円柱形状を有している。なお、ジャッキ部41は、略一定の力(略一定の速度)により棒状部40を移動させるように構成されている。
棒状部40(駆動部4)には、先端40aに間隙水圧計6が設置されている。また、円柱形状の棒状部40(駆動部4)には、側面40bに土圧計5が設置されている。なお、各図では、棒状部40の下方側に土圧計5を設置しているが、側面40bであれば棒状部40の上方側または左(右)方向側などに土圧計5を設置してもよい。
図3に示すように、進退移動の最も後方である後退限に棒状部40が位置する場合に、間隙水圧計6は、掘進方向において、隔壁21の前面21aの近傍に位置する。詳細には、後退限に棒状部40が位置する場合に、間隙水圧計6は、掘進方向において、隔壁21の前面21aの近傍で、かつ、前面21aよりも後方に位置する。間隙水圧計6が前面21aよりも僅かに後方に位置する場合、棒状部40の先端40aも、前面21aよりも僅かに後方に位置する。なお、間隙水圧計6による測定は、チャンバ22内の土砂の状態を精度よく検出するためにも、隔壁21の前面21aよりも前方(隔壁21の凹部21bの外側)で行われるのが好ましい。また、間隙水圧計6が、掘進方向において、後退限では隔壁21の前面21aよりも後方に位置する例を示したが、間隙水圧計が、掘進方向において、後退限では隔壁の前面よりも(僅かに)前方に位置してもよい。棒状部40が(凹部21bの内側ではなく)チャンバ22内で、一定の距離を移動して、間隙水圧計6で計測することで、チャンバ22内の土砂性状をより正確に把握することができる。
したがって、駆動部4は、進退移動の最も前方である前退限に棒状部40が位置する場合に、間隙水圧計6を隔壁21の前面21aよりも前方に位置するように構成されている。また、駆動部4は、棒状部40を進退移動させる際の略全域において、間隙水圧計6を隔壁21の前面21aよりも前方に位置するように構成されている。すなわち、駆動部4は、棒状部40を進退移動させる際の略全域において、間隙水圧計6が設置された棒状部40の先端40aを、隔壁21の凹部21bから前方に突出(露出)させるように構成されている。
その結果、間隙水圧計6は、隔壁21の凹部21bの内側に位置する土砂ではなく、凹部21bの外側(隔壁21の前面21aよりも前方のチャンバ22内)に位置する土砂の水圧を測定することが可能になる。
〈土圧計の構成〉
土圧計5は、チャンバ22内の土圧を測定するように構成されている。詳細には、土圧計5は、チャンバ22内の土(土粒子)および水により土圧計5に加わる圧力を測定するように構成されている。土圧計5は、土砂に直接接触する受圧部(図示せず)を含んでいる。一例ではあるが、土圧計5は、土砂による受圧部の変形量を作動トランスコイルにより取得することにより、土圧を測定するように構成されている。土圧計5は、間隙水圧計6の近傍に配置されている。なお、仮に、土圧計と間隙水圧計とが、互いに近傍に配置されていなければ(異なる箇所の土圧や水圧を見てもデータに正確性が伴わない)、土砂の性状を正確に把握することができない。土圧計5は、間隙水圧計6と共通の駆動部4の棒状部40に設置され、駆動部4(ジャッキ部41)により間隙水圧計6とともに進退移動するように構成されている。
〈間隙水圧計の構成〉
間隙水圧計6は、チャンバ22内の土砂の水圧(水により間隙水圧計6に加わる圧力)を測定するように構成されている。
間隙水圧計6は、受圧部60と、受圧部60に隣接して設けられ、水を貯留する貯留室61と、貯留室61への土粒子の流入を防ぎながら貯留室61への水の流入を許容するろ過材62と、貯留室61に洗浄水を噴射してろ過材62の目詰まりを解消する洗浄部63とを含んでいる。ろ過材62は、土粒子の粒径よりも小さな無数の貫通穴を有する網状(格子状)に形成されている。洗浄部63は、掘進方向後方から洗浄水を噴射するように構成されている。
一例ではあるが、間隙水圧計6は、水による受圧部60の変形量を作動トランスコイルにより取得することにより、水圧を測定するように構成されている。ろ過材62は、棒状部40の先端40aに配置されている。貯留室61は、ろ過材62の後方で、かつ、受圧部60の前方に配置されている。洗浄部63は、棒状部40の内部に設けられた水路を含み、水路を介して洗浄水を貯留室61に供給するように構成されている。
〈制御部の構成〉
図1に示す制御部7は、配線70により間隙水圧計6および土圧計5の各々と接続されており、間隙水圧計6および土圧計5の各測定値を取得可能に構成されている。配線70は、棒状部40の内部を通されている。
制御部7は、駆動部4により棒状部40を移動させていない静止時の間隙水圧計6および土圧計5の各測定値から取得する有効応力に基づいて、土砂の塑性流動性を判断するように構成されている。たとえば、制御部7は、棒状部40(駆動部4)が後退限で静止している状態で、間隙水圧計6および土圧計5の各測定値を取得して、土圧計5の測定値から間隙水圧計6の測定値を差し引くことにより有効応力を取得するように構成されている。
そして、制御部7は、たとえば、有効応力と塑性流動性との関係を対応付けた所定の判断基準(テーブルなど)を利用して、有効応力から塑性流動性を判断するように構成されている。なお、有効応力が大きくなる程、塑性流動性が小さくなり、有効応力が小さくなる程、塑性流動性が大きくなる。そして、制御部7は、塑性流動性が最適な範囲に収まっているか否かを判断するように構成されている。
上記の塑性流動性の「最適な範囲」とは、シールド掘進機100による掘進時において、土砂の撹拌や運搬に想定以上の多大な外力を必要としない好ましい範囲である。塑性流動性の最適な範囲は、たとえば、過去の掘削事例に基づく経験則などにより画定される。塑性流動性が「最適な範囲」にない場合には、作泥材の量を変更したり、カッタヘッド10の回転速度や、スクリュコンベア23のスクリュ23bに付与する回転駆動力(トルク)の大きさを変更することなどにより対処する。
制御部7は、上記の有効応力および棒状部40の移動時(駆動部4により棒状部40を移動させている間)の間隙水圧計6の複数の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定するように構成されている。ここで、棒状部40の移動時の間隙水圧計6の複数の測定値から、棒状部40の先端40a(間隙水圧計6)における水の消散速度が把握される。土砂の粒径が粗い(大きい)場合は土粒子間を簡単に水が抜けるため有効応力が大きくなる傾向があり、水圧がすぐに消散する。一方、土砂の粒径が細かい(小さい)場合は水が抜けにくいため水圧が残留する。制御部7は、これらの土砂の性質より[移動時の間隙水圧計6の測定値(すなわち水圧)÷有効応力]の値の時間勾配を不透水性を表す指標として用いて、この指標が大きい程、不透水性が大きいと推定するとともに、この指標が小さい程、不透水性が小さいと推定する。
上記の「移動時の間隙水圧計6の複数の測定値」とは、棒状部40を移動させている間において、一定の時間間隔毎に取得される間隙水圧計6の測定値である。たとえば、棒状部40を移動させている間において、制御部7は、0.01秒毎に間隙水圧計6の測定値を取得するように構成されている。さらに、上記の「移動時の間隙水圧計6の複数の測定値」とは、駆動部4による棒状部40の1度の前進移動の間(移動時)に得られる間隙水圧計6の複数の測定値である。また、「1度の前進移動」とは、たとえば、棒状部40の後退限(後退限の近傍を含む)から前進限(前進限の近傍を含む)までの移動である。また、「1度の後退移動」とは、たとえば、棒状部40の前進限(前進限の近傍を含む)から後退限(後退限の近傍を含む)までの移動のことを指す。なお、間隙水圧計6を移動させることなく、間隙水圧計6の洗浄部63から洗浄水を噴射することにより、「移動時の間隙水圧計6の複数の測定値」と同様の測定値を取得することが可能である。すなわち、噴射させた洗浄水の消散させる際に「移動時の間隙水圧計6の複数の測定値」と同様の測定値を取得することが可能である。ここで、上記の前進限とは、棒状部40の前進移動可能な限度の位置である。すなわち、棒状部40が前進限に位置する場合に、間隙水圧計6が最も前方に位置する。また、上記の後退限とは、棒状部40の後退移動可能な限度の位置である。すなわち、棒状部40が後退限に位置する場合に、間隙水圧計6が最も後方に位置する。
ここで、図4を参照して、具体例を示して土砂の不透水性の推定について説明する。たとえば、チャンバ22内が土砂S1で満たされている場合と、チャンバ22内が土砂S2で満たされている場合とについて説明する。いずれの場合も時点t1に後退限から棒状部40(間隙水圧計6)が前進移動を開始して、時点t2に前進限に到達(停止)するものとする。棒状部40(間隙水圧計6)の前進移動の速度(貫入速度)は一定速度Vとする。
結果として、土砂S1の[移動時の間隙水圧計6の測定値(すなわち水圧)÷有効応力]の値は、前進移動の時間に比例して増加して時刻t2において値P1に到達したとする。また、土砂S2の[移動時の間隙水圧計6の測定値(すなわち水圧)÷有効応力]の値は、前進移動の時間に比例して増加して時刻t2において値P1よりも大きい値P2に到達した(P1<P2)とする。この結果から、制御部7は、土砂S2よりも土砂S1の方が水の消散速度が大きいため(水が抜けやすいため)、不透水性が小さいと推定できる。なお、消散速度とは、図4で示す二点鎖線の傾き[単位時間当たりの(移動時の間隙水圧計6の測定値(すなわち水圧)÷有効応力)の変化量]のことを意図している。
なお、制御部7は、上記説明した「土砂の塑性流動性の判断」および「土砂の不透水性の推定」の制御を、カッタヘッド10を停止している間に棒状部40(間隙水圧計6)を前後方向に進退移動させて行うように構成されている。たとえば、カッタヘッド10が停止したことや、ユーザの操作部(図示せず)に対する所定の測定開始操作に伴う信号を受信したことをトリガーとして、制御部7は、「土砂の塑性流動性の判断」および「土砂の不透水性の推定」の制御を行うように構成されている。
〈シールド掘進機の土砂性状判別方法〉
図1に示すシールド掘進機100の土砂性状判別方法について説明する。すなわち、シールド掘進機100の「土砂の塑性流動性の判断方法」および「土砂の不透水性の推定方法」について説明する。シールド掘進機100の土砂性状判別方法には主に4つの工程がある。この4つの工程は、上記説明した内容と同様であるため、以下簡単に説明する。
まず、第1工程において、駆動部4により棒状部40を移動させていない静止時において、間隙水圧計6の近傍に配置された土圧計5によりチャンバ22内の土砂の土圧を測定するとともに、間隙水圧計6によりチャンバ22内の土砂の水圧を測定する。
そして、第2工程において、静止時における間隙水圧計6および土圧計5の各測定値に基づいて、有効応力を取得(算出)して土砂の塑性流動性を判断する。
そして、第3工程において、棒状部40を含む駆動部4により、間隙水圧計6が設置された棒状部40を間隙水圧計6とともにチャンバ22内に貯留された土砂に対して進退移動させている移動時において、間隙水圧計6によりチャンバ22内の土砂の水圧を測定する。
最後に、第4工程における移動時において、間隙水圧計6の測定値に基づいて、土砂の水の通り難さの指標である不透水性を推定する。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、土圧計5および間隙水圧計6を用いて、土砂の塑性流動性および土砂の不透水性という2つの土砂の土質をより正確に把握するための指標を得ることができる。すなわち、土圧計5および間隙水圧計6を用いて、チャンバ22内の土砂の土質をより正確に判断することができる。その結果、チャンバ22内の土砂が細かい粘土または粗い砂であることなどが判別できるようになるので、適切な運転条件でシールド掘進機100を運転させることができる。また、駆動部4により棒状部40とともに間隙水圧計6を移動させることができるので、間隙水圧計6により測定される水圧を容易に変動させることができる。ここで、不透水性とは水の通り難さの指標のことを指す。
第1実施形態では、上記のように、棒状部40には、土圧計5と間隙水圧計6とが設けられ、土圧計5は、駆動部4により間隙水圧計6とともに進退移動するように構成されている。これによって、土圧計5と間隙水圧計6とを共通の駆動部4の棒状部40に設置することができるので、装置構成を簡素化することができる。
第1実施形態では、上記のように、制御部7は、駆動部4による棒状部40の1度の前進移動または後退移動の間に得られる間隙水圧計6の複数の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定するように構成されている。これによって、比較的短い時間で間隙水圧計6の複数の測定値を取得することができるので、容易に土砂の不透水性を推定することができる。
第1実施形態では、上記のように、間隙水圧計6は、棒状部40の先端40aに設置され、駆動部4は、チャンバ22の後端を区画する隔壁21に固定され、棒状部40が進退移動の最も後方である後退限に位置する場合に、間隙水圧計6は、掘進方向において、隔壁21の前面21aの近傍に位置する。これによって、駆動部4を前進させることにより、即座に間隙水圧計6を隔壁21の前面21aよりも前方に位置(配置)させることができるので、土砂の流動が大きいチャンバ22の中心側で間隙水圧計6による測定を行うことができる。その結果、より精度よくチャンバ22内の不透水性を推定することができる。
第1実施形態では、上記のように、制御部7は、静止時の間隙水圧計6および土圧計5の各測定値から取得する有効応力に基づいて、土砂の塑性流動性を判断するとともに、有効応力および移動時の間隙水圧計6の複数の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定するように構成されている。これによって、土砂の塑性流動性を判断するためおよび土砂の不透水性を推定するための指標として有効応力を用いることができるので、より精度よく土砂の塑性流動性を判断することができるとともに、土砂の不透水性を推定することができる。
[第2実施形態]
次に、図5(A)および(B)を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、間隙水圧計6のろ過材62を網状(格子状)に形成した上記第1実施形態の構成とは異なり、間隙水圧計206のろ過材262を粒状(繊維状)に形成する例について説明する。上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
第2実施形態のシールド掘進機200は、間隙水圧計206を備えている。
間隙水圧計206は、受圧部60と、受圧部60に隣接して設けられ、水を貯留する貯留室261と、受圧部60への土粒子の流入を防ぎながら水の流入を許容するろ過材262と、貯留室261に洗浄水を噴射してろ過材262の目詰まりを解消する洗浄部63と、ろ過材262が固定され、受圧部60および貯留室261を覆うカバー部264と、ろ過材262が貯留室261から流出するのを防ぐ金網などの抑え部262aを含んでいる。ろ過材262は、粒状(繊維状)に形成されており、貯留室261内に複数配置されている。
カバー部264は、概して、前後方向に延びる円筒形状を有しており、棒状部40(受圧部60)に対して前後方向の所定範囲で位置ずれ可能に構成されている。たとえば、棒状部40が後退移動して、図5(A)の位置から、図5(B)の位置まで移動したとすると、カバー部264は、周囲の土砂の周面摩擦によりその場に留まろうとするため、抑え部262aと受圧部60との間の距離が大きくなり、貯留室261の容積が大きくなる(ろ過材262の膨張スペースが生まれる)。貯留室261の容積が大きくなる程、洗浄部63によるろ過材262の洗浄の効率が向上する。そして、棒状部40は、再び前進移動して、貯留室261内のろ過材262を圧密する。この際、棒状部40が回転しながら前進移動するように構成されているとろ過材262の圧密効率が良くなるため好ましい。また、貯留室261が拡大されることで、逆洗時(洗浄水の噴射時)にろ過材262が膨張し、ろ過材262内に詰まった土砂が移動しやすくなって逆洗効率(洗浄の効率)が向上する。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、土圧計5および間隙水圧計206を用いて、チャンバ22内の土砂の土質をより正確に判断することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、泥土圧式のシールド掘進機に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明を、泥水式のシールド掘進機に適用してもよい。泥水式のシールド掘進機の場合には、送泥管を介してチャンバ内に泥水を送り込んで掘削土砂をスラリー化し、スラリー化した掘削土砂を、排泥管を介して排出する。
また、上記第1および第2実施形態では、センターシャフト方式のシールド掘進機に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、中間支持方式のシールド掘進機に本発明を適用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、土圧計および間隙水圧計のセットを4つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、土圧計および間隙水圧計のセットを1つ以上3つ以下または5つ以上設けてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、駆動部による棒状部の1度の前進移動の間に得られる間隙水圧計の複数の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動部による棒状部の1度の後退移動の間に得られる間隙水圧計の複数の測定値に基づいて、土砂の不透水性を推定してもよい。この他、1度の前進移動や後退移動の間に得られる水圧計の測定値の取得を、複数回繰り返し行い、その平均値をとって不透水性を推定してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、駆動部により棒状部(間隙水圧計)を前後方向に進退移動させる際に、隔壁の前面よりも前方に棒状部(間隙水圧計)が位置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動部により棒状部(間隙水圧計)を前後方向に進退移動させる際に、隔壁の前面よりも後方に棒状部(間隙水圧計)が常に位置するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、土圧計を棒状部(駆動部)に設置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図6に示す変形例のシールド掘進機300のように、土圧計305を間隙水圧計6の近傍において、隔壁21に設置してもよい。すなわち、棒状部40を移動させていない静止時において、土圧計305が間隙水圧計6の近傍となる隔壁21に設けられるようにしてもよい。これによって、土圧計305と間隙水圧計6とを異なる対象に設置することができるので、土圧計305を隔壁21に設置した状態のままで、間隙水圧計6のみを取り外してメンテナンスなどを行うことができる。
また、上記第1および第2実施形態では、駆動部のジャッキ部により、間隙水圧計(棒状部)を進退移動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、駆動部がモータを含んでおり、駆動部のモータにより、間隙水圧計(棒状部)を進退移動させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、カッタヘッドを停止している間に棒状部(間隙水圧計)を前後方向に進退移動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、カッタヘッドを駆動させている間に棒状部(間隙水圧計)を前後方向に進退移動させてもよい。
4 駆動部
5、305 土圧計
6、206 間隙水圧計
7 制御部
21 隔壁
21a 前面
22 チャンバ
40 棒状部
40a 先端
60 受圧部
61、261 貯留室
62、262 ろ過材
63 洗浄部
100、200、300 シールド掘進機

Claims (9)

  1. 掘削された土砂が貯留されるチャンバと、
    前記土砂の水圧を測定する間隙水圧計と、
    前記間隙水圧計の近傍に配置され、前記土砂の土圧を測定する土圧計と、
    前記間隙水圧計が設置される棒状部と、
    前記チャンバ内に貯留された前記土砂に対して、前記間隙水圧計とともに前記棒状部を進退移動させる駆動部と、
    前記駆動部により前記棒状部を移動させていない静止時において、前記間隙水圧計および前記土圧計の各測定値に基づいて、前記土砂の塑性流動性を判断するとともに、前記駆動部により前記棒状部を移動させている移動時において、前記間隙水圧計の測定値に基づいて、前記土砂の不透水性を推定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、カッタヘッドを停止している間に前記駆動部により前記間隙水圧計とともに前記棒状部を進退移動させて、前記土砂の不透水性を推定するように構成されている、シールド掘進機。
  2. 前記棒状部には、前記土圧計と前記間隙水圧計とが設けられ、
    前記土圧計は、前記駆動部により前記間隙水圧計とともに進退移動するように構成されている、請求項1に記載のシールド掘進機。
  3. 前記棒状部を移動させていない前記静止時において、前記土圧計が前記間隙水圧計の近傍となる隔壁に設けられる、請求項1に記載のシールド掘進機。
  4. 前記制御部は、前記駆動部による前記棒状部の1度の前進移動または後退移動の間に得られる前記間隙水圧計の複数の測定値に基づいて、前記土砂の不透水性を推定するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のシールド掘進機。
  5. 前記間隙水圧計は、前記棒状部の先端に設置され、
    前記駆動部は、前記チャンバの後端を区画する隔壁に固定され、
    前記棒状部が進退移動の最も後方である後退限に位置する場合に、前記間隙水圧計は、掘進方向において、前記隔壁の前面の近傍に位置する、請求項1~4のいずれか1項に記載のシールド掘進機。
  6. 前記制御部は、前記静止時の前記間隙水圧計および前記土圧計の各測定値から取得する有効応力に基づいて、前記土砂の塑性流動性を判断するとともに、前記有効応力および前記移動時の前記間隙水圧計の複数の測定値に基づいて、前記土砂の不透水性を推定するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のシールド掘進機。
  7. 掘削された土砂が貯留されるチャンバと、
    受圧部と、前記受圧部に隣接して設けられ、水を貯留する貯留室と、前記貯留室への土粒子の流入を防ぎながら水の流入を許容するろ過材と、前記貯留室に洗浄水を噴射して前記ろ過材の目詰まりを解消する洗浄部とを含み、前記土砂の水圧を測定する間隙水圧計と、
    前記間隙水圧計の近傍に配置され、前記土砂の土圧を測定する土圧計と、
    前記間隙水圧計が設置される棒状部と、
    前記チャンバ内に貯留された前記土砂に対して、前記間隙水圧計とともに前記棒状部を進退移動させる駆動部と、
    前記洗浄部から洗浄水を噴射させていない時において、前記間隙水圧計および前記土圧計の各測定値に基づいて、前記土砂の塑性流動性を判断するとともに、前記洗浄部から洗浄水を噴射させている時において、前記間隙水圧計の測定値に基づいて、前記土砂の不透水性を推定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、カッタヘッドを停止している間に前記駆動部により前記間隙水圧計とともに前記棒状部を進退移動させて、前記土砂の不透水性を推定するように構成されている、シールド掘進機。
  8. 棒状部を含む駆動部により、間隙水圧計が設置された前記棒状部を前記間隙水圧計とともにチャンバ内に貯留された土砂に対して進退移動させている移動時において、前記間隙水圧計により前記チャンバ内の前記土砂の水圧を測定する工程と、
    前記駆動部により前記棒状部を移動させていない静止時において、前記間隙水圧計の近傍に配置された土圧計により前記チャンバ内の前記土砂の土圧を測定するとともに、前記間隙水圧計により前記チャンバ内の前記土砂の水圧を測定する工程と、
    前記静止時における前記間隙水圧計および前記土圧計の各測定値に基づいて、前記土砂の塑性流動性を判断する工程と、
    前記移動時における前記間隙水圧計の測定値に基づいて、前記土砂の不透水性を推定する工程とを備え、
    前記土砂の不透水性を推定する工程は、カッタヘッドを停止している間に前記駆動部により前記間隙水圧計とともに前記棒状部を進退移動させて、前記土砂の不透水性を推定することを含む、シールド掘進機の土砂性状判別方法。
  9. 洗浄水を噴射する洗浄部から、駆動部に含まれる棒状部に設置された間隙水圧計の受圧部に隣接する貯留室に洗浄水を噴射させている時において、前記間隙水圧計によりチャンバ内の土砂の水圧を測定する工程と、
    前記洗浄部から洗浄水を噴射させていない時において、前記間隙水圧計の近傍に配置された土圧計により前記チャンバ内の前記土砂の土圧を測定するとともに、前記間隙水圧計により前記チャンバ内の前記土砂の水圧を測定する工程と、
    前記洗浄部から洗浄水を噴射させていない時における前記間隙水圧計および前記土圧計の各測定値に基づいて、前記土砂の塑性流動性を判断する工程と、
    前記洗浄部から洗浄水を噴射させている時における前記間隙水圧計の測定値に基づいて、前記土砂の不透水性を推定することとを備え、
    前記土砂の不透水性を推定する工程は、カッタヘッドを停止している間に前記駆動部により前記間隙水圧計とともに前記棒状部を進退移動させて、前記土砂の不透水性を推定することを含む、シールド掘進機の土砂性状判別方法。
JP2019239634A 2019-12-27 2019-12-27 シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法 Active JP7332467B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019239634A JP7332467B2 (ja) 2019-12-27 2019-12-27 シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019239634A JP7332467B2 (ja) 2019-12-27 2019-12-27 シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021107656A JP2021107656A (ja) 2021-07-29
JP7332467B2 true JP7332467B2 (ja) 2023-08-23

Family

ID=76968196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019239634A Active JP7332467B2 (ja) 2019-12-27 2019-12-27 シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7332467B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7436173B2 (ja) 2019-09-30 2024-02-21 グローブライド株式会社 魚釣用リール、及びその駆動ギア
RU226751U1 (ru) * 2024-03-26 2024-06-20 Общество с ограниченной ответственностью "Автокомпонент" Коробка передач транспортного средства

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233677A (ja) 2005-01-27 2006-09-07 Kajima Corp 掘進機および計測装置
JP2016130406A (ja) 2015-01-13 2016-07-21 株式会社安藤・間 せん断力計、並びにこれを用いた土圧シールド工法に使用するチャンバー内掘削土の性状測定評価方法、シールド掘進機、及び土砂の塑性流動性試験装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58189495A (ja) * 1982-04-27 1983-11-05 三菱重工業株式会社 シ−ルドトンネル掘進方法
JPH01110337U (ja) * 1988-01-20 1989-07-25

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233677A (ja) 2005-01-27 2006-09-07 Kajima Corp 掘進機および計測装置
JP2016130406A (ja) 2015-01-13 2016-07-21 株式会社安藤・間 せん断力計、並びにこれを用いた土圧シールド工法に使用するチャンバー内掘削土の性状測定評価方法、シールド掘進機、及び土砂の塑性流動性試験装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7436173B2 (ja) 2019-09-30 2024-02-21 グローブライド株式会社 魚釣用リール、及びその駆動ギア
RU226751U1 (ru) * 2024-03-26 2024-06-20 Общество с ограниченной ответственностью "Автокомпонент" Коробка передач транспортного средства

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021107656A (ja) 2021-07-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108561142B (zh) 高压水射流盾构机
US8821072B2 (en) Ground drilling method and apparatus
JP7332467B2 (ja) シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂性状判別方法
JP3828615B2 (ja) トンネル掘削機械のカッタの損耗診断方法
JP4024504B2 (ja) 泥土の塑性流動化測定方法およびその塑性流動化測定装置を備えたシールド機
JP2006233677A (ja) 掘進機および計測装置
JP2015021338A (ja) 泥土圧シールド掘進機の土圧計の交換装置および泥土圧シールド掘進機の土圧計の交換方法
JP2007308931A (ja) シールド掘進機の破砕装置
US5443305A (en) Tunnelling machine
JPS626078B2 (ja)
JP7287834B2 (ja) シールド掘進機
JP3849693B2 (ja) 地中連続壁工法の撹拌評価方法および掘削機
JP2791709B2 (ja) シールド機の掘進制御方法
JP6035649B2 (ja) 地盤調査装置、連続壁の構築装置及び連続壁の構築工法
JP5048601B2 (ja) チャンバ内土砂流動計測装置及びシールド掘進機
JP3460981B2 (ja) シールド掘進機およびシールド掘進機の掘削可能距離推定方法
JPH11101091A (ja) トンネル掘削機及び掘削方法
JP2023000042A (ja) シールド掘進機およびシールド掘進機の土砂圧力測定方法
JP2010013895A (ja) チャンバ内土砂性状計測装置及びシールド掘進機
JP2023069038A (ja) 回転掘削機の掘削土性状測定装置
JP5417232B2 (ja) 探査システム、シールド機及びシールド機の掘進工法
JP2018040118A (ja) 切羽地山探査方法及び装置
JP4648037B2 (ja) シールド工法における掘進管理方法
JP5395715B2 (ja) 掘進機
JPS60148998A (ja) 穴坑内における穴坑削機と地肌間の距離検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20211101

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7332467

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150