JP6035649B2 - 地盤調査装置、連続壁の構築装置及び連続壁の構築工法 - Google Patents
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Description
〔請求項1記載の発明〕
地盤を掘削する掘削軸と、
この掘削軸が前記地盤中を推進するに際して、当該地盤から後方への土圧を受け、この土圧によって後方へ移動される受圧部材、及び、この受圧部材に対して前方への押圧力を与え、この押圧力によって前記土圧の低下に応じて前記受圧部材を前方へ移動する押圧部材、を有する前記掘削軸の先端部に備えられた土圧検知手段と、
前記受圧部材の前後移動を利用して前記土圧を算出する土圧算出手段と、が備わり、
前記掘削軸が軸心回りに回転可能とされ、
前記受圧部材が、円柱状とされ、かつ前記掘削軸と同軸的に配置され、
前記掘削軸の先端部であって前記受圧部材の周囲に複数本の掘削刃が備えられ、
前記受圧部材が前記後方への土圧を受けている状態において、当該受圧部材の先端面が前記掘削刃の先端縁よりも後方に位置する関係とされた、
ことを特徴とする地盤調査装置。
本発明の地盤調査装置によれば、地盤中に存在する空洞等を確実に調査(発見)することができる。より詳細には、例えば、図1に示すように、掘削軸1が地盤G中を推進するに際して、当該地盤Gから後方への土圧を受け、この土圧によって後方へ移動される受圧部材10と、この受圧部材10に対して前方への押圧力を与え、この押圧力によって土圧の低下に応じて受圧部材10を前方へ移動する押圧部材20と、を有する土圧検知手段2においては、例えば、地盤G中に空洞が存在したり、地下水が流れる層が存在したり、密度が著しく低い層が存在したりすると、受圧部材10が受ける後方への土圧が低下するため、この土圧の低下に応じて受圧部材10が前方へ移動することになる。したがって、当該土圧検知手段2が掘削軸1の先端部1Aに備わり、かつ受圧部材10の前後移動を利用して土圧を算出する土圧算出手段が備わる地盤調査装置によれば、掘削軸1が地盤Gから受ける周面摩擦抵抗の影響を受けることなく、地盤G中に存在する空洞等を正確に調査(発見)することができる。
受圧部材が円柱状とされ、かつ掘削軸と同軸的に配置されていると、掘削軸が軸心回りに回転するとしても、当該回転による受圧部材に対する影響を最小限に抑えることができる。また、掘削軸の先端部であって受圧部材の周囲に複数本の掘削刃が備えられていると、当該掘削刃が掘削機能と伴に受圧部材の保護機能を発揮することになる。さらに、受圧部材が後方への土圧を受けている状態においては、当該受圧部材が損壊等し易い状態にあるが、当該状態において受圧部材の先端面が掘削刃の先端縁よりも後方に位置する関係とされていると、掘削刃による受圧部材の保護機能が確実に発揮され、受圧部材の損壊等が生じるおそれがない。
地盤を掘削する掘削軸と、
この掘削軸が前記地盤中を推進するに際して、当該地盤から後方への土圧を受け、この土圧によって後方へ移動される受圧部材、及び、この受圧部材に対して前方への押圧力を与え、この押圧力によって前記土圧の低下に応じて前記受圧部材を前方へ移動する押圧部材、を有する前記掘削軸の先端部に備えられた土圧検知手段と、
前記受圧部材の前後移動を利用して前記土圧を算出する土圧算出手段と、
この土圧算出手段からの算出値に基づいて前記地盤中に充填材を吐出する吐出口と、
前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂中に固化材を吐出する吐出口と、が備わる、
ことを特徴とする連続壁の構築装置。
上記土圧検知手段、土圧算出手段及び充填材の吐出口と伴に、地盤の掘削によって発生する掘削土砂中に固化材を吐出する吐出口が備わる連続壁の構築装置によると、空洞等に充填材を充填したうえで、掘削土砂及び固化材を攪拌混合して固化体を造成することができ、連続壁を確実に構築することができる
前記充填材の吐出口と前記固化材の吐出口とが同一である、
請求項2記載の連続壁の構築装置。
充填材の吐出口と固化材の吐出口とが同一であると、充填材や固化材の流路等を複数設ける必要がなく、装置がシンプルになる。特に、空洞等が存在する地層部位に充填材を充填することなく、当該地層部位における固化材の吐出量を多くして連続壁を構築する場合は、充填材の吐出口が不要となるため、極めて有用である。
請求項1記載の地盤調査装置を使用して地盤を先行調査する工程と、
この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて前記地盤中に充填材の充填を行う工程と、
前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。
地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程に先立って、地盤を先行調査する工程と、この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて地盤中に充填材の充填を行う工程とを有すると、充填材の充填によって空洞等が存在する地層部位における地盤が改良された後、固化体の造成を行うことになるため、連続壁を確実に構築することができる。
請求項1記載の地盤調査装置を使用して地盤を先行調査する工程と、
この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて、前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂中に固化材を吐出し、この固化材と前記掘削土砂とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。
地盤を先行調査する工程を有し、この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて、地盤の掘削によって発生する掘削土砂中に固化材を吐出する方法においては、空洞等が存在する地層部位において固化材の吐出量を多くすることができるため、連続壁を確実に構築することができる。
地盤を掘削する掘削軸と、
この掘削軸が前記地盤中を推進するに際して、当該地盤から後方への土圧を受け、この土圧によって後方へ移動される受圧部材、及び、この受圧部材に対して前方への押圧力を与え、この押圧力によって前記土圧の低下に応じて前記受圧部材を前方へ移動する押圧部材、を有する前記掘削軸の先端部に備えられた土圧検知手段と、
前記受圧部材の前後移動を利用して前記土圧を算出する土圧算出手段と、
この土圧算出手段からの算出値に基づいて前記地盤中に充填材を吐出する吐出口と、が備わる地盤改良装置を使用して地盤の土圧情報を取得しつつ、当該土圧情報に基づいて前記地盤に充填材を充填して地盤を改良する工程と、
前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。
上記土圧検知手段及び土圧算出手段と伴に、この土圧算出手段からの算出値に基づいて地盤中に充填材を吐出する吐出口が備わる地盤改良装置によると、空洞等に充填材を充填することができ、空洞等の調査のみならず、当該空洞等が存在する地層部位の改良まで行うことができる。
(主な作用効果)
地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程に先立って、地盤の土圧情報を取得しつつ、当該土圧情報に基づいて地盤に充填材を充填して地盤を改良する工程を有すると、充填材の充填によって空洞等が存在する地層部位における地盤が改良された後、固化体の造成を行うことになるため、連続壁を確実に構築することができる。
請求項2又は請求項3記載の連続壁の構築装置を使用して地盤を先行調査する工程と、
この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて、前記連続壁の構築装置を使用して前記地盤中に充填材の充填を行う工程と、
更に前記連続壁の構築装置を使用して前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。
地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程に先立って、地盤を先行調査する工程と、この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて、地盤中に充填材の充填を行う工程とを有する場合において、以上の先後調査、充填材の充填並びに掘削土砂及び固化材の攪拌混合を同一の連続壁の構築装置を使用して行う工法によると、装置の交換作業等が必要にならないため、極めて簡易な施工方法となる。
請求項2又は請求項3記載の連続壁の構築装置を使用して地盤の土圧情報を取得し、当該土圧情報に基づいて前記地盤に充填材を充填すると伴に、前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。
地盤の土圧情報を取得し、当該土圧情報に基づいて地盤に充填材を充填する作業と、掘削土砂及び固化材を攪拌混合する作業とを同一の工程において行うものとすると、施工時間を短縮することができ、更に簡易な施工方法となる。
請求項2又は請求項3記載の連続壁の構築装置を使用して地盤の土圧情報を取得し、当該土圧情報に基づいて前記地盤中に固化材を吐出し、この固化材と前記掘削土砂とを攪拌混合する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。
地盤の土圧情報を取得し、当該土圧情報に基づいて地盤中に固化材を吐出し、この固化材と掘削土砂とを攪拌混合するものとすると、土圧情報に基づいて地盤中に吐出する固化材の量を変化させながら上記攪拌混合を行うことができ、施工時間を更に短縮することができる。
図2の(1)〜(3)に示すように、本発明に係る装置は、地盤調査装置X1、地盤改良装置X2、及び連続壁の構築装置X3に、分類することができる。
地盤調査装置X1は、地盤中に空洞等が存在するか否かを調査する装置である。図2の(1)に示すように、地盤調査装置X1は、地盤の「掘削手段(機能)」及び空洞等の「調査手段(機能)」を有する。
より具体的には、図3に示すように、地盤調査装置X1は、まず、地盤Gを掘削する掘削軸1を有する。この掘削軸1は、例えば、複数本の単位掘削軸が長手方向に連結されて構成されており、直線長尺状とされる。掘削軸1は、通常単軸であるが、多軸とすることもできる。掘削軸1は、下端部がベースマシン71によって拘束され、上端部が支持体74によって支持されている。
次に、地盤調査装置X1を使用した地盤Gの調査工法について説明する。
図5に示すように、地盤調査装置X1を使用して地盤Gを調査するにあたっては、掘削軸1が地盤G中を推進するに際して、連続的に、又は適宜の間隔をおいて、土圧情報や深度情報等の検知情報を取得する。この取得した検知情報は、例えば、前述した無線送信装置75Aから無線受信装置75Bに電気信号等として送信する。この送信した検知情報は適宜記録し、必要により、画像表示部や印刷用紙等に表示して視覚化することができる。
次に、地盤改良装置X2について説明する。
地盤改良装置X2は、地盤G中に空洞等が存在するか否かを調査すると伴に、空洞等が存在する場合は当該空洞等が存在する地層部位に充填材を充填して当該地層部位の性状を改良する装置である。空洞等が存在する地層部位の性状を改良することで、例えば、地盤G全体が連続壁を構築するに適した状態となる。もっとも、地盤改良装置X2は、例えば、地盤Gの陥没事故等を防止するためにも使用することができる。
次に、地盤Gの改良工法について説明する。
地盤Gの改良は、前述した地盤調査装置X1を使用した施工形態も考えることができる。この形態においては、図6の(1)に示すように、地盤調査装置X1を使用して地盤Gの調査を連続的に行い(調査工程)、この調査結果に基づき適宜の他の装置Eを使用して、空洞等が存在する地層部位の改良を行う(改良工程)。この点、他の装置Eとしては、充填材の充填を行うことができる公知の装置を使用することができるが、上記地盤改良装置X2や後述する連続壁の構築装置X3等も使用することができる。
次に、連続壁の構築装置X3について説明する。
連続壁の構築装置X3は、地盤G中に空洞等が存在するか否かを調査し、空洞等が存在する場合は当該空洞等が存在する地層部位の性状を改良し、そのうえで地盤G中に円柱状の固化体を造成する装置である。例えば、図8に示すように、固化体101の造成を、その一部がラップするように繰り返すことで、柱列状の連続壁100を構築することができる。
次に、連続壁100の構築工法について説明する。
この連続壁100の構築工法としては、前述した地盤調査装置X1や地盤改良装置X2を使用した施工形態も考えることができる。これらの形態においては、図7の(1)に示すように、地盤調査装置X1と他の装置Eとを組合せ使用して、あるいは地盤改良装置X2を使用して、前述したよう方法で地盤Gの改良を行い(改良工程)、この改良が行われた地盤Gに適宜の他の装置Eを使用して固化体101を造成する(造成工程)。この造成を繰り返すことで、連続壁100が形成される。この点、この際に使用する他の装置Eとしては、例えば、前述した特許文献1,2等に開示される掘削軸が備わる地盤掘削装置やチェーンカッター等の固化材の吐出やこの固化材と掘削土砂との攪拌混合を行うことができる公知の装置を使用することができる。また、上記連続壁の構築装置X3も使用することができる。これらの形態によると、空洞等が存在する地層部位の性状を改良したうえで、固化体101を造成することになるため、連続壁100が連続しなくなるおそれ等がない。
Claims (9)
- 地盤を掘削する掘削軸と、
この掘削軸が前記地盤中を推進するに際して、当該地盤から後方への土圧を受け、この土圧によって後方へ移動される受圧部材、及び、この受圧部材に対して前方への押圧力を与え、この押圧力によって前記土圧の低下に応じて前記受圧部材を前方へ移動する押圧部材、を有する前記掘削軸の先端部に備えられた土圧検知手段と、
前記受圧部材の前後移動を利用して前記土圧を算出する土圧算出手段と、が備わり、
前記掘削軸が軸心回りに回転可能とされ、
前記受圧部材が、円柱状とされ、かつ前記掘削軸と同軸的に配置され、
前記掘削軸の先端部であって前記受圧部材の周囲に複数本の掘削刃が備えられ、
前記受圧部材が前記後方への土圧を受けている状態において、当該受圧部材の先端面が前記掘削刃の先端縁よりも後方に位置する関係とされた、
ことを特徴とする地盤調査装置。 - 地盤を掘削する掘削軸と、
この掘削軸が前記地盤中を推進するに際して、当該地盤から後方への土圧を受け、この土圧によって後方へ移動される受圧部材、及び、この受圧部材に対して前方への押圧力を与え、この押圧力によって前記土圧の低下に応じて前記受圧部材を前方へ移動する押圧部材、を有する前記掘削軸の先端部に備えられた土圧検知手段と、
前記受圧部材の前後移動を利用して前記土圧を算出する土圧算出手段と、
この土圧算出手段からの算出値に基づいて前記地盤中に充填材を吐出する吐出口と、
前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂中に固化材を吐出する吐出口と、が備わる、
ことを特徴とする連続壁の構築装置。 - 前記充填材の吐出口と前記固化材の吐出口とが同一である、
請求項2記載の連続壁の構築装置。 - 請求項1記載の地盤調査装置を使用して地盤を先行調査する工程と、
この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて前記地盤中に充填材の充填を行う工程と、
前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。 - 請求項1記載の地盤調査装置を使用して地盤を先行調査する工程と、
この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて、前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂中に固化材を吐出し、この固化材と前記掘削土砂とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。 - 地盤を掘削する掘削軸と、
この掘削軸が前記地盤中を推進するに際して、当該地盤から後方への土圧を受け、この土圧によって後方へ移動される受圧部材、及び、この受圧部材に対して前方への押圧力を与え、この押圧力によって前記土圧の低下に応じて前記受圧部材を前方へ移動する押圧部材、を有する前記掘削軸の先端部に備えられた土圧検知手段と、
前記受圧部材の前後移動を利用して前記土圧を算出する土圧算出手段と、
この土圧算出手段からの算出値に基づいて前記地盤中に充填材を吐出する吐出口と、が備わる地盤改良装置を使用して地盤の土圧情報を取得しつつ、当該土圧情報に基づいて前記地盤に充填材を充填して地盤を改良する工程と、
前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。 - 請求項2又は請求項3記載の連続壁の構築装置を使用して地盤を先行調査する工程と、
この工程において得られた土圧情報及び深度情報に基づいて、前記連続壁の構築装置を使用して前記地盤中に充填材の充填を行う工程と、
更に前記連続壁の構築装置を使用して前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する工程と、を有する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。 - 請求項2又は請求項3記載の連続壁の構築装置を使用して地盤の土圧情報を取得し、当該土圧情報に基づいて前記地盤に充填材を充填すると伴に、前記地盤の掘削によって発生する掘削土砂と固化材とを攪拌混合する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。 - 請求項2又は請求項3記載の連続壁の構築装置を使用して地盤の土圧情報を取得し、当該土圧情報に基づいて前記地盤中に固化材を吐出し、この固化材と前記掘削土砂とを攪拌混合する、
ことを特徴とする連続壁の構築工法。
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