JP7331260B2 - 接合方法 - Google Patents

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Description

本開示は、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)の接合方法に関するものである。
FRTPで構成された被接合部材同士を接合する方法として、ボルト結合、融着、およびプラズマ処理を用いた化学結合(特許文献1参照)が知られている。
ボルト結合では、被接合部材同士をボルトおよびナットで固定する。融着では、FRTPの母材(熱可塑性樹脂)を溶融させて被接合部材同士を接合させる。
プラズマ処理を用いた化学結合では、プラズマを照射して被接合面にヒドロキシ基などの酸素含有官能基を導入する。酸素含有官能基が導入された面同士を合わせ、加熱および加圧することにより酸素含有官能基同士が化学反応し、結合される。
米国特許第8632651号明細書
しかしながら、上記接合方法は、それぞれ課題を有している。
ボルト結合は、ボルト継手強度が低く、被接合部材の板厚を厚くする必要がある。また、穴あけ、ボルト取り付け、シーリング作業を多数の箇所で行う場合には、組み立て工数が増大し、製品の重量が増加する。さらに、ボルトおよびナットの使用では、強化繊維として炭素繊維を用いた場合に電食の懸念がある。
融着では、被接合部材の母材を溶融させるため、板厚および形状の制御が難しい。また、母材を溶融させることで、被接合部材に含まれる強化繊維がうねる恐れがある。
プラズマ処理を用いた方法では、FRTPの母材の融点以下の温度で加熱するため、母材は溶融されない。そのため、溶融によって板厚および形状が変化せず、強化繊維のうねりも発生しない。
しかしながら、プラズマ処理を用いた方法にも改善の余地がある。例えば、被接合部材となるFRTPの表面は平坦ではない。平坦でない面を合わせると、被接合面間に隙間が生じる。隙間部分では、面同士が接合できないため、接合力が弱くなる。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被接合面を活性化させることによるFRTP同士の接合において、接合の強度を向上させられる接合方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の接合方法は以下の手段を採用する。
本開示は、母材が熱可塑性樹脂である繊維強化熱可塑性プラスチックを被接合部材とし、前記被接合部材同士を接合する接合方法であって、前記被接合部材の被接合面を活性化処理し、活性化処理した前記被接合面を対向させて、前記被接合部材同士を重ね合わせ、重ね合わせた前記被接合部材同士からなる重ね合わせ部材の両面に接触させて、被接合部分を挟み込む配置で電極部材を取り付け、前記母材が軟化するガラス転移温度を超え融点未満の温度に維持される条件で、前記重ね合わせ部材を加圧および加熱し、前記加熱は、前記電極部材に電流を流して行う接合方法を提供する。
本開示の接合方法によれば、活性化処理することで被接合面に活性官能基が導入される。活性官能基が導入された被接合面同士を対向させて重ね合わせた後、加熱および加圧すると、一方の被接合面にある活性官能基と、他方の被接合面にある活性官能基との化学反応が進む。これにより、被接合部材同士が接合される。
本開示の接合方法によれば、母材が溶融しないように加熱および加圧する。そのため、溶融による被接合部材の板厚変化がなく、強化繊維がうねる懸念もない。よって、被接合部材の板厚および形状の管理が容易となる。
重ね合わせ部材では、被接合部材と、それに重ね合せた他の被接合部材との境界(接合界面)で最も電気抵抗が大きくなる。本開示の接合方法によれば、電流を流すことによって接合界面で生じた熱を利用する。これにより、重ね合わせ部材の全体を加熱する方法と比べ、短時間での接合が可能となる。
接合界面で発生した熱によって、被接合面の母材は、加熱前よりも軟化されうる。軟化された被接合面は、当接する相手面の形状に馴染みやすくなる。被接合面が馴染むと、加熱および加圧前に被接合面間にあった隙間を狭くし、対向する被接合面にある官能基同士を反応可能な距離まで近づけることができる。
これにより、隙間部分にある官能基であっても、対向する面にある官能基と反応でき、より確実に接合させることが可能となる。よって、得られた接合体の品質を安定化させることができる。
被接合部材の重ね合わせについて説明する図である。 図1のA-A断面を示す図である。 図2の重ね合わせ部材に電極部材を配置した断面図である。 加熱および加圧中の重ね合わせ部材を示す断面図である。 第2実施形態における加熱および加圧中(初期)の重ね合わせ部材を示す断面図である。 第2実施形態における加熱および加圧中(末期)の重ね合わせ部材を示す断面図である。 第3実施形態に係る重ね合わせ部材の断面図である。
〔第1実施形態〕
本実施形態では、被接合部材同士を接合する接合方法について説明する。
(被接合部材)
被接合部材は、繊維強化熱可塑性プラスチック(FRTP)製である。被接合部材は、単層のFRTPで構成されてもよいし、複数層のFRTPで構成されてもよい。また、射出成形等で成形されたFRTPで構成されてもよい。本実施形態において、被接合部材は、FRTPを成形した後のものである。
FRTPは、熱可塑性樹脂および強化繊維を含む。熱可塑性樹脂は、FRTPの母材(マトリックス)である。
熱可塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、液晶ポリマー(LCP)等のスーパーエンジニアプラスチックであってよい。PAEKは、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),ポリエーテルケトンケトン(PEKK),低融点PAEK(LM PAEK)である。
強化繊維は、無機系繊維または有機系繊維であってよい。無機系繊維は、炭素繊維,ガラス繊維,炭化ケイ素繊維などである。有機系繊維は、アラミド繊維,ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール(PBO)繊維,ポリアリレート繊維,PEEK繊維などである。
強化繊維は、一方向に配向された繊維シート,織物および不織布の形態であってよい。強化繊維は、短繊維カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノファイバであってよく、またはそれらが樹脂と混合された射出成形に用いられる形態であってよい。
強化繊維として導電性の低い材料が用いられる場合、被接合部材は、導電性添加物を含むとよい。
導電性の低い材料は、例えば、ガラス繊維,炭化ケイ素繊維,および有機系繊維等である。
導電性添加物は、被接合部材の材料に混合されてもよいし、強化繊維にコーティングされた形態で含まれてもよい。導電性添加物は、炭素材および導電性を有する金属および導電性を有する樹脂などである。
材料として添加される導電性添加物は、短繊維カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンブラックおよび金属フィラー、導電性高分子等である。
接合される2つの被接合部材に含まれる熱可塑性樹脂は、同種または異種であってよい。接合される2つの被接合部材に含まれる強化繊維は、同種または異種であってよい。接合される2つの被接合部材に含まれる強化繊維の形態は、同じまたは異なっていてよい。
本実施形態に係る接合方法は、以下の工程(S1)~(S4)を含む。
(S1)活性化処理
(S2)被接合部材の重ね合わせ
(S3)電極部材の取り付け
(S4)加圧および加熱
(S1)活性化処理
被接合部材の被接合面を活性化させる。「活性化」とは、化学結合を引き起こす活性官能基が導入されることを意味する。活性化は、プラズマ処理、紫外線(UV)処理、真空紫外線(VUV)処理、火炎処理、薬液処理などの方法で実施されうる。本実施形態では、プラズマ処理により被接合面を活性化させるものとして、以降を説明する。
プラズマ照射には、公知のプラズマ発生技術を利用したプラズマ照射装置を用いることができる。大物の部品(部材)へのプラズマ照射は、大気圧プラズマ照射装置で実施することが望ましい。小物の部材へのプラズマ照射は、減圧プラズマ照射装置で実施してもよい。
プラズマは、任意のガスにより形成される。プラズマは、例えば、空気,酸素,窒素,二酸化炭素,酸素,窒素,水蒸気,ヘリウム,ネオン,アルゴンなど、常温で気体となる物質の少なくとも1つから形成されてよい。
プラズマを照射する際の条件は、プラズマ照射装置の種類,被接合部材の材質,大きさ,要求される接合強度,および被接合面の状態などに応じて適宜選択される。
被接合面にプラズマを照射することで、該被接合面に活性官能基(以降、官能基と称す)が導入される。酸素を含むプラズマを照射することで導入される官能基は、ヒドロキシ基,カルボキシ基、カルボニル基などである。接合される被接合部材同士において、それぞれの被接合面には同種の官能基が生成されてもよいし、異種の官能基が生成されてもよい。照射するプラズマの種類を選択することで、導入される官能基の種類を管理できる。
(S2)被接合部材の重ね合わせ
活性化処理後、図1に示すように、被接合部材1,2を重ね合わせる。
図2に、図1のA-A断面を示す。図2において、被接合面Sおよび被接合面Sは、対向配置されている。被接合面Sおよび被接合面Sは、それぞれ凹凸を有してもよいが、平坦であることがより好ましい。図2では、重ね合わせた被接合部材1と被接合部材2との間(被接合面Sと被接合面Sとの間)に、隙間Gがある。
以降、重ね合わせた状態にある被接合部材1,2を「重ね合わせ部材3」と称す。重ね合わせ部材3において、被接合面Sと被接合面Sとが重なる部分を「被接合部分X」と称す。
(S3)電極部材の取り付け
本実施形態では、電極部材として一対の金属板を用いる。図3に示すように、金属板4,5は、被接合部分Xを挟み込む配置となるよう、重ね合わせ部材3の両面に接触させて取り付けられる。取り付ける際には、金属板4,5が重ね合わせ部材3と密着するよう加圧する。
金属板4,5には、電源(不図示)を接続する。図3において、金属板4は負極、金属板5は正極である。
金属板4,5は、被接合部分Xの全面を覆える大きさであることが好ましい。それにより、被接合部分Xの全面に亘って電流を流すことが容易となる。
金属板4,5は、被接合部分Xの全面を覆えない大きさであってもよい。その場合、金属板4,5の大きさに合わせてエリアを区切り、各エリアごとに(S3)電極部材の取付けおよび次に説明する(S4)加熱および加圧を実施する。
(S4)加圧および加熱
重ね合わせ部材3(被接合部材1,2)を加熱および加圧する。
図4に、加熱および加圧しているときの重ね合わせ部材3の断面図を示す。加熱は、金属板4,5に電流(I)を流すことで行われる。加圧は、図示しない加圧機構により行われる。加圧機構は、例えば、プレス機、クランプなどである。
加熱および加圧は、被接合部材1,2の母材が融点以上の温度にならない条件で行われる。加熱および加圧は、対向する被接合面にある官能基同士が化学反応可能となる条件で行われる。そのような条件は、電極部材に流す電流値,時間および加圧機構により付加される圧力P(加圧力)等の調整により実現できる。
ここで「母材が融点以上の温度にならない」とは、「母材が溶融されない」と同義である。「母材が溶融されない」は、被接合部材1,2中の母材全部が溶融されない状態が好ましいが、これに限定されず、被接合部材1,2(重ね合わせ部材3)の全体形状が変化しない程度であれば、母材の一部の溶融を許容する。「全体形状が変化しない」とは、母材(樹脂)の浸み出しがほとんどないことを意味する。
FRTPの母材として非晶質の熱可塑性樹脂を用いる場合、「母材が溶融されない」は、「母材のガラス転移温度を超え、弾性率が大幅に低下し、形状保持が不可能な温度にならない」と同義である。
母材の温度は、サーモグラフィー等で観察できる。
母材が融点以上の温度にならない加熱および加圧の条件は、予備試験等により予め取得しておくとよい。
加熱および加圧は、母材の分子運動を活性化させる。官能基が導入された被接合面同士を重ね合わせた状態で、反応に必要なエネルギーが付与されると、近接した位置にある官能基間で化学結合が形成される。これにより、被接合部材1,2が接合される。
化学結合する官能基は、上記(S1)で活性化処理により導入されたものが主体である。FRTPの母材には、もともと活性官能基を有するものもある。これら活性官能基も近接した位置にある他の官能基と化学結合されうる。
化学結合は、エステル結合、エーテル結合、水素結合およびファンデルワールス結合などであってよい。
電極部材に電流を流すと、電極部材に挟まれている被接合部材1,2にも電流が流れてジュール熱が生じる。ここで生じた熱により、被接合部材1,2が加熱されうる。
被接合部材1,2では、被接合面Sと被接合面Sとの境界(接合界面)で抵抗が最も大きくなる。そのため、電流を用いた加熱では、接合界面を効率よく加熱できる。ホットプレスのように全体を加熱しないため、短時間での接合が可能となる。
本実施形態では、母材の温度が融点未満に維持されるような条件で加熱および加圧するため、全体形状は変化する程度まで母材が溶融されることはない。すなわち、母材が溶融することによる被接合部材1,2の板厚変化はない。そのため、被接合部材1,2の板厚を予定通り管理できる。
被接合部材1,2の母材は、融点以上の温度にはならないが、加熱により融点に近い温度まで昇温されうる。昇温させた母材は、昇温前に比べてある程度軟化されうる。母材を軟化させた状態で加圧すると、多少なりとも被接合面S,Sが変形され、対向する面に馴染むことができる。
これより、被接合面Sと被接合面Sとの隙間Gが小さくなるとともに、隙間Gがあった領域における官能基同士の化学反応も進み、接合がより強固となる。
〔第2実施形態〕
本実施形態に係る接合方法は、使用する電極部材が第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成については、説明を省略する。
図5および図6は、電極部材を取り付けた重ね合わせ部材の断面図である。図5は、加熱および加圧する工程の初期状態を示す。図6は、加熱および加圧する工程の末期状態を示す。
本実施形態では、電極部材として一対の金属ローラ7,8を用いる。金属ローラ7,8は、回転軸(不図示)を有する。金属ローラ7および金属ローラ8は、軸間距離を調整することで加圧機構としても機能する。
金属ローラ7,8には、電源(不図示)を接続する。図5,6において、金属ローラ7は負極、金属ローラ8は正極である。
図5に示すように、金属ローラ7,8は、被接合部分Xを挟み込むよう、重ね合わせ部材3の両面に接触配置される。金属ローラ7,8は、軸間距離が最短になるよう配置することが好ましい。
本実施形態では、金属ローラ7,8に電流(I)を流すとともに、所定速度で金属ローラ7,8を回転移動させる。これにより、金属ローラ7,8は、被接合部分Xに対応する重ね合わせ部材3の表面上を移動しながら、重ね合わせ部材3の加熱および加圧を連続的に行う。
金属ローラ7,8は、板状の電極部材(金属板4,5)よりも重ね合わせ部材3への接触面積が小さいため、単位面積当たりに加わる電流が大きくなる。よって、電極部材として金属ローラ7,8を用いる場合は、板状の電極部材を用いる場合よりも流す電流を小さくする。
加熱および加圧は、被接合部材1,2の母材が融点以上の温度にならない条件で行われる。加熱および加圧は、対向する被接合面にある官能基同士が化学反応可能となる条件で行われる。そのような条件は、電極部材に流す電流値,時間および加圧機構により付加される圧力P(加圧力)等の調整により実現できる。
〔第3実施形態〕
本実施形態に係る接合方法は、図7に示すように、被接合部材1と被接合部材2との間に、樹脂材6を挟む点が、第1実施形態と異なる。第1実施形態と共通の構成については、説明を省略する。
樹脂材6は、両面を活性化処理した後、被接合部材1と被接合部材2とを重ね合わせる際に、被接合部材1と被接合部材2との間に挟む。活性化処理は、第1実施形態の(S1)と同様に実施できる。(S3)電極部材の取り付け、および(S4)加圧および加熱は、第1実施形態と同様に実施する。
樹脂材6の主材料は、熱可塑性樹脂である。樹脂材6は、被接合部材の母材と同等の耐熱性を有する。被接合部材1の母材の耐熱性が、被接合部材2の母材の耐熱性と異なる場合、樹脂材6は、耐熱性が低い方の母材と同等の耐熱性を有していればよい。同等の耐熱性とは、被接合部材同士を接合した製品の運用環境温度で母材の強度および機能に実質的に影響を及ぼさないことを意味する。
例えば、被接合部材に含まれる熱可塑性樹脂がPEEKである場合、樹脂材6の材料には、PEEKおよびPEKKなどのPAEKを用いることができる。
樹脂材6は、樹脂フィルムまたは樹脂シムの形態であってよい。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂は、被接合部材の母材と同一の材料、被接合部材の母材よりも融点が低い材料、または被接合部材の母材と同等または若干融点の高い材料であってよい。被接合部材1の母材が、被接合部材2の母材と異なる場合は、融点が低い方の母材を基準とする。
樹脂フィルムに用いられる熱可塑性樹脂は、被接合部材の母材よりも融点が低いことが好ましい。該熱可塑性樹脂は、被接合部材の母材よりもガラス転移温度が低い。そのような熱可塑性樹脂は、母材が溶融しない温度域で分子運動が活性化されうる。これにより、樹脂フィルムが、被接合面の凹凸に馴染みやすくなり、加熱および加圧時に被接合部材1と被接合部材2の隙間Gを埋められるため、接合部分の強度が向上する。
樹脂フィルムの厚さは、被接合部材に含まれる強化繊維の半径以上であるとよい。それにより、被接合部材の一表面に強化繊維が露出していた場合であっても、繊維束の隙間を埋めることができる。
(樹脂シム)
樹脂シムの利用は、被接合面の凹凸が樹脂フィルムの厚さよりも大きい場合に好適である。
樹脂シムに用いられる熱可塑性樹脂は、母材と同じ材料で構成されることが好ましい。
樹脂シムに用いられる熱可塑性樹脂には、2種類以上の材料を組み合わせてもよい。例えば、母材よりも融点の低い材料と、母材と同じ材料とを組み合わせる。この場合、樹脂シムは3層構成(母材よりも融点の低い材料からなる2つの樹脂層で、母材と同じ材料からなる樹脂層を挟む構成)にするとよい。
樹脂シムには、強化繊維が含まれていてもよい。強化繊維は、無機系繊維または有機系繊維であってよい。無機系繊維は、炭素繊維,ガラス繊維,炭化ケイ素繊維などである。有機系繊維は、アラミド繊維,ポリパラフェニレン・ベンゾビス・オキサゾール(PBO)繊維,ポリアリレート繊維,PEEK繊維などである。
強化繊維は、一方向に配向された繊維シート,織物および不織布の形態であってよい。強化繊維は、短繊維カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、およびカーボンナノファイバであってよく、またはそれらが樹脂と混合された射出成形に用いられる形態であってよい。
強化繊維として導電性の低い材料が用いられる場合、樹脂シムは、導電性添加物を含むとよい。
導電性の低い材料は、例えば、ガラス繊維,炭化ケイ素繊維,および有機系繊維等である。
導電性添加物は、樹脂シムの材料に混合されてもよいし、強化繊維にコーティングされた形態で含まれてもよい。導電性添加物は、炭素材および導電性を有する金属および導電性を有する樹脂などである。
材料に混合される導電性添加物は、短繊維カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、カーボンブラックおよび金属フィラー、導電性高分子等である。
樹脂シムは、被接合部材1と被接合部材2との隙間の形に倣った表面形状を有する。樹脂シムは、被接合部材1の被接合面Sを模倣した表面と、被接合面Sに重なる予定の被接合部材2の被接合面Sを模倣した表面を有する。
模倣表面は、樹脂材などによる型取りまたは三次元スキャナなどで平滑化処理後の被接合部材の被接合面を計測し、計測結果に基づき模倣することで形成されうる。
樹脂シムは、被接合面Sおよび被接合面Sの形状に整合するよう位置合わせして、被接合部材1,2の間に挟む。
スキン-ストリンガのような大物部材は、単品の部品精度を出すのが難しい。部品精度がよくない場合、被接合部材1,2の間に樹脂フィルムを介在させて加熱および加圧しても、埋めきれない隙間が残ることが懸念される。樹脂シムを用いた場合、被接合部材1,2の隙間Gが樹脂フィルムで埋めきれない程度大きかったとしても、より確実に被接合面S,Sの間に生じる隙間Gを埋めることができる。これにより、接合強度が向上される。
なお、図7では、被接合部材1,2の両面に、金属板4,5を取り付けているが、本実施形態では、金属板4,5に替えて、第2実施形態に記載の金属ローラ7,8を電極部材として使用することもできる。
<付記>
以上説明した各実施形態に記載の接合方法は例えば以下のように把握される。
本開示は、母材が熱可塑性樹脂である繊維強化熱可塑性プラスチックを被接合部材(1,2)とし、前記被接合部材同士を接合する接合方法に関する。本開示に係る接合方法では、前記被接合部材の被接合面(S,S)を活性化処理し、活性化処理した前記被接合面を対向させて、前記被接合部材同士を重ね合わせ、重ね合わせた前記被接合部材同士からなる重ね合わせ部材(3)の両面に、被接合部分(X)を挟み込む配置で電極部材(4,5,7,8)を取り付け、前記母材が融点未満の温度に維持される条件で、前記重ね合わせ部材を加圧および加熱し、前記加熱は、前記電極部材に電流を流して行う。
本開示によれば、活性化処理により被接合面に官能基が導入される。被接合面を重ね合わせた後、電極部材に電流を流すことで、重ね合わせ部材にも電流が流れ、ジュール熱が生じる。該ジュール熱により、被接合面にある官能基と、対向する被接合面にある官能基との化学反応が進む。これにより、被接合部材同士が接合される。抵抗が最も大きい接合界面での発熱を利用することで、短時間での接合が可能となる。
加熱および加圧は、母材が融けない温度で行われるため、母材が溶融することによる被接合部材の板厚変化はない。よって、被接合部材の板厚を制御できる。
本開示によれば、電流を流して加熱することで、被接合部材の分子鎖の分子運動が活性化される。これにより、官能基が、反応相手と巡り合いやすくなる。また、電流を流すことで発生した熱により被接合部材の母材が軟化すると、被接合面が多少なりとも変形可能となる。よって、被接合面を、当接する相手面の形状に馴染ませ、対向する被接合面にある官能基同士が反応可能な距離まで近づけることができる。
本開示の一態様では、前記電極部材として金属板(4,5)を用いることができる。
金属板を用いることで、被接合部分Xの広いエリアに電流を流すことができる。
本開示の一態様では、前記電極部材として金属ローラを用い、電流を流しながら、前記被接合部分に対応する前記重ね合わせ部材の表面上で前記金属ローラを回転移動させてもよい。
金属ローラは加熱だけでなく、加圧手段ともなりうる。
本開示の一態様では、樹脂材の両面を活性化処理し、前記被接合部材同士を重ね合わせる際に、一の前記被接合部材の被接合面と、別の前記被接合部材の被接合面との間に、前記樹脂材を挟んでもよい。
樹脂材を挟むことで、被接合部材間の隙間を埋めることができる。被接合部材間の隙間が埋まると接触する領域が増えるとともに、隙間が小さくなるため、接合強度が高まる。樹脂材を間に挟むことで、より強化な結合が期待できる。
樹脂材は、両面が活性化処理されている。よって、樹脂材と、それに接する被接合部材とは化学的に結合されうる。
上記開示の一態様において、樹脂材は、樹脂フィルムまたは樹脂シムであってよい。
樹脂フィルムは、加熱および加圧により、分子運動が活性化されて剛性が低下する。そのため、被接合部材間に挟み込んだ樹脂材は、加熱および加圧により、被接合部材の表面の凹部に入り込むことができる。
樹脂シムを挟むことで、被接合部材の表面の凹部をより確実に隙間を埋めて、接合強度を向上させることができる。
1,2 被接合部材
3 重ね合わせ部材
4 金属板(負極)
5 金属板(正極)
6 樹脂材
7 金属ローラ(負極)
8 金属ローラ(正極)

Claims (5)

  1. 母材が熱可塑性樹脂である繊維強化熱可塑性プラスチックを被接合部材とし、前記被接合部材同士を接合する接合方法であって、
    前記被接合部材の被接合面を活性化処理し、
    活性化処理した前記被接合面を対向させて、前記被接合部材同士を重ね合わせ、
    重ね合わせた前記被接合部材同士からなる重ね合わせ部材の両面に接触させて、被接合部分を挟み込む配置で電極部材を取り付け、
    前記母材が軟化するガラス転移温度を超え融点未満の温度に維持される条件で、前記重ね合わせ部材を加圧および加熱し、
    前記加熱は、前記電極部材に電流を流して行う接合方法。
  2. 前記電極部材として金属板を用いる請求項1に記載の接合方法。
  3. 前記電極部材として金属ローラを用い、
    電流を流しながら、前記被接合部分に対応する前記重ね合わせ部材の表面上で前記金属ローラを回転移動させる請求項1に記載の接合方法。
  4. 樹脂材の両面を活性化処理し、
    前記被接合部材同士を重ね合わせる際に、一の前記被接合部材の被接合面と、別の前記被接合部材の被接合面との間に、前記樹脂材を挟む請求項1から3のいずれかに記載の接合方法。
  5. 前記樹脂材は、樹脂フィルムまたは樹脂シムである請求項4に記載の接合方法。
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