以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る、車両管理装置、端末、車両管理方法、及びプログラムを具体的に開示した複数の実施形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(本開示の一形態を得るに至った経緯)
近年、自動運転システムを有する車両の開発が加速している。NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)は、2016年、自動運転システムのレベルに関して、SAE(Society of Automotive Engineers)の自動運転レベルの定義を採用し、自動運転レベルを、運転自動化なし(レベル0)、運転者支援(レベル1)、部分的運転自動化(レベル2)、条件付運転自動化(レベル3)、高度運転自動化(レベル4)、及び完全自動運転化(レベル5)に分類した。このように定義される自動運転システムにおいて、社会実装される自動運転システムのレベルが徐々に上がってきている。
また、社会インフラ的視点で、特定の車両を複数人で、共同で貸借して使用する、いわゆるカーシェアの導入が議論されている。車両の自動運転レベルが進展していくと、個人間でのカーシェア(例えば、所有者が所有する車両を第三者の利用者に貸与するなど)の普及が本格化すると推測される。すなわち、個人間のカーシェアで車両を貸借する場合、車両の引渡しと返却とを自動運転で行うことが想定される。
この場合、車両の位置情報などによって、その車両の所有者とその利用者との個人情報が流出してしまう可能性がある。例えば、所有者の自宅を起点として引き渡す場合、利用者の端末により車両の追跡を可能とすると、所有者の自宅の付近が分かり、個人情報保護の観点から好ましくない。その一方、車両が引き渡された後に利用者の位置が分かることも、個人情報保護の観点から好ましくない。そのため、特許文献1の技術のように、車両の位置情報を送信しないことも検討される。しかし、この場合、自動運転に必要な車両の位置情報を収集できず、引渡し位置に車両を向かわせることが困難となる。
以下の実施形態では、自動運転にて車両を貸借する際に、所有者及び利用者の個人情報を保護できる車両管理装置、端末、車両管理方法及びプログラムについて説明する。
以下の実施形態でいう「部」又は「装置」とは、単にハードウェアによって実現される物理的構成に限定されず、その構成が有する機能をプログラム等のソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、又は2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていても構わない。また、実施形態でいう「取得」は、単に情報や信号などを直接に取得する動作を示すものに限定されず、例えば下述する処理部が、通信部を介して取得、すなわち受信することのほか、記憶部(例えばメモリなど)から取得することのいずれも含む。これらの用語の理解や解釈は、特許請求の範囲の記載についても同様である。
以下の実施形態では、車両管理装置、端末、車両管理方法及びプログラムは、例えば、車両を所有する所有者が、その車両を第三者である利用者に、例えば個人間で車両を貸借取引するために用いられる。また、車両は自動運転が可能に構成されており、所有者と利用者との間で貸借取引が成立した場合、例えば、その車両は自動運転にて利用者の元(例えば利用者の自宅等の配車希望位置)に向かう。
(第1実施形態)
まず図1~図5を参照して、本開示の第1実施形態に係る車両管理サーバ10を含む車両管理システム1の各構成について説明する。
図1は、実施形態に係る車両管理システム1の概要を示す図である。車両管理システム1は、車両管理サーバ10と、車両20と、その車両20を所有する所有者H1が用いる所有者端末30と、車両20を所有者H1から借用して利用する利用者H2が用いる利用者端末40と、通信ネットワーク2と、を含んで構成される。
利用者H2は所望の目的地まで移動するために、車両管理システム1を通じて所有者H1の車両20を一時的に借用する。この貸借に係る車両引渡しの際、所有者H1が車両20を保管している場所(例えば所有者H1の自宅)から、利用者H2が車両20に乗車したい場所(例えば利用者H2の現在地)まで、車両20が)自動運転により移動してよい。
通信ネットワーク2は、車両管理サーバ10、車両20、所有者端末30及び利用者端末40とそれぞれ接続されており、種々の情報や信号が相互に通信可能に設けられる。通信ネットワーク2は、少なくとも有線又は無線の回線を含む。また、通信ネットワーク2は、車両管理サーバ10、車両20、所有者端末30及び利用者端末40間の通信を促進するために、相互に接続して使用される、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、携帯電話ネットワーク(MTN)及び他の種類のネットワークを適宜含むことも可能である。
車両管理サーバ10は、通信ネットワーク2を用いて所有者H1の車両20を利用者H2が利用するための管理を行う。車両管理サーバ10は、コンピュータにより構成される。そのコンピュータのROMやRAMなどの記憶部12(下述)に記憶保持されたソフトウェアとしてのプログラムが、そのCPUなどの処理部11(下述)によって実行される。このような実行を通じて、車両管理サーバ10は、貸与可能として登録された所有者H1の車両20を、通信ネットワーク2を介して利用者H2から借用の要求を受け付けて、所有者H1の車両20を利用者H2に借用させる。すなわち、車両管理サーバ10は、いわゆるオンライン車両貸借サービスを主に提供する。
車両20は、自動走行可能な自動車が例示される。車両20には、自動運転制御部21A(下述)が搭載されており、車両20は通信ネットワーク2と相互に通信しながら指定された目的地に向かって自動運転する。利用者H2が車両管理システム1を通じて車両20の借用を要求すると、車両20は、車両管理サーバ10から目的地などの位置情報を含む指令を受けて、利用者H2の指定位置{例えば利用者H2の自宅P2(図15~図17参照)、最寄りの場所(例えば駅や公園)、又はその他の利用者H2の配車希望位置}まで自動走行する。そして、利用者H2は、自動運転で到着した車両20を引き受けて借用することが可能である。利用者H2の指定位置の情報は、例えばユーザ情報12Aに含まれて登録されていてよい。
また、所有者端末30や利用者端末40は、所有者H1又は利用者H2のユーザが操作可能なパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの携帯端末が例示される。所有者H1又は利用者H2は、それぞれが所有する所有者端末30又は利用者端末40を通じて車両管理システム1を利用し、これによりオンライン上で車両20の貸借取引を行うことが可能である。
図2は、図1に示す車両管理サーバ10の機能構成例を示すブロック図である。車両管理サーバ10は、処理部11と、記憶部12と、通信部13と、を含んで構成される。
記憶部12は、処理部11のワーキングメモリとして使用される。記憶部12は、一次記憶装置{例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)}を含む。記憶部12は、二次記憶装置{例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)}や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。記憶部12は、その他の記憶装置を含んでよい。記憶部12は、各種データ、情報、プログラムなどを記憶保持しており、例えばユーザ情報12A及び車両情報12Bを少なくとも記憶保持する。
ユーザ情報12Aは、所有者H1や利用者H2などのシステムのユーザに関する情報であり、車両管理サーバ10による管理対象として登録可能である。ユーザ情報12Aは、所有者H1及び利用者H2などの車両管理システム1のユーザの属性、そのユーザ(所有者H1、利用者H2)による取引履歴の情報及びユーザの決済方法(クレジット情報など)を含む。ユーザの属性は、ユーザの性別、年齢や住所(例えば自宅の住所)が例示される。
車両情報12Bは、各所有者H1が所有する各車両20に関する情報であり、車両管理サーバ10による管理対象として登録可能である。登録される車両20には、それぞれ識別子(ID)が付与される。車両情報12Bは、例えば、車両IDを含み、車両ID毎に管理される車両20の車種、色、サイズの属性、利用者H2からの車両20に関するコメントなどの情報を含んでよい。
通信部13は、通信ネットワーク2を介して車両20、所有者端末30及び利用者端末40と接続する。通信部13は、各種データや情報を通信する。通信部13は、例えば、所有者端末30及び利用者端末40とは車両20の貸借取引に関する情報を通信し、車両20とは自動運転の目的地指令に関する情報を通信する。通信部13による通信方式としては、例えば通信ネットワーク2に対応してWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)や電力線通信などの有線での通信方式や、WiFi(Wireless Fidelity)(登録商標)や携帯電話用のモバイル通信などの無線での通信方式が例示される。
処理部11は、車両管理サーバ10の各構成部を制御する。処理部11は、車両20の利用(例えば貸借)の管理に関する各種処理を実行する。処理部11では、ハードウェア構成として例えばプロセッサが種々のプログラムを実行することで、各種機能が実現される。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)などを含んでよい。処理部11は、ユーザの登録及び車両20の貸借取引を管理してよい。処理部11は、車両20の利用に関する利用状態や、利用状態を含み車両20に関する車両状態を管理する。処理部11は、利用状態の情報を取得し、その利用状態に基づいて、所有者端末30及び利用者端末40に車両20の位置情報をそれぞれ個別に表示させるか否か(表示を制限させるか否かともいえる)を決定する。この決定により、車両20の位置情報に基づいて、所有者H1(利用者H2)に利用者H2(所有者H1)の自宅などの個人情報が流出することを抑制可能となる。
車両状態の情報は、ソフトウェア構成上、車両20の状態を示す変数として表現され管理されてよい。具体的には、車両状態の変数は、車両ID、利用状態、及び車両現在位置のさらに3つの状態を示す変数から構成されてよい。車両IDの変数は、所有者H1又は利用者H2が貸借した、又は貸借予定の車両IDを示してよい。車両現在位置の変数は、車両20から送信されて取得された車両20の位置情報(下述)を示してよい。
利用状態の変数は、車両20の利用状態を示すものであり、未利用(未利用状態)、配車中(配車中状態)、利用中(利用中状態)又は返却中(返却中状態)のいずれか1つの車両20の利用状態が示される。未利用状態とは、車両20が未だ貸借されていない状態を示す。配車中状態とは、貸借取引が成立して車両20が利用者H2の元まで自動運転にて移動中である状態を示す。利用中状態とは、利用者H2が実際に車両20を借用して利用(例えば所望の目的地まで移動)している状態を示す。返却中状態とは、利用者H2の借用が終了して車両20が自動運転にて所有者H1の元まで移動中である状態を示す。これら変数の値が、その時刻での車両状態及び利用状態を示し、この変数の値に従って所定の処理が実行され得る。
図3は、車両20の機能構成例を示すブロック図である。車両20は、処理部21と、記憶部22と、撮像部23と、センサ部24と、通信部25と、を含んで構成される。
処理部21は、車両20の各構成部を制御する。処理部21は、車両20の自動運転に関する各種処理を実行する。処理部21では、車両管理サーバ10と同様に、ハードウェア構成として、例えばプロセッサが種々のプログラムを実行することで、各種機能が実現される。処理部21は、自動運転制御部21Aを含んで構成される。
自動運転制御部21Aは、車両20の自動運転時の制御機能として自動運転コントロール機能が実装される。自動運転制御部21Aは、撮像部23及びセンサ部24などの検出結果に基づいて、自動運転時の車両20の走行を決定してよい。車両20は、車両管理サーバ10によって指定された目的地情報、例えば所有者H1の自宅P1又は利用者H2の自宅P2、あるいは所有者H1又は利用者H2の配車希望位置まで自動運転する。また、車両管理サーバ10と同様に、車両20の記憶部22も同様に、処理部21のワーキングメモリとして使用され、種々の記憶装置を含んで構成される。
撮像部23は、例えば可視光カメラを含んで構成される。可視光カメラは、例えばCCD(Charge Coupled Device)もしくはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有する。撮像部23は、例えば車両20の車体前部の中央に配置され、前方中央の範囲を検知範囲として撮像してよい。具体的には、撮像部23は、自車両の前方に存在する障害物(例えば、歩行者、自転車、二輪車、他車両など)や信号機を検知して、その検知の情報を処理部21に送信する。これにより、処理部21の自動運転制御部21Aは、車両20の外部環境を認識して自動運転を適宜制御できる。また、撮像部23として、車両内を撮像する撮像部が含まれてもよい。
センサ部24は、1つ以上のセンサを含んで構成され、例えばミリ波レーダ、ソナーレーダ、ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)が例示される。センサ部24は、車両20の外部環境や周辺の障害物を検出する。センサ部24はGPS(Global Positioning System)センサ部24Aをさらに含む。GPSセンサ部24Aは、複数のGPS衛星から発信された時刻及び各GPS衛星の位置(座標)を示す複数の信号を受信し、その受信された複数の信号に基づいて、GPSセンサ部24Aの位置、つまり車両20の位置を算出する。GPSセンサ部24Aは、車両20の位置の情報を処理部21に送信する。これにより、処理部21は車両20の位置を取得し、その自動運転制御部21Aは目的地までの経路を決定できる。
通信部25は、通信ネットワーク2を介して少なくとも車両管理サーバ10と接続し、各種データや情報を通信する。通信部25は、例えば、車両管理サーバ10と通信を行い、オンライン車両貸借サービスに付随して生成される、自動運転の目的地に関する情報などを通信する。車両20の通信部25による通信方式も車両管理サーバ10の通信部13と同様に、WAN、LANや電力線通信などの有線での通信方式や、WiFi(登録商標)や携帯電話用のモバイル通信などの無線での通信方式が例示される。
図4は、所有者端末30の機能構成例を示すブロック図である。図5は、図1に示す利用者端末40の機能構成例を示すブロック図である。所有者端末30及び利用者端末40は互いに同様に構成されており、処理部31,41と、記憶部32,42と、表示部33,43と、操作部34,44と、通信部35,45と、をそれぞれ含んで構成される。
処理部31,41では、車両管理サーバ10と同様にハードウェア構成として、例えばプロセッサが種々のプログラムを実行することで、各種機能が実現される。処理部31は、所有者端末30の各構成部を調整する。処理部41は、利用者端末40の各部を調整する。記憶部32,42も同様に、処理部31,41のワーキングメモリとしてそれぞれ使用され、種々の記憶装置を含む。表示部33,43は、所有者端末30及び利用者端末40がパーソナルコンピュータの場合には液晶ディスプレイが例示され、携帯端末の場合には操作部34,44と一体に設けられる液晶パネルが例示される。例えば、処理部31は、車両20の利用状態に基づいて、車両20の位置情報を表示部33に表示する又は表示しない制御を行う。例えば、処理部41は、車両20の利用状態に基づいて、車両20の位置情報を表示部43に表示する又は表示しない制御を行う。
操作部34,44は、パーソナルコンピュータの場合にはキーボードやマウスが例示され、携帯端末の場合にはタッチパネルが例示される。また、表示部33,43は、車両20の位置情報が表示可能に設けられており、処理部31,41の制御により、車両20の利用状態に基づいて、車両20の位置情報の表示する又は表示しないを決定する。
通信部35,45は、車両管理サーバ10と通信を行い、例えば、オンライン車両貸借サービスでの車両貸借に関する情報の通信を行う。また、通信部35,45は、車両管理サーバ10から車両状態の情報を受信可能に設けられる。また、所有者端末30又は利用者端末40の通信部13による通信方式も同様に、WAN、LANや電力線通信などの有線での通信方式や、WiFi(登録商標)や携帯電話用のモバイル通信などの無線での通信方式などが例示される。例えば、通信部35は、車両管理サーバ10から様々な利用状態の情報を取得する。例えば、通信部45は、車両管理サーバ10から様々な利用状態の情報を取得する。
次に図6~図14Aを参照して、このように構成された車両管理システム1における、車両20の貸借取引の処理フロー、及び所有者端末30及び利用者端末40に対する車両20の位置情報の表示制限の有無の決定の処理フローについて説明する。
図6は、所有者H1による車両20の事前登録に関する動作手順を示すシーケンス図である。
例えば車両20は、所有者H1の自宅P1(図15~図17参照)に駐車されている状態である(S101)。この際、車両20の利用状態は、未利用状態であるとして管理されている(S102)。そして、所有者H1が新規に自己の車両20を車両管理システム1に登録したい場合、所有者端末30及び通信ネットワーク2を用いて、車両管理サーバ10にアクセスし、貸出し登録の手続きを行う。貸出し登録の手続きは、例えば、車両管理サーバ10が管理する所定のインターネットサイトを介して行われてよい。貸出し登録の手続きでは、所有者端末30の処理部31は、操作部34を介して所有者H1から貸出し登録情報の入力を受けて取得し、通信部35を介して貸出登録情報を車両管理サーバ10へ送信する(S103)。貸出し登録情報は、具体的には、車両ID、所有者H1の自宅P1の位置情報、車両20の利用可能日時及び利用料金が含まれてよい。
車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介して貸出し登録情報を受信して、記憶部12に記憶保持させる(S104)。これら記憶保持された情報は、車両管理サーバ10において記憶部12のユーザ情報12A及び車両情報12Bにおいて管理される。車両20の通信部25は、自己の車両状態、つまり車両ID、未利用状態及び車両現在位置の情報を、車両管理サーバ10に定期的に(所定のインターバルタイムで)送信して報告する(S105)。車両管理サーバ10及び車両20は、この定期的な報告の通信を行い、利用状態が未利用であると登録して管理する(S106,S107)。なお、車両20の利用状態は、車両管理サーバ10及び車両20の双方で管理されてよい。利用状態の情報は、それぞれの記憶部12,22で保持される。
ここで、所有者端末30の処理部31は、操作部34を介して所有者H1による車両IDの入力を受け、通信部35を介して車両IDを車両管理サーバ10へ送り、自己の車両20の車両状態の情報を問合せするとする(S108)。この場合、車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介して車両状態の問合せを受信し、車両状態を所有者端末30へ送信して回答する(S109)。この車両状態は、車両ID、未利用状態及び車両現在位置の情報を含んでよい。すなわち、車両管理サーバ10は、車両状態の情報において利用状態の変数が未利用の場合、車両管理サーバ10は、所有者端末30に対して車両ID、利用状態及び車両現在位置の情報を開示して報告する。よって、所有者H1は、車両現在位置を把握可能である。
図7は、図6に示す動作手順以降、利用者による車両の選択に関する動作手順を示すシーケンス図である。図8は、利用者端末40の表示部43に表示される画面例である。
他人(例えば所有者H1)が所有する車両20を借用したい場合、利用者H2は、その利用者端末40及び通信ネットワーク2を用いて車両管理サーバ10にアクセスして借用の手続きを行う。借用の手続きは、車両管理サーバ10が管理する所定のインターネットサイトを介して行われてよい。利用者端末40の処理部41は、操作部44を介して利用者H2からの利用可能な車両20を検索するための操作を受け付け(S201)。通信部45を介して車両20の検索要求を送信する。
車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介して車両20の検索要求を受信し、記憶部12の車両情報12Bを参照して、利用可能な車両情報12Bの一覧テーブルTを作成する(S202)。通信部13は、作成された一覧テーブルTの情報を利用者端末40へ送信する。利用者端末40の処理部41は、通信部45を介して一覧テーブルTの情報を受信し、表示部43を介して一覧テーブルTを表示する。つまり、車両管理サーバ10の処理部11は、例えば同インターネットサイトを通じて、利用者端末40の表示部43に一覧テーブルTを表示させる(S203)。
一覧テーブルTでは、利用可能な車両20が一覧表示され、その車両IDごとに利用可能日時、利用料金及び到着予想時間などが示される。また、表示部43は、一覧テーブルTとともに、各車両20を選択するための選択ボタンBを操作可能に表示してよい。
利用者H2は、その利用者端末40に表示された一覧テーブルTを閲覧する。利用者端末40の処理部41は、操作部44を介して、利用者H2からの選択ボタンBの選択操作を受け、複数の車両から所望の1台の車両を選択する(S204、図8参照)。また、処理部41は、操作部44を介して利用者H2からの選択操作を受け、車両20の配車希望位置及び利用希望日時を指定する。そして、その選択及び指定の結果、処理部41は、通信部45及び通信ネットワーク2を介して、選択された車両20の配車要求の情報を車両管理サーバ10へ送信する(S205)。配車要求の情報には、車両ID、配車希望位置及び利用希望日時が含まれてよい。
車両管理サーバ10の通信部13は、利用者端末40から配車要求の情報を受信する。車両管理サーバ10の処理部11は、記憶部12のユーザ情報12A及び車両情報12Bを参照して、利用者H2及び所有者H1のそれぞれにより指定された利用希望日時及び利用可能日時が互いに合致しているか否かを比較する。合致しているとは、利用可能日時に利用希望日時が含まれていることでよい。その比較の結果、合致していると判定する場合、処理部11は、その配車要求による配車を許可し、通信部13を介して、配車受付情報を、利用者端末40へ送信する(S206)。この配車受付情報には、車両ID及び到着予想時間が含まれてよく、車両現在位置が含まれない。また、処理部11は、その利用者H2によって選択された車両20に対し、その利用状態の変数を「配車中」に更新する(S207)。更新後、通信部13は、車両20に対し、配車先の位置情報が含まれる配車指令の情報を送信する(S208)。
車両20の処理部21は、通信部25を介して配車指令の情報を受信し、車両20において管理する利用状態の変数を、配車中に変更する(S210)。処理部21は、車両管理サーバ10で管理される利用状態の変数を、「配車中」に維持する(S209)。なお、S209の処理は省略されてもよい。
図9は、図7に示す動作手順以降、車両20が自動運転で配車先まで向かう際の動作手順を示すシーケンス図である。
車両20の自動運転制御部21Aは、車両管理サーバ10の配車指令に従ってその配車先(利用者H2の配車希望位置)に自動運転で向かうよう走行制御する(S301)。例えば走行中に、通信部25は、車両管理サーバ10に車両状態の情報を送信して報告する(S302)。この車両状態には、車両ID、配車中状態及び車両現在位置の情報が含まれる。
ここで、利用者端末40の処理部41は、操作部44を介して利用者H2による車両IDの入力を受け、通信部45を介して車両IDを車両管理サーバ10へ送り、利用する車両20の配車状態の情報を問合せするとする(S303)。この場合、車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介して配車状態の問合せを受信し、配車状態の情報を利用者端末40へ送信して回答する(S304)。この配車状態の情報には、車両ID、到着予想時間(時刻)が含まれ、車両位置情報が含まれてもよい。この場合、処理部11は、配車中の車両の位置と配車希望位置と現在時刻とに基づいて、到着予想時間を算出し、通信部13を介して到着予想時刻を送信してよい。
また、所有者端末30が、S108と同様に、車両管理サーバ10に車両状態の問合せを行い(S305)、車両管理サーバ10が、S109と同様に、所有者端末30に車両状態を通知してよい(S306)。この車両状態の情報には、車両ID、配車中状態及び車両現在位置が含まれてよい。
すなわち、利用状態の変数が配車中の場合、車両管理サーバ10は、所有者端末30の表示部33に、車両現在位置及びその利用状態を開示して表示させる(表示を制限させない)ことができる。
ただし、利用者H2が利用者H2の自宅P2の付近を配車先に指定した場合、車両管理サーバ10の処理部11は、車両20が利用者H2の自宅P2の付近(例えば自宅P2から所定距離以内)を走行している場合、所有者端末30に車両現在位置を非表示に(表示を制限)させてもよい。
一方、利用者端末40が、車両管理サーバ10に配車状態の問合せを行い(S303)、車両管理サーバ10から配車状態の通知を受けてよい(S304)。
車両20が利用者H2の配車希望位置の付近(例えば自宅P2から所定距離以内)を走行している場合に、処理部11は、利用者端末40には車両現在位置を表示させても(表示を制限させなくても)よい。これにより、利用者H2は、車両20が目的地(配車希望位置)まで向かっている状況を利用者端末40で確認することが可能となり、システムの利便性が向上する。
図10は、図9に示す動作手順以降、車両20が配車されて利用者H2が利用開始する際の動作手順を示すシーケンス図である。
車両20の処理部21は、車両管理サーバ10によって指定された配車先に到着したことを検出すると(S401)、通信部25を介して、車両管理サーバ10に車両状態の情報を送信して報告する(S402)。このときの車両状態の情報には、車両ID、配車中状態及び車両現在位置が含まれてよい。なお、配車先に到着したことは、例えばGPSセンサ部24Aが示す車両20の現在位置を基に検出されてよい。
車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介して車両状態の情報を受信すると、車両状態の情報に含まれる車両現在位置の位置情報を基に、目的地(配車先)に到着したと認識する(S403)。そして、処理部11は、通信部13を介して車両20に配車完了の情報を送信して通知するとともに(S404)、車両管理サーバ10で管理している利用状態の変数を「利用中」に更新する(S405)。
車両20の処理部21は、通信部25を介して車両管理サーバ10から通知を受けると、車両20で管理している利用状態の変数を「利用中」に更新する(S406)。このようにして、車両20が、利用者H2に引き渡され、利用者H2が車両20に乗車する(S407)。車両20の処理部21は、例えば車体内に配置される所定の操作部(不図示)(例えば電源ボタン)を操作すると、車両20の利用(借用)の開始を検出する(S408)。車両20の利用中には、その車両20の運転方法が自動運転でも手動運転でもよく、利用者H2の要求に従って、操作部等を介して設定されてよい。また、車両20の利用開始の検出後、処理部21は、通信部25を介して車両状態の情報を、車両管理サーバ10へ送信して報告する(S409)。この車両状態の情報には、車両ID、利用中状態及び車両現在位置が含まれてよい。
図11は、図10に示す動作手順以降、利用者H2が車両20を利用する最中の動作手順を示すシーケンス図である。
利用者H2は車両20を借用して利用者H2の利用中の目的地に向かう(S501)。利用中の運転は、利用者H2による手動運転でも自動運転制御部21Aによる自動運転でもよい。車両管理サーバ10の処理部11は、上記の手動運転又は自動運転中には、利用状態の変数を利用中に維持する(S502)。
また、所有者端末30が、S108及びS305と同様に、車両管理サーバ10に車両状態の問合せを行い(S503)、車両管理サーバ10が、S109及びS306と同様に、所有者端末30に車両状態を通知してよい(S504)。この車両状態の情報には、車両ID、利用中状態が含まれてよい。なお、ここでの現在位置情報は、所有者端末30では非表示(表示の制限)のため、車両状態の情報に含まれなくてよい。よって、所有者端末30の処理部31は、現在位置情報を取得しないので、現在位置情報の非表示とする。
なお、S504で通知される車両状態の情報には、所有者H1と利用者H2との間で合意した利用終了予定日時の情報が含まれてもよい。表示部33は、この利用終了予定日時を表示してもよい。利用終了日時の情報は、車両管理サーバ10が保持、管理していてもよいし、所有者端末30又は利用者端末40が保持、管理していてもよい。
すなわち、利用状態の変数が利用中状態の場合、車両管理サーバ10の処理部11は、その利用中状態の情報を取得して、所有者端末30の表示部33に対して車両ID及びその利用状態のみを開示して表示させてよい。その一方、処理部11は、車両現在位置については開示せずに非表示にさせてよい。この表示又は非表示の決定により、車両20の利用者H2への引渡し後、利用者H2が実際に車両20を借用する場面で、利用者H2の個人情報の流出を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、車両管理サーバ10側の処理部11で車両現在位置を開示せず(送信せず)に非表示にさせたが、これに限らない。利用中状態であっても、所有者端末30が車両現在位置の情報を含む車両状態の情報を車両管理サーバ10から取得し、所有者端末30側の処理部31がこの車両現在位置を非表示にしてもよい。この場合でも、所有者H1の表示閲覧による利用者H2の個人情報の流出を防ぐことが可能となる。
また、利用者H2の利用中、車両20の通信部25は、車両管理サーバ10に対し車両状態の情報を定期的に送信して報告する(S505)。この車両状態の情報は、車両ID、利用中状態及び車両現在位置が含まれてよい。車両管理サーバ10の処理部11は、この定期の車両状態の報告により、車両20それぞれの利用状態及び車両現在位置を常時把握することが可能となる。なお、車両状態の報告に含まれる利用状態が利用中以外とならない限り、車両管理サーバ10が管理する車両20の利用状態は、利用中状態で維持される。
なお、利用状態の変数が利用中状態の場合、処理部11は、利用者端末40には車両現在位置を表示させて(表示を制限させなくて)よい。この場合、具体的にはS303,S304、等と同様に、利用者端末40が、車両管理サーバ10に配車状態の問合せを行ってよい。ここでの車両管理サーバ10から通知される配車状態には、車両現在位置が含まれてよい。これにより、利用者H2は、車両20の利用中に現在位置を認識でき、システムの利便性が向上する。
図12は、図11に示す動作手順以降、車両20の利用が終了して車両20が返却される際の動作手順を示すシーケンス図である。
車両20の自動運転制御部21Aが、GPSセンサ部24Aなどのセンサ部24の検出結果に基づいて、利用者H2の利用中の目的地に到着したと判定する(S601)。この場合、車両20の通信部25は、車両管理サーバ10に車両状態の情報を送信して報告する(S602)。この車両状態の情報には、車両ID、利用中状態及び車両現在位置が含まれてよい。
車両20の操作部が利用者H2による返却操作を受け付けると、車両20の利用(借用)が終了する(S603)。そして、利用者H2は、車両20から降車する(S604)。車両20の処理部21は、返却操作又は車両20から利用者H2が降車したことを検出すると、車両20で管理している利用状態の変数を「返却中」に更新する(S605)。降車の検知は、例えば、処理部21により、各種センサの検出情報(例えばドアの開閉情報)を基に検知されてもよいし、撮像部23により車両内が撮像された画像に利用者H2が不在となったことが検知されてもよい。
更新後、車両20の通信部25は、車両管理サーバ10に対し、車両状態の情報を送信して報告する(S606)。この車両状態の情報には、車両ID、返却中状態及び車両現在位置が含まれてよい。車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介して車両状態の情報を受信し、車両20と同様に、車両管理サーバ10で管理している利用状態の変数を「返却中」に更新する(S607)。
図13は、図12に示す動作手順以降、車両20がS103において登録された所有者H1の自宅P1に向かう際の動作手順を示すシーケンス図である。
車両管理サーバ10の処理部11は、記憶部12のユーザ情報12A及び車両情報12Bを参照して、所有者H1の自宅P1の位置情報を読み出す(S701)。読み出し後、車両管理サーバ10の通信部13は、車両20に対し、所有者H1の自宅P1の位置情報が含まれる配車指令の情報を送信する(S702)。車両20の処理部21は、通信部25を介して配車指令の情報を受信すると、車両20で管理している利用状態の変数を「返却中」に維持する(S703)。なお、S703の処理は省略されてもよい。
車両20の自動運転制御部21Aは、通信部25を介して車両管理サーバ10からの配車指令を受信し、配車指令に従って、所有者H1の自宅P1に自動運転で向かうよう走行制御する(S704)。例えば走行中に、通信部25は、車両管理サーバ10に車両状態の情報を送信して報告する(S705)。この車両状態の情報には、車両ID、返却中状態及び車両現在位置が含まれる。
また、所有者端末30が、S108、S305等と同様に、車両管理サーバ10に車両状態の問合せを行い(S706)、車両管理サーバ10が、S109、S306等と同様に、所有者端末30に車両状態を通知してよい(S707)。この車両状態の情報には、車両ID、返却中状態及び車両現在位置が含まれてよい。よって、所有者端末30の処理部31は、現在位置情報を表示してよい。
すなわち、利用状態の変数が返却中状態の場合、車両管理サーバ10の処理部11は、その返却中状態の情報を取得して、所有者端末30の表示部33に対して車両ID及びその利用状態とともに、車両現在位置を開示して表示させる。この表示の決定により、利用者H2の車両20の利用終了後、車両20が所有者H1に返却される場面で、所有者H1は、車両20の返却中の位置を確認できる。
なお、車両20が利用者H2の自宅P2の付近(例えば自宅P2から所定距離以内)を走行している場合には、車両管理サーバ10側の処理部11は、所有者端末30に車両現在位置を送信せず、非表示にさせてもよい。この非表示の決定により、車両管理システム1は、利用者H2の車両20の利用終了後、車両20が所有者H1に返却される場面で、利用者H2の個人情報の流出を抑制することが可能となる。
なお、車両管理サーバ10側の処理部11は、所有者端末30に車両現在位置を表示させない場合、所有者端末30に車両現在位置を送信しないことを例示したが、これに限られない。返却中状態において、所有者端末30側の処理部31が、通信部35を介して車両現在位置の情報を含む車両状態の情報を車両管理サーバ10から取得し、この車両現在位置を非表示にさせてもよい。この場合でも、所有者H1の表示閲覧による利用者H2の個人情報の流出を防ぐことが可能となる。
図14Aは、図13に示す動作手順以降、車両20が所有者H1の元に到着した際の動作手順を示すシーケンス図である。
車両20の処理部21は、車両管理サーバ10によって指定された所有者H1の自宅P1に到着したことを検出すると(S801)、通信部25を介して、車両管理サーバ10に車両状態の情報を送信して報告する(S802)。この車両状態の情報には、車両ID、返却中状態及び車両現在位置が含まれてよい。なお、配車先に到着したことは、例えばGPSセンサ部24Aが示す車両20の現在位置を基に検出されてよい。
車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介してその車両状態の情報を受信すると、車両状態の情報に含まれる車両現在位置の位置情報を基に、所有者H1の自宅P1に到着したと認識する(S803)。そして、処理部11は、通信部13を介して車両20に返却完了の情報を送信して通知するとともに(S804)、車両管理サーバ10で管理している利用状態の変数を「未利用」に更新する(S805)。
車両20の処理部21は、通信部25を介してその返却完了の情報を受信すると、車両20も同様に、車両20で管理している利用状態の変数を「未利用」に更新する(S806)。
このような図6~図14Aに示す一連の動作手順に従って、車両20の貸借の取引が実行される。また、この車両20の貸借において、所有者H1は、所有者端末30を用いて車両IDで照会することで、自己の車両20の車両状態の情報を確認することが可能である。ただし、本実施形態では、一例として、車両20の利用状態が配車中状態及び返却中状態である場合、車両管理サーバ10の処理部11が、所有者端末30の表示部33に車両20の位置情報を非表示にさせる等、表示を制限させることが可能である。所有者端末30は、上記に例示した以外の任意のタイミングであっても、車両状態を問合せ、車両状態通知を受けてよい。
次に、所有者端末30及び利用者端末40による利用対象の車両20の車両現在位置の表示について補足する。
図6~図14Aでは、利用者端末40は、例えば配車状態の通知は受けているが、車両位置情報を取得していないので、車両現在位置を表示不能であること、つまり利用者端末40に車両現在位置を非表示にさせることを主に例示しているが、これに限られない。利用者端末40は、任意のタイミングで、配車状態を問合せ、配車状態の通知を受けてよい。ただし、所有者H1と利用者H2とでは、車両20の位置情報を閲覧するためのポリシが異なるため、車両20の位置情報の取得や表示について、所有者H1の所有者端末30とは異なる表示の制限を受け得る。また、所有者H1の所有者端末30においても、図6~図14Aとは異なるタイミングで、車両現在位置の表示の制限を受け得る。
例えば、図6~図14Aと同様に、車両20の利用状態が、未利用状態、配車中状態、利用中状態、返却中状態、未利用状態の順に遷移するとする。配車中状態では、利用者H2が利用対象の車両20を受け取る前であるので、車両管理サーバ10の処理部11は、利用者端末40による車両20の位置情報を非表示にさせてよい。一方、処理部11は、所有者端末30に車両20の位置情報を表示させてよい。これにより、所有者H1は、利用対象の車両20が配送先に無事に到着することを確認するために、車両20の目視による追跡が可能である。
また、処理部11は、配車中状態では、所有者端末30及び利用者端末40による車両20の位置情報をいずれも非表示にさせてよい。自動運転により配送先に届くか否かを確認しなくてよいこともあり、所有者H1及び利用者H2の双方のプライバシーを保護できるためである。
また、処理部11は、返却中状態では、所有者端末30及び利用者端末40による車両20の位置情報をいずれも非表示にさせてよい。自動運転により返却先(例えば所有者H1の自宅P1)に届くか否かを確認しなくてよいこともあり、所有者H1及び利用者H2の双方のプライバシーを保護できるためである。
また、処理部11は、利用状態が配車中の一部のタイミング及び利用中において、利用者端末40には車両現在位置を表示させる一方、利用状態が未利用及び返却中の一部のタイミングにおいて、利用者端末40には車両現在位置を非表示にさせる等、表示を制限させてよい。
次に、車両20の位置情報の表示の制限について補足する。
上述では、車両管理サーバ10は、主に車両20の位置情報を非表示にさせることで、車両20の位置情報の表示を制限させることを例示した。例えば、表示の制限が無い場合には所有者端末30や利用者端末40の表示部33,43に地図情報を用いて車両位置の表示を行う場合、非表示とは、地図情報自体を表示させないことであってよい。また、例えば、表示の制限が無い場合には所有者端末30や利用者端末40の表示部33,43に文字情報等を用いて車両位置の説明を表示する場合、文字情報等を一切表示させないことであってよい。
表示の制限は、非表示以外を含んでよい。例えば、車両管理サーバ10の処理部11は、車両20の位置情報の特定が困難となるように、車両20の位置情報の表示を制限してもよい。例えば、処理部11は、地図情報において、秘匿対象の所有者H1の自宅P1や利用者H2の自宅P2の周辺をマスクして表示したり、ぼかしを入れて表示したりしてよい。この際、例えば、自宅P1,P2を中心としたマスク表示やぼかし表示とすると、中心位置を推定することで自宅P1,P2を推定可能となることがあり得る。そのため、例えば、秘匿対象の自宅P1,P2等を、中心位置や重心位置などの特徴的な位置ではない任意の位置として含むように、マスク領域やぼかし領域を設定してよい。これにより、マスク領域やぼかし領域の中のいずれかに秘匿対象の位置があることが理解できても、自宅P1,P2等を局所的に抽出することを困難にすることができ、所有者H1や利用者H2の個人情報を保護できる。
車両管理サーバ10の処理部11が、秘匿対象の位置(例えば自宅P1,P2及びその周辺)を指定してよい。秘匿対象の位置の指定は、所有者端末30の操作部34を介して入力されて車両管理サーバ10へ送られてものでもよいし、利用者端末40の操作部44を介して入力されて車両管理サーバ10へ送られてものでもよい。
また、処理部11は、秘匿対象の位置を含む秘匿対象の領域を指定してよい。秘匿対象の領域は、任意の形状を有してよい。秘匿対象の領域の形状は、所有者端末30の操作部34を介して入力されて車両管理サーバ10へ送られたものでもよいし、利用者端末40の操作部44を介して入力されて車両管理サーバ10へ送られたものでもよい。
図14Bは、車両20の利用状態を加味した所有者端末30及び利用者端末40による車両20の位置情報の表示の有無をまとめたものを一例として示す。図14Bでは、「○」は車両20の位置情報を表示させ(表示制限させず)、「×」は車両20の位置情報を表示させない(表示制限させる)ことを示している。よって、例えば、利用中状態では、所有者端末30には車両20の位置情報の表示が制限され、利用者端末40には車両20の位置情報の表示が制限されない。
このように、車両管理サーバ10(車両管理装置の一例)は、車両20の利用の管理に関する処理を行う処理部11を備え、処理部11は、車両20の利用に関する利用状態の情報を取得し、利用状態に基づいて、所有者H1が所有する所有者端末30(端末の一例)に車両20の位置情報の表示を制限させるか否かを決定してよい。
これにより、車両管理サーバ10は、車両20の利用に関する利用状態の情報を取得することで、車両20がどのような状態(未利用、配車中、利用中及び返却中)であるかを認識できる。このため、利用状態に応じて車両20の位置情報の表示の制限の有無を決定することで、利用者H2側の個人情報が流出することを抑制できる。また、車両管理サーバ10は、利用状態に応じて表示の制限の有無を決定するが、車両20の位置情報の取得は利用状態に関係なく行うので、車両20の自動運転を継続させることができる。このように、車両管理サーバ10は、自動運転にて車両20の貸借を行う際に、利用者H2の個人情報を保護できる。
また、車両管理サーバ10では、利用状態は、車両20が利用中であることを示す利中用状態を含んでよい。処理部11は、利用中状態の情報を取得した場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限させてよい。
これにより、車両管理サーバ10は、車両20の利用者H2への引渡し後、利用者H2が実際に車両20を借用する場面で、利用者H2の個人情報の流出を抑制できる。また、所定の場合に限って車両20の位置情報の表示を制限させるため、車両管理サーバ10は、所有者H1の車両20の失踪への不安感を可能な限り払拭して、利便性を向上させることができる。
また、車両管理サーバ10では、利用状態は、車両20が返却中であることを示す返却中状態を含んでよい。処理部11は、返却中状態の情報を取得した場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限させなくてよい。
これにより、車両管理サーバ10は、利用者H2の車両20の利用終了後、車両20が所有者H1に返却される場面で、所有者H1の利便性を向上できる。また、所定の場合に限って車両20の位置情報の表示させるため、車両管理サーバ10は、所有者H1の車両20の失踪への不安感を可能な限り払拭して、利便性を向上させることができる。
また、車両管理サーバ10では、処理部11は、利用状態に基づいて、利用者H2が利用する利用者端末40(端末の一例)に車両20の位置情報の表示を制限させるか否かを決定してもよい。
これにより、車両管理サーバ10は、利用状態に応じて車両20の位置情報の表示の制限の有無を決定することで、利用者H2側に所有者H1側の個人情報が流出することを抑制できる。また、車両管理サーバ10は、利用状態に応じて表示の制限の有無を決定するが、車両20の位置情報の取得は利用状態に関係なく行うので、車両20の自動運転を継続させることができる。このように、車両管理サーバ10は、自動運転にて車両20の貸借を行う際に、所有者H1の個人情報を保護できる。
また、所有者端末30及び利用者端末40が、車両20の利用に関する利用状態の情報を受信する通信部35,45と、車両20の利用状態に基づいて、車両20の位置情報を表示する又は表示しないを制御する処理部31,41(表示制御部の一例)と、を備えてもよい。この場合も同様に、自動運転にて車両20の貸借を行う際に、所有者H1及び利用者H2の個人情報を保護できる。
また、所有者端末30では、処理部31は、利用中状態の情報を取得した場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限してよい。また、処理部31は、未利用状態の情報を取得した場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限しなくてよい。また、処理部31は、配車中状態の情報を取得した場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限しなくてよい。また、処理部31は、返却中状態の情報を取得した場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限しなくてよい。
また、利用者端末40では、処理部41は、利用中状態の情報を取得した場合、利用者端末40に車両20の位置情報の表示を制限しなくてよい。また、処理部41は、未利用状態の情報を取得した場合、利用者端末40に車両20の位置情報の表示を制限してよい。また、処理部41は、配車中状態の情報を取得した場合、利用者端末40に車両20の位置情報の表示を制限してよい。また、処理部41は、返却中状態の情報を取得した場合、利用者端末40に車両20の位置情報の表示を制限してよい。
これらにより、所有者端末30及び利用者端末40は、利用状態に応じて車両20の位置情報の表示の制限の有無を細かく決定でき、利用者H2及び所有者H1側の個人情報の流出の抑制と、利用者H2及び所有者H1の利便性の向上と、のバランスを調整できる。
(第2実施形態)
次に図15~図17を参照して、本開示の第2実施形態に係る車両管理システム1について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成要素については同一符号を用いることで、その説明を省略する。なお、第2実施形態では、表示の制限として非表示を主に例示するが、第1実施形態と同様に、その他の表示の制限であってもよい。
第1実施形態では、利用状態が配車中状態である場合、車両管理サーバ10の処理部11が、所有者端末30の表示部33に車両20の位置情報を一律に表示させた。また、利用状態が返却中状態である場合、処理部11が、所有者端末30の表示部33に車両20の位置情報を基本的には一律に表示させることを例示し、車両が利用者H2の自宅P2の付近を走行している場合には、所有者端末30に車両20の位置情報を非表示にさせてもよいことを簡単に例示した。本実施形態の車両管理サーバ10の処理部11は、このような利用状態において、一律に表示又は非表示に決定するのではなく、車両20の位置情報も判定条件に加えて、その表示の制限の有無をさらに細分化して決定することを詳細に説明する。
すなわち、車両管理サーバ10の処理部11は、通信部13を介して車両20の位置情報を車両20から取得し、所有者H1が指定した位置の情報(例えば所有者H1の自宅P1の位置情報)を取得する。処理部11は、車両20と所有者H1の自宅P1との距離D1を算出する。同様に、処理部11は、利用者H2が指定した位置の情報(例えば利用者H2の自宅P2の位置情報)を取得し、車両20と利用者H2の自宅P2との距離D2を算出する。所有者H1及び利用者H2の指定位置の情報は、例えばユーザ情報12Aに含まれて登録されていてよい。
なお、処理部11は、所有者H1又は利用者H2の自宅P2の位置情報として、例えば所有者端末30又は利用者端末40に事前登録された位置情報を、所有者端末30又は利用者端末40から受信して取得してよい。又は、処理部11は、車両管理サーバ10で所有者H1又は利用者H2の情報が登録されている記憶部12のユーザ情報12Aを参照して、所有者H1又は利用者H2の自宅P2の位置情報を取得してもよい。
また、車両管理サーバ10の処理部11は、所有者H1の自宅P1と利用者H2の自宅P2との距離である距離D3を算出する。この算出の結果に基づき、車両管理サーバ10の処理部11は、距離D1に関する閾値TH1、及び距離D2に関する閾値TH2を次の式により算出する。
TH1=TH2=D3/2 ・・・ (1)
すなわち、上記(1)式によれば、閾値TH1は閾値TH2と同値とされ、所有者H1の自宅P1と利用者H2の自宅P2との間の距離の半分の値に設定される。なお、式(1)は一例であり、半分で均等に距離が区分されなくてもよい。
また、本実施形態は、閾値TH1及び閾値TH2を同値にして上記(1)式に従って算出したが、これに限定されない。閾値TH1及び閾値TH2が互いに異なってもよく、例えば所有者H1の個人情報保護を優先させたい場合、閾値TH1が閾値TH2よりも大きく設定されてもよい。
図15は、車両20が利用者H2の自宅P2の付近を走行する様子を示す模式図である。図16は、車両20が利用者H2の自宅P2の付近を走行する様子を示す模式図である。
なお、図15及び図16での円形の一点鎖線で示される領域は、半径が閾値TH1又は閾値TH2である領域を示している。図17も同様である。
車両管理サーバ10の処理部11は、距離D1が閾値TH1以下か否かを判定する。図15に示すように、その判定の結果、閾値TH1以下であるとして車両20が所有者H1の自宅P1の付近を走行していると判定した場合、利用状態が未利用状態、配車中状態、又は返却中状態であれば、処理部11は、所有者端末30の表示部33に車両20の位置情報を表示させる(表示を制限させない)。その一方、車両20が所有者H1の自宅P1の付近を走行していると判定した場合、利用状態が未利用状態、配車中状態、又は返却中状態であっても、車両管理サーバ10の処理部11は、利用者端末40の表示部43には車両20の位置情報を非表示にさせる(表示を制限させる)。この場合、所有者端末30の表示部33は、車両20の位置情報を表示する一方、利用者端末40の表示部43は、車両20の位置情報を非表示にする。
このような表示又は非表示により、所有者H1は所有者H1の自宅P1の付近では、車両20の位置を確認できるが、逆に利用者H2は車両20の位置が確認できない。つまり、(1)車両20の位置が所有者H1の自宅P1の付近の場合は、(1-1)車両20の利用状態が未利用状態、配車中状態、又は返却中状態の場合には、(1-1-1)所有者H1は、所有者端末30を用いて車両20の位置を確認でき、(1-1-2)利用者H2は、利用者端末40を用いて車両20の位置を確認できない。また、(1-2)車両20の利用状態が利用中状態の場合には、(1-2-1)所有者H1は、所有者端末30を車両20の位置を確認できず、(1-1-2)利用者H2は、利用者端末40を用いて車両20の位置を確認できる。よって、車両管理サーバ10は、(1-1)所有者H1の所有者H1の個人情報を保護でき、(1-2)利用者の個人情報を保護できる。
また、車両管理サーバ10の処理部11は、距離D2が閾値TH2以下か否かを判定する。図16に示すように、その判定の結果、閾値TH2以下であるとして車両20が利用者H2の自宅P2付近を走行していると判定した場合、利用状態がいずれの状態であっても、処理部11は、所有者端末30の表示部33に車両20の位置情報を非表示にさせる。一方、車両20が利用者H2の自宅P2付近を走行していると判定した場合、利用状態が利用中状態又は配車中状態であれば、処理部11は、利用者端末40の表示部43に車両20の位置情報を表示させる。この場合、所有者端末30の表示部33は、車両20の位置情報を非表示にする一方、利用者端末40の表示部43は、車両20の位置情報を表示する。
このような表示又は非表示により、利用者H2は利用者H2の自宅P2の付近では車両20の位置を確認できるが、逆に所有者H1は車両20の位置が確認できない。このため、車両管理サーバ10は、所有者H1の利便性を損なうことなく利用者H2の個人情報を保護することが可能となる。
図17は、車両20の利用者H2及び所有者H1の自宅P1の付近外を走行する様子を示す模式図である。
車両管理サーバ10の処理部11は、距離D1が閾値TH1より大きく、且つ距離D2が閾値TH2より大きいと判定する場合、すなわち、図17に示すように、車両20が所有者H1及び利用者H2の自宅P2の付近外を走行している場合、車両管理サーバ10の処理部11は、利用状態が配車中状態又は返却中状態であれば、所有者端末30に対して、車両現在位置を含む車両状態の情報を制限せずに開示して表示させてよい。この場合、所有者端末30の表示部33は、車両20の位置情報を表示する。また、処理部11は、車両20が所有者H1及び利用者H2の自宅P2の付近外を走行している場合、利用状態が利用中状態であれば、利用者端末40に対して、車両現在位置を含む車両状態の情報を制限せずに開示して表示させてよい。この場合、利用者端末40の表示部43は、車両20の位置情報を表示する。
図18Aは、車両20の利用状態と車両20の位置とを加味した所有者端末30による車両20の位置情報の表示の有無をまとめたものを一例として示す。図18Bは、車両20の利用状態と車両20の位置とを加味した利用者端末40による車両20の位置情報の表示の有無をまとめたものを一例として示す。
図18A及び図18Bでは、D1≦TH1は、例えば車両が所有者H1の自宅P1付近(所有者の指定位置の一例)に位置していることを示す。D2≦TH2は、車両が利用者H2の自宅P2付近(利用者の指定位置の一例)に位置していることを示す。D1>TH1且つD2>TH2は、車両が所有者H1の自宅P1及び利用者H2の自宅P2のいずれから離れて位置していることを示す。また、「○」は車両20の位置情報を表示させ(表示制限させず)、「×」は車両20の位置情報を表示させない(表示制限させる)ことを示している。
このように、車両管理サーバ10では、処理部11は、車両20の位置情報を取得し、所有者H1の自宅P1の位置(所有者H1が指定した位置を示す第1の指定位置の一例)を取得してよい。処理部11は、未利用状態、配車中状態、又は返却中状態の情報を取得し、且つ、所有者H1の自宅P1と車両20の位置との距離D1(第1の距離の一例)が閾値TH1(第1の閾値の一例)以下である場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限させなくてよい。
これにより、例えば、未利用状態、配車中状態、又は返却中状態では、所有者H1は、所有者H1の自宅P1の付近では車両20の位置を確認でき、所有者H1の自宅P1の付近外(例えば利用者H2の自宅P2の付近)では、利用状態によっては車両20の位置を確認できない。よって、車両管理サーバ10は、所有者H1の利便性の確保と利用者H2の個人情報の保護を両立できる。
また、所有者端末30では、通信部35は、車両20の位置情報を取得してよい。処理部31は、所有者H1の自宅P1の位置を取得してよい。処理部31は、未利用状態、配車中状態、又は返却中状態の情報を取得し、且つ、所有者H1の自宅P1と車両20の位置との距離D1が閾値TH1以下である場合、車両20の位置情報の表示を制限しなくてよい。この場合も同様に、所有者端末30は、所有者H1の利便性の確保と利用者H2の個人情報の保護を両立できる。
また、車両管理サーバ10では、処理部11は、車両20の位置の情報を取得し、利用者H2の自宅P2の位置(利用者H2が指定した位置を示す第2の指定位置の一例)を取得し、利用者H2の自宅P2と車両20の位置との距離D2(第2の距離の一例)が閾値TH2(第2の閾値の一例)以下である場合、所有者端末30に車両20の位置情報の表示を制限させてよい。
これにより、例えば、所有者H1は、配車中、利用中、又は返却中の利用状態であっても、利用者H2の自宅P2の付近では車両20の位置を確認できないので、車両管理サーバ10は、利用者H2の個人情報の保護できる。
また、所有者端末30では、通信部35は、車両20の位置の情報を取得してよい。処理部31は、利用者H2の自宅P2の位置を取得してよい。処理部31は、利用者H2の自宅P2と車両20の位置との距離D2が閾値TH2以下である場合、車両20の位置情報の表示を制限してよい。この場合も同様に、所有者端末30は、利用者H2の個人情報の保護できる。
また、車両管理サーバ10では、処理部11は、車両20の位置の情報を取得し、所有者H1の自宅P1の位置を取得してよい。処理部11は、未利用状態、配車中状態、又は返却中状態の情報を取得し、且つ、所有者H1の自宅P1の位置と車両20の位置との距離D1が閾値TH1以下である場合、利用者端末40に車両20の位置情報の表示を制限させてよい。
これにより、例えば、利用者H2は、所有者H1の自宅P1の付近では、利用中状態を除いて車両20の位置を確認できず、所有者H1の自宅P1の付近外(例えば利用者H2の自宅P2の付近)では、利用状態によっては車両20の位置を確認し得る。よって、車両管理サーバ10は、利用者H2の利便性の確保と所有者H1の個人情報の保護を両立できる。
また、利用者端末40では、通信部45は、車両20の位置の情報を受信してよい。処理部41は、未利用状態、配車中状態、又は返却中状態の情報を取得し、且つ、所有者H1の自宅P1の位置と車両20の位置との距離D1が閾値TH1以下である場合、車両20の位置情報の表示を制限してよい。この場合も同様に、利用者端末40は、利用者H2の利便性の確保と所有者H1の個人情報の保護を両立できる。
また、車両管理サーバ10では、処理部11は、車両20の位置の情報を取得し、利用者H2の自宅P2の位置を取得してよい。処理部11は、利用中状態又は配車中状態の情報を取得し、且つ、利用者H2の自宅P2の位置と車両20の位置との距離が閾値TH2以下である場合、利用者端末40に車両20の位置情報の表示を制限させなくてよい。
これにより、例えば、利用者H2は、利用中状態又は配車中状態の場合には利用者H2の自宅P2の付近では車両20の位置を確認でき、利用者H2の自宅P2の付近外(例えば所有者H1の自宅P1の付近)では、利用中状態を除いて車両20の位置を確認できない。したがって、車両管理サーバ10は、利用者H2の利便性の確保と所有者H1の個人情報の保護を両立できる。
また、利用者端末40では、通信部45は、車両20の位置の情報を受信してよい。処理部41は、利用中状態又は配車中状態の情報を取得し、且つ、利用者H2の自宅P2の位置と車両20の位置との距離が閾値TH2以下である場合、車両20の位置情報の表示を制限しなくてよい。この場合も同様に、利用者端末40は、利用者H2の利便性の確保と所有者H1の個人情報の保護を両立できる。
また、閾値TH1は、所有者H1の自宅P1と利用者H2の自宅P2との距離の半分の値でよい。このため、地理的に、所有者H1側の領域(閾値TH1を半径とする領域)と利用者H2側の領域(閾値TH2を半径とする領域)とを大まかに半分にできる。よって、所有者H1側の領域に車両20が存在する場合、利用状態に応じて所有者H1は車両20を追跡して確認でき、利用者H2側の領域に車両20が存在する場合、利用状態に応じて利用者H2は車両20を追跡して確認できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。