JP7325005B2 - アルカリ乾電池の製造方法およびアルカリ乾電池 - Google Patents

アルカリ乾電池の製造方法およびアルカリ乾電池 Download PDF

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Description

本発明は、アルカリ乾電池の製造方法およびアルカリ乾電池に関する。
アルカリ乾電池(アルカリマンガン乾電池)は、容量が大きく、大きな電流を取り出すことができるため、広く利用されている。アルカリ乾電池の正極は、二酸化マンガンを含む複数の中空円筒形のペレットをスタックさせて正極を構成する(特許文献1および2など)。アルカリ乾電池の製造方法では、正極活物質(二酸化マンガン)を含む複数のペレットをケース内に挿入しスタックさせて、ケースに内接する中空円筒形の正極を得た後、ケース側部の正極よりも開口側の領域に環状の溝を設ける。
特開2017-68905号公報 特開2019-61801号公報
高容量化のために正極の充填高さ(軸方向の高さ寸法)を大きくすることが考えられる。しかし、正極の充填高さを大きくすると、溝と正極のケース開口側の端面との距離が小さくなり、溝形成時の衝撃が正極のケース開口側の端部に伝わりやすくなり、正極のケース開口側の端部で割れが生じることがある。
本発明の一側面は、中空円筒形であり、軸方向の第1端面と、前記第1端面と反対側の第2端面と、を有する第1正極ペレットを準備する第1工程と、前記第1正極ペレットを含む中空円筒形の正極ペレット群を有底円筒形のケース内に挿入し、前記ケースに内接する中空円筒形の正極を得る第2工程と、前記ケースの側部の前記正極よりも開口側の領域に環状の溝を設ける第3工程と、を含み、
前記第1正極ペレットは、前記第2端面から前記第1端面に向かって外径が小さくなるテーパ部を備え、かつ、前記第1正極ペレットの軸方向に沿う断面において、前記第1正極ペレットの軸に対する前記テーパ部の傾斜角度θが、0.26°以上、0.87°以下であり、前記第2工程では、前記第1正極ペレットを、前記ケースの最も開口側に、前記第1端面が前記ケースの開口側に向くように配置し、前記溝と前記第1端面との距離hが、0.55mm以上、2.35mm以下である、アルカリ乾電池の製造方法に関する。
本発明の別の側面は、溝を有する有底円筒形のケースと、前記ケースの前記溝よりも底部側の領域において前記ケースに内接する中空円筒形の正極と、前記正極の中空部内に配される負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、前記ケースの前記溝により設けられる段部上に配されるとともに前記ケースの開口を封止する封口ユニットと、を備えるアルカリ乾電池であって、
前記溝と前記正極の前記溝側の端面との距離hが、0.55mm以上、2.35mm以下であり、前記アルカリ乾電池を分解して前記ケースから外部に前記正極を露出させるとき、前記正極は、前記ケースの底部側から溝側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備え、かつ、前記正極の軸方向に沿う断面において、前記正極の軸に対する前記テーパ部の傾斜角度θが、0.26°以上、0.87°以下である、アルカリ乾電池に関する。
本発明によれば、正極の充填体積を大きくしつつ、ケースの溝形成時における正極の割れ発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法の第1工程により得られる第1正極ペレットの一例を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法の第1工程により得られる第1正極ペレットの別の例を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法の第2工程でケース内に挿入される正極ペレット群の一例を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法の第2工程でケース内に挿入される正極ペレット群の別の例を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法の第2工程でケース内に挿入される正極ペレット群のさらに別の例を示す概略側面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法の第3工程により、正極が内接するケースの側部に環状の溝が設けられた状態を示す要部断面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の横半分を断面とする正面図である。
[アルカリ乾電池の製造方法]
本発明の実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法は、次の第1工程~第3工程を備える。第1工程は、第1正極ペレットを準備する工程である。第2工程は、第1正極ペレットを含む中空円筒形の正極ペレット群を有底円筒形のケース内に挿入し、ケースに内接する中空円筒形の正極を得る工程である。第3工程は、ケース側部の正極よりも開口側の領域に環状の溝を設ける工程である。第1正極ペレットは、中空円筒形であり、軸方向の第1端面と、第1端面と反対側の第2端面と、を有する。
第1正極ペレットは、第2端面から第1端面に向かって外径が小さくなるテーパ部を備える。第1正極ペレットの軸方向に沿う断面において(第1正極ペレットを側面からみて)、第1正極ペレットの軸に対するテーパ部の傾斜角度(以下、「傾斜角度θ」とも称する。)は、0.26°以上、0.87°以下である。第2工程では、第1正極ペレットが、ケースの最も開口側に、第1端面がケースの開口側に向くように配置される。溝(環状の溝の深さが最も大きくなる箇所(最深部)を含む仮想面)と第1端面との距離(以下、「距離h」とも称する。)は、0.55mm以上、2.35mm以下である。なお、距離hは、第1正極ペレットの軸方向における第1端面からの溝の最深部の高さと言い換えることができる。
傾斜角度θおよび距離hが、それぞれ上記範囲内である場合、正極の充填高さ(軸方向の高さ寸法)を大きくして容量を高めつつ、溝形成時の正極の割れ発生を抑制することができる。なお、上記の割れとは、第3工程でケースに溝を設ける際の衝撃により、正極のケース開口側の端面(第1ペレットの第1端面)周縁部から内部に亀裂が生じる現象を指す。上記割れにより導電パスが寸断され、それに伴い放電反応に寄与しない部分が形成され、放電性能が低下することがある。
第2工程で、第1正極ペレットはケース内に圧入され、ケース内面に密着する。このとき、傾斜角度θが0.87°以下と小さく、第1正極ペレットはケース内への挿入により若干変形し、かつ、電解液の吸収により膨潤することから、テーパ部もケース内面にある程度密着もしくは接している状態となる。傾斜角度θが0.26°以上である場合、テーパ部(正極のケース開口側の端部)とケース内面との密着度合いが適度に小さくなり、溝形成時にテーパ部(正極のケース開口側の端部)に伝わる衝撃が軽減される。よって、正極の充填高さを大きくして距離hを2.35mm以下に小さくしても、正極の割れ発生を抑制することができる。ただし、距離hが0.55mmよりも小さくなると、傾斜角度θが0.26°以上であっても、溝形成時に正極に割れが生じることがある。
傾斜角度θが0.26°未満である場合、距離hが2.35mm以下に小さくなると、溝形成時に正極に割れが生じる確率が顕著に増大する。一方、傾斜角度θが0.87°超および/または距離hが2.35mm超である場合、正極の充填体積が小さくなることがある。
正極の割れを抑制しつつ、正極の充填体積を大きくし易い観点から、傾斜角度θは、0.26°以上、0.52°以下が好ましい。同様に、距離hは、0.55mm以上、1.35mm以下が好ましい。
第1正極ペレットの最大外径からケース内径を差し引いた値は、0mm以上、0.06mm以下であることが好ましい。なお、第1正極ペレットの最大外径とは、第1ペレットをケース内に挿入する前の第1ペレットの最大外径の寸法を指す。例えば、第1正極ペレットが図1または図2に示す第1ペレットである場合、図1および図2中の外径D2が最大外径に相当する。また、ケース内径とは、ケース内に正極ペレット群を挿入する前のケース内径の寸法を指す。これらの値は、完成品の電池のケースを、例えばレーザを用いて切断し、第1正極ペレットとケースとを分離して測定してもよい。
第1正極ペレットの最大外径からケース内径を差し引いた値が0mm以上である場合、正極とケースとの間において良好な密着性が得られ易い。第1正極ペレットの最大外径からケース内径を差し引いた値が0.06mm以下である場合、正極のクラック発生が抑制される。ここで、クラックとは、正極のケース開口側の端面(第1正極ペレットの第1端面)の周縁部がリング状に薄く剥離する現象を指す。クラック自体は放電性能への影響は殆どないが、後工程で正極の割れ発生の要因となる可能性がある。
正極の割れ抑制の観点から、テーパ部は、第1正極ペレットの第1端面から第2端面にかけての側面全体に設けられている必要はない。テーパ部は、第1正極ペレットの第1端面から第1端面と第2端面の途中までの側面領域に設けられていてもよい。テーパ部は、第1正極ペレットの側面の全周に沿って設けられていることが好ましく、第1正極ペレットの第1端面から第2端面にかけての側面全体に設けられていることがより好ましい。
第1正極ペレットの軸方向に沿う断面において(第1正極ペレットの側面からみて)、テーパ部の輪郭は、直線状であってもよく、少し膨らみをもたせた円弧などの曲線状であってもよい。曲線状の場合、傾斜角度θは、曲線(円弧)の両端を結ぶ線分(弦)と第1正極ペレットの軸とで形成される角度を指す。
(第1工程)
第1正極ペレットは、例えば、正極活物質、導電剤および電解液を含む正極合剤を所望の形状に加圧成形することで作製することができる。正極合剤を、一旦、フレーク状や顆粒状にし、必要により分級した後、加圧成形してもよい。加圧成形の圧力を調節することで、第1正極ペレットにおける二酸化マンガン密度を調節することができる。
正極活物質は二酸化マンガンを含む。二酸化マンガンとしては、電解二酸化マンガンが好ましい。二酸化マンガンは粉末の形態で用いられる。正極の充填性および正極内での電解液の拡散性などを確保し易い観点からは、二酸化マンガンの平均粒径(D50)は、例えば、20μm以上、60μm以下である。成形性や正極の膨張抑制の観点から、二酸化マンガンのBET比表面積は、例えば、15m2/g以上、50m2/g以下の範囲であってもよい。第1正極ペレットにおける二酸化マンガンの平均密度は、例えば、2.78g/cm以上、3.08g/cm以下である。
なお、本明細書中、平均粒径(D50)とは、体積基準の粒度分布におけるメジアン径である。平均粒径は、例えば、レーザ回折および/または散乱式粒度分布測定装置を用いて求められる。また、BET比表面積とは、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて、表面積を測定および計算したものである。BET比表面積は、例えば、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いることにより測定できる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラックの他、黒鉛などの導電性炭素材料が挙げられる。黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛などが使用できる。導電剤は、繊維状などであってもよいが、粉末状であることが好ましい。導電剤の平均粒径(D50)は、例えば、5nm以上、50μm以下の範囲から選択できる。導電剤の平均粒径(D50)は、導電剤が、カーボンブラックの場合、5nm以上、40nm以下が好ましく、黒鉛の場合、3μm以上、50μm以下が好ましい。正極合剤中の導電剤の含有量は、二酸化マンガン100質量部に対して、例えば、3質量部以上、10質量部以下、好ましくは4質量部以上、8質量部以下である。
電解液には、例えば、水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液が用いられる。電解液中の水酸化カリウムの濃度は、例えば、30質量%以上、50質量%以下である。電解液に、さらに酸化亜鉛を含ませてもよい。電解液中の酸化亜鉛の濃度は、例えば、1質量%以上、5質量%以下である。正極合剤中の電解液の含有量は、二酸化マンガン100質量部に対して、例えば、4質量部以上、15質量部以下である。
正極合剤は、さらに添加剤を含んでもよい。添加剤には、例えば、ポリアクリル酸の他、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレンを用いることができる。正極合剤中の添加剤の含有量は、二酸化マンガン100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、1.0質量部以下である。
以下、図面を参照しながら説明する。各図面において、電池の各構成部品の形状または特徴を明確にするため、これらの寸法を相対的に図示する。これらの寸法は、必ずしも同一の縮尺比で表されたものではない。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法における第1工程により得られる第1正極ペレットの一例を示す概略側面図である。
図1に示す第1ペレット100は、中空円筒形であり、軸方向の第1端面E1と、第1端面E1と反対側の第2端面E2と、を有する。第1ペレット100は、第2端面E2から第1端面E1に向かって外径がD2からD1に小さくなるテーパ部Tを備える。また、第1ペレット100の軸方向に沿う断面において(図1に示す第1ペレット100の側面からみて)、第1ペレット100の軸に対するテーパ部Tの傾斜角度θが、0.26°以上、0.87°以下である。第1ペレット100では、テーパ部Tが、第2端面E2から第1端面E1にかけて(第1ペレット100の側面全体に)設けられている。
電池のサイズは特に限定されず、どのようなサイズでもよいが、例えば単三形電池であれば、第1ペレット100(テーパ部T)の高さHは、例えば、10.60mm以上、22.10mm以下である。また、第1ペレット100の外径D2は、例えば、13.60mm以上、13.76mm以下である。また、第1ペレット100において、外径D1に対する外径D2の比:D2/D1は、例えば、1.01以上、1.05以下である。
単四形電池の場合、第1ペレット100(テーパ部T)の高さHは、例えば、8.91mm以上、18.53mm以下である。また、第1ペレット100の外径D2は、例えば、10.10mm以上、10.25mm以下である。また、第1ペレット100において、外径D1に対する外径D2の比:D2/D1は、例えば、1.01以上、1.03以下である。
単一形電池の場合、第1ペレット100(テーパ部T)の高さHは、例えば、24.35mm以上、49.40mm以下である。また、第1ペレット100の外径D2は、例えば、32.00mm以上、32.36mm以下である。また、第1ペレット100において、外径D1に対する外径D2の比:D2/D1は、例えば、約1.01である。
単二形電池の場合、第1ペレット100(テーパ部T)の高さHは、例えば、19.55mm以上、39.80mm以下である。また、第1ペレット100の外径D2は、例えば、24.40mm以上、24.66mm以下である。また、第1ペレット100において、外径D1に対する外径D2の比:D2/D1は、例えば、約1.01である。
図2は、本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法における第1工程により得られる第1正極ペレットの別の例を示す概略側面図である。なお、図2では、図1の第1ペレット2aと重複する構成については説明を省略する。
図2に示す第1ペレット200では、第1ペレット200の第1端面E1側の一部(第1端面から第1端面と第2端面の途中までの側面領域)において、テーパ部Tが設けられている。図2の第1ペレット200の、テーパ部の高さH、外径D2およびD1/D2は、上記の図1の第1ペレット100の、テーパ部の高さH、外径D2およびD1/D2で例示する範囲であってもよい。
(第2工程)
第2工程では、第1正極ペレットを含む中空円筒形の正極ペレット群を有底円筒形のケース内に挿入し、ケースに内接する中空円筒形の正極を得る。ケースには、例えば、ニッケルめっき鋼板が用いられる。正極とケースとの間の密着性を良くするために、ケースの内面を炭素被膜で被覆してもよい。
正極ペレット群における第1正極ペレット以外の他の正極ペレット(以下、単に、他の正極ペレットと称する。)も第1正極ペレットと同様に上記の正極合剤を加圧成形して作製することができる。他の正極ペレットは、第1正極ペレットと形状およびサイズが異なってもよいが、生産性の観点から、第1正極ペレットとほぼ同じ形状およびサイズを有することが好ましい。他の正極ペレットをケース内に挿入する向きは特に限定されないが、生産性の観点から、各正極ペレットが互いにほぼ同じ形状およびサイズを有する場合、各正極ペレットの第1端面がそれぞれケース開口側に向くように配置して各正極ペレットをスタックさせることが好ましい。正極ペレット群に含まれる正極ペレットの数は、例えば、2個以上、4個以下である。各正極ペレットが互いにほぼ同じ形状およびサイズを有する場合、正極ペレットの長さ寸法(例えば高さ寸法)などの誤差は、例えば、3%程度以下である。上記の誤差とは、各正極ペレットの長さ寸法などについて、平均値に対する、平均値から最も大きく離れた値と平均値との差(絶対値)の割合である。
ここで、図3~図5は、正極を構成する正極ペレット群(スタック)の3つの例を示す概略側面図である。図3~図5では、テーパ部を示すため、便宜上、スタックがケース内に挿入される前の状態を示す。
図3に示す正極2は、中空円筒形の第1ペレット2aおよび第2ペレット2aのスタックで構成されている。
第1ペレット2aは、軸方向の第1端面E1と、第1端面E1と反対側の第2端面E2と、を有する。第1ペレット2aは、第2端面E2から第1端面E1に向かって外径が小さくなるテーパ部Tを備える。また、第1ペレット100の軸方向に沿う断面において(図3に示す第1ペレット2aの側面からみて)、第1ペレット2aの軸に対するテーパ部Tの傾斜角度θが、0.26°以上、0.87°以下である。第1ペレット2aでは、テーパ部Tが、第2端面E2から第1端面E1にかけて(第1ペレット2aの側面全体に)設けられている。第2ペレット2bは、第1ペレット2aとほぼ同じ形状およびサイズを有する。
各ペレット2a,2bは、それぞれ、第1端面E1がケース開口側に向くようにケース内に挿入される。ケース開口側から順に、第1ペレット2aおよび第2ペレット2bが配される。すなわち、ケースの最も開口側に、第1ペレット2aが、第1端面E1がケース開口側に向くように配される。
図3では、第2ペレットは、第1ペレットとほぼ同じ形状およびサイズを有するが、これに限定されず、第1ペレットと形状やサイズが異なっていてもよい。第2ペレットは、テーパ部Tを備えていなくてもよい。また、図3では、第2ペレットは、第1端面E1がケース開口側に向くように配されているが、第2端面E2がケース開口側に向くように配されていてもよい。
図3では、互いにほぼ同じ形状およびサイズを有する2つのペレットをスタックさせて正極を構成する場合を示すが、正極はこれに限定されない。図4に示すように、互いにほぼ同じ形状およびサイズを有する3つのペレット(第1ペレット12a~第3ペレット12c)をスタックさせて正極12を構成してもよい。また、図5に示すように、互いにほぼ同じ形状およびサイズを有する4つのペレット(第1ペレット22a~第4ペレット22d)をスタックさせて正極22を構成してもよい。
(第3工程)
第3工程では、例えば、ケースを軸心回りに回転させながらケース側部の所定箇所(開口端近傍)に溝付けローラを押し付けて当該箇所を軸心方向に突き上げる。このようにして、ケース側部の正極よりも開口側の領域に環状の溝を設ける。溝の深さは、溝付けローラの形状、軸心方向に突き上げる際の荷重、および突き上げ高さ等を調節することで制御できる。
ここで、図6は、本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の製造方法における第3工程により、正極が内接するケースの側部に環状の溝が設けられた状態を示す要部断面図である。
中空円筒形の正極2がケース1に内接している。正極2において、ケース1の最も開口側に、テーパ部Tを有する第1ペレット2aが、第1端面E1がケース1の開口側に向くように配置されている。テーパ部Tの傾斜角度θが0.26°以上、0.87°以下である。ケース1の側部1aの正極2よりも開口側の領域に環状の溝21が設けられている。溝21(環状の溝21の最深部を含む仮想面S21)が、正極2のケース1の開口側の端面11(第1ペレット2aの第1端面E1)から0.55mm以上、2.35mm以下の距離hだけ離して設けられている。この場合、溝21の形成時に正極2のケース1の開口側の端部に伝わる衝撃が軽減され、溝21の形成に伴う正極2の割れ発生が抑制される。
溝21(最深部)の深さdは、0.3mm以上、2.2mm以下であることが好ましい。溝の深さdが0.3mm以上である場合、溝により段部が十分に形成され、段部上に封口ユニットを載置しやすく、電池の封止性に対する信頼性が向上し易い。溝の深さdが2.2mm以下である場合、正極のクラック発生が抑制される。溝21の深さdは、ケース側部1aについて、溝21以外の部分における外径Daおよび溝21の最深部における外径Dbをそれぞれ測定し、(Da-Db)/2の式により求めることができる。電池(完成品)の場合、電池を側面から見たときのケース側部を用いて外径Daおよび外径Dbを測定すればよい。
図6ではケース1内に図3の正極2が収容されているが、正極はこれに限定されない。例えば、図4の正極12または図5の正極22であってもよい。
(第4工程および第5工程)
さらに、上記の製造方法は、正極の中空部にセパレータを介して負極を配置するとともにケース内に電解液を注入する第4工程と、ケースの溝により設けられる段部(図6の溝21により設けれる段部31)上に封口ユニットを配置し、ケースの開口を封口ユニットで封止する第5工程と、を含んでもよい。
[アルカリ乾電池]
本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池は、溝を有する有底円筒形のケースと、ケースの溝よりも底部側の領域においてケースに内接する中空円筒形の正極と、正極の中空部内に配される負極と、正極と負極との間に配されるセパレータと、電解液と、を備える。また、上記のアルカリ乾電池は、ケースの溝により設けられる段部上に配されるとともにケースの開口を封止する封口ユニットを備える。溝と正極の溝側(ケース開口側)の端面との距離hが、0.55mm以上、2.35mm以下である。
アルカリ乾電池を分解してケースから外部に正極を露出させるとき(正極をケースに内接しない状態にするとき)、正極(スタック)の外周面に設けられたテーパ部(傾斜角度θ)はケース内への挿入前の状態にほぼ戻る。すなわち、ケース内から取り出した正極は、ケースの底部側から溝側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備え、正極の軸方向に沿う断面において、正極の軸に対するテーパ部の傾斜角度θが、0.26°以上、0.87°以下である。
負極は、正極のペレットの中空部内に配される。負極は、ゲル状の形態を有する。負極は、通常、負極活物質としての亜鉛または亜鉛合金の粉末と、電解液と、ゲル化剤とを含有する。電解液には、正極ペレット群に含ませる電解液を用いることができる。
亜鉛合金は、耐食性の観点から、インジウム、ビスマスおよびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。負極活物質は、通常、粉末状の形態で使用される。負極の充填性および負極内でのアルカリ電解液の拡散性の観点から、負極活物質粉末の平均粒径(D50)は、例えば80μm以上、200μm以下、好ましくは100μm以上、150μm以下である。負極中の亜鉛または亜鉛合金粉末の含有量は、例えば、電解液100質量部あたり、170質量部以上、220質量部以下である。
ゲル化剤としては、アルカリ乾電池の分野で使用される公知のゲル化剤が特に制限なく使用され、例えば、増粘剤および/または吸水性ポリマーなどが使用できる。このようなゲル化剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。負極中のゲル化剤の含有量は、例えば、負極活物質100質量部あたり、0.5質量部以上、2質量部以下である。
セパレータには、例えば、不織布や微多孔膜が用いられる。セパレータの材質としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコールなどが例示できる。不織布としては、例えば、これらの材質の繊維を主体とするものが使用される。微多孔膜としては、セロファンなどが利用される。セパレータの厚みは、例えば、80μm以上、300μm以下である。セパレータは、厚みが上記範囲となるように複数のシート(不織布など)を重ねて構成してもよい。
以下に、本発明に係るアルカリ乾電池を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。さらに、他の実施形態との組み合わせも可能である。
図7は、本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の横半分を断面とする正面図である。
図7に示すように、アルカリ乾電池は、中空円筒形の正極2と、正極2の中空部内に配された負極3と、これらの間に配されたセパレータ4と、電解液(図示せず)とを含み、これらが、側部1aおよび底部1bを有する有底円筒形のケース1内に収容されている。ケース1の底部1bは正極端子を兼ねている。正極2は、ケース1に充填され、正極2の中空部内には、セパレータ4を介して、ゲル状の負極3が充填されている。
正極2は、二酸化マンガンを含んでおり、通常、導電剤も含む。負極3は、亜鉛を含む負極活物質に加え、通常、アルカリ電解液とゲル化剤とを含む。セパレータ4は、有底円筒形であり、円筒型のセパレータ4aと、底紙4bとで構成されている。セパレータ4aは、正極2の中空部の内面に沿って配され、正極2と負極3とを隔離している。よって、正極と負極との間に配されたセパレータとは、円筒型のセパレータ4aを意味する。底紙4bは、正極2の中空部の底部に配され、負極3とケース1とを隔離している。
ケース1の開口部は、封口ユニット9により封口されている。封口ユニット9は、ガスケット5と、負極端子を兼ねる負極端子板7と、負極集電体6とを備える。ガスケット5は、環状の薄肉部5aを有する。電池内圧が所定値を超えると、薄肉部5aが破断して電池外部へガスが放出される。
負極3内に負極集電体6が挿入されている。負極集電体6の材質は、例えば、真鍮などの銅および亜鉛を含む合金製である。負極集電体6は、必要により、スズメッキなどのメッキ処理がされていてもよい。負極集電体6は、頭部と胴部とを有する釘状の形態を有しており、胴部はガスケット5の中央筒部に設けられた貫通孔に挿入され、負極集電体6の頭部は負極端子板7の中央部の平坦部に溶接されている。
ケース側部1aの正極2よりも開口側の領域に環状の溝21が設けられ、ケース1の開口端部(ケース側部1aの溝21よりも開口側の領域)は、ガスケット5の外周端部を介して負極端子板7の周縁部の鍔部にかしめつけられている。ケース1の外表面には外装ラベル8が被覆されている。正極2の溝21側の端面11(第1ペレット2aの第1端面E1)と、溝21(環状の溝21の最深部を含む仮想面S21)との間の距離hは、0.55mm以上、2.35mm以下である。
正極2は、図3に示す第1ペレット2aおよび第2ペレット2bのスタックで構成されている。各ペレット2a,2bは第1端面E1がケース1の開口側に向くようにしてケース1内に圧入され、ケース1の内面に接している。スタックがケース1から取り出された状態において、第1ペレット2aのテーパ部Tの傾斜角度θは、0.26°以上、0.87°以下である。
図7では、ケース1内に正極2が収容されているが、正極はこれに限定されない。例えば、正極12または正極22であってもよい。
図7では、セパレータは、円筒型のセパレータ4aと底紙4bとで構成されているが、これに限定されない。セパレータとして有底円筒形の一体物を用いてもよく、アルカリ乾電池の分野で使用される公知の形状のセパレータが使用できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1~18および比較例1~14》
(第1工程)
正極活物質である電解二酸化マンガン粉末(二酸化マンガン純度:93%、平均粒径D50:40μm、BET比表面積:26m2/g)と、導電剤である黒鉛粉末と、添加剤としてのポリテトラフルオロエチレンとを混合した。混合物に電解液を加え、充分に攪拌した後、フレーク状に圧縮成形し、さらに顆粒状に粉砕することにより正極合剤を得た。各成分の質量比は、電解二酸化マンガン粉末:黒鉛粉末:電解液=95:5:2とした。添加剤は、電解二酸化マンガンに対して0.2質量%の割合で使用した。電解液には、水酸化カリウム(濃度35質量%)および酸化亜鉛(濃度2質量%)を含むアルカリ水溶液を用いた。
正極合剤を、金型を用いて加圧成形することにより、図3に示す2つのペレット(第1ペレット2aおよび第2ペレット2b)を作製した。このときの加圧成形の圧力を調整することにより、二酸化マンガン密度を2.80g/cmとした。これらのペレットの二酸化マンガン密度はペレット作製時の値である。作製したペレットの二酸化マンガン密度は、原料組成から算出した二酸化マンガンの質量を、ペレットサイズから算出した体積で除することにより求めた。各ペレットについて、テーパー部Tの傾斜角度θは表1~表3に示す値とし、第2端面E2の外径D2(最大外径)は13.70mmとし、ペレット(テーパ部)の高さHは21.80mmとし、内径(中空部の径)は8.90mmとした。
(第2工程)
次に、上記で得られた2つのペレット(図3に示すスタック)を、第1端面E1がケース開口側を向くように配置し、ケース(内径:13.70mm)内に挿入した。このようにして、ケースに内接する正極を得た。ケースには、ニッケルめっき鋼板製の有底円筒形のケース(胴体部の厚み:0.15mm)の内面に日本黒鉛(株)製のバニーハイトを塗布して厚み約10μmの炭素被膜を形成したものを用いた。
(第3工程)
ケース側部の正極よりも開口側の領域に環状の溝を設けた。このとき、正極のケース開口側の端面(第1ペレットの第1端面)との距離hが表1~表3に示す値となるように、溝を設ける位置を調整した。また、溝の深さdは表1~表3に示す値とした。
実施例1~18および比較例1~14で得られた、溝を設けたケースに内接する正極について、以下の評価を行った。
[評価:正極の割れ発生率]
溝を設けたケースに内接する正極を10個ずつ作製し、目視により正極の割れ(正極のケース開口側の端面の周縁部から内部に亀裂が生じる現象)の有無を確認した。10個の正極のうち割れが発生した正極の個数をカウントし、正極の割れ発生率を求めた。評価結果を表1~表3に示す。
実施例1~18では、正極の割れ発生率は0%であった。テーパ部の傾斜角度が0.20°である正極ペレットを用いた比較例1~12では、正極に割れが生じたものが見られた。テーパ部の傾斜角度が0.26°であり、溝と第1端面との距離hが0.35mmである比較例13、14では、正極に割れが生じたものが見られた。
《実施例19》
第1工程では、互いに形状およびサイズがほぼ同じ3つのペレット(図4に示す第1ペレット12a~第3ペレット12c)を作製した。各ペレットについて、テーパー部の傾斜角度θは0.26°とし、第2端面E2の外径D2(最大外径)は13.70mmとし、ペレット(テーパ部)の高さHは14.53mmとした。
第2工程では、上記で得られた3つのペレット(図4に示すスタック)を、第1端面E1がケース開口側に向くように配置し、ケース内に挿入した。このようにして、ケースに内接する正極を得た。
上記以外、実施例1と同様の方法により、溝を設けたケースに内接する正極を作製し、評価した。
《実施例20》
第1工程では、互いに形状およびサイズがほぼ同じ4つのペレット(図5に示す第1ペレット22a~第4ペレット22d)を作製した。各ペレットについて、テーパー部の傾斜角度θは0.26°とし、第2端面E2の外径D2(最大外径)は13.70mmとし、ペレット(テーパ部)の高さHは10.90mmとした。
第2工程では、上記で得られた4つのペレット(図5に示すスタック)を、第1端面E1がケース開口側に向くように配置し、ケース内に挿入した。このようにして、ケースに内接する正極を得た。
上記以外、実施例1と同様の方法により、溝を設けたケースに内接する正極を作製し、評価した。
《実施例21》
第1工程では、互いに形状およびサイズがほぼ同じ5つのペレット(第1ペレット~第5ペレット)を作製した。各ペレットは、図1に示す形状であり、テーパー部Tの傾斜角度θは0.26°とし、第2端面E2の外径D2(最大外径)は13.70mmとし、ペレット(テーパ部)の高さHは8.70mmとした。
第2工程では、上記で得られた5つのペレット(スタック)を、第1端面E1がケース開口側に向くように配置し、ケース内に挿入した。このようにして、ケースに内接する正極を得た。
実施例19~21の評価結果を表4に示す。
実施例19~20では、実施例1と同様に、正極の割れ発生率は0%であった。
《実施例22~24》
第1工程では、第1ペレットおよび第2ペレットについて、各ペレットの最大外径(第2端面E2の外径D2)からケース内径を差し引いた値が表5に示す値となるように、傾斜角度θは変えずに、第1端面E1の外径D1および第2端面E2の外径D2を変えた。上記以外、実施例1と同様の方法により、溝を設けたケースに内接する正極を作製した。
《実施例25~27》
第3工程でケースに設ける溝の深さdを表6に示す値とした以外、実施例1と同様の方法により、溝を設けたケースに内接する正極を作製した。
実施例22~27で得られた、溝を設けたケースに内接する正極について、上記の正極の割れ発生率を求めた。また、実施例1、22~27については、以下の評価も行った。
[評価:正極のクラック発生率]
溝を設けたケースに内接する正極を10個ずつ作製し、X線透過画像により正極のクラック(正極のケース開口側の端面の周縁部がリング状に薄く剥離する現象)の有無を確認した。10個の正極のうちクラックが発生した正極の個数をカウントし、正極のクラック発生率を求めた。
評価結果を表5~表6に示す。
実施例22~27のいずれも、実施例1と同様に、正極の割れ発生率は0%であった。特に、実施例1、22~23、25~26では、正極のクラック発生率も0%であった。
本発明の実施形態に係るアルカリ乾電池は、高容量化および信頼性の向上に有利であるため、携帯機器等の電子機器の電源として好適に用いることができる。
1:ケース、1a:側部、1b:底部、2,12,22:正極、2a,12a,22a,100,200:第1ペレット、2b,12b,22b:第2ペレット、12c,22c:第3ペレット、22d:第4ペレット、3:負極、4:セパレータ、4a:円筒型セパレータ、4b:底紙、5:ガスケット、6:負極集電体、7:負極端子板、8:外装ラベル、9:封口ユニット、11:正極の溝側の端面、21:溝、31:段部、E1:第1端面、E2:第2端面、S21:環状の溝の最深部を含む仮想面

Claims (5)

  1. 中空円筒形であり、軸方向の第1端面と、前記第1端面と反対側の第2端面と、を有する第1正極ペレットを準備する第1工程と、
    前記第1正極ペレットを含む中空円筒形の正極ペレット群を有底円筒形のケース内に挿入し、前記ケースに内接する中空円筒形の正極を得る第2工程と、
    前記ケースの側部の前記正極よりも開口側の領域に環状の溝を設ける第3工程と、
    を含み、
    前記第1正極ペレットは、前記第2端面から前記第1端面に向かって外径が小さくなるテーパ部を備え、かつ、前記第1正極ペレットの軸方向に沿う断面において、前記第1正極ペレットの軸に対する前記テーパ部の傾斜角度θが、0.26°以上、0.87°以下であり、
    前記第2工程では、前記第1正極ペレットを、前記ケースの最も開口側に、前記第1端面が前記ケースの開口側に向くように配置し、
    前記溝と前記第1端面との距離hが、0.55mm以上、2.35mm以下である、アルカリ乾電池の製造方法。
  2. 前記第1正極ペレットの最大外径から前記ケースの内径を差し引いた値が、0mm以上、0.06mm以下である、請求項1に記載のアルカリ乾電池の製造方法。
  3. 前記溝の深さが、0.3mm以上、2.2mm以下である、請求項1または2に記載のアルカリ乾電池の製造方法。
  4. 前記正極の中空部にセパレータを介して負極を配置するとともに前記ケース内に電解液を注入する第4工程と、
    前記ケースの前記溝により設けられる段部上に封口ユニットを配置し、前記ケースの開口を前記封口ユニットで封止する第5工程と、
    を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池の製造方法。
  5. 溝を有する有底円筒形のケースと、前記ケースの前記溝よりも底部側の領域において前記ケースに内接する中空円筒形の正極と、前記正極の中空部内に配される負極と、前記正極と前記負極との間に配されるセパレータと、電解液と、前記ケースの前記溝により設けられる段部上に配されるとともに前記ケースの開口を封止する封口ユニットと、を備えるアルカリ乾電池であって、
    前記溝と前記正極の前記溝側の端面との距離hが、0.55mm以上、2.35mm以下であり、
    前記アルカリ乾電池を分解して前記ケースから外部に前記正極を露出させるとき、前記正極は、前記ケースの底部側から溝側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備え、かつ、前記正極の軸方向に沿う断面において、前記正極の軸に対する前記テーパ部の傾斜角度θが、0.26°以上、0.87°以下である、アルカリ乾電池。
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