JP2019061801A - アルカリ乾電池 - Google Patents

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【課題】アルカリ乾電池において、放電時に正極が膨張しても、電池ケースの膨れおよび裂けを抑制する。【解決手段】アルカリ乾電池は、有底円筒形の電池ケースと、前記電池ケースに充填され、かつn個の中空円筒状のペレットのスタックで構成された正極と、前記ペレットの中空部内に配置された負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、アルカリ電解液とを備える。前記正極は、二酸化マンガンを含み、nは、偶数である。前記ペレットは、それぞれ、各ペレットの軸方向の第1端面と前記第1端面とは反対側の第2端面とを備えており、前記第1端面の外径D1は、前記第2端面の外径D2よりも小さく、前記第2端面側から前記第1端面側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備えており、前記スタックは、前記スタックの高さ方向の中央部において、前記第1端面同士を対向させて配置された第1ペレットおよび第2ペレットを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、テーパ形状の正極ペレットを備えるアルカリ乾電池に関する。
アルカリ乾電池(アルカリマンガン乾電池)は、容量が大きく、大きな電流を取り出すことができるため、広く利用されている。アルカリ乾電池の正極は、正極活物質である二酸化マンガン粉末を含むペレットで構成されている。複数のペレットをスタックさせて正極を構成することもある(特許文献1〜3など)。
特開平11−288709号公報 特開昭59−108275号公報 国際公開第2017/110024号パンフレット
アルカリ乾電池では、二酸化マンガンが放電時に膨張することで正極が膨張する。正極の膨張は、電池の高さ方向の中央付近において特に顕著であり、電池ケースが膨らんだり、裂けたりすることがある。
本発明の一局面は、有底円筒形の電池ケースと、
前記電池ケースに充填され、かつn個の中空円筒状のペレットのスタックで構成された正極と、
前記ペレットの中空部内に配置された負極と、
前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
アルカリ電解液と、を備え、
前記正極は、二酸化マンガンを含み、
nは、偶数であり、
前記ペレットは、それぞれ、各ペレットの軸方向の第1端面と前記第1端面とは反対側の第2端面とを備えており、前記第1端面の外径D1は、前記第2端面の外径D2よりも小さく、前記第2端面側から前記第1端面側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備えており、
前記スタックは、前記スタックの高さ方向の中央部において、前記第1端面同士を対向させて配置された第1ペレットおよび第2ペレットを備える、アルカリ乾電池に関する。
アルカリ乾電池において、放電時に正極が膨張しても、電池ケースの膨れや裂けを低減できる。
本発明の第1実施形態に係るアルカリ乾電池の横半分を断面とする正面図である。 図1のアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。 本発明の第2実施形態に係るアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。 本発明の第3実施形態に係るアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。 本発明の第4実施形態に係るアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。 比較例1のアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。 比較例2のアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。
本発明の実施形態に係るアルカリ乾電池は、有底円筒形の電池ケースと、電池ケースに充填され、かつn個の中空円筒状のペレットのスタックで構成された正極と、ペレットの中空部内に配置された負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータと、アルカリ電解液と、を備える。正極は、二酸化マンガンを含み、nは、偶数である。ペレットは、それぞれ、各ペレットの軸方向の第1端面と第1端面とは反対側の第2端面とを備えており、第1端面の外径D1は、第2端面の外径D2よりも小さく、第2端面側から第1端面側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備えている。スタックは、スタックの高さ方向の中央部において、第1端面同士を対向させて配置された第1ペレットおよび第2ペレットを備える。
アルカリ乾電池では、電池の高さ方向における中央部(または高さ方向の両端部以外の領域)では、放電時の正極の膨張が顕著になる。その結果、電池ケースの中央部が膨れて、場合によっては、中央部を起点として電池ケースの裂けが生じる。電池ケースの膨れや裂けは、特に、高容量化したり、電池ケースの厚みを小さくしたりした場合に顕著である。
本実施形態では、上記のように、スタックの高さ方向の中央部に、それぞれテーパ部を備える第1ペレットおよび第2ペレットを配置する。このとき、第1ペレットおよび第2ペレットは、第2端面よりも外径が小さい第1端面同士を対向させて配置される。これにより、第1ペレットおよび第2ペレットと電池ケースの内壁との間に隙間が形成される。この隙間の存在により、放電時に中央部において正極が膨張しても、膨張による応力を緩和することができる。よって、電池ケースの膨れを低減できるとともに、電池ケース(特に、胴体部)に裂けが生じるのを効果的に抑制できる。
正極(またはスタック)の高さ方向の中央部の第1ペレットおよび第2ペレットとは、対向する第1端面同士が、正極(またはスタック)の高さ方向の中央領域に存在する2つのペレットを言う。中央領域は、例えば、スタックの高さ方向の中心を通り、かつ高さ方向(または軸方向)に垂直な平面(以下、中心面とも言う)を中心とする所定の高さの領域を言う。中央領域は、例えば、中心面を中心とする、スタックの高さの20%の高さを有する領域とすることができる。
各ペレットの軸方向の各端面の外径は、ペレットの軸方向に沿う断面写真から測定できる。ペレットの各端面側から見たときは最大外径を各端面の外径としてもよい。
各ペレットの軸方向の各端面の外径は、例えば、アルカリ乾電池の初期状態において測定すればよい。初期状態のアルカリ乾電池とは、例えば、電池の組み立て後(または組み立てた電池をエージングした後)で、かつ初回放電前のアルカリ乾電池である。
以下に、本発明に係るアルカリ乾電池を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。さらに、他の実施形態との組み合わせも可能である。
図1は、本発明に係るアルカリ乾電池(第1実施形態)の横半分を断面とする正面図である。図2は、図1のアルカリ乾電池に含まれる正極2を模式的に示す概略側面図である。
図1および図2に示すように、アルカリ乾電池は、中空円筒形の正極2と、正極2の中空部内に配された負極3と、これらの間に配されたセパレータ4と、アルカリ電解液(図示せず)とを含み、これらが、正極端子を兼ねた有底円筒形の電池ケース1内に収容されている。正極2は、電池ケース1に充填され、正極2の中空部内には、セパレータ4を介して、ゲル状の負極3が充填されている。
セパレータ4は、有底円筒形であり、正極2の中空部の内面に配され、正極2と負極3とを隔離するとともに、負極3と電池ケース1とを隔離している。正極2は、二酸化マンガンを含んでおり、通常、導電剤も含む。負極3は、亜鉛を含む負極活物質に加え、通常、アルカリ電解液とゲル化剤とを含む。
電池ケース1の開口部は、封口ユニット9により封口されている。封口ユニット9は、ガスケット5、負極端子を兼ねる負極端子板7、および負極集電体6からなる。負極集電体6は負極3内に挿入されている。負極集電体6は、頭部と胴部とを有する釘状の形態を有しており、胴部はガスケット5の中央筒部に設けられた貫通孔に挿入され、負極集電体6の頭部は負極端子板7の中央部の平坦部に溶接されている。電池ケース1の開口端部は、ガスケット5の外周端部を介して負極端子板7の周縁部の鍔部にかしめつけられている。電池ケース1の外表面には外装ラベル8が被覆されている。
図示例では、正極2は、内部に中空部を有する中空円筒形の第1ペレット2aおよび第2ペレット2bの2つのペレットのスタックで構成されている。各ペレット2a,2bは、それぞれ軸方向の両端に、第1端面E1および第2端面E2を有している。各ペレット2a,2bにおいて、第1端面E1の外径D1は、第2端面E2の外径D2よりも小さくなっており、第1ペレット2aと第2ペレット2bとは、それぞれの第1端面E1を対向させた状態で配置されている。第1ペレット2aおよび第2ペレット2bは、それぞれ、第2端面E2側から第1端面E1側に向かって外径が小さくなるテーパ部Tを備えている。第1端面E1同士が対向していることと、テーパ部Tの存在とにより、アルカリ乾電池の高さ方向の中央部には、正極2と電池ケース1との間に隙間が形成されることになる。放電時に正極2の膨張が顕著になる中央部にこのような隙間が形成されることで、正極2の膨張に伴う応力を緩和することができる。よって、電池ケース1の膨れや裂けが生じるのを低減できる。
図示例では、第1ペレット2aおよび第2ペレット2bは、ほぼ同じ大きさ(または高さ)になるように作製されているが、この場合に限定されず、異なる大きさ(または高さ)であってもよい。テーパ部Tの傾斜も第1ペレット2aと第2ペレット2bとでほぼ同じにしてもよく、異なるようにしてもよい。
図1および図2では、第1ペレット2aおよび第2ペレット2bのそれぞれにおいて、テーパ部Tは、第2端面E2から第1端面E1にかけて(つまり、各ペレット2a,2bの側面全体に)形成されているが、この場合に限定されない。テーパ部Tは、各ペレットの側面の一部に形成されていればよい。正極2の高さ方向の中央部において正極2の膨張による応力をより効果的に緩和する観点からは、テーパ部Tは、各ペレットの少なくとも第1端面E1側に形成されていることが好ましく、図1および図2のようにペレット2a,2bの側面全体に形成されていることがさらに好ましい。
図3は、本発明の他の実施形態(第2実施形態)に係るアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。図3では、正極12は、第1ペレット12aと第2ペレット12bとを備えている。各ペレット12aおよび12bは、それぞれ、第1端面E1が対向した状態で配置されている。第1ペレット12aおよび第2ペレット12bでは、テーパ部Tが各ペレット12a,12bの側面の第1端面E1側の一部に形成されている。各ペレットは、いずれも内部に負極3を収容する中空部を有する。
図4は、本発明の第3実施形態に係るアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。図5は、本発明の第4実施形態に係るアルカリ乾電池に含まれる正極を模式的に示す概略側面図である。図1〜図3では、正極を2つのペレットで構成する場合(n=2)を示したが、図4および図5では、正極を構成するペレットの個数が4つの場合(n=4)を示す。
図4では、正極22は、隣接する第1ペレット22aおよび第2ペレット22bと、これらのペレット22a,22bを挟むように配置された第3ペレット22cおよび第4ペレット22dとの合計4個のペレットのスタックで構成されている。各ペレットは、いずれも内部に負極3を収容する中空部を有する。
各ペレットは、第1端面E1および第2端面E2を備えており、図2の場合と同様に、第2端面E2から第1端面E1に亘って側面全体にテーパ部Tが形成されている。第1ペレット22aおよび第2ペレット22bは、図2の場合と同様に、第1端面E1同士が対向した状態で配置されている。対向する第1端面E1は、正極22の高さ方向の中央部に位置している。第3ペレット22cおよび第4ペレット22dは、それぞれの第2端面E2が、正極22の高さ方向の両端となるように配置されている。
図5では、正極32は、第1ペレット32a、第2ペレット32b、第3ペレット32c、および第4ペレット32dの合計4個のペレットで構成されており、第3ペレット32cおよび第4ペレット32dの向きが異なる以外は、図4と同じである。つまり、図5では、第3ペレット32cおよび第4ペレット32dのそれぞれの第1端面E1が正極32の高さ方向の両端となるように各ペレットが配置されている。
このように、正極の高さ方向の中央部の第1ペレットおよび第2ペレット以外のペレットの向きは特に制限されず、第1端面および第2端面のどちらが中央部寄りに配置されていてもよい。正極の膨張は、高さ方向の両端部よりも中央部寄りの位置で顕著になり易いため、n=4の場合には、図5よりも図4に示すように、第3ペレットおよび第4ペレットの第1端面を中央部寄りに(つまり、第2端面を正極の両端に)配置することが好ましい。
以下、アルカリ乾電池の詳細について説明する。
(正極)
正極は、n個の中空円筒形のペレットのスタックで構成されており、有底円筒形の電池ケース内に充填されている。nは、偶数であり、2、4または6であることが好ましく、2または4であることがさらに好ましい。nがこのような範囲である場合、アルカリ乾電池の高さ方向の中央部において、正極の側面と電池ケースの内壁との間に隙間を確保し易くなるため、放電時の正極の膨張に伴う応力を緩和し易くなる。
n個のペレットのうち、正極(またはスタック)の高さ方向の中央部に位置する2つの第1ペレットおよび第2ペレットとする。第1ペレットおよび第2ペレットは、それぞれ、各ペレットの軸方向の第1端面と第1端面とは反対側の第2端面とを備えている。第1ペレットおよび第2ペレットのそれぞれにおいて、第1端面の外径D1は、第2端面の外径D2よりも小さくなっており、各ペレットは第2端面側から第1端面側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備えている。そして、電池ケース内において、第1ペレットと第2ペレットとは、第1端面同士が対向するように配置される。これにより、アルカリ乾電池の高さ方向の中央部において、電池ケースの内壁と正極との間に隙間が形成されることになるため、放電時の正極の膨張による応力を緩和することができる。
第1ペレットおよび第2ペレットのそれぞれにおいて、外径D2と外径D1との差:D2−D1は、0.05mm以上0.35mm以下であることが好ましく、0.08mm以上0.30mm以下であることがさらに好ましい。外径の差がこのような範囲である場合、高容量を確保しながらも、電池ケースの膨れや裂けを低減することができる。
テーパ部の角度θは、0.05°以上0.40°以下であることが好ましく、0.15°以上0.30°以下であることがさらに好ましい。テーパ部の角度θがこのような範囲である場合、高容量を確保しながらも、電池ケースの膨れや裂けを低減することができる。
テーパ部は、上述のように、第2端面から第1端面にかけて第1ペレットおよび第2ペレットのそれぞれの側面全体に形成されていてもよく、側面の一部に形成されていてもよい。
正極は、正極活物質である二酸化マンガンを含む。二酸化マンガンとしては、電解二酸化マンガンが好ましい。
二酸化マンガンは粉末の形態で用いられる。正極の充填性および正極内での電解液の拡散性などを確保し易い観点からは、二酸化マンガンの平均粒径(D50)は、例えば、20μm以上60μm以下である。成形性や正極の膨張抑制の観点から、二酸化マンガンのBET比表面積は、例えば、15m2/g以上50m2/g以下の範囲であってもよい。
なお、本明細書中、平均粒径(D50)とは、体積基準の粒度分布におけるメジアン径である。平均粒径は、例えば、レーザ回折および/または散乱式粒度分布測定装置を用いて求められる。また、BET比表面積とは、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて、表面積を測定および計算したものである。BET比表面積は、例えば、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いることにより測定できる。
正極は、正極活物質に加え、さらに導電剤を含んでおり、通常、さらにアルカリ電解液を含む。また、正極は、必要に応じて、さらに結着剤を含んでもよい。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラックなどのカーボンブラックの他、黒鉛などの導電性炭素材料が挙げられる。黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛などが使用できる。導電剤は、繊維状などであってもよいが、粉末状であることが好ましい。導電剤の平均粒径(D50)は、例えば、5nm以上50μm以下の範囲から選択できる。導電剤の平均粒径(D50)は、導電剤が、カーボンブラックの場合、5nm以上40nm以下が好ましく、黒鉛の場合、3μm以上50μm以下が好ましい。
正極中の導電剤の含有量は、二酸化マンガン100質量部に対して、例えば、2質量部以上10質量部以下、好ましくは4質量部以上8質量部以下である。
本実施形態に係るアルカリ乾電池では、正極(具体的には、ペレットのスタック)における二酸化マンガンの平均密度は、例えば、2.5g/cm3以上3.5g/cm3以下であり、2.55g/cm3以上3.30g/cm3以下であることが好ましい。このように正極が高密度であっても、本発明では、テーパ部を有する第1ペレットおよび第2ペレットを、第1端面同士を対向させて配置することで、放電時の正極の膨張による応力を効果的に緩和することができる。
n個のペレットにおける二酸化マンガンの平均密度は、ペレットに含まれる二酸化マンガンの合計質量を、ペレットの合計体積で除することにより求めることができる。ペレットに含まれる二酸化マンガンの合計質量は、電池からペレットを取り出し、ペレットを酸で十分に溶解させた後、不溶分を除去して溶液を回収し、高周波誘導結合プラズマ発光分光法(ICP発光分析法)により、溶液中に含まれるMnの含有量を求め、MnO2量に換算することにより求めることができる。各ペレットの体積は、例えば、電池をX線CT画像において、各ペレットの外径、内径、および高さを計測し、これらの値に基づいて求めることができる。
ペレットの体積は、アルカリ電解液をペレットに浸透させたり、電池を放電したりすることで変化する。そのため、電池におけるペレットの二酸化マンガン密度やn個のペレットの二酸化マンガンの平均密度は、例えば、初期状態のアルカリ乾電池について求めればよい。
正極が第1ペレットおよび第2ペレット以外の他のペレットを含む場合、他のペレットでは、テーパ部は、ペレットの側面全体に形成されていてもよく、一部に形成されていてもよい。第1および第2ペレットとは異なり、図4および図5に示すように、他のペレットの配置の向きは特に限定されない。
ペレットは、例えば、正極活物質、導電剤、アルカリ電解液、必要に応じて結着剤を含む正極合剤を所望の形状に加圧成形することにより得られる。正極合剤を、一旦、フレーク状や顆粒状にし、必要により分級した後、加圧成形してもよい。加圧成形の圧力を調節することで、各ペレットにおける二酸化マンガン密度を調節することができる。
(負極)
負極は、正極のペレットの中空部内に配される。負極は、ゲル状の形態を有する。負極は、通常、負極活物質としての亜鉛または亜鉛合金の粉末と、アルカリ電解液と、ゲル化剤とを含有する。
亜鉛合金は、耐食性の観点から、インジウム、ビスマスおよびアルミニウムからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。負極活物質は、通常、粉末状の形態で使用される。負極の充填性および負極内でのアルカリ電解液の拡散性の観点から、負極活物質粉末の平均粒径(D50)は、例えば、100μm以上200μm以下、好ましくは110μm以上160μm以下である。
ゲル化剤としては、アルカリ乾電池の分野で使用される公知のゲル化剤が特に制限なく使用され、例えば、増粘剤および/または吸水性ポリマーなどが使用できる。このようなゲル化剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウムが挙げられる。
ゲル化剤の添加量は、負極活物質100質量部あたり、例えば、0.5質量部以上2質量部以下である。
亜鉛または亜鉛合金粉末の含有量は、アルカリ電解液100質量部に対して、例えば、170質量部以上220質量部以下である。
負極には、亜鉛の耐食性の調整等のために、ポリオキシアルキレン基含有化合物やリン酸エステル等の界面活性剤(例えば、リン酸エステルまたはそのアルカリ金属塩など)を用いてもよい。
(負極集電体)
ゲル状の負極には、負極集電体が挿入される。負極集電体の材質は、例えば、真鍮などの銅および亜鉛を含む合金製である。負極集電体は、必要により、スズメッキなどのメッキ処理がされていてもよい。
(セパレータ)
正極と負極との間に配されるセパレータとしては、例えば、不織布や微多孔膜が挙げられる。セパレータの材質としては、例えば、セルロース、ポリビニルアルコールなどが例示できる。不織布としては、例えば、これらの材質の繊維を主体とするものが使用される。微多孔膜としては、セロファンなどが利用される。
図1では、有底円筒形のセパレータを示したが、これに限らず、アルカリ乾電池の分野で使用される公知の形状のセパレータが使用できる。例えば、円筒型のセパレータと、底紙(または底部セパレータ)とを併用してもよい。
セパレータの厚みは、例えば、100μm以上300μm以下である。セパレータは、全体として上記の厚みを有しているのが好ましく、複数のシートを重ねてセパレータを構成する場合には、合計の厚みが上記の範囲となるようにするのが好ましい。
(アルカリ電解液)
アルカリ電解液は、正極、負極およびセパレータ中に含まれる。アルカリ電解液としては、例えば、水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液が用いられる。アルカリ電解液中の水酸化カリウムの濃度は、30質量%以上50質量%以下が好ましい。アルカリ水溶液に、さらに酸化亜鉛を含ませてもよい。アルカリ電解液中の酸化亜鉛の濃度は、例えば、1〜5質量%である。
(電池ケース)
電池ケースには、有底円筒形のケースが使用される。電池ケースには、例えば、ニッケルめっき鋼板が用いられる。正極と電池ケースとの間の密着性を良くするために、電池ケースの内面を炭素被膜で被覆してもよい。
電池ケースは、円形の底部と、この底部と一体化し、底部の周縁から底部に対して垂直方向(電池または正極の高さ方向)に延びる円筒状の胴体部とを備える。
電池ケースの胴体部の厚みは、例えば、0.06mm以上0.18mm以下であり、0.08mm以上0.16mm以下であることが好ましい。胴体部の厚みがこのように小さくすることで、正極および負極の占める体積を大きくすることができるため、高容量化することができる。本実施形態では、テーパ部を有する第1ペレットおよび第2ペレットを第1端面同士が対向するように配置するため、電池ケースの胴体部がこのような小さな厚みである場合でも、正極の膨張に伴う電池ケースの膨れや裂けを低減できる。
本発明では、電池ケースの膨れや裂けを低減できる。また、電池ケースの厚みを小さくしたり、正極における二酸化マンガンの平均密度を高めたりすることもできるため、高容量化も容易である。そのため、特に単3電池や単4電池といった電池に適している。
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の(1)〜(3)の手順に従って、図1に示す単3形のアルカリ乾電池(LR6)を作製した。
(1)正極の作製
正極活物質である電解二酸化マンガン粉末(二酸化マンガン純度:93%、平均粒径D50:40μm、BET比表面積:26m2/g)と、導電剤である黒鉛粉末と、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンとを混合した。混合物に電解液を加え、充分に攪拌した後、フレーク状に圧縮成形し、さらに顆粒状に粉砕することにより正極合剤を得た。各成分の質量比は、電解二酸化マンガン粉末:黒鉛粉末:電解液=95:5:2とした。結着剤は、電解二酸化マンガンに対して0.2質量%の割合で使用した。電解液には、水酸化カリウム(濃度35質量%)および酸化亜鉛(濃度2質量%)を含むアルカリ水溶液を用いた。
正極合剤を、金型を用いて加圧成形することにより、中空円筒状で側面にテーパ部を有する第1ペレット2aおよび第2ペレット2bを作製した。このときの加圧成形の圧力を調整することにより、二酸化マンガン密度を3.15g/cmとした。これらのペレットの二酸化マンガン密度はペレット作製時の値である。作製したペレットの二酸化マンガン密度は、原料組成から算出した二酸化マンガンの質量を、ペレットサイズから算出した体積で除することにより求めた。各ペレットの寸法は、第2端面E2の外径D2が13.69mmであり、内径(中空部の最大径)が8.80mmであり、第1端面E1の外径D1が13.52mmであり、内径(中空部の最大径)が8.90mmであり、高さは21.75mmであった。また、各ペレットのテーパ部の角度θは、0.22°であった。
(2)負極の作製
負極活物質である亜鉛合金粉末(平均粒径D50:130μm)と、上記の電解液と、ゲル化剤とを混合し、ゲル状の負極3を得た。亜鉛合金としては、0.02質量%のインジウムと、0.01質量%のビスマスと、0.005質量%のアルミニウムとを含む亜鉛合金を用いた。ゲル化剤には、架橋分岐型ポリアクリル酸と高架橋鎖状型ポリアクリル酸ナトリウムとを1:2の質量比で含む混合物を用いた。負極活物質と、電解液と、ゲル化剤との質量比は、200:100:2とした。
(3)アルカリ電池の組立て
ニッケルめっき鋼板製の有底円筒形の電池ケース(胴体部の厚み:0.16mm)の内面に、日本黒鉛(株)製のバニーハイトを塗布して厚み約10μmの炭素被膜を形成し、電池ケース1を得た。
次に、電池ケース1内に、第1ペレット2aおよび第2ペレット2bを第1端面E1同士が対向するように挿入して正極2を形成した。有底円筒形のセパレータを、正極2の内側に配置した後、上記の電解液を注入し、セパレータ4に含浸させた。この状態で所定時間放置し、電解液をセパレータ4から正極2へ浸透させた。その後、所定量のゲル状負極3を、セパレータ4の内側に充填した。セパレータ4には、質量比が1:1である溶剤紡糸セルロース繊維およびポリビニルアルコール系繊維を主体として混抄した不織布を用いた。
負極集電体6は、一般的な真鍮(Cu含有量:約65質量%、Zn含有量:約35質量%)を、釘型にプレス加工した後、表面にスズめっきを施すことにより得た。負極集電体6の胴部の径は1.15mmとした。ニッケルめっき鋼板製の負極端子板7に負極集電体6の頭部を電気溶接した。その後、負極集電体6の胴部を、ポリアミド6,12を主成分とするガスケット5の中心の貫通孔に圧入した。このようにして、ガスケット5、負極端子板7、および負極集電体6からなる封口ユニット9を作製した。
次に、封口ユニット9を電池ケース1の開口部に設置した。このとき、負極集電体6の胴部を、負極3内に挿入した。電池ケース1の開口端部を、ガスケット5を介して、負極端子板7の周縁部にかしめつけ、電池ケース1の開口部を封口した。外装ラベル8で電池ケース1の外表面を被覆した。このようにして、アルカリ乾電池(電池A1)を作製した。
(4)評価
(a)正極の二酸化マンガンの平均密度
得られたアルカリ乾電池について、電池を作製してから1週間後に、X線CT画像を撮影し、ペレットの体積を求めた。この作製から1週間後の電池を初期状態の電池とした。また、この値に基づいて、既述の手順により、正極の二酸化マンガンの平均密度を求めた。
(b)電池ケースの裂け評価
作製したアルカリ乾電池を、40Ωの抵抗で連続放電した後、1週間後に電池ケースの裂けを目視で観察した。10個の電池中、電池ケースの裂けが生じた電池の個数をカウントした。
(c)電池ケース膨れ評価
作製したアルカリ乾電池を、40Ωの抵抗で連続放電した後、閉回路電圧が1.10Vとなった時の電池外径を、通しゲージを用いて測定した。10個の電池中、電池外径がJISまたはIEC規格の上限を超える14.50mmより大きくなった電池の個数をカウントした。
比較例1
実施例1の(3)において、図6に示すように、第1ペレット42aおよび第2ペレット42bを、第1ペレット42aの第1端面E1と第2ペレット42bの第2端面E2が対向するように電池ケース1内に挿入した。これら以外は、実施例1と同様に、アルカリ乾電池B1を作製した。
比較例2
実施例1の(3)において、図7に示すように、第1ペレット52aおよび第2ペレット52bを、第2端面E2同士が対向するように、電池ケース1内に挿入した。これら以外は、実施例1と同様に、アルカリ乾電池B2を作製した。
実施例1および比較例1〜2の評価結果を表1に示す。実施例1はA1であり、比較例1〜2はB1〜B2である。
Figure 2019061801
表1に示すように、電池A1では、電池ケースに裂けが見られた電池は0%であり、二酸化マンガンの平均密度が高く、胴体部の厚みが0.16mmと小さいにも拘わらず、電池の裂けが抑制されていた。それに対し、電池B1では、20%、電池B2では80%もの電池で電池ケースに裂けが見られた。
実施例2〜6
実施例1の(3)において、電池ケースの胴体部の厚みを表2に示すように変更した。厚みを変更したこと以外は、実施例1と同様にしてアルカリ乾電池A2〜A6を作製し、電池ケースの膨れを評価した。これらの例では、電池ケースの胴体部の厚みを変更した分だけペレットの外径を調整することで電池ケースとペレットとのクリアランスが同じになるようにした。
実施例2〜6の評価結果を表2に示す。実施例2〜6は、A2〜A6である。表2には、A1の結果も合わせて示す。
Figure 2019061801
表2に示すように、胴体部の厚みが0.06mmである電池A6では、20%の電池で電池ケースに膨れが見られた。電池ケースの胴体部の厚みが0.08〜0.16mmである電池A2〜A5では、電池ケースの裂けもなく、膨れが見られたものも0%であり、より高い効果が得られた。
実施例7〜13
実施例1の(1)において、各ペレット(ペレット作製時)の二酸化マンガン密度が表3に示す値となるように、ペレット作製時の加圧成形の圧力を調整することにより、第1ペレットおよび第2ペレットを作製した。これら以外は、実施例5と同様に、アルカリ乾電池A7〜A13を作製し、評価を行った。
実施例7〜13の結果を表3に示す。実施例7〜13は、A7〜A13である。
Figure 2019061801
表3に示すように、正極内の二酸化マンガン密度が3.45g/cmである電池A13では、20%の電池で電池ケースに膨れが見られた。正極内の二酸化マンガン密度が2.55〜3.30g/cmである電池A7〜A12では、電池ケースの膨れが見られたものは0%であり、より高い効果が得られた。
本発明の実施形態に係るアルカリ乾電池は、電池ケースの膨れや裂けを抑制できる。また、高容量化に有利であるため、携帯機器等の電子機器の電源として好適に用いることができる。
1:電池ケース、2、12、22、32、42、52:正極、2a、12a、22a、32a、42a:第1ペレット、2b、12b、22b、32b、42b:第2ペレット、22c、32c:第3ペレット、22d、32d:第4ペレット、3:負極、4:セパレータ、5:ガスケット、6:負極集電体、7:負極端子板、8:外装ラベル、9:封口ユニット、11:中空部、E1:第1端面、E2:第2端面、D1、D2:外径、T:テーパ部、θ:テーパ部の角度

Claims (7)

  1. 有底円筒形の電池ケースと、
    前記電池ケースに充填され、かつn個の中空円筒状のペレットのスタックで構成された正極と、
    前記ペレットの中空部内に配置された負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、
    アルカリ電解液と、を備え、
    前記正極は、二酸化マンガンを含み、
    nは、偶数であり、
    前記ペレットは、それぞれ、各ペレットの軸方向の第1端面と前記第1端面とは反対側の第2端面とを備えており、前記第1端面の外径D1は、前記第2端面の外径D2よりも小さく、前記第2端面側から前記第1端面側に向かって外径が小さくなるテーパ部を備えており、
    前記スタックは、前記スタックの高さ方向の中央部において、前記第1端面同士を対向させて配置された第1ペレットおよび第2ペレットを備える、アルカリ乾電池。
  2. 前記第1ペレットおよび前記第2ペレットのそれぞれにおいて、前記テーパ部は、前記第2端面から前記第1端面にかけて形成されている、請求項1に記載のアルカリ乾電池。
  3. 前記電池ケースの胴体部の厚みは、0.08mm以上0.16mm以下である、請求項1または2に記載のアルカリ乾電池。
  4. 前記正極における二酸化マンガンの平均密度は、2.55g/cm以上3.30g/cm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
  5. nは、2または4である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
  6. 前記外径D2と前記外径D1との差:D2−D1は、0.05mm以上0.35mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
  7. 前記テーパ部の角度θは、0.10°以上0.40°以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルカリ乾電池。
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