本明細書において化合物Iまたは化合物I(遊離塩基)として指定されるセルデュラチニブ(4-(シクロプロピルアミノ)-2-((4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドまたは4-(シクロプロピルアミノ)-2-({4-[4-(エタンスルホニル)ピペラジン-1-イル]フェニル}アミノ)ピリミジン-5-カルボキサミド)は、以下の式を有する:
。
化合物Iは、小分子であり、ATP競合的なSYK及びJAKの両ファミリーメンバーの可逆的阻害剤である。その合成及び使用方法は、参照することにより全体として本明細書に組み込まれる米国特許第8,138,339号に記載されている。
本開示は、化合物Iの様々な結晶形態、及びかかる結晶形態の作製方法に関する。例えば、本明細書に記載の化合物Iの形態には、「化合物Iの形態I」、「化合物Iの形態II」、「化合物Iの遊離塩基タイプC」、「化合物Iの遊離塩基タイプD」、及び「化合物Iの遊離塩基タイプE」が含まれる。
化合物Iの塩または共結晶の結晶形態もまた本明細書に記載する。いくつかの実施形態では、化合物Iの塩または共結晶は、以下の式を有し得る:
、
式中、Xは、ヒドロクロリド(モノまたはビス)、エシレート、エジシレート、メシレート(モノまたはビス)、ナフタレンジスルホネート、スルフェート、またはトシレートであり得る。いくつかの実施形態では、Xは、ヒドロクロリド(モノまたはビス)、エシレート、エジシレート、メシレート(モノまたはビス)、ナフタレンジスルホネート、スルフェート、トシレート、グリコレート、アジペート、オキサレート、ホスフェート、マレエート、タートレート、フマレート、シトレート、マレート、グルコネート、スクシネート、マロネート、ゲンチセート、ベンゼンスルホネート、2-ヒドロキシエタンスルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、4-クロロベンゼンスルホネート、及びカンファースルホネートであり得る。本明細書に記載の化合物Iの塩または共結晶の以下の例示的な形態としては、「化合物IのHCl形態I」、「化合物IのHCl形態II」、「化合物Iのビス-HCl形態I」、「化合物IのHCl非晶質」、「化合物Iのエシル酸塩形態I」、「化合物Iのエジシル酸塩形態I」、「化合物Iのエジシル酸塩形態II」、「化合物Iのエジシル酸塩形態III」、「化合物Iのエジシル酸塩形態IV」、「化合物Iのメシル酸塩形態I」、「化合物Iのメシル酸塩形態II」、「化合物Iのメシル酸塩形態III」、「化合物Iのビスメシル酸塩形態I」、「化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態I」、「化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態II」、「化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態III」、「化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IV」、「化合物Iの硫酸塩形態I」、「化合物Iの硫酸塩形態II」、「化合物Iの硫酸塩形態III」、「化合物Iのトシル酸塩形態I」、「化合物Iのトシル酸塩形態II」、「化合物Iのトシル酸塩形態III」、「化合物Iのトシル酸塩形態IV」、「化合物Iのトシル酸塩形態V」、「化合物Iのトシル酸塩形態VI」、「化合物Iのトシル酸塩形態VII」、「化合物IのHClタイプB」、「化合物Iの硫酸塩タイプA」、「化合物Iの硫酸塩タイプB」、「化合物Iの硫酸塩タイプC」、「化合物Iのグリコール酸塩タイプA」、「化合物Iのアジピン酸塩タイプA」、「化合物Iのアジピン酸塩タイプB」、「化合物Iのシュウ酸塩タイプA」、「化合物Iのエシル酸塩タイプA」、「化合物Iのリン酸塩タイプA」、「化合物Iのマレイン酸塩タイプA」、「化合物Iのマレイン酸塩タイプB」、「化合物IのL-酒石酸塩タイプA」、「化合物Iのフマル酸塩タイプA」、「化合物Iのクエン酸塩タイプA」、「化合物Iのクエン酸塩タイプB」、「化合物Iのクエン酸塩タイプC」、「化合物IのL-リンゴ酸塩タイプA」、「化合物IのL-リンゴ酸塩タイプB」、「化合物Iのグルコン酸塩タイプA」、「化合物Iのコハク酸塩タイプA」、「化合物Iのトシル酸塩タイプA」、「化合物Iのトシル酸塩タイプB」、「化合物Iのメシル酸塩タイプA」、「化合物Iのメシル酸塩タイプB」、「化合物Iのマロン酸塩タイプA」、「化合物Iのゲンチジン酸塩タイプA」、「化合物Iのエジシル酸塩タイプA」、「化合物Iのエジシル酸塩タイプB」、「化合物Iのエジシル酸塩タイプC」、「化合物Iのエジシル酸塩タイプD」、「化合物Iのベシル酸塩タイプA」、「化合物Iのベシル酸塩タイプB」、「化合物Iのトシル酸塩タイプC」、「化合物Iのトシル酸塩タイプD」、「化合物Iのイセチオン酸塩タイプA」、「化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプA」、「化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプA」、「化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプB」、「化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプC」、「化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプA」、「化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプB」、「化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプA」、「化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプB」、及び「化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプC」が挙げられる。
化合物Iの他の形態、例えば、化合物Iの塩酸塩の非晶質形態をさらに本明細書に記載する。
1.定義
本明細書で使用される、以下の単語及び句は、それらが使用される文脈が特に指示する場合を除いて、一般に、以下に記載する意味を有することを意図している。
「含む(comprise)」という用語ならびにその変形、例えば、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、オープンで包括的な意味、すなわち「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきである。さらに、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかにそうではないという指示がない限り、複数の指示対象を含む。従って、「化合物」への言及は、複数のかかる化合物を含み、「アッセイ」への言及は、1つ以上のアッセイ及び当業者に既知のその均等物への言及を含む。
本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(及び説明する)。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、示された量±10%を含む。他の実施形態では、「約」という用語は、示された量±5%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は、示された量±1%を含む。また、「約X」という用語には、「X」の記述が含まれる。
本開示を通して、値の数値範囲の列挙は、該範囲を画定する値を含めた該範囲内に入る各別々の値に個々に言及するための簡便な表記法の役割を果たすことが意図され、各別々の値は、それが個々に本明細書に列挙されたものとして本明細書に組み込まれる。
化合物I及び塩/共結晶の形態を本明細書に提供する。1つの実施形態では、化合物Iの形態への言及は、組成物中に存在する少なくとも50%~99%(例えば、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)の化合物Iまたはその塩もしくは共結晶が、指定された形態であることを意味する。例えば、1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iへの言及は、組成物中に存在する化合物Iの塩酸塩の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%が形態Iであることを意味する。
「固体形態」という用語は、非晶質形態及び結晶形態を含む固体状物質のタイプを指す。
「結晶形態」という用語は、当該物質が分子レベルで規則的な秩序内部構造を有し、明らかなピークを有する特有のX線回折パターンをもたらす固相を指す。かかる物質は、十分に加熱された場合に液体の特性も呈するが、固体から液体への変化は、相転移、通常は一次相転移(「融点」)によって特徴づけられる。「結晶形態」という用語は、本明細書で定義される共結晶を包含する。特徴的な結晶形態は、「形態」、「物質」、または「タイプ」という用語によって指定される場合もあり、これらの用語は同義で使用される。
本明細書で使用される、「実質的に結晶性」という用語は、組成物中に存在する化合物の50%超、または55%超、または60%超、または65%超、または70%超、または75%超、または80%超、または85%超、または90%超、または95%超、または99%超が結晶形態であることを意味することを意図している。「実質的に結晶性」とは、約20%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約2%未満非晶質形態で有する物質を指すこともできる。同様に、本明細書に記載の化合物の任意の形態を修飾する場合の「実質的に」という用語は、当該化合物の50%超、または55%超、または60%超、または65%超、または70%超、または75%超、または80%超、または85%超、または90%超、または95%超、または99%超が指定された形態で存在することを意味することを意図している。
「非晶質形態」という用語は、当該物質が分子レベルで長距離秩序を欠き、温度によって固体または液体の物理特性を呈し得る状態を指す。通常、かかる物質は、特徴的なX線回折パターンを示さない。
「共結晶」という用語は、非共有相互作用を介して接続された化合物と1つ以上の共結晶形成剤の分子複合体を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する共結晶は、化合物Iの非イオン化形態(例えば、化合物Iの遊離塩基)及び1つ以上の非イオン化共結晶形成剤を含む場合があり、ここで、非イオン化化合物I及び該共結晶形成剤(複数可)は、非共有相互作用を介して接続される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する共結晶は、化合物Iのイオン化形態(例えば、化合物Iの塩)及び1つ以上の非イオン化共結晶形成剤を含む場合があり、ここで、イオン化化合物I及び該共結晶形成剤(複数可)は、非共有相互作用を介して接続される。共結晶はさらに、無水、溶媒和、または水和形態で存在し得る。いくつかの実施形態では、該化合物と該共結晶形成剤との間に水素移動はない。
「共結晶形成剤」または「コフォーマー」という用語は、化合物、例えば、化合物Iと会合して共結晶を形成することができる1つ以上の医薬的に許容される化合物を指す。
「溶媒和物」という用語は、化合物I、またはその塩もしくは共結晶と溶媒とを組み合わせることによって形成される複合体を指す。本明細書で使用される、「溶媒和物」という用語は、水和物(すなわち、溶媒が水である場合の溶媒和物)を含む。
「脱溶媒和された」という用語は、本明細書に記載の溶媒和物であり、そこから溶媒分子が部分的または完全に除去された化合物Iの形態を指す。脱溶媒和形態を生成するための脱溶媒和技術には、化合物Iの形態(溶媒和物)を真空に曝露すること、溶媒和物を高温にさらすこと、溶媒和物を空気または窒素等のガス流に曝露すること、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。従って、脱溶媒和された化合物Iの形態は、無水、すなわち、溶媒分子を完全に含まない場合もあれば、溶媒分子が化学量論量または非化学量論量で存在する部分的脱溶媒和の場合もある。
「医薬組成物」という用語は、治療目的で、意図された対象に対して投与するために適切な医薬品を指し、本明細書に記載の化合物Iまたはその塩/共結晶の1つ以上の固体形態を含む。該組成物は、少なくとも1つの医薬的に許容される成分、例えば、適切な担体または賦形剤を含んで該化合物の製剤化に改良をもたらしてもよい。
本明細書に示す、化合物Iを含めた任意の式または構造はまた、非標識形態だけでなく、同位体標識した該化合物の形態を表すことを意図している。同位体標識した化合物は、選択された原子質量または質量数を有する原子で1つ以上の原子が置き換えられていること以外は、本明細書に示す式によって表現される構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えば、2H(重水素、D)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl及び125Iが挙げられるがこれらに限定されない。様々な本開示の同位体標識化合物、例えば、3H、13C及び14C等の同位体が組み込まれたものが調製され得る。かかる同位体標識化合物は、代謝研究、反応速度研究、検出または画像化技術、例えば、薬物もしくは基質の組織分布アッセイを含めたポジトロン放出断層撮影(PET)もしくは単光子放出コンピューター断層撮影(SPECT)または患者の放射性治療において有用な場合がある。
本開示はまた、式Iの化合物の「重水素化類似体」も含み、ここでは、炭素原子に結合した1~n個の水素が重水素で置き換えられており、nは、当該分子中の水素の数である。かかる化合物は、代謝に対して耐性の向上を示し、ひいては、哺乳類、特にヒトに投与された場合、式Iの任意の化合物の半減期を増加させるのに有用である。例えば、Foster,“Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism,”Trends Pharmacol.Sci.5(12):524-527(1984)を参照されたい。かかる化合物は、当技術分野で周知の手段によって、例えば、1つ以上の水素が重水素で置き換えられた出発物質を使用することによって合成される。
重水素で標識または置換された本開示の治療用化合物は、分布、代謝及び排せつ(ADME)に関連する改善されたDMPK(薬物代謝及び薬物動態)特性を有し得る。重同位体、例えば、重水素での置換は、より大きな代謝安定性の結果として生じるある特定の治療上の利点、例えば、インビボで半減期の延長、必要な投与量の減少及び/または治療指数の改良をもたらす可能性がある。18F標識化合物は、PETまたはSPECT研究に有用な場合がある。同位体標識された本開示の化合物及びそのプロドラッグは一般に、以下に記載のスキームまたは実施例及び調製に開示される手順を、容易に入手可能な同位体標識試薬で非同位体標識試薬を置換して実施することにより調製することができる。この文脈における重水素は、式Iの化合物における置換基と見なされることが理解される。
かかる重同位体、特に重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義される場合がある。本開示の化合物において、特定の同位体として特に指定されていない任意の原子は、その原子の任意の安定同位体を表すことを意味する。特に明記しない限り、位置が特に「H」または「水素」として指定される場合、その位置は、その天然存在比の同位体組成で水素を有すると理解される。従って、本開示の化合物において、重水素(D)として特に指定される任意の原子は、重水素を表すことを意味する。
「治療」または「治療すること」という用語は、有益なまたは所望の臨床結果を含めた結果を得るためのアプローチを指す。有益なまたは所望の臨床結果としては、以下のうちの1つ以上が挙げられ得る:a)疾患もしくは状態の抑制(例えば、疾患もしくは状態から生じる1つ以上の症状の低減、及び/または疾患もしくは状態の程度の軽減)、b)疾患もしくは状態と関連する1つ以上の臨床症状の進行の減速もしくは停止(例えば、疾患もしくは状態の安定化、疾患もしくは状態の悪化もしくは進行の予防もしくは遅延、及び/または疾患もしくは状態の拡大(例えば、転移)の予防もしくは遅延、及び/またはc)疾患の緩和、すなわち、臨床症状の退行を引き起こすこと(例えば、病態を改善すること、疾患もしくは状態の部分的もしくは完全な寛解をもたらすこと、別の薬剤の効果を高めること、疾患の進行を遅延させること、生活の質を向上させること、及び/または生存期間を延長すること。
「予防」または「予防すること」という用語は、当該疾患または状態の臨床症状を発症させない疾患または状態の任意の治療を指す。本明細書に記載の化合物は、いくつかの実施形態では、疾患または状態のリスクがあるか、またはその家族歴を有する対象(ヒトを含む)に投与され得る。
「投与」という用語は、対象への経口投与、坐剤としての投与、局所接触、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病巣内投与、鼻腔内投与もしくは皮下投与、または徐放器具、例えば、ミニ浸透圧ポンプの埋め込みを指す。投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬、舌下、口蓋、歯肉、鼻、膣、直腸、または経皮)を含めた任意の経路による。非経口投与には、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、及び頭蓋内が含まれる。他の送達様式には、リポソーム製剤、静脈内注入、経皮パッチ等の使用が含まれるがこれらに限定されない。
「調節すること」または「調節する」という用語は、生物活性、特にプロテインキナーゼ等の特定の生体分子と関連する生物活性を変化させる効果を指す。例えば、特定の生体分子のアゴニストまたはアンタゴニストは、当該生体分子、例えば、酵素の活性を増加させること(例えば、アゴニスト、活性化因子)、または減少させること(例えば、アンタゴニスト、阻害物質)のいずれかによって、その生体分子、例えば、酵素の活性を調節する。かかる活性は、通常、例えば酵素に関して、それぞれ、阻害物質または活性化因子の化合物の阻害濃度(IC50)または刺激濃度(EC50)に関して示される。
「プロテインキナーゼ媒介性の疾患または状態」という用語は、任意の変異体を含めたプロテインキナーゼの生物学的機能が当該疾患もしくは状態の進行、経過、及び/または症状に影響を及ぼす疾患もしくは状態、及び/または該プロテインキナーゼの調節が、当該疾患もしくは状態の進行、経過、及び/または症状を変更する疾患もしくは状態を指す。該プロテインキナーゼ媒介性の疾患または状態には、阻害が治療効果をもたらす疾患もしくは状態、例えば、化合物Iの1つ以上の固体、結晶性もしくは多形等の、または本明細書に記載のプロテインキナーゼ阻害剤(複数可)による治療が、疾患もしくは状態に罹患している、またはそのリスクがある対象に治療効果をもたらす疾患もしくは状態が含まれる。
「対象」という用語は、本明細書に記載の化合物で治療される生物、すなわち、任意の哺乳類、例えば、ヒト、他の霊長類、スポーツ動物、商業目的の動物、例えば、ウシ、家畜、例えば、ウマ、またはペット、例えば、イヌ及びネコ等を指すが、これらに限定されない。
「医薬的に許容される」という用語は、示された物質が、合理的に慎重な医師に、治療される疾患または状態及びそれぞれの投与経路を考慮して、患者への該物質の投与を回避させる特性を有さないことを示す。例えば、かかる物質は一般に、例えば、注射剤用に本質的に無菌であることが要求される。
本明細書に記載の化合物の「治療有効量」または「有効量」という用語は、対象に投与された場合に、症状の改善または疾患進行の減速等の治療効果をもたらすための治療を行うのに十分な量を意味する。該治療有効量は、治療される対象、及び疾患または状態、該対象の体重及び年齢、該疾患または状態の重症度、ならびに投与方法に応じて変化する可能性があり、当業者によって容易に特定され得る。
X線粉末ディフラクトグラムに適用される、図に「実質的に示されている」という句は、各ピークに関して±0.2°2θの変動を含むことを意味し、DSCサーモグラムに適用される場合、セ氏±3°の変動を含むことを意味し、DSCサーモグラムに適用される場合、セ氏±3°の変動を含むことを意味し、熱重量分析(TGA)に適用される場合、重量減少または増加に±2%の変動を含むことを意味する。
モジュレーターである、またはモジュレーターである可能性のある化合物の使用、試験、またはスクリーニングとの関連で、「接触」という用語は、該化合物(複数可)が、特定の分子、複合体、細胞、組織、生物、または該化合物と他の特定の物質の間で潜在的な結合相互作用及び/または化学反応が起こる可能性のある他の特定の物質に十分に近接されることを意味する。
さらに、本明細書で使用される略語は、以下のそれぞれの意味を有する:
2.セルデュラチニブの形態
上記で一般的に記載したように、本開示は、化合物I及びその塩/共結晶の結晶形態を提供する。さらなる形態(非晶質形態を含む)もまた、本明細書でさらに論じられる。化合物I(遊離塩基)の結晶形態、化合物Iの塩/共結晶の結晶形態、ならびに化合物I(遊離塩基)及びその塩/共結晶の他の形態(例えば、非晶質または無秩序形態)は、本明細書ではまとめて「化合物Iの形態」と呼ばれる。
化合物Iの塩酸塩/共結晶は、予想外かつ驚くべきことに、化合物I、ならびに化合物Iの他の固体形態、特に化合物Iのエシル酸塩、エジシル酸塩、メシル酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、硫酸塩、及びトシル酸塩/共結晶と比較して、優れた安定性、吸湿性、溶解性、及び熱特性を示すことが見出された。例えば、化合物Iのメシル酸塩及びエシル酸塩/共結晶は、高溶解性ではあるが、取り扱いの過程で複数の形態の変動/溶媒和を示し、単一の安定な結晶物が単離されなかった。化合物Iの硫酸塩/共結晶は、高度に不溶性であることがわかり、化合物Iのメシル酸塩及びエシル酸塩/共結晶で認められた形態の変動を示した。化合物Iの他の塩/共結晶(例えば、エジシル酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、及びトシル酸塩/共結晶)もまた、形態の変動を示した。
さらに、化合物Iの一塩酸塩(例えば、化合物IのHCl形態I)及びモノメシル酸塩/共結晶は、その対応するビス塩/共結晶より安定であり、該ビス塩/共結晶は、溶液中で取り扱う際、モノ型に解離することが分かった。さらに、化合物Iの一塩酸塩/共結晶の結晶形態(例えば、化合物IのHCl形態I)は、化合物Iのモノメシル酸塩/共結晶の固体形態と比較して、優れた安定性を示すことが分かった。
化合物IのHCl形態Iは、驚くべきことにかつ予想外に、最も物理化学的に安定な化合物Iの固体形態であることが分かった。以下で詳述するように、化合物IのHCl形態Iは、室温、周囲条件下で安定であり、水和の際にも結晶性を保持する。化合物IのHCl形態Iの水和挙動は可逆的であり、化合物IのHCl形態Iの再水和はその単結晶形態を取り戻し、化合物IのHCl形態Iを乾燥剤なしで周囲条件にて保存することを可能にする。
一塩酸塩(化合物IのHCl形態I)は、他の塩と比較して、変動、DVS安定性、溶解性及び結晶化プロセス制御から全体的に改善されたものを示すことも企図される。さらに、スルホン酸塩(例えば、エシル酸塩、メシル酸塩、イセチオン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルフェート、トシル酸塩、ベシル酸塩、エジシル酸塩、及び/またはカンファースルホン酸塩の結晶形態)は、他の塩と比較して、改善された溶解性を示す。
a.化合物Iの形態I(「化合物IのタイプA」または「化合物Iの遊離塩基タイプA」とも呼ばれる)
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミド(化合物Iの形態I)の結晶形態を提供し、該形態は、Cu-Kα線(1.54Å)を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:16.6、18.0、及び23.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iのディフラクトグラムは、さらに、10.0、17.1、及び19.4°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、8.3、10.0、14.4、15.6、16.6、17.1、18.0、18.4、19.4、21.7、23.3、23.7、25.1、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、8.3、10.0、14.4、15.6、16.6、17.1、18.0、18.4、19.4、21.7、23.3、23.7、25.1、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、8.3、10.0、14.4、15.6、16.6、17.1、18.0、18.4、19.4、21.7、23.3、23.7、25.1、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、8.3、10.0、14.4、15.6、16.6、17.1、18.0、18.4、19.4、21.7、23.3、23.7、25.1、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、8.3、10.0、14.4、15.6、16.6、17.1、18.0、18.4、19.4、21.7、23.3、23.7、25.1、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、実質的に図1に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
別の実施形態では、化合物Iの形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iの形態II(「化合物IのタイプB」または「化合物Iの遊離塩基タイプB」とも呼ばれる)
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶形態(化合物Iの形態II)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:13.2、18.7、及び22.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態IIのディフラクトグラムは、さらに、8.6、10.0、及び16.5°2θ±0.2°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iの形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.6、10.0、11.7、13.2、14.0、14.8、15.9、16.0、16.5、17.1、18.7、18.8、22.0、23.0、及び27.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.6、10.0、11.7、13.2、14.0、14.8、15.9、16.0、16.5、17.1、18.7、18.8、22.0、23.0、及び27.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.6、10.0、11.7、13.2、14.0、14.8、15.9、16.0、16.5、17.1、18.7、18.8、22.0、23.0、及び27.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.6、10.0、11.7、13.2、14.0、14.8、15.9、16.0、16.5、17.1、18.7、18.8、22.0、23.0、及び27.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態IIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.6、10.0、11.7、13.2、14.0、14.8、15.9、16.0、16.5、17.1、18.7、18.8、22.0、23.0、及び27.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、実質的に図2に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
別の実施形態では、化合物Iの形態IIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iの形態IIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物IのタイプC
本開示は、1つの実施形態において、実質的に図64Aに示されるX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶形態(化合物IのタイプC)を提供する。
別の実施形態では、化合物IのタイプCの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物IのタイプCの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
d.化合物IのタイプD
本開示は、1つの実施形態において、実質的に図65Aに示されるX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶形態(化合物IのタイプD)を提供する。
別の実施形態では、化合物IのタイプDの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物IのタイプDの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
e.化合物IのタイプE
本開示は、1つの実施形態において、実質的に図65Aに示されるX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの結晶形態(化合物IのタイプE)を提供する。
別の実施形態では、化合物IのタイプEの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物IのタイプEの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
セルデュラチニブ塩
HCl塩
a.化合物IのHCl形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの塩酸塩の結晶形態(化合物IのHCl形態I、本明細書では化合物Iのモノ-HCl形態Iとも呼ばれる)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.7、15.9、及び20.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iのディフラクトグラムは、さらに、11.5、22.5、及び25.5°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、8.0、8.6、8.7、11.5、15.3、15.9、17.3、18.1、20.0、21.7、22.5、25.0、25.5、及び28.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、8.0、8.6、8.7、11.5、15.3、15.9、17.3、18.1、20.0、21.7、22.5、25.0、25.5、及び28.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、8.0、8.6、8.7、11.5、15.3、15.9、17.3、18.1、20.0、21.7、22.5、25.0、25.5、及び28.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、8.0、8.6、8.7、11.5、15.3、15.9、17.3、18.1、20.0、21.7、22.5、25.0、25.5、及び28.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、8.0、8.6、8.7、11.5、15.3、15.9、17.3、18.1、20.0、21.7、22.5、25.0、25.5、及び28.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、実質的に図3に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、水和形態として特徴づけられる。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、一水和物として特徴づけられる。
別の実施形態では、化合物IのHCl形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、溶媒中、化合物Iの遊離塩基と塩酸を接触させることを含む。1つの実施形態では、該溶媒は、DMSO、DMF、3-Me-1-BuOH、n-BuOAc、トルエン、水、IPA、EtOH及びTHFのうちの1つ以上を含む。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態Iの溶媒、例えば、DMSO溶液を塩酸及び溶媒、例えば、DMF、3-Me-1-BuOH、n-BuOAc、トルエン、水、IPA、EtOHまたはTHFと接触させることを含み、これにより化合物IのHCl形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
ある特定の実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、本明細書に記載の化合物Iの遊離塩基もしくは他の塩またはそれらの固体形態と比較して、改善された特性を1つ以上有する。これらの改善された特性には、溶解度の向上、溶解の増加、バイオアベイラビリティの向上、用量反応の増加、吸湿性の低下、より望ましい形態等が含まれ得る。
b.化合物IのHCl形態II
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの塩酸塩の結晶形態(化合物IのHCl形態II、本明細書では化合物Iのモノ-HCl形態IIとも呼ばれる)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.6、16.8、及び23.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIのディフラクトグラムは、さらに、18.1、20.9、及び21.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.8、9.6、10.2、11.5、13.1、14.0、16.8、17.6、18.1、18.9、20.1、20.9、21.7、23.3、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.8、9.6、10.2、11.5、13.1、14.0、16.8、17.6、18.1、18.9、20.1、20.9、21.7、23.3、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.8、9.6、10.2、11.5、13.1、14.0、16.8、17.6、18.1、18.9、20.1、20.9、21.7、23.3、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.8、9.6、10.2、11.5、13.1、14.0、16.8、17.6、18.1、18.9、20.1、20.9、21.7、23.3、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.8、9.6、10.2、11.5、13.1、14.0、16.8、17.6、18.1、18.9、20.1、20.9、21.7、23.3、及び31.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIは、実質的に図4に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIは、無水を特徴とする。
1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液を塩酸及びアセトニトリルと接触させることを含み、これにより化合物IのHCl形態IIが生じる。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態IIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物IのHClタイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの塩酸塩の結晶形態(化合物IのHClタイプB)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.9、19.6、及び13.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのHClタイプBのディフラクトグラムは、さらに、22.5、17.2、及び9.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物IのHClタイプBは、実質的に図63Aに示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物IのHClタイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
d.化合物Iのビス-HCl形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの二塩酸塩の結晶形態(化合物Iのビス-HCl形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:10.1、19.4、及び20.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iのディフラクトグラムは、さらに、13.1、19.6、及び23.6°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.7、10.1、11.8、13.1、15.3、17.7、18.2、19.1、19.4、19.6、20.9、23.6、24.7、26.0、及び27.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.7、10.1、11.8、13.1、15.3、17.7、18.2、19.1、19.4、19.6、20.9、23.6、24.7、26.0、及び27.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.7、10.1、11.8、13.1、15.3、17.7、18.2、19.1、19.4、19.6、20.9、23.6、24.7、26.0、及び27.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.7、10.1、11.8、13.1、15.3、17.7、18.2、19.1、19.4、19.6、20.9、23.6、24.7、26.0、及び27.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iは、以下のピークのそれぞれ含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.7、10.1、11.8、13.1、15.3、17.7、18.2、19.1、19.4、19.6、20.9、23.6、24.7、26.0、及び27.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iは、実質的に図5に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのビス-HCl形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をアセトニトリルと室温で接触させ、その後乾燥塩酸を含むTHFを加えることを含み、これにより化合物Iのビス-HCl形態Iが生じる。別の方法として、別の実施形態において、本方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をアセトニトリルと室温で接触させ、その後塩酸水溶液を含むTHFを加えることを含み、これにより化合物Iのビス-HCl形態Iが生じる。
e.化合物IのHCl非晶質
本開示は、1つの実施形態において、実質的に図6に示されるX線粉末によって特徴づけられる4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの塩酸塩の非晶質形態(化合物IのHCl非晶質)を提供する。化合物IのHCl非晶質のX線粉末ディフラクトグラムは、最小限の化合物IのHCl形態Iの存在も示す。
1つの実施形態では、化合物IのHCl非晶質の作製方法を提供する。例えば、1つの実施形態では、化合物IのHCl非晶質は、化合物IのHCl形態I、水及びTHFを含む溶液の凍結乾燥によって形成される。
エシル酸塩
a.化合物Iのエシル酸塩形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエシル酸塩形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.6、20.2、及び23.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iのディフラクトグラムは、さらに、7.2、16.8、及び17.5°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.6、7.2、9.9、13.6、15.8、16.8、17.5、18.2、18.7、20.2、21.8、22.3、23.5、24.2、及び29.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.6、7.2、9.9、13.6、15.8、16.8、17.5、18.2、18.7、20.2、21.8、22.3、23.5、24.2、及び29.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.6、7.2、9.9、13.6、15.8、16.8、17.5、18.2、18.7、20.2、21.8、22.3、23.5、24.2、及び29.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.6、7.2、9.9、13.6、15.8、16.8、17.5、18.2、18.7、20.2、21.8、22.3、23.5、24.2、及び29.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.6、7.2、9.9、13.6、15.8、16.8、17.5、18.2、18.7、20.2、21.8、22.3、23.5、24.2、及び29.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iは、実質的に図7に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をエタンスルホン酸及び溶媒、例えば、3-Me-1-BuOH、n-BuOAc、トルエン、水、IPA、アセトニトリル、MEK、EtOH、またはTHFと接触させることを含み、これにより化合物Iのエシル酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのエシル酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエシル酸塩タイプA)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.5、18.1、及び14.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩タイプAのディフラクトグラムは、さらに、15.9、16.2、及び24.6°2θ±0.2°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
別の実施形態では、化合物Iのエシル酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのエシル酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
エジシル酸塩
a.化合物Iのエジシル酸塩形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:17.0、17.7、及び19.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iのディフラクトグラムは、さらに、10.4、18.3、及び22.1°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.2、6.8、7.2、9.6.10.4、10.6、15.7、15.9、16.5、17.0 17.7、18.3、18.6、19.3、21.4、及び22.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.2、6.8、7.2、9.6.10.4、10.6、15.7、15.9、16.5、17.0 17.7、18.3、18.6、19.3、21.4、及び22.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.2、6.8、7.2、9.6.10.4、10.6、15.7、15.9、16.5、17.0 17.7、18.3、18.6、19.3、21.4、及び22.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.2、6.8、7.2、9.6.10.4、10.6、15.7、15.9、16.5、17.0 17.7、18.3、18.6、19.3、21.4、及び22.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.2、6.8、7.2、9.6.10.4、10.6、15.7、15.9、16.5、17.0 17.7、18.3、18.6、19.3、21.4、及び22.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iは、実質的に図8に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をエタン1,2-ジスルホン酸及び溶媒、例えば、3-Me-1-BuOH、またはIPAと接触させることを含み、これにより化合物Iのエジシル酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのエジシル酸塩形態II
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩形態II)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.1、17.8、及び18.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIのディフラクトグラムは、さらに、13.7、19.5、及び20.1°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.9、8.2、9.1、10.1、13.7、16.5、16.9、17.8、18.4、18.6、19.5、20.1、22.1、及び23.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.9、8.2、9.1、10.1、13.7、16.5、16.9、17.8、18.4、18.6、19.5、20.1、22.1、及び23.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.9、8.2、9.1、10.1、13.7、16.5、16.9、17.8、18.4、18.6、19.5、20.1、22.1、及び23.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.9、8.2、9.1、10.1、13.7、16.5、16.9、17.8、18.4、18.6、19.5、20.1、22.1、及び23.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.9、8.2、9.1、10.1、13.7、16.5、16.9、17.8、18.4、18.6、19.5、20.1、22.1、及び23.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIは、実質的に図9に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をエタン1,2-ジスルホン酸及び溶媒、例えば、n-BuOAc、トルエン、MEK、EtOH、またはTHFと接触させることを含み、これにより化合物Iのエジシル酸塩形態IIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iのエジシル酸塩形態III
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩形態III)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.1、16.3、及び21.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIのディフラクトグラムは、さらに、8.2、13.1、及び17.0°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.1、8.2、8.4、10.3、12.3、13.1、16.3、17.0、17.3、18.4、18.6、21.7、22.9、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.1、8.2、8.4、10.3、12.3、13.1、16.3、17.0、17.3、18.4、18.6、21.7、22.9、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.1、8.2、8.4、10.3、12.3、13.1、16.3、17.0、17.3、18.4、18.6、21.7、22.9、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.1、8.2、8.4、10.3、12.3、13.1、16.3、17.0、17.3、18.4、18.6、21.7、22.9、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.1、8.2、8.4、10.3、12.3、13.1、16.3、17.0、17.3、18.4、18.6、21.7、22.9、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIは、実質的に図10に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をエタン1,2-ジスルホン酸及び水と接触させることを含み、これにより化合物Iのエジシル酸塩形態IIIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IIIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
d.化合物Iのエジシル酸塩形態IV
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩形態IV)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.4、10.1、及び20.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVのディフラクトグラムは、さらに、16.8、19.5、及び22.8°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.4、5.5、8.2、10.1、11.4、13.5、16.8、18.6、19.5、20.1、22.8、23.3、及び26.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.4、5.5、8.2、10.1、11.4、13.5、16.8、18.6、19.5、20.1、22.8、23.3、及び26.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.4、5.5、8.2、10.1、11.4、13.5、16.8、18.6、19.5、20.1、22.8、23.3、及び26.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.4、5.5、8.2、10.1、11.4、13.5、16.8、18.6、19.5、20.1、22.8、23.3、及び26.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.4、5.5、8.2、10.1、11.4、13.5、16.8、18.6、19.5、20.1、22.8、23.3、及び26.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVは、実質的に図11に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をエタン1,2-ジスルホン酸及びアセトニトリルと接触させることを含み、これにより化合物Iのエジシル酸塩形態IVが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩形態IVの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
e.化合物Iのエジシル酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
f.化合物Iのエジシル酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
g.化合物Iのエジシル酸塩タイプC
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩タイプC)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプCの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプCの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
h.化合物Iのエジシル酸塩タイプD
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのエジシル酸塩の結晶形態(化合物Iのエジシル酸塩タイプD)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:14.7、24.5、及び19.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプDのディフラクトグラムは、さらに、10.7、22.8、及び20.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプDの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのエジシル酸塩タイプDの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
メシル酸塩
a.化合物Iのメシル酸塩形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのメシル酸塩の結晶形態(化合物Iのメシル酸塩形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、及び18.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iのディフラクトグラムは、さらに、5.5、17.3、及び20.0°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、16.0、17.3、18.7、20.0、21.9、23.0、23.8、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、16.0、17.3、18.7、20.0、21.9、23.0、23.8、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、16.0、17.3、18.7、20.0、21.9、23.0、23.8、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、16.0、17.3、18.7、20.0、21.9、23.0、23.8、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、16.0、17.3、18.7、20.0、21.9、23.0、23.8、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iは、実質的に図12に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をメタンスルホン酸及びIPAと接触させることを含み、これにより化合物Iのメシル酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのメシル酸塩形態II
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのメシル酸塩の結晶形態(化合物Iのメシル酸塩形態II)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、及び18.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIのディフラクトグラムは、さらに、12.0、20.0、及び23.8°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、12.0、16.0、17.3、18.5、18.7、20.0、22.0、23.0、23.8、24.5、26.1、26.4、及び27.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、12.0、16.0、17.3、18.5、18.7、20.0、22.0、23.0、23.8、24.5、26.1、26.4、及び27.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、12.0、16.0、17.3、18.5、18.7、20.0、22.0、23.0、23.8、24.5、26.1、26.4、及び27.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、12.0、16.0、17.3、18.5、18.7、20.0、22.0、23.0、23.8、24.5、26.1、26.4、及び27.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、5.5、8.0、12.0、16.0、17.3、18.5、18.7、20.0、22.0、23.0、23.8、24.5、26.1、26.4、及び27.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIは、実質的に図13に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をメタンスルホン酸及び溶媒、例えば、DMF、3-Me-1-BuOH、n-BuOH、トルエン、水、アセトニトリル、MEK、EtOH、またはTHFと接触させることを含み、これにより化合物Iのメシル酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iのメシル酸塩形態III
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのメシル酸塩の結晶形態(化合物Iのメシル酸塩形態III)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、及び18.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIのディフラクトグラムは、さらに、18.7、20.1、及び23.9°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、9.0、12.0、14.1、16.0、16.5、17.3、18.5、18.7、20.1、22.0、23.0、23.9、24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、9.0、12.0、14.1、16.0、16.5、17.3、18.5、18.7、20.1、22.0、23.0、23.9、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、9.0、12.0、14.1、16.0、16.5、17.3、18.5、18.7、20.1、22.0、23.0、23.9、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、9.0、12.0、14.1、16.0、16.5、17.3、18.5、18.7、20.1、22.0、23.0、23.9、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、9.0、12.0、14.1、16.0、16.5、17.3、18.5、18.7、20.1、22.0、23.0、23.9、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIは、実質的に図14に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IIIのDMSO溶液をメタンスルホン酸及び溶媒、例えば、エタノールまたはEtOAcと接触させることを含み、これにより化合物Iのメシル酸塩形態IIIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩形態IIIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
d.化合物Iのビスメシル酸塩形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのビスメシル酸塩の結晶形態(化合物Iのビスメシル酸塩形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:10.1、18.0、及び20.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iのディフラクトグラムは、さらに、7.9、9.7、及び17.1°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、6.4、6.9、7.9、9.0、9.7、10.1、17.1、18.0、18.5、19.5、20.0、20.2、21.1、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、6.4、6.9、7.9、9.0、9.7、10.1、17.1、18.0、18.5、19.5、20.0、20.2、21.1、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、6.4、6.9、7.9、9.0、9.7、10.1、17.1、18.0、18.5、19.5、20.0、20.2、21.1、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、6.4、6.9、7.9、9.0、9.7、10.1、17.1、18.0、18.5、19.5、20.0、20.2、21.1、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.0、6.4、6.9、7.9、9.0、9.7、10.1、17.1、18.0、18.5、19.5、20.0、20.2、21.1、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iは、実質的に図15に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をメタンスルホン酸及び溶媒、例えば、EtOH、EtOAc、及びエタノールと接触させることを含み、これにより化合物Iのビスメシル酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのビスメシル酸塩形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
e.化合物Iのメシル酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのメシル酸塩の結晶形態(化合物Iのメシル酸塩タイプA)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:16.0、16.4、及び16.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩タイプAのディフラクトグラムは、さらに、24.2、8.1、及び18.3°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
f.化合物Iのメシル酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのメシル酸塩の結晶形態(化合物Iのメシル酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのメシル酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
ナフタレンジスルホン酸塩
a.化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンジスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:11.7、19.3、及び22.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iのディフラクトグラムは、さらに、5.4、15.6、及び23.0°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.4、6.0、11.4、11.7、12.0、15.6、16.5、16.9、17.6、18.7、19.1、19.3、22.3、23.1、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.4、6.0、11.4、11.7、12.0、15.6、16.5、16.9、17.6、18.7、19.1、19.3、22.3、23.1、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.4、6.0、11.4、11.7、12.0、15.6、16.5、16.9、17.6、18.7、19.1、19.3、22.3、23.1、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.4、6.0、11.4、11.7、12.0、15.6、16.5、16.9、17.6、18.7、19.1、19.3、22.3、23.1、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.4、6.0、11.4、11.7、12.0、15.6、16.5、16.9、17.6、18.7、19.1、19.3、22.3、23.1、及び24.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iは、実質的に図16に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
別の実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をナフタレンジスルホン酸塩及び溶媒、例えば、DMF、n-BuOHまたはEtOHと接触させることを含み、これにより化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態II
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンジスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態II)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.2、9.4、及び11.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIのディフラクトグラムは、さらに、15.9、17.9、20.6、及び20.8°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.2、9.4、11.3、15.9、17.9、19.2、20.1、20.6、20.8、22.7、及び27.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.2、9.4、11.3、15.9、17.9、19.2、20.1、20.6、20.8、22.7、及び27.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.2、9.4、11.3、15.9、17.9、19.2、20.1、20.6、20.8、22.7、及び27.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.2、9.4、11.3、15.9、17.9、19.2、20.1、20.6、20.8、22.7、及び27.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.2、9.4、11.3、15.9、17.9、19.2、20.1、20.6、20.8、22.7、及び27.4°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIは、実質的に図17に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をナフタレンジスルホン酸及び溶媒、例えば、アセトニトリル、MEK、またはTHFと接触させることを含み、これにより化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態III
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンジスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態III)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:13.4、16.9、及び19.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIのディフラクトグラムは、さらに、8.9、16.0、及び21.4°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.9、9.9、11.6、13.4、14.7、16.0、16.9、17.5、17.8、19.0、19.2、19.6、20.2、21.1、21.4、22.0、及び22.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.9、9.9、11.6、13.4、14.7、16.0、16.9、17.5、17.8、19.0、19.2、19.6、20.2、21.1、21.4、22.0、及び22.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.9、9.9、11.6、13.4、14.7、16.0、16.9、17.5、17.8、19.0、19.2、19.6、20.2、21.1、21.4、22.0、及び22.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.9、9.9、11.6、13.4、14.7、16.0、16.9、17.5、17.8、19.0、19.2、19.6、20.2、21.1、21.4、22.0、及び22.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.9、9.9、11.6、13.4、14.7、16.0、16.9、17.5、17.8、19.0、19.2、19.6、20.2、21.1、21.4、22.0、及び22.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIは、実質的に図18に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をナフタレンジスルホン酸及び溶媒、例えば、トルエン3、Me-1BuOH、またはIPAと接触させることを含み、これにより化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IIIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
d.化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IV
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンジスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IV)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.1、12.1、及び15.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVのディフラクトグラムは、さらに、13.8、14.0、及び17.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.1、12.1、13.8、14.0、15.0、16.3、17.0、17.7、18.6、20.2、20.8、21.1、23.4、及び24.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.1、12.1、13.8、14.0、15.0、16.3、17.0、17.7、18.6、20.2、20.8、21.1、23.4、及び24.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.1、12.1、13.8、14.0、15.0、16.3、17.0、17.7、18.6、20.2、20.8、21.1、23.4、及び24.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.1、12.1、13.8、14.0、15.0、16.3、17.0、17.7、18.6、20.2、20.8、21.1、23.4、及び24.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.1、12.1、13.8、14.0、15.0、16.3、17.0、17.7、18.6、20.2、20.8、21.1、23.4、及び24.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVは、実質的に図19に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をナフタレンジスルホン酸及び水と接触させることを含み、これにより化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IVの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
e.化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンジスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプA)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:21.9、17.3、及び13.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプAのディフラクトグラムは、さらに、20.1、16.4、及び9.1°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
別の実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
硫酸塩
a.化合物Iの硫酸塩形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの硫酸塩の結晶形態(化合物Iの硫酸塩形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.0、8.0、及び20.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iのディフラクトグラムは、さらに、10.1、16.1、及び22.6°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.1、4.0、8.0、9.4、10.1、13.5、16.1、17.1、19.0、20.6、22.6、及び27.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.1、4.0、8.0、9.4、10.1、13.5、16.1、17.1、19.0、20.6、22.6、及び27.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.1、4.0、8.0、9.4、10.1、13.5、16.1、17.1、19.0、20.6、22.6、及び27.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.1、4.0、8.0、9.4、10.1、13.5、16.1、17.1、19.0、20.6、22.6、及び27.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:3.1、4.0、8.0、9.4、10.1、13.5、16.1、17.1、19.0、20.6、22.6、及び27.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iは、実質的に図20に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iは、水和形態として特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液を硫酸及び溶媒、例えば、DMF、トルエン、IPA、アセトニトリル、MEKまたはTHFと接触させることを含み、これにより化合物Iの硫酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iの硫酸塩形態II
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの硫酸塩の結晶形態(化合物Iの硫酸塩形態II)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.7、16.7、及び22.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIのディフラクトグラムは、さらに、16.9、18.0、及び20.5°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、7.8、8.7、9.0、9.9、11.4、12.8、13.3、16.7、16.9、17.4、18.0、18.2、18.7、18.9、20.5、22.9、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、7.8、8.7、9.0、9.9、11.4、12.8、13.3、16.7、16.9、17.4、18.0、18.2、18.7、18.9、20.5、22.9、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、7.8、8.7、9.0、9.9、11.4、12.8、13.3、16.7、16.9、17.4、18.0、18.2、18.7、18.9、20.5、22.9、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、7.8、8.7、9.0、9.9、11.4、12.8、13.3、16.7、16.9、17.4、18.0、18.2、18.7、18.9、20.5、22.9、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.3、7.8、8.7、9.0、9.9、11.4、12.8、13.3、16.7、16.9、17.4、18.0、18.2、18.7、18.9、20.5、22.9、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIは、実質的に図21に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIは、水和形態として特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液を硫酸及び水と接触させることを含み、これにより化合物Iの硫酸塩形態IIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iの硫酸塩形態III
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの硫酸塩の結晶形態(化合物Iの硫酸塩形態III)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:13.4、16.7、及び18.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIのディフラクトグラムは、さらに、11.6、19.7、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.5、9.2、11.6、11.9、13.4、14.1、16.4、16.7、17.1、18.3、18.7、19.7、22.0、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.5、9.2、11.6、11.9、13.4、14.1、16.4、16.7、17.1、18.3、18.7、19.7、22.0、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.5、9.2、11.6、11.9、13.4、14.1、16.4、16.7、17.1、18.3、18.7、19.7、22.0、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.5、9.2、11.6、11.9、13.4、14.1、16.4、16.7、17.1、18.3、18.7、19.7、22.0、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.5、9.2、11.6、11.9、13.4、14.1、16.4、16.7、17.1、18.3、18.7、19.7、22.0、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIは、実質的に図22に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液を硫酸及び溶媒、例えば、n-BuOAcまたはEtOHと接触させることを含み、これにより化合物Iの硫酸塩形態IIIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩形態IIIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
d.化合物Iの硫酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの硫酸塩の結晶形態(化合物Iの硫酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
e.化合物Iの硫酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの硫酸塩の結晶形態(化合物Iの硫酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
f.化合物Iの硫酸塩タイプC
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドの硫酸塩の結晶形態(化合物Iの硫酸塩タイプC)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iの硫酸塩タイプCの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
トシル酸塩
a.化合物Iのトシル酸塩形態I
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩形態I)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:17.5、19.1、及び20.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iのディフラクトグラムは、さらに、18.1、24.0、及び24.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.3、13.5、15.9、16.4、17.5、18.1、19.1、20.7、24.0、24.2、及び24.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.3、13.5、15.9、16.4、17.5、18.1、19.1、20.7、24.0、24.2、及び24.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.3、13.5、15.9、16.4、17.5、18.1、19.1、20.7、24.0、24.2、及び24.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.3、13.5、15.9、16.4、17.5、18.1、19.1、20.7、24.0、24.2、及び24.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.3、13.5、15.9、16.4、17.5、18.1、19.1、20.7、24.0、24.2、及び24.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iは、実質的に図23に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をp-トリルスルホン酸及び溶媒、例えば、n-BuOAcまたはMEKと接触させることを含み、これにより化合物Iのトシル酸塩形態Iが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Iの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのトシル酸塩形態II
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩形態II)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.7、17.6、及び19.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIのディフラクトグラムは、さらに、14.4、18.2、及び20.6°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.7、9.3、14.4、15.9、17.3、17.6、18.2、18.8、19.9、20.6、22.7、及び24.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.7、9.3、14.4、15.9、17.3、17.6、18.2、18.8、19.9、20.6、22.7、及び24.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.7、9.3、14.4、15.9、17.3、17.6、18.2、18.8、19.9、20.6、22.7、及び24.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.7、9.3、14.4、15.9、17.3、17.6、18.2、18.8、19.9、20.6、22.7、及び24.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.7、9.3、14.4、15.9、17.3、17.6、18.2、18.8、19.9、20.6、22.7、及び24.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIは、実質的に図24に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をp-トリルスルホン酸及び溶媒、例えば、IPAまたはアセトニトリルと接触させることを含み、これにより化合物Iのトシル酸塩形態IIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iのトシル酸塩形態III
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩形態III)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.9、16.2、及び19.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIのディフラクトグラムは、さらに、7.8、22.2、及び24.3°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.8、9.9、16.2、17.7、19.5、21.2、22.2、24.4、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.8、9.9、16.2、17.7、19.5、21.2、22.2、24.4、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.8、9.9、16.2、17.7、19.5、21.2、22.2、24.4、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.8、9.9、16.2、17.7、19.5、21.2、22.2、24.4、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.8、9.9、16.2、17.7、19.5、21.2、22.2、24.4、及び25.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIは、実質的に図25に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をp-トリルスルホン酸及び溶媒、例えば、トルエンまたはTHFと接触させることを含み、これにより化合物Iのトシル酸塩形態IIIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IIIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
d.化合物Iのトシル酸塩形態IV
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩形態IV)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.5、17.3、及び20.0°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVのディフラクトグラムは、さらに、4.7、16.5、及び19.0°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、5.5、8.5、9.4、13.6、16.5、17.3、19.0、20.0、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、5.5、8.5、9.4、13.6、16.5、17.3、19.0、20.0、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、5.5、8.5、9.4、13.6、16.5、17.3、19.0、20.0、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、5.5、8.5、9.4、13.6、16.5、17.3、19.0、20.0、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、5.5、8.5、9.4、13.6、16.5、17.3、19.0、20.0、及び23.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVは、実質的に図26に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をp-トリルスルホン酸及び3-Me-1-BuOHと接触させることを含み、これにより化合物Iのトシル酸塩形態IVが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態IVの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
e.化合物Iのトシル酸塩形態V
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩形態V)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、17.9、及び18.6°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vのディフラクトグラムは、さらに、6.7、19.4、及び24.8°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、6.7、12.6、13.5、14.3、15.5、17.9、18.6、19.4、22.0、23.4、及び24.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、6.7、12.6、13.5、14.3、15.5、17.9、18.6、19.4、22.0、23.4、及び24.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、6.7、12.6、13.5、14.3、15.5、17.9、18.6、19.4、22.0、23.4、及び24.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、6.7、12.6、13.5、14.3、15.5、17.9、18.6、19.4、22.0、23.4、及び24.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、6.7、12.6、13.5、14.3、15.5、17.9、18.6、19.4、22.0、23.4、及び24.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vは、実質的に図27に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をp-トリルスルホン酸及び水と接触させることを含み、これにより化合物Iのトシル酸塩形態Vが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態Vの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
f.化合物Iのトシル酸塩形態VI
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩形態VI)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.2、16.2、及び20.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIのディフラクトグラムは、さらに、4.2、17.4、及び21.2°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.2、6.0、6.2、11.4、15.7、16.2、16.9、17.4、18.0、20.3、及び21.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.2、6.0、6.2、11.4、15.7、16.2、16.9、17.4、18.0、20.3、及び21.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIは、以下のピークのうちの少なくとも6つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.2、6.0、6.2、11.4、15.7、16.2、16.9、17.4、18.0、20.3、及び21.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIは、以下のピークのうちの少なくとも8つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.2、6.0、6.2、11.4、15.7、16.2、16.9、17.4、18.0、20.3、及び21.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.2、6.0、6.2、11.4、15.7、16.2、16.9、17.4、18.0、20.3、及び21.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIは、実質的に図28に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をp-トリルスルホン酸及びTHFと接触させることを含み、これにより化合物Iのトシル酸塩形態VIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
g.化合物Iのトシル酸塩形態VII
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩形態VII)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:14.5、18.5、及び20.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIのディフラクトグラムは、さらに、9.5、及び19.9°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIは、以下のピークのうちの少なくとも1つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.5、14.5、18.5、19.9、及び20.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIは、以下のピークのうちの少なくとも2つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.5、14.5、18.5、19.9、及び20.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIは、以下のピークのうちの少なくとも3つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.5、14.5、18.5、19.9、及び20.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIは、以下のピークのうちの少なくとも4つを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.5、14.5、18.5、19.9、及び20.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIは、以下のピークのそれぞれを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.5、14.5、18.5、19.9、及び20.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIは、実質的に図29に示される全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIの作製方法を提供する。1つの実施形態では、該方法は、化合物Iの形態IのDMSO溶液をp-トリルスルホン酸及びEtOHと接触させることを含み、これにより化合物Iのトシル酸塩形態VIIが生じる。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩形態VIIの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
h.化合物Iのトシル酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
i.化合物Iのトシル酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
j.化合物Iのトシル酸塩タイプC
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩タイプC)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.5、15.0、及び8.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプCのディフラクトグラムは、さらに、9.5、17.2、及び11.4°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプCの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプCの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
k.化合物Iのトシル酸塩タイプD
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのトシル酸塩の結晶形態(化合物Iのトシル酸塩タイプD)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.2、19.2、及び6.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプDのディフラクトグラムは、さらに、17.2、13.5、及び12.6°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプDの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのトシル酸塩タイプDの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
グリコール酸塩
a.化合物Iのグリコール酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのグリコール酸塩の結晶形態(化合物Iのグリコール酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのグリコール酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのグリコール酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
アジピン酸塩
a.化合物Iのアジピン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのアジピン酸塩の結晶形態(化合物Iのアジピン酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのアジピン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのアジピン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのアジピン酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのアジピン酸塩の結晶形態(化合物Iのアジピン酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのアジピン酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのアジピン酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
シュウ酸塩
a.化合物Iのシュウ酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのシュウ酸塩の結晶形態(化合物Iのシュウ酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのシュウ酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのシュウ酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
リン酸塩
a.化合物Iのリン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのリン酸塩の結晶形態(化合物Iのリン酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのリン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのリン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
マレイン酸塩
a.化合物Iのマレイン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのマレイン酸塩の結晶形態(化合物Iのマレイン酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
a.化合物Iのマレイン酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのマレイン酸塩の結晶形態(化合物Iのマレイン酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
L-酒石酸塩
a.化合物IのL-酒石酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのL-酒石酸塩の結晶形態(化合物IのL-酒石酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物IのL-酒石酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物IのL-酒石酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
フマル酸塩
a.化合物Iのフマル酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのフマル酸塩の結晶形態(化合物Iのフマル酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのフマル酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのフマル酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
クエン酸塩
a.化合物Iのクエン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのクエン酸塩の結晶形態(化合物Iのクエン酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのクエン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのクエン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのクエン酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのクエン酸塩の結晶形態(化合物Iのクエン酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのクエン酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのクエン酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iのクエン酸塩タイプC
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのクエン酸塩の結晶形態(化合物Iのクエン酸塩タイプC)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのクエン酸塩タイプCの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのクエン酸塩タイプCの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
リンゴ酸塩
a.化合物Iのリンゴ酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのリンゴ酸塩の結晶形態(化合物Iのリンゴ酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのリンゴ酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのリンゴ酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのリンゴ酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのリンゴ酸塩の結晶形態(化合物Iのリンゴ酸塩タイプB)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのリンゴ酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのリンゴ酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
グルコン酸塩
a.化合物Iのグルコン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのグルコン酸塩の結晶形態(化合物Iのグルコン酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのグルコン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのグルコン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
コハク酸塩
a.化合物Iのコハク酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのコハク酸塩の結晶形態(化合物Iのコハク酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのコハク酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのコハク酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
マロン酸塩
a.化合物Iのマロン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのマロン酸塩の結晶形態(化合物Iのマロン酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのマロン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのマロン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
ゲンチジン酸塩
a.化合物Iのゲンチジン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのゲンチジン酸塩の結晶形態(化合物Iのゲンチジン酸塩タイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物Iのゲンチジン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのゲンチジン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
ベシル酸塩
a.化合物Iのベシル酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのベシル酸塩の結晶形態(化合物Iのベシル酸塩タイプA)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:7.4、14.9、及び15.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのベシル酸塩タイプAのディフラクトグラムは、さらに、22.3、23.7、及び17.6°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのベシル酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのベシル酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのベシル酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのベシル酸塩の結晶形態(化合物Iのベシル酸塩タイプB)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.0、11.9、及び6.9°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのベシル酸塩タイプBのディフラクトグラムは、さらに、20.6、25.3、及び14.9°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのベシル酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのベシル酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
イセチオン酸塩
a.化合物Iのイセチオン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのイセチオン酸塩の結晶形態(化合物Iのイセチオン酸塩タイプA)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:15.8、17.9、及び20.1°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのイセチオン酸塩タイプAのディフラクトグラムは、さらに、12.9、24.5、及び9.9°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのイセチオン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのイセチオン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
ナフタレンスルホン酸塩
a.化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプA)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:14.4、20.2、及び7.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプAのディフラクトグラムは、さらに、13.4、8.1、及び11.1°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプB)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:9.0、15.6、及び19.7°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプBのディフラクトグラムは、さらに、5.7、13.4、及び25.1°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプC
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのナフタレンスルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプC)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:6.9、13.6、及び13.3°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプCのディフラクトグラムは、さらに、20.3、18.0、及び16.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプCの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプCの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
クロロベンゼンスルフェート塩
a.化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのクロロベンゼンスルフェート塩の結晶形態(化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプA)を提供する。
1つの実施形態では、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのクロロベンゼンスルフェート塩の結晶形態(化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプB)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:8.8、18.5、及び9.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプBのディフラクトグラムは、さらに、17.7、4.7、及び12.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
カンファースルホン酸塩
a.化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプA
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのカンファースルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプA)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:5.9、14.3、及び17.8°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプAのディフラクトグラムは、さらに、11.4、23.0、及び14.0°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプAの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプAの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
b.化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプB
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのカンファースルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプB)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:4.7、14.0、及び17.2°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプBのディフラクトグラムは、さらに、18.3、19.5、及び15.9°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプBの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプBの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
c.化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプC
本開示は、1つの実施形態において、4-(シクロプロピルアミノ)-2-(4-(4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-5-カルボキサミドのカンファースルホン酸塩の結晶形態(化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプC)を提供し、該形態は、Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、以下のピークを含む全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる:13.5、16.8、及び9.5°2θ、各々±0.2°2θ。1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプCのディフラクトグラムは、さらに、19.3、8.0、及び22.7°2θ、各々±0.2°2θに1つ以上のピークを含む。
1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプCの作製方法を提供する。1つの実施形態では、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプCの作製方法は、本明細書に提供する実施例に記載の通りである。
3.医薬組成物及び投与方法
本明細書に記載の化合物Iの形態は、医薬組成物で投与され得る。従って、本開示は、本明細書に記載の化合物Iのまたはその塩/共結晶の1つ以上の形態ならびに1つ以上の医薬的に許容される媒体、例えば、担体、アジュバント及び賦形剤を含む医薬組成物を提供する。適切な医薬的に許容される媒体としては、例えば、不活性固体希釈剤及び充填剤、希釈剤、すなわち、滅菌水溶液及び様々な有機溶媒等、透過促進剤、可溶化剤ならびにアジュバントを挙げてもよい。かかる組成物は、製薬分野で周知の方法で調製される。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Co.,Philadelphia,Pa.17th Ed.(1985)、及びModern Pharmaceutics,Marcel Dekker,Inc.3rd Ed.(G.S.Banker&C.T.Rhodes,Eds.)を参照されたい。該医薬組成物は、単独で、または他の治療薬と組み合わせて投与され得る。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物Iの形態を含む医薬組成物に関する。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも75%は、本明細書に記載の形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも75%は、形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも75%は、形態IIである。
1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも80%は、本明細書に記載の形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも80%は、形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも80%は、形態IIである。
1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも85%は、本明細書に記載の形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも85%は、形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも85%は、形態IIである。
1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも90%は、本明細書に記載の形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも90%は、形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも90%は、形態IIである。
1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも95%は、本明細書に記載の形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも95%は、形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも95%は、形態IIである。
1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも97%は、本明細書に記載の形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも97%は、形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも97%は、形態IIである。
1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも99%は、本明細書に記載の形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも97%は、形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物Iを含み、ここで、化合物Iの少なくとも97%は、形態IIである。
いくつかの実施形態は、化合物Iの塩酸塩を本明細書に記載の形態で含む医薬組成物に関する。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも75%は、本明細書に記載の形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも80%は、本明細書に記載の形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも85%は、本明細書に記載の形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも90%は、本明細書に記載の形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも95%は、本明細書に記載の形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも97%は、本明細書に記載の形態Iである。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも99%は、本明細書に記載の形態Iである。
いくつかの実施形態は、化合物Iの塩酸塩を本明細書に記載の非晶質形態で含む医薬組成物に関する。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも95%は、本明細書に記載の非晶質形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも97%は、本明細書に記載の非晶質形態である。1つの実施形態では、医薬組成物は化合物IのHClを含み、ここで、化合物IのHClの少なくとも99%は、本明細書に記載の非晶質形態である。
いくつかの実施形態は、1つ以上の医薬的に許容される担体ならびに治療有効量の以下から選択される化合物を含む医薬組成物に関する:化合物Iの形態I、化合物Iの形態II、化合物IのHCl形態I、化合物IのHCl形態II、化合物Iのビス-HCl形態I、化合物IのHCl非晶質、化合物Iのエシル酸塩形態I、化合物Iのエジシル酸塩形態I、化合物Iのエジシル酸塩形態II、化合物Iのエジシル酸塩形態III、化合物Iのエジシル酸塩形態IV、化合物Iのメシル酸塩形態I、化合物Iのメシル酸塩形態II、化合物Iのメシル酸塩形態III、化合物Iのビスメシル酸塩形態I、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態I、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態II、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態III、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IV、化合物Iの硫酸塩形態I、化合物Iの硫酸塩形態II、化合物Iの硫酸塩形態III、化合物Iのトシル酸塩形態I、化合物Iのトシル酸塩形態II、化合物Iのトシル酸塩形態III、化合物Iのトシル酸塩形態IV、化合物Iのトシル酸塩形態V、化合物Iのトシル酸塩形態VI、化合物Iのトシル酸塩形態VII、化合物IのHClタイプB、化合物Iの硫酸塩タイプA、化合物Iの硫酸塩タイプB、化合物Iの硫酸塩タイプC、化合物Iのグリコール酸塩タイプA、化合物Iのアジピン酸塩タイプA、化合物Iのアジピン酸塩タイプB、化合物Iのシュウ酸塩タイプA、化合物Iのエシル酸塩タイプA、化合物Iのリン酸塩タイプA、化合物Iのマレイン酸塩タイプA、化合物Iのマレイン酸塩タイプB、化合物IのL-酒石酸塩タイプA、化合物Iのフマル酸塩タイプA、化合物Iのクエン酸塩タイプA、化合物Iのクエン酸塩タイプB、化合物Iのクエン酸塩タイプC、化合物IのL-リンゴ酸塩タイプA、化合物IのL-リンゴ酸塩タイプB、化合物Iのグルコン酸塩タイプA、化合物Iのコハク酸塩タイプA、化合物Iのトシル酸塩タイプA、化合物Iのトシル酸塩タイプB、化合物Iのトシル酸塩タイプC、化合物Iのトシル酸塩タイプD、化合物Iのメシル酸塩タイプA、化合物Iのメシル酸塩タイプB、化合物Iのマロン酸塩タイプA、化合物Iのゲンチジン酸塩タイプA、化合物Iのエジシル酸塩タイプA、化合物Iのエジシル酸塩タイプB、化合物Iのエジシル酸塩タイプC、化合物Iのエジシル酸塩タイプD、化合物Iのベシル酸塩タイプA、化合物Iのベシル酸塩タイプB、化合物Iのイセチオン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプB、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプC、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプA、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプB、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプA、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプB、及び化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプC。
いくつかの実施形態は、1つ以上の医薬的に許容される担体及び治療有効量の化合物IのHCl形態Iを含む医薬組成物に関する。
本明細書に記載の医薬組成物は、単回投与または複数回投与で提示され得る。適切な剤形は、一部分において、その用途または投与経路、例えば、経口、経皮、経粘膜、吸入、もしくは注射(非経口)によって決まる。かかる剤形は、当該化合物を標的細胞に到達させるべきである。他の要因は当技術分野で周知であり、これには、毒性及び当該化合物または組成物がその効果を発揮するのを遅らせる剤形等の考慮事項が含まれる。技術及び製剤は、概して、The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,Lippincott,Williams and Wilkins,Philadelphia,PA,2005(参照することにより本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)は、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経口、経粘膜、直腸、経皮、または吸入を含めた様々な経路によって投与することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、経口投与によって投与することができる。経口投与の場合、例えば、該化合物は、従来の経口剤形、例えば、カプセル、錠剤、ならびに液体製剤、例えば、シロップ、エリキシル剤、及び濃縮ドロップに製剤化することができる。
吸入剤の場合、本明細書に記載の化合物は、乾燥粉末または適切な溶液、懸濁液、またはエアロゾルとして製剤化され得る。粉末及び溶液は、当技術分野で既知の適切な添加剤とともに製剤化され得る。例えば、粉末は、適切な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンを含んでよく、溶液は、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、塩化ナトリウム、ならびに他の添加剤、例えば、酸、アルカリ及び緩衝塩を含み得る。かかる溶液または懸濁液は、スプレー、ポンプ、噴霧器、またはネブライザー等を介して吸入することによって投与され得る。本開示の化合物はまた、他の吸入療法、例えば、コルチコステロイド、例えば、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニド、及びフロ酸モメタゾン、ベータアゴニスト、例えば、アルブテロール、サルメテロール、及びホルモテロール、抗コリン薬、例えば、臭化イプラトロピウムまたはチオトロピウム、血管拡張薬、例えば、トレプロスチナル(treprostinal)及びイロプロスト、酵素、例えば、DNAアーゼ、治療用タンパク質、免疫グロブリン抗体、オリゴヌクレオチド、例えば、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNA、siRNA、抗生物質、例えば、トブラマイシン、ムスカリン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエンアンタゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、プロテアーゼ阻害剤、クロモリンナトリウム、ネドクリルナトリウム(nedocril sodium)、ならびにクロモグリク酸ナトリウムと組み合わせて使用してもよい。
経口使用のための医薬品は、例えば、本明細書に記載の化合物を固体賦形剤と混合し、任意に、得られた混合物を粉砕し、該顆粒混合物を、必要に応じて適切な補助剤を添加した後に、錠剤または糖衣錠のコアが得られるように処理することにより得ることができる。適切な賦形剤は、特に、充填剤、例えば、糖類、すなわち、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトール等、セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、及び/またはポリビニルピロリドン(PVP、ポビドン)である。必要に応じて、崩壊剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムを加えてもよい。
糖衣錠のコアは、適切なコーティングとともに提供される。このために、濃縮糖液を用いてもよく、これらは任意に、例えば、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール(PEG)、及び/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに適切な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい。染料または顔料を、識別のため、または異なる活性化合物用量の組み合わせを特徴づけるために、錠剤または糖衣錠コーティングに添加してもよい。
経口的に使用され得る医薬品としては、ゼラチン製の押し込み型カプセル(「gelcaps」)、ならびにゼラチン及び可塑剤、例えば、グリセロールまたはソルビトールからなる軟密封カプセルが挙げられる。押し込み型カプセルは、該活性成分を、充填剤、例えば、ラクトース、結合剤、例えば、デンプン、及び/または滑沢剤、例えば、タルクもしくはステアリン酸マグネシウム、ならびに任意に安定剤との混合で含むことができる。軟カプセルでは、該活性化合物は、適切な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコール(PEG)に溶解または懸濁され得る。さらに、安定剤を加えてもよい。
別の方法として、注射(非経口投与)、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、及び/または皮下注射を用いてもよい。注射の場合、本明細書に記載の化合物は、滅菌溶液、例えば、生理学的に適合性のある緩衝剤または溶液、例えば、生理食塩水、ハンクス液、またはリンゲル液に製剤化され得る。さらに、本明細書に記載の化合物を固体形態で製剤化し、使用直前に再溶解または懸濁してもよい。凍結乾燥形態もまた製造することができる。
本明細書に記載の化合物の投与はまた、経粘膜的、局所的、経皮的、または吸入手段によることもできる。経粘膜、局所または経皮投与の場合、浸透すべき障壁に適切な浸透剤が当該製剤に使用される。かかる浸透剤は、当技術分野で一般に知られており、例えば、経粘膜投与の場合、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体を含む。さらに、界面活性剤を用いて浸透を促進してもよい。経粘膜投与は、例えば、鼻腔用スプレーまたは坐剤(直腸または膣)を介して行われ得る。
本開示の局所組成物は、当技術分野で既知の適切な担体の選択により、油、クリーム、ローション、軟膏等として製剤化される。適切な担体としては、植物油または鉱油、白色ワセリン(白色軟パラフィン)、分岐鎖脂肪または油、動物性脂肪及び高分子量アルコール(C12以上)が挙げられる。別の実施形態では、該担体は、該活性成分が溶解できるものである。必要に応じて、乳化剤、安定剤、保湿剤及び抗酸化剤、ならびに色または芳香を与える薬剤を含めてもよい。局所塗布用のクリームは、少量の溶媒(例えば、油)に溶解した該活性成分を混合した、鉱油、自己乳化性蜜蝋及び水の混合物から製剤化される。さらに、経皮的手段による投与は、活性成分及び任意に当技術分野で既知の1つ以上の担体または希釈剤を含浸した経皮パッチまたは包帯(dressing)、例えば、包帯(bandage)を含み得る。経皮送達システムの形で投与される用量の投与は、当然ながら、投与レジメン全体を通して断続的ではなく連続的である。
本明細書に記載の化合物はまた、同じ疾患を治療するために、他の治療、薬物、医療処置等と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、かかる組み合わせは、1つ以上の他の治療、薬物、もしくは医療処置の本明細書に記載の化合物と異なる時点(例えば、短時間、例えば、数時間以内(例えば、1、2、3、4~24時間)、またはより長時間で(例えば、1~2日、2~4日、4~7日、1~4週間))での、または本明細書に記載の化合物と同じ時点での実施を含む。いくつかの実施形態では、組み合わせでの使用としては、一度または低頻度で実施される少なくとも1つの他の治療、薬物または医療処置、例えば、外科手術と、該他の治療、薬物または処置の短時間または長時間前もしくは後に投与される本明細書に記載の化合物の使用が挙げられる。いくつかの実施形態では、組み合わせでの使用には、本明細書に記載の化合物及び1つ以上の他の薬物治療を、同じまたは異なる投与経路で送達することが含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及び1つ以上の他の薬物治療は、任意の製剤で同じ投与経路で一緒に送達される場合があり、これには、該化合物及び他の薬物治療(複数可)が、投与時にそれらの治療活性を維持するように化学的に結合する製剤が含まれる。いくつかの実施形態では、該他の薬物治療(複数可)は、本明細書に記載の化合物と同時投与され得る。いくつかの実施形態では、同時投与には、共製剤または化学的に結合された化合物の製剤の投与、または別々の製剤で2つ以上の化合物を互いに短時間以内(例えば、1時間、2時間、3時間、または最大24時間以内)で、同じまたは異なる経路で実施される投与が含まれる。別々の製剤の同時投与には、1つの器機、例えば、同じ吸入器機、同じシリンジ等を介した送達による同時投与、または短時間間隔での別々の器機からの投与が含まれる。同じ経路で送達される本明細書に記載の化合物及び1つ以上のさらなる薬物治療の共製剤には、それらを1つの器機で投与することができるような当該物質の一緒の製剤、すなわち、1つの製剤に組み合わせた別々の化合物、またはそれらが化学的に結合され、なおそれらの生物活性を維持するように修飾された化合物等が含まれる。かかる化学的に結合された化合物は、インビボで実質的に維持される結合を有する場合もあれば、該結合がインビボで分解され、2つの活性成分に分かれる場合もある。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する化合物は、本明細書に記載の他の治療または治療薬と組み合わせて、アジュバント療法またはネオアジュバント療法において使用され得る。組み合わせでの使用を含めたいくつかの実施形態では、投与量は、1つ以上の本開示の化合物、または組み合わせて使用される他の治療に関して変更される場合があり、例えば、単独で使用される化合物または治療に対して、当業者に周知の方法で投与量が低減される場合がある。例示的な併用療法を以下に論じる。
4.使用方法
本開示は、いくつかの実施形態において、プロテインキナーゼ媒介性の疾患または状態に罹患している、またはそのリスクがある対象の治療方法を提供する。該方法は、該対象に対して、治療有効量の本明細書に記載の形態(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態、例えば、化合物Iの形態I、化合物Iの形態II、化合物IのHCl形態I、化合物IのHCl形態II、化合物Iのビス-HCl形態I、化合物IのHCl非晶質、化合物Iのエシル酸塩形態I、化合物Iのエジシル酸塩形態I、化合物Iのエジシル酸塩形態II、化合物Iのエジシル酸塩形態III、化合物Iのエジシル酸塩形態IV、化合物Iのメシル酸塩形態I、化合物Iのメシル酸塩形態II、化合物Iのメシル酸塩形態III、化合物Iのビスメシル酸塩形態I、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態I、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態II、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態III、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IV、化合物Iの硫酸塩形態I、化合物Iの硫酸塩形態II、化合物Iの硫酸塩形態III、化合物Iのトシル酸塩形態I、化合物Iのトシル酸塩形態II、化合物Iのトシル酸塩形態III、化合物Iのトシル酸塩形態IV、化合物Iのトシル酸塩形態V、化合物Iのトシル酸塩形態VI、化合物Iのトシル酸塩形態VII、化合物IのHClタイプB、化合物Iの硫酸塩タイプA、化合物Iの硫酸塩タイプB、化合物Iの硫酸塩タイプC、化合物Iのグリコール酸塩タイプA、化合物Iのアジピン酸塩タイプA、化合物Iのアジピン酸塩タイプB、化合物Iのシュウ酸塩タイプA、化合物Iのエシル酸塩タイプA、化合物Iのリン酸塩タイプA、化合物Iのマレイン酸塩タイプA、化合物Iのマレイン酸塩タイプB、化合物IのL-酒石酸塩タイプA、化合物Iのフマル酸塩タイプA、化合物Iのクエン酸塩タイプA、化合物Iのクエン酸塩タイプB、化合物Iのクエン酸塩タイプC、化合物IのL-リンゴ酸塩タイプA、化合物IのL-リンゴ酸塩タイプB、化合物Iのグルコン酸塩タイプA、化合物Iのコハク酸塩タイプA、化合物Iのトシル酸塩タイプA、化合物Iのトシル酸塩タイプB、化合物Iのトシル酸塩タイプC、化合物Iのトシル酸塩タイプD、化合物Iのメシル酸塩タイプA、化合物Iのメシル酸塩タイプB、化合物Iのマロン酸塩タイプA、化合物Iのゲンチジン酸塩タイプA、化合物Iのエジシル酸塩タイプA、化合物Iのエジシル酸塩タイプB、化合物Iのエジシル酸塩タイプC、化合物Iのエジシル酸塩タイプD、化合物Iのベシル酸塩タイプA、化合物Iのベシル酸塩タイプB、化合物Iのイセチオン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプB、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプC、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプA、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプB、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプA、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプB、及び化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプC)を投与することを含む。ある特定の実施形態では、該方法は、該対象に対して、有効量の本明細書に記載の化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態を、当該疾患または状態に対する1つ以上の他の治療と組み合わせて投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、プロテインキナーゼ媒介性の疾患または状態に罹患している、またはそのリスクがある対象の治療方法を提供し、該方法は、該対象に対して、治療有効量の化合物IのHCl形態Iまたは化合物IのHCl形態Iを含む医薬組成物投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物で治療可能な疾患または状態には、少なくとも部分的にJAK及び/またはSYK活性によって媒介される疾患または状態が含まれる。例示的なJAK及び/またはSYK媒介性の疾患または状態としては、心血管疾患、アレルギー、喘息、自己免疫疾患、例えば、移植片拒絶反応(例えば、腎臓、心臓、肺、肝臓、膵臓、皮膚、小腸、大腸、宿主対移植片反応(HVGR)、及び移植片対宿主反応(GVHR))、関節リウマチ、ならびに筋萎縮性側索硬化症、T細胞媒介性自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、乾癬、シェーグレン症候群、II型炎症性疾患、例えば、血管炎症(血管炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化症、及び冠状動脈疾患を含む)または他の炎症性疾患、例えば、骨関節炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、特発性炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、痙攣性結腸、低悪性度の瘢痕(例えば、強皮症、線維症の増加、ケロイド、術後瘢痕、肺線維症、血管痙攣、片頭痛、再灌流傷害及び心筋梗塞後)、ならびに合併乾燥症または症候群、中枢神経系の疾患、例えば、卒中、肺疾患、例えば、閉塞性気管支炎及び原発性肺高血圧症、遅延型または細胞媒介IV型過敏反応、ならびに固形及び血液悪性腫瘍、例えば、白血病及びリンパ腫が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、望ましくない血栓症によって特徴づけられる対象の状態を治療または予防する方法を提供し、該方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の本明細書に開示する化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)を投与することを含む。かかる状態(すなわち、望ましくない血栓症)には、再狭窄、急性冠症候群、心筋梗塞、不安定狭心症、難治性狭心症、血栓溶解療法後または冠動脈血管形成術後に発生する閉塞性冠状動脈血栓症、血栓媒介性脳血管症候群、塞栓性脳卒中、血栓性脳卒中、一過性脳虚血発作、静脈血栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、凝固障害、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、閉塞性血栓血管炎、ヘパリン起因性血小板減少症に関連する血栓症、体外循環に関連する血栓性合併症、器具の使用、例えば、心臓または他の血管内カテーテル法、大動脈内バルーンポンプ、冠状動脈ステントまたは心臓弁に関連する血栓性合併症、人工器官の取り付けを必要とする状態等が含まれるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、自己免疫疾患もしくは状態または炎症性疾患もしくは状態の治療法を、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に開示する化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)を該対象に投与することによって提供する。例示的な自己免疫疾患もしくは状態または炎症性疾患もしくは状態としては、多発性硬化症(MS)、乾癬、シェーグレン症候群、橋本甲状腺炎、自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血の自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性精巣炎、グッドパスチャー症候群、自己免疫性血小板減少症、交感性眼炎、重症筋無力症、グレーブス病、原発性胆汁性肝硬変、慢性悪性肝炎、潰瘍性大腸炎及び膜性糸球体症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、ライター症候群、多発性筋炎-皮膚筋炎、全身性硬化症、結節性多発動脈炎、水疱性類天疱瘡、ベータ細胞(体液性)ベースのまたはT細胞ベースの自己免疫疾患、例えば、コーガン症候群、強直性脊椎炎、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性脱毛症、I型または若年発症糖尿病、及び甲状腺炎が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液がんの治療法を、それを必要とする対象において、治療有効量の本明細書に開示する化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)を該対象に投与することによって提供する。例示的な血液がんとしては、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換濾胞性リンパ腫(tFL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)、侵攻性NHL、T細胞リンパ腫、例えば、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、特記のない末梢性T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、濾胞性T細胞リンパ腫(FTCL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、腸症関連T細胞リンパ腫(EATL)、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、鼻NK/T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、または皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉腫またはセザリー症候群)、辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)、及びワルデンストレーム型マクログロブリン血症(WM)が挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、再発性または難治性血液がんの治療法を、それを必要とする患者において提供し、該方法は、有効量の本明細書に開示する化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)を該患者に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)によって治療可能な疾患または状態は、以下から選択される:血栓症、溶血性貧血、免疫性血小板紫斑病、ヘパリン起因性血小板減少症、拡張型心筋症、鎌状赤血球病、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、血管炎症、不安定狭心症及び急性冠症候群。1つの実施形態では、該疾患または状態は血栓症である。1つの実施形態では、該疾患または状態は貧血である。1つの実施形態では、該疾患または状態は免疫性血小板紫斑病である。1つの実施形態では、該疾患または状態は血栓症である。1つの実施形態では、該疾患または状態はヘパリン起因性血小板減少症である。1つの実施形態では、該疾患または状態は拡張型心筋症である。1つの実施形態では、該疾患または状態は鎌状赤血球病である。1つの実施形態では、該疾患または状態はアテローム性動脈硬化症である。1つの実施形態では、該疾患または状態は心筋梗塞である。1つの実施形態では、該疾患または状態は血管炎症である。1つの実施形態では、該疾患または状態は、不安定狭心症または急性冠症候群である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)によって治療可能な疾患または状態は、以下から選択される:アレルギー、喘息、関節リウマチ、抗リン脂質抗体症候群、狼瘡、乾癬、多発性硬化症、及び末期腎不全。1つの実施形態では、該疾患または状態はアレルギーである。1つの実施形態では、該疾患または状態は喘息である。1つの実施形態では、該疾患または状態は関節リウマチである。1つの実施形態では、該疾患または状態は抗リン脂質抗体症候群である。1つの実施形態では、該疾患または状態は狼瘡である。1つの実施形態では、該疾患または状態は乾癬である。1つの実施形態では、該疾患または状態は多発性硬化症である。1つの実施形態では、該疾患または状態は末期腎不全である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)によって治療可能な疾患または状態は、以下から選択される:B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)、侵攻性NHL、形質転換NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、濾胞性リンパ腫(FL)(例えば、グレード1、グレード2、グレード3A、またはグレード3B(FL3b)、形質転換濾胞性リンパ腫(tFL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)、及びワルデンストレーム型マクログロブリン血症(WM)。1つの実施形態では、該疾患または状態はB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態は侵攻性NHLである。1つの実施形態では、該疾患または状態は形質転換NHLである。1つの実施形態では、該疾患または状態は慢性リンパ球性白血病(CLL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態は小リンパ球性リンパ腫(SLL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態は末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態は皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態は濾胞性リンパ腫(FL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態はFLグレード1である。1つの実施形態では、該疾患または状態はFLグレード2である。1つの実施形態では、該疾患または状態はFLグレード3Aである。1つの実施形態では、該疾患または状態はFL3bである。1つの実施形態では、該疾患または状態は形質転換濾胞性リンパ腫(FL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。1つの実施形態では、該疾患または状態は辺縁帯リンパ腫である。1つの実施形態では、該疾患または状態は粘膜関連リンパ組織(MALT)である。1つの実施形態では、該疾患または状態はワルデンストレーム型マクログロブリン血症(WM)である。
本明細書に開示する化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)は、複数の治療歴を有する対象(患者)及び/またはCLL、FL、NHL、及びDLBCLが挙げられるがこれらに限定されない再発性/難治性血液がんに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、インビトロで原発性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)細胞にアポトーシスを誘導し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、原発性CLLの予後不良の症例、例えば、未変異IGHV、高CD49d、ZAP-70、または表面IgM発現において優先的な活性を伴ってアポトーシスを誘導し得る。
いくつかの実施形態では、それを必要とする対象(患者)は、B細胞悪性腫瘍を有する患者である。いくつかの実施形態では、該対象は、骨髄性悪性腫瘍、例えば、多発性骨髄腫及び急性骨髄性白血病を有する。
いくつかの実施形態では、それを必要とする対象(患者)は、様々な意味で血液がんに対して薬剤耐性を示す、及び/または再発を示す患者である。例えば、該患者は再発に関連する突然変異を有している場合、及び/または血液がんを治療するための薬剤に対する耐性を有している場合がある。従って、いくつかの実施形態は、血液がんの治療法を、それを必要とする患者において提供し、該方法は、有効量の本明細書に開示する化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)を該患者に投与することを含み、該患者は、再発に関連する突然変異を有している、及び/または血液がんを治療するための別の薬剤に対する耐性を有している。
いくつかの実施形態では、該患者は、del17p突然変異、del11q突然変異、TP53突然変異、ATM突然変異、STAT突然変異、STAT6突然変異、C481S STAT6突然変異、NOTCH経路に関連する突然変異、カデリン(Caderin)経路に関連する突然変異、またはそれらの組み合わせを有し得る。いくつかの実施形態では、該患者は、STATにS86A突然変異を有し得る。いくつかの実施形態では、該患者は、P53、BTK、及びEP300の各々に突然変異を有さない。
いくつかの実施形態では、該患者は、del17p突然変異、del11q突然変異、P53突然変異、ATM突然変異、STAT突然変異、STAT6突然変異、C481S STAT6突然変異、NOTCH経路に関連する突然変異、カドヘリン経路に関連する突然変異、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、該患者は、del17p突然変異、del11q突然変異、TP53突然変異、ATM突然変異、STAT突然変異、STAT6突然変異、C481S BTK突然変異、NOTCH経路に関連する突然変異、カドヘリン経路に関連する突然変異、またはそれらの組み合わせを含み得る。
いくつかの実施形態では、該患者は、MYD88突然変異、CARD11突然変異、またはA20突然変異を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、del11q、トリソミー12、及びdel17pを含めた高リスクの遺伝的異常を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、del17p突然変異を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、del11q突然変異を有する。
いくつかの実施形態では、該患者は、CD79B突然変異、MYD88突然変異、CARD11突然変異、またはA20突然変異を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、CD79B突然変異を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、IKB欠失を有さない。
いくつかの実施形態では、該患者は、PLCγ2突然変異を有する。
いくつかの実施形態では、該患者は、BTK突然変異を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、IKB欠失を有さない。いくつかの実施形態では、該患者は、IkB-アルファ、IkB-ベータ、IkB-イプシロン、またはIkB-ガンマの欠失を有さない。
いくつかの実施形態では、該患者は、予後が不良である場合があり、例えば、未変異IGHV、高CD49d、ZAP-70、または表面IgM発現を有し得る。
いくつかの実施形態では、該患者は、セルデュラチニブではない薬物に対して耐性を有する。これら薬物の非限定的な例は、抗CD20抗体、BCL-2阻害剤、BTK阻害剤、P13Kδ阻害剤、リツキシマブ、白金系薬物、代謝拮抗剤、イブルチニブ、イデラリシブ、フルダラビン(リン酸フルダラビン、FLUDARA(登録商標))、アントラサイクリン、BCR経路阻害剤、ABT-199(ベネトクラックス)、または血液がんの治療に使用される別の化学療法剤である。化学療法剤の他の非限定的な例としては、アルキル化剤、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼIの阻害剤、トポイソメラーゼIIの阻害剤、ヌクレオチド類似体及び前駆体類似体、抗生物質、白金系薬剤、レチノイド、ビンカアルカロイド、またはそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、該患者は、化学療法剤に対して耐性を有する。
いくつかの実施形態では、該患者は、抗CD20抗体、BCL-2阻害剤、BTK阻害剤、P13Kδ阻害剤、白金系薬物、代謝拮抗剤、アントラサイクリン、BCR経路阻害剤、または血液がんの治療に使用される別の化学療法剤に対して耐性を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、ABT-199(ベネトクラックス)、リツキシマブ、イブルチニブ、イデラリシブ、及びフルダラビン(リン酸フルダラビン、FLUDARA(登録商標))からなる群から選択される薬物に対して耐性を有する。いくつかの実施形態では、該患者は、イブルチニブに対して耐性を有する。
いくつかの実施形態では、該患者は、血液がんを治療するための薬物を以前に投与されている。該薬物の非限定的な例としては、アルキル化剤、抗CD20抗体、BCL-2阻害剤、BTK阻害剤、P13Kδ阻害剤、リツキシマブ、白金系薬物、代謝拮抗剤、イブルチニブ、イデラリシブ、フルダラビン(リン酸フルダラビン、FLUDARA(登録商標))、アントラサイクリン、BCR経路阻害剤、ABT-199(ベネトクラックス)、及び血液がんの治療に使用される他の薬剤が挙げられる。化学療法剤の他の非限定的な例としては、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼIの阻害剤、トポイソメラーゼIIの阻害剤、ヌクレオチド類似体及び前駆体類似体、抗生物質、白金系薬剤、レチノイド、ビンカアルカロイド、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、該患者は、アルキル化剤、抗CD20抗体、BCL-2阻害剤、BTK阻害剤、P13Kδ阻害剤、白金系薬物、代謝拮抗剤、アントラサイクリン、BCR経路阻害剤、及び血液がんの治療に使用される別の化学療法剤からなる群から選択される薬物を以前に投与されている。いくつかの実施形態では、該患者は、ベネトクラックス、リツキシマブ、イブルチニブ、イデラリシブ、及びフルダラルビンからなる群から選択される薬物を以前に投与されている。いくつかの実施形態において、薬物は、R-CHOP(リツキシマブ;シクロホスファミド;ドキソルビシン塩酸塩;オンコビン(ビンクリスチン);プレドニゾン)である。いくつかの実施形態では、該薬物は、R-CVP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン)である。いくつかの実施形態では、該薬物はベバシズマブである。いくつかの実施形態では、該薬物は、フルダラビンとリツキシマブの組み合わせ、ベンダムスチンとリツキシマブの組み合わせ、またはベバシズマブとリツキシマブの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、該患者は、ベネトクラックス、リツキシマブ、イブルチニブ、イデラリシブ、及びフルダラルビンから選択される薬物を以前に投与されている。
いくつかの実施形態では、該患者は60歳以上であり、がんの一次治療後に再発している。いくつかの実施形態では、該患者は18歳以上であり、がんの二次治療後に再発しているか、または耐性を示している。いくつかの実施形態では、該患者は60歳以上であり、がんの一次治療に対して一次難治性である。いくつかの実施形態では、該患者は70歳以上であり、未治療である。いくつかの実施形態では、該患者は70歳以上であり、がん治療から恩恵をうけるのに不適応である及び/または恩恵を受ける可能性が低い。
5.併用療法
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の固体形態(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態、例えば、化合物Iの形態I、化合物Iの形態II、化合物IのHCl形態I、化合物IのHCl形態II、化合物Iのビス-HCl形態I、化合物IのHCl非晶質、化合物Iのエシル酸塩形態I、化合物Iのエジシル酸塩形態I、化合物Iのエジシル酸塩形態II、化合物Iのエジシル酸塩形態III、化合物Iのエジシル酸塩形態IV、化合物Iのメシル酸塩形態I、化合物Iのメシル酸塩形態II、化合物Iのメシル酸塩形態III、化合物Iのビスメシル酸塩形態I、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態I、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態II、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態III、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩形態IV、化合物Iの硫酸塩形態I、化合物Iの硫酸塩形態II、化合物Iの硫酸塩形態III、化合物Iのトシル酸塩形態I、化合物Iのトシル酸塩形態II、化合物Iのトシル酸塩形態III、化合物Iのトシル酸塩形態IV、化合物Iのトシル酸塩形態V、化合物Iのトシル酸塩形態VI、化合物Iのトシル酸塩形態VII、化合物IのHClタイプB、化合物Iの硫酸塩タイプA、化合物Iの硫酸塩タイプB、化合物Iの硫酸塩タイプC、化合物Iのグリコール酸塩タイプA、化合物Iのアジピン酸塩タイプA、化合物Iのアジピン酸塩タイプB、化合物Iのシュウ酸塩タイプA、化合物Iのエシル酸塩タイプA、化合物Iのリン酸塩タイプA、化合物Iのマレイン酸塩タイプA、化合物Iのマレイン酸塩タイプB、化合物IのL-酒石酸塩タイプA、化合物Iのフマル酸塩タイプA、化合物Iのクエン酸塩タイプA、化合物Iのクエン酸塩タイプB、化合物Iのクエン酸塩タイプC、化合物IのL-リンゴ酸塩タイプA、化合物IのL-リンゴ酸塩タイプB、化合物Iのグルコン酸塩タイプA、化合物Iのコハク酸塩タイプA、化合物Iのトシル酸塩タイプA、化合物Iのトシル酸塩タイプB、化合物Iのトシル酸塩タイプC、化合物Iのトシル酸塩タイプD、化合物Iのメシル酸塩タイプA、化合物Iのメシル酸塩タイプB、化合物Iのマロン酸塩タイプA、化合物Iのゲンチジン酸塩タイプA、化合物Iのエジシル酸塩タイプA、化合物Iのエジシル酸塩タイプB、化合物Iのエジシル酸塩タイプC、化合物Iのエジシル酸塩タイプD、化合物Iのベシル酸塩タイプA、化合物Iのベシル酸塩タイプB、化合物Iのイセチオン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプA、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプB、化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプC、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプA、化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプB、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプA、化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプB、及び化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプC)は、特に、がんまたは本明細書に記載の他の疾患もしくは状態の治療において、別の治療薬と組み合わせられる場合もあれば、2つ以上の他の治療薬と組み合わせられる場合もある。1つの実施形態では、化合物IのHCl形態Iは、特に、がんまたは本明細書に記載の他の疾患もしくは状態の治療において、別の治療薬と組み合わせられる場合もあれば、2つ以上の他の治療薬と組み合わせられる場合もある。
いくつかの実施形態では、ある組成物は、記載される任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)を、同じ疾患の兆候に対して治療効果のある1つ以上の化合物とともに含み、これら化合物は、該疾患の兆候に対して相乗効果を有する。例えば、1つの実施形態では、該組成物は、がんの治療に有効な本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物、及び同じがんの治療に有効な1つ以上の他の化合物を含み、さらに、これら化合物は、該がんの治療に相乗効果がある。
いくつかの実施形態では、本開示は、部分的にSYKまたはJAK活性によって媒介される疾患または状態の治療法を、それを必要とする対象において、有効量の本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、または本明細書に記載の化合物を含む組成物を、本明細書に記載の1つ以上の他の治療薬と組み合わせて該対象に投与することによって提供する。いくつかの実施形態では、該1つ以上の治療薬としては、一般的な免疫抑制療法、例えば、メルカプトプリン、コルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン及びプレドニゾロン、アルキル化剤、例えば、シクロホスファミド、カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリン、シロリムス、及びタクロリムス、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害剤、例えば、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、及びアザチオプリン、細胞性免疫を抑制し、レシピエントの液性免疫反応をそのままにしておくように設計された薬剤、すなわち、様々な抗体(例えば、抗リンパ球グロブリン(ALG)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、モノクローナル抗T細胞抗体(OKT3))等、照射、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液がんの治療法を、それを必要とする対象において、有効量の本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、または本明細書に記載の化合物を含む組成物を、血液がんを治療するのに有効な1つ以上の他の治療薬と組み合わせて該対象に投与することによって提供する。血液がんの治療に有効な例示的な治療薬としては、抗CD20抗体、BCL-2阻害剤、BTK阻害剤、P13Kδ阻害剤、リツキシマブ、白金系の薬物、代謝拮抗物質、イブルチニブ、イデラリシブ、フルダラビン(リン酸フルダラビン、FLUDARA(登録商標))、R-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、塩酸ドキソルビシン、(ビンクリスチン)、プレドニゾン)、R-CVP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾン)、ベバシズマブ、ベンダムスチン、アントラサイクリン、BCR経路阻害剤、ABT-199(ベネトクラックス)、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、ヌクレオチド類似体及び前駆体類似体、抗生物質、レチノイド、ビンカアルカロイド、アルキル化剤、ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液がんの治療法を、それを必要とする患者において提供し、該方法は、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)及び血液がんを治療するのに有効な量のベネトクラックスを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及びベネトクラックスは、同時にまたは連続して投与される。
いくつかの実施形態では、本開示は、血液がんの治療法を、それを必要とする患者において提供し、該方法は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)及び同じ血液がんを治療するために使用される化学療法剤(例えば、ベネトクラックス)の組み合わせを治療有効量投与することを含み、該組み合わせは、治療有効量未満の本明細書に開示する化合物及び治療有効量未満の該化学療法剤を含む。
いくつかの実施形態は、B細胞リンパ腫の治療法を、IκBα遺伝子の下方制御を示すがん性細胞を有する患者において提供し、該方法は、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)及びNF-κB阻害剤を該患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、該細胞は、脱制御されたCD40受容体シグナル伝達または脱制御されたトール様受容体シグナル伝達を有する。いくつかの実施形態では、該CD40受容体シグナル伝達経路の脱制御は、CD40の活性化を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、がんの治療法を、それを必要とする対象において、有効量の本明細書に記載の任意の1つ以上の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、または本明細書に記載の化合物を含む組成物を、がんを治療するのに有効な1つ以上の他の治療または医療処置と組み合わせて該対象に投与することによって提供する。他の治療または医療処置としては、適切な抗がん療法(例えば、薬物療法、ワクチン療法、遺伝子療法、光力学的療法)または医療処置(例えば、外科手術、放射線治療、ハイパーサーミア加熱、骨髄または幹細胞移植)が挙げられる。1つの実施形態では、該1つ以上の適切な抗がん療法または医療処置は、化学療法剤(例えば、化学療法薬)による治療、放射線治療(例えば、X線、光線、または電子線、陽子線、中性子線、もしくは粒子線)、ハイパーサーミア加熱(例えば、マイクロ波、超音波、高周波アブレーション)、ワクチン療法(例えば、AFP遺伝子肝細胞癌ワクチン、AFPアデノウイルスベクターワクチン、AG-858、同種異系GM-CSF分泌乳癌ワクチン、樹状細胞ペプチドワクチン)、遺伝子治療(例えば、Ad5CMV-p53ベクター、MDA7をコードするアデノベクター、アデノウイルス5-腫瘍壊死因子アルファ)、光力学的療法(例えば、アミノレブリン酸、モテキサフィンルテチウム)、外科手術、または骨髄及び幹細胞移植から選択される。いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、ならびにBCL-2阻害剤、BTK阻害剤、P13Kδ阻害剤、白金系薬物、代謝拮抗剤、及びそれらの組み合わせから選択される化学療法剤を含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、ならびにBCL-2阻害剤、BTK阻害剤、P13Kδ阻害剤、抗CD20抗体、ABT-199(ベネトクラックス)、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、Mabthera(登録商標)、Zytux(登録商標))、白金系薬物、代謝拮抗剤、イブルチニブ(Imbruvica(登録商標))、イデラリシブ(Zydelig(登録商標))、及びそれらの組み合わせから選択される化学療法剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、該化学療法剤は、ベネトクラックス、リツキシマブ、イブルチニブ、イデラリシブ、ゲムシタビン、オキサリプラチン、及びそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、ならびにデュベリシブ(PI3K-δ及びPI3K-γ阻害剤)、ウブリツキシマブ(抗CD20抗体)、オビヌツズマブ(抗CD20抗体)、ACP-196(BTK阻害剤)、TGR-1202(PI3K-δ阻害剤)、ニボルマブ(抗PD-1抗体)、ペンブロリズマブ(抗PD-1抗体)、ピジリズマブ(抗PD-1抗体)、CTL019(CAR-T阻害剤)、KTE-C19 CAR(CAR-T阻害剤)、またはEPZ-6438(EZH2阻害剤)、アリセルチブ(オーロラキナーゼ阻害剤)、及びモガムリズマブ(抗CCR4抗体)から選択される化学療法剤を含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)及び該化学療法剤は、アポトーシスにおいて相乗効果をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及び該化学療法剤は、Bcl-2タンパク質を発現する細胞株において相乗効果をもたらすことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及び該化学療法剤は、Bimタンパク質を発現する細胞株において相乗効果をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)は、治療用量で投与され、該他の化学療法剤の量は、該薬剤の治療用量の約10%~約65%減少された量でよく、この用量は、本明細書に記載されている。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)及び化学療法剤を、モル比約300:1~約3:1で含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、及びABT-199(ベネトクラックス)、及び少なくとも1つの医薬的に許容される担体または賦形剤を含む組成物を提供する。ベネトクラックスはBCL2阻害剤であり、例えば、米国特許第8,722,657号及び米国特許第8,580,794号に記載されている。ベネトクラックスは、化学名4-(4-{[2-(4-クロロフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル]メチル}ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}-スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)ベンズアミドを有する。
本明細書に記載の実施形態では、ベネトクラックスはまた、その医薬的に許容される塩を指す場合もある(上記の通り)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)及びベネトクラックスは、アポトーシスにおいて相乗効果をもたらす。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、及びベネトクラックスを、モル比約300:1~約3:1で含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、該組成物は、本明細書に記載の化合物及び/またはベネトクラックスを、治療量未満で含む。例えば、本明細書に記載の化合物が治療用量で投与され、ベネトクラックスの量が、該薬剤の治療用量の約10%~約65%減少された量であり得ることが企図され、この用量は、本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、本明細書に定義される治療有効量で投与され、ベネトクラックスの量は、ベネトクラックスの治療用量の約10%~約50%減少された量でよい。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、及びベネトクラックスを、約9:1~約1:9で含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、該組成物は、本明細書に記載の化合物及びベネトクラックスを、モル比約2:1~約1:2で含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、本明細書に記載の化合物及びベネトクラックスを、モル比約2:1~約1:5で含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、本明細書に記載の化合物及びベネトクラックスを、モル比約1:1で含む。いくつかの実施形態では、該組成物は、本明細書に記載の化合物及びベネトクラックスを、モル比約1:1、約1:2、約1:9、約2:1、または約9:1で含む。
いくつかの実施形態において、ベネトクラックスは、単独であるか、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)と組み合わせるかにかかわらず、治療される対象の約0.01~50mg/kg、または0.1~20mg/kgで投与される。いくつかの実施形態では、ベネトクラックスは、単独であるか、本明細書に記載の化合物と組み合わせるかにかかわらず、1日1回約10mg、20mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、または約450mgで投与される。いくつかの実施形態では、ベネトクラックスは、単独であるか、本明細書に記載の化合物と組み合わせるかにかかわらず、1日当たり約600mg、約550mg、約500mg、約450mg、約400mg、約350mg、約300mg、約250mg、約200mg、約150mg、約100mg、または約50mg未満で投与される。
いくつかの実施形態では、ベネトクラックスは、単独であるか、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)と組み合わせるかにかかわらず、1日当たり約400mg投与される。いくつかの実施形態では、ベネトクラックスは、単独であるか、本明細書に開示の化合物と組み合わせるかにかかわらず、当該対象がベネトクラックスを投与される最初の7日間、1日当たり20mg投与される。
いくつかの実施形態は、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、及びイブルチニブ含む組成物を提供する。イブルチニブ(Imbruvica(登録商標))はBTK阻害剤であり、例えば、米国特許第7,514,444号に記載されている。イブルチニブは、化学名1-[(3R)-3-[4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-イル]プロパ-2-エン-1-オンを有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及びイブルチニブは、モル比約300:1~約3:1で投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)、及びイブルチニブは、モル比約1:5で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及びイブルチニブは、治療量未満の量で投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)及びイブルチニブは、モル比約9:1~約1:9で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及びイブルチニブは、モル比約2:1~約1:2で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及びイブルチニブは、モル比約1:1で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物及びイブルチニブは、モル比約1:1、約1:2、約1:9、約2:1、または約9:1で投与される。
いくつかの実施形態では、イブルチニブは、1日当たり約420mgから約560mgで投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、約140mg投与され、1日3回または4回投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)と組み合わせて投与される場合、1日当たり約210mg~約280mg投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、本明細書に記載の化合物と組み合わせて投与される場合、約140mg投与され、1日1回、1回半、または2回投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、1日当たり560mg投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、1日当たり420mg投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、1日当たり280mg投与される。いくつかの実施形態では、イブルチニブは、1日当たり140mg投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)は、本明細書で定義される治療有効量で投与され、イブルチニブの量は、イブルチニブの治療用量の約10%~約50%減少された量でよい。
本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の任意の1つ以上の固体形態)と組み合わせて使用するのに有用な治療薬、治療または医療処置のさらなる例は、各々参照することにより全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0237493号、ならびにPCT出願第PCT/US16/34861号、第PCT/US2016/64824号、及び第PCT/US2016/046862号に記載されている。
6.投与量
本明細書に記載の化合物のいずれか1つ(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態のいずれか1つ)の投与量は、該化合物のIC50、該化合物の生物学的半減期、対象の年齢、サイズ、及び体重、ならびに治療される適応症等の要因を考慮に入れ、標準的な手順によって決定することができる。これら及び他の要因の重要性は、当業者に周知である。一般に、用量は、治療される対象の約0.01~50mg/kg、または0.1~20mg/kgである。複数回投与が使用される場合もある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物の治療有効量は、IL-4及び/またはCD40Lの存在下、インビトロでアポトーシスの15%未満の減少を示す量であり、この場合、IL-4及び/またはCD40Lは、リンパ節組織部位に存在すると予想される任意の量で存在する。いくつかの実施形態では、該化学療法剤は、IL-4及び/またはCD40Lの存在下、インビトロでアポトーシスの少なくとも15%の減少をもたらす量で投与され、この場合、IL-4及び/またはCD40Lは、リンパ節組織部位に存在すると予想される任意の量で存在する。
いくつかの実施形態では、該方法で使用される本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)の治療有効量は、単独で、または処方される組み合わせの1つのいずれかで、1日当たり少なくとも約10mgである。1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物の治療有効量は、投与量当たり少なくとも約10、20、30、40、または50mgである。1つの実施形態では、セルデュラチニブの治療有効量は、1日当たり少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100mgである。
1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)の治療有効量は、1日当たり少なくとも30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、または65mgである。1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物の治療有効量は、少なくとも約15mg、20mg、25mg、30mg、または35mgであり、1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)の治療有効量は、1日当たり約500、400、300、200、150、120、または100mg未満である。1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物の治療有効量は、投与量当たり約300、200、150、120、100、90、80、70、60、55または50mg未満である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)の治療有効量は、1日当たり約100mg、95mg、90mg、85mg、80mg、または75mg未満である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物の治療有効量は、45mg、40mg、35mg、または30mg未満であり、1日2回投与される。
1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)は、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日当たり約10mg~200mg、約25mg~150mg、約50~120mg、または約80~100mg投与される。
1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)の治療有効量は、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日当たり25mg~120mgである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物の有効量は、1日2回25mg~50mgである。
1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)は、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日1回または2回、投与量当たり約10mg~150mg、約25mg~120mg、約30~80mg、約40~50mgで投与される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日1回、2回、3回または4回投与される。
1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)は、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日1回約30mg~約80mg投与される。1つの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日2回約15mg~約40mg投与される。
1つの実施形態では、45mgの本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)が、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日2回投与される。1つの実施形態では、35mgの本明細書に記載の化合物が、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)、またはその医薬的に許容される塩の有効量は、約40mg~約50mgであり、1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)、またはその医薬的に許容される塩の有効量は、約30mg~約40mgであり、1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)、またはその医薬的に許容される塩の有効量は、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日当たり約30mg~約45mg投与される。
いくつかの実施形態では、30mgの本明細書に記載の化合物(例えば、化合物Iまたはその塩/共結晶の固体形態)、またはその医薬的に許容される塩が、単独であるか別の薬剤と組み合わせるかどうかにかかわらず、1日2回投与される。
7.キット
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の化合物もしくは組み合わせのいずれか1つ、またはその医薬組成物を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、該化合物(複数可)または組成物は、例えば、バイアル、ボトル、フラスコに包装され、これはさらに、例えば、箱、エンベロープ、またはバッグ内に包装される場合がある。該化合物(複数可)または組成物は、哺乳類、例えば、ヒトへの投与について、米国食品医薬品局または同様の規制機関によって承認されている。該化合物(複数可)または組成物は、プロテインキナーゼ媒介性の疾患または状態に関して、哺乳類、例えば、ヒトへの投与が承認されている。本明細書に記載のキットは、使用説明書及び/または該化合物(複数可)もしくは組成物がプロテインキナーゼ媒介性の疾患もしくは状態に関して、哺乳類、例えば、ヒトへの投与に適切であることまたはそれに関して承認されていることの表示が含まれている場合がある。また、該化合物(複数可)または組成物は、単位用量または単回用量形態、例えば、単回用量丸薬、カプセル等に包装され得る。
1.実験方法
a.X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折パターンは、Cu K線(45kV、40mA、1.54Å)、θ-θゴニオメーター、集束ミラー、発散スリット(1/2’’)、入射ビームと発散ビーム(4mm)の両方にあるソーラスリット及びPIXcel検出器を使用して、PANalytical X’PertPRO回折計で収集した。データ収集に使用したソフトウェアは、X’Pert Data Collector、バージョン2.2fであり、データは、X’Pert Data Viewer、バージョン1.2dを使用して示した。
サンプルは周囲条件下でランし、粉末をそのまま使用して、トランスミッションフォイルXRPDによって分析した。約2~5mgのサンプルを、ポリイミド(Kapton、厚さ12.7μm)フィルムに支持された96ポジションのサンプルプレートにマウントした。データは、連続スキャン(速度0.146°2/s)で3~40°2の範囲で収集した。
b.示差走査熱量測定(DSC)
DSCデータは、PerkinElmer Pyris 6 DSCで収集した。機器は、エネルギー及び温度較正を、認定インジウムを用いて確認した。ミリグラムmgでの所定量のサンプルを、ピンホールを開けたアルミニウムパンに入れ、20℃.分-1で、30℃から350℃に加熱した。機器の制御及びデータ分析は、Pyrisソフトウェアv9.0.1.0174であった。
c.熱重量分析(TGA)
TGAデータは、20ポジションのアートサンプラーを備えたPyris 1 TGAで収集した。機器は、認定アルメル及びパーカロイ(perkalloy)を使用して較正した。ミリグラムでの所定量のサンプルを、予め計量したアルミニウムるつぼにロードし、40℃.分-1で、周囲温度から500℃まで加熱した。サンプル上で、窒素パージを20mL.分-1で維持した。機器の制御及びデータ分析は、Pyrisソフトウェアv9.0.1.0174であった。
d.重量蒸気収着(GVS)
収着等温線は、IGAsorp Systemsソフトウェアv6.50.48によって制御されるHiden Isochemaの水分収着分析装置(モデルIGAsorp)を用いて得た。サンプルを、この測定器制御により、定温(25℃)で維持した。湿度は、乾燥窒素と湿潤窒素の流れを混合することによって制御し、総流量は250mL.分-1であった。機器は、3つの較正ロトロニック塩溶液(10-50-88%)を測定することにより、相対湿度含量を確認した。サンプルの重量変化を、微量天秤(精度+/-0.005mg)により、湿度の関数として観察した。規定量のサンプルを、周囲条件下で、風袋重量を測定したメッシュステンレス鋼籠に入れた。完全な実験サイクルは、定温(25℃)及び10%RH間隔で10~90%の範囲(各湿度レベルについて90分間)での2回のスキャン(収着及び脱着)で構成した。このタイプの実験は、調べたサンプルが一連の明確な湿度範囲にわたって水分を吸収する(または吸収しない)能力を実証するはずである。
e.核磁気共鳴(NMR)1H
NMRスペクトルは、オートサンプラーを備え、DRX400コンソールによって制御されるBruker 270MHz機器で収集した。自動化実験は、Delta NMR Processing&Controlソフトウェアバージョン4.3を用いて取得した。特に明記しない限り、サンプルはd6-DMSOで調製した。分析は、(ACD/Specmanager 7.11)を使用して行った。
f.ホットステージ顕微鏡法(HSM)
ホットステージ顕微鏡法は、Leica DME偏光顕微鏡をMettler-Toledo MTFP82HTホットステージ及び画像キャプチャ用のデジタルビデオカメラと組み合わせて使用して行った。少量の各サンプルを、個々の粒子を可能な限り分離した状態でスライドガラスに載せた。サンプルを、周囲温度から通常20℃.分-1で加熱しながら、適切な倍率及び部分偏光で観察した。
g.HPLCによる熱力学的水溶解度
水溶解度は、化合物の親化合物を含まない形態の最大最終濃度が≧10mg.mL-1になるのに十分な化合物をHPLCグレードの水に懸濁して決定した。その懸濁液を25℃で24時間平衡化した。その懸濁液を、次に、フィルターに通してHPLCバイアルに入れた。その濾液を次いで適切な係数で希釈した。定量は、約1mg.mL-1のアセトニトリル:水(1:1)標準溶液を基準にしてHPLCで行った。異なる量の標準、希釈及び未希釈のサンプル溶液を注入した。溶解度は、標準注入液の主ピークと同じ保持時間で検出されたピークの積分によって決定されるピーク面積を使用して計算した。HPLC法のパラメータを表1及び表2に示す。
分析は、254nmのUV検出器(DADまたはVWD)を備えたAgilent 1100シリーズ液体クロマトグラフィーで行い、データ処理については、Chemstation Rev.B.01.03ソフトウェアを用いた。
表1:LC測定の実験パラメータ
表2:LC分析の実験の詳細
2.化合物I(遊離塩基)の固体形態
a.化合物I及び化合物Iの塩酸塩
化合物I及び化合物Iの塩酸塩は、スキーム1に従って調製することができる。例示的な合成を以下に記載する。
スキーム1:
ステップ1:化合物D-1の化合物Cへの変換
86.0KgのDMF、76.5kgのホルムアミド、及び45.5kgの化合物D-1を反応器に充填した。内部温度が0~10°Cに達した後、この混合物に、84.0kgのナトリウムエトキシド21%を、内部温度を0~10°Cに維持しながら加えた。この混合物を50℃まで加温し、60分間撹拌した。工程内管理により、化合物D-1の残存含量が3.14%であることが示された。この混合物を0℃まで冷却し、900Lの水を加え、水の添加の終了後、その反応物を再び-5℃まで冷却し、それを16時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾過ケークを50kgの冷メチルtert-ブチルエーテルで洗浄した。
化合物Cを含む濾過ケーク(52.95kg)を乾燥機に移した。化合物Cの粗製湿潤生成物の乾燥(60℃で21時間40分)により、37.30kg(収率92.6%)の化合物Cの粗製乾燥生成物を得た。純度97.54%。
ステップ2:化合物Iの合成
235KgのNMP、及び32.1kgの化合物Cの粗製乾燥生成物を反応器に充填した。内部温度は0~10°Cに設定した。その温度を5℃未満に維持しながら、72.95KgのMCPBAを充填した。この混合物をその後25℃まで加温し、1時間撹拌した。IPCにより、酸化反応用の化合物Cの残存含量が0.00%であることが示された。この混合物を25℃でさらに1時間撹拌し続けた。
上記の混合物に、40.05kgの化合物Bを加えた。その内部温度を40℃に設定し、この混合物を終夜17時間17分間攪拌し、その後さらに4時間撹拌した。工程内管理により、化合物A-2+化合物A-3の残存含量が2.05%であることが示された。その混合物を3℃に冷却し、予冷した水(642L)及びNaHCO3(48kg)の塩基性溶液をその混合物に加えた。その混合物を1時間撹拌し、次にその内部温度を0~10℃に維持しながら水(193L)を加えた。その混合物を40分間撹拌した。固体は、N2/真空の両方でそのケークを圧搾しながら、51時間濾過(20μmのメッシュを備えたフィルター乾燥機)で単離した。
化合物Iの粗製湿潤生成物(106.9kg)をその後反応器に再充填し、水(1434L)とともに25℃で9時間スラリー化した。
固体は、N2/真空の両方でそのケークを圧搾しながら、60時間濾過(20μmメッシュクロスを備えたフィルター乾燥機)で単離した。
湿潤固体を、それぞれ、水(877L)を使用してフィルター乾燥機で4倍多くスラリー化及び圧搾した。
固体を、その後単離と乾燥のためにフィルター乾燥機に送った(真空下43℃で20時間)。化合物Iの粗製乾燥生成物の全収率は88%(63.76kg)で純度は90.84%であった。
ステップ3:化合物Iの塩酸塩の合成
252KgのDMSO及び56.2kgの化合物Iを反応器に充填した。その混合物を75℃まで加温し、完全に溶解するまで撹拌した。664Kgの無水EtOHを加え、その反応物を30分間撹拌した。その内部温度を70~80℃(72.9℃)に維持し、347kgの水と43kgのHCl33%w/wを混合して作製した酸性溶液を加えた。その反応物をさらに30分間撹拌した。その混合物その後を20℃に冷却し、19時間撹拌した。固体をその後、単離のためにフィルター乾燥機(20μmのメッシュクロス)に送った。湿潤固体を、それぞれ、EtOH(1073L)を使用してフィルター乾燥機で直接2回スラリー化及び圧搾し、その後乾燥した(真空下35℃で50時間)。化合物Iの塩酸塩の収率は58.4%(35.44kg)で純度は99.41%であった。
b.化合物Iの形態I
化合物Iの形態Iは、XRPD分析(図1)によって特定される結晶である。化合物Iの形態Iは、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけることができる:16.6、18.0、及び23.7°2θ±0.2°2θ。
1つの実施形態では、化合物Iの形態Iは、化合物Iの塩酸塩から形成され、ここで、該塩酸塩は、以下に従って調製される:
化合物I(10.0g)を含むIPA(50mL)及び2MのHCl水溶液(50mL)の懸濁液を45~50℃に加熱し、この温度で18時間攪拌した後、25℃まで冷却した。この固体を真空濾過により回収し、1:1のIPA:2MのHCl(100mL)、IPA(100mL)及びメチルtert-ブチルエーテル(100mL)で洗浄した。この乾燥固体は、収量7.9g(73.15%)で化合物Iの塩酸塩を与えた。
この化合物Iの塩酸塩(約3.5g、約7mmol)をEtOAc(約35mL)に懸濁し、飽和K2CO3(約35mL)を加える間攪拌した。この懸濁液を混合し、約50℃で約4時間加熱し、その後冷却し、濾過し、EtOAc及び水で洗浄した。得られた固体を真空中、約45℃で乾燥し、化合物Iの形態Iを生成した。
1つの実施形態では、化合物Iの形態Iはまた、塩酸塩出発物質から、THF及び1NのNaOHを使用して形成される。
b.化合物Iの形態II
化合物Iの形態IIは、XRPD分析(図2)によって特定される結晶である。化合物Iの形態IIは、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけることができる:13.2、18.7、及び22.0°2θ±0.2°2θ。
1つの実施形態では、化合物Iの形態IIは、前述の塩酸塩出発物質から、EtOAc/THF(9:1)及び1NのNaOHを用いて50℃で形成される。化合物Iの形態IIをTHF及びEtOAcのスラリーから単離した。
3.化合物Iの塩/共結晶のスクリーニング
塩/共結晶のスクリーニングは、化合物Iの形態Iを出発物質として使用して行った。
化合物Iの形態Iの様々な溶媒への溶解度を最初に特定し、表3にまとめた。
表3:化合物Iの形態Iの溶解度
化合物Iの形態Iを含むTHF、トルエン、またはアセトニトリルの組み合わせは、スラリーを形成した。化合物Iの形態IのDMSO溶液を、塩/共結晶のスクリーニングに選択した。
該塩/共結晶のスクリーニングに使用したコフォーマーは、塩酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、及びメタンスルホン酸を含んでいた。
化合物Iの塩/共結晶は、約20mgの化合物Iの形態Iを含むDMSO(約5M)と、約1当量の選択されたコフォーマー(1MストックTHF)を含む様々な溶媒、例えば、NMP、DMSO、DMF、3-Me-1-BuOH、n-BuOAc、トルエン、水、IPA、CH
3CN、MEK、EtOH及びTHFを混合することにより得た。固体物質が得られたサンプルを40℃にて真空中で乾燥し、XRPDで分析した。例示的な化合物Iの塩/共結晶及びそれらのそれぞれの固体形態を以下の表4にまとめる。
表4:化合物Iの塩/共結晶のXRPDの結果
0:固体なし
I、II、III、…:観察された特定の化合物Iの塩/共結晶の形態
PD:回折不良
PO:選択配向
*良好な回折プロファイル
E:余分なピーク
4.化合物Iの塩/共結晶のスケールアップ形成
様々な化合物Iの結晶塩/共結晶の最初のスケールアップ形成(「最初のスケールアップ」)を行った。最初のスケールアップのために選択された溶媒は、上記の表4に記載されている塩のスクリーニング実験で良好な回折パターンを得たものであった。最初のスケールアップの結果を以下の表5にまとめる。
表5:化合物Iの塩/共結晶の最初のスケールアップ形成
--利用可能なデータなし
表4及び表5に示したXRPDの結果を比較すると、最初の塩スクリーニング実験と、化合物Iのエジシル酸塩、ナフタレンジスルホン酸塩、及びトシル酸塩/共結晶の最初のスケールアップ形成との間の形態の変化が明らかになる。化合物Iのエシル酸塩、メシル酸塩、硫酸塩及び塩酸塩/共結晶は、かかる形態の変化を示さないと考えられたため、以下のサブセクション(a)~(d)及び表6に記載の通り、その後のスケールアップ実験(「第2のスケールアップ」)に選択された。
a.化合物Iのエシル酸塩
約200mgの化合物I(遊離塩基)を含むDMSO(約0.5M、約0.9mL)を、トルエンまたはIPA(約15体積)を含む加熱(約70℃)チューブに充填した。約1当量のエタンスルホン酸を、1MのTHF溶液として、この化合物I(遊離塩基)溶液に加えた。得られた溶液/懸濁液を約4時間等温に保ち、終夜冷却した後、濾過、乾燥、及び分析した。
第2のスケールアップ工程でトルエン及びIPAから調製した化合物Iのエシル酸塩のX線粉末ディフラクトグラムをそれぞれ、図30A及び図30Bに示す。最初のスケールアップ工程でIPA及びトルエンから調製した化合物Iのエシル酸塩形態IのX線粉末ディフラクトグラムをそれぞれ、図30C及び図30Dに示す。
図30Aと図30Dの比較により、化合物Iのエシル酸塩のトルエンによる最初の及び第2のスケールアップ形成で、異なる結晶形態が生じたことが示される。トルエンによる化合物Iのエシル酸塩の第2のスケールアップ形成は、結晶物質(化合物Iのエシル酸塩物質A)を生じ、これは結晶形態の混合物である可能性が高い。
図30Bと図30Cの比較により、化合物Iのエシル酸塩のIPAによる最初の及び第2のスケールアップ形成でもまた、異なる結晶形態が生じたことが示される。IPAによる化合物Iのエシル酸塩の第2のスケールアップ形成は、結晶物質(化合物Iのエシル酸塩物質B)を生じ、これは結晶形態の混合物である可能性が高い。
図31は、化合物Iのエシル酸塩物質A及び物質Bの示差走査熱量測定(DSC)曲線及び熱重量分析(TGA)サーモグラムのオーバーレイを示す。両サンプルのDSC/TGAデータは、約250℃で大きな吸熱に続いて分解を生じ、両サンプルが少なくとも1つの同じ形態を含む可能性が高いことを示している。化合物Iの物質Aは、DSCで、例えば、DSCでは約155℃で少なくとも1つの他の結晶形態の存在を示し、これは、TGAによる約100℃超からの質量損失に対応している。この質量損失は、約1モルの水に相当する可能性があり、水和したサンプルを示唆している。化合物Iの物質Bに関する約1.57%の質量損失は、半水和物に相当し得る。これらの物質(化合物Iの物質A及び物質B)は両方とも吸湿性である。
b.化合物Iの硫酸塩
約200mgの化合物I(遊離塩基)を含むDMSO(約0.5M、約0.9mL)を、水またはIPA(約15体積)を含む加熱(約70℃)チューブに充填した。約1当量の硫酸を、1MのTHF溶液として、この化合物I(遊離塩基)溶液に加えた。得られた溶液/懸濁液を約4時間等温に保ち、終夜冷却した後、濾過、乾燥、及び分析した。
第2のスケールアップ工程で水及びIPAから調製した化合物Iの硫酸塩のX線粉末ディフラクトグラムをそれぞれ、図32A及び図32Bに示す。水から調製した化合物Iの硫酸塩形態II及び最初のスケールアップ工程でIPAから調製した化合物Iの硫酸塩形態IのX線粉末ディフラクトグラムをそれぞれ、図32C及び32Dに示す。
図32Aと図32Cの比較により、化合物Iの硫酸塩の水による最初の及び第2のスケールアップ形成で、実質的に同じ結晶形態(化合物Iの硫酸塩形態II)が生じたことが示される。
図32Bと図32Dの比較により、化合物Iの硫酸塩のIPAによる最初の及び第2のスケールアップ形成で、実質的に同様の結晶形態が生じたことが示される。例えば、IPAによる化合物Iの硫酸塩の第2のスケールアップ形成で、少なくとも1つのさらなる形態が存在する可能性とともに、化合物Iの硫酸塩形態Iと実質的に同様の結晶形態が生じた。
図33は、第2のスケールアップ工程で水から調製した化合物Iの硫酸塩の結晶形態のDSC曲線及びTGAサーモグラムのオーバーレイを示す。図34は、第2のスケールアップ工程でIPAから調製した化合物Iの硫酸塩の結晶形態のDSC曲線及びTGAサーモグラムのオーバーレイを示す。熱分析により、水から調製した化合物Iの硫酸塩サンプルは、TGA(表面水は恐らくN2流下、約100℃未満)で乾燥し、その後約100℃超で水が損失し、これが、半水和物一硫酸塩または一水和物半硫酸塩に相当し得る。重量蒸気収着(GVS)等温線(図示せず)もまた、このサンプルの表面水の容易な取り出しを示している。IPAから調製した化合物Iの硫酸塩サンプルでも同様の結果が得られ、約100℃の後に約1モル質量の水が損失し、約269℃で融解分解する前にDSCに有意な吸熱は存在しない。
c.化合物IのHCl
約200mgの化合物I(遊離塩基)を含むDMSO(約0.5M、約0.9mL)を、エタノールまたはアセトニトリル(約15体積)を含む加熱(約70℃)チューブに充填した。約2当量の塩酸(水溶液)を、1MのTHF溶液として、エタノールを含む化合物I(遊離塩基)溶液に加えた。約1当量の塩酸(乾燥)を、1MのTHF溶液として、アセトニトリルを含む化合物I(遊離塩基)溶液に加えた。得られた溶液/懸濁液を約4時間等温に保ち、終夜冷却した後、濾過、乾燥、及び分析した。
第2のスケールアップ工程でHCl水溶液(約2当量)及びエタノールから調製した化合物IのHClのX線粉末ディフラクトグラムを図35Aに示す。第2のスケールアップ工程で乾燥HCl(約1当量)及びアセトニトリルから調製した化合物IのHClのX線粉末ディフラクトグラムを図35Bに示す。最初のスケールアップ工程で乾燥HCl(約1当量)及び水から、ならびに乾燥HCl(約1当量)及びアセトニトリルから形成した化合物IのHCl形態IのX線粉末ディフラクトグラムをそれぞれ、図35C及び35Dに示す。
図35A、図35C、及び図35Dの比較により、約2当量のHCl(水溶液)及びエタノールを用いた化合物IのHClの第2のスケールアップ形成で、約2当量のHCl(水溶液)及びエタノールまたは約1当量のHCl(乾燥)及びアセトニトリルを用いた化合物IのHClの最初のスケールアップ形成と実質的に同じ結晶形態(化合物IのHCl形態I)が生じたことが示される。
しかしながら、図35Bに示すように、約1当量のHCl(乾燥)及びアセトニトリルを用いた化合物IのHClの第2のスケールアップ形成で、これら実施例に記載の以前のスラリーまたは溶液系の実験では観察されなかった新たな形態(本明細書では形態IIと呼ぶ)が生じた。
図36は、第2のスケールアップ工程でHCl(水溶液)及びエタノールを用いて調製した化合物IのHCl形態IのDSC曲線及びTGAサーモグラムのオーバーレイを示す。当該サンプルエタノールのTGAサーモグラムは、約3%の質量損失を示す。従って、当該サンプルは水和物であり得る。当該サンプルのDSC曲線は、約288℃で開始し、約292℃がピークの吸熱を含む。
図37は、第2のスケールアップ工程で約1当量のHCl(乾燥)及びアセトニトリルを用いて形成した化合物IのHCl形態IIのDSC曲線及びTGAサーモグラムのオーバーレイを示す。当該サンプルのTGAサーモグラムは、約50℃未満でわずかな質量損失を示し、約150℃で約4.3%のより大きな重量減少を示す。当該サンプルのDSC曲線は、約225℃で開始し、約246℃がピークの吸熱、及び約277℃で開始し、284℃がピークのさらなる吸熱を含む。
化合物IのHCl形態Iの他の調製法は、以下を含む:窒素下で加熱還流したエタノール(825mL)に、化合物Iの遊離塩基(55g)のDMSO(248mL)研磨濾過溶液を、温度を74℃超に維持しながら、定常流として加えた。得られた溶液を還流で5分間撹拌した。次に、1MのHCl水溶液(370.4mL)を、温度を70℃超に維持しながら定常流としてその溶液に加えた。得られた緑色の懸濁液を75℃で30分間撹拌した後、室温まで終夜冷却した。その固体を濾過し、エタノール(3x220mL)、水(2x220mL)で洗浄し、吸引して72時間乾燥した。この時点でのKF分析で、23.7%の水が示された。この固体をそれ故30℃の真空オーブンで24時間乾燥した。KF分析で2.4%の水が示された。再水和(20℃で実施)により、水分含量が5.37%に増加した。20℃でさらに30分間乾燥し、平均KF4.3%を得た。生成された化合物IのHCl形態Iの収量は55.7g、94%であった。1H NMR及びHPLC分析により、その固有性及び純度(98.78%)を確
認した。
d.化合物Iのメシル酸塩
約200mgの化合物I(遊離塩基)を含むDMSO(約0.5M、約0.9mL)を、エタノールまたはEtOAc(約15体積)を含む加熱(約70℃)チューブに充填した。約1当量のメタンスルホン酸を、1MのTHF溶液として、この化合物I(遊離塩基)溶液に加えた。得られた溶液/懸濁液を約4時間等温に保ち、終夜冷却した後、濾過、乾燥、及び分析した。
第2のスケールアップ工程でエタノール及びEtOAcから調製した化合物Iのメシル酸塩のX線粉末ディフラクトグラムをそれぞれ、図38A及び図38Bに示す。最初のスケールアップ工程で水から調製した化合物Iのメシル酸塩形態II、及びエタノールから調製した化合物Iのメシル酸塩形態IIIのX線粉末ディフラクトグラムをそれぞれ、図38C及び38Dに示す。
図38Aと図38Dの比較により、化合物Iのメシル酸塩のエタノールによる最初の及び第2のスケールアップ形成で、異なる結晶形態が生じたことが示される。特に、エタノールによる化合物Iのメシル酸塩の第2のスケールアップ形成は、新たな結晶物質(化合物Iのメシル酸塩物質A)を生じ、これは結晶形態の混合物である可能性が高い。
図38Bと図38Dの比較により、化合物Iのメシル酸塩のEtOAcによる第2のスケールアップ形成及び化合物Iのメシル酸塩のエタノールによる最初のスケールアップ形成で、実質的に同じ形態(形態III)が少量のわずかな相違で生じたことが示される。
図39は、第2のスケールアップ工程でエタノールから調製した化合物Iのメシル酸塩物質AのDSC曲線及びTGAサーモグラムのオーバーレイを示す。化合物Iの物質AのTGAサーモグラムは、当該物質が形態の混合物を含み、かなりの数の小さな質量損失があることを示す。化合物Iの物質AのDSC曲線は、約261℃で開始し、その後分解する吸熱を含む。
図40は、第2のスケールアップ工程でEtOAcから調製した化合物Iのメシル酸塩形態IIIのDSC曲線及びTGAサーモグラムのオーバーレイを示す。当該サンプルの熱分析は、約3.1の質量損失に相当する約156℃で開始するブロードな吸熱(一水和物を示す)、その後約2.3%の損失、すなわち、分解、及び約266℃で開始する吸熱を示す。
表6:化合物Iの塩/共結晶の第2のスケールアップ形成
5.化合物Iの塩/共結晶の溶解度
第2のスケールアップ工程から調製した化合物Iの塩/共結晶の溶解度を分析した。溶解度分析の後に回収した物質を、XRPDによって評価し、任意の形態変化を観察した。結果を以下のサブセクション(a)~(d)に示す。
a.化合物IのHCl
それぞれ、溶解度分析の後及び前の当該サンプルに関する図41A及び図41BのX線粉末ディフラクトグラムに示す通り、約2当量のHCl水溶液及びエタノールから調製した化合物IのHCl形態Iは、溶解度分析の影響を受けなかった(すなわち、形態変化がなかった)。しかしながら、それぞれ、溶解度分析の後及び前の当該サンプルに関する図41C及び図41DのX線粉末ディフラクトグラムに示す通り、無水条件下で形成した化合物IのHCl形態IIの溶解度分析により、相転移が生じ、化合物IのHCl形態Iへの形態変化が生じた。
第2のスケールアップ及び溶解度実験では、化合物IのHCl形態Iは、形態の再現性/安定性及び実際の溶解度の観点から最良の結果を表した。
b.化合物Iのメシル酸塩
溶解度分析用の化合物Iのメシル酸塩投入物質は、異なる結晶形態(すなわち、エタノールから調製した化合物Iのメシル酸塩物質A(図42B)、及びEtOAcから調製した化合物Iのメシル酸塩の形態(すなわち、形態IIIと実質的に同様の形態、図42D)のものであった。化合物Iのメシル酸塩物質A(図42A)及び化合物Iのメシル酸塩形態III(図42C)から回収した物質(溶解度分析後)は、各々、同じ形態によって特徴づけられ、これは、どちらの投入物質の形態とも異なる。
c.化合物Iの硫酸塩
それぞれ、溶解度分析の後及び前の当該サンプルに関する図43A及び図43BのX線粉末ディフラクトグラムに示す通り、水から調製した化合物Iの硫酸塩形態(すなわち、化合物Iの硫酸塩形態IIと同様の形態)は、溶解度分析の影響を受けなかった(すなわち、形態変化がなかった)。しかしながら、それぞれ、溶解度分析の前及び後の当該サンプルに関する図43C及び図43DのX線粉末ディフラクトグラムに示す通り、IPAから調製した化合物Iの硫酸塩の結晶形態(すなわち、化合物Iの硫酸塩形態Iと実質的に同様の形態)の溶解度分析により、化合物Iの硫酸塩形態IIへの形態変化が生じた。
d.化合物Iのエシル酸塩
溶解度分析用の化合物Iのエシル酸塩投入物質は、異なる結晶形態(すなわち、トルエンから調製した化合物Iのエシル酸塩物質A、及びIPAから調製した化合物Iのエシル酸塩物質B)のものであった。化合物Iのメシル酸塩物質A(図44A)及び化合物Iのエシル酸塩物質B(図44B)から回収した物質(溶解度分析後)は、各々、同じ形態によって特徴づけられ、これは、どちらの投入物質の形態とも異なる。
6.化合物Iの塩/共結晶の吸湿性
最初のスケールアップ工程により形成した化合物Iのエシル酸塩、メシル酸塩、HCl、及び硫酸塩/共結晶の吸湿性を分析した。すべての吸湿性実験は、広範囲の湿度(相対湿度0~約90%)をカバーし、約25℃で行って挙動を評価した。結果を以下のサブセクション(a)~(d)に示す。
a.化合物Iのエシル酸塩形態I
最初のスケールアップ工程でIPAから調製した化合物Iのエシル酸塩形態Iを吸湿性に関して評価した。GVS分析の結果を図45に示す。これらは、主に約60%RH超で、湿度がサンプルに与える強い影響を示している。このサンプルは、0~約60%RHの収着サイクルでは水分を取り込まなかった。主に乾燥に起因して、0~約10%RHで最小限の重量減少が認められたものの、重量変化は実質的に存在しない。約60%RH超で、重量の急激な増加(例えば、約35%の重量変化)が、サンプルへの水の顕著な影響を示している。この傾向は、約90~約60%RHの脱着サイクルで逆転し、サンプルはすべての水を損失し、収着サイクルにおいて約60%RHで測定された同じ値に戻る。大量の水の取り込みが認められたが、潮解は生じず、高い水和レベルと表面水の取り込みを示した。約10%RHまで乾燥した場合、サンプルは投入重量に対して約4.6%の質量を損失する。これらの結果は、サンプル(化合物Iのエシル酸塩形態I)が水和することを示す。
図46A及び46Bは、それぞれ、GVS分析の後及び前の化合物Iのエシル酸塩形態IサンプルのX線粉末ディフラクトグラムを示す。湿潤への曝露は、サンプルの結晶形態に強い影響を及ぼす。GVS分析後、サンプルは、結晶性の消失、及びX線粉末ディフラクトグラムにおけるいくつかのピークの消滅を示している(図46A)。かかる結果は、乾燥効果による構造変化(水の損失に起因する可能性)及び約60~約90%RHの可逆的な水の取り込みの結果として生じた可能性のある変化を示している。
b.化合物Iのメシル酸塩形態II
最初のスケールアップ工程で水から調製した化合物Iのメシル酸塩形態IIを吸湿性に関して評価した。GVS分析の結果を図47に示す。これらは、湿度がサンプルに与える相対的影響を示している。特に、相対湿度が高くなるに従って、重量の取り込みが変化する。開始点からの重量の取り込みの合計は、約1.4%を超えない。脱着は、合計で約2%の質量が損失するのみであることを示している。このサンプルが完全に水和された場合(一水和物)、乾燥時の重量減少の合計は約3.2%に相当するはずである。
図48A及び48Bは、それぞれ、GVS分析の前及び後の化合物Iのメシル酸塩形態IIサンプルのX線粉末ディフラクトグラムを示す。湿潤への曝露では、このサンプルに対する形態変化を生じない。
c.化合物IのHCl形態I
最初のスケールアップ工程で水から調製した化合物IのHCl形態Iを吸湿性に関して評価した。GVS分析の結果を図49に示す。これらは、湿度がサンプルに与える相対的影響を示している。特に、サンプルの重量は、約70%RHまで大幅に変化せず、その後、重量の取り込みの合計約5.9%が認められる。このサンプルの脱着サイクルは、その重量が、約50%RHで、GVS分析の開始時と同じ重量値に戻ることを示している。さらに、このサンプルを約100%乾燥雰囲気に維持した場合、約0.5%の質量が損失する。
図50A及び50Bは、それぞれ、GVS分析の後及び前の化合物IのHCl形態IサンプルのX線粉末ディフラクトグラムを示す。湿潤への曝露では、このサンプルに対する形態変化を生じない。
d.化合物Iの硫酸塩形態II
最初のスケールアップ工程で水から調製した化合物Iの硫酸塩形態(すなわち、形態IIと実質的に同様の形態)を吸湿性に関して評価した。GVS分析の結果を図51に示す。これらは、湿度がサンプルに与える相対的影響を示している。このGVS等温線は、約80%RHまで約4.2%の緩やかな重量増加の後、約90%RHへの曝露時に急激な重量の増加を示している。この重量増加は、脱着等温線で同様に損失する。0%RHまで乾燥した場合の重量減少の合計は約5.9%である。
図52A及び51Bは、それぞれ、GVS分析の後及び前の結晶化合物Iの硫酸塩サンプルのX線粉末ディフラクトグラムを示す。湿潤への曝露で、ピーク分布に影響を与えることなく、サンプルの結晶化度がわずかに増加した。
7.化合物Iの塩/共結晶のスラリー形成
様々な溶媒中で一連のスラリー成熟を行い、化合物Iのエシル酸塩、メシル酸塩、HCl、及び硫酸塩/共結晶の形態再現性/安定性をさらに分析した。選択した溶媒は、アセトニトリル、EtOAc、エタノール、及びIPAであった。投入物質は、第2のスケールアップ工程で形成した化合物Iの塩/共結晶であった。各サンプル約20mgを還流チューブに充填し、約25~約50℃の温度サイクルで約4日間加熱した。得られた物質を濾過により単離し、約40℃で真空中乾燥した。得られたHCl及びメシル酸塩/共結晶のスラリー成熟の結果を以下のサブセクション(a)~(d)に示す。得られた化合物のエシル酸塩及び硫酸塩/共結晶のデータは、顕著な形態変化のために省略した。
a.化合物IのHCl形態I
これらのスラリー成熟に使用した出発物質は、第2のスケールアップ工程で約2当量のHCl水溶液及びエタノールから調製した化合物IのHCl(モノ-HCl)形態Iであった。図53Aは、化合物IのHCl形態I出発物質のX線粉末ディフラクトグラムを示しており、図53B~53Eは、アセトニトリル(53B)、EtOAc(53C)、エタノール(53D)、及びIPA(53E)を含むスラリーから単離した結晶物質のX線粉末ディフラクトグラムを示す。図53A~53Eから明らかなように、化合物IのHCl形態Iは、スラリー化で形態変化を経験せず、EtOAcを除くすべての場合で結晶性にわずかな改善を経験した。
b.化合物IのHCl形態II
これらのスラリー成熟に使用した出発物質は、第2のスケールアップ工程で約1当量の乾燥HCl及びアセトニトリルから調製した化合物IのHCl(モノ-HCl)形態IIであった。図54Aは、化合物IのHCl形態II出発物質のX線粉末ディフラクトグラムを示しており、図54B~54Eは、アセトニトリル(54B)、EtOAc(54C)、エタノール(54D)、及びIPA(54E)を含むスラリーから単離した結晶物質のX線粉末ディフラクトグラムを示す。これら物質のXRPDプロファイルは著しく異なる。アセトニトリル及びEtOAcから単離したサンプルは、化合物Iの形態I、化合物Iの形態II、及び場合により他の形態の混合物からなる物質を示す。IMAから単離したサンプルは、化合物Iの形態Iへの変換を示す。IPAから単離したサンプルもまた、化合物Iの形態Iへの変換を示すが、いくつかの混合特徴を保持している。
c.化合物Iのメシル酸塩物質A
これらのスラリー成熟に使用した出発物質は、第2のスケールアップ工程でエタノールから調製した化合物Iのメシル酸塩(モノメシル酸塩)物質Aであった。図55Aは、化合物Iのメシル酸塩物質A出発物質のX線粉末ディフラクトグラムを示しており、図55B~55Eは、アセトニトリル(55B)、EtOAc(55C)、エタノール(55D)、及びIPA(55E)を含むスラリーから単離した結晶物質のX線粉末ディフラクトグラムを示す。各溶媒から単離したサンプルは、投入物質とは異なるが、形態の混合物に由来するそれらの結晶構造の点で互いにほぼ同じである。
d.化合物Iのメシル酸塩形態III
これらのスラリー成熟に使用した出発物質は、第2のスケールアップ工程でEtOAcから調製した化合物Iのメシル酸塩(モノメシル酸塩)形態IIIであった。図56Aは、化合物Iのメシル酸塩形態III出発物質のX線粉末ディフラクトグラムを示しており、図56B~56Eは、アセトニトリル(56B)、EtOAc(56C)、エタノール(56D)、及びIPA(56E)を含むスラリーから単離した結晶物質のX線粉末ディフラクトグラムを示す。スラリー後に単離した各サンプルは、化合物Iのメシル酸塩形態III及び他の形態を含む形態の混合物示す可能性が高い複雑なパターンを示す。
8.化合物Iのモノ-HCl塩/共結晶の多形スクリーニング
化合物Iの遊離塩基の0.5MのDMSO溶液約7mLを、約40mLの撹拌熱エタノール(約70℃)にゆっくりと加えた。約10.5mLの1MのHCl水溶液を同じ温度(約70℃)でその攪拌溶液にゆっくりと加えた。その溶液を室温まで終夜放冷した。この物質を濾過し、炉内で約72時間乾燥した。
多形スクリーニングのため、得られた化合物Iのモノ-HCl塩/共結晶約20mg及び選択した溶媒約1mLをチューブに加え、約50℃まで約3時間加熱して溶解を改善した。析出沈殿を回避し、任意のシードを除去するために、サンプルをPTFEフリットで熱濾過した。蒸発しない極めて高沸点の溶媒をジェネバックに入れて蒸発を促進し、物質を析出させた。XRPDが分析の主要な手段であったが、新たな形態が明らかになった場合にはDSC/TGAを続けた。比較に使用したディフラクトグラムは、化合物Iのモノ-HCl形態I及び化合物Iのビス-HCl形態Iのものであった。結果を以下の表7に示す。
表7:モノ-HCl塩/共結晶の多形試験の結果のまとめ
実施例で論じた様々な試験で一貫して見出されるように、化合物Iのモノ-HCl形態Iは、本明細書に記載の化合物Iの他の塩/共結晶と比較して、優れた熱力学的安定性を示す。
9.化合物IのHCl非晶質
化合物IのHCl非晶質は、化合物IのHCl形態Iを含むTHF/水溶液を高真空で約4~5日間凍結乾燥することで得た。この物質を次に、室温~約45℃の熱/冷サイクルを使用して12種の溶媒でのスラリー成熟に供した(約4日間)。得られた固体を濾過し、XRPDによる分析前に、約40℃で真空中、終夜乾燥した。図57A~57Gは、化合物IのHCl非晶質出発物質(57A)、ならびにその結果クメン(57B)、n-BuOAc(57C)、ジオキサン(57D)、水(57E)、IPA(57F)、及びアセトニトリル(57G)のスラリーから生じた化合物IのHCl非晶質サンプルのX線粉末ディフラクトグラムを示す。同様に、図58A~58Fは、化合物IのHCl非晶質出発物質(58A)、ならびにその結果MEK(58B)、EtOH(58C)、EtOAc(58D)、TBME(58E)、及びDCM(58F)のスラリーから生じた化合物IのHCl非晶質サンプルのX線粉末ディフラクトグラムを示す。これらのディフラクトグラムで明らかなように、化合物IのHCl非晶質は、ある量の化合物IのHCl形態Iを含む。
図59は、化合物IのHCl非晶質のGVS等温線を示す。このGVS等温線に示されるように、約40%RH超で、最も顕著には約80%RH超で質量の大幅な増加が認められ、これは乾燥への曝露で除去することができる。
化合物IのHCl非晶質の水分取り込み試験も行ったところ、周囲条件に曝露するだけで結晶性の緩やかな増加が認められることが実証された。
10.化合物IのHCl形態I
表4に示すように、化合物IのHCl形態Iは、化合物Iの形態Iと約1当量の塩酸をDMF、3-Me-1-BuOH、n-BuOAc、トルエン、水、IPA、MEK、EtOH、DMSOまたはTHFを含めた様々な溶媒に混合して得られる。約2、約3、または約4当量の塩酸を利用する工程もまた、化合物IのHCl形態Iを生成することが見出された。
化合物IのHCl形態Iは、XRPD分析(図3)によって特定される結晶である。化合物IのHCl形態Iは、以下のピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけることができる:8.7、15.9、及び20.0°2θ±0.2°2θ。
化合物IのHCl形態Iの単結晶分析により、次の単位格子サイズが得られる:
化合物IのHCl形態Iは、約288℃で開始し、約293℃でピーク最大値を有する吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴づけることができる(図36)。
化合物IのHCl形態Iは、約100℃未満で約3.5%の重量減少、及び約270℃で約4.5%の重量減少を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムによって特徴づけられる(図36)。
化合物IのHCl形態Iは、約40%~約90%RHでヒステリシスなく最小限の水分の取り込みを示す動的蒸気収着(DVS)分析によって特徴づけられる。DVS分析では、約10%RH未満で最大約3.5%の重量が追加で示されるが、完全な水分の再取り込みが約20%RHで認められる。従って、化合物IのHCl形態Iの脱水及び再水和は、可逆的であり、その結晶構造を乱さないことが見出された。化合物IのHCl形態Iの例示的なDVS曲線を図60に示す。このDVS分析を考慮すると、化合物IのHCl形態Iは、一水和物として特徴づけられる可能性がある。
化合物IのHCl形態Iは、様々な溶媒及び溶媒系で溶解性を示す。有機溶媒、疑似体液、及び一般的な医薬品共溶媒における化合物IのHCl形態Iの近似動力学的溶解度のまとめをそれぞれ、表8~10に示す。
表8:有機溶媒中の化合物IのHCl形態Iの近似動力学的溶解度
表9:約37℃での疑似体液における化合物IのHCl形態Iの近似動力学的溶解度
表10:医薬品共溶媒における化合物IのHCl形態Iの近似動力学的溶解度(pH調整なし)
*Captisol:スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBE-β-CD)
**Pharmasolve:N-メチル-2-ピロリドン(NMP)
***Labrasol:カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド
****TPGS:アルファ-トコフェリルスクシネートエステル化ポリエチレングリコール1000
様々な緩衝液または非緩衝液中での化合物IのHCl形態Iの熱力学的pH-溶解度プロファイルをさらに図61に示す。図61はさらに、化合物Iの遊離塩基の熱力学的pH-溶解度プロファイルを含む。化合物Iの遊離塩基は、pH約2.0未満で化合物IのHCl形態Iに変化したため、pH約2.0未満の化合物Iの遊離塩基のプロファイルにデータが示されていないことに留意されたい。同様に、化合物IのHCl形態Iは、pH約3.0超で化合物Iの遊離塩基に変化したため、pH約3.0超の化合物IのHCl形態Iのプロファイルにデータは示されていない。化合物Iの遊離塩基及び化合物IのHCl形態I系の熱力学的溶解度は、約37℃の水浴でそれぞれの系を7日間振盪後に特定した。
化合物IのHCl形態Iはさらに、望ましい安定性を示す。例えば、粉末形態の化合物IのHCl形態Iは、約40℃/75%RHで、オープンディッシュ条件下、約6ヶ月後にXRPD、TGA及びDSCで測定して形態変化を示さなかった。
pH範囲約1.2~約10.0にわたる緩衝液中での化合物IのHCl形態Iの安定性も評価した。これらの溶液を約60℃で保存し、2日目のpH及び残存%をアッセイした。データは、化合物IのHCl形態Iが、pH約4.5で最も安定であることを示した(図62)。
化合物IのHCl形態Iもまた、高温で多形安定性を示した。化合物IのHCl形態Iを約50℃で約72時間乾熱しても、化合物IのHCl形態Iの結晶形態は、XRPD、DSC、及びプロトンNMRで測定して変化しなかった。約3%重量減少するまで、化合物IのHCl形態IをTGA内で約120℃まで加熱することでわずかな結晶性の損失が見られたが、新たな形態は出現しなかった。このTGA後の物質を再水和した後(約60%RHで3日間)、DSCでは多形性に大きな影響を示さなかったが、非晶質の内容が出現した(Tg約250℃)。
11.塩のスクリーニング
固体形態のさらなる塩のスクリーニングを、化合物Iを様々な酸と組み合わせて行った。使用した手順は次の通りであった:約20mgの化合物Iの遊離塩基形態Iを2mLのガラスバイアルに量り入れた。対応する量の酸をモル比1:1酸:化合物Iで加えた。0.5mLの対応する溶媒をそのガラスバイアルに加えた。その混合物をRT(25±3℃)で3日間撹拌した。その固体を遠心分離により単離し、この固体をRTで終夜乾燥した。XRPD分析を乾燥した固体で行った。提供される場合、酸:遊離塩基のモル比は、NMRピークの積分で特定した。これらスクリーニング実験のまとめを表11に示す。これら塩形態の特徴のまとめを表12に示す。
表11
表12
*ピーク温度
12.フォローアップ塩スクリーニング
以下に示す通り、さらなる化合物Iの固体形態を、化合物Iと様々な酸を組み合わせて調べた。
エジシル酸塩:化合物Iの遊離塩基形態IIを、エタン-1,2-ジスルホン酸により、モル比1:1でTHF中、RTでスラリー化した。
ベシル酸塩タイプA:化合物Iの遊離塩基形態IIを、ベンゼンスルホン酸により、モル比1:1でEtOH/水(19:1、v/v)中、RTでスラリー化した。ベシル酸塩タイプB:化合物Iの遊離塩基形態IIを、ベンゼンスルホン酸により、モル比1:1でTHF中、RTでスラリー化した。
トシル酸塩タイプC:化合物Iの遊離塩基形態IIを、p-トルエンスルホン酸により、モル比1:1でEtOH/水(19:1、v/v)中、RTでスラリー化した。トシル酸塩タイプD:化合物Iの遊離塩基形態IIを、p-トルエンスルホン酸により、モル比1:1でACN中、RTでスラリー化した。
イセチオン酸塩タイプA:化合物Iの遊離塩基形態IIを、2-ヒドロキシエタンスルホン酸により、モル比1:1でEtOH/水(19:1、v/v)中、RTでスラリー化した。
ナフタレンジスルホン酸塩タイプA:化合物Iの遊離塩基形態IIを、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸により、モル比1:1でEtOH/水(19:1、v/v)中、RTでスラリー化した。
ナフタレンスルホン酸塩タイプA:化合物Iの遊離塩基形態IIを、ナフタレン-2-スルホン酸により、モル比1:1でEtOH/水(19:1、v/v)中、RTでスラリー化した。ナフタレンスルホン酸塩タイプB:化合物Iの遊離塩基形態IIを、ナフタレン-2-スルホン酸により、モル比1:1でIPAc中、RTでスラリー化した。ナフタレンスルホン酸塩タイプC:化合物Iの遊離塩基形態IIを、ナフタレン-2-スルホン酸により、モル比1:1でACN中、RTでスラリー化した。
クロロベンゼンスルフェートタイプA:化合物Iの遊離塩基形態IIを、4-クロロベンゼンスルホン酸により、モル比1:1でIPAc中、RTでスラリー化した。クロロベンゼンスルフェートタイプB:化合物Iの遊離塩基形態IIを、4-クロロベンゼンスルホン酸により、モル比1:1でTHF中、RTでスラリー化した。
カンファースルホン酸塩タイプA:化合物Iの遊離塩基形態IIを、カンファースルホン酸により、モル比1:1でEtOH/水(19:1、v/v)中、RTでスラリー化した。カンファースルホン酸塩タイプB:化合物Iの遊離塩基形態IIを、カンファースルホン酸により、モル比1:1でIPAc中、RTでスラリー化した。カンファースルホン酸塩タイプC:化合物Iの遊離塩基形態IIを、カンファースルホン酸により、モル比1:1でACN中、RTでスラリー化した。
HClタイプB:2559.0mgの化合物IのHCl塩形態Iを50mLのMeOHに懸濁し、50℃で2日間スラリー化した。その固体を濾過により単離し、MeOHで洗浄した(2×10mL)。その固体をRTで真空下、終夜乾燥し、2253.3mgの物質を得た。
塩形態スクリーニングの結果のまとめを表13に示す。
表13
*ピーク温度
#発熱
13.遊離塩基固体形態のスクリーニング
DSCの結果に基づいてVT-XRPDを実施し、化合物Iの遊離塩基形態Iをさらに特徴づけた。遊離塩基形態Iを150℃に加熱した後、形態変化が認められた。新たな形態は遊離塩基タイプCと指定され、30℃に冷却した後に遊離塩基形態Iに変化した。これは、DSCサイクルの結果で観察された135℃での可逆的吸熱シグナルと一致していた。
DSCの結果に基づいてVT-XRPDを実施し、化合物Iの遊離塩基形態IIをさらに特徴づけた。遊離塩基形態IIを250℃に加熱した後、遊離塩基タイプDと指定された新たな形態が認められ、これは、30℃まで冷却する過程で白色から黄色への色の変化を伴って別の新たな形態(タイプEと指定)に変化した。
遊離塩基形態のスクリーニングの結果のまとめを表14に示す。
表14
スラリー競合を行い、化合物Iの遊離塩基形態II及びタイプEの安定性を評価した。化合物Iの遊離塩基形態II及びタイプEの混合物を1.0mLの飽和EtOHまたはMEK溶液に加えた(5℃/RT/50℃で終夜形態Iのスラリー化)。これらの懸濁液を目標温度で撹拌した。化合物Iの遊離塩基形態IIのみが、これら懸濁液を5℃、RT、及び50℃で撹拌した後に認められ、遊離塩基形態IIが5℃~50℃でタイプEより熱力学的に安定であることが示された。これらの結果を表15に示す。
表15
スラリー競合を行い、遊離塩基形態I及び形態IIの安定性を評価した。遊離塩基形態Iと形態IIの混合物を1.0mLの飽和EtOHまたはMEK溶液に加えた(5℃/RT/50℃で終夜形態Iのスラリー化)。これらの懸濁液を目標温度で3日間撹拌した。遊離塩基形態IIのみが、これら懸濁液を5℃、RT、及び50℃で撹拌した後に認められ、遊離塩基形態IIが5℃~50℃でより熱力学的に安定であることが示された。これらの結果を表16に示す。
表16
化合物Iの遊離塩基タイプEは、100mgスケールで、化合物Iの遊離塩基形態IIを250℃に15分間加熱することにより調製した。化合物Iの遊離塩基タイプEのTGAは、150℃まで0.8%の重量減少を示した一方、DSC分析では、126.4及び257.3℃(開始温度)に2つの吸熱ピークを示した。
化合物Iの遊離塩基形態Iを、以下の表17に示す通り、さらなるスクリーニングに供した。
表17
化合物Iの遊離塩基形態Iの貧溶媒添加実験を以下の表18に示す通りに行った。
表18
化合物Iの遊離塩基形態Iの低速蒸発実験を以下の表19に示す通りに行った。
表19
化合物Iの遊離塩基形態Iの徐冷実験(50℃~5℃)を以下の表20に示す通りに行った。
表20
化合物Iの遊離塩基形態Iの室温でのスラリー実験を以下の表21に示す通りに行った。
表21
化合物Iの遊離塩基形態Iの50℃でのスラリー実験を以下の表22に示す通りに行った。
表22
化合物Iの遊離塩基形態Iの固体蒸気拡散実験を以下の表23に示す通りに行った。
表23
化合物Iの遊離塩基形態Iの溶液蒸気拡散実験を以下の表24に示す通りに行った。
表24
化合物Iの遊離塩基形態Iの湿潤誘起結晶化実験を以下の表25に示す通りに行った。
表25
化合物Iの遊離塩基形態Iの温度サイクル(50℃~5℃)実験を以下の表26に示す通りに行った。
表26
14.安定性試験
40℃及び60℃で真空下保存:化合物IのHCl形態Iを、40℃及び60℃で真空下保存した。最初のHPLC純度は99.3%であった。どちらの実験においても、4日後にHPLCによる形態変化も純度の低下も認められなかった。
25℃/60%RH及び40℃/75%RHでの保存:化合物IのHCl形態Iを、25℃/60%RH及び40℃/75%RHで保存した。最初のHPLC純度は99.3%であった。どちらの実験においても、2週間後にHPLCによる形態変化も純度の低下も認められなかった。
低湿度試験:化合物IのHCl塩形態IをN2下に置き、20分及び60分でインサイチュXRPDにより確認した。新たな形態が、N2ブリード下、20分間で認められた(相対湿度は10.2%RHとして測定された)。この新たな形態は、周囲条件に曝露されると急速にHCl塩形態Iに戻った。HCl塩形態IをN2ブリード下に約60分間置き、TGA及びDSCを測定した。TGAの結果により、150℃まで1.6%の重量減少が示され、DSCの結果により、244.4℃(開始温度)及び265.5℃(ピーク温度)に2つの吸熱ピークが示された。
化合物IのHCl形態Iのさらなる溶解度試験により、表27に示す結果が得られた。
表27
15.さらなる塩スクリーニング
以下に示す通り、ある特定の塩形態を調製及び分析した。結果のまとめを表28に示す。
表28
*ピーク温度
化合物Iのエシル酸塩タイプAを、300mgスケールでエタノール/水(19:1、v/v)から以下の手順により調製した:299.5mgの化合物Iの遊離塩基形態II及び84.3mgのエタンスルホン酸を20mLのガラスバイアルに量り入れた。7mLのEtOH/水(19:1、v/v)を加えて懸濁液を形成した。この混合物をRTで3日間撹拌し、その固体を遠心分離により単離し、真空下、RTで終夜乾燥した。乾燥固体のXRPDパターンにより、少量の遊離塩基が残存することが示された。この固体を5mLのEtOHに懸濁し、約10mgの酸を加えた。その混合物をRTで1.5時間攪拌した。湿潤物質のXRPDパターンに遊離塩基のピークは認められなかった。その固体を遠心分離により単離し、真空下、RTで3時間乾燥した。323.7mgの白色粉末が収集された。
化合物Iのイセチオン酸塩タイプAを、300mgスケールでエタノール/水(19:1、v/v)から以下の手順により調製した:301.5mgの化合物Iの遊離塩基形態II及び84.9mgの2-ヒドロキシエタンスルホン酸(80%)を20mLのガラスバイアルに量り入れた。5mLのEtOH/水(19:1、v/v)を加えて懸濁液を形成した。この混合物をRTで3日間撹拌し、その固体を遠心分離により単離し、真空下、RTで終夜乾燥した。乾燥固体のXRPDパターンにより、少量の遊離塩基が残存することが示された。この固体を5mLのEtOHに懸濁し、約10mgの酸を加えた。その混合物をRTで1.5時間攪拌した。湿潤物質のXRPDパターンに遊離塩基のピークは認められなかった。その固体を遠心分離により単離し、真空下、RTで3時間乾燥した。337.1mgの白色粉末が収集された。
化合物Iのナフタレンジスルホン酸塩タイプAを、300mgスケールでエタノール/水(19:1、v/v)から以下の手順により調製した:299.7mgの化合物Iの遊離塩基形態II及び226.8mgのナフタレン-1,5-ジスルホン酸を20mLのガラスバイアルに量り入れた。5mLのEtOH/水(19:1、v/v)を加えて懸濁液を形成した。この混合物をRTで3日間撹拌し、その固体を遠心分離により単離し、真空下、RTで終夜乾燥した。乾燥固体のXRPDパターンにより、少量の遊離塩基が残存することが示された。約20mgの酸を加え、その混合物をRTで1時間撹拌した。湿潤物質のXRPDパターンに遊離塩基のピークは認められなかった。その固体を遠心分離により単離し、真空下、RTで3時間乾燥した。475.9mgのピンク色粉末が収集された。
化合物Iのメシル酸塩タイプAを、500mgスケールでアセトンから以下の手順により調製した:500.4mgの化合物Iの遊離塩基形態II及び114.3mgのメタンスルホン酸を20mLのガラスバイアルに量り入れた。9mLのアセトンを加えて懸濁液を形成した。この混合物をRTで3日間撹拌したところ、湿潤物質のXRPDパターンにより変換が確認された。その固体を遠心分離により単離し、真空下、RTで終夜乾燥した。563.9mgの白色粉末が収集された。
16.動力学的溶解度試験
動力学的溶解度試験を次のように行った:約40~55mgの物質を5mLのEPパイプに量り入れた。4mLの水/生体関連媒体(SGF、FaSSIF、またはFeSSIF)を対応するサンプルのパイプに加えた(薬物ロード:遊離塩基として約10mg/mLと計算)。これらのパイプにしっかりと蓋をし、物質が媒体と接触していることを確認した。これらサンプルのバイアルをローラーに置き、37℃で回転を開始した(速度:25r/分)。サンプルを1、2、4、24時間で採取した。各時点で、1.0mLの懸濁液を2mLの遠心分離管に移し、サンプルを遠心分離した。上清を0.45μmのPTFE膜で濾過し、溶解度とpHを測定した。残留固体のXRPD試験を実施した。
水中での動力学的溶解度の結果のまとめを表29に示す。
表29
*水の本来のpHは7.6であった
SGF中での動力学的溶解度の結果のまとめを表30に示す。
表30
*SGFの本来のpHは1.8であった
FaSSIF中での動力学的溶解度の結果のまとめを表31に示す。
表31
*FaSSIFの本来のpHは6.5であった
FeSSIF中での動力学的溶解度の結果のまとめを表32に示す。
表32
表32に示す結果により、化合物IのHCl形態Iは、FeSSIF中で好ましい動力学的溶解度を有することが示される。
本明細書で引用されるすべての特許及び他の参考文献は、本開示が関連する当業者の技能のレベルを示しており、表及び図を含めて、各参考文献が参照することにより個々に全体として組み込まれた場合と同じ程度に、参照することにより全体として組み込まれる。
当業者には、本開示が、言及された目的及び利点、ならびにそれに固有のものを得ることに十分に適応していることが容易に理解されよう。好ましい実施形態を現在代表するものとして本明細書に記載される方法、変形、及び組成物は、例示的なものであり、本開示の範囲に対する制限として意図されるものではない。その中の変更及び他の使用は、当業者に想起されるが、これらは、本開示の主旨に包含され、特許請求の範囲によって画定される。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
化合物I:
、
ならびに塩酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、アジピン酸、シュウ酸、リン酸、マレイン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、マロン酸、ゲンチジン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、及びカンファースルホン酸からなる群から選択される酸を含む結晶塩。
(項目2)
化合物I:
の結晶性一塩酸塩。
(項目3)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、8.7、15.9、及び20.0°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる、項目2に記載の塩(化合物IのHCl形態I)。
(項目4)
さらに、11.5、22.5、及び25.5°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目3に記載の塩。
(項目5)
さらに、約288℃で開始する吸熱を含む示差走査熱量測定曲線によって特徴づけられる、項目3または4に記載の塩。
(項目6)
1つ以上の医薬的に許容される担体、及び治療有効量の項目1~5のいずれか1項に記載の塩を含む医薬組成物。
(項目7)
前記塩が、項目3に記載の化合物IのHCl形態Iを少なくとも約50%w/w含む
、項目6に記載の医薬組成物。
(項目8)
項目1~5のいずれか1項に記載の塩、及び別の治療薬を含む医薬組成物。
(項目9)
少なくとも部分的にプロテインキナーゼによって媒介される疾患または状態の治療を必要とする患者における前記治療の方法であって、前記患者に対して、治療有効量の項目1~5のいずれか1項に記載の塩、または項目6~8のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目10)
前記プロテインキナーゼがJAKまたはその任意の変異体である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記プロテインキナーゼがSYKまたはその任意の変異体である、項目9または10に記載の方法。
(項目12)
前記疾患または状態が、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換濾胞性リンパ腫(tFL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、辺縁帯リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)、またはヴァルデンストレームマクログロブリン血症(WM)である、項目9~11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記疾患または状態が慢性リンパ球性白血病(CLL)である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記疾患または状態が小リンパ球性リンパ腫(SLL)である、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記疾患または状態が、濾胞性リンパ腫(FL)または形質転換濾胞性リンパ腫(tFL)である、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記疾患または状態がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記疾患または状態がマントル細胞リンパ腫(MCL)である、項目12に記載の方法。
(項目18)
前記疾患または状態がB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)である、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記疾患または状態が末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)または皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)である、項目12に記載の方法。
(項目20)
前記疾患または状態が辺縁帯リンパ腫である、項目12に記載の方法。
(項目21)
前記疾患または状態が粘膜関連リンパ組織(MALT)である、項目12に記載の方法。
(項目22)
前記疾患または状態がヴァルデンストレームマクログロブリン血症(WM)である、項目12に記載の方法。
(項目23)
化合物I:
の結晶塩であって、エシル酸塩、塩酸塩、メシル酸塩、イセチオン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルフェート、トシル酸塩、ベシル酸塩、エジシル酸塩、及びカンファースルホン酸塩から選択される、前記結晶塩。
(項目24)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、7.5、18.1、及び14.9°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記エシル酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのエシル酸塩タイプA)。
(項目25)
さらに、15.9、16.2、及び24.6°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目24に記載の塩。
(項目26)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、7.9、19.6、及び13.3°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記塩酸塩である、項目23に記載の塩(化合物IのHClタイプB)。
(項目27)
さらに、22.5、17.2、及び9.7°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目26に記載の塩。
(項目28)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、16.0、16.4、及び16.7°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記メシル酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのメシル酸塩タイプA)。
(項目29)
さらに、24.2、8.1、及び18.3°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目28に記載の塩。
(項目30)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、15.8、17.9、及び20.1°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記イセチオン酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのイセチオン酸塩タイプA)。
(項目31)
さらに、12.9、24.5、及び9.9°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目30に記載の塩。
(項目32)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、14.4、20.2、及び7.5°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記ナフタレンスルホン酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプA)。
(項目33)
さらに、13.4、8.1、及び11.1°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目32に記載の塩。
(項目34)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、9.0、15.6、及び19.7°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記ナフタレンスルホン酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプB)。
(項目35)
さらに、5.7、13.4、及び25.1°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目34に記載の塩。
(項目36)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、6.9、13.6、及び13.3°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記ナフタレンスルホン酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのナフタレンスルホン酸塩タイプC)。
(項目37)
さらに、20.3、18.0、及び16.7°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目36に記載の塩。
(項目38)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、7.4、14.9、及び15.3°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記ベシル酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのベシル酸塩タイプA)。
(項目39)
さらに、22.3、23.7、及び17.6°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目38に記載の塩。
(項目40)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、6.0、11.9、及び6.9°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記ベシル酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのベシル酸塩タイプB)。
(項目41)
さらに、20.6、25.3、及び14.9°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目40に記載の塩。
(項目42)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、14.7、24.5、及び19.1°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記エジシル酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのエジシル酸塩タイプD)。
(項目43)
さらに、10.7、22.8、及び20.7°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目42に記載の塩。
(項目44)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、5.9、14.3、及び17.8°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記カンファースルホン酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプA)。
(項目45)
さらに、11.4、23.0、及び14.0°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目44に記載の塩。
(項目46)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、4.7、14.0、及び17.2°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記カンファースルホン酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプB)。
(項目47)
さらに、18.3、19.5、及び15.9°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目46に記載の塩。
(項目48)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、13.5、16.8、及び9.5°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記カンファースルホン酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのカンファースルホン酸塩タイプC)。
(項目49)
さらに、19.3、8.0、及び22.7°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目48に記載の塩。
(項目50)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、8.8、18.5、及び9.5°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記クロロベンゼンスルフェートである、項目23に記載の塩(化合物IのクロロベンゼンスルフェートタイプB)。
(項目51)
さらに、17.7、4.7、及び12.7°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目50に記載の塩。
(項目52)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、7.5、15.0、及び8.9°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記トシル酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのトシル酸塩タイプC)。
(項目53)
さらに、9.5、17.2、及び11.4°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目52に記載の塩。
(項目54)
Cu-Kα線を使用した回折計で測定して、9.2、19.2、及び6.3°2θ、各々±0.2°2θにピークを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる前記トシル酸塩である、項目23に記載の塩(化合物Iのトシル酸塩タイプD)。
(項目55)
さらに、17.2、13.5、及び12.6°2θ、各々±0.2°2θでの1つ以上のピークによって特徴づけられる、項目54に記載の塩。