JP2015506987A - Hcvのns5a阻害剤を含む固形、その組成物、およびそれらの使用 - Google Patents

Hcvのns5a阻害剤を含む固形、その組成物、およびそれらの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2015506987A
JP2015506987A JP2014556825A JP2014556825A JP2015506987A JP 2015506987 A JP2015506987 A JP 2015506987A JP 2014556825 A JP2014556825 A JP 2014556825A JP 2014556825 A JP2014556825 A JP 2014556825A JP 2015506987 A JP2015506987 A JP 2015506987A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
solid
sample
added
compounds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014556825A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015506987A5 (ja
Inventor
ロリマー,キース
リ,レピング
ゾン,ミン
ムチニク,アンナ
Original Assignee
プレシディオ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
プレシディオ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by プレシディオ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド, プレシディオ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド filed Critical プレシディオ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
Publication of JP2015506987A publication Critical patent/JP2015506987A/ja
Publication of JP2015506987A5 publication Critical patent/JP2015506987A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D403/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00
    • C07D403/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D401/00 containing three or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/13Crystalline forms, e.g. polymorphs

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

本発明は、a)とりわけHCVを阻害する化合物およびその塩、(b)そのような化合物および塩の調製にとって有用な中間体、(c)そのような化合物および塩を含む組成物、(d)そのような中間体、化合物、塩および組成物の調製方法、(e)そのような化合物、塩および組成物の使用方法、ならびに(f)そのような化合物、塩および組成物を含むキットに関する。【選択図】図6

Description

本明細書では、式(I)および式(II)の化合物を含む固形、その固形を含む組成物、その固形の製造方法、ならびに、例えば、C型肝炎ウイルス(「HCV」)の非構造5A(「NS5A」)タンパク質の機能の阻害を含むHCV複製の阻害におけるその使用方法を提供する。
Figure 2015506987
Figure 2015506987
HCVは、フラビウイルス科の一員である一本鎖RNAウイルスである。このウイルスは、現在7種の同定されている遺伝子型と50種を超える同定されているサブタイプが存在するように、広範な遺伝的異質性を示す。HCV感染細胞において、ウイルスのRNAは、10個の個々のタンパク質に切断されるポリタンパク質に翻訳される。アミノ末端には、構造タンパク質、すなわち、コア(C)タンパク質、外被糖タンパク質E1およびE2が存在する。p7すなわち内在性膜タンパク質がE1およびE2に続く。さらに、6種の非構造タンパク質、NS2、NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bが存在し、それらはHCVライフサイクルにおいて機能的役割を担っている(例えば、Lindenbach, B.D. and C.M. Rice, Nature, (2005) 436:933-938を参照)。
HCVによる感染は、深刻な健康問題である。世界中で1億7000万の人々が慢性的にHCVに感染していると推定されている。HCV感染は、慢性肝炎、肝硬変、肝不全および肝細胞癌を引き起す可能性がある。したがって、慢性HCV感染は、肝臓関連若年死の世界的な主原因である。
HCV感染のための現在の標準的な看護治療計画では、インターフェロンαを単独またはリバビリンと組み合わせて使用する。この治療は厄介であり、患者を衰弱させる重篤な副作用を有する場合があり、多くの患者は治療に対して永続的に応答しない。HCV感染を治療する新しい有効な方法が緊急に必要とされている。
本明細書中の実施形態は、式(I)(「化合物(I)」)および式(II)(「化合物(II)」)の化合物の固形を提供する。
第1の態様では、式(I):
Figure 2015506987
を有する化合物の固形が提供される。
第1の態様の第1の実施形態では、本固形は結晶質である。
第2の実施形態では、該結晶形は、式Iの化合物のA型結晶形である。
第1の態様の第3の実施形態では、本固形は、
a)表1に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28またはその概位置の全てに位置するピーク、
b)図6に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26またはその概位置の全てに位置するピーク、
c)図8に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44またはその概位置の全てに位置するピーク、あるいは
d)図19に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18またはその概位置の全てに位置するピーク
を含むXRPDパターンを有する。
第1の態様の第4の実施形態では、本固形は、表2に特定されている1、2、3、4またはその概位置の全てに位置するピークを含むXRPDパターンを有する。
第1の態様の第5の実施形態では、本固形は、NISTまたは他の好適な標準物質で較正された2θ回折計(Cu Kα)で収集された高品質パターンに基づき、周囲温度で14.7±0.2、17.4±0.2の2θ値に位置するピークと、10.6±0.2、12.7±0.2および13.6±0.1のうちの1つ以上の2θ値に位置するピークとを含むXRPDパターンを有する。
第1の態様の第6の実施形態では、A型を含む医薬組成物が提供される。
第1の態様の第7の実施形態では、前記実施形態のいずれかの固形を含むゲルカプセルが提供される。
第2の態様では、式(II):
Figure 2015506987
を有し、かつ結晶質である化合物の固形が提供される。
第2の態様の第1の実施形態では、本固形は、式IIの化合物のI型結晶形である。
第2の態様の第2の実施形態では、本固体は、表8に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはその概位置の全てに位置するピークあるいは表9に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12またはその概位置の全てに位置するピークを含むXRPDパターンを有する。
第2の態様の第3の実施形態では、本固体は、表8のピーク番号1、3、13および17ならびに表8に特定されている残りのピークの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13を含むXRPDパターンを有する。
第2の態様の第4の実施形態では、I型を含む医薬組成物が提供される。
いかなる特定の理論によっても限定されるものではないが、本明細書に記載されている化合物IのA型および化合物IIのI型の貯蔵安定性、圧縮率、嵩密度または溶解特性は、製造、製剤および生物学的利用能にとって有利であると考えられる。
本明細書に提供されている固形は、動物またはヒトに使用される製剤の調製のための医薬品有効成分として有用である。従って、本明細書中の実施形態は、最終製剤としてのこれらの固形の使用を包含する。特定の実施形態は、とりわけ最終製剤の製造、加工、製剤および/または貯蔵にとって必要な特性、例えば、粉末流動特性、圧縮特性、錠剤化特性、安定性特性および賦形剤適合性特性などが向上した最終剤形の調製において有用な固形を提供する。本明細書中の特定の実施形態は、式(I)の化合物を含む単一成分結晶形、多成分結晶形、単一成分非晶形および/または多成分非晶形と、薬学的に許容される希釈液、賦形剤または担体とを含む医薬組成物を提供する。本明細書に記載されている固形は、例えば、HCV複製の阻害、NS5Aの阻害、およびHCV感染の治療、予防または管理に有用である。
化合物IのA型の代表的な1H NMRスペクトルである。 化合物IのA型の代表的な13C NMRスペクトルである。 化合物IのA型の代表的なFT−IRスペクトルである。 化合物IのA型の代表的なDSCサーモグラムである。 化合物IのA型の代表的なX線粉末回折(XRPD)パターンである。 図5に示されているピークの表である。 化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 図7に示されているピークの表である。 化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 化合物IのA型の代表的な1H NMRスペクトルである。 化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 化合物IのA型の代表的な1H NMRスペクトルである。 化合物IのA型の代表的なDSC曲線およびサーモグラムである。 化合物IのA型について相対湿度に対する重量%をグラフ化したものである。 化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 化合物IのA型の代表的なサーモグラムである。 化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 図18に示されているピークの表である。 化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 化合物Iの型の代表的なDSC曲線およびサーモグラムである。 材料に圧力を加える前後における化合物IのA型の代表的なXRPDパターンである。 材料に圧力を加えた後の化合物Iの型の代表的なDSC曲線およびサーモグラムである。 化合物IIのI型の代表的なXRPDパターンを示す。 化合物IIのI型の代表的なXRPDパターンである。 化合物IIのI型結晶を示す。 化合物IIのI型の代表的なサーモグラムである。 化合物IIのI型の代表的なDSC曲線である。 化合物IIのI型のDVS等温線プロットである。 非晶質化合物IIのDVS等温線プロットである。 化合物IIのI型の代表的なXRPDパターンである。 化合物I−FBの各種塩の偏光顕微鏡画像である。
(a)定義
特に定めがない限り、本明細書で使用する「固形」という用語および関連用語は、大部分が液体もしくは気体状態ではない物理的形態を指す。特に定めがない限り、本明細書で使用する「固形」という用語および関連用語は、本明細書において化合物(I)について言及するために使用する場合、大部分が液体もしくは気体状態ではない化合物(I)を含む物理的形態を指す。固形は、結晶質、非晶質またはそれらの混合物であってもよい。特定の実施形態では、固形は液晶であってもよい。化合物(I)を含む「単一成分」固形は、本質的に化合物(I)からなる。化合物(I)を含む「多成分」固形は、本固形内にかなりの量のイオンおよび/または分子などの1種以上のさらなる化学種を含む。例えば、特定の実施形態では、化合物(I)を含む結晶質の多成分固形は、結晶格子内の規則的な位置に、非共有結合的に結合された1種以上の化学種をさらに含む。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「結晶質」という用語および本明細書で使用する関連用語は、物質、修飾物質、材料、成分または生成物について述べるために使用する場合、特に定めがない限り、その物質、修飾物質、材料、成分または生成物が、X線回折によって測定した場合に実質的に結晶質であることを意味する。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, Lippincott, Williams and Wilkins, Baltimore, MD (2005)、The United States Pharmacopeia, 23rd edition, 1843-1844 (1995)を参照されたい。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「結晶形」という用語および本明細書中の関連用語は、結晶質である固形を指す。結晶形としては、単一成分結晶形および多成分結晶形が挙げられ、多形、溶媒和物、水和物および他の分子複合体ならびに塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、塩の他の分子複合体およびそれらの多形が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、物質の結晶形は、実質的に非晶形および/または他の結晶形を含んでいなくてもよい。特定の実施形態では、物質の結晶形は、重量基準で約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%未満の1種以上の非晶形および/または他の結晶形を含んでいてもよい。特定の実施形態では、物質の結晶形は、物理的および/または化学的に純粋であってもよい。特定の実施形態では、物質の結晶形は、物理的および/または化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%または90%純粋であってもよい。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「多形」「多形体」という用語および本明細書中の関連用語は、本質的に同じ分子またはイオンからなる2種以上の結晶形を指す。異なる結晶形のように、異なる多形は、結晶格子内の分子および/またはイオンの配置または立体配座により、例えば、融解温度、融解熱、溶解度、溶解速度および/または振動スペクトルなどの異なる物理的特性を有し得る。物理的特性の違いは、貯蔵安定性、圧縮率および密度(製剤および製品製造において重要)、および溶解速度(生物学的利用能における重要な因子)などの医薬パラメータに影響を及ぼすことがある。安定性の違いは、化学反応性(例えば、ある多形からなる場合よりも別の多形からなる場合に剤形がより急速に変色するような酸化差)または力学的変化(例えば、動力学的に好ましい多形が熱力学的により安定な多形に変換すると貯蔵時に錠剤が砕ける)あるいは両方(例えば、ある多形からなる錠剤は、高湿度でより分解しやすくなる)における変化から生じ得る。溶解度/溶解の違いにより、極端な場合には若干の固体状態転移により効力の欠如が生じることがあり、他の極端な場合には毒性が生じることがある。また、物理的特性は、加工において重要であり得る(例えば、ある多形は、溶媒和物を形成しやすかったり、濾過および洗浄により不純物を除去することが困難であったりする場合があり、粒子形状や粒径が多形間で異なる場合がある)。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「溶媒和物」および「溶媒和された」という用語は、溶媒を含む物質の結晶形を指す。「水和物」および「水和された」という用語は、溶媒が水を含む溶媒和物を指す。「溶媒和物の多形」とは、特定の溶媒和物組成物に2種以上の結晶形が存在することを指す。同様に、「水和物の多形」とは、特定の水和物組成物に2種以上の結晶形が存在することを指す。本明細書で使用する「脱溶媒和された溶媒和物」という用語は、溶媒和物から溶媒を除去して調製することができる物質の結晶形を指す。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「非晶質」「非晶形」という用語および本明細書で使用する関連用語は、当該物質、成分または生成物がX線回折によって測定した場合に実質的に結晶質でないことを意味する。特に、「非晶形」という用語は、無秩序な固形、すなわち、長距離の結晶秩序が欠如した固形を表す。特定の実施形態では、物質の非晶形は、他の非晶形および/または結晶形を実質的に含んでいなくてもよい。他の実施形態では、物質の非晶形は、重量基準で約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%未満の1種以上の他の非晶形および/または結晶形を含んでいてもよい。特定の実施形態では、物質の非晶形は、物理的におよび/または化学的に純粋であってもよい。特定の実施形態では、物質の非晶形は、物理的および/または化学的に約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%または90%純粋であってもよい。
結晶形および非晶形の特性評価技術としては、熱重量分析法(TGA)、示差走査熱量測定法(DSC)、X線粉末回折法(XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光法(例えば、赤外線(IR)分光法およびラマン分光法)固体/溶液核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法(SEM)、電子線結晶学および定量分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、溶解度測定、溶解測定、元素分析およびカールフィッシャー法が挙げられるが、これらに限定されない。特徴的な単位格子パラメータは、限定されるものではないが、単結晶回折および粉末回折を含むX線回折および中性子回折などの1つ以上の技術を用いて決定してもよい。粉末回折データを分析するのに有用な技術としては、例えば、2種以上の固相を含む試料中の単相に関連する回折ピークを分析するために使用することができるリートベルト法などのプロファイル法が挙げられる。粉末回折データを分析するのに有用な他の方法としては、当業者が結晶質粉末を含む試料から単位格子パラメータを決定することができる単位格子の指数付けが挙げられる。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「約」および「およそ」という用語は、例えば、融解温度、脱水温度、脱溶媒和温度またはガラス転移温度を記述するような具体的な温度または温度範囲、例えば、温度または湿度の関数としての質量変化などの質量変化、例えば、質量または割合に換算した溶媒または水の含有量、あるいは例えばIRもしくはラマン分光法またはXRPDによる分析などにおけるピーク位置などの、特定の固形を特徴づけるために提供される数値または値の範囲に関連して使用する場合、その値または値の範囲が、当業者によって妥当であるとみなされる程度まで逸脱し得るが、なお特定の固形を表していることを示す。例えば、特定の実施形態では、「約」および「およそ」という用語は、本文脈で使用する場合、数値または値の範囲が、列挙されている値または値の範囲の25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%または0.25%以内で変化し得ることを示す。本明細書で使用されている、数値または値の範囲の前のチルダ(すなわち、「〜」)は、「約」または「およそ」を意味する。
特に定めがない限り、本明細書で使用する、「実質的に純粋」、例えば、実質的に他の固形および/または他の化学物質を含まない、あるいは「実質的に」結晶形または非晶形であると記述されている特定の結晶形または非晶形を含む試料は、特定の実施形態では、約25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.75重量%、0.5重量%、0.25重量%または0.1重量%未満の1種以上の他の固形および/または他の化学物質を含有する。特に定めがない限り、本明細書で使用する、1種以上の他の固形および/または他の化学物質を「実質的に含まない」試料または組成物とは、その組成物が、特定の実施形態では、約25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.75重量%、0.5重量%、0.25重量%または0.1重量%未満の1種以上の他の固形および/または他の化学物質を含有していることを意味する。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「治療する」「治療すること」および「治療」という用語は、疾患または障害あるいはその疾患または障害に伴う1つ以上の症状の根絶または寛解を指す。特定の実施形態では、この用語は、そのような疾患または障害を有する対象に1種以上の予防薬または治療薬を投与することにより、疾患または障害の拡大または悪化を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施形態では、この用語は、特定の疾患の症状の発症後に、他のさらなる活性薬剤を含めるか含めずに本明細書に提供されている化合物を投与することを指す。
特に定めがない限り、本明細書で使用する「予防する」「予防すること」および「予防」という用語は、疾患または障害あるいはその1つ以上の症状の発症、再発または拡大の予防を指す。特定の実施形態では、この用語は、特に本明細書に提供されている疾患または障害のリスクのある患者に、症状の発症前に、他のさらなる活性化合物を含めるか含めずに本明細書に提供されている化合物を用いて治療することまたはそれを投与することを指す。この用語は、特定の疾患の症状の阻害または軽減を包含する。特に疾患の家族歴を有する患者は、特定の実施形態では予防療法の候補である。また、症状の再発歴を有する患者も予防の有力な候補である。この点に関しては、「予防」という用語は、「予防的治療」という用語と言い換え可能である。特に定めがない限り、本明細書で使用する「管理する」「管理すること」および「管理」という用語は、疾患または障害またはその1つ以上の症状の進行、拡大または悪化を予防または遅らせることを指す。多くの場合、対象が予防薬および/または治療薬から得られる有益な効果により、疾患または障害の治癒は生じない。この点に関して、「管理すること」という用語は、疾患の再発を予防または最小限に抑える試みにおいて過去に特定の疾患に苦しんでいた患者を治療することを包含する。
固形の変化が様々な物理的および化学的特性に影響を与えることがあり、それにより、加工、製剤、安定性および生物学的利用能、とりわけ重要な医薬特性において利点または欠点が生じることを考えると、医薬化合物の固形の調製および選択は複雑である。可能な医薬固体としては、結晶質固体および非晶質固体が挙げられる。非晶質固体は長距離の構造秩序の欠如を特徴とし、結晶質固体は構造的周期性を特徴とする。所望のクラスの医薬品固体は、特定の用途によって決まり、非晶質固体は、例えば溶解プロファイルの向上に基づいて選択されることがあるが、結晶質固体は、例えば、物理的または化学的安定性などの特性にとって望ましいものであればよい(例えば、S. R. Vippagunta et al., Adv. Drug. Deliv. Rev., (2001) 48:3-26、L. Yu, Adv. Drug. Deliv. Rev., (2001) 48:27-42を参照)。
結晶質であるか非晶質であるかに関わらず、医薬化合物の可能な固形としては、単一成分および多成分固体が挙げられる。単一成分固体は、本質的に他の化合物が存在しない医薬化合物からなる。単一成分結晶質材料における多様性は、潜在的に多形性の現象から生じ得、特定の医薬化合物に対して複数の3次元配置が存在する(例えば、S. R. Byrn et al., Solid State Chemistry of Drugs, (1999) SSCI, West Lafayetteを参照)。
医薬化合物の可能な固形におけるさらなる多様性は、多成分固体の可能性により生じ得る。2種以上のイオン種を含む結晶質固体は塩と呼ばれる(例えば、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, P. H. Stahl and C. G. Wermuth, Eds., (2002), Wiley, Weinheimを参照)。潜在的に医薬化合物またはその塩に対して他の特性改善を与えることができるさらなる種類の多成分固体としては、とりわけ、例えば、水和物、溶媒和物、共結晶および包接体が挙げられる(例えば、S. R. Byrn et al., Solid State Chemistry of Drugs, (1999) SSCI, West Lafayetteを参照)。さらに、多成分結晶形は、潜在的に多形性を呈しやすく、ここでは、所与の多成分組成物が2種以上の3次元結晶配置で存在し得る。固形の発見は、安全で有効かつ安定な市場性の高い医薬化合物の開発において非常に重要である。
固形は、本明細書に記載されている結晶形などの特定の固形に固有な異なる物理的特性評価データを示し得る。これらの特性評価データは、例えばX線粉末回折法、示差走査熱量測定法、熱重量分析法および核磁気共鳴分光法などの当業者に知られている各種技術によって得ることができる。これらの技術によって得られたデータを使用して、特定の固形を同定することができる。当業者は、これらの特性評価技術のうちの1つを行い、得られたデータが、特定の固形の特性であることが特定されている本明細書に提供されている参照データに「一致」するか否かを決定することにより、固形が本明細書に記載されている形態のうちの1つであるか否かを決定することができる。参照固形のデータに「一致」する特性評価データは、当業者によって、参照固形と同じ固形に相当すると理解される。データが「一致」するか否かの分析では、当業者は、例えば、日常的な試料間分析における実験誤差および予想されるばらつきにより、特定の特性評価データ点が妥当な程度に変動しても所与の固形をなお表し得ることを理解している。化合物(I)または化合物(II)を含む固形に加えて、化合物(I)または化合物(II)のプロドラッグを含む固形が本明細書に提供されており、化合物(I)または化合物(II)および化合物(I)または化合物(II)を生じる重要な中間体の製造方法も本明細書に提供されている。
高い効力および最も一般的なHCV遺伝子型の幅広い遺伝子型適用範囲、他の標的に対する選択性または低毒性ならびに経口的生物学的利用能などの所望の抗HCV治療特性を有する化合物が必要とされている。このような化合物は、最長1年間の慢性投与に適した安全性プロファイルを有する必要がある。
これらの化合物を治療薬として有効に使用するためには、容易に製造することができ、許容される化学的および物理的安定性を有する固形を有することが望ましい。非晶質固形は、予測不可能に水を吸収するという欠点を有する。非晶形は、医薬品として有用であるように製造するのに十分な純度、安定性または予測可能性を提供しない。
ここに提供されている固形(化合物IのA型および化合物IIのI型)は、ヒトに投与する場合に血液中へ適切な曝露を可能にするのに十分な程に水溶液に可溶である。さらに、化合物IのA型および化合物IIのI型は、再現可能な製造にとって十分な程に安定であることが分かった。化合物IのA型および化合物IIのI型の薬物動態特性は、医薬品として使用されるこれらの型にとって有用であることが分かった。
本明細書には化合物IのA型が提供されている。A型の代表的なXRPDパターンは、図5、7、9、10、12、16、18、20および22に示されている。特定の実施形態では、化合物(I)のA型は、a)表1に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28またはその概位置の全てに位置するピーク、b)図6に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26またはその概位置の全てに位置するピーク、c)図8に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44またはその概位置の全てに位置するピーク、またはd)図19に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18またはその概位置の全てに位置するピークによって特徴づけられる。特定の実施形態では、化合物(I)のA型は、表2に特定されている1、2、3、4またはその概位置の全てによって特徴づけられる。化合物IのA型の代表的な1H NMRスペクトルは、図11および図13に示されている。化合物IのA型の代表的なDSCデータおよびサーモグラムは、図4、図14、図21および図23に示されている。
特定の実施形態では、化合物(II)のI型結晶形が本明細書に提供されており、それについて以下により詳細に記載する。
化合物IIのI型の代表的なXRPDパターンは、図24、図25および図31に示されている。特定の実施形態では、化合物(II)のI型は、表8に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはその概位置の全てに位置するXRPDピークよって特徴づけられる。化合物IIのI型の代表的なDSC曲線は、図28に示されている。化合物IIのI型の代表的なサーモグラムは、図27に示されている。化合物IIのI型の代表的なDVS等温線プロットは、図29に示されている。
また、本明細書に提供されている固形は、化合物(I)または化合物(II)の中の1つ以上の原子に非天然の割合の原子の同位体を含んでいてもよい。例えば、本化合物を、例えば重水素(H)、三重水素(H)、ヨウ素125(125I)、硫黄35(35S)または炭素14(14C)などの放射性同位体で放射標識してもよい。放射標識した化合物は、治療薬、例えば、癌治療薬、研究試薬(例えば、結合アッセイ試薬)および診断薬(例えば、生体内造影剤)として有用である。化合物(I)または化合物(II)の全ての同位体変形形態は、放射性であるか否かに関わらず、本明細書に提供されている実施形態の範囲内に包含されるものとする。
(b)化合物(I)および(II)の合成および特性評価
本出願全体にわたって以下の略語を使用する。
ACN:アセトニトリル
AcOH:酢酸
aq:水溶液
Boc:t−ブトキシカルボニル
DCE:ジクロロエタン
DCM:ジクロロメタン
DIEA(DIPEA):ジイソプロピルエチルアミン
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
DME:1,2−ジメトキシエタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
dppf:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCI:1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
EC50:最大効果の50%を生じる有効濃度
ESI:エレクトロスプレーイオン化
EtO:ジエチルエーテル
EtN、TEA:トリエチルアミン
EtOAc、EtAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
g:グラム
hまたはhr:時間
HATU:ヘキサフルオロリン酸2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム
HBTU:ヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム
Hex:ヘキサン
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IC50:測定された活性において50%の低下を引き起こす阻害剤の濃度
IPA:2−プロパノール
IPOAc:酢酸イソプロピル
LC−MS:液体クロマトグラフィ質量分析
MEK:メチルエチルケトン
MeOH:メタノール
min:分
mmol:ミリモル
Moc:メトキシルカルボニル
MTBE:メチルtert−ブチルエーテル
N.A.:開口数
PG:保護基
1−PrOH:1−プロパノール
rt:室温
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィ
化合物Iおよび化合物IIの固形を、各種技術および機器を用いて特性評価する。それらの操作および生データの分析方法は当業者によく知られている。特性評価方法の例としては、X線粉末回折法、示差走査熱量測定法、熱重量分析法およびホットステージ法が挙げられるが、これらに限定されない。
当業者であれば、X線回折パターンなどのこれらの測定結果はいずれも、測定が行われる条件、機器モデルの変更に依存する測定誤差と共に得られることを理解しているであろう。複数の分析手段で収集されたデータに基づく固形の実質的な同一性の確認能力は、当業者の技能の範囲内である。
機器技術
示差走査熱量測定法(DSC)
冷蔵冷却システム(RCS)を備えたTA Instruments 2920(またはQ2000などの他のモデル)示差走査熱量計を用いてDSC分析を行った。NISTトレーサブルなインジウム金属を用いて温度較正を行った。試料をアルミニウム製DSCパンに入れ、その重量を正確に記録した。このパンを蓋で覆い、蓋を圧着した。重量を測って圧着したアルミニウム製パンをセルの基準側面に置いた。この試料セルを−30℃で平衡化し、最終温度の250℃になるまで2〜10℃/分の速度の窒素パージ下で加熱した。報告されている温度は転移最大値である。
−50から200℃まで2℃/分の基礎加熱速度で、±0.8℃の振幅変調および60秒間の周期を用いて、変調したDSC(「MDSC」)データが得られた。
繰り返しのDSC分析のために、試料セルを周囲温度で平衡化した後、20℃/分の速度で−60℃に窒素下で冷却した。試料セルをこの温度で保持した後、放置して加熱し、125℃で平衡化した。20℃/分の速度で−60℃まで再び冷却した。試料セルをこの温度で保持し、最終温度の250℃まで20℃/分の速度で再び加熱した。
動的蒸気吸着/脱着(DVS)
VTI SGA-100蒸気吸着分析装置(Vapor Sorption Analyzer)で、動的蒸気吸着/脱着(DVS)データを収集した。NaClおよびPVPを較正標準物質として使用した。分析前に試料を乾燥しなかった。窒素パージ下で10%ずつ相対湿度を増加させて5〜95%の相対湿度範囲にわたって吸着および脱着データを収集した。分析のために使用した平衡基準は、5分で0.0100重量%未満の変化であり、最大平衡時間は3時間であった。試料の最初の含水量に関するデータは収集しなかった。
ホットステージ顕微鏡法
SPOT Insight(商標)カラーデジタルカメラを備えたLeica DM LP顕微鏡に取り付けた
Linkamホットステージ(FTIR600モデル)を用いて、ホットステージ顕微鏡法を行った。USP融点標準物質を用いて温度較正を行った。試料をカバーガラスの上に置き、別のカバーガラスを試料の上に置いた。ステージを加熱している間に、交差偏光子および一次赤色補償板を備えた20×0.40開口数の作動距離対物レンズを用いて、各試料を目視で観察した。SPOTソフトウェア(バージョン4.5.9)を用いて画像を取得した。
熱重量分析法(TGA)
TA Instruments 2950熱重量分析器を用いてTGA分析を行った。ニッケルおよびAlumel(商標)を用いて温度較正を行った。各試料をアルミニウム製パンに入れ、TGA炉に挿入した。この炉を最終温度の350℃まで窒素下、10℃/分の速度で加熱した。
X線粉末回折法(XRPD)
Inel XRG-3000回折計
120°の2θ範囲を有する湾曲した位置有感検出器を備えたInel XRG RG-3000回折計を用いて、XRPDパターンを収集した。Cu Kα放射線(40kV、30mA)の入射ビームを使用して、0.03°の2θ分解能でデータをリアルタイムで収集した。分析前に、ケイ素標準物質(NIST SRM 640c)を分析して、Si(111)ピーク位置を確認した。それらを薄壁ガラス毛管に充填して、分析用試料を調製した。各毛管を角度計の頭部に取り付け、データを取得している間に回転させた。一般に、モノクロメータのスリットを5mm×160μmに設定し、試料を5分間分析した。
Bruker社製D-8 Discover回折計
また、Bruker社製D-8 Discover回折計およびBruker社製General Detector System(GADDS、バージョン4.1.20)を用いて、XRPDパターンを収集した。微小焦点X線管、Gobel鏡および0.5mmダブルピンホールコリメータを用いて、Cu Kα放射線の入射マイクロビームを生成した(40kV、40mA)。分析前に、ケイ素標準物質(NIST SRM 640c)を分析して、Si(111)ピーク位置を確認した。試料を3μm厚さの膜の間に挟んで、持ち運び可能な円盤型の標本を形成した。調製した標本を並進ステージに固定された保持装置に装着した。ビデオカメラおよびレーザーを使用して、透過幾何学的形状の入射ビームと交差するように目的の領域を位置決めした。入射ビームをラスター走査して、配向統計(orientation statistics)を最適化した。ビームストップを使用して、入射ビームからの空中散乱を最小限に抑えた。試料から15cmの位置に配置したHi−Star面検出器を用いて回折パターンを収集し、GADDSを用いて処理した。回折パターンのGADDS画像中の強度を0.04°の2θのステップサイズを用いて積分した。積分したパターンは、2θの関数として回折強度を表す。
PANalytical EXPERT Pro MPD回折計
PANalytical X'Pert Pro回折計を用いて、XRPDパターンを収集した。Optix社製の長焦点微小焦点線源を用いて、Cu Kα放射線の入射ビームを生成した。楕円状に漸変した(elliptically graded)多層膜鏡を使用して、線源のCu KαX線の焦点を、標本を通して検出器上に合わせた。X'Pert Pro Data Collectorソフトウェア(バージョン2.2b)を用いて、データを収集および分析した。分析前に、ケイ素標本(NIST SRM 640c)を分析して、Si(111)ピーク位置を確認した。標本を3μmの厚さの膜の間に挟み、透過幾何学で分析し、回転させて配向統計を最適化した。ビームストップ、短い散乱防止伸長部および散乱防止ナイフエッジを使用して、空中散乱により生成されるバックグラウンドを最小限に抑えた。入射および回折ビームのためのソーラースリットを使用して、入射および回折ビームの軸発散を最小限に抑えた。標本から240mmの位置に配置した走査位置有感検出器(X’Celerator)およびData Collectorソフトウェア(バージョン2.2b)を用いて、回折パターンを収集した。
Shimadzu社製XRPD−6000回折計
Shimadzu社製XRPD−6000X線粉末回折計を用いて、XRPDパターンを収集した。長焦点微小焦点X線管および湾曲したグラファイトモノクロメータを用いて、Cu Kα放射線の入射ビームを生成した(40kV、40mA)。発散スリットおよび散乱スリットを1°に設定し、受光スリットを0.15mmに設定した。NaIシンチレーション検出器によって回折した放射線を検出した。XRPD−6100/7000ソフトウェア(バージョン5.0)を用いて、データを収集および分析した。分析前に、ケイ素標準物質(NIST SRM 640c)を分析して、Si(111)ピーク位置を確認した。アルミニウム製保持装置内のそれらをケイ素ゼロバックグラウンド挿入物で置き換えて、分析用の試料を調製した。パターンは典型的に、2.5〜40°の2θの間で3°/分のθ−2θ連続走査(0.4秒/0.02°のステップ)を用いて収集した。
プロトン核磁気共鳴(NMR)
およそ400MHzのHラーモア周波数でVarian UNITYINOVA-400分光計を用い、周囲温度で、主に溶液1H NMRスペクトルを取得した。試料を典型的に、基準としてテトラメチルシラン(TMS)を含有するd−DMSOまたはCDODに溶解した。
実施例
実施例:化合物Iと化合物Iの遊離塩基(「化合物I−FB」)の他の塩形態との比較
化合物Iに達するために、化合物I−FB:
Figure 2015506987
のいくつかの塩を調製した。化合物I−FBの溶解度スクリーニングに基づき、原液を調製するための溶媒として4種の混合溶媒:エタノール/ヘプタン(1/0.5(v/v))、EtOAc/MTBE(1/0.5(v/v))、ACN/水(1/0.5(v/v))およびアセトン/トルエン(1/16(v/v))を選択し、塩スクリーニングのために使用した。およそ25mgの化合物I−FBを32個のバイアルのそれぞれに秤量し、次いで、各混合溶媒を使用してバイアルのうち8個のバイアル中の試料を溶解した。試験用対イオンの当量モル比の対イオン(HCl、2HCl、リン酸、HBr、2HBr、スルホン酸、フェニルスルホン酸およびメシル酸)を添加した。2HClおよび2HBrについてはこの比を1に対して2に設定した。各試料の物理的観察結果を以下の表16に示す。
Figure 2015506987
エタノール/ヘプタン=1/0.5(v/v)およびEtOAc/MTBE=1/0.5(v/v)により、硫酸塩の固体を生成することができた。アセトン/トルエン=1/16(v/v)により、2HBr塩、硫酸塩、フェニルスルホン酸塩およびメシル酸塩の固体を得ることができた。ゆっくりと蒸発させた後に得られた固体を顕微鏡観察によってさらに特性評価した。2.5倍、10倍および20倍の対物レンズと、粒子形状、大きさ、および結晶化度を示す画像を取得するためのデジタルカメラとを備えたLeica DMLP偏光顕微鏡を用いて顕微鏡法を行った。液浸油に分散させた試料の複屈折および晶癖を得るために、交差偏光子を使用した。図26に見られるように、複屈折のない固体のみを観察することができた。結晶形成に関するさらなる評価または多形スクリーニングのために、化合物I−FBの2HCl塩(従って、化合物I)を選択した。

実施例:化合物I(別名:化合物3−3の2HCl塩)の合成
Figure 2015506987
工程1:スキーム1を参照。DCM(35.0L、10.0体積)を、窒素雰囲気下で100LのQVF反応器に充填した。反応物質を10〜15℃に冷却した後、無水AlCl(2.65kg、1.1当量)を90〜120分かけて数回に分けて添加した。その後、反応混合物を0℃に冷却し、完全溶解のために撹拌しながらClCHCOCl(1.51L、1.05当量)を90〜120分かけてゆっくりと添加した。別々に、DCM(35.0L、10.0体積)および2−ブロモナフタレン(3.50kg、1.0当量)を、窒素雰囲気下で200Lのガラス被覆反応器(GLR:Glass Lined Reactor)に充填し、得られた物質を0〜5℃に冷却した。次に、100LのQVFに入れた最初に調製した溶液を、内部温度を0〜5℃に維持しながら、滴下漏斗を通して2〜3時間かけて200LのGLRにゆっくりと添加した。反応物質を、この温度で60分間を超えて撹拌し、HPLC分析によって監視した。HPLC分析によって測定した際に95%を超える2−ブロモナフタレンが消費された後、冷水(70.0L、2.0体積)を撹拌しながら200LのGLR反応器に慎重に添加して反応を止めた。CHCl層を分離し、精製水で3回(50L×3、14.0体積)、飽和塩水で1回(50L×1、14.0体積)洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を減圧下(600mmHg)で除去し、残留物をEtOAc(17.5L)に60〜65℃で溶解した。次いで、透明な溶液にヘキサン(35.0L、10.0体積)を65〜70℃で添加した。混合物を1時間撹拌し、25〜30℃に徐々に冷却した。得られた混合物を濾過し、固体をヘキサン(1.75L×2)で洗浄し、真空棚段乾燥器内で40〜45℃で12時間乾燥して、化合物1−2(1.88kg、40%の収率)をHPLCによって測定した95%超の純度を有する灰色がかった白色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 283.9 [M + H]+1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.44 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.04 (d, J = 11.0 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.81 (s, 2H) ppm。
工程2:化合物1−2(3.7kg、1.0当量)およびCHCN(74.0L、20.0体積)を、窒素雰囲気下で200Lのステンレス鋼製反応器(SSR:Stainless Steel Reactor)に充填した。この溶液にEtN(9.10L、5.0当量)を25〜30℃で30〜45分かけてゆっくりと添加した後、N−Boc−L−プロリン(3.23kg、1.15当量)を数回に分けて90分かけて添加した。得られた反応物質を25〜30℃で撹拌し、HPLCで監視した。12時間撹拌した後、HPLC分析により97%超の化合物1−2が消費されたことを確認した。次に、反応物質を真空中(600mmHg)、40〜45℃で濃縮してCHCNを除去し、得られたシロップ状物を精製水(50.0L)と共に添加し、EtOAcで2回(25L×2)抽出した。有機抽出物を精製水で2回(25L×2)、飽和塩水で1回(25.0L)洗浄した。その後、有機層を無水NaSOで乾燥し、最初にハウス真空(house vacuum)(600mmHg)中、最後に高真空中で濃縮して、化合物1−3(5.50kg、91%の収率)をHPLC分析によって測定した92.0%超の純度を有する褐色の半固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 463.1 [M + H]+1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 8.74 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.91 ‐ 8.07 (m, 3H), 7.75 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.54 ‐ 5.73 (m, 2H), 4.34 (m, 1H), 3.30 ‐ 3.37 (m, 3H), 2.23 ‐ 2.29 (m, 1H), 2.12 ‐ 2.15 (m, 1H), 1.81 ‐ 1.95 (m, 2H), 1.30 (m, 9H) ppm。
工程3:化合物1−3(5.50kg、1.0当量)およびトルエン(55L、10.0体積)を、窒素雰囲気下で200LのSSRに充填した。得られた反応物質に、NHOAc(9.20kg、10.0当量)を窒素雰囲気下、25〜30℃で添加した。次に、反応物質を110〜115℃で加熱し、反応で生成した水を共沸除去した。HPLC分析によって測定した際に97%を超える化合物1−3が消費された後、反応物質を減圧下(600mmHg)で濃縮してトルエンを完全に除去し、約25〜30℃に冷却した。残留物を撹拌しながらEtOAc(55.0L、10.0体積)および精製水(55.0L、10.0体積)で希釈した。有機層を分離し、精製水で2回(25L×2)、飽和塩水で1回(25L×1)洗浄し、無水NaSOで乾燥した。乾燥剤の除去後すぐに、溶媒を真空中(600mmHg)、40〜45℃で除去して粗製生成物を得、これをMTBE(2.0体積)と共に1時間撹拌し、濾過した。固体を冷たいMTBE(2.75L、0.5体積)で洗浄し、真空棚段乾燥器内で40〜45℃で12時間乾燥して、化合物1−4a(3.85kg、73%の収率)を、HPLC分析によって測定した99.0%超の純度を有し、かつキラルHPLC分析(Chiralpak AD-H(250×4.6mm)、溶離液:ヘキサン/EtOH=80/20(v/v)、流速:0.7mL/分)によって測定した99.7%超の鏡像異性体純度を有する淡黄色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 443.1 [M + H]+1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 8.23 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.93 (m, 1H), 7.84 (m, 2H), 7.54 - 7.56 (m, 2H), 4.77 ‐ 4.85 (, 1H), 3.53 (m, 1H), 3.36 (m, 1H), 2.16 ‐ 2.24 (m, 1H), 1.84 ‐ 1.99 (m, 3H), 1.39および1.10 (s, s, 9H) ppm。
工程4:化合物1−4a(3.85kg、1.0当量)および1,4−ジオキサン(58.0L、15.0体積)を、窒素雰囲気下で200LのSSRに充填した。次に、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.43kg、1.1当量)、KOAc(2.56kg、3.0当量)およびPd(dppf)Cl(285.0g、0.04当量)を、窒素雰囲気下、25〜30℃でSSRに充填した。得られた反応物質を25〜30℃で30〜45分間窒素で脱気した。その後、反応物質を75〜80℃で4〜5時間撹拌し、HPLC分析で監視した。97%超の化合物1−4aが消費された後、反応物質を濃縮して、最初に真空中(600mmHg)、最後に高真空中、45〜50℃でジオキサンを除去した。水(35.0L)およびEtOAcを撹拌しながら添加した。層を分離し、有機層を飽和塩水溶液(25.0L)で洗浄し、活性炭で処理し、セライト(Celite)(商標)545パッドで濾過した。濾液を濃縮し、次いで残留物をMTBE(5.0L、10.0体積)からの沈殿により精製して、化合物1−5a(3.10kg、73%の収率)をHPLC分析によって測定した96.0%超の純度を有する淡黄色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 490.3 [M + H]+
化合物1−4bの合成:化合物1−4a(2.0g、4.5mmol)のジオキサン(25mL)溶液に4.0NのHClのジオキサン溶液(25mL)を添加した。室温で4時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残留物を真空乾燥して、化合物1−4b(2.1g)を黄色の固体として得、これをさらに精製することなく使用した。LC-MS (ESI): m/z 342.1 [M+H]+
化合物1−4cの合成:化合物1−4b(2HCl塩、1.87g、4.5mmol)とDMF(25mL)との混合物を、HATU(2.1g、5.4mmol)、DIPEA(3.7mL、22.5mmol)およびN−Moc−L−バリン(945mg、5.4mmol)に添加した。室温で15分間撹拌した後、反応混合物を冷水(400mL)にゆっくりと添加した。得られた懸濁液を濾過し、固体を冷水で洗浄し、真空乾燥して、化合物1−4c(2.2g、98%の収率)を白色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 500.1 [M + H]+
化合物1−4dの合成:化合物1−4cの合成について記載されている手順に従い、N−Moc−L−バリンをN−Moc−O−Me−L−トレオニンで置き換えて、化合物1−4dを得た。LC-MS (ESI): m/z 516.1 [M + H]+
化合物1−5bの合成:化合物1−5aの合成について記載されている手順に従い、化合物1−4aを1−4cで置き換えて、化合物1−5bを得た。LC-MS (ESI): m/z 547.3 [M + H]+
化合物1−5cの合成:化合物1−5aの合成について記載されている手順に従い、化合物1−4aを1−4dで置き換えて、化合物1−5cを得た。LC-MS (ESI): m/z 563.3 [M + H]+
Figure 2015506987
工程1:スキーム2を参照。N−Boc−L−プロリン(4.02kg、1.0当量)およびTHF(52.5L、15.0体積)を、窒素雰囲気下で200Lの反応器に充填した。混合物を20〜25℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.8L、1.5当量)を60分かけて添加した。次に、HATU(7.11kg、1.0当量)を、窒素雰囲気下、20〜25℃で90〜120分かけて数回に分けてゆっくりと添加した。同じ温度で15分間撹拌した後、4−ブロモ−1,2−ジアミノベンゼン(3.50kg、1.0当量)を90〜120分かけて数回に分けて反応器に添加した。得られた反応物質を同じ温度で撹拌した。4〜5時間撹拌した後、HPLC分析により97%超の4−ブロモ−1,2−ジアミノベンゼンが消費されたことを確認した。反応物質を減圧下(600mmHg)で濃縮してTHFを40℃未満で除去し、残留物を酢酸エチル(40.0L、10.0体積)および精製水(25.0L、7.0体積)で希釈した。得られた混合物を十分に撹拌し、有機層を分離した。その後、有機層を精製水(25L×3、7.0体積)および飽和塩水溶液(25L×1、7.0体積)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を高真空中、40℃未満で除去して中間体を得、これを氷AcOH(24.5L、7.0体積)に溶解した。得られた混合物を40〜42℃で撹拌し、HPLCで監視した。10〜12時間撹拌した後、HPLC分析により97%超の中間体が消費されたことを確認した。AcOHを高真空中、40〜45℃で完全に留去した。得られたシロップ状の物質をEtOAc(50.0L、14.0体積)で希釈し、撹拌しながら水(25.0L、7.0体積)で洗浄して精製した。有機層を分離し、5.0%(w/w)のNaHCO水溶液で2回(25.0L×2、7.0体積)、精製水で2回(25.0L×2)、飽和塩水で1回(25L×1、7.0体積)洗浄し、無水NaSOで乾燥した。この溶液を活性炭で処理した後、濾過し、真空下(600mmHg)、40〜45℃で濃縮して、粗製生成物を泡状の固体(5.20kg)として得た。残留物を撹拌しながらMTBE(5.2L、1.5体積)に懸濁させ、固体を濾過により回収し、MTBE(1.75L、0.5体積)で洗浄し、真空棚段乾燥器内で40〜45℃で12時間乾燥して、化合物2−2a(4.20kg、63%の収率)を、HPLC分析によって測定した98.0%超の純度を有する淡褐色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 366.1 [M + H]+1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 12.40 (m, 1H), 7.58 ‐ 7.70 (m, 1H), 7.37 ‐ 7.46 (m, 1H), 7.24 (m, 1H), 4.85 ‐ 4.94 (m, 1H), 3.54 (, 1H), 3.35 ‐ 3.53 (m, 1H), 2.20 -2.32 (m, 1H), 1.88 ‐ 1.96 (m, 3H), 1.38および0.98 (s, s, 9H) ppm。
工程2:化合物2−2a(5.05g、13.8mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(7.1g、27.9mmol)およびKOAc(3.2g、32.5mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(100mL)溶液に、Pd(dppf)Cl(400mg、0.5mmol)を窒素雰囲気下で添加した。窒素雰囲気下、80℃で3時間撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc=2/1(v/v))で精製して、化合物2−3a(3.0g、53%の収率)を灰色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 414.2 [M + H]+
化合物2−2bの合成:化合物2−2a(4.0g、10.9mmol)のジオキサン(40mL)溶液に、4NのHClのジオキサン溶液(40mL)を添加した。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮した。残留物をDCMで洗浄し、濾過し、真空乾燥して、塩酸塩を定量的収率で得た。その後、この塩(10.9mmol)をDMF(30mL)に溶解し、得られた溶液をDIPEA(5.8mL、33.0mmol)に添加し、次いで、N−Moc−L−バリン(2.1g、12.1mmol)およびHATU(4.6g、12.1mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物をHOとDCMとの間で分配した。その後、有機相をHOおよび塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過および濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(DCM/石油エーテル=4/1(v/v))で精製して、化合物2−2b(3.0g、65%の収率)を得た。LC-MS (ESI): m/z 424.1 [M + H]+
化合物2−cの合成:化合物2−2bを調製するための手順と同じ手順に従い、N−Moc−L−バリンをN−Moc−L−イソロイシンで置き換えて、化合物2−2cを得た。LC-MS (ESI): m/z 438.1 [M + H]+
化合物2−3bの合成:化合物2−3aの合成について記載されている手順に従い、化合物2−2aを2−2bで置き換えて、化合物2−3bを得た。LC-MS (ESI): m/z 471.3 [M + H]+
化合物2−3cの合成:化合物2−3aの合成について記載されている手順に従い、化合物2−2aを2−2cで置き換えて、化合物2−3cを得た。LC-MS (ESI): m/z 485.3 [M+H]+
Figure 2015506987
工程1:スキーム3を参照。化合物1−5a(1.3kg、1.0当量)、2−2a(975.0g、1.0当量)、NaHCO(860.0g、3.80当量)、Pd(dppf)Cl(121.7g、0.05当量)、精製水(5.2L、4.0体積)および1,2−ジメトキシエタン(DME)(24.7L、19.0体積)を、アルゴン雰囲気下で50.0Lの四つ口丸底フラスコに充填した。アルゴンで30分間脱気した後、反応物質を約80℃にゆっくりと加熱し、この温度で12〜14時間撹拌した。HPLC分析により、97%超の化合物2−2aが消費されたことを確認した。次に、反応物質を濃縮して、真空中(600mmHg)、40〜45℃でDMEを完全に除去し、残留物を撹拌しながら20%(v/v)のMeOHのDCM溶液(13.0L、10体積)および精製水(13.0L、10.0体積)で希釈した。有機層を分離し、水層を20%(v/v)MeOHのDCM(6.5L×2、10.0体積)溶液で抽出した。1つにまとめた有機抽出物を水で2回(6.5L×2、10.0体積)、飽和塩水で1回(6.5L、5.0体積)洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を真空中(600mmHg)で除去し、残留物をヘキサン/EtOAcを溶離液とするシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィで精製して、化合物3−1(1.0kg、63%の収率)をHPLC分析によって測定した98.0%超の純度を有する灰色がかった白色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 649.3 [M + H]+1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 12.26 ‐ 12.36 (m, 1H), 11.88 ‐ 11.95 (m, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.91 (m, 3H), 7.85 ‐ 7.87 (m, 2H), 7.51 ‐ 7.81 (m, 3H), 4.78 -4.99 (m, 2H), 3.55 ‐ 3.59 (m, 2H), 3.35 ‐ 3.44 (m, 2H), 2.30 ‐ 2.47 (m, 2H), 1.85 ‐ 2.01 (m, 6H), 1.39, 1.14, 1.04 (s, s, s, 18H) ppm。あるいは、同じ手順に従い、鈴木カップリング成分として化合物1−5aおよび2−2aの代わりに化合物1−4aおよび2−3aを用いて、化合物3−1を得ることができる。
工程2:化合物3−1(1.0kg、1.0当量)およびIPA(7.0L、7.0体積)を、窒素雰囲気下で20.0Lの四つ口RBフラスコに充填した。反応物質を18〜20℃に冷却し、3.0NのHClのイソプロピルアルコール溶液(7.0L、7.0体積)を、窒素雰囲気下で90〜120分かけて添加した。窒素雰囲気下、25〜30℃で10〜12時間撹拌した後、HPLC分析により、98%超の化合物3−1が消費されたことを確認した。次に、反応物質を濃縮して、真空中、40〜45℃でIPAを除去した。得られた半固体を撹拌しながらアセトン(2.0L、2.0体積)に添加し、得られた懸濁液を窒素雰囲気下で濾過した。固体をアセトン(2.0L、2.0体積)で洗浄し、真空棚段乾燥器内で40〜45℃で10時間乾燥して、化合物3−2(860g、94%の収率)を、HPLC分析によって測定した98.0%超の純度を有する淡黄色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 449.2 [M + H]+1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 10.49 ‐ 10.59 (m, 2H), 10.10および9.75 (m, m, 2H), 8.60 (s, 1H), 8.31 (s, 2H), 8.15 (m, 1H), 8.13 ‐ 8.15 (m, 2H), 7.96 ‐ 8.09 (m, 2H), 7.82 (s, 2H), 5.08 (m, 2H), 3.39 ‐ 3.53 (m, 4H), 2.47 ‐ 2.54 (m, 3H), 2.37 (m, 1H), 2.14 ‐ 2.21 (m, 2H), 2.08 (m, 2H) ppm。
工程3:化合物3−2(2.2kg、1.0当量)を、窒素雰囲気下でDMF(4.4L、20.0体積)を充填した四つ口丸底フラスコに添加した。15分間撹拌した後、混合物を25〜30℃でN−Moc−L−バリン(226.2g、3.52当量)に一度で添加した。次に、混合物を−20〜−15℃に冷却し、次いで、HATU(372.9g、2.0当量)を30分かけて数回に分けて添加した。10分間撹拌した後、DIPEA(238.9g、5.0当量)のDMF(1.1L、5.0体積)溶液を45分かけて添加した。その後、反応物質を撹拌しながら25〜30℃に温めた。1時間撹拌した後、HPLC分析により、99%超の化合物3−2が消費されたことを確認した。反応混合物を水(38.0L)に入れ、混合物をDCM(10.0L×3、45.0体積)で抽出した。1つにまとめた有機抽出物を水(10.0L×3、45.0体積)および飽和塩水(10L、45.0体積)で洗浄し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を真空中(600mmHg)、40〜45℃で除去し、残留物をDCMおよびMeOHを溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、化合物3−3(1.52kg、47%の収率)を、HPLC分析によって測定した97.0%超の純度を有する灰色がかった白色の固体として得た。LC-MS (ESI): m/z 763.4 [M + H]+1H NMR (400 MHz, d6-DMSO): δ 8.60 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.09 ‐ 8.14 (m, 2H), 7.99 ‐ 8.05 (m, 2H), 7.86 ‐ 7.95 (m, 3H), 7.20-7.21 (m, 2H), 5.24 ‐ 5.33 (m, 2H), 4.06 ‐ 4.18 (m, 4H), 3.83 (m, 2H), 3.53 (m, 6H), 2.26 ‐ 2.55 (m, 10H), 0.85 (m, 6H), 0.78 (m, 6H) ppm。3−2から3−3(化合物I)への変換は、ある範囲の条件により達成することができる。これらの条件のうちの1つを以下に記載する。
反応器にN−Moc−バリン(37.15g、0.211mol)、アセトニトリル(750mL)およびDIPEA(22.5g)を充填した。反応混合物を10分間撹拌し、温度を2℃未満に維持しながら、HOBT(35.3g、0.361モル)およびEDCI(42.4g、0.221モル)を添加した。反応混合物を30分間撹拌し、DIPEA(22.5g)および化合物3−2(48.0g、0.092モル)を30分かけて反応器にゆっくりと添加して、温度を3℃未満に維持した。反応混合物を20〜25℃で4時間撹拌し、試料をHPLCによる反応完了分析(reaction completion analysis)に供した(IPC仕様:1.0%未満の面積に3−2が残留)。HPLC分析によって反応の完了を確認して、酢酸イソプロピル(750mL)を反応器に添加し、10分間撹拌した。有機層(生成物層)を塩水(300mL×2)および2%のNaOH(200mL)で洗浄した。有機溶液をシリカゲルパッドで濾過して不溶性物質を除去した。シリカゲルパッドを酢酸イソプロピルで洗浄し、最小の体積になるまで真空中(400mm/Hg)で濃縮した。粗製生成物を、酢酸エチルおよびメタノーを溶離液として用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して、95%超の純度を有する化合物3−3(38.0g、65%の収率)を得た。LC-MS (ESI): m/z 763.4 [M + H]+
工程4:化合物3−3(132.0g、1.0当量)およびエタノール(324.0mL、2.0体積)を、窒素雰囲気下で10Lの四つ口丸底フラスコに充填した。15分間撹拌した後、懸濁液を5〜10℃に冷却し、それを2.0NのHClのエタノール溶液(190mL、1.5体積)に30分かけて添加した。得られた溶液を放置して25〜30℃に温めた。アセトン(3.96L、30.0体積)を90分かけてその中に添加して、ゆっくりと沈殿を生じさせた。次に、懸濁液を60℃に温め、別のバッチのアセトン(3.96L、30.0体積)を90分かけて添加した。その温度を55〜60℃に1時間維持した後、放置して25〜30℃に冷却した。25〜30℃で8〜10時間撹拌した後、混合物を濾過した。固体をアセトン(660.0mL、5.0体積)で洗浄し、真空棚段乾燥器内で50〜55℃で16時間乾燥して、HPLC分析によって測定した96.6%超の純度を有する化合物3−3(化合物I)の2HCl塩(101g、71%の収率)を淡黄色の固体として得た。
N−Moc−L−バリンの調製
N−Moc−L−バリンは購入可能であるが調製することもできる。1.0当量のL−バリン塩酸塩を水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを含む2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeTHF)/水に溶解し、次いで1.0当量のクロロギ酸メチルで0〜5℃で6時間処理して、Moc−L−バリンを調製した。反応混合物を2−MeTHFで希釈し、HClで酸性にし、有機層を水で洗浄した。2−MeTHF溶液を濃縮し、本化合物をn−ヘプタンで沈殿させた。固体を2−MeTHF/n−ヘプタンで洗い流し、真空乾燥して、N−Moc−L−バリンを68%の収率で得た。
A型を得るための化合物Iの結晶化
化合物Iの塩の形成および結晶化(実施例1)
エタノール(3.19L、1.0体積、200プルーフ)を、窒素雰囲気下で230Lのガラス被覆反応器に充填した。遊離塩基型の化合物3−3(3.19kg、4.18mol)を撹拌しながらフラスコに添加し、さらに20〜30分間撹拌し続けた。高濃度の3−3のエタノール溶液に、2.6NのHClのエタノール溶液(3.19L、1.0体積)を窒素雰囲気下、20〜25℃で上記物質にゆっくりと添加した。物質全体を室温で20分間撹拌し、次いで45〜50℃に加熱した。アセトン(128.0L、40.0体積)を3〜4時間かけて45〜50℃で上記反応物質に添加した後、約25℃に冷却し、約15時間撹拌した。沈殿した固体を濾過により回収し、アセトン(6.4L×2、4.0体積)で洗浄し、1時間吸引乾燥し、真空棚段乾燥器内で40〜45℃で12時間さらに乾燥した。収率:2.5kg(71.0%の収率)、HPLCによる純度:97.70%、XRPD:非晶質。
イソプロピルアルコール(7.5L、3.0体積)を、窒素雰囲気下で保護された50.0Lのガラス製反応器に充填した。3−3(2.5kg)の非晶質2HCl塩を撹拌しながら上記反応器に添加した。物質全体を60〜65℃に加熱して、透明な溶液を得た。65±2℃で約15時間撹拌し続け、この間に固体形成が始まった。加熱温度を3時間かけて約50℃まで低下させ、メチル第三ブチルエーテル(12.5L、5.0体積)を穏やかに撹拌しながら約3時間かけて上記物質にゆっくりと添加した。上記反応物質を2〜3時間かけて25〜30℃にさらに冷却した。固体を濾過により回収し、10.0%のイソプロピルアルコールのメチル第三ブチルエーテル溶液(6.25L、2.5体積)で洗浄し、1時間吸引乾燥し、棚段乾燥器内で真空中(600mm/Hg)、45〜50℃で70〜80時間さらに乾燥した。収率:2.13kg(85.0%の回収、遊離塩基型化合物3−3の投入量に基づき61.0%の収率)、HPLCによる純度:97.9%。
図1:1H NMR (500 MHz, d6-DMSO): δ 15.6 (bs, 2H), 14.7 (bs, 2H), 8.58 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.18 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.31 (m, 1H), 5.26 (m, 1H), 4.16 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.04 (m, 2H), 3.87 (m, 2H), 3.55 (s, 6H), 2.42 (m, 2H), 2.22-2.26 (m, 4H), 2.07-2.14 (m, 4H), 0.86 (d, J = 2.6 Hz, 3H), 0.84 (d, J = 2.6 Hz, 3H), 0.78 (d, J = 2.2 Hz, 3H), 0.77 (d, J = 2.2 Hz, 3H), 3.06 (s, MTBEのOMe), 1.09 (s, MTBEのt-Bu), 1.03 (d, IPAの2Me) ppm。
図2:13C NMR (500 MHz, d6-DMSO): δ 171.6, 171.5, 157.4, 156.1, 150.0, 138.2, 138.0, 133.5, 132.5, 131.3, 129.8, 129.4, 128.0, 127.0, 126.4, 125.6, 125.3, 124.4, 124.2, 115.8, 115.0, 112.5, 58.37, 58.26, 54.03, 53.34, 52.00 (2個の炭素), 47.71 (2個の炭素), 31.52, 31.47, 29.42 (2個の炭素), 25.94, 25.44, 20.13, 20.07, 18.37, 18.36 ppm。
図3:FT−IR(KBrペレット): 3379.0, 2963.4, 2602.1, 1728.4, 1600.0, 1523.4, 1439.7, 1420.6, 1233.2, 1193.4, 1100.9, 1027.3 cm-1
元素分析:C4252Clについての分析計算値:C, 60.35; H, 6.27; N, 13.41; Cl, 8.48。実測値:C, 58.63; H, 6.42; N, 12.65, Cl, 8.2。
図4:DSC:ピーク値、256.48℃。カールフィッシャー法による水分=1.0%。
図5:XRPD:結晶質。図5のピークは図6に列挙されている。XRPDの手順は、化合物Iの実施例2に示されている。
化合物Iの結晶化条件(実施例2)
化合物3−3の非晶質2HCl塩の試料(2.0g)を撹拌および65℃で加熱しながら6.0mLのイソプロピルアルコール(3.0体積)に溶解した。この溶液をこの温度で20時間撹拌すると、この間に結晶化が始まった。この物質を約50℃に冷却し、この温度で3時間維持した後、6.0mLのIPA(3.0体積)を1時間かけて添加した。この温度をさらに50℃に1時間維持した後、それを濾過し、固体を6.0mL(3.0体積)の冷却したIPAで洗浄し、真空棚段乾燥器内で40〜45℃で10時間乾燥した。収率:50.0%で1.0g。微小焦点X線管(40kV、40mA)を用いて生成したCu Kα放射線の入射マイクロビーム、Gobel鏡および0.5mmのダブルピンホールコリメータを備えたBruker社製D-8 Discover回折計およびBruker社製General Detector System(GADDS、バージョン4.1.20)を用いるXRPDにより、試料の結晶化度を分析した。試料から15cmの位置に配置したHi−Star面検出器を用いて回折パターンを収集し、GADDSで処理した。0.04°の2θのステップサイズを用いて回折パターンのGADDS画像における強度を積分した。積分したパターンは、2θの関数として回折強度を表す。データ取得パラメータは、得られたスペクトルとして図7に示されており、図7のピークは図8に示されている。
化合物Iの結晶化条件(実施例3)
およそ2gの非晶質化合物Iを一晩真空乾燥し、次いで、50mLの丸底フラスコ(約344mg/mL)に入れた6mLのIPAに添加した。このフラスコを冷水凝縮器に取り付け、この溶液を窒素下で20時間撹拌しながら、約60℃の油浴で加熱した。灰色がかった白色の固体が一晩で沈殿した。この溶液を、45℃までは約6℃/時間、45℃〜32.5℃の間は約12℃/時間、32.5℃〜室温の間は約24℃/時間の速度で、約60℃〜周囲温度に冷却した。周囲温度で、冷水凝縮器および窒素流を除去し、計10mL(IPA/MTBE=3/5(v/v))のために、MTBEを30分間滴下した。この溶液を一晩撹拌し、固体を真空濾過により回収し、50mLのフラスコを約5mLのIPAで洗浄した。固体を周囲温度で約2.5時間真空乾燥し、XRPDにより分析した(PANalytical X'PERT Pro MPD回折計の手順を参照)。A型の収率は約88%であった。データ取得パラメータは、鏡および入射ビーム散乱防止スリット(SS)の前に発散スリット(DS)を含む図9の得られたスペクトルに示されている。A型。
化合物Iの結晶化(実施例4)
また、化合物3−3の非晶質2HCl塩の試料を2日間にわたって高温(約60℃)でメタノールおよびジエチルエーテル(1:4の比)の混合物中でスラリー化させて、A型を得た。
PANalytica l X'PERT Pro MPD回折計を用いてXRPDを取得した(上記手順を参照)。各パターンに関するデータ収集パラメータは、発散スリット(DS)および入射ビーム散乱防止スリット(SS)を含む図10の得られたスペクトルに示されている。
図10の観察されたピークは付録Aの表1に示されており、図10の顕著なピークは付録Aの表2に示されている。これらの図および表の両方のx軸(2θ(°))に沿ったピーク位置は、PATTERNMATCH(商標)ソフトウェアのバージョン3.0.4を用いて自動的に決定されたものであり、上記判断基準に基づいて小数点以下1桁または2桁の有効数字に四捨五入されている。ピーク位置のばらつきは、米国薬局方(United States Pharmacopeia), USP 33再発行(USP 33 reissue), NF 28, <941>, R-93, 10/1/2010のX線粉末回折におけるばらつきに関する考察にまとめられている勧告に基づいて±0.2°の2θ以内に定められている。
この試料をプロトンNMRでも分析し、これによりAPIおよび微量のEtOを同定した。この溶液1H NMRスペクトルを、およそ400MHzのHラーモア周波数でVarian UNITYINOVA-400分光計を用いて周囲温度で取得した。この試料を、TMSを含むd−DMSOに溶解した。その結果および試料取得パラメータは、図11に示されている。
化合物Iの結晶化(実施例5)
また、A型を以下の手順によって得た。2.0gの非晶質2HCl塩の試料を加熱しながら6.0mLのIPAに溶解した。この混合物を穏やかに撹拌しながら65℃に約20時間維持した。固体が析出し、それを高温および真空乾燥しながら濾過して、約25%の回収収率でA型を得た。PANalytica l X'Pert PRO MPD回折計を用いてXRPDパターンを収集した(上記手順を参照)。データ取得パラメータは、鏡および入射ビーム散乱防止スリット(SS)の前に発散スリット(DS)を含む図12の得られたスペクトルに示されている。
この試料をプロトンNMRでも分析し、これにより、上に示したNMR手順によりAPI、IPA(0.2モル、1.3重量%)および水を同定した。その結果および試料取得パラメータは、図13に示されている。
この試料を、変調した示差走査熱量測定法および上記手順による熱重量分析法でも分析した。
得られたDSC曲線およびサーモグラムは、図14に示されている。
VTI SGA-IOO蒸気吸着分析装置を用いて、この試料の水分吸着/脱着データを収集した。較正標準物質としてNaClおよびPVPを使用した。分析前に試料を真空乾燥した。窒素パージ下で10%ずつ相対湿度を増加させて5〜95%の相対湿度範囲にわたって吸着および脱着データを収集した。分析のために使用した平衡基準は5分で0.0100重量%未満の変化であり、最大平衡時間は3時間であった。試料の最初の含水量についてのデータは収集しなかった。図15は、相対湿度に対する重量%をグラフ化したものを示す。付録Aの表3は、収集したデータを示す。
化合物Iの結晶化(実施例6)
また、A型をIPA/MTBE(1/1(v/v))から結晶化し、空気乾燥した。上記手順を用いてInel XRG-3000回折計でXRPDパターンを収集した。データ−取得パラメータは、図16内のスペクトルの上に示されている。
試料を熱重量分析法でも分析した。得られたサーモグラムは、図17に示されている。
この試料をカールフィッシャー法にも供した。Mettler Toledo DL39 KF滴定装置を用いて、水分測定のためのカールフィッシャー(KF)電量滴定法を行った。分析前にブランク滴定を行った。この試料を乾燥窒素雰囲気下で調製し、ここでは、90〜100mgの試料を、予備乾燥したバイアルに入れたおよそ1mLの乾燥Hydranal-Coulomat ADに溶解した。この溶液全体を、セプタムを介してKF電量計に添加し、10秒間混合した。次いで、この試料を発生電極により滴定すると、電気化学的酸化:2I→I+2eによりヨウ素が生成した。2つの複製物を得た。得られたデータは、以下の付録Aに添付されている表4および表5に示されている。
IPA/MTBEから結晶化した別の試料により、図18に示されているXRPDパターンが得られた。XRPD手順は、化合物I(実施例2)のための手順と同じである。ピークの一覧は、図19に示されている。
化合物Iの結晶化(実施例7)
化合物3−3(遊離塩基、1.71kg)およびエタノール(8.90kg)を凝縮器および蒸留装置を備えた反応器に充填した。そこに、測定pHが3未満になるまで十分な体積のHClのエタノール溶液(1.25M、約3.5kg)を撹拌しながら添加し、さらに30分間撹拌し続けた。溶媒を真空中、40±5℃未満で留去した。メタノール(20kg)を反応器に充填し、混合した後、溶媒を真空中、40℃未満で再び留去した(約18kg)。溶媒追跡プロセス(solvent chasing process)をメタノールでもう1回、IPA(15kg)で1回繰り返した。新しいIPA(14kg)を反応器に再度充填し、真空中、40±5℃未満で部分的に留去した(約7kg)。反応器の内容物を65±5℃に加熱し、結晶化が生じるように、この温度で47時間維持した。この物質を6時間かけて徐々に25±5℃に冷却し、この温度でさらに20時間撹拌し続けた。固体生成物を濾過により単離して第1の生成物を得た。
濾液をIPA(2.5kg×2)で支援される反応器に戻した。IPAを真空中40±5℃未満で、部分的に(約6kg)留去した。混合物を穏やかに撹拌しながら(90rpm)、65±5℃になるまで60時間加熱し、6時間かけて25±5℃に冷却し、さらに20時間冷却した。さらなる固体生成物を濾過により回収し、冷たいIPAで洗い流して第2の生成物を得た。2つの生成物を1つにまとめ、真空中、40±5℃で乾燥して、IPAを除去し、計1.294kgの生成物を得、XRPDにより結晶質のA型を確認した(図20)。熱重量分析は、図21に示されている。
HPLC純度を高めるために、同様の手順を用いてこの材料を再結晶化した。
上記(559g)およびメタノール(3.0kg)から得られた塩生成物を、蒸留装置を備えた反応器に充填した。メタノールを真空中、40℃未満で留去した(約2.8kg)。IPA(2.86kg)を添加し、真空中、40±5℃未満で留去した(約2.46kg)。新しいIPA(3.58kg)を添加し、真空中、40±5℃で部分的に留去した(2.43kg)。その内容物を穏やかに撹拌しながら(90rpm)、65±5℃で45時間加熱し、9時間かけて25±5℃に冷却し、さらに32時間冷却した。固体を濾過により回収し、一定の重量まで、真空乾燥器内で40±5℃の温度で2日間乾燥した。493gの化合物Iを得、さらに特性評価した。
A型の加圧
A型試料に約40℃/約75%の相対湿度(RH)で25〜27日間圧力を加えた。この試料をガラス製バイアルに添加し、次いで、飽和食塩水を含む広口瓶に蓋をせずに入れた。この広口瓶を密閉し、乾燥器に入れた。25日後、XRPD分析(図22に示されている)により、この材料がA型のままであることを確認した。図22は、上側の(i)圧力を加える前および下側の(ii)圧力を加えた後のA型のスペクトルを示す。長焦点微小焦点線源およびニッケルフィルタを用いて生成したCu Kα放射線の入射ビームを用いるPANalytical X'Pert PRO MPD回折計で、この試料のXRPDパターンを収集した。この回折計は、対称的配置のBragg−Brentano型を用いて構成されていた。分析前に、ケイ素標本(NIST SRM 640d)を分析して、Si(111)ピーク位置を確認した。試料の標本をニッケル被覆した銅製のウェルに充填した。散乱防止スリット(SS)を使用して、空気によって生じるバックグラウンドを最小限に抑えた。入射および回折ビームのためのソーラースリットを使用して、軸発散による広幅化を最小限に抑えた。試料から240mmの位置に配置した走査位置有感検出器(X’Celerator)およびData Collectorソフトウェアのバージョン2.2bを用いて、回折パターンを収集した。2種類のスペクトルのデータ取得パラメータは、図22の上に示されている。
27日後、熱重量分析(図23に示されている)により、25〜225℃の間で約10%の重量減少(5モルの水に相当)を確認した。圧力を加えていない材料と比べた場合のこの増加により、A型は高い相対湿度において吸湿性であることが分かった。TA Instruments Q5000 IRおよび2950熱重量分析器を用いてTG分析を行った。ニッケルおよびAlumel(商標)を用いて温度較正を行った。各試料をアルミニウム製パンに入れた。TA Instruments 2950で実験を行う試料は蓋をしないままにし、Q5000で実験を行う試料は密閉し、その蓋に穴をあけ、次いで、TG炉に挿入した。この炉を窒素中で加熱した。この試料を10℃/分で0℃から350℃に加熱した。
A型の溶解度
一定分量の各種溶媒を、目視による判断で完全な溶解が達成されるまで、周囲温度または高温で撹拌しながら(典型的には超音波処理)、一定量のA型に添加した。一定分量の添加によって行われた溶解度の評価により、A型が周囲温度および高温ではIPAおよびIPA/MTBE(2/1(v/v))混合物に難溶性であることが分かった。試料を周囲温度および高温で数日間放置してスラリー化したが、さらなる溶解は観察されなかった。さらに、A型は、純粋なIPAと比べて(3mg/mL未満と比べて33mg/mL)、周囲温度でIPA/水(95/5(v/v))に有意により溶解性であった。結果は、付録Aの中の表7に示されている。
実施例:化合物IIの合成(別名:化合物4−3の2HCl塩)
Figure 2015506987
工程1:スキーム4を参照。スキーム3(化合物Iの合成)の中の化合物3−1の合成について先に記載した手順に従い、2−2aを2−2cで置き換えて、HPLC分析によって測定した94.0%超の純度を有する灰色がかった白色の固体として化合物4−1を得た(3.4kg、54%の収率)。LC-MS (ESI) m/z 720.4 [M+H]+。あるいは、同じ鈴木カップリング条件に従い、化合物1−5aおよび2−2cを化合物1−4aおよび2−3cで置き換えて、化合物4−1を得ることができる。
工程2:スキーム3の中の化合物3−2の合成について先に記載した手順に従い、化合物3−1を4−1で置き換えて、HPLC分析によって測定した95.0%超の純度を有する黄色の固体として化合物4−2を得た(2.2kg、85%の収率)。LC-MS (ESI) m/z 620.3 [M + H]+
工程3:スキーム3の中の化合物3−3の合成について先に記載した手順に従い、化合物3−2を4−2で置き換えて、HPLC分析によって測定した92%超の純度を有する淡黄色の固体として化合物4−3を得た(65g、57%の収率)。LC-MS (ESI) m/z 793.4 [M + H]+
工程4:HCl塩の形成および結晶化。化合物4−3(遊離塩基、5.0g)を撹拌しながら15.0mLのMeOHに65℃で溶解した。2.5NのHClのEtOH溶液(6.3mL)を添加した後、得られた透明な溶液を65℃で15分間撹拌した。次に、曇点に到達するまでアセトン(150mL)を1.5時間かけて滴下した。この懸濁液を65℃で1時間撹拌し続けた後、ゆっくりと(約5℃/30分間で)室温(約30℃)に冷却した。室温で一晩撹拌した後、固体を濾過により回収し、アセトン(3×5mL)で洗浄し、真空乾燥して、化合物4−3の2HCl塩(化合物II)(4.4g、80%の収率)を淡黄色の固体として得た。固体をさらに特性評価し、結晶質であることが分かった。1H NMR (500 MHz, d6-DMSO): δ 15.5 (bs, 2H), 15.0 (bs, 2H), 8.63 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.17 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.08 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.98 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 5.31 (m, 1H), 5.25 (m, 1H), 4.31 (m, 1H), 4.19 (m, 1H), 4.07 (m, 2H), 3.93 (m, 2H), 3.87 (m, 2H), 3.55 (s, 6H), 3.20 (9s, 3H), 2.42 (m, 2H), 2.22-2.26 (m, 4H), 2.07-2.14 (m, 4), 1.81 (m, 1H0, 1.33 (m, 1H), 1.05 (d, J = 2.6 Hz, 3H), 0.80 (m, 6H) ppm。
Figure 2015506987
工程1:スキーム5を参照。スキーム3の中の化合物3−1の合成について記載されている手順に従い、化合物1−5aを1−5cで置き換えて、化合物5−1を得た。LC-MS (ESI): m/z 722.4 [M+H]+。あるいは、同じ鈴木カップリング条件を用い、化合物1−5cおよび2−2aを化合物1−4dおよび2−3aで置き換えて、化合物5−1を得ることができる。
工程2:スキーム3の中の化合物3−2の合成について記載されている手順と同じ手順に従い、化合物3−1を5−1で置き換えて、化合物5−2を得た。LC-MS (ESI): m/z 622.3 [M + H]+
工程3:スキーム3の中の化合物3−3の合成について記載されている手順と同じ手順に従い、化合物3−2を5−2で置き換えて、化合物4−3を得た。LC-MS (ESI): m/z 793.4 [M + H]+
Figure 2015506987
スキーム6、7および8に記載されている経路のように、他の経路により化合物4−3を調製してもよい。
スキーム6を参照。スキーム3に記載されている化合物1−5aおよび2−2aのための鈴木カップリング条件に従い、化合物1−5cおよび2−2cまたは化合物1−4dおよび2−3cのいずれか一方のカップリングにより、化合物4−3を得た。
化合物3−3のさらなる合成
スキーム4に記載されている化合物4−3に対する手法に従い、化合物2−2cを2−2bで置き換えるか、化合物2−3cを2−3bで置き換え、かつN−Moc−O−Me−L−Thr−OHをN−Moc−L−Val−OHで置き換えて、化合物3−3を得ることができる。
スキーム5に記載されている化合物4−3に対する手法に従い、化合物1−5cを1−5bで置き換えるか、化合物1−4dを1−4cで置き換え、かつN−Moc−L−Ile−OHをN−Moc−L−Val−OHで置き換えて、化合物3−3を得ることができる。
スキーム6に記載されている化合物4−3に対する手法に従い、化合物2−2cを2−2bで置き換え、かつ化合物1−5cを1−5bで置き換えるか、化合物2−3cを2−3bで置き換え、かつ化合物1−4dを1−4cで置き換えて、化合物3−3が得られる。
Figure 2015506987
工程1:スキーム7を参照。スキーム3に記載されている化合物1−5aおよび2−2aのカップリングのために使用される鈴木カップリング条件に従い、化合物7−1と、化合物1−5a、1−5bおよび1−5cのそれぞれとのカップリングにより、化合物7−2a、7−2bおよび7−2cがそれぞれ得られた。
工程2:典型的な水素化(Pd/C、Pd(OH)、PtOまたはラネーニッケルなどによる媒介)または他の−NO還元条件(例えば、SnCl/DCMまたはZn/AcOHなど)により化合物7−2a、7−2bおよび7−2cのそれぞれの中の−NO基を還元した後、スキーム2の中の化合物2−1から2−2aへの合成について記載されている二工程変換により、化合物3−1、5−1および7−1がそれぞれ得られる。
Figure 2015506987
工程1:スキーム8を参照。スキーム3に記載されている化合物1−5aおよび2−2aのカップリングのために使用される鈴木カップリング条件に従い、化合物8−1を化合物2−3a、2−3bおよび2−3cのそれぞれとカップリングさせて、化合物8−2a、8−2bおよび8−2cがそれぞれ得られる。
工程2:スキーム1に記載されている化合物1−4aを1−5aに変換するために使用される条件に従い、化合物1−4aを化合物8−2a、8−2bおよび8−2cでそれぞれ置き換えて、化合物8−3a、8−3bおよび8−3cがそれぞれ得られる。
工程3:スキーム3に記載されている化合物1−5aと2−2aとのカップリングのために使用される鈴木カップリング条件に従い、化合物1−5aおよび2−2aを、化合物8−3aおよび8−4a(国際公開第2010065668号)、化合物8−3bおよび8−4a、化合物8−3cおよび8−4a、化合物8−3cおよび8−4b、化合物8−3aおよび8−4c、化合物8−3aおよび8−4bでそれぞれ置き換えて、化合物3−1、3−3、4−1、4−3、5−1および7−3がそれぞれ得られる。
(f)I型を得るための化合物IIの結晶化
化合物IIの結晶化(実施例1)
113.1mgの化合物4−3(化合物IIの遊離塩基型)をバイアルに秤量し、1mLのメタノールで溶解した。47.6μLの6MのHClを撹拌しながら60℃で添加した。次いで、この溶液を窒素流下で蒸発させた。
このバイアルに、1mLのメタノールを撹拌しながら60℃で添加した。8mLのアセトンを添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで1.9mLのMTBEを添加した。この試料をゆっくりと室温に冷却した。多くの粒子が析出した。固体を真空濾過により回収し、減圧下で乾燥した。収率は88.2%であった。得られた固体をXRPDで分析した。Bruker D8 Advanceを用いてXRPDパターンを得た。最小限の40kVおよび40mAで作動するCu Kα源(=1.54056オングストローム)により、4〜40°の2θで各試料を走査する。そのスペクトルは、図24に線Aとして示されている。
化合物IIの結晶化(実施例2)
106.0mgの化合物4−3(化合物IIの遊離塩基型)をバイアルに秤量し、1mLのメタノールで溶解した。44.6μLの6MのHClを撹拌しながら60℃で添加した。次いで、この溶液を窒素流下で蒸発させた。
このバイアルに、1mLのメタノールを撹拌しながら60℃で添加した。8mLのアセトンを添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで2.2mLのMTBEを添加した。試料をゆっくりと室温に冷却した。多くの粒子が析出した。固体を真空濾過により回収し、減圧下で乾燥した。収率は80.3%であった。得られた固体を、化合物IIの結晶化(実施例1)の手順に従ってXRPDで分析した。そのスペクトルは、図24に線Bとして示されている。
化合物IIの結晶化(実施例3)
303.5mgの化合物4−3(化合物IIの遊離塩基型)をバイアルに秤量し、撹拌しながら60℃で1mLのMeOHにより溶解した。153μLの5MのHCl(EtOH溶液)を添加した。このバイアルの中に、10mLのアセトンをゆっくりと添加した。この試料を3℃/時間の速度でゆっくりと室温に冷却した。固体を真空濾過により回収し、減圧下で一晩乾燥した。収率は69.5%であった。得られた固体を、化合物IIの結晶化(実施例1)の手順に従ってXRPDで分析した。そのスペクトルは、図24に線Cとして示されている。
化合物IIの結晶化(実施例4)
311.2mgの化合物4−3(化合物IIの遊離塩基型)をバイアルに秤量し、1mLのMeOHを撹拌しながら60℃で添加することにより溶解した。157μLの5MのHCl(EtOH溶液)を添加した。このバイアルの中に、10mLのアセトンをゆっくりと添加した。この試料を3℃/時間の速度でゆっくりと室温に冷却した。固体を真空濾過により回収し、減圧下で一晩乾燥した。収率は59.4%であった。得られた固体を、化合物IIの結晶化(実施例1)の手順に従ってXRPDで分析した。そのスペクトルは、図24に線Dとして示されている。
化合物IIの結晶化(実施例5)
333.5mgの化合物IIをバイアルに秤量し、1mLのMeOHを撹拌しながら55℃で添加することにより溶解した。168μLの5MのHCl(EtOH溶液)を添加した。このバイアルの中に、8mLのアセトンおよび0.5mLのMTBEをゆっくりと添加した。この試料を3℃/時間の速度でゆっくりと室温に冷却した。ゲルが形成された。この試料を窒素流下で乾燥した。
このバイアルに、1mLのMeOHを撹拌しながら50℃で添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで10mLのアセトンを撹拌しながら添加した。この試料をゆっくりと室温に冷却した。多くの粒子が析出した。固体を真空濾過により回収し、減圧下で一晩乾燥した。収率は73.9%であった。得られた固体を、化合物IIの結晶化(実施例1)の手順に従ってXRPDで分析した。そのスペクトルは、図24に線Eとして示されている。
化合物IIの結晶化(実施例6)
121.2mgの化合物4−3(化合物IIの遊離塩基型)をバイアルに秤量し、1mLのIPAで溶解した。51μLの6MのHClを撹拌しながら65℃で添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで3.6mLのアセトンを撹拌しながら添加した。この試料を3℃/時間でゆっくりと室温に冷却した。有意な変化は全く観察されなかった。この試料を窒素流下で乾燥した。
このバイアルの中に、0.5mLのEtOHを撹拌しながら60℃で添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで4mLのアセトンを添加した。この試料を3℃/時間の速度でゆっくりと室温に冷却した。有意な変化は全く観察されなかった。この試料を窒素流下で乾燥した。このバイアルの中に、1mLのMeOHを65℃で添加した。透明な溶液が形成され、曇点になるまで8mLのアセトン、1.0mLのMTBEを撹拌しながら添加した。この試料をゆっくりと室温に冷却した。有意な変化は全く観察されなかった。このバイアルの中に、1mLのMeOHを60℃で添加した。透明な溶液が形成された。8mLのアセトンを抗溶媒として添加した。この試料を3℃/時間の速度でゆっくりと室温に冷却した。有意な変化は全く観察されなかった。この系を撹拌しながら60℃に再度温めながら、曇点になるまで1.2mLのMTBEを添加した。この試料を3℃/時間の速度でゆっくりと室温に冷却した。多くの粒子が析出した。固体を真空濾過により回収し、減圧下で3日間乾燥した。収率は78.7%であった。得られた固体を、化合物IIの結晶化(実施例1)の手順に従ってXRPDで分析した。そのスペクトルは、図24に線Fとして示されている。さらに、この試料のスペクトルは、図25により詳細に示されている。図25の番号を付したピークに関するデータは、表8に示されている。
化合物IIの結晶化(実施例7)
101.0mgの化合物4−3(化合物IIの遊離塩基型)をバイアルに秤量し、1mLのエタノール/IPA(11/4(v/v))で溶解した。42.5μLの6MのHClを撹拌しながら50℃で添加した。次いで、この溶液を窒素流下で蒸発させた。ゲル状の固体が形成された。
このバイアルに、2mLのEtOH/IPA(11/4(v/v))を撹拌しながら50℃で添加した。透明な溶液が形成された。5mLのMTBEを撹拌しながら添加し、接触後すぐに少量の沈殿物が生じた。この試料をゆっくりと室温に冷却した。多くの粒子が析出した。固体を真空濾過により回収し、減圧下で2日間乾燥した。収率は46.2%であった。得られた固体を、化合物IIの結晶化(実施例1)の手順に従ってXRPDで分析した。そのスペクトルは、図24に線Gとして示されている。
化合物IIの結晶化(実施例8)
100.9mgの化合物4−3をバイアルに秤量し、撹拌しながら65℃で1.0mLのEtOHにより溶解した。43μLの6MのHClを撹拌しながら60℃で添加した。曇点になるまで2mLのMTBEを添加した。この試料をゆっくりと室温に冷却した。ゲルが形成された。この試料を窒素流下で乾燥した。
このバイアルの中に、2.0mLのEtOHを撹拌しながら65℃で添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで2.5mLのMTBEを添加した。この試料をゆっくりと室温に冷却した。ゲルが形成された。この試料を窒素流下で乾燥した。
このバイアルの中に、2.0mLのMeOHを撹拌しながら65℃で添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで3.0mLのジイソプロピルエーテルを添加した。この試料をゆっくりと室温に冷却した。ゲルが形成された。
このバイアルの中に、1.0mLの88%のアセトンを撹拌しながら60℃で添加した。透明な溶液が形成された。曇点になるまで2.5mLのACNを添加した。この試料をゆっくりと室温に冷却した。ゲルが形成された。
このバイアルの中に、1.0mLのMeOHを撹拌しながら60℃で添加した。透明な溶液が形成された。8.0mLのアセトンを添加した。この試料をゆっくりと(3℃/時間で)室温に冷却した。多くの細かい結晶が形成され、これらは偏光顕微鏡により非常に吸湿性であることが分かった。固体を真空濾過により回収し、真空乾燥器で週末にわたって45℃で乾燥し、57.6%の回収が得られた。
その固体を、化合物IIの結晶化(実施例1)の手順に従ってXRPDで分析した。そのスペクトルは、図24に線Hとして示されている。
この試料を顕微鏡で分析した。2.5倍、10倍および20倍対物レンズを備えたLeica DMLP偏光顕微鏡と、粒子形状、大きさおよび結晶化度を示す画像を取得するためのデジタルカメラとを用いて、顕微鏡法を行った。液浸油に分散させた試料の複屈折および晶癖を得るために、交差偏光子を使用した。この試料の晶癖は、図26に示すように不規則であった。
この試料を熱重量分析法により分析した。TA Instrument TGA装置(TGA500モデル)で熱重量分析を行った。試料を白金製パン内で50mL/分の窒素パージを用いて10℃/分で25〜300℃に加熱した。TGA温度をニッケル標準物質(融点=354.4℃)で較正した。製造業者から提供された標準物質で重量較正を行い、クエン酸ナトリウム二水和物の脱溶媒和に対して確認した。得られたサーモグラムは、図27に示されている。この試料は、25.0〜120℃で1.751%、25.0〜210℃で3.485%の重量%損失を示している。
この試料を熱量測定法により分析した。TA Instrument DSC装置(DSC1000モデル)で示差走査熱量測定分析を行った。この試料を、非気密性のアルミニウム製パン内で50mL/分の窒素パージを用いて、10°C/分で25〜300℃に加熱した。DSC温度をインジウム標準物質、156〜158℃の開始温度、25〜29J/gのエンタルピーで較正した。図28に示すように、この試料は、揮発性物質の損失と、その後の246.54℃での融解分解により、37.63℃の吸熱開始温度を有していた。
この試料ならびに非晶質化合物IIの試料の水分吸着プロファイルを、試料の大きさがおよそ10mg、25℃で60分間の乾燥、0%〜95%の相対湿度の吸着範囲、95%〜0%の相対湿度の脱着範囲および5%のステップ間隔という条件で、DVS Moisture Balance Flow System (Model Advantage)を用いて25℃で生成した。平衡基準は、最大120分間の間に5分で0.01重量%未満の変化であった。図29に示すように、この試料は中程度の吸湿性であり、0〜75%の相対湿度で4.34重量%の変化が生じた。この試料は、約85%の相対湿度および上記相対湿度で非常に素早く水を吸収した。図30に示すように、非晶質化合物IIは対照的に、0〜75%の相対湿度で13.57%の水を吸収した。
化合物IIの結晶化(実施例9)
化合物4−3(遊離塩基、5.0g)を撹拌しながら15.0mLのMeOHに65℃で溶解した。HClのEtOH溶液(5M、3.75mL)を添加し、得られた溶液を透明な溶液になるまで65℃で15分間撹拌した。曇点に達するまでアセトン(150mL)を1.5時間かけて滴下した。この試料を65℃で1時間撹拌し続けた後、徐々に(約10℃/時間で)室温(30℃)に冷却した。混合物をこの温度で一晩撹拌した。固体を濾過により回収し、アセトン(5mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、4.4gの生成物を淡黄色の固体として得、収率は80.4%であった。化合物IIの結晶化(実施例1)に記載されているように得られた固体をXRPDで分析した。そのスペクトルは、図31に示されており、番号を付したピークは付録Aの中の表9に特定されている。
I型の溶解度
I型および遊離塩基化合物4−3の溶解度を試験した。少量の分析用化合物をガラス製バイアルに入れ、蓋をし、バイアルを周囲条件で一晩(24時間)回転させて、溶解度を測定した。標的濃度は2.0mg/mLであった。この試料を0.45μmのフィルタで濾過した。得られた濾液をHPLCアッセイのために回収した。HPLC条件は、付録Aの中の表10に示されている。I型の溶解度は表11に示されており、遊離塩基化合物4−3の溶解度は付録Aの中の表12に示されている。
生物学的活性の実施例
ここに開示されている化合物のHCV複製阻害能力を生体外アッセイで実証することができる。HCVレプリコンアッセイを用いて、本発明の化合物の生物学的活性を測定した。Huh7細胞においてバイシストロン性遺伝子型1bレプリコンを持続的に発現する1b_Huh−Luc/Neo−ET細胞株を、ReBLikon社から入手した。この細胞株を使用して、レプリコンレベルの化合物阻害の測定値としてルシフェラーゼ酵素活性値を用いて化合物阻害を試験した。
1日目(細胞播種の翌日)に、各化合物を細胞に3連で添加した。ルシフェラーゼアッセイを行う前にプレートを72時間インキュベートした。Promega社によって製造されたBright−Gloキット(CAT番号:E2620)を用いて酵素活性を測定した。以下の方程式を使用して、各化合物の対照値に対する割合(%)を得た。
対照値に対する割合(%)=(化合物値の平均/対照値の平均)×100
GraphPad Prismおよび以下の方程式を用いてEC50値を求めた。
Y=下限値+(上限値−下限値)/(1+10^((LogIC50−X)×傾き))
レプリコンアッセイで化合物のEC50値を数回繰り返して求めた。
ここに開示されている化合物は、限定されるものではないが、1a、1b、2a、3a、4aおよび5aを含むHCVの複数の遺伝子型を阻害することができる。上記HCV−1bレプリコンアッセイに類似した対応するレプリコンアッセイでEC50を求めた。
Figure 2015506987
臨床前の生物種における化合物Iおよび化合物IIの薬物動態研究およびデータ
SDラット、ビーグル犬、カニクイザルを含む臨床前の生物種における一連の包括的な実験で、化合物IのA型および化合物IIのI型の薬物動態(PK)特性を決定した。
これらの研究では、化合物IのA型結晶質塩(および化合物IIのI型結晶質塩)を、生理食塩水、0.5%のMCを含む生理食塩水または透明な溶液を得るのに適した他の一般に使用される製剤媒体に入れて、あるいは目的の到達濃度および媒体の選択に応じて懸濁液またはペースト剤として製剤化した。投与は強制経口投与により行った。血液試料を採取し、KEDTAを含む個々の管に入れた。血液試料を氷の上に置いて遠心分離(2000g、5分間、4℃)して、採取後15分以内に血漿を得た。血漿試料を分析までおよそ−80℃の冷凍庫に保存した。
これらの分析の大部分では、化合物I(および化合物II)および内部標準物質(IS)を、タンパク質沈殿によりラット、サルまたはイヌの血漿から抽出し、抽出物を蒸発させ、再構成し、タンデム質量分析検出(HPLC−MS/MS)を含むHPLCで分析した(さらなる詳細は実施例を参照)。検体のピーク面積と添加した内部標準物質(IS)のピーク面積との比の重み付き線形回帰により較正を達成した。ラットおよびサルのEDTA血漿における有効なアッセイのために、化合物1および化合物2の両方の定量下限(LLOQ)は5.00ng/mLであり、本アッセイは、5.00〜1,000ng/mLの間で線形であった。WinNonlin(バージョン4.1〜6.1)を用いる非コンパートメント解析により、PKパラメータを計算した。
実施例1:ラットにおける化合物IのPK研究
投与製剤の調製:1)922.80mgの化合物IのA型(824.603mgの遊離塩基に相当)を無菌管に秤量し、2)0.5%のメチルセルロース含む生理食塩水54.974mLを化合物IのA型を含む管に添加し、ボルテックスで3〜5分間撹拌し、10〜15分間超音波処理した。投与溶液は淡黄色の透明な溶液であった。
約7〜9週齢で体重が約210〜270gのSDラットに、5mL/kgで上記投与溶液を投与した。投与前、投与から0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8、24時間後の時点で、KEDTAを含む個々の管に血液試料を採取した。
分析用の試料の調製:一定分量の30μLの血漿試料を、30μLのIS(200ng/mL)と混合し、次いでタンパク質沈殿のために150μLのACNと混合した。混合物をボルテックスで2分間撹拌し、12000rpmで5分間遠心分離した。さらなる希釈が必要でなければ、一定分量の1μLの上澄みをHPLC−MS/MSに注入した。10倍希釈した血漿試料を調製するために、一定分量の10μLの血漿試料を90μLのブランク血漿と混合して、希釈した血漿試料を得た。希釈した試料の抽出手順は、希釈していない試料に使用される手順と同じであった。
Figure 2015506987
WinNonlinソフトウェア(バージョン5.3、Pharsight社、米国カリフォルニア州)を用いて薬物動態分析を行った。非コンパートメントモデルの薬物動態パラメータを推定し、表に示す。LLOQ(LLOQ=ラットの血漿中に1.00ng/mL、ラット肝臓ホモジネート中に3.00ng/mL)以下のあらゆる濃度データを「BQL」で置き換えた。
Figure 2015506987
実施例2:イヌにおける化合物IのA型のPK研究
この研究では未使用の体重8.0〜9.5kgのビーグル犬を使用した。1.90gの化合物IのA型(1.67gの遊離塩基に相当)を222.237mLの0.5%のMCに溶解し、ボルテックスで20分間撹拌し、2分間超音波処理して無色の透明な溶液を得ることにより、投与溶液を調製した。この動物を手で抑えて、橈側皮静脈または伏在静脈から1時点につきおよそ0.6〜1mLの血液を、予め冷却したEDTA管に採取した。血液試料を氷の上に置き、4℃で遠心分離して、試料採取後30分以内に血漿を得た。分析までおよそ−70℃で血漿試料を保存した。
Figure 2015506987
Figure 2015506987
実施例3:サルにおける化合物IIのI型のPK研究
未使用のカニクイザル、体重3.2〜3.5kg、雄
682.96mgの化合物IIのI型を82.558mLの0.5%MCを含む生理食塩水に溶解し、ボルテックスで5分間撹拌し、18分間超音波処理して均質な溶液を得ることで、投与溶液を調製した。上記溶液を、胃内投与により上記動物に10mL/kgで投与した。
血液試料を採取するために、上記動物を手で抑えて、橈側皮静脈または伏在静脈から1時点につきおよそ0.6〜1mLの血液を予め冷却したEDTA管に採取した。血液試料を氷の上に置き、4℃で遠心分離して、試料採取後30分以内に血漿を得た。分析まで血漿試料を−70℃で保存した。
Figure 2015506987
Figure 2015506987
(C)医薬組成物
本明細書に提供されている特定の実施形態は、本明細書に記載されている固形を含む医薬組成物である。第1の実施形態では、本医薬組成物は、1種以上の薬学的に許容される賦形剤または媒体と、任意に他の治療成分および/または予防成分とをさらに含む。そのような賦形剤は当業者に知られている。
意図した投与様式に応じて、本医薬組成物は、例えば、錠剤、坐薬、丸剤、カプセル、粉末、懸濁液、クリーム、軟膏またはローションなどの固体または半固体の剤形の形態であってもよく、いくつかの実施形態では、正確な用量の単回投与に適した単位剤形であってもよい。本組成物は、薬学的に許容される担体と組み合わせた有効量の選択された薬物を含み、また、他の医薬品、補助剤、希釈液、緩衝液なども含んでいてもよい。
本発明は、1種以上の薬学的に許容される担体と任意に他の治療成分および/または予防成分と共に、本明細書に記載されている固形を含む医薬組成物を含む。
固体の組成物のための従来の非毒性固体担体としては、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどが挙げられる。
経口投与のために、本組成物は一般に、錠剤、カプセルまたは懸濁液の形態をとる。錠剤およびカプセルが好ましい経口投与形態である。経口使用のための錠剤およびカプセルは一般に、ラクトースおよびコーンスターチなどの1種以上の一般に使用される担体を含む。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も典型的に添加される。液体懸濁液を使用する場合、活性薬剤を乳化剤および懸濁化剤と組み合わせてもよい。また、所望であれば、着香料、着色料および/または甘味料を添加してもよい。本明細書中の経口製剤に組み込まれる他の任意成分としては、防腐剤、懸濁化剤、増粘剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本固形のみからなる剤形、すなわち、どの賦形剤も含まない固形からなる剤形が本明細書に提供されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている固形を含む無菌剤形が本明細書に提供されている。
一実施形態では、化合物Iは、賦形剤を全く含めずに、サイズゼロのスウェーデンのオレンジ色の不透明なヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルに入れて投与される。およそ44mgの化合物Iの粉末が各HPMCカプセルに充填される。
本明細書中の特定の実施形態は、薬の製造における本明細書に記載されている固形の使用を提供する。さらなる実施形態では、上記薬は、C型肝炎の治療用である。
(d)使用方法
本明細書中の特定の実施形態は、任意に医薬組成物として治療的有効量の本明細書に記載されている固形を、それを必要としている対象に投与することを含む、C型肝炎の治療方法を提供する。薬学的または治療的有効量の本組成物が対象に送達される。正確な有効量は対象ごとに異なり、生物種、年齢、対象の大きさおよび健康状態、治療される病気の性質および程度、治療する医師の推奨、および投与のために選択された治療法または治療法の組み合わせによって決まる。従って、所与の状況のための有効量は、日常的な実験法によって決定することができる。兆候、症状または当該疾患の原因を軽減および/または緩和するか生物系のあらゆる他の所望の変化をもたらすのに必要な多くの用量を対象に投与してもよい。そのような疾患を治療する当業者であれば、過度の実験をすることなく、個人的知識および本出願の開示内容を信頼して、所与の疾患のための本発明の化合物の治療的有効量を確かめることができるであろう。
(e)併用療法
本明細書に記載されている固形および医薬組成物は、単独で、あるいはウイルスもしくは細胞要素またはHCVライフサイクルに関与する機能を標的とする他の化合物と組み合わせた場合に、HCV感染を治療および予防するのに有用である。本発明において有用な化合物のクラスとしては、HCV抗ウイルス薬の全てのクラスが挙げられるが、これらに限定されない。併用療法のために、組み合わせた場合に有用になり得る薬剤の機構クラス(mechanistic class)としては、例えば、HCVポリメラーゼのヌクレオシドおよび非ヌクレオシド阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、NS4B阻害剤、内部リボソーム侵入部位(IRES)を機能的に阻害する薬剤ならびにHCV細胞接着またはウイルス侵入、HCVのRNA翻訳、HCVのRNA転写、複製またはHCV成熟、構築またはウイルス放出を阻害する他の薬が挙げられる。これらのクラスにおける具体的な化合物としては、テラプレビル(VX−950)、ボセプレビル(SCH−503034)、ナルラプレビル(Narlaprevir)(SCH−900518)、ITMN−191(R−7227)、TMC−435350(別名:TMC−435)、MK−7009、BI−201335、BI−2061(シルプレビル)、BMS−650032(アスナプレビル)、ACH−1625、ACH−1095(HCV NS4Aプロテアーゼ補因子阻害剤)、VX−500、VX−813、PHX−1766、PHX2054、IDX−136、IDX−316、ABT−450、EP−013420(および同種のもの)およびVBY−376などの大環状、複素環状および直鎖状HCVプロテアーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されず、本発明において有用なヌクレオシドHCVポリメラーゼ(レプリカーゼ)阻害剤としては、R7128、PSI−7851、IDX−184、IDX−102、R1479、UNX−08189、PSI−6130、PSI−938、PSI−879およびPSI−7977(GS−7977、ソフォスブビア(Sofosbuvir))ならびに(限定されるものではないが)2’−C−メチル修飾ヌクレオシド(ヌクレオチド)、4’−アザ修飾ヌクレオシド(ヌクレオチド)および7’−デアザ修飾ヌクレオシド(ヌクレオチド)として得られたものを含む様々な他のヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体およびHCV阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において有用な非ヌクレオシドHCVポリメラーゼ(レプリカーゼ)阻害剤としては、PPI−383、HCV−796、HCV−371、VCH−759、VCH−916、VCH−222、ANA−598、MK−3281、ABT−333、ABT−072、PF−00868554、BI−207127、GS−9190、A−837093、JKT−109、GL−59728およびGL−60667が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本明細書に記載されている固形および組成物を、シクロフィリンおよびイムノフィリン拮抗薬(例えば、限定されるものではないが、DEBIO化合物、NM−811ならびにシクロスポリンおよびその誘導体)、キナーゼ阻害剤、熱ショックタンパク質阻害剤(例えば、HSP90およびHSP70)、他の免疫調節剤、例えば、限定されるものではないが、イントロンA(Intron A)(商標)、ロフェロンA(Roferon−A)(商標)、キャンフェロンA300(Canferon−A300)(商標)、アドバフェロン(Advaferon)(商標)、インファーゲン(Infergen)(商標)、フモフェロン(Humoferon)(商標)、スミフェロンMP(Sumiferon MP)(商標)、アルファフェロン(Alfaferone)(商標)、IFN−β(商標)、フェロン(Feron)(商標)などのインターフェロン(−α、−β、−ω、−γ、−λまたは合成物);ペグインターフェロン−α−2a(ペガシス(Pegasys)(商標))、ペグインターフェロン−α−2b(ペグイントロン(PEGIntron)(商標))、ペグ化IFN−α−con1などのポリエチレングリコール誘導体化(ペグ化)インターフェロン化合物;アルブミン融合インターフェロン、アルブフェロン(Albuferon)(商標)、ロクテロン(Locteron)(商標)などのインターフェロン化合物の長時間作用性製剤および誘導体化物;各種制御送達システムによるインターフェロン(例えば、ITCA−638すなわちデュロス(DUROS)(商標)皮下送達システムによって送達されるインターフェロン−ω);レシキモドなどの細胞内でのインターフェロン合成を刺激する化合物;インターロイキン;SCV−07などの1型ヘルパーT細胞応答の発生を高める化合物;CpG−10101(アクチロン(actilon))、イソトラビン(isotorabine)、ANA773などのTOLL様受容体作動薬;サイモシンα−1;ANA−245およびANA−246;ヒスタミン二塩酸塩;プロパゲルマニウム;テトラクロロデカオキシド;アンプリゲン(ampligen);IMP−321;KRN−7000;シバシル(civacir)、XTL−6865などの抗体ならびにInnoVac C、HCV E1E2/MF59などの予防用および治療用ワクチンと組み合わせて使用してもよい。また、NS5A阻害剤、I型インターフェロン受容体作動薬(例えば、IFN−α)およびII型インターフェロン受容体作動薬(例えば、IFN−γ)の投与を伴う上記方法のいずれも、有効量のTNF−α拮抗薬の投与によって増強することができる。そのような併用療法での使用に適した例示的で非限定的なTNF−α拮抗薬としては、エンブレル(ENBREL)(商標)、レミケード(REMICADE)(商標)およびフミラ(HUMIRA)(商標)が挙げられる。
また、本明細書に記載されている固形および組成物を、限定されるものではないが、プロドラッグニタゾキサニドなどのHCV感染の治療において有効であると考えらている抗原虫薬および他の抗ウイルス薬と組み合わせて使用してもよい。本発明に開示されている化合物と組み合わせられる薬剤として、ならびにペグインターフェロンα−2aおよびリバビリンなどのHCV感染を治療するのに有用な他の薬剤と組み合わせられる薬剤として、ニタゾキサニドを使用することができる(例えば、Rossignol, JF and Keeffe, EB, Future Microbiol. 3:539-545, 2008を参照)。
また、本明細書に記載されている固形および組成物を、インターフェロンの他の形態およびペグ化インターフェロン、リバビリンまたはその類似体(例えば、タラババリン(tarabavarin)、レボビロン(levoviron)、ミクロRNA、低分子干渉RNA化合物(例えば、SIRPLEX−140−Nなど)、ヌクレオチドまたはヌクレオシド類似体、免疫グロブリン、肝臓保護剤、抗炎症薬およびNS5Aの他の阻害剤と共に使用してもよい。HCVライフサイクルにおける他の標的の阻害剤としては、NS3ヘリカーゼ阻害剤;NS4A補因子阻害剤;ISIS−14803、AVI−4065などのアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤;ベクターにコードされた低分子ヘアピン型RNA(shRNA);ヘプタザイム(heptazyme)、RPI−13919などのHCV特異的リボザイム;HepeX−C、HuMax−HepCなどの侵入阻害剤;セルゴシビル、UT−231Bなどのαグルコシダーゼ阻害剤;KPE−02003002およびBIVN401およびIMPDH阻害剤が挙げられる。他の例示的なHCV阻害化合物としては、米国特許第5,807,876号、米国特許第6,498,178号、米国特許第6,344,465号、米国特許第6,054,472号、国際公開第97/40028号、国際公開第98/40381号、国際公開第00/56331号、国際公開第02/04425号、国際公開第03/007945号、国際公開第03/010141号、国際公開第03/000254号、国際公開第01/32153号、国際公開第00/06529号、国際公開第00/18231号、国際公開第00/10573号、国際公開第00/13708号、国際公開第01/85172号、国際公開第03/037893号、国際公開第03/037894号、国際公開第03/037895号、国際公開第02/100851号、国際公開第02/100846号、欧州特許第1256628号、国際公開第99/01582号、国際公開第00/09543号、国際公開第02/18369号、国際公開第98/17679号、国際公開第00/056331号、国際公開第98/22496号、国際公開第99/07734号、国際公開第05/073216号、国際公開第05/073195号および国際公開第08/021927号(その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている化合物が挙げられる。
さらに、例えば、リバビリンとインターフェロンとの組み合わせを、本明細書に記載されている固形または組成物のうちの少なくとも1種との複数併用療法として投与してもよい。組み合わせ可能な薬剤は、上記クラスまたは化合物に限定されず、公知の化合物および新しい化合物ならびに生物学的に活性な薬剤の組み合わせを意図している(Strader, D.B., Wright, T., Thomas, D.L. and Seeff, L.B., AASLD Practice Guidelines. 1-22, 2009およびManns, M.P., Foster, G.R., Rockstroh, J.K., Zeuzem, S., Zoulim, F. and Houghton, M., Nature Reviews Drug Discovery. 6:991-1000, 2007、Pawlotsky, J-M., Chevaliez, S. and McHutchinson, J.G., Gastroenterology. 132:179-1998, 2007、Lindenbach, B.D. and Rice, C.M., Nature 436:933-938, 2005、Klebl, B.M., Kurtenbach, A., Salassidis, K., Daub, H. and Herget, T., Antiviral Chemistry & Chemotherapy. 16:69-90, 2005、Beaulieu, P.L., Current Opinion in Investigational Drugs. 8:614-634, 2007、Kim, S-J., Kim, J-H., Kim, Y-G., Lim, H-S. and Oh, W-J., The Journal of Biological Chemistry. 48:50031-50041, 2004、Okamoto, T., Nishimura, Y., Ichimura, T., Suzuki, K., Miyamura, T., Suzuki, T., Moriishi, K.and Matsuura, Y., The EMBO Journal. 1-11, 2006、Soriano, V., Peters, M.G. and Zeuzem, S. Clinical Infectious Diseases. 48:313-320, 2009、Huang, Z., Murray, M.G. and Secrist, J.A., Antiviral Research. 71:351-362, 2006およびNeyts, J., Antiviral Research. 71:363-371, 2006を参照されたく、それらの各開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)。本明細書に記載されている併用療法は、上記組み合わせにより、本発明のグループの化合物の抗ウイルス活性または本医薬組成物自体の抗ウイルス活性が失われない限り本発明のグループの化合物と本発明のグループの他の化合物または本発明のグループ以外の他の化合物との任意の化学的に適合可能な組み合わせを含むことが意図されている。
併用療法は、最初に一方の薬剤で治療した後に第2の薬剤で治療する連続的治療法または同時に両方の薬剤を用いる治療法であってもよい。連続的治療法は、第1の治療法の完了後から第2の治療法の開始前までの間に妥当な時間を含むことができる。同時に両方の薬剤を用いる治療は、同じ1日用量であっても別々の用量であってもよい。併用療法は、2種類の薬剤に限定される必要はなく、3種類以上の薬剤を含んでもよい。同時的および連続的併用療法のどちらの投与量も、併用療法の成分の吸収、分布、代謝および排出速度ならびに当業者に知られている他の因子によって決まる。投与量の値は、緩和される病気の重症度によっても異なる。任意の特定の対象のための具体的な投与計画およびスケジュールは個々の必要性および併用療法の投与を行うか監視する人の専門的判断に従って経時的に調整し得ることをさらに理解されたい。
付録A
Figure 2015506987
Figure 2015506987
Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Figure 2015506987

Claims (13)

  1. 式(I):
    Figure 2015506987
    を有し、かつ結晶形である化合物の固形。
  2. 前記結晶形は、式Iの化合物のA型結晶形である、請求項1に記載の固形。
  3. 前記固形は、
    a)表1に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28またはその概位置の全てに位置するピーク、
    b)図6に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26またはその概位置の全てに位置するピーク、
    c)図8に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44またはその概位置の全てに位置するピーク、あるいは
    d)図19に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18またはその概位置の全てに位置するピーク
    を含むXRPDパターンを有する、請求項1に記載の固形。
  4. 前記固形は、表2に特定されている1、2、3、4またはその概位置の全てに位置するピークを含むXRPDパターンを有する、前記請求項のいずれかに記載の固形。
  5. 前記固形は、2θがNISTまたは他の好適な標準物質で較正された回折計(Cu Kα)により収集された高品質パターンに基づき、周囲温度で14.7±0.2、17.4±0.2の2θ値に位置するピークと、10.6±0.2、12.7±0.2および13.6±0.1のうちの1つ以上の2θ値に位置するピークとを含むXRPDパターンを有する、前記請求項のいずれかに記載の固形。
  6. 実質的に図4、図14、図21または図23のうちの1つのような示差走査熱量測定サーモグラムを有する、前記請求項のいずれかに記載の固形。
  7. 前記請求項のいずれかに記載の固形を含む医薬組成物。
  8. 前記請求項のいずれかに記載の固形を含むゲルカプセル。
  9. 式(II):
    Figure 2015506987
    を有し、かつ結晶形を有する化合物の固形。
  10. 前記結晶形は、式IIの化合物のI型結晶形である、請求項9に記載の固形。
  11. 前記固形は、
    表8に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16またはその概位置の全てに位置するピーク、または
    表9に特定されている1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12またはその概位置の全てに位置するピーク
    を含むXRPDパターンを有する、請求項9に記載の固形。
  12. 前記固形は、表8のピーク番号1、3、13および17と、表8に特定されている残りのピークの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13とを含むXRPDパターンを有する、請求項9または10のうちのいずれか1項に記載の固形。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載の固形を含む医薬組成物。
JP2014556825A 2012-02-13 2013-02-13 Hcvのns5a阻害剤を含む固形、その組成物、およびそれらの使用 Pending JP2015506987A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261598249P 2012-02-13 2012-02-13
US61/598,249 2012-02-13
PCT/US2013/025995 WO2013123092A1 (en) 2012-02-13 2013-02-13 Solid forms comprising inhibitors of hcv ns5a, compositions thereof, and uses therewith

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015506987A true JP2015506987A (ja) 2015-03-05
JP2015506987A5 JP2015506987A5 (ja) 2016-03-31

Family

ID=48984669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014556825A Pending JP2015506987A (ja) 2012-02-13 2013-02-13 Hcvのns5a阻害剤を含む固形、その組成物、およびそれらの使用

Country Status (21)

Country Link
US (1) US20150203474A1 (ja)
EP (1) EP2814322A4 (ja)
JP (1) JP2015506987A (ja)
KR (1) KR20140145126A (ja)
CN (1) CN104219953A (ja)
AR (1) AR093738A1 (ja)
AU (1) AU2013221613A1 (ja)
BR (1) BR112014019585A8 (ja)
CA (1) CA2864342A1 (ja)
CL (1) CL2014002138A1 (ja)
CO (1) CO7061084A2 (ja)
EA (1) EA201491442A1 (ja)
HK (1) HK1204433A1 (ja)
IN (1) IN2014MN01671A (ja)
MX (1) MX2014009693A (ja)
PE (1) PE20142462A1 (ja)
PH (1) PH12014501781A1 (ja)
SG (1) SG11201404754TA (ja)
TW (1) TW201339153A (ja)
WO (1) WO2013123092A1 (ja)
ZA (1) ZA201406740B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150023913A1 (en) 2013-07-02 2015-01-22 Bristol-Myers Squibb Company Hepatitis C Virus Inhibitors
US9717712B2 (en) 2013-07-02 2017-08-01 Bristol-Myers Squibb Company Combinations comprising tricyclohexadecahexaene derivatives for use in the treatment of hepatitis C virus
EP3021845A1 (en) 2013-07-17 2016-05-25 Bristol-Myers Squibb Company Combinations comprising biphenyl derivatives for use in the treatment of hcv
TWI679203B (zh) * 2014-06-11 2019-12-11 美商基利法瑪席特有限責任公司 製備抗病毒化合物之方法
ITUB20152784A1 (it) * 2015-08-03 2017-02-03 Chemelectiva S R L Processo per la sintesi di ravidasvir
US10617675B2 (en) 2015-08-06 2020-04-14 Bristol-Myers Squibb Company Hepatitis C virus inhibitors
CN109134439A (zh) * 2017-06-15 2019-01-04 歌礼生物科技(杭州)有限公司 丙肝治疗药物Ravidasvir的制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010099527A1 (en) * 2009-02-27 2010-09-02 Enanta Pharmaceuticals, Inc. Hepatitis c virus inhibitors
WO2011054834A1 (en) * 2009-11-04 2011-05-12 Tibotec Pharmaceuticals Benzimidazole-imidazole derivatives
US20110112100A1 (en) * 2009-07-06 2011-05-12 Pfizer Inc. Hepatitis C Virus Inhibitors
WO2011109037A1 (en) * 2010-03-04 2011-09-09 Enanta Pharmaceuticals, Inc. Combination pharmaceutical agents as inhibitors of hcv replication
WO2011149856A1 (en) * 2010-05-24 2011-12-01 Presidio Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of hcv ns5a

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2438802A (en) * 2005-02-28 2007-12-05 Univ Rockefeller Structure of the hepatitis C virus NS5A protein
BRPI0922366B8 (pt) * 2008-12-03 2021-05-25 Presidio Pharmaceuticals Inc composto, composição farmacêutica e uso de um composto

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010099527A1 (en) * 2009-02-27 2010-09-02 Enanta Pharmaceuticals, Inc. Hepatitis c virus inhibitors
US20110112100A1 (en) * 2009-07-06 2011-05-12 Pfizer Inc. Hepatitis C Virus Inhibitors
WO2011054834A1 (en) * 2009-11-04 2011-05-12 Tibotec Pharmaceuticals Benzimidazole-imidazole derivatives
WO2011109037A1 (en) * 2010-03-04 2011-09-09 Enanta Pharmaceuticals, Inc. Combination pharmaceutical agents as inhibitors of hcv replication
WO2011149856A1 (en) * 2010-05-24 2011-12-01 Presidio Pharmaceuticals, Inc. Inhibitors of hcv ns5a

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
芦澤 一英、他, 医薬品の多形現象と晶析の科学, JPN7016001492, 20 September 2002 (2002-09-20), pages 272 - 317, ISSN: 0003395690 *

Also Published As

Publication number Publication date
AU2013221613A1 (en) 2014-09-04
CL2014002138A1 (es) 2014-11-28
EA201491442A1 (ru) 2015-01-30
MX2014009693A (es) 2014-09-08
AR093738A1 (es) 2015-06-24
TW201339153A (zh) 2013-10-01
KR20140145126A (ko) 2014-12-22
WO2013123092A1 (en) 2013-08-22
US20150203474A1 (en) 2015-07-23
PH12014501781A1 (en) 2014-11-10
BR112014019585A8 (pt) 2017-07-11
SG11201404754TA (en) 2014-09-26
IN2014MN01671A (ja) 2015-05-29
CO7061084A2 (es) 2014-09-19
CN104219953A (zh) 2014-12-17
EP2814322A4 (en) 2015-09-23
PE20142462A1 (es) 2015-02-01
CA2864342A1 (en) 2013-08-22
ZA201406740B (en) 2016-02-24
EP2814322A1 (en) 2014-12-24
HK1204433A1 (en) 2015-11-20
BR112014019585A2 (ja) 2017-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI494309B (zh) C型肝炎病毒(hcv)ns5a抑制劑
TWI573796B (zh) C型肝炎病毒(hcv)ns5a之抑制劑
DK2808325T3 (en) Substituted azoles, anti-viral active ingredient, pharmaceutical composition, method of preparation and use thereof
CN102427726B (zh) 丙型肝炎的稠环抑制剂
JP2015506987A (ja) Hcvのns5a阻害剤を含む固形、その組成物、およびそれらの使用
TW201201801A (en) Inhibitors of HCV NS5A protein
EP2575475A1 (en) Inhibitors of hcv ns5a
US20160031927A1 (en) Alkyl 2--propionates, nucleoside inhibitors of HCV RNA-polymerase NS5B, methods for preparation and use thereof
WO2012040389A2 (en) Substituted bicyclic hcv inhibitors
RU2518369C1 (ru) Алкил [2-(2-{5-[4-(4-{2-[1-(2-метоксикарбониламино-ацетил)-пирролидин-2-ил]-3н-имидазол-4-ил}-фенил)-бута-1,3-диинил]-1н-имидазол-2-ил}-пирролидин-1-ил)-2-оксо-этил]-карбамат, фармацевтическая композиция, лекарственное средство, способ лечения вирусных заболеваний
WO2014055069A1 (en) Solid forms comprising an inhibitor of hcv ns5a, compositions thereof, and uses therewith
JP2016507554A (ja) [(s)−1−((s)−2−{5−[4−(4−{2−[(s)−1−((s)−2−メトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−ピロリジン−2−イル]−3h−イミダゾール−4−イル}−ブタ−1,3−ジイニル)−フェニル]−1h−イミダゾール−2−イル}−ピロリジン−1−カルボニル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸アルキル・ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、ウイルス性疾病の治療のための医薬、方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160209

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160908

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170418