JP7324696B2 - レーザ加工方法、加工プログラムの作成支援プログラム及び加工プログラムの作成支援装置 - Google Patents

レーザ加工方法、加工プログラムの作成支援プログラム及び加工プログラムの作成支援装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ加工方法、加工プログラム作成支援プログラム及び加工プログラムの作成支援装置に関する。
山形鋼(等辺、不等辺)、溝形鋼等の形鋼は、ウェブとフランジとを有している。ウェブとフランジとが突き当たる形鋼のコーナでは、ウェブ及びフランジの一方が他方の板厚方向に延在する。このため、ウェブ又はフランジを板厚方向に照射したレーザビームで切断加工する際に、コーナでは、ウェブ及びフランジの両方をレーザビームで同時に切断しなければならなくなる。
そこで、特許文献1では、ウェブ及びフランジのうち一方を板厚方向のレーザビームでコーナの手前まで切断加工して、ウェブ及びフランジのうち残る他方を板厚方向のレーザビームで切断加工する方法を提案している。この方法では、レーザビームによる切断厚さが、コーナにおいてもウェブ又はフランジの板厚程度に収まる。このため、レーザビームの出力を上げなくてもコーナの切断加工を安定して行うことができる。
特開2014-225056号公報
特許文献1の切断加工方法では、レーザビームによる形鋼の切断厚さをウェブ又はフランジの板厚程度に収めるために、切断加工の対象をウェブ及びフランジのうち一方から他方に切り替えるので、レーザビームの照射を一旦止めて、レーザ加工機に設置した形鋼の向きを変える手順が発生する。この手順をなくしても形鋼のコーナを安定して切断加工できるようになれば、レーザ加工の作業効率はより一層向上する。
本発明の目的は、レーザ加工の作業効率をより一層向上させることにある。
上記目的を達成するため本発明の第1の態様に係るレーザ加工方法は、
所定の板厚を有するウェブとフランジとがコーナにおいて突き当たる形鋼の、前記コーナを挟んで前記ウェブ及び前記フランジに跨がる回転加工部の表面における、前記形鋼の回転中に照射されるレーザビームの所定長さの軌跡上に、前記レーザビームが照射される特定点を、少なくとも前記コーナ上の箇所を含む複数箇所設定する設定ステップと、
前記レーザビームの照射時における前記各特定点の位置座標をそれぞれ取得する座標取得ステップと、
前記各位置座標から、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工時における、前記レーザビームを出力するレーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御する、加工プログラムを作成する作成ステップと、
前記加工プログラムにしたがって前記レーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御して、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工を行う加工ステップと、
を含む。
また、上記目的を達成するため本発明の第2の態様に係る加工プログラムの作成支援プログラムは、
コンピュータに、
所定の板厚を有するウェブとフランジとがコーナにおいて突き当たる形鋼の、前記コーナを挟んで前記ウェブ及び前記フランジに跨がる回転加工部の表面における、前記形鋼の回転中に照射されるレーザビームの所定長さの軌跡上に、前記レーザビームが照射される特定点を、少なくとも前記コーナ上の箇所を含む複数箇所設定する設定ステップと、
前記レーザビームの照射時における前記各特定点の位置座標をそれぞれ取得する座標取得ステップと、
前記各位置座標から、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工時における、前記レーザビームを出力するレーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御する、加工プログラムを作成する作成ステップと、
前記加工プログラムにしたがって前記レーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御して、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工を行う加工ステップと、
を実行させる。
さらに、上記目的を達成するため本発明の第3の態様に係る加工プログラムの作成支援装置は、
所定の板厚を有するウェブとフランジとがコーナにおいて突き当たる形鋼の、前記コーナを挟んで前記ウェブ及び前記フランジに跨がる回転加工部の表面における、前記形鋼の回転中に照射されるレーザビームの所定長さの軌跡上に、前記レーザビームが照射される特定点を、少なくとも前記コーナ上の箇所を含む複数箇所設定する設定部と、
前記レーザビームの照射時における前記各特定点の位置座標をそれぞれ取得する座標取得部と、
前記各位置座標から、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工時における、前記レーザビームを出力するレーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御する、加工プログラムを作成する作成部と、
を備える。
本発明によれば、レーザ加工の作業効率をより一層させることができる。
本発明の一実施形態に係るレーザ加工システムの全体構成を示すブロック図である。 図1のレーザ加工システムによる加工対象の形鋼を示し、(a)は山形鋼の斜視図、(b)は不等辺山形鋼の斜視図、(c)は溝形鋼の斜視図である。 図1のレーザ加工機による形鋼の回転中心を示し、(a)は端面平面図、(b)は図2(b)の不等辺山形鋼の端面平面図、(c)は図2(c)の溝形鋼の端面平面図である。 (a)~(c)は図3(a)の山形鋼及び図3(b)の不等辺山形鋼のウェブ及びフランジの板厚に対する割合別の回転加工部の範囲を示す説明図である。 (a)~(c)は図3(a)の溝形鋼のウェブ及びフランジの板厚に対する割合別の回転加工部の範囲を示す説明図である。 図3(a)の山形鋼をレーザ加工する際のレーザビームの照射手順を示す説明図である。 図3(b)の不等辺山形鋼の回転加工部をレーザ加工する際のレーザビームの照射手順を示す説明図である。 図3(c)の溝形鋼の回転加工部をレーザ加工する際のレーザビームの照射手順を示す説明図である。 回転加工部の分割数を3とした場合に設定される回転加工部の表面の各分割点にレーザビームがそれぞれ照射されるときの、形鋼の回転及びレーザヘッドの位置の制御パターンを、図3(a)の山形鋼について示す説明図である。 回転加工部の分割数を4とした場合に設定される回転加工部の表面の各分割点にレーザビームがそれぞれ照射されるときの、形鋼の回転及びレーザヘッドの位置の制御パターンを、図3(a)の山形鋼について示す説明図である。 図1のCAM装置が形鋼の回転加工部の表面に設定する分割点を示し、(a)は山形鋼及び不等辺山形鋼の分割点の説明図、(b)は溝形鋼の分割点の説明図である。 回転加工部の各分割点がそれぞれのレーザビーム照射位置に到達したときの図1のレーザ加工機による形鋼の回転状態を示す説明図である。 (a),(b)は90度面及び180度面に跨がる回転加工部を有する山形鋼及び不等辺山形鋼の説明図、(c)は図1のCAM装置が(a),(b)の回転加工部の表面に設定する分割点を示す説明図である。 (a),(b)は図1のレーザ加工機により図10(a)の山形鋼を分割数で按分した角度ずつ回転させて対応する分割点に照射したレーザビームによる回転加工部の切断位置を示す説明図である。 図10(a)の山形鋼の切断加工により切り欠きを有する部品を製造する際のレーザ加工の手順を示す説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転加工部に図11(a),(b)のパターンでレーザビームを照射して製造した図12の部品に残る切り込みを示す説明図である。 (a)は90度面及び180度面に跨がる回転加工部と180度面及び270度面に跨がる回転加工部とを有する溝形鋼の説明図、(b),(c)は図1のCAM装置が(a)の各回転加工部の表面にそれぞれ設定する分割点を示す説明図である。 (a),(b)は図1のレーザ加工機により図14(a)の溝形鋼を分割数で按分した角度ずつ回転させて対応する分割点に照射したレーザビームによる回転加工部の切断位置を示す説明図である。 図14(a)の溝形鋼の切断加工により切り欠きを有する部品を製造する際のレーザ加工の手順を示す説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転加工部に図15(a),(b)のパターンでレーザビームを照射して製造した図16の部品に残る切り込みを示す説明図である。 (a)は図10(a)の山形鋼を90度面上の分割点に照射したレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた山形鋼の90度面上の各分割点に照射したレーザビームによる回転加工部の切断位置を示す説明図である。 (a)は図10(a)の山形鋼を180度面上の分割点に照射したレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた山形鋼の180度面上の各分割点に照射したレーザビームによる回転加工部の切断位置を示す説明図、(d)は(a)の山形鋼を(b),(c)のパターンで回転させている間に回転加工部の表面に照射されるレーザビームによって切断される回転加工部の断面の範囲を示す説明図である。 (a)は図10(b)の不等辺山形鋼を90度面上の分割点に照射したレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた不等辺山形鋼の90度面上の各分割点に照射したレーザビームによる回転加工部の切断位置を示す説明図である。 (a)は図10(b)の不等辺山形鋼を180度面上の分割点に照射したレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた不等辺山形鋼の180度面上の各分割点に照射したレーザビームによる回転加工部の切断位置を示す説明図、(d)は(a)の不等辺山形鋼を(b),(c)のパターンで回転させている間に回転加工部の表面に照射されるレーザビームによって切断される回転加工部の断面の範囲を示す説明図である。 (a)は図14(a)の溝形鋼を第1コーナの回転加工部における90度面上の分割点に照射したレーザビームが第1コーナの回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた溝形鋼の第1コーナの回転加工部における90度面上の各分割点に照射したレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示す説明図である。 (a)は図14(a)の溝形鋼を第1コーナの回転加工部における180度面上の分割点に照射したレーザビームが第1コーナの回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた溝形鋼の第1コーナの回転加工部における180度面上の各分割点に照射したレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示す説明図、(d)は(a)の溝形鋼を(b),(c)のパターンで回転させている間に第1コーナの回転加工部の表面に照射されるレーザビームによって切断される第1コーナの回転加工部の範囲を示す説明図である。 (a)は図14(a)の溝形鋼を第2コーナの回転加工部における180度面上の分割点に照射したレーザビームが第2コーナの回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた溝形鋼の第2コーナの回転加工部における180度面上の各分割点に照射したレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示す説明図である。 (a)は図14(a)の溝形鋼を第2コーナの回転加工部における270度面上の分割点に照射したレーザビームが第2コーナの回転加工部の特定点を通過する角度回転させた状態を示す説明図、(b),(c)は(a)のパターンで回転させた溝形鋼の第2コーナの回転加工部における270度面上の各分割点に照射したレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示す説明図、(d)は(a)の溝形鋼を(b),(c)のパターンで回転させている間に第2コーナの回転加工部の表面に照射されるレーザビームによって切断される第2コーナの回転加工部の範囲を示す説明図である。 回転加工部の各分割点にレーザビームを照射するときの図10(a),(b)及び図14(a)の形鋼の回転角度を求める計算式として、回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分する計算式と、レーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度として求める計算式とを比較して示す説明図である。 (a)~(c)は図10(a),(b)及び図14(a)の形鋼の外接円を示す説明図である。 図10(a)の山形鋼を回転加工部のレーザ加工のために回転させる前の時点における各分割点のY軸及びZ軸の各座標値を示し、(a)は山形鋼のパラメータを示す説明図、(b)は回転加工部の始点、分割点及び終点の説明図、(c)は(b)の各点に関するY軸及びZ軸の各座標値の説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転前に回転加工部の始点に照射されるレーザビームによる回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転中に回転加工部の1つ目の分割点に照射されるレーザビームによる回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転中に回転加工部の2つ目の分割点に照射されるレーザビームによる回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転中に回転加工部のコーナ、即ち、3つ目の分割点に照射されるレーザビームによる回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転中に回転加工部の4つ目の分割点に照射されるレーザビームによる回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転中に回転加工部の5つ目の分割点に照射されるレーザビームによる回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図10(a)の山形鋼の回転後に回転加工部の終点に照射されるレーザビームによる回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした山形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図10(b)の不等辺山形鋼を回転加工部のレーザ加工のために回転させる前の時点における各分割点のY軸及びZ軸の各座標値を示し、(a)は不等辺山形鋼のパラメータを示す説明図、(b)は回転加工部の始点、分割点及び終点の説明図、(c)は(b)の各点に関するY軸及びZ軸の各座標値の説明図である。 図14(a)の溝形鋼を第1コーナの回転加工部のレーザ加工のために回転させる前の時点における第1コーナの各分割点のY軸及びZ軸の各座標値を示し、(a)は溝形鋼のパラメータを示す説明図、(b)は第1コーナの回転加工部の始点、分割点及び終点の説明図、(c)は(b)の各点に関するY軸及びZ軸の各座標値の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転前に第1コーナの回転加工部の始点に照射されるレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第1コーナの回転加工部の1つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第1コーナの回転加工部の2つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第1コーナの回転加工部のコーナ、即ち、3つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第1コーナの回転加工部の4つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第1コーナの回転加工部の5つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転後に第1コーナの回転加工部の終点に照射されるレーザビームによる第1コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼を第2コーナの回転加工部のレーザ加工のために回転させる前の時点における第2コーナの各分割点のY軸及びZ軸の各座標値を示し、(a)は第2コーナの回転加工部の始点、分割点及び終点の説明図、(b)は(a)の各点に関するY軸及びZ軸の各座標値の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転前に第2コーナの回転加工部の始点に照射されるレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第2コーナの回転加工部の1つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第2コーナの回転加工部の2つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第2コーナの回転加工部のコーナ、即ち、3つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第2コーナの回転加工部の4つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転中に第2コーナの回転加工部の5つ目の分割点に照射されるレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図14(a)の溝形鋼の回転後に第2コーナの回転加工部の終点に照射されるレーザビームによる第2コーナの回転加工部の切断位置を示し、(a)は回転加工部の回転加工時における総回転角度を分割数で按分した溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図、(b)はレーザビームが回転加工部の特定点を通過する角度とした溝形鋼の回転角度でレーザビームを照射する場合の説明図である。 図1のCAM装置及びNC装置によって実行されるレーザ加工方法の手順の一例を示すフローチャートである。 図53の設定ステップの詳細な手順の一例を示すフローチャートである。 (a)は山形鋼の切断加工により切り欠きを有する部品を製造する際の山形鋼に対するレーザビームの照射軌跡を示す山形鋼の要部拡大斜視図、(b)は(a)の山形鋼の回転加工部を拡大して示す展開図である。 (a)は回転加工部の外形に切り欠きを有する部品を図14(a)の溝形鋼の第1コーナを挟んだフランジ及びウェブの部分から製造する場合の溝形鋼の展開図、(b)は同じく図14(a)の溝形鋼の第2コーナを挟んだウェブ及びフランジの部分から製造する場合の溝形鋼の展開図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一あるいは同等の部位、又は構成要素には、同一の符号を付している。
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものである。この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置、機能等を下記のものに特定するものでない。
図1は本発明の一実施形態に係るレーザ加工システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示す本実施形態のレーザ加工システムは、CAD装置10、CAM装置20、NC装置30及びレーザ加工機40を有している。
CAD装置10は、鋼材を加工して生成しようとする製品の形状データを作成して、記録媒体に保持する。即ち、CAD装置10は、製品形状データ作成部11を含む。CAD装置10は、コンピュータプログラムを実行させることによって、製品形状データ作成部11の機能を実現することができる。製品形状データ作成部11は、製品形状データを、3次元(3D)CADモデルとして作成することができる。
また、CAD装置10は、製品形状データに基づいて、加工後に製品となる鋼材を平面状に展開した図面データを作成する。CAD装置10が作成する図面データは、例えば、鋼材の展開図のデータでもよく、鋼材の平面、側面、正面の各図を含む三面図のデータでもよい。本実施形態では、CAD装置10が鋼材の図面データとして展開図のデータを作成する場合について説明する。CAD装置10が作成する展開図データについては後述する。CAD装置10が作成した製品形状データ及び展開図データは、例えば、CAM装置20からの要求に応じてCAD装置10から出力され、CAM装置20に入力される。
CAM装置20は、CAD装置10から入力される製品形状データ及び展開図データを読み込む。そして、読み込んだ製品形状データ及び展開図データに基づいて、鋼材に対して、製品形状データが示す製品形状に加工するための加工範囲及び加工順を決定する。即ち、CAM装置20は、加工範囲・加工順決定部21を含む。CAM装置20は、コンピュータプログラムを実行させることによって、加工範囲・加工順決定部21の機能を実現することができる。
CAM装置20は、鋼材に対する加工範囲及び加工順を加工範囲・加工順決定部21が決定したら、鋼材に対してレーザビームによってどのように加工するかの割付けを示す割付けデータを生成する。加工の割付けは、レーザビームによる加工の軌跡を表す。割付けデータは、複数の割付けをどのような順とするかの情報を含む。即ち、CAM装置20は、割付けデータ作成装置22を含む。CAM装置20は、コンピュータプログラムを実行させることによって、割付けデータ作成装置22の機能を実現することができる。
CAM装置20は、割付けデータに基づいて鋼材を加工するための加工プログラムを生成する。加工プログラムとは、機械制御コードであるNCデータである。CAM装置20は、生成した加工プログラムをNC装置30に転送する。NC装置30は、加工プログラムに基づいてレーザ加工機40における鋼材の加工を制御する。
CAD装置10とCAM装置20とは、図1に示すように別々に構成されていてもよいし、CAD装置10とCAM装置20とが一体的に構成されていてもよい。
CAM装置20は、加工プログラムを生成する際に、本発明の一実施形態に係る作成支援プログラムを実行することができる。この作成支援プログラムを実行する場合、CAM装置20は、本発明の一実施形態に係る加工プログラムの作成支援装置として機能することができる。また、CAM装置20が、作成支援プログラムを実行して加工プログラムを生成し、NC装置30が、加工プログラムに基づいてレーザ加工機40による鋼材の加工を制御することで、本発明の一実施形態に係るレーザ加工方法を実施することができる。加工プログラムの作成支援プログラムについては後述する。
レーザ加工機40は、加工対象の鋼材を保持し、保持した鋼材に向けて、レーザ加工機40の制御座標系におけるZ軸方向にレーザビームを出力する。レーザ加工機40は、保持した鋼材を、鋼材の加工パターンに応じて、レーザ加工機40の制御座標系におけるX軸及びY軸の両方向に移動させることができる。
ところで、例えば、レーザ加工機40が保持した鋼材が、ウェブとフランジとを有する形鋼である場合、X軸方向及びY軸方向への移動だけで形鋼を加工しようとすると、ウェブ又はフランジの板厚を越える長さで形鋼を切断する部分が生じる。即ち、ウェブとフランジとが直角に突き当たる形鋼のコーナでは、例えば、ウェブ及びフランジのどちらか一方の板厚に、他方の高さ又は幅方向の全長を加えた、極めて大きい長さで形鋼を切断することになる。このような長さで形鋼の切断を実現するには、レーザビームの出力を相応に高くしなければならない。
また、ウェブとフランジとを異なる断面上で切断する場合も、形鋼をX軸方向及びY軸方向に移動させるだけでは、目的の形状にウェブ及びフランジを加工することができない。
このため、レーザ加工機40は、保持した鋼材を回転させる回転機構(図示せず)を有している。回転機構は、例えば、レーザ加工機40が保持した鋼材をX軸の周りに鋼材を回転させることができる構成とすることができる。
レーザ加工機40は、例えば、加工する鋼材がコーナを有する形鋼である場合に、回転機構を利用して、保持した形鋼を回転させながらレーザビームをコーナに照射する。形鋼の回転中にレーザビームをコーナに照射すれば、レーザビームによる形鋼の切断長さが、ウェブ又はフランジの全長を含む長さにならずに済む。また、ウェブ及びフランジの切断加工を形鋼の回転前後に分けて行うことになるので、ウェブとフランジとを異なる断面上で切断し目的の形状に加工することができる。
形鋼としては、例えば、図2(a)~(c)の斜視図に示す山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300が挙げられる。山形鋼100は等辺山形鋼とも呼ばれる。このため、等辺山形鋼と不等辺山形鋼とを総称して山形鋼と呼ぶ場合もある。本実施形態では、不等辺山形鋼200と区別して等辺山形鋼だけを山形鋼100とするが、等辺山形鋼と不等辺山形鋼とを区別するか否かは任意である。
図2(a),(b)の山形鋼100及び不等辺山形鋼200は、所定の板厚のウェブW及びフランジFをそれぞれ有している。山形鋼100及び不等辺山形鋼200は、レーザ加工機40の制御座標系のX軸方向にコーナCが延在し、Y軸方向にウェブWが延出し、Z軸方向にフランジFが延出する姿勢で、レーザ加工機40に保持される。
図2(c)の溝形鋼300は、所定の板厚のウェブW及びフランジF1,F2をそれぞれ有している。溝形鋼300は、ウェブWの両側の第1コーナC1及び第2コーナC2が、制御座標系のX軸方向にそれぞれ延在し、Y軸方向にウェブWが延出し、Z軸方向に各フランジF1,F2がそれぞれ延出する姿勢で、レーザ加工機40に保持される。
レーザ加工機40に保持された山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300は、レーザ加工機40の不図示の回転機構によって、制御座標系のX軸の周りを図2(a)~(c)中の矢印Aで示す方向に回転される。
図3(a),(b)の説明図に示すように、山形鋼100及び不等辺山形鋼200は、ウェブW及びフランジFの先端間を結ぶ対角線の中央を回転中心Oとして、レーザ加工機40の回転機構によりX軸の周りを回転方向Aに回転される。溝形鋼300は、図3(c)の説明図に示すように、各フランジF1,F2の先端とウェブWの対角線上の端部とを結ぶ2本の線の交点を回転中心Oとして、レーザ加工機40の回転機構によりX軸の周りを回転方向Aに回転される。
レーザ加工機40は、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の表面にレーザビームを照射して、山形鋼100及び不等辺山形鋼200を製品形状データに応じた製品形状に加工する。山形鋼100及び不等辺山形鋼200の表面のうち、コーナCを挟んでウェブW及びフランジFに跨がる回転加工部の表面には、レーザ加工機40は、山形鋼100及び不等辺山形鋼200を回転方向Aに90度回転させながらレーザビームを照射する。
また、レーザ加工機40は、溝形鋼300の表面にレーザビームを照射して、溝形鋼300を製品形状データに応じた製品形状に加工する。溝形鋼300の表面のうち、第1コーナC1を挟んでフランジF1及びウェブWに跨がる回転加工部の表面には、レーザ加工機40は、溝形鋼300を回転方向Aに90度回転させながらレーザビームを照射する。溝形鋼300の表面のうち、第2コーナC2を挟んでウェブW及びフランジF2に跨がる回転加工部の表面にも、レーザ加工機40は、溝形鋼300を回転方向Aに90度回転させながらレーザビームを照射する。
回転加工部の範囲は、例えば、山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300の設計上の板厚を基準にして定めることができる。定めた回転加工部の範囲は、山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300の設計上の板厚と実際の板厚との差に応じて、係数により調整してもよい。
例えば、実際の板厚が設計上の板厚よりも総じて薄めの場合は、係数を100%未満の値に設定して、設計上の板厚を基準に定めた回転加工部の範囲を実際の板厚に合わせて狭めることができる。反対に、実際の板厚が設計上の板厚よりも総じて厚めの場合は、100%を超える値に係数を設定して、設計上の板厚を基準に定めた回転加工部の範囲を実際の板厚に合わせて拡げることができる。
図4(a)~(c)は、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pの範囲を示す説明図である。図4(a)~(c)に示すように、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pは、コーナCからウェブW側及びフランジF側にそれぞれ同じ寸法Lの範囲に設定される。山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pの寸法Lは、ウェブW及びフランジFの設計上の板厚Tを基準に定めることができる。また、ウェブW及びフランジFの設計上の板厚Tを基準に定めた値を係数Mにより調整して、寸法Lを定めてもよい。
図4(a)は、ウェブW及びフランジFの設計上の板厚Tに対する寸法Lの係数Mを100%未満とした山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pの範囲を示している。図4(b)は、ウェブW及びフランジFの設計上の板厚Tに対する寸法Lの係数Mを100%とした山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pの範囲を示している。図4(c)は、ウェブW及びフランジFの設計上の板厚Tに対する寸法Lの係数Mを100%よりも大きくした山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pの範囲を示している。
例えば、実際の板厚が設計上の板厚Tを上回る山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pの寸法Lを、設計上の板厚Tを基準に定めた値にすると、回転加工部Pの内側と外側との境界が、設定上では、ウェブW上のフランジFの断面に重なる位置になる。あるいは、フランジF上のウェブWの断面に重なる位置となる。このため、設定上の境界位置を基準に回転加工部Pの外側のウェブW又はフランジFを切断加工すると、回転加工部Pの境界付近では、切断対象でないフランジF又はウェブWも、境界が断面に重なっているので同時に切断加工しなければならなくなる。
そこで、例えば、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の実際の板厚が設計上の板厚Tを上回る場合は、図4(c)に示すように、100%よりも大きい係数Mを用いる。これにより、ウェブW及びフランジFの設計上の板厚Tを基準に定めた値よりも大きい値に回転加工部Pの寸法Lを設定し、ウェブW又はフランジFの断面に重ならない位置に回転加工部Pの境界を設定することができる。
図5(a)~(c)は、溝形鋼300の回転加工部の範囲を示す説明図である。図5(a)~(c)に示すように、溝形鋼300は、第1コーナC1及び第2コーナC2にそれぞれ回転加工部Pを有している。第1コーナC1の回転加工部Pは、第1コーナC1からフランジF1側に寸法L1の範囲と、第1コーナC1からウェブW側に寸法L2の範囲とに、それぞれ設定される。第2コーナC2の回転加工部Pは、第2コーナC2からフランジF2側に寸法L1の範囲と、第2コーナC2からウェブW側に寸法L2の範囲とに、それぞれ設定される。
溝形鋼300の各回転加工部PのフランジF1,F2側の寸法L1は、溝形鋼300のウェブWの設計上の板厚T1を基準に定めることができる。また、ウェブWの設計上の板厚T1を基準に定めた値を係数Mにより調整して、寸法L1を定めてもよい。溝形鋼300の各回転加工部PのウェブW側の寸法L2は、溝形鋼300の各フランジF1,F2の設計上の板厚T2を基準に定めることができる。また、フランジF1,F2の設計上の板厚T2を基準に定めた値を係数Mにより調整して、寸法L2を定めてもよい。
図5(a)は、ウェブWの設計上の板厚T1に対する寸法L1の係数M、及び、フランジF1,F2の設計上の板厚T2に対する寸法L2の係数Mを、それぞれ100%未満とした溝形鋼300の回転加工部Pの範囲を示している。図5(b)は、ウェブWの設計上の板厚T1に対する寸法L1の係数M、及び、フランジF1,F2の設計上の板厚T2に対する寸法L2の係数Mを、それぞれ100%とした溝形鋼300の回転加工部Pの範囲を示している。図5(c)は、ウェブWの設計上の板厚T1に対する寸法L1の係数M、及び、フランジF1,F2の設計上の板厚T2に対する寸法L2の係数Mを、それぞれ100%よりも大きくした溝形鋼300の回転加工部Pの範囲を示している。
なお、回転加工部Pの範囲は、上述した山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300のウェブW又はフランジF,F1,F2の設計上の板厚T,T1,T2以外の要素を基準にして定めてもよい。定めた回転加工部Pの範囲を係数により調整可能とするか否かも任意である。
図6Aは、レーザ加工機40によって山形鋼100をレーザ加工する際のレーザビームの照射手順を示す説明図である。レーザ加工を開始する前の山形鋼100は、ウェブWが水平に延在しフランジFがコーナCにおいてウェブWから上方に垂直に延出する初期の姿勢、即ち、0度回転時の姿勢で、レーザ加工機40に保持される。
レーザ加工機40に保持された山形鋼100は、レーザ加工機40の回転機構により0度回転時の姿勢から回転方向Aに90度回転される。90度回転された山形鋼100は、フランジFが水平に延在しウェブWがコーナCにおいてフランジFから下方に垂直に延出する90度回転時の姿勢となる。
この姿勢で、Y軸の負方向に移動するレーザ加工機40のレーザヘッド41からのレーザビームが、フランジFの先端側からコーナCに向けてフランジFの表面に照射される。本実施形態では、90度回転時の姿勢でレーザビームが照射される山形鋼100のフランジFの表面を、山形鋼100の90度面と称することがある。
レーザビームの照射箇所が山形鋼100のコーナCに近づいて、回転加工部Pの始点、即ち、フランジF側の端部に達すると、レーザ加工機40の回転機構は、山形鋼100を回転方向Aに回転させる。このとき、レーザ加工機40は、山形鋼100の回転でフランジFの表面が移動するのに合わせて、レーザヘッド41をY軸方向及びZ軸方向に移動させて、回転加工部PのフランジF側に対するレーザビームの照射を継続させる。
回転加工部PのフランジF側においてレーザビームがコーナCまで照射されると、レーザ加工機40は、コーナCの先にあるウェブWの表面が山形鋼100の回転で移動するのに合わせて、レーザヘッド41をY軸方向及びZ軸方向に移動させる。これにより、回転加工部PのコーナCからウェブW側に対するレーザビームの照射が継続される。
回転機構により山形鋼100が90度回転時の姿勢から回転方向Aに90度回転されると、コーナCからウェブW側の回転加工部Pまでレーザビームが照射されて、山形鋼100が180度回転時の姿勢となる。この姿勢では、山形鋼100のウェブWが水平に延在しフランジFがウェブWから下方に垂直に延出する。
この姿勢で、Y軸の負方向に移動するレーザヘッド41からのレーザビームが、ウェブWの先端に向けて回転加工部Pを除くウェブWの表面に照射される。本実施形態では、180度回転時の姿勢でレーザビームが照射される山形鋼100のウェブWの表面を、山形鋼100の180度面と称することがある。
以上の手順により、フランジFからウェブWに亘る山形鋼100の全体を、コーナCの回転加工部Pを含めて連続してレーザ加工することができる。
図6Bは、レーザ加工機40によって不等辺山形鋼200をレーザ加工する際のレーザビームの照射手順を示す説明図である。レーザ加工を開始する前の不等辺山形鋼200は、ウェブWが水平に延在しフランジFがコーナCにおいてウェブWから上方に垂直に延出する初期の姿勢、即ち、0度回転時の姿勢で、レーザ加工機40に保持される。
レーザ加工機40に保持された不等辺山形鋼200をレーザ加工する手順は、山形鋼100のレーザ加工の手順と同じである。この手順により、フランジFからウェブWに亘る不等辺山形鋼200の全体を、コーナCの回転加工部Pを含めて連続してレーザ加工することができる。
本実施形態では、90度回転時の姿勢でレーザビームが照射される不等辺山形鋼200のフランジFの表面を、不等辺山形鋼200の90度面と称することがある。また、180度回転時の姿勢でレーザビームが照射される不等辺山形鋼200のウェブWの表面を、不等辺山形鋼200の180度面と称することがある。
図6Cは、レーザ加工機40によって溝形鋼300をレーザ加工する際のレーザビームの照射手順を示す説明図である。レーザ加工を開始する前の溝形鋼300は、ウェブWが水平に延在し第1コーナC1及び第2コーナC2の各フランジF1,F2がウェブWの両側から上方に垂直に延出する初期の姿勢、即ち、0度回転時の姿勢で、レーザ加工機40に保持される。
レーザ加工機40に保持された溝形鋼300は、レーザ加工機40の回転機構により0度回転時の姿勢から回転方向Aに90度回転される。90度回転された溝形鋼300は、ウェブWが垂直に延在し、第1コーナC1及び第2コーナC2において、ウェブWの下端及び上端からフランジF1,F2がそれぞれ水平に延出する90度回転時の姿勢となる。
この姿勢で、Y軸の負方向に移動するレーザ加工機40のレーザヘッド41からのレーザビームが、溝形鋼300の上部に位置するフランジF1の先端側から第1コーナC1に向けてフランジF1の表面に照射される。本実施形態では、90度回転時の姿勢でレーザビームが照射される溝形鋼300のフランジF1の表面を、溝形鋼300の90度面と称することがある。
レーザビームの照射箇所が溝形鋼300の第1コーナC1に近づいて、第1コーナC1の回転加工部Pの始点、即ち、フランジF1側の端部に達すると、レーザ加工機40の回転機構は、溝形鋼300を回転方向Aに回転させる。このとき、レーザ加工機40は、溝形鋼300の回転でフランジF1の表面が移動するのに合わせて、レーザヘッド41をY軸方向及びZ軸方向に移動させて、第1コーナC1の回転加工部PのフランジF1側に対するレーザビームの照射を継続させる。
回転加工部PのフランジF1側においてレーザビームが第1コーナC1まで照射されると、レーザ加工機40は、第1コーナC1の先にあるウェブWの表面が溝形鋼300の回転で移動するのに合わせて、レーザヘッド41をY軸方向及びZ軸方向に移動させる。これにより、回転加工部Pの第1コーナC1からウェブW側に対するレーザビームの照射が継続される。
回転機構により溝形鋼300が90度回転時の姿勢から回転方向Aに90度回転されると、第1コーナC1からウェブW側の回転加工部Pまでレーザビームが照射されて、溝形鋼300が180度回転時の姿勢となる。この姿勢では、溝形鋼300のウェブWが水平に延在しフランジF1,F2がウェブWの両側から下方に垂直に延出する。
この姿勢で、Y軸の負方向に移動するレーザヘッド41からのレーザビームが、第1コーナC1から第2コーナC2に向けて、第1コーナC1及び第2コーナC2の各回転加工部Pを除くウェブWの表面に照射される。
レーザビームの照射箇所が溝形鋼300の第2コーナC2に近づいて、第2コーナC2の回転加工部Pの始点、即ち、ウェブW側の端部に達すると、レーザ加工機40の回転機構は、溝形鋼300を回転方向Aに回転させる。このとき、レーザ加工機40は、溝形鋼300の回転でウェブWの表面が移動するのに合わせて、レーザヘッド41をY軸方向及びZ軸方向に移動させて、第2コーナC2の回転加工部PのウェブW側に対するレーザビームの照射を継続させる。本実施形態では、180度回転時の姿勢でレーザビームが照射される溝形鋼300のウェブWの表面を、溝形鋼300の180度面と称することがある。
回転加工部PのウェブW側においてレーザビームが第2コーナC2まで照射されると、レーザ加工機40は、第2コーナC2の先にあるフランジF2の表面が溝形鋼300の回転で移動するのに合わせて、レーザヘッド41をY軸方向及びZ軸方向に移動させる。これにより、回転加工部Pの第2コーナC2からフランジF2側に対するレーザビームの照射が継続される。
回転機構により溝形鋼300が180度回転時の姿勢から回転方向Aに90度回転されると、第2コーナC2からフランジF2側の回転加工部Pまでレーザビームが照射されて、溝形鋼300が270度回転時の姿勢となる。この姿勢では、溝形鋼300のウェブWが垂直に延在し、第1コーナC1及び第2コーナC2において、ウェブWの上端及び下端からフランジF1,F2がそれぞれ水平に延出する。
この姿勢で、Y軸の負方向に移動するレーザヘッド41からのレーザビームが、溝形鋼300の上部に位置するフランジF2の先端側に向けて、第2コーナC2の回転加工部Pを除くフランジF2の表面に照射される。本実施形態では、270度回転時の姿勢でレーザビームが照射される溝形鋼300のフランジF2の表面を、溝形鋼300の270度面と称することがある。
以上の手順により、フランジF1,F2及びウェブWに亘る溝形鋼300の全体を、第1コーナC1及び第2コーナC2の各回転加工部Pを含めて連続してレーザ加工することができる。
レーザ加工機40は、NC装置30の制御によって、CAM装置20が生成する加工プログラムのNC値に対応する位置にレーザビームが照射されるように、レーザヘッド41の位置を追従させる。加工プログラムのNC値は、回転方向Aについては回転角度θの値、X,Y,Zの各軸については座標値によって表される。即ち、CAM装置20が生成する加工プログラムは、レーザビームによる形鋼の回転加工部Pの切断加工時に、レーザ加工機40におけるレーザヘッド41の形鋼に対する相対位置及び形鋼の回転角度θを制御するために、NC装置30が使用する。
このため、山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300等の形鋼の回転中に、レーザビームを回転加工部Pに照射するには、CAM装置20が生成する加工プログラムにおいて、回転加工部P上の点のNC値を指定する必要がある。そのためには、形鋼の回転中における回転加工部P上の点の位置座標が必要になる。そこで、形鋼の回転加工部Pの表面におけるレーザビームを照射する経路上に、CAM装置20が生成する加工プログラムにおいてNC値を指定する点をいくつか設定し、形鋼を回転させるときの各軸の座標を求めることが考えられる。
図7A及び図7Bは、形鋼の回転加工部Pの表面に設定される複数の点にレーザビームがそれぞれ照射されるときの、形鋼の回転及びレーザヘッド41の位置の制御パターンを示す説明図である。図7A及び図7Bでは、形鋼が山形鋼100である場合の例を示している。
図7Aに示す例では、山形鋼100の回転加工部P上に、加工プログラムにおいてNC値を指定する2つの点を設定している。この2つの点は、回転加工部Pにレーザ加工中に山形鋼100が回転する90度を3分割し、山形鋼100が30度ずつ回転したときにレーザビームがそれぞれ照射される箇所に設定している。したがって、回転加工部Pの分割数を3つとすると、回転加工部P上には2箇所の分割点が設定される。
図7Bに示す例では、山形鋼100の回転加工部P上に、加工プログラムにおいてNC値を指定する3つの点を設定している。この3つの点は、回転加工部Pにレーザ加工中に山形鋼100が回転する90度を4分割し、山形鋼100が22.5度ずつ回転したときにレーザビームがそれぞれ照射される箇所に設定している。したがって、回転加工部Pの分割数を4つとすると、回転加工部P上には3箇所の分割点が設定される。このうちの1つは、コーナC上に設定される。
図7Aの例のように、回転加工部Pの分割数を奇数とし、回転加工部Pに偶数の分割点を設定すると、山形鋼100のコーナC上には分割点が設定されない。このため、CAM装置20が生成する加工プログラムでは、コーナCのNC値が指定されない。一方、図7Bの例のように、回転加工部Pの分割数を偶数とし、回転加工部Pに奇数の分割点を設定すると、山形鋼100のコーナC上に分割点が設定される。このため、CAM装置20が生成する加工プログラムで、コーナCのNC値が指定される。
ところで、コーナCは、回転加工部Pのレーザビームの照射軌跡上で、Z軸方向において最もレーザ加工機40に近い点となる。このため、レーザ加工機40は、レーザビームがコーナCに照射されるのを境に、Z軸方向にレーザヘッド41を移動させる向きを、正方向から負方向に、即ち、レーザ加工機40の本体側に近付く方向から遠ざかる方向に、変える必要がある。
レーザビームがコーナCに照射されるのを境に、Z軸方向におけるレーザヘッド41の移動方向を変えるためには、CAM装置20が生成する加工プログラムにおいてコーナCのNC値を指定する必要がある。即ち、加工プログラムにおいてNC値を指定する点をコーナC上に設定することが不可欠である。そこで、本実施形態では、回転加工部P上に分割点を設定する際に、図7Bの例のようにコーナC上に分割点が設定されるように、山形鋼100の回転加工部Pの分割数を偶数とする。
以下、本実施形態のCAM装置20が、形鋼の回転中にレーザ加工する回転加工部Pに設定する分割点について、図8(a),(b)を参照して説明する。なお、以下に説明する、CAM装置20が回転加工部Pに設定する分割点は、特許請求の範囲に記載した特定点に相当する。
図8(a)は、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部Pの表面に設定される分割点を示す説明図である。図8(a)では、90度回転時の姿勢にある山形鋼100及び不等辺山形鋼200のコーナCの部分を拡大して示している。図8(a)では、回転加工部Pを、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の設計上の板厚Tに対して係数M=100%の範囲に定めている。しかし、回転加工部Pは、100%以外の係数Mの範囲に定めてもよい。
図8(a)に示す山形鋼100及び不等辺山形鋼200では、回転加工部Pを6つに分割している。この場合、回転加工部P上に所定長さで照射されるレーザビームの軌跡の始点から終点までの間に、コーナC上の点を含む5つの分割点が設定される。そして、5つの分割点により、山形鋼100及び不等辺山形鋼200のフランジF及びウェブWの表面上、即ち、90度面上及び180度面上において、回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡が、同じ長さの3つずつの区間にそれぞれ分割される。
図8(b)は、溝形鋼300の回転加工部Pの表面に設定される分割点を示す説明図である。図8(b)では、90度回転時の姿勢にある溝形鋼300の第1コーナC1の部分及び第2コーナC2の部分を拡大して示している。図8(b)では、回転加工部PのウェブW上の部分及びフランジF1,F2上の部分を、それぞれ、ウェブW及びフランジF1,F2の設計上の板厚T1,T2に対して係数M=100%の範囲に定めている。しかし、回転加工部Pは、100%以外の係数Mの範囲に定めてもよい。
図8(b)に示す溝形鋼300でも、回転加工部Pを6つに分割している。この場合、第1コーナC1側の回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡の始点から終点までの間に、第1コーナC1上の点を含む5つの分割点が設定される。また、第2コーナC2の回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡の始点から終点までの間にも、第2コーナC2上の点を含む5つの分割点が設定される。
そして、第1コーナC1側では、フランジF1の表面上、即ち、90度面上の2つの分割点により、フランジF1上のレーザビームの照射軌跡が同じ長さの3つの区間に分割される。また、ウェブWの表面上、即ち、180度面上の2つの分割点により、ウェブW上のレーザビームの照射軌跡が同じ長さの3つの区間に分割される。
第2コーナC2側では、ウェブWの表面上、即ち、180度面上の2つの分割点により、ウェブW上のレーザビームの照射軌跡が同じ長さの3つの区間に分割される。また、フランジF2の表面上、即ち、270度面上の2つの分割点により、フランジF2上のレーザビームの照射軌跡が同じ長さの3つの区間に分割される。
CAM装置20は、上述のようにして形鋼の回転加工部Pに設定された分割点のNC値を、形鋼の加工プログラムにおいて生成し、NC装置30に出力する。そこで、CAM装置20による分割点のNC値の計算方法について説明する。図9は、90度回転時の姿勢から90度回転させる間に、回転加工部Pの各分割点にレーザビームがそれぞれ照射されるときの、形鋼の回転状態と各分割点の位置との一例を示す説明図である。
なお、図9の例では、説明を簡略化するために、回転加工部Pの分割数を4つとし、回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡の始点から終点までの間に、コーナCを含む3つの分割点(N=1~3)を設定している。また、図9では、形鋼の一例である山形鋼100が、レーザ加工機40の座標系におけるY軸及びZ軸を含む平面内で回転するものとする。
ここで、図9に示す山形鋼100の3つの分割点(N=1~3)のうち1つが、山形鋼100の回転開始前の座標値Y1,Z1の位置から、レーザビームの照射時には、山形鋼100の回転方向Aへの回転により座標値Y2,Z2の位置に移動するものとする。この場合、レーザビームが照射されるときの分割点の座標値Y2,Z2は、そのときの山形鋼100の回転方向Aへの回転角度をθとすると、以下の計算式によって計算することができる。
Y2=Y1cosθ+Z1sinθ・・・(1)
Z2=Z1cosθ+Y1sinθ・・・(2)
不等辺山形鋼200及び溝形鋼300についても、レーザビームが照射されるときの分割点の座標値Y2,Z2を、計算式(1),(2)で計算することができる。座標値Y2,Z2の計算には、レーザビームが照射されるときの不等辺山形鋼200及び溝形鋼300の回転角度θと、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300の回転開始前における分割点の位置の座標値Y1,Z1と用いる。
但し、上記の計算式(1),(2)では、Y軸の向きが、レーザ加工機40の座標系におけるY軸の向きとは逆になる。そこで、図9では、上記の計算式におけるY軸を示す矢印を、正負の向きが逆のレーザ加工機40の座標系におけるY軸と区別するために、破線で示している。上記の計算式におけるZ軸は、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸と正負の向きが同じなので、図9では、上記の計算式におけるZ軸を、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸と同じく実線で示している。
分割点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2を計算する上記の式は、レーザビームが分割点に照射されるときの、90度回転時の姿勢からの形鋼の回転角度θに応じた、分割点のY軸及びZ軸方向における移動量をそれぞれ表す正弦及び余弦を含んでいる。そこで、分割点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2を計算する際には、まず、形鋼の回転角度θを先に求める。
各分割点にレーザビームが照射されるときの形鋼の回転角度θは、形鋼の回転加工部Pをレーザ加工する際の加工品質に影響を及ぼす可能性がある。そこで、この影響について、形鋼が山形鋼100及び不等辺山形鋼200である場合と溝形鋼300である場合とに分けて説明する。
まず、形鋼が山形鋼100及び不等辺山形鋼200である場合を説明する。図10(a),(b)の説明図に示す山形鋼100及び不等辺山形鋼200では、フランジF及びウェブW、即ち、90度面及び180度面に跨がる回転加工部Pを6つに分割している。この場合、回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡の始点(N=0)から終点(N=6)までの間には、図10(c)の説明図に示すように、5つの分割点(N=1~5)が設定される。なお、中間の分割点(N=3)はコーナC上に設定される。
そして、5つの分割点により、回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡の始点から終点までの間が、同じ長さの6つの区間に分割される。6つの区間のうち、コーナC上の分割点(N=3)を挟んだ3つの区間はフランジF上に配置され、残る3つの区間はウェブW上に配置される。フランジF上及びウェブW上の3つずつの区間は、それぞれ所定数ずつの等間隔区間に相当する。
なお、ウェブW上に配置される3つの区間が、回転加工部Pの表面に照射されるレーザビームの軌跡の第1部分に相当し、フランジF上に配置される3つの区間が、回転加工部Pの表面に照射されるレーザビームの軌跡の第2部分に相当する。また、フランジF上の始点(N=0)がレーザビームの軌跡におけるフランジ側の端部に相当し、ウェブW上の終点(N=6)がレーザビームの軌跡におけるウェブ側の端部に相当する。
ここで、5つの分割点は、例えば、回転加工部Pのレーザ加工中の山形鋼100及び不等辺山形鋼200が、回転中心Oの周りに、90度を分割数で按分した15度ずつ回転したときに、レーザビームがそれぞれ照射される箇所に設定することができる。各分割点(N=1~5)にレーザビームが照射されるときの山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転角度θは、15度のN倍(但し、Nは1~5の整数)となる。即ち、各分割点(N=1~5)にレーザビームが照射されるときの山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転角度θは、回転加工部Pの分割数をD(=6)とした場合、下記の計算式によって計算することができる。
θ=90×N/D
=90×N/6
=15×N(但し、Nは1~5の整数)・・・(3)
となる。
なお、回転加工部Pの始点にレーザビームが照射されるときの回転角度θは0度、回転加工部Pの終点にレーザビームが照射されるときの回転角度θは90度である。このため、計算式(3)におけるNの値を、回転加工部Pの始点では「0」(N=0)、終点では回転加工部Pの分割数である「6」(N=6)とすれば、回転加工部Pの始点及び終点にレーザビームが照射されるときの回転角度θも計算式(3)で求めることができる。
また、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡を6つに分割した各区間の長さは、回転加工部PのフランジF側又はウェブW側の寸法Lを、分割数の半分D/2で除した、2×L/Dの式で計算することができる。
以上のように、回転加工部Pの5つの分割点(N=1~5)にレーザビームが照射されるときの、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転角度θを求めたら、各回転角度θにおける分割点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2を、上記の計算式(1),(2)で計算する。CAM装置20は、各回転角度θのときにレーザビームが各分割点(N=1~5)にそれぞれ照射されるように、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転とレーザヘッド41の位置とを制御する加工プログラムを生成する。
CAM装置20が生成した加工プログラムにしたがって、NC装置30がレーザ加工機40を制御すると、山形鋼100の回転加工部Pの分割点に照射されるレーザビームは、山形鋼100の断面内の、図11(a),(b)の説明図に示す光路を通過する。
図11(a)の説明図では、90度回転時の姿勢から回転方向Aに15度回転させた山形鋼100のフランジF上、即ち、90度面上の、1つ目の分割点(N=1)に照射されるレーザビームLBが通過する山形鋼100の断面内の光路を示している。図11(b)の説明図では、90度回転時の姿勢から回転方向Aに75度回転させた山形鋼100のウェブW上、即ち、180度面上の、5つ目の分割点(N=5)に照射されるレーザビームLBが通過する山形鋼100の断面内の光路を示している。
これらの分割点(N=1,5)に照射されるレーザビームLBは、山形鋼100を貫通し裏側に到達する。このレーザビームLBは、山形鋼100の断面内において、回転加工部Pの始点及び終点(N=0,6)から山形鋼100の裏面側にそれぞれ下ろした仮想的な垂線の交点Sからずれた箇所を通過する。この垂線は、山形鋼100のフランジF及びウェブWの板厚Tの方向にそれぞれ延在する。回転加工部Pの2つ目及び4つ目の分割点(N=2,4)に照射されるレーザビームLBも、山形鋼100を貫通し裏側に到達する。このレーザビームLBは、山形鋼100の断面内において、交点Sからずれた箇所を通過する。
このように、山形鋼100を回転方向Aに回転させながらレーザビームLBを山形鋼100の回転加工部Pに照射すると、山形鋼100が15度回転する毎に各分割点(N=1~5)に照射されるレーザビームLBは、山形鋼100を貫通し裏側に到達する。よって、レーザビームLBの照射を一旦止めて山形鋼100の向きを変える手順を行わなくても、回転加工部Pを含む山形鋼100をレーザビームLBにより安定して切断加工することができる。詳細な説明は省略するが、回転加工部Pの構造が山形鋼100と同様の不等辺山形鋼200においても、山形鋼100と同様にして、回転加工部Pを含む不等辺山形鋼200をレーザビームLBにより安定して切断加工することができる。
ところで、例えば、レーザ加工機40により山形鋼100を加工して部品を製造する場合、部品の形状によっては、フランジFとウェブWとを異なる断面上で切断する部分が発生する。図12の説明図では、切り欠きCuを両端に有する部品110を山形鋼100から製造する場合の、レーザ加工機40によるレーザ加工の手順を示している。
部品110の切り欠きCuの部分では、フランジFの切断面の位置とウェブWの切断面の位置とが異なる。このため、切断加工により山形鋼100から部品110を製造する場合、図中に示す部品110の手前側の切り欠きCuは、フランジF及びコーナCを切断しウェブWを残して形成される。また、部品110の奥側の切り欠きCuは、ウェブW及びコーナCを切断しフランジFを残して形成される。
そこで、レーザ加工機40により山形鋼100から部品110を製造する場合、手前側の切り欠きCuを形成する部分では、例えば、図中の太線で示すように、まず、Y軸方向に山形鋼100を移動させて、フランジFを先端からコーナCに向けて切断する。そして、コーナCを含む回転加工部Pの始点で山形鋼100を90度回転させて回転加工部Pを切断し、90度の回転後、X軸方向に山形鋼100を移動させて、回転加工部Pの終点からコーナCの延在方向に沿ってウェブWを切断する。さらに、ウェブWの切断面の位置で山形鋼100の移動方向をX軸方向からY軸方向に切り替えて、ウェブWをコーナCから先端に向けて切断する。
また、部品110の奥側の切り欠きCuを形成する部分では、例えば、図中の太線で示すように、まず、Y軸方向に山形鋼100を移動させて、フランジFを先端からコーナCに向けて切断する。そして、コーナCを含む回転加工部Pの始点で山形鋼100の移動方向をY軸方向からX軸方向に切り替えて、回転加工部Pの始点からコーナCの延在方向に沿ってウェブWを切断する。さらに、ウェブWの切断面の位置で山形鋼100を90度回転させて回転加工部Pを切断し、90度の回転後、Y軸方向に山形鋼100を移動させて、ウェブWをコーナCから先端に向けて切断する。
以上の手順で山形鋼100から部品110を製造する際に、図11(a),(b)を参照して説明した、交点Sからずれた箇所を通過するレーザビームLBで回転加工部Pをレーザ加工すると、製造された部品110に切り込みが生じる。即ち、図13の説明図に示すように、交点SからずれたレーザビームLBによる切断部分が、部品110の切り欠きCuの部分のフランジF又はウェブWのどちらかに、切り込み120,130となって残る。
詳しくは、ウェブWよりもフランジFをX軸方向において長く切り取る部品110の手前側の切り欠きCuでは、図13中の山形鋼100の裏側における回転加工部Pの拡大部分に示すように、ウェブWの断面内に食い込んだ切り込み120が残る。また、フランジFよりもウェブWをX軸方向において長く切り取る部品110の奥側の切り欠きCuでは、フランジFの断面内に食い込んだ切り込み130が残る。
山形鋼100と板厚Tが同じ不等辺山形鋼200でも、回転加工部Pの山形鋼100と同じ位置に分割点を配置すると、端部に切り欠きを有する部品を製造する場合に、山形鋼100から製造した部品110と同様の切り込みが、フランジF又はウェブWに残る。
次に、形鋼が溝形鋼300である場合を説明する。図14(a)の説明図に示す溝形鋼300では、フランジF1及びウェブW、即ち、90度面及び180度面に跨がる第1コーナC1の回転加工部Pを6つに分割している。また、溝形鋼300では、ウェブW及びフランジF2、即ち、180度面及び270度面に跨がる第2コーナC2の回転加工部Pも6つに分割している。6つに分割した各回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡の始点から終点までの間には、図14(b),(c)の説明図に示すように、5つの分割点(N=1~5)がそれぞれ設定される。なお、中間の分割点(N=3)は第1コーナC1上、第2コーナC2上にそれぞれ設定される。
そして、5つの分割点により、第1コーナC1及び第2コーナC2の表面上において、回転加工部P上のレーザビームの照射軌跡の始点から終点までの間が、6つの区間に分割される。第1コーナC1及び第2コーナC2の各回転加工部Pにおいて、6つの区間のうち、第1コーナC1及び第2コーナC2上の分割点(N=3)を挟んだ3つの区間はフランジF1,F2上に配置され、残る3つの区間はウェブW上に配置される。
フランジF1,F2上の3つの区間は同じ長さに分割される。ウェブW上の3つの区間も同じ長さに分割される。フランジF1,F2上とウェブW上とでは、回転加工部Pの寸法L1,L2が異なる。このため、フランジF1,F2上の回転加工部Pを3つに分割した区間の長さは、ウェブW上の回転加工部Pを3つに分割した区間の長さと異なる。
なお、第1コーナC1及び第2コーナC2のそれぞれにおいて、ウェブW上に配置される3つの区間が、回転加工部Pの表面に照射されるレーザビームの軌跡の第1部分に相当する。また、第1コーナC1及び第2コーナC2のそれぞれにおいて、フランジF1,F2上に配置される3つの区間が、回転加工部Pの表面に照射されるレーザビームの軌跡の第2部分に相当する。
さらに、第1コーナC1のフランジF1上の始点(N=0)及び第2コーナC2のフランジF2上の終点(N=6)が、レーザビームの軌跡におけるフランジ側の端部に相当する。また、第1コーナC1のウェブW上の終点(N=6)及び第2コーナC2のウェブW上の始点(N=0)が、レーザビームの軌跡におけるウェブ側の端部に相当する。
ここで、第1コーナC1及び第2コーナC2の5つずつの分割点は、例えば、回転加工部Pのレーザ加工中の溝形鋼300が、回転中心Oの周りに、90度を分割数で按分した15度ずつ回転したときに、レーザビームがそれぞれ照射される箇所に設定することができる。第1コーナC1及び第2コーナC2の各分割点(N=1~5)にレーザビームが照射されるときの溝形鋼300の回転角度θは、15度のN倍(但し、Nは1~5の整数)となる。即ち、各分割点(N=1~5)にレーザビームが照射されるときの溝形鋼300の回転角度θは、回転加工部Pの分割数をD(=6)とした場合、山形鋼100及び不等辺山形鋼200の回転角度θと同じ計算式(3)によって計算することができる。
なお、第1コーナC1及び第2コーナC2のそれぞれにおいて、回転加工部Pの始点にレーザビームが照射されるときの回転角度θは0度、回転加工部Pの終点にレーザビームが照射されるときの回転角度θは90度である。このため、計算式(3)におけるNの値を、回転加工部Pの始点では「0」(N=0)、終点では回転加工部Pの分割数である「6」(N=6)とすれば、回転加工部Pの始点及び終点にレーザビームが照射されるときの回転角度θも計算式(3)で求めることができる。
また、溝形鋼300のフランジF1,F2上、即ち、90度面上又は270度面上の隣り合う2つの分割点間の間隔は、フランジF1,F2側の回転加工部Pの寸法L1を、分割数の半分D/2で除した、2×L1/Dの式で計算することができる。溝形鋼300のウェブW上、即ち、180度面上の隣り合う2つの分割点間の間隔は、ウェブW側の回転加工部Pの寸法L2を、分割数の半分D/2で除した、2×L2/Dの式で計算することができる。
以上のように、第1コーナC1及び第2コーナC2のそれぞれについて、回転加工部Pの5つの分割点(N=1~5)にレーザビームが照射されるときの溝形鋼300の回転角度θを求める。また、求めた各回転角度θにおける分割点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2を、第1コーナC1及び第2コーナC2のそれぞれについて、上記の計算式で計算する。そして、各回転角度θのときにレーザビームが各分割点(N=1~5)にそれぞれ照射されるように、溝形鋼300の回転とレーザヘッド41の位置とを制御する加工プログラムを、CAM装置20において生成する。
CAM装置20が生成した加工プログラムにしたがって、NC装置30がレーザ加工機40を制御すると、溝形鋼300の回転加工部Pの分割点に照射されるレーザビームの光路は、図15(a),(b)の説明図に示す光路を通過する。
図15(a)の説明図では、90度回転時の姿勢から回転方向Aに45度回転させた溝形鋼300の第1コーナC1上の、3つ目の分割点(N=3)に照射されるレーザビームLBの光路を示している。図15(b)の説明図では、180度回転時の姿勢から回転方向Aに45度回転させた溝形鋼300の第2コーナC2上の、3つ目の分割点(N=3)に照射されるレーザビームLBの光路を示している。
各コーナC1,C2の3つ目の各分割点(N=3)に照射されるレーザビームLBは、溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。このレーザビームLBは、溝形鋼300の断面内において、回転加工部Pの始点及び終点(N=0,6)から溝形鋼300の裏面側にそれぞれ下ろした仮想的な垂線の交点Sからずれた箇所を通過する。この垂線は、溝形鋼300のウェブW及びフランジF1,F2の板厚T1,T2の方向にそれぞれ延在する。回転加工部Pの1つ目、2つ目、4つ目及び5つ目の分割点(N=1,2,4,5)に照射されるレーザビームLBも、溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。このレーザビームLBは、溝形鋼300の断面内において、交点Sからずれた箇所を通過する。
このように、溝形鋼300を回転方向Aに回転させながらレーザビームLBを溝形鋼300の各コーナC1,C2の回転加工部Pに照射すると、溝形鋼300が15度回転する毎に各分割点(N=1~5)に照射されるレーザビームLBは、溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。よって、レーザビームLBの照射を一旦止めて溝形鋼300の向きを変える手順を行わなくても、回転加工部Pを含む溝形鋼300をレーザビームLBにより安定して切断加工することができる。
ところで、例えば、レーザ加工機40により溝形鋼300を加工して部品を製造する場合、部品の形状によっては、フランジF1,F2の片方又は両方とウェブWとを異なる断面上で切断する部分が発生する。図16の説明図では、切り欠きCuを両端に有する部品310を溝形鋼300から製造する場合の、レーザ加工機40によるレーザ加工の手順を示している。
部品310の切り欠きCuの部分では、両フランジF1,F2の切断面の位置とウェブWの切断面の位置とが異なる。このため、切断加工により溝形鋼300から部品310を製造する場合、図中に示す部品310の手前側にある切り欠きCuは、ウェブW及び両コーナC1,C2を切断し両フランジF1,F2を残して形成される。また、部品310の奥側にある2つの切り欠きCuは、各フランジF1,F2及び各コーナC1,C2をそれぞれ切断しウェブWを残して形成される。
そこで、レーザ加工機40により溝形鋼300から部品310を製造する場合、手前側の切り欠きCuを形成する部分では、例えば、図中の太線で示すように、まず、Y軸方向に山形鋼100を移動させて、フランジF1を先端から第1コーナC1に向けて切断する。そして、第1コーナC1を含む回転加工部Pの始点で溝形鋼300の移動方向をY軸方向からX軸方向に切り替えて、回転加工部Pの始点から第1コーナC1の延在方向に沿ってウェブWを切断する。さらに、ウェブWの切断面の位置で溝形鋼300を90度回転させて第1コーナC1の回転加工部Pを切断し、90度の回転後、Y軸方向に溝形鋼300を移動させて、ウェブWを第1コーナC1から第2コーナC2に向けて切断する。
続いて、第2コーナC2を含む回転加工部Pの始点で溝形鋼300を90度回転させて第2コーナC2の回転加工部Pを切断する。そして、90度の回転後、X軸方向に溝形鋼300を移動させて、回転加工部Pの終点から第2コーナC2の延在方向に沿ってフランジF2を切断する。さらに、フランジF2の切断面の位置で溝形鋼300の移動方向をX軸方向からY軸方向に切り替えて、フランジF2を第2コーナC2から先端に向けて切断する。
また、部品310の奥側にあるフランジF1側の切り欠きCuを形成する部分では、まず、Y軸方向に溝形鋼300を移動させて、フランジF1を先端から第1コーナC1に向けて切断する。そして、第1コーナC1を含む回転加工部Pの始点で溝形鋼300を90度回転させて回転加工部Pを切断し、90度の回転後、X軸方向に溝形鋼300を移動させて、回転加工部Pの終点から第1コーナC1の延在方向に沿ってウェブWを切断する。さらに、ウェブWの切断面の位置で溝形鋼300の移動方向をX軸方向からY軸方向に切り替えて、ウェブWを第1コーナC1から第2コーナC2に向けて切断する。
続いて、部品310の奥側にあるフランジF2側の切り欠きCuを形成する部分では、第2コーナC2を含む回転加工部Pの始点で溝形鋼300の移動方向をY軸方向からX軸方向に切り替える。そして、回転加工部Pの始点から第2コーナC2の延在方向に沿ってウェブWを切断する。さらに、フランジF2の切断面の位置で溝形鋼300を90度回転させて第2コーナC2の回転加工部Pを切断し、90度の回転後、Y軸方向に溝形鋼300を移動させて、フランジF2を第2コーナC2から先端に向けて切断する。
以上の手順で溝形鋼300から部品310を製造する際に、図15(a),(b)を参照して説明した、交点Sからずれた箇所を通過するレーザビームLBで回転加工部Pをレーザ加工すると、製造された部品310に切り込みが生じる。即ち、各コーナC1,C2の回転加工部Pにおいて、図17の説明図に示すように、交点SからずれたレーザビームLBによる切断部分が、部品310の切り欠きCuの部分における、フランジF1,F2の断面の内側部分に、切り込み320となって残る。
詳しくは、ウェブWよりもフランジF1,F2をX軸方向において長く切り取る部品310の奥側の切り欠きCuでは、図17中の溝形鋼300の裏側における回転加工部Pの拡大部分に示すように、切り込み320はフランジF1,F2ごと切り取られる。したがって、部品310の奥側の切り欠きCuには切り込み320は残らない。しかし、フランジF1,F2よりもウェブWをX軸方向において長く切り取る部品310の手前側の切り欠きCuでは、ウェブWを切り取った後もフランジF1,F2が残るので、フランジF1,F2の断面の内側部分に生じた切り込み320も部品310に残る。
このように、形鋼の回転加工部Pに設定する各分割点にレーザビームLBが照射されるときの形鋼の回転角度θを、回転加工部Pのレーザ加工中に形鋼が回転する角度を回転加工部Pの分割数で按分した角度の倍数にすると、レーザ加工後の形鋼に切り込みが残る。形鋼の強度を確保する上では、このような切り込みが残らないように、各分割点に対するレーザビームLBの照射時における形鋼の回転角度θを設定できれば、一層好ましい。
そこで、形鋼のレーザビームLBによって切断する経路上に設定される各分割点にレーザビームLBが照射されるときの回転角度θを、各分割点に照射されるレーザビームLBが必ず上述した回転加工部Pの交点Sを通過する角度にしてもよい。
山形鋼100及び不等辺山形鋼200の場合、回転加工部Pの交点Sは、図10(c)に示す、フランジF上の始点及びウェブW上の終点(N=0,6)から裏面側にそれぞれ下ろした仮想的な垂線Ps,Peの交差する点である。この交点Sは、回転加工部Pの特定点に相当する。また、ウェブW上の終点(N=6)からの垂線Peは第1仮想線に相当し、フランジF上の始点(N=0)からの垂線Psは第2仮想線に相当する。
一方、溝形鋼300の場合、回転加工部Pの交点Sは、第1コーナC1の回転加工部Pについては、図14(b)に示す、フランジF1上の始点及びウェブW上の終点(N=0,6)から裏面側にそれぞれ下ろした仮想的な垂線Ps,Peの交差する点である。第2コーナC2の回転加工部Pについては、図14(c)に示す、ウェブW上の始点及びフランジF2上の終点(N=0,6)から裏面側にそれぞれ下ろした仮想的な垂線Ps,Peの交差する点である。この交点Sは、回転加工部Pの特定点に相当する。
また、第2コーナC2の回転加工部Pにおいて、ウェブW上の始点(N=0)からの垂線Psは第1仮想線に相当し、フランジF2上の終点(N=6)からの垂線Peは第2仮想線に相当する。さらに、第1コーナC1の回転加工部Pにおいて、ウェブW上の終点(N=6)からの垂線Peは第1仮想線に相当し、フランジF1上の始点(N=0)からの垂線Psは第2仮想線に相当する。
図18(a)は、フランジF上、即ち、90度面上の分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図10(a)の山形鋼100を回転させた状態を示す説明図である。図18(b),(c)は、図18(a)のパターンで回転させた山形鋼100の90度面上の各分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。
図18(a)に示す山形鋼100では、図18(b),(c)に示すように、同じ長さの6つの区間に分割した回転加工部Pの1つ目及び2つ目の各分割点(N=1,2)に、交点Sを通過するレーザビームLBをそれぞれ照射している。このとき、回転加工部Pの始点(N=0)から各分割点(N=1,2)までの区間の長さは、回転加工部PのフランジF側の寸法Lを分割数の半分D/2で除した2×L/DのN倍、即ち、2×L×N/D(但し、D=6、N=1,2)となる。
回転角度θの正接(tanθ)は、回転加工部Pの始点(N=0)から各分割点(N=1,2)までの区間の長さ2×L×N/D(但し、D=6、N=1,2)を、回転加工部PのフランジF側の寸法Lで除した値となる。この値2×N/D(但し、D=6、N=1,2)の逆正接(=arctan(2×N/D))は、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの1つ目及び2つ目の各分割点(N=1,2)にそれぞれ照射されるときの回転角度θとなる。
図19(a)は、ウェブW上、即ち、180度面上の分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図10(a)の山形鋼100を回転させた状態を示す説明図である。図19(b),(c)は、図19(a)のパターンで回転させた山形鋼100の180度面上の各分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。図19(d)は、山形鋼100を図19(b),(c)のパターンで回転させている間に表面に照射されるレーザビームLBによって切断される、回転加工部Pの断面の範囲を示す説明図である。
図19(a)に示す山形鋼100では、図19(b),(c)に示すように、回転加工部Pの4つ目及び5つ目の各分割点(N=4,5)に、交点Sを通過するレーザビームLBをそれぞれ照射している。このとき、各分割点(N=4,5)から回転加工部Pの終点(N=6)までの区間の長さは、回転加工部PのウェブW側の寸法Lを分割数の半分D/2で除した2×L/Dの(D-N)倍、即ち、2×L×(D-N)/D(但し、D=6、N=4,5)となる。
回転角度θの正接(tanθ)は、回転加工部Pの各分割点(N=4,5)から終点(N=6)までの区間の長さ2×L×(D-N)/D(但し、D=6、N=4,5)で、回転加工部PのウェブW側の寸法Lを除した値となる。この値D/2×(D-N)(但し、D=6、N=4,5)の逆正接(=arctan(D/2×(D-N)))は、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの4つ目及び5つ目の各分割点(N=4,5)にそれぞれ照射されるときの回転角度θとなる。
なお、図示を省略しているが、図10(a)の山形鋼100のコーナC上の分割点(N=3)に照射したレーザビームLBは、山形鋼100の回転角度θが45度であるときに交点Sを通過する。
以上の回転角度θで各分割点(N=1~5)にレーザビームLBを照射すると、山形鋼100のフランジF又はウェブWを回転加工部Pと同一の断面上で切断せず残した場合に、それらには、図19(d)に示すように、切り込みが残らない。このときの山形鋼100の回転角度θは、第1仮想線又は第2仮想線に対する第1仮想線及び第2仮想線の交点と各分割点とをそれぞれ結ぶ直線のなす角度に相当する。
図20(a)は、フランジF上、即ち、90度面上の分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図10(b)の不等辺山形鋼200を回転させた状態を示す説明図である。図20(b),(c)は、図20(a)のパターンで回転させた不等辺山形鋼200の90度面上の各分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。
図21(a)は、ウェブW上、即ち、180度面上の分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図10(b)の不等辺山形鋼200を回転させた状態を示す説明図である。図21(b),(c)は、図21(a)のパターンで回転させた不等辺山形鋼200の180度面上の各分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。図21(d)は、不等辺山形鋼200を図21(b),(c)のパターンで回転させている間に表面に照射されるレーザビームLBによって切断される、回転加工部Pの断面の範囲を示す説明図である。
図18(a)及び図19(a)と図20(a)及び図21(a)との比較から明らかなように、山形鋼100と不等辺山形鋼200とは、それぞれの回転加工部Pに設定される各分割点(N=1~5)のコーナCに対する位置関係が同じである。したがって、山形鋼100と不等辺山形鋼200とは、コーナC上の分割点(N=3)を除く各分割点(N=1,2,4,5)に照射されるレーザビームLBが交点Sを通過する回転角度θが同じである。このことは、図18(b),(c)及び図19(b),(c)と図20(b),(c)及び図21(b),(c)との比較からも明らかである。
また、図示を省略しているが、図10(b)の不等辺山形鋼200のコーナC上の分割点(N=3)に照射したレーザビームLBは、山形鋼100の場合と同じく、不等辺山形鋼200の回転角度θが45度であるときに交点Sを通過する。
以上の回転角度θで各分割点(N=1~5)にレーザビームLBを照射すると、不等辺山形鋼200のフランジF又はウェブWを回転加工部Pと同一の断面上で切断せず残した場合に、それらには、図21(d)に示すように、切り込みが残らない。このときの不等辺山形鋼200の回転角度θは、第1仮想線又は第2仮想線に対する第1仮想線及び第2仮想線の交点と各分割点とをそれぞれ結ぶ直線のなす角度に相当する。
図22(a)は、第1コーナC1の回転加工部PにおけるフランジF1上、即ち、90度面上の分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図14(a)の溝形鋼300を回転させた状態を示す説明図である。図22(b),(c)は、図22(a)のパターンで回転させた溝形鋼300の、第1コーナC1の回転加工部Pにおける90度面上の各分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。
図22(a)に示す溝形鋼300では、図22(b),(c)に示すように、同じ長さの3つの区間に分割した回転加工部PのフランジF1側における1つ目及び2つ目の各分割点(N=1,2)に、交点Sを通過するレーザビームLBをそれぞれ照射している。このとき、回転加工部Pの始点(N=0)から各分割点(N=1,2)までの区間の長さは、回転加工部PのウェブW側の寸法L1を分割数の半分D/2で除した2×L1/DのN倍、即ち、2×L1×N/D(但し、D=6、N=1,2)となる。
また、図22(a)に示す溝形鋼300では、回転加工部Pの第1コーナC1上の分割点(N=3)に、交点Sを通過するレーザビームLBを照射している。このとき、回転加工部Pの始点(N=0)から第1コーナC1、即ち、分割点(N=3)までの区間の長さは、回転加工部PのウェブW側の寸法L1を分割数の半分D/2で除した2×L1/DのN倍、即ち、2×L1×N/D(但し、D=6、N=3)となる。
回転角度θの正接(tanθ)は、回転加工部Pの始点(N=0)から各分割点(N=1~3)までの区間の長さ2×L1×N/D(但し、D=6、N=1~3)を、回転加工部PのフランジF1側の寸法L2で除した値となる。この値2×L1×N/L2×D(但し、D=6、N=1~3)の逆正接(=arctan(2×L1×N/L2×D))は、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの1つ目~3つ目の各分割点(N=1~3)にそれぞれ照射されるときの回転角度θとなる。
図23(a)は、第1コーナC1の回転加工部PにおけるウェブW上、即ち、180度面上の分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図14(a)の溝形鋼300を回転させた状態を示す説明図である。図23(b),(c)は、図23(a)のパターンで回転させた溝形鋼300の、第1コーナC1の回転加工部Pにおける180度面上の各分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。図23(d)は、溝形鋼300を図23(b),(c)のパターンで回転させている間に表面に照射されるレーザビームLBによって切断される、第1コーナC1の回転加工部Pの断面の範囲を示す説明図である。
図23(a)に示す溝形鋼300では、図23(b),(c)に示すように、同じ長さの3つの区間に分割した回転加工部PのウェブW側における4つ目及び5つ目の各分割点(N=4,5)に、交点Sを通過するレーザビームLBをそれぞれ照射している。このとき、各分割点(N=4,5)から回転加工部Pの終点(N=6)までの区間の長さは、回転加工部PのフランジF1側の寸法L2を分割数の半分D/2で除した2×L2/Dの(D-N)倍、即ち、2×L2×(D-N)/D(但し、D=6、N=4,5)となる。
回転角度θの正接(tanθ)は、回転加工部Pの各分割点(N=4,5)から終点(N=6)までの区間の長さ2×L2×(D-N)/D(但し、D=6、N=4,5)で、回転加工部PのウェブW側の寸法L1を除した値となる。この値L1×D/2×L2×(D-N)(但し、D=6、N=4,5)の逆正接(=arctan(L1×D/2×L2×(D-N)))は、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの4つ目及び5つ目の各分割点(N=4,5)にそれぞれ照射されるときの回転角度θとなる。
なお、上記の各式を用い、第1コーナC1上の分割点(N=3)から回転加工部Pの終点(N=6)までの区間の長さから、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの第1コーナC1上の分割点(N=3)に照射されるときの回転角度θを求めてもよい。
図24(a)は、第2コーナC2の回転加工部PにおけるウェブW上、即ち、180度面上の分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図14(a)の溝形鋼300を回転させた状態を示す説明図である。図24(b),(c)は、図24(a)のパターンで回転させた溝形鋼300の、第2コーナC2の回転加工部Pにおける180度面上の各分割点(N=1,2)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。
図24(a)に示す溝形鋼300では、図24(b),(c)に示すように、同じ長さの3つの区間に分割した回転加工部PのウェブW側における1つ目及び2つ目の各分割点(N=1,2)に、交点Sを通過するレーザビームLBをそれぞれ照射している。このとき、回転加工部Pの始点(N=0)から各分割点(N=1,2)までの区間の長さは、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2を分割数の半分D/2で除した2×L2/DのN倍、即ち、2×L2×N/D(但し、D=6、N=1,2)となる。
また、図24(a)に示す溝形鋼300では、回転加工部Pの第2コーナC2上の分割点(N=3)に、交点Sを通過するレーザビームLBを照射している。このとき、回転加工部Pの始点(N=0)から第2コーナC2、即ち、分割点(N=3)までの区間の長さは、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2を分割数の半分D/2で除した2×L2/DのN倍、即ち、2×L2×N/D(但し、D=6、N=3)となる。
回転角度θの正接(tanθ)は、回転加工部Pの始点(N=0)から各分割点(N=1,2)までの区間の長さ2×L2×N/D(但し、D=6、N=1~3)を、回転加工部PのウェブW側の寸法L1で除した値となる。この値2×L2×N/L1×D(但し、D=6、N=1~3)の逆正接(=arctan(2×L2×N/L1×D))は、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの1つ目~3つ目の各分割点(N=1~3)にそれぞれ照射されるときの回転角度θとなる。
図25(a)は、第2コーナC2の回転加工部PにおけるフランジF2上、即ち、270度面上の分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する角度まで、図14(a)の溝形鋼300を回転させた状態を示す説明図である。図25(b),(c)は、図25(a)のパターンで回転させた溝形鋼300の、第2コーナC2の回転加工部Pにおける270度面上の各分割点(N=4,5)に照射したレーザビームLBによる切断位置を示す説明図である。図25(d)は、溝形鋼300を図25(b),(c)のパターンで回転させている間に表面に照射されるレーザビームLBによって切断される、第2コーナC2の回転加工部Pの断面の範囲を示す説明図である。
図25(a)に示す溝形鋼300では、図25(b),(c)に示すように、同じ長さの3つの区間に分割した回転加工部PのフランジF2側における4つ目及び5つ目の各分割点(N=4,5)に、交点Sを通過するレーザビームLBをそれぞれ照射している。このとき、各分割点(N=4,5)から回転加工部Pの終点(N=6)までの区間の長さは、回転加工部PのウェブW側の寸法L1を分割数の半分D/2で除した2×L1/Dの(D-N)倍、即ち、2×L1×(D-N)/D(但し、D=6、N=4,5)となる。
回転角度θの正接(tanθ)は、回転加工部Pの各分割点(N=4,5)から終点(N=6)までの区間の長さ2×L1×(D-N)/D(但し、D=6、N=4,5)で、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2を除した値となる。この値L2×D/2×L1×(D-N)(但し、D=6、N=4,5)の逆正接(=arctan(L2×D/2×L1×(D-N)))は、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの4つ目及び5つ目の各分割点(N=4,5)にそれぞれ照射されるときの回転角度θとなる。
なお、上記の各式を用い、第2コーナC2上の分割点(N=3)から回転加工部Pの終点(N=6)までの区間の長さから、交点Sを通過するレーザビームLBが回転加工部Pの第2コーナC2上の分割点(N=3)に照射されるときの回転角度θを求めてもよい。
以上の回転角度θで各分割点(N=1~5)にレーザビームLBを照射すると、溝形鋼300のフランジF1,F2又はウェブWを回転加工部Pと同一の断面上で切断せず残した場合に、それらには、図25(d)に示すように、切り込みが残らない。このときの溝形鋼300の回転角度θは、第1仮想線又は第2仮想線に対する第1仮想線及び第2仮想線の交点と各分割点とをそれぞれ結ぶ直線のなす角度に相当する。
以上に説明した各分割点にレーザビームLBが照射されるときの形鋼の回転角度θを計算する式をまとめたのが、図26の説明図に示す表である。図26では、回転加工部Pの回転加工時における形鋼の総回転角度θを分割数で按分する計算式と、レーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式とを比較して示している。
回転加工部Pの回転加工時における形鋼の総回転角度θを分割数で按分する計算式とは、回転加工部Pのレーザ加工時における形鋼の総回転角度、即ち、90度を、回転加工部Pの分割数Dで按分した角度に、分割点の配置に応じた数Nを乗じて、回転角度θを計算する計算式である。この計算式では、各分割点にレーザビームLBが照射されるときの形鋼の回転角度θが、形鋼の種類、あるいは、レーザビームLBが照射される分割点の形鋼における配置を問わず、同じ計算式で求まる画一的な値となる。このため、この計算式で求まる回転角度θでは、ウェブW又はフランジF,F1,F2を回転加工部Pとは異なる断面上で切断する場合に、ウェブW又はフランジF,F1,F2に、各分割点に照射したレーザビームLBによる切り込みが生じてしまう。
一方、レーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式とは、回転加工前の姿勢の形鋼を、分割点に照射されたレーザビームLBが回転加工部Pの断面中の交点Sを通過する姿勢とするのに必要な回転角度θを、分割点毎に計算する計算式である。この計算式では、各分割点にレーザビームLBが照射されるときの形鋼の回転角度θが、形鋼の種類、あるいは、レーザビームLBが照射される分割点の形鋼における配置に応じた、個別の計算式で求まる固有の値となる。このため、この計算式で求まる回転角度θでは、ウェブW又はフランジF,F1,F2を回転加工部Pとは異なる断面上で切断しても、各分割点に照射したレーザビームLBによる切り込みがウェブW又はフランジF,F1,F2に生じないようにすることができる。
そして、CAM装置20は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式を用いて、各分割点(N=1~5)にレーザビームLBが照射されるときの形鋼の回転角度θをそれぞれ計算する。また、計算した回転角度θと、回転加工部Pのレーザ加工のために形鋼が回転を開始する前の、レーザビームLBが照射される分割点のY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1とを用いて、レーザビーム照射時における分割点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2を、先に説明した計算式(1),(2)を用いて計算する。
なお、CAM装置20は、計算式(1),(2)を用いて計算した、レーザビーム照射時の各分割点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2と、形鋼の回転角度θとを、レーザ加工機40の座標系における座標値に変換する。また、CAM装置20は、例えば、CAD装置10から入力される製品形状データに基づいて、始点、各分割点及び終点(N=0~6)の、レーザ加工機40の座標系におけるX軸の座標値を特定する。CAM装置20は、加工プログラムにおける変数を、この変換後の座標値に設定する。
具体的には、計算式(1),(2)の座標系とレーザ加工機40の座標系とでY軸の向きが逆なので、CAM装置20は、計算式(1),(2)を用いて計算したY軸の座標値Y2に(-1)を乗じた座標値-Y2を、加工プログラムにおける分割点のY軸の座標値とする。
また、計算式(1),(2)の座標系とレーザ加工機40の座標系とでは、Z軸の原点の位置が異なる。そこで、CAM装置20は、計算式(1),(2)を用いて計算したZ軸の座標値Z2にオフセット値αを加えたZ2+αを、加工プログラムにおける分割点のZ軸の座標値とする。オフセット値αは、Z軸の座標値の原点補正用の値である。
なお、計算式(1),(2)の座標系は、形鋼の回転中心O上を原点とする第1座標系に相当する。また、レーザ加工機40の座標系は、レーザヘッドの位置制御に用いる座標系第2座標系に相当する。
以下、計算式(1),(2)の座標系におけるZ軸の原点と、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸の原点とが異なることについて、図27(a)~(c)を参照して説明する。
図27(a),(b)は、図10(a),(b)の山形鋼100及び不等辺山形鋼200の外接円を示す説明図、図27(c)は、図14(a)の溝形鋼300の外接円を示す説明図である。図27(a)~(c)に仮想線で示す山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300の外接円は、山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300を図中の回転中心Oの周りに回転させた場合の外形の回転軌跡と一致する。この回転中心Oは、図3(a)~(c)を参照して説明した、山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300がレーザ加工機40の回転機構により回転方向Aに回転するときの回転中心である。
レーザ加工機40のレーザヘッド41は、レーザビームLBを照射する形鋼の表面の位置に応じて、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸方向に移動する。このため、レーザ加工機40には、レーザヘッド41が回転中の形鋼と干渉しないレーザ加工機40の本体側の位置までZ軸方向に退避できるように、レーザヘッド41の移動範囲が設定される。したがって、レーザ加工機40の最も本体側に移動したときのレーザヘッド41は、少なくとも、形鋼の回転中心から、形鋼の回転中における外形の回転軌跡、即ち、形鋼の外接円の半径R分だけ離れて位置することになる。そして、この位置が、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸の原点となる。
一方、計算式(1),(2)において、Z軸の原点は、図9を参照して説明した、形鋼のレーザビーム照射時における各分割点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2の形鋼の回転中心となる。即ち、座標値Y2,Z2の計算式におけるZ座標値と、レーザ加工機40の座標系におけるZ座標値との間には、形鋼の外形の回転軌跡における半径分のずれが存在する。このため、CAM装置20は、加工プログラムにおける分割点のZ軸の座標値として設定する値を、座標変換により、計算式(1),(2)の座標系における座標値Z2から、レーザ加工機40の座標系における座標値に補正する必要がある。
そこで、CAM装置20は、計算式(1),(2)を用いて計算した、レーザビーム照射時の各分割点のZ軸の座標値Z2にオフセット値αを加えた値を、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸の座標値として設定する。形鋼の回転中心は、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸の原点からZ軸の負方向に形鋼の外接円の半径Rだけシフトした位置に存在するので、オフセット値αは-Rとなる。
さらに、CAM装置20は、回転加工部Pのレーザ加工前の形鋼が0度回転時の姿勢ではない場合に、計算によって求めた回転角度θに、レーザ加工の開始前の形鋼の姿勢に応じた回転角度βを加えた値θ+βを、加工プログラムにおける形鋼の回転角度として設定する。回転角度βは、計算によって求めた形鋼の回転角度θを0度回転時の姿勢からの形鋼の回転角度に補正する補正値である。
即ち、計算式(1),(2)における回転角度θは、回転加工部Pのレーザ加工の際に形鋼を90度回転時又は180度回転時の姿勢から回転させる角度である。このため、CAM装置20は、計算式(1),(2)で求めた回転角度θに、回転加工部Pのレーザ加工前の形鋼の姿勢に対応する回転角度βを加える。例えば、形鋼が90度回転時の姿勢から回転加工部Pのレーザ加工を開始する場合は、計算式(1),(2)で求めた回転角度θに加える回転角度βは90度となる。形鋼が180度回転時の姿勢から回転加工部Pのレーザ加工を開始する場合は、計算式(1),(2)で求めた回転角度θに加える回転角度βは180度となる。
次に、計算式(1),(2)における、形鋼の回転開始前における回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)の、Y軸及びZ軸の座標値Y1,Z1を、形鋼の種類毎にそれぞれ説明する。
まず、図28(a)の説明図に示す山形鋼100のフランジF及びウェブWに跨がる回転加工部Pを、90度回転時の姿勢から山形鋼100を回転させてレーザ加工する場合について説明する。ここで、山形鋼100のウェブWの幅Bが100、フランジFの高さHが100、ウェブW及びフランジFの板厚Tが10であるものとする。山形鋼100の幅B、高さH及び板厚Tの単位は省略する。この山形鋼100の回転加工部Pを6つの区間に分割すると、図28(b)の説明図に示すように、コーナC上の分割点(N=3)を挟んだ3つの区間はフランジF上に配置され、残る3つの区間はウェブW上に配置される。
この山形鋼100が、図28(a)に示す90度回転時の姿勢にある状態で、回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)の、計算式(1),(2)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1は、図28(c)の説明図の表に示す値となる。
そして、回転加工部Pの始点(N=0)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算しても0度となる。このため、回転角度θと、図28(c)の始点(N=0)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1と、計算式(1),(2)とから求まる、加工プログラムにおけるX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定される値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても同じになる。
なお、始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても、G01A90.X_Y-40.Z-20.711となる。
ここで、先頭のG01は回転加工のコマンドを示す。コマンドに続くA90.は、始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時における0度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θが90度であることを示す。つまり、始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時における山形鋼100の姿勢を、回転加工部Pのレーザ加工を開始する前の90度回転時の姿勢のままとすることを示す。
回転角度θに続くX_は、レーザビームLBの照射時における始点(N=0)の、レーザ加工機40の座標系におけるX軸の座標値を示す。なお、回転加工部Pのレーザ加工の際に山形鋼100を回転させても、始点(N=0)のX軸の座標値は変化しない。そこで、ここでは、説明を単純化するために、CAM装置20が加工プログラムにおけるX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値のうちX軸の座標値を、任意の値を示す「_」としている。実際には、始点(N=0)の位置に応じた値が、加工プログラムにおけるX軸の座標値として設定される。
また、回転加工部Pのレーザ加工の際に山形鋼100を回転させてもX軸の座標値が変化しないのは、始点(N=0)だけに限らず、各分割点及び終点(N=1~6)についても同じである。そこで、以後、各分割点及び終点(N=1~6)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおけるX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値を説明する際にも、X軸の座標値は、任意の値を示す「_」とする。
X軸の座標値に続くY-40.は、レーザビームLBの照射時における始点(N=0)の、レーザ加工機40の座標系におけるY軸の座標値を示す。ここでは、Y軸の座標値を、計算式(1),(2)で図28(c)の始点(N=0)におけるY1=40から求めたY2=40に(-1)を乗じた-40としている。
最後のZ-20.711は、レーザビームLBの照射時における始点(N=0)の、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸の座標値を示す。ここでは、Z軸の座標値を、計算式(1),(2)で図28(c)の始点(N=0)におけるZ1=50から求めたZ2=50からオフセット値α=70.711を減じた-20.711としている。オフセット値αは、山形鋼100の外接円の半径Rの値である。半径Rは、次の計算式(4)によって計算することができる。
Figure 0007324696000001
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF上にある回転加工部Pの始点(N=0)には、山形鋼100を90度回転時の姿勢とした状態で、レーザビームLBが照射される。90度回転時の姿勢とした山形鋼100の始点(N=0)に照射されたレーザビームLBは、図29(a),(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。
次に、回転加工部Pの1つ目の分割点(N=1)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた1を乗じた15度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、18.435度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた1を乗じた3分の1の逆正接(=arctan(1/3))の値である。
そして、分割点(N=1)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A105.X_Y-28.916Z-11.199となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から15度回転させた105度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=1)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-28.916、-11.199である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=1)におけるY1=43.333、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=28.916、Z2=59.512から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=1)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、分割点(N=1)のX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A108.435X_Y-25.298Z-9.573となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から18.435度回転させた108.435度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=1)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のY軸及びZ軸の各座標値とする値は、それぞれ-25.298、-9.573である。Y軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、図28(c)の分割点(N=1)におけるY1=43.333、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=25.298、Z2=61.138から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF上にある1つ目の分割点(N=1)には、山形鋼100を90度回転時の姿勢から15度又は18.435度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。15度回転させた山形鋼100の分割点(N=1)に照射されたレーザビームLBは、図30(a)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sからずれた箇所を通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。これに対し、18.435度回転させた山形鋼100の分割点(N=1)に照射されたレーザビームLBは、図30(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面における交点Sを通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。
続いて、回転加工部Pの2つ目の分割点(N=2)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた2を乗じた30度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、33.69度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた2を乗じた3分の2の逆正接(=arctan(2/3))の値である。
そして、分割点(N=2)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A120.X_Y-15.415Z-4.076となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から30度回転させた120度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=2)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-15.415、-4.076である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=2)におけるY1=46.667、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=15.415、Z2=66.635から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=2)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A123.69X_Y-11.094Z-3.222となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から33.69度回転させた123.69度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=2)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-11.094、-3.222である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=3)におけるY1=46.667、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=11.094、Z2=67.489から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF上にある2つ目の分割点(N=2)には、山形鋼100を90度回転時の姿勢から30度又は33.69度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。30度回転させた山形鋼100の分割点(N=2)に照射されたレーザビームLBは、図31(a)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sからずれた箇所を通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。これに対し、33.69度回転させた山形鋼100の分割点(N=2)に照射されたレーザビームLBは、図31(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。
次に、コーナC、即ち、回転加工部Pの3つ目の分割点(N=3)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算しても45度となる。このため、回転角度θと、図28(c)の分割点(N=3)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1と、計算式(1),(2)とから求まる、加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定される値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても同じになる。
そして、分割点(N=3)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても、G01A135.X_Y0.Z0.となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から45度回転させた135度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=3)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ0、0である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=3)におけるY1=50、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=0、Z2=70.711から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、コーナC上にある回転加工部Pの3つ目の分割点(N=3)には、山形鋼100を90度回転時の姿勢から45度回転させた状態で、レーザビームLBが照射される。45度回転させた山形鋼100の分割点(N=3)に照射されたレーザビームLBは、図32(a),(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。
続いて、回転加工部Pの4つ目の分割点(N=4)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた4を乗じた60度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、56.31度となる。この回転角度θは、分割数の6を2で除し、さらに、分割点の配置に応じた4を分割数の6から減じた2で除した1.5の逆正接(=arctan(3/2))の値である。
そして、分割点(N=4)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A150.X_Y15.415Z-4.076となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から60度回転させた150度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=4)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ15.415、-4.076である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=4)におけるY1=50、Z1=46.667から計算式(1),(2)で求めたY2=-15.415、Z2=66.635から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=4)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A146.31X_Y11.094Z-3.222となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から56.31度回転させた146.31度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=4)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ11.094、-3.222である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=4)におけるY1=50、Z1=46.667から計算式(1),(2)で求めたY2=-11.094、Z2=67.489から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある4つ目の分割点(N=4)には、山形鋼100を90度回転時の姿勢から60度又は56.31度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。60度回転させた山形鋼100の分割点(N=4)に照射されたレーザビームLBは、図33(a)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sからずれた箇所を通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。これに対し、56.31度回転させた山形鋼100の分割点(N=4)に照射されたレーザビームLBは、図33(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。
次に、回転加工部Pの5つ目の分割点(N=5)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた5を乗じた75度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、71.565度となる。この回転角度θは、分割数の6を2で除し、さらに、分割数の6から分割点の配置に応じた5を減じた1で除した3の逆正接(=arctan3)の値である。
そして、分割点(N=5)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A165.X_Y28.916Z-11.199となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から75度回転させた165度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=5)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ28.916、-11.199である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=5)におけるY1=50、Z1=43.333から計算式(1),(2)で求めたY2=-28.916、Z2=59.512から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=5)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A161.565X_Y25.298Z-9.573となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から71.565度回転させた161.565度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=5)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ25.298、-9.573である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=5)におけるY1=50、Z1=43.333から計算式(1),(2)で求めたY2=-25.298、Z2=61.138から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある5つ目の分割点(N=5)には、山形鋼100を90度回転時の姿勢から75度又は71.565度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。75度回転させた山形鋼100の分割点(N=5)に照射されたレーザビームLBは、図34(a)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sからずれた箇所を通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。これに対し、71.565度回転させた山形鋼100の分割点(N=5)に照射されたレーザビームLBは、図34(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。
最後に、回転加工部Pの終点(N=6)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの山形鋼100の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算しても90度となる。このため、回転角度θと、図28(c)の終点(N=6)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1と、計算式(1),(2)とから求まる、加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定される値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても同じになる。
そして、終点(N=6)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても、G01A180.X_Y40.Z-20.711となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から90度回転させた180度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=6)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=6)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=6)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ40、-20.711である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図28(c)の分割点(N=6)におけるY1=50、Z1=40から計算式(1),(2)で求めたY2=-40、Z2=50から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある回転加工部Pの終点(N=6)には、山形鋼100を90度回転時の姿勢から90度回転させた状態で、レーザビームLBが照射される。90度回転させた山形鋼100の終点(N=6)に照射されたレーザビームLBは、図35(a),(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して山形鋼100を貫通し裏側に到達する。
このように、図26の分割数で按分した回転角度θで山形鋼100の各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBは、山形鋼100を貫通して山形鋼100の裏側に到達する。但し、レーザビームLBは、一部の分割点(N=1,2,4,5)において、山形鋼100の回転加工部Pにおける断面の交点Sからずれた箇所を通過する。よって、山形鋼100のフランジF又はウェブWを回転加工部Pと同一の断面上で切断せず残すと、残したフランジF又はウェブWに、図13に示すように、交点Sからずれた箇所を通過したレーザビームLBによる切断部分が切り込みとなって残る。
一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θで山形鋼100の各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBは、山形鋼100を貫通して山形鋼100の裏側に到達する。そして、レーザビームLBは、全ての分割点(N=1~5)において、回転加工部Pの断面の交点Sを通過する。したがって、山形鋼100のフランジF又はウェブWを回転加工部Pと同一の断面上で切断せず残しても、残したフランジF又はウェブWには、図19(d)に示すように、レーザビームLBによる切断部分が切り込みとなって残らない。
次に、図36(a)の説明図に示す不等辺山形鋼200のフランジF及びウェブWに跨がる回転加工部Pを、90度回転時の姿勢から不等辺山形鋼200を回転させてレーザ加工する場合について説明する。ここで、不等辺山形鋼200のウェブWの幅Bが150、フランジFの高さHが100、ウェブW及びフランジFの板厚Tが15であるものとする。不等辺山形鋼200の幅B、高さH及び板厚Tの単位は省略する。この不等辺山形鋼200の回転加工部Pを6つの区間に分割すると、図36(b)の説明図に示すように、コーナC上の分割点(N=3)を挟んだ3つの区間はフランジF上に配置され、残る3つの区間はウェブW上に配置される。
この不等辺山形鋼200が図36(a)に示す回転加工部Pのレーザ加工前の姿勢にある状態で、回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)の、上記の計算式におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1は、図36(c)の説明図の表に示す値となる。
板厚Tが山形鋼100と異なる不等辺山形鋼200では、回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)のY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1が、図28(c)の説明図の表に示す山形鋼100の値と異なる値となる。
しかし、不等辺山形鋼200は、山形鋼100と同様に、フランジFの板厚TがウェブWの板厚Tと同じである。このため、回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)によって分割された回転加工部Pの各区間の寸法は、山形鋼100と同様に、フランジF上の区間もウェブW上の区間も同じ寸法(2×L/D)となる。よって、回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの不等辺山形鋼200の回転角度θを、図26の説明図に示す2つの計算式で計算すると、それぞれが山形鋼100と同じ角度になる。
この結果、不等辺山形鋼200の回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおいてX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値も、山形鋼100の場合にCAM装置20が出力するのと同じ値となる。したがって、不等辺山形鋼200の始点、各分割点及び終点(N=0~6)に照射されたレーザビームLBは、回転加工部Pの断面内で、90度回転時の姿勢からの回転角度θが同じ山形鋼100の同じ点に照射されたレーザビームLBと同じ箇所を通過する。
続いて、図37(a)の説明図に示す溝形鋼300のフランジF1及びウェブWに跨がる第1コーナC1の回転加工部Pを、90度回転時の姿勢から溝形鋼300を回転させてレーザ加工する場合について説明する。ここで、溝形鋼300のウェブWの幅Bが100、フランジF1,F2の高さHが50、ウェブWの板厚T1が5、フランジF1,F2の板厚T2が10.14であるものとする。溝形鋼300のウェブWの幅B及び板厚T1、フランジF1,F2の高さH及び板厚T2の単位は省略する。この溝形鋼300の第1コーナC1の回転加工部Pを6つの区間に分割すると、図37(b)の説明図に示すように、第1コーナC1上の分割点(N=3)を挟んだ3つの区間はフランジF1上に配置され、残る3つの区間はウェブW上に配置される。
この溝形鋼300が、図37(a)に示す90度回転時の姿勢にある状態で、第1コーナC1の回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)の、計算式(1),(2)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1は、図37(c)の説明図の表に示す値となる。
そして、第1コーナC1の回転加工部Pの始点(N=0)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算しても0度となる。このため、回転角度θと、図37(c)の始点(N=0)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1と、計算式(1),(2)とから求まる、加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定される値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても同じになる。
なお、始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても、G01A90.X_Y-20.Z-5.902となる。
ここで、回転加工のコマンドを示す先頭のG01に続くA90.は、始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時における0度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θが90度であることを示す。つまり、始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時における溝形鋼300の姿勢を、回転加工部Pのレーザ加工を開始する前の90度回転時の姿勢のままとすることを示す。
回転角度θに続くX_は、レーザビームLBの照射時における始点(N=0)の、レーザ加工機40の座標系におけるX軸の座標値を示す。なお、第1コーナC1の回転加工部Pのレーザ加工の際に溝形鋼300を回転させても、始点(N=0)のX軸の座標値が変化しない。そこで、ここでは、説明を単純化するために、CAM装置20が加工プログラムにおいてX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値のうちX軸の座標値を、任意の値を示す「_」としている。実際には、始点(N=0)の位置に応じた値が、加工プログラムにおけるX軸の座標値として設定される。
また、回転加工部Pのレーザ加工の際に溝形鋼300を回転させてもX軸の座標値が変化しないのは、始点(N=0)だけに限らず、各分割点及び終点(N=1~6)についても同じである。そこで、以後、各分割点及び終点(N=1~6)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおいてX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値を説明する際にも、X軸の座標値は、任意の値を示す「_」とする。
X軸の座標値に続くY-40.は、レーザビームLBの照射時における始点(N=0)の、レーザ加工機40の座標系におけるY軸の座標値を示す。ここでは、Y軸の座標値を、計算式(1),(2)で図37(c)の始点(N=0)におけるY1=20から求めたY2=20に(-1)を乗じた-20としている。
最後のZ-5.902は、レーザビームLBの照射時における始点(N=0)の、レーザ加工機40の座標系におけるZ軸の座標値を示す。ここでは、Z軸の座標値を、計算式(1),(2)で図37(c)の始点(N=0)におけるZ1=50から求めたZ2=50からオフセット値α=55.902を減じた-5.902としている。オフセット値αは、溝形鋼300の外接円の半径Rの値である。半径Rは、計算式(4)によって計算することができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF1上にある第1コーナC1の回転加工部Pの始点(N=0)には、溝形鋼300を90度回転時の姿勢とした状態で、レーザビームLBが照射される。90度回転時の姿勢とした溝形鋼300の始点(N=0)に照射されたレーザビームLBは、図38(a),(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
次に、第1コーナC1の回転加工部Pにおける1つ目の分割点(N=1)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた1を乗じた15度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、9.334度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた1を乗じ、さらに、回転加工部PのウェブW側の寸法L1とフランジF1側の寸法L2との比率L1/L2を乗じた0.164の逆正接(=arctan0.164)の値である。
そして、分割点(N=1)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A105.X_Y-7.987Z-1.998となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から15度回転させた105度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=1)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-7.987、-1.998である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=1)におけるY1=21.667、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=7.987、Z2=53.904から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=1)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A99.334X_Y-13.27Z-3.05となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から9.334度回転させた99.334度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=1)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-13.27、-3.05である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=1)におけるY1=21.667、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=13.27、Z2=52.852から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF1上にある1つ目の分割点(N=1)には、溝形鋼300を90度回転時の姿勢から15度又は9.334度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。15度回転させた溝形鋼300の分割点(N=1)に照射されたレーザビームLBは、図39(a)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。これに対し、9.334度回転させた溝形鋼300の分割点(N=1)に照射されたレーザビームLBは、図39(b)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
続いて、第1コーナC1の回転加工部Pにおける2つ目の分割点(N=2)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた2を乗じた30度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、18.197度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた2を乗じ、さらに、回転加工部PのウェブW側の寸法L1とフランジF1側の寸法L2との比率L1/L2を乗じた0.328の逆正接(=arctan0.328)の値である。
そして、分割点(N=2)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A120.X_Y4.793Z-0.934となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から30度回転させた120度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=2)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ4.793、-0.934である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=2)におけるY1=23.333、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=-4.793、Z2=54.968から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=2)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A108.197X_Y-6.552Z-1.116となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から18.197度回転させた108.197度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=2)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-6.552、-1.116である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=2)におけるY1=23.333、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=6.552、Z2=54.786から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF1上にある2つ目の分割点(N=2)には、溝形鋼300を90度回転時の姿勢から30度又は18.197度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。30度回転させた溝形鋼300の分割点(N=2)に照射されたレーザビームLBは、図40(a)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。これに対し、18.197度回転させた溝形鋼300の分割点(N=2)に照射されたレーザビームLBは、図40(b)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
次に、第1コーナC1、即ち、回転加工部Pにおける3つ目の分割点(N=3)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた3を乗じた45度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは26.248度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた3を乗じ、さらに、回転加工部PのウェブW側の寸法L1とフランジF1側の寸法L2との比率L1/L2を乗じた0.493の逆正接(=arctan0.493)の値である。
そして、分割点(N=3)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A135.X_Y17.678Z-2.869となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から45度回転させた135度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=3)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ17.678、-2.869である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=3)におけるY1=25、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=-17.678、Z2=53.033から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=3)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A116.248X_Y-0.31Z-0.001となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から26.248度回転させた116.248度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=3)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-0.31、-0.001である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=3)におけるY1=25、Z1=50から計算式(1),(2)で求めたY2=0.31、Z2=55.901から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、第1コーナC1上にある3つ目の分割点(N=3)には、溝形鋼300を90度回転時の姿勢から45度又は26.248度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。45度回転させた溝形鋼300の分割点(N=3)に照射されたレーザビームLBは、図41(a)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。これに対し、26.248度回転させた溝形鋼300の分割点(N=3)に照射されたレーザビームLBは、図41(b)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
続いて、第1コーナC1の回転加工部Pの4つ目の分割点(N=4)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた4を乗じた60度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、36.488度となる。この回転角度θは、分割数の6を2で除し、さらに、分割点の配置に応じた4を分割数の6から減じた2で除して、回転加工部PのウェブW側の寸法L1とフランジF1側の寸法L2との比率L1/L2を乗じた0.74の逆正接(=arctan0.74)の値である。
そして、分割点(N=4)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A150.X_Y27.874Z-10.941となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から60度回転させた150度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=4)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ27.874、-10.941である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=4)におけるY1=25、Z1=46.62から計算式(1),(2)で求めたY2=-27.874、Z2=44.961から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=4)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A126.488X_Y7.624Z-3.554となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から36.488度回転させた126.488度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=4)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ7.624、-3.554である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=4)におけるY1=25、Z1=46.62から計算式(1),(2)で求めたY2=-7.624、Z2=52.348から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある4つ目の分割点(N=4)には、溝形鋼300を90度回転時の姿勢から60度又は36.488度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。60度回転させた溝形鋼300の分割点(N=4)に照射されたレーザビームLBは、図42(a)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。これに対し、36.488度回転させた溝形鋼300の分割点(N=4)に照射されたレーザビームLBは、図42(b)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
次に、第1コーナC1の回転加工部Pの5つ目の分割点(N=5)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた5を乗じた75度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、55.941度となる。この回転角度θは、分割数の6を2で除し、さらに、分割点の配置に応じた5を分割数の6から減じた1で除して、回転加工部PのウェブW側の寸法L1とフランジF1側の寸法L2との比率L1/L2を乗じた1.479の逆正接(=arctan1.479)の値である。
そして、分割点(N=5)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A165.X_Y35.296Z-20.562となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から75度回転させた165度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=5)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ35.296、-20.562である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=5)におけるY1=25、Z1=43.24から計算式(1),(2)で求めたY2=-35.296、Z2=35.34から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=5)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A145.941X_Y21.822Z-10.974となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から55.941度回転させた145.941度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=5)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ21.822、-10.974である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=5)におけるY1=25、Z1=43.24から計算式(1),(2)で求めたY2=-21.822、Z2=44.928から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある5つ目の分割点(N=5)には、溝形鋼300を90度回転時の姿勢から75度又は55.941度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。75度回転させた溝形鋼300の分割点(N=5)に照射されたレーザビームLBは、図43(a)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。これに対し、36.488度回転させた溝形鋼300の分割点(N=5)に照射されたレーザビームLBは、図43(b)の説明図に示すように、第1コーナC1の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
最後に、第1コーナC1の回転加工部Pの終点(N=6)にレーザビームLBが照射されるときの、90度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算しても90度となる。このため、回転角度θと、図37(c)の終点(N=6)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1と、計算式(1),(2)とから求まる、加工プログラムにおいてX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定される値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても同じになる。
なお、終点(N=6)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても、G01A180.X_Y39.86Z-30.902となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、90度回転時の姿勢から90度回転させた180度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=6)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=6)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=6)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ39.86、-30.902である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図37(c)の分割点(N=6)におけるY1=25、Z1=39.86から計算式(1),(2)で求めたY2=-39.86、Z2=25から、始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある第1コーナC1の回転加工部Pの終点(N=6)には、溝形鋼300を90度回転時の姿勢から90度回転させた状態で、レーザビームLBが照射される。90度回転させた溝形鋼300の終点(N=6)に照射されたレーザビームLBは、図44(a),(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
次に、図37(a)の説明図に示す溝形鋼300のウェブW及びフランジF2に跨がる第2コーナC2の回転加工部Pを、180度回転時の姿勢から溝形鋼300を回転させてレーザ加工する場合について説明する。溝形鋼300の第2コーナC2の回転加工部Pを6つの区間に分割すると、図45(a)の説明図に示すように、第2コーナC2上の分割点(N=3)を挟んだ3つの区間はウェブW上に配置され、残る3つの区間はフランジF2上に配置される。
この溝形鋼300が180度回転時の姿勢にある状態で、第2コーナC2の回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)の、計算式(1),(2)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1は、図45(b)の説明図の表に示す値となる。
そして、第2コーナC2の回転加工部Pの始点(N=0)にレーザビームLBが照射されるときの、180度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算しても0度となる。このため、回転角度θと、図45(b)の始点(N=0)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1と、計算式(1),(2)とから求まる、加工プログラムにおいて溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定される値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても同じになる。
なお、始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても、G01A180.X_Y-39.86Z-30.902となる。
ここで、第2コーナC2の回転加工部Pの始点(N=0)に対するレーザビームLBの照射時の溝形鋼300の姿勢は、第1コーナC1の回転加工部Pの終点(N=6)に対するレーザビームLBの照射時の溝形鋼300の姿勢と同じである。このため、CAM装置20が加工プログラムにおいてX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値のうち、第2コーナC2と第1コーナC1とで値が変わらないX軸の座標値及びZ軸の座標値は、第1コーナC1の回転加工部Pの終点(N=6)に対するレーザビームLBの照射時と同じ値となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定値は、180度回転時の姿勢のままの180度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のX軸の座標値として設定する値は、始点(N=0)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-39.86、-30.902である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の始点(N=0)におけるY1=39.86、Z1=25から計算式(1),(2)で求めたY2=39.86、Z2=25から、第1コーナC1の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある第2コーナC2の回転加工部Pの始点(N=0)には、溝形鋼300を180度回転時の姿勢とした状態で、レーザビームLBが照射される。180度回転時の姿勢とした溝形鋼300の始点(N=0)に照射されたレーザビームLBは、図46(a),(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
次に、第2コーナC2の回転加工部Pにおける1つ目の分割点(N=1)にレーザビームLBが照射されるときの、180度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた1を乗じた15度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは34.059度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた1と、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2とウェブW側の寸法L1との比率L2/L1とを乗じた0.676の逆正接(=arctan0.676)の値である。
そして、分割点(N=1)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A195.X_Y-35.296Z-20.562となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から15度回転させた195度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=1)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-35.296、-20.562である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=1)におけるY1=43.24、Z1=25から計算式(1),(2)で求めたY2=35.296、Z2=35.34から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=1)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A214.059X_Y-21.822Z-10.974となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から34.059度回転させた214.059度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=1)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=1)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-21.822、-10.974である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=1)におけるY1=43.24、Z1=25から計算式(1),(2)で求めたY2=21.822、Z2=44.928から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある1つ目の分割点(N=1)には、溝形鋼300を180度回転時の姿勢から15度又は34.059度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。15度回転させた溝形鋼300の分割点(N=1)に照射されたレーザビームLBは、図47(a)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。これに対し、34.059度回転させた溝形鋼300の分割点(N=1)に照射されたレーザビームLBは、図47(b)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
続いて、第2コーナC2の回転加工部Pにおける2つ目の分割点(N=2)にレーザビームLBが照射されるときの、180度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた2を乗じた30度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは53.512度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた2と、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2とウェブW側の寸法L1との比率L2/L1とを乗じた1.352の逆正接(=arctan1.352)の値である。
そして、分割点(N=2)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A210.X_Y-27.874Z-10.941となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から30度回転させた210度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=2)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-27.874、-10.941である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=2)におけるY1=46.62、Z1=25から計算式(1),(2)で求めたY2=27.874、Z2=44.961から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=2)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A233.512X_Y-7.624Z-3.554となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から53.512度回転させた233.512度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=2)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=2)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-7.624、-3.554である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=2)におけるY1=46.62、Z1=25から計算式(1),(2)で求めたY2=7.624、Z2=52.348から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、ウェブW上にある2つ目の分割点(N=2)には、溝形鋼300を180度回転時の姿勢から30度又は53.512度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。30度回転させた溝形鋼300の分割点(N=2)に照射されたレーザビームLBは、図48(a)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。これに対し、53.512度回転させた溝形鋼300の分割点(N=2)に照射されたレーザビームLBは、図48(b)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
次に、第2コーナC2、即ち、回転加工部Pにおける3つ目の分割点(N=3)にレーザビームLBが照射されるときの、180度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた3を乗じた45度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは63.752度となる。この回転角度θは、2を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた3と、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2とウェブW側の寸法L1との比率L2/L1とを乗じた2.028の逆正接(=arctan2.028)の値である。
そして、分割点(N=3)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A225.X_Y-17.678Z-2.869となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から45度回転させた225度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=3)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のY軸及びZ軸の各座標値は、それぞれ-17.678、-2.869である。Y軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、図45(b)の分割点(N=3)におけるY1=50、Z1=25から計算式(1),(2)で求めたY2=17.678、Z2=53.033から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=3)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A243.752X_Y0.31Z-0.001となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から63.752度回転させた243.752度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=3)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=3)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ0.31、-0.001である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=3)におけるY1=50、Z1=25から計算式(1),(2)で求めたY2=-0.31、Z2=55.901から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、第2コーナC2上にある3つ目の分割点(N=3)には、溝形鋼300を180度回転時の姿勢から45度又は63.752度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。45度回転させた溝形鋼300の分割点(N=3)に照射されたレーザビームLBは、図49(a)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。63.752度回転させた溝形鋼300の分割点(N=3)に照射されたレーザビームLBは、図49(b)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
続いて、第2コーナC2の回転加工部Pの4つ目の分割点(N=4)にレーザビームLBが照射されるときの、180度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる角度となる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた4を乗じた60度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、71.803度となる。この回転角度θは、分割数の6を2で除し、さらに、分割点の配置に応じた4を分割数の6から減じた2で除して、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2とウェブW側の寸法L1との比率L2/L1を乗じた3.042の逆正接(=arctan3.042)の値である。
そして、分割点(N=4)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A240.X_Y-4.793Z-0.934となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から60度回転させた240度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=4)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ-4.793、-0.934である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=4)におけるY1=50、Z1=23.333から計算式(1),(2)で求めたY2=4.793、Z2=54.968から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=4)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A251.803X_Y6.552Z-1.116となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から71.803度回転させた251.803度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=4)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=4)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ6.552、-1.116である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=4)におけるY1=50、Z1=23.333から計算式(1),(2)で求めたY2=-6.552、Z2=54.786から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF2上にある4つ目の分割点(N=4)には、溝形鋼300を180度回転時の姿勢から60度又は71.803度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。60度回転させた溝形鋼300の分割点(N=4)に照射されたレーザビームLBは、図50(a)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。71.803度回転させた溝形鋼300の分割点(N=4)に照射されたレーザビームLBは、図50(b)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
次に、第2コーナC2の回転加工部Pの5つ目の分割点(N=5)にレーザビームLBが照射されるときの、180度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの計算式のどちらで計算するかによって異なる。即ち、図26の分割数で按分した回転角度θは、90度を分割数の6で除して、分割点の配置に応じた5を乗じた75度となる。一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θは、80.666度となる。この回転角度θは、分割数の6を2で除し、さらに、分割点の配置に応じた5を分割数の6から減じた1で除して、回転加工部PのフランジF2側の寸法L2とウェブW側の寸法L1との比率L2/L1を乗じた6.084の逆正接(=arctan6.084)の値である。
そして、分割点(N=5)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26の分割数で按分する計算式で回転角度θを計算すると、G01A255.X_Y7.987Z-1.998となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から75度回転させた255度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=5)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ7.987、-1.998である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=5)におけるY1=50、Z1=21.667から計算式(1),(2)で求めたY2=-7.987、Z2=53.904から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
また、分割点(N=5)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で回転角度θを計算すると、G01A260.666X_Y13.27Z-3.05となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θとして設定する値は、180度回転時の姿勢から80.666度回転させた260.666度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のX軸の座標値として設定する値は、分割点(N=5)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=5)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ13.27、-3.05である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=5)におけるY1=50、Z1=21.667から計算式(1),(2)で求めたY2=-13.27、Z2=52.852から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF2上にある5つ目の分割点(N=5)には、溝形鋼300を180度回転時の姿勢から75度又は80.666度回転させた状態で、レーザビームLBがそれぞれ照射される。75度回転させた溝形鋼300の分割点(N=5)に照射されたレーザビームLBは、図51(a)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sからずれた箇所を通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。80.666度回転させた溝形鋼300の分割点(N=5)に照射されたレーザビームLBは、図51(b)の説明図に示すように、第2コーナC2の回転加工部Pの断面における交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
最後に、第2コーナC2の回転加工部Pの終点(N=6)にレーザビームLBが照射されるときの、180度回転時の姿勢からの溝形鋼300の回転角度θは、図26の説明図に示す2つの方法のどちらの計算式で計算しても90度となる。このため、回転角度θと、図45(b)の終点(N=6)におけるY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1と、上記の計算式とから求まる、加工プログラムにおいてX軸、Y軸、Z軸の座標値として設定される値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても同じになる。
なお、終点(N=6)に対するレーザビームLBの照射時について、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定する値は、図26のどちらの計算式で回転角度θを計算しても、G01A270.X_Y20.Z-5.902となる。
即ち、CAM装置20が加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θの値として設定する値は、180度回転時の姿勢から90度回転させた270度である。また、CAM装置20が加工プログラムにおける終点(N=6)のX軸の座標値として設定する値は、終点(N=6)の位置に応じた値である。さらに、CAM装置20が加工プログラムにおける分割点(N=6)のY軸及びZ軸の各座標値として設定する値は、それぞれ20、-5.902である。Y軸及びZ軸の各座標値とする値は、図45(b)の分割点(N=6)におけるY1=50、Z1=20から計算式(1),(2)で求めたY2=-20、Z2=50から、第2コーナC2の始点(N=0)のときと同じように計算して求めることができる。
そして、CAM装置20がこれらの値を加工プログラムにおける溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定すると、フランジF2上にある第2コーナC2の回転加工部Pの終点(N=6)には、溝形鋼300を180度回転時の姿勢から90度回転させた状態で、レーザビームLBが照射される。90度回転させた溝形鋼300の終点(N=6)に照射されたレーザビームLBは、図52(a),(b)の説明図に示すように、回転加工部Pの断面の交点Sを通過して溝形鋼300を貫通し裏側に到達する。
このように、図26の分割数で按分した回転角度θで溝形鋼300の各コーナC1,C2の各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBは、溝形鋼300を貫通して溝形鋼300の裏側に到達する。但し、レーザビームLBは、溝形鋼300の回転加工部Pにおける断面の交点Sからずれた箇所を通過する。よって、溝形鋼300のフランジF1,F2又はウェブWを回転加工部Pと同一の断面上で切断せず残すと、残したフランジF1,F2又はウェブWに、図13に示す山形鋼100と同じく、交点Sからずれた箇所を通過したレーザビームLBによる切断部分が切り込みとなって残る。
一方、図26のレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度とした回転角度θで溝形鋼300の各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBは、溝形鋼300を貫通して溝形鋼300の裏側に到達する。但し、レーザビームLBは、全ての分割点(N=1~5)において、回転加工部Pの断面の交点Sを通過する。よって、溝形鋼300のフランジF1,F2又はウェブWを回転加工部Pと同一の断面上で切断せず残しても、残したフランジF1,F2又はウェブWには、図19(d)に示す山形鋼100と同じく、レーザビームLBによる切断部分が切り込みとなって残らない。
そこで、CAM装置20は、回転加工する形鋼の加工プログラムを生成する際に、各分割点にレーザビームLBが照射されるときの形鋼の回転角度θとして、回転加工部Pの各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する形鋼の回転角度θを求めてもよい。勿論、CAM装置20は、各分割点にレーザビームLBが照射されるときの形鋼の回転角度θとして、回転加工部Pの回転加工時における形鋼の総回転角度θを回転加工部Pの分割数で按分して、形鋼の回転角度θを求めてもよい。
そして、CAM装置20は、求めた回転角度θを用いて、レーザビームLBの照射時における形鋼の回転加工部Pの始点、各分割点及び終点(N=0~6)の、レーザ加工機40の座標系におけるY軸及びZ軸の各座標値Y2,Z2を求める。そして、CAM装置20は、これらの回転角度θ及び座標値Y2,Z2を形鋼の回転角度θ、Y軸、Z軸の座標値として設定した加工プログラムを生成し、NC装置30に転送する。
NC装置30は、転送された加工プログラムにしたがって、形鋼を保持したレーザ加工機40を制御し、形鋼の回転加工部Pに対する加工をレーザ加工機40に実行させる。
以上の手順で、CAM装置20が加工プログラムを生成し、この加工プログラムにしたがってNC装置30が、レーザ加工機40による形鋼、即ち、山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300の回転加工部Pのレーザ加工を制御することで、本発明の一実施形態に係るレーザ加工方法が実行される。即ち、本実施形態に係るレーザ加工方法は、CAM装置20及びNC装置30が、図53のフローチャートに一例を示すステップを実行することによって、実現することができる。
図53に示すように、本実施形態のレーザ加工方法は、設定、座標取得、作成、加工の各ステップ(ステップS1~S7)を含んでいる。
このうち、ステップS1の設定ステップは、CAM装置20が、加工対象の山形鋼100、不等辺山形鋼200又は溝形鋼300の回転加工部PにおけるレーザビームLBの照射軌跡上に、特定点を複数箇所設定するステップである。この設定ステップは、例えば、図54のフローチャートに示す手順を含む内容とすることができる。
図54に示す設定ステップは、分割及び角度取得の各ステップ(ステップS101,S103)を含んでいる。
このうち、ステップS101の分割ステップは、CAM装置20が、加工対象の山形鋼100、不等辺山形鋼200又は溝形鋼300の回転加工部PにおけるレーザビームLBの照射軌跡を、複数の区間に分割するステップである。この分割ステップでは、例えば、CAM装置20が、図8等を参照して説明したように、加工対象の山形鋼100、不等辺山形鋼200又は溝形鋼300の回転加工部Pの表面に、コーナC,C1,C2を含む分割点(N=1~5)を、特定点として設定する。そして、CAM装置20が、設定した分割点(N=1~5)により、回転加工部PのフランジF,F1,F2上の部分とウェブW上の部分とを、それぞれ複数の等間隔区間に分割する。
次に、ステップS103の角度取得ステップは、CAM装置20が、回転加工部Pの各分割点に対するレーザビームLBの照射時における形鋼の回転角度θを取得するステップである。この角度取得ステップでは、例えば、CAM装置20が、図18~図25を参照して説明したように、各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過するときの、山形鋼100、不等辺山形鋼200又は溝形鋼300の回転角度θを計算する。あるいは、CAM装置20は、回転加工部Pの回転加工時における山形鋼100、不等辺山形鋼200又は溝形鋼300の回転角度θを回転加工部Pの分割数で按分して、各分割点(N=1~5)にレーザビームLBが照射されるときの、山形鋼100、不等辺山形鋼200又は溝形鋼300の回転角度θを計算してもよい。
なお、交点Sは、回転加工部Pの始点及び終点(N=0,6)からフランジF,F1,F2又はウェブWの板厚T,T1,T2の方向にそれぞれ延在する仮想的な垂線Ps,Peの交差する点である。回転角度θは、例えば、各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBの光軸と、垂線Ps,Peのどちらか一方とがなす角度とすることができる。回転角度θの計算には、例えば、図26を参照して説明した、本実施形態に係る回転角度θの計算式を用いることができる。
続いて、図53に示すステップS3の座標取得ステップは、CAM装置20が、取得した形鋼の回転角度θから、レーザビームLBが各分割点に照射されるときの各分割点の位置座標を取得するステップである。この座標取得ステップでは、例えば、CAM装置20が、図26のどちらかの計算式を用いて計算した回転角度θを用いて、レーザビームLBの照射時における各分割点のレーザ加工機40の座標系における座標値を、計算式(1),(2)等を用いて計算する。
なお、例えば、図9及び図27を参照して説明したように、各分割点の位置座標の計算式における座標系がレーザ加工機40の座標系と異なる場合は、CAM装置20が、計算式で求めた分割点の位置座標を、レーザ加工機40の座標系における座標値に変換する。したがって、ステップS3の座標取得ステップは、形鋼の回転中心O上を原点とする第1座標系における各分割点の位置座標を取得する第1座標取得ステップを含んでいる。また、ステップS3の座標取得ステップは、第1座標系における位置座標を座標変換してレーザヘッド41の位置制御に用いる第2座標系、即ち、レーザ加工機40の座標系における前記位置座標を取得する第2座標取得ステップを含んでいる。
次に、ステップS5の作成ステップは、CAM装置20が、形鋼の回転角度θと、交点Sを通過するレーザビームLBが各分割点に照射されるときの各分割点の位置座標とから、加工プログラムを作成するステップである。
続いて、ステップS7の加工ステップは、NC装置30が、CAM装置20の作成した加工プログラムにしたがってレーザ加工機40を制御して、レーザビームLBによる回転加工部Pの切断加工を行うステップである。NC装置30によるレーザ加工機40の制御には、形鋼に対するレーザヘッド41の相対位置の制御、及び、形鋼の回転角度θの制御が含まれている。
なお、CAM装置20の不図示のコントローラは、加工プログラムの作成支援プログラムを実行する。このプログラムを実行することで、CAM装置20は、以上に説明したレーザ加工方法の各ステップのうち、加工ステップ(ステップS7)を除く各ステップ(ステップS1~S5)の処理を実行することができる。CAM装置20は、不図示のコントローラが加工プログラムの作成支援プログラムを実行することで、分割部、角度取得部、座標取得部及び作成部として機能することができる。このうち、座標取得部は、第1座標取得部及び第2座標取得部の機能も果たすことができる。
以上に説明したレーザ加工方法を実行することで、レーザ加工機40において、切断厚さを抑えた形鋼の回転加工部Pのレーザ加工を、レーザ加工機40が中断を挟まず連続して行えるようにして、レーザ加工の作業効率をより一層向上させることができる。即ち、レーザ加工機40は、形鋼のレーザ加工中にレーザビームLBの照射を止めて、保持した形鋼を一旦外し、向きを変えた形鋼を再び保持してレーザビームLBの照射を再開する手順を行わなくても、切断部分の厚さをウェブW又はフランジF,F1,F2の板厚程度に維持したまま、レーザビームLBによる回転加工部Pの切断加工を行うことができる。
このような回転加工部Pのレーザ加工方法は、山形鋼100、不等辺山形鋼200及び溝形鋼300等、ウェブWとフランジF,F1,F2とがコーナC,C1,C2において突き当たる形鋼の全般において、回転加工部Pをレーザ加工する際に実施可能である。
なお、以上の実施形態では、回転加工部Pを6つ又は4つの区間に分割する場合について説明したが、回転加工部Pの分割数は6つ又は4つに限定されない。特に、形鋼の回転角度θを、各分割点(N=1~5)に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する回転角度θとする場合、例えば、回転加工部Pの分割数を増やすと、次のような利点がある。即ち、回転加工部Pの分割数を増やせば、回転加工部Pに対するレーザビームLBの照射中にレーザビームLBの光路が交点Sから外れる期間が減り、交点Sに対する光路のずれ幅が小さくなる。よって、形鋼の姿勢が回転により変化している最中でも、安定した光路のレーザビームを中断せずに照射して形鋼を精度良く切断加工することができる。
また、以上の実施形態では、回転加工部P上のレーザビームLBの照射軌跡上に、レーザビームLBの特定点を、回転加工部Pの分割数に応じた箇所設定した。しかし、回転加工部Pの分割数に応じた分割点の他に、交点Sを通過するレーザビームLBの特定点を追加して設定してもよい。
例えば、図55(a)の要部拡大斜視図に示す部品140は、山形鋼100から製造される。太線で示す部品140の端部の外形は、2段の切り欠きCu1,Cu2を有している。1段目の切り欠きCu1は、山形鋼100の回転加工部PにおけるコーナCを挟んでフランジF及びウェブWに跨がる部分に形成されている。2段目の切り欠きCu2は、山形鋼100のウェブWにおける回転加工部P内の箇所から先端に至る部分に形成されている。
図55(b)は、図55(a)の山形鋼100の回転加工部Pを拡大して示す展開図である。図55(b)の左側の太線は、部品140の切り欠きCu1,Cu2を有する端部の外形線である。図55(b)の右側の太線は、部品140のもう1つの端部の外形線である。部品140のもう1つの端部は、切り欠きを有していない。
レーザ加工により部品140の端部を製造する際には、図55(b)に示す部品140の各端部の外形に沿って、山形鋼100のフランジF及びウェブWにレーザビームLBを照射する。特に、フランジF及びウェブWのうちコーナCから寸法Lずつの回転加工部Pには、山形鋼100を回転させながらレーザビームLBを照射する。回転加工部P内のレーザビームLBの照射軌跡上には、複数の特定点を設定する。各特定点には、レーザビームLBを照射するときの山形鋼100の回転角度θをそれぞれ設定する。
図55(b)に示す例では、回転加工部P内のレーザビームLBの照射軌跡上に複数の特定点を設定するために、回転加工部Pを6つの区間に分割している。このため、左右の外形線上には、展開した状態におけるY軸方向において等間隔の5つの分割点(N=1~5)がそれぞれ設定される。このうち、中間の分割点(N=3)はコーナC上に設定される。回転加工部PのフランジF側の部分は、回転加工部Pの始点(N=0)から分割点(N=3)までの3つの区間に分割される。回転加工部PのウェブW側の部分は、分割点(N=3)から回転加工部Pの終点(N=6)までの3つの区間に分割される。
部品140の切り欠きCu1,Cu2を有していない図55(b)中右側の外形を加工する際に、CAM装置20は、右側の外形線上に設定した5つの分割点(N=1~5)と、回転加工部Pの始点(N=0)及び終点(N=6)とについて、図26の分割数で按分する計算式、あるいは、レーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で、レーザビームLBが交点Sを通過する山形鋼100の回転角度θをそれぞれ計算する。そして、山形鋼100の回転開始前における各点(N=0~6)のY軸及びZ軸の各座標値Y1,Z1と回転角度θとから、レーザビームLBの照射時における各点(N=0~6)のY軸及びZ軸の各座標値Y2,Z2を計算式(1),(2)でそれぞれ求める。
また、CAM装置20は、求めた各点(N=0~6,1a,1b,5a,5b)の値(回転角度θ、Y軸及びZ軸の各座標値Y2,Z2)を山形鋼100の回転角度θ、Y軸、Z軸の座標値として設定した加工プログラムを生成し、NC装置30に転送する。
NC装置30は、転送された加工プログラムにしたがって、山形鋼100を保持したレーザ加工機40を制御し、山形鋼100に対する部品140の切り欠きCu1,Cu2を有していない側の外形の加工を、レーザ加工機40に実行させる。
部品140の切り欠きCu1,Cu2を有する図55(b)中左側の外形を加工する際にも、CAM装置20は、左側の外形線上に設定した5つの分割点(N=1~5)と、回転加工部Pの始点(N=0)及び終点(N=6)とについて、図26の分割数で按分する計算式、あるいは、レーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で、レーザビームLBが交点Sを通過する山形鋼100の回転角度θをそれぞれ計算する。そして、山形鋼100の回転開始前における各点(N=0~6)のY軸及びZ軸の各座標値Y1,Z1と回転角度θとから、レーザビームLBの照射時における各点(N=0~6)のY軸及びZ軸の各座標値Y2,Z2を計算式(1),(2)でそれぞれ求める。
ところで、CAM装置20は、CAD装置10から入力される部品140の製品形状データにより、フランジFの先端から1段目の切り欠きCu1の始点G1までのY軸方向における距離H1を特定することができる。そして、フランジFの先端から回転加工部Pの始点(N=0)までの寸法(H-L)を距離H1から減じることで、CAM装置20は、回転加工部Pの始点(N=0)から1段目の切り欠きCu1の始点G1までのY軸方向における距離H2を特定することができる。なお、回転加工部PのY軸方向における寸法Lは、フランジF及びウェブWの板厚Tと係数Mとから特定することができる。
また、CAM装置20は、部品140の製品形状データにより、コーナCから2段目の切り欠きCu2の始点G2までのY軸方向における距離H3を特定することができる。そして、回転加工部Pの始点(N=0)からコーナCまでの寸法Lを距離H3に加えることで、CAM装置20は、回転加工部Pの始点(N=0)から2段目の切り欠きCu2の始点G2までのY軸方向における距離H4(図55(b))を特定することができる。
図55(b)に示す例では、部品140の端部の1段目及び2段目の切り欠きCu1,Cu2の始点G1,G2が、左側の外形線上に設定した5つの分割点(N=1~5)のいずれとも一致していない。
そこで、CAM装置20は、切り欠きCu1,Cu2の始点G1,G2を、補間用の特定点として設定し、分割点に追加する。また、CAM装置20は、1段目及び2段目の切り欠きCu1,Cu2における、レーザビームLBの照射位置の移動方向がX軸方向からY軸方向に変わる角部G3,G4も、補間用の特定点として設定し、分割点に追加する。以後、分割点に追加した切り欠きCu1,Cu2の始点G1,G2及び角部G3,G4を、補間用の分割点と称することがある。
始点G1,G2の座標値と角部G3,G4の座標値とは、Y軸及びZ軸が同じでX軸のみ異なる。したがって、CAM装置20は、始点G1,G2と同様にして、回転加工部Pの始点(N=0)から角部G3,G4までのY軸方向における距離H2,H4を特定することができる。
そして、CAM装置20は、レーザビームLBが補間用の分割点に照射されるときの山形鋼100の回転角度θを、回転加工部Pの回転加工時における山形鋼100の総回転角度θを分割数で按分した角度、あるいは、補間用の分割点に照射されるレーザビームLBが必ず回転加工部Pの交点Sを通過する角度にする。回転加工部Pの交点Sは、図10(c)を参照して説明したように、フランジF上の始点及びウェブW上の終点(N=0,6)から山形鋼100の裏面側にそれぞれ下ろした仮想的な垂線Ps,Peの交差する点である。
図55(b)に示す例では、切り欠きCu1,Cu2の始点G1,G2が、Y軸方向において、1つ目の分割点(N=1)と2つ目の分割点(N=2)との間に位置している。そこで、CAM装置20は、始点G1,G2に、特定点として、補間用の分割点(N=1a,1b)をそれぞれ設定する。また、図55(b)に示す例では、切り欠きCu1,Cu2の角部G3,G4が、Y軸方向において、5つ目の分割点(N=5)と回転加工部Pの終点(N=6)との間に位置している。そこで、CAM装置20は、角部G3,G4に、特定点として、補間用の分割点(N=5a,5b)をそれぞれ設定する。
そして、部品140の切り欠きCu1,Cu2を有する図55(b)中左側の外形を加工する際に、CAM装置20は、まず、山形鋼100の回転開始前における各補間用の分割点(N=1a,1b,5a,5b)のY軸及びZ軸の各座標値Y1,Z1を特定する。CAM装置20は、各補間用の分割点(N=1a,1b,5a,5b)の座標値Y1,Z1を、回転加工部Pの始点(N=0)から始点G1,G2及び角部G3,G4までのY軸方向における距離H1~H4から特定することができる。
また、CAM装置20は、各補間用の分割点(N=1a,1b,5a,5b)について、図26の分割数で按分する計算式、あるいは、レーザビームLBが回転加工部Pの交点Sを通過する角度を求める計算式で、レーザビームLBが交点Sを通過する山形鋼100の回転角度θをそれぞれ計算する。そして、山形鋼100の回転開始前における各点(N=1a,1b,5a,5b)のY軸及びZ軸の各座標値Y1,Z1と回転角度θとから、レーザビームLBの照射時における各点(N=1a,1b,5a,5b)のY軸及びZ軸の各座標値Y2,Z2を計算式(1),(2)でそれぞれ求める。
さらに、CAM装置20は、求めた各点(N=0~6,1a,1b,5a,5b)の値(回転角度θ、Y軸及びZ軸の各座標値Y2,Z2)と、例えば製品形状データに基づいて特定した各点(N=0~6,1a,1b,5a,5b)のX軸の座標値とを、山形鋼100の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定した加工プログラムを生成し、NC装置30に転送する。
NC装置30は、転送された加工プログラムにしたがって、山形鋼100を保持したレーザ加工機40を制御し、山形鋼100に対する部品140の切り欠きCu1,Cu2を有する側の外形の加工を、レーザ加工機40に実行させる。
以上に説明した、切り欠きCu1,Cu2を有する部品140をレーザ加工機40において山形鋼100から製造する実施形態でも、CAM装置20は、図53及び図54を参照して説明したレーザ加工方法を実行することができる。
なお、この実施形態では、図53に示すステップS1において、CAM装置20が、補間ステップを含む設定ステップを実行する。補間ステップは、回転加工部Pに照射されるレーザビームLBの軌跡上の、軌跡の方向が山形鋼100の回転方向とそれとは異なるX軸方向との間で切り替わる箇所に、補間用の分割点(N=1a,1b,5a,5b)を特定点として設定するステップである。
この実施形態でも、CAM装置20の不図示のコントローラは、加工プログラムの作成支援プログラムを実行する。このプログラムを実行することで、CAM装置20は、以上に説明したレーザ加工方法の各ステップのうち、加工ステップ(ステップS7)を除く各ステップ(ステップS1~S5)の処理を実行することができる。CAM装置20は、CAM装置20は、不図示のコントローラが加工プログラムの作成支援プログラムを実行することで、分割部、角度取得部、第1座標取得部及び第2座標取得部を含む座標取得部、並びに、作成部として機能することができる。このうち、座標取得部は、補間ステップを実行する補間部の機能も果たすことができる。
このような、レーザビームLBの照射軌跡の方向が回転加工部Pにおいて形鋼の回転方向とそれ以外の方向との間で切り替わる場合に行うレーザ加工方法は、山形鋼100の回転加工部Pをレーザ加工する際に限らず、ウェブとフランジとがコーナにおいて突き当たる形鋼の全般において、回転加工部Pをレーザ加工する際にも実施可能である。
例えば、図56(a),(b)の展開図では、図中左側の外形に2段のクランク状の切り欠きCu1,Cu2を有する部品340を、溝形鋼300から製造する場合を示している。図56(a)に示す例では、溝形鋼300の第1コーナC1を挟んでフランジF1及びウェブWに跨がる、即ち、90度面及び180度面に跨がる回転加工部Pに、部品140の切り欠きCu1,Cu2が形成される。図56(b)に示す例では、溝形鋼300の第2コーナC2を挟んでウェブW及びフランジF2に跨がる、即ち、180度面及び270度面に跨がる回転加工部Pに、部品140の切り欠きCu1,Cu2が形成される。
図56(a),(b)の溝形鋼300から部品340を製造する場合、部品340の切り欠きCu1,Cu2を有する側の外形の加工時には、CAM装置20は、図55(a),(b)を参照して説明した、山形鋼100から製造する部品140の切り欠きCu1,Cu2を有する側の外形を加工する場合と同様の手順の処理を行う。この処理手順は、切り欠きCu1,Cu2を形成するのが第1コーナC1と第2コーナC2とのどちらであっても同様である。そして、CAM装置20は、補間用の分割点(N=1a,1b,5a,5b)を含む各点(N=0~6,1a,1b,5a,5b)の値を溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定した加工プログラムを生成し、NC装置30に転送する。
NC装置30は、転送された加工プログラムにしたがって、溝形鋼300を保持したレーザ加工機40を制御することで、溝形鋼300に対する部品340の切り欠きCu1,Cu2を有する側の外形の加工を、レーザ加工機40に実行させることができる。
また、部品340の切り欠きCu1,Cu2を有していない側の外形の加工時にも、CAM装置20は、山形鋼100から製造する部品140の切り欠きCu1,Cu2を有していない側の外形を加工する場合と同様の手順の処理を行う。そして、CAM装置20は、求めた各点(N=0~6)の値(回転角度θ、Y軸及びZ軸の各座標値Y2,Z2)と、特定した各点(N=0~6,1a,1b,5a,5b)のX軸の座標値とを、溝形鋼300の回転角度θ、X軸、Y軸、Z軸の座標値として設定した加工プログラムを生成し、NC装置30に転送する。
NC装置30は、転送された加工プログラムにしたがって、溝形鋼300を保持したレーザ加工機40を制御することで、溝形鋼300に対する部品340の切り欠きCu1,Cu2を有していない側の外形の加工を、レーザ加工機40に実行させることができる。
以上に説明した、切り欠きCu1,Cu2を有する部品340をレーザ加工機40において溝形鋼300から製造する実施形態でも、CAM装置20は、図53及び図54を参照して説明したレーザ加工方法を実行することができる。このとき、CAM装置20は、ステップS1の設定ステップを、補間ステップを含む内容で実行する。
そして、図55及び図56を参照して説明した例のように、レーザビームLBによる切断方向が回転方向A以外とそれ以外の方向との間で切り替わる切り欠きCu1,Cu2を回転加工部Pの外形に有する部品140を山形鋼100から製造する場合等に、特定点としての補間用の分割点を追加で設定することで、回転加工部Pの加工形状が複雑な形鋼についても、中断を挟まない連続的な作業で効率よく高精度に回転加工を実行できるようにすることができる。
なお、これまでに説明した各実施形態では、図53に示す設定ステップ(ステップS1)において、CAM装置20が、図54に示す分割及び角度取得の各ステップ(ステップS101,S103)を含む設定ステップを含むを実行するものとした。
即ち、回転加工部Pの分割数を先に決め、分割数に応じて回転加工部PのレーザビームLBの軌跡上に複数の分割点を設定して、分割点に照射したレーザビームLBが交点Sを通過する形鋼の回転角度θと分割点の位置座標とを、分割点毎にそれぞれ決定した。ここで言う分割点には、図55及び図56を参照して説明した例における、補間用の分割点(N=1a,1b,5a,5b)が含まれる。
しかし、形鋼の回転加工部Pをレーザ加工する際にCAM装置20が実行する、図53に示す設定ステップ(ステップS1)は、要するに、コーナC,C1,C2においてウェブWとフランジF,F1,F2とが突き当たる形鋼の回転加工部PにおけるレーザビームLBの照射軌跡上に、特定点を複数箇所設定するステップであればよい。
例えば、CAM装置20は、この設定ステップにおいて、回転加工部Pに照射されるレーザビームLBの軌跡上に、回転加工部Pの回転加工時における形鋼の総回転角度θを回転加工部Pの分割数で按分した回転角度θずつ形鋼が回転方向Aに回転する度にレーザビームLBが照射される、複数箇所の特定点を設定してもよい。
あるいは、例えば、CAM装置20は、この設定ステップにおいて、回転加工部Pに照射されるレーザビームLBの軌跡上に、回転加工部Pの始点及び終点(N=0,6)から形鋼の裏面側にそれぞれ下ろした仮想的な垂線の交点Sを通過するレーザビームLBが照射される特定点を複数箇所設定してもよい。
ここで、CAM装置20は、これまでに説明した各実施形態では、形鋼の回転加工部Pに照射されるレーザビームLBの軌跡上に、特定点としての分割点(N=1~5,1a,1b,5a,5b)を先に設定した。そして、回転加工部Pの回転加工時における形鋼の総回転角度θを回転加工部Pの分割数で按分した回転角度θ、あるいは、分割点に照射されるレーザビームLBが回転加工部Pの断面の交点Sを通過する形鋼の回転角度θと、そのレーザビームLBの照射時における形鋼の回転角度θ及び分割点の位置座標とを、分割点の設定後に決定した。
しかし、CAM装置20が実行する設定ステップは、例えば、形鋼の回転角度θを先に決定し、その後に、レーザビームLBレーザ加工の際に回転加工部に照射されるレーザビームLBの軌跡上、照射したレーザビームLBが回転加工部Pの断面の交点Sを通過する特定点を設定する、という内容であってもよい。
その場合、CAM装置20は、例えば、回転加工部Pのレーザ加工のために形鋼の回転を開始する前の特定点のY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1からレーザビームLBの照射時における特定点のY軸及びZ軸の座標値Y2,Z2を計算する計算式(1),(2)に、先に決めた回転角度θを代入する。そして、回転角度θの代入後における計算式(1),(2)を満たす、形鋼の回転前後における特定点のY軸及びZ軸の座標値Y1,Z1及び座標値Y2,Z2を特定する。
図53に示す設定ステップ(ステップS1)をこのような内容でCAM装置20が実行する場合でも、先に説明した各実施形態の場合と同様に、レーザ加工機40において、切断厚さを抑えた形鋼の回転加工部Pのレーザ加工を、レーザ加工機40が中断を挟まず連続して行えるようにして、レーザ加工の作業効率をより一層向上させることができる。
10 CAD装置
11 製品形状データ作成部
20 CAM装置
21 加工範囲・加工順決定部
22 データ作成装置
30 NC装置
40 レーザ加工機
41 レーザヘッド
100 山形鋼
110,140,310,340 部品
120,130,320,330 切り込み
200 不等辺山形鋼
300 溝形鋼
A 回転方向
B ウェブの幅
C コーナ
C1 第1コーナ
C2 第2コーナ
Cu,Cu1,Cu2 切り欠き
F,F1,F2 フランジ
G1 1段目の切り欠きの始点
G2 2段目の切り欠きの始点
H フランジの高さ
H1 フランジの先端から1段目の切り欠きの始点までの距離
H2 回転加工部の始点から1段目の切り欠きの始点までの距離
H3 コーナから2段目の切り欠きの始点までの距離
H4 回転加工部の始点から2段目の切り欠きの始点までの距離
L フランジ側又はウェブ側の回転加工部の寸法
L1 フランジ側の回転加工部の寸法
L2 ウェブ側の回転加工部の寸法
LB レーザビーム
M 回転加工部の寸法調整用の係数
O 形鋼の回転中心
P 形鋼の回転加工部
Ps,Pe 回転加工部の始点及び終点から形鋼の裏側への垂線
R 形鋼の外接円の半径
S 垂線の交点
T 山形鋼及び不等辺山形鋼のウェブ及びフランジの板厚
T1 溝形鋼のウェブの板厚
T2 溝形鋼のフランジの板厚
W ウェブ
Y1,Z1 形鋼の回転開始前における分割点の座標値
Y2,Z2 レーザビーム照射時における分割点の座標値
α Z軸の座標値に対する原点補正用のオフセット値
β 回転加工部のレーザ加工の開始前における形鋼の姿勢に対応する回転角度
θ 形鋼の回転角度

Claims (21)

  1. 所定の板厚を有するウェブとフランジとがコーナにおいて突き当たる形鋼の、前記コーナを挟んで前記ウェブ及び前記フランジに跨がる回転加工部の表面における、前記形鋼の回転中に照射されるレーザビームの所定長さの軌跡上に、少なくとも前記コーナ上の箇所を含む複数箇所の特定点を設定する設定ステップと、
    前記レーザビームの照射時における前記各特定点の位置座標をそれぞれ取得する座標取得ステップと、
    前記各位置座標から、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工時における、前記レーザビームを出力するレーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御する、加工プログラムを作成する作成ステップと、
    前記加工プログラムにしたがって前記レーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御して、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工を行う加工ステップと、
    を含むレーザ加工方法。
  2. 前記設定ステップにおいて、前記軌跡の前記ウェブ側の端部を通り前記ウェブの前記板厚の方向に延在する第1仮想線と前記軌跡の前記フランジ側の端部を通り前記フランジの前記板厚の方向に延在する第2仮想線との交点を通過する前記レーザビームが照射される箇所を、前記特定点として設定する請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記設定ステップは、
    前記回転加工部の表面に、前記コーナ上の点を含む複数の分割点を前記特定点として設定して、前記軌跡のうち、前記ウェブ側の端部から前記コーナ上の点までの第1部分及び前記フランジ側の端部から前記コーナ上の点までの第2部分を、前記複数の分割点によりそれぞれ所定数ずつの等間隔区間に分割する分割ステップと、
    前記交点と前記各分割点とをそれぞれ結ぶ直線のなす角度を、前記各分割点に対する前記レーザビームの照射時における前記形鋼の回転角度として取得する角度取得ステップと、
    を含んでおり、
    前記座標取得ステップにおいて、前記回転角度から、前記レーザビームの照射時における前記各分割点の位置座標をそれぞれ取得し、
    前記作成ステップにおいて、前記回転角度及び前記各分割点の位置座標から、前記加工プログラムを作成する、
    請求項2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記形鋼は、前記ウェブ及び前記フランジのうち一方の表面を、前記形鋼の90度回転時に前記レーザビームが照射される90度面とし、前記ウェブ及び前記フランジのうち他方の表面を、前記形鋼の180度回転時に前記レーザビームが照射される180度面とする山形鋼であり、前記角度取得ステップにおいて、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記90度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度を、前記山形鋼の回転角度として取得する請求項3に記載のレーザ加工方法。
  5. 前記形鋼は、2つの前記フランジが前記ウェブの幅方向における両端の前記コーナにおいて前記ウェブとそれぞれ突き当たる2つの前記回転加工部を有し、前記2つのフランジの表面を、前記形鋼の90度の回転時及び270度の回転時に前記レーザビームがそれぞれ照射される90度面及び270度面とし、前記ウェブの表面を、前記形鋼の180度回転時に前記レーザビームが照射される180度面とする溝形鋼であり、前記分割ステップにおいて、前記各回転加工部の前記軌跡を前記複数の分割点によりそれぞれ分割し、前記角度取得ステップにおいて、前記90度面及び前記180度面に跨がる前記回転加工部における、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記90度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度と、前記180度面及び前記270度面に跨がる前記回転加工部における、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記180度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度とを、前記溝形鋼の回転角度として取得する請求項3に記載のレーザ加工方法。
  6. 前記設定ステップは、前記軌跡上の、前記軌跡の方向が前記形鋼の回転方向と前記回転方向以外の方向との間で切り替わる箇所に、補間用の前記特定点を設定する補間ステップを含む請求項1~5のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  7. 前記座標取得ステップは、前記形鋼の回転中心上を原点とする第1座標系における前記位置座標を取得する第1座標取得ステップと、前記第1座標系における前記位置座標を座標変換して前記レーザヘッドの位置制御に用いる第2座標系における前記位置座標を取得する第2座標取得ステップとを含む請求項1~6のうちいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
  8. コンピュータに、
    所定の板厚を有するウェブとフランジとがコーナにおいて突き当たる形鋼の、前記コーナを挟んで前記ウェブ及び前記フランジに跨がる回転加工部の表面における、前記形鋼の回転中に照射されるレーザビームの所定長さの軌跡上に、少なくとも前記コーナ上の箇所を含む複数箇所の特定点を設定する設定ステップと、
    前記レーザビームの照射時における前記各特定点の位置座標をそれぞれ取得する座標取得ステップと、
    前記各位置座標から、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工時における、前記レーザビームを出力するレーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御する、加工プログラムを作成する作成ステップと、
    前記加工プログラムにしたがって前記レーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御して、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工を行う加工ステップと、
    を実行させる加工プログラム作成支援プログラム。
  9. 前記設定ステップにおいて、コンピュータに、前記軌跡の前記ウェブ側の端部を通り前記ウェブの前記板厚の方向に延在する第1仮想線と前記軌跡の前記フランジ側の端部を通り前記フランジの前記板厚の方向に延在する第2仮想線との交点を通過する前記レーザビームが照射される箇所を、前記特定点として設定させる請求項8に記載の加工プログラム作成支援プログラム。
  10. 前記設定ステップにおいて、コンピュータに、
    前記回転加工部の表面に、前記コーナ上の点を含む複数の分割点を前記特定点として設定して、前記軌跡のうち、前記ウェブ側の端部から前記コーナ上の点までの第1部分及び前記フランジ側の端部から前記コーナ上の点までの第2部分を、前記複数の分割点によりそれぞれ所定数ずつの等間隔区間に分割する分割ステップと、
    前記交点と前記各分割点とをそれぞれ結ぶ直線のなす角度を、前記各分割点に対する前記レーザビームの照射時における前記形鋼の回転角度として取得する角度取得ステップと、
    を実行させ、
    前記座標取得ステップにおいて、コンピュータに、前記回転角度から、前記レーザビームの照射時における前記各分割点の位置座標をそれぞれ取得させ、
    前記作成ステップにおいて、コンピュータに、前記回転角度及び前記各分割点の位置座標から、前記加工プログラムを作成させる、
    請求項9に記載の加工プログラム作成支援プログラム。
  11. 前記形鋼は、前記ウェブ及び前記フランジのうち一方の表面を、前記形鋼の90度回転時に前記レーザビームが照射される90度面とし、前記ウェブ及び前記フランジのうち他方の表面を、前記形鋼の180度回転時に前記レーザビームが照射される180度面とする山形鋼であり、前記角度取得ステップにおいて、コンピュータに、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記90度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度を、前記山形鋼の回転角度として取得させる請求項10に記載の加工プログラム作成支援プログラム。
  12. 前記形鋼は、2つの前記フランジが前記ウェブの幅方向における両端の前記コーナにおいて前記ウェブとそれぞれ突き当たる2つの前記回転加工部を有し、前記2つのフランジの表面を、前記形鋼の90度の回転時及び270度の回転時に前記レーザビームがそれぞれ照射される90度面及び270度面とし、前記ウェブの表面を、前記形鋼の180度回転時に前記レーザビームが照射される180度面とする溝形鋼であり、前記分割ステップにおいて、コンピュータに、前記各回転加工部の前記軌跡を前記複数の分割点によりそれぞれ分割させ、前記角度取得ステップにおいて、コンピュータに、前記90度面及び前記180度面に跨がる前記回転加工部における、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記90度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度と、前記180度面及び前記270度面に跨がる前記回転加工部における、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記180度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度とを、前記溝形鋼の回転角度として取得させる請求項10に記載の加工プログラム作成支援プログラム。
  13. 前記設定ステップにおいて、コンピュータに、前記軌跡上の、前記軌跡の方向が前記形鋼の回転方向と前記回転方向以外の方向との間で切り替わる箇所に、補間用の前記特定点を設定する補間ステップを実行させる請求項8~12のいずれか1項に記載の加工プログラム作成支援プログラム。
  14. 前記座標取得ステップにおいて、コンピュータに、前記形鋼の回転中心上を原点とする第1座標系における前記位置座標を取得する第1座標取得ステップと、前記第1座標系における前記位置座標を座標変換して前記レーザヘッドの位置制御に用いる第2座標系における前記位置座標を取得する第2座標取得ステップとを実行させる請求項8~13のうちいずれか1項に記載の加工プログラム作成支援プログラム。
  15. 所定の板厚を有するウェブとフランジとがコーナにおいて突き当たる形鋼の、前記コーナを挟んで前記ウェブ及び前記フランジに跨がる回転加工部の表面における、前記形鋼の回転中に照射されるレーザビームの所定長さの軌跡上に、少なくとも前記コーナ上の箇所を含む複数箇所の特定点を設定する設定部と、
    前記レーザビームの照射時における前記各特定点の位置座標をそれぞれ取得する座標取得部と、
    前記各位置座標から、前記レーザビームによる前記回転加工部の切断加工時における、前記レーザビームを出力するレーザヘッドの位置及び前記形鋼の回転を制御する、加工プログラムを作成する作成部と、
    を備える加工プログラムの作成支援装置。
  16. 前記設定部は、前記軌跡の前記ウェブ側の端部を通り前記ウェブの前記板厚の方向に延在する第1仮想線と前記軌跡の前記フランジ側の端部を通り前記フランジの前記板厚の方向に延在する第2仮想線との交点を通過する前記レーザビームが照射される箇所を、前記特定点として設定する請求項15に記載の加工プログラムの作成支援装置。
  17. 前記設定部は、
    前記回転加工部の表面に、前記コーナ上の点を含む複数の分割点を前記特定点として設定して、前記軌跡のうち、前記ウェブ側の端部から前記コーナ上の点までの第1部分及び前記フランジ側の端部から前記コーナ上の点までの第2部分を、前記複数の分割点によりそれぞれ所定数ずつの等間隔区間に分割する分割部と、
    前記交点と前記各分割点とをそれぞれ結ぶ直線のなす角度を、前記各分割点に対する前記レーザビームの照射時における前記形鋼の回転角度として取得する角度取得部と、
    を含んでおり、
    前記座標取得部は、前記回転角度から、前記レーザビームの照射時における前記各分割点の位置座標をそれぞれ取得し、
    前記作成部は、前記回転角度及び前記各分割点の位置座標から、前記加工プログラムを作成する、
    請求項16に記載の加工プログラムの作成支援装置。
  18. 前記形鋼は、前記ウェブ及び前記フランジのうち一方の表面を、前記形鋼の90度回転時に前記レーザビームが照射される90度面とし、前記ウェブ及び前記フランジのうち他方の表面を、前記形鋼の180度回転時に前記レーザビームが照射される180度面とする山形鋼であり、前記角度取得部は、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記90度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度を、前記山形鋼の回転角度として取得する請求項17に記載の加工プログラムの作成支援装置。
  19. 前記形鋼は、2つの前記フランジが前記ウェブの幅方向における両端の前記コーナにおいて前記ウェブとそれぞれ突き当たる2つの前記回転加工部を有し、前記2つのフランジの表面を、前記形鋼の90度の回転時及び270度の回転時に前記レーザビームがそれぞれ照射される90度面及び270度面とし、前記ウェブの表面を、前記形鋼の180度回転時に前記レーザビームが照射される180度面とする溝形鋼であり、前記分割部は、前記各回転加工部の前記軌跡を前記複数の分割点によりそれぞれ分割し、前記角度取得部は、前記90度面及び前記180度面に跨がる前記回転加工部における、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記90度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度と、前記180度面及び前記270度面に跨がる前記回転加工部における、前記第1仮想線及び前記第2仮想線のうち前記180度面の端部を通る仮想線に対する前記直線のなす角度とを、前記溝形鋼の回転角度として取得する請求項17に記載の加工プログラムの作成支援装置。
  20. 前記設定部は、前記軌跡上の、前記軌跡の方向が前記形鋼の回転方向と前記回転方向以外の方向との間で切り替わる箇所に、補間用の前記特定点を設定する補間ステップを含む請求項15~19のいずれか1項に記載の加工プログラムの作成支援装置。
  21. 前記座標取得部は、前記形鋼の回転中心上を原点とする第1座標系における前記位置座標を取得する第1座標取得部と、前記第1座標系における前記位置座標を座標変換して前記レーザヘッドの位置制御に用いる第2座標系における前記位置座標を取得する第2座標取得部とを有している請求項15~20のうちいずれか1項に記載の加工プログラムの作成支援装置。
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