JP7324129B2 - 時計用ムーブメントおよび時計 - Google Patents

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Description

本発明は、時計用ムーブメントおよび時計に関するものである。
時計において、指針の位置を検出する手法として、指針が基準位置に位置する際にステッピングモータのロータが受ける負荷に変動が生じるように輪列を形成し、ロータの回転状態を誘起電圧により検出して指針の基準位置を判断する技術がある。指針の基準位置に対応する負荷変動をモータに発生させる機構の一例として、指針に連動して回転する所定の歯車の1つの歯を他の歯とは異なる形状に形成する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、前記1つの歯が他の歯車と噛み合う際にロータに負荷変動が生じる。
特開2019-124681号公報
しかしながら、例えば、負荷変動を生じさせる歯車がロータに対する減速比が比較的大きい歯車であると、負荷変動の開始から終了までに複数の運針ステップを要する場合がある。この場合には、モータの誘起電圧によって検出される負荷の大きさが、モータの駆動電圧や駆動パルスの大きさなどによってばらつき、指針の基準位置を検出することが困難となる場合がある。
そこで本発明は、指針の基準位置を精度よく検出できる時計用ムーブメントおよび時計を提供するものである。
本発明の時計用ムーブメントは、1ステップずつ回転するロータを有し、前記ロータの回転により指針を回転させるステッピングモータと、前記ロータの回転に基づいて回転する第1歯車と、前記第1歯車と噛み合うように配置され、前記第1歯車に接触する場合に前記ロータが受ける負荷に変動を与える複数の負荷歯を有する第2歯車と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、負荷歯と第1歯車との接触による負荷の変動によって第2歯車の回転位置を検出する場合に、負荷歯が1個だけ設けられた構成と比較して、回転位置を判定するための情報量を増加させることができる。これにより、第2歯車の回転位置を精度よく検出できる。したがって、第1歯車および第2歯車と同期して回転する指針の基準位置を精度よく検出できる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記複数の負荷歯のそれぞれが前記第1歯車に接触する場合に前記ロータが受ける負荷の変動の態様は、互いに相違していてもよい。
ここで、負荷歯による負荷の変動が検出される区間の長さは、ロータの駆動エネルギの大きさによって変化する。このため、負荷歯毎に負荷の変動の態様が相違していると、駆動エネルギの大きさに応じた負荷の変動が検出される区間の変化の態様も、負荷歯毎に相違する。よって、本発明によれば、いずれの負荷歯が第1歯車に接触しているか判別することが可能となるので、第2歯車の回転位置を検出することができる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記複数の負荷歯は、それぞれ前記第1歯車に接触して弾性的に変位してもよい。
本発明によれば、負荷歯が第1歯車に接触して弾性的に変位することで、第1歯車および第2歯車を含む輪列には弾性変形に伴うエネルギ損失が生じる。輪列にエネルギ損失が生じることで、輪列を駆動するロータが受ける負荷が増大する。よって、ロータが受ける負荷に変動を与える負荷歯を形成できる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記複数の負荷歯は、第1負荷歯および第2負荷歯を備え、前記第1負荷歯が前記第1歯車に接触している場合の第2歯車の回転位置を第1区間として定義し、前記第2負荷歯が前記第1歯車に接触している場合の第2歯車の回転位置を第2区間として定義した場合、前記第1歯車と前記第1負荷歯との接触によって前記ロータが受ける負荷のピークは、前記第2歯車を所定の回転方向に回転させた前記第1区間の前半部の通過時に発生し、前記第1歯車と前記第2負荷歯との接触によって前記ロータが受ける負荷のピークは、前記第2歯車を前記所定の回転方向に回転させた前記第2区間の後半部の通過時に発生してもよい。
ここで、検出可能な負荷の大きさは、ロータの駆動エネルギの大きさによって変化する。このため、各区間のうち負荷の変動が検出される回転範囲は、ロータの駆動エネルギの大きさによって変化する。本発明によれば、第1区間のうち負荷の変動が検出される回転範囲、および第2区間のうち負荷の変動が検出される回転範囲は、駆動エネルギの大きさを変化させると互いに対称となるように変化する。このため、例えば各区間における回転範囲の中心同士の中間位置は、第2歯車における絶対的な回転位置となる。したがって、第1区間および第2区間を検出することで、第2歯車の回転位置を検出することができる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記第2歯車は、前記第1歯車と噛み合う複数の歯を有し、前記複数の歯は、前記第1負荷歯および前記第2負荷歯と、前記第1負荷歯に対して前記第2歯車の前記所定の回転方向の下流側で隣り合う第1標準歯と、前記第1負荷歯に対して前記所定の回転方向の上流側で隣り合う第2標準歯と、前記第2負荷歯に対して前記所定の回転方向の下流側で隣り合う第3標準歯と、前記第2負荷歯に対して前記所定の回転方向の上流側で隣り合う第4標準歯と、を備え、前記第1負荷歯と前記第1標準歯との間隔は、前記第1負荷歯と前記第2標準歯との間隔よりも狭く、前記第2負荷歯と前記第3標準歯との間隔は、前記第2負荷歯と前記第4標準歯との間隔よりも広くてもよい。
本発明によれば、第2歯車を所定の回転方向に回転させた第1区間の前半部の通過時に、第1歯車と第1負荷歯との接触によってロータが受ける負荷のピークを発生させることができる。また、第2歯車を所定の回転方向に回転させた第2区間の後半部の通過時に、第1歯車と第2負荷歯との接触によってロータが受ける負荷のピークを発生させることができる。したがって、上述した作用効果を奏することができる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記ロータが受ける負荷の変動を前記ロータの回転の1ステップ毎に検出する負荷変動検出部と、前記負荷変動検出部が検出する前記負荷の変動に基づいて、前記指針の回転位置を判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記第2歯車を前記所定の回転方向に回転させた前記第1区間の通過時において、前記負荷の変動が検出された前記第2歯車の第1回転範囲の1箇所を第1位置として検出し、前記第2歯車を前記所定の回転方向に回転させた前記第2区間の通過時において、前記負荷の変動が検出された前記第2歯車の第2回転範囲の1箇所を第2位置として検出し、前記第1位置と前記第2位置との中間位置を基準として前記指針の基準位置を検出してもよい。
本発明によれば、第1位置と第2位置との中間位置は、第2歯車における絶対的な回転位置として検出されるので、第1位置と第2位置との中間位置を基準とすることで、指針の基準位置を精度よく検出できる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記第1位置は、前記第1回転範囲の中心であり、前記第2位置は、前記第2回転範囲の中心であってもよい。
本発明によれば、第1区間のうち負荷の変動が検出される範囲の中心である第1位置は、ロータの駆動エネルギが小さくなるに従い、負荷がピークとなる位置から第1区間の終端側に移動する。第2区間のうち負荷の変動が検出される範囲の中心である第2位置は、ロータの駆動エネルギが小さくなるに従い、負荷がピークとなる位置から第2区間の始端側に移動する。これにより、第1位置と第2位置との中間位置は、ロータの駆動エネルギの大きさによる変化が抑制された位置となる。したがって、第2歯車における絶対的な回転位置を精度よく検出することが可能となる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記複数の負荷歯のうち一の負荷歯と前記第1歯車との接触によって前記ロータが受ける負荷は、前記複数の負荷歯のうち他の負荷歯と前記第1歯車との接触によって前記ロータが受ける負荷よりも、最大値が大きくなるように設定されていてもよい。
本発明によれば、負荷の変動が検出された範囲の大きさによって、いずれの負荷歯が第1歯車に接触しているか判別することが可能となる。したがって、第2歯車の回転位置を検出することができる。
上記の時計用ムーブメントにおいて、前記ロータが受ける負荷の変動を前記ロータの回転の1ステップ毎に検出する負荷変動検出部と、前記負荷変動検出部が検出する前記負荷の変動に基づいて、前記指針の回転位置を判定する判定部と、を備え、前記複数の負荷歯のそれぞれが前記第1歯車に接触している場合の第2歯車の回転位置を負荷区間として定義した場合、前記判定部は、前記第2歯車を所定の回転方向に1回転させる間に、前記負荷区間それぞれの通過時における前記負荷の変動を探索し、前記負荷区間のうち、通過時に前記負荷の変動が検出され、かつ通過時に前記負荷の変動が検出された範囲が最も小さい負荷区間を最小負荷区間として判定し、前記最小負荷区間の通過時に前記負荷の変動が検出された範囲の1箇所を基準として前記指針の基準位置を検出してもよい。
本発明によれば、負荷の変動が検出された範囲が小さい負荷区間ほど、負荷の変動が検出された範囲の両端は負荷がピークとなる回転位置に近くなる。このため、最小負荷区間の通過時に負荷の変動が検出された範囲の1箇所は、他の負荷区間の通過時に負荷の変動が検出された範囲の1箇所よりも、負荷がピークとなる回転位置に近くなる。したがって、第2歯車における絶対的な回転位置を精度よく検出することが可能となる。
本発明の時計は、上記の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする。
本発明によれば、指針の位置を正確に把握できる時計を提供できる。
本発明によれば、指針の基準位置を精度よく検出できる時計用ムーブメントおよび時計を提供できる。
第1実施形態に係る時計の外観図である。 第1実施形態に係るムーブメント表側の平面図である。 第1実施形態に係るムーブメント裏側の平面図である。 第1実施形態に係るムーブメントの一部を示す平面図であって、第1輪列群を表側から見た図である。 第1実施形態に係る24時歯車の平面図である。 第1実施形態に係る第1モータのロータが受ける負荷を示すグラフである。 第1実施形態に係る時計の構成例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る基準位置の検出処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る24時歯車の平面図である。 第2実施形態に係る第1モータのロータが受ける負荷を示すグラフである。 第2実施形態に係る基準位置の検出処理の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
[第1実施形態]
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側(すなわち、文字板のある方の側)をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側(すなわち、文字板と反対の側)をムーブメントの「表側」と称する。
図1は、第1実施形態に係る時計の外観図である。
図1に示すように、本実施形態の時計1のコンプリートは、図示しないケース裏蓋およびガラス3からなる時計ケース2内に、ムーブメント4(時計用ムーブメント)と、目盛りを有する文字板5と、時針6(指針)、分針7、秒針8および24時針9と、を備えている。文字板5には、後述する日車46に表示された日文字46aを明示させる日窓5aが開口している。これにより、時計1は、時刻に加え、日付を確認することが可能とされている。
図2は、第1実施形態に係るムーブメント表側の平面図である。図3は、第1実施形態に係るムーブメント裏側の平面図である。
図2および図3に示すように、ムーブメント4は、地板11と、日車押さえ13と、第1モータ20Aと、第2モータ20Bと、第1輪列群30と、第2輪列群50と、を備える。地板11は、ムーブメント4の基板を構成する。日車押さえ13は、地板11の裏側に配置されている。
図2に示すように、第1モータ20Aおよび第2モータ20Bは、それぞれステータ21およびロータ22を有するステッピングモータである。第1モータ20Aおよび第2モータ20Bのそれぞれは、1ステップでロータ22を180°回転させる。第1モータ20Aは、時針6、24時針9および日車46(いずれも図1参照)を回転させる動力を発生させる。第2モータ20Bは、分針7および秒針8(いずれも図1参照)を回転させる動力を発生させる。第1モータ20Aおよび第2モータ20Bそれぞれのロータ22には、かなが形成されている。
図4は、第1実施形態に係るムーブメントの一部を示す平面図であって、第1輪列群を表側から見た図である。
図3および図4に示すように、第1輪列群30は、第1モータ20Aのロータ22の回転に基づいて回転する歯車を有する。第1輪列群30は、第1モータ20Aのロータ22の回転を時針6に伝達する時輪列31と、第1モータ20Aのロータ22の回転を24時針9(図1参照)および日車46に伝達するカレンダ輪列41と、を備える。
図4に示すように、時輪列31は、第1時中間車32と、第2時中間車33と、第3時中間車34と、筒車35と、を有する。
第1時中間車32は、地板11(図2参照)に回転可能に支持されている。第1時中間車32は、第1時中間歯車32aと第1時中間かな32bとを有する。第1時中間歯車32aは、第1モータ20Aのロータ22のかなと噛み合っている。第1時中間車32は、ロータ22に対して減速比6で回転する。すなわち、第1時中間車32は、第1モータ20Aのロータ22が6回転する毎に1回転する。
第2時中間車33は、地板11に回転可能に支持されている。第2時中間車33は、第2時中間歯車33aと第2時中間かな33bとを有する。第2時中間歯車33aは、第1時中間車32の第1時中間かな32bと噛み合っている。第2時中間車33は、第1時中間車32に対する従動歯車である。第2時中間車33は、第1時中間車32に対して減速比7.5で回転する。すなわち、第2時中間車33は、第1モータ20Aのロータ22に対して減速比45で回転する。
第3時中間車34は、地板11に回転可能に支持されている。第3時中間車34は、第3時中間歯車34aと第3時中間かな34b(第1歯車)とを有する。第3時中間歯車34aは、第2時中間車33の第2時中間かな33bと噛み合っている。第3時中間車34は、第2時中間車33に対する従動歯車である。第3時中間車34は、第2時中間車33に対して減速比8で回転する。すなわち、第3時中間車34は、第1モータ20Aのロータ22に対して減速比360で回転する。
筒車35は、地板11に保持された中心パイプ(不図示)に回転可能に外挿されている。筒車35は、日車押さえ13(図3参照)に裏側から針座を介して押さえられている。筒車35の裏側の端部は、日車押さえ13から裏側へ突出している。筒車35の裏側の端部には、時針6(図1参照)が取り付けられる。筒車35は、筒歯車35aを有する。筒歯車35aは、第3時中間車34の第3時中間歯車34aと噛み合っている。筒車35は、第3時中間車34に対する従動歯車である。筒車35は、第3時中間車34に対して減速比1で回転する。すなわち、筒車35は、第1モータ20Aのロータ22に対して減速比360で回転する。
カレンダ輪列41は、上述した第1時中間車32、第2時中間車33および第3時中間車34と、24時車42と、日回し中間車43と、を備える。
24時車42は、地板11に回転可能に支持されている。24時車42の軸部は、日車押さえ13から裏側へ突出している。軸部の裏側の端部には、24時針9(図1参照)が取り付けられる。24時車42は、24時歯車42a(第2歯車)を有する。24時歯車42aは、第3時中間車34の第3時中間かな34bと噛み合っている。24時車42は、第3時中間車34に対する従動歯車である。24時車42は、第3時中間車34に対して減速比2で回転する。すなわち、24時車42は、第1モータ20Aのロータ22に対して減速比720で回転する。
日回し中間車43は、地板11に回転可能に支持されている。日回し中間車43の回転中心は、24時車42の回転中心回りに、第3時中間車34の回転中心から180°未満の角度ずれた位置に設けられている。つまり、日回し中間車43の回転中心は、平面視で24時車42の回転中心および第3時中間車34の回転中心を通る直線上から外れた位置に設けられている。日回し中間車43は、日回し中間歯車43aと円板車43bとを有する。日回し中間歯車43aは、24時中間歯車42aと噛み合っている。日回し中間車43は、24時車42に対する従動車である。日回し中間車43は、24時車42に対して減速比1で回転する。すなわち、日回し中間車43は、第1モータ20Aのロータ22に対して減速比720で回転する。円板車43bは、日回し中間歯車43aに重なっている。円板車43bは、送り歯43cを備える。送り歯43cは、円板車43bの外周面から径方向外側に突出している。
日回し車44は、地板11に回転可能に支持されている。日回し車44は、日回し歯車44aを有する。日回し歯車44aは、日回し中間車43の送り歯43cと噛み合い可能に形成されている。日回し車44は、日回し中間車43の送り歯43cが日回し歯車44aの回転軌跡に進入して噛み合うことで回転する。このため、日回し車44は、日回し中間車43の回転によって間欠的に回転する。日回し車44は、日車46を回転させる。
日車46は、地板11に対して回転可能に取付けられたリング状の部材である。日車46は、日車押さえ13によって裏側から押さえられている(図3参照)。日車46の裏面には、周方向に沿って日付情報である日文字46a(図1参照)が表示されている。日車46は、文字板5の日窓5aを通じて日文字46aを露出させることで、日付情報を表示する。日車46の内周縁には、全周に亘って複数の内歯46bが形成されている。内歯46bは、日回し歯車44aと噛み合っている。日車46は、日回し車44の回転に連動して回転する。このため、日車46は、日回し中間車43の回転によって間欠的に回転する。日車46は、ジャンパ47によって回転方向の位置を規正されている。ジャンパ47は、先端の爪を日車46の内歯46bに係合させることで日車46の回転を規制する。
図2に示すように、第2輪列群50は、第2モータ20Bのロータ22の回転に基づいて回転する歯車を有する。第2輪列群50は、第2モータ20Bのロータ22の回転を秒針8および分針7(いずれも図1参照)に伝達する表輪列51を備える。表輪列51は、四番中間車52と、四番車53と、三番車54と、二番車55と、を備える。
四番中間車52は、地板11に回転可能に支持されている。四番中間車52は、四番中間歯車52aと四番中間かな52bとを有する。四番中間歯車52aは、第2モータ20Bのロータ22のかなと噛み合っている。四番中間車52は、第2モータ20Bのロータ22に対して減速比6で回転する。
四番車53は、地板11に対して回転可能に配置されている。四番車53は、四番真(不図示)と、四番真に組み付けられた四番歯車53bと、四番真に形成された四番かな(不図示)と、を有する。四番真は、後述する二番真の内側に挿入されている。四番真の裏側の端部は、秒針8(図1参照)が取り付けられる。四番歯車53bは、四番中間かな52bと噛み合っている。四番車53は、四番中間車52に対する従動歯車である。四番車53は、四番中間車52に対して減速比10で回転する。すなわち、四番車53は、第2モータ20Bのロータ22に対して減速比60で回転する。
三番車54は、地板11に回転可能に支持されている。三番車54は、三番歯車54aと三番かな(不図示)と、を備える。三番歯車54aは、四番かなと噛み合っている。三番車54は、四番車53に対する従動歯車である。三番車54は、四番車53に対して減速比20で回転する。すなわち、三番車54は、第2モータ20Bのロータ22に対して減速比400で回転する。
二番車55は、中心パイプ(不図示)により回転可能に支持されている。二番車55は、二番真(不図示)と、二番真に組み付けられた二番歯車55bと、を有する。二番真は、円筒状に形成され、中心パイプの内側に挿入されている。二番真の裏側の端部には、分針7(図1参照)が取り付けられる。二番歯車55bは、三番かなと噛み合っている。二番車55は、三番車54に対する従動歯車である。二番車55は、三番車54に対して減速比9で回転する。すなわち、二番車55は、第2モータ20Bのロータ22に対して減速比3600で回転する。
図4に示すように、第1輪列群30に含まれる複数の歯車のうち1つの歯車には、複数(本実施形態では2個)の負荷歯62が設けられている。本実施形態では、2個の負荷歯62が24時歯車42aに設けられている。
図5は、第1実施形態に係る24時歯車の平面図である。
図5に示すように、24時歯車42aは、複数の歯60と、弾性部65と、を有する。複数の歯60は、標準歯61と、負荷歯62としての第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bと、を含む。標準歯61は、複数の歯60のうち第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bを除く全ての歯である。標準歯61は、一般的な歯車の歯であって、円弧歯形やインボリュート歯形、サイクロイド歯形等に形成された歯である。第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bは、それぞれ24時歯車42aの有する複数の歯60のうち1つの歯である。第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bの間には、第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bが同時に第3時中間かな34bに接触しないように、少なくとも1個の標準歯61が配置されている。第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bは、24時歯車42aを回転させた際に第3時中間かな34bに等間隔で接触しないように、24時歯車42aの外周の片側に配置されている。第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bは、第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bの一方が第3時中間かな34bに接触するタイミングで、第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bの他方が日回し中間歯車43aに接触しないように配置されている。第1負荷歯62Aおよび第2負荷歯62Bは、それぞれ弾性部65に支持されることによって、弾性的に変位可能に形成されている。
弾性部65は、負荷歯62毎に設けられている。弾性部65は、先端に負荷歯62を有し、撓み変形可能に形成された片持ち梁である。弾性部65は、第1負荷歯62Aを有する第1弾性部65Aと、第2負荷歯62Bを有する第2弾性部65Bと、を備える。第1弾性部65Aは、24時歯車42aに形成された第1スリット67および第2スリット68の間の部分である。第1スリット67は、第1負荷歯62Aに隣接する一方の歯溝から径方向内側に向かって延びた後、周方向の一方側に向かって延びている。第2スリット68は、第1負荷歯62Aに隣接する他方の歯溝から第1スリット67に沿って延びている。これにより、第1弾性部65Aは、略一定の幅で延在し、先端の第1負荷歯62Aを径方向に変位させるように弾性変形可能に形成されている。第2弾性部65Bは、第1弾性部65Aとおおよそ同様に形成されている。第2弾性部65Bは、先端の第2負荷歯62Bを径方向に変位させるように弾性変形可能に形成されている。第2弾性部65Bは、外部から荷重がかかっていない状態で、ばね定数が第1弾性部65Aと同等となるように形成されている。なお、第2弾性部65Bは、基端部から先端部に向けて、第1弾性部65Aとは反対方向に延びていてもよい。
ここで、複数の標準歯61のうち第1標準歯61A、第2標準歯61B、第3標準歯61Cおよび第4標準歯61Dを以下のように定義する。第1標準歯61Aは、第1負荷歯62Aに対して24時歯車42aの正転方向N(所定の回転方向)の下流側で隣り合う。第2標準歯61Bは、第1負荷歯62Aに対して正転方向Nの上流側で隣り合う。第3標準歯61Cは、第2負荷歯62Bに対して正転方向Nの下流側で隣り合う。第4標準歯61Dは、第2負荷歯62Bに対して正転方向Nの上流側で隣り合う。なお、正転方向Nは、時針6を時計回りに通常運針させる場合の回転方向である。
第1負荷歯62Aと第1標準歯61Aとの間隔は、第1負荷歯62Aと第2標準歯61Bとの間隔よりも狭くなっている。第1負荷歯62Aと第1標準歯61Aとの間の歯溝の幅は、第3時中間かな34bの歯の歯厚よりも小さい。なお、隣り合う一対の歯60の間の歯溝の幅は、24時歯車42aのピッチ円上での一対の歯60間の距離である。歯60の歯厚は、24時歯車42aのピッチ円上での歯60の厚さである。これにより、第3時中間かな34bの歯は、第1負荷歯62Aと第1標準歯61Aとの間の歯溝に入り込むと、第1負荷歯62Aに接触する。第1負荷歯62Aと第2標準歯61Bとの間の歯溝の幅は、第3時中間かな34bの歯の歯厚よりも小さい。これにより、第3時中間かな34bの歯は、第1負荷歯62Aに接触せずに、第1負荷歯62Aと第2標準歯61Bとの間の歯溝に入り込むことができる。
第2負荷歯62Bと第3標準歯61Cとの間隔は、第2負荷歯62Bと第4標準歯61Dとの間隔よりも広くなっている。第2負荷歯62Bと第3標準歯61Cとの間の歯溝の幅は、第3時中間かな34bの歯の歯厚よりも大きい。これにより、第3時中間かな34bの歯は、第2負荷歯62Bに接触せずに、第2負荷歯62Bと第3標準歯61Cとの間の歯溝に入り込むことができる。第2負荷歯62Bと第4標準歯61Dとの間の歯溝の幅は、第3時中間かな34bの歯の歯厚よりも小さい。これにより、第3時中間かな34bの歯は、第2負荷歯62Bと第4標準歯61Dとの間の歯溝に入り込むと、第2負荷歯62Bに接触する。
ここで、負荷歯62の作用について説明する。なお、以下の説明において特に記載のない限り、24時歯車42aは正転方向Nに回転しているものとする。24時歯車42aの各歯60には、第3時中間かな34bの歯が正転方向Nの上流側から接触する。
第3時中間かな34bに係合する歯60が第1標準歯61Aに交替する際、第3時中間かな34bの歯は、第1標準歯61Aと第1負荷歯62Aとの間の歯溝に入り込む。このとき、第3時中間かな34bの歯は、第1標準歯61Aとの接触に前後して第1負荷歯62Aに接触し、第1標準歯61Aと第1負荷歯62Aとの間の歯溝の幅を広げるように第1負荷歯62Aを弾性的に変位させる。これにより、カレンダ輪列41には、第1負荷歯62Aの弾性変位に伴うエネルギ損失が生じる。その後、第3時中間かな34bに係合する歯60が第1負荷歯62Aに交替すると、第1負荷歯62Aは初期位置に向けて徐々に復帰する。そして、第3時中間かな34bに係合する歯60が第1負荷歯62Aから第2標準歯61Bに交替する際、第3時中間かな34bの歯が第1負荷歯62Aと第2標準歯61Bとの間の歯溝において第1負荷歯62Aから完全に離間し、第1負荷歯62Aは初期位置に復帰する。
第3時中間かな34bに係合する歯60が第3標準歯61Cから第2負荷歯62Bに交替する際、第3時中間かな34bの歯は、第2負荷歯62Bに接触する。このとき、第3時中間かな34bの歯は、第2負荷歯62Bと第4標準歯61Dとの間の歯溝に入り込むために、第2負荷歯62Bと第4標準歯61Dとの間の歯溝の幅を広げるように第2負荷歯62Bを弾性的に変位させる。これにより、カレンダ輪列41には、第2負荷歯62Bの弾性変位に伴うエネルギ損失が生じる。その後、第3時中間かな34bの歯は、第4標準歯61Dに接触し、第2負荷歯62Bと第4標準歯61Dとの間の歯溝の幅をさらに広げるように第2負荷歯62Bを弾性的に変位させる。そして、第3時中間かな34bに係合する歯60が第2負荷歯62Bから第4標準歯61Dに交替する際、第2負荷歯62Bは初期位置に向けて徐々に復帰する。第3時中間かな34bの歯が第2負荷歯62Bから離間すると、第2負荷歯62Bは初期位置に復帰する。
上述したように、24時歯車42aの第1負荷歯62Aまたは第2負荷歯62Bが第3時中間かな34bに接触する際、カレンダ輪列41にはエネルギ損失が生じる。すわなち、24時歯車42aが1回転する毎に2回、カレンダ輪列41にエネルギ損失が生じる。カレンダ輪列41にエネルギ損失が生じると、第1モータ20Aのロータ22が受ける負荷が変動する。これにより、負荷歯62は、ロータ22が受ける負荷に変動を与えることができる。なお、負荷歯62が与える負荷の変動は、標準歯61が第3時中間かな34bに接触する際の負荷と異なっていればよい。以下、ロータ22が受ける負荷を回転負荷と称する場合がある。
図6は、第1実施形態に係る第1モータのロータが受ける負荷を示すグラフである。図6の横軸は、ロータ22の回転のステップ数であって、24時歯車42aの回転角度に対応している。図6の縦軸は、回転負荷(トルク)である。
ここで、図6に示すように、第1負荷歯62Aが第3時中間かな34bに接触している場合の24時歯車42aの回転位置を第1区間と定義する。また、第2負荷歯62Bが第3時中間かな34bに接触している場合の24時歯車42aの回転位置を第2区間と定義する。第1負荷歯62Aが第3時中間かな34bに接触する場合の回転負荷の変動の態様は、第2負荷歯62Bが第3時中間かな34bに接触する場合の回転負荷の変動の態様と異なる。
第3時中間かな34bと第1負荷歯62Aとの接触による回転負荷のピークは、24時歯車42aを正転方向Nに回転させた第1区間の前半部の通過時に発生している。つまり、第1区間において、回転負荷の立ち上がりの勾配は、回転負荷の立ち下がりの勾配よりも急になっている。第3時中間かな34bと第2負荷歯62Bとの接触による回転負荷のピークは、24時歯車42aを正転方向Nに回転させた第2区間の後半部の通過時に発生している。つまり、第2区間において、回転負荷の立ち上がりの勾配は、回転負荷の立ち下がりの勾配よりも緩やかになっている。本実施形態では、第1区間のトルクカーブおよび第2区間のトルクカーブは、互いに対称となっている。
図7は、第1実施形態に係る時計の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、ムーブメント4は、制御部70を備える。制御部70は、モータ駆動部71と、負荷変動検出部72と、判定部73と、を備える。モータ駆動部71は、第1モータ20Aおよび第2モータ20Bのロータ22を正転または逆転させるためのパルス信号を生成する。モータ駆動部71は、生成したパルス信号によって第1モータ20Aおよび第2モータ20Bを駆動する。負荷変動検出部72は、ロータ22の回転によってモータ駆動部71に発生する逆起電圧を回転負荷の変動として検出する。負荷変動検出部72は、ロータ22の回転の1ステップ毎に逆起電圧を検出する。負荷変動検出部72は、検出した逆起電圧を閾値電圧と比較した結果を判定部73に出力する。判定部73は、逆起電圧と閾値電圧との比較結果に基づいて、ロータ22の回転の1ステップ毎の回転負荷の変動の有無を判定する。判定部73は、回転負荷の変動に基づいて、時針6の回転位置を判定する。
なお、逆起電圧の発生態様は、ロータ22の駆動エネルギの大きさによって変化する。具体的に、逆起電圧の発生態様は、ロータ22の駆動エネルギが小さくなるに従い、回転負荷が大きい状態を示すようになる。すなわち、制御部70は、ロータ22の駆動エネルギが小さくなるに従い、回転負荷の小さな変動を検出できるようになる。
制御部70による時針6の基準位置の検出方法について処理ステップ毎に説明する。
図8は、第1実施形態に係る基準位置の検出処理の手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップS10では、制御部70は、24時歯車42aを正転方向Nに回転させて、第1区間および第2区間を探索する。判定部73は、回転負荷の変動が1回検出された位置、または連続して複数回検出された区間を第1区間または第2区間として判定する。例えば、判定部73は、最初に回転負荷の変動が1回または連続して複数回検出された回転位置と、次に負荷変動が1回または連続して複数回検出された回転位置と、の間隔に基づいて、第1区間および第2区間を判別する。続いて、制御部70は、ステップS20の処理に進む。
ステップS20では、判定部73は、第1区間の通過時において、回転負荷の変動が検出された第1回転範囲の1箇所を第1位置として検出する。具体的に、判定部73は、第1回転範囲の中心を第1位置として検出する。続いて、制御部70は、ステップS30の処理に進む。
ステップS30では、判定部73は、第2区間の通過時において、回転負荷の変動が検出された第2回転範囲の1箇所を第2位置として検出する。具体的に、判定部73は、第2回転範囲の中心を第2位置として検出する。続いて、制御部70は、ステップS40の処理に進む。なお、ステップS30の処理は、ステップS20の処理に先立って実行されてもよい。
ステップS40では、判定部73は、第1位置と第2位置との中間位置を基準負荷位置と判定する。基準負荷位置は、時針6の基準位置と対応付けられた位置である。判定部73は、基準負荷位置を基準として時針6の基準位置を検出し、処理を終了する。
ここで、上述したように、制御部70が検出できる回転負荷の変動の大きさは、ロータ22の駆動エネルギの大きさによって変化する。このため、以上の処理において検出される第1回転範囲および第2回転範囲は、ロータ22の駆動エネルギの大きさによって変化する。図6に示すように、本実施形態では、回転負荷のピークは、第1区間の前半部の通過時、および第2区間の後半部の通過時に発生している。これにより、第1位置および第2位置は、ロータ22の駆動エネルギが小さくなるに従い、回転負荷がピークとなる位置から離間する。第1位置は、ロータ22の駆動エネルギが小さくなるに従い、第1区間の終端側に移動する。第2位置は、ロータ22の駆動エネルギが小さくなるに従い、第2区間の始端側に移動する。よって、第1位置と第2位置との中間位置(基準負荷位置)は、ロータ22の駆動エネルギの大きさによって変化しない位置となる。
したがって、本実施形態によれば、第1位置と第2位置との中間位置を検出することで、24時歯車42aにおける絶対的な回転位置を検出でき、時針6の基準位置を精度よく検出できる。
以上に説明したように、本実施形態のムーブメント4は、複数の負荷歯62を有する24時歯車42aを備える。負荷歯62は、第3時中間かな34bに接触する場合に回転負荷に変動を与える。この構成によれば、負荷歯62と第3時中間かな34bとの接触による回転負荷の変動によって24時歯車42aの回転位置を検出する場合に、負荷歯が1個だけ設けられた構成と比較して、回転位置を判定するための情報量を増加させることができる。これにより、24時歯車42aの回転位置を精度よく検出できる。したがって、第1輪列群30と同期して回転する時針6の基準位置を精度よく検出できる。
ところで、複数の負荷歯車に1つずつ負荷歯を設ける構成では、各負荷歯によって発生する回転負荷のタイミングを調整する必要がある。このため、複数の負荷歯車を地板に組み込む際に、複数の負荷歯車同士の位置合わせが必要となる。本実施形態によれば、複数の負荷歯62を1つの負荷歯車(24時歯車42a)に設けているので、少なくとも日送りのタイミングに関わる歯車(日回し中間車43)以外の歯車に対する負荷歯車の位置合わせが不要となる。したがって、ムーブメント4の組み立てが容易となる。
複数の負荷歯62のそれぞれが第3時中間かな34bに接触する場合の回転負荷の変動の態様は、互いに相違している。ここで、負荷歯62による回転負荷の変動が検出される区間の長さは、ロータ22の駆動エネルギの大きさによって変化する。このため、負荷歯62毎に回転負荷の変動の態様が相違していると、駆動エネルギの大きさに応じた回転負荷の変動が検出される区間の変化の態様も、負荷歯62毎に相違する。よって、上記構成によれば、いずれの負荷歯62が第3時中間かな34bに接触しているか判別することが可能となるので、24時歯車42aの回転位置を検出することができる。
複数の負荷歯62は、それぞれ第3時中間かな34bに接触して弾性的に変位する。この構成によれば、負荷歯62が第3時中間かな34bに接触して弾性的に変位することで、第1輪列群30には弾性変形に伴うエネルギ損失が生じる。第1輪列群30にエネルギ損失が生じることで、回転負荷が増大する。よって、回転負荷に変動を与える負荷歯62を形成できる。
第3時中間かな34bと第1負荷歯62Aとの接触による回転負荷のピークは、24時歯車42aを正転方向Nに回転させた第1区間の前半部の通過時に発生する。第3時中間かな34bと第2負荷歯62Bとの接触による回転負荷のピークは、24時歯車42aを正転方向Nに回転させた第2区間の後半部の通過時に発生する。この構成によれば、第1区間のうち回転負荷の変動が検出される第1回転範囲の中心である第1位置は、ロータ22の駆動エネルギが小さくなるに従い、回転負荷がピークとなる位置から第1区間の終端側に移動する。第2区間のうち回転負荷の変動が検出される第2回転範囲の中心である第2位置は、ロータ22の駆動エネルギが小さくなるに従い、回転負荷がピークとなる位置から第2区間の始端側に移動する。つまり、第1回転範囲および第2回転範囲は、駆動エネルギの大きさを変化させると互いに対称となるように変化する。これにより、第1位置と第2位置との中間位置は、ロータ22の駆動エネルギの大きさによる変化が抑制された位置となる。したがって、24時歯車42aにおける絶対的な回転位置を精度よく検出することが可能となる。
第1負荷歯62Aと、第1負荷歯62Aに対して正転方向Nの下流側で隣り合う第1標準歯61Aとの間隔は、第1負荷歯62Aと、第1負荷歯62Aに対して正転方向Nの上流側で隣り合う第2標準歯61Bとの間隔よりも狭い。第2負荷歯62Bと、第2負荷歯62Bに対して正転方向Nの下流側で隣り合う第3標準歯61Cとの間隔は、第2負荷歯62Bに対して正転方向Nの上流側で隣り合う第4標準歯61Dとの間隔よりも広い。この構成によれば、24時歯車42aを正転方向Nに回転させた第1区間の前半部の通過時に、第3時中間かな34bと第1負荷歯62Aとの接触による回転負荷のピークを発生させることができる。また、24時歯車42aを正転方向Nに回転させた第2区間の後半部の通過時に、第3時中間かな34bと第2負荷歯62Bとの接触による回転負荷のピークを発生させることができる。したがって、上述した作用効果を奏することができる。
判定部73は、第1回転範囲の第1位置と、第2回転範囲の第2位置と、の中間位置を基準として時針6の基準位置を検出する。この構成によれば、第1位置と第2位置との中間位置は、24時歯車42aにおける絶対的な回転位置として検出されるので、第1位置と第2位置との中間位置を基準とすることで、時針6の基準位置を精度よく検出できる。
なお、本実施形態では、第1回転範囲の第1位置は、第1回転範囲の中心である。また、第2回転範囲の第2位置は、第2回転範囲の中心である。しかしながら、第1位置および第2位置はこれに限定されない。第1位置を第1回転範囲の始端とし、第2位置を第2回転範囲の終端としてもよい。また、第1位置を第1回転範囲の終端とし、第2位置を第2回転範囲の始端としてもよい。いずれの場合であっても、第1位置と第2位置との中間位置は、ロータ22の駆動エネルギの大きさによる変化が抑制される。したがって、上述した作用効果を奏することができる。
そして、本実施形態の時計1は、上述したムーブメント4を備えるので、時針6の位置を正確に把握された時計とすることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、回転負荷のピークの大きさが相違する複数の負荷歯62が24時歯車42aに設けられている点で、第1実施形態とは異なる。なお、以下で説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
図9は、第2実施形態に係る24時歯車の平面図である。
図9に示すように、24時歯車42aは、複数の歯60と、弾性部65と、を有する。複数の歯60は、標準歯61と、複数(本実施形態では3個)の負荷歯62と、を含む。標準歯61は、複数の歯60のうち複数の負荷歯62を除く全ての歯である。24時歯車42aの周方向において隣り合う一対の負荷歯62の間には、一対の負荷歯62が同時に第3時中間かな34bに接触しないように、少なくとも1個の標準歯61が配置されている。複数の負荷歯62は、一の負荷歯62が第3時中間かな34bに接触するタイミングで、他の負荷歯62が日回し中間歯車43aに接触しないように配置されている。複数の負荷歯62は、それぞれ弾性部65に支持されることによって、弾性的に変位可能に形成されている。各負荷歯62は、正転方向Nの下流側に隣り合う標準歯61との間隔が、正転方向Nの上流側に隣り合う標準歯61との間隔よりも狭くなるように配置されている。
弾性部65は、負荷歯60毎に設けられている。複数の弾性部65は、ばね定数が互いに異なるように形成されている。換言すると、複数の弾性部65は、互いに撓みやすさがことなるように形成されている。例えば、複数の弾性部65は、幅や長さ、厚さ等が互いに相違するように形成されている。これにより、複数の負荷歯62は、回転負荷のピークの大きさが相違するように形成されている。複数の負荷歯62は、負荷のピークが最も大きい負荷歯62を基準として、回転負荷のピークが正転方向Nの上流側の負荷歯62ほど小さくなるように並んでいる。なお、一の弾性部65は、基端部から先端部に向けて、他の弾性部65とは反対方向に延びていてもよい。
なお、隣り合う負荷歯62と標準歯61との間隔を適宜設定することにより、負荷歯62による回転負荷のピークの大きさを調整されていてもよい。負荷歯62が発生させる回転負荷のピークは、負荷歯62の配置位置がその負荷歯62に隣り合う一対の標準歯61の中間位置寄りになるに従い小さくなる。このため、複数の弾性部65を互いに同様に形成し、複数の負荷歯62は、正転方向Nの上流側の負荷歯62ほど、その負荷歯62に隣り合う一対の標準歯61の中間位置に近付くように並んでいてもよい。
図10は、第2実施形態に係る第1モータのロータが受ける負荷を示すグラフである。図10の横軸は、ロータ22の回転のステップ数であって、24時歯車42aの回転角度に対応している。図10の縦軸は、回転負荷(トルク)である。
ここで、図10に示すように、複数の負荷歯62のうち回転負荷のピークが最も大きい負荷歯62が第3時中間かな34bに接触している場合の24時歯車42aの回転位置を第1負荷区間と定義する。また、複数の負荷歯62のうち回転負荷のピークが2番目に大きい負荷歯62が第3時中間かな34bに接触している場合の24時歯車42aの回転位置を第2負荷区間と定義する。また、複数の負荷歯62のうち回転負荷のピークが3番目に大きい負荷歯62が第3時中間かな34bに接触している場合の24時歯車42aの回転位置を第3負荷区間と定義する。第1負荷区間、第2負荷区間、および第3負荷区間における回転負荷の変動の態様は、互いに相違している。各負荷歯62と第3時中間かな34bとの接触によって生じる回転負荷のピークは、各負荷区間の前半部の通過時に発生している。これにより、各負荷区間において、回転負荷の立ち上がりの勾配は、回転負荷の立ち下がりの勾配よりも急になっている。
本実施形態の判定部73は、24時歯車42aを正転方向Nに1回転させる間に、第1負荷区間、第2負荷区間および第3負荷区間それぞれの通過時における回転負荷の変動を探索する。判定部73は、各負荷区間のうち回転負荷の変動が検出され、かつ回転負荷の変動が検出された範囲が最も小さい負荷区間を最小負荷区間として判定する。判定部73は、最小負荷区間の通過時に回転負荷の変動が検出された範囲の1箇所を基準として時針6の基準位置を検出する。
本実施形態の制御部70による時針6の基準位置の検出方法について処理ステップ毎に説明する。
図11は、第2実施形態に係る基準位置の検出処理の手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、ステップS110では、制御部70は、24時歯車42aを正転方向Nに回転させて、第1負荷区間、第2負荷区間および第3負荷区間を探索する。判定部73は、負荷変動が1回検出された位置、または連続して複数回検出された区間を第1負荷区間、第2負荷区間または第3負荷区間として判定する。判定部73は、24時歯車42aの1回転において、負荷変動が1回または連続して複数回検出された回転範囲の数に基づいて、第1負荷区間、第2負荷区間および第3負荷区間を判別する。
ステップS120では、判定部73は、第3負荷区間が検出されたか否かを判定する。第3負荷区間は、他の負荷区間よりも回転負荷のピークが小さいので、第3負荷区間が検出された場合には、第1負荷区間および第2負荷区間も検出されている。判定部73は、第3負荷区間を検出できたと判定した場合(S120:Yes)、ステップS130に処理を進める。判定部73は、第3負荷区間を検出できていないと判定した場合(S120:No)、ステップS140に処理を進める。
ステップS130では、判定部73は、第3負荷区間において負荷変動が検出された24時歯車42aの回転範囲の中心から、複数の負荷歯62の位置関係に基づいて第1負荷区間における回転負荷のピーク位置を判定する。具体的に、判定部73は、第3負荷区間において負荷変動が検出された24時歯車42aの回転範囲の中心から、第1負荷区間側に第2所定ステップだけ回転させた位置を第1負荷区間における回転負荷のピーク位置として判定する。判定部73は、第1負荷区間における回転負荷のピーク位置を基準として時針6の基準位置を検出し、処理を終了する。なお、判定部73は、第3負荷区間において負荷変動が検出された24時歯車42aの回転範囲の中心を基準として、時針6の基準位置を直接検出してもよい。
ステップS140では、判定部73は、第2負荷区間が検出されたか否かを判定する。第2負荷区間は、第1負荷区間よりも回転負荷のピークが小さいので、第2負荷区間が検出された場合には、第1負荷区間も検出されている。判定部73は、第2負荷区間を検出できたと判定した場合(S140:Yes)、ステップS150に処理を進める。判定部73は、第2負荷区間を検出できていないと判定した場合(S140:No)、ステップS160に処理を進める。
ステップS150では、判定部73は、第2負荷区間において負荷変動が検出された24時歯車42aの回転範囲の中心から、複数の負荷歯62の位置関係に基づいて第1負荷区間における回転負荷のピーク位置を判定する。具体的に、判定部73は、第2負荷区間において負荷変動が検出された24時歯車42aの回転範囲の中心から、第1負荷区間側に第1所定ステップだけ回転させた位置を第1負荷区間における回転負荷のピーク位置として判定する。判定部73は、第1負荷区間における回転負荷のピーク位置を基準として時針6の基準位置を検出し、処理を終了する。なお、判定部73は、第2負荷区間において負荷変動が検出された24時歯車42aの回転範囲の中心を基準として、時針6の基準位置を直接検出してもよい。
ステップS160では、判定部73は、第1負荷区間が検出されたか否かを判定する。判定部73は、第1負荷区間を検出できたと判定した場合(S160:Yes)、ステップS170に処理を進める。判定部73は、第1負荷区間を検出できていないと判定した場合(S160:No)、ステップS180に処理を進める。
ステップS170では、判定部73は、第1負荷区間において負荷変動が検出された24時歯車42aの回転範囲の中心を基準として時針6の基準位置を検出し、処理を終了する。
ステップS180では、制御部70は、ロータ22の駆動エネルギを小さくする。これにより、制御部70は、検出できる回転負荷の大きさを低下させる。続いて、制御部70はステップS110の処理を再度行う。
図10に示すように、以上の処理において、制御部70が複数の負荷区間を検出できた場合、回転負荷のピークが小さい負荷区間ほど制御部70が負荷変動を検出する回数が減少する。各負荷区間のうち負荷変動が検出された範囲の両端は、回転負荷のピークが小さい負荷区間ほど回転負荷がピークとなる位置に近くなる。各負荷区間において回転負荷の勾配の絶対値がピークの前後で相違しているので、各負荷区間における負荷変動が検出された範囲の中心は、負荷変動が検出された回数が少ない負荷区間ほど、回転負荷のピークの位置に近くなる。
制御部70が第1負荷区間、第2負荷区間および第3負荷区間を検出できた場合(S120:Yes)、第3負荷区間が最小負荷区間となる。第3負荷区間のうち負荷変動が検出された範囲の両端は、第1負荷区間または第2負荷区間において負荷変動が検出された範囲の両端よりも、回転負荷がピークとなる位置に近くなる。よって、制御部70は、第3負荷区間における負荷変動が検出された範囲の中心を検出することで、24時歯車42aにおける絶対的な回転位置として、第3負荷区間における回転負荷がピークとなる位置を精度よく検出できる。
制御部70が第1負荷区間および第2負荷区間のみを検出できた場合(S140:Yes)、第2負荷区間が最小負荷区間となる。第2負荷区間のうち負荷変動が検出された範囲の両端は、第1負荷区間において負荷変動が検出された範囲の両端よりも、回転負荷がピークとなる回転位置に近くなる。よって、制御部70は、第2負荷区間における負荷変動が検出された範囲の中心を検出することで、24時歯車42aにおける絶対的な回転位置として、第2負荷区間における回転負荷がピークとなる位置を精度よく検出できる。
制御部70が第1負荷区間のみを検出できた場合(S160:Yes)、第1負荷区間が最小負荷区間となる。第1負荷区間のうち負荷変動が検出された範囲の両端は、制御部70が第2負荷区間を検出できた場合と比較して、回転負荷がピークとなる回転位置に近くなる。よって、制御部70は、第1負荷区間における負荷変動が検出された範囲の中心を検出することで、24時歯車42aにおける絶対的な回転位置として、第1負荷区間における回転負荷がピークとなる位置を精度よく検出できる。
したがって、制御部70は、時針6の基準位置を精度良く検出できる。
以上に説明したように、本実施形態のムーブメント4は、複数の負荷歯62を有する24時歯車42aを備えるので、第1実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
第3時中間かな34bと一の負荷歯62との接触による回転負荷は、第3時中間かな34bと他の負荷歯62との接触による回転負荷よりも、負荷の最大値が大きくなるように設定されている。この構成によれば、負荷変動が検出された範囲の大きさによって、いずれの負荷歯62が第3時中間かな34bに接触しているか判別することが可能となる。したがって、24時歯車42aの回転位置を検出することができる。
判定部73は、第1負荷区間、第2負荷区間および第3負荷区間のうち、通過時に回転負荷の変動が検出され、かつ通過時に回転負荷の変動が検出された範囲が最も小さい負荷区間を最小負荷区間として判定する。判定部73は、最小負荷区間の通過時に回転負荷の変動が検出された範囲の中心を基準として時針6の基準位置を検出する。この構成によれば、負荷変動が検出された範囲が小さい負荷区間ほど、負荷変動が検出された範囲の両端は回転負荷がピークとなる回転位置に近くなる。このため、最小負荷区間の通過時に負荷変動が検出された範囲の中心は、他の負荷区間の通過時に負荷変動が検出された範囲の中心よりも、回転負荷がピークとなる回転位置に近くなる。したがって、24時歯車42aにおける絶対的な回転位置を精度よく検出することが可能となる。
なお、本実施形態では、24時歯車42aに3個の負荷歯62が設けられているが、負荷歯62の数はこれに限定されない。すなわち、負荷歯62が24時歯車42aに複数設けられていればよい。
また、本実施形態では、各負荷歯62は、正転方向Nの上流側に隣り合う標準歯61との間隔が、正転方向Nの下流側に隣り合う標準歯61との間隔よりも狭くなるように配置されている。しかしながら、複数の負荷歯62は回転負荷のピークが相違するように形成されていればよく、負荷歯62の配置は上記実施形態に限定されない。つまり、複数の負荷歯62のうち少なくとも1つは、正転方向Nの上流側に隣り合う標準歯61との間隔が、正転方向Nの下流側に隣り合う標準歯61との間隔よりも広くなるように配置されていてもよい。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、第1輪列群30において複数の負荷歯62が24時中間歯車42aに設けられているが、他の歯車に複数の負荷歯62を設けられていてもよい。ただし、複数の負荷歯62が設けられる歯車は、基準位置の検出対象となる指針が整数周回転する毎に1回転する歯車であることが望ましい。また、負荷歯62は、互いに噛み合う一対の歯車のうち従動側の歯車に設けることが望ましい。
また、複数の負荷歯62は、第1輪列群30の歯車のうち、指針(時針6および24時針9)および表示車(日車46)に第1モータ20Aのトルクを伝達する歯車に設けられていなくてもよい。つまり、複数の負荷歯62は、時輪列31またはカレンダ輪列41の歯車に噛み合い、指針および表示車のいずれにもトルクを伝達しない経路上に配置された歯車に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、第1輪列群30の歯車に複数の負荷歯62を設けた例を挙げたが、第2輪列群50の歯車に複数の負荷歯62を設けてもよい。
また、上記実施形態では、制御部70は24時歯車42aを正転させて回転負荷を検出しているが、24時歯車42aを逆転させて回転負荷を検出してもよい。
また、上記実施形態では、負荷歯62は弾性的に変位することで回転負荷に変動を与えるが、負荷歯はこれに限定されない。例えば、負荷歯は、標準歯とは異なる形状を有する歯であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1…時計 4…ムーブメント(時計用ムーブメント) 6…時針(指針) 20A…第1モータ(ステッピングモータ) 22…ロータ 30…第1輪列群(輪列群) 34b…第3時中間かな(第1歯車) 42a…24時歯車(第2歯車) 61A…第1標準歯 61B…第2標準歯 61C…第3標準歯 61D…第4標準歯 62…負荷歯 62A…第1負荷歯 62B…第2負荷歯 72…負荷変動検出部 73…判定部

Claims (7)

  1. 1ステップずつ回転するロータを有し、前記ロータの回転により指針を回転させるステッピングモータと、
    前記ロータの回転に基づいて回転する第1歯車と、
    前記第1歯車と噛み合うように配置され、前記第1歯車に接触する場合に前記ロータが受ける負荷に変動を与える複数の負荷歯を有する第2歯車と、
    を備え
    前記複数の負荷歯のそれぞれが前記第1歯車に接触する場合に前記ロータが受ける負荷の変動の態様は、互いに相違し、
    前記複数の負荷歯は、第1負荷歯および第2負荷歯を備え、
    前記第1負荷歯が前記第1歯車に接触している場合の第2歯車の回転位置を第1区間として定義し、
    前記第2負荷歯が前記第1歯車に接触している場合の第2歯車の回転位置を第2区間として定義した場合、
    前記第1歯車と前記第1負荷歯との接触によって前記ロータが受ける負荷のピークは、前記第2歯車を所定の回転方向に回転させた前記第1区間の前半部の通過時に発生し、
    前記第1歯車と前記第2負荷歯との接触によって前記ロータが受ける負荷のピークは、前記第2歯車を前記所定の回転方向に回転させた前記第2区間の後半部の通過時に発生する、
    ことを特徴とする時計用ムーブメント。
  2. 前記第2歯車は、前記第1歯車と噛み合う複数の歯を有し、
    前記複数の歯は、
    前記第1負荷歯および前記第2負荷歯と、
    前記第1負荷歯に対して前記第2歯車の前記所定の回転方向の下流側で隣り合う第1標準歯と、
    前記第1負荷歯に対して前記所定の回転方向の上流側で隣り合う第2標準歯と、
    前記第2負荷歯に対して前記所定の回転方向の下流側で隣り合う第3標準歯と、
    前記第2負荷歯に対して前記所定の回転方向の上流側で隣り合う第4標準歯と、
    を備え、
    前記第1負荷歯と前記第1標準歯との間隔は、前記第1負荷歯と前記第2標準歯との間隔よりも狭く、
    前記第2負荷歯と前記第3標準歯との間隔は、前記第2負荷歯と前記第4標準歯との間隔よりも広い、
    ことを特徴とする請求項に記載の時計用ムーブメント。
  3. 前記ロータが受ける負荷の変動を前記ロータの回転の1ステップ毎に検出する負荷変動検出部と、
    前記負荷変動検出部が検出する前記負荷の変動に基づいて、前記指針の回転位置を判定する判定部と、
    を備え、
    前記判定部は、
    前記第2歯車を前記所定の回転方向に回転させた前記第1区間の通過時において、前
    記負荷の変動が検出された前記第2歯車の第1回転範囲の1箇所を第1位置として検出し、
    前記第2歯車を前記所定の回転方向に回転させた前記第2区間の通過時において、前記負荷の変動が検出された前記第2歯車の第2回転範囲の1箇所を第2位置として検出し、
    前記第1位置と前記第2位置との中間位置を基準として前記指針の基準位置を検出する、
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の時計用ムーブメント。
  4. 前記第1位置は、前記第1回転範囲の中心であり、
    前記第2位置は、前記第2回転範囲の中心である、
    ことを特徴とする請求項に記載の時計用ムーブメント。
  5. 1ステップずつ回転するロータを有し、前記ロータの回転により指針を回転させるステッピングモータと、
    前記ロータの回転に基づいて回転する第1歯車と、
    前記第1歯車と噛み合うように配置され、前記第1歯車に接触する場合に前記ロータが受ける負荷に変動を与える複数の負荷歯を有する第2歯車と、
    前記ロータが受ける負荷の変動を前記ロータの回転の1ステップ毎に検出する負荷変動検出部と、
    前記負荷変動検出部が検出する前記負荷の変動に基づいて、前記指針の回転位置を判定する判定部と、
    を備え
    前記複数の負荷歯のそれぞれが前記第1歯車に接触する場合に前記ロータが受ける負荷の変動の態様は、互いに相違し、
    前記複数の負荷歯のうち一の負荷歯と前記第1歯車との接触によって前記ロータが受ける負荷は、前記複数の負荷歯のうち他の負荷歯と前記第1歯車との接触によって前記ロータが受ける負荷よりも、最大値が大きくなるように設定され、
    前記複数の負荷歯のそれぞれが前記第1歯車に接触している場合の第2歯車の回転位置を複数の負荷区間として定義した場合、
    前記判定部は、
    前記第2歯車を所定の回転方向に1回転させる間に、前記複数の負荷区間それぞれの通過時における前記負荷の変動を探索し、
    前記複数の負荷区間のうち、通過時に前記負荷の変動が検出され、かつ通過時に前記負荷の変動が検出された範囲が最も小さい負荷区間を最小負荷区間として判定し、
    前記最小負荷区間の通過時に前記負荷の変動が検出された範囲の1箇所を基準として前記指針の基準位置を検出する、
    ことを特徴とする時計用ムーブメント。
  6. 前記複数の負荷歯は、それぞれ前記第1歯車に接触して弾性的に変位する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の時計用ムーブメント。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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