JP7323827B2 - 組合せ最適化問題処理装置とその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、組合せ最適化問題の解を導き出す組合せ最適化問題処理装置とその方法に関する。
組合せ最適化問題とは、与えられた条件の中で評価指標を最大(または最小)とするパラメータの組合せ(解)を探索する問題である。組合せ最適化問題は、配送、創薬等の様々な分野において、より良い選択をすることが求められる局面に適用できる。
NP-hardクラスの組合せ最適化問題は、組合せの要素数(パラメータ数)Nが大きくなるにつれて指数関数的に組合せ数が増大してしまうことから「総当たり方式」での最適解を求めるのに非現実的な長い時間が掛かってしまうという課題がある。
その課題を解決する解決手段の検討がなされている。組合せ最適化問題を解くことと、イジングモデルの最安定エネルギー状態を求めることに対応関係があることが知られている。そこで、イジングモデルにおける最安定状態をシュミテッドアニーリングに準じた方法で見つけ出す手法をCMOS半導体チップに実装してシミュレーションすることにより、最安定エネルギー状態を見付けることで実質的に組合せ最適化問題を解く方法が例えば非特許文献1に開示されている。
山岡雅直、他4名、「社会システムの最適化に資するCMOSイジング計算機」、日立評論,Vol.99,No.03,328-329.
しかしながら、従来の方法では最適解を求めるのに時間を要してしまうという課題がある。
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、組合せ最適化問題の最適解を短い時間で求める組合せ最適化問題処理装置とその方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る組合せ最適化問題処理装置は、N個の要素の組合せ最適化問題をイジングモデルに対応付けて処理する組合せ最適化問題処理装置であって、偏光クロックパルス列を入力とし、第1位相変調部と第2位相変調部を備える差動位相変調型マッハツェンダー光変調器と、前記差動位相変調型マッハツェンダー光変調器で変調された前記偏光クロックパルス列を入力とし、前記イジングモデルにおける所定の相互作用を前記偏光クロックパルス列の前記N個のパルスの周期で生じさせると共に前記最適化問題の解を表すモニタ信号を外部に出力する光干渉回路と、前記要素間の相互作用に対して中立状態を作り出す前記N個の初期化光パルスと前記光干渉回路の出力光パルス列とを入力とし、前記初期化光パルスを前記光干渉回路の出力に結合させると共に、前記初期化光パルスと前記出力光パルス列とをそれぞれ分波し、該分波した一方の第1位相変調信号を前記第1位相変調部に出力し、該分波した他方の第2位相変調信号を遅延部に出力する合分波器と、前記第2位相変調信号を遅延させて前記第2位相変調部に出力する遅延部とを備え、前記遅延部は、前記第1位相変調信号に対して前記第2位相変調信号を、前記偏光クロックパルス列のパルスのパルス幅以上で且つ一周期未満の時間遅延させることを要旨とする。
また、本発明の一態様に係る組合せ最適化問題処理方法は、上記の組合せ最適化問題処理装置が行う組合せ最適化問題処理方法であって、第1位相変調部と第2位相変調部を備える差動位相変調型マッハツェンダー光変調器が、偏光クロックパルス列を変調するマッハツェンダー光変調ステップと、前記マッハツェンダー光変調ステップで変調された前記偏光クロックパルス列を入力とし、前記イジングモデルにおける所定の相互作用を、前記偏光クロックパルス列の前記N個のパルスの周期で生じさせると共に前記最適化問題の解を表すモニタ信号を外部に出力する光干渉ステップと、前記要素間の相互作用に対して中立状態を作り出す前記N個の初期化光パルスと前記光干渉回路の出力光パルス列とを入力とし、前記初期化光パルスを光干渉回路の出力に結合させると共に、前記初期化光パルスと前記出力光パルス列とをそれぞれ分波し、該分波した一方の第1位相変調信号を前記第1位相変調部に出力し、該分波した他方の第2位相変調信号を遅延部に出力する合分波ステップと、前記第2位相変調信号を遅延させて前記第2位相変調部に出力する遅延ステップとを行い、前記遅延ステップは、前記第1位相変調信号に対して前記第2位相変調信号を、前記偏光クロックパルス列のパルスのパルス幅以上で且つ一周期未満の時間遅延させることを要旨とする。
本発明によれば、組合せ最適化問題の最適解を短い時間で求めることができる。
イジングモデルを示す図である。 組合せ最適化問題の例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係る組合せ最適化問題処理装置の機能構成例を示す図である。 偏光クロックパルス列の系列の関係を示す図である。 図3に示す光干渉回路の具体的な構成例を示す図である。 図3に示す差動位相変調型マッハツェンダー光変調器の具体的な構成例を示す図である。 N個の初期化パルス、第1位相変調信号、第2位相変調信号、及び偏光クロックパルス列の関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る組合せ最適化問題処理装置200を構成する光干渉回路を示す図である。 図3に示す組合せ最適化問題処理装置を用いて組合せ最適化問題を解いた実証実験の結果を示す図である。
本発明の実施形態を説明する前に、イジングモデルと組合せ最適化問題について簡単に説明する。
(イジングモデル)
図1は、イジングモデルを示す。イジングモデルは、磁性体(強磁性体や反強磁性体等)の性質を表す統計力学上のモデルである。アップとダウンの二つのどちらかのスピン状態をとる格子点から構成され、隣接する格子点間の相互作用を考慮したエネルギーHが最低の場合に安定状態となる。
ニューラルネットワーク等の手法を用いた数値計算においてイジングモデルは、各格子点のスピンの状態σiと2つのスピン間で及ぼす相互作用の力を表す相互作用係数Jij、及び外部から与えられた磁場の力を表す外部磁場係数hiで表せる。そのイジングモデルが持つエネルギーHは次式で表せる。
Figure 0007323827000001
イジングモデルでは、そのエネルギーHが最小となるようにスピンの状態が更新される。組合せ最適化問題の評価指標を、このイジングモデルのエネルギーに対応するように問題を写像して、イジングモデルを収束させることにより、エネルギーを最小とするスピンの状態の組合せが得られる。これはすなわち、元の最適化問題の評価指標を最小化するパラメータの組合せを求めることを意味する。
なお、一般にイジングモデルマシンと称する最適化シミュレータでは、隣接する格子点間だけでなくすべての格子点間の相互作用を考慮する拡張を行っている。
(組合せ最適化問題)
図2は、N=16のマックスカット3問題と称される組合せ最適化問題の一例を模式的に示す図である。図2に示す〇はN=16の各要素を表す。
マックスカット3問題とは、各要素を2つのグループにグループ分けした際にカットされるエッジの重み総和を最大化させる問題である。また「3」は、イジングモデルの相互作用の数を意味する。
図2の右図は、相互作用を模式的に示す図である。右図の相互作用は、前後(±1)の要素と、8個先(+8)の要素の3つから受ける例を示す。なお、N=16のマックスカット3の相互作用はこの例に限定されない。
本発明の実施形態に係る組合せ最適化問題処理装置は、図2に示す組合せ最適化問題を解く例で説明する。以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。複数の図面中同一のものには同じ参照符号を付し、説明は繰り返さない。
〔第1実施形態〕
図3は、本発明の第1実施形態に係る組合せ最適化問題処理装置の機能構成例を示す図である。図3に示す組合せ最適化問題処理装置100は、差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10、光干渉回路20、合分波器30、及び遅延部40を備える。
差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10は、第1位相変調部と第2位相変調部を備え、特許5632330号に記載されたマッハツェンダー干渉型光強度変調部MZ-1と同じものである。差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10の具体的な構成は後述する。
差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10は、偏光コヒーレントクロックパルス列(以降、コヒーレントの文言は省略する)を入力とする。マッハツェンダー光変調器10は、次式が成り立つように固定位相条件を調整する。
Figure 0007323827000002
差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10で変調された一方(A)又は他方(A-)又は両方から出力される偏光クロックパルス列は、光干渉回路20に入力される。なお、A-は、図3に示す表記が正しい、以下同様である。また、以降、差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10は、変調型の変調を省略して差動位相型マッハツェンダー光変調器10と称する。
ここで、本実施形態では、偏光クロックパルス列のひとつ一つのパルスiを組合せ最適化問題の各要素に対応付ける。そうすると、式(2)に従うN=16のパルスの組を一つの系列と見なすことができる。
i,i+N,i+2N,…が一つの系列、(i+1),(i+1)+N,(i+1)+2N,…が別の一つの系列、そして(i+(N-1)),(i+(N-1))+N,(i+(N-1))+2N,…までのN個の系列である。
各系列のパルス列の間で上記の相互作用を行わせることで、例えばN=16のマックスカット3問題を解く組合せ最適化問題処理装置100を実現することができる。
図4は、各系列の関係を説明するタイムチャートである。図4の横方向は時間、縦方向の1行目は光干渉回路20の例えばA-に入力される偏光クロックパルス列、2行目は1行目の偏光クロックパルス列を偏光クロックパルスの1パルス分遅らせたパルス列1bd、3行目は1行目の偏光クロックパルス列を遅延させないパルス列0bd、4行目は1行目の偏光クロックパルス列を偏光クロックパルスの2パルス分遅らせたパルス列2bd、5行目は1行目の偏光クロックパルス列を偏光クロックパルスの9パルス分遅らせたパルス列9bdである。なお、説明を分かり易くする目的で偏光クロックパルス列の左から識別番号を-8、-7、-6、…、-1、0、+1、+2、+3、…のように付与する。
パルス列1bdのパルスiが16個分一巡した17個目の識別番号0のパルスに注目する。識別番号0のパルスは、N個のパルスの周期単位で見ると最初のパルスである。
この最初のパルスと同じタイミングの他のパルス列0bD、2bD、9bDのパルス番号は、それぞれ+1、-1、-8である。つまり、識別番号0のパルスに対して、1パルス分先の+1のパルス、2パルス分手間の-1のパルスi=18(16番目)、8パルス手前の-8のパルスが同じタイミングで一致する。
これらの偏光パルスを光干渉回路20で干渉させることで、次式で表せる相互作用QAFを生じさせることができる。
Figure 0007323827000003
ここでiは偏光クロックパルス列を構成するパルスの通し番号、kはN個内のパルスの位置を表す番号、Ji:kは相互作用の大きさを表す係数である。なお、式(3)の右辺の(・)内の第2項は、差動位相型マッハツェンダー光変調器10の他方(A-)出力に対応する。式(3)は反強磁性型の相互作用を表す。
なお、上記の例ではkは複数である。例えばk=+1、k=-1、k=+8である。このkの値は、図3の右図に示す相互作用に対応する。
光干渉回路20が出力する前記偏光クロックパルス列のパワーは次式で表せる。
Figure 0007323827000004
このように、差動位相型マッハツェンダー光変調器10からの偏光クロックパルス列由来の出力光パルスを光干渉回路20に入力することで、所望の相互作用の影響を受けた偏光クロックパルス列を生成することができる。
(光干渉回路)
光干渉回路20は、差動位相型マッハツェンダー光変調器10で変調された偏光クロックパルス列を入力とし、イジングモデルにおける所定の相互作用を偏光クロックパルス列のN個のパルスの周期で生じさせると共に上記の組合せ最適化問題の解を表すモニタ信号を外部に出力する。
図5は、光干渉回路20の具体例を示す図である。図5に示す様に光干渉回路20は、複数の遅延部である第1遅延部22a、第2遅延部22b、第3遅延部22c、第4遅延部22dと、複数の光導波路である第1主経路21a、第2主経路21b、第1作用経路21c、第2作用経路21e、第3作用経路21fと、複数の光結合器である第1光結合器23a、第2光結合器23b、第3光結合器23c、第4光結合器23dとを備える。
第1遅延部22aは、差動位相型マッハツェンダー光変調器10で変調された一方の偏光クロックパルス列(A)を分岐させた一方の偏光クロックパルス列をその1パルス分を単位に遅らせる。この例では1パルス分遅らせる。第1主経路21aは、第1遅延部22aで1パルス分遅らせた第1偏光クロックパルス列1bDを伝搬させる。
第2遅延部22bは、差動位相型マッハツェエンダー光変調器10が出力する一方の偏光クロックパルス列(A)を分岐させた他方の偏光クロックパルス列を前記第1遅延部と同じパルス分遅らせる。第2主経路21bは、前記第1遅延部と同じパルス分遅らせた第1偏光クロックパルス列1bDを伝搬させる。
第1作用経路21cは、差動位相型マッハツェンダー光変調器10で変調された他方の偏光クロックパルス列(A-)を分岐させた一方の第3偏光クロックパルス列0bDをそのまま伝搬させる。
第3遅延部22cは、差動位相型マッハツェエンダー光変調器10が出力する他方の偏光クロックパルス列(A-)を分岐させた一方の偏光クロックパルス列を1パルス分を単位に遅らせる。この例では2パルス分遅らせる。第2作用経路21eは、偏光クロックパルス列(A-)を分岐させた一方の偏光クロックパルス列を2パルス分遅らせた第4偏光クロックパルス列2bDを伝搬させる。
第4遅延部22dは、偏光クロックパルス列(A-)を分岐させた一方の偏光クロックパルス列をその1パルス分を単位に遅らせる。この例では9パルス分遅らせる。第3作用経路21fは、偏光クロックパルス列(A-)を分岐させた他方の偏光クロックパルス列を9パルス分遅らせた第5偏光クロックパルス列9bDを伝搬させる。
第1光結合器23aは、第3作用経路21fと第2作用経路21eの光信号の振幅を加算するように干渉させる。第2光結合器23bは、第1光結合器23aの出力光信号と第1作用経路21cの光信号の振幅を加算するように干渉させる。
第3光結合器23cは、第2光結合器23bの出力光信号と第2主経路21bの光信号の振幅を減算するように干渉させる。
第4光結合器23dは、第3光結合器23cの出力光信号と第1主経路21aの光信号の振幅を減算するように干渉させる。第4光結合器23dのoutと表記していない端子から出力される信号がモニタ信号である。モニタ信号は最適化問題の解を表す。その解の具体例については後述する。
以上説明した光干渉回路20によれば、図3の右図に示した相互作用を生じさせることができる。上記の第1遅延部22a~第4遅延部22dのそれぞれの遅延量の組合せを変えることで、異なる要素の組合せによる相互作用を生じさせることも可能である。
本実施形態では、上記の相互作用を生じさせる前に、要素の互いの関係性の大きさに偏りが無い中立状態を生成させる。中立状態は、N個の初期化光パルスで生成させる。
(差動位相型マッハツェンダー光変調器)
図6は、差動位相型マッハツェンダー光変調器10の構成を示す図である。図6に示すように差動位相型マッハツェンダー光変調器10は、二つのMMI(マルチモード干渉部)13,14、第1位相変調部11、及び第2位相変調部12を備える。
差動位相型マッハツェンダー光変調器10の基本状態での位相条件においてMMI13に入力される偏光クロックパルス列はMMI14の出力の一方(A-)に出力される。このとき第1位相変調部11に先の位相条件を丁度πシフトさせる変調信号が入力されるとMMI14の出力の一方(A)に出力される状態に切り替わり、差動位相型マッハツェンダー光変調器10は開状態となる。この開状態は、第2位相変調部12に位相条件を丁度π引き戻す変調信号が入力されることによりMMI14の出力の一方(A-)に出力される状態に引き戻され差動位相型マッハツェンダー光変調器10は閉状態に戻る。
つまり差動位相型マッハツェンダー光変調器10は、第1位相変調部11に変調信号が入力されると開状態となり、第2位相変調部12に変調信号が入力されると閉状態となる。差動位相型マッハツェンダー光変調器10の構成と動作は、特許5632330号に記載されている。ここでは、これ以上の説明は省略する。
合分波器30は、要素間の相互作用に対して中立状態を作り出すN個の初期化光パルスと光干渉回路20の出力光パルス列とを入力とし、上記の何の入力に対しても2つの分波出力を提供し、該分波した一方を第1位相変調部11への駆動信号として出力し、該分波した他方を第2位相変調部12への駆動信号として遅延部40に出力する。
遅延部40において遅延された、先の駆動信号は第2位相変調部12に出力する。
図7は、N個の初期化パルス、第1位相変調信号、第2位相変調信号、及び偏光クロックパルス列の関係を示す図である。なお、図7は、各信号のタイミングのみを示す図であり振幅は意味を持たない。
図7に示す様に、第1位相変調信号に対して遅延部40を介する第2位相変調信号は、遅延時間dの時間遅れたタイミングで差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10を違法変調駆動する。
この様に第1位相変調信号と第2位相変調信号が入力されると、遅延時間dの間だけ差動位相型マッハツェンダー光変調器10は開状態となる。この開状態のタイミングに合わせて偏光クロックパルス列を入力することで、偏光クロックパルス列は帰還信号及び初期化信号のパワーに応じた差動位相変調出力を差動位相変調型マッハツェンダー光変調器10から光干渉回路20へと出力する。
第1位相変調信号と第2位相変調信号は、N個の初期化光パルスの後、偏光クロックパルス列に切り替わる。よって、i=17番目以降の第1位相変調は、偏光クロックパルスのタイミングと一致する。
遅延時間dは、偏光クロックパルス列のパルスのパルス幅tpw以上で且つパルス間隔より十分狭い時間である。
このようなタイミングで光干渉回路20に、偏光クロックパルス列が入力されると、N=16のパルスの系列ごとに各要素の関係性の大きさが0の中立状態(対称な状態)が生み出される。その後、光干渉回路20において上記の相互作用を生じさせることで、対称性に破れが生じイジングモデルの安定状態が創発される現象が起きる。
このように、いわゆる還元論的な理解を越えた創発現象により出現した「安定状態にあるイジングモデル」と対応する「状態」を読み取ることで、組合せ最適化問題の解を求めることができる。「安定状態にあるイジングモデル」と対応する「状態」は、光干渉回路20が出力するモニタ信号を観察することで得られる。
〔第2実施形態〕
図8は、本発明の第2実施形態に係る組合せ最適化問題処理装置200を構成する光干渉回路を示す図である。組合せ最適化問題処理装置200の図示は省略する。
図8は、光干渉回路20を、FPGAと差動位相型マッハツェエンダー光変調器で構成したものである。図8に示す光干渉回路22は、光電AD変換部220、光電AD変換部221、FPGA222、DA変換部223、及び差動位相型マッハツェエンダー光変調器224を備える。
光電AD変換部220は、偏光クロックパルス列(A-)を光電変換した電気パルス信号をAD変換する。光電AD変換部221は、偏光クロックパルス列(A)を光電変換した電気パルス信号をAD変換する。
FPGA222は、上記の相互作用(図2)の計算をディジタル処理する。FPGA222の出力信号は、DA変換されて差動位相型マッハツェエンダー光変調器224の変調信号端子に接続される。
差動位相型マッハツェエンダー光変調器224は、可干渉局発クロックパルス光をFPGA222の出力信号で強度変調する。可干渉局発クロックパルス光は、上記の偏光クロックパルス列を方向性結合器(図示せず)で分岐したパルス列として提供することが可能である。
図8に示すOUT端子は、図3に示すOUT端子に相当する。つまり、図8に示す光干渉回路22は、図3に示す光干渉回路20と同じ作用をする。このように光干渉回路22は、FPGA等の半導体集積回路で構成することも可能である。
(実証実験)
本実施形態の効果を確認する目的で実証実験を行った。実証実験は、本発明の第1実施形態に係る組合せ最適化問題処理装置100を構成して、全体の時間幅~1μsの偏光クロックパルス列を用い、N=16のマックスカット3問題(図2)を解いた。なお、この観測では、試行開始時間は基準観測時間から62.033μs後になっていた。
図9は、その実証実験を解いた結果を示す図である。図9の横軸は時間μs、縦軸はモニタ信号(図3)のパワーである。図9(b)は、図9(a)の62.45~62.55μsの範囲を拡大した図である。
62.033μsで初期化光パルス列を入力した。初期化光パルス列を入力した直後のモニタ信号は、パワーが約0.5の中立状態を示す。その後、光干渉回路20が生じさせる相互作用の影響によりモニタ信号は、イジングモデルの安定化状態に向けて変化する。
62.5μsの時点でほぼ安定状態となり、「0010101011010101」の0/1パターンが得られている。このパターンは、N=16のマックスカット3問題の最適解の一つである。
このように本実施形態の組合せ最適化問題処理装置100は、約500nsという短い時間でN=16のマックスカット3問題を解くことができる。非特許文献1の方法では672μsの時間を要したことが報告されている。
以上説明したように本実施形態に係る組合せ最適化問題処理装置100によれば、組合せ最適化問題の最適解を短い時間で求めることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形が可能である。組合せ最適化問題としてN=16のマックスカット3問題を例示したが、本発明はこの例に限定されない。本発明は、イジングモデルのエネルギーに対応するように組合せ最適化問題を写像できればどのような問題でも適用させることが可能である。また、N=16のマックスカット3問題の相互作用も上記の例に限られない。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10:差動位相変調型マッハツェンダー光変調器
20、22:光干渉回路
30:合分波器
40:遅延部
100、200:組合せ最適化問題処理装置

Claims (4)

  1. N個の要素の組合せ最適化問題をイジングモデルに対応付けて処理する組合せ最適化問題処理装置であって、
    偏光クロックパルス列を入力とし、第1位相変調部と第2位相変調部を備える差動位相変調型マッハツェンダー光変調器と、
    前記差動位相変調型マッハツェンダー光変調器で変調された前記偏光クロックパルス列を入力とし、前記イジングモデルにおける所定の相互作用を前記偏光クロックパルス列の前記N個のパルスの周期で生じさせると共に前記最適化問題の解を表すモニタ信号を外部に出力する光干渉回路と、
    前記要素間の相互作用に対して中立状態を作り出す前記N個の初期化光パルスと前記光干渉回路の出力光パルス列とを入力とし、前記初期化光パルスを前記光干渉回路の出力に結合させると共に、前記初期化光パルスと前記出力光パルス列とをそれぞれ分波し、該分波した一方の第1位相変調信号を前記第1位相変調部に出力し、該分波した他方の第2位相変調信号を遅延部に出力する合分波器と、
    前記第2位相変調信号を遅延させて前記第2位相変調部に出力する遅延部とを備え、
    前記遅延部は、前記第1位相変調信号に対して前記第2位相変調信号を、前記偏光クロックパルス列のパルスのパルス幅以上で且つ一周期未満の時間遅延させる組合せ最適化問題処理装置。
  2. 前記光干渉回路は、
    前記差動位相変調型マッハツェンダー光変調器で変調された一方の前記偏光クロックパルス列を分岐させた一方の第1偏光クロックパルス列を該第1偏光クロックパルス列の1パルス分を単位に遅らせる第1遅延部を備える第1主経路と、
    前記偏光クロックパルス列を分岐させた他方の第2偏光クロックパルス列を前記第1遅延部と同じパルス分遅らせる第2遅延部を備える第2主経路と、
    前記差動位相変調型マッハツェンダー光変調器で変調された他方の前記偏光クロックパルス列を分岐させた一方の第3偏光クロックパルス列を伝送する第1作用経路と、
    前記差動位相変調型マッハツェンダー光変調器で変調された他方の前記偏光クロックパルス列を分岐させた他方の第4偏光クロックパルス列を更に分岐させた第5偏光クロックパルス列を該第5偏光クロックパルス列の1パルス分を単位に遅らせる第3遅延部を備える第2作用経路と
    を備える請求項1に記載の組合せ最適化問題処理装置。
  3. 前記要素の数をN、前記偏光クロックパルス列の通し番号をi、前記所定の相互作用の大きさを表す係数をJi:kここでkはiと異なる前記N個内のパルスの位置を表す番号とした場合に前記所定の相互作用QAFは次式で表せ、
    Figure 0007323827000005
    前記偏光クロックパルス列のパワーは次式で表せる
    Figure 0007323827000006
    請求項1又は2に記載の組合せ最適化問題処理装置。
  4. N個の要素の組合せ最適化問題をイジングモデルに対応付けて処理する組合せ最適化問題処理方法であって、
    第1位相変調部と第2位相変調部を備える差動位相変調型マッハツェンダー光変調器が、偏光クロックパルス列を変調するマッハツェンダー光変調ステップと、
    光干渉回路が、前記マッハツェンダー光変調ステップで変調された前記偏光クロックパルス列を入力とし、前記イジングモデルにおける所定の相互作用を、前記偏光クロックパルス列の前記N個のパルスの周期で生じさせると共に前記最適化問題の解を表すモニタ信号を外部に出力する光干渉ステップと、
    合分波器が、前記要素間の相互作用に対して中立状態を作り出す前記N個の初期化光パルスと光干渉回路の出力光パルス列とを入力とし、前記初期化光パルスを前記光干渉回路の出力に結合させると共に、前記初期化光パルスと前記出力光パルス列とをそれぞれ分波し、該分波した一方の第1位相変調信号を前記第1位相変調部に出力し、該分波した他方の第2位相変調信号を遅延部に出力する合分波ステップと、
    前記遅延部が、前記第1位相変調信号に対して前記第2位相変調信号を、前記偏光クロックパルス列のパルスのパルス幅以上で且つ一周期未満の時間遅延させて、前記第2位相変調部に出力する遅延ステップとを行う、組合せ最適化問題処理方法。
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