JP7323664B1 - 服薬指導支援装置、服薬指導支援方法、および、服薬指導支援プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
また一般的に、薬局に対し、患者の傷病名は医師から通知されないため、薬剤師は処方せんの内容、または患者からのヒアリング等により、傷病名を推測する必要がある。しかし、検査値の活用と同様に傷病名の推測にも薬剤師の一定の知識が求められる。よって、特許文献1の技術を、薬局において薬剤師による服薬指導の支援に用いることは難しいという課題がある。
薬剤に付随するプロブレムと前記プロブレムの確認に用いられる検査項目とを対応付けるプロブレムデータベースと、
患者における検査項目ごとの検査値を記録した検査値データベースと、
前記プロブレムデータベースに基づいて、患者に処方された薬剤に付随するプロブレムの確認に用いられる検査項目をプロブレム検査項目として抽出し、前記プロブレム検査項目に対応する前記患者の検査値を患者検査値として前記検査値データベースから取得する取得部と、
前記患者検査値に基づいて、前記患者に対する前記薬剤の服薬指導を支援する指導支援内容を判定する判定部と、
前記指導支援内容を前記薬剤師に通知するために表示機器に表示する通知部と
を備える。
前記患者検査値が基準値外であるか否かに基づいて前記指導支援内容を判定する。
前記判定部は、
前記今回の患者検査値と前記前回の患者検査値とを比較し、比較結果に基づいて前記指導支援内容を判定する。
前記前回の患者検査値が基準値内であるか基準値外であるかの各々の場合において、前記今回の患者検査値が基準値内であるか基準値外であるかに応じた指導支援内容を対応付けた指導判定テーブルを備え、
前記判定部は、
前記比較結果に基づいて、前記指導判定テーブルから前記指導支援内容を抽出する。
薬剤と、前記薬剤に付随するプロブレムと、前記プロブレムが有効となる条件と、前記プロブレムを確認するための服薬指導内容とを対応付けた服薬指導データベースと、
プロブレムと、検査項目の種類を表す検査分類とを対応付けた検査分類データベースと、
検査分類と、前記検査分類に属する検査項目と、前記検査項目における基準値とを対応付けた検査値基準データベースとから構成され、
前記取得部は、
前記服薬指導データベースに基づいて、前記患者に処方された薬剤に付随するプロブレムのうち前記条件を満たすプロブレムを抽出し、抽出したプロブレムに対応する検査分類を前記検査分類データベースから抽出し、抽出した検査分類に属する検査項目を前記プロブレム検査項目として前記検査値基準データベースから取得する。
患者と前記患者の特性とを対応付けた患者データベースを備え、
前記判定部は、
前記患者データベースに登録されている過去の患者のうち、前記患者と類似する特性を有する類型であるとともに過去に前記薬剤を処方された過去の患者を抽出し、前記検査値データベースに基づいて、前記過去の患者の検査値の推移と前記患者の検査値の推移とを比較し、前記過去の患者の検査値の推移と前記患者の検査値の推移とに差異があれば、前記差異に基づく前記指導支援内容を類型支援内容として判定し、
前記通知部は、
前記類型支援内容を薬剤師に通知する。
前記検査値データベースから、前記プロブレム検査項目以外の検査項目であるプロブレム外検査項目の検査値を取得し、
前記判定部は、
前記プロブレム外検査項目の検査値の推移が悪化傾向にあるか否かを判定し、悪化傾向にある前記プロブレム外検査項目の検査値があれば、悪化傾向にある前記プロブレム外検査項目の検査値に基づく前記指導支援内容をプロブレム外支援内容として判定し、
前記通知部は、
前記プロブレム外支援内容を薬剤師に通知する。
前記悪化傾向にある前記プロブレム外検査項目の検査値から導き出されるプロブレムを追加プロブレムとして生成し、
前記通知部は、
前記追加プロブレムを通知する。
前記服薬指導支援装置は、
薬剤に付随するプロブレムと前記プロブレムの確認に用いられる検査項目とを対応付けるプロブレムデータベースと、
患者における検査項目ごとの検査値を記録した検査値データベースと
を備え、
コンピュータが、前記プロブレムデータベースに基づいて、患者に処方された薬剤に付随するプロブレムの確認に用いられる検査項目をプロブレム検査項目として抽出し、前記プロブレム検査項目に対応する前記患者の検査値を患者検査値として前記検査値データベースから取得し、
コンピュータが、前記患者検査値に基づいて、前記患者に対する前記薬剤の服薬指導を支援する指導支援内容を判定し、
コンピュータが、前記指導支援内容を前記薬剤師に通知するために表示機器に表示する。
前記服薬指導支援装置は、
薬剤に付随するプロブレムと前記プロブレムの確認に用いられる検査項目とを対応付けるプロブレムデータベースと、
患者における検査項目ごとの検査値を記録した検査値データベースと
を備え、
前記プロブレムデータベースに基づいて、患者に処方された薬剤に付随するプロブレムの確認に用いられる検査項目をプロブレム検査項目として抽出し、前記プロブレム検査項目に対応する前記患者の検査値を患者検査値として前記検査値データベースから取得する取得処理と、
前記患者検査値に基づいて、前記患者に対する前記薬剤の服薬指導を支援する指導支援内容を判定する判定処理と、
前記指導支援内容を前記薬剤師に通知するために表示機器に表示する通知処理と
をコンピュータに実行させる。
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の構成例を示す図である。
服薬指導支援装置100は、薬局等において薬剤師が用いるレセプトコンピュータといった店舗端末装置に搭載されている。あるいは、服薬指導支援装置100は、店舗端末装置とネットワークを介して通信する構成でもよい。
薬剤師は、薬局に来局した患者に対しヒアリングを行い、処方薬の服薬といった事項に関する指導を行う。このような指導は、服薬指導、あるいは投薬指導と呼ばれる。薬剤師は、服薬指導の結果を電子薬歴に記録する。
服薬指導支援装置100は、電子カルテシステム、あるいは、オンライン資格確認システムといった他のシステムと連携し、検査結果を自動的に取込み、電子薬歴へ記録してもよい。
記憶部150は、メモリ921に備えられる。なお、記憶部150は、補助記憶装置922に備えられていてもよいし、メモリ921と補助記憶装置922に分散して備えられていてもよい。
プロセッサ910は、演算処理を行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ910の具体例は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)である。
出力インタフェース940は、ディスプレイといった表示機器941のケーブルが接続されるポートである。出力インタフェース940は、具体的には、USB端子またはHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)端子である。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
服薬指導支援プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納されて提供されてもよい。また、服薬指導支援プログラムは、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
図2から図10を用いて、本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の動作について説明する。
服薬指導支援装置100の動作手順は、服薬指導支援方法に相当する。また、服薬指導支援装置100の動作を実現するプログラムは、服薬指導支援プログラムに相当する。
ステップS101において、受付部110は、患者から処方せん21と検査結果22を受け付ける。
具体的には、患者が薬局に来局し、処方せん21を提示する。処方せん21には、患者に関する情報と、患者に処方された薬剤の情報とが含まれる。受付部110は、処方せん21から患者に関する情報を取得する。
具体的には、受付部110は、薬剤師による入力により患者に関する情報を取得してもよい。あるいは、受付部110は、処方せんに記載された情報を自動的に読み取る読み取り機により、患者に関する情報を自動的に取得してもよい。
患者データベース51は、患者と患者の特性とを対応付けたデータベースである。
患者データベース51には、患者ID(IDentifier)511と氏名512と患者属性513と特記事項514が設定される。生年月日、住所、あるいは電話番号といったその他の情報が設定されていても良い。
患者の特性には、例えば、患者属性513と特記事項514とが含まれる。
氏名512は、患者の氏名である。
患者属性513は、性別および年齢といった患者の属性である。
特記事項514には、体質、病歴、あるいは生活習慣といった事項が設定される。
来局した患者の情報が患者データベース51に登録されている場合は、ステップS104に進む。
検査結果22には、病院等で患者に対して実施された検査の検査項目と検査値とが含まれる。検査結果22は、例えば、処方せん21に別紙として添付されていてもよい。あるいは、検査結果22は、処方せん21とは別に、検査表として患者により提示されるものでもよい。あるいは、お薬手帳に検査結果22が記載されている形式でもよい。
検査値データベース52には、患者における検査項目ごとの検査値が記録される。
検査値データベース52には、処方識別情報521と、処方日時522と、検査項目523ごとの検査値524とが設定される。
処方識別情報521は、患者IDが含まれる。
処方日時522は、処方せん12および検査結果22を受け付けた日時が設定される。
検査項目523は、病院で実施される検査の項目である。
検査値524は、検査項目523に対応する値である。
図4の例では、患者「K123」について、2021年11月10日10時35分に来局した際の検査値と2021年12月10日10時50分に来局した際の検査値とが設定されている。図4でそれぞれの日時は、「202111101035」、「202112101050」と表示されている。
患者の検査値は服薬指導に有効に活用することが期待できるため、検査結果22の全てを患者IDと対応付けて検査値データベース52に記憶することが望ましいが、検査結果22の一部を検査値データベース52に記憶するように構成することもできる。
またステップS104において、受付部110は、特定できた患者IDとともに処方せん21から特定できる処方日時、医療機関名、診療科、保険医、薬剤ID、処方薬名、分量、用法等を対応付けて一時的に記憶部150に記憶する。薬剤IDは処方せん21により取得するように構成してもよいし、薬剤データベース(図示せず)により処方薬名から特定できるように構成してもよい。
なおステップS104で説明した処理について、実行の順番は任意で構わない。
ステップS105において、取得部120は、プロブレムデータベース151に基づいて、患者に処方された薬剤に付随するプロブレムの確認に用いられる検査項目をプロブレム検査項目31として抽出する。そして、取得部120は、プロブレム検査項目31に対応する患者の検査値を患者検査値32として検査値データベース52から取得する。
プロブレムとは、服薬に関する患者の課題および問題点である。薬剤師はプロブレムに対し、服薬指導を行う。
服薬指導データベース53は、薬剤と、薬剤に付随するプロブレムと、プロブレムが適用される条件と、プロブレムを確認するための服薬指導内容とを対応付けたデータベースである。
検査分類データベース54は、プロブレムと、検査項目の種類を表す検査分類とを対応付けたデータベースである。
検査値基準データベース55は、検査分類と、検査分類に属する検査項目と、検査項目における基準値とを対応付けたデータベースである。
図6は、本実施の形態に係る検査分類データベース54の構成例を示す図である。
図7は、本実施の形態に係る検査値基準データベース55の構成例を示す図である。
薬剤ID531は、薬剤を識別する識別子である。
プロブレムID532は、プロブレムを識別する識別子である。
プロブレム名533は、プロブレムの名称である。
条件534は、プロブレムを確認する頻度またはタイミングと、プロブレムを確認するべく患者の性別と年齢との少なくともいずれかである。プロブレムが有効となるための条件が指定されない場合は、条件534は空欄となる。
服薬指導内容535は、プロブレムを確認するための服薬指導の内容である。
プロブレムID541は、プロブレムを識別する識別子であり、プロブレムID532と共通の値で使用される。
検査分類ID542は、検査項目の種類を表す識別子である。
検査分類ID551は、検査項目の種類を表す識別子であり、検査分類ID542と共通の値で使用される。
検査分類552は、検査項目の種類である。
検査項目553は、検査の項目である。
基準値554は、検査項目553の検査における基準値である。基準値554は、基準値を分ける分類と基準値下限と基準値上限とから成る。例えば、図7の検査値基準データベース55では、男性であれば赤血球数の基準値下限は395であり基準値上限540である。一方、女性であれば赤血球数の基準値下限は353であり基準値上限484である。
図10に示した指導実績データベース57において、処方日時572が「202112101050」である3レコード目および4レコード目は、後述するステップS108で記録されるデータであるため、ここでは(ステップS105の段階では)1レコード目および2レコード目のみが記録されているものとする。
図10に示すように、患者IDが「K123」であり、薬剤IDが「333」である指導実績レコードで処方日時が異なるのは、「202111101035」であるため、過去1回同一の患者IDと薬剤IDとで処方されたことが確認される。よって検索を行った日が2回目の処方であると判定される。合わせて検索を行った日と、指導実績レコードで抽出された処方日時のうち新しい処方日時の間隔を判定する。その間隔が1カ月程度であれば、1カ月毎の処方タイミングと判定する。
また取得部120は、プロブレムID「P300」に対応する検査分類ID542を検査分類データベース54から抽出する。図6の例では、P300に対応する検査分類IDとして、「200」も抽出される。
図7には図示していないが、検査分類ID「200」に属するプロブレム検査項目31も抽出される。以降の説明は、検査分類ID「100」に関する具体例を説明するが、検査分類ID「200」に関しても同様に合わせて処理される。
つまり、患者「K123」に処方された薬剤「333」から、プロブレム「P200」(効能効果の確認」を確認するためのプロブレム検査項目31(白血球数、赤血球数、および血色素量)とその検査値が取得される。
ステップS106において、判定部130は、患者検査値32に基づいて、患者に対する薬剤の服薬指導を支援する指導支援内容33を判定する。そして、通知部140は、指導支援内容33を薬剤師に通知するために表示機器941に表示する。
判定部130は、患者検査値32が基準値外であるか否かに基づいて、指導支援内容33を判定する。
判定部130は、今回の患者検査値と前回の患者検査値とを比較し、比較結果に基づいて指導支援内容33を判定する。
具体的には、判定部130は、比較結果に基づいて、指導判定テーブル56から指導支援内容を抽出することにより、指導支援内容33を判定する。
指導判定テーブル56は、前回の患者検査値が基準値内であるか基準値外であるかの各々の場合において、今回の患者検査値が基準値内であるか基準値外であるかに応じた指導支援内容を対応付けたテーブルである。指導判定テーブル56は、判定部130による指導支援内容33の判定に用いられる。
前回の患者検査値561には、前回の患者検査値が基準値内か基準値外かが設定される。
今回の患者検査値562には、前回の患者検査値が基準値内であるか基準値外であるかの各々の場合において、今回の患者検査値が基準値内か基準値外かが設定される。
例えば、前回が基準値内、かつ、今回が基準値内であり、推移が悪化傾向であれば、判定部130は、指導支援内容33を「要注意」と判定する。また、前回が基準値外、かつ、今回が基準値外であり、推移が改善傾向であれば、判定部130は、指導支援内容33を「異常値だが前回からは改善」と判定する。
ステップS61において、判定部130は、検査値基準データベース55に基づいて、前回の患者検査値が基準値内か基準値外か、および、今回の患者検査値が基準値内か基準値外かを判定する。
ステップS62において、判定部130は、前回の患者検査値から今回の患者検査値の推移を判定する。
ステップS63において、判定部130は、ステップS61における判定結果とステップS62における判定結果とを用いて、指導判定テーブル56から指導支援内容を抽出する。
なお、患者検査値32が複数の検査項目にわたる場合は、検査項目ごとにステップS61からステップS63を繰り返し、複数の検査項目のそれぞれについて指導支援内容が抽出される。
取得処理で説明した具体例では、患者「K123」に処方された薬剤「333」から、プロブレム「P200」(効能効果の確認」を確認するためのプロブレム検査項目31(白血球数、赤血球数、および血色素量)とその患者検査値32が取得された。患者検査値32は、1回目の検査値(前回の患者検査値)「5800,547,29.0」と、2回目の検査値(今回の患者検査値)「6500,500,17.5」である。
図4に示すように、白血球数については前回と今回共に基準値内であるが悪化している。赤血球数については、前回は基準値外であるが今回は基準値内であり、改善傾向である。また、血色素量については前回と今回共に基準値内であるが悪化している。
・薬剤「333」
・プロブレム「効能効果の確認」(P200)に対応する検査項目((1)白血球数、(2)赤血球数、および(3)血色素量)
(1)白血球数
・前回:5800(基準値内)
・今回:6500(基準値内)
・推移:悪化傾向
・服薬指導:要注意
(2)赤血球数
・前回:547(基準値外)
・今回:500(基準値内)
・推移:改善傾向
・服薬指導:経過良好
(3)血色素量
・前回:29.0(基準値外)
・今回:17.5(基準値外)
・推移:悪化傾向
・服薬指導:要指導(服用忘れ、併用薬、生活習慣、飲食物の摂取状況の確認)
ステップS107において、通知部140は、指導支援内容33を薬剤師に通知するために表示機器941に表示する。
図9では、ステップS106の判定処理により判定された指導支援内容33を表示機器941に表示する例を示している。
図9に示すように、指導支援内容33は、電子薬歴に重畳して表示されてもよい。
ステップS108において、服薬指導の実績が指導実績データベース57に記録される。
指導実績データベース57には、患者に対する服薬指導の実績が記録される。服薬指導の実績は、薬剤師による入力により指導実績データベース57へ記録される。あるいは、薬剤師に通知された指導支援内容33に関する服薬指導を実施したことをチェックすることにより、自動的に指導支援内容33が実績として記録されてもよい。また音声を認識してテキスト化する文字起こしアプリケーション等(図示せず)を用いて、薬剤師が服薬指導した内容を口語調のまま実績として記録してもよい。
服薬指導実績577には、患者が来局した日ごとに、薬剤におけるプロブレムごとの服薬指導の実績が設定される。処方識別情報571、処方日時572、薬剤ID573、プログレムID576の組み合わせで、別のレコードとして服薬指導実績が記録される。
図10の例では、服薬指導データベース53の服薬指導内容535に基づく「服薬指導内容(全体)」と、プロブレム検査項目の患者検査値から判定された指導支援内容33に基づく「服薬指導内容(検査値)」とが設定される。このように、「服薬指導内容(全体)」と「服薬指導内容(検査値)」とを個別に記録してもよいし、まとめて記録してもよい。
<変形例1>
本実施の形態では、ステップS105で前回と今回の患者検査値32を抽出し、ステップS106で前回と今回の患者検査値32から薬剤の効果が出ているか、患者の状態が改善しているのか悪化しているのかの推移を判定した。変形例1として、検査値データベース52に、前回以前(例えば今回が5回目であれば、1~4回目)の患者検査値32が登録されていれば、それらの数値も用いて推移を判定してもよい。その場合は、指導判定テーブル56の前回の患者検査値561を前回以前の傾向により特定するように判定部130が判定してもよい。また前回の患者検査値561に加えて、2回前の患者検査値、3回目の患者検査値等の項目を指導判定テーブル56に構成し、判定部130は今回を含めた3回以上の患者検査値32から推移を判定してもよい。
このように構成することにより、推移の判定の精度向上が期待できる。
<変形例2>
図11は、本実施の形態の変形例2に係る服薬指導支援装置100の構成例である。
本実施の形態では、服薬指導支援装置100における受付部110と取得部120と判定部130と通知部140の機能がソフトウェアで実現される。しかし、変形例として、受付部110と取得部120と判定部130と通知部140の機能がハードウェアで実現されてもよい。
電子回路909は、受付部110と取得部120と判定部130と通知部140の機能を実現する専用の電子回路である。電子回路909は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、または、FPGAである。GAは、Gate Arrayの略語である。ASICは、Application Specific Integrated
Circuitの略語である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略語である。
以上のように、本実施の形態に係る服薬指導支援装置によれば、薬剤に付随するプロブレムと検査項目とを紐づけることにより、薬局において、患者の検査値に基づく服薬指導の支援が可能となる。したがって、本実施の形態に係る服薬指導支援装置によれば、薬剤師は傷病名の推測を行わなくても、また傷病名の推測を行う知識がない場合でも、処方薬から患者に対し確認が必要な検査値を把握でき、患者の検査値に基づく、より高精度な服薬指導を薬局においても定常的に提供することができるという効果を奏する。
また、本実施の形態に係る服薬指導支援装置によれば、薬局における服薬指導時の検査値および検査値の推移の活用を支援し、疾患の重症化予防、副作用の発現を未然に防止することが可能となる。
・検査値が正常値の範囲内であっても、前回から悪化の傾向がある場合は、一例として、“要注意”と判定
・検査値が異常値だったとしても、前回から改善の傾向がある場合は、一例として、“異常値だが前回からは改善”と判定
・異常値で改善の傾向がない場合は、一例として、“服用していない可能性あり”と判定
本実施の形態では、主に、実施の形態1に追加する点あるいは異なる点について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の構成は、実施の形態1と同様である。
以下において、来局した患者、すなわち服薬指導の対象となる患者を患者Bとする。
判定部130は、患者データベース51に登録されている過去の患者のうち、患者Bと類似する特性を有する類型であり、過去に患者Bと同じ薬剤を処方された過去の患者を抽出する。抽出された過去の患者を患者Cとする。そして、判定部130は、検査値データベース52に基づいて、患者Cの検査値の推移と患者Bの検査値の推移とを比較する。判定部130は、患者Cの検査値の推移と患者Bの検査値の推移とに差異があれば、差異に基づく指導支援内容を類型支援内容34として判定する。
通知部140は、類型支援内容34を薬剤師に通知する。
図12は、本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の動作を示すフロー図である。
本実施の形態に係る服薬指導支援処理は、主に、実施の形態1に係る服薬指導支援処理の後に実施される。
例えば、患者Bが、実施の形態1の具体例として説明した患者「K123」であれば、性別は「男性」、年齢は「40代」、特記事項として「アレルギー体質」と特性が特定される。また、ステップS105の取得処理によりプロブレム検査項目31は「白血球数、赤血球数、および血色素量」と特定される。
患者Cがいれば、ステップS203に進む。
患者Cがいなければ、処理を終了する。
ステップS204において、判定部130は、患者Cの患者IDを用いて、患者Bについて特定されたプロブレム検査項目31に対応する検査値が検査値データベース52にあるかを判定する。
患者Cについてプロブレム検査項目31の検査値があれば、ステップS205に進む。
患者Cについてプロブレム検査項目31の検査値がなければ、処理を終了する。
差異があればステップS208に進む。
差異がなければ処理を終了する。
類型支援内容34には、患者Bと患者Cの具体的な検査値の数値に加えて、患者Bと患者Cとの推移の差異が設定される。設定例は以下の通りである。
・患者B:初回から劇的/患者C(類型):緩やかに改善傾向あり
・患者B:〇回目から劇的/患者C(類型):緩やかに改善傾向あり
・患者B:初回から劇的/患者C(類型):緩やかに改善傾向あり
・患者B:〇回目から緩やか/患者C(類型):劇的に改善傾向あり
・患者B:〇回目まで悪化傾向、〇回目から劇的/患者C(類型):緩やかに改善傾向あり
以上のように、本実施の形態に係る服薬指導支援装置によれば、患者の類型との比較により、検査値の推移が適正かどうか確認することができるので、服薬指導の精度をより高めることができる。
本実施の形態では、主に、実施の形態1,2に追加する点あるいは異なる点について説明する。なお、実施の形態1,2と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の構成は、実施の形態1と同様である。
取得部120は、検査値データベース52から、プロブレム検査項目31以外の検査項目であるプロブレム外検査項目35の検査値を取得する。
判定部130は、プロブレム外検査項目35の検査値の推移が悪化傾向にあるか否かを判定する。判定部130は、悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値があれば、悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値に基づく指導支援内容をプロブレム外支援内容36として判定する。
通知部140は、プロブレム外支援内容36を薬剤師に通知するために表示機器941に表示する。
図13は、本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の動作を示すフロー図である。
本実施の形態に係る服薬指導支援処理は、主に、実施の形態1あるいは2に係る服薬指導支援処理の後に実施される。
ステップS302において、判定部130は、プロブレム外検査項目35の検査値の推移のうち悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値があるか否かを判定する。
悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値があれば、ステップS303に進む。
悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値がなければ、処理を終了する。
プロブレム外支援内容36には、悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値の情報が設定される。
以上のように、本実施の形態に係る服薬指導支援装置によれば、プロブレムに紐づかない検査項目、および、プロブレムに紐づいていたとしても条件により外れた検査項目についても、悪化傾向にある検査項目を抽出することができる。また、悪化傾向にある検査項目の内容を薬剤師に伝えることができる。よって、薬剤師による服薬指導の精度をより高めることができる。
本実施の形態では、主に、実施の形態3に追加する点について説明する。なお、実施の形態1から実施の形態3と同様の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の構成は、実施の形態1と同様である。
判定部130は、悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値から導き出されるプロブレムを追加プロブレム37として生成する。そして、通知部140は、追加プロブレム37を薬剤師に通知するために表示機器941に表示する。
図14は、本実施の形態に係る服薬指導支援装置100の動作を示すフロー図である。
ステップS301およびステップS302については、実施の形態3と同様である。
悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値があれば、ステップS403に進む。
悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値がなければ、処理を終了する。
追加プロブレム37があれば、ステップS404に進む。
追加プロブレム37がなければ、処理を終了する。
ステップS302で判定部130は、悪化傾向にあるプロブレム外検査項目35の検査値を取得した場合、ステップS403で判定部130は、検査値基準データベース55を用いて悪化している検査項目553に対応付けられている検査分類ID551を特定する。次に判定部130は、検査分類データベース54を用いて特定された検査分類ID551(検査分類ID542)と対応付けられているプロブレムID541を特定する。最後に、服薬指導データベース53を用いてプロブレムID541(プロブレムID532)に対応付けられている服薬指導内容535を追加プロブレム37として特定する。
これにより薬剤師は、追加プロブレム37を新たなプロブレムとして、プロブレムデータベース151に登録してもよい。具体的には、対応する薬剤と追加プロブレム37を服薬指導データベース53に登録する。そして、追加プロブレム37のプロブレムIDと、プロブレム外検査項目35の検査分類IDとを対応付けて検査分類データベース54に登録する。
また、薬剤師は、プロブレムデータベース151に新たに登録した内容を、指導実績データベース57の「服薬指導の実績(プロブレム外検査項目)」の欄に記録してもよい。
以上のように、本実施の形態に係る服薬指導支援装置によれば、処方薬に関連付けられているものの頻度やタイミングの条件で抽出対象とならなかった可能性がある、プロブレムID532に対応付けられている服薬指導内容535を特定することができる。それにより薬剤師に副反応確認の精度の向上が期待できる服薬指導情報を追加で提示できるという効果がある。
また、実施の形態1から4のうち、複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、これら実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。
すなわち、実施の形態1から4では、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
Claims (10)
- 薬剤師による服薬指導を支援する服薬指導支援装置において、
薬剤に付随するプロブレムと前記プロブレムの確認に用いられる検査項目とを対応付けるプロブレムデータベースと、
患者における検査項目ごとの検査値を記録した検査値データベースと、
前記プロブレムデータベースに基づいて、患者に処方された薬剤に付随するプロブレムの確認に用いられる検査項目をプロブレム検査項目として抽出し、前記プロブレム検査項目に対応する前記患者の検査値を患者検査値として前記検査値データベースから取得する取得部と、
前記患者検査値に基づいて、前記患者に対する前記薬剤の服薬指導を支援する指導支援内容を判定する判定部と、
前記指導支援内容を前記薬剤師に通知するために表示機器に表示する通知部と
を備えた服薬指導支援装置。 - 前記判定部は、
前記患者検査値が基準値外であるか否かに基づいて前記指導支援内容を判定する請求項1に記載の服薬指導支援装置。 - 前記患者検査値は、今回の患者検査値と、前回の患者検査値とを含み、
前記判定部は、
前記今回の患者検査値と前記前回の患者検査値とを比較し、比較結果に基づいて前記指導支援内容を判定する請求項1または請求項2に記載の服薬指導支援装置。 - 前記服薬指導支援装置は、
前記前回の患者検査値が基準値内であるか基準値外であるかの各々の場合において、前記今回の患者検査値が基準値内であるか基準値外であるかに応じた指導支援内容を対応付けた指導判定テーブルを備え、
前記判定部は、
前記比較結果に基づいて、前記指導判定テーブルから前記指導支援内容を抽出する請求項3に記載の服薬指導支援装置。 - 前記プロブレムデータベースは、
薬剤と、前記薬剤に付随するプロブレムと、前記プロブレムが有効となる条件と、前記プロブレムを確認するための服薬指導内容とを対応付けた服薬指導データベースと、
プロブレムと、検査項目の種類を表す検査分類とを対応付けた検査分類データベースと、
検査分類と、前記検査分類に属する検査項目と、前記検査項目における基準値とを対応付けた検査値基準データベースとから構成され、
前記取得部は、
前記服薬指導データベースに基づいて、前記患者に処方された薬剤に付随するプロブレムのうち前記条件を満たすプロブレムを抽出し、抽出したプロブレムに対応する検査分類を前記検査分類データベースから抽出し、抽出した検査分類に属する検査項目を前記プロブレム検査項目として前記検査値基準データベースから取得する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の服薬指導支援装置。 - 前記服薬指導支援装置は、
患者と前記患者の特性とを対応付けた患者データベースを備え、
前記判定部は、
前記患者データベースに登録されている過去の患者のうち、前記患者と類似する特性を有する類型であるとともに、過去に前記薬剤を処方された過去の患者を抽出し、前記検査値データベースに基づいて、前記過去の患者の検査値の推移と前記患者の推移とを比較し、前記過去の患者の検査値の推移と前記患者の検査値の推移とに差異があれば、前記差異に基づく前記指導支援内容を類型支援内容として判定し、
前記通知部は、
前記類型支援内容を薬剤師に通知する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の服薬指導支援装置。 - 前記取得部は、
前記検査値データベースから、前記プロブレム検査項目以外の検査項目であるプロブレム外検査項目の検査値を取得し、
前記判定部は、
前記プロブレム外検査項目の検査値の推移が悪化傾向にあるか否かを判定し、悪化傾向にある前記プロブレム外検査項目の検査値があれば、悪化傾向にある前記プロブレム外検査項目の検査値に基づく前記指導支援内容をプロブレム外支援内容として判定し、
前記通知部は、
前記プロブレム外支援内容を薬剤師に通知する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の服薬指導支援装置。 - 前記判定部は、
前記悪化傾向にある前記プロブレム外検査項目の検査値から導き出されるプロブレムを追加プロブレムとして生成し、
前記通知部は、
前記追加プロブレムを通知する請求項7に記載の服薬指導支援装置。 - 薬剤師による服薬指導を支援する服薬指導支援装置であるコンピュータに用いられる服薬指導支援方法において、
前記コンピュータは、
薬剤に付随するプロブレムと前記プロブレムの確認に用いられる検査項目とを対応付けるプロブレムデータベースと、
患者における検査項目ごとの検査値を記録した検査値データベースと
を備え、
前記コンピュータが、前記プロブレムデータベースに基づいて、患者に処方された薬剤に付随するプロブレムの確認に用いられる検査項目をプロブレム検査項目として抽出し、前記プロブレム検査項目に対応する前記患者の検査値を患者検査値として前記検査値データベースから取得し、
前記コンピュータが、前記患者検査値に基づいて、前記患者に対する前記薬剤の服薬指導を支援する指導支援内容を判定し、
前記コンピュータが、前記指導支援内容を前記薬剤師に通知するために表示機器に表示する服薬指導支援方法。 - 薬剤師による服薬指導を支援する服薬指導支援装置であるコンピュータに用いられる服薬指導支援プログラムにおいて、
前記コンピュータは、
薬剤に付随するプロブレムと前記プロブレムの確認に用いられる検査項目とを対応付けるプロブレムデータベースと、
患者における検査項目ごとの検査値を記録した検査値データベースと
を備え、
前記プロブレムデータベースに基づいて、患者に処方された薬剤に付随するプロブレムの確認に用いられる検査項目をプロブレム検査項目として抽出し、前記プロブレム検査項目に対応する前記患者の検査値を患者検査値として前記検査値データベースから取得する取得処理と、
前記患者検査値に基づいて、前記患者に対する前記薬剤の服薬指導を支援する指導支援内容を判定する判定処理と、
前記指導支援内容を前記薬剤師に通知するために表示機器に表示する通知処理と
を前記コンピュータに実行させる服薬指導支援プログラム。
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