JP7323221B2 - 六角板状のフェライト構造体及びその製造方法 - Google Patents

六角板状のフェライト構造体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本出願は、六角板状のフェライト構造体及びその製造方法に関し、より詳しくは、第1の金属、鉄を含むマグネトプランバイト相を選択的に含み、前記第1の金属の一部が第2の金属に置換された六角板状のフェライト構造体及びその製造方法に関する。
硬磁性体の永久磁石は、モータ、スピーカー、計測器などの電気機器、及びハイブリッド自動車、電気自動車などのモータに使用されてきた。このような硬磁性体の永久磁石としては、保磁力が大きい希土類系磁石が主に用いられている。
希土類系磁石は、非希土類系磁石の1つであるフェライト磁石と比較して、数十倍以上の磁気特性を有する。しかし、希土類系元素の埋蔵量が限定的であり、高い価格のため、希土類系元素の量は減らし、希土類系磁石ほどの磁性特性を有する磁気ギャップ(gap magnet)に関する研究が行われている。
前記のような磁気ギャップを開発するために、硬磁性体と軟磁性体の界面で誘導された交換磁気結合効果(exchange-coupling effect)を用いるか、第一原理計算を通じて、新たな組成を見出すか、又は、従来の商用磁石の構造を変化するなどの研究が行われている。
しかし、交換磁気結合効果を用いて製造されたスプリング磁石は、ナノサイズのコア-シェル構造を有し、第一原理計算により製造された新磁性物質は、実験結果、計算された組成が具現されない場合が殆どである。
そこで、従来の商用磁石の組成を調整して、微細構造を変形する研究が多数行われている。例えば、韓国登録特許第10-2025520号公報(韓国出願番号第10-2019-7009075号)には、平均粒径が1~2000nmの単結晶体であり、多面体形状の粒子形状を備え、Niを5~10重量%含有し、Znを15~30重量%含有し、Cuを1~5重量%含有し、Feを25~50重量%含有することを特徴とし、表面に、前記Zn又は前記Cuが偏析していることを特徴とするNi-Zn-Cu系フェライト粒子が開示されている。
本出願が解決しようとする1つの技術的課題は、第1の金属、鉄を含むマグネトプランバイト相を選択的に含み、前記第1の金属の一部が第2の金属に置換されることで、磁性特性が向上した六角板状のフェライト構造体及びその製造方法を提供することである。
本出願が解決しようとする他の技術的課題は、置換により側面成長が誘導されて、高アスペクト比を有する六角板状のフェライト構造体及びその製造方法を提供することである。
本出願が解決しようとする更に他の技術的課題は、外部から与えられる磁場なく、磁化容易軸に配向することで、磁化(magnetization)を低下することなく、固有保磁力(intrinsic coercivity)が向上した六角板状のフェライト構造体及びその製造方法を提供することにある。
本出願が解決しようとする技術的課題は、前記に制限されることではない。
前記技術的課題を解決するために、本出願は、六角板状のフェライト構造体を提供する。
前記フェライト構造体は、第1の金属及び鉄を含む六方晶系マグネトプランバイト型の結晶構造を有し、六角板状であることを含み、前記結晶構造は、前記第1の金属の一部が第2の金属に置換されたことを含み、前記第1の金属は、0.35以上0.70未満の範囲を含み、前記第2の金属は、0超過0.4未満の範囲を含むことを特徴とする。
前記フェライト構造体は、アスペクト比が3.0~9.5の範囲を有する。
前記フェライト構造体は、前記第2の金属の量が増加するほど、アスペクト比が増加する。
前記フェライト構造体は、第2の金属が0.15超過0.25未満の範囲を有する場合、最大保磁力を有する。
前記フェライト構造体は、前記第2の金属の量が増加するほど、X線回折パターン(XRD)で(107)面を示す2θ値が増加する。
前記フェライト構造体は、前記第2の金属の量が増加するほど、X線回折パターン(XRD)で(114)面の強さに比して(107)面の強さの値が増加する。
前記第1の金属は、ストロンチウムであり、前記第2の金属は、カルシウムを含む。
前記フェライト構造体は、ランタン又はコバルトの少なくともいずれか1つを含む。
前記技術的課題を解決するために、本出願は、焼結磁石を提供する。
前記焼結磁石は、前記フェライト構造体を含む。
前記技術的課題を解決するために、本出願は、ボンド用磁石を提供する。
前記ボンド用磁石は、前記フェライト構造体を含む。
前記技術的課題を解決するために、本出願は、六角板状のフェライト構造体の製造方法を提供する。
前記フェライト構造体の製造方法は、第1の金属前駆体、第2の金属前駆体、鉄前駆体、及び塩を含む前駆体溶液を用意するステップと、前記前駆体溶液に超音波を提供して、液滴を形成するステップと、酸化雰囲気で前記液滴を熱分解して、第1の金属、第2の金属、及び鉄を含む中間酸化物を形成するステップと、酸化雰囲気で前記中間酸化物をかしょうして、前記第1の金属、前記鉄、及び酸素を含む酸化物であり、前記第1の金属の位置に前記第2の金属が置換された六角板状のフェライト構造体を製造するステップとを含むことを特徴とする。
前記液滴を熱分解するステップは、第1の温度で行われ、前記中間酸化物をかしょうするステップは、前記第1の温度よりも高い第2の温度で行われる。
前記液滴を熱分解するステップは、前記中間酸化物を形成すると共に、前記塩を結晶に析出するステップを含み、前記フェライト構造体を製造するステップの後、前記結晶を除去するステップを含む。
前記前駆体溶液は、第3の金属前駆体、及び第4の金属前駆体を含む。
前記第3の金属前駆体は、ランタン窒化物であり、前記第4の金属前駆体は、コバルト窒化物を含む。
本発明による六角板状のフェライト構造体の製造方法は、第1の金属前駆体、第2の金属前駆体、鉄前駆体、及び塩を含む前駆体溶液を用意するステップと、前記前駆体溶液に超音波を提供して液滴を形成するステップと、酸化雰囲気で前記液滴を熱分解して、第1の金属、第2の金属、及び鉄を含む中間酸化物を形成するステップと、酸化雰囲気で前記中間酸化物をかしょうして、前記第1の金属、前記鉄、及び酸素を含む酸化物であり、前記第1の金属の位置に、前記第2の金属が置換された六角板状のフェライト構造体を製造するステップとを含むことができる。
前記液滴が熱分解され、前記中間生成物が形成されると共に、前記塩が結晶化される。ここで、前記塩は、前記液滴の金属前駆体の凝集を防止することができ、また、前記塩が結晶化され、前記中間生成物の結晶性が向上することができる。
前記中間生成物をかしょうするステップにおいて、前記中間生成物は、主に、縦方向に比して横方向に結晶成長され、これにより製造された前記フェライト構造体は、高いアスペクト比(すなわち、横方向の長さに比して縦方向の粒径のサイズ)の六角板状を有することができる。
前記フェライト構造体は、前記横方向に磁化容易軸を有し、また、前記フェライト構造体は、実質的に外部から与えられる磁場がなくても、前記磁化容易軸に沿って、積層される。これにより、実質的に磁化を低下することなく、固有保磁力が向上した前記フェライト構造体を製造することができる。
図1は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造方法を説明するためのシーケンス図である。 図2は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造方法を説明するための図である。 図3は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造方法を説明するための図である。 図4は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造方法を説明するための超音波噴霧熱分解装置(USP)の概略的な断面図である。 図5は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の概略的な模式図である。 図6は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造ステップにおいて、液滴を形成するステップ、及び中間酸化物をかしょうするステップ後の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 図7は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による形状の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 図8は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による形状の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 図9は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による形状の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 図10は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の積層形状を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 図11は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体に対して、置換されたカルシウム量による前記フェライト構造体の粒子分布を示す図である。 図12は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量によるX線回折パターン(XRD)を示す図である。 図13は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量によるX線回折パターン(XRD)を示す図である。 図14は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による格子定数及び体積を示す図である。 図15は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量によるヒステリシスループ(hysteresis loop)を示す図である。 図16は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による磁化及び固有保磁力を示す図である。 図17は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による(107)面の半値幅(FWHM)及び結晶サイズを示す図である。 図18は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による飽和漸近則(LAS、law of approach to saturation)の分析結果を示す図である。 図19は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による飽和漸近則の分析結果を示す図である。 図20は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による飽和漸近則の分析結果を示す図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施例を詳しく説明する。しかし、本発明の技術的思想は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化することもできる。むしろ、ここで紹介される実施例は、開示内容が徹底的で完全になるように、そして、当業者に本発明の思想が十分伝達されるようにするため、提供している。
本明細書において、ある構成要素が他の構成要素上にあるとすると、それは、他の構成要素上に直接形成されるか、又はそれらの間に第3の構成要素を介在してもよいことを意味する。また、図面において、膜及び領域の厚さは、技術的内容の効果的な説明のために、誇張されている。
また、本明細書の様々な実施例において、第1、第2、第3などの用語を、様々な構成要素を述べるために使用しているが、これらの構成要素が、このような用語により限定されてはいけない。これらの用語は、単に、ある構成要素を他の構成要素と区別するために使われているだけである。そこで、ある1つの実施例に、第1の構成要素として言及したものが、他の実施例では、第2の構成要素として言及することもできる。ここで説明され例示される各実施例は、その相補的な実施例も含む。また、本明細書において、「及び/又は」は、前後に並べた構成要素の少なくとも1つを含む意味として使われている。
明細書において単数の表現は、文脈上、明らかに異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。 また、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、構成要素、又はこれらを組み合わせたことが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、ステップ、構成要素、又はこれらを組み合わせたもの存在又は付加可能性を排除することと理解してはいけない。
また、下記で本発明を説明することに当たり、関連する公知機能又は構成に対する具体的な説明が、本発明の要旨を不要に濁していると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
図1は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造方法を説明するためのシーケンス図であり、図2乃至図3は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造方法を説明するための図であり、図4は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造方法を説明するための超音波噴霧熱分解装置(USP)の概略的な断面図であり、図5は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の概略的な模式図である。
図1を参照すると、第1の金属前駆体、第2の金属前駆体、鉄前駆体、及び塩を含む前駆体溶液100を用意する(S110)。
一実施例によると、前記前駆体溶液100は、少なくとも5種以上の金属前駆体、及び前記塩を含む水溶液である。換言すると、前記前駆体溶液100は、前記第1の金属前駆体、前記第2の金属前駆体、前記鉄前駆体、及び前記塩を含む水溶液であり、且つ、前記前駆体溶液100は、第3の金属前駆体、及び第4の金属前駆体を含む水溶液であり得る。
一実施例によると、前記金属前駆体は、窒化物である。具体的に、例えば、前記第1の金属前駆体は、ストロンチウム窒化物(Sr(NO3)2)であり、前記第2の金属前駆体は、カルシウム窒化物(Ca(NO3)2)であり、前記鉄前駆体は、鉄窒化物(Fe(NO3)2)であり、前記第3の金属前駆体は、ランタン窒化物(La(NO3)2)であり、前記第4の金属前駆体は、コバルト窒化物(Co(NO3)2)である。
前記とは異なり、前記金属前駆体が塩化物である場合、後述する液滴110の熱分解ステップにおいて、塩素ガスを生成する。また、前記金属前駆体が、水酸化物又は酢酸塩である場合、前記金属前駆体の水に対する溶解度が低いため、前記液滴110の溶媒として酸性溶媒が用いられ、これにより、後述する液滴110の熱分解ステップにおいて、酸性廃棄物が形成される。
しかし、一実施例によると、前記金属前駆体は、前記窒化物である。これにより、後述する液滴110の熱分解ステップにおいて、前記塩素ガス及び前記酸性廃棄物のような副産物を形成しない。すなわち、後述する液滴110の熱分解ステップは、比較的に環境にやさしく行われる。
一実施例によると、前記塩は、前記前駆体溶液100の溶媒に対する溶解度が高い物質であり、且つ、前記金属前駆体と反応性が実質的にない物質である。
一実施例によると、前記塩は、塩化物系塩、又は硫化物系塩の少なくともいずれか1つを含む。
例えば、前記塩が前記塩化物系塩である場合、前記塩化物系塩は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化バリウム(BaCl2)、又は塩化カリウム(KCl)の少なくともいずれか1つを含む。
また、前記塩が硫化物系塩である場合、前記硫化物系塩は、硫酸ナトリウム(K2SO4)、硫酸カリウム(Na2SO4)、硫酸マグネシウム(MgSO4)、又は硫酸カルシウム(CaSO4)の少なくともいずれか1つを含む。
図1、図2、及び図4に示しているように、前記前駆体溶液100に超音波を供して、液滴110を形成する(S120)。
一実施例によると、前記前駆体溶液100は、超音波噴霧熱分解装置(USP)に提供され、前記超音波噴霧熱分解装置内で前記前駆体溶液100は原子化されて、前記液滴110が形成される。
具体的に、図4に示しているように、前記超音波噴霧熱分解装置は、下面部300a、及び前記下面部300aに対向する上面部300bを含む管状反応炉300と、前記反応炉300の側面に配置され、前記反応炉300の下面部300aに前記前駆体溶液100を提供する第1の流入口320とを含む。
そこで、前記第1の流入口320を介して、前記前駆体溶液100は、前記超音波噴霧熱分解装置の反応炉300の前記下面部300aに供され、且つ、前記前駆体溶液100は、前記下面部300aの下部に配置された超音波発生器310により、超音波を提供されて原子化され、前記液滴110が形成される。
一実施例によると、前述したように、前記液滴110は、前記塩を含む。ここで、前記塩は、前記金属前駆体間の凝集を防止し、これにより、後述する中間酸化物120の結晶性を向上することができる。
前記とは異なり、前記前駆体溶液100及び前記液滴110が前記塩を含まない場合、前記液滴110内において、前記金属前駆体間の凝集が発生することがある。これにより、後述する中間酸化物120の結晶性が低下する。
しかし、一実施例によると、前記液滴110は、前記塩を含むことができ、これにより、前記金属前駆体間の凝集が防止されて、後述する中間酸化物120の結晶性を向上し、結果として、前記中間酸化物120を用いて製造するフェライト構造体130の結晶性を向上することができる。すなわち、前記フェライト構造体130を六角板状に容易に製造することができる。
酸化雰囲気で前記液滴110を熱分解することで、第1の金属、第2の金属、及び鉄を含む中間酸化物120を形成する(S130)。
一実施例によると、前記液滴110は、前記反応炉300内で熱分解され、これにより、前記金属前駆体の金属原素を含む前記中間酸化物120が形成される。
具体的に、図4に示しているように、前記超音波噴霧熱分解装置は、前記液滴110に熱エネルギーを供する加熱部340と、前記反応炉300の側面に配置され、前記第1の注入口320と対向する第2の注入口330とを含む。
これにより、前記第2の注入口330から供されたキャリアガスに沿って、前記液滴110は、前記反応炉300の前記下面部300aから前記上面部300bへ移動され、且つ、前記液滴110は、前記加熱部340から熱エネルギーを受けて、第1の温度で熱分解される。例えば、前記第1の温度は、650℃である。
すなわち、前記液滴110は、前記キャリアガス雰囲気で熱分解され、ここで、前記キャリアガスは、酸化雰囲気ガスである。例えば、前記キャリアガスは、酸素ガスである。
前述したように、前記液滴110が熱分解され、前記金属前駆体の金属原素及び酸素を含む前記中間酸化物120が生成され、且つ、前記液滴110の前記塩が結晶化されて、塩結晶200が形成される。
これにより、図2の(b)に示しているように、前記塩結晶200と前記中間酸化物120が互いに凝集した形状を有する。すなわち、前記塩結晶200は、前記中間酸化物120の内部に形成され、且つ、前記中間酸化物120の表面を覆う。これにより、前記塩結晶200は、前記中間酸化物120の結晶成長を制御することができる。
図4に示しているように、前記塩結晶200と前記中間酸化物120の凝集体は、前記反応炉300の上部に配置されたフィルター350により捕集され、且つ、前記中間酸化物120の生成過程で形成された不純物(by-product)は、前記フィルター350の上部に配置された排出口360を通して除去される。
図1、図3、及び図5に示しているように、酸化雰囲気で前記中間酸化物120をかしょうして、前記第1の金属、前記鉄、及び酸素を含む酸化物であり、前記第1の金属の位置に、前記第2の金属が置換された六角板状のフェライト構造体130を製造することができる(S140)。
例えば、前記酸化雰囲気は、空気雰囲気又は酸素雰囲気の少なくともいずれか1つを含む。
一実施例によると、前記フェライト構造体130は、前記中間酸化物120と前記塩結晶200の前記凝集体のかしょう工程を経て製造される。ここで、前記凝集体内において、前記中間酸化物120は、結晶成長され、これにより、前記中間酸化物120は、前記塩結晶200と分離される。そこで、図3の(a)に示しているように、前記のように製造された前記フェライト構造体130は、前記塩結晶200と互いに分離した形状を有することができる。
具体的に、例えば、前述したように、前記金属前駆体の前記金属原素を含む前記中間生成物は、前記第1の温度よりも高い第2の温度でかしょうされ、これにより、下記の化学式1の構造を有する前記フェライト構造体130が製造される。例えば、前記第2の温度は、1050℃である。
一実施例によると、前記中間生成物120は、前記第2の金属の含有量により、特定の方向に成長される。具体的に、前記第2の金属の含有量が0超過0.4未満の範囲で、前記第2の金属の含有量が増加するほど、前記中間生成物120は、 <00w>方向に沿って成長される。すなわち、前記中間生成物120は、主に、縦方向に比して横方向に結晶成長される。
これにより、前記第2の金属の含有量が0超過0.4未満の範囲で、前記第2の金属の含有量が増加するほど、前記フェライト構造体130のアスペクト比が増加する。具体的に、例えば、前記フェライト構造体130のアスペクト比は、3.0~0.5の範囲を有する。
一方、前記とは異なり、前記第2の金属の含有量が0.4以上である場合、前記第2の金属の含有量が増加することにつれ、前記フェライト構造体130のアスペクト比は、減少する。
しかし、一実施例によると、前記第2の金属の含有量が0超過0.4未満の範囲であり、これにより、前記第2の金属の含有量が増加するほど、アスペクト比が増加した六角板状の前記フェライト構造体130が製造される。
一実施例によると、前記フェライト構造体130は、前記第1の金属、及び前記鉄を含む六方晶系 マグネトプランバイト型結晶構造を有し、前記第1の金属の一部が、前記第2の金属に置換された形状を有する。
具体的に、前記第2の金属の置換量が0超過0.4未満の範囲であり、これにより、前記フェライト構造体130は、前記置換されたマグネトプランバイト相を単一相として有することができる。例えば、前記マグネトプランバイト相は、SrFe12O19、又はBaFe12O19のいずれか1つを含む。
一方、前記とは異なり、前記第2の金属の置換量が0.4以上である場合、前記フェライト構造体130は、赤鉄鉱(hematite、α-Fe2O3)相を更に含む。すなわち、前記フェライト構造体130は、前記置換されたマグネトプランバイト相と前記赤鉄鉱相を全て含む。一般に、前記マグネトプランバイト相は、強磁性を示し、前記赤鉄鉱相は、反強磁性を示す。これにより、前記フェライト構造体130は、相純度(phase purity)及び磁性体の結晶性(crystallinity of magnetic particles)が減少して、磁性特性が低下する。
しかし、一実施例によると、前記第2の金属の置換量は、0超過0.4未満であり、これにより、前記フェライト構造体130は、前記置換されたマグネトプランバイト相を単独で含むことで、磁性特性が向上する。具体的に、前記第2の金属の置換量が0.15超過0.25未満の範囲で、前記フェライト構造体130は、最大保磁力を有することができる。
一実施例によると、前記第2の金属の置換量が0超過0.4未満の範囲で、前記第2の金属の置換量が増加するほど、前記フェライト構造体130は、X線回折パターン(XRD)で(107)面を示す2θ値が増加する。
一方、前記とは異なり、前記第2の金属の置換量が0.4以上である場合、前記第2の金属の置換量によらず、前記(107)面を示す2θ値は、実質的に同一である。すなわち、前述したように、前記第2の金属の置換量が0.4以上である場合、前記第2の金属は、最大に置換され、且つ、前記フェライト構造体130は、前記赤鉄鉱相を更に含むことができる。
しかし、一実施例によると、前記第2の金属の置換量が0超過0.4未満であり、これにより、前記フェライト構造体130は、前記第2の金属の置換量によって格子定数が変わることで、(107)面を示す2θ値が変わる。
具体的に、前記第2の金属のイオン半径は、前記第1の金属のイオン半径よりも小さく、これにより、前記置換されたマグネトプランバイト相は、c軸(すなわち、縦方向)に沿って、結晶格子が収縮される。すなわち、前記第2の金属の置換量が0超過0.4未満の範囲で、前記第2の金属の置換量が増加するほど、前記フェライト構造体130のc-格子定数が減少する。
また、前述したように、前記フェライト構造体130は、実質的に縦方向に比して横方向に成長して製造される。これにより、前記第2の金属の置換量が0超過0.4未満の範囲で、前記第2の金属の置換量が増加するほど、前記フェライト構造体130は、X線回折パターンにおいて、(114)面の強さに比して(107)面の強さの値が増加し、且つ、(110)面の強さに比して(108)面の強さの値が増加する。
前述したことにより、前記置換されたマグネトプランバイト相を選択的に含み、六角板状を有する前記フェライト構造体130が製造される。
図5に示しているように、前記フェライト構造体130は、横方向を結晶成長方向130aで有し、これにより、前述したように、前記第2の金属の置換量が増加するほど、横方向に成長して径が増加する。
また、前記フェライト構造体130は、縦方向を磁化容易軸130cで有し、且つ、図5の(b)に示しているように、前記フェライト構造体130は、前記磁化容易軸130cに沿って、積層される。特に、前記第2の金属が0.15超過0.25未満の範囲を有する場合、前記フェライト構造体130は、最大で積層されることにより、前述したように、前記フェライト構造体130の保磁力が最大値を有する。
一実施例によると、六角板状の前記フェライト構造体130は、又焼結磁石はボンド用磁石の少なくともいずれか1つを含む。
例えば、前記焼結磁石は、前記フェライト構造体130の粉末を焼結させた後、成形して製造される。
また、前記ボンド用磁石は、前記フェライト構造体130の粉末及び合成樹脂を混合した後、圧縮成形法又は射出成形法の少なくともいずれか1つの工程により、製造される。
ここで、前記ボンド用磁石が圧縮成形法により製造される場合、前記フェライト構造体130の粉末及び熱硬化性合成樹脂を混合した後、モールドに提供し、圧力を与えて、前記ボンド用磁石を製造する。具体的に、例えば、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、及び尿素系樹脂の少なくともいずれか1つを含む。
一方、前記ボンド用磁石が射出成形法により製造される場合、前記フェライト構造体130の粉末及び熱可塑性樹脂の混合物がシリンジに提供され、前記シリンジからモールドに押出され、前記熱可塑性樹脂が硬化され、これにより、前記ボンド用磁石が製造される。具体的に、例えば、前記熱可塑性樹脂は、ナイロン樹脂である。
以下、本発明の具体的な実験例による六角板状のフェライト構造体の製造方法及び特性評価結果を説明する。
比較例1による六角板状のフェライト構造体の製造
金属前駆体として、Sr(NO3)2、La(NO3)2、Ca(NO3)2、Fe(NO3)2、及びCo(NO3)2を用意し、また、前記塩として、塩化ナトリウム(NaCl)を用意した。
ここで、前記の[化学式1]において、x=0.00を満たすように、前記金属前駆体の混合割合を調節し、ここで、前記金属前駆体に含まれた陽イオンの量(すなわち、前記ストロンチウムイオン(Sr2+)、前記ランタンイオン(La2+)、前記カルシウムイオン(Ca2+)、前記鉄イオン(Fe2+)、及び前記コバルトイオン(Co2+)の総量)が65mmolとなるようにした。
混合割合が調節された前記金属前駆体を300mLの蒸溜水に提供し、且つ、0.92Mの前記塩化ナトリウムを混合した後、3時間の間、撹拌して、前駆体溶液を製造した。
前記前駆体溶液を、超音波噴霧熱分解装置(UPS)の反応炉に装入した後、前記前駆体溶液に超音波を提供して、液滴を形成した。且つ、前記反応炉の内部に、前記液滴を、加熱部が配置された上面部に移動させる酸素ガスを提供した。
前記酸素ガス雰囲気下で、650℃の温度で前記液滴が熱分解されて、前記塩が結晶化され、且つ、前記金属前駆体の金属及び酸素を含む中間酸化物が製造される。
前記中間酸化物及び前記塩結晶を、1050℃の温度で1時間の間、かしょうして、前記中間生成物からフェライト構造体を製造した。前記フェライト構造体と共に含まれた前記塩結晶は、蒸溜水に溶かして除去した。
これにより、前記[化学式1]において、x=0.00の値である、すなわち、下記の[化学式2]を有する比較例1による六角板状のフェライト構造体を製造した。
実験例1による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.05を満たすように、前記前駆体溶液を用意して、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式3]を有する実験例1による六角板状のフェライト構造体を製造した。
実験例2による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.10を満たすように、前記前駆体溶液を用意して、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式4]を有する実験例2による六角板状のフェライト構造体を製造した。
実験例3による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.15を満たすように、前記前駆体溶液を用意し、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式5]を有する実験例3による六角板状のフェライト構造体を製造した。
実験例4による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.20を満たすように、前記前駆体溶液を用意し、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式6]を有する実験例4による六角板状のフェライト構造体を製造した。
実験例5による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.25を満たすように、前記前駆体溶液を用意して、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式7]を有する実験例5による六角板状のフェライト構造体を製造した。
実験例6による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.30を満たすように、前記前駆体溶液を用意して、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式8]を有する実験例6による六角板状のフェライト構造体を製造した。
実験例7による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.40を満たすように、前記前駆体溶液を用意して、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式9]を有する実験例7による六角板状のフェライト構造体を製造した。
比較例2による六角板状のフェライト構造体の製造
前述した比較例1によるフェライト構造体と同様な方法で製造し、前記の[化学式1]において、x=0.60を満たすように、前記前駆体溶液を用意して、前記の[化学式2]の代わりに、下記の[化学式10]を有する比較例2による六角板状のフェライト構造体を製造した。
前述した比較例1、比較例2、及び実験例1乃至実験例7による六角板状のフェライト構造体の第1の金属(例えば、ストロンチウム)、及び第2の金属(例えば、カルシウム)の量を、下記の表1に示している。
図6は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造ステップにおいて、液滴を熱分解するステップ、及び中間酸化物をかしょうするステップ後の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
図6の(a)に示しているように、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の製造ステップにおいて、前記液滴を熱分解するステップ後に形成された前記中間酸化物及び前記塩結晶の混合物を撮影した。
また、図6の(b)に示しているように、前記フェライト構造体の製造ステップにおいて、前記中間酸化物をかしょうするステップ後に形成された前記フェライト構造体、及び前記塩結晶の混合物を撮影した。
図1乃至図3で説明したように、前記中間酸化物内で前記塩結晶が析出されることで、前記フェライト構造体の表面と比較して、前記中間酸化物の表面は、比較的に前記塩結晶が少なく観られることが分かる。
また、前記中間酸化物と比較して、前記フェライト構造体は、六角板状を有することを確認した。
図7乃至図9は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による形状の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
図7乃至図9に示しているように、本発明の比較例1、実験例1乃至実験例7、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体の前記カルシウム(すなわち、前記第2の金属)の置換量による表面が観られた。前記フェライト構造体の平均粒径、平均厚さ、及びアスペクト比を、下記の表2に示している。
表2、及び図7乃至図9から分かるように、前記カルシウムの濃度が増加するほど、前記フェライト構造体の粒径が増加することが分かる。一方、前記フェライト構造体の厚さは、前記カルシウム量により変わることが分かる。すなわち、前記カルシウム量が0.4以下で、前記フェライト構造体の厚さは、約210nmの値を有するが、前記カルシウム量が0.4以上で、前記フェライト構造体の厚さが約90nm以上増加することが分かる。
これにより、前記カルシウム量が0.4以下で、前記フェライト構造体の粒径及び厚さにより計算された前記フェライト構造体のアスペクト比は、前記カルシウム量が増加するほど、大きくなることが分かり、それに対して、前記カルシウム量が0.4以上である場合、前記フェライト構造体のアスペクト比が減少することを確認した。
すなわち、前記カルシウム量が0.4である場合、前記フェライト構造体のアスペクト比が最大値を有することが分かる。
図10は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の積層形状を撮影した走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
図10に示しているように、図1乃至図3で説明したように、本発明の実験例7による六角板状のフェライト構造体は、前記磁化容易軸に沿って、積層することが分かる。
一方、本発明の比較例1による六角板状のフェライト構造体は、実質的に積層しないことを確認した。
図11は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体に対して、置換されたカルシウム量による前記フェライト構造体の粒子分布を示す図である。
図11に示しているように、本発明の比較例1、実験例1乃至実験例7、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体は、前記カルシウムの濃度が増加するほど、粒径のサイズの大きい前記フェライト構造体の量が増加することが分かる。これにより、図9で説明したように、前記カルシウム量が増加するほど、前記フェライト構造体の平均粒径が増加することが分かる。
図12乃至図13は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量によるX線回折パターン(XRD)を示す図である。
図12乃至図13に示しているように、本発明の比較例1、実験例4(x=0.20)、実験例7(x=0.40)、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体の結晶構造が確認されている。
前記カルシウム量が0.4未満である場合、前記フェライト構造体は、SrFe12O19の前記マグネトプランバイト相を単一相として有することが分かる。
一方、前記カルシウム量が0.4以上である場合、前記フェライト構造体は、前記赤鉄鉱(α-Fe2O3)相を更に含むことが分かる。すなわち、前記カルシウム量が0.4である場合、前記マグネトプランバイト相に、前記カルシウムが最大で置換されたことが分かる。
具体的に、図13に示しているように、前記カルシウム量が0.4未満である場合、前記カルシウム量が増加するほど、前記フェライト構造体の(107)面の2θ値が増加することが分かる。
これにより、0.118nmのイオン半径を有するストロンチウムイオンと比較して、0.099nmで、イオン半径の小さいカルシウムイオンが、前記ストロンチウムイオンに置換され、前記フェライト構造体の格子定数が変わることが分かる。
また、前記カルシウム量が0.4未満である場合、前記カルシウム量が増加するほど、(110)面の強さ対比(008)面の強さ(すなわち、I(008)/I(110))と、(114)面の強さ対比(107)面の強さ(すなわち、I(107)/I(114))が増加することが分かる。すなわち、前記カルシウム量が0.4未満である範囲で、前記カルシウム量が増加するほど、前記磁化容易軸方向への成長と比較して、前記磁化容易軸に直角である方向への成長が主に行われることが分かる。
図14は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による格子定数及び体積を示す図である。
図14に示しているように、図13で説明したように、本発明の比較例1、実験例1乃至実験例7、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体は、置換された前記カルシウム量が増加するほど、磁化容易軸方向の格子定数(すなわち、c-格子定数)が減少することが分かる。
表2で説明したように、前記カルシウム量が増加するほど、前記フェライト構造体の粒径は、増加するが、厚さは、減少することが分かり、これにより、前記フェライト構造体の体積が減少することが分かる。
図15は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量によるヒステリシスループを示す図である。
図15に示しているように、本発明の比較例1、実験例1乃至実験例7、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体に与えられた電場に対する磁化を確認した。
図12乃至図13で説明したように、前記フェライト構造体は、前記カルシウム量が0.4未満で、前記マグネトプランバイト相を単一相として有することができる。これにより、前記カルシウム量が0.4未満の範囲で、前記フェライト構造体は、実質的に同一のヒステリシスループを示すことが分かる。
前記カルシウム量が0.4以上の範囲で、前記フェライト構造体は、前記赤鉄鉱相を更に含むことができる。しかし、前記赤鉄鉱相の量が比較的に少なく、これにより、前記フェライト構造体は、単一相の強磁性特性を示すことを確認した。
しかし、カルシウム量が0.4未満である場合と比較して、前記フェライト構造体の磁化が減少することを確認した。
図16は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による磁化及び固有保磁力を示す図である。
図16に示しているように、本発明の比較例1、実験例1乃至実験例7、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体の25kOeでの磁化(M25kOe)、残留磁気(Mr、remanence)、及び固有保磁力(HC)を表3に示している。
表3及び図16を参照すると、図15で説明したように、前記フェライト構造体の前記磁化(M25kOe)は、前記カルシウム量が0.4未満で実質的に一定の値を有し、前記カルシウム量が0.4以上に増加することにつれ、減少することが分かる。すなわち、前記カルシウムを0.4以上含み、前記フェライト構造体は、前記赤鉄鉱相を更に含み、これにより、前記フェライト構造体の結晶性が減少することで、前記フェライト構造体の磁化が減少したことが分かる。
前記フェライト構造体の固有保磁力(HC)は、カルシウム量が0.2である場合、最大値を有することが分かる。また、前記カルシウムを含む前記フェライト構造体は、比較例1による六角板状のフェライト構造体と比較して、高い保磁力を有することが分かる。
図17は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による(107)面の半値幅(FWHM)、及び結晶サイズを示す図である。
図17に示しているように、図12乃至図13で説明した本発明の比較例1、実験例1乃至実験例7、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体の(107)面の半値幅、及び前記フェライト構造体のX線回折パターンにより計算された結晶のサイズを確認した。
図17に示しているように、前記カルシウム量が0.40未満である範囲で、前記フェライト構造体の(107)面の半値幅は、減少することが分かる。また、前記マグネトプランバイト相に、前記カルシウムが最大で置換された前記カルシウム量が0.40以上である範囲では、前記フェライト構造体の(107)面の半値幅が実質的に一定であることが分かる。
そこで、前記カルシウム量が0.40未満である範囲で、前記カルシウム量が増加するほど、カルシウム置換されたマグネトプランバイト相の結晶性が増加し、これにより、前記フェライト構造体の磁化は、実質的に一定であることが分かる。また、前記カルシウム量が0.40以上である範囲で、前記赤鉄鉱相が形成され、前記フェライト構造体の磁化が減少することを確認した。
表2で説明したように、前記カルシウム量が増加することで、前記フェライト構造体の計算された結晶のサイズは、増加することを確認した。
図18乃至図20は、本発明の実施例による六角板状のフェライト構造体の置換されたカルシウム量による飽和漸近則(LAS)の分析結果を示す図である。
図18乃至図20に示しているように、本発明の比較例1、実験例1乃至実験例7、及び比較例2による六角板状のフェライト構造体の飽和漸近則による分析結果を確認した。
図16及び表3から分かるように、前記フェライト構造体の固有保磁力は、前記カルシウム量が0.2である場合、最大となることが分かる。ここで、図8乃至図10に示しているように、前記カルシウム量が0.2超過の値を有し、前記フェライト構造体の形状が、実質的に六角板状を有することが分かる。
すなわち、前記フェライト構造体が前記六角板状を有し、前記固有保磁力が減少したことが分かり、これにより、前記フェライト構造体の形状の他に、前記固有保磁力に影響する因子があることを確認した。
そこで、前記固有保磁力に影響する前記因子を確認するために、前記カルシウムの置換量による前記フェライト構造体の飽和漸近則による分析が行われている。
一般に、前記飽和漸近則は、磁性物質の局部結晶異方性(local crystalline anisotropy)を決めることに用いられる方法で、下記の数式1を用いて、磁化に対する保磁力の依存性を計算することができる。
ここで、A/Hは、前記磁性物質の異質性(inhomogeneity)であり、xpHは、電場による磁化値であり、B/H2は、磁気結晶異方性定数(magnetocrystalline anisotropy parameter)に関する値である。
これにより、前記の数式1に、前記フェライト構造体の実験結果を代入して、図18乃至図20のようなグラフが導出された。前記フェライト構造体の曲線適合度(goodness of the curve fit)(R2)を、下記の表4に示している。
表4から分かるように、前記フェライト構造体は、前記の数式1に実質的に一致することが分かり、これにより、前記フェライト構造体のA定数、B定数、及びxp定数を、下記の表5に示している。
表5から分かるように、前記磁性物質の異質性を示す前記A定数は、前記カルシウムが0.4以上に置換され、値が増加することが分かる。これにより、前記カルシウムの置換量が0.4以上の範囲で、前記フェライト構造体が前記赤鉄鉱相を更に含むことが分かる。一般に、六方晶系結晶構造を有する磁性物質で、前記B定数は、下記の数式2のように計算される。
ここで、HAは、異方性場であり、K1は、磁気結晶異方性定数である。
ここで、表3におけるM25kOe(ここで、Msに代入)、及び表5における前記B定数を用いて計算した前記フェライト構造体のHA及びK1値を、下記の表6に示している。
表6から分かるように、前記フェライト構造体の前記HA及び前記K1の値は、前記カルシウム量が0.2以下で増加することを確認した(すなわち、比較例1、及び実験例1乃至実験例4)。これにより、前記カルシウム量が0.2以下で、前記フェライト構造体の縦方向成長に比して横方向成長が主に発生し、且つ、前記フェライト構造体が積層して、前記HA及び前記K1の値が増加することが分かる。一方、前記カルシウム量が0.2超過である場合、前記フェライト構造体の前記HA及び前記K1の値は、減少することを確認した。これにより、前記カルシウムが置換され、前記マグネトプランバイト相の純度が減少して、前記HA及び前記K1の値が減少することが分かる。
ここで、一般に、前記磁性物質の保磁力の異方性は、下記の数式3により計算される。
ここで、αは、形状(shape)定数であり、Nd及びHdは、減磁係数(demagnetization coefficient)に関する値である。
これにより、前記フェライト構造体の固有保磁力は、前記異方性場(HA)又は前記磁気結晶異方性定数(K1)に比例することが分かる。
前述したように、前記フェライト構造体の磁化は、前記フェライト構造体の結晶相の純度により決められることが分かり、前記フェライト構造体の固有保磁力は、前記フェライト構造体の磁気結晶異方性により、主に決められることを確認した。
以上、本発明を好適な実施例を用いて詳しく説明したが、本発明の範囲は、特定の実施例に限定されることではなく、添付の特許請求の範囲により解析されるべきである。また、当該技術分野における通常の知識を有する者であると、本発明の範囲から逸脱しない範囲で、様々な修正及び変形が可能であることを理解すべきである。
本出願の実施例による六角板状のフェライト構造体及びその製造方法は、バルク磁石、スピーカー用増幅器、電力生産用タービン、計量器、継電器、医療用磁気共鳴映像装置、磁気格納装置、ハイブリッド及び電気自動車、次世代電気モータ、駆動機、発電機用モータ、スマートモビリティー用モータ、汎用小型モータ、マイクロリレー、マイクロセンサ、ボンドマグネット、複合系磁石など、様々な分野に活用可能である。

Claims (5)

  1. Srを含む第1の金属前駆体、Caを含む第2の金属前駆体、鉄前駆体、及び塩を含む前駆体溶液を用意するステップと、
    前記前駆体溶液に超音波を提供して、液滴を形成するステップと、
    酸化雰囲気で前記液滴を熱分解して、Srである第1の金属、Caである第2の金属、及び鉄を含む中間酸化物を形成するステップと、
    酸化雰囲気で前記中間酸化物をかしょうして、前記第1の金属、前記鉄、及び酸素を含む酸化物であり、前記第1の金属の位置に前記第2の金属を置換し、[化学式1]で表される六角板状のフェライト構造体を製造するステップとを含むことを特徴とする六角板状のフェライト構造体の製造方法。
    [化学式1]
    Sr0.75-xLa0.25CaFe11.8Co0.219(xは0.15超過0.25未満)
  2. 前記液滴を熱分解するステップは、第1の温度で行われ、
    前記中間酸化物をかしょうするステップは、前記第1の温度よりも高い第2の温度で行われることを特徴とする請求項に記載の六角板状のフェライト構造体の製造方法。
  3. 前記液滴を熱分解するステップは、前記中間酸化物を形成すると共に、前記塩を結晶に析出するステップを含み、
    前記フェライト構造体を製造するステップの後、前記結晶を除去するステップを含むことを特徴とする請求項に記載の六角板状のフェライト構造体の製造方法。
  4. 前記前駆体溶液は、第3の金属前駆体、及び第4の金属前駆体を含むことを特徴とする請求項に記載の六角板状のフェライト構造体の製造方法。
  5. 前記第3の金属前駆体は、ランタン窒化物であり、
    前記第4の金属前駆体は、コバルト窒化物を含むことを特徴とする請求項に記載の六角板状のフェライト構造体の製造方法。
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