JP7322893B2 - ばね用鋼線 - Google Patents

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    • C21D2211/00Microstructure comprising significant phases
    • C21D2211/008Martensite

Description

本開示は、ばね用鋼線に関するものである。
ばねの疲労強度の向上を意図した種々のオイルテンパー線(ばね用鋼線)が知られている(たとえば、特開2004-315968号公報(特許文献1)、特開2006-183136号公報(特許文献2)、特開2008-266725号公報(特許文献3)、国際公開第2013/024876号(特許文献4)、特開2012-077367号公報(特許文献5)、および国際公開第2015/115574号(特許文献6)参照)。
特開2004-315968号公報 特開2006-183136号公報 特開2008-266725号公報 国際公開第2013/024876号 特開2012-077367号公報 国際公開第2015/115574号
本開示に従ったばね用鋼線は、線状の形状を有する鋼製の本体部と、本体部の外周面を覆う酸化層と、を備える。本体部を構成する鋼は、0.62質量%以上0.68質量%以下のC(炭素)と、1.6質量%以上2質量%以下のSi(珪素)と、0.2質量%以上0.5質量%以下のMn(マンガン)と、1.7質量%以上2質量%以下のCr(クロム)と、0.15質量%以上0.25質量%以下のV(バナジウム)と、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。Siの含有量とMnの含有量との和をCrの含有量で除した値が0.9以上1.4以下である。本体部を構成する鋼の組織は焼戻マルテンサイト組織である。
図1は、ばね用鋼線の構造を示す概略図である。 図2は、ばね用鋼線の構造を示す概略断面図である。 図3は、ばね用鋼線の製造方法の概略を示すフローチャートである。
[本開示が解決しようとする課題]
自動車のエンジンの、弁ばね、トーショナルダンパ―スプリングなど、高い疲労強度が求められるばねは、焼入焼戻が実施された鋼線(オイルテンパー線)がばねの形状に加工(ばね加工)された後、窒化処理が実施されて製造される場合がある。窒化処理によりばねの表面に窒化層(硬化層)が形成され、ばねの疲労強度が向上する。
しかし、窒化処理が実施された場合でも、ばねの疲労強度が十分に向上しない場合がある。ばねの疲労強度を向上させることが可能なばね用鋼線を提供することが、本開示の目的の1つである。
[本開示の効果]
本開示のばね用鋼線によれば、ばねの疲労強度を向上させることができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示のばね用鋼線は、線状の形状を有する鋼製の本体部と、本体部の外周面を覆う酸化層と、を備える。本体部を構成する鋼は、0.62質量%以上0.68質量%以下のCと、1.6質量%以上2質量%以下のSiと、0.2質量%以上0.5質量%以下のMnと、1.7質量%以上2質量%以下のCrと、0.15質量%以上0.25質量%以下のVと、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。Siの含有量とMnの含有量との和をCrの含有量で除した値が0.9以上1.4以下である。本体部を構成する鋼の組織は焼戻マルテンサイト組織である。
本発明者らは、窒化処理が実施された場合でも、ばねの疲労強度が十分に向上しない原因について検討した。その結果、以下のような知見が得られ、本開示のばね用鋼線に想到した。
ばね用鋼線の表面には、ばね加工時のばね用鋼線と加工ツールとの潤滑性の向上を目的に酸化層が形成される場合がある。この酸化層の形成に際して、酸素(O)と親和性の高い元素であるSi、Mnの濃度が表面付近において高くなる。酸化層は、ばね加工後に実施されるショットピーニング等によって除去され、表面付近には、Si、Mnの濃度が高い領域が残存する。その結果、その後に実施される窒化処理において、表面付近に存在するSi、Mnによって窒素(N)の侵入が阻害される。そうすると、窒化層(硬化層)の厚さが小さくなり、窒化処理による疲労強度の上昇効果が小さくなる。
一方、本発明者らの検討によれば、ばね用鋼線を構成する鋼に含まれるSiおよびMnの含有量の和をCrの含有量で除した値((Si+Mn)/Crの値)を適切な範囲、より具体的には0.9以上1.4以下に調整することにより、窒化層(硬化層)の厚さが大きくなる。その結果、ばねの疲労強度が向上する。
本開示のばね用鋼線においては、本体部を構成する鋼の各構成元素の含有量が適切に設定され、かつ本体部を構成する鋼が焼戻マルテンサイト組織を有する。また、本体部は酸化層に覆われている。そして、(Si+Mn)/Crの値が0.9以上1.4以下に設定されている。これにより、ばね加工時のばね用鋼線と加工ツールとの潤滑性の向上に寄与する酸化層の形成によって本体部の表面付近(外周面付近)におけるSi、Mnの濃度が高くなっているにもかかわらず、ばね加工後に窒化処理が実施されると、十分な厚さの窒化層を形成することが容易となっている。その結果、ばねの疲労強度が向上する。このように、本開示のばね用鋼線によれば、ばねの疲労強度を向上させることができる。
本体部を構成する鋼の成分組成を上記範囲とすべきである理由について、以下に説明する。
炭素(C):0.62質量%以上0.68質量%以下
Cは、焼戻マルテンサイト組織を有する鋼の強度に大きな影響を与える元素である。ばね用鋼線として十分な強度を得る観点から、C含有量は0.62質量%以上とする必要がある。一方、C含有量が多くなると靱性が低下し、加工が困難になるおそれがある。十分な靱性を確保する観点から、C含有量は0.68質量%以下とする必要がある。
珪素(Si):1.6質量%以上2質量%以下
Siは、加熱による軟化を抑制する性質(軟化抵抗性)を有する。ばね用鋼線のばねへの加工時およびばねの使用時における加熱による軟化を抑制する観点から、Si含有量は1.6質量%以上とする必要があり、1.7質量%以上としてもよい。一方、Siは過度に添加すると靱性を低下させる。十分な靱性を確保する観点から、Si含有量は2質量%以下とする必要がある。靱性を重視する観点からは、Si含有量は1.9質量%以下としてもよい。
マンガン(Mn):0.2質量%以上0.5質量%以下
Mnは、鋼の精錬において脱酸剤として添加される元素である。脱酸剤としての機能を果たすため、Mnの含有量は0.2質量%以上とする必要がある。一方、Mnは過度に添加すると、靱性を低下させる。そのため、Mn含有量は0.5質量%以下とする必要があり、0.4質量%以下としてもよい。
クロム(Cr):1.7質量%以上2質量%以下
Crは、鋼の焼入性を向上させる効果を有する。また、Crは、鋼中において炭化物生成元素として機能し、微細な炭化物の生成による金属組織の微細化や加熱時の軟化抑制に寄与する。このような効果を確実に発揮させる観点から、Crは1.7質量%以上添加される必要がある。一方、Crの過度の添加は靱性低下の原因となる。そのため、Crの添加量は2質量%以下とする必要があり、1.9質量%以下とすることが好ましい。
バナジウム(V):0.15質量%以上0.25質量%以下
Vも、鋼中において炭化物生成元素として機能し、微細な炭化物の生成による金属組織の微細化や加熱時の軟化抑制に寄与する。Vの炭化物は固溶温度が高いため、鋼の焼入焼戻の際に固溶することなく存在し、金属組織の微細化(結晶粒の微細化)に特に大きく寄与する。また、ばね加工後に実施される窒化処理によってVは窒化物となり、繰返し応力がばねに負荷された場合の結晶におけるすべりの発生を抑制し、疲労強度の向上に寄与し得る。このような効果を確実に発揮させる観点から、Vは0.15質量%以上添加される必要がある。一方、Vの過度の添加は靱性低下の原因となる。そのため、Vの添加量は0.25質量%以下とする必要がある。
不可避的不純物
ばね用鋼線を構成する鋼の製造工程において、リン(P)、硫黄(S)などが不可避的に鋼中に混入する。リンおよび硫黄は、過度に存在すると粒界偏析を生じたり、介在物を生成したりして、鋼の特性を悪化させる。そのため、リンおよび硫黄の含有量は、それぞれ0.025質量%以下とすることが好ましい。また、オーステナイト生成元素であるニッケル(Ni)、コバルト(Co)は、焼入れの際に残留オーステナイトを生成する傾向にある。残留オーステナイトにはCが多く固溶し得るため、マルテンサイト中の炭素量が減少し、本体部を構成する鋼の硬度低下を招くおそれがある。硬度の低下は疲労強度の低下につながる。したがって、NiおよびCoは意図的には添加せず、不可避的不純物として存在する含有量とする。また、炭化物生成元素であるチタン(Ti)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)は、伸線前に実施されるパテンティング処理において、パーライト変態に要する時間を長くするため、鋼線の製造効率の低下を招く。したがって、Ti、NiおよびMoは意図的には添加せず、不可避的不純物として存在する含有量とする。不可避的不純物としてのNiの含有量は、たとえば0.1質量%以下である。不可避的不純物としてのCoの含有量は、たとえば0.1質量%以下である。不可避的不純物としてのTiの含有量は、たとえば0.005質量%以下である。不可避的不純物としてのNbの含有量は、たとえば0.05質量%以下である。不可避的不純物としてのMoの含有量は、たとえば0.05質量%以下である。
(Si+Mn)/Crの値:0.9以上1.4以下
本発明者らの検討によれば、(Si+Mn)/Crの値がばね加工後の窒化処理における窒化層の形成の容易性に大きな影響を与える。(Si+Mn)/Crの値を0.9以上1.4以下とすることにより、十分な厚さを有する窒化層の形成が容易となる。このような効果が得られる原因は、たとえば以下のように考えることができる(以下の理論に拘束されるものではない)。上記の通り、本開示のばね用鋼線の表面には、ばね加工時のばね用鋼線と加工ツールとの潤滑性の向上を目的に酸化層が形成される。この酸化層の形成に際して、Oと親和性の高い元素であるSi、Mnの濃度が表面付近において高くなる。その結果、その後に実施される窒化処理において、表面付近に存在するSi、MnによってNの侵入が阻害される。これに対し、Nとの親和性の高いCrの量を増加させることにより、窒化処理においてNが本体部の内部まで侵入しやすくなり、十分な厚さを有する窒化層の形成が容易となる。このような効果を確実に得るためには、(Si+Mn)/Crの値が1.4以下になる程度にSiおよびMnの含有量の合計に対するCrの相対的な含有量を高く設定する必要がある。Crは、Si、Mnなどに比べて鋼中での拡散速度が小さいため、窒化処理における本体部の表面付近での濃化は緩やかである。しかし、(Si+Mn)/Crの値が0.9未満となるレベルまで添加量が増加すると、本体部の表面付近でNを捕捉し、Nが本体部の内部へと侵入することを阻害する。その結果、窒化処理における窒化層の厚さが小さくなる。このような問題の発生を抑制する観点から、(Si+Mn)/Crの値は0.9以上とする必要がある。
上記ばね用鋼線において、酸化層の厚さは2μm以上5μm以下であってもよい。上記の通り、酸化層が形成されると、本体部の表面付近にSiおよびMn(特にSi)の濃度が高い領域が形成される。これに伴い、Si等が濃化した領域の内周側には、Si等の濃度が低下した領域が形成される。上記(Si+Mn)/Crの値が適切な値に設定されている限り、Nの本体部への十分な侵入は維持され、Si等の濃度が低下した領域の形成により窒化層の形成が促進される。酸化層の厚さを2μm以上とすることにより、このような効果をより確実に得ることができる。一方、酸化層の厚さを大きくするためには、酸化処理の時間を長くする必要があり、ばね用鋼線の製造コストの増大を招く。ばね用鋼線の製造コストの増大を抑制する観点から、酸化層の厚さは5μm以下とすることが好ましい。
上記ばね用鋼線において、酸化層に占めるFeの割合は80質量%以上であってもよい。Feは、酸化の進行度によって複数種の酸化物を形成する。本発明者らの検討によれば、ばね加工時の潤滑効果の観点からはFeが最も好ましい。酸化層に占めるFeの割合は80質量%以上とすることにより、酸化層によるばね加工時の潤滑効果をより高めることができる。なお、酸化層に占めるFeの割合は、たとえばX線回折を利用したRIR(Reference Intensity Ratio)法に測定することができる。
上記ばね用鋼線の本体部を構成する鋼において、Siの含有量とMnの含有量との和をCrの含有量で除した値が1以上1.2以下であってもよい。(Si+Mn)/Crの値を1以上1.2以下とすることにより、十分な厚さを有する窒化層の形成が一層容易となる。
上記ばね用鋼線の外径は、0.5mm以上12mm以下であってもよい。本開示のばね用鋼線は、0.5mm以上12mm以下の外径を有するばね用鋼線に、特に好適である。上記ばね用鋼線の外径は、2mm以上8mm以下とすることが、より好ましい。なお、ばね用鋼線の外径とは、鋼線の長手方向に垂直な断面が円形である場合、当該断面の直径を意味する。また、鋼線の長手方向に垂直な断面が円形以外である場合、当該断面を取り囲む最小の円の直径を意味する。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本開示にかかるばね用鋼線の実施の形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1は、ばね用鋼線の構造を示す概略図である。図2は、ばね用鋼線の構造を示す概略断面図である。図2は、ばね用鋼線の長手方向に垂直な面における断面図である。
図1および図2を参照して、本実施の形態におけるばね用鋼線1は、線状の形状を有する鋼製の本体部10と、本体部10の外周面10Aを覆う酸化層20とを備えている。酸化層20の外周面20Aが、ばね用鋼線1の外周面である。図2を参照して、ばね用鋼線1の直径φは、たとえば2mm以上8mm以下である。酸化層20の厚さtは、たとえば2μm以上5μm以下である。
本体部10を構成する鋼は、0.62質量%以上0.68質量%以下のCと、1.6質量%以上2質量%以下のSiと、0.2質量%以上0.5質量%以下のMnと、1.7質量%以上2質量%以下のCrと、0.15質量%以上0.25質量%以下のVと、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなっている。Siの含有量とMnの含有量との和をCrの含有量で除した値((Si+Mn)/Crの値)が0.9以上1.4以下である。本体部10を構成する鋼の組織は焼戻マルテンサイト組織である。本実施の形態におけるばね用鋼線1は、オイルテンパー線である。
本実施の形態のばね用鋼線1においては、本体部10を構成する鋼の各構成元素の含有量が適切に設定され、かつ本体部10を構成する鋼が焼戻マルテンサイト組織を有している。また、本体部10は酸化層20に覆われている。そして、(Si+Mn)/Crの値が0.9以上1.4以下に設定されている。これにより、ばね加工時のばね用鋼線1と加工ツールとの潤滑性の向上に寄与する酸化層20の形成によって本体部10の外周面10A付近におけるSi、Mnの濃度が高くなっているにもかかわらず、ばね加工後に窒化処理が実施されると、十分な厚さの窒化層を形成することが容易となっている。その結果、ばねの疲労強度が向上する。このように、ばね用鋼線1は、ばねの疲労強度を向上させることが可能なばね用鋼線となっている。
本実施の形態の酸化層20に占めるFeの割合は80質量%以上であることが好ましい。このようにすることにより、酸化層20によるばね加工時の潤滑効果をより高めることができる。
本実施の形態の本体部10を構成する鋼において、Siの含有量とMnの含有量との和をCrの含有量で除した値が1以上1.2以下であることが好ましい。(Si+Mn)/Crの値を1以上1.2以下とすることにより、十分な厚さを有する窒化層の形成が一層容易となる。
次に、ばね用鋼線1の製造方法の一例について、図3に基づいて説明する。図3は、本実施の形態のばね用鋼線1の製造方法の概略を示すフローチャートである。図3を参照して、本実施の形態のばね用鋼線1の製造方法においては、まず工程(S10)として線材準備工程が実施される。この工程(S10)では、0.62質量%以上0.68質量%以下のCと、1.6質量%以上2質量%以下のSiと、0.2質量%以上0.5質量%以下のMnと、1.7質量%以上2質量%以下のCrと、0.15質量%以上0.25質量%以下のVと、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、(Si+Mn)/Crの値が0.9以上1.4以下である鋼の線材が準備される。
次に、図3を参照して、工程(S20)としてパテンティング工程が実施される。この工程(S20)では、図3を参照して、工程(S10)において準備された線材に対してパテンティングが実施される。具体的には、線材がオーステナイト化温度(A点)以上の温度域に加熱された後、マルテンサイト変態開始温度(M点)よりも高い温度域まで急冷され、当該温度域で保持される熱処理が実施される。これにより、線材の組織がラメラ間隔の小さい微細パーライト組織となる。ここで、上記パテンティング処理において、線材をA点以上の温度域に加熱する処理は、脱炭の発生を抑制する観点から不活性ガス雰囲気中で実施されることが好ましい。
次に、図3を参照して、工程(S30)として表面層除去工程が実施される。この工程(S30)では、工程(S20)においてパテンティングが実施された線材の表面層が除去される。具体的には、たとえば上記線材がシェービングダイス内を通過することにより、パテンティングにより形成された表面の脱炭層等が除去される。この工程は必須の工程ではないが、これを実施することによりパテンティングによって脱炭層等が表面に生じた場合でも、これを除去することができる。
次に、工程(S40)として焼きなまし工程が実施される。この工程(S40)では、工程(S30)において表面層が除去された線材に対して焼きなましが実施される。具体的には、線材に対して、たとえば不活性ガス(窒素、アルゴンなどのガス)雰囲気中で600℃以上700℃以下の温度域に加熱し、1時間以上10時間以下の時間保持する熱処理が実施される。焼きなましは、線材を軟化させるために実施される熱処理であるが、本実施の形態においては、酸化層20の形成および酸化層20に占めるFeの割合の調整がこの(S40)において実施される。雰囲気についても、通常の不活性ガス雰囲気ではなく、意図的に不活性ガスに大気を混入させた雰囲気や、不活性ガスに水蒸気を混入させた雰囲気を採用してもよい。
次に、工程(S50)として、ショットブラスティング工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S40)において焼きなまし処理が実施され、酸化層20が形成された線材に対してショットブラスティングが実施される。この工程は必須の工程ではないが、これを実施することにより、酸化層20の表面に形成された脆いFeを除去し、酸化層20におけるFeの割合を調整することができる。ショットブラスティングの強度および時間を調整することにより、Feの割合を調整することができる。
次に、工程(S60)として伸線工程が実施される。この工程(S60)では、工程(S50)においてショットブラスティングが実施された線材に対して伸線加工(引抜き加工)が実施される。工程(S60)の伸線加工における加工度(減面率)は、適宜設定できるが、たとえば50%以上90%以下とすることができる。ここで、「減面率」とは、線材の長手方向に垂直な断面に関し、伸線加工前の断面積と伸線加工後の断面積との差を伸線加工前の断面積で除した値を百分率で表示した値である。
次に、工程(S70)として焼入工程が実施される。この工程(S70)では、工程(S60)において伸線加工が実施された線材(鋼線)に対して、鋼のA点以上の温度に加熱された後、M点以下の温度に急冷される焼入処理が実施される。より具体的には、たとえば鋼線に対して800℃以上1000℃以下の温度に加熱した後、油中に浸漬することにより急冷する熱処理が実施される。これにより、本体部を構成する鋼の組織がマルテンサイト組織となる。
次に、工程(S80)として焼戻工程が実施される。この工程(S80)では、工程(S70)において焼入処理が実施された鋼線に対して、鋼のA点未満の温度に加熱された後、冷却される焼戻処理が実施される。鋼線の加熱は、所定の温度に維持された油中に鋼線を浸漬することにより実施される。より具体的には、たとえば鋼線に対して400℃以上700℃以下の温度に加熱し、0.5分間以上20分間以下の時間維持したあと冷却する熱処理が実施される。これにより、本体部を構成する鋼の組織が焼戻マルテンサイト組織となる。以上の手順により、本実施の形態のばね用鋼線1を製造することができる。
(実験1)
本体部を構成する鋼の成分組成と、硬化層(窒化層)の形成状態およびばねの疲労強度との関係を調査する実験を行った。
上記実施の形態と同様の手順により、直径φ4.0mmのばね用鋼線を準備した。本体部を構成する鋼の組成が本開示のばね用鋼線の成分組成の範囲内である6種、および範囲外である8種の鋼線を準備した。このとき、工程(S40)において線材の表面を酸化した。その結果、準備されたばね用鋼線は、約3.0μm(2.7μm以上3.3μm以下)の厚さの酸化層を有している。これらのばね用鋼線を圧縮ばねに加工した後、歪取り焼きなまし、酸化スケールの除去、窒化、ショットピーニングおよびセッチングを順次実施した。窒化は、アンモニアガスを主成分とし、二酸化炭素ガスおよび窒素ガスを含む雰囲気中で440℃に加熱し、5時間保持する条件で実施した。そして、得られたばねの表層付近の硬度分布を調査するとともに、ばねを疲労試験に供した。表1に本体部を構成する鋼の成分組成を示す。
Figure 0007322893000001
表1に示すように、本体部を構成する鋼の成分組成が異なる14種のばね用鋼線が準備された。表1においては、C、Si、Mn、CrおよびVの含有量が質量%で示されている。C、Si、Mn、CrおよびV以外の部分は、Feおよび不可避的不純物である。また、表1には、(Si+Mn)/Crの値が示されている。
表2には、ばねの表層付近の硬度分布が、(Si+Mn)/Crの値とともに示されている。硬度分布は、ばねを構成するばね用鋼線を長手方向に垂直な断面で切断し、得られた断面について、各深さ(表面からの距離)に対応する位置の硬度を測定することにより得られたものである。表2の各数値は、ビッカース硬度である。なお、「深さ0」は、ばね用鋼線の表面の硬度である。表面の硬度は、ばねの断面ではなく、ばねを構成するばね用鋼線の外周面の硬度(ビッカース硬度)である。
Figure 0007322893000002
表2に示すように、表面の硬度は、Cr、Vなどの二次硬化の発生に寄与する元素の含有量の影響を受けていることが分かる。一方、ばねの内部、特に窒化層の厚さに対応する深さ80~100μm近傍の硬度は、本開示の実施例に対応する(Si+Mn)/Crの値が0.9以上1.4以下である鋼A~F(サンプル1~6)において高くなっていることが確認される。特に、(Si+Mn)/Crの値が1.0以上1.2以下である鋼B~D(サンプル2~4)において、深さ80~100μm近傍の硬度が特に高くなっている。
表3には、ばねの疲労試験の結果が示されている。
Figure 0007322893000003
各サンプル1~14について、ばねを8個ずつ準備し、疲労試験に供した。疲労試験は、ばね用星型疲労試験機により実施した。ばねの内周側表面における平均応力が686MPa、応力振幅が630MPaとなる条件で試験を実施した。そして、応力の繰り返し数が5.0×10回、および1.0×10回の時点で未折損のばねの個数により、疲労強度を評価した。表3には、応力の繰り返し数が5.0×10回、および1.0×10回の時点で未折損のばねの個数が示されている。
表3に示すように、本開示の実施例に対応する(Si+Mn)/Crの値が0.9以上1.4以下である鋼A~F(サンプル1~6)の疲労強度が高いことが分かる。これは、上記のように、鋼A~F(サンプル1~6)においては、表面から深さ80~100μm近傍までの硬度が高くなっていることに起因するものと考えられる。特に、(Si+Mn)/Crの値が1.0以上1.2以下である鋼B~D(サンプル2~4)の疲労強度は、きわめて高いといえる。
以上の実験結果より、本開示のばね用鋼線によれば、ばねの疲労強度を向上させることが可能であることが確認される。
(実験2)
酸化層の厚みと、硬化層(窒化層)の形成状態およびばねの疲労強度との関係を調査する実験を行った。本体部を構成する鋼を鋼Aとし、工程(S40)における酸化の条件を変えて、酸化層の厚みが異なる6種の鋼線を準備した。そして、このばね用鋼線を圧縮ばねに加工した後、実験1の場合と同様の処理を順次実施した。そして、実験1と同様に、得られたばねの表層付近の硬度分布を調査するとともに、ばねを疲労試験に供した。
表4には、ばねの表層付近の硬度分布が、(Si+Mn)/Crの値とともに示されている。硬度分布は、実験1の場合と同様に測定した。
Figure 0007322893000004
ばねの内部、特に窒化層の深さに対応する厚さ80~100μm近傍の硬度は、酸化層の厚さが2μm以上5μm以下であるサンプル15~18において特に高くなっていることが分かる。
表5には、ばねの疲労試験の結果が示されている。
Figure 0007322893000005
各サンプル15~20について、実験1の場合と同様に疲労試験に供した。表5には、応力の繰り返し数が5.0×10回、および1.0×10回の時点で未折損のばねの個数が示されている。
表5に示すように、酸化層の厚さが2μm以上5μm以下であるサンプル15~18の疲労強度が高いことが分かる。これは、上記のように、サンプル15~18においては、表面から深さ80~100μm近傍までの硬度が高くなっていることに起因するものと考えられる。
以上の実験結果より、酸化層の厚さは2μm以上5μm以下とすることが好ましいことが確認される。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって規定され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ばね用鋼線、10 本体部、10A 外周面、20 酸化層、20A 外周面、φ ばね用鋼線の直径、t 酸化層の厚さ。

Claims (5)

  1. 線状の形状を有する鋼製の本体部と、
    前記本体部の外周面を覆う酸化層と、を備え、
    前記本体部を構成する鋼は、0.62質量%以上0.68質量%以下のCと、1.6質量%以上2質量%以下のSiと、0.2質量%以上0.5質量%以下のMnと、1.7質量%以上2質量%以下のCrと、0.15質量%以上0.25質量%以下のVと、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Siの含有量とMnの含有量との和をCrの含有量で除した値が0.9以上1.4以下であり、
    前記本体部を構成する鋼の組織は焼戻マルテンサイト組織である、ばね用鋼線。
  2. 前記酸化層の厚さは2μm以上5μm以下である、請求項1に記載のばね用鋼線。
  3. 前記酸化層に占めるFeの割合は80質量%以上である、請求項1または請求項2に記載のばね用鋼線。
  4. 前記本体部を構成する鋼において、Siの含有量とMnの含有量との和をCrの含有量で除した値が1以上1.2以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のばね用鋼線。
  5. 外径が0.5mm以上12mm以下である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のばね用鋼線。
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