JP7322036B2 - Ccr6またはcxcr2のアンタゴニストを用いて汎発性膿疱性乾癬を治療する方法 - Google Patents

Ccr6またはcxcr2のアンタゴニストを用いて汎発性膿疱性乾癬を治療する方法 Download PDF

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Description

関連する出願の相互参照
本出願は、2018年1月8日に出願されたアメリカ合衆国仮出願シリアル番号第62/614,927号と、2018年8月7日に出願されたアメリカ合衆国仮出願シリアル番号第62/715,503号に関して35 U.S.C.§119(e)のもとでの恩恵を主張するものであり、それぞれの開示内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
連邦が資金提供する研究開発のもとでなされる発明の権利に関する宣言
適用なし
添付資料としてコンパクトディスクで提出される「配列リスト」、または表、またはコンピュータプログラムリストの参照
適用なし
汎発性膿疱性乾癬(GPP)は稀な炎症性皮膚疾患であり、臨床研究が不足していて、その治療と管理に関してエビデンスに基づいた一般に受け入れられているガイドラインは存在しない(Benjegerdes他Psoriasis (Auckl) 2016年;第6巻:131~144ページ)。生物学的製剤を用いた治療は、より一般的な局面型乾癬(plaque form of psoriasis)で有効だが、GPPでは有効ではない(Benjegerdes他 Psoriasis (Auckl) 2016年;第6巻:131~144ページ;Mansouri他Expert Opin Biol Ther 2013年;第13巻(12):1715~1730ページ)ため、GPPを直接に標的とする治療法が大いに必要とされているが、まだ開発されていない(Mahil他Semin Immunopathol 2016年;第38巻(1):11~27ページ;Navarini 他J Eur Acad Dermatol Venereol 2017年;第31巻(11):1792~1799ページ;Robinson他J Am Acad Dermatol 2012年;第67巻(2):279~288ページ)。
本開示では、GPPの症状を標的として改善する有望な治療法が必要とされていることに対処するとともに、関連する利点も提供する。
本開示により、汎発性膿疱性乾癬(GPP)、および/または掌蹠乾癬(palmo-plantar psoriasis)(PPP)、および/または急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、および/または化膿性汗腺炎(HS)、および/または疱疹状皮膚炎、および/または尋常性天疱瘡を治療する方法として、有効量のケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを投与することを含む、方法が提供される。
別の1つの態様では、本明細書において、異常なIL-36シグナル伝達の調節を必要とする対象において、それを調節する方法として、その対象に有効量のケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを投与することを含む、方法が提供される。
さらに別の1つの態様では、本明細書において、好中球、および/または炎症性樹状細胞(iDC)、および/またはCD4 T細胞の蓄積を減らす必要がある対象において、それを減らす方法として、有効量のケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを投与することを含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、式:
Figure 0007322036000001
(式中、それぞれの変数は下に記載する)を有する。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、式:
Figure 0007322036000002
(式中、それぞれの変数は下に記載する)を有する。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、図1に示した化合物である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.129):
Figure 0007322036000003
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.123):
Figure 0007322036000004
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.136):
Figure 0007322036000005
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.138):
Figure 0007322036000006
またはその薬学的に許容される塩である。
図1A~図1Jは、本明細書に記載されている化合物の具体的な構造を示している。 図2A~図2Dは、図3、図5、図10で論じられているように、IL-36で処理した皮膚から単離したiDC、好中球、CD4+αβT細胞の同定に利用するゲーティングスキームを示している。細胞は、最初に、生きているCD45+集団についてゲートをかけ、次いでThy-1対CD11bのゲーティングを実施した(図A)。右下隅の楕円で囲んだ細胞についてLy6C対Ly6Gのゲーティングを実施してiDCと好中球を同定した(図B)。次に図Aの左上隅の楕円で囲んだ細胞についてTCRαβ対TCRγδのゲーティングを実施した(図C)。図Cの楕円で囲んだ細胞についてCD8α対CD4のゲーティングを実施してCD4+αβT細胞を同定した(図D)。 図3A~図3Dは、局面型乾癬のイミキモドモデルとGPPのIL-36モデルで生じた炎症性細胞皮膚浸潤液が顕著に異なることを示している。グラフAとグラフBは、IMQ(A、斜線入りの灰色の棒)またはIL-36α(B、鉛直線入りの灰色の棒)で毎日4回処理したマウスの皮膚から単離した1グラム当たりの細胞数を示している。黒い棒は、対照で処理した(イミキモド実験(A)では局所的にワセリン(VAS)で処理し、IL-36実験(B)では皮内PBSで処理した)皮膚から単離した1グラム当たりの細胞数を示している。グラフCは、IL-36で処理した皮膚とイミキモドで処理した皮膚の中の白血球のサブセットを比較した相対表示を示しており、個々の実験の間での比較である。T細胞、好中球、iDCの割合は、5つの個別のイミキモド実験と7つの個別のIL-36実験の生きている全CD45+浸潤液について計算し、各実験では少なくとも5匹のマウスを使用した。これら実験の平均の平均値(とSEM)を示してある。グラフDは、イミキモドで処理した後(斜線入りの灰色の棒)、またはIL-36αで処理した後(鉛直線入りの灰色の棒)にマウスの皮膚から単離したT細胞で、示されている免疫表現型を発現しているものの割合を示している。それぞれの棒は、少なくとも5回繰り返した代表的な単一の実験からの10匹のマウスの平均値とSEMを示している。示されているすべての集団に、最初に、生存している(AQUA-生/死陰性)CD45+としてのゲートをかけた。グラフAとグラフBでは、T細胞に、TCRβまたはTCRγδを発現しているThy-1+/CD11b-細胞としてのゲートをかけた。Ly6G+細胞とLy6Chi/Ly6G-細胞は、Thy-1-/CD11b+細胞集団の中でゲートをかけた。グラフCでは、示されている集団のそれぞれを、TCRβまたはTCRγδを発現している全Thy-1+/CD11b-集団に対する割合として計算した。 図4A~図4Bは、CCL20タンパク質とCXCL2タンパク質の多重分析を示しており、IL-36αを毎日4回皮内注射した後に両方のタンパク質が有意に増加することを実証している。CCL20タンパク質のレベルがグラフAにプロットされ;CXCL2タンパクのレベルがグラフBにプロットされている。 図5A~図5Cは、IL36αの皮内注射に反応して皮膚内に蓄積する白血球によるCCR6とCXCL2の発現を示している。IL-36で処理した20匹のマウスの耳から単離した細胞をプールし、標準的な手続きを利用して、(各列の上に示されている)標識のない特異的MAbで染色するか、アイソタイプが一致した対照で染色し、次いで二次MAbで染色した。結合しなかった二次抗体を正常なマウス、ラット、ハムスターの血清でブロックした後、直接標識したモノクローナル抗体を用いた。各タイプの細胞に関するゲーティングが各行の左側に示されている。骨髄細胞はグラフAであり;好中球はグラフBであり;CD4 T細胞はグラフCである。アイソタイプが一致した対照よりも明るい細胞の割合が5%を超える場合に、フローサイトメトリーのプロットの中に示してある。プールされた細胞の染色は、4回繰り返した実験の代表である。 図6A~図6Bは、化合物1.136が、IL-36αを注射した耳の炎症による腫れを改善することを示している。グラフAは、IL-36α誘導GPPモデルにおいて化合物1.136(またはα-IL-17RA)を示されている用量で毎日投与したマウスの耳の厚みをプロットしている。耳の厚みは、処理してから4日後にキャリパーで測定した。グラフBは、(A)に示されている実験に関する耳の厚みの経時変化であり、90 mg/kgの用量の化合物1.136をα-IL-17RAと比較している。1つのデータ点当たり10匹のマウス。マン-ホイットニー順位検定からの統計。注:滴定実験から、200μg/マウス/日でα-IL-17RAの効果がプラトーに達することがわかったため、この実験のマウスには500μg/マウス/日が投与された(データは示さず)。n.s.は有意性なし、p<0.05*、p<0.0005**、p<0.0001****。 図7A~図7Bは、耳の厚みのデータを示している。グラフAは、図6Aに示した化合物1.136の滴定の経時変化を示している。グラフBは、IL-36αで炎症にされた皮膚の抗IL-17RA処理について、アイソタイプが一致した対照を示している。本文に記載されているようにしてPBSまたは活性化されたIL-36αを毎日皮内注射することにより、各群で5匹のマウスの耳を炎症にした。いくつかの群は、抗IL-17RAを500μg/マウス、または抗IL-17RA MAbに関するアイソタイプが一致した陰性対照であるラットIgG2aを500μg/マウスの腹腔内注射も毎日実施された。マン-ホイットニー順位検定により、3日目、4日目、5日目の抗IL-17RA MAbの効果と、そのアイソタイプが一致した対照の効果の間に有意性があることが判明した。* p<0.05、** p<0.01。抗IL-17RAの効果は(図3の500μg/マウス/日と比較して)200μg/マウス/日の用量で飽和に達したが、抗IL-17RAは、そのアイソタイプが一致した対照が500 mg/kg/日である場合と比較して、このように非常に高いレベルでさえ、効果がそのアイソタイプの非特異的効果ではなかったことが実証される。 図8A~図8Dは、化合物1.136が、IL-36αを注射した耳の微視的組織構造を実質的に改善することを示している。耳は、90 mg/kgのIL-36αまたはPBSで処理してから4日後に安楽死させたマウスから取得した(図AはPBS+ビヒクル;図BはIL-36+ビヒクル)。処理中、マウスには毎日、1%HPMC(化合物1.136のためのビヒクル;図Aと図B)、または化合物1.136を含むビヒクル(図C)、または抗IL17RA(図D)を投与した。耳を固定し、標準的なFFPE技術を利用して包埋し、切片にし、標準的なヘマトキシリンとエオシン(H&E)染色技術を利用して染色した。示されている切片は、異なる5つの耳からの少なくとも5つの異なる切片の代表である。 図9A~図9Bは、化合物1.136が、活性化されたIL-36αを注射した耳の上皮の厚みを有意に低下させることを示している。図Aの最も上の行は、IL-36αを毎日4回注射した後の耳の全厚みの切片を示している。図Aの第2行は、上の画像の損傷領域に焦点を当てたより高倍率の画像を示している。図Aの第3行と第4行は、化合物1.136とIL-36αで処理したマウスの耳からの損傷領域と、IL-36αの代わりにPBSを注射したマウスの耳からの損傷領域を示している。黒い棒は、グラフBに示したすべての切片について、7回の個別の上皮厚み測定のそれぞれがなされた位置を示している。グラフB:各処理群からの8匹のマウスの耳の厚み測定。それぞれの点は、1匹のマウスの耳からの7回の上皮厚み測定の平均値を表わしている。耳は、活性化されたIL-36α(またはPBS)で毎日4回処理した後に安楽死させたマウスから取得した。処理中、マウスには、毎日、1%HPMC(ビヒクル)を皮下投与するか、90 mg/kg/日の化合物1.136を含むビヒクルを皮下投与するか、200μg/マウス/日の抗IL17RAを含むPBSを腹腔内投与した。耳を固定し、標準的なFFPE技術を利用して包埋し、切片にし、標準的なヘマトキシリンとエオシン(H&E)染色技術を利用して染色した。示されている切片は、異なる8つの耳からの少なくとも5つの異なる切片の代表である。マン-ホイットニー順位検定からの統計。p<0.05*。 図10A~図10Cは、化合物1.136が、IL-36で処理した皮膚の中へのCD4 T細胞(図A)、好中球(図B)、炎症性樹状細胞(図C)の蓄積を有意に減らすことを示している。耳は、IL-36α(またはPBS対照)で毎日4回処理した後に安楽死させたマウスから取得した。IL-36αを注射されたマウスは、ビヒクルだけ、または化合物1.136(背中に90 mg/kg/日で皮下注射)、またはα-IL-17RA(腹腔に200μg/マウス/日)を受け取った。マン-ホイットニー順位検定による統計分析。1つの群当たり10匹のマウスで3回繰り返した中の代表的な1つの実験を示している。n.s.は有意性なし、p<0.005**、p<0.0001****。 図11A~図11Eは、IL-36αを皮内注射した後に皮膚の中に蓄積するLy6Ch骨髄細胞の特徴付けを示している。IL-36αを毎日4回注射した後に細胞を20個の耳から単離し、次いでプールし、標準的な手続きを利用して、非コンジュゲート特異的MAb(各図の中に示されている薄い灰色の曲線)で染色するか、アイソタイプが一致した対照(濃い灰色の曲線)で染色し、その後、抗Ig二次ポリクローナル抗体で染色した。結合しなかった二次抗体を正常なマウス、ラット、ハムスターの血清でブロックした後、直接コンジュゲートしたMAbを用いた。図Aは、CD103特異的MAbを使用;図BはFlt3特異的MAbを使用;図CはCD205特異的MAbを使用;図DはCD11c特異的MAbを使用;図EはF4/80特異的MAbを使用。図5Aにおけるようにして骨髄細胞にゲートをかけた。示されているプールした細胞の染色は、3回繰り返した実験の代表である。
全般
汎発性膿疱性乾癬(GPP)は稀な炎症性皮膚疾患であり、より一般的な局面型乾癬とは病因が異なっている。GPP患者は、局面型乾癬で典型的に使用される治療剤に反応しないことがしばしばある。CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストが、本明細書に開示されている化合物を含め、局面型乾癬のモデルにおいて炎症を改善することが以前から示されている。驚くべきことに、本開示は、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストを使用して汎発性膿疱性乾癬(GPP)を有効に治療できることを実証している。GPPの治療に加え、関連する疾患(掌蹠乾癬(PPP)、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、化膿性汗腺炎(HS)、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡)も本明細書に記載した方法を利用して治療することができる。
ケモカイン標的療法は、炎症性白血球が末梢血から組織の中へと移動するのを阻止する設計にされているため、存在している任意の自己免疫病変に炎症性白血球が関与して増えるのを妨げることにより、炎症性サイトカイン環境を消失させることが可能になる。遺伝的研究から、GPPはIL-36サイトカイン軸における機能障害と強く関係していることが実証されており、GPPの多くの態様は、あらかじめ活性化させたIL-36αサイトカインの皮内注射によってマウスで再現することができる。本開示では、IL-36αを注射されたマウスの皮膚に浸潤する免疫細胞は、Balb/cマウスにおける局面型乾癬の受け入れられているモデルであるイミキモド(IMQ)で処理した皮膚に浸潤する免疫細胞とは組成が劇的に異なっていることを実証する。本明細書に開示されているこの知見は、CCR6とCXCR2のアンタゴニストが、GPPのほか、関連するPPP、AGEP、HS、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡という疾患の治療を目的とした機構的に異なる治療アプローチのための新規な標的クラスを構成する可能性があることを示唆している。
略号と定義
特に断わらない限り、以下の用語は、以下の意味を持つものとする。他の用語は、本明細書全体のどこかに定義されている。
「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の置換基の一部として、特に断わらない限り、指定された数の炭素原子(すなわちC1-8は1~8個の炭素を意味する)を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味する。アルキル基の例に含まれるのは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、s-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどである。
「シクロアルキル」という用語は、環の原子が指定された個数であり(例えばC3-6シクロアルキル)、完全に飽和しているか、環の頂点間に二重結合を2つ以上持たない炭化水素環を意味する。「シクロアルキル」は、二環と多環の炭化水素環も意味し、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。
「シクロヘテロアルキル」という用語は、環の頂点(またはメンバー)が指定された個数であってN、O、Sから選択した1~5個のヘテロ原子(ただし窒素原子とイオウ原子は任意により酸化されており、窒素原子は任意により四級化されている)を含有していて、そのヘテロ原子が1~5個の炭素の頂点と置き換わっているシクロアルキル環を意味する。シクロヘテロアルキルは、単環系、二環系、多環系のどれでもよい。シクロヘテロアルキル基の非限定的な例に含まれるのは、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ブチロラクタム、バレロラクタム、イミダゾリジノン、ヒダントイン、ジオキソラン、フタルイミド、ピペリジン、1,4-ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、チオモルホリン-S-オキシド、チオモルホリン-S,S-オキシド、ピペラジン、ピラン、ピリドン、3-ピロリン、チオピラン、ピロン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、キヌクリジンなどである。シクロヘテロアルキル基は、環の炭素またはヘテロ原子を通じて分子の残部に結合させることができる。
本明細書では、本明細書に示した任意の化学構造に含まれる単結合、二重結合、三重結合のいずれかと交差する波線「
Figure 0007322036000007
」は、単結合、二重結合、三重結合のいずれかが分子の残部に結合する点を表わす。それに加え、環(例えばフェニル環)の中心へと延びる結合は、利用できる環の任意の頂点の位置での結合を示す。当業者であれば、環に結合していることが示されている多数の置換基が、安定な化合物を提供する環の頂点を占めるであろうこと、そしてそうでない場合には立体的に適合していることを理解するであろう。2価の要素に関しては、表示は、向き(順方向または逆方向)を含むことを意味する。例えば基「-C(O)NH-」は、どちらかの向きの結合:-C(O)NH-または-NHC(O)-を含むことを意味し、同様に「-O-CH2CH2-」は、-O-CH2CH2-と-CH2CH2-O-の両方を含むことを意味する。
「アルコキシ」、「アルキルアミノ」、「アルキルチオ」(またはチオアルコキシ)という用語は通常の意味で用いられ、それぞれ酸素原子、アミノ基、イオウ原子を通じて分子の残部に結合したアルキル基を意味する。それに加え、ジアルキルアミノ基に関しては、アルキル部分は同じでも異なっていてもよく、そのアルキル部分が結合している窒素原子と組み合わさって3~7員の環を形成することもできる。したがってジアルキルアミノまたは-NRaRbとして表わされる基は、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アゼチジニルなどを含むことを意味する。
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、特に断わらない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれかを意味する。それに加え、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルとポリハロアルキルを含むことを意味する。例えば「C1-4ハロアルキル」という用語は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、4-クロロブチル、3-ブロモプロピルなどを含むことを意味する。
「アリール」という用語は、特に断わらない限り、多不飽和の典型的には芳香族で、単環であるか、互いに縮合または共有結合した多環(3環まで)の炭化水素基を意味する。アリール基の非限定的な例に含まれるのは、フェニル、ナフチル、ビフェニルである。
「ヘテロアリール」という用語は、N、O、Sから選択した1~5個のヘテロ原子(ただし窒素原子とイオウ原子は任意により酸化されており、窒素原子は任意により四級化されている)を含有するアリール基(または環)を意味する。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を通じて分子の残部に結合させることができる。ヘテロアリール基の非限定的な例に含まれるのは、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾトリアジニル、プリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾトリアジニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジン、ベンゾチアキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、プテリジニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、チアゾリル、フリル、チエニルなどである。ヘテロアリール環に対する置換基は、下記の許容可能な置換基の群から選択することができる。
上記の用語(例えば「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」)は、いくつかの実施形態では、任意により置換されている。それぞれのタイプの基に対して選択される置換基を下に提示する。
アルキル基(アルキレン、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルと呼ばれることがしばしばある基も含む)で選択される置換基として多彩な基が可能であり、その基の選択は、ハロゲン、-OR'、-NR'R''、-SR'、-SiR'R''R'''、-OC(O)R'、-C(O)R'、-CO2R'、-CONR'R''、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NR''C(O)2R'、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR’S(O)2R''、-CN、-NO2からなされ、その数は0個~(2m'+1)個の範囲である(ただしm'は、そのような基に含まれる炭素原子の合計数である)。R'、R''、R'''はそれぞれ独立に、水素、置換されていないC1-8アルキル基、置換されていないアリール基、1~3個のハロゲンで置換されたアリール基、置換されていないC1-8アルコキシ基、置換されていないC1-8チオアルコキシ基、置換されていないアリール-C1-4アルキル基のいずれかを意味する。R'とR''が同じ窒素原子に結合している場合には、それらがその窒素原子と組み合わさって、3員、または4員、または5員、または6員、または7員の環を形成することができる。例えば-NR'R''は、1-ピロリジニルと4-モルホリニルを含むことを意味する。
同様に、アリール基とヘテロアリール基で選択される置換基はさまざまであり、一般に選択されるのは、-ハロゲン、-OR'、-OC(O)R'、-NR'R''、-SR'、-R'、-CN、-NO2、-CO2R'、-CONR'R''、-C(O)R'、-OC(O)NR'R''、-NR''C(O)R'、-NR''C(O)2R'、-NR'-C(O)NR''R'''、-NH-C(NH2)=NH、-NR'C(NH2)=NH、-NH-C(NH2)=NR'、-S(O)R'、-S(O)2R'、-S(O)2NR'R''、-NR'S(O)2R''、-N3、ペルフルオロ(C1-C4)アルコキシ、ペルフルオロ(C1-C4)アルキルであり、その数は、0個から芳香族環系上の空いている原子価の合計数までであり;R'、R''、R'''の選択は独立に、水素、C1-8アルキル、C1-8ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニルからなされる。他の適切な置換基に含まれるのは、1~4個の炭素原子からなるアルキレンテザーによって環の原子に結合した上記アリール置換基のそれぞれである。
アリール環またはヘテロアリール環の隣接した原子上の置換基のうちの2個は、任意により式-T-C(O)-(CH2)q-U-の置換基で置き換えることができる。ただしこの式において、TとUは独立に、-NH-、-O-、-CH2-、単結合のいずれかであり、qは0~2の整数である。あるいはアリール環またはヘテロアリール環の隣接した原子上の置換基のうちの2個は、任意により式-A-(CH2)r-B-の置換基で置き換えることができる。ただしこの式において、AとBは独立に、-CH2-、-O-、-NH-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR'-、単結合のいずれかであり、rは1~3の整数である。このようにして形成される新たな環の単結合の1つは、任意により二重結合で置き換えることができる。あるいはアリール環またはヘテロアリール環の隣接した原子上の置換基のうちの2個は、任意により式-(CH2)s-X-(CH2)t-の置換基で置き換えることができる。ただしこの式において、sとtは独立に0~3の整数であり、Xは、-O-、-NR'-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-S(O)2NR'-のいずれかである。-NR'-と-S(O)2NR'-の中の置換基R'は、水素または置換されていないC1-6アルキルから選択される。
本明細書では、「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、イオウ(S)、ケイ素(Si)を含むことを意味する。
変数(例えばR1またはRa)が任意の化合物または置換基に2回以上現われるときには、その定義は、別に現われるごとにその定義とは独立である。それに加え、置換基および/または変数の組み合わせを許容できるのは、そのような組み合わせの結果として安定な化合物になる場合だけである。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載した化合物に見られる具体的な置換基が何であるかに応じ、比較的非毒性の酸または塩基を用いて調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含有する場合には、中性形態のそのような化合物を、そのままの状態の、または適切な不活性溶媒の中の十分な量の望む塩基と接触させることによって塩基添加塩を得ることができる。薬学的に許容される無機塩基に由来する塩の例に含まれるのは、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などである。薬学的に許容される有機塩基に由来する塩の例に含まれるのは、第一級アミンの塩、第二級アミンの塩、第三級アミンの塩であり(そこには置換されたアミン塩、環式アミン塩、天然のアミン塩などが含まれる)、具体的には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどがある。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有する場合には、中性形態のそのような化合物を、そのままの状態の、または適切な不活性溶媒の中の十分な量の望む酸と接触させることによって酸添加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸添加塩に含まれるのは、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸など)に由来する塩と、比較的非毒性の有機酸(例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸など)に由来する塩である。アミノ酸の塩(アルギン酸塩など)と有機酸(グルクロン酸やガラクツロン酸など)の塩も含まれる(例えばBerge, S.M.他「医薬用塩」、Journal of Pharmaceutical Science、1977年、第66巻、1~19ページを参照されたい)。本開示のいくつかの特別な化合物は塩基性官能基と酸性官能基の両方を含有しているため、その化合物を塩基添加塩または酸添加塩に変換することができる。
中性形態の化合物は、その塩を塩基または酸と接触させた後、一般的なやり方で親化合物を単離することによって再生させることができる。親形態の化合物は、さまざまな塩形態とはいくつかの物理的特性(例えば極性溶媒への溶解度)が異なっているが、それ以外はその塩形態は、本開示の目的にとって親形態の化合物と同等である。
本発明では、塩の形態に加え、プロドラッグの形態の化合物が提供される。本明細書に記載した化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化して本開示の化合物を提供する化合物である。それに加え、プロドラッグは、生体外環境で化学的方法または生化学的方法によって本開示の化合物に変換することができる。例えばプロドラッグは、適切な酵素または化学的試薬を含む経皮パッチリザーバの中に入れておくことで、ゆっくりと本開示の化合物に変換することができる。
本開示のいくつかの化合物は、非溶媒和物と溶媒和物(水和物が含まれる)の形態で存在することができる。一般に、溶媒和物の形態は非溶媒和物の形態と同等であり、本開示の範囲に包含されることを想定している。本開示のいくつかの化合物は、多結晶の形態またはアモルファスの形態で存在することができる。一般に、本開示で考える用途に関してはあらゆる物理的形態が同等であり、本開示の範囲に包含されることを想定している。
本開示のいくつかの化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有する。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体、個別の異性体(例えば別々の鏡像異性体)はすべて、本開示の範囲に包含されることを想定している。立体化学の図が示されている場合には、異性体のうちの1つが存在していて他の異性体は実質的に存在しない化合物を意味する。別の異性体が「実質的に存在しない」は、2つの異性体が少なくとも80/20の比であること、より好ましくは90/10の比、または95/5以上の比であることを示す。いくつかの実施形態では、異性体のうちの1つが少なくとも99%の量で存在することになろう。
本発明の化合物は、その化合物を構成する原子の1つ以上について自然に存在しない割合の原子同位体を含有することもできる。ある同位体の自然に存在しない割合は、自然で見いだされる量から、100%が問題の原子からなる量までの範囲と定義される。例えば本発明の化合物は、放射性同位体(例えば三重水素(3H)、ヨウ素-125(125I)、炭素-14(14C))または非放射性同位体(例えば重水素(2H)、炭素-13(13C))を組み込むことができる。そのような同位体バリエーションは、本出願の別の箇所に記載した化合物に追加の用途を提供することができる。本開示の化合物の同位体バリエーションが見いだすことのできる追加の用途の非限定的な例に含まれるのは、診断用および/またはイメージング用試薬、細胞毒性/放射毒性治療剤である。それに加え、本開示の化合物の同位体バリアントは、変化した薬物動態特性と薬力学特性を有する可能性があり、それが、治療中の安全性、忍容性、効率の増大に寄与する可能性がある。本開示の化合物のあらゆる同位体バリエーションは、放射性であれ、非放射性であれ、本開示の範囲に包含されることを想定している。
「患者」または「対象」という用語は交換可能に用いられ、ヒトまたは非ヒト動物(例えば哺乳動物)を意味する。
「投与」、「投与する」などの用語は、例えば対象、細胞、組織、臓器、体液に適用するときには、例えばCCR6および/またはCXCR2のアンタゴニスト、またはそれを含む医薬組成物、または診断剤を、その対象、細胞、組織、臓器、体液に接触させることを意味する。細胞の文脈では、投与は、試薬を(インビトロで、または生体外で)細胞に接触させることと、試薬を流体に接触させ、その流体が細胞と接触することを含む。
「治療する」、「治療している」、「治療」などの用語は、疾患、障害、状態のいずれか、またはその症状が診断されたり観察されたりした後に開始されて、対象を苦しめている疾患、障害、状態の根底にある原因の少なくとも1つを一時的または継続的になくす、または軽減する、または抑制する、または緩和する、または改善する一連の操作(例えばCCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストまたはそれを含む医薬組成物の投与)を意味する。したがって治療には、進行中の疾患の抑制(例えば疾患、障害、状態や、それに付随する臨床症状の進展またはさらなる進展の停止)が含まれる。
本明細書では、「治療を必要とする」という表現は、医師やそれ以外のケア提供者によってなされて、対象が必要としていたり、対象が治療から利益を得たりする判断を意味する。この判断は、医師やそれ以外のケア提供者の専門知識に属する多彩な因子に基づいてなされる。
「予防する」、「予防している」、「予防」などの用語は、一般には特定の疾患、障害、状態のいずれかになる傾向がある対象という文脈において、(例えば疾患、障害、状態のいずれか、またはその症状が生じる前に)対象で(例えば臨床症状の不在によって判断される)疾患、障害、状態などが進行するリスクを一時的または継続的に予防する、または抑える、または抑制する、または低減するために、またはその発症を遅延させるために開始する一連の操作(例えばCCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストまたはそれを含む医薬組成物の投与)を意味する。いくつかの場合には、これらの用語は、疾患、障害、状態のいずれかが進行して有害であったりそれ以外の望ましくない状態になったりすることの遅延、またはその進行の抑制も意味する。
本明細書では、「予防を必要とする」という表現は、医師やそれ以外のケア提供者によってなされて、対象が必要としていたり、対象が予防的ケアから利益を得たりする判断を意味する。この判断は、医師やそれ以外のケア提供者の専門知識に属する多彩な因子に基づいてなされる。
「治療に有効な量」という表現は、薬剤を単独で、または医薬組成物の一部として、単回投与で、または一連の投与の一部として投与するとき、疾患、障害、状態のいずれかの症状、態様、特徴のいずれかに対する何らかの検出可能なプラスの効果をもたらすことのできる量でその薬剤を対象に投与することを意味する。治療に有効な量は、関係する生理学的効果を測定することによって確認でき、投与計画と対象の状態の診断的分析などとの関係で調節することができる。例えば投与後の特定の時点におけるCCR6および/またはCXCR2のアンタゴニスト(または例えばその代謝産物)の血清レベルの測定が、治療に有効な量が使用されたかどうかを示している可能性がある。
「変化させるのに十分な量」という表現は、特定の治療剤の投与前(例えばベースラインのレベル)と投与後に測定した指標のレベルの間に検出可能な違いが存在することを意味する。指標には、任意の客観的パラメータ(例えば血清濃度)または主観的パラメータ(例えば健康状態に関する対象の感覚)が含まれる。
「小分子」という用語は、分子量が約10 kDa未満、または約2 kDa未満、または約1 kDa未満の化合物を意味する。小分子の非限定的な例に含まれるのは、無機分子、有機分子、無機成分を含有する有機分子、放射性原子を含む分子、合成分子である。治療上は、小分子は、大分子よりも細胞に浸透しやすく、分解しにくく、免疫応答を誘導しにくい。
「阻害剤」と「アンタゴニスト」、または「アクチベータ」と「アゴニスト」という用語は、例えばリガンド、受容体、補助因子、遺伝子、細胞、組織、臓器いずれかの活性化のための抑制性分子または活性化分子をそれぞれ意味する。阻害剤は、例えば遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、細胞のいずれかを減少させたり、阻止したり、妨げたり、活性化を遅延させたり、不活化したり、脱感作したり、下方調節したりする分子である。アクチベータは、例えば遺伝子、タンパク質、リガンド、受容体、細胞のいずれかを増加させたり、活性化したり、促進したり、活性を増強したり、感作したり、上方調節したりする分子である。阻害剤は、構成的活性を低下させたり、阻止したり、賦活化したりする分子であると定義することもできる。「アゴニスト」は、標的と相互作用してその標的の活性化増大を引き起こしたり促進したりする分子である。「アンタゴニスト」は、アゴニストの作用に逆らう分子である。アンタゴニストは、アゴニストの活性を阻止したり、低下させたり、抑制したり、中和したりする。アンタゴニストは、同定されているアゴニストが存在しない場合でさえ、標的(例えば標的受容体)の構成的活性を阻止したり、抑制したり、低下させたりすることもできる。
「調節する」、「調節」などの用語は、ある分子(例えばアクチベータまたは阻害剤)がCCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストの機能または活性を直接または間接に上昇または低下させる能力を意味する。モジュレータは、単独で作用すること、または補助因子(例えばタンパク質、金属イオン、小分子)を利用することができる。
分子の「活性」は、受容体へのその分子の結合;触媒活性;遺伝子発現、細胞シグナル伝達、分化、成熟を促進する能力;抗原活性;他の分子の活性の調節などを記述または意味することができる。
本明細書では、「同等な」、「同等な活性」、「と同等な活性」、「同等な効果」、「と同等な効果」などは相対的な表現であり、定量的および/または定性的に見ることができる。これらの表現の意味は、使用される文脈に依存することがしばしばある。例えば2つの薬剤が両方とも受容体を活性化する場合には、定性的な観点からは同等な効果を有すると見なすことができるが、本分野で受け入れられているアッセイ(例えば用量-応答アッセイ)または本分野で受け入れられている動物モデルで調べたときに一方の薬剤が他方の薬剤の活性の20%しか達成できない場合には、定量的な観点からは同等な効果が欠けていると見なすことができる。1つの結果を別の結果(例えば1つの結果を参照基準)と比較するとき、「同等な」は、1つの結果の参照基準からのずれが35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、7%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満のいずれかであることをしばしば(だが必ずではない)意味する。特別な実施形態では、1つの結果が参照基準と同等であるのは、1つの結果の参照基準からのずれが15%未満、10%未満、5%未満のいずれかである場合である。非限定的な例として、活性または効果は、効率、安定性、溶解性、免疫原性のいずれかを意味することができる。
「実質的に純粋な」は、ある要素が組成物の全含量の約50%超であること、典型的には組成物の全含量の約60%超であることを示す。より典型的には、「実質的に純粋な」は、組成物全体の少なくとも75%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、またはそれ以上が興味ある成分である組成物を意味する。いくつかの場合には、興味ある成分が組成物の全含量の約90%超、または約95%超を占めることになる。
実施形態の詳細な説明
使用方法
本明細書で提供されるのは、ケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを用いて白血球の蓄積(好中球、および/または炎症性樹状細胞(iDC)、および/またはCD4 T細胞などの蓄積)を阻止する、または減らす、または維持する方法と、IL-36の異常に関係する疾患を管理、調節する方法と、汎発性膿疱性乾癬(GPP)、掌蹠乾癬(PPP)、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、化膿性汗腺炎(HS)、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡などの疾患の治療である。本明細書に記載されているように、本開示では、ケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストが、IL-36の異常を経験中の対象で典型的に観察される白血球の移動を効果的に調節することを実証する。ケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストの投与によってこれら対象における炎症が効果的に改善される。
そのため1つの態様では、本開示により、汎発性膿疱性乾癬(GPP)、掌蹠乾癬(PPP)、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)、化膿性汗腺炎(HS)、疱疹状皮膚炎、尋常性天疱瘡から選択された疾患または状態を治療する方法として、有効量のケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを投与することを含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態では、疾患または状態は、汎発性膿疱性乾癬(GPP)である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、掌蹠乾癬(PPP)である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、化膿性汗腺炎(HS)である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、疱疹状皮膚炎である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、尋常性天疱瘡である。
別の1つの態様では、本明細書において、異常なIL-36シグナル伝達の調節を必要とする対象において、それを調節する方法として、その対象に、有効量のケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを投与することを含む、方法が提供される。
さらに別の1つの態様では、本明細書において、好中球、および/または炎症性樹状細胞(iDC)、および/またはCD4 T細胞の蓄積を減らす必要がある対象において、それを減らす方法として、その対象に、有効量のケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを投与することを含む、方法が提供される。
CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニスト
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、式:
Figure 0007322036000008
を有する化合物、あるいはその任意の薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、N-オキシド、互変異性体、または回転異性体であり、式中、
Bは、フラニル、チオフェニル、オキサゾリル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、およびピラジニルからなる群から選択され、そのそれぞれは、任意によりR1a、R1b、およびR2で置換されていて、これらの基は、独立に、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、およびC1-4ハロアルキルからなる群から選択され;
R3は、HおよびDからなる群から選択されたメンバーであり;
R4は、H、C1-8アルキル、OH、- NRaRb、-C1-4アルコキシ、およびYからなる群から選択されたメンバーであり;ここで、前記C1-8アルキルは、任意により、ハロゲン、-CN、-CO2Ra、-CONRaRb、-C(O)Ra、OC(O)NRaRb、-NRaC(O)Rb、-NRaC(O)2Rc、-NRaC(O)NRaRb、-NRaRb、-ORa、-S(O)2NRaRb、-NRaS(O)2Rb、およびYで置換されており、ここで、Yは、4~8員のシクロヘテロアルキル基、または3~8員のシクロアルキル基、または5員か6員のアリール基かヘテロアリール基であり、そのどれもが任意により1~4個の置換基で置換され、その置換基の選択は、ハロゲン、オキソ、-CN、-C1-6アルキル、-C1-6アルコキシ、-C1-6ヒドロキシアルキル、-C1-6ハロアルキル、O-C1-6ハロアルキル、 -C1-4アルキル-O-C1-4アルキル、-C1-6アルキル-NRaRb、-C1-6アルキル-CO2H、-C1-6アルキル-CO2Ra、-C1-6アルキル-CONRaRb、-C1-6アルキル-C(O)Ra、-C1-6アルキル-OC(O)NRaRb、-C1-6アルキル-NRaC(O)Rb、-C1-6アルキル-NRaC(O)2Rc、-C1-6アルキル-NRaC(O)NRaRb、-C1-6アルキル-ORa、-C1-6アルキル-S(O)2NRaRb、-C1-6アルキル-NRaS(O)2Rb、-CO2Ra、-CONRaRb、-C(O)Ra、-OC(O)NRaRb、-NRaC(O)Rb、-NRaC(O)2Rc、-NRaC(O)NRaRb、-NRaRb、-ORa、-S(O)2NRaRb、-NRaS(O)2Rb、-CH2CO2Raからなされ;それぞれのRaとRbは、独立に、水素、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、Rcは、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され;前記4~8員のシクロヘテロアルキル基と前記3~8員のシクロアルキル基は、任意により追加してオキソで置換されていてもよく;
R5aとR5bは、それぞれ、H、ハロゲン、C1-4アルキル、-C1-4ハロアルキル、O-C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、CO2H、およびCNからなる群から独立に選択されたメンバーであり;
R6aとR6bは、それぞれ、H、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、およびC1-4ハロアルキルからなる群から独立に選択されたメンバーであるか;任意によりR6aとR6bは合わさって、オキソ(=O)、または4~6員のシクロへテロアルキル基、または3~6員のシクロアルキル基を形成し;
R7は、メチル、エチル、およびC1-2ハロアルキルからなる群から選択されたメンバーであり;添字nは1または2である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、式:
Figure 0007322036000009
を有する化合物、あるいはその任意の塩、溶媒和物、水和物、N-オキシド、互変異性体、または回転異性体であり、式中、
Bは、フラニル、オキサゾリル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、およびピラジニルからなる群から選択され、そのそれぞれは、任意によりR1a、R1b、およびR2で置換されていて、これらの基は、独立に、ハロゲン、CN、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、およびC1-4ハロアルキルからなる群から選択され;
R3は、HおよびDから選択されたメンバーであり;
R4は、H、C1-8アルキル、およびYから選択されたメンバーであり;ここで、前記C1-8アルキルは、任意により、ハロゲン、-CN、-CO2Ra、-CONRaRb、-C(O)Ra、OC(O)NRaRb、-NRaC(O)Rb、-NRaC(O)2Rc、-NRaC(O)NRaRb、-NRaRb、-ORa、-S(O)2NRaRb、-NRaS(O)2Rb、およびYで置換されており;ここで、それぞれのRaとRbは、独立に、水素、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され、Rcは、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、およびC1-4 ハロアルキルから選択され、Yは、5員か6員のアリール基かヘテロアリール基であり、任意により1~4個の置換基で置換され、その置換基の選択は、ハロゲン、-CN、-C1-4アルキル、-C1-4アルコキシ、-C1-4ヒドロキシアルキル、-C1-4ハロアルキル、OCF3、-CO2Ra、-CONRaRb、-C(O)Ra、-OC(O)NRaRb、-NRaC(O)Rb、-CH2CO2Raからなされ;
R5aとR5bは、それぞれ、H、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、CO2H、およびCNから独立に選択されたメンバーであり;
R6aとR6bは、それぞれ、H、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、およびC1-4ハロアルキルから独立に選択されたメンバーであるか;任意によりR6aとR6bは、合わさってオキソ(=O)を形成し;添字nは1または2である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、式:
Figure 0007322036000010

を有する化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物であり、式中、
R1aはCH3とClから選択され;R1bはHまたはCH3であり;R3はHまたはDであり;R4はHまたはYであり;R5aとR5bは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、およびCH3から選択され;R6aとR6bは、それぞれ独立に、HとCH3から選択され;R7はメチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態では、R1aはCH3であり;R1bは存在しないかCH3であり;R3はHまたはDであり;R4はHであり;R5aは、H、F、Me、Cl、Brのいずれかであり;R5bはHまたはFであり;R6aとR6bは、それぞれHであり;R7はメチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態では、化合物は、R3を有する炭素原子の位置に他の異性体が実質的にない。
いくつかの実施形態では、R4はYである。
いくつかの実施形態では、式(A2)の化合物:
Figure 0007322036000011
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物のいずれかが提供され、式中、R1aは、CH3とClから選択され;R1bはHまたはCH3であり;R3はHまたはDであり; R4aとR4bは、独立に、ハロゲン、-CN、-C1-4アルキル、-C1-4アルコキシ、-C1-4ヒドロキシアルキル、-C1-4ハロアルキル、OCF3、-CO2Ra、-CONRaRb、-C(O)Ra、-OC(O)NRaRb、-NRaC(O)Rb、-CH2CO2Raから選択され;RaとRbは、独立に、水素、C1-4アルキル、C1-4ヒドロキシアルキル、C1-4ハロアルキルから選択され;R5aとR5bは、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、CH3から選択され;R6aとR6bは、それぞれ独立に、HとCH3から選択され; R7は、メチル、エチル、C1-2ハロアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、
Figure 0007322036000012
からなる群から選択された化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施形態では、
Figure 0007322036000013
からなる群から選択された化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施形態では、
Figure 0007322036000014
からなる群から選択された化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施形態では、図1の化合物から選択された式(I)の化合物が提供される。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.129):
Figure 0007322036000015
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.123):
Figure 0007322036000016
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.136):
Figure 0007322036000017
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、化合物(1.138):
Figure 0007322036000018
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストは、ChemoCentryx社によって2016年11月17日に出願された出願第15/353,889号に基づくアメリカ合衆国特許第9,834,545号に開示されている化合物または医薬組成物から選択され、その内容はあらゆる目的で本明細書に組み込まれている。
医薬組成物
ヒトと動物でCCR6および/またはCXCR2の活性を調節するための組成物には、上記の化合物に加え、典型的には医薬用の基剤または希釈剤が含まれることになろう。
「組成物」という用語は、本明細書では、指定された成分を指定された量で含む製品のほか、指定された量の指定された成分の組み合わせから直接または間接に得られる任意の製品を包含する。「薬学的に許容される」は、基剤、または希釈剤、または賦形剤が製剤の他の成分と適合していて、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する、
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、単位剤形で簡便に提示することと、薬学と薬送達の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。すべての方法が、活性成分を、1つ以上の補助成分を構成する基剤と組み合わせる工程を含んでいる。一般に、医薬組成物は、活性成分を、液体基剤と細かく分割した固体基剤の一方または両方と均一かつ密に組み合わせることによって調製した後、必要な場合には生成物を成形して望む製剤にする。医薬組成物では、目的とする活性化合物は、疾患のプロセスまたは状態に対して望む効果を生じさせるのに十分な量で含まれている。
活性化合物を含有する医薬組成物は、経口で用いるのに適した形態にすることができ、その例は、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性の懸濁液、分散可能な粉末または顆粒、アメリカ合衆国特許第6,451,339号に記載されている乳剤と自己乳化剤、硬カプセルまたは軟カプセル、シロップ、エリキシル、溶液、口腔パッチ、経口ゲル、チューインガム、咀嚼錠、発泡性粉末、発泡性錠剤である。経口で用いることが想定される組成物は、医薬組成物の製造の分野で知られている任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、医薬として見た目がよくて口当たりがよい調製物にするため、甘味剤、香味剤、着色剤、抗酸化剤、保存剤からなる群から選択された1種類以上の薬剤を含有することができる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適していて薬学的に許容される非毒性賦形剤との混合物として含有する。これら賦形剤として可能なのは、例えば、不活性な希釈剤(例えばセルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム);粒化剤と崩壊剤(例えばコーンスターチ、アルギン酸);結合剤(例えばPVP、セルロース、PEG、デンプン、ゼラチン、アラビアゴム)、潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク)である。錠剤はコーティングしなくてもよいし、公知の技術によって腸溶コーティングその他のコーティングをして胃腸管での崩壊と吸収を遅延させ、そのことによってより長期間にわたって作用を持続させてもよい。例えば遅延材料(例えばモノステアリン酸グリセリルやジステアリン酸グリセリル)を使用することができる。錠剤をアメリカ合衆国特許第4,256,108号;第4,166,452号;第4,265,874号に記載されている技術によってコーティングし、制御放出のための浸透性治療用錠剤を形成することもできる。
経口用の製剤は、不活性な固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン)と混合された活性成分を含む硬ゼラチンカプセルとして提供すること、または水か油媒体(例えばピーナツ油、液体パラフィン、オリーブ油)と混合された活性成分を含む軟ゼラチンカプセルとして提供することもできる。それに加え、水ではない混和成分(油など)を用いて乳剤を調製し、界面活性剤(モノ-ジグリセリド、PEGエステルなど)を用いて安定化させることができる。
水性懸濁液は、活性材料を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物として含有している。そのような賦形剤として、懸濁剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴム、アラビアゴム);分散剤または湿潤剤(例えば天然のホスファチド(例えばレシチン));アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えばステアリン酸ポリオキシ-エチレン)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールに由来する部分エステルの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸と無水ヘキシトールに由来する部分エステルの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)が可能である。水性懸濁液は、1種類以上の保存剤(例えば安息香酸エチル、安息香酸n-プロピル、安息香酸p-ヒドロキシ)、1種類以上の着色剤、1種類以上の香味剤、1種類以上の甘味剤(スクロース、サッカリンなど)も含有することができる。
油性懸濁液は、活性成分を植物油(例えばピーナツ油、オリーブ油、ゴマ油、ココナツ油)または鉱物油(例えば液体パラフィン)の中に懸濁させることによって調製できる。油性懸濁液は、増粘剤(例えば蜜蝋、硬パラフィン、セチルアルコール)を含有することができる。口当たりのよい経口調製物にするため、上記のような甘味剤と、香味剤を添加することができる。これら組成物は、抗酸化剤(アスコルビン酸など)を添加することによって保存することができる。
水を添加して水性懸濁液を調製するのに適した分散性の粉末と顆粒は、活性成分を、分散剤または湿潤剤と、懸濁剤と、1種類以上の保存剤との混合物として提供する。適切な分散剤または湿潤剤と懸濁剤は上にすでに例示されている。追加の賦形剤(例えば甘味剤、香味剤、着色剤)も存在していてよい。
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態にすることもできる。油相として、植物油(例えばオリーブ油、ピーナツ油)、または鉱物油(例えば液体パラフィン)、またはこれらの混合物が可能である。適切な乳化剤として、天然ゴム(例えばアラビアゴム、トラガカントゴム)、天然のホスファチド(例えばダイズのレシチン)、脂肪酸と無水ヘキシトールに由来するエステルまたは部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン)、その部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物(例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)が可能である。乳剤は、甘味剤と香味剤も含むことができる。
シロップとエリキシルは、甘味剤(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース)を用いて製剤にすることができる。このような製剤は、粘滑剤、および/または保存剤、および/または香味剤、および/または着色剤も含むことができる。経口溶液は、例えばシクロデキストリン、PEG、界面活性剤と組み合わせて調製することができる。
医薬組成物は、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液の形態にすることができる。この懸濁液は、公知の技術に従い、上記の適切な分散剤または湿潤剤と懸濁剤を用いて製剤にすることができる。無菌の注射可能な調製物として、薬学的に許容される非毒性の希釈液または溶媒の中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液(例えば1,3-ブタンジオールの中の溶液)も可能である。使用できる許容可能なビヒクルと溶媒には、水、リンゲル溶液、等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。それに加え、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として通常用いられる。この目的で、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激性不揮発性油を用いることができる。それに加え、脂肪酸(例えばオレイン酸)が、注射可能な溶液の調製に用いられる。
本発明の化合物は、薬を直腸に投与するため座薬の形態で投与することもできる。この組成物は、薬を、常温では固体だが直腸温では液体になるために直腸で溶解してその薬を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製できる。そのような材料には、カカオバターとポリエチレングリコールが含まれる。それに加え、この化合物は、溶液または軟膏によって眼に送達することができる。さらに、本開示の化合物の経皮送達は、イオン注入パッチなどによって実現することができる。局所で使用するため、本開示の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、懸濁液などが利用される。本明細書では、局所塗布に、口内洗浄液とうがい液の使用も含まれる。
本発明の化合物は、医療装置の中に留置するために製剤化することができる。医療装置に含まれるのは、従来からある多彩なグラフト、ステント(ステントグラフト、カテーテル、バルーン、バスケットや、体腔に配備または恒久的に移植することのできる他の装置が含まれる)の任意のものである。特別な一例として、本発明の化合物を、身体の領域のうちで介入技術によって治療されてきた領域に送達することのできる装置と方法があれば望ましいと考えられる。
代表的な一実施形態では、本発明の抑制剤を医療装置(ステントなど)の中に留置し、身体の一部の治療部位に送達することができる。
ステントが、治療剤(すなわち薬)の送達媒体として使用されてきた。血管内ステントは一般に、心血管または末梢血管の中に恒久的に移植される。ステントの設計には、アメリカ合衆国特許第4,733,655号(Palmaz)、第4,800,882号(Gianturco)、第4,886,062号(Wiktor)の設計が含まれる。そのような設計に含まれるのは、金属製ステントとポリマー製ステントの両方のほか、自己拡張式ステントとバルーン拡張式ステントである。例えばアメリカ合衆国特許第5,102,417号(Palmaz)、国際特許出願WO 91/12779(Medtronic, Inc.社)とWO 90/13332(Cedars-Sanai Medical Center)、アメリカ合衆国特許第5,419,760号(Narciso, Jr.)、アメリカ合衆国特許第5,429,634号(Narciso, Jr.)に開示されているように、ステントは、血管系と接触する部位に薬を送達するのにも使用されてきた。アメリカ合衆国特許第5,833,651号(Donovan他)に開示されているように、ステントは、遺伝子送達を目的としてウイルスを体腔の壁面に送達するのにも使用されてきた。
一実施形態では、抑制剤は、医療装置(ステントなど)のための生体適合性コーティングを形成する間にポリマー組成物とともに組み込むことができる。これらの成分から製造されるコーティングは、典型的には一様であり、移植用に設計された多数の装置のコーティングに有用である。
ポリマーは、望む放出速度、または望むポリマー安定性の程度に応じ、生体安定性ポリマーまたは生体吸収性ポリマーが可能だが、生体吸収性ポリマーがこの実施形態では好ましい。というのも生体吸収性ポリマーは、生体安定性ポリマーとは異なり、移植後に長期にわたって存在して有害な慢性の局所的反応を引き起こすことがないからである。使用できると考えられる生体吸収性ポリマーの非限定的な例に含まれるのは、ポリ(L-乳酸)、ポリカプロラクトン、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸-コ-吉草酸), ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D-乳酸)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリ(グリコール酸-コ-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル-エステル)(例えばPEO/PLA)、ポリシュウ酸アルキレン、ポリホスファゼンと生体分子(フィブリン、フィブリノーゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン、ヒアルロン酸など)、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、ヒドロゲルの架橋ブロックコポリマー、ヒドロゲルの両親媒性ブロックコポリマー、ならびに本分野で知られている他の適切な生体吸収性ポリマーである。また、慢性の組織反応が比較的少ない生体安定性ポリマー(ポリウレタン、シリコーン、ポリエステルなど)を使用できるであろうし、他のポリマーも、溶解して医療装置の表面で硬化または重合することができる場合には使用できよう。そのような他のポリマーの例は、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、エチレン-アルファオレフィンコポリマー;アクリルポリマーとアクリルコポリマー、ハロゲン化ビニルのポリマーとコポリマー(ポリ塩化ビニルなど);ポリビニルピロリドン;ポリビニルエーテル(ポリビニルメチルエーテルなど);ポリハロゲン化ビニリデン(ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデンなど);ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン;ポリ芳香族ビニル(ポリスチレン、ポリビニルエステル(ポリ酢酸ビニルなど)など);ビニルモノマー同士のコポリマー、ビニルモノマーとオレフィンのコポリマー(エチレン-メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、ABS樹脂、エチレン-酢酸ビニルコポリマーなど);ピランコポリマー;ポリヒドロキシ-プロピル-メタクリルアミド-フェノール; ポリヒドロキシエチル-アスパルタミド-フェノール;パルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド-ポリリシン; ポリアミド(ナイロン66、ポリカプロラクタムなど);アルキド樹脂、ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂、ポリウレタン;レーヨン;レーヨン-トリアセテート;セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;セロファン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル;カルボキシメチルセルロースである。
ポリマーと半透過性ポリマーマトリックスを成形して成形品(弁、ステント、チューブ、プロテーゼなど)にすることができる。
本発明の一実施形態では、ステントまたはステント-グラフト装置として成形されるポリマーまたは半透過性ポリマーマトリックスに本発明の抑制剤をカップリングする。
典型的には、ポリマーは、スピンコーティング、浸漬、スプレーのいずれかによって移植可能な装置の表面に適用する。本分野で知られている別の方法もこの目的で利用することができる。スプレー法に含まれるのは、伝統的な方法のほか、インクジェット型のディスペンサを用いた微量堆積技術である。それに加え、フォトパターニングを利用してポリマーを移植可能な装置の表面に堆積させることで、ポリマーを装置の特定の部分にだけ配置することができる。装置をこのようにコーティングすることで装置の周囲に一様な層が提供され、装置のコーティングを通じてさまざまな分析物の拡散を改善することが可能になる。
本発明の好ましい実施形態では、抑制剤は、ポリマーコーティングから医療装置が配置されている環境の中へと放出されるように製剤化される。抑制剤は、溶離を制御するためのポリマー担体またはポリマー層が関与する周知の技術の少なくとも1つを利用して延長された時間枠(例えば数ヶ月)にわたって制御されたやり方で放出されることが好ましい。そうした技術のいくつかは、アメリカ合衆国特許出願公開第2004/0243225A1号に以前に記載されている。
さらに、例えばアメリカ合衆国特許第6,770,729号に記載されているように、試薬と、ポリマー組成物の反応条件を操作することで、ポリマーコーティングからの抑制剤の放出を制御することができる。例えば1つ以上のポリマーコーティングの拡散係数を調節してポリマーコーティングからの抑制剤の放出を制御することができる。このテーマに関する1つのバリエーションでは、1つ以上のポリマーコーティングの拡散係数を制御することで医療装置が配置されている環境中に存在する分析物(例えばポリマーの一部の切断または加水分解を容易にする分析物)の能力を調節し、ポリマー組成物に含まれる1つ以上の成分にアクセス(し、例えばそのことによってポリマーコーティングからの抑制剤の放出を調節)することができる。本発明のさらに別の一実施形態は、複数のポリマーコーティングを持ち、そのそれぞれが複数の拡散係数を有する装置を含んでいる。本発明のそのような実施形態では、ポリマーコーティングからの抑制剤の放出は、それら複数のポリマーコーティングによって調節することができる。
本発明のさらに別の一実施形態では、ポリマーコーティングからの抑制剤の放出は、ポリマー組成物の特性(例えば1つ以上の内在性化合物または外来性化合物の存在、またはポリマー組成物のpH)の1つ以上を調節することによって制御される。例えばいくつかのポリマー組成物は、ポリマー組成物のpH低下に反応して抑制剤が放出されるように設計することができる。あるいはいくつかのポリマー組成物は、過酸化水素の存在に反応して抑制剤が放出されるように設計することができる。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物はさらに、1つ以上の追加の治療剤を含んでいる。いくつかの実施形態では、その1つ以上の追加の治療剤の選択は、細胞傷害性化学療法、抗がんワクチンまたは抗腫瘍ワクチン、抗免疫サイトカイン療法、免疫サイトカイン療法、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞受容体、遺伝子導入療法、チェックポイント阻害剤、コルチコステロイド、レチノイド様剤、抗新生物剤、インターフェロン類似体からなる群からなされる。いくつかの実施形態では、その1つ以上の追加の治療剤の選択は、TNFアルファリガンド阻害剤、TNF結合剤、IL-1リガンド阻害剤; IL-6リガンド阻害剤、IL-8リガンド阻害剤; IL-17アンタゴニスト、カルシニューリン阻害剤、TNFアンタゴニスト、レチノイン酸受容体ガンマアンタゴニスト、IL-17Aリガンド阻害剤;IL-17Fリガンド阻害剤、RIP-1キナーゼ阻害剤、スフィンゴシン-1-リン酸受容体-1アンタゴニスト、スフィンゴシン-1-リン酸受容体-1モジュレータ、ロー関連プロテインキナーゼ2阻害剤、IL-12アンタゴニスト;IL-23アンタゴニスト、II型TNF受容体モジュレータ、IL-23A阻害剤、PDE 4阻害剤、JAKチロシンキナーゼ阻害剤、Jak1チロシンキナーゼ阻害剤;Jak3チロシンキナーゼ阻害剤、ヒスタミンH1受容体アンタゴニストレチノイン酸受容体アゴニスト、膜銅アミンオキシダーゼ阻害剤、PI3Kモジュレータ、ホスホイノシチド-3キナーゼデルタ阻害剤、ミトコンドリア10 kDa熱ショックタンパク質刺激剤、アデノシンA3受容体アゴニスト、ガレクチン-3阻害剤、F1F0 ATPシンターゼモジュレータ、GM-CSFリガンド阻害剤、ビタミンD3受容体アゴニスト、グルココルチコイドアゴニスト、ヒスタミンH4受容体アンタゴニスト、CCR3ケモカインアンタゴニスト、エオタキシンリガンド阻害剤、スフィンゴシン-1-リン酸受容体-1モジュレータ、ホスホリパーゼA2 阻害剤、PDE 4 阻害剤、アルブミンモジュレータ、TLR-7アンタゴニスト、TLR-8アンタゴニスト、TLR-9アンタゴニスト、CD40リガンド受容体アンタゴニスト、Srcチロシンキナーゼ阻害剤、チューブリン結合剤、インターロイキン-1アルファリガンド阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ-1阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ-2阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ-3阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ-6阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、核因子カッパB阻害剤、STAT-3阻害剤、副甲状腺ホルモンリガンド阻害剤;ビタミンD3受容体アゴニスト、T細胞表面糖タンパク質CD28刺激剤、ヒスタミンH4受容体アンタゴニスト、TGFベータアゴニスト、P-セレクチン糖タンパク質リガンド-1刺激剤、DHFR阻害剤、レチノイン酸受容体ガンマモジュレータ、細胞質ゾルホスホリパーゼA2阻害剤、レチノイドX受容体モジュレータ、ベータ-カテニン阻害剤、CREB結合タンパク質阻害剤、TrkA受容体アンタゴニスト、T細胞分化抗原CD6阻害剤、ADPリボシルシクラーゼ-1阻害剤、インターロイキン-1ベータリガンドモジュレータ;インスリン受容体基質-1阻害剤、DHFR阻害剤、IL-8アンタゴニスト、CTLA-4(CD152)の活性を阻止する薬、PD-1(CD279)の活性を阻止する薬、PDL-1(CD274)の活性を阻止する薬、TIM-3の活性を阻止する薬、LAG-3(CD223)の活性を阻止する薬、VISTAの活性を阻止する薬、KIRの活性を阻止する薬、NKG2Aの活性を阻止する薬、BTLAの活性を阻止する薬、PD-1Hの活性を阻止する薬、TIGITの活性を阻止する薬、CD96の活性を阻止する薬、4-1BB(CD137)の活性を阻止する薬、4-1BBL(CD137L)の活性を阻止する薬、GARPの活性を阻止する薬、CSF-1Rの活性を阻止する薬、A2ARの活性を阻止する薬、CD73の活性を阻止する薬、CD47の活性を阻止する薬、トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(TDO)の活性を阻止する薬、インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性を阻止する薬、OX40のアゴニスト、GITRのアゴニスト、4-1BBのアゴニスト、ICOSのアゴニスト、STINGのアゴニスト、CD40のアゴニストからなる群からなされる。
投与方法
一般に、本明細書に提示されている治療法は、本明細書に提示されている1つ以上の化合物を有効量で患者に投与することを含んでいる。好ましい一実施形態では、本発明の化合物は、経口で、または局所的に患者(例えばヒト)に投与されることが好ましい。治療計画は、使用する化合物によって異なる可能性がある。一般に、1日に2回という投与計画がより好ましく、1日に1回の投与が特に好ましい。しかしどの個々の患者についても、具体的な用量レベルと治療計画は、さまざまな因子(使用する具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与時刻、投与経路、排泄速度、薬の組み合わせ(すなわち患者に投与されている他の薬)、治療中の具体的な疾患の重症度のほか、処方する医療従事者の判断)に依存するであろう。一般に、効果的な治療を提供するのに十分な最少用量を使用することが好ましい。患者は一般に、治療中または予防中の状態に適した医学的基準または獣医学的基準を利用して治療の有効性をモニタしてもらうことができる。
本発明の化合物と組成物は、経口経路、非経口経路(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内いずれかへの注射または輸液、皮下注射、インプラント)、吸入経路、鼻腔経路、膣経路、直腸経路、舌下経路、局所経路のいずれかによって投与することができ、単独で、または組み合わせて、各投与経路に適した従来からある非毒性で薬学的に許容される基剤、アジュバント、ビヒクルを含有する適切な単位用量の製剤にすることができる。本発明では、デポ製剤になった本発明の化合物と組成物の投与も考慮する。
体重1 kg当たり1日に約0.1 mg~約100 mgの程度の用量レベルが、病原性のCCR6および/またはCXCR2活性が関与する状態の治療または予防に有用である(ヒト患者では1日に約0.5 mg~約7 g)。用量レベルは、1日当たり約0.01~約25 mg/kgであることが好ましく;1日当たり約0.05~約10 mg/kgであることがより好ましい。適切な用量レベルとして、1日当たり約0.01~25 mg/kg、1日当たり約0.05~10 mg/kg、1日当たり約0.1~5 mg/kgのいずれかが可能である。この範囲内で、用量として1日当たり0.005~0.05、0.05~0.5、0.5~5.0、5.0~50 mg/kgのいずれかが可能である。経口投与に関しては、組成物は、治療する患者に対する用量を症状に関して調節するため、1.0~1000ミリグラムの活性成分、特に1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、1000.0ミリグラムの活性成分を含む錠剤の形態で提供することが好ましい。化合物は、1日に1~4回、好ましくは1日に1回または2回の計画で投与することができる。
1回量の剤形を作製するために基剤材料と組み合わせることのできる活性成分の量は、治療する宿主と具体的な投与様式に依存するであろう。単位剤形は、一般に約1 mg~約500 mgの活性成分を含むことになる。経口投与、経皮投与、静脈内投与、皮下投与のいずれかがなされる化合物に関しては、好ましいのは血清1 ml当たり5 ng(ナノグラム)~10μg(マイクログラム)の血清濃度を達成するのに十分な量の化合物を投与することであり、より好ましくは、血清1 ml当たり20 ng~1μgの血清濃度を達成するのに十分な量の化合物を投与すべきであり、最も好ましくは、血清1 ml当たり50 ng~200 ngの血清濃度を達成するのに十分な量の化合物を投与すべきである。
しかし特定の任意の患者に関する具体的な用量レベルと投与の頻度は変化する可能性があり、多彩な因子(使用する具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性と作用の長さ、年齢、体重、遺伝的性質、全体的な健康状態、性別、食事、投与の様式と時刻、排泄速度、薬の組み合わせ、具体的な状態の重症度、治療を受けている宿主が含まれる)に依存するであろうことが理解されよう。
I.実施例
実施例1:IL-36を媒介とする皮膚の炎症は、サイトカイン受容体CCR6を通じたシグナル伝達を必要とする
汎発性膿疱性乾癬(GPP)は稀な炎症性皮膚障害であり、より一般的な局面型乾癬とは病因が異なっている。GPP患者は、局面型乾癬で典型的に使用される治療剤に反応しないことがしばしばある。遺伝的証拠は、GPPがIL36/IL36Ra/IL36Rシグナル伝達軸の機能異常から生じることを示唆しており、あらかじめ活性化させたIL36をマウスに皮内(ID)注射することを通じてGPPの多くの態様を再現することができる。本発明者らは、このID-IL36モデルを利用して、GPPの皮膚内に蓄積する白血球集団を研究した。本発明者らは以前の研究において、小分子CCR6アンタゴニスト化合物1.129が、局面型乾癬の局所的イミキモド誘導モデルにおいて炎症を改善することを報告した。CCR6拮抗性は、このモデルにおいてIL-17分泌γδT(γδT17)の蓄積を阻止しており、それが、化合物1.129が疾患を緩和する機構であるように見える。本発明者らは、本研究において、IL36によって炎症になった皮膚にγδT17細胞が蓄積しないことを見いだした。その代わりに、従来のCD4+αβT細胞集団が、このモデルにおいて蓄積する。化合物1.129は、IL36によって誘導される炎症を減らす一方で、このCD4+αβT細胞集団の蓄積を阻止する。したがって互いに類似性のないT細胞集団が各モデルと関係しているとはいえ、炎症は、CCR6拮抗性とCXCR2拮抗性によって両者で改善される。これらの知見は、CCR6が、GPP療法のための機構的に異なるアプローチのための新規な標的を構成している可能性があることを示唆している。
実施例2:ケモカイン受容体とリガンドの相互作用を抑制すると、IL-36によって誘導される炎症が逆転する
材料と方法
ケモカイン受容体阻害剤の活性をインビトロで求めるため、化合物1.136をDMSOに溶かして10 mMの貯蔵濃度にし、それを走化性移動バッファ(HBSS、1%BSA、1%HEPES)の中でさらに希釈して100 nM~0.01 nMの範囲の10点阻害剤勾配を生成させた。その後、ChemoTxプレート(Neuroprobe社、ゲイザースバーグ、メリーランド州)を用い、CCR6活性に関してはrmCCL20に、CXCR2活性に関してはrmCXCL1に反応する移動アッセイを100%マウス血清の中で実施し、移動した細胞を、CyQuant(Thermo Fisher社)で蛍光染色することによって評価した。
Balb/cマウスをJackson Laboratories社(バー・ハーバー、メイン州)から購入し、アメリカ合衆国学術研究会議の「実験動物の管理と使用に関する指針」に記載されているガイドラインに従ってChemoCentryx動物施設に収容した。すべての研究が、ChemoCentryx Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認された。
生体内投与のため、特に断わらない限り、研究の0日目から開始してマウスの皮下に化合物1.136を90 mg/kgで1日に1回投与した(1%HPMCの中でs.c. q.d.)。生体内用量は、インビトロでの効力と、マウスでの単回投与に対する薬物動態反応に基づいて予測した。勾配を感知する化学誘引物質受容体を完全にカバーするための(トラフでの)アンタゴニスト最小濃度を求め、IC90濃度に対応させた(Schall, T. J.とA. E. Proudfoot 2011年「ケモカイン受容体を標的とする成功する薬を開発するため障害を乗り越える」Nat Rev Immunol第11巻:355~363ページ)。100%血清中の化合物1.136のIC90は、CCR6抑制に関しては45 ng/mlであり、CXCR2抑制に関しては145 ng/mlである。30、60、90 mg/kgの化合物1.136に関して生体内で実現されたトラフにおける実際の濃度を表1に示す。
Figure 0007322036000019
IL36によって誘導される耳の厚み増大のマウスモデル。8週齢のBalb/cマウスの右耳に組み換えマウスIL-36α(マウス1匹につき、PBS中の製剤にした150μg;BioLegend社)を5日間にわたって毎日皮内注射した。対照として左耳にPBSを皮内注射した。研究を開始する前と、研究中の毎日、ディジタル式マイクロメータを用いて耳の厚みを測定した。乾癬性皮膚炎のイミキモドモデルを以前に記載されているようにして実施した(Campbell J他J Immunol 2017年;第199巻(9):3129~3136ページ;van der Fits他J Immunol 2009年;第182巻(9):5836~5845ページ)。簡単に述べると、Balb/cマウスの剃毛と脱毛をした背中に5%イミキモド(Fougera(登録商標))を毎日、4日間まで塗布した。対照マウスはワセリンを塗布して処理した。紅斑と、落屑と、皮膚の厚み増加を、独立に、0~4のスケールで得点化した:0=疾患なし;1=わずかな疾患;2=中程度の疾患;3=顕著な疾患;4=非常に目立つ疾患(Campbell J他J Immunol 2017年;第199巻(9):3129~3136ページ;van der Fits他J Immunol 2009年;第182巻(9):5836~5845ページ)。研究の終了時にマウスの背中から皮膚を切除し、フローサイトメトリー分析のための処理をした。
白血球のフローサイトメトリー。耳または切除された皮膚サンプルを37℃にてコラゲナーゼAと1 U/ml DNアーゼIの中で30分間撹拌しながら消化させた。次に細胞を皮膚から取り出し、70μMの篩を通過させて濾過し、洗浄し、FACSバッファ(10%FBSを含むPBS)の中に再懸濁させて分析した。
直接コンジュゲートしたモノクローナル抗体は、R&D Systems社(ミネアポリス、ミネソタ州)、BioLegend社(サン・ディエゴ、カリフォルニア州)、eBioscience/ThermoFisher社(サン・ディエゴ、カリフォルニア州)いずれかからのものであった:AlexaFluor488抗CD45.2抗体(104)、PE 抗Ly6C抗体(HK1.4)、Per CP-Cy5.5抗CD90.2抗体(30-H12)、PE-Cy7抗TCRVγ4抗体(UC3-10A6)、APC 抗TCRβ抗体(H57-597)、APC-eFluor-780抗CD4抗体(GK1.5)、BV-421抗TCRγδ抗体(GL3)、LIVE/DEAD固定可能Aqua染色(Molecular Probes社、ユージン、オレゴン州)、BV650抗CD11c抗体(N418)、BV711抗Ly6G抗体(1A4)、BV785抗CD11b抗体(M1/70)。フローサイトメトリーのデータは、Fortessa(BD Biosciences社)サイトメータで取得し、FlowJo v10.2を用いて分析した。
炎症のある皮膚から抽出された白血球のフローサイトメトリーの結果を示す図5と図11は、一群の非コンジュゲートモノクローナル抗体(またはそのアイソタイプが一致した対照)の後に、適切なAPCでコンジュゲートしたポリクローナル抗体(FAB)2(Jackson ImmunoResearch社、ウエスト・グローヴ、PA、アメリカ合衆国)を含んでいた。これらの非コンジュゲート試薬には、R&D Systems社(ミネアポリス、ミネソタ州)からの抗CCR6抗体(140706)と、BioLegend社(サン・ディエゴ、カリフォルニア州)からの抗CXCR2抗体(SA044G4)が含まれていて、すべてIgG2asである。系譜マーカーCD103、CD11c、FLT3、CD205、F4/80に対する非コンジュゲートMAbはすべて、BioLegend社から入手した。非コンジュゲートモノクローナル抗体とAPCポリクローナル抗体で染色した後、細胞を10%マウス血清、10%ハムスター血清、10%ラット血清(Jackson ImmunoResearch社)でブロックしてから直接コンジュゲートした抗体で染色した。
マウス抗IL-17RA(R&D Systems社)を陽性対照としてマウス1匹当たり200~500μg腹腔内に1日1回投与した。マウス1匹当たり1日に200μg/mlの用量が、この処理に関する最大活性のプラトー内で良好であることが見いだされた(図6A)。
皮膚内のケモカインタンパク質濃度の多重分析。皮内IL-36α処理の4日後に回収した耳の組織を、プロテーゼ阻害剤(Roche社)を含む冷たいPBSの中で均質にした後、遠心分離してデブリを除去した。多重アッセイキットを製造者(R&D Systems社)の指示に従って用いて可溶性分画を調べ、MagPix(Luminex社)分析器で読み取った。組織のケモカイン濃度は、標準的なBradfordアッセイを利用して各サンプルで測定した全タンパク質レベルに規格化した。
ヘマトキシリンとエオシン(H&E)染色に関しては、耳の組織をパラフィン包埋するため最初にパラホルムアルデヒドの中に固定した。サンプルを標準的な手続きによって処理した。上皮の厚みは、Photoshop CS4ソフトウエア(Adobe(登録商標))を用い、H&E染色した耳の切片の長さの中央1/3(病変を含む領域)に沿って7回測定した平均値として測定した。
統計的有意差は、GraphPad Prism 6.0ソフトウエアを用いてマン-ホイットニー計算によって求めた。
結果と考察
乾癬の2つのマウスモデルから取得した炎症のある皮膚の中の炎症性細胞の集団を比較した。局面型乾癬については、よく確立されたイミキモド(IMQ)モデルを使用し(van der Fits他J Immunol 2009年;第182巻(9):5836~5845ページ)、脱毛した皮膚の表面にTLR 7/8アゴニストIMQを毎日塗布した。GPPについては、活性化されたマウスIL-36αを耳に毎日皮内注射した。
処理の4日後、フローサイトメトリーにより、皮膚から単離された炎症性細胞浸潤液(図2に示されているようにゲートをかけた)は、2つのモデルの間でかなり異なることがわかった。IMQ処理は好中球の大きな集団を生成させた(図3Aと図3C)のに対し、活性化されたIL-36αは、T細胞、好中球、Ly6Chi/Ly6G-骨髄細胞をほぼ同じ数で生成させた(図3Bと図3C)。各モデルからのT細胞集団は非常に分散してもいて(図3D);IMQで処理した皮膚(斜線入りの灰色の棒)は(以前に観察されたように(Cai他 Immunity 2011年;第35巻(4):596~610ページ;Campbell J他 J Immunol. 2017年;第199巻(9):3129~3136ページ))γδT17(Vγ4+)集団が顕著であり、IL-36αを注射した皮膚からのT細胞(鉛直線入りの灰色の棒)は、ほぼすべてがCD4+「従来型」αβT細胞で構成されていた。
IL-36によって誘導される骨髄皮膚集団は、骨髄細胞と樹状細胞の両方に特徴的なマーカーの組み合わせを発現した(図11)。これらの細胞は、CD103、CD11c、F4/80を発現した。これらの細胞は、古典的樹状細胞(cDC)の診断マーカーであるFlt3を発現せず、CD205(DEC205)も発現しなかった(図11)。この免疫表現型と、活性な炎症状態の皮膚の中でのこれら細胞の位置に基づき、これらの細胞は単球由来の炎症性樹状細胞(iDC)であると本発明者らは考える(Merad他 Annu Rev Immunol 2013年;第31巻:563~604ページ)。そこで以下ではこれらの細胞をそう呼ぶことにする。
本発明者らは、CCL20とCXCR2に対するケモカインリガンドがIL-36αを用いた処理によって皮膚で有意に増加することを観察した(図4)が、これは以前の研究と一致している(Campbell, J. J.、K. Ebsworth、L. S. Ertl、J. P. McMahon、D. Newland、Y. Wang、S. Liu、
Z. Miao、T. Dang、P. Zhang、I. F. Charo、R. Singh、T. J. Schall、2017年「IL-17を分泌するガンマデルタT細胞は、炎症のある皮膚へのホーミングに関してCCR6に全面的に依存する」J Immunol第199巻:3129~3136ページと、van der Fits, L.、S. Mourits、J. S. Voerman、M. Kant、L. Boon、J. D. Laman、F. Cornelissen、A. M. Mus、E. Florencia、E. P. Prens、E. Lubberts. 2009年「マウスでイミキモドによって誘導される乾癬様皮膚炎はIL-23/IL-17軸を通じて媒介される」J Immunol第182巻:5836~5845ページ)。本発明者らはフローサイトメトリーを利用し、IL-36に反応して蓄積したCD45+浸潤液の大半を含む3つの白血球亜型それぞれの表面におけるCCR6とCXCR2の発現を調べた(図5)。これら3つのうちで好中球だけが、アイソタイプ対照染色よりも高いレベルでCXCR2を発現した(図5B、左列)。iDCの半数未満とCD4 T細胞の半数超がCCR6を発現した(図5A、右列)。
炎症のある皮膚の中でCCR6とCXCR2のリガンドが目立つことに加え、IL-36αによって誘導されたサブセットがこれら2つの受容体を発現していることから、本発明者らは、CCR6/CXCR2アンタゴニストが皮膚の中にこれら細胞が蓄積するのを阻止(し、そのことによってIL-36αが誘導する皮膚の炎症を改善)する効果を評価してみることにした。化合物1.136は分子量が440以下の小分子であり、走化性のインビトロ抑制を100%血清内で実施することによって評価したIC50は、マウスCCR6については10 nM、マウスCXCR2については20 nMである。下記の表に、化合物1.136のインビトロ抑制に関するさらなる情報が提示されている。
Figure 0007322036000020

a血清中のmCCL20へのmCCR6をトランスフェクトされたBaF3細胞の走化性のIC50
b血漿中のmCXCL1へのマウス骨髄細胞の走化性のIC50
c血清中のmCCL3へのマウスWEHI-274.1細胞の走化性のIC50
d血清中のmCCL2へのマウス骨髄細胞の走化性のIC50
e血清中のmCCL22へのmCCR4をトランスフェクトされたBaF3細胞の走化性のA2
f血清中のmCCL5へのmCCR5をトランスフェクトされたBaF3細胞の走化性のIC50
g血清中のmCCL19へのマウス脾臓細胞の走化性のIC50
h血清中のmCCL25へのマウス胸腺細胞の走化性のIC50
i血清中のmCXCL12へのマウスBaF3-WTの走化性のIC50
PBSだけ(陰性対照)を、または活性化されたIL-36αを含むPBSを1日に4回皮内注射した後に耳の厚みを測定した(図6)。PBSで処理した耳の厚みの平均値は約2.5 mmであり、IL-36αで処理した耳の厚み(約5.0 mm、図6A)の半分であった。化合物1.136を1日に1回皮下投与する(マウスの背中、IL-36で処理した耳から遠位)と、IL-36によって誘導される耳の厚みが用量に依存して低下することが実現された(図6A)。経時変化から、化合物1.136の効果は処理してから2日後に認められることが明らかになった(図6Bと図7A)。
次に、化合物1.136の有効性をα-IL-17RAモノクローナル抗体(マウス1匹当たり200または500μgを1日に1回腹腔内投与)の有効性と比較した。抗IL-17RA処理は、IL-36によって誘導される耳の腫れを減らすのに有効であった(図6A)が、効果は90 mg/kgの用量の化合物1.136よりも有意に少なかった。飽和用量の抗IL-17RA MAbと90 mg/kgの化合物1.136の間の有効性の違いは、処理してから2日後に明白になった(図6B(500μg/マウス/日にて、抗IL-17RA MAb処理を、このMAbに関してアイソタイプが一致した対照と直接比較した結果については図7Bも参照されたい))。
次に、PBS(対照)で、または活性化されたIL-36αで処理してから4日後に採取したマウスの耳の切片を調べ、上皮の厚みを測定した(図8A、図8B、図9)。図6に示した耳の腫れの直接的な測定と一致するように、上皮の厚み増大は、PBSで処理した耳と比べてIL-36αで処理した耳で明白であった(図9A)。化合物1.136または抗IL-17RAを投与すると、IL-36αを媒介とした上皮の厚みが有意に減少した(図9B)。
化合物1.136の投与により、IL-36αに誘導される真皮、上皮、皮膚全体の厚みが減少した(図8C)。それに加え、角質層は完全なままに留まり、白血球浸潤が減少した。抗IL-17RAの投与は、IL-36で処理した皮膚に対する有益な効果も持っていた(図8D)。
次に本発明者らは、IL-36で処理した皮膚の中に蓄積する炎症性細胞サブセットに対する化合物1.136の効果をフローサイトメトリーによって評価した(図10)。免疫細胞は、IL-36αを耳に1日4回注射して化合物1.136またはα-IL-17RA MAbで処理した皮膚から単離した。化合物1.136は、CD4+ T細胞と、好中球と、炎症性iDCの蓄積を有意に減らすことを本発明者らは見いだした。逆にα-IL-17RAは、CD4+ T細胞の蓄積を減らさなかったが、好中球とiDCに対しては化合物1.136と同様の効果を持っていた。
膿疱性乾癬は、いくつかの亜型を含む稀な皮膚疾患であり、その中には汎発性形態と局在形態の両方が含まれる(Benjegerdes他Psoriasis (Auckl) 2016年;第6巻:131~144ページ;Mahil他Semin Immunopathol 2016年;第38巻(1):11~27ページ;Navarini他J Eur Acad Dermatol Venereol 2017年;第31巻(11):1792~1799ページ)。汎発性形態(GPP)は、大きな罹患率と、いくつかの場合には死亡率に関係する(Borges-Costa他Am J Clin Dermatol 2011年;第12巻(4):271~276ページ)。IL-36RN遺伝子における機能喪失変異は、GPP患者、特に局面型乾癬の症状が付随することのない患者に共通している(Marrakchi他N Engl J Med 2011年;第365巻(7):620~628ページ)。IL-36RN遺伝子は、IL-36受容体アンタゴニスト(IL-36RA)として知られるタンパク質をコードしている。健康な個人では、IL-36RAは、IL36受容体(IL-36R)への結合に関し、活性化されたIL36αサイトカイン、および/または活性化されたIL36βサイトカイン、および/または活性化されたIL36γサイトカインと競合し、IL-36Rに、ホメオスタシスの維持を助ける抗炎症特性を与える。IL-36RAの構造と機能が異常だと、炎症性のサイトカインとケモカインの分泌がうまく調節されなくなる(Marrakchi他N Engl J Med 2011年;第365巻(7):620~628ページ)。ここでは、活性化されたIL-36αをマウスの皮膚に直接皮内注射した後の皮膚の厚みと白血球の浸潤を減らすことに関してCCR6/CXCR2の小分子アンタゴニストのほうが抗IL-17療法よりも有効であったことを報告する。
GPPは、膿疱性発疹と紅斑の広い出現を特徴とする。急性バリアントでは、患者は通常、全身性の病気であるように見える。なぜなら膿疱性発疹の突然の出現に痛みと発熱が伴うからである。生命を脅かす白血球増加症、電解質の異常、低アルブミン症、上昇した肝臓酵素も、急性バリアントで発生する可能性がある(Benjegerdes他Psoriasis (Auckl) 2016年;第6巻:131~144ページ)。GPPに関しては承認されている治療法は存在しない。この疾患は発生が稀であるという理由で、治療に対する反応を評価する標準化された方法が存在しない。治療の転帰に関するデータは、主として、後ろ向き研究、症例報告、専門家の見解からなる(Benjegerdes他Psoriasis (Auckl) 2016年;第6巻:131~144ページ;Robinson他J Am Acad Dermatol 2012年;第67巻(2):279~288ページ)。
GPPに関する現在の治療法は、全身性の病気である患者の支持療法の後に、この皮膚疾患を制御するための医療を含んでいる(Robinson他J Am Acad Dermatol 2012年;第67巻(2):279~288ページ)。ゆっくりと進行する慢性疾患は、典型的には経口レチノイドまたはメトトレキサートによって管理される。急性疾患は、シクロスポリンか、抗TNFα生物学的製剤の1つを用いて治療される。これら治療法の中に非常に有効なものはなく、すべて副作用を伴う(Robinson他J Am Acad Dermatol 2012年;第67巻(2):279~288ページ)。したがって臨床では、GPPを管理するための新たな治療法と新たな臨床標的が必要とされている状態が続いている。
このモデルは、IL-36で処理した皮膚に蓄積するT細胞と好中球に加え、本発明者らがiDCであると考える多数の骨髄細胞も生成させる。後者の集団は、DCとマクロファージ両方のマーカーを発現する。これらの細胞はFLT3/CD135を発現しないため、古典的なDCではなく単球に由来すると本発明者らは考えている。ヒト血液からの単球由来のDCはIL-36Rを高レベルに発現することが以前に実証されている(Foster他J Immunol 2014年;第192巻(12):6053~6061ページ)。マウスの皮膚からのiDCがヒト血液の単球由来のDCと似た特性を有することが証明されるのであれば、これらの細胞は、本研究で用いるモデルにおいてIL-36によって誘導される炎症の重要なモジュレータになることができる。
IL36αモデルを用いて化合物1.136の有効性をα-IL-17RA MAbの有効性と比較した。IL-17軸に対する生物学的製剤が、臨床ではGPPの第二選択の治療としてしばしば利用されている(Imafuku他J Dermatol 2016年;第43巻(9):1011~1017ページ)。90 mg/kgの用量の化合物1.136が、耳の腫れを減らすのにα-IL-17RA(500 mg/マウス/日)よりもはるかに有効であることを本発明者らは見いだした(図8)。α-IL-17RAを用いた処理は皮膚内への好中球とiDCの蓄積を有意に減らすが、CD4+αβT細胞のカウント数は影響を受けなかった。したがってα-IL-17RAを上回る化合物1.136の追加の抗炎症効果は、CD4+αβT細胞の減少と密接に対応している。
まとめると、活性化されたIL-36αを皮膚に注射したことで生じる炎症には、GPP患者で見られるのと同様、好中球と、iDCと、CD4 T細胞の蓄積が関与していることを本発明者らは示した。化合物1.136によるCCR6とCXCR2の選択的な抑制によってこれら3つのタイプすべての炎症性細胞が減少し、皮膚の炎症が改善された。IL-17軸の阻止により、皮膚への好中球とiDCの蓄積は逆転したが、CD4 T細胞の蓄積はそうならなかった。化合物1.136は、IL-36αによって誘導される乾癬のこのモデルにおいて評価した飽和濃度のα-IL-17RAモノクローナル抗体よりも有効な治療剤である。これらの知見は、CCR6/CXCR2拮抗性が、この疾患を媒介している可能性が大きい炎症性細胞に特異的に作用することにより、新規な標的クラスと、(GPPにおけるように)IL-36サイトカイン軸の異常を治療する機構的に異なる治療アプローチを構成する可能性があることを示唆している。
明確に理解されることを目的として図解と実施例によっていくぶん詳細に本発明を記載してきたが、当業者は、添付の請求項の範囲内でいくらかの変更と改変が可能であることがわかるであろう。それに加え、本明細書に提示されているそれぞれの参考文献は、その全体が参照により、各参考文献が個別に参照によって組み込まれているのと同じように組み込まれている。本出願と、本明細書に提示されている参考文献の間に矛盾が存在する場合には、本出願が優先する。

Claims (9)

  1. 汎発性膿疱性乾癬(GPP)治療するための医薬組成物であって、有効量のケモカイン受容体6(CCR6)および/またはC-X-Cモチーフケモカイン受容体2(CXCR2)のアンタゴニストを含有し、前記CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストが、式(A1):
    (式中、
    R 1a はCH 3 とClから選択され;
    R 1b はHまたはCH 3 であり;
    R 3 はHまたはDであり;
    R 4 はHであり;
    R 5a とR 5b は、それぞれ独立に、H、F、Cl、Br、およびCH 3 から選択され;
    R 6a とR 6b は、それぞれ独立に、HとCH 3 から選択され;
    R 7 はメチルまたはエチルである)
    を有する化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物である、医薬組成物。
  2. R 1a がCH 3 である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. R 5b が、HまたはFである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. R 6a とR 6b が、それぞれHである、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 前記化合物が、以下:
    からなる群から選択された化合物、あるいはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
  6. 前記CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストが、式:
    を有する化合物、あるいはその薬学的に許容される塩である、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストが、式:
    を有する化合物、あるいはその薬学的に許容される塩である、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 前記CCR6および/またはCXCR2のアンタゴニストが、式:
    を有する化合物、あるいはその薬学的に許容される塩である、請求項1~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 前記対象がヒト対象である、請求項1~8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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