JP7321818B2 - シンチレータユニット、及び放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、シンチレータユニット、及び放射線検出器に関する。
放射線検出器は、医療現場などでの被写体の放射線による撮影に用いられており、主に放射線(例えば、X線)により光を発生するシンチレータ、及び2次元に配列した受光素子を含む検出部で構成されている。被写体にX線を照射すると、被写体を透過したX線によりシンチレータから光が発生し、その発生した光を検出部が検出することで、透過したX線の2次元像が得られる。
シンチレータで発生した光を受光素子に効率よく伝達させ、放射線検出器の放射線に対する感度を向上させるために、シンチレータとして複数の柱状結晶を含む柱状結晶群が用いられる。この柱状結晶群に含まれる各柱状結晶の間には、空気を含む空隙が形成されている。柱状結晶としてヨウ化セシウム(CsI)などのアルカリハライド結晶を用いることで、屈折率の大きい柱状結晶から屈折率の小さい空気を含む空隙に光が入射する際に、入射光が柱状結晶と空隙との境界面で透過せずに反射する。このように、2つの媒質の屈折率差により生じる「全反射」という物理現象を利用することで、シンチレータから発生する光があらゆる方向に出射しても、柱状結晶内で発生した光が検出部まで導かれることとなる。
また、シンチレータから発生する光の大部分を検出部に導くために、シンチレータの検出部が配置された面とは反対の面に接着層を介して反射層が取り付けられている場合がある。例えば、特許文献1には、放射線が入射する方向から順に、空気層、誘電体多層反射膜、接着層、蛍光体層、及び光検出器を含むフラットパネルディテクタ(FPD)が記載されている。
国際公開第2016/167334号
本発明者らは、特許文献1に記載のFPDの構成において、蛍光体層としてCsIを含む柱状結晶群(屈折率=1.74)、接着層としてアクリル系樹脂を含む層(屈折率=1.45)を用い、検討を行った。その結果、蛍光体層に含まれる柱状結晶から発生した光が、蛍光体層と隣接する接着層との界面で反射されにくく、接着層にまで光が漏れてしまうことが分かった。
また、接着層に入射した光は、接着層内で減衰してしまい、放射線に対する感度についてさらなる向上の余地があることが判明した。
さらに、蛍光体層に含まれるある柱状結晶から発生した光は、接着層内で伝播・拡散した後、別の柱状結晶に入射してしまい、得られる画像の鮮鋭度(解像度)についてさらなる向上の余地があることが判明した。
したがって、本発明の目的は、シンチレータから接着層への光の漏れを抑制できるシンチレータユニットを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記シンチレータユニットを用いて、放射線に対する感度、及び得られる画像の解像度を向上させることが可能な放射線検出器を提供することにある。
本発明は、シンチレータと支持体との間に接着層を備えるシンチレータユニットであって、前記シンチレータと前記接着層との間に前記接着層よりも屈折率の低い低屈折率層を有することを特徴とするシンチレータユニットに関する。
また、本発明は、シンチレータと支持体との間に接着層を備えるシンチレータユニットと、前記シンチレータから発生する光を検出する検出部とを備える放射線検出器であって、前記シンチレータユニットが、前記シンチレータと前記接着層との間に前記接着層よりも屈折率の低い低屈折率層を有し、前記検出部が、前記シンチレータを介して前記低屈折率層と対向していることを特徴とする放射線検出器に関する。
本発明によれば、シンチレータから接着層への光の漏れを抑制できるシンチレータユニット、並びに放射線に対する感度、及び得られる画像の解像度を向上させることが可能な放射線検出器を提供することができる。
本発明のシンチレータユニットの一実施形態を模式的に示す(a)概略断面図、及び(b)概略断面図の拡大図である。 本発明のシンチレータユニットの一実施形態を模式的に示す(a)概略断面図、及び(b)概略断面図の拡大図である。 低屈折率層の一実施形態を模式的に示す概略断面図である。 本発明の放射線検出器の一実施形態を模式的に示す概略断面図である。 本発明のシンチレータユニットの走査型電子顕微鏡(SEM)により得られる(a)画像、及び(b)拡大画像である。 本発明のシンチレータユニットのSEMにより得られる画像である。
本発明のシンチレータユニットは、シンチレータと支持体との間に接着層を備える。さらに、シンチレータと接着層との間には、接着層よりも屈折率の低い低屈折率層を有する。本発明者らは、特許文献1に記載のFPDの構成において、蛍光体層としてCsIを含む柱状結晶群(屈折率=1.74)、接着層としてアクリル系樹脂を含む層(屈折率=1.45)を用い、検討を行った。その結果、蛍光体層に含まれる柱状結晶から発生した光は、蛍光体層と隣接する接着層との界面で反射しにくく、接着層まで光が漏れやすいことが判明した。ここで、「全反射」は、2つの媒質の屈折率差が大きいほど、生じやすい現象である。蛍光体層と隣接する接着層との屈折率差が小さいため、蛍光体層と接着層との界面で「全反射」が生じにくいことが推測された。そこで、本発明者らは、蛍光体層(本発明における「シンチレータ」)と接着層との間に接着層よりも屈折率の低い低屈折率層を配置させることとした。
シンチレータと接着層との屈折率差と比べて、シンチレータと低屈折率層との屈折率差は、大きいため、シンチレータと低屈折率層との界面で、シンチレータからの光が反射されやすい。これにより、シンチレータから接着層に光が漏れにくくなる。その結果、このようなシンチレータユニットを用いた放射線検出器は、放射線に対する感度が向上する。また、シンチレータから発生した光が接着層内で伝播・拡散しにくいため、得られる画像の解像度も向上する。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に述べる。各種の物性値は、特に断りのない限り、25℃における値である。
図1は、本発明のシンチレータユニットの一実施形態を模式的に示す(a)概略断面図、及び(b)概略断面図の拡大図である。図1(a)において、シンチレータユニット100は、シンチレータ105に、低屈折率層104、接着層103、及び支持体101が順に配置された構成である。シンチレータユニット100に放射線106が入射する方向は、矢印で示す。シンチレータユニット100の各構成について、以下、詳細に説明する。
[シンチレータ105]
図1(b)は、図1(a)中の四角で囲んだ領域の拡大図である。本発明のシンチレータユニット100に用いるシンチレータ105は、放射線(X線、γ線、荷電粒子など)により発光する材料を含み、かつ、柱状(針状と表現することもある)の形状を有する結晶が複数集合したもの(柱状結晶群と記載する)であると好ましい。シンチレータ105として柱状結晶群を用いることで、光が導波しやすくなり、光の散乱を抑制できる。これにより、接着層への光の漏れをさらに抑制できるし、柱状結晶から発生した光が別の柱状結晶に入射しにくくなり、得られる画像の解像度が向上する。
本発明のシンチレータユニット100は、検出部を有するセンサパネル上にシンチレータを直接成膜する方法で製造される放射線検出器に特に好適に用いられる。この場合、シンチレータ105をシンチレータ膜と表現することもある。
図1(b)に示すように、柱状結晶102は、その中心軸107が放射線106の入射方向と平行に配置されていることが好ましい。ただし、放射線106の入射方向に対して厳密に平行である必要はなく、許容される傾きは、10度以内であることが好ましく、5度以内であることがさらに好ましい。また、柱状結晶102の傾きが均一でなくても構わない。厳密に平行でないことが本発明の効果へ及ぼす影響は小さい。放射線106によりシンチレータ105が発したシンチレーション光109は、柱状結晶102内で反射を繰り返して伝播する。
柱状結晶群は、各柱状結晶の径が必ずしも同じである必要はなく、径の異なるものの集合体であってもよい。ここで、柱状結晶の径とは、柱状結晶の中心軸に対して垂直な断面を観察する際の円相当径を指す。本発明における「円相当径」とは、顕微鏡観察法において一般的である「投影面積円相当径」を表し、投影面積と同面積を有する深淵の直径を表す。柱状結晶の径は、0.01μm以上50μm以下であることが好ましく、0.1μm以上15μm以下であることがさらに好ましい。また、柱状結晶の径は、その一方の端から他方の端までの間で、0.01μm以上50μm以下の範囲内で変化していても構わない。
柱状結晶の径が0.01μmより小さいと、光の波長に比べて径がかなり小さいため、幾何学的な光回折や光学的散乱が起きにくくなる。そのため、光が各柱状結晶側面の境界を越え、柱状結晶群の中に広く伝播してしまい、分解能を下げる要因となり得る。また、柱状結晶の径が50μmより大きいと、柱状結晶の側面で全反射しない光が増え、多くの光が、発生した柱状結晶と隣接する柱状結晶に漏れ出てしまう恐れがある。
柱状結晶102の中心軸107方向の長さは、均一であることが好ましい。柱状結晶群の長さが揃っているほど、優れた解像度が得られるという傾向がある。ただし、必ずしも一様である必要はなく、長いものや短いものがシンチレータ105に含まれていてもよい。例えば、短い柱状結晶から漏れ出たシンチレーション光は、近くの柱状結晶内に入り、そのまま直下の受光素子に向かって柱状結晶シンチレータ内を進行することができる。したがって、必要な解像度が得られれば、シンチレータ105の柱状結晶の構成は問わない。
また、シンチレータ105において、柱状結晶102内に空隙または光散乱体が存在していても構わない。空隙又は光散乱体によりシンチレーション光は散乱するが、その散乱光は、近くの柱状結晶内に入り、直下の受光素子に向かって柱状結晶内を導波することができる。
シンチレータ105として適用可能な材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、典型元素、又は希土類金属のハロゲン化物などが挙げられる。その他、酸化物、窒化物、カルコゲン化物、13族-14族化合物などが挙げられる。具体的には、TlドープNaI、TlドープCsI、NaドープCsI、LuSiO、CeドープLuSiO、GdSiO、BiGe12、ZnWO、CdWO、PbWO,LuAlO、CeドープYAl12、CeドープYAlO、CeドープLuAl12、PrドープLuAl12、CeFなどが挙げられる。なかでも、シンチレータ105は、TlドープCsIを含むことが好ましい。
[支持体101]
シンチレータ105で発生した光の約半分は、柱状結晶102内で反射を繰り返しながら、支持体101及び接着層103が配された面と対向する面(光取り出し面とよぶ)の方向に進むが、残り約半分の光は支持体101の方向に進みうる。接着層103とシンチレータ105の間に接着層103よりも屈折率の低い低屈折率層104を配置することで、支持体101の方向に進む光は、その多くが柱状結晶102と低屈折率層104との界面で反射され、光取り出し面に導かれる。
支持体101の少なくとも一部は、反射層、又は光吸収層を含むことが好ましい。支持体101が光を反射する反射層を含むと、接着層にまで漏れ出た光が反射して再びシンチレータ内にもどって光取り出し面へ進行するため、検出される光が増え、放射線に対する感度を高めることができる。
反射層としてはアルミニウムなどの金属材料を用いることができる。また、反射層として、金属材料よりも反射率の高い誘電体多層反射層を用いることが好ましい。これにより、放射線に対して感度がより高くなる。シンチレータ105上に、低屈折率層104、及び反射層が配置される。低屈折率層104と反射層は、接着層103により接合される。接着層103は、空間充填層とも呼ばれることもある。
支持体101が光を吸収する光吸収層を含むと、接着層103にまで漏れ出た光を吸収するため、ある柱状結晶から出たシンチレーション光が他の柱状結晶へ入射するのを抑制できる。光吸収層は、光の一部を吸収してもよいし、光の全部を吸収してもよい。光吸収層を用いる場合、放射線に対する感度は低下するものの、得られる画像の解像度は向上する。光吸収層としてはカーボン粒子を含有したシートなどを用いることができる。
シンチレータユニットは、柱状結晶の延伸方向の先端部と接着層との間に低屈折率層を有することが好ましい。低屈折率層104をシンチレータ105(柱状結晶群)の片側に配置することで、柱状結晶102と低屈折率層104との界面で光の全反射効率が向上し、シンチレータから接着層103へ光が漏れにくくなる。
図1に示す本発明の構成において、シンチレータ105、低屈折率層104、接着層103は、この順に配置されている。低屈折率層104がシンチレータ105と接着層103の間に挿入され、かつ、シンチレータ105に接するように低屈折率層104を形成することが重要である。これにより、柱状結晶102から接着層103に漏れ出る光を大きく低減することができる。
ここで、シンチレータ105としてCsI(n=1.74)柱状膜を用いたシンチレータユニットについて説明する。低屈折率層(n=1.15)をCsI上面に配置することで、低屈折率層とCsIの界面における全反射効率が向上し、多くの光をCsI内部に留めることが可能となる。結果として、シンチレータユニットを用いた放射線検出器の、放射線に対する感度、及び得られる画像の解像度を向上させることができる。すなわち、放射線106がシンチレータ105に入射し、発光点108において、可視光に変換されたとする。発生した光のうち、低屈折率層104との界面に到達したシンチレーション光109は、全反射によりシンチレータ105の内部に留まる割合が大きくなる。
CsI(n=1.74)と接するようにアクリル系樹脂を含む接着層(n=1.45)が配置された従来の構成と、CsIと接するように低屈折率層104が配置された本発明の構成で、CsIとの界面における全反射効率を比較する。CsI上面から出射する光の立体角に対して、スネルの法則から全反射効率を算出した。CsI上面の1点から、その上面の媒体に入射する光のうち、全反射が生じずに上面の媒体に入る光の割合Sは、S=1-cos[arcsin(n/1.74)]と表される。上面の媒体の屈折率が1.74の場合、屈折率の差が生じないため、すべての光が透過し、S=1である。上面の媒体の屈折率が、n=1.45の場合S=0.45、n=1.20の場合S=0.28、n=1.15の場合S=0.25、n=1.10の場合S=0.23、となる。すなわち、接着層(n=1.45)を低屈折率層とした場合、CsIから漏れる光の割合は、低屈折率層の屈折率が、n=1.20の場合で38%減少、n=1.15の場合で44%減少、n=1.10の場合で49%減少する。
[接着層103]
支持体101と低屈折率層104とを接着する機能があれば、接着層103の材質は特に限定されない。接着層103としては汎用的な熱可塑性樹脂を用いることができる。透明度の観点から、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。
別の構成として、図2に示すように、光散乱粒子とバインダ樹脂を含有する散乱層を含むような、接着と反射の機能を兼ねた接着層110を用いることもできる。この場合、支持体と低屈折率層とを接着させるだけでなく、接着層が低屈折率層からの漏れ光を反射する役割を同時に有している。好適な接着層110として、例えば、光散乱粒子として酸化チタン、バインダとしてエポキシ樹脂を使用することができる。この場合、シンチレータ105上に、低屈折率層104を形成し、接着と反射の機能を兼ねた接着層110と支持体101が配置される。接着層110を用いる場合、支持体は、光吸収層を含むことが好ましい。
[低屈折率層104]
図1及び2に示す本発明の構成において、低屈折率層104の厚さT1は、300nm以上5μm以下であることが好ましい。本発明において、低屈折率層の厚みT1は、柱状結晶の先端部から低屈折率層と接着層との界面までの距離の平均値と定義する。全反射効率を十分に高めるためには、シンチレータの発光波長と同等以上の厚みであると好ましいことから、T1の下限値が決定される。可視光域に発光を呈するシンチレータを用いる場合、T1は300nm以上が好ましい。また、T1が厚すぎると、接着層との界面までの光路長が長くなり、横方向に拡散しやすくなって解像度の低下に繋がる恐れがある。したがって、T1は5μm以下であることが好ましい。低屈折率層の各柱状結晶間の隙間への侵入深さT2は、25μm以下であることが好ましい。低屈折率層の各柱状結晶間の隙間への侵入深さT2は、柱状結晶間にある低屈折率層と非低屈折率層部との界面と、低屈折率層と接着層との界面までの距離の平均値T3からT1を引いた長さである。侵入深さが大きすぎると、柱状結晶間に伝播する光の割合が大きくなり、解像度の低下につながる恐れがある。
<組成、及び構成>
図3において、屈折率が1.65以下の固体物質を骨格とする場合、低屈折率化のために空隙率を適切に設定することができ、低屈折率層104の強度を向上させることができる。
固体物質は、結晶質、及び非晶質のいずれでもよい。固体物質は、粒子であってもよい。粒子は、特に限定されず、球状粒子、不定形状粒子、該球状又は不定形状粒子が数珠状又は分鎖状に連結した粒子、内部に空洞を有する中空粒子、又中空粒子が数珠状又は分鎖状に連結した粒子などが挙げられる。
固体物質としては、フッ素系ポリマーやアクリル樹脂などの樹脂、フッ化マグネシウムやフッ化カルシウムなどのフッ化物、炭酸カルシウムや炭酸カリウムなどの炭酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸塩、二酸化ケイ素(以下、シリカともいう)や酸化アルミニウムなどの酸化物などが挙げられる。
固体物質で屈折率の低い材料としては、有機材料ではフッ素系ポリマー、無機材料では、フッ化マグネシウムや二酸化ケイ素が例示できる。
しかしながら、フッ素系ポリマーの屈折率は低いもので1.30程度、フッ化マグネシウムと二酸化ケイ素(石英)の屈折率はそれぞれ1.38と1.46であり、単体の屈折率が1.30を大きく下回る材料は、窒素や酸素のような気体が主である。
屈折率、コスト、化学的安定性の観点から、固体物質は、二酸化ケイ素を含むことが好ましい。すなわち、固体物質の主成分は、二酸化ケイ素であることが好ましい。ここで、「固体物質の主成分が二酸化ケイ素である」とは、固体物質中、二酸化ケイ素が50質量%以上であることを意味する。典型的には、固体物質中の二酸化ケイ素は、90質量%以上である。
二酸化ケイ素粒子の具体例として、日産化学(株)製のスノーテックスシリーズ、オルガノシリカゾル、日揮触媒化成(株)のスルーリアシリーズ、日本アエロジル(株)販売のEVONIK製アエロジルシリーズなどが挙げられる。
一般に、屈折率nの物質Aと屈折率nの物質Bで構成される複合物質Cの屈折率nは、近似的に以下の式(1)で表される。
式(1)
=〔n×v/100〕+〔n×v/100〕 (1)
ここで、v、vはそれぞれ複合物質を構成する物質A、物質Bの体積分率である(v+v=100)。
式(1)によると、固体物質と空気の複合物質、つまり、固体物質を骨格とする多孔質膜を低屈折率層104として用いることによって、元の固体物質の屈折率より低くすることができる。その際、骨格となる固体物質の屈折率が低いほど、また、低屈折率層104の空隙率が高いほど、低屈折率層104の屈折率は低くなる。低屈折率層104の空隙率を高めるために、低屈折率層104は多孔質構造を有してもよい。この観点において低屈折率層104を多孔質膜と称することができる。
なお、上記式(1)において、物質Aを空気、物質Bを二酸化ケイ素とした場合、空気の屈折率n=1.00、二酸化ケイ素の屈折率n=1.46、二酸化ケイ素の体積分率v=100-vとなる。すなわち、vは低屈折率層104の屈折率nの関数となり、vを求めることができる。このvは、空隙率である。
低屈折率層104の空隙率は、60.0%以上95.0%以下であることが好ましく、65.0%以上90.0%以下であることがより好ましい。
例えば、式(1)によると、二酸化ケイ素(屈折率1.46)を骨格とする低屈折率層104の空隙率が60.0%未満では、屈折率は1.15を超える場合がある。
一方、空隙率が95.0%を超える場合、低屈折率層104の屈折率が1.05未満という、過剰に低い屈折率になると共に、低屈折率層104を構成する骨格が少ないため強度が低下する可能性がある。
二酸化ケイ素は、その表面に有機基、及び水酸基の少なくとも1つを有することが好ましい。表面に水酸基を有する二酸化ケイ素は親水性が高いため、このような二酸化ケイ素粒子を骨格とすると、親水性の高い低屈折率層104を形成することができる。
また、例えば、シランカップリング剤で二酸化ケイ素の表面を修飾することによって低屈折率層104に機能性を付与することができる。二酸化ケイ素の表面に水酸基を有する場合には、水酸基とシランカップリング剤の加水分解生成物の間の脱水縮合反応を利用することができる。
有機基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1以上4以下のアルキル基;ビニル基、アクリル基、メタクリル基などの重合性部位を有する炭化水素基;フェニル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。
二酸化ケイ素の表面に有機基を有する場合、撥水性、撥油性、生体適合性、電子輸送性、重合性など、様々な機能を低屈折率層104に付与することができる。
また、二酸化ケイ素の表面に存在する官能基の全てが有機基に置換されている必要はなく、有機基と水酸基の両方が任意の割合で存在していてもよい。
〔中空シリカ粒子〕
低屈折率層104が、中空粒子を含有する場合について、さらに説明するが、これらに限定されることはない。中空粒子とは、外殻が固体物質で形成され、外殻の内側に空洞(空隙)を有する粒子である。
低屈折率層104は、複数の中空粒子を含むことが好ましい。複数の中空粒子を含む低屈折率層104は、中空粒子の他に、中実粒子を含んでいてもよいし、バインダを含んでいてもよい。
固体物質で構成された一次粒子として、中空粒子を含む場合の低屈折率層104の構造の一例を図3に示す。
低屈折率層104は、複数の中空粒子301を含有し、複数の中空粒子301間には空隙302が存在している。また、中空粒子の内部にも空隙304が存在する。図3中、符号303は外殻、符号305は基材を表す。ここで、基材305は低屈折率層104を形成する対象の物質を表し、図1、図2、図4に示す本発明の構成においては、基材305はシンチレータ105に相当する。
低屈折率層104の単位体積に対する複数の中空粒子内の空隙の合計体積の割合を空隙率X(%)とし、低屈折率層104の単位体積に対する中空粒子間の空隙の合計体積の割合を空隙率Y(%)としたときに、X<Yの関係を満たすことが好ましい。ここで、(X+Y)は、上記低屈折率層104の空隙率を意味する。
また、低屈折率層104の屈折率nは以下の式(2)で表される。
式(2)
n=〔n×(X+Y)/100〕+〔n×(100-X-Y)/100〕 (2)
ここで、nは空気の屈折率(n=1)、nは中空粒子の外殻の屈折率(n>1)である。式(2)によると、X+Yが大きいほど、また、nが低いほど、nは低くなる。
また、低屈折率層104の屈折率nは以下の式(3)でも表される。
式(3)
n=〔n×Y/100〕+〔n×(100-Y)/100〕 (3)
ここで、nは中空粒子1個の屈折率(n>1)である。屈折率nは、中空粒子1個に占める外殻の体積および屈折率と空隙の体積および屈折率の割合から算出される見かけの屈折率である。つまり、式(1)において、n=1、n=nとし、vを中空粒子の空隙の体積、vを外殻の体積とすれば、n=nとなる。式(3)によると、Yが大きいほど、また、nが低いほど、nは低くなる。
なお、光学測定により低屈折率層104の屈折率nを求め、式(2)、(3)に既知のn、n、nを代入することで、X及びYを推定することもできる。
中空粒子が密に配置されると、中空粒子の間に存在する空隙の体積分率が減少し、空気よりも高い屈折率を有する成分である外殻の体積分率が大きくなるため、低屈折率層104の屈折率が高くなる。一方、中空粒子が疎に配置されると、中空粒子間に存在する空隙の体積分率が増加し、外殻の体積分率が小さくなるため、低屈折率層104の屈折率が低くなる。すなわち、低屈折率層104の屈折率をより低くするためには、Y/Xを大きくするとよい。具体的には、Y/X>1つまりX<Yの関係を満たしていることが好ましい。
また、X及びYは、X<(100-X-Y)<Yの関係を満たすことが好ましい。
低屈折率層104は、固体物質で構成された粒子、及び、高強度化のため、該粒子を結合するバインダを含有してもよい。バインダを使用する場合、低屈折率層104中に含まれる固体は、中空粒子の外殻とバインダであり、低屈折率層104の単位体積に対する固体の体積分率は(100-X-Y)(%)で表される。
X<(100-X-Y)の関係を満たす場合、低屈折率層104の強度がより向上する。また、(100-X-Y)<Yの関係を満たす場合、低屈折率層104の屈折率がより低くなる。
XとYの合計値(X+Y)は、60.0%以上95.0%以下であることが好ましく、65.0%以上~90.0%以下であることがより好ましい。(X+Y)を上記範囲にすることで、低屈折率層104の強度と低屈折率層104の屈折率を所望の範囲に調整することが容易となる。
低屈折率層104において、Xは、8.0%以上32.0%以下であることが好ましく、10.0%以上28.0%以下であることがより好ましく、12.0%以上24.0%以下であることがさらに好ましい。
一方、Yは、30.0%以上80.0%以下であることが好ましく、35.0%以上75.0%以下であることがより好ましく、40.0%以上70.0%以下であることがさらに好ましい。
X及びYを上記範囲とすることで、低屈折率層104の強度と低屈折率層104の屈折率を所望の範囲に調整することが容易となる。
図3の例示は、中空粒子の形状が実質的に球状のものであるが、これに限定されるものではない。中空粒子は、外殻303と、外殻に包囲され中空粒子の内部に形成された空隙304を有する。この場合、中空粒子は、コアを空気とするコア・シェル粒子の一種とみなすことができる。
中空粒子1個の屈折率nは、式(4)で表される。
式(4)
=〔n×(100-V)/100〕+〔n×V/100〕 (4)
ここで、Vは中空粒子の全体積に対する内部の空隙の体積分率である。すなわち、中空粒子1個の屈折率nは外殻の材料の屈折率nと中空粒子1個の空隙率Vによって決定される。
中空粒子1個の空隙率nは、30.0%以上70.0%以下であることが好ましく、35.0%以上65.0%以下であることがさらに好ましい。
空隙率nが上記範囲である場合、低屈折率層104の屈折率を低下させやすく、中空粒子外殻の強度及び低屈折率層104の強度を安定化させることができる。
中空粒子の外殻nの屈折率は、上記固体物質の屈折率と同様、1.10以上、1.20以上、1.25以上、1.30以上、1.35以上であることが好ましく、1.65以下、1.60以下であることが好ましい。この数値範囲は、任意に組み合わせることができる。
中空粒子の外殻の屈折率nが上記範囲である場合、低屈折率層104の製造の容易性、中空粒子の強度、低屈折率層104の強度に優れ、かつ、低屈折率層104の屈折率を低く調整することができる。
中空粒子の外殻の材質としては、上記固体物質と同様のものを用いることができる。
また、中空粒子の外殻はミクロな細孔を有していてもよい。外殻にミクロな細孔を形成すると外殻の屈折率をより低くすることができる。
中空粒子の一次粒子の個数平均粒径は、1nm以上200nm以下であることが好ましく、5nm以上100nm以下であることがより好ましく、10nm以上100nm以下であることがさらに好ましく、20nm以上100nm以下であることが特に好ましい。
個数平均粒径が上記範囲であると、中空粒子の作製が容易であり、光の散乱を抑制しやすく、低屈折率層104の透過率をより向上させることができる。
〔フュームドシリカ粒子、鎖状シリカ粒子〕
低屈折率層104は、固体物質で構成された一次粒子が三次元構造を形成した二次粒子、固体物質で構成された一次粒子が鎖状に連結した鎖状二次粒子、及び固体物質で構成された一次粒子が分鎖状に連結した分鎖状二次粒子からなる群より選択される少なくとも1種の粒子を含有することが好ましい。ここで、固体物質で構成された粒子が凝集体を形成している場合、凝集体も固体物質で構成された一次粒子が三次元構造を形成した二次粒子に含まれる。
固体物質で構成された一次粒子が三次元構造を形成した二次粒子、固体物質で構成された一次粒子が鎖状に連結した鎖状二次粒子、及び固体物質で構成された一次粒子が分鎖状に連結した分鎖状二次粒子は、低屈折率層104中の固体物質の体積分率を小さくする。そして、空隙の体積分率を大きくすることができる。すなわち、低屈折率層104の屈折率を低くすることができる。
固体物質で構成された一次粒子の個数平均粒径は、1nm以上200nm以下であることが好ましく、5nm以上100nm以下であることがより好ましい。また、固体物質で構成された一次粒子の個数平均粒径は、10nm以上100nm以下であることがさらに好ましく、20nm以上100nm以下であることが特に好ましい。
一次粒子の個数平均粒径が上記範囲の場合、粒子の凝集を適切に制御することが可能であり、塗工液への分散性を向上させることができる。また、一次粒子が400nm~700nmの波長域における光の散乱体となることを抑制し、低屈折率層104の透過率をより向上させることができる。
ここで、固体物質で構成された一次粒子が三次元構造を形成した二次粒子の例として、フュームドシリカ粒子を用いた例を説明するが、これに限定されるわけではない。
フュームドシリカ粒子は、四塩化ケイ素を酸素及び水素炎中において高温加水分解によって生成させることができる。上記製法で生成されたフュームドシリカ粒子は、数十ナノメートルの一次粒子が融着して、三次元構造の二次粒子を形成する。また、二次粒子は、それらが凝集して複雑な高次構造を有することもある。
フュームドシリカ粒子は、その特徴的な構造のため、見掛けの比重が0.01g/cm~0.1g/cmである非常に嵩高い粒子である。したがって、フュームドシリカ粒子を含む低屈折率層104は、空隙率が大きく、屈折率を顕著に低減することができる。
二次粒子の個数平均粒径は、10nm以上1000nm以下であることが好ましく、50nm以上500nm以下であることがより好ましい。
二次粒子の個数平均粒径が上記範囲である場合、例えば、二次粒子が、二酸化ケイ素の一次粒子が三次元構造を形成しており、数個の一次粒子が集合した単純な構造とはならない。
二次粒子が上記構造を有することで、低屈折率層104の空隙率を上記範囲に制御しやすくなり、低屈折率層104の屈折率を上記範囲に制御することが容易になる。また、二次粒子の粒子間に、400nm~700nmの波長域における光の散乱体となりうる、巨大な空隙が形成されにくく、低屈折率層104の光の透過率を上記範囲に制御しやすくなる。
一次粒子及び二次粒子の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる(いずれも最大径の算術平均値から算出する)。また、一次粒子及び二次粒子の個数平均粒径は、例えば、上述のように、四塩化ケイ素を酸素及び水素炎中において高温加水分解する際の条件を調整することで制御することができる。
<成膜方法>
〔塗工液の調整〕
低屈折率層104を成膜するための塗工液の調製方法について説明する。二酸化ケイ素の一次粒子が三次元構造を形成したフュームドシリカ粒子を用いた場合の例について説明するが、これに限定されるわけではない。
フュームドシリカ粒子を溶媒に分散する。フュームドシリカ粒子を分散する溶媒としては、フュームドシリカ粒子と親和性の高い溶媒が好ましく、フュームドシリカ粒子の表面の官能基の種類によって、一種類の溶媒又は二種類以上の混合溶媒を用いてもよい。
溶媒としては、有機溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、エチルアセテート、プロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのアセテート系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒を用いることができる。
溶媒として水を用いることもできるが、水は表面張力が大きいため、乾燥する際に大きい毛管力が発生し、フュームドシリカ粒子間の空隙が収縮する場合がある。そのため、低屈折率層104の空隙率が低下しやすく、屈折率が上昇する可能性がある。
また、シンチレータ105の材料として、アルカリ金属、特にCsIを用いる場合、その強い潮解性のため、水を溶媒として用いるのは適切ではない。固体物質で構成された粒子は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
塗工液中の固体物質で構成された粒子の含有量は、1.0質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましく、3.0質量%以上であることがさらに好ましく、7.0質量%以上であることが特に好ましい。塗工液中のシリカ粒子の含有量は、50.0質量%以下であることが好ましく、30.0質量%以下であることがより好ましく、20.0質量%以下であることがさらに好ましい。数値範囲は、任意に組み合わせることができる。
例えば、塗工液中のフュームドシリカ粒子の濃度(固形分濃度)は、1.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上20.0質量%以下であることがより好ましい。
塗工液中の固体物質で構成された粒子の含有量、例えば、フュームドシリカ粒子の含有量(濃度)が上記範囲である場合、低屈折率層104の膜厚を500nm以上に調整することが容易となる。また、フュームドシリカ粒子の溶媒中への均一分散性を向上させることができ、得られた低屈折率層104の透過率を上記範囲に調整することも容易となる。
フュームドシリカ粒子を上記溶媒に添加した後、分散処理を施す。フュームドシリカ粒子が複雑な高次構造を維持したまま溶液中に分散している塗工液を成膜すると、フュームドシリカ粒子及びフュームドシリカ粒子間の空隙が可視光を散乱するサイズとなるため、低屈折率層104の透過率が低下する場合がある。フュームドシリカ粒子に分散処理を施すと、分散処理時間と共に、塗工液の透明度が上昇していく。
フュームドシリカ粒子が適度に分散された塗工液を成膜すると、フュームドシリカ粒子の骨格及びフュームドシリカ粒子間の空隙が可視光の散乱体にならないサイズになるため、透過率の高い低屈折率層104が形成される。
分散処理をさらに施すと、フュームドシリカ粒子の嵩高い高次構造が一次粒子まで破壊されやすく、空隙率が低下する場合があり、得られる低屈折率層104の屈折率が上昇する傾向にある。
また、分散処理が過度であると、いわゆる過分散の状態になり、フュームドシリカ粒子は再凝集しやすく、成膜後の低屈折率層104の透過率が低下する場合がある。
したがって、適度な分散状態にすることが好ましい。分散処理には、スターラー、超音波、自転公転ミキサー、ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザーなどを用いることができる。
固体物質として、外殻が二酸化ケイ素である中空粒子を用いる場合の例について説明するが、これに限定されるわけではない。
中空粒子の分散液を使用することができる。中空粒子の分散液としては、中空粒子の空隙率、中空粒子の外殻の屈折率、中空粒子の一次粒子の個数平均粒径などを満足する中空粒子の分散液であれば、特に限定されない。
例えば、外殻が二酸化ケイ素である中空粒子(以降、中空シリカ粒子ともいう)のイソプロパノール(以降、IPAともいう)分散液である、日揮触媒化成製スルーリアシリーズが好適に用いられる。スルーリアシリーズのような市販品のほか、中空シリカ粒子であれば、上記フュームドシリカ粒子の溶媒分散と同様の方法により中空粒子を溶媒に分散したものを用いてもよい。
溶媒中の中空粒子濃度は、上記塗工液中のフュームドシリカ粒子濃度(固形分濃度)と同様の範囲にすればよい。
中空シリカ粒子の表面は、水酸基を有しており、親水性であるため、疎水性が強い溶媒は適していない。具体的には、オクタノール/水分配係数logPowが2以下である、有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、エチルアセテート、プロピルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのアセテート系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。
前述したように、膜の屈折率を低くするためには、Y及びX+Yを大きくする必要がある。その方法の一つとして、中空シリカ粒子をランダムに配列することが挙げられる。
ここで、中空シリカ粒子をランダムに配列する方法について説明する。分散液中において中空シリカ粒子の緩やかな凝集体を形成することによって、中空シリカ粒子をランダムに配列することができる。
凝集体も、固体物質で構成された一次粒子が三次元構造を形成した二次粒子に含まれる。
分散液中で良好に分散している中空シリカ粒子を凝集させる方法の一つとして、分散媒より相対的にlogPowが大きい溶媒(以降、凝集剤)を添加する方法が挙げられる。該方法に限ったものではなく、中空シリカ粒子の凝集状態をコントロール可能な方法が好ましい。
中空シリカ粒子の表面は、水酸基を有しており、親水性であるため、分散媒よりlogPowが大きい、つまり、分散媒より相対的に疎水的な凝集剤を添加すると、中空シリカ粒子の凝集が引き起こされる。
分散液中で良好に分散している中空シリカ粒子を凝集させるための凝集剤における、logPowと添加量について述べる。分散媒と凝集剤のlogPowの差が小さすぎると、中空シリカ粒子の凝集が起こらず、差が大きすぎると、凝集剤の添加量が少量であっても中空シリカ粒子は激しく凝集する。中空シリカ粒子が大きな凝集体312を形成すると、凝集体自体が光の散乱体になることがある。
一方、中空シリカ粒子の大きな凝集体の間に形成された巨大な空隙も光の散乱体になりやすいため、塗布後の低屈折率層104が白濁し、透過率が低下する場合がある。
また、激しい凝集が引き起こされると、塗工液の保存安定性が低下しやすい。したがって、屈折率が低く、透過率の高い低屈折率層104を形成するためには、凝集剤の種類と添加量で、中空シリカ粒子の凝集状態を制御するとよい。このような性質を利用し、凝集剤の種類と添加量で中空シリカ粒子の凝集状態を制御することで、低屈折率層104の屈折率を制御してもよい。
また、中空シリカ粒子の間の空隙が何らかの物質で充填されると、Y及びX+Yが小さくなり、低屈折率層104の屈折率が高くなる可能性があるので、凝集剤は後工程で除去可能であることが好ましく、加熱により揮発することがより好ましい。
凝集剤としては、例えばX-22-164(信越化学工業製)などのシリコーンオイルを用いることができるが、これに限定されない。
以下、低屈折率層104の成膜方法について説明する。
上記塗工液を用いて、膜を形成する。成膜方法としては、バーコート法、ドクターブレード法、スキージ法、スプレー法、スピンコート法、ディップコート法、スクリーンプリント法などを用いることができる。なかでも、低屈折率層104の膜厚を均一にする観点からスピンコート法を用いることが好ましい。また、シンチレータを形成した大面積なセンサパネルに成膜する場合はスプレー法を用いることが好ましい。
また、低屈折率層104が所望の膜厚を有し、上面が平坦である膜を得るためには、例えば、スピンコート法における回転数を適切に調整するとよい。
上記方法で成膜した膜は、20℃以上100℃以下で乾燥することが好ましい。
得られた膜は、さらに加熱処理を施してもよい。加熱処理は100℃以上200℃以下であることが好ましく、120℃以上180℃以下であることがより好ましい。
加熱温度を100℃以上とすることで、例えば、中空粒子の内部の空隙に溶媒が残存する可能性を低減できる。一方、加熱温度を200℃以下とすることで、光検出部113に相当するセンサパネルの性能が低下する可能性を低減できる。
また、膜がバインダ及び重合開始剤を含有する場合は、熱硬化又は光硬化の工程を含むことが好ましい。なお、熱硬化の場合は、乾燥又は加熱の工程で溶媒の揮発と同時にバインダの熱硬化も行うこともできる。
一般的に、微粒子で形成されている膜は、分子間力でその膜形状を維持している。また、微粒子表面が疎水性の場合は疎水性相互作用、微粒子表面が親水性の場合は液架橋も作用するが、何れも物理的な相互作用である。膜を加熱処理すると、例えば、フュームドシリカ粒子表面に存在している水酸基同士が脱水反応で化学結合するため、膜の強度向上が期待できる。
低屈折率化を目的として、上記固体物質で構成された粒子を含有する膜を形成する場合、粒子間に作用するファンデルワールス力や液架橋によって、その構造及び膜形状を維持している。
該構造を有する膜の強度を向上するための方法の一つとして、粒子同士を結着するバインダを用いてもよい。膜の強度向上の観点から、低屈折率層104は、さらにバインダを含有してもよい。
また、低屈折率層104は、固体物質がバインダで結合された結合体を含有することが好ましい。具体的には、低屈折率層104は、固体物質で構成された粒子がバインダで結合された結合体を含有することが好ましい。バインダによる固体物質の結合は、固体物質で構成された一次粒子同士、固体物質で構成された一次粒子が形成した二次粒子同士、一次粒子と二次粒子の間などのいずれの結合も包含する概念である。また、結合は、イオン結合や共有結合などの化学的な結合であってもよく、力学的接着のような結合であってもよい。
バインダとしては、アクリル樹脂、フッ素樹脂、スチレン樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂を用いることができる。
また、重合性基を有するシリコーンオイルを重合させたり、シリコンアルコキシドの加水分解し、縮重合させたりして得られる有機ケイ素化合物を用いることができる。
屈折率が低く、無色透明であり、粒子同士を結着できるものであれば、これらに限ったものではない。
バインダを含有する膜の製造方法の例として、固体物質と溶媒とバインダを含有する混合液を準備する工程、混合液に分散処理を施して塗工液を得る工程、及び塗工液を成膜、乾燥、必要に応じて加熱又は高エネルギー線照射して膜を得る工程を有する方法がある。
バインダは、シロキサンを含有することが好ましく、シルセスキオキサンを含有することがより好ましい。
シルセスキオキサンは、組成式[R(SiO1.5](Rは反応性の官能基であり、例えば、重合性基、水酸基、塩素原子、炭素数1以上6以下のアルキル基、及び炭素数1以上6以下のアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種を表す。)で表されるT3単位構造を有する化合物であり、酸化ケイ素と有機物質のハイブリッド材料である。
シルセスキオキサン(以下、SQと略すこともある)とは、主鎖骨格がSi-O結合からなるシロキサン系の化合物で、[R(SiO1.5]の組成式で表される。Rは、アクリロイル基、メタクリロイル基、オキセタニル基及びエポキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の重合性基であることが好ましい。
シルセスキオキサンが多数の固体物質で構成された粒子同士を結合する役割を果たす場合、高い空隙率を有したまま、より優れた膜強度を実現することが可能となる。
シルセスキオキサンは、重合体の形態としては特に制限はなく、例えば公知の直鎖状ポリシロキサン、かご型ポリシロキサン、ラダー型ポリシロキサンなどを挙げることができる。シルセスキオキサン構造とは、各ケイ素原子が3個の酸素原子と結合し、各酸素原子が2個のケイ素原子と結合している構造(ケイ素原子数に対する酸素原子数が1.5)である。コストの観点から、直鎖状ポリシロキサン、かご型ポリシロキサン、ラダー型ポリシロキサンが混在していても構わない。
シルセスキオキサンは、分子中に重合性基(上記式中のR)を有し、ラジカル重合、又はカチオン重合によって硬化する化合物であることが好ましい。
ラジカル重合によって硬化するシルセスキオキサンとしては、Rとしてアクリロイル基やメタクリロイル基などを有するシルセスキオキサンなどが挙げられる。一方、カチオン重合によって硬化するタイプでは、Rとしてオキセタニル基やエポキシ基などを有するシルセスキオキサンなどが挙げられる。
具体的には、東亜合成製のシルセスキオキサン誘導体SQシリーズ(AC-SQ、MAC-SQ、OX-SQ)などが挙げられる。
シルセスキオキサンは、粘性の高い液体であるため、塗工液に添加して使用するとよい。必要に応じて、重合開始剤を添加してもよい。
機能膜中のバインダの含有量は、固体物質で構成された粒子100質量部に対して3.0質量部以上60.0質量部以下であることが好ましく、7.0質量部以上30.0質量部以下であることがより好ましい。また、機能膜中のバインダの含有量は、固体物質で構成された粒子100質量部に対して7.0質量部以上25.0質量部以下であることがさらに好ましく、10.0質量部以上25.0質量部以下であることが特に好ましい。
この塗工液を基材上に塗工し、加熱又は光照射をすることによって、シルセスキオキサンを硬化させることができる。
この操作で、固体物質で構成された粒子がシルセスキオキサンで結合された結合体を含有する膜が形成される。シルセスキオキサンの硬化により、膜の強度を高めることができる。
重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤などが挙げられる。これらの重合開始剤は、一種の重合開始剤で構成されていてもよく、複数種の重合開始剤で構成されていてもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-又はp-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体などの置換基を有してもよい2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体;2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノ-プロパン-1-オンなどのα―アミノ芳香族ケトン誘導体;2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-t-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナンタラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノンなどのキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル誘導体;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、プロピルベンゾインなどのベンゾイン誘導体;ベンジルジメチルケタールなどのベンジル誘導体;9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタンなどのアクリジン誘導体;N-フェニルグリシンなどのN-フェニルグリシン誘導体;アセトフェノン、3-メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体;チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド誘導体;1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)などのオキシムエステル誘導体;キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンなどが挙げられるが、これらに限定はされない。
光ラジカル重合開始剤の市販品としては、Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI-1700、-1750、-1850、CG24-61、Darocur1173、LucirinTPO、LR8893、LR8970(以上、BASF製、「Darocur」及び「Lucirin」は登録商標)、ユベクリルP36(UCB製)などが挙げられるが、これらに限定はされない。
光カチオン重合開始剤としては、オニウム塩、芳香族オニウム塩、アリールスルホニウム塩、アリールヨウドニウム塩などが好ましい。アニオンの具体例としては、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ヘキサフルオロアンチモネートイオン、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオンなどが挙げられる。
光カチオン重合開始剤の市販品としては、サンアプロ製CPI-210S(サンアプロ製)、UVI-6950(ユニオンカーバイド製)、アデカオプトマーSP-150(ADEKA製)などが挙げられる。
塗工液中の重合開始剤の含有量は、シルセスキオキサン固形分100質量部に対し、0.01質量部以上1.5質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上1.0質量部以下であることがより好ましい。
固体物質で構成された粒子、溶媒及びバインダ、並びに必要に応じて重合開始剤を混合して、塗工液を調製するとよい。溶媒としては有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、特に限定されないが、アルコール、カルボン酸、脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類、芳香族系炭化水素類、エステル、ケトン類、エーテル類、あるいはこれら2種以上の混合溶媒を用いることができる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-エチルブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
カルボン酸としては、具体的には、n-酪酸、α-メチル酪酸、i-吉草酸、2-エチル酪酸、2,2-ジメチル酪酸、3,3-ジメチル酪酸、2,3-ジメチル酪酸、3-メチルペンタン酸、4-メチルペンタン酸、2-エチルペンタン酸、3-エチルペンタン酸、2,2-ジメチルペンタン酸、3,3-ジメチルペンタン酸、2,3-ジメチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、3-エチルヘキサン酸などが挙げられる。
脂肪族系又は脂環族系の炭化水素類としては、具体的にはn-ヘキサン、n-オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロオクタンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどが好ましい。
エステル類としては、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトンなどが挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
エーテル類としては、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
塗工液を調製するに当たり、溶液の安定性の点から上述した各種の溶剤類のうちアルコールを使用することが好ましい。
塗工液は、予め固体物質で構成された粒子を溶媒中に分散させた液に、所定量のバインダ及び必要に応じて重合開始剤を添加することにより調製することができる。粒子を有機溶媒中に分散させた液は、上記分散処理と同様の方法(例えば、ボールミルなど)を用い、粒子粉末を溶媒に分散させて調製してもよく、市販の分散液を用いてもよい。
塗工液を用いて膜を形成する際には、塗布を行う雰囲気を乾燥空気もしくは乾燥窒素等の不活性気体雰囲気とすることが好ましい。乾燥雰囲気の相対湿度は30%以下にすることが好ましい。
さらに、膜を形成する溶液塗布法としては、例えばディッピング法、スピンコート法、スプレー法、印刷法、フローコート法、ならびにこれらの併用など、既知の塗布手段を適宜採用することができる。膜厚は、ディッピング法における引き上げ速度やスピンコート法における基板回転速度などを変化させることと、塗工液の濃度を変えることにより制御することができる。
得られた膜の硬化は、光照射や放射線照射などの高エネルギー線照射により行ってもよく、加熱により行ってもよい。高エネルギー線照射と加熱を併用して硬化を行っても構わない。
高エネルギー線照射により硬化する場合、高エネルギー線としては、電子線、X線、紫外線などが挙げられ、特に限定されるものではない。高エネルギー線として紫外線を用いる場合、照射波長領域は160nm~400nmが好ましく、その出力は0.1mW/cm以上2000mW/cm以下であることが好ましい。シルセスキオキサンの酸化を防止するという観点から、硬化雰囲気は窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。加熱により硬化する場合、50℃以上250℃以下、好ましくは80℃以上200℃以下の温度で、1分間~20分間実施するとよい。
<膜の空隙率、及び屈折率の評価方法>
膜における、空隙率X(%)及び空隙率Y(%)の算出は、下記の通りに行うことができる。
まず、基材上に形成した膜に、Model681 イオンビームコーターIBC(Gatan製)を用いてカーボン膜をコートした後、収束イオンビーム加工装置(FIB-SEM、FEI製、Nova600)内で、イオンビームによる断面出し加工(30kV-0.1nA)を行った後、走査型電子顕微鏡(以降、SEMという)により加速電圧2kVでSEM画像を取得する。
SEM画像の観察倍率は、少なくとも厚み方向には膜全体をカバーし、かつ、例えば、中空粒子の一つ一つの形状が判別できる倍率とする。具体的には、5万倍から20万倍程度とする。
また、膜の単位体積は、1000nm×1000nm×(厚さ方向)100nmとする。取得した断面SEM像における空隙率の算出には、グレースケール画像の二値化により、中空粒子と、中空粒子の間の空隙とを区分して、各領域の面積計算を行う。画像処理には、画像解析ソフトウェアImage J(NIH Image、https://imagej.nih.gov/ij/より入手可能)を用いる。
具体的には、求めた中空粒子の面積A(%)に、中空粒子の全体積に対する内部の空隙の体積分率Vをかけたものが、空隙率X(%)であり、X=A×Vとする。また、空隙率Y(%)は、Y=100-Aとする。
以上により求めたX、Yと式(2)から低屈折率層104の屈折率nを算出することができる。
[放射線検出器]
図4に示すように、シンチレータユニット100と、シンチレータユニット100からの光を検出する検出部113とを組み合わせることで、放射線検出器115とすることができる。検出部113は、基板111と、基板111に2方向に配列した受光素子112を有する。その際、検出部113は、シンチレータ105を介して低屈折率層と対向する面に隣接している。検出部113とシンチレータ105との境界部には、検出部113を保護するために、高分子保護層を用いることができる。また、FOP(Fiber Optic Plate)などを用いることもできる。
以下に実施例を挙げて、本発明に係るシンチレータユニットを詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によりなんら限定されるものではない。
(実施例1)
<シンチレータの作製>
以下の通り、加熱蒸着法により基体上にシンチレータを作製した。真空容器内の加熱用ボートに、CsI原料粉末を充填した。そのボートに対向して設置された基体は、ガラス基板とし、回転盤に据え付けた。一旦、真空容器内を真空ポンプで1×10-3Pa以下の高真空状態にし、ボート温度を670℃に設定した。ここで、真空容器内に、別のボートを設置し、これに発光中心としてのヨウ化タリウム(TlI)原料粉末を充填し、加熱し同時成膜に供した。60rpmで回転させながら50mm角のガラス基板上に原料を成膜した。
低屈折率層を形成する粒子として、外殻がシリカで内部が空洞の中空シリカ粒子を選択した。膜形成用塗工液の調製には、日揮触媒化成製スルーリア4110(分散媒:IPA、シリカ固形分濃度:20.5質量%、中空粒子1個の個数平均粒径:60nm、中空粒子1個の空隙率:45%、中空粒子1個の屈折率:1.25)を用いた。得られた分散液を中空シリカ粒子分散液と記載する場合がある。
作製したシンチレータに、中空シリカ粒子分散液をスピンコート法により成膜し、低屈折率層を形成した。基板回転速度は1500rpmで15秒間回転させて成膜した。
<支持体(反射層)の形成>
支持体として膜厚30μm程度のPET(ポリエチレンテレフタラート)に保持されたアルミニウム(Al)を、シンチレータを覆うように形成した。アルミニウムが反射層の役割を果たす。低屈折率層を形成したシンチレータとの接着性を向上させるため、支持体の形成前に膜厚30μm程度の熱可塑性樹脂からなる膜を予め形成した。真空ラミネーター装置を用いて80~100℃で加熱することにより、シンチレータと反射層、及び支持体との接着性を向上させた。
<構造評価>
作製したシンチレータユニットに対して、トリプルイオンミリング装置(ライカ EM-TIC-3X)により、断面出し加工(8kV-3mA、2時間)を行った。続いて、付着物除去の為に、収束イオンビーム加工装置(FIB-SEM、FEI製、Nova600)内で、イオンビームによる仕上げの断面出し加工(30kV-0.1nA)を行った。その後、走査型電子顕微鏡(以降、SEMという)により加速電圧2kVでSEM画像を取得した。低倍率のSEM像を図4(a)に、低屈折率層の界面付近の高倍率SEM像を図4(b)に示す。接着層、低屈折率層、及びCsI柱状結晶は、それぞれ隙間なく接着できていた。低屈折率層は、CsI柱状結晶の先端部の隙間を埋めるように平坦にコートされていた。柱状結晶の頂上部から低屈折率層と接着層との界面までの距離の平均値を低屈折率層の厚み(T1)と定義する。30本のCsI柱状結晶について前記距離を計測してT1を算出したところ、実施例1のT1は2.0μmであった。また、T1を算出した30本のCsI柱状結晶間にある低屈折率層と非低屈折率層部との界面と、低屈折率層と接着層との界面までの距離を計測し、距離の平均値T3を算出したところ、T3は17μmであった。低屈折率層の各柱状結晶間の隙間への侵入深さT2は、T3からT1を引いた値であり、15μmであった。
個々の中空粒子が観察可能な高倍率で取得した断面SEM像を取得し、グレースケール画像の二値化により、中空粒子と、中空粒子の間の空隙とを区分して、各領域の面積計算を行った。算出した中空粒子の面積に、中空粒子の全体積に対する内部の空隙の体積分率を考慮して、低屈折率層の空隙率を算出すると、67%であった。式(2)からns=1.46として低屈折率層の屈折率を算出すると、1.15であった。
<MTF評価、及び感度評価>
作製したシンチレータユニット対してX線を照射し、MTF(Modulation Transfer Function:変調伝達関数)評価、及び感度評価を行った。MTF評価には、一般的なエッジ法を使用した。管電圧は80kVのX線をシンチレータに照射し、シンチレータの光取り出し面側の表面に焦点を合わせた光学系を用いて、受光素子に結像して撮像した画像を用いて2LP/mmのMTF値の評価を行った。
<放射線検出器の作製>
検出部を有するセンサパネル上に、高分子保護層としてポリイミド層をスピンコートにより形成し、この上にシンチレータを成膜した。次いで、シンチレータ上に低屈折率層を形成し、真空ラミネーター装置を用いて低屈折率層とAl反射層を、接着層(熱可塑性樹脂を含む層)を介して接着させて一体化し、放射線検出器を作製した。
(実施例2)
低屈折率層の形成の際に、スピンコートの基板回転速度を1000rpmで15秒間回転に変更する以外は実施例1と同様にした。
(実施例3)
低屈折率層の形成の際に、成膜方法をスプレー法による5回噴霧に変更する以外は実施例1と同様にした。
(実施例4)
低屈折率層の形成の際に、中空シリカ粒子分散液をIPAで希釈して、シリカ固形分濃度を10.0質量%に調製した塗工液を用い、成膜方法をスプレー法による20回噴霧に変更する以外は実施例1と同様にした。
(実施例5)
反射層の形成の際に、反射層を、反射層を兼ねた接着層として、酸化チタンを含有するエポキシ樹脂に変更を用いた以外は実施例1と同様にした。実施例5は、図2の本発明の構成に対応する。
(実施例6)
低屈折率層の形成の際に、中空シリカ粒子分散液を、表面にメチル基を有するフュームドシリカ粒子であるAEROSIL R812(日本アエロジル製)を用いた。フュームドシリカ粒子の固形分濃度が6.88質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に分散させたと溶媒を、直径0.5mmのジルコニア(ZrO)ボールと共にガラス容器に密栓した。このガラス容器をボールミル回転台上で、48時間、回転数30rpmで回転させることにより、フュームドシリカ粒子を分散した。上記ボールミルによる分散処理によって得られたフュームドシリカ粒子分散液を塗工液とした。低屈折率層の形成の際に、この塗工液を用い、成膜方法をスプレー法による5回噴霧に変更する以外は実施例1と同様にした。
実施例1と同様の手法により取得した断面SEM像を図5に示す。低屈折率層がCsI柱状結晶の先端部の凹凸に沿ってコートされている。スピンコート法(図4)では、低屈折率層が柱状結晶の隙間を埋めるように、後の工程で接着層との界面となる面が平坦になるように形成されるのに対し、スプレー法では、柱状結晶の凹凸に沿って形成される違いがある。
(比較例1)
低屈折率層を形成しない構成とする以外は実施例1と同様にした。
(比較例2)
厚い低屈折率層を形成した場合の例である。実施例6と同様のフュームドシリカ粒子分散液を塗工液とし、実施例1と同様にスピンコート法により成膜した。
以上、実施例1~6、及び比較例1、2のMTF評価、及び感度評価の結果の一覧を表1にまとめて示す。ここで、膜厚はCsI柱状結晶の頂上部からの厚さの平均値(T1)である。MTF評価、及び感度評価の値は、比較例1の低屈折率層を形成しない従来の構成に対する比である。
(考察)
実施例1において、低屈折率層を形成することで、MTFが15%、感度が10%向上した。これは、低屈折率層をCsI上面に配置することで、CsIと低屈折率層界面での全反射効率が増加し、CsI内部に留まる光が多くなったことによるものである。接着層に漏れた光は、接着層内で反射を繰り返して減衰しながら受光部の面に平行に伝播するため、感度の低下(=光の減衰)とMTFの低下につながる。低屈折率層を配置することで接着層への漏れ光を減少させることが可能となり、感度とMTFを向上させることができた。
[成膜方法]
実施例1~4を比較し、成膜方法による違いを示す。スプレー法を用いた実施例3及び4と比較して、スピンコート法を用いた実施例1及び2は、感度がより優れていた。スプレー法では、噴霧された塗工液の液滴が柱状結晶の先端部にコートされるため、シンチレータ上に低屈折率層が形成されていない領域が点在する。これに対し、スピンコート法は、シンチレータの全面を覆うように低屈折率層が形成される。したがって、スピンコート法で形成したシンチレータユニットの方が接着層への光の漏れが少ないためと考えられる。スプレー回数が少ない実施例3よりもスプレー回数が多い実施例4の方が、低屈折率層が形成される領域が増えるため、より感度が高かった。
[シリカ粒子の種類]
実施例3、4、及び6を比較し、シリカ粒子種類による違いを示す。成膜方法をスプレー法で統一した場合、ヒュームドシリカを用いた実施例6の方が、中空シリカを用いた実施例3及び4よりもMTFの向上率が大きくなった。これは、ヒュームドシリカを用いて形成した低屈折率層の方が中空シリカを用いて形成した低屈折率層よりも屈折率が低く、CsIシンチレータと低屈折率層の界面での全反射効率が増加したためであることが考えられる。ただし、低屈折率層の強度は中空シリカを用いたときの方が優れる場合が多い。これは中空粒子とバインダが結合体を形成すると、中空粒子同士の接点に位置するバインダが中空粒子同士の結着により強く寄与し、膜の強度が向上するためである。
[低屈折率層の膜厚]
実施例1~4、6、及び比較例2を比較し、低屈折率層の厚み(膜厚)による違いを示す。中空シリカを用いて、低屈折率層の厚みを変えた場合(実施例1~4)、膜厚が0.6μmの実施例3においてMTFが11%向上し、厚みが1.0μm以上の実施例1、2及び4は、いずれも15%の向上率であった。
また、ヒュームドシリカを用いて低屈折率層の厚みを変えた場合(実施例6、比較例2)、低屈折率層がない比較例1と比べて、膜厚が0.5μmの実施例6ではMTFが22%向上したのに対し、膜厚が16μmの比較例2ではMTFが低下した。以上より、低屈折率層の厚みが少なくとも0.5μm以上であれば、十分にMTFの向上に寄与する。一方で、膜厚が厚くなり過ぎた比較例2は、反射層で反射される光の光路長が長くなり、横方向に拡散するようになってしまい、MTFの低下に繋がったと考えられる。
[反射層]
実施例1及び5を比較し、反射層による違いを示す。反射と接着の機能を兼ねた接着層を用いた実施例5は、接着層そのものが反射層の役割を担うため、接着層を伝播する漏れ光が生じず、その分だけ光の減衰が少なくなり、結果として光検出部に到達する光が増加し、感度が大きく向上した。シンチレータで発生した光のうち、光検出部の方向に進んだ光に対して、残り半分は反対方向に進む。前者に対して後者は、光検出部に到達するまでの光路が長く、また、反射層を兼ねた接着層を用いた場合はさらに光散乱を伴う為、Alの反射層を用いた他の実施例に比べてMTFは相対的に低かった。
Figure 0007321818000001
本発明によれば、感度と解像度を向上させた放射線検出器を提供することができる。
101 支持体
102 柱状結晶
103 接着層
104 低屈折率層
105 シンチレータ
106 放射線
107 中心軸
108 発光点
109 シンチレーション光
110 接着層
111 基板
112 受光素子
113 検出部
115 放射線検出器
301 中空粒子
302 中空粒子間の空隙
303 中空粒子の外殻
304 中空粒子の内部に形成された空隙
305 基材

Claims (8)

  1. シンチレータと支持体との間に接着層を備えるシンチレータユニットであって、
    前記シンチレータと前記接着層との間に前記接着層よりも屈折率の低い低屈折率層を有することを特徴とするシンチレータユニット。
  2. 前記シンチレータが、複数の柱状結晶を含み、
    前記柱状結晶の延伸方向の先端部と接着層との間に前記低屈折率層を有する請求項1に記載のシンチレータユニット。
  3. 前記支持体の少なくとも一部が、反射層、又は光吸収層を含む請求項1又は2に記載のシンチレータユニット。
  4. 前記接着層が、光散乱粒子とバインダ樹脂を含有する散乱層を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
  5. 前記低屈折率層が、二酸化ケイ素を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
  6. 前記低屈折率層が、中空粒子を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
  7. 前記低屈折率層の空隙率が、60.0%以上95.0%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
  8. シンチレータと支持体との間に接着層を備えるシンチレータユニットと、前記シンチレータから発生した光を検出する検出部とを備える放射線検出器であって、
    前記シンチレータユニットが、前記シンチレータと前記接着層との間に前記接着層よりも屈折率の低い低屈折率層を有し、
    前記検出部が、前記シンチレータを介して前記低屈折率層と対向していることを特徴とする放射線検出器。
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