JP2014032029A - シンチレータ及びこれを用いた放射線検出器 - Google Patents

シンチレータ及びこれを用いた放射線検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた特性の放射線検出器を提供することを目的とし、シンチレータに閉じ込められた光を効率よく取り出し、シンチレータの出力を増加させる。
【解決手段】放射線入射により発光するシンチレータにおいて、前記シンチレータ発光部の表面に、屈折率がシンチレータより低い層が形成されており、かつ、前記層に、前記層と屈折率が異なる材料で形成された、所定の粒径の粒子が含まれている構成とすることで上記課題を解決する。また、放射線検出器に、そのような構成のシンチレータを用いることで、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電離放射線、ガンマ線、及び電子線などの放射線により発光をするシンチレータと、シンチレータを用いて放射線を検出する放射線検出器に関する。
シンチレータ及び放射線検出器は、放射線計測が必要な装置に幅広く用いられている。放射線計測を行う装置の一例として、X線を人体などの対象物に照射し、透過したX線の位置及び強度を計測し対象物の断面画像を得るX線CT(Computed Tomography)装置が挙げられる。X線CT装置において、X線の検出は、X線の入射により発光する材料を有するシンチレータと、シンチレータの発光を測定する受光素子を組み合わせたものをアレイ状に並べた検出器を使用している。
また、放射線計測を行う装置の他の一例として、電子線をプローブとして試料上に照射し、それに伴って試料より発生する二次電子、もしくは反射電子を検出し、検出された強度からプローブ照射位置に関する情報を得る電子顕微鏡が挙げられる。電子顕微鏡において、電子線の検出は、電子線入射により発光するシンチレータと、シンチレータの発光を測定する受光素子を組み合わせた検出器を使用している。
なお、本発明におけるシンチレータとは、放射線の入射を光に変換可能な全てのものをシンチレータとしており、その変換する過程は問わない。また、変換するシンチレータの形状は問わず、粉体を膜状にしたもの、セラミック、単結晶、薄膜などどのような形状でもかまわない。たとえば、放射線により発光する材料を焼結しセラミックにしたものを任意の形状とし、その発光を用いる場合がある。また、粉体の蛍光体材料を基板上に膜状に塗布したものにより、その母体材料に含まれた発光中心からの発光をもちいる場合がある。また、基板上に薄膜を成長させ、その薄膜に放射線が入射することによる発光を用いる場合がある。また、半導体のバルクや薄膜を用いて、そのキャリア励起による発光を用いる場合がある。
近年、検査における低被爆化、高精細化、低ノイズ化、スループット向上などの要求が大きく、シンチレータの大幅な発光出力増が必須となっている。シンチレータの発光出力を増大させる手法は多く提示されているが、多くは発光材料の変更が検討されている。
そのような中で、従来例として、発光をシンチレータから効率よく取り出し、発光出力を増大させる技術が、特許文献1乃至3に開示されている。
これらは、主にシンチレータから受光素子への出力光について、その境界面における反射光を抑制し、受光素子へ入射する光量を増加させるものである。
特開2009−210415号公報 特開2004−264306号公報 特開平10−293180号公報
従来例に記載の構成では、発光出力の増加は、主にシンチレータと受光素子間の界面反射を低減することによる効果である。一般的には、シンチレータと受光素子の間は屈折率がシンチレータより小さい樹脂などによる接合、もしくは間隙を挟み、空気などの屈折率による接合となる。シンチレータと樹脂や、空気との屈折率の差異で考えれば、光の界面での反射による損失は多くても数%以下に留まり、界面反射の損失を全く無くすることができたとしても、発光出力増は必要とされる大幅な増加とはならない。
本発明は、シンチレータの発光を外部に効率よく取り出し受光素子に入射させることにより、シンチレータの出力を大幅に増やし、優れた特性の放射線検出器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は、放射線入射により発光するシンチレータにおいて、シンチレータ表面に屈折率がシンチレータより低い低屈折率層が形成されており、かつ、低屈折率層に、低屈折率層と屈折率が異なる材料で形成された、粒径0.01〜100μmの粒子が含まれている構成とする。また、放射線検出器にそのような構成のシンチレータを用いる。
本発明の他の特徴は、放射線入射により発光するシンチレータにおいて、シンチレータ表面に、シンチレータと屈折率が異なる材料により形成された、粒径10〜500nmの微少粒子が形成されている構成とする。また、放射線検出器にそのような構成のシンチレータを用いる。
本発明のさらに他の特徴は、放射線入射により発光するシンチレータにおいて、シンチレータ表面に構造ピッチ10〜2000nmかつ構造高さ1〜20000nmの突起状構造が連続的に形成されている構成とする。また、放射線検出器にそのような構成のシンチレータを用いる。また、シンチレータ内部に、発光材料と屈折率の異なる基板が用いられていた場合、上記突起状構造が基板の両面に形成されている場合にはさらに良好な効果が得られる。
本発明により、シンチレータ及びこれを用いた放射線検出器において、発光部表面にシンチレータ内部の発光をシンチレータ外部に取り出す発光抽出層を設け、シンチレータからの光が出力される界面でシンチレータ内に閉じ込められる光を効率よく取り出すことができ、発光出力を大幅に増加することができる。
本発明の実施例1のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例1の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例1のシンチレータ特性を示すグラフ。 従来例のシンチレータの一例を示す模式図。 本発明の実施例2のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例3のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例4のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例5のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例5の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例6のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例6の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例7のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例8のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例8の応用例のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例9のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例10のシンチレータを示す模式図。 本発明の実施例10の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例11の放射線検出器を示す模式図。 本発明の実施例4の特性を示す図。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
本明細書でのシンチレータとは、放射線(X線、電子線、ガンマ線、他)を入射して発光する素子全般を指すものとする。本発明は、蛍光体粉体などの無機粉体を用いたもの、粉体を焼結したセラミック、融液成長による単結晶、電子の入射で発光する半導体素子などのシンチレータにおいて、発光原理や形態によらず適用可能である。本明細書におけるシンチレータは、それらの様々な素子全てを含むものとする。
シンチレータを構成する各層の材料には、従来から使用されている公知のものを適宜使
用することができる。
シンチレータ材には、CWO(CaWO4)やGOS(Gd2O2S:Pr)、BGO(Bi4Ge3O12)、YGAG((Y,Gd)3(Ga,Al)5O12:Ce)などのセラミックを用いることができる。セラミックであるのでダイアモンド砥石等による機械加工ができ、小型で高精度なシンチレータ素子が得られる。光反射材の形成も真空製膜や白色の金属化合物粉末と樹脂の混練材の塗布等の方法を取る事ができる。真空蒸着やスパッターでアルミニウム等の薄膜を形成ことや、酸化チタンや亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛等の金属化合物の白色粉末をエポキシ樹脂等に混練し、塗布、乾燥させて形成することもできる。また、上記材料の単結晶を用いても同様に使用可能である。
また、別なシンチレータの構成として、シンチレータの発光を透過させる基板上に、シンチレータの材料が塗布された構造を持つものも使用可能である。具体的には、YSO(Y2SiO5:Ce) や、YAG(Y3Al5O12:Ce)などのシンチレータ材料の粉体を、アクリル樹脂などの基板上に塗布した構造をもつシンチレータである。作製方法の例は、粉体は水沈降法により基板上に膜形状となるように塗布し作製する。寸法の例としては、基板は10φ及び20φの円盤状であり、粉体膜の厚さは10〜40μmの範囲の厚さのものなどが使用可能である。さらに、この粉体膜上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止としたものが使用可能である。但し、上記の作製方法、形状、及び寸法は一例であり、シンチレータの作製方法、形状、及び寸法は、上記に限らずどのようなものでも本発明において効果がある。
また、別なシンチレータの構成として、Ga1-x-yAlxInyN (但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いるシンチレータを使用可能である。構造及び作製方法の例は、サファイア基板上にGaNバッファ層を成長させ、その上にGa1-x-yAlxInyNの層を、組成を変えて多数の層を成長させ、さらにその上にキャップ層としてGaNの層を成長させた構造が使用可能である。仕様の例としては、基板は10φの円盤状であり、バッファ層の厚さは1〜10μmの範囲の厚さであり、多層構造はGaInNとGaNが交互に6周期〜30周期の範囲で重なったものであり、その厚さは20nm〜500nmの範囲であり、キャップ層の厚さが10nm〜100nmの範囲のものなどが使用可能である。さらに、この構造上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止としたものが使用可能である。但し、上記の作製方法、形状、及び寸法は一例であり、シンチレータの作製方法、形状、及び寸法は、上記に限らずどのようなものでも本発明において効果がある。
放射線検出器における受光素子としては、シリコンフォトダイオードやGaAsPフォトダイオード、Geフォトダイオードを用いることができる。また、光電子増倍管を使用することができる。シンチレータ材により発光中心波長が異なるので、発光中心波長近傍で高感度な受光素子を選定することが良い。
シンチレータ素子と受光素子の間は、エポキシ樹脂等で密着させた構造が可能である。また、シンチレータの発光の少なくとも一部を透過する材料で作成したライトガイドを介して、受光素子に発光を導光する構造が可能である。ライトガイドの例としては、材質はアクリル樹脂や、石英ガラス等であり、形状は、長さが5〜20cmの範囲で、直径が10φ及び20φの円筒状のものであるものが使用可能である。但し、上記の材質、形状、及び寸法は一例であり、上記に限らずどのような材質、及び形状ものでも本発明において効果がある。
以下本発明を図面を参照しながら実施例に基づいて詳細に説明する。説明を判り易くす
るため、同一の部品、部位には同じ符号を用いている。
本発明の実施例1のシンチレータについて以下説明する。図1は、実施例1のシンチレータSの模式図である。シンチレータ発光部1はGOS(Gd2O2S:Pr)を用いた。シンチレータ発光部1の表面に、放射線による発光を取り出す発光抽出層Eを設ける。実施例1における発光抽出層Eは、低屈折率層2からなる。低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。低屈折率層2には、光散乱粒子3が分散されている。ここでは、光散乱粒子3として粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。低屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。
図2は、シンチレータに低屈折率層2及び光散乱粒子3を形成し、受光素子7を接合した放射線検出器Dの模式図である。低屈折率層2は樹脂等による層でもよく、間隙として空気層や真空層としてもよい。
シンチレータSと受光素子7を接合層8で固着して接合している。接合層8の屈折率は1.5前後のものを用いた。接合層8の層厚は数μm以下である。
低屈折率層2に分散した光散乱粒子3の重量濃度を変更し、受光素子によって検出された発光出力の変化を調べた。図3は、本発明の発光出力の光散乱粒子3の重量濃度依存性(分散粒子濃度)を示すグラフである。光散乱粒子3の重量濃度は、粒子を含む低屈折率層2の重量に対する、光散乱粒子3の重量が占める割合(wt%)によりあらわす。
本発明の発光出力は、低屈折率層2及び光散乱粒子3を形成していない従来例の発光出力を基準として比較した。図4は従来例の放射線検出器の模式図である。図3は、従来例の光出力を1とした、相対発光出力の依存性を示している。図3より、本発明において、適切な分散粒子濃度とした場合、発光出力は従来例の1.7倍近くとなっており、本発明によってシンチレータSは大幅に発光出力が増加することがわかる。
実施例1の原理を以下に記す。シンチレータ材料は一般的に屈折率が高く、例えばGOSの屈折率は2.2程度である。シンチレータを用いた検出器は、このような高屈折率の発光を効率的に取出し、受光素子に入射させる必要がある。通常、受光素子の表面は、ガラスや樹脂で覆われており、屈折率は一般的に1.5前後である。また、空気や真空の屈折率はほぼ1である。
シンチレータの発光はシンチレータ材料から、ガラス、樹脂、空気中、または真空中などに取り出され、受光素子に入射する。このとき、光は、高い屈折率の材料から、それより低い屈折率の材料に取り出されるが、このような場合は、一定以上の角度の光では全反射が生じ、取り出せない。その角度は、例えば屈折率2.2のGOSから真空中に取り出す場合は、27°程度以上の角度でGOS内部から真空中へ出ようとする光は、全て全反射となり取り出せない。これを全周で積分すると、取り出せずに全反射する光は全体の95%程度となり、ほとんどの光は取り出せずに内部に閉じ込められる。
実施例1の発光抽出層Eは、このように従来シンチレータ内部に閉じ込められていた光を取り出すことで、発光出力を増加させる効果を持つ。図2における放射線検出器Dにおいて、受光素子との接合層8が、屈折率1.5の樹脂である場合を例として説明する。低屈折率層2は、シンチレータ発光部1と、接合層8の中間の屈折率を持つ。実施例1では屈折率は1.7程度とする。屈折率1.7の低屈折率層2への屈折率2.2のシンチレータ発光部1からの光取り出しは、屈折率1.5の接合層8へ直接取り出すより大幅に大きい。それは、屈折率差が小さいため全反射角度が大きくなり、全反射する発光が少なくなるためである。
このように、低屈折率層2へ取り出された光は多いが、これをさらに接合層8へ取り出そうとすると、ここでも全反射が生じることになり、そのまま接合すれば最終的に大きな発光出力とはならない。
実施例1は、この接合層8への取出し量を増加させるために、発光抽出層Eにおいて、低屈折率層2にさらに光散乱粒子3を分散させる。このような構成とすることで、低屈折率層2に取り出された光は、光散乱粒子3で散乱し、角度が変化する。その結果、全反射以上の角度の光も、角度が変化し、取出しが可能となる。また、それでも取り出せなかった光は、低屈折率層2内で反射を繰り返す間に、光散乱粒子3で角度が変化し、何回か繰り返す間に取り出せる角度となり、いつかは接合層8へ取り出せる。もし、光散乱粒子3がない場合は、反射を繰り返しても、角度が変化しないため、接合層8へは取り出せない。このように、光散乱粒子3によって、取り出せる光を増加させ、発光出力を大きくすることが、本発明の効果である。
ここで、光を散乱させるためには、光散乱粒子3は低屈折率層2と屈折率差があることが必要である。ここで用いたBaTiO3の屈折率は2.4前後であり、低屈折率層3の屈折率差は大きく、効果が大きい。
また、光散乱粒子3は、粒子径が0.01〜100μmのものを用いる場合に効果が大きい。本発明では、シンチレータの発光は350nm〜1000nm程度の波長を想定している。検討により、この波長範囲では、前記粒子径の光散乱粒子3を用いた場合に光散乱が大きく、良好な結果が得られた。
ここで、粒子径とは、例えば、電子顕微鏡等で観察し計測した粒子径の値や、コールターメーターで測定した粒子径分布における中央値(d50)などの値である。その他の様々な評価方法による粒子径の値も使用することが可能である。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層を形成し、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例2のシンチレータについて以下説明する。図5は実施例2のシンチレータSの模式図である。ここでは、発光抽出層Eで、光散乱粒子3として粒径1〜5μm程度のZr2O3を用いた点が実施例1と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
実施例2のシンチレータを、実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。
実施例2の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例2の効果の原理は実施例1とほぼ同じである。ここで光散乱粒子3であるZr2O3の屈折率は1.9程度であり、低屈折率層2との屈折率差は大きく、十分な効果を持つことが示された。
また、光散乱粒子3は、粒子径が0.01〜100μmのものを用いる場合に効果が大きい。本発明では、シンチレータの発光は350nm〜1000nm程度の波長を想定している。検討により、この波長範囲では、前記粒子径の光散乱粒子3を用いた場合に光散乱が大きく、良好な結果が得られた。
ここで、粒子径とは、例えば、電子顕微鏡等で観察し計測した粒子径の値や、コールターメーターで測定した粒子径分布における中央値(d50)などの値である。その他の様々な評価方法による粒子径の値も使用することが可能である。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例3のシンチレータについて以下説明する。図6は、実施例3のシンチレータSの模式図である。発光抽出層Eで、低屈折率層2において、シンチレータ発光部1表面に隣接する低屈折率層2に微小粒子4を配置している点が実施例1と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
実施例3では、シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成した。ここでは、光散乱粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。さらに、低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。
実施例3の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例3の原理を以下に記す。実施例3では、シンチレータ発光部1の表面に、微小粒子4を形成したことで、低屈折率層2への光取出しを増加させている。シンチレータ発光部1から低屈折率層2へ光が入射するところで全反射が起こるが、この全反射光は極わずかな距離ながら低屈折率層2への光の浸み出しが生じている。このような光はevanescent光として知られている。シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成することで、このevanescent光を散乱させ、低屈折率層2へ取り出すことが可能である。これにより、低屈折率層2へ取り出される光量が増加し、さらに接合層への光量も増加し、受光素子7への発光出力も増加する。
また、微小粒子4は、粒子径が10〜500nmのものを用いる場合に効果が大きい。evanescent光の浸み出しは表面のごく近くに生じるため、微小な粒子をできるだけ表面に密に並べることが望ましい。検討により、前記粒子径の微小粒子4を用いた場合に効果が大きく、良好な結果が得られた。
ここで、粒子径とは、例えば、電子顕微鏡等で観察し計測した粒子径の値や、コールターメーターで測定した粒子径分布における中央値(d50)などの値である。その他の様々な評価方法による粒子径の値も使用することが可能である。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例4のシンチレータについて以下説明する。図7は、実施例3のシンチレータSの模式図である。発光抽出層Eで、低屈折率層2において、シンチレータ発光部1表面に突起状構造5を形成している点が実施例1と異なる。製造方法や概略寸法は実施例1に準ずる。
シンチレータ発光部1表面に構造ピッチ10〜2000nmかつ構造高さ1〜20000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。本実施例における構造の一例では、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。さらに、低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。シンチレータ発光部と受光素子を接合層で固着し、放射線検出器を得た。接合層の接着層厚は数μm以下である。
実施例4の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例4の原理を以下に記す。実施例4の所定のサイズで形成した突起状構造は、通常のシンチレータによる発光の波長には、連続的に屈折率が変化した層としての効果を持つ。そのため、急峻な屈折率を持つ界面がなくなり、反射を大幅に低減する。また、光を回折させ、角度を変化させる働きを持つ。そのため、第1の実施例の光散乱粒子のように、全反射による光の閉じ込めを低減することができる。これらにより、低屈折率層2へ取り出される光量が増加し、さらに接合層8への光量も増加し、受光素子7への発光出力も増加する。
上記効果のためには、構造を発光波長に対して適切なサイズとすることが必要である。本発明では、シンチレータの発光は350nm〜1000nm程度の波長を想定している。検討により、この波長範囲では、図19に示す構造ピッチサイズの場合に、回折が生じた。さらに、斜線をかけた範囲での構造ピッチサイズでは、広い角度範囲で回折が生じ、良好な結果が得られた。すなわち、構造ピッチが10〜2000nmの範囲とした場合に、本発明の望ましい特性が得られる。
また、構造高さは、回折効果が十分生じる高さであり、また、屈折率変化をなだらかにすることができる高さが必要である。検討により、このような高さは、ピッチの1/10以上の高さが必要である。また、ピッチの10倍以下であれば効果は十分である。これより、構造高さは、1〜20000nmの範囲であれば効果が大きい。
このような構造の作製方法の例としては、シンチレータ表面に、適切な開口部を持つマスクを形成し、ドライエッチを行うことで作製が可能である。このようなマスクは、微小な突起を持つ金型による転写や、フォトリソグラフィーや、電子線描画などで作成が可能である。また、このような構造を持つ材料を、シンチレータ表面に接合することでも形成が可能である。作製方法は、前記したものに限らず、本発明の構造が形成可能であれば、どのような方法を用いてもかまわない。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例5のシンチレータについて以下説明する。図8は、実施例5のシンチレータSの模式図である。発光抽出層Eは、基板6と突起状構造5を有する。シンチレータ発光部1が基板6上に形成されており、基板6の両側の表面に突起状構造5を形成している点が実施例1と異なる。製造方法や概略寸法は実施例1と同じである。
図9は、図8のシンチレータSと受光素子7を接合し、受光素子7側に光散乱粒子3を有する低屈折率層2を形成した放射線検出器Dの模式図である。
図8、9において、シンチレータ発光部1が形成されている基板6の両側の表面に構造ピッチ10〜2000nmかつ構造高さ1〜20000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。本実施例における構造の一例では、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。さらに、低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。シンチレータSと受光素子7を接合層8で固着し、放射線検出器Dを得た。接合層8の接着層厚は数μm以下である。
実施例5の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例5の原理を以下に記す。実施例5で用いた基板6は、サファイア基板、ガラス基板、石英基板、及び樹脂基板のいずれかを用いた。基板6に、本実施例の所定サイズで形成した突起状構造は、通常のシンチレータによる発光の波長には、連続的な屈折率変化層としての効果を持つ。そのため、急峻な屈折率を持つ界面がなくなり、反射を大幅に低減する。また、光を回折させ、角度を変化させる働きを持つ。そのため、実施例1の光散乱粒子のように、全反射による光の閉じ込めを低減することができる。
基板6は、シンチレータ発光部1と一つの面で接合し、また、低屈折率層2に他の面で接合している。基板6の屈折率は、シンチレータ発光部1の屈折率とも、低屈折率層2の屈折率とも異なる場合が多い。そのため、通常は、両方の面で、界面の反射及び全反射による光閉じ込めが生じる。実施例5では、両方の面に上記構造を形成することにより、両方の面での界面反射及び光閉じ込めを低減できる。これらにより、低屈折率層2へ取り出される光量が増加し、さらに接合層8への光量も増加し、受光素子7への発光出力も増加する。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例6のシンチレータについて以下説明する。図10は実施例6のシンチレータSの模式図である。シンチレータ発光部101の材料をYGAGに替えた点が、実施例1と異なる主な点である。低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。発光抽出層Eで、低屈折率層2には光散乱粒子3が分散されている。ここでは、光散乱粒子3として粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。低屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。
図11は、シンチレータSに低屈折率層2及び光散乱粒子3を形成し、受光素子7を接合した放射線検出器Dの模式図である。シンチレータ発光部101と受光素子7を接合層8で固着して接合している。接合層8の屈折率は1.5前後のものを用いた。接合層8の層厚は数μm以下である。
低屈折率層2に分散した光散乱粒子3の重量濃度を変更し、光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例6での原理は、実施例1で説明した原理と同様である。YGAGの屈折率も、1.8〜1.9と高いため、同様の効果により発光強度が増加する。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例7のシンチレータについて以下説明する。図12は実施例7のシンチレータSを示す模式図である。シンチレータ発光部301の材料をGaNを含む量子井戸層による発光素子に替えた点が、実施例4と異なる点である。
実施例7のシンチレータ発光部301の構造及び作製方法として、サファイア基板上にGaNバッファ層を成長させ、その上にGa1-x-yAlxInyNの層を、組成を変えて多数の層を成長させ、さらにその上にキャップ層としてGaNの層を成長させた。
サファイヤ基板は10φの円盤状であり、バッファ層の厚さは1〜10μmの範囲の厚さであり、多層構造はGaInNとGaNが交互に6周期〜30周期の範囲で重なったものであり、その厚さは20nm〜500nmの範囲であり、キャップ層の厚さが10nm〜100nmの範囲とした。さらに、この構造上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止とした。
シンチレータ発光部301表面、すなわち、上記サファイア基板表面に、構造ピッチ10〜2000nmかつ構造高さ1〜20000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。本実施例における構造の一例では、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。さらに、低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。
シンチレータと受光素子を接合層で固着し、放射線検出器を得た。接合層の接着層厚は数μm以下である。本実施例の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例7での発明の原理は、実施例4で説明した原理と同様である。
本発明の実施例8のシンチレータについて以下説明する。図13は、実施例8のシンチレータSの模式図である。低屈折率層2の表面に、微小粒子9を形成している点が実施例3と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
低屈折率層2の表面に微小粒子9を形成した。ここでは、光散乱粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。実施例8の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例8の原理を以下に記す。実施例8では、低屈折率層2の表面に、微小粒子9を形成したことで、低屈折率層2からの光取出しを増加させている。光取出しが増加する原理は、実施例3と同様である。これにより、低屈折率層2へ取り出された光が、接合層8へ取り出される光量が増加し、受光素子7への発光出力も増加する。
また、このような構造とした場合、微小粒子9はシンチレータ外部にあり、はがれやすいなどの不都合が生じる場合がある。そのような場合には、応用例として図10に示すように、微小粒子9を保護層10で覆う構造も可能である。その場合、保護層10は、接合層8に屈折率が近い樹脂等で形成すれば効果的である。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例9のシンチレータについて以下説明する。図15は、実施例9のシンチレータSの模式図である。低屈折率層2において、光散乱粒子3が分散されており、かつ、シンチレータ発光部表面に、微小粒子4を形成している点が実施例1と異なる点である。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。低屈折率層2には、光散乱粒子3が分散されている。ここでは、光散乱粒子3として粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。低屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。さらに、シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成した。ここでは、光散乱粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。実施例1と同様に、シンチレータと受光素子を接合し、放射線検出器を構成した。各層の特性などは実施例1に準じる。実施例9の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例9の原理は、実施例1、及び実施例3の両者の原理を併せ持つものである。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例10のシンチレータについて以下説明する。図16は、実施例10のシンチレータSの模式図である。低屈折率層2において、光散乱粒子3が分散されており、かつ、シンチレータ発光部1表面に、微小粒子4を形成しており、かつ、低屈折率層2の表面に、微小粒子9を形成している点が実施例1と異なる。その他の構成や仕様は実施例1とほぼ同様である。
本発明の実施例10のシンチレータについて以下説明する。シンチレータ発光部1はGOS(Gd2O2S:Pr)を用いた。低屈折率層2は、屈折率1.6〜1.7の樹脂で形成した。このような樹脂の例としては、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などがある。低屈折率層2には、光散乱粒子3が分散されている。ここでは、光散乱粒子3として粒径1〜5μm程度のBaTiO3を用いた。低屈折率層2の膜厚は2μm〜10μmの範囲とした。かつ、シンチレータ発光部1の表面に微小粒子4を形成した。ここでは、光散乱粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。かつ、低屈折率層2の表面に微小粒子9を形成した。ここでは、光散乱粒子として粒径100nmのBaTiO3を用いた。
図17は、実施例10のシンチレータSに受光素子7を接合した放射線検出器Dの模式図である。シンチレータと受光素子7を接合層8で固着して接合している。接合層8の屈折率は1.5前後のものを用いた。接合層8の層厚は数μm以下である。実施例9の発光出力を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
本発明の原理は、実施例1、実施例3、及び実施例8の全ての原理を併せ持つものである。
また、シンチレータ材料にダイヤモンドカッターなどで溝を加工し、その溝にエポキシ樹脂に二酸化チタン粉末等を混練したものを充填し反射層として、セル状に分割した構造とした場合も、反射層が形成されていない光取出し面に本発明の構造を形成することで、本発明は同様の効果を示した。
本発明の実施例11のシンチレータSを有する放射線検出器について以下説明する。図18は実施例11の放射線検出器Dを示す模式図である。シンチレータ発光部301の材料をGaNを含む量子井戸層による発光素子を用い、かつ、基板6の両側の表面に突起状構造5を形成している点が実施例7と異なる。また、放射線検出器Dにおいて、シンチレータSと受光素子7の接合を、ライトガイド11を介して行っている。
実施例11のシンチレータの構造及び作製方法として、サファイア基板上にGaNバッファ層を成長させ、その上にGa1-x-yAlxInyNの層を、組成を変えて多数の層を成長させ、さらにその上にキャップ層としてGaNの層を成長させた。基板は10φの円盤状であり、バッファ層の厚さは1〜10μmの範囲の厚さであり、多層構造はGaInNとGaNが交互に6周期〜30周期の範囲で重なったものであり、その厚さは20nm〜500nmの範囲であり、キャップ層の厚さが10nm〜100nmの範囲とした。さらに、この構造上に、Alの薄膜を40〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止とした。
図18では、シンチレータSと受光素子7を、ライトガイド11を介して接合している。ここで、ライトガイド11の材質は、ガラス、石英、もしくはアクリル等の樹脂を用いた。形状は、長さが5〜20cmの範囲で、直径が10φの円筒状のものを用いた。
シンチレータ発光部が形成されている基板6の両側の表面に構造ピッチ10〜2000nmかつ構造高さ1〜20000nmの突起状構造5が連続的に形成されている。本実施例における構造の一例では、ピッチを300〜500nm、構造高さを300〜500nmとした。また、ここでは、低屈折率層2は形成せず、ライトガイド11の一端に直接シンチレータSを接合し、もう一端に受光素子7の受光部を接合し、放射線検出器Dを得た。
被検体11の光出力の変化を調べた結果、実施例1と同様に大幅な光出力の増加が示された。
実施例11での本発明の原理は、実施例5で説明した原理と同様である。
1、101、201、301 シンチレータ発光部
2 低屈折率層
3 光散乱粒子
4 微小粒子(発光部表面)
5 突起状構造
6 基板
7 受光素子
8 接合層
9 微小粒子(低屈折率層表面)
10 保護層
11 ライトガイド
S シンチレータ
D 放射線検出器
E 発光抽出層

Claims (13)

  1. 放射線入射により発光する発光部を有するシンチレータにおいて、前記発光部表面に前記シンチレータ内部の発光をシンチレータ外部に取り出す発光抽出層を設け、前記シンチレータの発光量を増加させたことを特徴とするシンチレータ。
  2. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、前記発光抽出層は、前記発光部表面に設けた前記発光部より屈折率が低い低屈折率層と、前記低屈折率層に含まれるとともに前記低屈折率層と屈折率が異なる材料で形成された粒径0.01〜100μmの光散乱粒子を有することを特徴とするシンチレータ
  3. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、前記発光抽出層は、前記発光部表面に設けた前記発光部より屈折率が低い低屈折率層と、該低屈折率層内で前記シンチレータ表面に連続的に形成された構造ピッチ10〜2000nmかつ構造高さ1〜20000nmの突起状構造を有することを特徴とするシンチレータ
  4. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、前記発光抽出層は、前記シンチレータは前記発光部が表面に形成された基板と、該基板表面に設けた前記発光部より屈折率が低い低屈折率層と、前記基板の発光部側表面及び発光出力側表面に連続的に形成された構造ピッチ10〜2000nmかつ構造高さ1〜20000nmの突起状構造を有することを特徴とするシンチレータ。
  5. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、前記発光抽出層は、前記発光部表面に設けた前記発光部より屈折率が低い低屈折率層と、該低屈折率層内で前記発光部表面に配置された前記発光部と屈折率が異なる材料により形成された粒径10〜500nmの微少粒子を有することを特徴とするシンチレータ。
  6. 請求項1に記載のシンチレータにおいて、前記発光抽出層は、前記発光部表面に設けた前記発光部より屈折率が低い低屈折率層と、該低屈折率層表面に配置された前記発光部と屈折率が異なる材料により形成された粒径10〜500nmの微少粒子を有することを特徴とするシンチレータ。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のシンチレータにおいて、前記シンチレータの発光部が、Gd2O2S:Pr、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce、CaWO4、Bi4Ge3O12で表される組成を持つ材料のうち少なくとも一つを使用していることを特徴とするシンチレータ。
  8. 請求項1乃至6のいずれかに記載のシンチレータにおいて、前記シンチレータの発光部が、GaNを含む薄膜で形成されていることを特徴とするシンチレータ。
  9. 請求項1乃至6のいずれかに記載のシンチレータにおいて、前記シンチレータの発光部が、Y2SiO5:Ce、YAlO4:Ceで表される組成を持つ材料のうち少なくとも一つを使用していることを特徴とするシンチレータ。
  10. 請求項1乃至6のいずれかに記載のシンチレータにおいて、前記シンチレータにおける分散粒子または微小粒子が、ZrO2、BaTiO3、TiO2で表される組成を持つ材料のうち少なくとも一つを使用していることを特徴とするシンチレータ。
  11. 請求項1乃至6のいずれかに記載のシンチレータにおいて、前記シンチレータにおける低屈折率層が、少なくとも一部にエポキシ樹脂、もしくはアクリル樹脂を使用していることを特徴とするシンチレータ。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載のシンチレータと受光素子を有することを特徴とする放射線検出器。
  13. 請求項12に記載の放射線検出器であって、受光素子として光電子倍増管もしくはフォトダイオードのうちいずれかを使用していることを特徴とする放射線検出器。
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