以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下で説明する複数の実施形態において、特に説明しない一実施形態の構成は、他の実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図1は、給水装置1の一実施形態の平面図である。図2は、図1に示す給水装置1の側面図である。図1および図2に示すように、給水装置1は、ポンプ2と、ポンプ2を駆動するモータ3と、内部にモータ3が配置されたモータケーシング4と、モータ3の可変速手段であるインバータ5と、内部にインバータ5が配置され、かつモータケーシング4に着脱可能に取り付けられたインバータケース6と、ポンプ2を制御する制御部(制御基板)9が格納された制御盤10と、モータ3によって回転される駆動軸11の軸線CL方向に沿ってインバータケース6をモータケーシング4に取り付け、かつ外部からアクセス可能な位置に配置された取り付け構造15とを備えている。
本実施形態では、ポンプ2は、単一の駆動軸11をモータ3とポンプ2とが共有する直動式の横軸形ポンプである。ポンプ2は、駆動軸11の端部(すなわち、駆動軸11の負荷側)に固定された羽根車20と、羽根車20を収容するポンプケーシング21とを備えている。駆動軸11は、モータ3によって回転され、羽根車20はポンプケーシング21内で駆動軸11と一体に回転する。モータケーシング4はポンプケーシング21に固定されている。ポンプケーシング21の吸込口21aには、吸込み配管22が接続されており、ポンプケーシング21の吐出口21bには、吐出し配管23が接続されている。
羽根車20が回転すると、液体は、吸込み配管22を通じて、ポンプケーシング21の内部に吸い込まれる。液体には、羽根車20の回転により速度エネルギーが付与され、さらに、液体がポンプケーシング21内のボリュート室を通ることによって速度エネルギーが圧力エネルギーに変換され、液体が昇圧される。昇圧された液体は、吐出し配管23を通じて外部に移送される。
給水装置1の構成要素の配置について説明する。図1および図2に示すように、給水装置1は、ポンプ2、モータケーシング4、および制御盤10が載置されたベース60をさらに備えている。ポンプケーシング21はベース60に固定されたポンプ台61に支持されており、モータケーシング4はベース60に固定されたモータ台62に支持されている。
制御盤10は、取り付け構造15が露出可能なように、ポンプ2およびモータケーシング4の少なくとも1つの周囲に配置されている。言い換えれば、制御盤10は、取り付け構造15の周囲には配置されておらず、取り付け構造15から離間している。取り付け構造15は、作業者が外部から取り付け構造15を視認することができるように配置されている。
一実施形態では、制御盤10は、ポンプ2およびモータケーシング4の少なくとも1つの上方に配置されていてもよい。このような配置により、制御盤10を載置するためのスペースをベース60に設ける必要はないため、ベース60のサイズを小さくすることができる。結果として、給水装置1の全体のサイズを小さくすることができる。他の実施形態では、制御盤10は、ポンプ2およびモータケーシング4の少なくとも1つの側方に配置されてもよい。
本実施形態では、制御盤10は、モータケーシング4を横切るように配置された支持部材65に支持されており、モータケーシング4の上方に配置されている。制御盤10には、運転パネル12が設けられており、この運転パネル12は、作業者による操作性を向上させるために、モータケーシング4よりも高い位置に配置されている。
支持部材65は、ベース60に固定され、かつベース60の表面から上方に向かって延びる脚部66と、脚部66に固定され、かつ制御盤10が載置される架台67とを備えている。脚部66は、モータケーシング4の上方まで延びており、脚部66に固定された架台67はモータケーシング4の上方に配置されている。架台67は、ベース60の表面と平行な方向(すなわち、水平方向)に延びており、制御盤10が載置可能な大きさを有している。
インバータケース6は、モータケーシング4から張り出すように、取り付け構造15によってモータケーシング4に取り付けられており、ベース60の上方に配置されている。つまり、インバータケース6はベース60には直接固定されていない。インバータケース6はモータケーシング4に固定されているため、作業者はインバータ5の交換作業を容易に行うことができる。
本実施形態では、図1に示すように、ポンプ2、モータケーシング4、制御盤10、インバータケース6、および取り付け構造15は、ベース60を上から見たとき、ベース60の外縁60aの内側に配置されている。
モータ3およびインバータ5を含む電動機組立体30の構造について説明する。図3は、電動機組立体30の構造を示す図である。図3に示すように、電動機組立体30は、駆動軸11と、駆動軸11を回転させる回転子(ロータ)31および固定子(ステータ)32を備えるモータ(回転要素)3と、回転子31および固定子32を収容するモータケーシング4と、回転子31および固定子32に隣接して配置され、モータ3の動作(回転速度)を制御するインバータ5と、インバータ5を収容し、駆動軸11の軸線CL方向に沿ってモータケーシング4に直列的に配置されたインバータケース6とを備えている。
駆動軸11は、モータケーシング4およびインバータケース6を貫通して延びており、モータケーシング4およびインバータケース6は駆動軸11と同心状に配置されている。本実施形態では、モータケーシング4およびインバータケース6は、駆動軸11の軸線CL方向に直列的に配置されているため、電動機組立体30はコンパクトな構造を有することができる。駆動軸11の端部(すなわち、駆動軸11の反負荷側)には、駆動軸11と同心状に配置された冷却ファン25が固定されている。冷却ファン25は、インバータケース6の外側に配置されており、インバータケース6に隣接している。一実施形態では、冷却ファン25は遠心ファンである。
モータケーシング4の内部には、発熱源であるモータ3が配置されている。モータ3は、駆動軸11に固定された回転子31と、回転子31を囲んで、外部(図示しない)からの電力を巻線(コイル)32bが受けて回転磁界を形成する固定子(ステータ)32とを備えている。固定子32は、ステータコア32aと、ステータコア32aに巻かれた複数の巻線32bとを備えている。回転子31は、回転子31と固定子32との間に形成される回転磁界によって回転し、回転子31が固定された駆動軸11は回転子31とともに回転する。
図3において、モータ3は模式的に描かれている。モータ3は、例えば、ロータに永久磁石を用いた永久磁石型モータである。しかしながら、モータ3は、永久磁石型モータに限定されず、誘導モータやSRモータなど、様々な種類のモータであってもよい。
モータケーシング4は、固定子32が固定されたモータフレーム40と、モータフレーム40の一方の開口端を閉じ、かつ駆動軸11が貫通する貫通孔35が形成されたエンドカバー42と、モータフレーム40の他方の開口端を閉じ、かつ駆動軸11が貫通する貫通孔33が形成されたモータ側板(ブラケット)43とを備えている。エンドカバー42およびモータ側板43は、モータ3を挟んで互いに対向している。駆動軸11は、エンドカバー42の軸受支持部36に支持された軸受37およびモータ側板43の軸受支持部38に支持された軸受39によって回転自在に支持されている。
インバータケース6は、インバータ5を取り囲み、言い換えれば、インバータ5の周囲に配置されたインバータフレーム45と、インバータフレーム45の開口端を閉じるカバー部材46とを備えている。インバータフレーム45は、モータ側板43に隣接して配置されており、モータ側板43に接続されている。
本実施形態では、取り付け構造15は、駆動軸11の軸線CL方向と平行に延びる通しボルトである。取り付け構造15は、カバー部材46、モータ側板43、およびモータフレーム40に挿入されている。取り付け構造15は、その頭部でカバー部材46をインバータフレーム45に押し付けることにより、カバー部材46、インバータフレーム45、モータ側板43、およびモータフレーム40を締結することができる。
電動機組立体30は、冷却ファン25を覆うようにインバータケース6、より具体的には、カバー部材46に接続されたファンカバー51を備えている。ファンカバー51は、人間の指の冷却ファン25への接触を防止しつつ、冷却用の空気をインバータケース6およびモータケーシング4に、この順に送るための部材である。ファンカバー51は、カバー部材46を覆うように配置されており、カバー部材46に固定されている。ファンカバー51は、冷却ファン25に対向するファンカバー51の面に形成された開口51aを有している。
インバータケース6の内部には、インバータ5が配置されている。インバータ5は、スイッチング素子やコンデンサなどの要素を含むインバータ要素47と、このインバータ要素47が実装されたインバータ基板48とを備えている。インバータ基板48はカバー部材46の内面に固定されている。
電動機組立体30は、駆動軸11の周囲を覆う軸カバー50をさらに備えている。この軸カバー50は、駆動軸11とインバータ5とを隔離する隔離部材である。軸カバー50は、円筒形状を有しており、駆動軸11と同心状に配置されている。軸カバー50の形状は特に限定されない。軸カバー50は、駆動軸11の軸線CL方向に延びている。インバータ5(すなわち、インバータ要素47およびインバータ基板48)およびインバータ5と固定子32の巻線32bとを電気的に接続する接続線(図示しない)は、軸カバー50の外側に配置されている。
インバータ基板48は、駆動軸11および軸カバー50が貫通する環状形状を有しており、インバータ基板48および軸カバー50は駆動軸11と同心状に配置されている。軸カバー50を設けることにより、上記接続線の駆動軸11への巻き込み、およびインバータ要素47の駆動軸11との接触を防止することができる。結果として、インバータ5の故障を確実に防止することができる。
本実施形態に係る制御盤10について説明する。図4は、比較例としての制御盤の構造を示す平面図である。図4に示すように、比較例としての制御盤1000は、インバータ1001を含む動力回路1002と、制御基板1003とを収容している。インバータ1001は制御盤1000の正面に対向して配置されており、制御基板1003は、スペーサボルト1004によって制御盤1000の側面に取り付けられている。
制御基板1003のメンテナンスが実行される場合、作業者は、制御盤1000の正面を通じて制御盤1000の側面に取り付けられた制御基板1003にアクセスする必要がある(図4の矢印参照)。しかしながら、制御盤1000の正面側に立つ作業者が制御盤1000の側面に取り付けられた制御基板1003の全体を視認することは容易ではない。結果として、作業者による制御基板1003のメンテナンスの実行は容易ではない。特に、作業者は、制御盤1000の背面側に位置するスペーサボルト1004に容易にアクセスすることができない。
制御基板1003は動力回路1002に隣接しているため、制御基板1003のメンテナンス時において、作業者は、強電回路である動力回路1002に接触するおそれがある。この場合、動力回路1002が通電状態であると、作業者は、動力回路1002との接触に起因して、感電するおそれがある。作業者の感電を防止するためには、給水装置の運転を停止しなければならない。しかしながら、給水装置は、ライフラインを支える装置であるため、可能な限り、給水装置の運転を継続することが望ましい。
以下、制御基板のメンテナンス作業を容易に、かつ安全に行うことができる制御盤10の構造について、図面を参照して説明する。
図5は、制御盤10の一実施形態を示す斜視図である。図6は、制御盤10の構成要素を示す斜視図である。図7は、制御盤10の構成要素の1つであるケース本体111の平面図である。図8は、ケース本体111の正面図である。
制御盤10は箱形構造を有しており、制御盤10には、制御部9(制御基板9)が収められている。制御基板9は制御盤10の側面と対向して配置されている。制御基板9は、吐出圧力や流入圧力などを入力する入出力部、インバータ5の通信と接続される通信部、各種のプログラムを記憶したメモリ、演算制御動作を行うCPU等を備え、通信を介してポンプ2の発停や回転周波数、インバータ5のトリップ等の情報の授受が行われる。制御基板9は、メモリに記憶された制御プログラムを実行して、運転パネル12で設定された条件や各種センサからの信号に基づいて、各ポンプ2の発停(運転台数)および運転周波数を決定し、インバータ5にそれらを送信してポンプ2の回転周波数制御を行う。また、制御基板9は、各種センサからの信号やインバータ5からのトリップ信号により、ポンプ2の運転を停止する、あるいは他のポンプ2に運転を切り替えるなどの制御を行う。
制御盤10は、動力回路100と、制御回路(より具体的には、回路素子)101が実装された制御基板9と、動力回路100および制御回路101を収容し、かつ制御基板9と対向する開口面105を有する制御基板ケース110と、を備えている。開口面105は、制御基板9に対するメンテナンス作業を行うために、作業者が制御基板9にアクセス可能な、制御基板ケース110(より具体的には、後述するケース本体111)の仮想的な側面を構成する空間である。
制御基板ケース110は、動力回路100および制御基板9が配置されたケース本体111と、ケース本体111を覆うケースカバー112とを備えている。ケースカバー112は、動力回路100および制御基板9を覆うカバー本体113と、開口面105を閉じる側面カバー114とを備えている。側面カバー114は制御基板ケース110の側面に相当する。
動力回路100は、電力をモータ3に供給するための回路である。図5乃至図8に示す実施形態では、動力回路100は、リアクトル(例えば、ACリアクトル(ACL)またはDCリアクトル(DCL))115、ノイズフィルタ(NF)116、漏電遮断器(ELB)117、および端子台(動力回路用端子台)118を含んでいる。本実施形態では、端子台118のみが描かれているが、基板用端子台が設けられてもよい。
本実施形態では、インバータ5は、制御盤10内には格納されておらず、モータケーシング4に取り付けられたインバータケース6内に収容されている。つまり、インバータ5は、制御盤10とは別個に設けられている。したがって、制御盤10は、インバータ5を収容する必要はなく、制御盤10の全体のサイズを小さくすることができる。
図7および図8に示すように、制御基板ケース110は、動力回路100と対向するアクセス面128を有している。アクセス面128は、動力回路100に対するメンテナンス作業を行うために、作業者が動力回路100にアクセス可能な、制御基板ケース110(より具体的には、ケース本体111)の仮想的な上面および正面を構成する空間である。
制御回路101は、ポンプ2を制御するための回路である。制御回路101は、制御基板9の実装面9aに実装されている。制御基板9の実装面9aの反対側の面は裏面9bである。制御基板9は、制御基板ケース110の開口面105と平行に配置されている。制御回路101は制御基板9の実装面9a側に配置されており、動力回路100は制御基板9の実装面9aとは反対側の裏面9b側に配置されている。
図9は、ケースカバー112を図5に示す方向とは異なる方向(反対方向)から見たときのケースカバー112の斜視図である。カバー本体113は、制御基板ケース110が組み立てられたとき、動力回路100および制御基板9の上方に位置する上面部120と、上面部120に接続され、かつ運転パネル12が設けられた斜面部121と、斜面部121に接続され、かつノイズフィルタ116および端子台118に隣接する前面部122とを備えている。斜面部121は、上面部120と前面部122との間に配置されている。側面カバー114は、上面部120、斜面部121、および前面部122に接続されており、カバー本体113の側方に配置されている。
図10は、側面カバー114を備えたケース本体111を示す図である。一実施形態では、ケースカバー112は側面カバー114を備えておらず、その代わりに、図10に示すように、ケース本体111が側面カバー114を備えてもよい。
ケース本体111は、制御基板ケース110の背面を構成する背板125と、制御基板ケース110の底面を構成する底板126と、制御基板ケース110の側面を構成する側板127とを備えている。制御基板ケース110が組み立てられたとき、背板125および前面部122は互いに平行に配置される。底板126および上面部120は互いに平行に配置される。側面カバー114および側板127は互いに平行に配置される。
図11および図12は、図10に示す側面カバー114の他の実施形態を示す図である。図11および図12に示すように、側面カバー114は、取り外し可能なパネル部114aと、パネル部114aを取り外し可能に保持する枠部114bとを備えている。図12に示すように、パネル部114aが枠部114bから取り外されたとき、開口面105は、枠部114bによって囲まれた領域に形成される。
制御盤10は、制御基板9が取り付けられた取り付け板130を備えている。本実施形態では、制御基板9は、スペーサボルト134を介して取り付け板130に取り付けられている。したがって、制御基板9の裏面9bは取り付け板130から離間している。取り付け板130は、制御基板9と動力回路100との間に配置されている。
取り付け板130は、開口面105(すなわち、制御基板9)と平行に配置されており、着脱可能に制御基板ケース110に取り付けられている。より具体的には、取り付け板130は、着脱可能にケース本体111の背板125および底板126に取り付けられている。
図13は、制御盤10を正面から見たときの取り付け板130を示す図である。図14は、制御盤10を上から見たときの取り付け板130を示す図である。図13および図14では、制御基板9の図示は省略されている。
図13および図14に示すように、取り付け板130は、ケース本体111の背板125に固定される背板側固定部131と、ケース本体111の底板126に固定される底板側固定部132と、制御基板9を固定する基板支持部133とを備えている。
背板側固定部131は、背板125と平行に延びており、基板支持部133に接続されている。底板側固定部132は、底板126と平行に延びており、基板支持部133に接続されている。基板支持部133は、背板125および底板126と垂直に延びている。本実施形態では、背板側固定部131、底板側固定部132、および基板支持部133は、一体成形部材である。取り付け板130は、一枚の板材が折り曲げられた折り曲げ構造を有している。
図13に示すように、取り付け板130および底板126は、締結具(例えば、ねじ)135によって互いに締結されている。底板126には、締結具135が挿入される貫通孔126aが形成されており、底板側固定部132には、締結具135が挿入される挿入孔132aが形成されている。締結具135をこれら貫通孔126aおよび挿入孔132aに挿入して、締結具135を締め付けることにより、底板側固定部132は底板126に固定される。
図14に示すように、取り付け板130および背板125は、締結具(例えば、ねじ)136によって互いに締結されている。背板125には、締結具136が挿入される貫通孔125aが形成されており、背板側固定部131には、締結具136が挿入される挿入孔131aが形成されている。締結具136をこれら貫通孔125aおよび挿入孔131aに挿入して、締結具136を締め付けることにより、背板側固定部131は背板125に固定される。
取り付け板130は、動力回路100と制御回路101とを区画する隔壁としての機能を有する。ケース本体111を開口面105側から見たとき、制御基板9は取り付け板130の手前側に配置されており、動力回路100は取り付け板130の奥側に配置されている。
図13および図14に示す実施形態では、背板側固定部131は制御基板9側に折れ曲がっており、底板側固定部132は動力回路100側に折れ曲がっているが、背板側固定部131および底板側固定部132のそれぞれの折れ曲がり方向は本実施形態には限定されない。
取り付け板130は、着脱可能にケース本体111に取り付けられているため、交換すべき制御基板9が取り付けられた状態で取り付け板130を交換することにより、制御基板9を新たな制御基板9に交換することができる。制御基板9の形状が変わった場合であっても、作業者は、取り付け板130の交換および/または取り付け板130の加工を行えばよい。
取り付け板130には、取り付け板130の基板支持部133と垂直に延びる壁部材140が固定されている(図5、図7、および図8参照)。この壁部材140は、リアクトル115と漏電遮断器117とを分離する部材であり、背板125と平行に延びている。壁部材140は、取り付け板130および側板127に接続されている。
漏電遮断器117は、ケース本体111を制御盤10の正面側から見たとき、壁部材140の手前側に配置されており、リアクトル115は壁部材140の奥側に配置されている。ここで、制御盤10の正面とは、運転パネル12側の面である。
図7および図8に示すように、制御基板9の着脱作業および制御基板9の配線作業を含む制御基板9のメンテナンス作業が可能な作業空間(第1作業空間)150が形成されている。作業空間150は、制御盤10の内部空間150aと、この内部空間に接続された外部空間150bとを含む空間である。作業空間150は、開口面105を含んでおり、制御基板9の実装面9a側に位置している。本実施形態では、作業空間150は、制御基板9、背板125、および底板126によって囲まれている。一実施形態では、作業空間150は、背板125、底板126、および取り付け板130によって囲まれてもよい。
上述したように、制御基板9は開口面105に対向している。したがって、作業者は、ケースカバー112の取り外しによって、制御基板9の全体(特に、スペーサボルト134)を開口面105側から視認することができる。結果として、作業者は、開口面105を通じて制御基板9(特に、スペーサボルト134)に容易にアクセスすることができる。
本実施形態では、制御基板9は開口面105に隣接しており、作業空間150には、作業者による制御基板9のメンテナンス作業の実行を阻害する制御盤10の構成要素は存在していない。したがって、作業者は、作業空間150において、制御基板9のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
動力回路100のメンテナンス作業が可能な作業空間(第2作業空間)160が形成されている。作業空間160は、アクセス面128を含む制御盤10の内部空間であり、制御基板9の裏面9b側に配置されている。本実施形態では、作業空間160は、背板125、底板126、側板127、および取り付け板130によって囲まれている。作業空間160は、この内部空間に接続された外部空間をさらに含む空間であってもよい。
上述したように、動力回路100はアクセス面128に対向している。したがって、作業者は、ケースカバー112の取り外しによって、動力回路100の全体をアクセス面128側から視認することができる。結果として、作業者は、アクセス面128を通じて動力回路100に容易にアクセスすることができ、作業空間160において、動力回路100のメンテナンス作業を行うことができる。
本実施形態では、制御盤10は、ケース本体111の仮想的な上面および正面を構成するアクセス面128のみならず、ケース本体111の仮想的な側面を構成する開口面105を有している。このように、制御盤10には、制御基板9にアクセスするためのアクセスルートと動力回路100にアクセスするためのアクセスルートとが設けられているため、作業者は、強電回路である動力回路100に接触することなく、開口面105を通じて制御基板9に直接的にアクセスすることができる。したがって、作業者は、動力回路100との接触に起因して感電することなく、かつ給水装置1の運転を継続しつつ、制御基板9のメンテナンス作業を行うことができる。
図5乃至図8に示すように、制御盤10は、制御基板9への通電を遮断する遮断スイッチ155をさらに備えている。遮断スイッチ155は、動力回路100に電力を供給しつつ、制御基板9への電力の供給を遮断するスイッチである。遮断スイッチ155は、制御盤10の内部の作業空間150に配置されている。本実施形態では、遮断スイッチ155は、背板125に取り付けられているが、遮断スイッチ155の配置は、本実施形態には限定されない。一実施形態では、遮断スイッチ155は、取り付け板130に取り付けられてもよい。
作業者は、遮断スイッチ155を操作して、制御基板9への通電を遮断することにより、給水装置1の運転を継続しつつ、制御基板9のメンテナンス作業をより安全に実行することができる。
図15は、制御盤10の他の実施形態を示す斜視図である。上述した実施形態では、ケースカバー112は側面カバー114を備えているが、本実施形態では、側面カバー114は設けられていない。ケース本体111は、側面カバー114の代わりに、開口面105を開閉する扉165を備えている。本実施形態では、扉165は、蝶番(図示しない)によって背板125に連結されている。扉165は、蝶番を中心として回転しながら開閉される。
一実施形態では、扉165は、ねじによって背板125および/または底板126にねじ止めされていてもよい。このような構造により、扉165を開閉するために必要な空間を小さくすることができるため、制御盤10をより狭い空間に配置することができる。
本実施形態によれば、作業者は、扉165を開けることにより、ケースカバー112をケース本体111から取り外すことなく、開口面105を通じて制御基板9にアクセスすることができる。このように、作業者は、動力回路100がケースカバー112に覆われている状態で制御基板9のメンテナンス作業を実行することができる。したがって、制御盤10が屋外に設置されている場合であっても、作業者は、雨または塵などの異物が動力回路100に接触することなく、制御基板9のメンテナンス作業を実行することができる。
図16は、扉165を備えたケースカバー112を示す図である。一実施形態では、ケース本体111は扉165を備えておらず、その代わりに、図16に示すように、ケースカバー112が扉165を備えてもよい。言い換えれば、開口面105を開閉可能な側面カバー114(図5参照)がケースカバー112に取り付けられている。
他の実施形態では、図5に示す実施形態と図15に示す実施形態とを組み合わせてもよい。本実施形態では、ケースカバー112は側面カバー114を備えており、ケース本体111は扉165を備えている。扉165は、ケースカバー112がケース本体111を覆ったとき、側面カバー114の内側に配置される大きさを有している。
図17は、制御盤10のさらに他の実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図17に示すように、カバー本体113は、その前面に斜面部121(図6参照)を備えておらず、前面部122は上面部120に接続されている。前面部122は上面部120に対して垂直である。
図17に示す実施形態では、制御基板ケース110は、ケース本体111に回転可能に連結された第1開閉扉220と、第1開閉扉220に回転可能に連結された第2開閉扉230と、を備えている。
本実施形態の制御盤10は、運転パネル12を有し、当該運転パネル12が設けられた面が制御基板ケース110の前面である。第1開閉扉220は、制御基板ケース110の左側面の少なくとも一部を形成する側面扉であり、ケース本体111の右側面を形成する側板127に対向可能に配置されている。第2開閉扉230は、制御基板ケース110の前面の少なくとも一部を形成する前面扉であり、ケース本体111の背面を形成する背板125に対向可能に配置されている。以下、本明細書において、第1開閉扉220を側面扉220と呼ぶことがあり、第2開閉扉230を前面扉230と呼ぶことがある。
側面扉220は、ヒンジ201(第1連結部)によってケース本体111の背板125に回転自在に連結されている。前面扉230は、ヒンジ202(第2連結部)によって側面扉220に回転自在に連結されている。ヒンジ201の数は、本実施形態には限定されない。同様に、ヒンジ202の数は、本実施形態には限定されない。
図18は、カバー本体113がケース本体111に装着された状態で、側面扉220および前面扉230が開かれた様子を示す図である。図18に示すように、側面扉220および前面扉230は、カバー本体113がケース本体111に装着された状態で開閉可能である。側面扉220は、ヒンジ201の軸を支点に回転しながら開閉される。前面扉230は、ヒンジ202の軸を支点に回転しながら開閉される。
本実施形態では、カバー本体113は、制御基板ケース110の天井面を形成する上面部120と、制御基板ケース110の前面の少なくとも一部を形成する前面部122と、によって構成され、ビスなどの固定具(不図示)によってケース本体111に固定される。本実施形態では、上面部120は、動力回路100および制御基板9の上方に位置するため、作業者は、雨でも動力回路100および制御基板9を濡らすことなく側面扉220および前面扉230を開けて作業できる。
カバー本体113がケース本体111に装着された状態で、側面扉220が閉じられると、側面扉220は、ケース本体111の側板127と平行に配置される。カバー本体113がケース本体111に装着された状態で、前面扉230が閉じられると、前面扉230は、カバー本体113の背板125と平行に配置される。前面扉230および前面部122は、制御基板ケース110の前面(すなわち、正面)を構成する。
前面扉230は、ヒンジ202を介して側面扉220に連結されている。したがって、前面扉230は、側面扉220とは独立して開閉可能である。言い換えれば、作業者は、側面扉220を開く必要がない時には、側面扉220をほぼ閉じた状態のまま前面扉230を開くこともできる。そして、側面扉220が開かれると、側面扉220も前面扉230とともに開かれるため、作業者は、左側面と前面の一部から内部の部品に容易にアクセスできる。また、前面扉230と側面扉220は共に回転可能なため、作業者は、側面扉220を開いたときに、作業しやすい位置に側面扉220や前面扉230を回転させて、狭小スペースに設置された給水装置であっても効率的に作業することができる。
図17および図18に示すように、前面扉230の裏面230aには、制御基板9から配線が必要な基板206が取り付けられている。本実施形態では、前面扉230には、運転パネル12が設けられており、基板206は、運転パネル12を動作させるための表示基板である。以下、本明細書において、基板206を表示基板206と呼ぶことがある。本実施形態では、表示基板は運転パネル12と同一の基板である。一実施形態では、表示基板は、運転パネル12と別の基板である。
図18に示すように、表示基板206および制御基板9は、電気線210によって、互いに電気的に接続されている。電気線210は、側面扉220に取り付けられた固定具208によって、側面扉220に沿うように、側面扉220に固定されている。したがって、電気線210が制御盤10の構成要素(例えば、制御基板9など)に絡まることなく、作業者は、前面扉230並びに側面扉220を開くことができ、当該前面扉230を開いた状態でも運転パネル12にて運転状況等を確認できる。
図19は、カバー本体113が取り外された様子を示す図である。図19に示すように、カバー本体113が取り外されると、動力回路100が露出する。図19に示す実施形態では、壁部材140は、下側が手前になるように、鉛直方向に対して所定の角度(5°~60°程度)で傾斜しており、漏電遮断器117は傾斜した壁部材140に取り付けられている。なお、図6に示す実施形態においても、壁部材140は、傾斜してもよい。
端子台118は、下側が手前になるように、鉛直方向に対して所定の角度(5°~60°程度)で傾斜する傾斜台205に取り付けられている。このように、動力回路100の構成要素は、傾斜して配置されるため、作業者は、動力回路100のメンテナンス作業を容易に実行することができる。具体的には、足元等に設置された給水装置に対して作業者が屈んで作業することが困難な場合でも、前方斜め上方から工具を差し込んで端子台118や漏電遮断器117の配線作業を行うことができる。図示しないが、漏電遮断器117の裏側には、リアクトル115、ノイズフィルタ116などの要素(図6参照)が配置されている。
図19に示すように、制御基板9の実装面9a上には、外部と信号のやり取りを行う端子台211が配置されている。端子台211は、例えば、ポンプの運転信号、異常信号等の給水装置の各種状態を示す信号が外部へ出力される。また、端子台211は、ポンプを強制停止するためのインターロック信号が外部から入力される。本実施形態では、端子台211は、制御基板9に実装された基板用端子台である。一実施形態では、端子台211は、制御基板9とは別の端子台である。制御基板ケース110が組み立てられたとき、前面扉230と側面扉220の連結部分が端子台211に隣接する。
端子台211がねじ式端子台である場合、本実施形態では、端子台211のねじ孔が前面扉230および側面扉220のいずれか一方に対向し、端子台211の配線が他方の扉に対向する。したがって、作業者が端子台211への配線接続作業時に側面扉220と前面扉230との両方を開けば、配線を端子台211に挿入するスペースと、端子台211のねじ孔に工具(例えばドライバー)でアクセスするスペースとの両方が確保でき、作業が容易となる。
本実施形態との比較例について説明する。一般的には、制御基板や端子台は、制御基板ケースの背面(または底面)と平行になるように、背面(または底面)に固定される。しかしながら、このような配置では、作業者が端子台のねじ孔にアクセスするために、制御基板や端子台の手前側には、ねじ孔へのアクセスを阻害する部材を配置することができない。したがって、制御基板ケースの内部には、端子台にアクセスするためのデッドスペースが形成されてしまう。
本実施形態では、端子台211が前面扉230(および側面扉220)に隣接している。したがって、制御基板ケース110の内部空間に端子台にアクセスするためのデッドスペースが必要ないため、端子台211よりも背板125側に部品を配置するなどして、制御基板ケース110の内部空間を最大限、有効活用することができる。
制御基板9は、その実装面(前面)9aが側面扉220に対向して配置される。制御基板9は、ケース本体111の側板127と平行に配置されている。制御基板9は、側面扉220が開かれると、作業者が前面9aからアクセスできるように配置されている。具体的には、制御盤10は、制御基板ケース110の側面に平行で、制御基板ケース110の内部空間を分割する隔離板235を有し、制御基板9は、当該隔離板235の側面扉220側に取り付け板130を介して固定される。
動力回路100は、隔離板235を挟んで制御基板9の裏面9b側に配置している。したがって、カバー本体113が取りつけられた状態で、前面扉230(および側面扉220)が開かれても、作業者は、動力回路100にはアクセスすることができない。カバー本体113が取り外されると、作業者は、動力回路100にアクセスすることができる。
図19に示すように、取り付け板130は、取り付け部212,213を有する背板側固定部131を備えている。背板側固定部131は、取り付け板130の垂直方向に側面扉220に向かって延びている。取り付け板130の背板側固定部131は、前面扉230を開けば、作業者がアクセスできるようにカバー本体113の背板125に固定される。
図20は、取り付け板130が取り外される様子を示す図である。背板側固定部131が前面からアクセス可能な位置に配置されているため、作業者は、前面扉230を開いて取り付け部212,213にアクセスして、取り付け部212,213と背板125とを接続する固定具(例えば、ねじ(図示しない))を取り外すことにより、取り付け板130とともに制御基板9を取り外すことができる。制御基板9を取り外した後、更に、作業者は、前面扉230を開いて取り付け板130とともに新しい制御基板9を定位置に挿入し、取り付け部212,213にアクセスして固定具(例えば、ねじ(図示しない))を取りつけることにより、取り付け板130とともに制御基板9を取りつけることで、制御基板9の交換ができる。
制御盤10は、取り付け板130に隣接して配置された隔離板235を備えている。隔離板235は、取り付け板130と平行に延びており、取り付け板130と動力回路100との間に配置されている。取り付け板130は、隔離板235とは別部材である。したがって、作業者は、隔離板235がケース本体111に固定された状態で、取り付け板130のみを取り外したり、取り付けたりすることができる。また、取り付け板130が取り外された後であっても、隔離板235は、作業者の動力回路100へのアクセスを制限する。結果として、作業者は、動力回路100にて給水装置1のポンプを運転しつつ制御基板9のメンテナンス作業を実行する場合でも、動力回路100に接触することなく安全に作業することができる。
図20では、カバー本体113が取り外された状態で、制御基板9が取り出されている。このように、カバー本体113が装着された状態であっても、作業者は、制御基板9の取り外しや取り付けをすることができる。また、制御盤10の左側面側に障害物等があり側面扉220がほとんど開かないような場合でも、作業者は、前面扉230が開けることができれば、制御基板9の取り外しや取り付けをすることができる。
前面扉230を開くことにより、作業者は、端子台211に配線接続する作業を実行することができ、更に、制御基板9の取り付けや取り外し作業を実行することができる。さらに、前面扉230を開くことにより、作業者は、前面扉230の裏側230aに取り付けられた表示基板206にアクセスすることができる。したがって、狭小スペースに設置された給水装置でも、作業者が前面扉230を開くことさえできれば、端子台211への配線、制御基板9および表示基板206(および運転パネル12)の交換等のメンテナンス作業を実行することができる。
ここで、本実施形態では、ヒンジ201とヒンジ202によって側面扉220と前面扉230は回転自在である。そのため、側面扉220の回転位置に障害物等がなく、側面扉220を大きく開くことができれば、作業者は、制御基板9に前面と左側面とからアクセスでき、制御回路101側からもアクセスすることができる。したがって、作業者は、前面扉230のみを開く場合に比べて、制御基板9の交換等のメンテナンス作業が容易となる。さらに、側面扉220を開くことにより、作業者は、電気線210に直接アクセスすることができるため、電気線210のメンテナンス作業を容易に実行することができる。
このように、本実施形態によれば、作業者は、メンテナンス作業に必要な範囲で、開閉扉220,230および/または、カバー本体113を開放することができる。また、設置状況にて開閉扉220,230の開放が部分的に困難な場合でも端子台211への配線や制御基板9の交換等のメンテナンスをすることができる。したがって、制御盤10は、制御基板9のメンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
前面扉230および側面扉220は、ヒンジ202を介して互いに連結されている。したがって、作業者は、ヒンジ202を介して前面扉230を折り曲げた状態で側面扉220を開くことにより、扉の開閉に必要な空間を小さくすることができる。
図21は、図19に示す制御盤10の平面図である。図22は、図19に示す制御盤10の正面図である。図21および図22では、動力回路100は簡略的に描かれている。図21および図22にて、制御基板9のメンテナンス作業時の第1作業空間250と、動力回路100のメンテナンス作業時の第2作業空間260と、を示す。
図21に示す第1作業空間250は前面扉230を開いた状態で側面扉220を開いた場合である。第1作業空間250において、前面扉230を折り曲げて側面扉220を開いた場合は第1開放空間250aであり、側面扉220を閉じたまま前面扉230のみを開いた場合は第2開放空間250bとなる。本実施形態では、第2開放空間250bのみで、端子台211の配線並びに制御基板9の交換ができる。このように、第1作業空間250は、第1開放空間250aまたは第2開放空間250bのみでもよく、第1作業空間250を省スペース化できる。
図23は、カバー本体113の前面部122に接続される前の前面扉230を示す図である。図24は、カバー本体113の前面部122に接続された後の前面扉230を示す図である。図23および図24に示すように、前記制御基板ケース110の前面は前面扉230(第2開閉扉)と、前面部122(面部)によって形成され、前面扉230は、前面扉230が閉じた時に前面部122の内側と重なる第1接触突起270を備えている。前面部122は、前面扉230が閉じた時に前面扉230の内側と重なる第2接触突起271を備えている。
第1接触突起270は、前面扉230が閉じられた時に、制御基板9から離間する方向(前面扉230が手前側に開かれる方向、カバー本体113の外側方向)に前面扉230が移動するのを制限するストッパーであり、第2接触突起271は、前面扉230が閉じられた時に、制御基板9に近接する方向(前面扉230が閉じられる方向、カバー本体113の内側方向)に前面扉230が移動するのを制限するストッパーである。
第1接触突起270および第2接触突起271は、平板形状を有している。第1接触突起270は、前面扉230の紙面右端の上下中央部分から上下に延びて配置されており、第2接触突起271は、前面部122の紙面左端上部に配置されている。図24に示すように、前面扉230が閉じられて前面部122に接続されたとき、第1接触突起270は、第2接触突起271下方に配置される。したがって、前面扉230が前面部122に接続されても、第1接触突起270は第2接触突起271には接触しない。本実施形態では第1接触突起270は、第2接触突起271下方に配置される。一実施形態では第1接触突起270は、第2接触突起271上方に配置されてもよい。また、第1接触突起270、第2接触突起271の上下に延びる長さも本実施形態によらず、本実施形態より短くても長くてもよい。
図25は、図24のA-A線断面図である。図26は、図24のB-B線断面図である。図25に示すように、第2接触突起271は、前面部122と平行に延びており、前面部122から制御基板ケース110の内側に向かって突出している。第2接触突起271は、前面扉230が閉じられたときに前面扉230の内側と重なる長さを有している。したがって、前面扉230が閉じられて前面部122に接続されると、第2接触突起271は、前面扉230の裏側に前面扉230と重なって配置される。
図26に示すように、第1接触突起270は、前面扉230と平行に延びており、前面扉230から制御基板ケース110の内側に向かって突出している。第1接触突起270は、前面扉230が閉じられたときに前面部122の内側と重なる長さを有している。したがって、前面扉230が閉じられて前面部122に接続されると、第1接触突起270は、前面部122の裏側に前面部122と重なって配置される。
上述したように、運転パネル12が前面扉230に設けられていると、作業者が運転パネル12に設けられたボタンを押したときに、前面扉230には、前面扉230が閉じられる方向に押圧力が作用する(図25の矢印参照)。第2接触突起271は、前面扉230が制御基板ケース110の内側方向に移動するのを制限するストッパーとして機能するため、当該押圧力やポンプ運転時の振動で扉230が制御基板ケース110の内側に移動するのを防止する。
図27は、側面扉220と前面扉230との間の角度θを示す図である。図27に示すように、前面扉230は、側面扉220と前面扉230との間の角度θが鋭角(θ<90°)になるまで、ヒンジ202を介して折り曲げられることが可能である。ヒンジ201にて側面扉220が回転可能であって、且つ、ヒンジ202にて角度θが鋭角となることで、図23の矢印に示すように、前面扉230を紙面右側に向かってスライドさせることができる。このように、前面扉230を横にスライドさせて閉じることで、第1接触突起270が前面部122の裏側に前面部122と重なった状態で配置できる。ポンプ運転時の振動等で、前面扉230には、前面扉230が開かれる方向の力が作用する(図26の矢印参照)。第1接触突起270が前面部122の裏側に前面部122と重なった状態で配置されることで、第1接触突起270は、前面扉230が制御基板ケース110の外側方向に移動するのを制限するストッパーとして機能するため、ポンプ運転時の振動で扉230が制御基板ケース110の外側に移動するのを防止する。
第1接触突起270は、前面扉230の外側方向の移動を制限するストッパーとしての機能を有しているため、前面扉230が意図せず開くのを防止できる。更に、図示しないが、前面扉230および/またはカバー本体113の前面部122がねじ等の固定具によってケース本体111に固定されると、より確実に、前面扉230が意図せず移動するのを防止することができる。
図28および図29は、本実施形態のヒンジ201を示す図である。図28に示すヒンジ201は、軸201aを支点にして回転可能である。また、プレート201b、201cは、固定具201d(例えばビス)にて背板125、側面扉220に着脱可能に固定されている。ヒンジ201の固定具201d(例えばビス)を取り外すことで、制御基板ケース110から側面扉220を取り外すことができる。
ヒンジ201の別の実施形態として、図29に示すヒンジ201は、抜き差し蝶番であって、軸201aを支点にして回転可能である。また、プレート201b、201cは、背板125、側面扉220に固定されている。そして、プレート201bに設けられた軸201aは、プレート201cの筒状部201eに挿入されている。側面扉220を上にスライドして軸201aが筒状部201eより抜かれると、制御基板ケース110から側面扉220を取り外すことができる。制御基板ケース110の左側面に障害物等があって、側面扉220が十分に回転できない場合は、このように、ヒンジ201によって制御基板ケース110から側面扉220を取り外すことでメンテナンスが容易にできる。なお、ヒンジ202もヒンジ201と同様の構造であると良い。
本実施形態では、制御基板ケース110を備えた制御盤10であって、制御基板ケース110は、制御基板9を収容するケース本体111と、ケース本体111との第1連結部であるヒンジ201が支点となって回転自在な第1開閉扉である側面扉220と、側面扉220との第2連結部であるヒンジ202が支点となって回転自在な第2開閉扉である前面扉230、を備える、制御盤10が提案された。このように、本実施形態では、第1開閉扉および前記第2開閉扉の少なくとも一方は、制御基板ケース110の前面または側面の少なくとも一部を構成した。ただし、第1開閉扉と第2開閉扉は、制御基板ケース110において連結可能な面で構成されればよく、例えば、一実施形態では、第1開閉扉を前面扉230とし、第2開閉扉を側面扉220としてもよい。また、一実施形態で、第1開閉扉は天井面の少なくとも一部を形成する上面扉とし、第2開閉扉は前面扉としてもよい。また、本実施形態で、側面扉220は左側面を形成したが、一実施形態では右側面を形成してもよい。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。