以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。以下で説明する複数の実施形態において、特に説明しない一実施形態の構成は、他の実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図1は、給水装置1の一実施形態の平面図である。図2は、図1に示す給水装置1の側面図である。図1および図2に示すように、給水装置1は、ポンプ2と、ポンプ2を駆動するモータ3と、内部にモータ3が配置されたモータケーシング4と、モータ3の可変速手段であるインバータ5と、内部にインバータ5が配置され、かつモータケーシング4に着脱可能に取り付けられたインバータケース6と、ポンプ2を制御する制御部9が格納された制御盤10と、モータ3によって回転される駆動軸11の軸線方向に沿ってインバータケース6をモータケーシング4に取り付け、かつ外部からアクセス可能な位置に配置された取り付け構造15とを備えている。
本実施形態では、ポンプ2は、単一の駆動軸11をモータ3とポンプ2とが共有する直動式の横軸形ポンプである。ポンプ2は、駆動軸11の端部に固定された羽根車20と、羽根車20を収容するポンプケーシング21とを備えている。駆動軸11は、モータ3によって回転され、羽根車20はポンプケーシング21内で駆動軸11と一体に回転する。モータケーシング4はポンプケーシング21に固定されている。ポンプケーシング21の吸込口21aには、吸込み配管22が接続されており、ポンプケーシング21の吐出口21bには、吐出し配管23が接続されている。
羽根車20が回転すると、液体は、吸込み配管22を通じて、ポンプケーシング21の内部に吸い込まれる。液体には、羽根車20の回転により速度エネルギーが付与され、さらに、液体がポンプケーシング21内のボリュート室を通ることによって速度エネルギーが圧力エネルギーに変換され、液体が昇圧される。昇圧された液体は、吐出し配管23を通じて外部に移送される。
制御盤10には、制御部9(制御基板9)が収められている。制御基板9は制御盤10の側面と対向して配置されている。外部から制御基板9にアクセスできるように、制御盤10の制御基板9と対向する側面部10sが開閉できる。制御基板9は、吐出圧力や流入圧力などを入力する入出力部、インバータ5の通信と接続される通信部、各種のプログラムを記憶したメモリ、演算制御動作を行うCPU等を備え、通信を介してポンプ2の発停や回転周波数、インバータ5のトリップ等の情報の授受が行われる。制御基板9は、メモリに記憶された制御プログラムを実行して、運転パネル12で設定された条件や各種センサからの信号に基づいて、各ポンプ2の発停(運転台数)および運転周波数を決定し、インバータ5にそれらを送信してポンプ2の回転周波数制御を行う。また、制御基板9は、各種センサからの信号やインバータ5からのトリップ信号により、ポンプ2の運転を停止する、あるいは他のポンプ2に運転を切り替えるなどの制御を行う。
図3は、モータ3およびインバータ5を含む電動機組立体30を示す拡大断面図である。図3では、ポンプ2の図示は省略されている。以下、本明細書において、モータ3、モータケーシング4、インバータ5、およびインバータケース6を少なくとも含む構成要素を電動機組立体30と呼ぶことがある。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
電動機組立体30は、インバータ5が内蔵された一体型構造を有する機械装置である。電動機組立体30は、駆動軸11と、モータ3と、モータケーシング4と、インバータ5と、インバータケース6とを備えている。モータ3は、駆動軸11を回転させる回転子(ロータ)31および固定子(ステータ)32を備える回転要素である。回転子31は駆動軸11に固定されている。固定子32は、回転子31を囲んで、外部(図示しない)からの電力を巻線(コイル)32bが受けて回転磁界を形成する。固定子32は、ステータコア32aと、ステータコア32aに巻かれた複数の巻線32bとを備えている。回転子31は、回転子31と固定子32との間に形成される回転磁界によって回転し、回転子31が固定された駆動軸11は回転子31とともに回転する。
図3において、モータ3は模式的に描かれている。モータ3は、例えば、ロータに永久磁石を用いた永久磁石型モータである。しかしながら、モータ3は、永久磁石型モータに限定されず、誘導モータやSRモータなど、様々な種類のモータであってもよい。
モータケーシング4は、固定子32が固定された筒状のモータフレーム40と、モータフレーム40の一方の開口端を閉じ、かつ駆動軸11が貫通する貫通孔41が形成されたエンドカバー42と、モータフレーム40の他方の開口端を閉じるモータ側板43とを備えている。エンドカバー42およびモータ側板43は、モータ3を挟んで互いに対向している。駆動軸11は、エンドカバー42の軸受支持部44に支持された軸受45およびモータ側板43の軸受支持部46に支持された軸受47によって回転自在に支持されている。
インバータ5はモータ3の動作(回転速度)を制御する。インバータケース6は、駆動軸11の軸線CL方向に沿ってモータケーシング4に直列的に配置されている。モータケーシング4およびインバータケース6は駆動軸11と同心状に配置されている。本実施形態では、モータケーシング4およびインバータケース6は、駆動軸11の軸線CL方向に直列的に配置されているため、電動機組立体30はコンパクトな構造を有することができる。
インバータケース6は、インバータ5を取り囲むインバータフレーム50と、インバータフレーム50の開口端を閉じるカバー部材51とを備えている。インバータフレーム50のカバー部材51側の面およびカバー部材51のインバータフレーム50側の面は、それぞれ嵌め合い構造を有しており、これらインバータフレーム50およびカバー部材51は、嵌め合いによって互いに接続されている。同様に、インバータフレーム50のモータ側板43側の面およびモータ側板43のインバータフレーム50側の面は、それぞれ嵌め合い構造を有しており、これらインバータフレーム50およびモータ側板43は、嵌め合いによって互いに接続されている。
モータ側板43はインバータケース6に隣接している。インバータ5は、インバータケース6の、モータ側板43と対向する面(すなわち、カバー部材51)に取り付けられている。このような配置により、インバータ5は発熱体であるモータ3から発せられた熱の影響を受けにくい。結果として、インバータ5の冷却効率は、インバータ5をモータ側板43に取り付けた場合の冷却効率よりも高い。
本実施形態では、取り付け構造15は、インバータケース6をモータケーシング4に着脱可能に取り付ける取り付け部材であり、インバータケース6の一構成要素である。以下、取り付け構造15を取り付け部材15と呼ぶことがある。本実施形態では、取り付け部材15は、軸線CL方向と平行に延びる通しボルトである。図3では、2つの取り付け部材15が描かれているが、取り付け部材15の数は本実施形態には限定されない。3つ以上の取り付け部材15が設けられてもよい。複数の取り付け部材15は、インバータケース6の周方向に沿って等間隔に配置されている。
モータフレーム40は取り付け部材15が挿入可能な大きさを有する取り付け孔40aを有しており、モータ側板43は取り付け部材15が挿入可能な大きさを有する貫通孔43aを有しており、カバー部材51は取り付け部材15が挿入可能な大きさを有する貫通孔51aを有している。
取り付け部材15は貫通孔51a、貫通孔43a、および取り付け孔40aに挿入される。この状態で、取り付け部材15は、その頭部でカバー部材51をインバータフレーム50に押し付けることにより、カバー部材51、インバータフレーム50、モータ側板43、およびモータフレーム40を締結することができる。
図1および図2に戻り、給水装置1の構成要素の配置について説明する。図1および図2に示すように、給水装置1は、ポンプ2、モータケーシング4、および制御盤10が載置されたベース60をさらに備えている。ポンプケーシング21はベース60に固定されたポンプ台61(図2参照)に支持されており、モータケーシング4はベース60に固定されたモータ台62(図2参照)に支持されている。
制御盤10は、取り付け部材15が露出可能なように、ポンプ2およびモータケーシング4の少なくとも1つの周囲に配置されている。言い換えれば、制御盤10は、取り付け部材15の周囲には配置されておらず、取り付け部材15から離間している。取り付け部材15は、作業者が外部から取り付け部材15を視認することができるように配置されている。
一実施形態では、制御盤10は、ポンプ2およびモータケーシング4の少なくとも1つの上方に配置されていてもよい。このような配置により、制御盤10を載置するためのスペースをベース60に設ける必要はないため、ベース60のサイズを小さくすることができる。結果として、給水装置1の全体のサイズを小さくすることができる。
本実施形態では、制御盤10は、モータケーシング4の上方まで延びる支持部材65に支持されており、モータケーシング4の上方に配置されている。制御盤10には、運転パネル12が設けられており、この運転パネル12は、作業者による操作性を向上させるために、モータケーシング4よりも高い位置に配置されている。
支持部材65は、ベース60に固定され、かつベース60の表面から上方に向かって延びる脚部66と、脚部66に固定され、かつ制御盤10が載置される架台67とを備えている。脚部66は、モータケーシング4の上方まで延びており、脚部66に固定された架台67はモータケーシング4の上方に配置されている。架台67は、ベース60の表面と平行な方向(すなわち、水平方向)に延びており、制御盤10が載置可能な大きさを有している。本実施形態では、架台67は、制御盤10のサイズよりも小さなサイズを有している。
以下、作業者がその視界が制限された環境下においても、制御盤10の設置作業を容易に行うことができる制御盤構造100について、説明する。
図4は、制御盤構造100を示す斜視図である。図4では、制御部9の図示は省略されている。図4に示すように、制御盤構造100は、制御盤10と、支持部材65と、制御盤10が支持部材65に支持されたときにおける制御盤10と支持部材65との相対位置を決定する位置決め構造101とを備えている。
位置決め構造101は、制御盤10の底面部10aに形成された制御盤側嵌合部102と、架台67に形成され、かつ制御盤側嵌合部102に嵌合する架台側嵌合部103とを備えている。図4では、制御盤側嵌合部102は一点鎖線で描かれており、架台側嵌合部103は網掛けで描かれている。
図1、図2、および図4に示すように、制御盤10の底面部10aに対向して上面部10bが配置されており、上面部10bには、運転パネル12が設けられた斜面部10cが接続されている。斜面部10cと底面部10aとの間には、前面部10dが配置されており、前面部10dに対向して背面部10eである。上述した側面部(第1側面部)10sに対向して第2側面部10fが配置されている。
図5(a)は架台67の平面図であり、図5(b)は底面部10aの平面図であり、図5(c)は制御盤10が架台67上に載置されたときにおける制御盤10の底面部10aの平面図である。本実施形態では、架台67および底面部10aは正方形である。制御盤10の底面部10aに形成された貫通孔105には、締結ねじ106が挿入されている。本実施形態では、4つの貫通孔105が形成されているが、貫通孔105の数は本実施形態には限定されない。貫通孔105に挿入された締結ねじ106は制御盤10の底面部10aから下方に延びている。なお、図4では、締結ねじ106の図示は省略されている。
図5(a)に示すように、架台67には、締結ねじ106が挿入される挿入孔107が形成されている。本実施形態では、4つの挿入孔107が形成されているが、挿入孔107の数は本実施形態には限定されない。
図5(a)乃至図5(c)に示す実施形態では、制御盤側嵌合部102は、底面部10aを上から見たとき、L字形状を有している。制御盤側嵌合部102は、配線孔110の配列方向に沿って延びており、その途中で配線孔110に近接する方向に折れ曲がっている。架台側嵌合部103は、架台67を上から見たとき、L字形状を有している。制御盤側嵌合部102および架台側嵌合部103は、互いに対応する形状を有しており、互いに嵌合可能である。
架台側嵌合部103は、複数の挿入孔107の少なくとも1つに隣接して配置されており、架台側嵌合部103の一部は、架台67の外縁67aに接続されている。本実施形態では、架台側嵌合部103は、4つの挿入孔107のうちの3つに隣接している。制御盤側嵌合部102は、複数の貫通孔105(および複数の締結ねじ106)の少なくとも1つに隣接して配置されている。本実施形態では、制御盤側嵌合部102は、4つの貫通孔105(および4つの締結ねじ106)のうちの3つに隣接している。
図5(b)および図5(c)に示すように、配線孔110が形成されている。この配線孔110は、制御盤10内に配置された電気機器と外部の機器とを電気的に接続するための電気ケーブル(図示しない)が貫通する貫通孔である。配線孔110は、制御盤10が架台67上に載置されたとき、架台67の外縁67aに隣接するように配置される。したがって、配線孔110を貫通する電気ケーブルによって、制御盤10の架台67上への載置は阻害されない。なお、本実施形態では、3つの配線孔110が形成されているが、配線孔110の数は本実施形態には限定されない。
従来では、制御盤の配置を変更する場合、制御盤内の電気機器に接続された電気ケーブルを取り外す必要があった。本実施形態によれば、配線孔110は、制御盤10が架台67上に載置されたとき、架台67の外側に位置する。したがって、作業者は、電気ケーブルを取り外すことなく、電気ケーブルが配線孔110に挿入された状態で、制御盤10の配置を変更することができる。
図6(a)は図5(a)のA-A線断面図であり、図6(b)は図5(b)のB-B線断面図であり、図6(c)は図5(c)のC-C線断面図である。図6(a)に示すように、架台側嵌合部103は架台67の表面67bから上方に向かって延びる突出部(凸部)である。架台67の表面67bおよび架台側嵌合部103は、制御盤10が載置される載置面を構成している。
図6(b)に示すように、制御盤側嵌合部102は底面部10aの下面10gに形成された窪み部(凹部)である。図6(c)に示すように、制御盤10は、突出部としての架台側嵌合部103が窪み部としての制御盤側嵌合部102に嵌まり込むように、架台67上に載置される。架台67の載置面の面積は、制御盤10の底面部10aの下面10gの面積よりも小さい。
制御盤側嵌合部102および架台側嵌合部103が互いに嵌合したとき、貫通孔105および挿入孔107は互いに連通する。この状態で、締結ねじ106を貫通孔105および挿入孔107に挿入し、ナット108を締め付けることにより、制御盤10および架台67は互いに締結される。締結ねじ106とナット108との組み合わせは締結具である。
本実施形態によれば、作業者は、制御盤側嵌合部102および架台側嵌合部103を互いに嵌合させる簡単な方法により、貫通孔105および挿入孔107を互いに連通させることができる。このような位置決め構造101を設けることにより、作業者は、その視界が制限された環境下において、貫通孔105および挿入孔107の位置を確認しながら貫通孔105および挿入孔107を互いに連通させる必要はない。したがって、作業者は、制御盤10の設置作業を容易に行うことができ、結果として、制御盤10の設置作業の効率化を図ることができる。
本実施形態によれば、貫通孔105および挿入孔107を互いに連通させるために、作業者は、制御盤10の底面部10aと架台67とを接触させた状態で制御盤10を必要以上に移動させる必要はない。したがって、制御盤10と架台67との摺接に起因する架台67および/または制御盤10の錆の発生を防止することができる。
上述した実施形態では、制御盤側嵌合部102は窪み部であり、架台側嵌合部103は突出部である。一実施形態では、制御盤側嵌合部102は突出部であり、架台側嵌合部103は窪み部であってもよい。
図7(a)は架台側嵌合部103の他の実施形態を示す図であり、図7(b)は制御盤側嵌合部102の他の実施形態を示す図であり、図7(c)は図7(a)に示す架台側嵌合部103と図7(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図7(a)に示すように、架台側嵌合部103は、その全部が架台67の外縁67aから離間したL字形状を有してもよい。図7(b)に示すように、制御盤側嵌合部102は図7(a)に示す架台側嵌合部103に対応する形状を有しており、架台側嵌合部103は制御盤側嵌合部102に嵌合可能である。制御盤側嵌合部102は、配線孔110の配列方向に沿って延びており、その途中で配線孔110に向かって折れ曲がっている。
図8(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図8(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図8(c)は図8(a)に示す架台側嵌合部103と図8(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
制御盤側嵌合部102は、配線孔110の配列方向に沿って延びており、その途中で配線孔110から離間する方向に折れ曲がったL字形状を有している。架台側嵌合部103は、制御盤側嵌合部102の形状に対応する形状を有している。架台側嵌合部103は、その全部が架台67の外縁67aから離間したL字形状を有している。
図9(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図9(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図9(c)は図9(a)に示す架台側嵌合部103と図9(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
制御盤側嵌合部102は、十字形状を有しており、4つの貫通孔105に囲まれるように配置されている。同様に、架台側嵌合部103は、十字形状を有しており、4つの挿入孔107に囲まれるように配置されている。
図10(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図10(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図10(c)は図10(a)に示す架台側嵌合部103と図10(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
制御盤側嵌合部102は4つの貫通孔105を囲む四角形状を有している。同様に、架台側嵌合部103は4つの挿入孔107を囲む四角形状を有している。架台側嵌合部103は架台67の外縁67aから離間しており、制御盤側嵌合部102は、架台側嵌合部103の形状に対応する形状を有している。
図11(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図11(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図11(c)は図11(a)に示す架台側嵌合部103と図11(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
制御盤側嵌合部102は、4つの貫通孔105を囲む4つの円形リングから構成されている。各円形リングは、各貫通孔105と同心状に配置されている。制御盤側嵌合部102は、架台側嵌合部103の形状に対応する形状を有している。
図12(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図12(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図12(c)は図12(a)に示す架台側嵌合部103と図12(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
制御盤側嵌合部102は4つの貫通孔105を囲む四角形状を有している。同様に、架台側嵌合部103は4つの挿入孔107を囲む四角形状を有している。架台側嵌合部103は架台67の外縁67aに接続されており、制御盤側嵌合部102は、架台側嵌合部103の形状に対応する形状を有している。
図13(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図13(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図13(c)は図13(a)に示す架台側嵌合部103と図13(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
架台側嵌合部103は、4つの挿入孔107に隣接するように配置された4つのL字突起から構成されている。各L字突起は、その折れ曲がり部が架台67の中心CT1を向くように配置されている。4つのL字突起は4つの挿入孔107に取り囲まれている。制御盤側嵌合部102は、架台側嵌合部103の形状に対応する形状を有している。
図14(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図14(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図14(c)は図14(a)に示す架台側嵌合部103と図14(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
制御盤側嵌合部102は、4つの貫通孔105を囲む4つの三角リングから構成されている。各三角リングは、各貫通孔105と同心状に配置されている。互いに隣接する三角リングは、一方の三角リングの頂点と他方の三角リングの頂点とが互いに接続されるように同一方向を向いている。架台側嵌合部103は、制御盤側嵌合部102の形状に対応する形状を有している。図14(a)では、架台側嵌合部103は黒色の太い実線で描かれており、図14(b)では、制御盤側嵌合部102は黒色の太い一点鎖線で描かれている。
図15(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図15(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図15(c)は図15(a)に示す架台側嵌合部103と図15(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
架台側嵌合部103は、4つの挿入孔107に隣接するように配置された4つのL字突起から構成されている。各L字突起は、その折れ曲がり部が架台67の角部分を向くように配置されている。4つのL字突起は4つの挿入孔107を取り囲んでいる。架台側嵌合部103は、4つのL字突起によって分断された四角形状を有している。制御盤側嵌合部102は、架台側嵌合部103の形状に対応する形状を有している。
図16(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図16(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図16(c)は図16(a)に示す架台側嵌合部103と図16(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
制御盤側嵌合部102は、4つの貫通孔105を囲む4つの三角リングから構成されている。各三角リングは、各貫通孔105と同心状に配置されている。互いに隣接する三角リングは、一方の三角リングの頂点と他方の三角リングの頂点とが互いに接続されるように、同一方向を向いている。架台側嵌合部103は、制御盤側嵌合部102の形状に対応する形状を有している。図16(a)では、架台側嵌合部103は黒色の太い実線で描かれており、図16(b)では、制御盤側嵌合部102は黒色の太い一点鎖線で描かれている。
図17(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図17(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図17(c)は図17(a)に示す架台側嵌合部103と図17(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
架台側嵌合部103は、その両端部が架台67の外縁67aに接続されたL字形状を有している。制御盤側嵌合部102は、架台側嵌合部103の形状に対応する形状を有している。より具体的には、制御盤側嵌合部102は、配線孔110の配列方向に沿って延びており、その途中で配線孔110から離間する方向に折れ曲がったL字形状を有している。
図18(a)は架台側嵌合部103のさらに他の実施形態を示す図であり、図18(b)は制御盤側嵌合部102のさらに他の実施形態を示す図であり、図18(c)は図18(a)に示す架台側嵌合部103と図18(b)に示す制御盤側嵌合部102との重ね合わせを示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
架台側嵌合部103は、その両端部が架台67の外縁67aに接続されたL字形状を有している。制御盤側嵌合部102は、架台側嵌合部103の形状に対応する形状を有している。より具体的には、制御盤側嵌合部102は、配線孔110の配列方向に沿って延びており、その途中で配線孔110に近接する方向に折れ曲がったL字形状を有している。
図9、図10、図11、図12、図13、および図15に示す実施形態で説明した架台側嵌合部103は、架台67の中心CT1を対称軸とする回転対称な形状を有している。同様に、図9、図10、図11、図12、図13、および図15に示す実施形態で説明した制御盤側嵌合部102は、制御盤10の底面部10aの中心CT2を対称軸とする回転対称な形状を有している。中心CT1は、4つの挿入孔107のうちの2つの挿入孔107を結ぶ対角線と、残りの2つの挿入孔107を結ぶ対角線との交点に相当する。同様に、中心CT2は、4つの貫通孔105のうちの2つの貫通孔105を結ぶ対角線と、残りの2つの貫通孔105を結ぶ対角線との交点に相当する。架台側嵌合部103は、制御盤10が架台67上に載置されたとき、制御盤10の底面部10aの中心CT2を通る中心線(鉛直線)CTL(図6(b)および図6(c)参照)に対して回転対称な形状を有している。
図9、図10、図11、図12、図13、および図15に示す実施形態では、運転パネル12の転換方向は4方向である。しかしながら、孔105,107の条件(数および配置)および嵌合部102,103の条件(形状)に応じて、運転パネル12の転換方向の数は任意に決定することができる。一実施形態では、設計者は、隣接する挿入孔107の中心点同士を仮想線で結び、結ばれた仮想線によって形成される図形が正n角形となるように、挿入孔107の数および配置を決定する。貫通孔105の数および配置についても同様である。このようにして決定された孔105,107を採用することにより、運転パネル12の転換方向はn方向である。設計者は、嵌合部102,103の形状が上記図形と同一になるように、嵌合部102,103の形状を決定してもよい。
上述したように、給水装置1は、建物の壁沿い、地下空間、または受水槽の下や横の空間などの設置状況下で用いられることがある。したがって、作業者による給水装置1の操作性の観点から、運転パネル12の向きを現場で変更するというニーズは存在する。図9、図10、図11、図12、図13、および図15に示す実施形態では、作業者は、運転パネル12の向きが変わるように、中心CT2の周りに制御盤10の配置を変更することができる。したがって、作業者は、給水装置1の設置環境に応じて、運転パネル12の向きを変更することができ、結果として、給水装置1の操作性を向上することができる。
図19は、給水装置1の他の実施形態を示す平面図である。図20は、図19に示す給水装置1を示す正面図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
上述した実施形態では、単一のポンプ2および単一の電動機組立体30を備える給水装置1について説明したが、図19および図20に示す実施形態では、給水装置1は、複数台(本実施形態では、2台)のポンプ2A,2Bと、複数台(本実施形態では、2台)の電動機組立体30A,30Bとを備えている。ポンプおよび電動機組立体の数は本実施形態には限定されない。
互いに隣接するように並列に配置された2つのポンプ2A,2Bには、2つの吐出し配管23A,23Bがそれぞれ並列に接続されており、これら2つの吐出し配管23A,23Bには、単一の集合配管24が連結されている。互いに隣接する2台の電動機組立体30A,30Bは並列に配置されており、2つの軸線CLは平行である。
本明細書において、吐出し配管23A,23Bを区別せずに単に吐出し配管23と呼ぶことがあり、ポンプ2A,2Bを区別せずに単にポンプ2と呼ぶことがある。図19では、圧力タンク90は模式的に描かれているが、圧力タンク90は吐出し配管23または集合配管24に接続されている。
図20に示すように、脚部66は互いに隣接するモータケーシング4,4の間に配置されている。本実施形態では、給水装置1は、ポンプ2A,2Bの吐出圧力を保持する圧力タンク90をさらに備えている。
圧力タンク90は、耐圧容器内にゴム製のブラダが内蔵されており、ポンプ2の吐出圧力が上昇すると、ブラダの外側の空気を圧縮し、水が加圧状態で貯留される。また、吐出し配管23内の圧力が低下するにつれて、圧縮された空気が膨張し、貯留された水を吐出し配管23に押し出す。このようにして、ポンプ2A,2Bが停止しても、しばらくは圧力タンク90から吐出し配管23に水が供給される。
本実施形態では、圧力タンク90は架台67上に載置されている。架台67は、ベース60の幅方向に延びる幅広形状を有しており、モータケーシング4,4の両方の上方に配置されている。ここで、ベース60の幅方向はベース60の長手方向と垂直な方向と定義される。ベース60の長手方向は、駆動軸11の軸線CL方向と平行な方向と定義される。このような幅広形状を有する架台67は圧力タンク90および制御盤10の両方を支持することができる。このように、支持部材65は制御盤10のみならず圧力タンク90をもモータケーシング4の上方に配置することができるため、制御盤10および圧力タンク90を載置するスペースをベース60上に設ける必要はない。
図21は、位置決め構造101の他の実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
図21に示すように、支持部材65は、架台67と垂直に延びる仕切り板115をさらに備えている。本実施形態では、仕切り板115の高さは、制御盤10の高さと同じか、または制御盤10の高さよりも低い。図21に示す実施形態では、仕切り板115の幅方向の長さは、架台67の幅方向の長さと同一であるが、架台67の幅方向の長さよりも小さくてもよい。なお、架台67の幅方向はベース60の長手方向と同一であり、ベース60の幅方向は架台67の長手方向と同一である。
架台67には8つの挿入孔107が形成されている。4つの挿入孔107は仕切り板115の一方の側に配置されており、4つの挿入孔107は仕切り板115の他方の側に配置されている。このような配置により、制御盤10を仕切り板115の両側のいずれか一方に配置することができる。
本実施形態では、架台67上には、制御盤10および圧力タンク90が載置されており、仕切り板115は制御盤10と圧力タンク90との間に配置されている。万が一、圧力タンク90から液体が漏洩した場合、仕切り板115は、漏洩した液体が制御盤10に接触することを防止する役割を果たす。
位置決め構造101は、制御盤10に形成された制御盤側位置合わせ部120と、仕切り板115に形成された仕切り板側位置合わせ部121とを備えている。図21に示す実施形態では、制御盤側位置合わせ部120および仕切り板側位置合わせ部121は、いずれも、シールなどの目印である。
図21に示すように、制御盤側位置合わせ部120は、制御盤10の上面部10bに配置された3つの目印120a,120b,120cである。目印120aは、背面部10eに隣接しており、目印120bは側面部10sに隣接しており、目印120cは側面部10fに隣接している。一実施形態では、制御盤側位置合わせ部120は、少なくとも1つの目印であってもよい。
図22は、制御盤側位置合わせ部120の他の実施形態を示す図である。図22に示すように、目印120aは、上面部10bのみならず、背面部10eまで延びてもよい。目印120bは、上面部10bのみならず、側面部10sまで延びてもよい。目印120cは、上面部10bのみならず、側面部10fまで延びてもよい。
仕切り板側位置合わせ部121は、仕切り板115の一方の面115aに配置されている。より具体的には、仕切り板側位置合わせ部121は、仕切り板115の上部(本実施形態では、最上部)に配置されている。図示しないが、仕切り板側位置合わせ部121は、仕切り板115の一方の面115aのみならず、他方の面115bまで延びてもよい。
制御盤側位置合わせ部120(より具体的には、目印120a,120b,120cのうちの1つ)および仕切り板側位置合わせ部121の位置合わせをすることにより、貫通孔105および挿入孔107は互いに連通する。この状態で、締結ねじ106を貫通孔105および挿入孔107に挿入し、ナット108(図6(c)参照)を締め付けることにより、制御盤10および架台67は互いに締結される。
本実施形態によれば、作業者は、制御盤側位置合わせ部120および仕切り板側位置合わせ部121の位置合わせをする簡単な方法により、貫通孔105および挿入孔107を互いに連通させることができる。さらに、制御盤側位置合わせ部120は制御盤10の上面部10bに配置されており、仕切り板側位置合わせ部121は仕切り板115の上部(本実施形態では、最上部)に配置されている。したがって、作業者は、制御盤側位置合わせ部120および仕切り板側位置合わせ部121の位置を確認しながら、制御盤10の設置作業を容易に行うことができる。結果として、制御盤10の設置作業の効率化を図ることができる。
図23は、仕切り板115の他の実施形態を示す図である。図23に示すように、仕切り板115は、その下部に配置された連通孔125を備えている。本実施形態では、3つの連通孔125が形成されているが、連通孔125の数は本実施形態には限定されない。少なくとも1つの連通孔125が形成されてもよい。
連通孔125は、仕切り板115の下部に形成されており、架台67の幅方向に沿って配列されている。制御盤10の前面部10d、背面部10e、側面部10s、および側面部10fの少なくとも1つに連通孔125と連通可能な孔(図示しない)を形成し、この孔と連通孔125とを連通させる。この状態で、締結用のねじ(図示しない)を孔および連通孔125に挿入し、制御盤10と仕切り板115とを締結する。このように、制御盤10と架台67とを締結し、かつ制御盤10と仕切り板115とを締結することにより、給水装置1の運転に起因する振動によって、制御盤10が支持部材65からずれることを確実に防止することができる。
連通孔125は、通気口としての機能を有してもよい。上述したように、圧力タンク90の内部には、水が加圧状態で貯留される。圧力タンク90および制御盤10が架台67上に載置される場合、圧力タンク90に接触して冷却された空気は、連通孔125を通過して、制御盤10に接触する。結果として、制御盤10は、冷却された空気によって冷却される。
このように、連通孔125は、締結用の孔として機能することができ、通気口としても機能することができる。2つの連通孔125を仕切り板115に形成した場合、一方の連通孔125は締結用の孔であってもよく、他方の連通孔125は通気口であってもよい。
図24は、制御盤側位置合わせ部120および仕切り板側位置合わせ部121の他の実施形態を示す図である。図24に示すように、制御盤側位置合わせ部120は、制御盤10の背面部10eに設けられた嵌合凸部120dと、側面部10sに設けられた嵌合凸部120eと、側面部10fに設けられた嵌合凸部120fとを備えている。これら嵌合凸部120d,120e,120fは制御盤10の上面部10bに接続されている。
仕切り板側位置合わせ部121は、嵌合凸部120d,120e,120fのいずれもが嵌合可能な大きさを有する嵌合凹部である。本実施形態では、仕切り板側位置合わせ部121は、仕切り板115の上端から架台67に向かって延びる切り欠きである。
図4乃至図18に示す実施形態と図19乃至図24に示す実施形態とは組み合わせてもよい。つまり、位置決め構造101は、制御盤側嵌合部102および架台側嵌合部103と、制御盤側位置合わせ部120および仕切り板側位置合わせ部121とを備えてもよい。
図25は、図19および図20に示す実施形態に係る架台67に設けられた架台側嵌合部103の一例を示す図である。図26は、図19および図20に示す実施形態に係る架台67に設けられた架台側嵌合部103の他の例を示す図である。
図25および図26に示すように、仕切り板115の両側には、2つの架台側嵌合部103が配置されている。図25に示す実施形態では、仕切り板115の両側の2つの架台側嵌合部103は、同一方向を向いて配置されている。図26に示す実施形態では、仕切り板115の両側の2つの架台側嵌合部103は、仕切り板115に関して対称的に配置されている。
図25および図26では、2つの架台側嵌合部103のうちの1つは、図16に示す実施形態で説明した架台側嵌合部103と同一の形状を有しているが、架台側嵌合部103の形状は図25および図26に示す実施形態には限定されない。図5乃至図18に示す実施形態で説明した架台側嵌合部103が採用されてもよい。
図25および図26に示すように、架台67が幅広形状を有している場合、図9、図10、図11、図12、図13、および図15に示す架台側嵌合部103は、4つの挿入孔107のうちの2つの挿入孔107を結ぶ対角線と、残りの2つの挿入孔107を結ぶ対角線との交点を対称軸とする回転対称な形状を有している。架台側嵌合部103は、制御盤10が架台67上に載置されたとき、制御盤10の底面部10aの中心CT2を通る中心線(鉛直線)CTL(図6(b)および図6(c)参照)に対して回転対称な形状を有している。
本実施形態においても、孔105,107の条件(数および配置)および嵌合部102,103の条件(形状)に応じて、運転パネル12の転換方向の数は任意に決定することができる。孔105,107の条件の決定方法は上述した決定方法と同じであるので、詳細な説明を省略する。
運転パネル12の転換方向をn方向とするための条件として、以下の条件を採用することができる。架台67が幅広形状を有している場合、架台67の大きさは制御盤10の大きさと同一または制御盤10の大きさよりも大きく(架台67≧制御盤10)、かつ配線孔110は制御盤10の壁面(前面部10d、背面部10e、側面部10s、または側面部10f)に設けられる。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。