JP7319949B2 - キャリアテープの製造方法及びキャリアテープ - Google Patents

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Description

本発明は、キャリアテープの製造方法及びキャリアテープに関する。
精密機器の電子部品等を実装機に搬送する際、電子部品等を収納するためにキャリアテープが用いられている。キャリアテープとしては、例えば、基材の表面に部品を収納するためのエンボスを設けたものが用いられている。このエンボスの凹部を部品収納部(ポケット)とし、そこに電子部品等を収納し、その上からカバーテープで封止して使用する。
このようなキャリアテープの製造方法としては、圧空成形によりエンボス賦形を行う手法が採用されている。例えば、特許文献1には、加熱軟化させた熱可塑性樹脂シートを、ポケット成形部に導き、ストリッパープレートを降下させ、このシートのポケット成形部以外を押さえながら圧縮空気を送り込んでポケットを成形し、更にスプロケット孔ピアスパンチによりスプロケット孔を打ち抜き、ノックアウト機構によりポケットを排出し、次工程に送り出す方法が開示されている。
特開平09-207208号公報
一方、キャリアテープに導電性等の機能性を付与するために、基材の表面に塗工層を設けたキャリアテープが用いられることがある。このようなキャリアテープの製造方法としては、圧空成形によりエンボス賦形を行った後に基材の表面に塗布液を塗布し、塗工層を形成させる方法が用いられている。
しかしながら、上述した従来の製造方法の場合、塗工層の均一な形成が難しいという問題がある。特に、塗工層に導電性を付与すべく導電層を形成する場合、導電層が薄くなったり、途切れたりすると、表面抵抗値が上昇し、導電性が維持できないといった問題が顕著になる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、エンボスを有するキャリアテープの製造方法であって、塗工層の厚さを均一に形成することができるキャリアテープの製造方法、及びキャリアテープを提供することを主な目的とする。
本発明者は、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、圧空成形によってエンボス賦形する際に、圧縮空気に塗布液を含有させることに知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)
基材と、前記基材に設けられエンボス部と、を含むキャリアテープの製造方法であって、加熱軟化された前記基材に、塗布液を含有する圧縮空気を噴き付けることによって、前記基材に前記エンボス部を形成するとともに、前記基材の表面の少なくとも一部に塗工層を形成する成形工程を含む、キャリアテープの製造方法である。
(2)
前記成形工程は、導電性物質を含有する前記塗布液を噴き付けることにより、前記塗工層として、導電層を形成する、(1)のキャリアテープの製造方法である。
(3)
前記基材は、基材本体と、前記基材本体の表面に積層された中間層と、を含み、前記成形工程において、前記中間層の表面の少なくとも一部に、前記塗布液を含有する圧縮空気を噴き付けることによって、前記基材に前記エンボス部を形成するとともに、前記中間層の表面の少なくとも一部に前記塗工層を形成する、(1)又は(2)のキャリアテープの製造方法である。
(4)
前記成形工程の後に、前記基材の表面の少なくとも一部に貫通孔を設ける穿孔工程を更に含む、(1)~(3)のいずれかのキャリアテープの製造方法である。
(5)
基材と、前記基材に設けられたエンボス部と、を含むキャリアテープであって、前記基材及びエンボス部の表面の少なくとも一部に、アクリル樹脂を含むバインダー中にカーボンブラックが分散され、表面抵抗値が10~10Ωである導電性の塗工層が形成されている、キャリアテープである。
本発明によれば、エンボスを有するキャリアテープの製造方法であって、塗工層の厚さを均一に形成することができるキャリアテープの製造方法、及びキャリアテープを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る製造方法の一例を説明するための概略図である。 図2は、本実施形態に係る製造方法により得られるキャリアテープの一例の斜視図である。 図3は、圧空成形における成形金型とシートの配置状態を示す概略図である。 図4は、圧空成形におけるエアブローの状態を示す概略図である。 図5は、圧空成形におけるエアブローの状態を示す概略図である。 図6は、圧空成形におけるエンボス賦形が進んだ状態を示す概略図である。 図7は、圧空成形におけるエンボス賦形が完了した状態を示す概略図である。 図8は、圧空成形における離型の状態を示す概念図である。 図9は、本実施形態に係る製造方法の別の一例を説明するための概略図である。 図10は、図9の圧空成形における離型の説明に供する概念図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
さらに、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
図1は、本実施形態に係る製造方法の一例を説明するための概略図である。
本実施形態に係るキャリアテープ100の製造方法は、基材110と、基材110に設けられエンボス部120と、を含むキャリアテープの製造方法であって、加熱軟化された基材110に、塗布液を含有する圧縮空気を噴き付けることによって、基材110にエンボス部120を形成するとともに、基材110の表面の少なくとも一部に塗工層130(図2参照)を形成する成形工程を少なくとも行う。本実施形態に係る製造方法は、例えば、製造装置1によって行うことができる。
製造装置1は、加熱部2、エンボス加工部3、乾燥部4、孔抜き部5、及び搬送部6を備える。そして、キャリアテープ100の基材110は、搬送方向(矢印A参照)である紙面の左(上流)から右(下流)に向けて、搬送される。なお、基材110は、原反シート等と呼ばれることもある。
まず、加熱部2において、基材110は加熱軟化される。そして、エンボス加工部3において、圧空成形によって、基材110にエンボス部120が形成されるとともに、後述する塗工層130が形成される。続いて、基材110は乾燥部4に送られた後、孔抜き部5において穿孔されることによって、送り孔140(図2参照)や検査孔等が基材110に形成されて、キャリアテープ100が得られる。キャリアテープ100は、搬送部6によって、巻き取り工程等の後続の工程(不図示)に送られる。
加熱部2は、基材110を加熱することによって、エンボス賦形が可能な程度に基材110を加熱軟化させる。加熱手段及び加熱条件は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、赤外線ヒーター等を用いることができる。
エンボス加工部3は、圧縮空気が供給されるエアボックス部31と、エンボス賦形を行う金型32とを備える。エアボックス部31には、圧縮空気に配合する塗布液を供給する塗布液供給部33が接続されている。これにより、塗布液を含有する圧縮空気を用いた圧空成形を行うことができ、エンボス賦形しながら表面塗工を行うことができる。詳細は後述するが、塗布液を含有する圧縮空気を基材110に噴き付けることによって、基材110にエンボス部120を形成するとともに、基材110の表面の少なくとも一部に塗工層130を形成することができる。
なお、塗布液供給部33は、圧縮空気に塗布液を混合することができればよく、ルブリケータ、ノズル等を用いることができる。例えば、圧縮空気の流れを利用して、エンボス加工部3のチャンバー内に塗布液を噴霧することができる。
孔抜き部5は、プレスパンチ51とダイス52とを備える。図示はしないが、プレスパンチ51とダイス52の間に配置された基材110が、プレスパンチ51によって上方から下方に向けて打ち抜かれることによって穿孔され、送り孔140(図2参照)や後述する検査孔等の貫通孔が形成される。このように、エンボス賦形を行う成形工程の後に、基材110の表面の少なくとも一部に貫通孔を設ける穿孔工程を行うことが好ましい。この穿孔方法は、特に限定されず、パンチプレス加工等の公知の手法を採用することができる。
図2は、本実施形態に係る製造方法により得られるキャリアテープの一例の斜視図である。
キャリアテープ100は、長手方向(矢印A参照)に沿って長尺の基材110と、部品(不図示)を収納するエンボス部120と、基材110の表面の一部に設けられた送り孔140を含む。そして、基材110の表面の少なくとも一部には、塗工層130が形成されている。また、基材110の表面に長手方向(矢印A参照)に沿って、送り孔140が連続形成されている。送り孔140は、塗工層130が形成されていない領域に設けられている。
基材110の材料は、特に限定されず、例えば、樹脂組成物が挙げられる。樹脂組成物に用いることができる樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂であることが好ましい。樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、スチレンアクリロニトリルコポリマー、アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂が好ましい。
そして、樹脂組成物には、必要に応じて、導電性フィラー、帯電防止剤、着色剤、難燃剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、加工助剤、分散剤、離型剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を付与してもよい。例えば、導電性フィラーとしては、カーボンブラック、カーボンファイバー等が挙げられる。これらは、樹脂に練りこんでもよい。
基材110は、樹脂組成物から構成される層を1層有する単層構造でもよいし、樹脂組成物から構成される層を2層以上有する多層構造であってもよい。
基材110の厚さ(テープ厚)は、特に限定されないが、好ましくは0.1~0.7mmである。この厚さの下限は、より好ましくは0.2mm以上であり、更に好ましくは0.3mm以上である。また、この厚さの上限は、より好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは0.4mm以下である。本実施形態に係る製造方法によれば、薄肉の基材110であっても、均一な厚さの塗工層130を形成することができる。
基材110の幅方向(矢印B参照)の長さ(テープ幅)は、特に限定されないが、好ましくは4~80mmである。この長さの下限は、より好ましくは8mm以上であり、更に好ましくは12mm以上であり、より更に好ましくは16mm以上である。また、この厚さの下限は、より好ましくは72mm以下であり、更に好ましくは56mm以下であり、より更に好ましくは44mm以下である。
エンボス部120は、基材110上に、基材110の長手方向(矢印A参照)に沿って所定の間隔で連続的に配置されている。そして、エンボス部120は、部品を収納する凹部(ポケット)の底面122と、底面122から立設している壁面124とから形成されている。なお、基材110について、エンボス部120が開口する側を基材110の「表側」といい、この表面と反対側を基材110の「裏側」という場合がある。
エンボス部120は、基材110の上面視において(図2参照)、略矩形状をなしており、基材110の表側から裏側へ膨出するようにエンボス加工が施されている。エンボス部120は、基材110の長手方向(矢印A参照)に沿って、所定の配置間隔(配置ピッチ)で等間隔で連続配置されている。この配置間隔は、等間隔でもよいし、不等間隔でもよい。例えば、キャリアテープ100の構造設計等の観点から適宜好適な配置間隔とすることができる。
エンボス部120に収納される部品としては、特に限定されず、例えば、セラミックコンデンサ、抵抗、ICチップ、インダクタ、発光ダイオード(LED)、シールド部材、コネクタ等の種々の電子部品及び電気部品が挙げられる。
塗工層130は、基材110の表面の少なくとも一部に形成されている。後述するように、塗工層130は、エンボス賦形を行う成形工程において、圧縮空気に含まれる塗布液を基材110の表側の表面に塗布することによって形成することができる。
塗工層130としては、例えば、導電層、帯電防止層、紫外線吸収層、保護層、耐溶剤層、遮光層、バリア層、防汚層、被印刷層、易接着層、抗菌層等の機能層であることが好ましい。これらの中でも、キャリアテープ100の静電気対策の観点から、導電層であることがより好ましい。塗工層130として導電層を設けることによって、電子部品等の収納部品にとって好ましくない静電気の発生を防ぐことができる。塗工層130を如何なる機能層とするかは、成形工程の圧縮空気に含まれる塗布液の成分を選択することによって、適宜決定することができる。
そして、塗工層130は、基材110の表面の少なくとも一部に形成されていればよい。例えば、送り孔140が形成されている基材110の表面は、塗工層130が形成されていなくてもよい。塗工層130の形成領域は、圧空成形の圧縮空気に含まれる塗布液の塗布領域に対応する。
送り孔140は、基材110の表面の一部又はエンボス部120の表面の一部を、基材110の厚さ方向に貫通して形成された貫通孔である。送り孔140は、基材110の表面の一部(例えば、長手方向の端部)に設けられている。送り孔140は、キャリアテープ100の搬送及び位置決め等の目的で用いられる。
そして、図示はしないが、キャリアテープ100は、各エンボス部120の表面に検査孔を有していてもよい。例えば、検査孔は、エンボス部120の表面の一部(例えば、底面122)に設けることができる。検査孔は、各エンボス部120に収納された部品を検知又は検査する目的で用いられる。
送り孔140及び検査孔の形状については、特に限定されず、適宜好適な形状を選択することができる。例えば、キャリアテープ100の上面視において、略円形状、略矩形状等を選択できる。
続いて、本実施形態に係る製造方法におけるエンボス賦形を行う成形工程について、図3~図8を参照しつつ詳しく説明する。エンボス賦形は、エンボス加工部3の圧空成形により行われる。具体的には、加熱軟化された基材110に圧縮空気を噴き付けることによって、凹金型に基材110を押し付けて、エンボス部120に対応する凹形状を基材110に賦形する。
圧空成形は、基材110の材料による制限が少なく、深絞りエンボス加工を行うことができる。さらに、本実施形態に係る製造方法によれば、圧空成形に用いる圧縮空気が塗布液を含有することによって、エンボス賦形と表面塗工を一工程で行うことができ、厚さが均一な塗工層130を形成することができる。
図3は、圧空成形における成形金型とシートの配置状態を示す概略図である。
まず、図3に示すように、エンボス加工部3のエアボックス部31及び金型32の間に、加熱軟化された基材110を配置する。エアボックス部31には、その上面に、圧縮空気を噴出する給気孔312が設けられている。給気孔312には、上述した塗布液供給部33が接続された配管が接続されており、ここから塗布液を含有する圧縮空気を噴出することができる。金型32は、エンボス形状に対応する金型底面324及び金型壁面326から構成されており、金型底面324には空気を吸引する吸引孔322が設けられている。
エアボックス部31及び金型32の間に基材110が配置された後、金型32がエアボックス部31に向けて、下方から上昇する(矢印C参照)。
図4は、圧空成形におけるエアブローの状態を示す概略図である。
次に、図4に示すように、エアボックス部31の給気孔312に圧縮空気が供給される(矢印a1参照)。そして、エアボックス部31及び金型32によってクランプされた基材110に、給気孔312から圧縮空気が噴き付けられる。圧縮空気には、塗布液が含有されていることから、基材110の表面に圧縮空気が噴き付けられるとともに、塗布液が塗布される(破線b参照)。そして、金型32の吸引孔322から、エンボス加工部3の内部の空気が吸引される(矢印a2参照)。これにより、基材110の表面が圧縮空気により押し出されるとともに、基材110の裏側が金型底面324及び金型壁面326に吸い付けられていくことにより、基材110が延伸される。
塗布液は、塗工層130に付与したい性能を有する成分を含有することが好ましい。例えば、塗工層130を導電層とする場合は導電性物質を含有する塗布液を用いることができる。塗工層130を帯電防止層とする場合は帯電防止剤を含有する塗布液を用いることができる。塗工層130を紫外線吸収層とする場合は紫外線吸収剤を含有する塗布液を用いることができる。
導電性物質としては、例えば、カーボン系材料、導電性樹脂、金属酸化物等が挙げられる。カーボン系材料としては、例えば、カーボンブラック、カーボン繊維、カーボンナノチューブ、カーボンパウダー等が挙げられる。導電性樹脂としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン等が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、スズを添加した酸化インジウム、アンチモンを添加した酸化スズ、アルミニウムを添加した酸化亜鉛等が挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、アニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤、非イオン系帯電防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、塗布液は、必要に応じて、バインダーを更に含有してもよい。バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル、光硬化性樹脂等が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート、紫外線硬化性エポキシアクリレート等が挙げられる。なお、光硬化性樹脂を含有する塗布液を用いる場合、乾燥部4(図1参照)において、光硬化性樹脂を光硬化させるために紫外線等の光照射を行うことが好ましい。
塗布液は、上述したバインダーを1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
さらに、塗布液は、必要に応じて、溶剤を更に含有してもよい。溶剤としては、例えば、アルコール類、アセトン、酢酸エチル、酢酸、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、四塩化炭素、n-ヘキサン等の有機溶媒が挙げられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のジオール類;トリエチレングリコール等のトリオール類;ポリエチレングリコール等のポリオール類が挙げられる。
塗布液は、上述した溶剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
塗布液がバインダー又は溶剤を含有する場合、塗布液の成分濃度及び粘度等は特に限定されず、目的とする塗工層130の成分及び厚さ等を考慮して、適宜調整することができる。
また、圧縮空気への塗布液の混合比(例えば、気液混合比)、並びに、塗布液の塗布量及び塗布時間等の塗布条件は特に限定されず、塗工層130の塗工領域、成分、及び厚さ等を考慮して、適宜決定することができる。
さらに、給気孔312からの圧縮空気の噴射圧、噴射時間等の噴射条件、吸引孔322からの空気の吸引圧、吸引時間等の吸引条件は、特に限定されず、基材110の材質、エンボス部120の寸法形状、並びに、塗工層130の塗工領域及び厚さ等を考慮して、適宜決定することができる。
例えば、塗工層130として導電層を形成する場合、所望する表面抵抗値(例えば、10~10Ω)に応じて、これらの条件を適宜決定することができる。このような導電層としては、例えば、上述した導電性物質(例えば、カーボンブラック等)が、上述したバインダー(例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等)中に分散されたものが挙げられる。導電層の好適例としては、例えば、アクリル樹脂を含むバインダー中にカーボンブラックが分散され、表面抵抗値が10~10Ωである塗工層130が挙げられる。この表面抵抗値は、例えば、IEC61340-4-1に準拠した表面抵抗計を用いて測定することができる。
図5は、圧空成形におけるエアブローの状態を示す概略図である。
そして、図5に示すように、エアボックス部31の給気孔312からの圧縮空気の噴射、及び金型32の吸引孔322からの空気の吸引が進むにつれて、塗布液が塗布された基材110が徐々に下方に突出するように湾曲変形していく。この後、基材110は、金型底面324及び金型壁面326に向けて吸い付けられていく。
図6は、圧空成形におけるエンボス賦形が進んだ状態を示す概略図である。
そして、図6に示すように、エアボックス部31の給気孔312からの圧縮空気の噴射、及び金型32の吸引孔322からの空気の吸引が更に進むと、塗布液が塗布された基材110が金型底面324(図5参照)に表面接触するとともに、金型壁面326(図5参照)に向けて更に吸い付けられていく。
図7は、圧空成形におけるエンボス賦形が完了した状態を示す概略図である。
さらに、図7に示すように、基材110の裏側が金型底面324(図5参照)及び金型壁面326(図5参照)に完全に面着することによって、エンボス部120の形状が基材110に賦形される。その後、金型32が下方に移動する(矢印D参照)。
図8は、圧空成形における離型の状態を示す概念図である。
最後に、図8に示すように、金型32の下方移動が終了して、エンボス賦形されるとともに、その表面に塗工層130が形成された基材110が離型される。なお、離型の前に、一定の冷却時間を設けてもよい。
以上の工程を経て、基材110にエンボス部120が形成されるとともに、基材110の表面に塗工層130が形成される。塗工層130は、エンボス加工部3のチャンバー内の領域に形成される。よって、チャンバー外にある基材110の表面には塗工層130は形成されない。
圧空成形によるエンボス賦形では、基材110が圧縮空気により上方から下方に押し下げられる際に基材110が下方に延伸され、その延伸部分の基材厚は薄くなる。そのため、エンボス賦形された基材110は肉薄となった部分を有し、厚さが不均一となる。
この点、従来の製造方法では、エンボス賦形を行った後に塗工層を形成する。そのため、厚さが不均一な基材上に、塗布液が塗布されることになり、基材の塗工層の厚さも不均一になってしまう。すなわち、圧空成形による延伸のために、塗工層の厚さが薄くなる部分が生じてしまう。
このように塗工層の厚さに厚薄が生じると、塗工層に含有される有効成分(例えば、導電性物質等)の分散バランスが不均一となる。例えば、塗工層が導電層である場合、表面抵抗値が上昇し、導電性が維持できないといった問題が生じる。また、導電層を有する従来のキャリアテープは、押し出し等により導電層のパスが途切れてしまい、これによってキャリアテープの導電性が維持できないといった問題も生じる。
しかし、本実施形態に係る製造方法によれば、上述したように圧空成形と同時に塗工するため、塗工層130に厚薄が生じず、均一な厚さとすることができる。その結果、塗工層130に含有される有効成分(例えば、導電性物質等)の分散バランスを均一に維持することができる。
例えば、塗工層130が導電層である場合、基材110の表面抵抗値の上昇を抑えることができ、導電性を維持することができる。このような観点から、導電性物質を含有する塗布液を噴き付けることにより、塗工層130として、導電層を形成することが好ましい。
また、塗工層130が着色層である場合、基材110の表面全体の色調のムラを抑制することができる。
なお、本実施形態に係る製造方法によれば、エンボス加工部3のエアボックス部31と金型32によりクランプされた基材110において(例えば、図4等参照)、そのチャンバー外に位置する部分には塗布液を塗布することができない。そのため、基材110の表面全域に導電性等の特性を付与したい場合、後述するように、基材本体112と中間層114とを含む多層構造の基材110を用いることが好ましい。中間層114が塗工層130と同じ機能層であることにより、表面全域に導電性等の特性を付与することができる。
このような観点から、基材110は、基材本体112と、基材本体112の表面に積層された中間層114と、を含み、成形工程において、中間層114の表面の少なくとも一部に、塗布液を含有する圧縮空気を噴き付けることによって、基材110にエンボス部120を形成するとともに、中間層114の表面の少なくとも一部に塗工層130を形成することが好ましい。以下に、詳しく説明する。
図9は、本実施形態に係る製造方法の別の一例を説明するための概略図であり、図10は、図9の圧空成形における離型の説明に供する概念図である。
図9及び図10は、基材110が、基材本体112及び中間層114を有する多層構造である態様を示している。基材本体112の材料としては、上述した基材110を構成する樹脂組成物を用いることができる。
中間層114としては、塗工層130と同様のものを用いることができる。このような構成とすることによって、エンボス加工部3のチャンバー外の領域等、塗布液を塗布できない領域にも、塗工層130と同じ機能性を有する層を設けることができる。これにより塗布形成の補完の役割を果たすことができる。
例えば、塗工層130として導電層を形成することにより導電性シートとする場合、中間層114も導電性を有する層であることが好ましい。これにより、基材本体112の表面全域を導電層である塗工層130及び中間層114により被覆することができる。
あるいは、塗工層130として絶縁層を形成することにより絶縁性シートとする場合、中間層114も絶縁性を有する層であることが好ましい。これにより、基材本体112が表面に露出することがなく、絶縁性を維持することができる。
ここでは、基材本体112の一方の表面に中間層114を設けた場合を例示しているが、基材本体112の表裏両面に中間層114を設けてもよい。
まず、図9に示すように、エンボス加工部3のエアボックス部31及び金型32の間に、加熱軟化された基材110を配置する。この基材110は、上述した基材本体112及び中間層114を有する。図9は図3に対応するものであり、図3と同様に、エアボックス部31及び金型32の間に基材110が配置された後、金型32がエアボックス部31に向けて、下方から上昇する(矢印C参照)。
その後、図4~図7に示すようにエアブローを行い、基材110について塗布液を含んだ圧縮空気を噴出することにより、エンボス賦形と塗工層130の形成を行う。
そして、図10に示すように、金型32の下方移動が終了して、エンボス賦形されるとともに、その表面に塗工層130が形成された基材110が離型される。図10は図8に対応するものであり、図8と同様にして離型することができる。
1:製造装置、2:加熱部、3:エンボス加工部、4:乾燥部、5:孔抜き部、6:搬送部、31:エアボックス部、32:金型、33:塗布液供給部、51:プレスパンチ、52:ダイス、100:キャリアテープ、110:基材、112:基材本体、114:中間層、120:エンボス部、122:底面、124:壁面、130:塗工層、140:送り孔、312:給気孔、322:吸引孔、324:金型底面、326:金型壁面、A,B,C,a1,a2:矢印、b:破線

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材に設けられエンボス部と、を含むキャリアテープの製造方法であって、
    加熱軟化された前記基材に、塗布液を含有する圧縮空気を噴き付けることによって、前記基材に前記エンボス部を形成するとともに、前記基材の表面の少なくとも一部に塗工層を形成する成形工程を含む、
    キャリアテープの製造方法。
  2. 前記成形工程は、導電性物質を含有する前記塗布液を噴き付けることにより、前記塗工層として、導電層を形成する、
    請求項1に記載のキャリアテープの製造方法。
  3. 前記基材は、基材本体と、前記基材本体の表面に積層された中間層と、を含み、
    前記成形工程において、前記中間層の表面の少なくとも一部に、前記塗布液を含有する圧縮空気を噴き付けることによって、前記基材に前記エンボス部を形成するとともに、前記中間層の表面の少なくとも一部に前記塗工層を形成する、
    請求項1又は2に記載のキャリアテープの製造方法。
  4. 前記成形工程の後に、前記基材の表面の少なくとも一部に貫通孔を設ける穿孔工程を更に含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のキャリアテープの製造方法。
  5. 基材と、前記基材に設けられたエンボス部と、を含むキャリアテープであって、
    前記基材及びエンボス部の表面の少なくとも一部に、アクリル樹脂を含むバインダー中にカーボンブラックが分散され、表面抵抗値が10~10Ωである導電性の塗工層が形成されている、
    キャリアテープ。
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