本発明に係る通信システムの一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明に係る通信システムにおいて、例えば、ネットワークとして、インターネットなどの情報通信網を適用できる。IoT機器としては、例えば、宅内に据え付けられる風呂給湯システム、空調システム、床暖房システムなどの住居設備を適用できる。外部サーバとしては、例えば、宅外に配置されネットワークに接続されたクラウドコンピューティングシステムを適用できる。情報端末としては、例えば、宅内および宅外で使用可能なスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどであり、無線または有線でネットワークに接続可能な機器を適用できる。
図1は、本発明に係る通信システムの一実施形態を示すシステム構成図である。
図2は、風呂給湯システム10の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
図3は、外部サーバ30の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
図4は、情報端末40の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
以下の説明においては、特にIoT機器が宅内5に配置される風呂給湯システム10である例を適用して説明する。「宅内5」は、住宅の内部や、住宅の外部であって住宅の敷地内(住宅の外壁周辺など)を含む。「宅外6」は、宅内5以外の場所である。
通信システム1は、ネットワーク2を介して相互に通信可能な風呂給湯システム10と、外部サーバ30と、情報端末40と、を備える。通信システム1においては、風呂給湯システム10がネットワーク2に接続して、いわゆるIoT(Internet of Things)を利用することにより、情報端末40と連携する。情報端末40は、宅内5や宅外6(外出先)から風呂給湯システム10を遠隔操作したり、使用履歴などの情報を閲覧したりすることができる。
風呂給湯システム10は、給湯ユニット11と、給湯回路や風呂循環回路(図示せず)と、リモコン15と、を主に有する。
給湯ユニット11は、貯湯タンクおよびヒートポンプを有する。給湯ユニット11は、給湯回路や風呂循環回路を介して浴室(風呂、浴槽)や台所に温水を供給したり、風呂循環回路を介して浴槽から供給される湯水を加温したりする。図2に示すように、給湯ユニット11は、給湯ユニット制御部12と、給湯ユニット記憶部13と、給湯ユニット通信部14と、を有する。給湯ユニット制御部12は、CPU(Central Processing Unit)を有し、給湯ユニット記憶部13に予め記憶されているプログラムに従って給湯ユニット11を電気的に制御する。給湯ユニット記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、給湯ユニット制御部12の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。給湯ユニット通信部14は、リモコン通信部20と接続され、給湯ユニット11とリモコン15とを双方向に通信可能にする。
給湯回路や風呂循環回路は、浴室内の浴槽や、シャワー、カラン、台所のカランなどと接続され、貯湯タンクの湯水を浴室や台所に供給したり、浴槽の湯水を浴槽と貯湯タンクとの間で循環させたりする。給湯回路や風呂循環回路および給湯ユニット11は、温度センサ、流量センサ、水位センサ、などのセンサ類を有する。これらセンサ類から得られる情報は、主に給湯ユニット制御部12に供給され、リモコン15の表示に必要な情報や外部サーバ30が必要とする情報がリモコン制御部16に供給される。
リモコン15は、浴室や台所に配置され、ユーザから各種指示を受け付けたり、情報を表示したりする。図2に示すように、リモコン15は、リモコン制御部16と、リモコン記憶部17と、リモコン入力部18と、リモコン表示部19と、リモコン通信部20と、を有する。
リモコン制御部16は、CPU(Central Processing Unit)を有し、リモコン記憶部17に予め記憶されているプログラムに従ってリモコン15を制御する。例えば、リモコン制御部16は、リモコン入力部18または情報端末40を介して受け付けるユーザの指示に基づいて制御し、指示を実行する。具体的には、リモコン制御部16は、指示された給湯設定温度や、風呂設定温度、設定湯量などに基づいて給湯運転、風呂自動運転、風呂追いだき運転などを実行する。リモコン制御部16からの指示を受け付けた給湯ユニット制御部12は、センサ類から得られた情報に基づいて各種弁などの作動を制御する。なお、本実施形態においては、説明の簡略化のためリモコン制御部16が、給湯ユニット11を含む風呂給湯システム10の各部を統括的に制御する例を適用して、以下説明する。
リモコン記憶部17は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、リモコン制御部16の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。リモコン入力部18は、ユーザから指示を受け付ける、例えばボタン類である。リモコン表示部19は、ユーザに情報を表示する、例えばディスプレイである。リモコン通信部20は、有線または無線で他の機器とリモコン15とを通信可能に接続する。具体的には、リモコン通信部20は、上述の通り給湯ユニット通信部14と接続することにより、リモコン15と給湯ユニット11とを通信可能に接続する。また、リモコン通信部20は、ルータ3を介してリモコン15をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して他の機器と所要の情報を送受信する。
ルータ3は、宅内5(リモコン15と通信可能な範囲内)に配置され、ルータ3と接続された機器をネットワーク2に接続する。ルータ3は、無線LAN(Local Area Network)通信のアクセスポイントとしての機能も有する。また、ルータ3は、風呂給湯システム10および情報端末40の間で登録処理が行われる場合の初期には、セキュリティ確保のため、同じルータ3(およびルータ3の配下の図示しない中継器)を介した通信のみを許容する。
外部サーバ30は、例えば、いわゆるクラウドコンピューティングを利用して実現され、ネットワーク2を介して風呂給湯システム10や情報端末40と接続される。図3に示すように、外部サーバ30は、サーバ制御部31と、サーバ記憶部32と、サーバ通信部33と、を有する。サーバ制御部31は、CPU(Central Processing Unit)を有し、サーバ記憶部32に予め記憶されているプログラムに従って外部サーバ30を制御する。サーバ記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などからなり、サーバ制御部31の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。特に、サーバ記憶部32は、風呂給湯システム10から送信される風呂給湯システム10の稼働情報、使用履歴などからなる機器情報を適宜記憶する。サーバ通信部33は、外部サーバ30をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して、風呂給湯システム10および情報端末40と所要の情報を送受信する。
情報端末40は、宅内5および宅外6を含むユーザの任意の場所で使用可能な機器である。図4に示すように、情報端末40は、端末制御部41と、端末記憶部42と、端末入力部43と、端末表示部44と、端末通信部45と、移動体通信部46と、を有する。
端末制御部41は、CPU(Central Processing Unit)を有し、端末記憶部42に予め記憶されているプログラムに従って情報端末40を制御する。端末記憶部42は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有し、端末制御部41の制御に必要な各種プログラムや、データを記憶する。端末入力部43は、ユーザから指示を受け付ける、例えばタッチパネルやボタン類である。端末表示部44は、ユーザに情報を表示する、例えばディスプレイである。端末通信部45は、有線または無線で他の機器と情報端末40とを通信可能に接続する。具体的には、端末通信部45は、ルータを介して情報端末40をネットワーク2に接続し、ネットワーク2を介して他の機器と所要の情報を送受信する。端末通信部45が接続されるルータは、宅内5に配置されるルータ3と、宅外6に設置される任意のルータを含む。移動体通信部46は、情報端末40を移動体通信ネットワーク4に接続する。
次に、風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40が新規な接続を確立するための登録処理について説明する。この登録処理は、ユーザの情報端末40が風呂給湯システム10との間における初回の接続時に行われる処理であり、この登録処理が行われた後は、所要の認証情報を用いて適宜各機器間で接続が確立される。認証情報は、風呂給湯システム10と外部サーバ30とが接続を確立するための機器認証情報および外部サーバ30と情報端末40とが接続を確立するためのユーザ認証情報であり、具体的には、ID(Identification)およびパスワードからなる情報である。登録処理には、3通りの処理がある。
一つ目の処理は、風呂給湯システム10および情報端末40の間で既に確立された既存の接続が存在しない場合に実行される、新規登録処理である。新規登録処理は、例えば、住宅に新規に据え付けられたいわゆる工場出荷時の風呂給湯システム10と、情報端末40との接続を確立する際に実行される。
二つ目の処理は、風呂給湯システム10および情報端末40の間に既存の接続が存在し、その接続にさらに新たな他の情報端末40との接続を追加する場合に実行される、追加登録処理である。追加登録処理は、例えば、既に登録処理が実行された居住者の情報端末40に加え、同居者の別の情報端末40と、風呂給湯システム10との接続を追加する際に実行される。
三つ目の処理は、風呂給湯システム10および情報端末40の間に既存の接続が存在し、この既存の接続を初期化した後に実行される、初期化後新規登録処理である。初期化後新規登録処理は、例えば、賃貸住宅の退去者である過去のユーザの情報端末40と、風呂給湯システム10との接続が風呂給湯システム10に記憶されており、これを初期化した上で、この賃貸住宅の入居者である現ユーザの情報端末40と、風呂給湯システム10との接続を確立する際に実行される。
本実施形態における通信システム1は、登録処理のセキュリティを高めるため、ユーザが変更されるなどにより風呂給湯システム10と情報端末40との間で新規な接続が確立される毎に、風呂給湯システム10と外部サーバ30との間の接続で使用される機器認証情報であるIDおよびパスワード(以下、「機器IDなど」という。)を生成することで、風呂給湯システム10が固有のIDなどを保有しなくてよい点に特徴を有する。すなわち、ユーザが異なれば、風呂給湯システム10と外部サーバ30との間で用いられる機器IDなどは異なり、ユーザ毎に機器IDなどが生成される点に特徴を有する。ユーザが異なるという場合、例えば、風呂給湯システム10が据え付けられた住宅の退去者である過去のユーザ(単数、複数問わず)と、この住宅と同一の住宅の新たな入居者である現ユーザ(単数、複数問わず)との関係をいう。
これら登録処理は、風呂給湯システム10のリモコン制御部16、外部サーバ30のサーバ制御部31および情報端末40の端末制御部41がそれぞれ実行する処理として説明される。以下、これらの登録処理を、詳細に説明する。
まず、風呂給湯システム10において実行される、給湯システム側登録処理について説明する。
図5は、本実施形態におけるリモコン制御部16により実行される給湯システム側登録処理を説明するフローチャートである。
図6は、新規登録処理として風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
図7は、追加登録処理として風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
図8は、初期化後新規登録処理として風呂給湯システム10、外部サーバ30および情報端末40間で実行される処理を説明するシーケンス図である。
図9は、リモコン15のリモコン表示部19の表示例を示す遷移図である。
図7から図9のシーケンス図においては、図5の給湯システム側登録処理および後述する図10の情報端末側登録処理に含まれる処理のうち一部の処理は説明が省略されている。
ステップS1において、リモコン制御部16は、リモコン入力部18を介して新規な接続を確立するための登録処理を開始する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、例えば、リモコン表示部19に表示される設定画面から、リモコン入力部18を介して指示を受け付けることにより、登録処理を開始する指示を受け付ける。リモコン制御部16は、指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS1のNO)、指示を受け付けるまで待機する。
一方、リモコン制御部16は、指示を受け付けたと判定した場合(ステップS1のYES)、例えば、図9(a)に示す、新規登録処理または追加登録処理を選択させる接続登録画面を表示する(図6のステップS21、図7のステップS41、図8のステップS61)。選択受付部としてのリモコン制御部16は、リモコン入力部18を介して、いずれかの登録処理を実行する指示を受け付ける。なお、リモコン制御部16は、ここで既存の接続を初期化する指示を受け付けてもよい。初期化する指示を受け付けた場合には、処理は、例えば初期化実行ステップS6に進む。
ステップS2において、リモコン制御部16は、選択された登録処理が追加登録処理であるか否かを判定する。リモコン制御部16は、追加登録であると判定した場合(ステップS2のYES、図7のステップS42)、接続指示判定ステップS12に進む。処理は、図7の追加登録処理として進む。
リモコン制御部16は、追加登録ではないと判定した場合、すなわち新規登録処理であると判定した場合(ステップS2のNO、図6のステップS22、図8のステップS62)、ステップS3において、既存の接続があるか否かを判定する。すなわち、風呂給湯システム10が他の情報端末40との間で登録処理を実行していた場合、既存の機器IDなどをリモコン記憶部17に記憶している。一方、風呂給湯システム10が情報端末40との間で登録処理を行っていない場合や機器IDなどが初期化されている場合には、機器IDなどを記憶していない。リモコン制御部16は、リモコン記憶部17を参照し機器IDが記憶されているか否かにより、既存の接続の有無を判定する。リモコン制御部16は、既存の接続がないと判定した場合(ステップS3のNO)、接続指示判定ステップS7に進む。すなわち、処理は、図6の新規登録処理として進む。
一方、リモコン制御部16は、既存の接続があると判定した場合(ステップS3のYES)、処理は図8の初期化後新規登録処理として進む。ステップS4において、リモコン制御部16は、既存の接続を初期化するよう、ユーザに要求する(図8のステップS63)。具体的には、リモコン制御部16は、例えば図9(b)に示す、リモコン表示部19に情報端末40(アプリ)との接続を初期化することを促す画面を表示する。この初期化要求ステップS4においては、ユーザが新規の接続を確立すること希望しているにもかかわらず、既存の接続が存在している場合は、風呂給湯システム10の過去のユーザが使用していた接続が残っているものとみなして実行される。上述の通り、本通信システム1は、ユーザ毎に機器IDなどを生成し使用することを特徴とするため、リモコン制御部16は、この過去のユーザの接続を初期化させた上で新規登録処理を実行させる。例えば、リモコン制御部16は、既存の接続を初期化することを促す画面をリモコン表示部19に表示した上で、例えば図9(c)に示す、接続の初期化を実行する指示を受け付ける画面を表示し、リモコン入力部18から実行の指示を受け付ける。
ステップS5において、リモコン制御部16は、接続の初期化を実行する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、初期化を実行する指示を未だ受け付けていないと判定した場合(ステップS5のNO)、指示を受け付けるまで待機する。リモコン制御部16は、この初期化指示判定ステップS5において、接続の初期化を実行する指示を受け付けるまで次の処理に進まず待機することにより、過去のユーザの接続を確実に解除させる。
リモコン制御部16は、初期化を実行する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS5のYES)、ステップS6において、初期化を実行する(図8のステップS64)。初期化実行部としてリモコン制御部16は、リモコン記憶部17に記憶された既存の接続のための機器IDなどを含む、過去のユーザ(情報端末40)に関する情報を消去することにより初期化を実行する。これにより、風呂給湯システム10は、外部サーバ30および情報端末40と接続するための機器IDなどを保有することなく、情報端末40から新たに機器IDなどを取得するまでは外部サーバ30および情報端末40と接続することができない。リモコン制御部16は、例えば図9(d)に示す、初期化の完了を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。
リモコン制御部16は、既存の接続がないと判定した場合(ステップS3のNO)、または初期化実行ステップS6の後、ステップS7において、情報端末40との接続を確立する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、例えば、図9(e)に示す、情報端末40との接続を開始するか否かの選択を受け付ける画面をリモコン表示部19に表示することにより、リモコン入力部18を介して指示を受け付ける。
リモコン制御部16は、接続を開始する指示を未だ受け付けていないと判定した場合(ステップS7のNO)、指示を受け付けるまで待機する。一方、リモコン制御部16は、接続を開始する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS7のYES、図6のステップS23、図8のステップS65)、例えば図9(f)に示す、情報端末40において登録処理を実行するための操作を促す画面をリモコン表示部19に表示する。
ステップS8において、リモコン制御部16は、情報端末40より接続要求および機器IDなどの送信要求(図10のステップS82)を受信したか否かを判定する。リモコン制御部16は、これら要求を未だ受信していないと判定した場合(ステップS8のNO)、これら要求を受信するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、これら要求を受信したと判定した場合(ステップS8のYES、図6のステップS24、図8のステップS66、図10のステップS82)、ステップS9において、接続要求に応答し、機器IDなどを情報端末40に送信する(図6のステップS25、図8のステップS67)。また、リモコン制御部16は、図9(g)に示す、情報端末40と接続中であり、登録処理を実行中である旨を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。
このとき、リモコン制御部16は、実行されている登録処理が図7の追加登録処理であり、既存の接続がある場合には既に機器IDなど(以下、「既存機器IDなど」という。)を保有しているため、情報端末40に既存機器IDなどを送信する。一方、接続応答ステップS9においては、リモコン制御部16は、実行されている登録処理が図6の新規登録処理または図8の初期化後新規登録処理であり既存の接続がなく、既存機器IDなどを保有していないため、情報端末40には既存機器IDなどがないことを送信する。
ステップS10において、リモコン制御部16は、情報端末40より新たに生成された機器IDなどを取得したか否かを判定する。ここで送信される機器IDなどは、後述する情報端末側登録処理のID生成ステップ(図10のステップS85、図6のステップS26、図8のステップS68)で端末制御部41が生成した機器IDなどである。リモコン制御部16は、機器IDなどを取得していないと判定した場合(ステップS10のNO)、機器IDなどを取得するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、機器IDなどを取得したと判定した場合(ステップS10のYES、図6のステップS27、図8のステップS69)、ステップS11において、リモコン記憶部17に機器IDなどを記憶する(図6のステップS28、図8のステップS70)。また、リモコン制御部16は、機器IDなどを登録し接続できる状態になった旨を情報端末40に応答する(図6のステップS29、図8のステップS71)。また、リモコン制御部16は、図9(h)に示す、登録処理が完了した旨を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。
リモコン制御部16は、追加登録判定ステップS2において追加登録であると判定した場合(ステップS2のYES)、ステップS12において、情報端末40との接続を確立する指示を受け付けたか否かを判定する。リモコン制御部16は、接続指示判定ステップS7同様の処理を実行する。リモコン制御部16は、指示を未だ受け付けていないと判定した場合(ステップS12のNO)、指示を受け付けるまで待機する。一方、リモコン制御部16は、接続を確立する指示を受け付けたと判定した場合(ステップS12のYES、図7のステップS43)、ステップS13において、リモコン制御部16は、情報端末40より接続要求および機器IDなどの送信要求(図10のステップS82)を受信したか否かを判定する。
リモコン制御部16は、これら要求を未だ受信していないと判定した場合(ステップS13のNO)、これら要求を受信するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、これら要求を受信したと判定した場合(ステップS13のYES、図7のステップS44)、ステップS14において、接続要求に応答し、また機器IDなどを情報端末40に送信する(図7のステップS45)。また、リモコン制御部16は、図9(g)に示す、情報端末40と接続中であり、登録処理を実行中である旨を通知する画面をリモコン表示部19に表示する。接続応答ステップS14においては、リモコン制御部16は、実行されている登録処理が図7の追加登録処理であり、既存の接続で使用された既存機器IDなどを保有しているため、情報端末40に既存機器IDなどを送信する。
ステップS15において、リモコン制御部16は、情報端末40より追加登録が完了した旨の通知を受信したか否かを判定する。リモコン制御部16は、通知を受信していないと判定した場合(ステップS15のNO)、通知を受信するまで待機する。一方、リモコン制御部16は、通知を受信したと判定した場合(ステップS15のYES、図7のステップS46)、ステップS16において、その通知を受信した旨を、情報端末40に応答する(図7のステップS47)。
リモコン制御部16は、以上で登録処理を完了し(図6のステップS30、図7のステップS48、図8のステップS72)、給湯システム側登録処理を終了する。
次に、情報端末40において実行される、情報端末側登録処理について説明する。情報端末側登録処理は、例えば、情報端末40にインストールされたアプリケーションソフト(アプリ)上でユーザが行う操作に基づいて、端末制御部41の制御により実行される。
図10は、端末制御部41により実行される情報端末側登録処理を説明するフローチャートである。
図11は、情報端末40の端末表示部44の表示例を示す遷移図である。
ステップS81において、接続受付部としての端末制御部41は、端末入力部43を介して新規な接続を確立するための登録処理を開始する指示を受け付けたか否かを判定する。端末制御部41は、例えば、端末表示部44に表示される設定画面から、端末入力部43を介して指示を受け付けることにより、登録処理を開始する指示を受け付ける。端末制御部41は、指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS81のNO)、指示を受け付けるまで待機する。
一方、端末制御部41は、指示を受け付けたと判定した場合(ステップS81のYES、図6のステップS31、図7のステップS49、図8のステップS73)、例えば図11(a)に示す、風呂給湯システム10において情報端末40との接続を開始する操作をユーザに促す画面を端末表示部44に表示する。また、ステップS82において、端末制御部41は、風呂給湯システム10に対して接続要求を送信する。同時に、端末制御部41は、風呂給湯システム10に対して既存機器IDなどを要求する(図6のステップS24、図7のステップS44、図8のステップS66)。
ステップS83において、端末制御部41は、接続要求に対する応答および既存機器IDなどに関する情報を風呂給湯システム10より受信したか否かを判定する。端末制御部41は、給湯システム側登録処理の接続応答ステップS9およびS14で説明したように、風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有している場合にはその既存機器IDなどを受信し、既存機器IDなどを保有していない場合には既存機器IDなどがないことを受信する。端末制御部41は、応答などを未だ受信していないと判定した場合(ステップS83のNO)、応答などを受信するまで待機する。一方、端末制御部41は、応答などを受信したと判定した場合(ステップS83のYES)、図11(b)に示す、風呂給湯システム10を検出した旨を通知する画面、およびユーザが風呂給湯システム10を識別するための名前の入力などを行わせる画面を表示する。
ステップS84において、保持判定部としての端末制御部41は、風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有しているか否かを判定する。端末制御部41は、風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有していないと判定した場合(ステップS84のNO)、処理は図6の新規登録処理または図8の初期化後新規登録処理として進む。ステップS85において、生成部としての端末制御部41は、機器認証情報としての機器IDなどを新たに生成する(図6のステップS26、図8のステップS68)。機器IDには、例えばUUID(Universally Unique Identifier)を用いることができる。
ステップS86において、送信部としての端末制御部41は、生成した機器IDなどと、情報端末40と外部サーバ30とを接続するためのユーザ認証情報を外部サーバ30に送信する(図6のステップS32、図8のステップS74)。ユーザ認証情報は、例えば、端末入力部43を介してアプリ上で入力を受け付けることにより、ユーザが任意に設定するユーザIDやパスワードや、MAC(Media Access Control)アドレスなどの情報端末固有の識別情報である。
サーバ制御部31は、情報端末40より取得した機器IDなどと、情報端末40のユーザ認証情報とをサーバ記憶部32に記憶することにより、風呂給湯システム10および情報端末40との接続を行うために必要な認証情報を登録する(図6のステップS33、図8のステップS75)。また、サーバ制御部31は、機器IDなどを登録し接続できる状態になった旨を情報端末40に応答する(図6のステップS34、図8のステップS76)。なお、初期化後新規登録処理である場合、サーバ記憶部32は、既存機器IDなどを既に保有している。このため、サーバ制御部31は、既存機器IDに対して追加して取得した機器IDなどを、既存機器IDなどに関連付けられた記憶領域とは別の記憶領域に記憶する。
ステップS87において、送信部としての端末制御部41は、生成した機器IDなどを風呂給湯システム10に送信する(図6のステップS27、図8のステップS69)。リモコン制御部16は、図5の給湯システム側登録処理で説明したとおり、情報端末40より取得した機器IDなどをリモコン記憶部17に記憶し、その旨を情報端末40に応答する(図5のステップS11、図6のステップS28、S29、図8のステップS70、S71)。
外部サーバ30および風呂給湯システム10は、以後、記憶した機器IDなどに基づいて、互いの接続要求を認証し、接続を確立する。また、外部サーバ30および情報端末40は、記憶したユーザ認証情報に基づいて、互いの接続要求を認証する。風呂給湯システム10および情報端末40は、外部サーバ30を介して接続する。すなわち、外部サーバ30は、情報端末40より受信した機器IDとユーザ認証情報とを関連付けて記憶することにより、情報端末40から送信された情報を関連付けられている風呂給湯システム10に送信する。
一方、端末制御部41は、ステップS84において風呂給湯システム10が既存機器IDなどを保有していると判定した場合(ステップS84のYES)、処理は図7の追加登録処理として進む。ステップS88において、追加要求部としての端末制御部41は、他の情報端末40との間で既に実行された登録処理を経て確立された接続に新たな情報端末40を追加登録するよう、外部サーバ30に要求する(図7のステップS50)。サーバ制御部31は、情報端末40より取得した追加登録に必要な情報端末40の情報であるユーザ認証情報などを、既存の機器IDと関連付けてサーバ記憶部32に記憶する(図7のステップS51)。また、サーバ制御部31は、情報端末40を追加登録し接続できる状態になった旨を、情報端末40に応答する(図7のステップS52)。
ステップS89において、追加要求部としての端末制御部41は、既存の接続に対して新たに情報端末40を追加登録した旨(情報端末40との接続を追加する要求)を、風呂給湯システム10に通知する(図7のステップS46)。リモコン制御部16は、図5の給湯システム側登録処理で説明したとおり、追加登録が完了した通知を受信した旨を情報端末40に応答する(図5のステップS16、図7のステップS47)。
リモコン入力部18を介してユーザより追加登録処理を実行する指示を受け付けた場合に、情報端末40がこのような処理を実行することにより、他の情報端末40が既に実行した登録処理で生成された既存機器IDなどを用いて、風呂給湯システム10および外部サーバ30は引き続き接続を確立する。すなわち、端末制御部41は、新たに機器IDなどを生成しない。また、端末制御部41は、外部サーバ30に対し、既に確立されている接続に情報端末40との接続を新たに追加するよう要求し、風呂給湯システム10に対して、情報端末40との接続が新たに追加された旨を通知することで、新たな情報端末40が既存の接続に追加される。
端末制御部41は、以上で、登録処理を完了し(図6のステップS30、図7のステップS48、図8のステップS72)、情報端末側登録処理を終了する。
このような登録処理を実行する通信システム1は、風呂給湯システム10および外部サーバ30との接続に必要な機器IDなどを、新規の接続が確立される毎に情報端末40が生成する。すなわち、風呂給湯システム10は、外部サーバ30と接続するために必要な固有の情報(例えば風呂給湯システム10に固有のシリアルナンバーなど)を保持しない。このため、通信システム1は、ユーザ(情報端末40)が変わるごとに異なる機器IDなどを使用することにより、特にユーザが変わった場合の風呂給湯システム10および情報端末40の接続におけるセキュリティを確保できる。
例えば、風呂給湯システム10が固有の機器IDなどを保有している場合には、風呂給湯システム10が設置された住宅の居住者以外の第三者がこの固有の機器IDなどを知った場合、具体例としては、賃貸住宅などで居住者が入れ替わると、旧居住者はこの固有の機器IDを知っていることとなるので、意図せず、または悪意で風呂給湯システム10と情報端末40との接続を確立してしまう虞がある。しかし、本実施形態における風呂給湯システム10においては、接続を希望するユーザが情報端末40に固有の機器IDなどを情報端末40上で生成するため、上記のようなユーザ以外の第三者の情報端末40が風呂給湯システム10と接続してしまうリスクを低減できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。