JP7318895B2 - 臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤、難燃性樹脂組成物、難燃性樹脂成形体 - Google Patents

臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤、難燃性樹脂組成物、難燃性樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤、この安定剤を含有する難燃性樹脂組成物、この組成物で構成された難燃性樹脂成形体に関する。
スチレン系樹脂成形体に難燃性を付与するために用いられる難燃剤としては、一般にヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)が用いられていたが、HBCDは、生体内蓄積性を有し、水生生物に有毒であり、分解しにくいという点から代替品として臭素化スチレンブタジエンポリマーが検討されている(特許文献1)。
しかしながら、臭素化スチレンブタジエンポリマーは熱安定性が不充分であり、スチレン系樹脂と混合して難燃性樹脂組成物を製造するプロセスや、該難燃性樹脂組成物を用いて難燃性樹脂成形体を成形する成形プロセスにおいて高温に曝された際に熱劣化して変色が発生し、成形体の外観を損ねる場合があった。
このような変色の発生を解消する方法として、特許文献2 には、臭素化スチレンブタジエンポリマーを樹脂と混合する際に、アルキルホスファイトとエポキシ化合物を安定剤として添加する技術や、特許文献3にはアルキルホスファイトとエポキシ化合物とフェノール系酸化防止剤を添加する技術、特許文献4にはアルキルホスファイトとエポキシ化合物とフェノール系酸化防止剤と部分エステル化多価アルコールを添加する技術、特許文献5にはエポキシ化合物とフェノール系酸化防止剤とドロマイト系化合物及びハイドロタルサイト系化合物を添加する技術が開示されている。
特表2009-516019号公報 特表2012-512942号公報 特許第6335367号 特許第5950056号 特許第6262384号
前記先行技術に開示されている臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤は、熱安定性の面で改善余地が残されており、難燃性樹脂成成形体を成形する際に変色の発生が低減される臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤が望まれていた。
本発明によれば、マレイン酸モノエステル(a)、及びハイドロタルサイト系化合物(b)を含有する、臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)が提供される。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、マレイン酸モノエステル(a)、及びハイドロタルサイト系化合(b)を含有する、臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明について詳細を説明する。
1.臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)
本発明の臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)は、マレイン酸モノエステル(a)およびハイドロタルサイト系化合物(b)を含有する。安定剤(A)は、多価アルコール(c)とホスファイト(d)の一方又は両方を含有することが好ましい。
1-1.マレイン酸モノエステル(a)
マレイン酸モノエステル(a)としては、マレイン酸テトラコシルエステル、マレイン酸ドコシルエステル、マレイン酸モノエイコシルエステル、マレイン酸モノステアリルエステル、マレイン酸モノヘキサデシルエステル、マレイン酸モノテトラデシルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、マレイン酸モノネオデシルエステル、マレイン酸モノラウリルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、マレイン酸モノ2-エチルヘキシルエステル、マレイン酸モノベンジルエステル、マレイン酸モノシクロヘキシルエステル、マレイン酸モノヘキシルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノtretブチルエステル、マレイン酸モノsecブチルエステル、マレイン酸モノプロピルエステル、マレイン酸モノイソプロピルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノメチルエステルが挙げられる。中でもマレイン酸モノステアリルエステルが好ましい。
マレイン酸モノエステルの添加量は、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対して、好ましくは1~40質量部であり、より好ましくは、2~30質量部であり、さらに好ましくは3~25質量部である。前記範囲内であれば、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱安定性が良好に改善され、樹脂組成物、該樹脂組成物を用いてなる成形体において、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱劣化による変色の発生が効果的に低減され、成形加工性も良好で、外観に優れた成形体が得られる。臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対する上記添加量は、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
1-2.ハイドロタルサイト系化合物(b)
ハイドロタルサイト系化合物(b)としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、水酸基、炭酸基及び任意の結晶水からなる天然または合成の複合塩化合物が挙げられる。
本発明の難燃性樹脂組成物においては、マグネシウム又はアルミニウムの一部をアルカリ金属や亜鉛等で置換したものや、水酸化物イオン(OH)、炭酸イオン(CO 2-)、硫酸イオン(SO 2-)等のアニオンで置換したものを用いることができる。
この中でも亜鉛等で置換したもの(亜鉛変性ハイドロタルサイト)は、難燃性樹脂成成形体を成形する際の変色低減(色目)の観点から好ましい。
また、前記アニオンとしては、反応性及び環境負荷低減の観点から炭酸イオンが好ましい。
更に、ハイドロタルサイト系化合物は、結晶水を脱水したものでもよく、ステアリン酸、オレイン酸アルカリ金属塩、有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックス等で被覆されたものでもよい。
市販されているハイドロタルサイト系化合物としては、例えば、DHT-4A、アルカマイザー1、アルカマイザー2、アルカマイザー4、アルカマイザー7、マグセラー1、P-93、P-93-2(協和化学工業株式会社製)、HT-1、HT-7、HT-P(堺化学工業株式会社製)、NAOX-19、NAOX-19T、NAOX-33、NAOX-54、NAOX-55、NAOX-56、NAOX-57、NAOX-71、NAOX-72、NAOX-81、NAOX-91、OPTIMA-LSA、OPTIMA-XT、MAGGOLD(戸田工業株式会社製)等が挙げられ、アルカマイザー1、アルカマイザー2、マグセラー1、P-93、P-93-2が特に好ましい。これらハイドロタルサイト系化合物は、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。
ハイドロタルサイト系化合物の添加量は、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対して、好ましくは1~40質量部であり、より好ましくは、2~30質量部であり、さらに好ましくは3~20質量部である。前記範囲内であれば、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱安定性が良好に改善され、樹脂組成物、該樹脂組成物を用いてなる成形体において、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱劣化による変色の発生が効果的に低減され、成形加工性も良好で、外観に優れた成形体が得られる。臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対する上記添加量は、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
マレイン酸モノエステル(a)に対するハイドロタルサイト系化合物(b)の質量比は、例えば0.1~10であり、0.2~5が好ましい。この質量比は、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
1-3.多価アルコール(c)
多価アルコール(c)としては、分子内に2個以上水酸基を有する化合物が挙げられ、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、マルチトール、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、ペンタエリスリトールアジピン酸エステル、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。中でもジペンタエリスリトールが望ましい。
多価アルコール(c)の添加量は、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対して、好ましくは1~40質量部であり、より好ましくは、2~30質量部であり、さらに好ましくは3~20質量部である。前記範囲内であれば、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱安定性が良好に改善され、樹脂組成物、該樹脂組成物を用いてなる成形体において、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱劣化による変色の発生が効果的に低減され、成形加工性も良好で、外観に優れた成形体が得られる。臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対する上記添加量は、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
マレイン酸モノエステル(a)に対する多価アルコール(c)の質量比は、例えば0.1~10であり、0.2~5が好ましい。この質量比は、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
1-4.ホスファイト(d)
ホスファイト(d)としては、例えば、
トリデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ビステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー等のトリアルキルホスファイト;
トリフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のトリアリールホスファイト;
ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル) ペンタエリスリトール-ジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト等のアルキルアリールホスファイト;
等が挙げられ、中でもペンタエリスリトール等の多価アルコール由来のアルキルを含むホスファイトが好ましく、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイトが特に好ましい。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホスファイトの添加量(d)は、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対して、好ましくは1~40質量部であり、より好ましくは、2~30質量部であり、さらに好ましくは3~20質量部である。前記範囲内であれば、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱安定性が良好に改善され、樹脂組成物、該樹脂組成物を用いてなる成形体において、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の熱劣化による変色の発生が効果的に低減され、成形加工性も良好で、外観に優れた成形体が得られる。臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)100質量部に対する上記添加量は、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
マレイン酸モノエステル(a)に対するホスファイト(d)の質量比は、例えば0.1~10であり、0.2~5が好ましい。この質量比は、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
1-5.他の添加成分
本発明の臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)は、他の添加成分として、金属石鹸、有機スズ化合物、鉛化合物、ドロマイト系化合物、エポキシ化合物、β-ジケトン、フェノール系酸化防止剤、イオウ系化合物などを含有してもよい。
2.難燃性樹脂組成物
本発明の難燃性樹脂組成物は、臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)、スチレン系樹脂(B)、及び、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)を含有する
2-1.スチレン系樹脂(B)
本発明のスチレン系樹脂(B)としては、スチレンのホモポリマー、スチレンと共重合可能なモノマーとのコポリマー、及びこれらにゴム補強したスチレン系樹脂が挙げられる。例えば、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(AS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS)、アクリロニトリル-アクリルゴム-スチレン共重合樹脂(AAS)、アクリロニトリル-エチレンプロピレンゴム-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-塩素化ポリエチレン-スチレン共重合樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂等である。これらのスチレン系樹脂は単独乃至2種以上を同時に用いることも出来る。最も好ましいのはポリスチレンである。
2-2.臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)
本発明の臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)は、特許文献1や2で開示されている一般的なものが挙げられる。
臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)としては、例えば、臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、臭素化スチレン・ブタジエンランダム共重合体、臭素化スチレン・ブタジエングラフト共重合体などが挙げられる。特に臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体が好ましく、具体的には、ケムチュラ社の「EMERALDINNOVATION3000」やアルベマール社の「グリーンクレスト」などの市販品が挙げられる。
スチレン系樹脂(B)100質量部に対する臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)の添加量は、例えば0.1~20質量部であり、1~10質量部が好ましく、具体的には例えば、0.1、0.5、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
2-3.他の添加成分
本発明の難燃性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤を添加する事が出来る。例えば、脂肪酸系滑剤、脂肪族アマイド系滑剤、金属石鹸系滑剤等の滑剤、タルク、マイカ、シリカ等の充填剤、ガラス繊維等の補強剤、顔料、染料等の着色剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等の帯電防止剤である。
本発明の難燃性樹脂組成物は、臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)、スチレン系樹脂(B)、及び、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)を公知の混合技術で予備ブレンドした後、溶融混練して製造することができる。予備ブレンド方法としては、例えばミキサー型混合機、V型ブレンダー、及びタンブラー型混合機等の混合装置で出来る。また、溶融混練方法としては、特に制限はなく公知の溶融技術を適用できる。係る溶融混練に用いられる好適な溶融混練装置としては、単軸押出機、特殊単軸押出機、及び二軸押出機等である。
3.難燃性樹脂成形体
本発明の難燃性樹脂組成物を用いた成形体の成形方法は限定されず、従来、難燃性樹脂成形体の成形に用いられていた成形方法が適宜用いられるが、押出成形が好ましく、板状押出発泡体の押出発泡成形に好ましく用いられる。板状押出発泡体は、例えば、樹脂組成物の構成成分を配合して加熱溶融する、或いは、予め作製した樹脂組成物を加熱溶融し、任意の段階で発泡剤を注入して混錬し、発泡最適温度に調整して低圧雰囲気下(通常大気圧)に押出発泡させることにより製造することができる。発泡剤を注入する際の圧力は特に制限するものではなく、押出機などの内圧より高い圧力でガス化しなければよい。また、板状押出発泡体を製造する際には、発泡核剤としてシリカ、タルクや炭酸カルシウム等の無機充填剤を必要に応じて用いることができる。発泡体の密度、発泡倍率や平均気泡径は発泡剤量や発泡核剤量を調整することで変化させることができる。発泡剤としては公知のもの、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の低級炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロピルアルコールなどのアルコール類、トリクロロモノフルオルメタンや塩化メチル等のハロゲン化炭化水素、炭酸ガス、水等の無機ガスなど任意の発泡剤を単独又は混合して用いることができるが、低級炭化水素を主成分とすることが好ましい。
以下に、実施例等を示し本発明の特徴とするところをより一層明確にする。ただし、本発明は実施例等に限定されるものではない。
1.マレイン酸モノエステル(a)の製造
<製造例1(マレイン酸モノエステルa1の合成)>
温度計と攪拌機を取り付けた500ミリリットル4つ口フラスコにトルエン200ミリリットル、無水マレイン酸49.0g(0.5mol)(東京化成工業株式会社)、ステアリルアルコール135.2g(0.5mol)(東京化成工業株式会社)を加え窒素置換後,攪拌しオイルバスで内温90℃まで昇温した。更に内温:90℃で1時間加熱後,反応液を濾過し,濾液をエバポレーターによりバス温70℃の条件で減圧濃縮し,マレイン酸モノエステルa1 182gを得た(収率99%)。
H-NMR: 1H-NMR(400MHz,CDCl3,δ=ppm)
δ=0.86-0.90[t,3H]; δ=1.26-1.41[m,30H]; δ=1.68-1.75[m,2H]; δ=4.26-4.29[t,2H]; δ=6.36-6.47[m,2H]
<製造例2(マレイン酸モノエステルa2の合成)>
製造例1に従い原料にトルエン200ミリリットル,無水マレイン酸49.0g(0.5mol),1-ヘキサデカノール121.2g(0.5mol)(東京化成工業株式会社)を用い合成し,マレイン酸モノエステルa2 168gを得た(収率99%)
H-NMR: 1H-NMR(400MHz,CDCl3,δ=ppm)
δ=0.86-0.90[t,3H]; δ=1.26-1.41[m,26H]; δ=1.68-1.75[m,2H]; δ=4.26-4.29[t,2H]; δ=6.35-6.47 [m,2H]
<製造例3(マレイン酸モノエステルa3の合成)>
製造例1に従い原料にトルエン200ミリリットル,無水マレイン酸49.0g(0.5mol),2-エチルヘキサノール65.1g(0.5mol)(東京化成工業株式会社)を用い合成し,マレイン酸モノエステルa3 113gを得た(収率99%)
H-NMR: 1H-NMR(400MHz,CDCl3,δ=ppm)
δ=0.89-0.93[m,6H]; δ=1.30-1.43[m,8H]; δ=1.62-1.69[m,1H]; δ=4.16-4.24[m,2H]; δ=6.38-6.47[m,2H]
<製造例4(マレイン酸モノエステルa4の合成)>
製造例1に従い原料にトルエン200ミリリットル,無水マレイン酸49.0g(0.5mol),ノルマルブタノール37.1g(0.5mol)(東京化成工業株式会社)を用い合成し,マレイン酸モノエステルa4 85gを得た(収率99%)
H-NMR: 1H-NMR(400MHz,CDCl3,δ=ppm)
δ=0.94-0.98[t,3H]; δ=1.37-1.46[m,2H]; δ=1.67-1.74[m,2H]; δ=4.26-4.30[t,2H]; δ=6.37-6.47[m,2H]
2.難燃性樹脂組成物ペレットの作成
表1~表3に示す各成分を、同表に示す配合割合(質量部)で配合し、混合物をミキサーでドライブレンドして実施例・比較例の難燃性樹脂組成物を調製した。
前記難燃性樹脂組成物を二軸押出機(株式会社東洋精機製作所(2D25S))に定量フィーダーを用いて供給し、シリンダー温度180℃で溶融混錬して押し出し、押し出された樹脂を冷却水に通してペレタイザーに導き、難燃性樹脂組成物のペレットを作成した。得られたペレットを乾燥機に入れ60℃、8時間の条件で乾燥した。
3.滞留試験
乾燥した難燃性樹脂組成物のペレットを、射出成型機(東芝機械:ISS55EPN)のホッパーからシリンダー内に投入し(シリンダー温度200℃)、金型温度:50℃の条件で、縦×横×厚さ=70mm×52mm×3mmの成型体を成型した。得られた成型体は、シリンダー内での保持時間0分間のものとして扱う。
上記の操作のうち、シリンダー内でのペレットの保持時間を、5分間、10分間、20分間と変更した操作により、別途3種の成型体を得た。
得られた各成型体のイエローインデックス(YI値)をJIS-K7373に準拠し、測色色差計(日本電色工業株式会社製「ZE6000」)を使用して測定し、以下の基準で評価した。なお、測定の際、成型体の裏側に押さえ用の白色板(YI値8.5)をあてて測定した。
◎:YI値が20以下で大変優れる
〇:YI値が24以下で優れる
△:YI値が28以下で劣る
×:YI値が29以上で悪い
滞留試験結果を表1~表3に示す。マレイン酸モノエステル(a)、及びハイドロタルサイト系化合物(b)を含有する全ての実施例では、保持時間が20分間でも着色の程度が低かった。一方、マレイン酸モノエステル(a)とハイドロタルサイト系化合物(b)の少なくとも一方を含まない全ての比較例では、実施例に比べて着色しやすかった。
表1~表3に示す材料の詳細は次のとおりである。
スチレン樹脂(B):HRM12NP (東洋スチレン社製)
臭素化スチレンブタジエンポリマー(C):EMERALD INNOVATION3000 (ケムチュラ社製)
<マレイン酸モノエステル(a)>
マレイン酸モノエステルa1:製造例1で作成したもの
マレイン酸モノエステルa2:製造例2で作成したもの
マレイン酸モノエステルa3:製造例3で作成したもの
マレイン酸モノエステルa4:製造例4で作成したもの
<ハイドロタルサイト系化合物(b)>
ハイドロタルサイトb1:アルカマイザー1(協和化学工業株式会社製)
ハイドロタルサイトb2:アルカマイザー2(協和化学工業株式会社製)
ハイドロタルサイトb3:マグセラー1(協和化学工業株式会社製)
ハイドロタルサイトb4:P-93(協和化学工業株式会社製)、亜鉛変性ハイドロタルサイト
ハイドロタルサイトb5:P-93-2(協和化学工業株式会社製)、亜鉛変性ハイドロタルサイト
<多価アルコール(c)>
多価アルコールc1:ジペンタエリスリトール:「東京化成工業株式会社」
多価アルコールc2:ブレンライザーST-210:ジペンタエリスリトール- アジピン酸反応混合物(味の素ファインテクノ社製)
<ホスファイト(d)>
ホスファイトd1:ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト(東京化成工業株式会社製)
ホスファイトd2:ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(城北化学工業株式会社製)
ホスファイトd3:トリステアリルホスファイト(城北化学工業株式会社製)
ホスファイトd4: 水添ビスフェノールA ペンタエリスリトールホスファイトポリマー(城北化学工業株式会社製)
ホスファイトd5:トリス(2,4-ジ-tret-ブチルフェニル)ホスファイト(城北化学工業株式会社製)
ホスファイトd6:ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト(城北化学工業株式会社製)
ホスファイトd7:ビス(2,6-ジ-t- ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジホスファイト(株式会社ADEKA製)
<エポキシ化合物(e)>
エポキシ化合物e1:YDCN-704(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:新日鐵化学社製)
エポキシ化合物e2:サンソサイザーE-2000H(エポキシ化大豆油:新日本理化社製)
エポキシ化合物e3:EP-13(ビスフェノール-A-グリシジルエーテル型エポキシ樹脂:株式会社ADEKA 製)
<酸化防止剤(f)>
酸化防止剤f1:ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート](東京化成工業株式会社製)
酸化防止剤f2:3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル(東京化成工業株式会社製)
<その他の成分>
ドロマイト:プレインライザーHC-103S(味の素ファイン社製)
無機系安定剤:MC-63A (日東化成株式会社製)
マレイン酸ジエステル:マレイン酸ジ2-エチルヘキシル(東京化成工業株式会社品)

Claims (6)

  1. マレイン酸モノエステル(a)、及びハイドロタルサイト系化合物(b)を含有する、臭素化スチレンブタジエンポリマー用安定剤(A)(但し、前記安定剤(A)が、有機スズ化合物を含むものを除く。)
  2. 請求項1に記載の安定剤(A)であって、
    更に、多価アルコール(c)を含む、安定剤(A)。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の安定剤(A)であって、
    更に、ホスファイト(d)を含む、安定剤(A)。
  4. 請求項1~請求項3の何れか1つに記載の安定剤(A)であって、
    前記ハイドロタルサイト系化合物(b)が、亜鉛変性ハイドロタルサイトである、安定剤(A)。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1つに記載の安定剤(A)、スチレン系樹脂(B)、及び、臭素化スチレンブタジエンポリマー(C)を含有する、難燃性樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の難燃性樹脂組成物で構成された難燃性樹脂成形体。
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