JP2023158346A - ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法 Download PDF

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周平 平山
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Abstract

【課題】長期間にわたり低熱伝導率を維持することができ、製造安定性に優れ、外観が良好なポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法。【解決手段】ポリスチレン系樹脂が、溶融張力とメルトフローレイトが異なる2種類のポリスチレン系樹脂AとBとを、配合重量比(A:B)が25:75~90:10で含有し、物理発泡剤の総添加量が基材樹脂1kgに対して1mol以上1.8mol以下であり、前記物理発泡剤が、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、炭素数1~3のジアルキルエーテルとを含み、前記含フッ素アルケンとエーテルの添加量が前記基材樹脂1kgに対してそれぞれ0.3 mol以上1.1mol以下と、0.05mol以上0.8mol以下であり、前記エーテルの添加量(mol/kg)に対する前記含フッ素アルケンの添加量(mol/kg)の比が、1~10であることを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 発行者:一般社団法人 発明推進協会 刊行物:発明推進協会公開技報 公技番号:2021-500600 発行日:令和3年4月19日
本発明は、ポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法に関し、詳しくは、建築物の壁、床、屋根等の断熱材として好適に使用可能なポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法に関するものである。
ポリスチレン系樹脂押出発泡板(以下、単に「発泡板」ともいう)は、優れた断熱性及び機械的強度を有することから建築用断熱材として広く使用されている。このような板状の発泡板は、一般に押出機中でポリスチレン系樹脂を加熱溶融した後、得られた溶融物に物理発泡剤を圧入、混練して得られる発泡性溶融樹脂混練物を、押出機先端に付設されたフラットダイ等から低圧域に押出して発泡させ、成形具により板状に成形することにより製造されている。
近年、住宅、建築物等の省エネルギー化の要求が高まっており、断熱性に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板がさらに求められている。断熱性に優れるポリスチレン系樹脂押出発泡板を製造する手法の一つとして、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンや1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン等のハイドロフルオロオレフィン(以下、単に「HFO」ともいう)からなる発泡剤が用いられている(例えば、特許文献1、2)。これらのHFOは、不燃性で、熱伝導率が低く高い断熱性を付与することが可能となる。さらに、オゾン層破壊係数や地球温暖化係数が非常に小さいため、環境に優しい発泡剤である。
そして、特許文献1、2では、HFOとして、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz)を単独又は他の発泡剤と組み合わせて用いている。これら特許文献1、2で用いているHFO-1336mzzは、長期間に亘って発泡板の熱伝導率を低く維持させる効果(長期低熱伝導率性)に優れている。そのため、発泡剤としてHFO-1336mzzを用いることにより熱伝導率を低く維持できる発泡板の製造が望まれている。
特表2010-522808号公報 特表2019-515112号公報
しかしながら、発泡板を製造する際に、より熱伝導率を低く維持させようとして、HFO-1336mzzの添加量を過剰に設定すると樹脂から発泡剤が分離して成形性が悪化するという問題や、HFO-1336mzzと他の発泡剤とを組み合わせて使用する際の配合比によっては成形性が悪化するという問題があった。以上の通り、HFO-1336mzzを使用する場合には、製造安定性が悪く、良好な外観の発泡板が得られない可能性があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、長期間にわたり低熱伝導率を維持することができ、製造安定性に優れ、外観が良好なポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法が提供される。
[1]ポリスチレン系樹脂を主成分とする基材樹脂、難燃剤及び物理発泡剤を混練してなる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡させ板状に成形する工程を含む、見掛け密度20kg/m以上50kg/m以下のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法であって、
前記ポリスチレン系樹脂が、200℃における溶融張力が10cN以上であり、かつ、200℃、荷重5kgで測定されるメルトフローレイトが7g/10分以下のポリスチレン系樹脂Aと、200℃における溶融張力が10cN未満であり、かつ、200℃、荷重5kgで測定されるメルトフローレイトが7g/10分超のポリスチレン系樹脂Bとを含有し、
前記ポリスチレン系樹脂Aの配合量と前記ポリスチレン系樹脂Bの配合量との重量比(ポリスチレン系樹脂A:ポリスチレン系樹脂B)が25:75~90:10であり、
前記物理発泡剤の総添加量が前記基材樹脂1kgに対して1mol以上1.8mol以下であり、
前記物理発泡剤が、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、炭素数1~3のジアルキルエーテルとを含み、
前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.3 mol以上1.1mol以下であり、
前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.05mol以上0.8mol以下であり、
前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量(mol/kg)に対する前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量(mol/kg)の比が、1~10であることを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
[2]前記[1]の発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.6mol以上0.9mol以下であることを特徴とする。
[3]前記[1]または[2]の発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.1mol以上0.6mol以下であることを特徴とする。
[4]前記[1]から[3]のいずれか一項の発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量(mol/kg)に対する前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量(mol/kg)の比が、2~3.5であることを特徴とする。
[5]前記[1]から[4]のいずれか一項の発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂Bがポリスチレン系樹脂bを含み、前記ポリスチレン系樹脂bがポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/又は破砕物由来のリサイクル原料であることを特徴とする。
[6]前記[1]から[5]のいずれか一項の発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚みが20mm以上であることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、長期間にわたり低熱伝導率を維持することができ、製造安定性に優れ、外観が良好なポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法を提供することができる。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法について詳細に説明する。
本発明のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法は、ポリスチレン系樹脂(以下「ポリスチレン系樹脂K」とも言う)を主成分とする基材樹脂、難燃剤及び物理発泡剤を混練してなる発泡性樹脂組成物を押出発泡させ板状に成形する工程を含み、見掛け密度20kg/m以上50kg/m以下のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法である。
具体的には、ポリスチレン系樹脂Kおよび必要に応じて添加される他の樹脂からなる基材樹脂と、難燃剤と、必要に応じて配合されるその他の添加剤と物理発泡剤を圧入し、押出機内で加熱下にて溶融、混練し、発泡性樹脂溶融物とし、該発泡性樹脂溶融物を発泡適正温度に調整し、フラットダイを通して高圧の押出機内から低圧域に押出して発泡させ、フラットダイの出口に配置された成形型(例えば、平行あるいは入り口から出口方向に向かって緩やかに拡大するように設置された上下二枚のポリテトラフルオロエチレン樹脂等の板で構成される賦形装置(以下、ガイダーとも言う)や成形ロール等の成形具が配置され、押出された発泡組成物は該成形具を通過することによって、板状に成形される。
本発明においては、後述する特定のポリスチレン系樹脂K(ポリスチレン系樹脂A、ポリスチレン系樹脂B)を特定の配合量で配合し、さらに、後述する特定の発泡剤(発泡剤A、発泡剤B)を特定の添加量で添加することで、長期間にわたり低熱伝導率を維持することができ、製造安定性に優れ、外観が良好な発泡板を得ることができる。
<基材樹脂>
(ポリスチレン系樹脂K)
本発明の製造方法で用いられるポリスチレン系樹脂Kとしては、例えば、ポリスチレン(汎用ポリスチレン:GPPS)や、スチレン単位成分を50mol%以上含むスチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-メチルスチレン共重合体、スチレン-ジメチルスチレン共重合体、スチレン-エチルスチレン共重合体、スチレン-ジエチルスチレン共重合体等から選択される1種又は2種以上を例示することができ、これらの中でもポリスチレンを好適に用いることができる。なお、ポリスチレン系樹脂には、多官能性単量体や多官能性マクロモノマー等の分岐化剤による単位成分が含まれていてもよい。前記共重合体中のスチレン成分単位の含有量は、好ましくは60mol%以上、より好ましくは80mol%以上、さらに好ましくは90mol%以上である。
なお、本発明においてポリスチレン系樹脂Kを主成分とする基材樹脂とは、基材樹脂の50重量%以上がポリスチレン系樹脂であることを意味し、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
本発明の製造方法で用いられるポリスチレン系樹脂Kの溶融粘度は、発泡性や成形性に優れることから、500~3000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは1000~2500Pa・s、さらに好ましくは1500~2300Pa・sである。なお、本明細書において、溶融粘度は、JIS K7199:1999に基づき、温度200℃、せん断速度100sec-1の条件で測定した値である。
具体的には、本発明におけるポリスチレン系樹脂Kは、ポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bとを含む。
(ポリスチレン系樹脂A)
ポリスチレン系樹脂Aは、200℃における溶融張力が10cN以上であり、かつ、200℃において荷重5kgで測定されるメルトフローレイト(以下「MFR」とも言う)が7g/10分以下である。以上の条件を満足するポリスチレン系樹脂Aを使用することで、製造安定性に優れ、外観に優れる押出発泡板とすることができる。
ポリスチレン系樹脂Aの200℃における溶融張力は、さらに製造安定性を向上させ、外観も良好にする観点からは、12cN以上が好ましく、15cN以上がより好ましく、20cN以上が更に好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂Aの200℃における溶融張力における上限値は、例えば100cNであり、50cNが好ましい。
ポリスチレン系樹脂Aにおける200℃、荷重5kgで測定されるMFRは、さらに製造安定性を向上させ、外観に優れる押出発泡板を得る観点からは、6g/10分以下が好ましく、5g/10分以下がより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂AのMFRにおける下限値は、例えば0.5g/10分である。
上述した溶融張力およびMFRの条件を満足する任意のポリスチレン系樹脂がポリスチレン系樹脂Aとして使用される。なお、ポリスチレン系樹脂Aは、上述した条件を満足する2種以上のポリスチレン系樹脂を含んでもよい。ポリスチレン系樹脂Aが2種以上のポリスチレン系樹脂からなる場合には、各ポリスチレン系樹脂の溶融張力を求め、ポリスチレン系樹脂A中の各ポリスチレン系樹脂の配合比率を考慮して算出した溶融張力が10cN以上になればよい。同様に、各ポリスチレン系樹脂のMFRを求め、ポリスチレン系樹脂A中の各ポリスチレン系樹脂の配合比率を考慮して算出したMFRが7g/10分以下になればよい。
(ポリスチレン系樹脂B)
ポリスチレン系樹脂Bは、200℃における溶融張力が10cN未満であり、かつ、200℃において荷重5kgで測定されるメルトフローレイトが7g/10分超である。
ポリスチレン系樹脂Bにおける200℃における溶融張力は、押出発泡時に外観が良好で、見掛け密度が低い発泡板を得る観点からは、8cN以下が好ましく、6cN以下がさらに好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂Bの200℃における溶融張力における下限値は、例えば1cNである。
ポリスチレン系樹脂Bにおける200℃、荷重5kgで測定されるMFRは、押出温度を比較的に低い条件としても発泡性樹脂溶融物の流動性を高く維持しやすくする観点からは、10g/10分以上が好ましく、15g/10分以上がより好ましい。なお、ポリスチレン系樹脂BのMFRにおける上限値は、例えば35g/10分であり、25g/10分が好ましい。
上述した溶融張力およびMFRの条件を満足する任意のポリスチレン系樹脂がポリスチレン系樹脂Bとして使用される。なお、ポリスチレン系樹脂Bは、上述した条件を満足する2種以上のポリスチレン系樹脂を含んでもよい。ポリスチレン系樹脂Bが2種以上のポリスチレン系樹脂からなる場合には、各ポリスチレン系樹脂の溶融張力を求め、ポリスチレン系樹脂B中の各ポリスチレン系樹脂の配合比率を考慮して算出した溶融張力が10cN未満になればよい。同様に、各ポリスチレン系樹脂のMFRを求め、ポリスチレン系樹脂B中の各ポリスチレン系樹脂の配合比率を考慮して算出したMFRが7g/10分超になればよい。
ポリスチレン系樹脂Bとしては、例えば、市販されている汎用ポリスチレン、魚箱などに使用されているポリスチレン系樹脂発泡粒子成形体のリサイクル原料や、ポリスチレン系樹脂押出発泡板のリサイクル原料などが使用される。
本発明のポリスチレン系樹脂Bは、ポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/又は破砕物由来のリサイクル原料であるポリスチレン系樹脂bを含むことが好ましい。ポリスチレン系樹脂bは、ポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/又はポリスチレン系樹脂押出発泡板の破砕物を加熱溶融してペレット化する等の方法により得られる再生ポリスチレン系樹脂である。なお、前記発泡板屑及び/又は破砕物としては、ポリスチレン系樹脂押出発泡板を切削加工した際の発泡板屑やポリスチレン系樹脂押出発泡板を破砕した破砕物などが挙げられる。
ポリスチレン系樹脂B中におけるポリスチレン系樹脂bの配合量は、リサイクルの観点から70重量%以上であることが好ましく80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることが更に好ましい。
(ポリスチレン系樹脂C)
ポリスチレン系樹脂Kには、ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂Bの他に、本発明の目的、効果を阻害しない範囲においてポリスチレン系樹脂Cを含んでもよい。
ポリスチレン系樹脂Cは、200℃における溶融張力が10cN以上であり、200℃において荷重5kgで測定されるMFRが7g/10分超であるポリスチレン系樹脂、及び/又は、200℃における溶融張力が10cN未満であり、200℃において荷重5kgで測定されるMFRが7g/10分以下であるポリスチレン系樹脂が例示される。
ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂Bの200℃における溶融張力を求める具体的な方法は、以下の通りである。ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂Bの溶融張力は、ASTM D1238に準じて、例えばキャピログラフ1D((株)東洋精機製作所製)を用いて測定する。シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用い、シリンダー及びオリフィスの設定温度200℃(MT200)とし、試料の必要量を該シリンダー内に入れ、4分間放置してから、ピストン速度を10mm/分として溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛け、4分で引き取り速度が0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーで紐状物を引取って紐状物が破断した際の直前の張力の極大値を得る。
ここで、引取り速度が0m/分から200m/分に達するまでの時間を4分とした理由は、樹脂の熱劣化を抑えるとともに得られる値の再現性を高めるためである。前記操作を異なる試料を使用し、計10回の測定を行い、10回で得られた極大値の最も大きな値から順に3つの値と、極大値の最も小さな値から順に3つの値を除き、残った中間の4つの極大値を相加平均して得られた値を溶融張力(cN)とする。
ただし、前記した方法で溶融張力の測定を行い、引取り速度が200m/分に達しても紐状物が切れない場合には、引取り速度を200m/分の一定速度にして得られる溶融張力(cN)の値を採用する。詳しくは、前記測定と同様にして、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を張力検出用プーリーに掛け、4分間で0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーを回転させ、回転速度が200m/分になるまで待つ。回転速度が200m/分に到達してから溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られた縦軸にメルトテンションを、横軸に時間を取ったテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を本明細書における溶融張力とする。
ポリスチレン系樹脂A及びポリスチレン系樹脂BのMFRは、JIS K7210-1:2014に基づいて、試験温度200℃において公称荷重5kgの条件で測定される値である。
(その他の重合体)
前記基材樹脂は、本発明の目的、効果が達成される範囲内において、前記ポリスチレン系樹脂K以外の重合体を含むことができる。その他の重合体としては、非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂(融解熱量が5J/g未満:JIS K7122-1987における熱流束示差走査熱量測定法により測定)、ポリエチレン系樹脂(エチレン単独重合体及びエチレン単位成分含有量が50mol%以上のエチレン系共重合体の群から選択される1種又は2種以上の混合物)、ポリプロピレン系樹脂(プロピレン単独重合体及びプロピレン単位成分含有量が50mol%以上のプロピレン系共重合体の群から選択される1種又は2種以上の混合物)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等の熱可塑性樹脂や、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体水添物、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体水添物、スチレン-エチレン共重合体等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの他の重合体は、本発明の目的効果を阻害しない範囲において適宜配合することができる。
ポリスチレン系樹脂Aの配合量とポリスチレン系樹脂Bの配合量との重量比(ポリスチレン系樹脂A:ポリスチレン系樹脂B)が25:75~90:10である。ポリスチレン系樹脂Aの配合量とポリスチレン系樹脂Bの配合量と前記の範囲内にすることで、独立気泡率を向上させ、外観が良好で、見掛け密度が低い発泡板を得ることが可能になる。以上の効果をさらに向上させる観点からは、前記ポリスチレン系樹脂Aの配合量と前記ポリスチレン系樹脂Bの配合量との重量比(ポリスチレン系樹脂A:ポリスチレン系樹脂B)が40:60~80:20であることが好ましい。
なお、ポリスチレン系樹脂K全体を100重量%としたときに、ポリスチレン系樹脂Aの配合量とポリスチレン系樹脂Bの配合量との合計は、70重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましく、実質的にポリスチレン系樹脂Aとポリスチレン系樹脂Bのみからなることが特に好ましい。
<物理発泡剤>
本発明で用いる物理発泡剤は、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz)からなる発泡剤Aと、炭素数1~3のジアルキルエーテルからなる発泡剤Bとを必須の成分とするものである。
(発泡剤A)
発泡剤Aの1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz)は、ハイドロフルオロオレフィンの中では、ポリスチレン系樹脂に対して適度な溶解性と優れた発泡体内残存性を有しており、長期間にわたり優れた低熱伝導率性を有する発泡板を製造することができる。また、不燃性であるため、発泡板製造時の静電気による着火等の危険性を低減させることができる。さらに、オゾン破壊係数が低く、地球温暖化係数も非常に小さく、環境に与える負担が小さい発泡剤である。しかしながら、発泡剤Aを過度に添加すると、押出発泡板の外観が悪化する場合がある。
(発泡剤B)
発泡剤Bの炭素数1~3のジアルキルエーテルとしては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。製造安定性を良好にする観点からは、これらの中でもジメチルエーテルを好適に用いることができる。なお、前記炭素数1~3のジアルキルエーテルとは、アルキル鎖の炭素数1~3のジアルキルエーテルを意味する。
炭素数1~3のジアルキルエーテル(特にジメチルエーテル)は、オゾン層を破壊することがなく、地球を温暖化させることもない上、発泡板から早期に逸散することから、発泡板の形状を早期に安定化させることができる。また、炭素数が1~3のジアルキルエーテルを用いることにより、より低見掛け密度(高発泡倍率)の発泡板を得ることができる。
(発泡剤C)
本発明では、発泡剤A及び発泡剤Bを必須の物理発泡剤として用いるが、本発明の効果を阻害しない範囲において、その他の発泡剤Cを物理発泡剤に適宜に添加することができる。発泡剤Cとしては、例えば、水、二酸化炭素、炭素数1~5の脂肪族アルコール等の早期逸散発泡剤を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの中でも水及び/又は炭素数1~5の脂肪族アルコールを発泡剤Cとすることが好ましい。
炭素数1~5の脂肪族アルコールとしては、例えば、メチルアルコール(メタノール)、エチルアルコール(エタノール)、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、アリールアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール、n-アミルアルコール,sec-アミルアルコール,イソアミルアルコール、tert-アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール等の一価アルコールを挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。外観を良好にする観点からは、これらの中でもエタノールを好適に用いることができる。炭素数1~5の脂肪族アルコール100重量%におけるエタノールの比率としては、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは85重量%以上である。
<物理発泡剤の添加量>
本発明において、物理発泡剤の総添加量は、基材樹脂1kgに対して1mol以上1.8mol以下である。物理発泡剤の総添加量を前記範囲にすることで、外観に優れ、見掛け密度が低く、長期間にわたり熱伝導率を低く維持することが可能な発泡板を得ることができる。以上の効果をさらに向上させる観点からは、物理発泡剤の総添加量は基材樹脂1kgに対して1.2mol以上1.6mol以下であることが好ましく、1.3mol以上1.5mol以下であることがより好ましい。
発泡剤A(1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン)の添加量は、基材樹脂1kgに対して0.3mol以上である。発泡剤Aの添加量を前記範囲とすることにより、長期にわたり熱伝導率を低く維持することができる。さらに長期にわたり熱伝導率を低く維持する観点から、発泡剤Aの添加量は基材樹脂1kgに対して0.4mol以上であることが好ましく、0.6mol以上であることがより好ましい。
一方、製造安定性を良好にする観点から、発泡剤Aの添加量は基材樹脂1kgに対して1.1mol以下であり、0.90mol以下であることが好ましく、0.80mol以下であることがより好ましい。
なお、本発明においては、スクリューの直径に対するスクリューの軸方向長さの比が大きいスクリューや二軸スクリューなどの高混練型の押出機や、第一押出機と第二押出機が直列に連結されたタンデム型の押出機において、第一押出機と第二押出機との連結部分、または、第二押出機とダイとの連結部分に連続式の静的混合装置(スタティックミキサー)を必要に応じて使用することにより、発泡剤Aの添加量を多くした場合であっても外観に優れる押出発泡板を製造しやすくすることができる。
発泡剤B(炭素数1~3のジアルキルエーテル)の添加量は、基材樹脂1kgに対して0.05mol以上0.8mol以下である。発泡剤Bの添加量を前記範囲とすることにより、製造安定性に優れ、所望される見掛け密度の発泡板とすることができる。さらに外観を良好にする観点から、発泡剤Bの添加量は、0.1mol以上0.6mol以下が好ましく0.2mol以上0.5mol以下がより好ましい。
発泡剤B(炭素数1~3のジアルキルエーテル)の添加量(mol/kg)に対する発泡剤A(1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン)の添加量(mol/kg)の比(発泡剤A/発泡剤B)は、製造安定性を良好にする観点から、1~10である。さらに、外観を良好にする観点からは、1.5~6が好ましく、2~3.5がより好ましい。
なお、発泡剤Cを添加する場合には、例えば、基材樹脂1kgに対して0.1mol以上0.7mol以下であり、0.3mol以上0.6mol以下が好ましい。発泡剤Cとして、水及び炭素数1~5の脂肪族アルコールを使用する場合には、例えば、基材樹脂1kgに対して0.09mol以上0.4mol以下の水、及び、基材樹脂1kgに対して0.01mol以上0.3mol以下の炭素数1~5の脂肪族アルコールであることが好ましい。
本発明において、ポリスチレン系樹脂A,Bの配合量、物理発泡剤の総添加量、発泡剤A,Bの添加量、及び、発泡剤Aの添加量/発泡剤Bの添加量を上述した特定範囲とすることにより、長期間にわたり低熱伝導率を維持することができ、製造安定性に優れ、外観が良好な発泡板を得易くすることが可能になる。
<その他の成分>
(難燃剤)
本発明の製造方法により得られる発泡板は、主として建材用の断熱材として使用されるものであり、難燃剤を前記基材樹脂に配合することにより難燃性が付与される。本発明で用いる難燃剤は特に限定されるものではないが、臭素系難燃剤を用いることが好ましい。該臭素系難燃剤としては、例えば、臭素化ブタジエン-スチレン系共重合体等の臭素化ブタジエン系重合体、テトラブロモビスフェノール-A-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-S-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-F-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-A-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-S-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノール-F-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)に代表される臭素化ビスフェノール化合物、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、モノ(2,3,4-トリブロモブチル)イソシアヌレート、ジ(2,3,4-トリブロモブチル)イソシアヌレート、トリス(2,3,4-トリブロモブチル)イソシアヌレートに代表される臭素化イソシアヌレート等を例示することができる。また、これら臭素系難燃剤の1種又は2種以上を混合して使用することができる。
また、これら臭素系難燃剤のほかに、クレジルジ2,6-キシレニルホスフェート、三酸化アンチモン、五酸化二アンチモン、硫酸アンモニウム、スズ酸亜鉛、シアヌル酸、ペンタブロモトルエン、イソシアヌル酸、トリアリルイソシアヌレート、メラミンシアヌレート、メラミン、メラム、メレム等の窒素含有環状化合物、シリコーン系化合物、酸化ホウ素、ホウ酸亜鉛、硫化亜鉛等の無機化合物、トリフェニルホスフェートに代表されるリン酸エステル系、赤リン系、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン、次亜リン酸塩等のリン系化合物等を併用することができる。
これら難燃剤の中でも、高い難燃性が付与でき、かつ押出時にポリスチレン系樹脂を分解させにくく、また、低見掛け密度(高発泡倍率)で、さらに大断面積の場合であっても、安定して発泡板を得ることが容易となることから、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)とテトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)とを併用した難燃剤、又は臭素化ブタジエン-スチレン系共重合体を含む難燃剤を使用することがより好ましい。
難燃剤の添加量は、発泡板に高度な難燃性を付与できるとともに、押出発泡性の低下及び機械的物性の低下を抑制することもできることから、基材樹脂100重量部に対して0.1~10重量部であることが好ましく、より好ましくは1~9重量部であり、さらに好ましくは1.5~7重量部である。この範囲内であれば、難燃剤が発泡性を阻害することなく、JIS A9521:2022の発泡プラスチック断熱材の試験方法における燃焼性に規定される「試験方法A」記載の押出法ポリスチレンフォーム断熱材を対象とする燃焼性規格のような高度な難燃性が得られる発泡板を得ることができる。
(難燃助剤)
また、本発明の方法においては、発泡板の難燃性をさらに向上させることを目的として、難燃助剤を前記難燃剤と併用することができる。難燃助剤としては、例えば2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン、2,3-ジエチル-2,3-ジフェニルブタン、3,4-ジメチル-3,4-ジフェニルヘキサン、3,4-ジエチル-3,4-ジフェニルヘキサン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、2,4-ジフェニル-4-エチル-1-ペンテン等のジフェニルアルカンやジフェニルアルケン、ポリ-1,4-ジイソプロピルベンゼン等のポリアルキル化芳香族化合物等から選択される1種又は2種以上を例示することができる。難燃助剤の添加量は、基材樹脂100重量部に対して概ね0.01~1重量部であり、より好ましくは0.05~0.5重量部である。
(輻射抑制剤)
本発明の製造方法においては、断熱性を向上させるために、発泡性溶融樹脂組成物に輻射抑制剤としてグラファイトを添加することができる。グラファイトは赤外線を反射することにより、発泡板の断熱性を向上させることができる。
グラファイトとしては、鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛、土状黒鉛等が挙げられ、主成分が鱗片状黒鉛であるものを用いることが好ましい。後述するように、グラファイトは、ポリスチレン系樹脂に高濃度で添加されたマスターバッチとして用いることが好ましい。マスターバッチを製造する際の作業性が良好であるとともに、得られる発泡板の断熱性向上効果が優れていることから、固定炭素分が80%以上のグラファイトが好ましい。また、発泡板の断熱性を更に高めるために、固定炭素分90%以上のものがより好ましく、95%以上のものが更に好ましい。尚、該グラファイトの固定炭素分は、JIS M8511:2014記載の方法で測定した値をいう。
グラファイトを添加する場合、グラファイトの添加量は、基材樹脂100重量部に対して0.2~10重量部であることが好ましい。該添加量がこの範囲内であると、断熱性が向上し、所望の低熱伝導率の発泡板を得ることができる。この観点から、該グラファイトの添加量は基材樹脂100重量部に対して0.3重量部以上であることがより好ましく、0.4重量部以上であることがさらに好ましい。一方、発泡板の難燃性を維持する観点からは、グラファイトの添加量の上限は、基材樹脂100重量部に対して5重量部であることがより好ましく、3重量部であることがさらに好ましく、1重量部であることが特に好ましい。
また、本発明の製造方法においては、断熱性をさらに向上させるために、発泡板に前記グラファイト以外の輻射抑制剤を含有させることができる。グラファイト以外の輻射抑制剤としては、例えば、酸化チタン等の金属酸化物、アルミニウム等の金属、セラミック、カーボンブラック、黒鉛、赤外線遮蔽顔料、ハイドロタルサイト等から選択される1種又は2種以上を例示することができる。これらの中でも酸化チタンを好適に用いることができる。グラファイト以外の輻射抑制剤の添加量は、基材樹脂100重量部に対して概ね0.5~5重量部であり、より好ましくは1~4重量部である。
また、本発明の方法においては、必要に応じて、基材樹脂に公知のその他の添加剤を適宜添加することができる。その他の添加剤としては、例えば、気泡調整剤、顔料、染料等の着色剤、熱安定剤、充填剤等各種の添加剤を挙げることができる。
(気泡調整剤)
本発明の製造方法においては、基材樹脂に気泡調整剤を添加して、発泡性樹脂組成物を形成することが好ましい。気泡調整剤としてはタルク、カオリン、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、酸化アルミニウム、ベントナイト、ケイソウ土等の無機物粉末を用いることができる。なかでも気泡径の調整が容易であるとともに、難燃性を阻害することなく気泡径を小さくし易いタルクが好適であり、特に50%粒径(光透過遠心沈降法)が0.1~20μmの細かいタルクが好ましく、0.5~15μmの細かいタルクが好ましい。気泡調整剤の添加量は、調整剤の種類、目的とする気泡径等によっても異なるが、気泡調整剤としてタルクを使用する場合、基材樹脂100重量部当たり0.1~7重量部が好ましく、0.2~5重量部がより好ましく、0.3~3重量部が更に好ましい。
(熱安定剤)
熱安定剤は、発泡板を製造する際や発泡板の端材等をリサイクルしてリペレット化する際などに、原料や端材等に配合することにより前記臭素系難燃剤の熱安定性を向上させることができる。該熱安定剤としては、例えば、DIC社製EPICLONシリーズ等のビスフェノール型エポキシ系化合物やノボラック型エポキシ系化合物、(ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])等のヒンダードフェノール系化合物、(ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール-ジホスファイト)等のホスファイト系化合物から選択される1又は2以上の熱安定剤が挙げられる。なお、熱安定剤の添加量は、難燃剤の総量100重量部に対して、0.1~40重量部であることが好ましい。
本発明の製造方法において、難燃剤やその他の添加剤の基材樹脂への配合方法としては、所定割合の難燃剤やその他の添加剤を基材樹脂と共に押出機上流に設けられている供給部に供給し、押出機中にて混練する方法を採用することができる。その他、押出機途中に設けられた供給部より溶融樹脂中に難燃剤やその他の添加剤を供給する方法も採用することができる。具体的には、難燃剤、その他の添加剤及び基材樹脂をドライブレンドしたものを押出機に供給して溶融混練する方法、難燃剤、その他の添加剤及び基材樹脂をニーダー等により混練した溶融混練物を押出機に供給する方法、あらかじめ高濃度の難燃剤やその他の添加剤を基材樹脂に配合したマスターバッチを作製し、これを押出機に供給して基材樹脂と溶融混練する方法等を採用することができる。特に分散性の観点から難燃剤マスターバッチを作製し、押出機に供給する方法を採用することが好ましい。難燃剤マスターバッチの調整は、基材樹脂として200℃、荷重5kgにおけるメルトフローレイトが0.5~30g/10分程度のポリスチレン系樹脂を使用して、マスターバッチ中に難燃剤が10~95重量%含有されるように調整することが好ましく、30~90重量%含有されるように調整することがより好ましく、50~85重量%含有されるように調整することが更に好ましい。
<発泡板の物性>
次に、本発明の製造方法により得られるポリスチレン系樹脂押出発泡板について説明する。
(見掛け密度)
本発明の発泡板の見掛け密度は20kg/m以上50kg/m以下であり、好ましくは25kg/m以上45kg/m以下であり、より好ましくは30kg/m以上40kg/m以下である。見掛け密度が前記範囲であると、十分な機械的強度を有するとともに、軽量性に優れた断熱材として好適に使用することができる。
(独立気泡率)
本発明の発泡板の独立気泡率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。独立気泡率がこの範囲内であれば、発泡剤が気泡中に留まりやすくなり、発泡板の高い断熱性能を長期に亘って維持することができる。また、圧縮強度等の機械的強度にも優れた発泡板とすることができる。
本明細書における押出発泡板の独立気泡率は、ASTM-D2856-70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定(発泡板から25mm×25mm×20mmのサイズに切断された成形表皮を持たないカットサンプルをサンプルカップ内に収容して測定する。ただし、厚みが薄く、厚み方向に20mmのカットサンプルが切り出せない場合には、例えば、25mm×25mm×10mmのサイズのカットサンプルを2枚同時にサンプルカップ内に収容して測定すればよい。)された押出発泡板(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記の式(1)により独立気泡率S(%)を計算し、N=3の平均値で求める。
S(%)=(Vx-W/ρ)×100/(V-W/ρ)・・・(1)
Vx:前記方法で測定されたカットサンプルの真の体積(cm)(押出発泡板のカットサンプルを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。)
:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)
ρ:押出発泡板を構成する樹脂の密度(g/cm
(7日後熱伝導率)
本発明の発泡板においては、製造7日後における熱伝導率は0.028W/m・K以下が好ましく、0.025W/m・K以下がより好ましい。
(300日後熱伝導率)
本発明の発泡板においては、製造300日後における熱伝導率は0.030W/m・K以下が好ましく、0.027W/m・K以下がより好ましい。
なお、前記熱伝導率は、JIS A1412-2:1999記載の熱流計法(試験体1枚・対称構成方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて測定することができる。
(断面積、寸法等)
本発明の発泡板は板状であり、その押出方向垂直断面積が100cm以上であり、200cm以上であることが好ましい。その断面積の上限は概ね1500cmである。なお、本明細書において押出方向垂直断面積とは、発泡板の押出方向と直交する断面の面積をいう。
本発明の発泡板は通常、所望のサイズよりも一回り以上大きなサイズの原板を作製し、原板を切削加工して、幅と長さ、場合によっては厚みを調整することにより製造される。
しかし、製造中に原板の幅が大きく変動し、幅が規定よりも狭くなってしまうと、規定のサイズの発泡板を得ることができなくなり、歩留まりが悪くなる。また、発泡板の製造においては、見掛け密度が小さく、断面積が大きいほど発泡が難しくなる傾向がある。本発明の製造方法によれば、製造安定性に優れるため厚みが厚く、断面積が大きい発泡板を製造する場合であっても、外観が良好な発泡板を安定して製造することができる。発泡状態が良好で表面平滑性に優れる押出発泡板は、厚み方向の表面を切削せずに成形スキン付きの発泡板として好適に用いることができる。
断熱材として使用する発泡板の場合、その厚みは20mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、50mm以上がさらに好ましい。一方、厚みの上限は、150mmが好ましく、130mmがより好ましい。本発明においては、発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡させ板状に成形する工程を含むため厚みが厚い場合であっても安定して発泡板を製造することができる。
また、幅は800mm以上であることが好ましく、より好ましくは900mm以上である。その上限は、概ね1200mmである。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。但し、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例において、以下に示す装置及び原料を用いた。
内径115mmの高混練型の第1押出機と内径180mmの第2押出機を直列に連結し、第1押出機の終端付近に物理発泡剤注入口を設け、間隙1mm×幅440mmの横断面が長方形の樹脂排出口(ダイリップ)を備えたフラットダイを第2押出機の出口に連結した押出装置を用いた。また、第2押出機の樹脂出口には上下一対のポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる板が、略一定の間隔を隔てて水平に設置された成形装置(ガイダー)を付設した。
(1)基材樹脂
表1に記載のポリスチレン系樹脂を用いた。
表1の再生ポリスチレン系樹脂組成物(RPS1)は、基材樹脂をPS1(100重量%)としたこと以外は実施例1と同じ条件にて製造して得られたポリスチレン系樹脂押出発泡板を破砕し、その破砕物を内径90mm、L/D=50の単軸押出機に供給して最高温度220℃で混練し、その溶融樹脂を吐出量250kg/hrでストランド状に押出し、ペレット状にカットすることにより再生PS樹脂組成物のペレット(RPS1)を得た。
表1におけるポリスチレン系樹脂の200℃における溶融張力を求める具体的な方法は、ASTM D1238に準じて、キャピログラフ1D((株)東洋精機製作所製)を用いて測定した。なお、具体的な測定方法については、以下の通りである。シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径2.095mm、長さ8.0mmのオリフィスを用い、シリンダー及びオリフィスの設定温度200℃(MT200)とし、ポリスチレン系樹脂の試料を該シリンダー内に入れ、4分間放置してから、ピストン速度を10mm/分として溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛け、4分で引き取り速度が0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーで紐状物を引取って紐状物が破断した際の直前の張力の極大値を得た。前記操作を異なる試料を使用し、計10回の測定を行い、10回で得られた極大値の最も大きな値から順に3つの値と、極大値の最も小さな値から順に3つの値を除き、残った中間の4つの極大値を相加平均して得られた値を溶融張力(cN)とした。ただし、前記した方法で溶融張力の測定を行い、引取り速度が200m/分に達しても紐状物が切れない場合には、引取り速度を200m/分の一定速度にして得られる溶融張力(cN)の値を採用した。詳しくは、前記測定と同様にして、溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を張力検出用プーリーに掛け、4分間で0m/分から200m/分に達するように一定の増速で引取り速度を増加させながら引取りローラーを回転させ、回転速度が200m/分になるまで待つ。回転速度が200m/分に到達してから溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了する。この30秒の間に得られた縦軸にメルトテンションを、横軸に時間を取ったテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を本明細書における溶融張力とした。
表1におけるポリスチレン系樹脂のMFR(メルトフローレイト)は、上述した通り、JIS K7210-1:2014に基づいて、試験温度200℃において公称荷重5kgの条件で測定した。
Figure 2023158346000001
(2)難燃剤
テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル):第一工業製薬「SR-130」/テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル):第一工業製薬「SR-720」=60重量%/40重量%の混合難燃剤を含有する難燃剤マスターバッチ(第一工業製薬(株)製GR-134BG)を用い、該マスターバッチを表1,2中の難燃剤量となるように添加した。
(3)気泡調整剤
タルク(松村産業(株)製、製品名「ハイフィラー#12」、粒子径(d50)7.5μm)
(4)輻射抑制剤
(4-1)グラファイト(黒鉛:レジノカラー工業株式会社社製、商品名:SBF-T-1683、鱗片状黒鉛粉末、平均粒径17μm 40%マスターバッチ)
(4-2)酸化チタン(日弘ビックス株式会社製)
(5)物理発泡剤
(a)HFO-1336mzz:三井・ケマーズフロロプロダクツ社製
(b)ジメチルエーテル:三菱ガス化学社製
(c1)水
(c2)アルコール(エタノール/イソプロピルアルコール/1-プロパノール=90重量%/6重量%/4重量%):山一化学工業社製
(c3)二酸化炭素:昭和炭酸社製
実施例1~9、比較例1~5
表2(実施例1~9)および表3(比較例1~5)に示す種類、量の基材樹脂、難燃剤マスターバッチ、気泡調整剤を第1押出機に供給し、200℃まで加熱して混練し、第1押出機に設けられた物理発泡剤注入口から、表2,3に示す種類、量の物理発泡剤を供給し、更に混練して発泡性樹脂溶融物を形成した。次に、得られた発泡性樹脂溶融物を第2押出機に移送して樹脂温度を調整した後、吐出量400kg/hrでガイダー内に押出し、発泡させながらガイダー内を通過させて板状に成形(賦形)して発泡板の厚み30mmの原板を作製し、さらに、切削加工により原板の幅及び長さを調整すると共に、両面の成形スキンを均等に切削して、成形スキンを有しない直方体状のポリスチレン系樹脂発泡板(幅:910mm、長さ:1820mm、厚み:25mm、押出方向に直交する断面の面積:227.5cm)を製造した。
Figure 2023158346000002
Figure 2023158346000003
実施例、比較例の条件で得られた発泡板について、厚み、見掛け密度、独立気泡率、熱伝導率(7日後及び300日後)を以下の方法で測定し、燃焼性、製造安定性、外観を以下の基準で評価した。その結果を表2,3に示す。
(厚み)
得られた発泡板を幅方向に4等分する位置の3箇所で測定し、それらを相加平均することにより求めた。
(見掛け密度)
発泡板の見掛け密度を次の方法で求めた。得られた発泡板を長さ方向に2等分する位置であり、かつ得られた発泡板の幅方向の中央部及び両端部付近から縦50mm×横50mm×厚み20mmの直方体の試料を各々切り出して重量を測定し、該重量を体積で割算することにより夫々の試料の見掛け密度を求め、それらの算術平均値を見掛け密度とした。
(独立気泡率)
発泡板の独立気泡率は、ASTM-D2856-70の手順Cに従って、空気比較式比重計(東芝ベックマン(株)製、空気比較式比重計、型式:930型)を使用して測定される発泡板の真の体積Vxを用いて、上述した式(1)から求めた。
(熱伝導率:製造7日後)
製造直後の発泡板の幅方向の中央部から縦200mm×横200mm×厚み20mmの試験片を切り出し、該試験片を温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内に保管し、製造7日後に、JIS A1412-2(1999年)記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて各々の熱伝導率を測定した。
(熱伝導率:製造300日後)
製造300日後の熱伝導率は、JIS A1486:2014に準拠し、熱抵抗の長期変化促進試験の試験方法Aを行った押出発泡板に対して熱伝導率の測定を行って得られた値である。具体的には、製造直後の押出発泡板の幅方向の中央部から、縦200mm×横200mm×厚み25mmの直方体を切り出し、さらに両面側から均等に削ることにより縦200mm×横200mm×厚み10mmの試験片を切り出し、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内に保管し、製造48日後(25mm厚みの押出発泡板の製造300日後に相当)の試験片を用いてJIS A1412-2(1999年)記載の平板熱流計法(熱流計2枚方式、高温側38℃、低温側8℃、平均温度23℃)に基づいて熱伝導率を測定した。
(燃焼性)
製造直後の発泡板を気温23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内に保管し、製造4週間後に、発泡板から試験片を無作為に5個切り出して(N=5)、JIS A9521:2022の発泡プラスチック断熱材の試験方法における燃焼性に規定される「試験方法A」に基づいて燃焼性を測定し、下記基準により、発泡板の難燃性を評価した。
○:5個の試験片の平均燃焼時間が3秒以下
×:5個の試験片の平均燃焼時間が3秒を超える(該当なし)
(製造安定性)
製造安定性は、以下の基準により評価した。
〇:押出発泡時において連続的に安定して板状に押出成形が可能
△:押出発泡時において引っ掛かりが時折り発生したが、板状に押出成形が可能
×:押出発泡時において引っ掛かりが頻繁に発生し、板状に押出成形が困難
(外観)
原板と押出発泡板の外観について目視にて以下の基準により評価した。原板は、所望のサイズよりも一回り以上大きなサイズの成形スキン付き発泡板であり、押出発泡板は、原板を切削加工して、幅と長さ、場合によっては厚みを調整した成形スキンが取り除かれた発泡板である。
◎:原板と押出発泡板の表面が極めて良好
○:原板の表面にざらつきやスポット孔が若干発生、押出発泡板の表面は極めて良好
△:押出発泡板の表面にざらつきやスポット孔が若干発生
×:押出発泡板の表面にざらつきやスポット孔が多数発生
前記の各測定及び評価の結果から、ポリスチレン系樹脂A、ポリスチレン系樹脂B、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz)(発泡剤A)と、炭素数1~3のジアルキルエーテル(発泡剤B)とを本発明の条件で含む実施例1~9は、見掛け密度、独立起泡率、熱伝導率(7日後、300日後)の熱伝導率、製造安定性、および、外観の全てにおいて良好であることが確認できた。
さらに、発泡剤Aの添加量/発泡剤Bの添加量が2~3.5であると外観がさらに良好になることが確認できた。
実施例1~9に対して、比較例1~5では、見掛け密度、独立気泡率、発泡板の熱伝導率、製造安定性、および、外観の何れも良好にすることはできなかった。具体的には、以下の通りである。
比較例1は、発泡剤Aの添加量/発泡剤Bの添加量が本発明の条件を満足しない。その結果、比較例1は、発泡板を製造はできたものの、発泡性が悪く、製造安定性および外観も劣った。比較例2は、発泡剤Bを用いなかった。その結果、比較例2では可塑性が不十分であり、発泡が不安定で、発泡板を製造することが困難であった。比較例3では、発泡剤Bに代えて二酸化炭素を使用した。その結果、比較例3では、気泡が細かすぎて、発泡板の製造が困難であった。比較例4は、200℃における溶融張力が7cN以上であり、かつ、200℃、荷重5kgで測定されるメルトフローレイトが10g/10分以下のポリスチレン系樹脂Aを用いなかった。その結果、比較例4では、発泡板の製造が困難であった。比較例5では、発泡剤Aの添加量を本発明の条件よりも多く設定した。その結果、比較例5では、発泡が不安定で、発泡板の製造が困難であった。

Claims (6)

  1. ポリスチレン系樹脂を主成分とする基材樹脂、難燃剤及び物理発泡剤を混練してなる発泡性溶融樹脂組成物を押出発泡させ板状に成形する工程を含む、見掛け密度20kg/m以上50kg/m以下のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法であって、
    前記ポリスチレン系樹脂が、200℃における溶融張力が10cN以上であり、かつ、200℃、荷重5kgで測定されるメルトフローレイトが7g/10分以下のポリスチレン系樹脂Aと、200℃における溶融張力が10cN未満であり、かつ、200℃、荷重5kgで測定されるメルトフローレイトが7g/10分超のポリスチレン系樹脂Bとを含有し、
    前記ポリスチレン系樹脂Aと前記ポリスチレン系樹脂Bとの重量比(ポリスチレン系樹脂A:ポリスチレン系樹脂B)が25:75~90:10であり、
    前記物理発泡剤の総添加量が前記基材樹脂1kgに対して1mol以上1.8mol以下であり、
    前記物理発泡剤が、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンと、炭素数1~3のジアルキルエーテルとを含み、
    前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.3 mol以上1.1mol以下であり、
    前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.05mol以上0.8mol以下であり、
    前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量(mol/kg)に対する前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量(mol/kg)の比が、1~10であることを特徴とするポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  2. 前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.6mol以上0.9mol以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  3. 前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量が前記基材樹脂1kgに対して0.1mol以上0.6mol以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  4. 前記炭素数1~3のジアルキルエーテルの添加量(mol/kg)に対する前記1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテンの添加量(mol/kg)の比が、2~3.5であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  5. 前記ポリスチレン系樹脂Bがポリスチレン系樹脂bを含み、前記ポリスチレン系樹脂bがポリスチレン系樹脂押出発泡板屑及び/又は破砕物由来のリサイクル原料であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
  6. 前記ポリスチレン系樹脂押出発泡板の厚みが20mm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリスチレン系樹脂押出発泡板の製造方法。
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