JP7317513B2 - 撥水性粒子 - Google Patents

撥水性粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP7317513B2
JP7317513B2 JP2019014901A JP2019014901A JP7317513B2 JP 7317513 B2 JP7317513 B2 JP 7317513B2 JP 2019014901 A JP2019014901 A JP 2019014901A JP 2019014901 A JP2019014901 A JP 2019014901A JP 7317513 B2 JP7317513 B2 JP 7317513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
particles
alumina
repellent
containing particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019014901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020121763A (ja
Inventor
和哉 南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Original Assignee
TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA filed Critical TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
Priority to JP2019014901A priority Critical patent/JP7317513B2/ja
Publication of JP2020121763A publication Critical patent/JP2020121763A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7317513B2 publication Critical patent/JP7317513B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Description

本発明は、新規な撥水性粒子に関する。
食品包装分野、医療品分野、その他工業用途等において、付着防止効果を備える撥水性粒子が使用されることがある。例えば、包装体の内面に付着防止性を付与することによって、包装体の内容物が包装材料に付着することを防ぐことができる。これにより、内容物の使い残しをなくしたり、使い残りの洗浄の省略化を図る等の利点を得ることができる。
このような撥水性粒子等は、これまで種々のものが提案されている。例えば、一次粒子平均径3~100nmの疎水性酸化物微粒子が付着し、疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層が内表面に積層された非付着性容器が開示されている(特許文献1)。
特開2015-091722号公報
しかしながら、これまで提案されている撥水性粒子は、アルカリ性環境下で経時的に撥水性が低下ないしは消失するという問題がある。このため、例えばチョーク(白墨)、アルカリ洗剤等の強アルカリ性を有する内容物を収容する容器等の内面に撥水性粒子を用いた場合には、十分な付着防止効果が得られないという問題がある。
従って、本発明の主な目的は、アルカリ性環境下においても優れた付着防止効果を付与できる撥水性粒子を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する粒子が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の撥水性粒子に係る。
1. アルミナ含有粒子及びその表面にアルキルアルコキシシラン化合物を含有する被覆層を含むことを特徴とする撥水性粒子。
2. アルミナ含有粒子の一次粒子の平均粒径が3nm以上10μm以下である、前記項1に記載の撥水粒子。
3. アルキルアルコキシシラン化合物が、一般式R’Si(OR)4-n(但し、Rは、2以上である場合は互いに同一又は異なって、置換基を有していても良いアルキル基を示す。R’は、2以上である場合は互いに同一又は異なって、置換基を有していても良いアルキル基を示す。nは、1~3の整数を示す。)で表される化合物である、前記項1又は2に記載の撥水性粒子。
4. アルキルアルコキシシラン化合物の当該アルコキシル基の少なくとも1つがアルミナ含有粒子と化学結合を形成している、前記項1~3のいずれか記載の撥水性粒子。
5. アルミナ含有粒子100重量部に対して被覆層が1~500重量部である、前記項1~4のいずれか記載の撥水性粒子。
6. 前記項1~5のいずれか記載の撥水性粒子が溶媒中に分散している分散液。
7. 基材表面に前記項1~5のいずれか記載の撥水性粒子又はそれを含む撥水層が積層されていることを特徴とする撥水性物品。
本発明によれば、アルカリ性環境下においても優れた付着防止効果を付与できる撥水性粒子を提供することができる。特に、アルミナを含むコア粒子表面が特定の撥水性被覆層で覆われており、被覆層が前記コア粒子に強固に固定された状態になっているので、アルカリ性環境下であっても、撥水性を持続的に発揮することが可能となる。
従来の撥水性粒子は、主としてシリカ粒子にトリメチルシリル基を有する化合物がシロキサン結合(-Si-O-Si-)で結合した状態になっているため、アルカリ性環境下で当該結合が破壊されると考えられる。その結果、アルカリ性環境下では撥水性が経時的に低下すると推察される。これに対し、本発明の撥水性粒子は、アルミナ含有粒子をコア粒子とし、その周囲に特定の被覆層が形成されていることから、アルカリに冒されにくいため、従来の撥水性粒子よりも優れた撥水性を持続できる。
1.撥水性粒子
本発明の撥水性粒子は、アルミナ含有粒子及びその表面にアルキルアルコキシシラン化合物を含有する被覆層を含むことを特徴とする。
アルミナ含有粒子
アルミナ含有粒子は、撥水性粒子のコアとなる粒子である。その成分は、少なくともアルミナ(酸化アルミニウム)を含有するものである。アルミナは、シリカに比してアルカリ性環境下でも溶解しにくいため、その形状を少なくとも一定期間保つことができる。
アルミナ含有粒子においては、本発明の効果を妨げない範囲内で他の成分が含まれていても良い。例えば、銀、銅等の金属単体又は合金、シリカ、ジルコニア等の酸化物のほか、樹脂等が含まれていても良い。これらは、一種又は二種以上が含まれていても良い。
アルミナ含有粒子中におけるアルミナの含有量は、耐アルカリ性という見地より、通常は90重量%以上であることが好ましく、特に95重量%以上であることがより好ましい。アルミナの含有量の上限値は、限定的ではないが、通常は100重量%とすれば良いが、例えば99重量%とすることもできる。従って、例えば、アルミナ及び不可避不純物から構成されているアルミナ含有粒子を用いることもできる。
アルミナが含有される領域は、アルミナ含有粒子の内部、外部(表層)又は全体のいずれであっても良い。少なくともアルミナ含有粒子表面全体にアルミナが存在しているとアルカリ性環境下でも撥水性粒子の形状をより効果的に保つことができる。また、弱アルカリ性環境下ではアルミナ含有粒子中にアルミナが含有されていてれば良いが、強アルカリ性環境下でも高い耐アルカリ性を維持できるようにするために、上記のような範囲内でアルミナが含有していることが望ましい。上記のような高含有量でアルミナが含まれていれば、アルミナが分布する領域にかかわらず、高い耐アルカリ性を得ることができる。
アルミナ含有粒子の大きさは特に限定されないが、撥水性粒子と同様に一次粒子平均径が3nm以上10μm以下であることが好ましく、より好ましくは3nm以上100nm以下であり、最も好ましくは5nm以上50nm以下である。一次粒子平均径を上記範囲とすることにより、撥水性粒子も微細な形状を維持できる。これにより、その微細な撥水性粒子が多孔性凝集体を形成する場合、その凝集体中にある空隙中に空気等の気体を保持することができる結果、より優れた撥水性を発揮することができる。
アルミナ含有粒子の比表面積は、例えば50~250m/g程度の範囲で適宜設定することができるが、これに限定されない。
これらの特徴を備えたアルミナ含有粒子は、公知又は市販のものを使用することができる。また、公知の製造方法により得られたアルミナ粒子等を使用することもできる。例えば、公知のゾルゲル法等により得られるアルミナ粒子を本発明のアルミナ含有粒子として用いることができる。
被覆層
被覆層は、アルキルアルコキシシラン化合物を含有する。アルキルアルコキシシラン化合物としては、アルミナ含有粒子の表面で撥水性を発現できるものであれば限定されない。これらは、公知又は市販のものを使用することもできる。
本発明では、アルキルアルコキシシラン化合物として、一般式R’Si(OR)4-n(但し、Rは、2以上である場合は互いに同一又は異なって、置換基を有していても良いアルキル基を示す。R’は、2以上である場合は互いに同一又は異なって、置換基を有していても良いアルキル基を示す。nは、1~3の整数を示す。)で表される化合物を用いることができる。
Rは、2以上である場合は互いに同一又は異なって、炭素数1~18の直鎖型又は分岐型アルキル基であって、置換基を有していても良いものであることが望ましい。例えば、側鎖としてエチル基及びメチル基の少なくとも1種を有することが撥水性向上の見地から望ましい。また、上記の置換基としては、例えばフルオロ基が含まれていても良い。なお、置換基を含む場合は、炭素数はその置換基の炭素数も含む。
R’は、2以上である場合は互いに同一又は異なって、炭素数1~18の直鎖型又は分岐型アルキル基であって、置換基を有していても良いものであることが望ましい。例えば、側鎖としてエチル基及びメチル基の少なくとも1種を有することが撥水性向上の見地から望ましい。また、上記の置換基としては、例えばフルオロ基が含まれていても良い。なお、置換基を含む場合は、炭素数はその置換基の炭素数も含む。本発明では、R’は、撥水性等を発現に寄与するので、例えば炭素数8~18であるものも好適に用いることができる。
このようなアルキルアルコキシシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
被覆層中におけるアルキルアルコキシシラン化合物の含有量は、特に限定されないが、一般的には95~100重量%であることが好ましい。
アルミナ含有粒子に対する被覆層の割合は、所望の撥水性等に応じて適宜設定できるが、通常はアルミナ含有粒子100重量部に対して1~500重量部であることが望ましく、高い撥水性の長期維持、経済性等の観点から3~100重量部であることがより望ましく、その中でも20~50重量部であることが最も望ましい。本発明の撥水粒子が上記構成を備えることによって、アルカリ性を呈する物品に対しても付着防止効果が得られる。
アルキルアルコキシシラン化合物は、その一部又は全部がアルミナ含有粒子と化学的に結合していても良い。例えば、上記式の化合物がアルミナ含有粒子と化学結合することでR’-Si-R-O-X(但し、Xは、アルミナ含有粒子中の成分を示す。)という形態の化学結合が形成されていても良い。すなわち、アルミナ含有粒子表面にアルキルシラン基R’-Si-を表面に有する構造を有していても良い。上記のような化学結合は、シロキサン結合Si-O-Siに比してアルカリ性環境下でも消失しにくいため、高い耐アルカリ性を発揮することができる。他方、上記R’(アルキル基)は撥水性を発現するため、アルミナ含有粒子に撥水性が付与される。これらの構造によって、アルカリ性材料に対しても溶解しにくく、なおかつ、撥水性を少なくとも一定期間保つことができる撥水性粒子を提供することができる。
アルコキシシラン化合物において、アルミナ含有粒子表面に結合されるアルキルシラン基の量(個数)は、特に限定されないが、8以上18以下であると高い撥水性が得られるため好ましい。
2.撥水性粒子の製造方法
本発明粒子の製造方法は、特に限定されず、例えばa)アルミナ含有粒子を溶媒中に分散させることにより分散液を調製する工程(分散工程)及びb)前記分散液にアルキルアルコキシシラン化合物を添加し、水の存在下でアルミナ含有粒子とアルキルアルコキシシラン化合物とを反応させる工程(反応工程)を含む方法によって好適に製造することができる。
分散工程
分散工程では、アルミナ含有粒子を溶媒中に分散させることにより分散液を調製する。
溶媒としては、アルミナ含有粒子を溶解又は変質させないものであれば限定されず、例えば水のほか、例えばメタノール、エタノール、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ペンタメチレングリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコール等の有機溶剤を適宜選択することができる。これらの中でも、特にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキシルアルコール等のアルコール類の少なくとも1種を好適に採用することができる。すなわち、本発明では、無水系(非水系)の分散液とすることもできる。
アルミナ含有粒子は、前記で示したようなものを使用すれば良い。その配合量は、限定的ではなく、例えば濃度が分散液中1~10重量%程度の範囲内となるように適宜設定することができる。
アルミナ含有粒子の添加方法も、アルミナ含有粒子を溶媒に均一に分散できれば特に制限されず、例えば溶媒を攪拌しながらアルミナ含有粒子を添加する方法等を採用することができる。この場合、例えば公知又は市販の攪拌機、混合機等を用いて実施することもできる。
反応工程
反応工程では、前記分散液にアルキルアルコキシシラン化合物を添加し、水の存在下でアルミナ含有粒子とアルキルアルコキシシラン化合物とを反応させる。
アルキルアルコキシシラン化合物としては、前記で説明したものを使用することができる。また、その添加量も、前記で説明したような被覆層の含有量となるように設定すれば良い。例えばアルミナ含有粒子100重量部に対してアルキルアルコキシシラン化合物を1~500重量部の範囲内で適宜設定することができる。
また、反応に際しては、アルキルアルコキシシラン化合物の加水分解反応が進行させることができれば良いが、特に酸触媒又はアルカリ触媒を用いることもできる。これにより、アルミナ含有粒子とアルキルアルコキシシラン化合物との反応を促進し、前記の化学結合[Si-R-O-X]の形成を促進することができる。酸触媒としては、例えば塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、乳酸等が挙げられる。また、アルカリ触媒としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。従って、通常は、酸触媒又はアルカリ触媒を水溶液又は水分散体の形態で添加することにより反応系に水を供給することもできる。また、必要に応じて、水を単独で反応系に添加しても良い。
反応条件は、特に限定されないが、例えば加熱下で実施することが好ましい。加熱温度は、通常は40~70℃程度の範囲内で適宜設定することができる。また、反応時間は、反応温度等によって異なるが、通常は1~6時間程度の範囲内とすれば良い。なお、加熱した後は、一般的には、自然冷却すれば良い。
反応完了後は、通常はスラリーの形態で反応生成物を得ることができる。すなわち、撥水性粒子が分散してなるスラリーとして得ることができる。このため、本発明の撥水性粒子は、その使用時においては、前記スラリーのまま又はその濃度を調整した後の2次スラリーの形態で用いることもできる。また、必要に応じて前記スラリー又は2次スラリーを固液分離した後、得られた固形分(ケーキ)を乾燥粉末として使用することもできる。さらに、前記固形分を溶媒に再分散させてなる分散液の形態で使用することもできる。これらの各スラリーにおける撥水性粒子の濃度は、例えば10~90重量%程度の範囲内で適宜設定できるが、これに限定されない。
3.撥水性物品
本発明は、基材表面に本発明の撥水性粒子又はそれを含む撥水層が積層されていることを特徴とする撥水性物品を包含する。本発明の撥水性粒子は、撥水粒子単体でも撥水作用を有することから付着防止の効果を発現するが、それを含む撥水層としても高い付着防止効果を発現することができる。また、後記の実施例でも示すように、場合によっては撥油性を発揮することもできる。
基材としては、特に限定されず、本発明の撥水性粒子を付与できるものであれば良い。材質としては、例えば金属、樹脂類、ゴム類、セラミックス、木質材料(木材、紙)等のいずれであっても良い。また、基材の形態も限定されず、例えば、シート状、板状、織物・不織布、造粒物、構造体等のいずれであっても良い。なお、ここでいうシートとは、一般にフィルムと呼ばれるものも含まれる。さらに、基材は、原料、半製品、最終製品等のいずれの段階であっても良く、これらの一部を基材として適用することができる。従って、例えば既製品の表面に本発明の撥水性粒子を付着・固定させることにより所望の撥水性を付与することもできる。
撥水性物品を製造する方法は、基材表面に本発明の撥水性粒子を付着及び固定できる限りは特に制限されない。例えば、本発明の撥水性粒子を含むスラリーを塗布し、乾燥させる工程を含む方法によって好適に製造することができる。スラリーとしては、前記で説明したものを適宜採用することができる。塗布方法としては、例えばローラー、スプレー、刷毛等の公知の方法に従って実施することができる。塗布量は、所望の撥水性等に応じて適宜設定することができる。例えば、乾燥後の塗布量として0.1~10g/cmの範囲内で適宜設定することができる。
物品の用途としては、撥水性が要求される用途であれば限定されず、例えば防汚シート、食品用シート等のほか、医療用途、工業用途等の様々な用途に用いることができる。
また、その形態も限定されず、例えば板状、シート状(フィルム状)等の基材である場合には、金属板、金属箔、樹脂板、樹脂シート、木板等の基材に本発明粒子を付与して得られた物品を防汚板等のほか、医療用途、工業用途等の物品として幅広く用いることができる。形態が各種の構造物である場合には、本発明粒子を付与した後に、例えば電子機器、機械、建築物、建造物等の用途に用いることができる。これらの基材に本発明粒子を適用することにより、当該基材を含む物品の汚染を防止したり、乾燥状態を維持したり、外観を維持又は向上させることができる。
撥水性粒子を基材に積層(堆積)させる場合、撥水性粒子と基材との間に凸凹形状が付与された層を備えても良い。例えば、無機粒子又は有機物より構成される粒子を含む樹脂層を介在させることにより、基材表面に凸凹形状を付与することができる結果、基材の表面積が増すことによって、より多くの撥水性粒子が積層されて、長期にわたって優れた撥水性を維持することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
一次粒子の平均粒径20nm及び比表面積100m/gであるアルミナ粒子(日本アエロジル社製)1.41gを用意し、これにイソプロピルアルコール47gを加えて撹拌させて分散液を調製した。この分散液にデシルトリメトキシシラン(以下「DTMS」という。)(信越化学株式会社製)0.04g及び28%アンモニア水1.54gを添加して60℃で3時間撹拌した後、常温まで自然放熱させた。これによりDTMS重量がアルミナ粒子100重量部に対して3重量部になるように調整した水性スラリーを得た。
実施例2
DTMS量を0.07gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例3
DTMS量を0.11gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例4
DTMS量を0.14gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例5
DTMS量を0.18gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例6
DTMS量を0.21gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例7
DTMS量を0.28gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例8
DTMS量を0.35gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例9
DTMS量を0.71gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例10
DTMS量を1.76gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例11
DTMS量を3.53gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
実施例12
DTMS量を7.05gとしたほかは、実施例1と同様にして水性スラリーを得た。
比較例1
シリカ粒子にシロキサン結合を備える粒子として、疎水性酸化物微粒子(製品名「AEROSIL R812S」エボニック デグサ社製、一次粒子平均径:7nm)を35g用意し、これをエタノール1000mLに分散させて水性スラリーを得た。
試験例1
200mm×100mm×厚さ100μmのPETフィルム(日本シーマ社製)に対し、各実施例及び比較例の水性スラリーをバーコーター♯26によって塗布し、これを105℃にて30分乾燥させ、積層体を得た。次いで、この積層体をpH14の2M-NaOH水溶液中に表1に示す時間中浸漬させて強アルカリ下に晒した。この後に純水に浸漬させて中和し、再度105℃にて30分乾燥させた。
次に、積層体の水性スラリーが塗布された面(処理面)を上に向け、電動ラボジャッキ(オートラボジャッキALJ200-H、アズワン社製)と、300mm×700mmかける3mmのガラス板とデジタル角度計(デジタル角度計ミニ DPM-1、東栄工業社製)を載せた傾斜ステージに貼り付け、傾斜角度1度に設定した。
前記処理面に鉛直方向から試料(水又はエチレングリコール(東京化成株式会社社製))を各1滴投下し、積層体上から積層体外まで試料が滑落したものを「○」、エチレングリコールは滑落しなかったが水は滑落したものを「△」、水もエチレングリコールは滑落しなかったものを「×」として評価した。その結果を表1に示す。
表1の結果からも明らかなように、実施例では、比較例に比べてアルカリ性下でも撥水性が保たれていることから、アルカリ性を呈する物品に対しても満足できる付着防止効果が得られることがわかる。

Claims (6)

  1. 基材表面に撥水性粒子又はそれを含む撥水層が積層されている撥水性物品であって、
    (1)前記撥水性粒子は、アルミナ含有量が95重量%以上であるアルミナ含有粒子及びその表面にアルキルアルコキシシラン化合物を含有する被覆層を含み、
    (2)アルカリ性を呈する物品に対して付着防止効果を得るために用いられる、
    ことを特徴とする撥水性物品。
  2. アルミナ含有粒子の一次粒子の平均粒径が3nm以上10μm以下である、請求項1に記載の撥水性物品。
  3. アルキルアルコキシシラン化合物が、一般式R’Si(OR)4-n(但し、Rは、2以上である場合は互いに同一又は異なって、置換基を有していても良いアルキル基を示す。R’は、2以上である場合は互いに同一又は異なって、置換基を有していても良いアルキル基を示す。nは、1~3の整数を示す。)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の撥水性物品。
  4. アルキルアルコキシシラン化合物の当該アルコキシル基の少なくとも1つがアルミナ含有粒子と化学結合を形成している、請求項1~3のいずれか記載の撥水性物品。
  5. アルミナ含有粒子100重量部に対して被覆層が1~500重量部である、請求項1~4のいずれか記載の撥水性物品。
  6. 撥水性物品が防汚シート又は食品用シートである、請求項1~5のいずれか記載の撥水性物品。
JP2019014901A 2019-01-30 2019-01-30 撥水性粒子 Active JP7317513B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019014901A JP7317513B2 (ja) 2019-01-30 2019-01-30 撥水性粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019014901A JP7317513B2 (ja) 2019-01-30 2019-01-30 撥水性粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020121763A JP2020121763A (ja) 2020-08-13
JP7317513B2 true JP7317513B2 (ja) 2023-07-31

Family

ID=71992017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019014901A Active JP7317513B2 (ja) 2019-01-30 2019-01-30 撥水性粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7317513B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000007991A (ja) 1998-06-23 2000-01-11 Matsushita Electric Works Ltd 機能性無機塗料、その製造方法および機能性塗装品
JP2013216530A (ja) 2012-04-06 2013-10-24 Kawaken Fine Chem Co Ltd 複合アルミナ皮膜
JP2014213591A (ja) 2013-04-30 2014-11-17 日揮触媒化成株式会社 撥水性透明被膜付基材およびその製造方法
JP2016094254A (ja) 2016-02-04 2016-05-26 凸版印刷株式会社 包装袋
US20170166757A1 (en) 2014-07-25 2017-06-15 University Of Florida Research Foundation, Inc. Superoleophobic Alumina Coatings

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03126780A (ja) * 1989-10-12 1991-05-29 Daihachi Chem Ind Co Ltd 被覆用塗料組成物
EP1386951B1 (en) * 2001-04-02 2007-08-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Water-repellent film and method for preparing the same, and ink-jet head and ink-jet type recording device using the same
JP2003286478A (ja) * 2002-03-28 2003-10-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 撥水膜とその製造方法およびそれを用いたインクジェットヘッドとインクジェット式記録装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000007991A (ja) 1998-06-23 2000-01-11 Matsushita Electric Works Ltd 機能性無機塗料、その製造方法および機能性塗装品
JP2013216530A (ja) 2012-04-06 2013-10-24 Kawaken Fine Chem Co Ltd 複合アルミナ皮膜
JP2014213591A (ja) 2013-04-30 2014-11-17 日揮触媒化成株式会社 撥水性透明被膜付基材およびその製造方法
US20170166757A1 (en) 2014-07-25 2017-06-15 University Of Florida Research Foundation, Inc. Superoleophobic Alumina Coatings
JP2016094254A (ja) 2016-02-04 2016-05-26 凸版印刷株式会社 包装袋

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020121763A (ja) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5580289B2 (ja) 砥粒の親水性および疎水性シラン表面改質
KR101790553B1 (ko) 중공실리카 입자의 제조방법, 중공실리카 입자 및 그를 포함하는 조성물 및 단열 시트
EP2942380B1 (en) Coating composition, method for producing same, and coated article
JP5114355B2 (ja) 撥水・撥油性コーティング物品およびその製造
JP6609382B2 (ja) 膜形成用液組成物及びその製造方法
JP5680900B2 (ja) 撥油性コーティング物品およびその製造方法
WO2009130745A1 (ja) 金平糖状粒子の製造方法
JP6365532B2 (ja) 水性塗料、放熱部材、金属部品、電子機器
WO2019139092A1 (ja) 疎水性微粒子及び撥水剤組成物
JPS6377940A (ja) 真球状ポリメチルシルセスキオキサン粉末およびその製造方法
CN102924922A (zh) 含有无机氧化物粒子的有机硅树脂片材
TW201217608A (en) Preparing a dispersion comprising silicon dioxide particles and cationizing agents
JP4636869B2 (ja) 多孔質シリカ系粒子の製造方法および該方法から得られる多孔質シリカ系粒子
JP4883967B2 (ja) 多孔質シリカ系粒子の製造方法および該方法から得られる多孔質シリカ系粒子
JP2019210392A (ja) 撥液性表面およびその作製方法
JP7317513B2 (ja) 撥水性粒子
JP2016150558A (ja) 抗菌性無機有機複合膜を有する基材
JP2021084814A (ja) 表面処理窒化ホウ素の製造方法、表面処理窒化ホウ素、樹脂組成物、及び硬化物
CN110872470A (zh) 光催化剂涂料及其制造方法和光催化剂体的制造方法
JP2012251100A (ja) シリコーン樹脂組成物および熱伝導シート
JP6929701B2 (ja) 水性組成物、水性塗料、塗膜、及び塗装製品
JP5772480B2 (ja) インク受容膜およびそれを用いた積層基板、導電性部材
JPWO2019244531A1 (ja) 表面処理窒化アルミニウムの製造方法、表面処理窒化アルミニウム、樹脂組成物、及び硬化物
JP6794151B2 (ja) コーティング膜、コーティング膜の製造方法、及びコーティング組成物
JP2009209250A (ja) 光触媒塗膜形成用組成物、光触媒塗膜および光触媒塗膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211104

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221018

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20221209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230119

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230608

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7317513

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150