JP7317358B2 - 造血幹細胞の分化促進剤 - Google Patents
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Description
(1)マンネンタケの溶媒抽出物、マンネンタケの亜臨界水処理物、又はマンネンタケの亜臨界水処理物の溶媒抽出物を有効成分として含有する、造血幹細胞の血液細胞への分化促進剤。
(2)前記マンネンタケの亜臨界水処理物が、温度が100~300℃、かつ圧力が飽和蒸気圧以上の亜臨界状態にある水による処理物である、(1)に記載の造血幹細胞の血液細胞への分化促進剤。
(3)造血幹細胞を、(1)又は(2)に記載の剤を含有する培地で培養する工程を含む、造血幹細胞の血液細胞への分化促進方法。
(4)造血幹細胞を、(1)又は(2)に記載の剤を含有する培地で培養する工程を含む、血液細胞の製造方法。
(5)(1)又は(2)に記載の剤を含有する、造血幹細胞の血液細胞への分化促進用組成物。
1.造血幹細胞の血液細胞への分化促進剤
本発明に係る造血幹細胞の血液細胞への分化促進剤(以下、「造血幹細胞の分化促進剤」と記載する場合がある)は、マンネンタケの溶媒抽出物、マンネンタケの亜臨界水処理物、又はマンネンタケの亜臨界水処理物の溶媒抽出物を有効成分として含有する。
本発明において抽出原料として使用するマンネンタケの部位は、子実体、菌糸体、胞子のいずれでもよいが、子実体が好ましい。また、それらの培養物であってもよい。さらに、子実体、菌糸体、胞子は乾燥や粉砕したものを用いることができ、あるいは、生のまま用いることもできる。
本発明に用いられる亜臨界水処理とは、所定温度及び圧力の条件下で亜臨界状態にした 水と処理対象(本発明ではマンネンタケ)とを接触させることをいう。例えば、水は、圧力22.12MPa、温度374.15℃まで上げると液体でも気体でもない状態を示す。この点を水の臨界点といい、臨界点より低い温度及び圧力の熱水を亜臨界水という。この亜臨界水は、誘電率低下とイオン積の向上により、優れた成分抽出作用と加水分解作用を有する。なお、亜臨界水処理に供給する水は、液体状態でも気体状態でも利用することができる。即ち、亜臨界水処理の処理槽へは、水蒸気を供給してもよく、水を供給してもよく、あるいはその両者を供給してもよい。亜臨界水処理時の反応場は、気体状態よりも液体状態の方が反応は進みやすいので、密閉容器で強制的に液体の状態にした水を使用することが好ましい。より具体的には、金属やセラミックス等の耐圧容器に処理対象であるマンネンタケと処理剤である水を入れて、密閉状態にし、水の亜臨界状態(温度:100℃以上、圧力:飽和蒸気圧以上)で、両者の接触を一定時間以上行う。
本発明に用いられるマンネンタケの亜臨界水処理物の溶媒抽出物とは、前記の亜臨界水処理物に溶媒を加えて抽出した抽出液又はその乾燥物をいう。
本発明はまた、造血幹細胞を、上記造血幹細胞の分化促進剤を含有する培地で培養する工程を含む、造血幹細胞の分化促進方法、ならびに、造血幹細胞を、上記造血幹細胞の分化促進剤を含有する培地で培養する工程を含む、血液細胞の製造方法に関する。本発明に係る方法において造血幹細胞から分化誘導して製造された血液細胞は、得られたままの状態で、又は遠心分離、分離フィルター等の分離手段により目的とする血液細胞を分離し、患者に輸注可能な製剤に調製してもよい。
本発明に係る造血幹細胞の分化促進剤を生体内に投与する場合は、そのまま投与することも可能であるが、本発明の効果を損なわない範囲で適当な添加物とともに医薬品(医薬部外品を含む)、飲食品等の各種組成物に配合して提供できる。
(製造例1)赤霊芝の熱水抽出物の製造
赤霊芝(子実体)100gに、精製水2Lを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して赤霊芝の熱水抽出物4.4gを得た。
黒霊芝(子実体)100gに、精製水2Lを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒霊芝の熱水抽出物4.2gを得た。
亜臨界水処理缶に、マンネンタケ原料として赤霊芝(子実体)45gを入れ、処理条件1(処理温度:140℃、処理圧力:0.37MPa、処理時間:30分間)で亜臨界水処理を行った。亜臨界水処理の終了後、処理缶内の処理物を凍結乾燥させることで赤霊芝の亜臨界水処理物を得た。得られた赤霊芝の亜臨界水処理物10gに、精製水200mLを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して赤霊芝の亜臨界水処理物の熱水抽出物を0.6g得た。
亜臨界水処理缶に、マンネンタケ原料として赤霊芝(子実体)45gを入れ、処理条件2(処理温度:160℃、処理圧力:0.63MPa、処理時間:20分間)で亜臨界水処理を行った。亜臨界水処理の終了後、処理缶内の処理物を凍結乾燥させることで赤霊芝の亜臨界水処理物を得た。得られた赤霊芝の亜臨界水処理物10gに、精製水200mLを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して赤霊芝の亜臨界水処理物の熱水抽出物を0.8g得た。
亜臨界水処理缶に、マンネンタケ原料として赤霊芝(子実体)45gを入れ、処理条件3(処理温度:180℃、処理圧力:1.01MPa、処理時間:30分間)で亜臨界水処理を行った。亜臨界水処理の終了後、処理缶内の処理物を凍結乾燥させることで赤霊芝亜臨界水処理物を得た。得られた赤霊芝の亜臨界水処理物10gに、精製水200mLを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して赤霊芝の亜臨界水処理物の熱水抽出物を2.6g得た。
亜臨界水処理缶に、マンネンタケ原料として黒霊芝(子実体)45gを入れ、処理条件1(処理温度:140℃、処理圧力:0.37MPa、処理時間:30分間)で亜臨界水処理を行った。亜臨界水処理の終了後、処理缶内の処理物を凍結乾燥させることで黒霊芝の亜臨界水処理物を得た。得られた黒霊芝の亜臨界水処理物10gに、精製水200mLを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒霊芝の亜臨界水処理物の熱水抽出物を0.6g得た。
亜臨界水処理缶に、マンネンタケ原料として黒霊芝(子実体)45gを入れ、処理条件2(処理温度:160℃、処理圧力:0.63MPa、処理時間:20分間)で亜臨界水処理を行った。亜臨界水処理の終了後、処理缶内の処理物を凍結乾燥させることで黒霊芝亜臨界水処理物を得た。得られた黒霊芝の亜臨界水処理物10gに、精製水200mLを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒霊芝の亜臨界水処理物の熱水抽出物を1.0g得た。
亜臨界水処理缶に、マンネンタケ原料として黒霊芝(子実体)45gを入れ、処理条件3(処理温度:180℃、処理圧力:1.01MPa、処理時間:30分間)で亜臨界水処理を行った。亜臨界水処理の終了後、処理缶内の処理物を凍結乾燥させることで黒霊芝亜臨界水処理物を得た。得られた黒霊芝の亜臨界水処理物10gに、精製水200mLを加え、95~100℃で2時間抽出した。濾過した後、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して黒霊芝の亜臨界水処理物の熱水抽出物を2.4g得た。
実施例1で製造した抽出物(製造例1~8)、及び当該抽出物の混合物(製造例9、10)の造血幹細胞に対する分化促進効果の評価実験を次のとおり行った。
5'-ACCTGCTCGCACCACTGAA-3' (配列番号1)
5'-CCTGGATGATATGTGGTCTCTGAAG-3' (配列番号2)
(Cd3eプライマーセット)
5'-TCCTGTGCCTCAGCCTCCTA-3' (配列番号3)
5'-ATTCAATGTTCTCGGCATCGT-3' (配列番号4)
(Id3プライマーセット)
5'-TCCGGAACTTGTGATCTCCAA-3' (配列番号5)
5'-CAGGACGACCGGGTCAGT-3' (配列番号6)
(18srRNA(内部標準)用プライマーセット)
5'-CCGAGCCGCCTGGATAC-3' (配列番号7)
5'-CAGTTCCGAAAACCAACAAAATAGA-3'(配列番号8)
Claims (5)
- マンネンタケの亜臨界水処理物の熱水抽出物を有効成分として含有する、造血幹細胞の血液細胞への分化促進剤。
- 前記マンネンタケの亜臨界水処理物が、温度が100~300℃、かつ圧力が飽和蒸気圧以上の亜臨界状態にある水による処理物である、請求項1に記載の造血幹細胞の血液細胞への分化促進剤。
- 造血幹細胞を、請求項1又は2に記載の剤を含有する培地で培養する工程を含む、造血幹細胞の血液細胞への分化促進方法。
- 造血幹細胞を、請求項1又は2に記載の剤を含有する培地で培養する工程を含む、血液細胞の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の剤を含有する、造血幹細胞の血液細胞への分化促進用組成物。
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