以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
また、以下の実施の形態及び特許請求の範囲において、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交する、とは、当該2つの方向がなす角が完全に90°と一致することを意味するだけでなく、実質的に直交すること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。また、「前方」とは、照明装置の主たる光の放出方向を示し、本実施の形態では、Z軸プラス側の方向である。例えば、室内の床面を照らすように、照明装置が天井に配置された場合、照明装置における前方は、床面側の方向である。
(実施の形態)
[1.照明装置の基本構成]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態に係る照明装置100の基本構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置100の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明装置100の分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明装置100の構成概要を示す断面図である。具体的には、図3では、図1のIII-III線を通るYZ平面における照明装置100の断面が簡易的に図示されている。また、図3では、発光素子21については、III-III線の位置に配置された1つの発光素子21のみが側面が図示されている。
図1に示すように、本実施の形態の照明装置100は、例えばシーリングライトと呼ばれる、天井に取り付けられる照明装置である。なお、図1における下方(Z軸マイナスの方向)が、天井が存在する方向である。つまり、図1及び以降の図(図6を除く)では、照明装置100は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
本実施の形態に係る照明装置100は、本体部110と、本体部110に取り付けられた光源部20と、光源部20の前方に配置された導光板160と、光源部20及び導光板160を覆う拡散カバー140とを備える。
光源部20は、基板25と、基板25の前面に配置された複数の発光素子21とを有する。導光板160は、光源部20から光が入射される端面を形成する入射部161と、入射部161から入射された光を放出する前面166aを形成する前面部166とを有する。拡散カバー140は、光源部20及び導光板160を覆い、導光板160から放出される光を拡散して外部に放出する。
本実施の形態では、本体部110の背面側に回路収容部101が配置されており、回路収容部101に回路基板50が配置される。回路基板50は複数の回路部品60で構成された電源回路及び制御回路を有する基板であり、図示しない電線を介して光源部20への電力供給、並びに点灯、消灯、調光、及び調色などの制御を行う。回路基板50の一部には、常夜灯及び受光部が内部に配置された筒体70が配置されている。受光部は、照明装置100の制御のための赤外光を受光する装置である。
回路収容部101の中央部には、照明装置100を、天井に設けられたソケットに取り付けるためのアタッチメント30を支持する支持部102が配置されている。回路収容部101は、図示しない複数のネジで本体部110の背面に固定される。
支持部102の前方には、本体部110の開口部113、及び、導光板160の開口部168が配置される。そのため、ユーザは、本体部110に対して着脱自在に取り付けられた拡散カバー140を外すことで、開口部168及び開口部113を介して、アタッチメント30にアクセスすることができる。これにより、ユーザは、照明装置100を、天井に配置されたソケットに取り付けること、及び、ソケットから取り外すことができる。
筒体70の前方には、本体部110の開口部114が配置されており、受光部は、リモコンから送信された赤外光を、本体部110に遮断されることなく受光することができる。
[2.本体部]
図1に示すように、本体部110は、円盤状に形成されており、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金を用いて作製された部材である。本体部110の光源部20等が配置される側の面には、例えば、光反射率が高い白色塗料が塗布又は反射性金属材料が蒸着されている。
本体部110の中央部には、円形状の開口部113が形成されており、開口部113から略円筒状の支持部102が露出する。また、開口部113の側方には、本体部110の背面側に配置された筒体70の先端部が挿入される開口部114が形成されている。開口部113の周囲には、導光板160の裏面に当接または近接し、導光板160から漏れた光を導光板160に再入射させる反射面部112が形成されている。
反射面部112の周囲には、反射面部112よりも後方に凹んだ外周部115が形成されており、外周部115には、例えば図示しない複数のネジにより、光源部20が固定される。また、外周部115には、拡散カバー140を着脱自在に本体部110に取り付けるための複数の取付部材111aが配置される。
本体部110の背面には、上述のように、回路収容部101が固定されている。回路収容部101は、本体部110と同じくアルミニウム板又は鋼板等の板金を用いて作製された部材である。本実施の形態では、拡散カバー140、本体部110、及び回路収容部101により、照明装置100の外殻が形成されている。
[3.光源部]
図1~図3に示すように、光源部20は、基板25と、基板25に配置された複数の発光素子21を備える。なお、本実施の形態において、基板25は、円環状に並べられた互いに別体の4枚の基板が電気的に接続されることで構成されているが、説明の便宜上、これら4枚の基板の集合体を1枚の基板25として扱う。
基板25は、前方から見た場合において円環状の外形を有しており、複数の発光素子21は、基板25の形状に沿って円環状に並べられている。基板25は、導体パターン(金属配線)が設けられたプリント基板である。このような基板25としては、例えば、CEM3(Composite epoxy material-3)基板等のガラスコンポジット基板、樹脂基板、セラミック基板、紙フェノール基板、またはメタルベース基板等が採用される。
本実施の形態において、複数の発光素子21の各々は、例えばLEDチップがパッケージ化されたLED素子である。すなわち、光源部20の実装構造は、LEDチップがパッケージ化されたLED素子を基板25上に実装したSMD(Surface Mount Device)構造である。なお、光源部20が有する複数の発光素子21は、例えば色温度が互いに異なる2種類の発光素子21を含んでいる。例えば、光源部20が有する複数の発光素子21が、色温度が高い発光素子21のグループ(第一グループ)と、色温度が低い発光素子21のグループ(第二グループ)とによって構成されてもよい。この場合、第一グループの発光素子21及び第二グループの発光素子21それぞれの明るさを調整すること、つまり調光制御することで、光源部20が発する光の色の調整、つまり、調色制御が行われてもよい。
このように構成された光源部20は、基板25が、本体部110の外周部115に当接した状態で配置されるため、複数の発光素子21が発する熱は、本体部110によって効率よく外部に放熱される。
[4.拡散カバー]
拡散カバー140は、光源部20及び導光板160を覆う部材であり、透光性を有する樹脂で形成されている。拡散カバー140は、例えば乳白色あり、光拡散粒子を分散させた樹脂材料を射出成形することで作製することができる。拡散カバー140は、各発光素子21からの光を拡散して外部に放出することができる。また、拡散カバー140は、内面または外面に、乳白色の光拡散層、または、複数の光拡散ドット若しくは微小凹凸(シボ)が形成されていることで光拡散機能を有してもよい。拡散カバー140は、上述のように、本体部110の取付部材111aに対して着脱自在に取り付けられる。
なお、本実施の形態では、拡散カバー140は前方から見た場合(以下、平面視ともいう。)において円形であり、かつ、Z軸方向の幅(厚み)が比較的に薄いという特徴を有している。
具体的には、本実施の形態では、複数の発光素子21のそれぞれが発する光は、直接的に、または、各発光素子21に配置されたレンズを介して拡散カバー140に届くのではなく、導光板160を介して面光源からの光として拡散カバー140に到達する。すなわち、複数の発光素子21のそれぞれが発する光は、導光板160による疑似的な面光源からの光として拡散カバー140に到達する。従って、図3において、導光板160の前面部166と拡散カバー140との間の最大距離をHaとし、光源部20と導光板160の前面部166との間の距離をHbとした場合、例えば、Ha<Hbとすることが可能である。つまり、拡散カバー140の内面と導光板160の前面部166との距離を縮めることで、拡散カバー140のZ軸方向の幅を小さくすることが可能である。この場合であっても、拡散カバー140には、主として、導光板160に形成された疑似的な面光源からの光が入射するため、拡散カバー140を介して、複数の発光素子21それぞれに形成される輝点が視認されることが実質的に防止される。
[5.導光板]
導光板160は、光源部20が有する複数の発光素子21の各々からの光を、照明装置100の前方(Z軸プラス側の方向)の空間に導くための光学部材であり、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂等)で形成されている。図2及び図3に示すように、導光板160は、光源部20が出射した光が入射される入射部161、及び入射部161から入射された光を放出する前面部166を有している。導光板160はさらに、入射部161及び前面部166の間において光の進路を変更させる、外向きに凸の湾曲部165を有している。入射部161は、光源部20が出射した光が入射される端面である第一入射面162aを有している。前面部166は、光源部20からの光の出射方向(Z軸プラス側の方向)に直交する平面状の部分である。前面部166は、光の出射面である前面166aと、前面166aの反対側の面である裏面166bとを有している。入射部161は、導光板160を前面166aの側から見た場合において、前面部166を囲む環状に形成されており、発光素子21は、入射部161に対向する位置に複数並んで配置されている。
ここで、照明装置100の調色制御において、例えば、暖色系の照明光を放出させる場合、実質的に、色温度が低い発光素子21のグループ(第二グループ)の発光素子21のみが点灯する状態も生じ得る。この場合であっても、第二グループの発光素子21が、環状に並べられた発光素子21の列において、略等間隔で並べられていれば、導光板160から放出される照明光において、第二グループの発光素子21のみが点灯することによる輝度ムラは抑制される。つまり、導光板160により形成される疑似的な面光源によれば、光源である発光素子21が点在することによる輝度ムラが生じ難く、また、各々が点光源である発光素子21が輝点として観察され難い。また、導光板160によれば、比較的に少ない数の発光素子21で疑似的に面光源を作り出すことができるため、製造コストの抑制、または、製造工程の簡易化等が図られる。
このように構成された導光板160について、図1~図3に加え、図4~図8を参照しながらさらに説明する。まず、図4及び図5を用いて導光板160の基本構成について具体的に説明する。図4は、実施の形態に係る導光板160の入射部161及び前面部166の詳細を説明するための拡大断面図である。なお、図4における断面の位置は、図3における断面の位置に準ずる。図5は、実施の形態に係る導光板160における光拡散部164の配置例を示す分解斜視図である。なお、図4及び図5では、拡散カバー140の図示は省略されている。図5では、前面部166と湾曲部165とのおおよその境界が、一点鎖線で表されている。このことは、後述する図6でも同じである。
図5に示すように、導光板160の入射部161は、第一入射面162a及び第二入射面163aを有している。第一入射面162aは、発光素子21が出射した光の一部が入射される端面であって、入射された光を、導光板160の前面部166に向かわせる端面である。第二入射面163aは、発光素子21が出射した光の一部が入射される端面であって、入射された光を、入射部161で拡散させて外方に放出させる端面である。
つまり、本実施の形態に係る入射部161は、入射された光を、照明光の主たる出射領域である前面部166に向かわせる光入射面としての機能と、外方かつ側方(図4におけるY軸プラス側)に拡散して放出する拡散レンズとしての機能とを有する。
より詳細には、入射部161は、図4に示すように、第一入射面162aを有する第一入射部162と、第二入射面163aを有する第二入射部163とを有する。本実施の形態では、第一入射部162と第二入射部163とは一体化されている。つまり、導光板160を、例えば樹脂材料を射出成形することで作製する場合、射出成形に用いる金型によって、第一入射部162と第二入射部163とが一体化された入射部161を成形することができる。
このように構成された入射部161において、発光素子21は、例えば光軸Laが第一入射面162aを通過する位置に配置される。言い換えると、入射部161は、第一入射面162aと発光素子21の光軸Laとが交わる位置に配置される。つまり、発光素子21から出射される光は主に第一入射面162aに入射され、前面部166から出射される照明光として利用される。また、図4において、発光素子21から出射され、右方向に向かう光は、第二入射面163aに入射し、第二入射部163によって拡散されて放出される。これにより、拡散カバー140における、導光板160と対向しない端部(図3参照)に向けて光を放出することができ、その結果、外観上、拡散カバー140の端部も光らせることができる。このことは、照明装置100が放出する光の均一性の向上に寄与する。
なお、拡散カバー140の外周部により光を集めたい場合などにおいて、発光素子21から出射される光が、主に第二入射面163aに入射されてもよい。つまり、第一入射面162a及び第二入射面163aの一方は、発光素子21から出射された光のうちの当該一方に入射される割合が、他方に入射される割合よりも高くなる位置または形状に形成されていてもよい。これにより、平面視において、照明装置100の中央部から放出される照明光と、照明装置100の外周部から放出される照明光の明るさのバランスを、例えば、照明装置100に要求される仕様に応じて調整することができる。
また、第一入射部162と第二入射部163とが一体化されていることは必須ではなく、第一入射部162と第二入射部163とは別体であってもよい。例えば、第一入射部162を有する導光板160の外周に、環状に形成された第二入射部163を、嵌合、接着または溶着などで接続することで、第一入射部162と第二入射部163とを有する入射部161が形成されてもよい。
また、本実施の形態では、導光板160は、前面部166に設けられた開口部168を有し、開口部168の周縁には、図3に示すように、テーパ面168aが形成されている。テーパ面168aは、拡散カバー140に近づくほど開口部168の中心から遠ざかる向きに傾いて形成されている。
開口部168は、照明装置100の外部から、照明装置100の中央部分に配置されたアタッチメント30にアクセスするめに必要な部分であるが、導光板160における非発光領域となるため、平面視において暗部として観察される可能性がある。そこで、本実施の形態では、開口部168の周縁にテーパ面168aを設けることで、テーパ面168aから、照明装置100の中央かつ前方に向けて光が放出される。その結果、照明装置100の中央部が暗部として観察される可能性が低減される。
また、本実施の形態では、図4に示すように、導光板160の前面部166の裏面166bには、複数の凹部167aが並べられることで形成された光制御部167が設けられている。つまり、光制御部167は、導光板160の内部において裏面166bに到達した光の一部の方向を、凹部167aによって前面166aに向けることができる。これにより、導光板160の前面166aからの光の取り出し効率が向上する。具体的には、本実施の形態では、前面部166の裏面166bの略全域に光制御部167が設けられている。複数の凹部167aは、例えば、裏面166bにレーザ光を照射することで形成される。また、導光板160の作製に用いる金型によって、複数の凹部167aが形成されてもよい。また、複数の凹部167aではなく、複数の凸部が並べられることで形成された光制御部167が、裏面166bに設けられてもよい。
また、本実施の形態では、前面部166の裏面166bの略全域に対向する位置に、本体部110の反射面部112が配置されている(図2参照)。そのため、前面部166の裏面166bから外部に漏れた光を、反射面部112によって前面部166に再入射させることができる。このことによっても、導光板160の前面166aからの光の取り出し効率を向上させることができる。
ここで、光制御部167が裏面166bに設けられている場合、裏面166bの直下(通常の使用時では直上)に位置する常夜灯71(図5参照)の点灯時に、光制御部167によりドット状の陰影が拡散カバー140に形成される場合がある。なお、常夜灯71は、光源部20を第一光源部とした場合における第二光源部の一例である。
具体的には、常夜灯71が点灯する場合は、光源部20は消灯しているため、導光板160に入射される光は常夜灯71が発する光のみである。また、上述のように、本実施の形態に係る照明装置100では、拡散カバー140の内面と導光板160との距離を小さくすることが可能であるため、拡散カバー140は導光板160の前面部166に比較的近い位置に配置される。この状態で、常夜灯71が点灯した場合、裏面166bに設けられた光制御部167に、外側から常夜灯71の光が入射して前面166aを通過して拡散カバー140に到達する。このとき、光制御部167には、複数の凹部167a(または凸部)が並んで設けられているため、その凹凸形状が目立ちやすい。具体的には、その凹凸形状に応じたドット状の陰影が拡散カバー140に生じやすい。そこで、本実施の形態では、導光板160の、常夜灯71に対向する位置に、光拡散部164を設けている。つまり、導光板160を前面166aの側から見た場合に、常夜灯71と重複する位置に光拡散部164が設けられている。本実施の形態では、導光板160の前面166aの一部にシボ加工を施すことで、光拡散部164が形成されている。これにより、光制御部167を通過した光は光拡散部164によって拡散され、その結果、拡散カバー140において、常夜灯71が発する光に起因するドット状の陰影は生じ難くなる。また、光源部20は、導光板160の入射部161に対向して配置されるため、導光板160の裏面166bに対向して配置される常夜灯71の配置位置の自由度は高い。
なお、本実施の形態では、常夜灯71は、図5に示すように筒体70の内部に配置されており、導光板160には、筒体70の上部開口に対向する領域に、光拡散部164が設けられている。この光拡散部164は、照明装置100における通常の点灯時(つまり、光源部20が光を出射している状態)では、目立ち難く、さらに、拡散カバー140で覆われるため、外観上の問題は実質的には生じない。また、光拡散部164は、裏面166bに形成された微小な凹凸で形成される必要はない。例えば、光拡散粒子を含有する樹脂層である光拡散層が、裏面166bにおける常夜灯71と対向する位置に配置されることで、光拡散部が形成されてもよい。
また、常夜灯71の点灯時におけるドット状の陰影の問題は、例えば、拡散カバー140と導光板160との距離を長くすることでも解消し得るが、この場合は、照明装置100の厚みが増すため、好ましい解消方法ではない。また、導光板160に、常夜灯71の光を通過させる開口部(貫通孔)を設けることでも、拡散カバー140にドット状の陰影を生じさせないことは可能である。しかし、この場合、開口部(貫通孔)は、照明装置100の通常の点灯時における、導光板160の非発光領域となるため、外観上、その開口部(貫通孔)が暗部として観察される。従って、この手法も現実的には取り得ない。このような観点から、上述の、光拡散部164によってドット状の陰影を生じ難くする手法は実効性が高くかつ有用である、と言える。
また、本実施の形態では、導光板160を前面166aの側から見た場合に、光拡散部164と重複する位置に照明装置100を操作するための外部機器から送信される光を受ける受光部75が配置されている。受光部75は、例えば、照明装置100を操作するための専用リモコンから送信される赤外光を受光する。受光部75は受光した赤外光に応じた信号を回路基板50(図5参照)に送信し、回路基板50は当該信号に応じて光源部20の点灯、消灯、調光、及び調色などの制御を行う。受光部75が、導光板160の光拡散部164の裏側に存在することで、受光部75は赤外光を受光しやすくなる。具体的には、照明装置100の外部から送信され、拡散カバー140を通過した赤外光は、光拡散部164において拡散されることで、受光部75への到達可能性が向上する。つまり、外部から送信された赤外光が、導光板160によって全反射される可能性が低減する。従って、導光板160の裏側に受光部75を配置する場合、正面視において光拡散部164と重複する位置に受光部75を配置することで、受光部75による受光の確実化を図ることができる。
なお、導光板160の前面部166における光制御部167及び光拡散部164の位置は逆であってもよい。つまり、前面部166の前面166aに光制御部167を設け、前面部166の裏面166bに光拡散部164を設けてもよい。この場合であっても、常夜灯71から出射された光は光拡散部164で拡散されるため、常夜灯71が点灯する場合におけるドット状の陰影の発生は抑制される。また、この場合、光制御部167は、複数の凹部または凸部を有することで、外部への光取出し効率を向上させる光取出し部として機能させることができる。
ここで、導光板160は、入射部161と前面部166とを接続する湾曲部165を有することで、本体部110に平置きれた光源部20からの光を、前方に向けて配置された(法線方向を前後方向に平行な姿勢にされた)前面部166から外部に放出することができる。しかし、湾曲部165は、光が放出されにくい部分であるため、天井に配置された照明装置100を下方から見上げた場合、湾曲部165が、照明装置100の照明光の放出領域における暗部として認識されるおそれがある。
そこで、導光板160は、その暗部を解消するための光取出し部を備えることができる。この光取出し部について、図6~図8を用いて説明する。
図6は、実施の形態に係る導光板160における光取出し部180の配置例を示す平面図である。図7は、実施の形態に係る光取出し部180の形状の一例を示す断面図であり、図8は、実施の形態に係る光取出し部180の形状の別の一例を示す断面図である。
図6~図8に示すように、導光板160の湾曲部165の外側面には、凸形状(図7)または凹形状(図8)の光取出し部180を設けることができる。
具体的には、図6~図8に示すように、光取出し部180は、導光板160の入射部161を挟んで、複数の発光素子21と反対側の位置において、入射部161の延設方向に連続して設けられている。本実施の形態では、入射部161は、環状に配置された複数の発光素子21に対応して環状に配置されており、光取出し部180も、導光板160を、前面166aの側から見た場合(つまり、平面視)において、導光板160に環状に設けられている。
より詳細には、光取出し部180は、図7に示すように、導光板160の湾曲部165の外側面から凸形状の環状凸部181として実現することができる。環状凸部181は、光源部20の光軸、つまり、発光素子21の光軸Laに対して直交する平面部181aを有している。これにより、湾曲部165を通過しようとする光のうち、光取出し部180(環状凸部181)に到達した光の少なくとも一部は、平面部181aから前方へ向けて放出される。これにより、湾曲部165が暗部として視認される可能性が低減される。
また、光取出し部180は、図8に示すように、導光板160の湾曲部165の外側面から凹形状の環状凹部182として実現することができる。環状凹部182は、光源部20の光軸、つまり、発光素子21の光軸Laに対して直交する平面部182aを有している。これにより、湾曲部165を通過しようとする光のうち、光取出し部180(環状凹部182)に到達した光の少なくとも一部は、平面部182aから前方へ向けて放出される。これにより、湾曲部165が暗部として視認される可能性が低減される。
なお、光取出し部180の断面形状は、図7及び図8に示される形状には限定されない。例えば、半円状の凸部若しくは凹部、または、V字状の凸部若しくは凹部等、各種の断面形状の凸部または凹部によって光取出し部180を実現することができる。
また、導光板160を、例えば樹脂材料を射出成形することで作製する場合、射出成形に用いる金型によって、光取出し部180を一体に備える導光板160を作製することができる。なお、光取出し部180は、導光板160と一体に形成される必要はなく、例えば、別部材として作製された光取出し部180が、嵌合、接着、または溶着等によって導光板160に取り付けられてもよい。
[6.効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置100は、発光素子21と、発光素子21が出射した光が入射される入射部161、及び、入射部161から入射された光を放出する前面166aを形成する前面部166を有する導光板160とを備える。入射部161は、発光素子21が出射した光の一部が入射される第一入射面162aであって、入射された光を、導光板160の前面部166に向かわせる第一入射面162aと、発光素子21が出射した光の一部が入射される第二入射面163aであって、入射された光を、入射部161で拡散させて外方に放出させる第二入射面163aと、を有する。
この構成によれば、導光板160は、端部の入射部161に入射した1つの発光素子21からの光を、前面166aまで導いて放出することができ、かつ、入射部161で拡散して外部に放出することができる。つまり、本実施の形態に係る導光板160は、発光素子21からの光を用いて、疑似的な面光源を前面166aに形成し、かつ、端部の入射部における少なくとも一部を発光させることができる。これにより、平面視における照明装置100の比較的に広い範囲から放出される光の均一化が図られる。また、導光板160のみで、放出する光の均一化の効果を得ることができるため、照明装置100の薄型化が可能である。このように、本実施の形態に係る照明装置100は、薄型化が可能で、放出する光の均一性を向上することができる。
また、本実施の形態に係る照明装置100は、さらに、発光素子21及び導光板166を覆い、入射された光を拡散して放出する拡散カバー140を備える。
この構成によれば、導光板160から放出される光は、拡散カバー140による拡散を経て照明光として放出されるため、照明装置100から放出される光の均一性がさらに向上する。また、導光板160そのものが光の拡散機能を有しているため、拡散カバー140と導光板160との距離を小さくした場合であっても、発光素子21が輝点として視認される可能性は低い。従って、拡散カバー140を備える照明装置100であって、薄型の照明装置100を構成することができる。
また、照明装置100において、第一入射面162a及び第二入射面163aの一方は、発光素子21から出射された光のうちの当該一方に入射される割合が、他方に入射される割合よりも高くなる位置または形状に形成されている。
この構成によれば、平面視において、照明装置100の中央部から出射される照明光と、照明装置100の外周部から出射される照明光の明るさのバランスを、例えば、照明装置100に要求される仕様に応じて調整することができる。
本実施の形態では、図4に示すように、第一入射面162aは、発光素子21から出射された光のうちの第一入射面162aに入射される割合が、第二入射面163aに入射される割合よりも高くなる位置及び形状に形成されている。より具体的には、発光素子21の正面に第一入射面162aが位置しており、これにより、発光素子21から出射された光は、主として第一入射面162aに入射する。また、SMD型のLED素子である発光素子21の配光角は、例えば120°程度であり、発光素子21から斜め前方(正面視における側方)にも光が出射される。従って、正面視において第一入射面162aの側方に位置する第二入射面163aにも、発光素子21から出射された光が入射され、第二入射面163aに入射された光は、第二入射部163において拡散され外部に放出される。従って、導光板160からは、拡散カバー140の外周部の方向にも光が出射される。その結果、拡散カバー140の広い範囲において、放出する光の均一性が向上する。
また、本実施の形態に係る導光板160では、入射部161において、第一入射面162aを有する第一入射部162と、第二入射面163aを有する第二入射部163とが一体化されている。
この構成によれば、第一入射部162と第二入射部163とが一体化されているため、例えば、第一入射部162と第二入射部163とが別体である場合に生じる、第一入射部162と第二入射部163との境界面による光のロス等の問題が生じない。また、導光板160を、第一入射部162及び第二入射部163を含む1つの部材として扱うことができるため、例えば、照明装置100の部品点数の削減または製造効率の向上が図られる。
また、本実施の形態に係る導光板160において、入射部161は、導光板160を前面166aの側から見た場合において、前面部166を囲む環状に形成されており、発光素子21は、入射部161に対向する位置に複数並んで配置されている。
この構成によれば、照明装置100を、図1及び図2に示すような、例えばシーリングライトと呼ばれる照明装置として実現することができる。なお、本実施の形態では、複数の発光素子21、入射部161及び光取出し部180は、円環状に配置されているが、これらの構成要素は、例えば、角環状など、多角形の環状に配置されていてもよい。また、当該環状の形状は、全周において完全に連続している必要はない、例えば、入射部161は、互い分離された部分が間隔をあけて並べられることで、全体として環状と認識されるレイアウトで配置されていてもよい。この場合、複数の発光素子21及び光取出し部180は、分離して配置された入射部161に対応して、互いに分離した部分の配列で構成されてもよい。
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る照明装置について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、実施の形態に係る照明装置100は、平面視における形状が円形であるが、照明装置100の形状に特に限定はない。例えば、照明装置100は、平面視における形状が矩形などの多角形、十字形または星形などであってもよく、直線と曲線とが組み合わされた形状であってもよい。例えば、照明装置100の平面視における形状が矩形である場合、複数の発光素子21の配列形状及び導光板160の外形も矩形または矩形に近い形状にすることで、矩形の拡散カバー140の広い範囲から光を放出させることができる。
また、照明装置100が拡散カバー140を備えることは必須ではない。導光板160は、前面部166が疑似的な面光源として機能し、さらに、第二入射部163等の他の疑似光源として機能する部位を有している。そのため、導光板160から出射される光を、そのまま照明光として用いることも可能である。この場合、拡散カバー140を備えないことで、照明装置100が放出する光の全光束を向上させることができる。
また、光源部20は、2重の環状の発光素子21の列を有してもよい。この場合、内周側の発光素子21の列を、第一入射面162a(図4参照)に対向する位置に配置し、外周側の発光素子21の列を、第二入射面163a(図4参照)に対向する位置に配置してもよい。これにより、例えば、導光板160から拡散カバー140のより広い範囲に、より大きな光量の光を放出することができ、その結果、照明装置100が放出する光の均一性の向上と、全光束の向上とが図られる。
また、光源部20が有する複数の発光素子21は環状に並べられている必要はない。複数の発光素子21は、環状ではない1つの直線または曲線のみに沿って並べられてもよい。例えば、複数の発光素子21が直線状に並べられる場合、矩形の導光板の1つの辺に沿って設けられた入射部を、複数の発光素子21に対向させて配置してもよい。この場合、外観上、複数の発光素子21の並び方向に長尺状の照明装置が構成されてもよい。
また、本実施の形態では、複数の発光素子21からの光によって、平面視における照明装置100の中央部に疑似的な面光源が形成されるように、導光板160が形成されている。しかし、平面視における照明装置の外周側に疑似的な面光源が形成されるように、導光板が形成されてもよい。例えば、環状に並べられた複数の発光素子21に対向する端面と、平面視において複数の発光素子21の外側に位置し、かつ前方に向けられた前面とを有する導光板が照明装置に採用されてもよい。この場合であっても、導光板の入射部が、上記の第二入射部163のような、発光素子21が出射する光の一部を拡散して放出する部分を有することで、照明装置100が放出する光の均一性は向上される。
また、発光素子21は、SMD型のLED素子であるとしたが、これに限定されない。例えば光源部20は、発光素子21としてのLEDチップを基板25に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、波長変換材を含有する封止部材によって、基板25上に実装された複数のLEDチップを一括に封止、または、個別に封止することで、所定の色温度の照明光を得ることができる。
また、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)もしくは無機EL等のEL素子等の他の種類の固体発光素子が、発光素子21として採用されてもよい。
その他、上記実施の形態及びその変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、及び、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及びその変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。