以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
また、以下の実施の形態及び特許請求の範囲において、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交する、とは、当該2つの方向がなす角が完全に90°と一致することを意味するだけでなく、実質的に直交すること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。また、「前方」とは、照明装置の主たる光の放出方向を示し、本実施の形態では、Z軸プラス側の方向である。つまり、例えば基板の前面とは、基板における複数の発光素子が配置された面である。また、例えば基板の背面とは前面の裏側の面である。また、「側方」とは、前後方向に直交する方向である。
(実施の形態)
[1.照明装置の基本構成]
まず、図1及び図2を参照しながら、実施の形態に係る照明装置100の基本構成について説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置100の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明装置100の分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明装置100の構成概要を示す断面図である。具体的には、図3では、図1のIII-III線を通るYZ平面における照明装置100の断面が簡易的に図示されている。また、図3では、発光素子21については、III-III線の位置に配置された1つの発光素子21のみが側面が図示されている。
図1に示すように、本実施の形態の照明装置100は、例えばシーリングライトと呼ばれる、天井に取り付けられる照明装置である。なお、図1における下方(Z軸マイナスの方向)が、天井が存在する方向である。つまり、図1及び以降の図では、照明装置100は、通常の使用時とは上下が逆の姿勢で図示されている。
本実施の形態に係る照明装置100は、器具本体110と、器具本体110に取り付けられた光源部20と、光源部20の前方に配置された導光板160と、光源部20及び導光板160を覆う拡散カバー140とを備える。
光源部20は、基板群25と、基板群25の前面に配置された複数の発光素子21とを有する。導光板160は、光源部20から光が入射される端面を形成する入射部161と、入射部161から入射された光を放出する側面166aを形成する側面部166とを有する。拡散カバー140は、光源部20及び導光板160を覆い、導光板160から放出される光を拡散して外部に放出する。
[2.器具本体]
図4は、実施の形態に係る器具本体110及び光源部20の概略構成を示す斜視図である。図5は、実施の形態に係る器具本体110及び光源部20の概略構成を示す断面図である。具体的には、図5は、図4におけるV-V線を含む切断面を見た断面図である。図6は、実施の形態に係る器具本体110及び光源部20の概略構成を示す断面図である。具体的には、図6は、図4におけるVI-VI切断面を見た断面図である。なお、図5では図示していないが、図6では拡散カバー140を図示している。
図4~図6に示すように、器具本体110は、円盤状に形成されており、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金を用いて作製された部材である。具体的には、器具本体110は、光源部20及び導光板160を保持する第一器具体116と、回路基板50を保持する第二器具体117とを備えている。第二器具体117は、第一器具体116に対して組み付けられている。
第一器具体116は、板金により形成さfれた単一の部材である。第一器具体116の内周部118は、環状の平板状に形成されている。内周部118の中央部には、円形状の開口部113が形成されており、開口部113から略円筒状の支持部102が露出する。また、内周部118における開口部113の側方には、器具本体110の背面側に配置された筒体70の先端部が挿入される開口部114が形成されている。内周部118の前面には、導光板160の裏面に当接または近接し、導光板160から漏れた光を導光板160に再入射させる反射部112が設けられている。反射部112は、例えば、光反射性を有する反射シートである。なお、反射部112は、第一器具体116の前面に対して、光反射率が高い白色塗料が塗布又は反射性金属材料が蒸着されることで形成された反射層であってもよい。
内周部118の周囲には、内周部118よりも後方に凹んだ外周部115が形成されている。具体的には、外周部115は、傾斜部1151と、平板部1152と、リブ部1153とを備えている。
傾斜部1151は、内周部118から後方に向けて連続的に傾斜した環状の部位である。平板部1152は、傾斜部1151の外周縁から外方に向けて略平板状に延設された環状の部位である。平板部1152の前面には光源部20及び導光板160が固定されている。具体的には、平板部1152には、ネジ119(図6参照)によって光源部20及び導光板160が係止されている。光源部20及び導光板160の固定については、後述する。
平板部1152には、光源部20を位置決めするための複数のボス部1154が形成されている。複数のボス部1154は、周方向に所定の間隔をあけて4つ設けられている。ボス部1154は、平板部1152の内周側の端部に設けられている。ボス部1154は、平板部1152の前面から前方に向けて突出している。また、ボス部1154の外周側の端部は外方に向けて凸となるように湾曲している。
また、複数のボス部1154のうち、一つのボス部1154には貫通孔1155が形成されている。図7は、実施の形態に係る貫通孔1155を有するボス部1154を拡大して示す斜視図である。図8は、実施の形態に係る貫通孔1155を有するボス部1154の断面を示す斜視図である。図8は、図7におけるVIII-VIII切断面を見た断面斜視図である。
図7及び図8に示すように、貫通孔1155は、ボス部1154の外周側の端部に対して形成されている。ボス部1154には、貫通孔1155の全周にわたって背面側に折り曲げられた折り曲げ部1156が形成されている。この折り曲げ部1156によって、貫通孔1155の周囲の強度が高められている。
また、図4に示すように、平板部1152には、拡散カバー140を着脱自在に器具本体110に係止するための複数の係止部111a、111bが配置されている。複数の係止部111a、111bは、周方向に所定の間隔をあけて6つ設けられている。複数の係止部111a、111bのうち、3つの係止部111aは拡散カバー140を固定するための固定部材である。係止部111aは、拡散カバー140が周方向に回転されることで、当該拡散カバー140の外周縁にある被係止片(図示省略)が進入し嵌まることで、当該被係止片を係止する。また、残りの3つの係止部111bは、周方向に回転された拡散カバー140をガイドするガイド部材である。係止部111aは、係止部111bよりも高さ方向(Z軸方向)の大きさが大きい形状となっている。
リブ部1153は、平板部1152の外周縁から前方に向けて立設された筒状の部位である。このリブ部1153によって、第一器具体116の剛性が高められている。
第二器具体117は、図2、図3、図5及び図6に示すように、第一器具体116の背面側に配置された環状の部材である。第二器具体117は、板金により形成された単一の部材である。第二器具体117は、器具本体110の背面に固定されている。
第二器具体117は、内周部1171と外周部1172とが、その間の中間部1173よりも前方に突出した断面形状となっている。この第二器具体117の中間部1173は、平板状に形成されている。第二器具体117の中間部1173の前面には、回路基板50が配置されている。回路基板50は複数の回路部品で構成された電源回路61及び制御回路62を有する基板であり、図示しない電線を介して光源部20への電力供給、並びに点灯、消灯、調光、及び調色などの制御を行う。回路基板50の一部には、常夜灯71及び受光部75が内部に配置された筒体70が配置されている。受光部75は、照明装置100の制御のための赤外光を受光する装置である。
第二器具体117の内周部1171の内側には、照明装置100を、天井に設けられたソケットに取り付けるためのアタッチメント30を支持する支持部102が配置されている。支持部102の前方には、器具本体110の開口部113及び導光板160の開口部168が配置される。そのため、ユーザは、第一器具体116に対して着脱自在に取り付けられた拡散カバー140を外すことで、開口部168及び開口部113を介して、アタッチメント30にアクセスすることができる。これにより、ユーザは、照明装置100を、天井に配置されたソケットに取り付けること、及び、ソケットから取り外すことができる。
筒体70の前方には、第一器具体116の開口部114が配置されており、受光部75は、リモコンから送信された赤外光を、第一器具体116に遮断されることなく受光することができる。
第二器具体117の外周部1172は、平板状に形成されており、中間部1173よりも前方に突出している。外周部1172は、第一器具体116の平板部1152において内周部分の背面に対して重ねられて固定されている。これにより、第二器具体117は、平面視において、第一器具体116の外縁の内側に収まるように配置されている。
[3.光源部]
図2~図8に示すように、光源部20は、基板群25と、基板群25に配置された複数の発光素子21を備える。なお、本実施の形態において、基板群25は、円環状に並べられた互いに別体の4枚の基板251が電気的に接続されることで構成されている。各基板251は弧状に形成されており、これらが前方から見た場合に円環状となるように、第一器具体116の平板部1152の前面に配置されている。平面視において、各基板251の内方には、回路基板50が配置されている。これにより、各基板251と電源回路61とが平面視で重ならない配置関係となっている。つまり、電源回路61の直下または直上には、複数の基板251が配置されていないので、複数の基板251と電源回路61との伝熱経路を長くすることができる。したがって、光源部20及び電源回路61の相互の熱的な影響を抑制することができる。
また、各基板251には、複数の発光素子21が弧状に配置されている。このため、複数の発光素子21は、全体として円環状に配置されている。
図9は、実施の形態に係る基板群25と、第二器具体117の外周縁とを示す平面図である。第二器具体117の外周縁とは、第二器具体117の外周部1172の外周縁である。図9では、第二器具体117の外周縁の外形線を破線L1で示している。図9に示すように、平面視において、第二器具体117は、複数の発光素子21のうち、半分以上の発光素子21に対して重ならない形状を有している。このため、第二器具体117に対して平面視で重なっていない発光素子21からの熱は、重なっている場合と比べても第二器具体117に対して伝わりにくくなる。したがって、第二器具体117は、発光素子21からの熱の影響が抑制されることとなっている。
図10は、実施の形態に係る基板群25と、第二器具体117の外周縁との他の例を示す平面図である。図10の破線L2に示すように、平面視において、第二器具体117は、複数の発光素子21のうち、全ての発光素子21に対して重ならない形状を有している。このため、全ての発光素子21からの熱は、第二器具体117に対して伝わりにくくなる。したがって、第二器具体117は、発光素子21からの熱の影響がより抑制されることとなっている。
基板251は、導体パターン(金属配線)が設けられたプリント基板である。このような基板251としては、例えば、CEM3(Composite epoxy material-3)基板等のガラスコンポジット基板、樹脂基板、セラミック基板、紙フェノール基板、またはメタルベース基板等が採用される。
また、図7及び図9に示すように、各基板251の両端部における内周縁には、凹曲線状に切り欠かれた切欠252が形成されている。複数の基板251のうち、隣り合う基板251の境界部分には、各基板251の切欠252が連続して並ぶことにより一つの凹部253を形成している。各凹部253は、各基板251がなす全ての境界部分に設けられている。
凹部253は、外方に向けて凹んだ凹形状となっている。凹部253には、ボス部1154が係合する。このように、基板群25の内周縁に設けられた凹部253に対して、ボス部1154が係合することで、第一器具体116の所定の位置に基板群25が位置合わせされる。
また、基板251は、図6に示すように、第一器具体116の平板部1152と、導光板160のフランジ169とによって挟まれた状態で保持されている。具体的には、平板部1152と、フランジ169とはネジ119によって固定されており、基板251は、平板部1152とフランジ169とによって単に挟持されている。
ここで、発光素子21の熱を起因として各基板251が熱膨張する際には、各基板251は外方に向けて広がろうとする。上述したように、基板251は、平板部1152とフランジ169とによって挟持されているだけであるため、平板部1152に沿う熱変形はある程度許容されている。このとき、基板群25の内周縁に設けられた凹部253に対してボス部1154が係合しているために、各基板251の広がりをボス部1154が阻害しない。したがって、各基板251における切欠252(凹部253)に対しては応力が集中しにくくなっている。
特に、基板251の熱変形は、その両端部で顕著であるが、当該両端部に設けられた凹部253に対してボス部1154が係合しているために、両端部の熱変形を許容しやすくすることができる。さらに、凹部253の凹形状を、ボス部1154における外周側の端部の凸形状に対して沿うような形状とすれば、基板251の両端部の熱変形をより許容しやすい。なお、凹部253は、基板251の端部以外の部分に設けられていてもよい。
また、各基板251には、各基板251を直列に電気的に導通するための複数の配線290が接続されている。具体的には、配線290は、電気部品の一例であり、基板251の端部に設けられたコネクタ291に対して接続されている。コネクタ291は、基板251の両端部のそれぞれに設けられている。配線290は、コネクタ291から、基板251上の導体パターンを介して各発光素子21に対して電力を供給する。各配線290は、隣り合う一対の基板251の境界部分に対して設けられている。具体的には、各配線290は、各ボス部1154に対して平面視で重なるように配置されている。例えば、貫通孔1155を有するボス部1154に対応する配線290においては、ボス部1154に対して重なった状態で、貫通孔1155から器具本体110内に引き入れられて、電源回路61に対して電気的に接続されている(図7及び図8参照)。一方、貫通孔1155を有さないボス部1154に対応する各配線290は、当該ボス部1154に対して平面視で重なった状態で架け渡されており、隣り合う一対の基板251同士を電気的に接続している。
本実施の形態において、複数の発光素子21の各々は、例えばLEDチップがパッケージ化されたLED素子である。すなわち、光源部20の実装構造は、LEDチップがパッケージ化されたLED素子を各基板251上に実装したSMD(Surface Mount Device)構造である。なお、光源部20が有する複数の発光素子21は、例えば色温度が互いに異なる2種類の発光素子21を含んでいる。例えば、光源部20が有する複数の発光素子21が、色温度が高い発光素子21のグループ(第一グループ)と、色温度が低い発光素子21のグループ(第二グループ)とによって構成されてもよい。この場合、第一グループの発光素子21及び第二グループの発光素子21それぞれの明るさを調整すること、つまり調光制御することで、光源部20が発する光の色の調整、つまり、調色制御が行われてもよい。
このように構成された光源部20は、基板群25が、器具本体110の外周部115に当接した状態で配置されるため、複数の発光素子21が発する熱は、器具本体110によって効率よく外部に放熱される。
[4.拡散カバー]
図3に示すように、拡散カバー140は、光源部20及び導光板160を覆う部材であり、透光性を有する樹脂で形成されている。拡散カバー140は、例えば乳白色あり、光拡散粒子を分散させた樹脂材料を射出成形することで作製することができる。拡散カバー140は、各発光素子21からの光を拡散して外部に放出することができる。また、拡散カバー140は、内面または外面に、乳白色の光拡散層、または、複数の光拡散ドット若しくは微小凹凸(シボ)が形成されていることで光拡散機能を有してもよい。拡散カバー140は、上述のように、器具本体110の係止部111aに対して着脱自在に取り付けられる。
なお、本実施の形態では、拡散カバー140は前方から見た場合(以下、平面視ともいう。)において円形であり、かつ、Z軸方向の幅(厚み)が比較的に薄いという特徴を有している。
具体的には、本実施の形態では、複数の発光素子21のそれぞれが発する光は、直接的に、または、各発光素子21に配置されたレンズを介して拡散カバー140に届くのではなく、導光板160を介して面光源からの光として拡散カバー140に到達する。すなわち、複数の発光素子21のそれぞれが発する光は、導光板160による疑似的な面光源からの光として拡散カバー140に到達する。従って、図3において、導光板160の側面部166と拡散カバー140との間の最大距離をHaとし、光源部20と導光板160の側面部166との間の距離をHbとした場合、例えば、Ha<Hbとすることが可能である。つまり、拡散カバー140の内面と導光板160の側面部166との距離を縮めることで、拡散カバー140のZ軸方向の幅を小さすることが可能である。この場合であっても、拡散カバー140には、主として、導光板160に形成された疑似的な面光源からの光が入射するため、拡散カバー140を介して、複数の発光素子21それぞれに形成される輝点が視認されることが実質的に防止される。
[5.導光板]
導光板160は、光源部20が有する複数の発光素子21の各々からの光を、照明装置100の前方(Z軸プラス側の方向)の空間に導くための光学部材であり、透光性を有する材料(例えば透明のアクリル樹脂等)で形成されている。図2、図3、図5及び図6に示すように、導光板160は、光源部20が出射した光が入射される入射部161、及び入射部161から入射された光を放出する側面部166を有している。導光板160はさらに、入射部161及び側面部166の間において光の進路を変更させる、外向きに凸の湾曲部165を有している。また、導光板160は、入射部161の外方において、外方に張り出したフランジ169を有している。フランジ169は、上述したように、ネジ119を介して、第一器具体116の平板部1152に対して保持されている。これにより、フランジ169は、平板部1152とで基板251を挟持している。
入射部161は、光源部20が出射した光が入射される端面である第一入射面162aを有している。側面部166は、光源部20からの光の出射方向(Z軸プラス側の方向)に直交する平面状の部分である。側面部166は、光の出射面である側面166aと、側面166aの反対側の面である裏面166bとを有している。入射部161は、導光板160を側面166aの側から見た場合において、側面部166を囲む環状に形成されており、発光素子21は、入射部161に対向する位置に複数並んで配置されている。
ここで、照明装置100の調色制御において、例えば、暖色系の照明光を放出させる場合、実質的に、色温度が低い発光素子21のグループ(第二グループ)の発光素子21のみが点灯する状態も生じ得る。この場合であっても、第二グループの発光素子21が、環状に並べられた発光素子21の列において、略等間隔で並べられていれば、導光板160から放出される照明光において、第二グループの発光素子21のみが点灯することによる輝度ムラは抑制される。つまり、導光板160により形成される疑似的な面光源によれば、光源である発光素子21が点在することによる輝度ムラが生じ難く、また、各々が点光源である発光素子21が輝点として観察され難い。また、導光板160によれば、比較的に少ない数の発光素子21で疑似的に面光源を作り出すことができるため、製造コストの抑制、または、製造工程の簡易化等が図られる。
このように構成された導光板160について、図11~図15を参照しながらさらに説明する。まず、図11及び図12を用いて導光板160の基本構成について具体的に説明する。図11は、実施の形態に係る導光板160の入射部161及び側面部166の詳細を説明するための拡大断面図である。なお、図11における断面の位置は、図3における断面の位置に準ずる。図12は、実施の形態に係る導光板160における光拡散部164の配置例を示す分解斜視図である。なお、図11及び図12では、拡散カバー140の図示は省略されている。
図11に示すように、導光板160の入射部161は、第一入射面162a及び第二入射面163aを有している。第一入射面162aは、発光素子21が出射した光の一部が入射される端面であって、入射された光を、導光板160の側面部166に向かわせる端面である。第二入射面163aは、発光素子21が出射した光の一部が入射される端面であって、入射された光を、入射部161で拡散させて外方に放出させる端面である。
つまり、本実施の形態に係る入射部161は、入射された光を、照明光の主たる出射領域である側面部166に向かわせる光入射面としての機能と、外方かつ側方(図11におけるY軸プラス側)に拡散して放出する拡散レンズとしての機能とを有する。
より詳細には、入射部161は、図11に示すように、第一入射面162aを有する第一入射部162と、第二入射面163aを有する第二入射部163とを有する。本実施の形態では、第一入射部162と第二入射部163とは一体化されている。つまり、導光板160を、例えば樹脂材料を射出成形することで作製する場合、射出成形に用いる金型によって、第一入射部162と第二入射部163とが一体化された入射部161を成形することができる。
このように構成された入射部161において、発光素子21は、例えば光軸Laが第一入射面162aを通過する位置に配置される。言い換えると、入射部161は、第一入射面162aと発光素子21の光軸Laとが交わる位置に配置される。つまり、発光素子21から出射される光は主に第一入射面162aに入射され、側面部166から出射される照明光として利用される。また、図11において、発光素子21から出射され、右方向に向かう光は、第二入射面163aに入射し、第二入射部163によって拡散されて放出される。これにより、拡散カバー140における、導光板160と対向しない端部(図3参照)に向けて光を放出することができ、その結果、外観上、拡散カバー140の端部も光らせることができる。このことは、照明装置100が放出する光の均一性の向上に寄与する。
なお、拡散カバー140の外周部により光を集めたい場合などにおいて、発光素子21から出射される光が、主に第二入射面163aに入射されてもよい。つまり、第一入射面162a及び第二入射面163aの一方は、発光素子21から出射された光のうちの当該一方に入射される割合が、他方入射される割合よりも高くなる位置または形状に形成されていてもよい。これにより、平面視において、照明装置100の中央部から放出される照明光と、照明装置100の外周部から放出される照明光の明るさのバランスを、例えば、照明装置100に要求される仕様に応じて調整することができる。
また、第一入射部162と第二入射部163とが一体化されていることは必須ではなく、第一入射部162と第二入射部163とは別体であってもよい。例えば、第一入射部162を有する導光板160の外周に、環状に形成された第二入射部163を、嵌合、接着または溶着などで接続することで、第一入射部162と第二入射部163とを有する入射部161が形成されてもよい。
また、本実施の形態では、導光板160は、側面部166に設けられた開口部168を有し、開口部168の周縁には、図3に示すように、テーパ面168aが形成されている。テーパ面168aは、拡散カバー140に近づくほど開口部168の中心から遠ざかる向きに傾いて形成されている。
開口部168は、照明装置100の外部から、照明装置100の中央部分に配置されたアタッチメント30にアクセスするめに必要な部分であるが、導光板160における非発光領域となるため、平面視において暗部として観察される可能性がある。そこで、本実施の形態では、開口部168の周縁にテーパ面168aを設けることで、テーパ面168aから、照明装置100の中央かつ前方に向けて光が放出される。その結果、照明装置100の中央部が暗部として観察される可能性が低減される。
また、本実施の形態では、図11に示すように、導光板160の側面部166の裏面166bには、複数の凹部167aが並べられることで形成された光制御部167が設けられている。つまり、光制御部167は、導光板160の内部において裏面166bに到達した光の一部の方向を、凹部167aによって側面166aに向けることができる。これにより、導光板160の側面166aからの光の取り出し効率が向上する。具体的には、本実施の形態では、側面部166の裏面166bの略全域に光制御部167が設けられている。複数の凹部167aは、例えば、裏面166bにレーザ光を照射することで形成される。また、導光板160の作製に用いる金型によって、複数の凹部167aが形成されてもよい。また、複数の凹部167aではなく、複数の凸部が並べられることで形成された光制御部167が、裏面166bに設けられてもよい。
また、本実施の形態では、側面部166の裏面166bの略全域に対向する位置に、器具本体110の反射部112が配置されている(図2及び図5参照)。そのため、側面部166の裏面166bから外部に漏れた光を、反射部112によって側面部166に再入射させることができる。このことによっても、導光板160の側面166aからの光の取り出し効率を向上させることができる。
ここで、光制御部167が裏面166bに設けられている場合、裏面166bの直下(通常の使用時では直上)に位置する常夜灯71(図12参照)の点灯時に、光制御部167によりドット状の陰影が拡散カバー140に形成される場合がある。なお、常夜灯71は、光源部20を第一光源部とした場合における第二光源部の一例である。
具体的には、常夜灯71が点灯する場合は、光源部20は消灯しているため、導光板160に入射される光は常夜灯71が発する光のみである。また、上述のように、本実施の形態に係る照明装置100では、拡散カバー140の内面と導光板160との距離を小さくすることが可能であるため、拡散カバー140は導光板160の側面部166に比較的近い位置に配置される。この状態で、常夜灯71が点灯した場合、裏面166bに設けられた光制御部167に、外側から常夜灯71の光が入射して側面166aを通過して拡散カバー140に到達する。このとき、光制御部167には、複数の凹部167a(または凸部)が並んで設けられているため、その凹凸形状が目立ちやすい。具体的には、その凹凸形状に応じたドット状の陰影が拡散カバー140に生じやすい。そこで、本実施の形態では、導光板160の、常夜灯71に対向する位置に、光拡散部164を設けている。つまり、導光板160を側面166aの側から見た場合に、常夜灯71と重複する位置に光拡散部164が設けられている。本実施の形態では、導光板160の側面166aの一部にシボ加工を施すことで、光拡散部164が形成されている。これにより、光制御部167を通過した光は光拡散部164によって拡散され、その結果、拡散カバー140において、常夜灯71が発する光に起因するドット状の陰影は生じ難くなる。また、光源部20は、導光板160の入射部161に対向して配置されるため、導光板160の裏面166bに対向して配置される常夜灯71の配置位置の自由度は高い。
なお、本実施の形態では、常夜灯71は、図12に示すように筒体70の内部に配置されており、導光板160には、筒体70の上部開口に対向する領域に、光拡散部164が設けられている。この光拡散部164は、照明装置100における通常の点灯時(つまり、光源部20が光を出射している状態)では、目立ち難く、さらに、拡散カバー140で覆われるため、外観上の問題は実質的には生じない。また、光拡散部164は、裏面166bに形成された微小な凹凸で形成される必要はない。例えば、光拡散粒子を含有する樹脂層である光拡散層が、裏面166bにおける常夜灯71と対向する位置に配置されることで、光拡散部が形成されてもよい。
また、本実施の形態では、導光板160を側面166aの側から見た場合に、光拡散部164と重複する位置に照明装置100を操作するための外部機器から送信される光を受ける受光部75が配置されている。受光部75は、例えば、照明装置100を操作するための専用リモコンから送信される赤外光を受光する。受光部75は受光した赤外光に応じた信号を回路基板50(図12参照)に送信し、回路基板50は当該信号に応じて光源部20の点灯、消灯、調光、及び調色などの制御を行う。受光部75が、導光板160の光拡散部164の裏側に存在することで、受光部75は赤外光を受光しやすくなる。具体的には、照明装置100の外部から送信され、拡散カバー140を通過した赤外光は、光拡散部164において拡散されることで、受光部75への到達可能性が向上する。つまり、外部から送信された赤外光が、導光板160によって全反射される可能性が低減する。従って、導光板160の裏側に受光部75を配置する場合、正面視において光拡散部164と重複する位置に受光部75を配置することで、受光部75による受光の確実化を図ることができる。
なお、導光板160の側面部166における光制御部167及び光拡散部164の位置は逆であってもよい。つまり、側面部166の側面166aに光制御部167を設け、側面部166の裏面166bに光拡散部164を設けてもよい。この場合であっても、常夜灯71から出射された光は光拡散部164で拡散されるため、常夜灯71が点灯する場合におけるドット状の陰影の発生は抑制される。また、この場合、光制御部167は、複数の凹部または凸部を有することで、外部への光取出し効率を向上させる光取出し部として機能させることができる。
ここで、導光板160は、入射部161と側面部166とを接続する湾曲部165を有することで、第一器具体116に平置きされた光源部20からの光を、前方に向けて配置された(法線方向を前後方向に平行な姿勢にされた)側面部166から外部に放出することができる。しかし、湾曲部165は、光が放出されにくい部分であるため、天井に配置された照明装置100を下方から見上げた場合、湾曲部165が、照明装置100の照明光の放出領域における暗部として認識されるおそれがある。
そこで、導光板160は、その暗部を解消するための光取出し部を備えることができる。この光取出し部について、図13~図15を用いて説明する。
図13は、実施の形態に係る導光板160における光取出し部180の配置例を示す平面図である。図14は、実施の形態に係る光取出し部180の形状の一例を示す断面図であり、図15は、実施の形態に係る光取出し部180の形状の別の一例を示す断面図である。
図13~図15に示すように、導光板160の湾曲部165の外側面には、凸形状(図14)または凹形状(図15)の光取出し部180を設けることができる。
具体的には、図14~図15に示すように、光取出し部180は、導光板160の入射部161を挟んで、複数の発光素子21と反対側の位置において、入射部161の延設方向に連続して設けられている。本実施の形態では、入射部161は、環状に配置された複数の発光素子21に対応して環状に配置されており、光取出し部180も、導光板160を、側面166aの側から見た場合(つまり、平面視)において、導光板160に環状に設けられている。
より詳細には、光取出し部180は、図14に示すように、導光板160の湾曲部165の外側面から凸形状の環状凸部181として実現することができる。環状凸部181は、光源部20の光軸、つまり、発光素子21の光軸Laに対して直交する平面部181aを有している。これにより、湾曲部165を通過しようとする光のうち、光取出し部180(環状凸部181)に到達した光の少なくとも一部は、平面部181aから前方へ向けて放出される。これにより、湾曲部165が暗部として視認される可能性が低減される。
また、光取出し部180は、図15に示すように、導光板160の湾曲部165の外側面から凹形状の環状凹部182として実現することができる。環状凹部182は、光源部20の光軸、つまり、発光素子21の光軸Laに対して直交する平面部182aを有している。これにより、湾曲部165を通過しようとする光のうち、光取出し部180(環状凹部182)に到達した光の少なくとも一部は、平面部182aから前方へ向けて放出される。これにより、湾曲部165が暗部として視認される可能性が低減される。
なお、光取出し部180の断面形状は、図14及び図15に示される形状には限定されない。例えば、半円状の凸部若しくは凹部、または、V字状の凸部若しくは凹部等、各種の断面形状の凸部または凹部によって光取出し部180を実現することができる。
また、導光板160を、例えば樹脂材料を射出成形することで作製する場合、射出成形に用いる金型によって、光取出し部180を一体に備える導光板160を作製することができる。なお、光取出し部180は、導光板160と一体に形成される必要はなく、例えば、別部材として作製された光取出し部180が、嵌合、接着、または溶着等によって導光板160に取り付けられてもよい。
また、図8に示すように、導光板160の湾曲部165の内方には、ボス部1154と、当該ボス部1154に重なった配線290が配置されている。これにより、平面視においては、湾曲部165、ボス部1154及び配線290が重なっている。ボス部1154及び配線290は、光を遮って暗部を発生させる一因にもなりうるが、湾曲部165内に配置されていることで、光に当たりにくくなる。したがって暗部も生じにくい。さらに、ボス部1154及び配線290が重なって配置されていることで、暗部発生の一因となる部材同士をまとめて配置することができる。したがって、暗部が発生したとしてもその暗部の面積を小さくすることができる。また、湾曲部165内のデットスペースに対して、ボス部1154及び配線290を配置することができ、スペースを有効活用することも可能である。また、貫通孔1155を有するボス部1154では、貫通孔1155を介して配線290を器具本体110の内部に引き込むことができるために、器具本体110外に配置される配線290を抑制することができる。これにより暗部の一因となる配線290の露出量を抑制することができ、結果的に暗部の発生を抑制することができる。
なお、電気部品の一例であるコネクタ291においても、暗部を発生させる一因となりうる。しかし、本実施の形態では、コネクタ291も湾曲部165の内方で、当該湾曲部165に平面視で重なる位置に配置されているために、コネクタ291を起因とした暗部の発生を抑制することが可能である。
また、電気部品の一例である常夜灯71及び受光部75の少なくとも一方が、湾曲部165の内方で、当該湾曲部165に平面視で重なる位置に配置されていてもよい。具体的には、図6に示す二点鎖線の位置に常夜灯71及び受光部75の少なくとも一方が配置されていればよい。常夜灯71及び受光部75は、暗部を発生させる一因となりうるが、これらが湾曲部165の内方で、当該湾曲部165に平面視で重なる位置に配置されていれば、常夜灯71及び受光部75の少なくとも一方を起因とした暗部の発生を抑制することが可能である。
[6.効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る照明装置100は、それぞれ複数の発光素子21が実装された複数の基板251を有する光源部20と、光源部20を保持する器具本体110とを備え、複数の基板251は、器具本体110に対して略環状に配置されており、複数の基板251のうち、少なくとも1つの基板251の内周縁には、外方に向けて凹んだ凹部253が形成されており、器具本体110には、凹部253に係合するように突出したボス部1154が形成されている。
ここで、発光素子21の熱を起因として各基板251が熱膨張する際には、各基板251は外方に向けて広がろうとする。このとき、基板251に設けられた凹部253に対してボス部1154が係合しているために、基板251の広がりをボス部1154が阻害しない。したがって、基板251における凹部253に対しては応力が集中しにくくなっている。これにより、発光素子21からの熱を起因とした基板251の応力集中を抑制することができる。
また、凹部253は、複数の基板251のうち、隣り合う一対の基板251の境界部分に対して設けられている。
基板251の熱変形は、その両端部で顕著であるが、当該両端部に設けられた凹部253に対してボス部1154が係合しているために、両端部の熱変形を許容しやすくすることができる。したがって、発光素子21からの熱を起因とした基板251の応力集中をより抑制することができる。
また、照明装置100は、基板251に対して電力を供給する配線290を有し、配線290は、ボス部1154に対して重なるように配置されている。
ボス部1154及び配線290は、光を遮って暗部を発生させる一因にもなりうる。しかしながら、ボス部1154及び配線290が重なって配置されていることで、暗部発生の一因となる部材同士をまとめて配置することができる。したがって、暗部が発生したとしてもその暗部の面積を小さくすることができる。
また、ボス部1154には、配線290を器具本体110内に引き入れるための貫通孔1155が形成されている。
これによれば、貫通孔1155を介して配線290を器具本体110の内部に引き込むことができるので、器具本体110外に配置される配線290を抑制することができる。これにより暗部の一因となる配線290の露出量を抑制することができ、結果的に暗部の発生を抑制することができる。
また、照明装置100は、光源部20から出射され、端面から入射された光を、前方に向けられた側面166aから放出する導光板160を備え、導光板160は、端面(第一入射面162a)を形成する入射部161と、側面166aを形成する側面部166と、入射部161及び側面部166の間において光の進路を変更させる、外向きに凸の湾曲部165とを有し、ボス部1154は、湾曲部165に対して重なる位置に配置されている。
これによれば、暗部の一因であるボス部1154が湾曲部165内に配置されているで、ボス部1154自体が光に当たりにくくなる。したがってボス部1154を起因とした暗部の発生を抑制することができる。特に、湾曲部165の光取出し部180からは光が放出されるので、暗部の発生をより抑制することができる。
[7.変形例]
上記実施の形態では、第一器具体116の平板部1152に対して、光源部20と係止部111a、111bとが配置されている場合、つまり、同一の平面上に光源部20と係止部111a、111bとが配置されている場合を例示した。この変形例では、光源部20が、係止部111a、111bよりも突出した位置に配置されている場合を例示する。なお、以降の説明において同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図16は、変形例に係る照明装置100Aの概略構成を示す断面図である。図16に示すように、変形例に係る照明装置100Aの第一器具体116aは、外周部115aの平板部1152aの形状が上記実施の形態に係る平板部1152と異なる。具体的には、変形例に係る平板部1152aは、その一部に環状台部1157aを有している。環状台部1157aは、平板部1152a内の傾斜部1151側の領域に形成された環状の凸部である。環状台部1157aは、第一器具体116aの全周にわたって連続した凸形状となっており、その先端部が平坦面に形成されている。環状台部1157aの先端部には、光源部20の基板251が設置されている。図16において、矢印L11、L12は、発光素子21の配光角を示しており、二点鎖線L20は発光素子21の1/2配光角を模式的に示している。
光源部20は、発光素子21から外周側に照射されて拡散カバー140に向かう光L11が係止部111aによって遮らない位置に配置されている。これにより、拡散カバー140に投影される、係止部111aを起因とした暗部を抑制することができる。
また、平板部1152aの底面を基準にすると、傾斜部1151及び内周部118は、拡散カバー140に向けて突出した凸部1159aである。光源部20は、発光素子21から内周側に照射されて拡散カバー140に向かう光L12が凸部1159aによって遮らない位置に配置されている。これにより、拡散カバー140に投影される、凸部1159aを起因とした暗部を抑制することができる。
例えば、光源部20を係止部111a及び凸部1159aから同一平面上で離すことで、光源部20を上記位置に配置することも可能である。しかし、この場合、第一器具体116aの直径方向の大型化を招くことになる。この大型化を抑制するために、ここでは、平板部1152aの底面から環状台部1157aの先端部までの高さ位置を調整している。
ここで、発光素子21の1/2配光角(ビーム角)内は、光度が大きい領域である。この内側に係止部111aがあるとより強調された暗部が発生してしまう。このため、光源部20は、少なくとも発光素子21のそれぞれの1/2配光角(1/2ビーム角)の内側に係止部111aが入らない位置に配置されていればよい。これにより、係止部111aを起因としたより暗い暗部を確実に抑制することができる。本変形例では、係止部111aを例示して説明したが、係止部111bにおいても同様である。
また、光源部20は、少なくとも発光素子21のそれぞれの1/2配光角の内側に凸部1159aが入らない位置に配置されていればよい。これにより、凸部1159aを起因としたより暗い暗部を確実に抑制することができる。なお、凸部1159aは、導光板160の側面部166によって覆われているために、凸部1159aが、光源部20からの光を遮って暗部を発生させたとしても、導光板160の側面部166内を通過する光で暗部を緩和することが可能である。
なお、ここでは、第一器具体116aと環状台部1157aとが一体物である場合を例示した。しかしながら、第一器具体とは別体の台座を、第一器具体の平板部に設置し、当該台座上に基板を配置することで、光源部の高さ位置の調整を行ってもよい。
[8.他の実施の形態]
以上、本発明に係る照明装置について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、実施の形態に係る照明装置100は、平面視における形状が円形であるが、照明装置100の形状に特に限定はない。例えば、照明装置100は、平面視における形状が矩形などの多角形、十字形または星形などであってもよく、直線と曲線とが組み合わされた形状であってもよい。例えば、照明装置100の平面視における形状が矩形である場合、複数の発光素子21の配列形状及び導光板160の外形も矩形または矩形に近い形状にすることで、矩形の拡散カバー140の広い範囲から光を放出させることができる。
また、照明装置100が拡散カバー140を備えることは必須ではない。導光板160は、側面部166が疑似的な面光源として機能し、さらに、第二入射部163等の他の疑似光源として機能する部位を有している。そのため、導光板160から出射される光を、そのまま照明光として用いることも可能である。この場合、拡散カバー140を備えないことで、照明装置100が放出する光の全光束を向上させることができる。
また、光源部20は、2重の環状の発光素子21の列を有してもよい。この場合、内周側の発光素子21の列を、第一入射面162a(図4参照)に対向する位置に配置し、外周側の発光素子21の列を、第二入射面163a(図4参照)に対向する位置に配置してもよい。これにより、例えば、導光板160から拡散カバー140のより広い範囲に、より大きな光量の光を放出することができ、その結果、照明装置100が放出する光の均一性の向上と、全光束の向上とが図られる。
また、光源部20が有する複数の発光素子21は環状に並べられている必要はない。複数の発光素子21は、環状ではない1つの直線または曲線のみに沿って並べられてもよい。例えば、複数の発光素子21が直線状に並べられる場合、矩形の導光板の1つの辺に沿って設けられた入射部を、複数の発光素子21に対向させて配置してもよい。この場合、外観上、複数の発光素子21の並び方向に長尺状の照明装置が構成されてもよい。
また、本実施の形態では、複数の発光素子21からの光によって、平面視における照明装置100の中央部に疑似的な面光源が形成されるように、導光板160が形成されている。しかし、平面視における照明装置の外周側に疑似的な面光源が形成されるように、導光板が形成されてもよい。例えば、環状に並べられた複数の発光素子21に対向する端面と、平面視において複数の発光素子21の外側に位置し、かつ前方に向けられた側面とを有する導光板が照明装置に採用されてもよい。この場合であっても、端面と側面との間に湾曲部が設けられるため、湾曲部に光取出し部を設けることで、湾曲部における暗部の発生が抑制される。
また、発光素子21は、SMD型のLED素子であるとしたが、これに限定されない。例えば光源部20は、発光素子21としてのLEDチップを基板251に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、波長変換材を含有する封止部材によって、基板251上に実装された複数のLEDチップを一括に封止、または、個別に封止することで、所定の色温度の照明光を得ることができる。
また、半導体レーザ等の半導体発光素子、または、有機EL(Electro Luminescence)もしくは無機EL等のEL素子等の他の種類の固体発光素子が、発光素子21として採用されてもよい。
その他、上記実施の形態及びその変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態、及び、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態及びその変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。