JP7315893B2 - ダイカストマシンの製品不良判定方法 - Google Patents
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この低速充填段階で、速度が安定しないとスリーブ内の溶湯面が波打ち、ランナー部に溶湯が飛び込むことで凝固し、ランナー面積が小さくなってしまい湯流れが変化して種々の製品不良が発生する。
また高速充填段階で速度が遅い場合、金型内に充填された溶湯が急速に金型から熱を奪われてしまい溶湯の流動性が低下して凝固するため、湯じわ、湯境などの製品不良が発生する。
このため、従来、鋳造した製品が基準を満たしているかを出荷前に全数又は抜き取り検査を行い、良品又は不良品を見極める必要がある。
一般的な欠陥検査には、寸法(けがき測定、三次元測定等)、外観(目視、浸透探傷法、蛍光浸透探傷法等)、内部品質(非破壊検査、破壊検査等)などの検査がある。
例えば、増圧工程中のメタル圧による判定では、メタル圧を射出シリンダヘッド側、ロッド側圧力とチップ径面積により算出し、又は射出プランジャーロッドの歪みを計測して算出する特殊な方法により求めていた。
また、特許文献1、2に開示のようなダイカストマシンの鋳造工程において得られる射出波形(例えば、圧力と時間の関係など)を解析して不良品を判定する方法がある。この方法では射出プランジャーロッドの移動に際して、射出プランジャーロッドの加速度、速度、移動距離又は時間を測定してかじり度合を判定している。
しかしこの方法によれば、不良品に繋がる増圧時間のずれが給湯量のずれに因るものなのか、又はかじりが原因なのか区別をすることができなかったため判定において欠点があった。
しかしトルク値が異常値を示したとしても、スリーブに潤滑剤が供給されて次のサイクルが行われるとトルク値が正常値に戻る場合があるため、不具合を検出できないまま運転を継続してしまい不良品を見逃すおそれがあった。
このため、製品の正確な不良品判定の検知方法の確立が望まれている。
前記最大圧力までの変位時間が設定範囲内であるか否かと、前記移動時間が設定範囲内であるか否かを判定し、前記変位時間及び前記移動時間の少なくともいずれか一方が設定範囲外のとき鋳造品のメタル圧不足による製品不良と判定する工程と、
を有することを特徴とするダイカストマシンの製品不良判定方法を提供することにある。
上記第1の手段によれば、増圧開始の変化点から圧力の立ち上がり時間と、ストローク変位を正常時の波形と比べることにより、鋳造品のメタル圧不足による製品不良を判定することができる。
上記第2の手段によれば、射出プランジャーチップがスリーブとかじることにより鋳造品にメタル圧が掛からないと判定することができる。
上記第3の手段によれば、前記鋳造品の凝固が進行して鋳造品のメタル圧不足と判定することができる。
上記第4の手段によれば、鋳造品に給湯量が不足していると判定することができる。
[ダイカストマシンの製品不良判定装置10]
図1は本発明のダイカストマシンの製品不良判定装置の構成概略図である。同図中の1は固定盤、2は可動盤、3は固定金型、4は可動金型、5は射出プランジャーロッドである。ダイカストマシンは、キャビティ6内に溶融金属を鋳造する際、まず、溶湯をスリーブ7に供給して射出プランジャーチップ8を射出シリンダ9からなる油圧源により所定速度で前進させてキャビティ6内へ圧入して鋳造する。図示のようにダイカストマシンの製品不良判定装置10は、射出シリンダヘッド圧力を測定可能な圧力センサ22と、射出シリンダ9のストローク変位を測定可能なストロークセンサ24を有する検出部20と、前記検出部20の測定値を受信可能とし、あらかじめ設定範囲を定めておき、前記変位時間が設定範囲内であるか否かと、前記移動時間が設定範囲内であるか否かを判定する判定部30と、設定範囲外で鋳造品不良と判断されたときに警告するアラーム40を有している。
判定部30は、検出部20と電気的に接続して検出値を入力可能としている。判定部30はダイカストマシンの射出シリンダヘッドの圧力が増圧工程に入ったときを変化点として、この変化点から射出シリンダヘッドの最大圧力までの変位時間の許容範囲をあらかじめ設定している。また射出プランジャーチップ8の変化点における位置から最終充填ストローク位置までの移動時間の許容範囲をあらかじめ設定している。変位時間の許容範囲及び移動時間の許容範囲は、いずれも運転条件(給湯量、射出スピード、最大圧力などダイカストマシンのスペック)によって任意に設定変更可能な範囲である。そして検出値が設定範囲内であるか否かを判定し、設定範囲外であるときに鋳造品の不良と判定している。
このような本発明のダイカストマシンの製品不良判定方法によれば、増圧開始の変化点から圧力の立ち上がり時間と、ストローク変位を正常時の波形と比べることにより、鋳造品にメタル圧が不足している、掛かっていないことによる製品不良を判定することができる。
また、本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
2 可動盤
3 固定金型
4 可動金型
5 射出プランジャーロッド
6 キャビティ
7 スリーブ
8 射出プランジャーチップ
9 射出シリンダ
10 ダイカストマシンの製品不良判定装置
20 検出部
22 圧力センサ
24 ストロークセンサ
30 判定部
40 アラーム
Claims (4)
- ダイカストマシンの射出シリンダヘッドの圧力が増圧工程に入ったときを変化点として、前記変化点から前記射出シリンダヘッドの最大圧力までの変位時間と、射出プランジャーチップの前記変化点における位置から最終充填ストローク位置までの移動時間を検出する工程と、
前記最大圧力までの変位時間が設定範囲内であるか否かと、前記移動時間が設定範囲内であるか否かを判定し、前記変位時間及び前記移動時間の少なくともいずれか一方が設定範囲外のとき鋳造品のメタル圧不足による製品不良と判定する工程と、
を有することを特徴とするダイカストマシンの製品不良判定方法。 - 請求項1に記載のダイカストマシンの製品不良判定方法において、
前記変位時間が前記設定範囲外で前記最大圧力に達する時間が早いときに、前記鋳造品に前記メタル圧が掛からないと判定することを特徴とするダイカストマシンの製品不良判定方法。 - 請求項1に記載のダイカストマシンの製品不良判定方法において、
前記変位時間が前記設定範囲外で前記最大圧力に達する時間が遅いときに、前記鋳造品のメタル圧不足と判定することを特徴とするダイカストマシンの製品不良判定方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1に記載されたダイカストマシンの製品不良判定方法であって、
前記変化点が正常時からずれたときに、前記鋳造品の不良と判定することを特徴とするダイカストマシンの製品不良判定方法。
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JP2006110615A (ja) | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Toyota Motor Corp | ダイカスト鋳造における昇圧時間測定方法 |
JP2006192460A (ja) | 2005-01-13 | 2006-07-27 | Toshiba Mach Co Ltd | ダイカストマシン及びダイカスト方法 |
WO2012070522A1 (ja) | 2010-11-24 | 2012-05-31 | 東洋機械金属株式会社 | ダイカストマシン及びダイカストマシンの異常検出方法 |
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