JP7314259B2 - ペプチドボロン酸エステル類化合物の合成及び使用 - Google Patents

ペプチドボロン酸エステル類化合物の合成及び使用 Download PDF

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Description

本発明は薬物合成分野に属し、具体的には、一連の新規なペプチドボロン酸エステル類化合物の調製方法及びその薬力学的応用に関している。
現在、癌はヒトの健康を脅かす主な疾患の一つである。現在、癌の治療は手術療法、化学療法、放射線療法などの分野で大きな進歩を遂げたが、癌を根本的に治療することはできない。現在市販されている抗癌薬物は一定の治療効果があるが、ひどい毒性や副作用がある。したがって、如何にして効果的な腫瘍標的から標的する新規な抗癌薬物を研究するかを深く検討し研究することは、医療従事者にとって当面の急務となっている。
ユビキチン-プロテアソーム経路(Ubiquitin-Proteasome Pathway、UPPと略称する)は、細胞内タンパク質分解の主な経路であり、シグナル伝達、免疫応答、アンフォールドタンパク応答、細胞周期進行を含めて、生理学的に重要な多くの細胞プロセスに関与している。この経路は、心・脳血管疾患、癌、神経変性疾患の発症などに大きく関わっている。いくつかの効果的な阻害剤を使用してこの経路で重要なタンパク質の過剰分解を阻害することは、上記疾患の治療に新しいアイデアを提供する。この新しい標的に対し、最初のプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ(PS-341)は、2003年にFDAによって市販が承認され、再発性骨髄腫を治療するために用いられている。この薬は、また、2004年に欧州連合での市販が承認され、多発性骨髄腫に用いられている。2005年9月に、この薬は西安ヤンセンによって導入され、中国の広州で最初に市販された。2005年に、この薬は同時にフランス、オランダ、ベルギーで製薬業界のノーベル賞である「PrixGalien」賞を受賞した。また、2007年7月11日に、米国FDAによって承認され、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫(Mantle Cell Lymphoma、MCLと略称する)を治療するために用いられ、現在FDAによって承認された、MCLを治療する唯一の薬物となった。FDAは、ベルケイドの皮下投与を承認した。これにより、ベルケイドの吸収が容易になるだけでなく、ベルケイドに対する患者の耐性が大幅に向上し、副作用が軽減された。
2014年に、ベルケイドの売上高は30.69億米ドルに達し、世界で最も売れている腫瘍薬物のトップ20の一つになった。ベルケイドは中国市場において3.5ミリグラムあたり約13000元であり、1周期の治療費用が約4万元であり、このような高額な費用は、多くの患者にとって非常に大きな経済的負担となっている。また、現在の臨床データにより、このような薬物が疲労、吐き気、下痢及び神経障害などの多くの副作用も持っていることを示した。したがって、価格が低く、毒性や副作用が少なく、治療効果が高いプロテアソーム阻害剤薬物を如何に開発するかは、現在私たちが解決しなければならない主な問題となっている。
治療効果が確かに証明されたこの標的に対し、新規な構造である一連のペプチドボロン酸エステル化合物によるプロテアソーム阻害剤を設計した。
本発明の目的は、新規な構造で、プロテアソーム阻害機能を有する経口摂取可能な一連の新規なペプチドボロン酸エステル類化合物を合成することである。20Sプロテアソーム阻害剤としては、腫瘍細胞の増殖を効果的に阻止し、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することができるため、悪性腫瘍などのヒト及び動物の様々な疾患の予防及び治療に用いられている。
本発明の目的は、薬学的に許容される担体及び本発明のペプチドボロン酸エステル類化合物を含み、任意に、一種又は複数種の他の治療剤と同時、別個又は順次に組み合わせる薬物組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、ペプチドボロン酸エステル類化合物のプロテアソーム阻害剤の調製における使用を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、ペプチドボロン酸エステル類化合物の抗腫瘍薬物の調製における使用を提供することである。本発明において、前記腫瘍は固形腫瘍及び血腫を含み、固形腫瘍は非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮細胞癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、上皮細胞癌、消化管間質腫瘍又は鼻咽頭癌から選択され、血腫は白血病、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫又は組織球性リンパ腫から選択される。
本発明の別の目的は、上記ペプチドボロン酸エステル類化合物の調製方法を提供することである。
本発明の目的は、具体的に以下の手段により達成することができる。
構造が式Iに示される、ペプチドボロン酸エステル類化合物又はその薬学的に許容される塩。
ただし、
は、C1~10アルキル、C1~10アルコキシ、C1~10アルコキシC1~10アルキル、C3~6シクロアルキル、フェニル、ナフチル、テトラリニル、2,5-ジクロロフェニル又は複素環基から選択される、或いは、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4シクロアルキル、ハロゲン又はハロC1~4アルキルで任意に置換され、Rとしては、好ましくはC1~10アルキル、C1~10アルコキシ、C1~10アルコキシメチル、C1~10アルコキシエチル、C3~6シクロアルキル、フェニル、2,5-ジクロロフェニル、ピラジニル、ピリジル、ナフチル、テトラリニル、オキサゾリル又はイソキサゾリルである、或いは、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ハロゲン又はハロC1~4アルキルで任意に置換される。
さらに、Rとしては、好ましくは下記の構造である。
ここで、R、R、R及びRは独立して水素、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、塩素、臭素、フッ素又はトリフルオロメチルから選択される。
はH、フェニル、メトキシ、メチルチオ、シクロヘキシル、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキサンから選択され、或いは、一つ又は複数のC1~4アルキル、C1~4アルコキシ、ニトロ、ハロゲン又はトリフルオロメチルで任意に置換される。
B、Z及びZは一緒にN、S又はOを含む複素環基を形成し、或いは、B、Z及びZは一緒にOを含む複素環基を形成し、ホウ素原子に酸素原子が接続されている。好ましくは、B、Z及びZは一緒にボロン酸-α-ピナンジオールエステルを形成し、或いは、B、Z及びZは一緒にボレートを形成し、ホウ素原子に酸素原子が接続されている。さらに好ましくは、B、Z及びZは一緒にボロン酸-α-ピナンジオールエステルを形成し、或いは、B、Z及びZは一緒にジエタノールアミンボレート、クエン酸ボレート、酒石酸ボレート、リンゴ酸ボレート、α-ヒドロキシ-グルタル酸ボレートを形成し、グルコースのo-ヒドロキシ構造とともにグルコースボレートなどの他のプロドラッグを形成する。
本発明において、R、R基での「...で任意に置換される」とは、R、R基がこれらの基で置換されてもよく、これらの基で置換されていなくてもよいことであり、即ち、挙げられたこれらの基で置換されることのみに限られず、挙げられたこれらの基で置換されていないことも含む。このような表現は、「Rは置換又は無置換のC1~10のアルキル、C3~6のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、フェニル、ナフチル又はインドリルであり、ここで置換基はC1~4のアルキル、C1~4のアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ又はハロゲンである」という表現と同じであるが、置換又は無置換は、C1~10のアルキルのみに狭義に限定されておらず、全ての前記基まで拡大し、即ち、置換又は無置換のC3~6のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のベンジル、置換又は無置換のナフチルメチル、置換又は無置換のインドリルメチルなどを含み、ここで置換基はC1~4のアルキル、C1~4のアルコキシ、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ又はハロゲンである。
用語「アルキル」は飽和炭化水素基を示し、C1~10のアルキルとは1~10個の炭素原子を含む飽和炭化水素基であり、C1~4のアルキルとは1~4個の炭素原子を含む飽和炭化水素基である。
用語「シクロアルキル」とは非芳香族炭素環基であり、環化したアルキルを含む。シクロアルキルは二環又は多環系を含んでもよい。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルを含み、C3~6のシクロアルキルとは3~6個の炭素原子を含むシクロアルキルである。
用語「ベンジル」とはフェニルメチルであり、置換されたベンジルとは、ベンジルのベンゼン環において少なくとも一つの水素原子が非水素部分で置換されたものであり、ベンジルの置換基はハロゲン、-CN、-OH、-SH、-NH、1~6個の炭素の直鎖又は分岐鎖アルキル、1~6個の炭素の置換の直鎖又は分岐鎖アルキルであってもよい。
用語「ヘテロシクロアルキル」とは非芳香族ヘテロ炭素環基であり、環化したアルキルを含み、一つ又は複数の環形成炭素原子はO、N又はS原子のようなヘテロ原子で置換される。ヘテロシクロアルキルは3、4、5、6又は7個の環形成原子を有することが好ましい。
用語「複素環基」とは、O、N又はSというヘテロ原子を含む環状基であり、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、イソキノリル、インドリル、ベンゾフリル、プリニル、アクリジニル、オキサゾリル、イソキサゾリルなどの芳香族複素環基又は非芳香族複素環基を含む。
「1-ナフチルメチル」とは、下記の構造である。
「2-ナフチルメチル」とは、下記の構造である。
「インドリルメチル」とは、下記の構造である。
「2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキサン」とは、下記の構造である。
「テトラリニル」とは、下記の構造である。
「オキサゾリル」とは、下記の構造である。
「イソキサゾリル」とは、下記の構造である。
「ジエタノールアミンボレート」とは、下記の構造である。
「クエン酸ボレート」とは、下記の構造である。
「酒石酸ボレート」とは、下記の構造である。
「リンゴ酸ボレート」とは、下記の構造である。
「α-ヒドロキシ-グルタル酸ボレート」とは、下記の構造である。
「グルコースボレート」とは、下記の構造である。
「アルコキシ」とは-O-アルキル基であり、その炭素原子数が一般的に1~10個である。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えばn-プロポキシ及びイソプロポキシ)、t-ブトキシなどを含む。
「アリール」とは芳香族炭素環基であり、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの単環又は多環芳香族炭化水素基を含む。
「アリールオキシ」とは-O-アリールであり、アリールの概念は上記したとおりであり、アリールオキシの最も好ましい例はフェノキシである。
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含む。
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、下記の構造から選択される。
本発明の化合物は抗腫瘍薬物を調製するために用いることができ、その一般的な調製経路は以下のとおりである。
この反応式において、各基R、R、Z及びZの定義は前記したとおりである。第1の経路では、フタルイミドとクロロ酢酸エチルを反応させて式(II-1)の化合物を生成し、式(II-1)の化合物とアラニンを反応させて式(II-2)の化合物を生成し、式(II-2)の化合物と8-アミノキノリンを反応させて式(II-3)の化合物を生成し、式(II-3)の化合物とヨウ化アリールを反応させて式(II-4)の化合物を生成し、式(II-4)の化合物を三フッ化ホウ素エーテラートの存在下で反応させて式(II-5)の化合物を生成し、式(II-5)の化合物をエチレンジアミンの存在下で反応させて式(II)の化合物を生成する。第2の経路では、式(III-1)の化合物をSOClの作用下でメタノールと反応させて式(III)の化合物を得る。第1の経路における式(II)又は第2の経路における式(III)の化合物はペプチド縮合剤の存在下でそれぞれR-COOHと式(I-1)の化合物を生成し、式(I-1)の化合物をケン化して酸化し、式(I-2)の化合物を生成し、式(I-2)の化合物をペプチド縮合剤の存在下でボレートのアミノ塩酸塩又はトリフルオロ酢酸塩と縮合し、式(I-3)の化合物を生成し、式(I-3)の化合物を酸性条件で反応させて式(IV)の化合物を生成し、最後に式(IV)の化合物を加熱酢酸エチルの存在下で反応させて式(I)の化合物を生成する。
、R、Z及びZの定義は上記したとおりである。
以下に本発明の化合物の調製方法をより具体的に詳述する。
1、化合物IIの調製方法は以下の工程を含む。
1)フタルイミドとクロロ酢酸エチルをトリエチルアミンの作用下で反応させ、構造が式(II-1)である化合物を得る。
2)構造が式(II-1)である化合物とアラニンをNaCO及びHOの存在下で反応させ、構造が式(II-2)である化合物を生成する。
3)構造が式(II-2)である化合物をSOClの作用下で反応させて酸クロリドを生成した後、アルカリ条件で8-アミノキノリンと反応させて式(II-3)の化合物を生成する。
4)構造が式(II-3)である化合物とヨウ化アリールをパラジウム及びテトラフルオロホウ酸銀の存在下で反応させて式(II-4)の化合物を生成する。
5)構造が式(II-4)である化合物を三フッ化ホウ素エーテラートの存在下でメタノールと反応させて式(II-5)の化合物を生成する。
6)構造が式(II-5)である化合物をエチレンジアミンの存在下でメタノールと反応させて式(II)の化合物を生成する。
2、化合物(III)の調製方法は以下の工程を含む。
構造が式(III-1)であるアミノ酸をSOClの作用下でメタノールと反応させ、構造が式(III)である化合物を得る。
3、化合物(I)の調製方法は以下の工程を含む。
1)式(II)又は式(III)に示される化合物をペプチド縮合剤の存在下でR-COOHと反応させて式(I-1)の化合物を生成する。
2)構造が式(I-1)である化合物をアルカリ条件でケン化反応させ、そのナトリウム塩を生成し、続いて酸性条件で化合物(I-2)を生成する。
3)式(I-2)の化合物をペプチド縮合剤の存在下でボレートのアミノ塩酸塩又はトリフルオロ酢酸塩と縮合し、式(I-3)の化合物を生成する。
4)式(I-3)の化合物をイソブチルボロン酸の存在下で反応させて式(IV)の化合物を生成する。
5)式(IV)の化合物を、沸騰した酢酸エチルの存在下で反応させて式(I)の化合物を生成する。
上記反応において、ペプチド縮合剤は通常N,N-ジシクロヘキシル-カルボジイミド(DCCと略称する)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HClと略称する)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBtと略称する)又はクロロギ酸イソブチルである。
、R、Z及びZの定義は上記したとおりである。
実験により、本発明の化合物は、優れたプロテアソーム阻害活性及び抗腫瘍活性を有し、一部の化合物はナノモルレベルで優れたプロテアソーム阻害活性及び抗腫瘍作用を示し、プロテアソーム阻害剤または抗腫瘍薬物の調製に応用価値を有していることが示される。本発明におけるペプチドボロン酸エステル化合物は、ペプチドボロン酸化合物よりも優れた薬物動態性質を有している。
同時に、本発明で設計された化合物の調製方法は、収率が高く、プロセスが簡単であり、工業的生産に適している。
異なる化合物を投与した後ARH-77異種移植腫瘍の成長傾向である。 血球におけるプロテアソームの活性の検出結果である。
第一部分 化合物の合成
本発明の化合物の調製は以下の過程により実施することができる。
一、化合物(II)の調製
1、N-フタルイミドエチルアセテートII-1の調製:
フタルイミドをDMFに溶解し、トリエチルアミンを添加し、0℃で反応系にクロロ酢酸エチルを滴下し、ゆっくりと室温まで上昇させた後、2時間反応させ、反応液を氷水に注ぎ、濾過し、濾過ケーキを氷水で洗浄し、真空乾燥して純粋な(式II-1)の化合物を得た。
2、N-フタロイルで保護されたアラニンII-2の調製:
化合物II-1及びL-アラニンをHOに溶解し、NaCOを添加して2時間反応させ、1NのHClを添加してpHを2に調節し、濾過し、真空乾燥して純粋な(式II-2)の化合物を得た。
3、化合物II-3の調製:
化合物II-2をCHClに溶解し、SOClを添加して6時間凝縮還流させ、溶媒を減圧留去した。8-アミノキノリン及びDIPEAをCHClに溶解し、-20℃でCHClに溶解した酸クロリドを滴下し、ゆっくりと室温まで上昇させ、一晩反応させた。溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより分離して化合物II-3を得た。
4、化合物II-4の調製:
化合物II-3をt-ブチルアルコールに溶解し、酢酸パラジウム、テトラフルオロホウ酸銀及びヨウ化アルキルを添加し、24時間凝縮還流させ、室温に戻した後、CHClで希釈し、トリエチルアミンを添加して3時間反応させ、珪藻土を通過させ、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより分離して化合物II-4を得た。
5、化合物II-5の調製:
厚肉耐圧フラスコに、化合物II-4をMeOHに溶解し、三フッ化ホウ素エーテラート溶液を滴下し、100℃で一晩反応させ、トリエチルアミンを添加して撹拌し、溶媒を減圧留去し、CHClに溶解した後、それぞれ酸洗浄(10%塩酸)、アルカリ洗浄(5%炭酸水素ナトリウム)及び飽和食塩水洗浄を行い、乾燥剤(無水硫酸ナトリウム及び無水硫酸マグネシウム)で乾燥させた。乾燥剤を濾過除去し、溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離して化合物II-5を得た。
6、化合物IIの調製:
化合物II-5をMeOHに溶解し、エチレンジアミンを添加し、70℃で5時間凝縮還流させて反応させ、濾過し、濾液から溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離して化合物IIを得た。
二、化合物(III)の調製
化合物III-1をMeOHに溶解し、氷塩浴にてSOClを滴下し、滴下終了後、室温まで上昇させ、一晩静置し、溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、化合物IIIを得た。
三、化合物(I)の調製
1、化合物I-1の調製:
-COOHをCHClに溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を添加し、-5℃で10分間反応させた後、ペプチド縮合剤(EDC・HCl)を添加し、20分間反応させ、化合物II又はIIIを添加し、10分間後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加し、30分間反応させた後、室温で一晩撹拌した。反応液に対してそれぞれ酸洗浄(10%塩酸)、アルカリ洗浄(5%炭酸水素ナトリウム)及び飽和食塩水洗浄を行い、乾燥剤(無水硫酸ナトリウム及び無水硫酸マグネシウム)で乾燥させた。乾燥剤を濾過除去し、溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離して化合物I-1を得た。
2、化合物I-2の調製:
化合物I-1をMeOHに溶解し、LiOH・HO及びHOを添加し、3時間反応させた後、MeOHを減圧留去し、1NのHClを添加してpHを2に調節し、酢酸エチルで抽出して分液し、溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、化合物I-2を得た。
3、化合物I-3の調製:
化合物I-2をCHClに溶解し、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を添加し、-5℃で10分間反応させた後、ペプチド縮合剤(EDC・HCl)を添加し、20分間反応させ、ボレートの塩酸塩又はトリフルオロ酢酸塩を添加し、10分間後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を添加し、30分間反応させた後、室温で一晩撹拌した。反応液に対してそれぞれ酸洗浄(10%塩酸)、アルカリ洗浄(5%炭酸水素ナトリウム)及び飽和食塩水洗浄を行い、乾燥剤(無水硫酸ナトリウム及び無水硫酸マグネシウム)で乾燥させた。乾燥剤を濾過除去し、溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離して化合物I-3を得た。
4、化合物IVの調製
化合物I-3をMeOHに溶解し、イソブチルボロン酸、n-ヘキサン及び1NのHClを添加し、一晩反応させた。分液し、MeOHでn-ヘキサン相を2回抽出し、更にn-ヘキサンでメタノール相を1回洗浄し、メタノールを減圧留去し、CHClで水相を2回抽出し、水相が中性になるまで飽和食塩水で有機相を洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離して化合物IVを得た。
5、化合物Iの調製
74℃でグリコールを含むアミン又は酸を酢酸エチルに溶解し、化合物IVを添加し、60℃まで降下させ、3時間反応させ、更に25℃まで降下させて一晩反応させた。濾過し、真空乾燥して純粋な(式I)化合物を得た。
以下に具体的な化合物の合成により本発明の化合物の調製過程を説明した。
一、式(II)の化合物の調製:
1、N-フタルイミドエチルアセテート(化合物II-1)の調製
フタルイミド(7.36g、50mmol)をDMF(25mL)に溶解し、トリエチルアミン(9mL、65mmol)を添加し、0℃で反応系にクロロ酢酸エチル(5.7mL、60mmol)を滴下し、ゆっくりと室温まで上昇させた後、TLCで反応を確認し、2h後に反応が終了した後、反応液を氷水に注ぎ、濾過し、濾過ケーキを氷水で洗浄し、真空乾燥して純粋なN-フタルイミドエチルアセテート8.67gを得た。収率79.1%, mp 81.4~83.6℃。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 1.44 (-CH, t, J = 7.1 Hz, 3H), 4.48 (-CH, q, J = 7.1 Hz, 2H), 7.80 - 7.85 (-Ph, m, 2H), 7.93 - 7.99 (-Ph, m, 2H)。MS (ESI): m/z 220.1 [M+H]
2、N-フタロイルで保護されたアラニン(化合物II-2)の調製:
化合物II-1(21.9g、100mmol)及びL-アラニン(8.9g、10mmol)をHO(100mL)に溶解し、NaCO(10.6g、100mmol)を添加し、TLCで反応を確認し、2h後に反応が終了した後、1NのHClを添加してpHを2に調節し、濾過し、真空乾燥して純粋な(式II-2)化合物17.4gを得た。収率79.3%, mp 145.8~146.6℃。H NMR(400 MHz, CDCl) δ 1.71 (-CH, d, J = 7.4 Hz, 3H), 5.02 (-CH, q, J = 7.4 Hz, 1H), 7.69 - 7.75 (-Ph, m, 2H), 7.82 - 7.88 (-Ph, m, 2H)。MS (ESI): m/z218.2 [M-H]
3、(S)-2-(フタルイミド)-N-(8-キノリル)プロピオンアミド(化合物II-3)の調製:
化合物II-2(17.37g、79.25mmol)をCHCl(80mL)に溶解し、SOCl(29mL、396.25mmol)を添加して6時間凝縮還流させ、溶媒を減圧留去した。8-アミノキノリン(11.4g、79.25mmol)及びDIPEA(20.5g、158.5mmol)をCHCl(103mL)に溶解し、-20℃でCHCl(31mL)に溶解した酸クロリドを滴下し、滴下終了後、ゆっくりと室温まで上昇させ、一晩反応させた。TLCで反応を確認し、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより分離してII-3化合物21.2gを得た。収率77.42%, mp 180.0~181.9℃。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 1.98 (-CH, d, J = 7.3 Hz, 3H), 5.27 (-CH, q, J = 7.5 Hz, 1H), 7.42 (-Ph, dd, J = 4.2 Hz, J = 8.3 Hz, 1H), 7.51 (-Ph, s, 1H), 7.53 (-Py, d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.65 - 7.85 (-Ph, m, 2H), 7.90 (-Ph, dt, J = 3.6 Hz, J = 7.1 Hz, 2H), 8.15 (-Py, d, J = 8.3 Hz, 1H), 8.69 (-Ph, d, J = 4.2 Hz, 1H), 8.73 (-Py, dd, J = 4.7 Hz, J = 8.9 Hz, 1H), 10.33 (-CONH, s, 1H)。MS(ESI): m/z346.0 [M+H]
4、(S)-2-アミノ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオン酸メチル(II-4a)の調製
(1)(S)-2-(フタルイミド)-N-(8-キノリル)-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオンアミド(II-4a)の調製
化合物II-3(5.2g、15mol)をt-ブチルアルコール(105mL)に溶解し、酢酸パラジウム(331mg、1.5mmol)、テトラフルオロホウ酸銀(3.65g、18.75mmol)及び4-ヨードベンゾトリフルオリド(6.12g、22.5mmol)を添加し、85℃で24h凝縮還流させ、TLCで反応を確認し、室温まで上昇させた後、CHCl(100mL)で希釈し、トリエチルアミン(10mL)を添加して3h撹拌し、反応液を珪藻土に通過させ、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより分離して固体生成物5.3gを得た。収率72.1%, mp 124.0~125.5℃。 H NMR (400 MHz, CDCl) δ 3.77 - 3.95 (-CH, m, 2H) , 5.47 (-CH, dd, J= 6.9 Hz, J = 9.7 Hz, 1H), 7.39 (-Ph, dd, J= 4.3 Hz, J= 8.3 Hz, 1H), 7.42 (-Ph, d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.49 (-Ph, d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.51 (-Ph, s, 1H), 7.53 (-Py, t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.68 - 7.78 (-Ph, m, 2H), 7.78 - 7.91 (-Ph, m, 2H), 8.12 (-Py, dt, J = 7.1 Hz, J= 14.1 Hz, 1H), 8.58 (-Ph, dd, J= 1.5 Hz, J = 4.2 Hz, 1H), 8.67 - 8.79 (-Py, m, 1H), 10.28 (-CONH, s, 1H)。MS (ESI): m/z487.1 [M-H]
他の類似の化合物はいずれも上記工程により調製することができる。
II-4b:II-3及び1-ヨード-3,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを実施例(1)の方法により合成した。II-4c:II-3及び6-ヨード-1,4-ベンゾジオキサンを実施例(1)の方法により合成した。II-4d:II-3及び2,4-ジメトキシヨードベンゼンを実施例(1)の方法により合成した。
合成された具体的な化合物及びその性質は以下の表に示される。
(2)(S)-2-(フタルイミド)-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオン酸メチル(II-5a)の調製
厚肉耐圧フラスコに、化合物II-5a(2g、4.1mmol)をMeOH(94mL)に溶解し、ゆっくりと三フッ化ホウ素エーテラート溶液(5.2mL、40.9mmol)を滴下し、100℃で一晩反応させ、TLCで反応を確認し、トリエチルアミン(8.6mL、61.3mmol)を添加して一定の時間撹拌し、溶媒を減圧留去し、CHCl(30mL)で溶解し、それぞれ酸洗浄(10%塩酸)、アルカリ洗浄(5%炭酸水素ナトリウム)及び飽和食塩水洗浄を行い、乾燥剤(無水硫酸ナトリウム及び無水硫酸マグネシウム)で乾燥させた。乾燥剤を濾過除去し、溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離して油状生成物1.3gを得た。収率83.2%。H NMR(400MHz, CDCl) δ 3.55 - 3.71 (-CH, m, 2H), 3.78 (-CH, s, 3H), 5.18 (-CH, dd, J = 5.8 Hz, J = 10.7 Hz, 1H), 7.30 (-Ph, d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.46 (-Ph, d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.67 - 7.75 (-Ph, m, 2H), 7.79 (-Ph, dt, J = 3.6 Hz, J = 7.1 Hz, 2H)。 MS (ESI): m/z 378.3 [M+H]
他の類似の化合物はいずれも上記工程により調製することができる。
II-5b:II-4bを実施例(2)の方法により合成した。II-5c:II-4cを実施例(2)の方法により合成した。II-5d:II-4dを実施例(2)の方法により合成した。
合成された具体的な化合物及びその性質は以下の表に示される。
(3)(S)-2-アミノ-3-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)プロピオン酸メチル(IIa)の調製
化合物II-5a(745mg、1.9mmol)をMeOH(19mL)に溶解し、エチレンジアミン(297mg、4.9mmol)を添加し、70℃で凝縮還流させ、TLCで反応を確認し、5hで反応終了した後、濾過し、濾液溶媒を減圧下で蒸発乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより分離して油状の目的化合物311mgを得た。収率62.4%。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 2.84 (-CH, dd, J = 7.7 Hz, J = 13.3 Hz, 1H), 2.95 (-CH, dt, J = 9.5 Hz, J = 19.0 Hz, 1H), 3.59 (-CH, s, 3H), 3.61 (-CH, d, J =6.9 Hz, 1H), 7.40 (-Ph, t, J =11.9 Hz, 2H), 7.59 (-Ph, t, J =21.6 Hz, 2H)。MS (ESI): m/z 248.1 [M+H]
他の類似の化合物はいずれも上記工程により調製することができる。
IIb:II-5bを実施例(3)の方法により合成した。IIc:I-5cを実施例(3)の方法により合成した。IId:II-5dを実施例(3)の方法により合成した。
合成された具体的な化合物及びその性質は以下の表に示される。
二、式(III)の化合物の調製:
1、グリシンメチルエステル塩酸塩(IIIa)の調製
化合物IIIa(3g、40mmol)をMeOH(30mL)に溶解し、氷塩浴にて-10℃まで冷却し、撹拌しながらゆっくりとSOCl(29mL、400mmol)を滴下し、滴下終了後、10min反応させ、氷塩浴を取り除き、室温で一晩反応させ、TLCで反応を確認し、減圧濃縮し、更に20mLのCHClを添加し、減圧濃縮を二回繰り返し、溶媒をスピン乾燥させ、生成物5gを得た(収率99.5%)。製品は精製されず、そのまま次の反応に用いられた。
本発明で用いられた他のアミノ酸メチルエステルの塩酸塩はいずれも上記工程により調製することができる。化合物IIIb:化合物IIIaの合成方法によりD-シクロヘキシルグリシンを用いて合成した。化合物IIIc:化合物IIIaの合成方法によりL-シクロヘキシルグリシンを用いて合成した。化合物IIId:化合物IIIaの合成方法によりフェニルアラニンを用いて合成した。
合成された具体的な化合物及びその性質は以下の表に示される。
2、L-O-メチルセリンメチルエステル塩酸塩(IIIe)の調製
(1)BOC-L-O-メチルセリンメチルエステル(IIIe-1)の調製
BOC-L-セリンメチルエステル(5g、22.8mmol)をアセトン(110mL)に溶解し、ヨウ化メチル(32mL、524mmol)及び酸化銀(8.2g、35.4mmol)を添加し、59℃で暗所で一晩凝縮還流させた。TLCで反応を確認し、濾過し、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより分離して油状の目的化合物1.8gを得た。収率34.5%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 1.43 (-CH, s, 9H), 3.32 (-CH, s, 3H), 3.57 (-CH, dd, J = 3.4 Hz, J = 9.4 Hz, 1H), 3.74 (-CH, d, J = 6.3 Hz, 3H), 3.78 (-CH, dd, J = 3.1 Hz, J = 9.4 Hz, 1H), 4.35 - 4.44 (-CH, m, 1H), 5.28 - 5.44 (-CONH, m, 1H)。MS (ESI): m/z 234.2 [M+H]
(2)L-O-メチルセリンメチルエステル塩酸塩(IIIe)の調製
化合物IIIe-1(496mg、2.1mmol)を酢酸エチル(2.5mL)に溶解し、氷浴にてHClの酢酸エチル溶液(5.2mL、21.2mmol)を滴下し、室温で反応させ、TLCで反応を確認し、2h後に反応が終了した後、濾過し、濾過ケーキを真空乾燥して純粋な生成物351mgを得た。収率97.5%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 3.41 (-CH, s, 3H), 3.83 (-CH, s, 3H), 3.95 (-CH, dd, J = 3.6 Hz, J = 10.4 Hz, 1H), 4.03 (-CH, dd, J = 2.6 Hz, J = 10.3 Hz, 1H), 4.45 (-CH, s, 1H), 8.70 (-NH , s, 3H)。
3、S-メチル-L-システインメチルエステル塩酸塩(IIIf)の調製
(1)S-メチル-L-システイン(IIIf-1)の調製
L-システイン塩酸塩一水和物(3.1g、17.5mmol)をMeOH(45mL)に溶解し、氷浴にて30%のナトリウムメトキシドのメタノール溶液(11.2g、62mmol)を滴下し、1h反応させた後、ヨウ化メチル(0.9mL、13mmol)を滴下し、室温まで上昇させて反応させ、TLCで反応を確認し、2h後に反応が終了した後、10NのHClでpHを5に調節し、40mLのエチルエーテルを添加して10min撹拌し、濾過し、濾過ケーキを60mLのエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥し、粗製品4.715gを得た。
(2)S-メチル-L-システインメチルエステル塩酸塩(IIIf)の調製
S-メチル-L-システイン(4.715g、34.9mmol)をMeOH(25mL)に溶解し、氷塩浴にて-10℃まで冷却し、撹拌しながらゆっくりとSOCl(25mL、348.8mmol)を滴下し、滴下終了後、10min反応させ、氷塩浴を取り除き、室温で一晩反応させ、TLCで反応を確認し、濾過し、濾過ケーキをCHClで洗浄し、真空乾燥して純粋なS-メチル-L-システインメチルエステル塩酸塩3.1gを得た。収率95.4%。H NMR(400 MHz, DO) δ 4.44(-CH, dd, J =7.7, 4.6 Hz, 1H), 3.90 (-CH, s, 3H), 3.23 (-CH, dd, J = 15.1 Hz, 4.6 Hz, 1H), 3.14 - 3.07 (-CH, m, 1H), 2.18 (-CH, s, 3H)。
三、式(I)の化合物の調製:
1、(S)-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)アラニンメチルエステル(I-1a)の調製
2,5-ジクロロ安息香酸(90mg、0.47mmol)及びHOBt(92mg、0.71mmol)をCHCl(8mL)に溶解し、-10℃で10min反応させ、EDC・HCl(135mg、0.7mmol)を添加して30min反応させ、化合物IIa(116mg、0.47mmol)を添加し、10min反応させた後、DIPEA(151mg、1.17mmol)を添加し、20min反応させた後、室温まで上昇させ、一晩反応させた。TLCで反応を確認し、それぞれ10%の塩酸溶液(10mL)、5%のNaHCO溶液(10mL)及び飽和食塩水(2×10mL)で洗浄し、CHCl層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧留去し、油状化合物166mgを得た(収率84.3%)。製品は精製されず、そのまま次の反応に用いられた。
EDC・HCl縮合法により得られた製品は収率が高いため、本発明で用いられた、アミノ基が保護されていない他のアミノ酸メチルエステルは実施例1に記載のEDC・HCl縮合法により調製することができ、メチルエステルは全て精製されず、そのまま次の反応に用いられた。
化合物I-1b:EDC・HCl縮合法により2,5-ジクロロ安息香酸及びIIbを用いて合成した。化合物I-1c:EDC・HCl縮合法により2,5-ジクロロ安息香酸及びIIcを用いて合成した。化合物I-1d:EDC・HCl縮合法により2,5-ジクロロ安息香酸及びIIdを用いて合成した。
(1)、(S)-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)グリシンメチルエステル(I-1e)の調製
2,5-ジクロロ安息香酸(7.6g、40mmol)及びHOBt(8.1g、40mmol)をCHCl(200mL)に溶解し、-10℃で10min反応させ、EDC・HCl(11.5g、60mmol)を添加して30min反応させ、化合物IIIa(5g、40mmol)を添加し、10min反応させた後、DIPEA(18.1g、140mmol)を添加し、20min反応させた後、室温まで上昇させ、一晩反応させた。TLCで反応を確認し、それぞれ10%の塩酸溶液(200mL)、5%のNaHCO溶液(200mL)及び飽和食塩水(2×200mL)で洗浄し、CHCl層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧留去し、油状化合物9.32gを得た(収率88.9%)。製品は精製されず、そのまま次の反応に用いられた。
化合物I-1f:EDC・HCl縮合法により2,5-ジクロロ安息香酸及びIIIbを用いて合成した。化合物I-1g:EDC・HCl縮合法により2,5-ジクロロ安息香酸及びIIIcを用いて合成した。化合物I-1h:EDC・HCl縮合法により2,5-ジクロロ安息香酸及びIIIeを用いて合成した。化合物I-1i:EDC・HCl縮合法により2,5-ジクロロ安息香酸及びIIIfを用いて合成した。化合物I-1j:EDC・HCl縮合法により2-ピラジンカルボン酸及びIIaを用いて合成した。化合物I-1k:EDC・HCl縮合法により2-ピラジンカルボン酸及びIIcを用いて合成した。化合物I-1l:EDC・HCl縮合法により5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフトエ酸及びIIcを用いて合成した。化合物I-1m:EDC・HCl縮合法により5-メチルイソキサゾール-3-カルボン酸及びIIIaを用いて合成した。化合物I-1n:EDC・HCl縮合法により5-メチル-2-ピラジンカルボン酸及びIIIdを用いて合成した。
本発明で用いられた、アミノ基が保護された他のアミノ酸メチルエステルは実施例(1)に記載のEDC・HCl縮合法により調製することができ、メチルエステルは全て精製されず、そのまま次の反応に用いられた。
(2)、(S)-N-(メトキシアセチル)フェニルアラニンメチルエステル(1-1o)の調製
メトキシ酢酸(280mg、3.13mmol)をCHCl(6mL)に溶解し、-10℃でSOCl(0.25mL、3.45mmol)を滴下した。滴下終了後、室温まで上昇させて2h反応させた。メトキシアセチルクロリド溶液をそのまま次の工程に用いた。IIId(0.67g、3.13mmol)を3mLのCHClに溶解し、トリエチルアミン(1.58g、15.65mmol)を添加し、メトキシアセチルクロリド溶液を滴下し、一晩反応させた。TLCで反応を確認し、水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、カラムクロマトグラフィーにより分離して油状の目的化合物0.69gを得た(収率87.3%)。
化合物I-1p:酸クロリド縮合法により3-メトキシプロピオン酸及びIIIdを用いて合成した。化合物I-1q:酸クロリド縮合法により酪酸及びIIIdを用いて合成した。化合物I-1r:酸クロリド縮合法によりシクロプロピルカルボン酸及びIIIdを用いて合成した。化合物I-1s:酸クロリド縮合法によりシクロペンチルカルボン酸及びIIIdを用いて合成した。
本発明で用いられた、アミノ基が保護された他のアミノ酸メチルエステルとアルキル酸は実施例(2)に記載の縮合法により調製することができ、メチルエステルは全て精製されず、そのまま次の反応に用いられた。
合成された具体的な化合物及びその性質は以下の表に示される。
2、(S)-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)アラニン(I-2a)の調製
化合物I-1a(129mg、0.31mmol)を2.5mLのMeOHで溶解し、LiOH・HO(39mg、0.92mmol)及びHO(0.8mL)を添加し、TLCで確認し、2h後に反応が終了した。有機相をスピン乾燥させ、エチルエーテル(2×1mL)で水相を抽出し、pHが2~3になるまで水相に塩酸を滴下し、大量の白色固体を生成し、酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧留去し、白色製品106mgを得た。収率86.0%, mp 185.1~186.9℃。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 3.02 (-CH, dd, J= 10.6 Hz, J = 13.8 Hz, 1H), 3.30 (-CH, dd, J = 4.6 Hz, J = 13.9 Hz, 1H), 4.68 (-CH, ddd, J = 4.7 Hz, J = 8.4 Hz, J = 10.4 Hz, 1H), 7.15 (-Ph, d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.49 (-Ph, t, J = 4.9 Hz, 2H), 7.52 (-Ph, d, J = 6.0 Hz, 2H), 7.66 (-Ph, d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.90 (-CONH, d, J = 8.2 Hz, 1H), 13.12 (-COOH, s, 1H)。 MS (ESI): m/z 403.9 [M-H]
本発明で用いられた、アミノ基が保護された他のアミノ酸は実施例2に記載の方法により調製することができる。
化合物I-2b:I-1bを実施例2の方法により合成した。化合物I-2c:I-1cを実施例2の方法により合成した。化合物I-2d:I-1dを実施例2の方法により合成した。化合物I-2e:I-1eを実施例2の方法により合成した。化合物I-2f:I-1fを実施例2の方法により合成した。化合物I-2g:I-1gを実施例2の方法により合成した。化合物I-2h:I-1hを実施例2の方法により合成した。化合物I-2i:I-1iを実施例2の方法により合成した。化合物I-2j:I-1jを実施例2の方法により合成した。化合物I-2k:I-1kを実施例2の方法により合成した。化合物I-2l:I-1lを実施例2の方法により合成した。化合物I-2m:I-1mを実施例2の方法により合成した。化合物I-2n:I-1nを実施例2の方法により合成した。化合物I-2o:I-1oを実施例2の方法により合成した。化合物I-2p:I-1pを実施例2の方法により合成した。化合物I-2q:I-1qを実施例2の方法により合成した。化合物I-2r:I-1rを実施例2の方法により合成した。化合物I-2s:I-1sを実施例2の方法により合成した。
合成された具体的な化合物及びその性質は以下の表に示される。
3、(S)-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)プロピオンアミド-D-ロイシンボロン酸-(+)-α-ピナンジオールエステル(I-3a)の調製
化合物I-2a(340mg、0.84mmol)及びHOBt(218g、1.67mmol)をCHCl(18mL)に溶解し、-10℃で10min反応させ、EDC・HCl(321mg、1.67mmol)を添加して30min反応させ、(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート(317mg、0.84mmol)を添加し、10min反応させた後、DIPEA(433mg、3.35mmol)を添加し、20min反応させた後、室温まで上昇させ、一晩反応させた。TLCで反応を確認し、それぞれ10%の塩酸溶液(20mL)、5%のNaHCO溶液(20mL)及び飽和食塩水(2×20mL)で洗浄し、CHCl層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより分離して油状の目的化合物480mgを得た。収率87.6%。H NMR (400 MHz, CDCl) δ 0.82 (-CH, s, 3H), 0.85 (-CH, s, 6H), 1.16 (-CH, dd, J = 7.8 Hz, J = 10.8 Hz, 1H), 1.28 (-CH, s, 3H), 1.32 (-CH, d, J = 14.3 Hz, 1H), 1.39 (-CH, s, 3H), 1.41 - 1.52 (-CH, m, 1H), 1.63 (-CH, s, 1H), 1.81 (-CH, dd, J = 2.8 Hz, J = 14.5 Hz, 1H), 1.90 (-CH, d, J = 2.4 Hz, 1H), 1.98 - 2.05 (-CH, m, 1H), 2.12 - 2.23 (-CH, m, 1H), 2.25 - 2.38 (-CH, m, 1H), 3.19 (-CH, dd, J =8.5 Hz, J = 13.7 Hz, 1H), 3.23 - 3.31 (-CH, m, 2H), 4.21 - 4.34 (-CH, m, 1H), 4.75 - 4.94 (-CH, m, 1H), 5.90 (-CONH, dd, J = 5.6 Hz, J = 22.2 Hz, 1H), 6.94 (-CONH, d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.29 - 7.36 (-Ph, m, 2H), 7.41 (-Ph, dd, J = 4.2 Hz, J = 7.8 Hz, 2H), 7.51 (-Ph, s, 1H), 7.55 (-Ph, dd, J = 3.7 Hz, J = 8.0 Hz, 2H)。 MS (ESI): m/z 653.2 [M+H]
本発明で用いられた、アミノ基が保護された他のアミノ酸は実施例3に記載の方法により調製することができる。
化合物I-3b:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2bを用いて合成した。化合物I-3c:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ- 1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2cを用いて合成した。化合物I-3d:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2dを用いて合成した。化合物I-3e:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2eを用いて合成した。化合物I-3f:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2fを用いて合成した。化合物I-3g:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2gを用いて合成した。化合物I-3h:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2hを用いて合成した。化合物I-3i:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2iを用いて合成した。化合物I-3j:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2jを用いて合成した。化合物I-3k:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2kを用いて合成した。化合物I-3l:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2lを用いて合成した。化合物I-3m:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2mを用いて合成した。化合物I-3n:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2nを用いて合成した。化合物I-3o:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2oを用いて合成した。化合物I-3p:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2pを用いて合成した。化合物I-3q:EDC・HCl縮合法により(aR,3aS,4S,6S,7aR)-ヘキサヒドロ-3a,8,8-トリメチル-alpha-(2-メチルプロピル)-4,6-メタノ-1,3,2-ベンゾジオキサボロラン-2-メチルアミン2,2,2-トリフルオロアセテート及びI-2qを用いて合成した。
合成された具体的な化合物及びその性質は以下の表に示される。
4、(S)-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)プロピオンアミド-D-ロイシンボロン酸(IV-1)の調製
化合物I-3a(317mg、0.49mmol)を3mLのMeOHに溶解し、イソブチルボロン酸(247mg、2.43mmol)、n-ヘキサン(3mL)及び1NのHCl(1.2mL、1.2mmol)を順次添加し、一晩反応させて撹拌した。TLCで反応を確認し、n-ヘキサン相をMeOH(2×3mL)で2回抽出し、n-ヘキサン(3mL)でメタノール相を1回洗浄し、メタノールを減圧留去し、CHCl(2×2mL)で水相を2回抽出し、水相が中性になるまで飽和食塩水(3×5mL)で有機相を洗浄した。溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィーにより分離して純粋な生成物193mgを得た。収率76.5%。H NMR(400MHz, CDCl) δ 1.18 (-CH, s, 3H), 1.25 (-CH, s, 3H), 2.13 - 2.41 (-CH, m, 2H), 2.45 - 2.61 (-CH, m, 1H), 3.20 - 3.58 (-CH, m, 2H), 3.58 - 3.71 (-CH, m, 1H), 5.21 - 5.62 (-CH, m, 1H), 7.62 - 7.75 (-Ph, m, 4H), 7.84 (-Ph, t, J = 13.5 Hz, 3H)。 13C NMR (CDCl, 100MHz) δ 22.67, 27.21, 31.90, 35.60, 51.28, 54.80, 125.37, 125.55, 128.92, 129.05, 129.47, 129.76, 129.85, 131.34, 131.60, 133.12, 133.17, 139.92, 165.18, 170.98。MS (ESI): m/z 517.1 [M-H], calcd: 518.1。 HRMS(ESI): C2224BClNaO [M+Na] 計算値 541.1054, 実験値 541.1118.
本発明の他のボロン酸類化合物は、上記方法により合成することができる。
具体的な化合物は以下の表に示される。
以上に記載のボロン酸類化合物はクエン酸などと反応してボレート類化合物を生成してプロドラッグとして用いることができ、調製方法は以下のとおりであるが、この例に限定されなかった。
5、(S)-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)-3-メトキシプロピオンアミド-D-ロイシンボロン酸ジエタノールアミンエステル(V-8A)の調製
ジエタノールアミン(160mg、1.52mmol)を8mLの酢酸エチルに溶解し、74℃まで上昇させ、1.5mLの酢酸エチルに溶解したIV-1(500mg、1.38mmol)を添加し、ゆっくりと60℃まで降下させ、3h反応させ、更にゆっくりと25℃まで降下させ、一晩静置した。TLCで反応を確認し、濾過し、濾過ケーキを真空乾燥して純粋な生成物557mgを得た。収率85.4%。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 0.80 (-CH, dd, J = 6.7 Hz, J = 9.7 Hz, 6H), 1.12-1.39 (-CH, m, 2H),1.59 (-CH, d, J = 5.5 Hz, 1H), 2.75 (-CH, dd, J = 6.4 Hz, J = 26.3 Hz, 2H), 2.85-3.04 (-CH, m, 2H), 3.08-3.20 (-CH, m, 1H), 3.26 (-CH, s, 3H), 3.59 (-CH, dt, J = 8.1 Hz, J = 22.2 Hz, 4H), 3.69 (-CH, d, J = 5.3 Hz, 2H), 4.59 (-CH, dd, J = 6.7 Hz, J = 12.9 Hz, 1H), 6.56 (-NH, s, 1H), 6.99 (-CONH, d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.45 (-Ph, d, J = 13.7 Hz, 1H), 7.54 (-Ph, s, 2H), 8.69-8.82 (-CONH, m, J = 7.9 Hz, 1H)。 HRMS (ESI): C2030BCl [M+Na] 計算値 496.1548, 実験値 497.1546。
6、(S)-N-(2,5-ジクロロベンゾイル)-3-メトキシプロピオンアミド-D-ロイシンボロン酸クエン酸エステル(V-8B)の調製
クエン酸(192.12mg、0.39mmol)を2mLの酢酸エチルに溶解し、74℃まで上昇させ、クエン酸が完全に溶解した後、1mLの酢酸エチルに溶解した化合物IV-1(363.03mg、0.36mmol)を添加し、ゆっくりと60℃まで降下させ、3h反応させ、更にゆっくりと25℃まで降下させ、一晩静置した。TLCで反応を確認し、濾過し、濾過ケーキを真空乾燥して純粋な生成物90.0mgを得た。収率48.6%。H NMR (400 MHz, DMSO) δ 0.86 (-CH, d, J = 6.3 Hz, 6H), 1.39-1.21 (-CH, m,2H), 1.70 (-CH, d, J =26.1 Hz, 1H),2.81-2.52 (-CH, m, 4H), 2.88 (-CH, s, 1H), 3.15 (-CH, s, 3H) 3.30-3.55(-CH, m, 2H), 4.46(-CH, m, 1H), 7.78-7.44 (-Ph, m, 3H), 9.12 (-NH, s, 1H), 10.73 (-NH, s, 1H), 12.15 (-COOH, s, 2H)。 HRMS (ESI): C2030BCl [M+Na] 計算値 583.1028, 実験値 583.1030。
本発明の他のジエタノールアミンボレート、クエン酸ボレートプロドラッグ化合物はいずれも実施例5と実施例6の方法を用いて合成することができる。具体的な化合物は以下の表に示される。
第二部分 プロテアソーム阻害活性の測定
プロテアソーム阻害活性
本発明は、蛍光ポリペプチド基質Suc-Leu-Leu-Val-Tyr-AMC(Suc-LLVY-AMCと略称し、Sueはスクシニルを表し、AMCは7-アミド-4-メチルクマリンを表す)によりプロテアソームのキモトリプシン様酵素活性を測定した。
本発明に用いられるプロテアソームはヒト赤血球20Sプロテアソームであり、酵素、蛍光基質及び試験緩衝液はいずれもEnzo社から購入された。実験系は16μLであり、そのうち基質が8μLであり、プロテアソームが4μL(0.8ng)であり、最終濃度が50μMであり、薬物(阻害剤)が4μLであり、最終濃度が2×10-6M~4.88×10-10Mであり、最後の濃度が0Mであり、実際の配合濃度が8×10-6M~1.95×10-9Mであり、最後の濃度が0Mであった。具体的な実験過程は以下のとおりである。
1、薬物の配合:
薬物を量り、DMSOを添加して濃度が10-2Mになるまで溶解した。ピペットで2μLを吸い取り、濃度が2×10-4Mになるように98μLのDMSOに添加し、続いて濃度が2×10-4Mである薬物から8μLを吸い取り、濃度が8×10-6Mになるように198μLのHOに添加した。同じ方法により濃度が2×10-6M、5×10-7M、1.25×10-7M、3.12×10-8M、7.8×10-9M、1.95×10-9Mである薬物を得、最後の濃度が0Mであり、薬物を添加しなかったものである。
2、基質の調製:
25mgの蛍光ペプチド基質を654μLのDMSOに溶解し、50mMの貯蔵液を得、-20℃で貯蔵し、使用時に500倍希釈し、各サンプルに8μLずつを添加し、反応系における最終基質濃度を50μMにした。
3、反応系の調製:
緩衝溶液で20Sプロテアソーム(2ng/μL)を溶液の濃度が8ng/μLになるまで希釈し、384ウェルの蛍光マイクロプレートに添加し、各ウェルに4μLずつを添加し、更に各ウェルに試験サンプルを4μLずつ添加した。市販の薬物であるベルケイドを陽性対照薬とし、37℃で15min反応させた。反応終了後、各ウェルに蛍光基質を8μLずつ添加し、37℃で暗所で1時間反応させた。360nm/460nmの蛍光マイクロプレートリーダー(BMG LABTECH POLARstar OPTIMA Microplate Reader)により蛍光値を測定した。
4、データ処理
背景値を除去した後濃度の異なる薬物で得られた生成物の蛍光値を算出し、GraphPad Prismソフトウェアによりプロテアソーム阻害に対する薬物のIC50濃度を算出した。
一部の化合物の結果は以下の表に示される。
ここでベルケイド及びMLN9708の化学構造式は以下のとおりである。
細胞株阻害活性
本発明に用いられる検出液はPromega社製の単一溶液細胞増殖検出キットであった。用いられる細胞はU266、RPMI8226、ARH77であった。実験系は110μLであり、そのうち細胞懸濁液90μL、検出液10μL、薬物(阻害剤)10μLが含まれ、その最終濃度が4.54×10-8M~1.77×10-9Mであり、最後の濃度が0Mであり、実際の配合濃度が5×10-7M~1.95×10-8Mであり、最後の濃度が0Mであった。具体的な実験過程は以下のとおりである。
1、薬物の配合:
薬物を正確に量り、DMSOを添加して濃度が10-2Mになるまで溶解した。ピペットで1μLを吸い取り、濃度が5×10-5Mになるように199μLのDMSOに添加し、続いて濃度が5×10-5Mである薬物から3.3μLを吸い取り、濃度が5×10-7Mになるように326.7μLの無血清RPMI1640培地を添加し、1.5倍の勾配で希釈し、濃度が3.3×10-7M、2.2×10-7M、1.48×10-7M、9.87×10-8M、6.58×10-8M、4.38×10-8M、2.92×10-8M、1.95×10-8Mである薬物を得、最後の濃度が0Mであり、薬物を添加しなかったものである。
2、細胞懸濁液の配合:
細胞をそれぞれカウントした後、U266を希釈して1×10個/ウェルとなるように接種し、RPMI8226とARH77をともに1×10個/ウェルとなるように播種した。
3、反応系の調製:
96ウェル蛍光マイクロプレートの各ウェルに細胞懸濁液を90μLずつ添加し、24hインキュベートし、続いて各ウェルに試験サンプルを10μLずつ添加し、市販の薬物であるベルケイドを陽性対照薬とし、24hインキュベートし、反応終了後、各ウェルに検出液を10μLずつ添加し、2~3hインキュベートし、490nmの蛍光マイクロプレートリーダー(BMG LABTECH POLARstar OPTIMA Microplate Reader)により吸光度を検出した。
4、データ処理
基質を除去した後濃度の異なる薬物で得られた生成物の吸光度を算出し、GraphPad Prismソフトウェアにより細胞毒性に対する薬物のIC50濃度を算出した。
一部の化合物の結果は以下の表に示される。
インビトロ酵素活性及び細胞毒性の結果から分かるように、本発明における化合物及びそのプロドラッグは、現在市販されているプロテアソーム薬物と比較し、インビトロ酵素活性及び複数種の細胞においてより優れた活性を示した。
インビボ薬物動態評価
体重220±20gの12匹のSD雄ラットを四つの群にランダムに分けた。
二つの群では、以下の表に示す用量でIV-9及びV-9Aをそれぞれ尾静脈注射投与し、投与前及び投与後10min、20min、30min、1h、2h、4h、8h、12h、24h及び36hに、頸静脈から約0.200mLの血液を採取し、EDTA-K2の入った試験管に入れ、15min高速遠心分離した(7800×g)後、血漿を分離し、-15℃~-35℃で貯蔵した。IV-9とV-9Aの静脈注射投与による薬物動態差異を比較した。
他の二つの群では、以下の表に示す用量でIV-9及びV-9Aをそれぞれ胃内投与し、投与前及び投与後5min、10min、20min、30min、1h、2h、4h、8h、12h、24h及び36hに、頸静脈から約0.200mLの血液を採取し、EDTA-K2の入った試験管に入れ、15min高速遠心分離した(7800×g)後、血漿を分離し、-15℃~-35℃で貯蔵した。IV-9とV-9Aの経口投与による薬物動態差異を比較した。
以上の薬物動態データから分かるように、化合物IV-9をジエタノールアミンボレートプロドラッグ(V-9A)にした後、化合物の薬物動態性質は明らかに向上し、半減期(T1/2)は延長し、また、経口バイオアベイラビリティは11%(IV-9)から24.9%(V-9A)まで向上した。それから分かるように、本発明における好ましい一連のペプチドボロン酸エステル化合物は、ペプチドボロン酸化合物よりも優れた薬物動態性質を有している。
動物異種移植モデルの評価
ヒト多発性骨髄腫細胞系ARH-77を用い、Balb/cnudeマウスに腫瘍を皮下移植し、移植腫瘍モデルを構築した。具体的な実験過程は以下のとおりである。
1、上海必凱実験動物有限公司から4~6週齢のBalb/cnudeマウスを購入し、バリアシステムに移して一週間環境に適応させて飼育した。
2、細胞を対数成長期になるまで培養し、細胞を消化して遠心分離した後、密度1×10個/mlでマトリゲルに再懸濁させ、使用するために氷に放置した。バリアシステムに入れ、マウス1匹あたり1×10個の細胞を接種し、腫瘍細胞を動物の右前肢のわきに接種した。動物1匹あたりの接種体積は100マイクロリットルであった。
3、動物を飼育し続け、ノギスで腫瘍体積を測定した。平均体積が100~150mmまで増加した時、動物を1群/6匹でブランク対照群、陽性薬物群(化合物MLN-9708)及び実験群(化合物V-2A)の三つの群にランダムに分けた。
腫瘍体積の計算式は以下のとおりである。
4、用いられた化合物を、5%のβ-スルホブチルシクロデキストリンナトリウム水溶液により適切な濃度に配合し、清澄になるまで超音波処理した後、使用するために4℃の冷蔵庫に入れて貯蔵した。
5、投与方法は経口投与であり、陽性薬物群では、投与頻度は毎週二回であり、投与量は5mg/kgであり、実験群では、毎日投与し、投与量は1mg/kgであり、三週間連続して投与した後、マウスを死亡させ、実験を終了した。この間、腫瘍体積を毎週二回測定して記録した。また、GraphPad Prismソフトウェアにより、腫瘍の成長に対する薬物の阻害効果を算出した。具体的な実験結果は図1に示される。
以上の結果から分かるように、化合物V-9Aは、1mg/kgの用量で腫瘍抑制率が63.48%であり、5mg/kgの用量で市販の経口プロテアソーム阻害剤MLN-9708による腫瘍への抑制率(25.28%)よりも顕著に高かった。上記研究結果により、市販の製品と比較し、V-9Aが低用量でより高いインビボ薬力を示したことが証明される。
インビボでの血球の薬物動態研究
本発明で設計された化合物は、血液系の悪性腫瘍を治療するために用いることができるため、単回投与後の血中プロテアソーム活性を検出することにより化合物の薬力を評価し、異なる時点で採血して検出することによりインビボ薬力学的研究を行うことができる。
具体的な実験過程は以下のとおりである:
1、上海必凱実験動物有限公司から試験に用いられた8週齢の雌ICRマウスを購入し、バリアシステムに移して一週間環境に適応させて飼育した。
2、動物を1群/3匹で陽性対照群(MLN9708)と二つの実験群(IV-9、V-9A)の三つの群に分けた。
3、投与前、各動物に対し、それぞれブランク対照として眼窩静脈叢から100μLの血液を採取し、このサンプルにおいて血球で測定されたプロテアソーム活性を100%とした。投与後、それぞれ1時間、24時間に眼窩静脈叢から血液を採取し、血球におけるプロテアソームの活性を検出し、0時間のデータと比較し、血中プロテアソーム活性に対する薬物の阻害効果及び回復状況が分かった。
4、投与方法は経口投与であり、MLN9708の投与量は5mg/kgであり、IV-9群、V-9A群の投与量はいずれも2mg/kgであった。
5、血球におけるプロテアソームの活性を検出するためのキットはPromega社から購入され、具体的な実験工程は以下のとおりである。100μLの全血を吸い取り、500μLのPBSを添加して洗浄して赤血球を回収し、再度洗浄し、その後、100μLのPBSを添加して再懸濁させ、懸濁液から50μLを吸い取り、細胞分解液を添加してタンパク質定量を行うことで検出値を補正し、さらに20μLを吸い取り、PBSで100μLに5倍希釈し、更にこの希釈液を蛍光ペプチド基質と反応させ、マイクロプレートリーダーでプロテアソーム活性を検出した。
実験で得られた具体的なデータは、図2に示される。研究結果から分かるように、投与後1時間後、化合物IV-9は、MLN9708と略同等の阻害活性を示し、V-9Aはより優れた阻害活性を有し、投与後24時間後、MLN9708群のプロテアソーム活性は対照群の活性の80%に回復したが、IV-9群は対照群の活性の約60%だけに回復し、V-9A群は対照群の活性の約40%だけに回復した。以上の研究データにより、本発明の化合物がより優れた薬力学的性質を有し、インビボでより優れた薬力を有し、また薬力持続時間がより長かったことが示される。
本発明で設計された化合物の治療用量は、投与方法、治療目的、患者の健康状況及び医師の処方により決定される。薬物組成物における本発明で設計された化合物の濃度及び割合は、投与経路、投与量及び化学的特性を含む様々な要因により変化する。例えば、本発明で設計された化合物は、約0.1~10%w/vで非腸内投与する水性生理緩衝液に用いられる。通常、用量範囲は、一日あたり約1μg/kg~1g/kgである。具体的な実施形態では、用量範囲は、一日あたり約10μg/kg体重~100mg/kg体重である。用量は、投与経路、患者の健康状態、疾患または障害の種類と進行程度、化合物の相対的な生物学的効力、及び賦形剤の処方により変化する。有効量は、インビトロまたは動物モデル試験システムの用量反応曲線から推算することができる。

Claims (6)

  1. 下記から選択される化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 0007314259000075
    Figure 0007314259000076
  2. 薬学的に許容される担体及び請求項1に記載の化合物を含む、薬物組成物。
  3. 請求項1に記載の化合物のプロテアソーム阻害剤の調製における使用。
  4. 請求項1に記載の化合物の疾患の治療用薬物の調製における使用であって、前記疾患は固形腫瘍及び血腫から選択されることを特徴とする使用。
  5. 請求項1に記載の化合物の疾患の治療用薬物の調製における使用であって、前記疾患は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮細胞癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、皮膚癌、上皮細胞癌、消化管間質腫瘍又は鼻咽頭癌から選択されることを特徴とする使用。
  6. 請求項1に記載の化合物の疾患の治療用薬物の調製における使用であって、前記疾患は、白血病、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫又は組織球性リンパ腫から選択されることを特徴とする使用。

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