<法的事項の遵守>
本明細書に記載の開示は、通信の秘密など、本開示の実施に必要な実施国の法的事項遵守を前提とすることに留意されたい。
本開示に係る情報送信方法を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。
<システム構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1の構成を示す。図1に開示されるように、通信システム1では、ネットワーク30を介してサーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C)とが接続される。サーバ10は、ネットワーク30を介してユーザが所有する端末20に、端末20間でのメッセージの送受信を実現するサービスを提供する。また、ネットワーク30には、他のサービスを提供する施設サーバ40が接続されていてもよく、端末20は、施設サーバ40が提供するウェブサイトも利用可能である。なお、ネットワーク30に接続される端末20の数は限定されない。同様に、ネットワーク30に接続する施設サーバ40の数も限定されない。施設サーバ40は、様々なサービスを提供するためのサーバであってよく、限定するわけではなく一例として、各種宿泊施設に対応するサーバであったり、イベント情報を提供するサーバであったり、飲食店に対応するサーバであったり、何らかの広告を頒布するサーバなどであってよいし、自社製品の宣伝を行う企業のサーバであったりしてよい。
ネットワーク30は、1以上の端末20と、1以上のサーバ10とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、端末20がサーバ10に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
ネットワーク30のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク30は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(integrated service digital networks)、無線LAN、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク30は、1つまたは複数のネットワーク30を含むことができる。
端末20(端末20A,端末20B,端末20C)は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末20は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA・(personal digital assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、または他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、端末20は情報処理端末と表現されても良い。
端末20A、端末20Bおよび端末20Cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、端末20について説明する。また、必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末20Xと表現し、ユーザXまたは端末20Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよい。
サーバ10は、端末20に対して、所定のサービスを提供する機能を備える。サーバ10は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ10は、限定でなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ10は情報処理装置と表現されても良い。サーバ10と端末20とを区別する必要がない場合は、サーバ10と端末20とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよい。
<ハードウェア(HW)構成>
図1を用いて、通信システム1に含まれる各装置のHW構成について説明する。
(1)端末のHW構成
端末20は、制御部21(CPU:central processing unit(中央処理装置))、記憶部28、通信I/F22(インタフェース)、入出力部23、表示部24、位置情報取得部25を備える。端末20のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスB2を介して相互に接続される。
通信I/F22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。この通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F22は、ネットワーク30を介して、サーバ10との通信を実行する機能を有する。通信I/F22は、各種データを制御部21からの指示に従って、サーバ10に送信する。また、通信I/F22は、サーバ10から送信された各種データを受信し、制御部21に伝達する。
入出力部23は、端末20に対する各種操作を入力する装置(入力部)、および、端末20で処理された処理結果を出力する装置(出力部)を含む。入出力部23は、入力部と出力部が一体化していても良いし、入力部と出力部に分離していてもよい。
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部21に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部は、限定でなく例として、タッチパネル231、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、マイク233(音声による操作入力)を含む。
出力部は、制御部21で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部は、限定でなく例として、 タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ232(音声出力)、レンズ(限定でなく例として3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含む。
表示部24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示部24は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部24は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
入出力部23がタッチパネルの場合、入出力部23と表示部24とは、略同一の大きさおよび形状で対向して配置されていても良い。
位置情報取得部25は、端末20の現在位置を取得する機能を有する。限定的でなく例として、位置情報取得部25は、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)などにより実現される。位置情報取得部25は、端末20の現在位置の位置情報として、該端末20の緯度及び経度を測定する。なお、位置情報取得部25による端末20の位置情報の計測は、GPSに限られず、どのような方法を用いてもよい。限定でなく例として、位置情報取得部25は、Wi-Fiなどの無線LANを利用して、端末20の位置情報を測定してもよい。その他にも、位置情報取得部25は、限定でなく例として、IMES(Indoor MEssaging System)やRFID(Radio Frequency Identifier)、BLE(Bluetooth Low Energy)などの通信方式を用いて、端末20の位置情報を測定してもよい。また、位置情報取得部25は、限定でなく例として、LTEやCDMAなどの移動体通信システムを用いて、端末20の位置情報を測定してもよい。位置情報取得部25は、制御部21からの要求に従って、端末20の位置情報を測定し、測定した位置情報を、制御部21に伝達する。
制御部21は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
制御部21は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)を含む。
記憶部28は、端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部28は、限定でなく例として、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体を含む。
端末20は、プログラムPを記憶部28に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部21が、制御部21に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部28に記憶されるプログラムPは、端末20に、制御部21が実行する各機能を実現させる。
マイク233は、音声データの入力に利用される。スピーカ232は、音声データの出力に利用される。カメラは、動画像データの取得に利用される。
(2)サーバのHW構成
サーバ10は、制御部11(CPU)、記憶部15、通信I/F14(インタフェース)、入出力部12、表示部13を備える。サーバ10のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスB1を介して相互に接続される。
制御部11は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定でなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
制御部11は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよい。ただし、本開示において、制御部11は、これらに限定されない。
記憶部15は、サーバ10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部15は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部15は、これらに限定されない。
通信I/F14は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。この通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F14は、ネットワーク30を介して、端末20との通信を実行する機能を有する。通信I/F14は、各種データを制御部11からの指示に従って、端末20に送信する。また、通信I/F14は、端末20から送信された各種データを受信し、制御部11に伝達する。
入出力部12は、サーバ10に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部12は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部11に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入出力部12は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入出力部12、限定でなく例として、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含んでいてもよい。ただし、本開示において、入出力部12は、これらに限定されない。
表示部13は、代表的にはモニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。なお、表示部13は、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよい。なお、これらの表示部13は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。ただし、本開示において、表示部13は、これらに限定されない。
サーバ10は、プログラムPを記憶部15に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部11が、制御部11に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部15に記憶されるプログラムPは、サーバ10に、制御部11が実行する各機能を実現させる。
本開示の各実施形態においては、端末20および/またはサーバ10のCPUがプログラムPを実行することにより、実現するものとして説明する。
なお、端末20の制御部21、および/または、サーバ10の制御部11は、CPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
また、本開示の各実施形態のプログラムP(ソフトウェアプログラム/コンピュータプログラム)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムPを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。
サーバ10および/または端末20は、記憶媒体に記憶されたプログラムPを読み出し、読み出したプログラムPを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。
また、本開示のプログラムPは、プログラムPを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ10および/または端末20に提供されてもよい。サーバ10および/または端末20は、限定でなく例として、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムPを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
また、本開示の各実施形態は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
サーバ10および/または端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
端末20における処理の少なくとも一部を、サーバ10により行う構成としてもよい。この場合、端末20の制御部21の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、サーバ10で行う構成としてもよい。
サーバ10における処理の少なくとも一部を、端末20により行う構成としてもよい。この場合、サーバ10の制御部11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、端末20で行う構成としてもよい。
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
<第1実施形態>
本実施形態は、サーバ10が、端末20のユーザに対して、ユーザがサーバ10に対して公開した個人情報の開示度合に応じて、報酬を送信する。
一例として、図2(a)に示すように、図1に示すサーバ(情報処理装置)10のうち、通信部(通信I/F)14と、制御部11とを備える構成であってもよい。なお、サーバ10の構成は図1に記載する構成を適宜追加および取り外してもよく、また図1のサーバ10に記載されていない構成も適宜追加するようにしてもよい。
サーバ10の通信部14は、ユーザの端末20から個人に関する個人情報を受信する。そして、通信部14は、個人情報の開示の度合いに基づいて、報酬情報を通信部によって送信する。
通信部14は、制御部11からの指示に従って、制御部11が受信した個人情報の開示の度合いに基づいて、定めた報酬情報を送信するものであってもよい。
ここで、個人情報とは、端末20を保持するユーザ自身に関する情報のことであり、ユーザの特徴や属性を示す情報のことである。限定ではなく、一例として、個人情報としては、ユーザの名前、性別、年齢、住所、電話番号、嗜好、所得など、ユーザに関わることであればどのような情報であってもよい。
また、個人情報の開示の度合いとは、上述したような各種の個人情報の開示の量、あるいは、開示を求められている個人情報全てに対してユーザが開示した情報の割合のことを意味する。
そして、報酬情報にて示される報酬とは、ユーザにとって、何らかの形で有益になるものであればどのようなものであってもよい。限定するのではなく一例として言えば、メッセージングアプリケーションを利用するうえで使用可能なサービスを利用するためのポイントであったり、メッセージングサービス以外の他のサービスを利用するためのポイントであったり、目的地である宿泊施設等の利用料(宿泊費)の軽減の権利であったり、宿泊施設で利用可能なサービスの無料利用権であったり、宿泊施設近辺で利用可能なサービス利用権であったり、仮想通貨や電子マネーなどであってよい。
そして、報酬情報を送信するとは、サーバ10から、ユーザに対して上述したような報酬を与えることをいう。限定ではなく、一例として言えば、メッセージングアプリケーションを利用するうえで使用可能なサービスを利用するためのポイントを報酬とする場合には、サーバ10上で管理する各ユーザに対応付けているポイントを加算して更新することをいう。また、あるいは、報酬が各種のサービスを利用するための権利である場合には、報酬情報を送信するとは、その旨を示す表示情報(例えば、クーポン)をユーザの端末に送信することであってもよい。また、報酬が仮想通貨や電子マネーである場合には、報酬情報を送信するとは、所定額の仮想通貨や電子マネーをネットワーク上で使用するためのパスワードを送付することであってもよい。
当該構成により、サーバ10は、ユーザに対して、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じた報酬を送ることができ、ユーザに対して個人情報の開示を促すことができる。
このようなサーバ10を備える通信システム1について、以下詳細に説明する。なお、図2(a)に示す各機能部は、図2(b)に示すように、同等の機能を有する回路として構成されてよく、その場合に、1つの回路が複数の機能部の機能を実現するように構成されてもよい。
<機能構成>
(1)端末の機能構成
端末20の通信I/F22は、制御部21(個人情報作成部213)からの指示によりユーザの個人情報を、ネットワーク30を介して、サーバ10に送信する。
端末20の制御部21により実現される機能として、メッセージ処理部211と、表示処理部212と、個人情報作成部213と、を有する。なお、制御部21の構成は、上記した全ての構成を備える必要がなく、実施の形態に基づいて適宜一部の機能を取り外してもよい。
メッセージ処理部211は、所望のトークルームへの参加のための処理を行う機能を有している。トークルームへは、個人単位で参加することができるとともに、グループ単位でも参加することができる。ここで、トークルームとは、メッセージングサービスにおいて、メッセージのやり取りができるユーザインターフェースのことをいい、一連のトーク内容(やり取り)を表示する画面表示のことを指すこともある。メッセージ処理部211は、メッセージングアプリケーションを実行して、トークルームに参加する。メッセージ処理部211は、トークルームでのメッセージの送受信および送受信したメッセージを自端末で表示するための表示情報を取得し、表示処理部212に伝達する機能を有している。トークルームの表示画面としては、限定ではなく例として、上から下に向かう時間軸に対し、左側に受信メッセージが表示され、右側に送信メッセージが表示される。トークルームに参加した状態でメッセージを送信(発言)することで、サーバ10を経由して、他の参加者の端末にメッセージが送信される。メッセージ処理部211は、ユーザからの指示に従って、メッセージの送信の一環として、記憶部15に記憶されている個人情報を、トークルームを介してサーバ10に送信することとしてもよい。
表示処理部212は、制御部21が生成した表示データを、表示部24を介して表示する。表示処理部212は、表示用のデータを画素情報に変換し、表示部24のフレームバッファに書き込む機能を有する。表示処理部212は、サーバ10から送信される報酬情報に係る表示用のデータを表示部24のフレームバッファに書き込むことにより、表示部24に報酬情報を表示させる。
個人情報作成部213は、入出力部23から伝達されたユーザによる入力内容にしたがって個人情報を生成する。ここでいう個人情報の生成とは、ユーザが入力した内容にしたがって、各個人情報の種別(属性)それぞれに対応して、ユーザが入力した内容を対応付けた情報を生成することを意味する。個人情報の種別(属性)とは、ユーザの個人情報の内容を特定するものであって、限定ではなく一例として、ユーザの名前、年齢、性別、住所、電話番号、メールアドレス、嗜好、家族情報などが含まれてよい。個人情報作成部213は、生成したユーザの個人情報を記憶部28に記憶させる。個人情報作成部213は、通信I/F22に、サーバ10に宛ててユーザの個人情報を送信する。
記憶部15は、個人情報作成部213により生成されたユーザの個人情報を記憶する。ユーザの個人情報の詳細については後述する。
(2)サーバの機能構成
図1に示すように、サーバ10の制御部11により実現される機能として、決定部111と報酬送信部112として機能する。
決定部111は、ユーザに対して与える報酬を決定する。決定部111は、記憶部28に記憶されている報酬配布基準情報400と、ユーザの個人情報とに基づいて、ユーザに与える報酬を決定する。より具体的には、決定部111は、ユーザの個人情報において開示されている個人情報の開示度合(開示されている数や、開示が求められている個人情報全体に対して開示した割合)を算出する。そして、決定部111は、報酬配布基準情報400を参照して、算出した開示度合に応じた報酬を決定する。
報酬送信部112は、決定部111が決定した報酬情報を、端末20のユーザに送信する。ここで、ユーザに報酬情報を送信するとは、ユーザに対して報酬を与えること含み、限定ではなく一例として、報酬がポイントである場合には、サーバ10で管理するユーザに対応付けられているポイントに対して、報酬としてのポイントを加算することをいう。また、あるいは、報酬が何等かのサービスを受けるための対価の割引という形で、与えられる場合には、その割引の権利を示す情報(例えば、クーポン)を端末20に送信することであってもよい。また、あるいは、報酬が何らかの物品である場合には、報酬を付与するとは、当該物品をユーザの住所に宛てて送ることであってもよい。また、例えば、報酬が仮想通貨である場合には、仮想通貨を使用するためのパスワードを示す情報を送信することであってもよい。
記憶部15は、報酬を決定するための報酬配布基準情報400を記憶している。報酬配布基準情報400は、ユーザが開示した個人情報の開示度合に基づいて、ユーザに対して与える報酬を決定するための情報である。報酬配布基準情報400の詳細については後述する。
以上の機能を実現することにより、サーバ10は、ユーザに対して、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じた報酬情報を送信することができる。
<データ>
図3は、端末20からサーバ10に送信される個人情報の構成例を示すデータ概念図である。
図3に示すように、個人情報は、端末20を保持するユーザに関する情報を含み、ユーザの「名前」、「年齢」、「住所」、「電話番号」、「メールアドレス」、「年収」、「嗜好」などを含んでよく、更には、ユーザの家族に関する「家族情報」を含んでよい。なお、図3に示した個人情報は一例に過ぎず、図3に示した以外の情報を含んでもよいし、図3に示した情報の一部を含まずともよい。また、ユーザ個人がもちえる複数の情報が登録できるようになっていてもよく、図3に示すように、複数の電話番号や、複数のメールアドレスを個人情報として含んでよい。また、家族情報についても、家族の「名前」や、ユーザ個人との間の「続柄」、「年齢」、「電話番号」、「メールアドレス」等の情報を含んでよい。これらの情報が、サーバ10に送信されることによりサーバ10において、サーバ10が提供するサービスを利用しているユーザが、どのようなユーザであるのかを示す統計情報を得ることができ、限定ではなく一例として、マーケティング等に利用することができる。また、ユーザの個人情報に、ユーザの家族に関する情報が含まれていることにより、限定ではなく一例として、ユーザの家族構成によるユーザの行動の違いのマーケティングや、あるいは、新規ユーザの開拓等に利用することができる。また、ユーザが開示する個人情報を用いて、報酬情報を送信する際に、家族情報が開示されていれば、ユーザの家族に対して報酬を送信することもできる。家族情報に示される家族に報酬を送信する構成を備えていれば、仮にユーザに報酬情報を送ることができなかった場合であっても、ユーザに関連する他の人物に報酬情報を送信することで、ユーザに関連する人物の満足度を向上させることでユーザの満足度も併せて向上させることができる。
端末20のユーザは、図3に示す個人情報の中から、開示してもよいと判断した内容についてのみ入力する。個人情報作成部213は、入出力部23に対するユーザからの入力に従って、個人情報を作成する。そして、入力完了後の個人情報が、端末20のユーザに係る個人情報としてサーバ10に送信される。
図4(a)は、サーバ10が保持する報酬配布基準情報400の一例である。報酬配布基準情報400は、サーバ10がユーザに対して与える報酬を決定するために用いる情報であって、ユーザが開示した個人情報の度合いに応じて、ユーザに与える報酬の対応関係を示す情報である。基本的には、報酬配布基準情報400において、ユーザに与える報酬は、ユーザの個人情報の開示度合が多いほど高くなるように設定されているが、この限りではなく、個人情報の開示度合が異なることによって、報酬の内容が異なるように設定されていればよい。個人情報の開示度合が多いほど報酬をよりよくすることで、ユーザに対してより多くの個人情報の開示を促すことができるので、サーバ10から見た場合には、ユーザについてより多くの情報を得て、マーティング等に役立てることができる。
報酬配布基準情報400は、図4(a)に示すように、個人情報開示数401、即ち、個人情報開示度合と、報酬がそれぞれ報酬(ポイント)402と、報酬(割引率)403と、報酬(物品)404と、が対応付けられた情報である。
個人情報開示数401(個人情報開示度合)は、ユーザが個人情報において開示している数を示す情報である。これは、数に限らず、割合であってもよい。割合の場合には、個人情報として開示を求めている内容の総数に対して、ユーザが開示した数を除した値を、個人情報開示度合として用いることとしてよい。
報酬(ポイント)402とは、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じて、ユーザに対して報酬として何らかのサービスを受けるためのポイントを与える場合のポイント数を示す情報である。
報酬(割引率)403とは、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じて、ユーザに対して報酬として何らかの対価を支払う必要がある場合のサービスに対して、当該対価の割引の権利を与える場合の割引率を示す情報である。即ち、報酬(割引率)403は、例えば、金銭、仮想通貨、ポイントなど、サービスを受けるために数値で換算可能なものを対価として支払う必要がある場合に、その額から割り引くことができる率を示している。
報酬(物品)404とは、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じて、ユーザに対して報酬として何らかの物品を贈与する場合に、何の物品を贈与するのかを示す情報である。
報酬配布基準情報400を記憶部15が記憶していることにより、決定部111は、ユーザに対して、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じてユーザに与える報酬を決定することができる。
図4(a)の場合、個人情報開示数401が、「4」であって、報酬としてポイントが与えられる場合、ユーザには、「10」ポイントの報酬が与えられる。また、報酬として、何らかのサービスの割引の権利である場合には、「5」%の割引の権利が与えられ、報酬としてユーザに物品が与えられる場合には、「物品A」が与えられる。
なお、図4(a)においては、個人情報開示数401を開示度合としたが、上述したように、これはその限りではない。ユーザがどれほどの個人情報を開示しているかの目安になっていればよく、例えば、サーバ10側で、ユーザに対して開示を希望する個人情報のリスト(例えば、図3に示す個人情報からユーザの個人情報を空欄にしたもの)を提示し、リストにおいて埋められた情報の割合(全項目を、ユーザが個人情報を記入した項目の数で除した値)を個人情報の開示度合としてもよく、その場合に、個人情報開示数401に代えて、報酬配布基準情報400の個人情報開示度合は、割合の範囲で示されてよい。即ち、個人情報開示数4011~2の場合、例えば、0~10%、3~4の場合、例えば、11~20%、…というように度合いを定めてもよい。
また、図4(a)には示していないが、更に、個人情報において開示している情報の内容に応じた重み付けを行ったうえで、個人情報開示度合を算出することとしてもよいし、開示内容それぞれに重み付けを行って、重み付けの重い内容(開示ランクが高い内容)を開示しているか否かに応じて、報酬が高くなるように設定されていてもよい。限定ではなく一例をあげて説明すると、個人情報として、住所を開示している場合には開示ランク3(高)、年齢を開示している場合には開示ランク2(中)、嗜好を開示していれば開示ランク1(低)というように設定していてもよく、このとき、ユーザが住所を開示していれば開示ランク3の報酬(高報酬)を与え、ユーザが年齢と嗜好しか開示していなければ開示ランク2の報酬(中報酬)を与えるような構成をとってもよい。また、開示している内容の重み付け値の合計値を、個人情報開示度合としてもよく、限定ではなく一例として、個人情報として、住所を開示している場合には開示ランク3(高)、年齢を開示している場合には開示ランク2(中)、嗜好を開示していれば開示ランク1(低)というような設定とした場合に、ユーザが住所と嗜好を開示していれば、個人情報開示度合を4とし、住所と年齢を開示していれば個人情報開示度合を5とするようにしてもよい。この重み付けを行うことによって、例えば、サーバ10あるいは施設サーバ40において、事業の関係上重要視する個人情報を、ユーザに開示させやすくすることができる。
<動作>
図5は、ユーザの端末20とサーバ10との間のやり取りを示すシーケンス図である。図5に示すように、端末20は、個人情報作成部213は、ユーザの入力に従って個人情報を作成する(ステップS501)。端末20は、作成した個人情報をサーバ10に送信する(ステップS502)。
サーバ10は、端末20から送信された個人情報を受信する。サーバ10は、受信した個人情報の開示度合に基づいて、ユーザに対して与える報酬を決定する(ステップS503)。そして、サーバ10は、決定した報酬に関する報酬情報を、ユーザの端末20に送信する(ステップS504)。
これにより、ユーザは、自身の個人情報をサーバ10に提供することにより報酬を受け取ることができる。また、サーバ10は、ユーザの個人情報を受け取ることにより、どのようなユーザがサービスを利用しているのかを認識することができ、例えば、マーケティングに利用することができる。
図6は、図5におけるやり取りを実現するための端末20の動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、端末20は、個人情報の作成のための指示入力を、タッチパネルを介して受け付ける(ステップS601)。
端末20は、ユーザから、タッチパネルを介して、各種の個人情報の入力を受け付ける(ステップS602)。ここで、ユーザが入力する個人情報は、ユーザの任意による。
端末20の個人情報作成部213は、ユーザから入力された内容にしたがって、個人情報を作成し、作成した個人情報を記憶部28に記憶する。
そして、端末20の制御部21は、記憶部28に記憶されているユーザの個人情報を通信I/F22を介して、サーバ10に送信する(ステップS604)。
ユーザが個人情報を送信したことに応じて、サーバ10からは、その個人情報に基づく報酬情報が送信される。
端末20の通信I/F22は、サーバ10から送信された報酬情報を受信する(ステップS605)。そして、端末20の表示処理部212は、受信した報酬情報を表示部24に表示させて処理を終了する。
これにより、ユーザは、個人情報をサーバ10に開示したことにより、どのような報酬を受領したのかを認識することができる。
図7は、図5におけるやり取りを実現するためのサーバ10の動作を示すフローチャートである。
図7に示すように、サーバ10の通信I/F14は、端末20から送信された端末20のユーザの個人情報を受信する(ステップS701)。制御部11は、受信した個人情報を、記憶部15に記憶させる。
決定部111は、記憶部15に記憶された個人情報を参照し、個人情報が開示されている情報数(個数)を計数する(ステップS702)。そして、計数した情報数に基づいて、端末20のユーザの個人情報の開示度合を特定する(ステップS703)。ここで、開示度合は、上述したように、計数した情報数そのものであってもよいし、個人情報の種別の総数に対して、計数した情報数で除した割合であってもよい。
決定部111は、個人情報の開示度合を特定すると、特定した開示度合に基づいて、ユーザに与える報酬を決定する(ステップS704)。決定部111は、報酬配布基準情報400の個人情報開示数401(個人情報開示度合)を参照して、特定した開示度合がいずれに該当するかを特定する。そして、報酬配布基準情報400において特定した開示度合に対応する報酬を、ユーザに与える報酬として決定する。
報酬送信部112は、決定部111が決定した報酬を示す報酬情報を生成し、生成した報酬情報を、通信I/F14を介して、ユーザの端末20に送信する(ステップS705)。
これにより、サーバ10は、ユーザの個人情報の開示度合に基づく報酬を、ユーザに与えることができる。
<第1実施形態の効果>
本実施形態に係るサーバ10は、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じた報酬をユーザに与えることができる。ユーザは、自身で開示してよいと判断した個人情報を開示することで報酬を受けることができるというメリットを得る。一方で、サーバ10は、報酬を設定することで、ユーザに個人情報の開示を求め、ユーザの情報を得ることができる。また、個人情報の開示度合に応じた報酬を設定しているので、ユーザに対してより多くの個人情報の開示を促すことができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態においては、メッセージングサービスを提供するサーバ10に対して個人情報を開示して、ユーザが報酬を受領する例を示した。本第2実施形態においては、サーバ10以外に個人情報を開示して報酬を受領する例を示す。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
図8は、第2実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。端末20及びサーバ10の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。第2実施形態に係る通信システム1は、第1実施形態と異なり、更に、施設サーバ40が含まれる。
施設サーバ40は、何らかのサービスを提供する施設に係るサーバであり、提供するサービスとしては、どのようなものであってもよい。本実施形態においては、限定ではなく、一例として、宿泊施設に対応するサーバであるとし、施設サーバ40は、宿泊プランに係る情報をユーザに提供するとともに、ユーザから宿泊プランの予約(宿泊の予約)を受け付けて管理する。
図8に示すように、施設サーバ40は、構成自体は、サーバ10と同様の構成を有するサーバ装置である。施設サーバ40は、制御部31と、入出力部32と、表示部33と、通信I/F34と、記憶部35と、を備える。施設サーバ40は、ハードウェア構成としては、サーバ10と同様の構成を有するサーバ装置である。そのため、施設サーバ40については、施設サーバ40に特有の機能について説明する。施設サーバ40は、ユーザの端末20からのアクセスがあった場合に、施設サーバ40が提供するサービスについて情報を提供するウェブサーバとして機能する。また、施設サーバ40は、提供した情報について、ユーザからの予約を受け付けるサーバとしても機能する。
施設サーバ40の制御部31は、ユーザの端末20からのアクセス要求があった場合に、施設サーバ40に係る施設(宿泊施設)を利用するための宿泊プランに係る情報を、通信I/F34を介して、端末20に送信する。
また、制御部31は、ユーザからのサービスの予約を受け付ける予約受付部311として機能する。予約受付部311は、ユーザから指定された宿泊プランと、宿泊日時と、当該ユーザの個人情報と、を対応付けて、予約情報として、記憶部35に記憶する。
制御部31は、予約情報をユーザの端末20に通信I/F34を介して送信する。
一方、サーバ10の制御部11(メッセージ処理部211)は、トークルーム上で、施設サーバ40を紹介する広告メッセージをユーザの端末20に送信する。また、制御部11は、ユーザの端末20から、施設サーバ40へのアクセス要求を受け付けた場合に、当該アクセス要求を、施設サーバ40に送信する。
また、制御部11の決定部111は、ユーザの端末20から施設サーバ40を予約したことを示す予約情報を受け付けた場合に、当該予約情報に含まれる個人情報の開示度合によって、ユーザに与える報酬を決定する。
端末20は、ユーザからの入力に従って施設サーバ40が提供するウェブサイトにアクセスする。表示処理部212は、施設サーバ40から提供されたウェブサイトの情報を表示部24に表示させる。また、端末20の入出力部22はユーザからの入力を受け付けて、施設サーバ40に係る施設のサービスを利用するための予約を行う。即ち、ユーザは施設サーバ40のサービスを利用するために、利用するサービスの指定、サービスを受け付ける日時、ユーザ自身の個人情報を入力して、予約を行う。端末20の通信I/F22は、予約を行ったことに伴って、施設サーバ40から予約情報を受信する。制御部21は、受信した予約情報を、通信I/F22を介して、サーバ10に送信する。制御部21は、受信した予約情報またはユーザが予約を行った際の情報に基づく予約情報において開示した個人情報の開示度合に応じた報酬情報をサーバ10から受信する。
以上が、第2実施形態に係る各装置の構成である。
<動作>
図9は、第2実施形態における通信システム1におけるやり取りを示すシーケンス図である。
図9に示すように、端末20において、トークルーム上においてサーバ10から紹介された施設サーバ40に関する情報を見たユーザは、施設サーバ40への情報を要求する入力を、タッチパネル231を介して行う。ユーザの入力を受け付けた端末20は、サーバ10に対して施設サーバ40のウェブサイトへのアクセス要求を送信する(ステップS901)。
サーバ10は、ユーザの端末20から施設サーバ40へのアクセス要求を受信すると、このアクセス要求を、施設サーバ40に送信する(ステップS902)。
施設サーバ40は、サーバ10から端末20のアクセス要求を受信する。アクセス要求を受信すると、施設サーバ40は、施設に係る情報である各種のプラン情報を掲載するウェブサイトの情報を端末20に送信する(ステップS903)。
ウェブサイトを確認したユーザは、プラン情報のうち予約したいものがあった場合には、予約を実行する(ステップS904)。ここで、予約をするとは、プラン情報のうち、ユーザが利用したいプランを指定し、その利用日時の指定と、ユーザ自身の個人情報の登録を行うことを含む。過去にユーザが施設サーバ40に係る施設を利用し、個人情報を登録している場合には、個人情報の登録は省略してもよい。予約に伴い、施設サーバ40は、ユーザが予約したプラン情報と、予約日時と、ユーザの個人情報とを対応付けた予約情報を記憶する(ステップS905)。
予約を完了すると、ユーザは、端末20を用いて、予約した内容を示す予約情報をサーバ10に送信する(ステップS906)。
サーバ10は、予約情報に含まれるユーザの個人情報の開示度合に基づいて、報酬を決定する(ステップS907)。そして、サーバ10は、端末20に対して、決定した報酬を示す報酬情報を送信する(ステップS908)。
以上が第2実施形態に係る通信システム1における各装置間のやり取りについての説明である。
図10は、図9に示す動作を実現するための端末20の動作を示すフローチャートである。
図10に示すように、端末20の通信I/F22は、サーバ10からトークルーム上で表示するための施設サーバ40に関する情報を受信する。施設サーバ40に関する情報とは、例えば、施設サーバ40の写真や名称、説明文などであってよく、施設サーバ40のウェブサイトへのリンク情報であってよい。制御部21の表示処理部212は、受信した施設サーバ40に関する情報をトークルーム上に表示する(ステップS1001)。
施設サーバ40に関する情報を見たユーザは、施設サーバ40が提供するウェブサイトへのアクセスのための入力を行い、端末20の通信I/F22は、アクセス要求を送信する(ステップS1002)。
アクセス要求を送信したことに応じて、通信I/F22は施設サーバ40から送信された施設に関するウェブサイトの情報を受信する。表示処理部212は、受信したウェブサイトの情報を表示部24に表示させる(ステップS1003)。
表示された各種のプランを見たユーザが、予約したいプランを発見した場合には、ユーザは、端末20を介して予約を行う。即ち、ユーザは、端末20に、予約したいプラン情報を指定し、利用の日時を指定し、ユーザ自身の個人情報を入力する。端末20は、入力された情報を施設サーバ40に送信する(ステップS1004)。なお、ユーザが入力する個人情報について、開示の度合は任意であるとする。
次に、制御部21は、通信I/F22を介して、予約したプラン情報と、利用日時の情報と、予約の際に入力したユーザの個人情報とを含む予約情報をサーバ10に送信する(ステップS1005)。
予約情報を送信したことに伴って、サーバ10からは、予約情報に含まれる個人情報の開示度合に応じた報酬情報が送信され、端末20の通信I/F22は、この報酬情報を受信する(ステップS1006)。制御部21の表示処理部212は、受信した報酬情報を表示部24に表示して、処理を終了する。これにより、ユーザは、施設サーバ40に対して開示した個人情報の開示度合に応じた報酬をサーバ10から受け取ることができる。
図11は、図9に示す動作を実現するためのサーバ10の動作を示すフローチャートである。図11に示す処理は、サーバ10が、端末20から何等かの信号を受信した場合の動作である。
サーバ10の通信I/F14は、ユーザの端末20から、施設サーバ40へのアクセス要求を受け付けた場合には(ステップS1101のYES)、通信I/F14は、このアクセス要求を、施設サーバ40に送信する(ステップS1102)。
一方、通信I/F14は、ユーザの端末20から、予約情報を受信した場合には(ステップS1103のYES)、制御部11の決定部111は、予約情報に含まれる個人情報を抽出する。決定部111は、抽出した個人情報の開示度合を算出し、算出した開示度合と、報酬配布基準情報400とに基づいて、ユーザに与える報酬を決定する(ステップS1104)。
そして、報酬送信部112は、通信I/F14を介して、ユーザの端末20に、決定した報酬を示す報酬情報を送信する。
図12は、図9に示す動作を実現するための施設サーバ40の動作を示すフローチャートである。
施設サーバ40の通信I/F34は、サーバ10から、端末20からのアクセス要求を受信した場合には(ステップS1201のYES)、制御部31は、施設サーバ40に係る施設の情報を含み、この施設を利用するためのプラン情報を含む、ウェブサイトの情報を、通信I/F34を介して、端末20に送信する(ステップS1202)。これにより、施設サーバ40は、対応する施設に関する情報を、提供することができる。
一方、施設サーバ40の通信I/F34は、ユーザの端末20から、施設を利用するための予約を受け付けた場合には(ステップS1203のYES)、制御部31は、受け付けた予約内容を示す予約情報を作成し、記憶部35に記憶する(ステップS1204)。施設サーバ40の記憶部35に記憶される予約情報は、利用日時や、利用するユーザの個人情報、利用するプラン情報を含む。
この表示を見たユーザは興味を覚えた場合に、端末20から施設サーバ40が提供するウェブサイトへのアクセス要求を送信する。
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態において、ユーザの端末20は、サーバ10を経由して、施設サーバ40のウェブサイトにアクセスすることとしたが、これはその限りではないユーザは、端末20を用いて、サーバ10を経由せずに施設サーバ40のウェブサイトにアクセスすることとしてもよく、その場合に、サーバ10からではなく施設サーバ40から報酬をユーザに与えることとしてもよい。また、サーバ10を経由しない場合であっても、ユーザが予約情報をサーバ10に送信することで、サーバ10からユーザに対して報酬を与えることとしてもよい。
また、第2実施形態において、ユーザの端末20から、サーバ10に予約情報を送信することとしているが、これは、施設サーバ40からサーバ10に送信するものであってもよい。
また、第2実施形態において、端末20からサーバ10に送信する予約情報は、ユーザに与える報酬を決定するために個人情報は必須の情報となるが、その他の、プラン情報や利用日時情報は、必須ではない。
第2実施形態において特に記載していないが、サーバ10は、施設サーバ40からユーザを紹介したことに伴った対価を受け取ることとしてよい。そして、サーバ10がユーザに対して与える報酬は、施設サーバ40から受け取った対価の中から購入したもの、若しくは、対価の一部であってもよい。
<第3実施形態>
第2実施形態においては、施設サーバ40を絡めて、ユーザに報酬を与える例を示した。本第3実施形態においては、第2実施形態とは異なる態様について説明する。第3実施形態においては、通信システム1は、施設サーバ40に代えて、施設サーバ40を含む。施設サーバ40は、広告を発行しているサーバであればどのようなサーバであってもよく、広告の配布が主たる業務でなくともよい。施設サーバ40の構成については、第2実施形態において説明した構成と同様であるので、第2実施形態において示した構成を本実施形態においても用いることとする。
施設サーバ40からは、サーバ10に対して、ユーザに伝えたい情報を含む広告を、トークルーム等で表示するよう依頼する。これに対して、ユーザがその広告を見た場合に、サーバ10は、ユーザに対して個人情報の開示度合に応じた報酬を与える。そして、サーバ10は、ユーザによりどの広告が見られたのかを示す情報を施設サーバ40に送信し、対価を受け取る。このような態様について、通信システム1に係る各装置の構成、動作について説明する。
第3実施形態において、端末20、サーバ10のハードウェア構成については、第1実施形態、第2実施形態に共通する。また、施設サーバ40についても、構成自体は、施設サーバ40と同様の構成を有する。以下、第2実施形態と異なる構成について説明する。
第3実施形態において、サーバ10の記憶部15は、ユーザが開示した個人情報に応じて配布する広告を特定するための広告配布基準情報410を記憶している。広告配布基準情報410は、ユーザの個人情報の開示度合に応じて、ユーザに配布される広告がどの広告であるかを定めた情報である。図4(b)は、広告配布基準情報410の一例であり、ここでは、ユーザの個人情報開示度合411と、広告情報412とが対応付けられた情報である。個人情報開示度合411は、個人情報開示度合410と同じで、ユーザが開示している個人情報の開示度合を示す情報である。一方、広告情報412は、実際の広告を示す情報、もしくは、その識別子を示す情報である。
サーバ10の制御部11は、端末20のユーザが利用するトークルームに対して、施設サーバ40からの広告情報を掲載する。即ち、制御部11は、通信I/F14を介して、広告情報を端末20に送信する。また、決定部111は、第1実施形態、第2実施形態に示した機能に加え、ユーザが開示している個人情報に基づいて、そのユーザに配布する広告を決定する機能を有する。ここで、個人情報に基づいて、配布する広告を決定するとは、例えば、個人情報に年齢が含まれる場合には、その年齢層に応じた内容の広告を決定したり、個人情報に住所が含まれる場合には、その住所で示される位置から導き出される地域性に富んだ内容の広告を決定したり、個人情報に性別が含まれる場合には、その性別に応じた内容の広告を決定したり、あるいは、個人情報の開示度合に応じた内容の広告を決定したりすることができる。個人情報の開示度合に応じた内容の広告とは、例えば、個人情報の開示度合が高いほど、ユーザに対して告知される情報の密度が高くなったり、開示度合が低いユーザに対しては公開されない情報が含まれたりするようにした広告などであってよい。言い換えれば、開示度合が高いユーザに対して公開される広告は、ユーザにとってより得になると思われる情報が含まれる広告になっていることが望ましい。
また、制御部11は、第3実施形態においては、第1実施形態と異なり、ユーザが端末20で、広告情報を表示したことを受けて、ユーザの端末20に対して報酬情報を送信する。そして、制御部11は、通信I/F14を介して、施設サーバ40にユーザが広告を閲覧したことを示す広告確認情報を送信する。このとき、サーバ10は、ユーザからの許諾が有る場合には、広告確認情報とともに広告表示情報を送信した端末20のユーザの個人情報も併せて送信することとしてもよい。そして、サーバ10は、施設サーバ40から、広告を配布したこと、広告確認情報を送信したことに対する対価を受領する。
施設サーバ40の入出力部32は、広告情報の入力を受け付ける。この受け付けは、施設サーバ40のオペレータによる直接入力によるものであってもよいし、完成した広告情報のデータ入力であってもよい。
制御部31は、広告情報の入力を受け付けると、記憶部35に記憶させる。そして、制御部31は、通信I/F34を介して、サーバ10に受け付けた広告情報を送信する。このとき、広告配布基準情報410も併せて受け付けている場合には、広告配布基準情報410も併せて送信する。広告配布基準情報410の詳細については後述する。
施設サーバ40の制御部31は、サーバ10から、ユーザが端末20で広告を確認したことを示す広告確認情報を受信した場合には、サーバ10に対して、広告を送付したこと及び広告確認情報を送信したことに対する対価を支払う機能を有してもよい。ここで、対価は、限定ではなく例として、金銭や仮想通貨などであってよい。また、支払う対価の額は、予め定められた固定額であってもよいし、ユーザがサーバ10に対して開示している個人情報の開示度合に応じて増減してもよい。例えば、ユーザがサーバ10に対して開示している個人情報の度合が高い場合には、個人情報の開示度合が低い場合と比して、施設サーバ40は、より高い対価をサーバ10に対して支払うこととしてもよい。
<データ>
図4(b)は、第3実施形態に係る広告配布基準情報410の構成例を示すデータ概念図である。広告配布基準情報410は、複数の同種の広告が存在する場合に、どの広告をユーザに送信するのかを決定するためにサーバ10が用いる情報である。
図4(b)に示すように、広告配布基準情報410は、個人情報開示度合411(個人情報開示数)と、広告情報412とが対応付けられた情報である。
個人情報開示度合411は、ユーザが開示している個人情報の開示の度合を示す情報である。
広告情報412は、対応する個人情報度合411で示される度合だけユーザが個人情報を開示している場合に、そのユーザに送信する広告を示す情報である。
広告配布基準情報410があることにより、サーバ10は、ユーザが開示した個人情報の開示度合に応じて広告を配布することができる。
<動作>
図13は、第3実施形態における各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。
図13に示すように、ユーザは、端末20から、自身の個人情報をサーバ10に送信する(ステップS1301)。この個人情報は、ユーザ自身が開示してもよいと判断した情報のみを含む個人情報である。サーバ10は、端末20から個人情報を受信すると、これを記憶する。
一方、施設サーバ40は、広告情報をサーバ10に送信する(ステップS1302)。サーバ10は、受信した広告情報を記憶する。
サーバ10は、端末20から送信されたユーザの個人情報の開示度合に基づいて、ユーザに送信する広告を決定する。そして、サーバ10は、決定した広告を、ユーザの端末20に送信する(ステップS1303)。サーバ10は、例えば、トークルーム上に、広告を掲載する形で、端末20に広告を送信する。
端末20は、サーバ10から送信された広告情報を受信すると、この広告情報を表示する(ステップS1304)、例えば、端末20は、ユーザからの指示に従って、トークルームを開く(表示する)ことで、受信した広告を表示する。
端末20は、広告情報を表示すると、広告を表示したことを示す広告表示情報をサーバ10に送信する(ステップS1305)。
サーバ10は、広告表示情報を受信すると、ユーザが広告を確認した可能性が高いので、ユーザが開示している個人情報の開示度合に応じた報酬情報を端末20に送信する(ステップS1306)。
また、サーバ10は、広告表示情報を受信すると、広告がユーザの端末20でユーザにより確認されたことを示す広告確認情報を、施設サーバ40に送信する(ステップS1307)。これにより、施設サーバ40は、ユーザが実際に広告を確認してくれたかどうかを、認識することができる。このとき、サーバ10は、施設サーバ40に対して、広告をユーザの端末20に送信し、ユーザが広告を確認したことを報告したことの対価を請求することとしてもよい。ここでいう、対価は、例えば、実際の金銭や仮想通貨などであってよい。
図14は、図13に示すシーケンス図におけるやり取りを実現するための端末20の動作を示すフローチャートである。
図14に示すように、端末20の制御部21は、通信I/F22を介して、ユーザから入力された内容に従って個人情報作成部213が作成した個人情報を、サーバ10に送信する(ステップS1401)。
端末20の通信I/F22は、サーバ10から広告情報を受信する(ステップS1402)。すると、表示処理部212は、表示部24に受信した広告情報を表示する(ステップS1403)。表示処理部212は、例えば、ユーザからの入力に従って、トークルームの表示を指示されたことを契機として、トークルームを表示するとともに、そのトークルームに広告情報を掲載することで、広告情報を表示する。
制御部21は、広告情報を表示したことを以て、ユーザが広告を確認したこととし、端末20において、広告情報を表示したことを示す広告表示情報を生成する。広告表示情報は、サーバ10から送信されたどの広告であるかを示す広告の識別情報を含んでもよい。制御部21は、生成した広告表示情報を、通信I/F22を介して、サーバ10に送信して、終了する。これにより、ユーザの端末20は、サーバ10に対してユーザが広告を確認したことを報告することができ、広告を確認したことに伴って、報酬を受領することができる。
図15は、図13に示すシーケンス図におけるやり取りを実現するためのサーバ10の動作を示すフローチャートである。
図15に示すように、サーバ10の通信I/F14は、信号を受信する。受信した信号が、ユーザの端末20から送信された個人情報である場合には(ステップS1501のYES)、制御部21は、記憶部28にユーザの個人情報を記憶させる(ステップS1502)。
一方、受信した信号が、施設サーバ40から送信された広告情報である場合に(ステップS1503のYES)、サーバ10の制御部11は、受信した広告情報を、記憶部15に記憶させる。このとき、広告情報として、複数の広告情報を受信した場合には、広告配布基準情報410を、記憶部15に記憶させる。広告配布基準情報410は、施設サーバ40に係るオペレータが作成して、広告情報とともに送信されてきたものを記憶させてもよいし、サーバ10のオペレータが作成して、記憶部15に記憶させることとしてもよい。
そして、制御部11は、ユーザの端末20に宛てて、通信I/F14を介して、広告情報を送信する(ステップS1505)。このとき、制御部11は、同種であって複数の広告情報が存在し、広告配布基準情報410がある場合には、ユーザの個人情報の開示度合に応じて、ユーザの端末に送信する広告を決定し、決定した広告情報を送信する。即ち、制御部11は、個人情報の開示度合を算出し、広告配布基準情報410の個人情報開示度合411と照らし合わせ、広告情報412で示される広告のうち、送信すべき広告を特定する。
受信した信号が、端末20からの広告表示情報であった場合には(ステップS1506のYES)、決定部111は、報酬配布基準情報400を参照して、ユーザが開示している個人情報の開示度合に基づいて、報酬を決定する(ステップS1507)。
報酬送信部111は、決定した報酬を示す報酬情報を、通信I/F14を介して、端末20に送信する(ステップS1508)。これにより、サーバ10は、ユーザの端末20に対して、ユーザが広告を閲覧したことによる報酬を送信することができるので、単にユーザが広告を受け取っただけでは報酬を送信することがなくなるので、ユーザがより確実に広告を閲覧するようにすることができる。
また、制御部11は、ユーザから受信した広告表示情報に基づいて、施設サーバ40に、端末20において、広告が表示されて、ユーザにより確認されたことを示す広告確認情報を生成する。そして、制御部11は、広告確認情報を、通信I/F14を介して、施設サーバ40に送信する。このとき、制御部11は、広告確認情報とともに、広告確認情報を送信することに対する対価を請求するための請求情報を併せて送信することとしてもよい。なお、広告確認情報の送信が請求の代替となっていてもよい。制御部11は、対価を請求する場合に、ユーザが開示している個人情報の開示度合に応じて、施設サーバ40に対する対価を決定してよく、個人情報の開示度合が高いほど、高い対価を請求することとしてよい。ユーザの個人情報の開示度合が高いほど、高い対価を請求することで、その対価の中からユーザに対する報酬を用意する場合にユーザに対する報酬も高くすることができる。
サーバ10は、広告確認情報を送信したことに伴い、施設サーバ40から、その対価を受信して(ステップS1510)、次の信号を受信するまで待機する。
以上が、サーバ10の動作である。
図16は、図13に示すシーケンス図におけるやり取りを実現するための施設サーバ40の動作を示すフローチャートである。
施設サーバ40は、広告情報の入力を受け付けた場合には(ステップS1601)、制御部31は、通信I/F34を介して、サーバ10に、受け付けた広告情報を送信する(ステップS1602)。このとき、広告配布基準情報410も併せて受け付けた場合には、広告情報とともにサーバ10に送信する。
一方で、広告確認情報をサーバ10から受信した場合には(ステップS1603)、制御部31は、対価をサーバ10に送信する。ここで、対価を送信するとは、限定ではなく一例として、金銭をサーバ10の口座に振り込んだり、所定額の仮想通貨の使用権を示すパスワードを送信したりすることなどであってよい。
以上に示したように、本第3実施形態によれば、施設サーバ40が広告を様々なユーザに配布したい場合に、ユーザとの間の通信のための下地がある(メッセージングサービスを介してユーザに情報を送信することができる)サーバ10に広告の配布を依頼することができ、多くのユーザを対象に、様々な施設サーバ40に関する宣伝を行うことができる。サーバ10は、施設サーバ40から依頼された広告をユーザに配布し、ユーザが広告を閲覧したかどうかを推定可能な情報(広告確認情報)を施設サーバ40に送信することで、施設サーバ40からその対価を受け取ることができる。また、ユーザの端末20は、施設サーバ40からの広告を見ることで、施設サーバ40に係る情報を得ることができるとともに、自身の個人情報を開示することに伴う報酬を得ることができる。したがって、通信システム1に係る全ての構成(ユーザ、サーバ10の運営者、施設サーバ40の運営者)が得をするシステムを提供することができる。
<第3実施形態の変形例>
上記第3実施形態においては、サーバ10が施設サーバ40からの依頼を受けて、端末20に広告を送信することとしているが、施設サーバ40から直接端末20に広告を送信することとしてもよく、この場合、施設サーバ40がユーザの端末20に報酬情報を送信することとしてもよい。即ち、施設サーバ40が、決定部111と報酬送信部112との機能を保持ししてもよい。
上記第3実施形態においては、サーバ10は、端末20に対して送信する広告を、個人情報の開示度合に基づいて、決定することとしたが、これはその限りではない。ユーザが開示している個人情報の種別、あるいは、それらの種別の組み合わせによって、送信する広告を決定することとしてもよい。即ち、図4(b)における広告配布基準情報410において、個人情報の開示度合に代えて、個人情報の開示種別を用いることとしてもよい。広告配布基準情報410は、サーバ10のオペレータが設定することとしてもよいし、広告の配布主である施設サーバ40が指定することとしてもよい。また、上記第3実施形態では、個人情報の開示度合に応じて広告を配布することとしているが、配布する広告は同一であってもよく、その場合でも、サーバ10は、ユーザの個人情報の開示度合に応じてユーザに対する報酬を決定するとともに、施設サーバ40に対してユーザが広告を確認したことを示す情報を送信することに対する報酬を請求するようにしてもよい。
図15に示すフローチャートにおいては、サーバ10は、広告情報を施設サーバ40から受信したことを契機として、広告情報を端末20に送信することとしたが、これはその限りではない。例えば、予め広告情報を記憶部15に記憶しておき、所定のタイミングで記憶してある広告情報を送信することとしてもよい。所定のタイミングとは、何らかの条件が満たされたときであり、限定ではなく一例として、毎日決まった時間になったときであったり、ユーザが所定の処理を端末20で実行したときであったりしてよい。
また、上記第3実施形態において、ユーザは、個人情報をサーバ10に対して送信しているが、これは、施設サーバ40に対して送信するものであってもよく、この場合に、施設サーバ40が、そのユーザの端末20に対して送信する広告を決定することとしてもよい。即ち、サーバ10が保持していた機能(個人情報の開示度合に応じて配布する広告を決定する機能やユーザに対して付与する報酬を決定する機能)を、施設サーバ40が保持することとしてもよい。
また、上記第3実施形態において、サーバ10は、ユーザから受信した個人情報で示される位置情報(例えば、ユーザの住所や、端末が取得した現在位置の位置情報など)に関連する広告を端末20に送信することとしてもよい。この場合に、広告情報には予め、どの地域や場所に関連する広告であるかを示す情報が対応付けられており、この情報と、ユーザからの位置情報とに基づいて、サーバ10の決定部111は、ユーザの端末20に送信する広告を決定することとしてもよい。また、報酬を送信する際には、ユーザの存在する場所に特化した報酬を与えることとしてもよい。限定ではなく一例として、ユーザの存在する地域でのみ利用できる割引券などを報酬として与えることが考えられる。この場合、ユーザはその地域のサービスを安い料金で利用できるとともに、広告を配信する側は、施設サーバ40に関連する施設の利用をユーザに促すことができる。または、広告を配信する側は、ユーザからの位置情報の近辺にある不動産や賃貸アパートなどの情報を提供してもよい。一般的に、ユーザが別の建物に引っ越したり、土地や家を購入したりする場合、現在居住している場所近辺のものを購入する傾向がある。そのため、ユーザからの位置情報とは遠い場所の不動産や賃貸アパートの広告を提供してもユーザの嗜好に沿わない場合が多い。そのため、ユーザからの位置情報を利用し、ユーザからの位置情報近辺にある不動産や賃貸アパートの情報を、広告を配信する側は提供してもよい。
なお、上記の場合のユーザからの位置情報は、日常的に取得することができる位置情報であることが好ましい。旅行中などに取得された、ユーザが普段居住する地域や、ユーザがよく移動する場所(ユーザが勤める企業等)から遠い地域の位置情報に基づく不動産や賃貸アパートなどの広告情報をユーザに提供したとしてもユーザの嗜好に適さない場合があるからである。もちろん、ユーザが転勤などで遠方に居住地を探している場合などもあるため、必ずしも上記に限定する必要はない。
<その他>
本開示の実施形態を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。限定でなく例として、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、各実施形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。