JP7311953B2 - SiCウェハの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、非特許文献1には、炭化ホウ素(B4C)砥粒を用いた遊離砥粒研磨加工の技術が開示されている。また、特許文献1には、SiCウェハをSi蒸気圧下で加熱することでエッチングを行うエッチング技術(以下、Si蒸気圧エッチングともいう。)が記載されている。
具体的には、122μm以下という従来法に比して極めて少ない素材ロスでSiCウェハを製造することができる。そのため、「表面加工の終了後におけるSiCウェハの厚みに、122μm以下の厚みを加算した厚み」のSiCウェハをスライス工程にて切り出せばよい。これにより、1つのインゴットから、従来法に比べてより多くのSiCウェハを製造することができる。
このような砥粒の材料を用いることで、従来法で汎用されるダイヤモンド砥粒と比較して、材料コストを低減することができる。
本発明のSiCウェハの製造方法においても、図1、図2及び図3に示すように、ウェハ形状形成工程S10、加工変質層除去工程S20及び鏡面研磨工程S30を含む形態とすることが好ましい。
以下、図1ないし図3に示した一実施の形態の工程順序に沿って本発明のSiCウェハの製造方法について説明を加える。
以下、各工程について説明を加える。
インゴット成形工程S11は、結晶成長させた単結晶SiCの塊を円柱状のインゴット10に加工する工程である。このインゴット10は、通常、円柱の長手方向が<0001>方向となるよう加工される。
結晶方位成形工程S12は、インゴット成形工程S11にて形成したインゴット10の結晶方位を示す目印となるよう、外周の一部に切欠きを形成する工程である。この切欠きとしては、<11-20>方向と平行な平面(オリエンテーションフラット(オリフラ)24)や、<11-20>方向の両端に設けられる溝(ノッチ)等を例示することができ、単結晶SiCの結晶方位を特定することができるよう形成される。
スライス工程S13のスライス手段としては、複数本のワイヤーを往復運動させることでインゴット10を所定の間隔で切断するマルチワイヤーソー切断や、プラズマ放電を断続的に発生させて切断する放電加工法、インゴット10中にレーザーを照射・集光させて切断の基点となる層を形成するレーザーを用いた切断、等を例示できる。
このスライス工程S13にて切断される間隔により、SiCウェハ20の加工前厚さD1が決定される。この加工前厚さD1は、今後の工程で除去される単結晶SiC(素材ロス)を考慮した厚さに設定する。このように、加工前厚さD1は全ての加工工程を経た後の素材ロス量を考慮して設定されるため、その具体的な数値については、全ての加工工程についての説明を行った後に説明する。
平坦化工程S14は、スライス工程S13にてSiCウェハ20に導入されるうねりを除去するために、SiCウェハ20を平坦化する工程である。以下、平坦化工程S14において用いる砥粒の性質、加工方法及び加工条件について説明を加える。
本発明の平坦化工程S14において用いる砥粒の種類は限定されない。図1及び3に示す本発明の一実施の形態で用いる修正モース硬度15未満の砥粒、または平坦化工程S14において破砕される程度の脆性を有する砥粒を用いることが好ましいが、図7及び図8に示した従来法の平坦化工程S17においても用いられている、ダイヤモンド砥粒のような修正モース硬度15の砥粒を用いても良い。
修正モース硬度とは、タルクを1、ダイヤモンドを15としたときの、物質の硬さの尺度を示す値である。すなわち、本工程においては、ダイヤモンドの硬度未満の砥粒が用いられる。具体的な砥粒の材料としては、炭化ホウ素(B4C)、炭化ケイ素(SiC)、アルミナ(Al2O3),等を例示することができる。このほかにも、修正モース硬度15未満の硬度を有する砥粒であれば当然に採用することができる。
平坦化工程S14の開始段階において、用いる砥粒の平均砥粒径の下限を上記範囲に設定することによって、大きな加工速度で迅速にSiCウェハ20の表面を加工することができる。
平坦化工程S14の開始段階において、用いる砥粒の平均砥粒径の上限を上記範囲に設定することによって、平坦化工程S14によってSiCウェハ20に導入される加工変質層の深さを低減することができる。
平坦化工程S14の終盤において、用いる砥粒の平均砥粒径の上限を上記範囲に設定することによって、平坦化工程S14によってSiCウェハ20に導入される加工変質層の深さを低減することができる。
平坦化工程S14の開始段階において、用いる砥粒の平均砥粒径の下限を上記範囲に設定することによって、SiCウェハ20の表面を効率的に加工することができる。
より具体的には、以下の脆性条件を充足する素材で構成された砥粒を用いることが好ましい。
(脆性条件)加工圧力150g/cm2の条件で、平均砥粒径40μmに調整された砥粒を用いて、SiCウェハの表面を遊離砥粒方式で両面同時に平坦化したとき、加工時間20分経過後に平均砥粒径が20μm以下となる。
平坦化工程S14においてダイヤモンド砥粒を用いる場合、その砥粒径と同程度の深さの加工変質層30が導入されると考えられている。そのため、後行の加工変質層除去工程S20において除去することを考慮して、平均砥粒径が好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下のダイヤモンド砥粒を用いることが好ましい。
この場合には、平坦化工程S14において、好ましい形態では10μm以下、より好ましい形態では5μm以下、さらに好ましい形態では3μm以下の加工変質層がSiCウェハ20に導入される。
平坦化工程S14に適用可能な方式としては、定盤に微細な砥粒をかけ流しながら加工を行う遊離砥粒方式(ラッピング研磨等)が好適に用いられる。なお、砥粒は水や分散剤と混合された混合液(スラリー)として滴下されることが望ましい。
本工程において使用される加工装置としては、従来の固定砥粒方式及び遊離砥粒方式で使用される汎用型の加工装置を採用することができる。また、両面同時に加工する方式であっても良いし、片面を加工する方式であってもよい。
このような薄い加工変質層30は、後行の工程であるエッチング工程S21によって、余分な素材ロスを生じることなく除去することができる。
そのため、平坦化工程S14における加工変質層30の深さを上記数値範囲内に抑え、その後エッチング工程S21を実行することで、素材ロスを低減することができ、これにより1つのインゴット10からより多くのSiCウェハ20を製造することができる。
なお、上述した範囲に加工変質層の深さを調整する具体的手段については、上の「砥粒の性質」で述べた事項を適用できる。
そのため、砥粒を破砕しながら平坦化工程S14を行えば、平坦化工程S14の開始段階においては大きな加工速度で迅速にSiCウェハ20の表面を加工することができる。一方で、加工が進み砥粒が小さくなるにつれて加工速度が漸次小さくなり、工程の最終段階においてはSiCウェハ20の表面への繊細な加工を実現し、SiCウェハの表面に導入される加工変質層30を薄く均一に形成することができる。
このような薄く均一な加工変質層30に対してエッチング工程S21を実行することにより、少ない素材ロスをもって高品質のSiCウェハ20を製造することができる。
本発明のSiCウェハの製造方法は、従来法に比べて素材ロス量が少なく有利である。
これにより平坦化工程S14の時短化と、後述するエッチング工程S21に供するに適したSiCウェハ20の表面の表面状態を実現することができる。
また、後述する平坦化工程S14における加工条件にて、砥粒を破砕しながら平坦化工程S14を行う形態の発明の実施が可能である。
加工前の状態で上記範囲の平均砥粒径を有する砥粒を用いることで、平坦化工程S14の開始段階における迅速な加工が可能となる。
加工後の平均砥粒粒子が上記範囲となるように、砥粒を破砕しながら平坦化工程S14を実行することで、SiCウェハ20に導入される加工変質層30の深さを低減することができ、後述するエッチング工程S21に供するに適したSiCウェハ20の表面状態を実現することができる。
平均砥粒径40μmのB4C砥粒を用いて、加工圧力150g/cm2、加工時間20分の条件で平坦化工程S14を実施したところ、SiCウェハ20の加工変質層30深さは約3μmとなった。このとき加工後の平均砥粒径は10μm以下であった。この工程におけるSiCウェハ20の加工深さ20μmを加工時間で除することで得られた平均加工速度は1μm/分であった。
平坦化工程S14において遊離砥粒方式を採用する場合には、加工圧力は、100~300g/cm2であり、より好ましくは150~200g/cm2である。
また、遊離砥粒方式を採用する場合、本加工における定盤の回転数は、5~20rpmであり、より好ましくは10~15rpmである。
なお、平坦化工程S14における素材ロス量を低減させるため、SiCウェハ20に導入されるうねりが30μm以下となるようにスライス工程S13を行うことが好ましい。
一方、修正モース硬度15の砥粒を用いた平坦化工程S17における加工時間は、遊離砥粒方式にて片面加工を施す場合には一般的に30~50分であり、両面加工を施す場合には60~100分である。
つまり、加工の時短化の観点においても、遊離砥粒方式で修正モース硬度15未満の砥粒を用いるか、または遊離砥粒方式で砥粒を破砕しながら平坦化を行うことが好ましい。
本発明のSiCウェハの製造方法の好ましい一実施の形態では、ウェハ形状形成工程S10として、刻印形成工程S15と面取り工程S16を含む(図1及び図3)。
このように平坦化工程S14を先に実施することによりウェハのうねりを除去することで、刻印形成工程S15での刻印24形成や、面取り工程S16での面取り位置の決定を精度良く行うことができ、ウェハの均質性を高めることができる。
また、面取り工程S16の後に刻印形成工程S15を実施してもよい。この場合には、ウェハ径のバラツキを抑制することができ、刻印24形成位置を精度良く決定することができる。
加工変質層除去工程S20は、先行の工程でSiCウェハ20に導入された加工変質層30を除去する工程である。本発明のSiCウェハの製造方法においては、この加工変質層除去工程S20においてSi蒸気圧下で加熱することでSiCウェハ20をエッチングするエッチング工程S21を含む。
従来法においては、この10μmの加工変質層30を除去するために、加工変質層除去工程S20として、ダイヤモンド砥粒を用いて粗く研削する粗研削工程(ステップS22)と、粗研削工程S22で用いた砥粒よりも粒径が細かいダイヤモンド砥粒を用いて細かく研削する仕上げ研削工程(ステップS23)と、を含む(図7及び図8)。
なお、この粗研削工程S22にかかる時間は、通常、両面で10~15分である。
通常、この仕上げ研削工程S23では、平均砥粒径0.1~3μmのダイヤモンド砥粒を用いてSiCウェハ20の主面21及び裏面22から3~10μm深さまで加工を行う。そのため、仕上げ研削工程S23に伴うウェハ一枚当たりの素材ロス量は、両面で6~20μmである。そして、この過程で新たにダイヤモンド砥粒の平均砥粒径と同程度の0.1~3μm程度の加工変質層30が新たに導入される。
なお、この仕上げ研削工程S23にかかる時間は、通常、両面で6~20分である。
好ましい実施の形態では、平坦化工程S14において導入される加工変質層30の深さと略同一の量、具体的には、加工変質層30の深さに対して誤差±1μmの範囲、より好ましくは誤差±0.5μmの範囲、さらに好ましくは誤差±0.2μmの範囲の量をエッチングして除去する。
このようにエッチング工程S21において、素材ロス量を抑えてエッチングすることにより、1つのインゴットからより多くのSiCウェハ20を製造することができる。
つまり、先行のウェハ形状形成工程S10において導入された加工変質層30を、余分な素材ロスを生じることなく優先して除去することができるため、従来法(合計30~50μmの素材ロス)と比較して極めて小さい素材ロスのみをもって、加工変質層30を除去できるのである。
この通り、本発明のSiCウェハの製造方法は、平坦化工程S14において導入される加工変質層30をエッチング工程S21により除去する構成によって、素材ロス量の顕著な低減を実現するのである。
また、エッチング工程S21においてSiCウェハ20の片面につき、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、エッチングすることが望ましい。
つまり、本発明によれば、従来法に比べて少ない工程数でSiCウェハ20を製造することができる。
一方、本発明のSiCウェハの製造方法にて採用するエッチング工程S21では、両面同時にエッチングすることが可能であるため、トワイマン効果によるウェハの反りが発生しない。
はじめに、図4を参照して、Si蒸気圧エッチングにて使用される装置構成例について説明する。次いでSi蒸気圧エッチングのエッチング機構とエッチング条件について説明する。
本工程においては、図4に示すように、SiCウェハ20が収容される坩堝40と、この坩堝40を加熱可能な高温真空炉50と、を備える装置を用いることが好ましい。
これにより、SiCウェハ20を強力かつ均等に加熱し、1000℃以上2300℃以下の温度まで昇温させることができる。なお、ヒータ57としては、例えば、抵抗加熱式のヒータ又は高周波誘導加熱式のヒータを用いることができる。
SiCウェハ20を坩堝40内に収容し、高純度のSi蒸気圧下で1500℃以上2200℃以下の温度範囲で高温真空炉50を用いて加熱を行う。この条件でSiCウェハ20が加熱されることで、表面がエッチングされる。このエッチングの概要を以下1)~4)に示す。
2) TaxSiy→Si(v)II+Tax’Siy’
3) 2C(s)+Si(v)I+II→SiC2(v)
4) C(s)+2Si(v)I+II→Si2C(v)
2)の説明:タンタルシリサイド層(TaxSiy)からSi蒸気(Si(v)II)が供給される。
3)及び4)の説明:熱分解によってSi原子(Si(v)I)が脱離することで残存したC(C(s))は、Si蒸気(Si(v)I及びSi(v)II)と反応することで、Si2C又はSiC2等となって昇華する。
上記1)~4)の反応が持続的に行われ、結果としてエッチングが進行する。
Si蒸気圧エッチングにおける加熱温度は、1500~2200℃であり、より好ましくは1800~2000℃である。
本加工における加工速度(エッチング速度)は、0.1~10μm/minである。
本加工における本加熱室51の真空度は、10-5~10Paであり、より好ましくは10-3~1Paである。
本加工における不活性ガスはArであり、この不活性ガスを導入することによって真空度を調整する。
本加工における加工時間は、加工速度に対して所望のエッチング量となるよう任意の時間を設定することができる。例えば、加工速度が1μm/minの時に、エッチング量を3μmとしたい場合には、加工時間は3分となる。
本発明のSiCウェハの製造方法の一実施の形態は鏡面研磨工程S30を含む。
鏡面研磨工程S30は、研磨パッドの機械的な作用とスラリーの化学的な作用を併用して研磨を行う化学機械研磨(CMP)工程(ステップS31)を含んでいる。
また、この化学機械研磨工程S31にかかる時間は、通常、両面で0.5~1.5時間である。
一方、本発明のSiCウェハの製造方法における素材ロス量は、表1に示すように61~122μmである。この通り、本発明によれば、SiCウェハの製造における素材ロス量を大幅に低減することが可能である。
つまり、後行の工程により厚さがそれ以上減少しない時点にまで至ったSiCウェハ20の厚さに対して、素材ロス量を加算して、加工前厚さD1を設定する。
つまり、これら典型的なSiCウェハ20の厚みに、本発明のSiCウェハの製造方法による素材ロス量を加算して、加工前厚さD1を設定することが好ましい。
また、この場合、加工前厚さD1が上限として472μm以下、より好ましくは470μm以下、さらに好ましくは460μm以下、さらに好ましくは450μm以下、さらに好ましくは450μm未満、さらに好ましくは437μm以下、さらに好ましくは437μm未満であるSiCウェハ20をスライス工程S13において得ることが好ましい。
この場合の各工程における素材ロス量、導入される加工変質層30の深さは以下の表2に示す通りである。
エッチング工程S21におけるエッチング量が別の数値を取る場合には、その数値に基づき合計素材ロス量を計算し、加工前厚さD1を設定することができる。エッチング量が別の数値を取る場合における加工前厚さD1の具体的な数値は本明細書に記載しないが、簡易な計算により求めることができるため、本明細書に記載されているも同然であるといえる。
以下の方法で実施例1及び実施例2のSiCウェハを製造した。
(スライス工程)
平均砥粒径10μmのダイヤモンド砥粒を含むスラリーを用いて、単結晶SiCインゴットをスライスし、6インチ径のSiCウェハを得た。
このSiCウェハについて、平均砥粒径40μmのB4C砥粒を含むスラリーを用いた遊離砥粒方式で、加工圧力を150g/cm2、定盤回転数は15rpm、ヘッド回転数は5rpm、加工時間は20分、加工速度は約1.0μm/分、の条件で平坦化した。
このとき、平坦化工程の終了時におけるB4C砥粒の平均砥粒径は10μmであった。
平坦化工程後のSiCウェハに対し、エッチング量3μm(加工時間約3min、加工速度1μm/min)の条件でSi蒸気圧エッチングを施した。
(スライス工程)
実施例1と同じ条件でスライス工程を実施し6インチ径のSiCウェハを得た。
(平坦化工程)
このSiCウェハについて、平均砥粒径30μmのダイヤモンド砥粒を含む砥石(ビトリファイトボンド)を用いた固定砥粒方式で、以下の条件で平坦化を行った。
砥石回転数:1250rpm
切込みピッチ:2μm
前後送り:190m/分
左右送り:21m/分
加工速度:100um/時間
(エッチング工程)
加工時間を6minとした以外は、実施例1と同じ条件でSi蒸気圧エッチングを施した。エッチング量は6μmであった。
実施例1及び実施例2のSiCウェハについて、透過型電子顕微鏡(TEM)にて断面を観察した。その結果を図5及び図6に示す。なお、各図面における(a)は(0001)面側を50nm角の範囲で拡大した断面TEM像であり、(b)は(000-1)面側を50nm角の範囲で拡大した断面TEM像である。
[評価方法]断面TEM像を数nmの加工変質層が確認できる倍率まで拡大し、表面側とバルク側のコントラストを比較し、コントラスト差がある場合には「加工変質層がある」と評価し、コントラスト差が無い場合には「加工変質層が無い」と評価する。
「加工変質層がある」場合には、断面TEM像に基づきその深さを計測した。
これらの結果は、平坦化工程にて導入された加工変質層をエッチング工程により除去するという構成にすることによって、素材ロスを低減することができ、これにより1つのインゴットからより多くのSiCウェハを製造することができることを示している。
20 SiCウェハ
30 加工変質層
40 坩堝
50 高温真空炉
Claims (10)
- インゴットをスライスしてSiCウェハを得るスライス工程と、
前記SiCウェハを平坦化する平坦化工程と、
Si蒸気圧下で加熱することで前記SiCウェハをエッチングし、前記平坦化工程において導入された加工変質層を除去するエッチング工程と、を含み、
前記平坦化工程は、修正モース硬度15未満の砥粒、又は以下の脆性条件を充足する砥粒を用いてSiCウェハを平坦化する工程であり、
前記スライス工程において、前記平坦化工程及び前記エッチング工程を含む表面加工の終了後におけるSiCウェハの厚みに、122μm以下の厚みを加算した厚みを有するSiCウェハを得て、
前記表面加工における素材ロス量が前記スライス工程において加算した厚みに対応し、
前記エッチング工程におけるエッチング量が、SiCウェハの片面につき0.5μm以上、10μm以下である、SiCウェハの製造方法。
(脆性条件)加工圧力150g/cm 2 の条件で、平均砥粒径40μmに調整された砥粒を用いて、SiCウェハの表面を遊離砥粒方式で両面同時に平坦化したとき、加工時間20分経過後に平均砥粒径が20μm以下となる。 - 前記エッチング工程後のSiCウェハは、加工変質層が無いことを特徴とする、請求項1に記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記スライス工程において、前記平坦化工程及び前記エッチング工程を含む表面加工の終了後におけるSiCウェハの厚みに、100μm未満の厚みを加算した厚みのSiCウェハを得ることを特徴とする、請求項1又は2に記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記スライス工程において、前記平坦化工程及び前記エッチング工程を含む表面加工の終了後におけるSiCウェハの厚みに、87μm未満の厚みを加算した厚みのSiCウェハを得ることを特徴とする、請求項1~3の何れかに記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記スライス工程において、前記平坦化工程及び前記エッチング工程を含む表面加工の終了後におけるSiCウェハの厚みに、61μm以上の厚みを加算した厚みのSiCウェハを得ることを特徴とする、請求項1~4の何れかに記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記表面加工の終了後におけるSiCウェハの厚みが300~400μmであることを特徴とする、請求項1~5の何れかに記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記スライス工程において、472μm以下の厚みのSiCウェハを得ることを特徴とする、請求項1~6の何れかに記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記平坦化工程において、炭化ホウ素砥粒及び/又は炭化ケイ素砥粒を用いることを特徴とする、請求項1~7の何れかに記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記平坦化工程は、遊離砥粒方式であることを特徴とする、請求項1~8の何れかに記載のSiCウェハの製造方法。
- 前記SiCウェハの外周部を面取りする面取り工程と、
前記SiCウェハの表面に刻印を形成する刻印形成工程と、をさらに含み、
前記面取りと前記刻印形成工程は、前記エッチング工程前に行われることを特徴とする、請求項1~9の何れかに記載のSiCウェハの製造方法。
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