JP7311950B2 - 電子レンジ用包装材及び包装箱 - Google Patents

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Description

本発明は、紙製の電子レンジ用包装材、及びこれを用いた電子レンジ用包装箱に関する。
包装材は、被包装物の高級感や豪華さを演出して美観を生じさせるようにする観点から、金属光沢による装飾を施す場合がある。このような装飾手段としては、例えば、金属蒸着膜や金属箔による金属層を形成することが一般的に行われている。
しかしながら、このような金属層を用いた包装材は、電子レンジで使用された場合、電子レンジ内のマイクロ波が金属層表面で反射して、火花が生じ、電子レンジの故障や事故を招く危険性がある。
これに対しては、例えば、特許文献1に、所定濃度の高輝度アルミペーストを含むインキ剤による光沢層をプラスチックシートに設けて形成した包装体が、高い美観を有し、電子レンジで加熱された場合でも劣化しにくいことが記載されている。
特開2017-81589号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような高輝度アルミペーストによる光沢層は、金属光沢性は良好であるものの、電子レンジで加熱された場合に発熱するという課題を有していた。このような光沢層の表面を素手で触れた場合、高温により火傷するおそれがある。また、電子レンジでの加熱条件によっては、高輝度アルミペーストが用いられている部分に穴が開くこともあり、十分に劣化が抑制されているとは言い難く、電子レンジでの加熱使用時の安全性が十分であるとは言えないものであった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、金属光沢による美観を生じさせることができ、かつ、電子レンジでの使用時の発熱を抑制することができる、紙製の電子レンジ用包装材、及びこれを用いた電子レンジ用包装箱を提供することを目的とする。
本発明は、包装材の光沢層において、パール顔料を併用することにより、金属光沢による美観を生じさせつつ、電子レンジでの使用時の発熱が抑制されることを見出したことに基づくものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]及び[2]を提供するものである。
[1]紙基材上の外層側に光輝性印刷層が形成された構成を備え、前記光輝性印刷層が、パール顔料及び金属鱗片を含み、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が40~90質量部である、電子レンジ用包装材。
[2]上記[1]に記載の電子レンジ用包装材で形成された箱である、電子レンジ用包装箱。
本発明によれば、金属光沢による美観を生じさせることができ、かつ、電子レンジでの使用時の発熱を抑制することができる、紙製の電子レンジ用包装材を提供することができる。また、前記電子レンジ用包装材を用いて、金属光沢による高級感を有する電子レンジ用包装箱を提供することができる。
本発明の電子レンジ用包装材の積層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の電子レンジ用包装箱の一態様を示す概略斜視図である。
以下、本発明の電子レンジ用包装材、及びこれを用いた電子レンジ用包装箱について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA~BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
[電子レンジ用包装材]
図1に、本発明の電子レンジ用包装材の一態様における厚み方向の積層構成の概略を示す。図1においては、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)である。本発明の電子レンジ用包装材1は、図1に示すように、紙基材2上に光輝性印刷層3が形成されているものである。そして、光輝性印刷層3は、パール顔料及び金属鱗片を含み、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が40~90質量部であることを特徴としている。
このような光輝性印刷層3を備えた包装材によれば、金属光沢による美観を生じさせつつ、電子レンジでの使用時の発熱を抑制することができる。
なお、図1に示す電子レンジ用包装材1においては、紙基材2の外層側表面に、光輝性印刷層3及び絵柄印刷層4が並列して形成されており、さらに、光輝性印刷層3及び絵柄印刷層4の両方の外層側表面に、トップコート層5が形成されている。本発明の電子レンジ用包装材は、紙基材2上に、少なくとも光輝性印刷層3を備えていればよく、図1に示す態様に限定されるものではない。
以下、これらの各層構成について説明する。
(紙基材)
電子レンジ用包装材1に用いられる紙基材2は、包装目的に応じた所望の賦形性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する紙であれば、特に限定されるものではない。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒又は未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。電子レンジ用包装材1を用いて包装箱を形成する場合には、加工性及び電子レンジでの使用等の観点から、通常、板紙が用いられる。板紙の種類としては、例えば、白板紙、黄板紙、チップボール、色板紙等の紙器用板紙として通常用いられるものが挙げられる。これらの中でも、マニラボール紙やコートボール紙等の白板紙が多用される。
紙基材2の厚みは、印刷や折り曲げ加工等における取り扱い性や強度等の観点から、110~860μmであることが好ましく、より好ましくは260~640μmである。また、紙基材の坪量は、印刷や折り曲げ加工等における取り扱い性や強度等の観点から、80~600g/m2であることが好ましく、より好ましくは230~550g/m2である。
なお、本明細書における紙基材及び各層の厚みは、電子レンジ用包装材を紙面に対して垂直方向に切断した断面の写真を撮像し、この断面写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値として求められた値である。
(光輝性印刷層)
光輝性印刷層3は、紙基材2上に、光輝性印刷層用インキで印刷することにより形成される。光輝性印刷層用インキは、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、パール顔料及び金属鱗片、さらに必要に応じて、染料や顔料等の着色剤が添加混合されたインキが用いられる。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
光輝性印刷層3は、電子レンジ用包装材1の外層側から見える領域の全面に形成されていても、また、一部のみに形成されていてもよい。光輝性印刷層3によって、絵や文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、記号、模様、パターン等の絵柄が形成されていてもよい。また、光輝性印刷層3は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。
光輝性印刷層3の厚みは、十分な金属光沢性が得られるようにする観点から、0.5~10μmであることが好ましく、より好ましくは0.8~8μm、さらに好ましくは1~5μmである。
なお、光輝性印刷層3は、紙基材2に対する密着性を向上させる観点から、紙基材2上に、アンカーコート層を形成し、該アンカーコート層に接して形成してもよい。アンカーコート層は、公知の構成とすることができ、構成材料としては、例えば、ポリエチレンイミン、2液硬化型ポリウレタン等が挙げられる。
光輝性印刷層3は、パール顔料及び金属鱗片を含むものである。パール顔料及び金属鱗片によって、光輝性印刷層3の光輝性が得られ、電子レンジ用包装材1に金属光沢が付与される。
光輝性印刷層3中のパール顔料及び金属鱗片の合計含有量は、該光輝性印刷層3が均一な金属光沢性を有し、かつ、パール顔料及び金属鱗片の紙基材2に対する密着性の観点から、光輝性印刷層3中の20~50質量%であることが好ましく、より好ましくは25~48質量%、さらに好ましくは30~45質量%である。
光輝性印刷層3中に含まれるパール顔料及び金属鱗片は、パール顔料及び金属鱗片の合計100質量部に対して、パール顔料の含有量を40~90質量部とする。パール顔料の含有量が90質量部超の場合は、十分な金属光沢性を有する光輝性印刷層3を形成することが困難である。一方、40質量部未満の場合は、電子レンジでの使用時に、電子レンジ用包装材1の光輝性印刷層3が形成されている領域の発熱を十分に抑制することができない。
より高い金属光沢性の観点からは、前記パール顔料の含有量は、80質量部以下であることが好ましい。また、電子レンジでの使用時に、電子レンジ用包装材1の光輝性印刷層3が形成されている領域の発熱がより抑制されて十分な安全性を確保する観点から、65質量部以上であることが好ましい。
パール顔料としては、例えば、白色パール顔料、干渉パール顔料、着色パール顔料等が挙げられる。
白色パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが0.1~0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パール顔料や偏光パール顔料と呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、雲母の被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、雲母の被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
パール顔料としては、より高い輝度で、あらゆる方向から見ても高級感を付与するパール塗色を得る観点からは、白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上と、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上とを含むことが好ましい。白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上としては、白色パール顔料が好ましく、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上としては、雲母の被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの及び白色パール顔料の周囲を有色高屈折率材料で被覆したものが好ましい。
この場合、特に、あらゆる方向から見ても深みのある金色の光沢感を得るためには、着色パール顔料として、白色パール顔料の周囲を酸化第二鉄で被覆した着色パール顔料又は雲母の被覆層が酸化第二鉄である着色パール顔料を用いることが好ましく、さらには、白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上として、白色パール顔料を用いることがより好ましい。
白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上(A)と、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上(B)とを組み合わせて用いる場合、A:Bは、質量比で、1:0.2~1:20であることが好ましく、より好ましくは1:0.5~1:15、さらに好ましくは1:1~1:10である。
パール顔料の粒径は、特に限定されるものではなく、平均長さが5~60μmであることが好ましく、より好ましくは5~30μmである。なお、パール顔料の平均長さは、光学顕微鏡で観察した任意の20個の粒子の長径の平均値として求められる。
金属鱗片の金属としては、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属や合金が挙げられる。これらのうち、汎用性や入手容易性等の観点からは、アルミニウムが好ましい。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
金属鱗片は、光輝性印刷層3中での均一な分散性の観点から、平均長さが0.2~50μmであることが好ましく、より好ましくは1~30μm、さらに好ましくは2~20μmである。また、取り扱い性及び高い金属光沢性を得る観点から、平均厚みが0.01~5μmであることが好ましく、より好ましくは0.02~3μm、さらに好ましくは0.03~1μmである。また、同様の観点から、金属鱗片のアスペクト比(平均長さ/平均厚み)は、15~500であることが好ましく、より好ましくは20~450、さらに好ましくは25~400である。
なお、金属鱗片の平均長さ及び平均厚みは、平滑な基材上に金属鱗片を散布した状態で、レーザ干渉式の三次元形状解析装置を用いて、20個の金属鱗片の長さ及び厚みを測定し、これらの測定値の各平均値として求められる。1個の金属鱗片の長さは、任意の軸方向において金属鱗片を平面観察した際の最大径(長さ)を意味する。1個の金属鱗片の厚みは、前記軸方向に垂直な方向(断面)における金属鱗片の最大厚み(長さ)を意味する。例えば、三次元形状解析装置による測定結果の処理画像のX軸方向を任意の軸方向(測定方向)とした場合、X軸と平行な方向において求めた1個の金属鱗片の最大径を、1個の金属鱗片の長さとする。仮に、X軸と平行でない方向における長さが前記最大径よりも大きい場合であっても、その長さを最大径とはみなさない。レーザ干渉式の三次元形状解析装置としては、例えば、キーエンス社製の形状解析レーザ顕微鏡「VK-Xシリーズ」を用いることができる。
光輝性印刷層3におけるバインダー樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化型ポリ(メタ)アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
バインダー樹脂の光輝性印刷層3中の含有量は、パール顔料及び金属鱗片以外の他の固形分含有量にもよるが、パール顔料及び金属鱗片の紙基材2に対する密着性及び印刷効率等の観点から、20~50質量%であることが好ましく、より好ましくは25~48質量%、さらに好ましくは30~45質量%であることが好ましく、パール顔料及び金属鱗片の合計含有量と同等程度であることが好ましい。
光輝性印刷層用インキに用いられる溶剤としては、例えば、メタノールやエタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル等のエステル系溶剤、ノルマルヘキサンやノルマルヘプタン、ノルマルオクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサンやメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素系溶剤、トルエンやキシレン等の芳香族系溶剤、ミネラルスピリット等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、印刷時の作業環境及び被包装物への影響が懸念されるような場合には、これらのうち、特に、芳香族系溶剤は含まないことが好ましい。
また、光輝性印刷層用インキには、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、沈降防止剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、無機化合物であっても、有機化合物であってもよい。
(絵柄印刷層)
絵柄印刷層4とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン、ベタ印刷等を含む広い概念であり、光輝性印刷層3とは区別される印刷層である。すなわち、絵柄印刷層4には、光輝性印刷層用インキで形成された印刷層は含まない。絵柄印刷層4は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。また、絵柄印刷層4は、紙基材2に対して全面印刷であっても、部分印刷であってもよい。絵柄印刷層4は、例えば、プロセスカラーによる単色又は多色印刷により形成することができ、また、それ以外の特色印刷等によって形成することもできる。
図1の電子レンジ用包装材1においては、絵柄印刷層4は、光輝性印刷層3と同じ面内に並列するように形成されているが、光輝性印刷層3の外層側(表面)又は内層側(裏面)に重なるように形成されていてもよい。ただし、光輝性印刷層3の少なくとも一部は外層側から見えるように形成される。
光輝性印刷層3及び絵柄印刷層4が重なるように形成される場合の具体的な層構成としては、例えば、少なくとも一部が、内層側から、光輝性印刷層3/絵柄印刷層4の順、絵柄印刷層4/光輝性印刷層3の順、絵柄印刷層4/光輝性印刷層3/絵柄印刷層4の順等で形成することができる。
絵柄印刷層4の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.2~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5~8μm、より好ましくは0.7~5μmである。
絵柄印刷層4は、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、染料や顔料等の着色剤が添加混合された絵柄印刷層形成用インキを用いた印刷により形成される。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
絵柄印刷層4の着色剤としては、汎用の染料や顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料)を使用することができる。なお、黒色顔料としては、カーボンブラックやチタンブラック等の汎用黒色顔料を用いることもできるが、電子レンジのマイクロ波により、電子レンジ用包装材1のカーボンブラックやチタンブラック等が存在する部分が、局所的に過熱するおそれがあるため、絵柄印刷層形成用インキ中の配合量を抑制する等の注意が必要である。その他の黒色顔料として、例えば、ペリレンブラックやアゾメチンアゾ系顔料等の有機顔料;マグネタイト型四酸化三鉄等の鉄酸化物や、銅やクロム、亜鉛等の複合酸化物等の無機顔料が挙げられる。
絵柄印刷層形成用インキにおけるバインダー樹脂、溶剤及び添加剤としては、上述した光輝性印刷層形成用インキで用いられるものと同様のものを用いることができる。
なお、絵柄印刷層の一態様として、光輝性印刷層3のパール顔料による金属光沢感の深みや重厚感を増す観点から、光輝性印刷層3の内層側に接する面に、黒色の染料や顔料等を着色剤としたインキを用いた黒色ベタ印刷による黒色地色層が形成されていることも好ましい。黒色地色層は、JIS Z8781-4:2013に準拠して測定される国際照明委員会(CIE)規格のL***表色系のL*値が20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。
黒色の着色剤は、地色として安定した黒色を発色させる観点から、黒色顔料であることが好ましい。黒色顔料の含有量は、地色としての安定した発色及び印刷塗膜強度のバランスの観点から、黒色地色層中の10~50質量%であることが好ましく、より好ましくは15~45質量%、さらに好ましくは20~40質量%である。
黒色顔料としては、上記と同様に、汎用黒色顔料を用いることもできるが、電子レンジでの使用時の過熱のおそれの観点から、黒色地色層中の汎用黒色顔料の含有量に注意を要する。その他の黒色顔料についても、上記と同様のものが挙げられる。
(トップコート層)
図1に示す電子レンジ用包装材1は、光輝性印刷層3及び絵柄印刷層4の両方の外層側表面に、トップコート層5が形成されている。トップコート層5は、紙基材2に対して全面に形成されていても、一部に形成されていてもよい。トップコート層5は、光透過性を有するものである。
このように、電子レンジ用包装材1の外層側最表面には、光輝性印刷層3(及び絵柄印刷層4)の表面の傷や汚れを防止する表面保護、また、光輝性印刷層3(及び絵柄印刷層4)による装飾に光沢感あるいはマット感を付与し、高級感を高める等の観点から、トップコート層5が形成されていることが好ましい。
トップコート層5は、公知のトップコート剤(オーバーコート剤)により形成することができる。トップコート剤としては、例えば、光沢感を付与するOPニス(グロスニス)、艶消しのためのマットOPニス等が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
トップコート層5の厚みは、0.2~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5~8μm、さらに好ましくは0.7~5μmである。
[電子レンジ用包装箱]
本発明の電子レンジ用包装箱は、前記電子レンジ用包装材を用いて形成された箱である。前記電子レンジ用包装材は、電子レンジ加熱する食品等の内容物を収容する電子レンジ用包装箱の形成材料として好適に用いることができる。前記電子レンジ用包装材で電子レンジ用包装箱を形成することにより、該電子レンジ用包装箱の内容物の高級感を演出することができる。
電子レンジ用包装箱の形状は特に限定されるものではなく、例えば、直方体状、筒体状、錐体状等が挙げられ、内容物を加熱するのに適した種々の形状とすることができる。
前記電子レンジ用包装箱においては、光輝性印刷層を有する箇所は、所望の装飾効果に応じて適宜定められ、特に限定されるものではないが、特に、電子レンジ内に載置したときの該箱の少なくとも側周部に、該箱を構成する電子レンジ用包装材の光輝性印刷層を有している箱を好適に提供することができる。
電子レンジ用包装箱は、電子レンジでの使用において、加熱後は、通常、電子レンジ内のテーブル面に載置された該箱の側周部を手で持って、電子レンジ内から取り出される。このため、箱の側周部が手で触れても熱くないことが好ましい。本発明の電子レンジ用包装材によれば、電子レンジ加熱後に手で触れる必要性が高い箱の側周部にも、光輝性印刷層による金属光沢性を付与しつつ、発熱が抑制されるため、電子レンジ用包装箱の装飾効果及び取り扱い時の安全性を両立させることができる。
本発明の電子レンジ用包装箱は、例えば、電子レンジ加熱を行う内容物が充填されたパウチの外装箱として好適に用いることができる。
前記電子レンジ用包装箱は、具体的には、電子レンジ加熱調理する種々の食品(例えば、レトルト食品や冷凍食品等)が充填されたパウチの外装箱として、パウチを収容したままの状態で、該外装箱ごと電子レンジ加熱する場合に好適に用いることができる。この場合、前記パウチとしては、電子レンジ加熱によって上昇した内部蒸気圧により開口する蒸気抜き手段形成部を備えたものであることが好ましく、該パウチを収容する外装箱である電子レンジ用包装箱には、前記蒸気抜け手段形成部を内容物より高い位置に保持する開封状態に変形するための開封切れ目線及び折り目線が形成されていることが好ましい。例えば、図2に示すような態様で開封された状態で電子レンジ内に載置できるように構成されていることが好ましい。
本発明の電子レンジ用包装箱は、このような態様で構成されていることにより、電子レンジ加熱時に、外装箱の発熱を抑制することができ、かつ、パウチ内の蒸気による加圧に伴う充填物の漏れやパウチの破裂等が防止されるため、パウチ内に充填された食品の電子レンジ加熱調理等を安全に行うことができる。
図2に示す電子レンジ用包装箱10は、パウチ20を収容する外装箱であり、未開封状態では直方体状である。図2は、開封して電子レンジ内に載置される際の形態を示している。まず、パウチ20が収容されている電子レンジ用包装箱10を、一の側面パネル12から正面パネル11を通って、前記一の側面パネル12と対面する他の側面パネル12に跨る開封切れ目線16に沿って開封する。そして、天面パネル14を含む箱の上部10aを背面パネル13に設けられている折り目線17で折り返し(図中の破線矢印参照)、正面パネル11と天面パネル14との境界線である辺L1、及び背面パネル13と底面パネル15との境界線である辺L2が、電子レンジ内のテーブル面に当接するように載置する。電子レンジ用包装箱10をこのように変形した開封状態を保持して電子レンジ内に載置することができれば、パウチ20の上部に設けられている蒸気抜け手段形成部21を、パウチ20内の内容物よりも高い位置に保持することができる。
パウチ20は、通常、ガスバリア性に優れ、内面にヒートシール層を有する多層のプラスチックフィルムからなり、周縁部がヒートシールされてパウチ状に形成されている。パウチ20は、上部のヒートシールされている側周縁部近傍に隣接する位置に、蒸気抜け手段形成部21を有している。蒸気抜け手段形成部21は、側周縁よりも内側に、加熱によりパウチ20内の圧力が上昇した際に、内圧上昇に伴う応力が集中する部分であって、ヒートシールされている応力集中部21aを有しており、応力集中部21aに囲まれる部分に通気口21bを有している。電子レンジ加熱によりパウチ20内の圧力が上昇すると、応力集中部21aのヒートシールが剥離し、通気口21bからパウチ20内の蒸気を排出することができる。これにより、パウチ20の破裂を防止することができ、また、蒸気抜け手段形成部21が、パウチ20内の内容物よりも高い位置に保持されることにより、パウチ20の内容物の漏れや飛散を防止し、電子レンジ内の汚損を防止することもできる。
なお、パウチ20の蒸気抜け手段形成部21は、このような形態に限定されるものではなく、例えば、特開2015-120550号公報、特開2016-74457号公報、特開2016-74458号公報等に記載されているような形態とすることもできる。
電子レンジ用包装箱10のブランクの形状は特に限定されるものではなく、また、開封切れ目線16及び折り目線17の形態及び位置は、図2に示す態様に限定されるものではない。例えば、特開2006-44695号公報、特開2006-44695号公報、特開2012-201375号公報、特開2012-201376号公報等に記載されているような形態とすることもできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
[電子レンジ用包装材の作製]
(実施例1)
以下のようにして、図1に示す態様の電子レンジ用包装材1を作製した。
紙基材(厚み400μmのコートボール紙)の表面の一部に、下記組成の光輝性(金色)印刷層用インキ(1)を用いて、グラビア印刷により、厚み1.3μmの光輝性印刷層を形成した。また、紙基材の外層側の表面の光輝性印刷層が形成された箇所以外の箇所に、下記組成の絵柄印刷層用インキを用いて、グラビア印刷により、厚み1.6μmの絵柄印刷層を形成した。
次いで、紙基材上の光輝性印刷層及び絵柄印刷層の表面に下記組成のOPニスを用いて、グラビア印刷により、厚み1.6μmのトップコート層を形成した。
各インキの組成を以下に示す。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(1)>
・光輝性成分(1a):白色パール顔料(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製「イリオジン(登録商標)102」) 10質量部
・光輝性成分(2):アルミペースト(アルミニウム鱗片(含有量60質量%))を溶剤(酢酸ノルマルプロピル等)でペースト状に分散させてなるもの) 5質量部(アルミニウム鱗片として3質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
<絵柄印刷層用インキ>
・有機系顔料(赤) 10質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 70質量部
<OPニス>
アクリル系熱硬化性樹脂組成物を水系溶媒(水及びイソプロパノールの質量比3:7の混合溶媒)に分散してなるインキ組成物
(実施例2~5、比較例3及び4)
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の白色パール顔料及びアルミペーストの配合量を下記表1に示す量に変更し、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。なお、表1中、アルミペーストの配合量の記載と併せて、アルミニウム鱗片としての配合量をカッコ書きで示す(以下、同様。)。
(実施例6)
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分(1a)の白色パール顔料を下記に示す干渉パール顔料(1b)に変更して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(2)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(2)>
・光輝性成分(1b):干渉パール顔料(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製「イリオジン(登録商標)201」) 10質量部
・光輝性成分(2):アルミペースト(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 5質量部(アルミニウム鱗片として3質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
(実施例7)
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分(1a)の白色パール顔料を下記に示す着色パール顔料(1c)に変更して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(3)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(3)>
・光輝性成分(1c):着色パール顔料(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製「イリオジン(登録商標)302」) 10質量部
・光輝性成分(2):アルミペースト(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 5質量部(アルミニウム鱗片として3質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
(実施例8及び9)
実施例7において、光輝性(金色)印刷層用インキ(3)中の白色パール顔料及びアルミペーストの配合量を下記表1に示す量に変更し、それ以外は実施例7と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
(比較例1)
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分として、光輝性成分(1a)の白色パール顔料を用いず、光輝性成分(2)のアルミペーストのみを配合して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(4)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(4)>
・光輝性成分(2):アルミペースト(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 15質量部(アルミニウム鱗片として9質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄)) 4質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
(比較例2)
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分として、光輝性成分(2)のアルミペーストを用いず、光輝性成分(1a)の白色パール顔料のみを配合して調製した下記に示す光輝性(金色)印刷層用インキ(5)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(5)>
・光輝性成分(1a):白色パール顔料(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 15質量部
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
(比較例5)
比較例2において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分として、光輝性成分(2)のアルミペーストを用いず、光輝性成分(1b)の干渉パール顔料のみを配合して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(6)を用い、それ以外は実施例6と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(6)>
・光輝性成分(1b):干渉パール顔料(光輝性(金色)印刷層用インキ(2)で用いたものと同じ) 15質量部
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
(比較例6)
実施例7において、光輝性(金色)印刷層用インキ(3)中の光輝性成分として、光輝性成分(3)のアルミペーストを用いず、光輝性成分(1c)の着色パール顔料のみを配合して調製した下記に示す光輝性(金色)印刷層用インキ(7)を用い、それ以外は実施例7と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(7)>
・光輝性成分(1c):着色パール顔料(光輝性(金色)印刷層用インキ(3)で用いたものと同じ) 15質量部
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
[光輝性評価]
上記実施例及び比較例で作製した各電子レンジ用包装材の光輝性について、20人の試験モニターによる評価試験を行った。
試験は、室外光を遮光した室内で、蛍光灯の下で、包装材を様々な方向に傾けながら外層側から目視観察し、光輝性(金属光沢感)による美観の有無を評価した。
光輝性印刷層の光輝性成分がアルミペーストのみである比較例1を参照基準として、下記(1)~(4)の基準にて採点した。
(1)金属光沢感が参照基準と同等程度であり、下記(2)よりも美観を生じる程度が高い +2点
(2)金属光沢感が参照基準よりも劣るものの、光輝性による美観を十分生じている +1点
(3)金属光沢感が参照基準よりも劣り、光輝性による美観についてはどちらとも言えない 0点
(4)観察する方向によっては美観を生じるほどの金属光沢感がなく、光輝性による美観が十分ではない -1点
試験モニター20人の採点結果の平均値を算出し、以下のように評価を行った。これらの評価結果を下記表1に示す。
<評価ランク>
S:参照基準
AA:平均点+1.5点以上
A:平均点+1点以上+1.5点未満
B:平均点0点以上+1点未満
C:平均点0点未満
[発熱性評価]
上記実施例及び比較例で作製した各電子レンジ用包装材の電子レンジでの使用時の発熱性について、20人の試験モニターによる評価試験を行った。
試験は、まず、電子レンジ用包装材を、外層側から見て光輝性印刷層及び絵柄印刷層が含まれるように、10cm×3cmの長方形に切断して、試験片を採取した。この試験片の外層側が上面になるように、出力500Wの電子レンジ内のテーブル上に載置した。電子レンジを1分間作動させた後、試験片の外層側表面を素手で触った際に感じた熱さを下記(1)~(4)の基準にて採点し、電子レンジ用包装材の光輝性印刷層の発熱性の評価を行った。
(1)まったく熱くなかった +2点
(2)光輝性印刷層の領域が、絵柄印刷層の領域に比べて高温だったが、触っていられる程度の熱さだった +1点
(3)光輝性印刷層の領域が、絵柄印刷層の領域に比べて高温であり、しばらくして熱くて手を離した 0点
(4)熱すぎてすぐに手を離した -1点
試験モニター20人の採点結果の平均値を算出し、以下のように評価を行った。これらの評価結果を下記表1に示す。
<評価ランク>
A:平均点+1点以上
B:平均点0点以上+1点未満
C:平均点0点未満
Figure 0007311950000001
表1の評価結果から分かるように、パール顔料とアルミニウム鱗片を所定割合で含む光輝性印刷層は、金属光沢による美観を生じさせることができ、かつ、電子レンジでの使用時の発熱を抑制することができることが認められた。
なお、実施例1~5を比較した場合、また、実施例7~9を比較した場合、アルミニウム鱗片の含有割合が多いほど、金属光沢性は高まる傾向が見られたが、アルミニウム鱗片の含有割合が少ない方が(実施例1~3及び7)、電子レンジでの使用時の発熱がより抑制され、より安全性に優れていると言える。
1 電子レンジ用包装材
2 紙基材
3 光輝性印刷層
4 絵柄印刷層
5 トップコート層
10 電子レンジ用包装箱
11 正面パネル
12 側面パネル
13 背面パネル
14 天面パネル
15 底面パネル
16 開封切れ目線
17 折り目線
20 パウチ
21 蒸気抜け手段形成部

Claims (7)

  1. 紙基材上の外層側に光輝性印刷層が形成された構成を備え、
    前記光輝性印刷層が、パール顔料及び金属鱗片を含み、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が40~90質量部である、電子レンジ用包装材。
  2. 前記光輝性印刷層は、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が65~80質量部である、請求項1に記載の電子レンジ用包装材。
  3. 前記パール顔料と前記金属鱗片との合計含有量が、前記光輝性印刷層中の20~50質量%である、請求項1又は2に記載の電子レンジ用包装材。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の電子レンジ用包装材で形成された箱である、電子レンジ用包装箱。
  5. 前記箱を電子レンジ内に載置したときの該箱の少なくとも側周部に、前記光輝性印刷層を有している、請求項4に記載の電子レンジ用包装箱。
  6. パウチの外装箱である、請求項4又は5に記載の電子レンジ用包装箱。
  7. 前記パウチは、内容物が充填されており、電子レンジ加熱によって上昇した内部蒸気圧により開口する蒸気抜き手段形成部を備え、
    前記パウチを収容する前記外装箱が、前記蒸気抜け手段形成部を内容物より高い位置に保持する開封状態に変形するための開封切れ目線及び折り目線が形成されている、請求項6に記載の電子レンジ用包装箱。
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