JP7311950B2 - 電子レンジ用包装材及び包装箱 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような金属層を用いた包装材は、電子レンジで使用された場合、電子レンジ内のマイクロ波が金属層表面で反射して、火花が生じ、電子レンジの故障や事故を招く危険性がある。
[1]紙基材上の外層側に光輝性印刷層が形成された構成を備え、前記光輝性印刷層が、パール顔料及び金属鱗片を含み、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が40~90質量部である、電子レンジ用包装材。
[2]上記[1]に記載の電子レンジ用包装材で形成された箱である、電子レンジ用包装箱。
図1に、本発明の電子レンジ用包装材の一態様における厚み方向の積層構成の概略を示す。図1においては、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)である。本発明の電子レンジ用包装材1は、図1に示すように、紙基材2上に光輝性印刷層3が形成されているものである。そして、光輝性印刷層3は、パール顔料及び金属鱗片を含み、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が40~90質量部であることを特徴としている。
このような光輝性印刷層3を備えた包装材によれば、金属光沢による美観を生じさせつつ、電子レンジでの使用時の発熱を抑制することができる。
以下、これらの各層構成について説明する。
電子レンジ用包装材1に用いられる紙基材2は、包装目的に応じた所望の賦形性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する紙であれば、特に限定されるものではない。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒又は未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。電子レンジ用包装材1を用いて包装箱を形成する場合には、加工性及び電子レンジでの使用等の観点から、通常、板紙が用いられる。板紙の種類としては、例えば、白板紙、黄板紙、チップボール、色板紙等の紙器用板紙として通常用いられるものが挙げられる。これらの中でも、マニラボール紙やコートボール紙等の白板紙が多用される。
なお、本明細書における紙基材及び各層の厚みは、電子レンジ用包装材を紙面に対して垂直方向に切断した断面の写真を撮像し、この断面写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値として求められた値である。
光輝性印刷層3は、紙基材2上に、光輝性印刷層用インキで印刷することにより形成される。光輝性印刷層用インキは、通常、バインダー樹脂や溶剤からなるビヒクルを主成分とし、これに、パール顔料及び金属鱗片、さらに必要に応じて、染料や顔料等の着色剤が添加混合されたインキが用いられる。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
光輝性印刷層3の厚みは、十分な金属光沢性が得られるようにする観点から、0.5~10μmであることが好ましく、より好ましくは0.8~8μm、さらに好ましくは1~5μmである。
なお、光輝性印刷層3は、紙基材2に対する密着性を向上させる観点から、紙基材2上に、アンカーコート層を形成し、該アンカーコート層に接して形成してもよい。アンカーコート層は、公知の構成とすることができ、構成材料としては、例えば、ポリエチレンイミン、2液硬化型ポリウレタン等が挙げられる。
光輝性印刷層3中のパール顔料及び金属鱗片の合計含有量は、該光輝性印刷層3が均一な金属光沢性を有し、かつ、パール顔料及び金属鱗片の紙基材2に対する密着性の観点から、光輝性印刷層3中の20~50質量%であることが好ましく、より好ましくは25~48質量%、さらに好ましくは30~45質量%である。
より高い金属光沢性の観点からは、前記パール顔料の含有量は、80質量部以下であることが好ましい。また、電子レンジでの使用時に、電子レンジ用包装材1の光輝性印刷層3が形成されている領域の発熱がより抑制されて十分な安全性を確保する観点から、65質量部以上であることが好ましい。
白色パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが0.1~0.15μm程度と比較的小さいものであり、光のほぼすべての波長を反射するため、白色もしくは銀色に見える。
干渉パール顔料は、雲母の被覆層が二酸化チタン等の無色高屈折率材料であり、かつ被覆層の厚みが白色パール顔料よりも大きく、0.15μm超のものである。この厚みによって、反射光及び透過光が変化し、種々の干渉色を生じる。虹彩色パール顔料や偏光パール顔料と呼ばれる場合もある。
着色パール顔料は、有彩色であり、雲母の被覆層を酸化第二鉄等の有色高屈折率材料としたもの、白色パール顔料の周囲をさらに酸化第二鉄等の有色高屈折率材料もしくはその他の有色顔料で被覆したもの、又は、雲母の被覆層中に顔料やその他の着色剤を添加したもの等がある。
この場合、特に、あらゆる方向から見ても深みのある金色の光沢感を得るためには、着色パール顔料として、白色パール顔料の周囲を酸化第二鉄で被覆した着色パール顔料又は雲母の被覆層が酸化第二鉄である着色パール顔料を用いることが好ましく、さらには、白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上として、白色パール顔料を用いることがより好ましい。
白色パール顔料及び干渉パール顔料のうちから選ばれる1種以上(A)と、着色パール顔料のうちから選ばれる1種以上(B)とを組み合わせて用いる場合、A:Bは、質量比で、1:0.2~1:20であることが好ましく、より好ましくは1:0.5~1:15、さらに好ましくは1:1~1:10である。
パール顔料の粒径は、特に限定されるものではなく、平均長さが5~60μmであることが好ましく、より好ましくは5~30μmである。なお、パール顔料の平均長さは、光学顕微鏡で観察した任意の20個の粒子の長径の平均値として求められる。
金属鱗片は、例えば、前記金属又は合金をプラスチックフィルム上に真空蒸着してなる金属薄膜をプラスチックフィルムから剥離し、剥離した金属薄膜を粉砕、撹拌した得られたものや、前記金属又は合金の粉末と溶剤とを混合し、媒体撹拌ミル、ボールミル、アトライター等で、該粉末を展延及び/又は粉砕して得られたもの、さらに、これらの表面が樹脂コートされたもの等を用いることができる。
なお、金属鱗片の平均長さ及び平均厚みは、平滑な基材上に金属鱗片を散布した状態で、レーザ干渉式の三次元形状解析装置を用いて、20個の金属鱗片の長さ及び厚みを測定し、これらの測定値の各平均値として求められる。1個の金属鱗片の長さは、任意の軸方向において金属鱗片を平面観察した際の最大径(長さ)を意味する。1個の金属鱗片の厚みは、前記軸方向に垂直な方向(断面)における金属鱗片の最大厚み(長さ)を意味する。例えば、三次元形状解析装置による測定結果の処理画像のX軸方向を任意の軸方向(測定方向)とした場合、X軸と平行な方向において求めた1個の金属鱗片の最大径を、1個の金属鱗片の長さとする。仮に、X軸と平行でない方向における長さが前記最大径よりも大きい場合であっても、その長さを最大径とはみなさない。レーザ干渉式の三次元形状解析装置としては、例えば、キーエンス社製の形状解析レーザ顕微鏡「VK-Xシリーズ」を用いることができる。
バインダー樹脂の光輝性印刷層3中の含有量は、パール顔料及び金属鱗片以外の他の固形分含有量にもよるが、パール顔料及び金属鱗片の紙基材2に対する密着性及び印刷効率等の観点から、20~50質量%であることが好ましく、より好ましくは25~48質量%、さらに好ましくは30~45質量%であることが好ましく、パール顔料及び金属鱗片の合計含有量と同等程度であることが好ましい。
また、光輝性印刷層用インキには、必要に応じて、例えば、着色剤、充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、沈降防止剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の任意の添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、無機化合物であっても、有機化合物であってもよい。
絵柄印刷層4とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン、ベタ印刷等を含む広い概念であり、光輝性印刷層3とは区別される印刷層である。すなわち、絵柄印刷層4には、光輝性印刷層用インキで形成された印刷層は含まない。絵柄印刷層4は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。また、絵柄印刷層4は、紙基材2に対して全面印刷であっても、部分印刷であってもよい。絵柄印刷層4は、例えば、プロセスカラーによる単色又は多色印刷により形成することができ、また、それ以外の特色印刷等によって形成することもできる。
光輝性印刷層3及び絵柄印刷層4が重なるように形成される場合の具体的な層構成としては、例えば、少なくとも一部が、内層側から、光輝性印刷層3/絵柄印刷層4の順、絵柄印刷層4/光輝性印刷層3の順、絵柄印刷層4/光輝性印刷層3/絵柄印刷層4の順等で形成することができる。
絵柄印刷層4の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.2~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5~8μm、より好ましくは0.7~5μmである。
図1に示す電子レンジ用包装材1は、光輝性印刷層3及び絵柄印刷層4の両方の外層側表面に、トップコート層5が形成されている。トップコート層5は、紙基材2に対して全面に形成されていても、一部に形成されていてもよい。トップコート層5は、光透過性を有するものである。
このように、電子レンジ用包装材1の外層側最表面には、光輝性印刷層3(及び絵柄印刷層4)の表面の傷や汚れを防止する表面保護、また、光輝性印刷層3(及び絵柄印刷層4)による装飾に光沢感あるいはマット感を付与し、高級感を高める等の観点から、トップコート層5が形成されていることが好ましい。
トップコート層5は、公知のトップコート剤(オーバーコート剤)により形成することができる。トップコート剤としては、例えば、光沢感を付与するOPニス(グロスニス)、艶消しのためのマットOPニス等が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
トップコート層5の厚みは、0.2~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5~8μm、さらに好ましくは0.7~5μmである。
本発明の電子レンジ用包装箱は、前記電子レンジ用包装材を用いて形成された箱である。前記電子レンジ用包装材は、電子レンジ加熱する食品等の内容物を収容する電子レンジ用包装箱の形成材料として好適に用いることができる。前記電子レンジ用包装材で電子レンジ用包装箱を形成することにより、該電子レンジ用包装箱の内容物の高級感を演出することができる。
電子レンジ用包装箱の形状は特に限定されるものではなく、例えば、直方体状、筒体状、錐体状等が挙げられ、内容物を加熱するのに適した種々の形状とすることができる。
電子レンジ用包装箱は、電子レンジでの使用において、加熱後は、通常、電子レンジ内のテーブル面に載置された該箱の側周部を手で持って、電子レンジ内から取り出される。このため、箱の側周部が手で触れても熱くないことが好ましい。本発明の電子レンジ用包装材によれば、電子レンジ加熱後に手で触れる必要性が高い箱の側周部にも、光輝性印刷層による金属光沢性を付与しつつ、発熱が抑制されるため、電子レンジ用包装箱の装飾効果及び取り扱い時の安全性を両立させることができる。
前記電子レンジ用包装箱は、具体的には、電子レンジ加熱調理する種々の食品(例えば、レトルト食品や冷凍食品等)が充填されたパウチの外装箱として、パウチを収容したままの状態で、該外装箱ごと電子レンジ加熱する場合に好適に用いることができる。この場合、前記パウチとしては、電子レンジ加熱によって上昇した内部蒸気圧により開口する蒸気抜き手段形成部を備えたものであることが好ましく、該パウチを収容する外装箱である電子レンジ用包装箱には、前記蒸気抜け手段形成部を内容物より高い位置に保持する開封状態に変形するための開封切れ目線及び折り目線が形成されていることが好ましい。例えば、図2に示すような態様で開封された状態で電子レンジ内に載置できるように構成されていることが好ましい。
本発明の電子レンジ用包装箱は、このような態様で構成されていることにより、電子レンジ加熱時に、外装箱の発熱を抑制することができ、かつ、パウチ内の蒸気による加圧に伴う充填物の漏れやパウチの破裂等が防止されるため、パウチ内に充填された食品の電子レンジ加熱調理等を安全に行うことができる。
なお、パウチ20の蒸気抜け手段形成部21は、このような形態に限定されるものではなく、例えば、特開2015-120550号公報、特開2016-74457号公報、特開2016-74458号公報等に記載されているような形態とすることもできる。
(実施例1)
以下のようにして、図1に示す態様の電子レンジ用包装材1を作製した。
紙基材(厚み400μmのコートボール紙)の表面の一部に、下記組成の光輝性(金色)印刷層用インキ(1)を用いて、グラビア印刷により、厚み1.3μmの光輝性印刷層を形成した。また、紙基材の外層側の表面の光輝性印刷層が形成された箇所以外の箇所に、下記組成の絵柄印刷層用インキを用いて、グラビア印刷により、厚み1.6μmの絵柄印刷層を形成した。
次いで、紙基材上の光輝性印刷層及び絵柄印刷層の表面に下記組成のOPニスを用いて、グラビア印刷により、厚み1.6μmのトップコート層を形成した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(1)>
・光輝性成分(1a):白色パール顔料(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製「イリオジン(登録商標)102」) 10質量部
・光輝性成分(2):アルミペースト(アルミニウム鱗片(含有量60質量%))を溶剤(酢酸ノルマルプロピル等)でペースト状に分散させてなるもの) 5質量部(アルミニウム鱗片として3質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
<絵柄印刷層用インキ>
・有機系顔料(赤) 10質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 70質量部
<OPニス>
アクリル系熱硬化性樹脂組成物を水系溶媒(水及びイソプロパノールの質量比3:7の混合溶媒)に分散してなるインキ組成物
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の白色パール顔料及びアルミペーストの配合量を下記表1に示す量に変更し、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。なお、表1中、アルミペーストの配合量の記載と併せて、アルミニウム鱗片としての配合量をカッコ書きで示す(以下、同様。)。
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分(1a)の白色パール顔料を下記に示す干渉パール顔料(1b)に変更して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(2)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(2)>
・光輝性成分(1b):干渉パール顔料(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製「イリオジン(登録商標)201」) 10質量部
・光輝性成分(2):アルミペースト(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 5質量部(アルミニウム鱗片として3質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分(1a)の白色パール顔料を下記に示す着色パール顔料(1c)に変更して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(3)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(3)>
・光輝性成分(1c):着色パール顔料(メルクパフォーマンスマテリアルズ株式会社製「イリオジン(登録商標)302」) 10質量部
・光輝性成分(2):アルミペースト(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 5質量部(アルミニウム鱗片として3質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
実施例7において、光輝性(金色)印刷層用インキ(3)中の白色パール顔料及びアルミペーストの配合量を下記表1に示す量に変更し、それ以外は実施例7と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分として、光輝性成分(1a)の白色パール顔料を用いず、光輝性成分(2)のアルミペーストのみを配合して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(4)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(4)>
・光輝性成分(2):アルミペースト(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 15質量部(アルミニウム鱗片として9質量部)
・着色剤(有機系顔料(黄)) 4質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・アルミニウム用添加剤(アルコールとシュウ酸の混合物) 3質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
実施例1において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分として、光輝性成分(2)のアルミペーストを用いず、光輝性成分(1a)の白色パール顔料のみを配合して調製した下記に示す光輝性(金色)印刷層用インキ(5)を用い、それ以外は実施例1と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(5)>
・光輝性成分(1a):白色パール顔料(光輝性(金色)印刷層用インキ(1)で用いたものと同じ) 15質量部
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
比較例2において、光輝性(金色)印刷層用インキ(1)中の光輝性成分として、光輝性成分(2)のアルミペーストを用いず、光輝性成分(1b)の干渉パール顔料のみを配合して調製した光輝性(金色)印刷層用インキ(6)を用い、それ以外は実施例6と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(6)>
・光輝性成分(1b):干渉パール顔料(光輝性(金色)印刷層用インキ(2)で用いたものと同じ) 15質量部
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
実施例7において、光輝性(金色)印刷層用インキ(3)中の光輝性成分として、光輝性成分(3)のアルミペーストを用いず、光輝性成分(1c)の着色パール顔料のみを配合して調製した下記に示す光輝性(金色)印刷層用インキ(7)を用い、それ以外は実施例7と同様にして、電子レンジ用包装材を作製した。
<光輝性(金色)印刷層用インキ(7)>
・光輝性成分(1c):着色パール顔料(光輝性(金色)印刷層用インキ(3)で用いたものと同じ) 15質量部
・着色剤(有機系顔料(黄、青、赤、黒)) 5質量部
・バインダー樹脂(主成分:ニトロセルロース) 13質量部
・沈降防止剤(脂肪酸アマイド2質量%の酢酸ノルマルプロピル溶液) 10質量部
・溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン、酢酸ノルマルプロピル、イソプロパノール、メタノール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶剤) 67質量部
上記実施例及び比較例で作製した各電子レンジ用包装材の光輝性について、20人の試験モニターによる評価試験を行った。
試験は、室外光を遮光した室内で、蛍光灯の下で、包装材を様々な方向に傾けながら外層側から目視観察し、光輝性(金属光沢感)による美観の有無を評価した。
光輝性印刷層の光輝性成分がアルミペーストのみである比較例1を参照基準として、下記(1)~(4)の基準にて採点した。
(1)金属光沢感が参照基準と同等程度であり、下記(2)よりも美観を生じる程度が高い +2点
(2)金属光沢感が参照基準よりも劣るものの、光輝性による美観を十分生じている +1点
(3)金属光沢感が参照基準よりも劣り、光輝性による美観についてはどちらとも言えない 0点
(4)観察する方向によっては美観を生じるほどの金属光沢感がなく、光輝性による美観が十分ではない -1点
試験モニター20人の採点結果の平均値を算出し、以下のように評価を行った。これらの評価結果を下記表1に示す。
<評価ランク>
S:参照基準
AA:平均点+1.5点以上
A:平均点+1点以上+1.5点未満
B:平均点0点以上+1点未満
C:平均点0点未満
上記実施例及び比較例で作製した各電子レンジ用包装材の電子レンジでの使用時の発熱性について、20人の試験モニターによる評価試験を行った。
試験は、まず、電子レンジ用包装材を、外層側から見て光輝性印刷層及び絵柄印刷層が含まれるように、10cm×3cmの長方形に切断して、試験片を採取した。この試験片の外層側が上面になるように、出力500Wの電子レンジ内のテーブル上に載置した。電子レンジを1分間作動させた後、試験片の外層側表面を素手で触った際に感じた熱さを下記(1)~(4)の基準にて採点し、電子レンジ用包装材の光輝性印刷層の発熱性の評価を行った。
(1)まったく熱くなかった +2点
(2)光輝性印刷層の領域が、絵柄印刷層の領域に比べて高温だったが、触っていられる程度の熱さだった +1点
(3)光輝性印刷層の領域が、絵柄印刷層の領域に比べて高温であり、しばらくして熱くて手を離した 0点
(4)熱すぎてすぐに手を離した -1点
試験モニター20人の採点結果の平均値を算出し、以下のように評価を行った。これらの評価結果を下記表1に示す。
<評価ランク>
A:平均点+1点以上
B:平均点0点以上+1点未満
C:平均点0点未満
なお、実施例1~5を比較した場合、また、実施例7~9を比較した場合、アルミニウム鱗片の含有割合が多いほど、金属光沢性は高まる傾向が見られたが、アルミニウム鱗片の含有割合が少ない方が(実施例1~3及び7)、電子レンジでの使用時の発熱がより抑制され、より安全性に優れていると言える。
2 紙基材
3 光輝性印刷層
4 絵柄印刷層
5 トップコート層
10 電子レンジ用包装箱
11 正面パネル
12 側面パネル
13 背面パネル
14 天面パネル
15 底面パネル
16 開封切れ目線
17 折り目線
20 パウチ
21 蒸気抜け手段形成部
Claims (7)
- 紙基材上の外層側に光輝性印刷層が形成された構成を備え、
前記光輝性印刷層が、パール顔料及び金属鱗片を含み、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が40~90質量部である、電子レンジ用包装材。 - 前記光輝性印刷層は、前記パール顔料と前記金属鱗片との合計100質量部に対する前記パール顔料の含有量が65~80質量部である、請求項1に記載の電子レンジ用包装材。
- 前記パール顔料と前記金属鱗片との合計含有量が、前記光輝性印刷層中の20~50質量%である、請求項1又は2に記載の電子レンジ用包装材。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の電子レンジ用包装材で形成された箱である、電子レンジ用包装箱。
- 前記箱を電子レンジ内に載置したときの該箱の少なくとも側周部に、前記光輝性印刷層を有している、請求項4に記載の電子レンジ用包装箱。
- パウチの外装箱である、請求項4又は5に記載の電子レンジ用包装箱。
- 前記パウチは、内容物が充填されており、電子レンジ加熱によって上昇した内部蒸気圧により開口する蒸気抜き手段形成部を備え、
前記パウチを収容する前記外装箱が、前記蒸気抜け手段形成部を内容物より高い位置に保持する開封状態に変形するための開封切れ目線及び折り目線が形成されている、請求項6に記載の電子レンジ用包装箱。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018013925A JP7311950B2 (ja) | 2018-01-30 | 2018-01-30 | 電子レンジ用包装材及び包装箱 |
Applications Claiming Priority (1)
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