JP7310565B2 - 車両用電動ファンの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電力を蓄える蓄電器と、ボンネットにより開閉可能に覆われる動力室に配置された動力源と、前記動力室に配置されかつ前記蓄電器から供給される電力により駆動される電動ファンとを備えた車両に適用される電動ファンの制御方法に関する。
近年、COの排出量を削減する社会的要求の高まりを受けて、電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車など、電気エネルギーを利用して走行する種々の車両(以下、これらを総称して電動車両という)が考案されている。このような電動車両では、その停車中に、外部電源から車両内の蓄電器に電力を補給する充電や、蓄電器から外部に電力を取り出す外部給電が行われることがある。これら充電または外部給電の際には、電気エネルギーのロス等に起因した熱が発生するので、冷却のために電動ファンが駆動されることがある。
例えば、下記特許文献1には、燃料電池システムを搭載した車両(燃料電池車)において、燃料電池から外部に電力を取り出す外部給電の際に電動ファンを必要に応じて駆動することが開示されている。具体的に、特許文献1では、外部給電中に燃料電池の発熱量が算出され、算出された発熱量が所定発熱量を超える場合に、電動ファンを含む冷却系アクチュエータが駆動される。このとき、電動ファンの駆動電圧は、燃料電池の発熱量と放熱能力とが釣り合うような値に設定される。
特開2016-95949号公報
上記電動ファンは、一般に、車両駆動用の動力源(モータ等)を収容するための動力室に配置される。この動力室には、ウォッシャー液を貯留するウォッシャータンクや、冷却水を貯留するリザーバタンク等の容器も併せて配置されることが多い。この場合に、ウォッシャー液や冷却水を補充するといったメンテナンス作業は、動力室を覆うボンネットを開放した状態で行われる。
ここで、上述したメンテナンス作業、つまりボンネットを開放した状態でのウォッシャー液または冷却水の補充等が、充電または外部給電の最中に行われることが想定される。充電または外部給電は、上記のように電動ファンの駆動を伴うことがあるが、このような電動ファンの駆動が突然開始されると作業者が驚いて上記ウォッシャー液等の補充作業に支障が生じる(例えば作業を失敗する)おそれがある。しかしながら、上記特許文献1では、このような事態を回避するための対策は特に採られていなかった。
なお、上記のような対策は、ボンネット開放状態で電動ファンが駆動される可能性のある車両であれば、電動車両に限らず必要なものである。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ボンネット開放状態での電動ファンの駆動を許容しながら作業者の作業性および安全性を確保することが可能な車両用電動ファンの制御方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本願の第1の発明は、電力を蓄える蓄電器と、ボンネットにより開閉可能に覆われる動力室に配置された動力源と、前記動力室に配置されかつ前記蓄電器から供給される電力により駆動される電動ファンとを備えた車両に適用される電動ファンの制御方法であって、車両が非運転状態にあるか否かを判定する第1判定ステップと、前記電動ファンの駆動要求の有無を判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップにおいて車両が非運転状態にあると判定され、かつ前記第2判定ステップにおいて前記駆動要求があると判定された場合に、所定の第1回転数以下の範囲で前記電動ファンを回転させる第1駆動ステップと、前記第1駆動ステップの後、前記第1回転数よりも高い第2回転数で前記電動ファンを回転させる第2駆動ステップとを含み、前記第1駆動ステップでは、前記電動ファンの回転数を前記第1回転数まで増大させてから当該第1回転数よりも低い第3回転数まで低下させる制御を少なくとも1回実行する、ことを特徴とするものである(請求項1)。
車両の非運転時は、ボンネットの開放を伴う何らかのメンテナンス作業(ウォッシャー液や冷却水の補充等)が行われる可能性があるが、条件によっては、ボンネットの開放中に電動ファンの駆動要求が発せられることがある。しかしながら、このような場合に仮に電動ファンを突然高速で回転させてしまうと、作業者が驚いて前記メンテナンス作業に支障が生じる(例えば作業を失敗する)ことが懸念される。これに対し、本発明では、車両の非運転時に電動ファンの駆動要求が発せられたときは電動ファンの回転数が段階的に高められるので、電動ファンが高速で回転する前に作業者に注意を喚起することができ、作業者の作業性および安全性を確保することができる。より詳しくは、本発明では、電動ファンを第1回転数以下の範囲で回転させる第1駆動ステップと、当該第1回転数よりも高い第2回転数で電動ファンを回転させる第2駆動ステップとがこの順に実行されるので、前段の第1駆動ステップによって作業者の注意を喚起することができ、作業者に電動ファンから離れるよう促すことができる。しかも、第1駆動ステップ中の電動ファンの回転数は低く抑えられるので、作業者を驚かせることなく作業者に注意を喚起することができる。したがって、その後の第2駆動ステップによって電動ファンが高速で回転駆動されたとしても、そのことが作業者に及ぼす影響を最小限に抑えることができ、作業性および安全性を良好に確保することができる。
特に、本発明では、第1駆動ステップにおいて、回転数を第1回転数まで増大させてから第3回転数まで低下させる、つまり回転数を増減させる特殊なモードで電動ファンが駆動されるので、第1駆動ステップ中の電動ファンの回転数を平均的に低く抑えながら、電動ファンの回転によってその存在を作業者に的確に認知させることができる。
また、本願の第2の発明は、電力を蓄える蓄電器と、ボンネットにより開閉可能に覆われる動力室に配置された動力源と、前記動力室に配置されかつ前記蓄電器から供給される電力により駆動される電動ファンと、空調装置とを備えた車両に適用される電動ファンの制御方法であって、車両が非運転状態にあるか否かを判定する第1判定ステップと、前記電動ファンの駆動要求の有無を判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップにおいて車両が非運転状態にあると判定され、かつ前記第2判定ステップにおいて前記駆動要求があると判定された場合に、所定の第1回転数以下の範囲で前記電動ファンを回転させる第1駆動ステップと、前記第1駆動ステップの後、前記第1回転数よりも高い第2回転数で前記電動ファンを回転させる第2駆動ステップとを含み、前記空調装置は、冷媒を循環させる電動式のコンプレッサと、冷媒を凝縮させるコンデンサと、冷媒を蒸発させるエバポレータとを含み、前記電動ファンは、前記コンデンサに送風可能な位置に設けられ、前記第2判定ステップでは、車両の外部から前記空調装置の作動指令が出力されたときに前記電動ファンの駆動要求が発せられたと判定する、ことを特徴とするものである(請求項2)。
本発明に係る車両、つまり予約空調が可能な車両では、その非運転時に車両の外部(以下、車外と略す)から空調装置の作動指令(予約空調の指令)が発せられる可能性があるが、コンデンサへの送風がない状態でコンプレッサを作動させると冷媒の圧力が異常に上昇する懸念があるので、予約空調時には電動ファンによるコンデンサへの送風が必須である。これに対し、本発明では、車外からの予約空調の指令がボンネットの開放中に確認された場合に、第1駆動ステップ(電動ファンを低い回転数で回転させる動作)を伴うモードにより電動ファンが回転駆動されるので、仮に作業者がボンネットの開放と予約空調の操作とを併せて行ったとしても、作業者の注意を第1駆動ステップにより喚起して作業性および安全性を確保することができる。
前記第1の発明において、前記第3回転数はゼロに設定することが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、第1駆動ステップの際に電動ファンの回転数が一旦ゼロにされるので、回転数がゼロまで低下するのに要する時間の分だけ、第1駆動ステップの所要時間が長期化する。このため、第1駆動ステップの開始により電動ファンに注意を向けた作業者は、第2駆動ステップ(本格駆動)に移行する前に、余裕をもって電動ファンから離れる(退避する)ことができる。
前記第1の発明において、前記車両は電動車両とすることができる。すなわち、前記動力源は走行モータを含み、前記蓄電器は、前記走行モータに電力を供給する駆動用バッテリを含み、前記車両は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換して前記駆動用バッテリに供給する充電器と、当該充電器および前記走行モータを含む各部に冷却水を供給する冷却回路とを備えたものとすることができる。この場合、前記冷却回路は、前記冷却水を熱交換により冷却するラジエータを含み、前記電動ファンは、前記ラジエータに送風可能な位置に設けられ、前記第2判定ステップでは、前記冷却水の温度が所定の閾値を超えたときに前記電動ファンの駆動要求が発せられたと判定することが好ましい(請求項4)。
このような電動車両では、その非運転時に駆動用バッテリへの充電が行われる可能性があるが、充電中は充電器の発熱によって冷却水の温度が上昇するので、これを受けて電動ファンの駆動が要求され得る。これに対し、前記構成では、充電による冷却水の温度上昇が確認された場合に、上述した第1駆動ステップ(電動ファンを低い回転数で回転させる動作)を伴うモードにより電動ファンが回転駆動されるので、仮に作業者がボンネットの開放と充電操作とを併せて行ったとしても、作業者の注意を第1駆動ステップにより喚起して作業性および安全性を確保することができる。
ここで、車両の運転中はボンネットが開放されることは考えられないので、上述した第1駆動ステップ(電動ファンを低い回転数で回転させる動作)は不要である。そこで、前記第1または第2の発明において、車両の運転中に前記電動ファンの駆動要求があったときは、前記第2回転数以上の回転数で前記電動ファンを回転させることが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、車両の運転中に電動ファンの駆動が要求されたときに、上述した第1駆動ステップに対応する制御、つまり第2回転数よりも低い回転数で電動ファンを回転させる制御を経ることなく、直ちに電動ファンを第2回転数以上の回転数で駆動(本格駆動)することができ、電動ファンからの送風によって冷却対象を速やかに冷却することができる。
前記第1または第2の発明において、好ましくは、前記制御方法は、前記ボンネットの開閉状態を判定する第3判定ステップをさらに含み、前記第1判定ステップにおいて車両が非運転状態にあると判定され、かつ前記第2判定ステップにおいて前記駆動要求があると判定された場合であっても、前記第3判定ステップにおいて前記ボンネットが閉止状態にあると判定された場合には、前記第1駆動ステップを経ることなく前記第2駆動ステップに移行する(請求項6)。
この構成によれば、作業者が電動ファンに触れる心配のないボンネットの閉止時に、電動ファンの駆動要求に応じてその回転数を直ちに第2回転数まで増大させることができ、電動ファンからの送風によって冷却対象を速やかに冷却することができる。
以上説明したように、本発明の車両用電動ファンの制御方法によれば、ボンネット開放状態での電動ファンの駆動を許容しながら作業者の作業性および安全性を確保することができる。
本発明の一実施形態にかかる電動ファンの制御方法が適用された車両の概略構成を示すシステム図である。 上記車両の熱交換構造を示すシステム図である。 上記車両の制御系統を示すブロック図である。 上記車両の充電時に水冷システムに対し行われる制御の内容を示すフローチャートである。 上記図4のステップS12で行われる安全モードによる電動ファンの駆動の詳細を示すサブルーチンである。 上記図4および図5の制御の結果得られる各種状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。 予約空調の指令が発せられた場合の空調装置の制御動作を示すフローチャートである。 上記図7の制御の結果得られる各種状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。
[車両の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態にかかる電動ファンの制御方法が適用された車両の概略構成を示すシステム図である。本図に示すように、当実施形態の車両は、車輪Wと、車輪Wを回転させるための動力源である走行モータ1と、走行モータ1に供給する電力を蓄える駆動用バッテリ2と、駆動用バッテリ2に付設された充電器3と、補機類(後述するウォータポンプ12や電動ファン14等)に供給する電力を蓄える補機用バッテリ4と、駆動用バッテリ2と走行モータ1との間に介設されたインバータ5と、駆動用バッテリ2と補機用バッテリ4との間に介設されたDC/DCコンバータ6と、外部電源が接続される充電コネクタ7とを備えている。当実施形態に例示される車両は、走行モータ1のみの駆動力によって走行する電気自動車であり、動力源としての内燃機関は備えていない。なお、図1において各要素間を結ぶ実線は電気的な接続を表し、破線は機械的な接続を表している。
走行モータ1は、48Vで駆動される永久磁石同期電動機であり、車輪Wと連動連結された出力軸を有している。車両には、ドライバにより操作される図外のアクセルペダルが備えられている。このアクセルペダルが踏み込まれているとき、走行モータ1は、駆動用バッテリ2から電力の供給を受けて車輪Wに駆動力(回転力)を付与する。一方、アクセルペダルが踏み込まれていない車両の減速時には、走行モータ1で発電が行われるとともに、発電された電力が駆動用バッテリ2に供給される(減速回生)。このとき、走行モータ1から車輪Wに対し回生ブレーキ力が付与される。
走行モータ1は、車両の動力室Rに収容されている。なお、図1では模式的に、動力室Rを細い一点鎖線で囲んだ領域として示している。動力室Rは、車両の前部に形成されており、図外のボンネットにより開閉可能に覆われている。
駆動用バッテリ2は、48Vのリチイムイオンバッテリであり、車両のフロア部に配置されている。具体的に、駆動用バッテリ2は、平面的に配列された複数個(例えば12個)のバッテリセルを有しており、各バッテリセルは直列に接続された状態で車両のフロア部に敷き詰められている。
充電器3は、交流電力を直流電力に変換するコンバータ等を含んでいる。充電器3は、例えば駆動用バッテリ2の後端部に付設され、かつ充電コネクタ7と電気的に接続されている。駆動用バッテリ2への充電時、外部電源から充電コネクタ7を介して供給される交流電力は、充電器3で直流電力に変換された上で駆動用バッテリ2に供給される。
補機用バッテリ4は、駆動用バッテリ2よりも低電圧の12Vのバッテリであり、例えば従来型の鉛バッテリにより構成される。なお、この補機用バッテリ4と、上述した駆動用バッテリ2との組合せは、請求項にいう「蓄電器」に相当する。
インバータ5は、駆動用バッテリ2からの直流電力を交流電力に変換しつつ走行モータ1に供給する変換器である。インバータ5は、トランジスタ等の半導体素子からなる複数のスイッチング素子を有しており、当該スイッチング素子のパルス幅制御に基づいて、駆動用バッテリ2からの直流電力を任意の電圧(電流)の交流電力に変換した上で走行モータ1に供給することが可能である。
DC/DCコンバータ6は、駆動用バッテリ2からの高圧の直流電力を12Vに降圧した上で補機用バッテリ4に供給する変換器である。
[熱交換構造]
図2は、走行モータ1および駆動用バッテリ2等を冷却するための構造(熱交換構造)を示すシステム図である。本図に示すように、当実施形態の車両は、水冷システム10と空調装置20とを備えている。水冷システム10は、冷却水を用いて走行モータ1等を冷却する装置であり、空調装置20は、代替フロン等の冷媒を用いて空調用の冷風を生成する装置である。なお、図2において各要素間を結ぶ太い実線は冷却水の流れを表し、細い実線は冷媒の流れを表している。
水冷システム10は、冷却水が循環する冷却水通路11と、冷却水を加圧するウォータポンプ12と、冷却水を冷却するラジエータ13と、ラジエータ13に送風する電動ファン14とを備えている。なお、この水冷システム10のうち電動ファン14を除く要素群(冷却水通路11、ウォータポンプ12、およびラジエータ13の組合せ)は、請求項にいう「冷却回路」に相当する。
ウォータポンプ12は、補機用バッテリ4(図1)から電力の供給を受けて駆動される電動式のポンプである。ウォータポンプ12が駆動されると、ウォータポンプ12から冷却水が圧送されて、冷却水通路11を循環する冷却水の流れが生じる。
ラジエータ13は、外気との熱交換により冷却水を冷却する熱交換器である。ラジエータ13は、車両前端のグリル(図示省略)と対向する動力室Rの前端部に配置されている。ラジエータ13に外気があたるように、グリルには、動力室Rに外気を導入するための多数の孔が設けられている。ラジエータ13で冷却された冷却水は、ウォータポンプ12に戻されて再び加圧される。
電動ファン14は、補機用バッテリ4(図1)から電力の供給を受けて駆動される電動式のファンである。すなわち、電動ファン14は、送風用の羽根車14aと、羽根車14aを回転駆動するファンモータ14bとを有している。ファンモータ14bが駆動されると、羽根車14aが回転することにより、グリルを通じて動力室Rに導入される外気の流れが強制的に生成され、ラジエータ13への送風量が増大する。これにより、ラジエータ13の冷却効率が向上する。
冷却水通路11は、ウォータポンプ12から送出された冷却水が走行モータ1、ラジエータ13、DC/DCコンバータ6、インバータ5、充電器3を順に通過して再びウォータポンプ12に戻るように配されている。具体的に、冷却水通路11は、ウォータポンプ12と走行モータ1との間に配された第1通路11aと、走行モータ1とラジエータ13との間に配された第2通路11bと、ラジエータ13とDC/DCコンバータ6との間に配された第3通路11cと、DC/DCコンバータ6とインバータ5との間に配された第4通路11dと、インバータ5と充電器3との間に配された第5通路11eと、充電器3とウォータポンプ12との間に配された第6通路11fとを有している。これら各通路11a~11fを通過(循環)する過程で、冷却水は、走行モータ1、DC/DCコンバータ6、インバータ5、および充電器3をそれぞれ冷却する。
空調装置20は、代替フロン等の冷媒が循環する冷媒通路21と、冷媒を圧縮するコンプレッサ22と、冷媒を凝縮させるコンデンサ23と、冷媒を蒸発させるエキスパンションバルブ24およびエバポレータ25と、水冷システム10と共用される上述した電動ファン14とを備えている。
コンプレッサ22は、駆動用バッテリ2(図1)から電力の供給を受けて駆動される電動式のコンプレッサである。コンプレッサ22が駆動されると、コンプレッサ22から冷媒が圧送されて、冷媒通路21を循環する冷媒の流れが生じる。
コンデンサ23は、外気との熱交換により冷媒を凝縮させる熱交換器である。すなわち、コンデンサ23は、コンプレッサ22から供給される気液混合状態の冷媒を熱交換により冷却し、当該冷却により冷媒を凝縮させて液体の冷媒(液冷媒)に変換する。コンデンサ23は、上述したラジエータ13と同様に、動力室Rの前端部に配置されている。このため、電動ファン14が回転すると、当該回転により生じる外気の流れがコンデンサ23にあたり、コンデンサ23の冷却効率(凝縮能力)が向上する。
エキスパンションバルブ24は、コンデンサ23から供給される液冷媒を急膨張させて霧化するバルブである。エキスパンションバルブ24で霧化された冷媒は、エバポレータ25内で一気に気化(蒸発)し、低温化する。
エバポレータ25は、気化した低温の冷媒との熱交換により空気を冷却する熱交換器である。すなわち、エバポレータ25にはブロワファン(図示省略)が付属されており、このブロワファンから送られてくる空気がエバポレータ25での熱交換により冷却される。そして、冷却後の空気が空調風(冷風)として車室に供給される。エバポレータ25で気化した冷媒は、コンプレッサ22に戻されて再び圧縮される。
冷媒通路21は、コンプレッサ22から送出された冷媒がコンデンサ23、エキスパンションバルブ24、エバポレータ25を順に通過して再びコンプレッサ22に戻るように配されている。すなわち、冷媒通路21は、コンプレッサ22とコンデンサ23との間に配された第1通路21aと、コンデンサ23とエキスパンションバルブ24との間に配された第2通路21bと、エバポレータ25とコンプレッサ22との間に配された第3通路21cとを有している。
加えて、冷媒通路21は、冷媒の一部が駆動用バッテリ2を通過するように配されている。すなわち、冷媒通路21は、第2通路21bから分岐して駆動用バッテリ2へと至る第4通路21dと、駆動用バッテリ2の内部に配された第5通路21eと、駆動用バッテリ2とコンプレッサ22との間に配された第6通路21fとをさらに有している。第5通路21eは、平面的に拡がって駆動用バッテリ2の各バッテリセルを通過するように配されており、当該第5通路21eを通過する冷媒との熱交換により各バッテリセルが冷却されるようになっている。
[制御系統]
図3は、車両の制御系統を示すブロック図である。本図に示されるコントローラ30は、車両の各部を統括的に制御する制御器であり、周知のCPU、RAM、ROM等から構成されるマイクロプロセッサである。
コントローラ30は、車両に設けられた各種機器から発信される情報を受け付けることが可能である。例えば、車両には、冷却水通路11を流通する冷却水の温度を検出する水温センサSN1と、動力室Rを覆うボンネットの開閉状態を検出するボンネットセンサSN2と、走行モータ1の駆動(つまり車両の走行)を許可するためにドライバにより操作されるパワースイッチ31とが設けられている。コントローラ30には、パワースイッチ31の操作状態を表す信号(ON/OFF等の信号)や、上記各センサSN1,SN2により検出された情報が逐次入力される。また、コントローラ30には、外部電源が充電コネクタ7に接続されている場合にその情報を表す(つまり充電中であることを表す)信号が充電コネクタ7から入力される。さらに、コントローラ30は、スマートキー32との間で種々の情報を無線により送受信可能である。なお、スマートキー32は、車両のドアを開錠する等の基本的な操作を行う機能に加えて、車両の空調装置20を遠隔操作により作動させる等の付加的機能を有したキーである。
コントローラ30は、上記各センサSN1,SN2、充電コネクタ7、パワースイッチ31、およびスマートキー32から入力された情報等に基づいて種々の判定や演算を実行しつつ、車両の各部を制御する。すなわち、コントローラ30は、走行モータ1、ウォータポンプ12、電動ファン14(詳しくはそのファンモータ14b)、およびコンプレッサ22等と電気的に接続されており、上記判定および演算の結果等に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。
[充電時の制御]
図4は、駆動用バッテリ2への充電時に水冷システム10に対し行われる制御の内容を示すフローチャートである。本図に示す制御がスタートすると、コントローラ30は、ステップS1において、パワースイッチ31がOFF状態にあるか否かを判定する。パワースイッチ31がOFF状態にあることは、走行モータ1への通電(車両の運転)が許可されない状態であること、つまり車両が非運転状態にあることを意味する。
上記ステップS1でYESと判定されてパワースイッチ31がOFF状態にあること(車両が非運転状態にあること)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS2に移行して、駆動用バッテリ2への充電が行われているか否かを判定する。具体的に、コントローラ30は、外部電源が充電コネクタ7に接続されていることを表す信号を充電コネクタ7から受信した場合に、外部電源から駆動用バッテリ2に電力が供給されている、つまり駆動用バッテリ2への充電が行われていると判定する。
上記ステップS2でYESと判定されて充電中であることが確認された場合、コントローラ30は、ステップS3に移行して、第1フラグF1が0であるか否かを判定する。第1フラグF1は、電動ファン14の作動状態を表すフラグであり、この値が0であることは電動ファン14が停止していることを意味する。
上記ステップS3でYESと判定されてF1=0であること(つまり電動ファン14が停止していること)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS4に移行して、第2フラグF2が0であるか否かを判定する。第2フラグF2は、ウォータポンプ12の作動状態を表すフラグであり、この値が0であることはウォータポンプ12が停止していることを意味する。
上記ステップS4でYESと判定されてF2=0であること(つまりウォータポンプ12が停止していること)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS5に移行して、ウォータポンプ12を最低回転数で駆動する。なお、ウォータポンプ12の最低回転数とは、冷却水通路11にわずかな冷却水の流れが形成される程度のごく低い回転数のことである。このような最低回転数でのウォータポンプ12の駆動は、ウォータポンプ12を本格駆動する前の準備として行われるものであり、冷却を目的としたものではない。
次いで、コントローラ30は、ステップS6に移行して、第2フラグF2に「1」を入力する。第2フラグF2が1であることは、ウォータポンプ12が最低回転数で駆動されていることを意味する。
上述したように、ウォータポンプ12が最低回転数で駆動されていても、冷却水の流量はわずかであり、冷却対象を冷却するような能力は実質的に生じない。一方、駆動用バッテリ2への充電中は、充電器3において、交流から直流への変換ロス等に伴う熱が発生するので、冷却水の温度は徐々に上昇していく。そこで、コントローラ30は、冷却水の温度が過度に上昇しないように、続くステップS7以降の処理を実行する。
すなわち、コントローラ30は、ステップS7に移行して、水温センサSN1により検出される冷却水の温度、つまり冷却水通路11を流通する冷却水の温度が、予め定められた第1閾値X1を超えているか否かを判定する。なお、上記ステップS4の判定がNOであった場合(F2≠0の場合)には、上記ステップS5,S6を経ることなく直接ステップS7へと移行し、冷却水温度の判定が行われる。
上記ステップS7でYESと判定されて冷却水の温度が第1閾値X1を超えていることが確認された場合、コントローラ30は、ステップS8に移行して、ウォータポンプ12を本格駆動する。すなわち、冷却水通路11における冷却水の流量が冷却対象(特に充電器3)を冷却し得る十分な流量となるように、上述した最低回転数よりも十分に高い回転数でウォータポンプ12を駆動する。
次いで、コントローラ30は、ステップS9に移行して、第2フラグF2に「2」を入力する。第2フラグF2が2であることは、ウォータポンプ12が本格駆動されていることを意味する。
次いで、コントローラ30は、ステップS10に移行して、水温センサSN1により検出される冷却水の温度、つまり冷却水通路11を流通する冷却水の温度が、予め定められた第2閾値X2を超えているか否かを判定する。第2閾値X2は、上述した第1閾値X1よりも高い値に設定される。また、第2閾値X2は、請求項にいう「所定の閾値」に相当する。
上記ステップS10でYESと判定されて冷却水の温度が第2閾値X2を超えていることが確認された場合、コントローラ30は、ステップS11に移行して、ボンネットセンサSN2の検出値に基づいてボンネットが開放状態にあるか否かを判定する。
上記ステップS11でYESと判定されてボンネットが開放状態にあること(動力室Rがボンネットにより覆われていないこと)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS12に移行して、電動ファン14を安全モードで駆動する。この安全モードの詳細については後述する。
次いで、コントローラ30は、ステップS13に移行して、第1フラグF1に「1」を入力する。第1フラグF1が1であることは、電動ファン14が安全モードで駆動されていることを意味する。
一方、上記ステップS11でNOと判定されてボンネットが閉止状態にあること(動力室Rがボンネットにより覆われていること)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS14に移行して、電動ファン14を通常モードで駆動する。この通常モードでは、電動ファン14は、ラジエータ13に十分な流量の外気をあてることが可能な回転数で駆動され(本格駆動)、この本格駆動よりも前にあえて低い回転数で電動ファン14を回転させるような制御は行われない。言い換えると、通常モードでは、電動ファン14の回転数が直ちに本格駆動に即した回転数(後述する第2回転数Nf2)まで増大される。
図5は、上記ステップS12で行われる安全モードによる電動ファン14の駆動の詳細を示すサブルーチンである。本図に示すように、安全モードによる電動ファン14の駆動が開始されると、コントローラ30は、ステップS35において、駆動デューティ比が5%の条件で電動ファン14のファンモータ14bに通電する制御を実行する。すなわち、PWM制御されるファンモータ14bに対する通電ONの時間の割合(デューティ比)が5%になるように、ファンモータ14bへの通電を制御する。この5%の駆動デューティ比での通電は、電動ファン14を回転させるための通電ではなく、電動ファン14をスタンバイ状態にして応答性を高めるための通電である。すなわち、駆動デューティ比が5%の条件でファンモータ14bに通電しても、羽根車14aが実際に回転するようなファンモータ14bの出力は得られず、羽根車14aは実質的に停止状態に維持される。ただし、5%の駆動デューティ比に基づく微小なトルクがファンモータ14bにおいて発生することにより、その状態から駆動デューティ比をさらに高めたときには、ファンモータ14b(羽根車14a)を応答性よく回転させ始めることができる。
次いで、コントローラ30は、ステップS36に移行して、上記ステップS35の通電(5%の駆動デューティ比での通電)が開始されてからの経過時間が予め定められた第1時間T1に達したか否かを判定する。言い換えると、コントローラ30は、5%の駆動デューティ比でのファンモータ14bへの通電を第1時間T1に亘って維持する。
上記ステップS36でYESと判定されて第1時間T1が経過したことが確認された場合、コントローラ30は、ステップS37に移行して、電動ファン14の駆動デューティ比を15%まで増大させる。15%の駆動デューティ比は、羽根車14aを回転させるのに必要な出力をファンモータ14bに与え、これによって羽根車14aは回転を開始する。ただし、15%の駆動デューティ比は、車両の運転時に設定される駆動デューティ比よりは十分に小さく、電動ファン14(羽根車14a)の回転数は非常に小さい値に留まる。例えば、パワースイッチ31がONである車両の運転時に設定される電動ファン14の回転数である定格回転数は、最低でも600rpm程度に設定される。これに対し、駆動デューティ比が15%のときは、電動ファン14の回転数は30rpm程度までしか上昇しない。
言い換えると、上記ステップS37で設定される15%の駆動デューティ比は、電動ファン14の回転数が定格回転数よりも十分に低い所定の回転数以下に収まるような値として予め定められている。この15%の駆動デューティ比に対応する回転数(例えば約30rpm)のことを、以下では第1回転数Nf1と称する。
次いで、コントローラ30は、ステップS38に移行して、上記ステップS37の通電(15%の駆動デューティ比での通電)が開始されてからの経過時間が予め定められた第2時間T2に達したか否かを判定する。言い換えると、コントローラ30は、15%の駆動デューティ比でのファンモータ14bへの通電を第2時間T2に亘って維持する。第2時間T2は、第1時間T1よりも長い時間に設定される。
上記ステップS38でYESと判定されて第2時間T2が経過したことが確認された場合、コントローラ30は、ステップS39に移行して、電動ファン14の駆動デューティ比を5%まで低下させる。
次いで、コントローラ30は、ステップS40に移行して、上記ステップS39の通電(5%の駆動デューティ比での通電)が開始されてからの経過時間が予め定められた第3時間T3に達したか否かを判定する。言い換えると、コントローラ30は、5%の駆動デューティ比でのファンモータ14bへの通電を第3時間T3に亘って維持する。
第3時間T3は、第2時間T2よりも長い時間に設定される。より具体的に、第3時間T3は、上記ステップS37の通電により回転していた電動ファン14が再び停止するような時間に設定される。すなわち、15%の駆動デューティ比による第2時間T2に亘る通電を受けて第1回転数Nf1で回転していた電動ファン14は、駆動デューティ比を5%に低下させた後もしばらくは惰性で回転し続ける。第3時間T3は、このように惰性で回転する電動ファン14の回転数が実質的にゼロまで低下するような時間に設定される。
上述したように、第1時間T1、第2時間T2、第3時間T3は、この順に長くなるように設定される。具体的な時間は適宜設定可能であるが、例えば、第2時間T2は第1時間T1の1.5~2倍程度、第3時間T3は第2時間の1.5~2倍程度に設定することができる。また、第2時間T2と第3時間T3の合計、つまり電動ファン14が回転し始めてから停止するまでの時間は、約5秒程度に設定することができる。
上記ステップS40でYESと判定されて第3時間T3が経過したことが確認された場合、コントローラ30は、続くステップS41~S44において、上述したステップS37~S40と同様の処理を繰り返す。すなわち、コントローラ30は、電動ファン14の駆動デューティ比を15%に増大させて当該デューティ比での通電を第2時間T2に亘って継続し(ステップS41,S42)、その後、駆動デューティ比を5%に低下させて当該デューティ比での通電を第3時間T3に亘って継続する(ステップS43,S44)。これにより、電動ファン14の回転数は、第1回転数Nf1まで一旦上昇してからゼロまで低下するというアップダウンを再び繰り返すことになる。
次いで、コントローラ30は、ステップS45に移行して、電動ファン14を本格駆動する。すなわち、コントローラ30は、ラジエータ13の冷却効率を高めることが可能な十分な回転数(以下、この回転数を第2回転数Nf2と称する)で電動ファン14が回転するように、電動ファン14の駆動デューティ比を15%よりも十分に大きい値まで増大させる。第2回転数Nf2は、例えば、電動ファン14の定格回転数の最低値である約600rpm程度に設定することができる。このように比較的高い第2回転数Nf2で電動ファン14が回転駆動されることにより、ラジエータ13に有意な送風が行われてその冷却効率が高まり、冷却水の温度上昇ひいては充電器3の温度上昇が抑制されるようになる。
図4に戻って、上記ステップS1でNOと判定された場合、つまりパワースイッチ31がON状態である(車両が運転中である)ことが確認された場合の制御について説明する。この場合、コントローラ30は、ステップS20に移行して、走行モータ1の温度が許容値以下になるように水冷システム10を制御する運転時温調制御を実行する。
すなわち、コントローラ30は、走行モータ1の温度が許容値以下になるように、水温センサSN1の検出値に基づいて、ウォータポンプ12の回転数(ひいては冷却水通路11を流れる冷却水の流量)や、電動ファン14の回転数を制御する。このときの電動ファン14の回転数は、上記ステップS14(通常モード)のときの電動ファン14の回転数である第2回転数Nf2以上に設定される。
次に、上記ステップS2でNOと判定された場合、つまり駆動用バッテリ2への充電が行われていないことが確認された場合の制御について説明する。この場合、コントローラ30は、ステップS22に移行して、ウォータポンプ12および電動ファン14を停止させる(既に停止している場合はその状態を維持する)とともに、ステップS23に移行して、第1フラグF1および第2フラグF2にそれぞれ「0」を入力する。
次に、上記ステップS3でNOと判定されて第1フラグF1≠0であることが確認された場合、つまり電動ファン14が安全モードおよび通常モードのいずれかで駆動されている場合の制御について説明する。この場合、コントローラ30は、ステップS25に移行して、水温センサSN1により検出される冷却水の温度が第2閾値X2を超えているか否かを判定する。
上記ステップS25でYESと判定されて冷却水の温度が第2閾値X2を超えていることが確認された場合、コントローラ30は、フローをリターンする。この場合、冷却水の温度以外の条件に変更がなければ、電動ファン14は引き続き回転駆動されることになる。
一方、上記ステップS25でNOと判定されて冷却水の温度が第2閾値X2以下であることが確認された場合、コントローラ30は、ステップS26に移行して、電動ファン14を停止させる。また、続くステップS27において、第1フラグF1に「0」を入力する。
次いで、コントローラ30は、ステップS28に移行して、水温センサSN1により検出される冷却水の温度が第1閾値X1を超えているか否かを判定する。
上記ステップS28でYESと判定されて冷却水の温度が第1閾値X1を超えていること、言い換えると冷却水の温度が第1閾値X1を超えかつ第2閾値X2以下であることが確認された場合、コントローラ30は、フローをリターンする。この場合、冷却水の温度以外の条件に変更がなければ、ウォータポンプ12は引き続き本格駆動されることになる。
一方、上記ステップS28でNOと判定されて冷却水の温度が第1閾値X1以下であることが確認された場合、コントローラ30は、ステップS29に移行して、ウォータポンプ12を最低回転数で駆動する。また、続くステップS30において、第2フラグF2に「1」を入力する。
図6は、上述した図4および図5の制御の結果得られる各種状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。具体的に、チャート(a)はパワースイッチ31の操作状態を、チャート(b)はボンネットの開閉状態を、チャート(c)は駆動用バッテリ2への充電状態を、チャート(d)はウォータポンプ12の回転数を、チャート(e)は冷却水の温度を、チャート(f)は電動ファン14の駆動要求の有無を、チャート(g)は電動ファン14の駆動デューティ比を、チャート(h)は電動ファン14の回転数を、それぞれ示している。
図6のチャート(a)(b)に示すように、初期状態において、車両のパワースイッチ31はOFF状態にあり、かつボンネットは開放されているものとする。そして、時点t1において、駆動用バッテリ2への充電が開始されたものとする(チャート(c))。すると、当該充電の開始を受けてウォータポンプ12の駆動が開始され、その回転数がゼロからNw1まで増大する(チャート(d))。なお、Nw1は、図4のステップS5等で説明した最低回転数に対応する値である。
ただし、ウォータポンプ12がNw1(最低回転数)で回転しても、実質的な冷却能力は得られない。一方、充電に伴い生じる充電器3での発熱により、冷却水は加熱される。これにより、時点t1以降、冷却水の温度は比較的速い上昇率で上昇する(チャート(e))。
冷却水の温度は、時点t2で第1閾値X1に達する。これを受けて、ウォータポンプ12の回転数がNw2まで高められる(チャート(d))。なお、Nw2は、図4のステップS8においてウォータポンプ12が本格駆動されたときの回転数に対応している。
ウォータポンプ12の回転数がNw2まで上昇すると、冷却水の流量が増大して冷却能力が高まる。これにより、時点t2以降の冷却水の温度上昇率は、時点t2以前のそれよりも小さく抑えられるようになる(チャート(e))。
ただし、冷却水の温度は時点t2以降も上昇を続け、時点t3において第2閾値X2に達する(チャート(e))。すると、この温度上昇を受けて、電動ファン14の駆動要求がONになる(チャート(f))。ここでの駆動要求は、電動ファン14を上述した安全モードで駆動させる要求となる。すなわち、上記時点t3は、(i)車両が非運転状態にある(パワースイッチ31がOFFである)こと、(ii)車両が充電中であること、(iii)ボンネットが開放状態にあること、(iv)冷却水の温度が第2閾値X2を超えていること、という4つの条件が成立した時点である。このため、当該時点t3で電動ファン14に発せられる駆動要求は、図4のフローチャートの処理により、安全モード(図4のS12および図5)による駆動要求となる。
上記時点t3以降は、上記安全モードによる電動ファン14の駆動制御として、チャート(g)に示すように駆動デューティ比を増減させる制御が実行される。すなわち、駆動デューティ比を第1時間T1に亘り5%に維持する制御と、駆動デューティ比を第2時間T2に亘り15%に維持する制御と、駆動デューティ比を第3時間T3に亘り5%に維持する制御と、駆動デューティ比を第2時間T2に亘り15%に維持する制御と、駆動デューティ比を第3時間T3に亘り5%に維持する制御とが、この順に続けて実行される。そして、最後の制御の終了時点である時点t5において、駆動デューティ比がZ(%)まで一気に増やされる。なお、Z(%)の駆動デューティ比は、15%よりも十分に大きく、かつ100%未満の値に設定される。
上記のような駆動デューティ比の増減を受けて、電動ファン14の回転数はチャート(h)のように変化する。すなわち、時点t3以降、電動ファン14の回転数は、ゼロから第1回転数Nf1(例えば約30rpm)まで一旦上昇した後下降に転じ、時点t4においてゼロになる。これは、1回目の15%の駆動デューティ比での通電と、これに続く5%の駆動デューティ比での通電によるものである。また、電動ファン14の回転数は、時点t4の直後から再び上昇して第1回転数Nf1に達し、その後に下降に転じて時点t5においてゼロになる。これは、2回目の15%の駆動デューティ比での通電と、これに続く5%の駆動デューティ比での通電によるものである。そして、時点t5以降、電動ファン14の回転数は大幅に上昇し、その値は第1回転数Nf1よりも十分に大きい第2回転数Nf2(例えば約600rpm)に達する。これは、時点t5でZ(%)まで増やされた駆動デューティ比によるものである。電動ファン14が第2回転数Nf2で駆動されることにより、ラジエータ13の冷却効率が高まり、その結果、冷却水の温度上昇率が時点t5以降さらに低く抑えられる。
なお、以上説明した制御において、時点t3から時点t5までの間の電動ファン14の駆動、つまり第1回転数Nf1以下の範囲で電動ファン14を回転させる制御は、請求項にいう「第1駆動ステップ」に相当する。また、時点t5以降における電動ファン14の駆動、つまり第2回転数Nf2で電動ファン14を回転させる制御は、請求項にいう「第2駆動ステップ」に相当する。
[予約空調時の制御]
図7は、車外からの遠隔操作により空調装置20を作動させる指令、つまり予約空調の指令が発せられた場合の空調装置20の制御動作を示すフローチャートである。本図に示す制御がスタートすると、コントローラ30は、ステップS51において、パワースイッチ31がOFF状態にあるか否か、つまり車両が非運転状態にあるか否かを判定する。
上記ステップS51でYESと判定されてパワースイッチ31がOFF状態にあること(車両が非運転状態にあること)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS52に移行して、車外にあるスマートキー32から空調装置20を作動させる指令を表す信号、つまり予約空調の指令信号を受信したか否かを判定する。
上記ステップS52でYESと判定されて予約空調の指令信号の受信が確認された場合、コントローラ30は、ステップS53に移行して、ボンネットセンサSN2の検出値に基づいてボンネットが開放状態にあるか否かを判定する。
上記ステップS53でYESと判定されてボンネットが開放状態にあること(動力室Rがボンネットにより覆われていないこと)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS54に移行して、電動ファン14を安全モードで駆動する。この安全モードによる電動ファン14の駆動は、上述した充電時の制御の際に実行されるもの(図4のS12および図5)と同様である。すなわち、コントローラ30は、電動ファン14の回転数を第1回転数Nf1(例えば約30rpm)まで増大させてからゼロまで低下させる制御を2回繰り返した後、電動ファン14を本格駆動してその回転数を第2回転数Nf2(例えば約600rpm)まで一気に増大させる。
一方、上記ステップS53でNOと判定されてボンネットが閉止状態にあること(動力室Rがボンネットにより覆われていること)が確認された場合、コントローラ30は、ステップS55に移行して、電動ファン14を通常モードで駆動する。これにより、電動ファン14は直ちに本格駆動され、この本格駆動よりも前にあえて低い回転数で電動ファン14を回転させるような制御は行われない。
上記ステップS54,S55のいずれかの制御(安全モードまたは通常モードによる電動ファン14の駆動制御)を実行した後、コントローラ30は、ステップS56に移行して、空調装置20のコンプレッサ22を作動させる。すなわち、コントローラ30は、コンプレッサ22を作動させて冷媒通路21内で冷媒を循環させることにより、空調用の冷風を車室に供給する制御(予約空調)を開始する。
ここで、上記ステップS56によるコンプレッサ22の作動は、電動ファン14の駆動デューティ比が本格駆動に対応する値(後述する図8のチャート(d)に示す値Z)まで上昇した時点で開始される。これは、本格駆動された電動ファン14によるコンデンサ23への送風がある状態でコンプレッサ22を作動させないと、冷媒通路21内の冷媒の圧力が異常に上昇する可能性があるからである。
次いで、コントローラ30は、ステップS57に移行して、スマートキー32から予約空調をキャンセルする指令信号を受信したか否かを判定する。そして、このステップS57での判定がNOである間(キャンセル信号の受信がない間)は、コンプレッサ22の作動を継続する。一方、ステップS57でYESと判定されてキャンセル信号の受信が確認された場合には、ステップS58に移行して、コンプレッサ22および電動ファン14を停止させ、予約空調の実行を解除する。
図8は、上述した図7の制御の結果得られる各種状態量の時間変化の一例を示すタイムチャートである。具体的に、チャート(a)はパワースイッチ31の操作状態を、チャート(b)はボンネットの開閉状態を、チャート(c)は空調装置20に対する予約空調指令の有無を、チャート(d)は電動ファン14の駆動要求の有無を、チャート(e)は電動ファン14の駆動デューティ比を、チャート(f)は電動ファン14の回転数を、チャート(g)はコンプレッサ22の作動状態を、それぞれ示している。
図8のチャート(a)(b)に示すように、初期状態において、車両のパワースイッチ31はOFF状態にあり、かつボンネットは開放されているものとする。そして、時点t11において、コントローラ30が予約空調の指令信号を受信したものとする(チャート(c))。すると、この指令信号の受信を受けて、直ちに電動ファン14の駆動要求がONになる(チャート(d))。ここでの駆動要求は、電動ファン14を上述した安全モードで駆動させる要求となる。すなわち、上記時点t11は、(i)車両が非運転状態にある(パワースイッチ31がOFFである)こと、(ii)ボンネットが開放状態にあること、(iii)予約空調の指令信号が受信されたこと、という3つの条件が成立した時点である。このため、当該時点t11で電動ファン14に発せられる駆動要求は、図7のフローチャートの処理により、安全モード(図7のS54)による駆動要求となる。
上記時点t11以降は、上記安全モードによる電動ファン14の駆動制御として、チャート(e)に示すように駆動デューティ比を増減させる制御が実行される。すなわち、駆動デューティ比を第1時間T1に亘り5%に維持する制御と、駆動デューティ比を第2時間T2に亘り15%に維持する制御と、駆動デューティ比を第3時間T3に亘り5%に維持する制御と、駆動デューティ比を第2時間T2に亘り15%に維持する制御と、駆動デューティ比を第3時間T3に亘り5%に維持する制御とが、この順に続けて実行される。そして、最後の制御の終了時点である時点t13において、駆動デューティ比がZ(%)まで一気に増やされる。なお、Z(%)の駆動デューティ比は、15%よりも十分に大きく、かつ100%未満の値に設定される。
上記のような駆動デューティ比の増減を受けて、電動ファン14の回転数はチャート(f)のように変化する。すなわち、時点t11以降、電動ファン14の回転数は、ゼロから第1回転数Nf1(例えば約30rpm)まで一旦上昇した後下降に転じ、時点t12においてゼロになる。これは、1回目の15%の駆動デューティ比での通電と、これに続く5%の駆動デューティ比での通電によるものである。また、電動ファン14の回転数は、時点t12の直後から再び上昇して第1回転数Nf1に達し、その後に下降に転じて時点t13においてゼロになる。これは、2回目の15%の駆動デューティ比での通電と、これに続く5%の駆動デューティ比での通電によるものである。そして、時点t13以降、電動ファン14の回転数は大幅に上昇し、その値は第1回転数Nf1よりも十分に大きい第2回転数Nf2(例えば約600rpm)に達する。これは、時点t13でZ(%)まで増やされた駆動デューティ比によるものである。
空調装置20のコンプレッサ22は、予約空調の指令信号の受信時点t11以降も停止状態に維持され、電動ファン14の駆動デューティ比がZまで増大した時点t13においてはじめて作動する。すなわち、コンプレッサ22の作動を伴う実質的な空調動作は、予約空調の指令と同時には開始されず、電動ファン14が本格駆動されるのを待ってから開始される。これにより、電動ファン14によるコンデンサ23への送風がある状態でコンプレッサ22が作動するので、冷媒通路21内を循環する冷媒がコンデンサ23で冷却される結果、当該冷媒の圧力が異常に上昇するといった事態が回避される。
[作用効果]
以上のように、当実施形態では、電動ファン14の駆動要求が車両の非運転時(パワースイッチ31がOFFのとき)に発せられると、所定の条件下で、回転数を段階的に上昇させる安全モードにより電動ファン14が駆動されるので、ボンネットの開放中に電動ファン14が駆動された場合でも、そのことが作業者に及ぼす影響を最小限に抑えることができ、作業性および安全性を良好に確保することができる。
すなわち、車両の非運転時は、ボンネットの開放を伴う何らかのメンテナンス作業(ウォッシャー液や冷却水の補充等)が行われる可能性があるが、条件によっては、ボンネットの開放中に電動ファン14の駆動要求が発せられることがある。しかしながら、このような場合に仮に電動ファン14を突然高速で回転させてしまうと、作業者が驚いて上記メンテナンス作業に支障が生じる(例えば作業を失敗する)ことが懸念される。これに対し、上記実施形態では、当該懸念が生じる状況下では安全モードが選択されて電動ファン14の回転数が段階的に高められるので、電動ファン14が高速で回転する前に作業者に注意を喚起することができ、作業者の作業性および安全性を確保することができる。より詳しくは、上記実施形態では、安全モードが選択された場合に、第1回転数Nf1(例えば約30rpm)以下の回転数で電動ファン14を回転させる制御(以下、これを予備駆動という)がまず実行されて、その後に回転数が第2回転数Nf2(例えば600rpm)まで高められるので、前段の予備駆動によって作業者の注意を喚起することができ、作業者に電動ファン14から離れるよう促すことができる。しかも、予備駆動中の電動ファン14の回転数は低く抑えられるので、作業者を驚かせることなく作業者に注意を喚起することができる。したがって、その後の本格駆動によって電動ファン14が高速で回転駆動されたとしても、そのことが作業者に及ぼす影響を最小限に抑えることができ、作業性および安全性を良好に確保することができる。
特に、上記実施形態では、電動ファン14の予備駆動として、電動ファン14の回転数を第1回転数Nf1まで増大させてからゼロまで低下させる制御が2回繰り返されるので、作業者への注意喚起を的確に図りつつ、作業者が電動ファン14から離れる退避行動をとる時間を十分に確保することができる。
すなわち、回転数を増減させる(しかもそれを2回繰り返す)特殊なモードで電動ファン14を予備駆動するようにした場合には、当該予備駆動中の電動ファン14の回転数を平均的に低く抑えながら、電動ファン14の回転によってその存在を作業者に的確に認知させることができる。また、予備駆動の際に電動ファン14の回転数が一旦ゼロにされるので、回転数がゼロまで低下するのに要する時間(図6または図8の第3時間T3)の分だけ、予備駆動の所要時間が長期化する。このため、予備駆動された電動ファン14に注意を向けた作業者は、電動ファン14が本格駆動される前に、余裕をもって電動ファン14から離れる(退避する)ことができる。
ここで、非運転時の電動ファン14の駆動要求は、例えば充電中に発せられることが想定される。すなわち、車両が非運転状態にあるときは、駆動用バッテリ2への充電が行われる可能性があるが、充電中は充電器3の発熱によって冷却水の温度が上昇するので、これを受けて電動ファン14の駆動が要求され得る。これに対し、上記実施形態では、図4~図6に示したように、充電による冷却水の温度上昇がボンネットの開放中に確認された場合に、上記予備駆動を伴う安全モードにより電動ファン14が回転駆動されるので、仮に作業者がボンネットの開放と充電操作とを併せて行ったとしても、作業者の注意を予備駆動により喚起して作業性および安全性を確保することができる。
また、別の例として、非運転時の電動ファン14の駆動要求は、例えば予約空調に伴って発せられることがある。すなわち、車両が非運転状態にあるときは、車外から予約空調の指令が発せられる可能性があるが、コンデンサ23への送風がない状態で空調装置20のコンプレッサ22を作動させると冷媒の圧力が異常に上昇する懸念があるので、予約空調時には電動ファン14によるコンデンサ23への送風が必須である。これに対し、上記実施形態では、図7および図8に示したように、車外からの予約空調の指令がボンネットの開放中に確認された場合に、上記予備駆動を伴う安全モードにより電動ファン14が回転駆動されるので、仮に作業者がボンネットの開放と予約空調の操作とを併せて行ったとしても、作業者の注意を予備駆動により喚起して作業性および安全性を確保することができる。
なお、ボンネットの開放中に電動ファン14を駆動する際の安全性を確保する別の方法として、電動ファン14をメッシュ状のカバーで覆うことが考えられる。しかしながら、このようにすると、電動ファン14による送風がメッシュ状のカバーにより阻害されるので、ラジエータ13の冷却効率が低下するか、もしくは同一の冷却効率を得るために必要な電動ファン14の回転数(ひいては消費電力)が増大してしまう。また、カバーの追加に伴ってコストが増大することも避けられない。これに対し、上記実施形態のように、電動ファン14の回転数制御により作業者への注意喚起を図るようにした場合には、上記のような問題を回避しつつ簡単な方法で車両の安全性を高めることができる。
また、上記実施形態では、パワースイッチ31がOFFであること(車両が非運転状態にあること)といった各種要件に加えて、ボンネットセンサSN2によりボンネットの開放状態が検出されるという要件が成立した場合に、上述した予備駆動を伴う安全モードが選択されるので、電動ファン14の本格駆動が無用に遅延されるのを回避して電動ファン14による速やかな冷却を図ることができる。言い換えると、上記実施形態では、ボンネットの開放状態が検出されなかった場合には予備駆動を伴わない通常モードが選択されるので、作業者が電動ファン14に触れる心配のないボンネットの閉止時に、電動ファン14の駆動要求に応じてその回転数を所要回転数(第2回転数Nf2)まで直ちに増大させることができ、電動ファン14による送風を高応答に実現して冷却対象を速やかに冷却することができる。
[変形例]
上記実施形態では、電動ファン14の予備駆動(第1駆動ステップ)として、電動ファン14の回転数を第1回転数Nf1まで増大させてからゼロまで低下させる制御(回転数の増減操作)を2回繰り返し、その後に電動ファン14の回転数を十分に高い第2回転数Nf2まで増大させる本格駆動(第2駆動ステップ)を実行するようにしたが、電動ファン14の予備駆動時に行われる回転数の増減操作の回数は2回に限られず、1回だけでもよい。逆に、回転数の増減操作を3回以上実行するようにしてもよい。さらに、電動ファン14の予備駆動では、電動ファン14の回転数を本格駆動時の回転数(第2回転数Nf2)よりも十分に低い値に抑えればよく、その限りにおいて種々の態様で電動ファン14を回転させることが可能である。例えば、電動ファン14の予備駆動時に、略一定の低い回転数で電動ファン14を回転させるようにしてもよい。
上記実施形態では、動力室Rを覆うボンネットの開閉状態を検出するボンネットセンサSN2を設けるとともに、このボンネットセンサSN2によりボンネットの開放状態が検出されることや、パワースイッチ31がOFFであること(車両が非運転状態にある)といった複数の要件が成立した場合に、上述した予備駆動を伴う安全モードにより電動ファン14を駆動するようにしたが、ボンネットに関する要件は除外することも可能である。すなわち、ボンネットの開閉状態にかかわらず、パワースイッチ31がONであることといった他の要件が揃った場合には、一律に電動ファン14を安全モードで駆動するようにしてもよい。
上記実施形態では、電動車両の一種としての電気自動車、つまり動力源として走行モータ1のみを備えた車両に本発明を適用した例について説明したが、本発明を適用可能な車両は、非運転時かつボンネットの開放時に電動ファンが回転する可能性のある車両であればよく、他の種類の電動車両にも適用可能である。例えば、内燃機関とモータとを併用しかつ外部電源からの充電が可能ないわゆるプラグインハイブリッド車両や、水素と酸素との化学反応を利用した燃料電池車にも本発明を適用可能である。また、内燃機関のみを使用した従来型の車両であっても、電動式のコンプレッサを含みかつ車外からの空調装置の操作(予約空調)が可能な車両であれば本発明を適用可能である。すなわち、このような車両では、予約空調に併せてボンネットが開放される可能性があるので、この状態で電動ファンが駆動された場合の安全性を確保するために本発明を適用する余地がある。
1 :走行モータ
2 :駆動用バッテリ(蓄電器)
3 :充電器
4 :補機用バッテリ(蓄電器)
10 :水冷システム(冷却回路)
13 :ラジエータ
14 :電動ファン
20 :空調装置
22 :コンプレッサ
23 :コンデンサ
25 :エバポレータ
Nf1 :第1回転数
Nf2 :第2回転数
R :動力室
X2 :第2閾値(所定の閾値)

Claims (6)

  1. 電力を蓄える蓄電器と、ボンネットにより開閉可能に覆われる動力室に配置された動力源と、前記動力室に配置されかつ前記蓄電器から供給される電力により駆動される電動ファンとを備えた車両に適用される電動ファンの制御方法であって、
    車両が非運転状態にあるか否かを判定する第1判定ステップと、
    前記電動ファンの駆動要求の有無を判定する第2判定ステップと、
    前記第1判定ステップにおいて車両が非運転状態にあると判定され、かつ前記第2判定ステップにおいて前記駆動要求があると判定された場合に、所定の第1回転数以下の範囲で前記電動ファンを回転させる第1駆動ステップと、
    前記第1駆動ステップの後、前記第1回転数よりも高い第2回転数で前記電動ファンを回転させる第2駆動ステップとを含み、
    前記第1駆動ステップでは、前記電動ファンの回転数を前記第1回転数まで増大させてから当該第1回転数よりも低い第3回転数まで低下させる制御を少なくとも1回実行する、ことを特徴とする車両用電動ファンの制御方法。
  2. 電力を蓄える蓄電器と、ボンネットにより開閉可能に覆われる動力室に配置された動力源と、前記動力室に配置されかつ前記蓄電器から供給される電力により駆動される電動ファンと、空調装置とを備えた車両に適用される電動ファンの制御方法であって、
    車両が非運転状態にあるか否かを判定する第1判定ステップと、
    前記電動ファンの駆動要求の有無を判定する第2判定ステップと、
    前記第1判定ステップにおいて車両が非運転状態にあると判定され、かつ前記第2判定ステップにおいて前記駆動要求があると判定された場合に、所定の第1回転数以下の範囲で前記電動ファンを回転させる第1駆動ステップと、
    前記第1駆動ステップの後、前記第1回転数よりも高い第2回転数で前記電動ファンを回転させる第2駆動ステップとを含み、
    前記空調装置は、冷媒を循環させる電動式のコンプレッサと、冷媒を凝縮させるコンデンサと、冷媒を蒸発させるエバポレータとを含み、
    前記電動ファンは、前記コンデンサに送風可能な位置に設けられ、
    前記第2判定ステップでは、車両の外部から前記空調装置の作動指令が出力されたときに前記電動ファンの駆動要求が発せられたと判定する、ことを特徴とする車両用電動ファンの制御方法。
  3. 請求項1に記載の車両用電動ファンの制御方法において、
    前記第3回転数をゼロに設定する、ことを特徴とする車両用電動ファンの制御方法。
  4. 請求項1に記載の車両用電動ファンの制御方法において、
    前記動力源は走行モータを含み、
    前記蓄電器は、前記走行モータに電力を供給する駆動用バッテリを含み、
    前記車両は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換して前記駆動用バッテリに供給する充電器と、当該充電器および前記走行モータを含む各部に冷却水を供給する冷却回路とを備え、
    前記冷却回路は、前記冷却水を熱交換により冷却するラジエータを含み、
    前記電動ファンは、前記ラジエータに送風可能な位置に設けられ、
    前記第2判定ステップでは、前記冷却水の温度が所定の閾値を超えたときに前記電動ファンの駆動要求が発せられたと判定する、ことを特徴とする車両用電動ファンの制御方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の車両用電動ファンの制御方法において、
    車両の運転中に前記電動ファンの駆動要求があったときは、前記第2回転数以上の回転数で前記電動ファンを回転させる、ことを特徴とする車両用電動ファンの制御方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の車両用電動ファンの制御方法において、
    前記ボンネットの開閉状態を判定する第3判定ステップをさらに含み、
    前記第1判定ステップにおいて車両が非運転状態にあると判定され、かつ前記第2判定ステップにおいて前記駆動要求があると判定された場合であっても、前記第3判定ステップにおいて前記ボンネットが閉止状態にあると判定された場合には、前記第1駆動ステップを経ることなく前記第2駆動ステップに移行する、ことを特徴とする車両用電動ファンの制御方法。
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