(第1実施形態)
以下、本発明にかかる組電池の電圧監視装置を車載主機としての回転機の電源となる車載高電圧バッテリに適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、高電圧バッテリとしての組電池10は、車載高電圧システムを構成する複数の電池セルの直列接続体であり、組電池10の端子間電圧が例えば100V以上の高電圧となる。組電池10は、回転機(モータジェネレータ)などの電気負荷の電源となったり、モータジェネレータの回生制御によって生成される電力を貯蔵したりする。なお、本実施形態では、電池セルとして、リチウムイオン2次電池を用いている。
電圧監視装置100は、電池セルの状態を監視する監視回路Uw1~Uwn(nは任意の自然数)、監視回路Uw1~Uwnと各電池セルを接続する外部回路Uf1~Ufn(nは任意の自然数)、インターフェース12及びマイコン14により構成されている。なお、以下では、監視回路Uw1~Uwnを単に監視回路Uwnと示し、外部回路Uf1~Ufnを単に外部回路Ufnと示す。
組電池10を構成する複数の電池セルは、集積回路(IC)として構成された監視回路Uwnによってその状態が監視される。詳しくは、監視回路Uwnは、インターフェース12を介して取り込まれるマイコン14からの指令に基づき、電池セルの状態監視処理を行い、その結果をインターフェース12を介してマイコン14に出力する。
ちなみに、マイコン14は、車載低電圧システムを構成し、インターフェース12は、高電圧システムと低電圧システムとの間を絶縁しつつ情報伝達を行う絶縁伝達素子(例えば、光絶縁伝達素子としてのフォトカプラ)を備えて構成されている。また、インターフェース12を介したマイコン14及び監視回路Uwnの間の情報伝達手法は、デイジーチェーン接続方式等、種々の手法を採用することができる。
監視回路Uwnと組電池10との間には、外部回路Ufnが介在している。ここで、図2を用いて、外部回路Ufn及び監視回路Uwnについて説明する。なお、本実施形態では、1つの監視回路Uwnの監視対象として、2つのセルグループ(電池スタックともいう)であるセルグループG1及びセルグループG2を例示した。なお、1つの監視回路Uwnの監視対象となるセルグループは任意に変更可能である。
ここで、これらセルグループG1,G2のそれぞれは、隣接する複数個の電池セルの直列接続体として構成されている。本実施形態では、セルグループG1,G2を構成する電池セルの数を、2つとしているが任意に変更可能である。セルグループG1を構成する各電池セルを、低電位側から順に、電池セルV1、電池セルV2と示し、セルグループG2を構成する各電池セルを、低電位側から順に、電池セルV3、電池セルV4と示す。
セルグループG1は、導電部材としてのスタック間ワイア40を介して、セルグループG2に直列接続されている。より詳しくは、セルグループG1を構成する電池セルのうち、セルグループG2の側(高電位側)における端部に配置されている電池セルV2は、セルグループG2を構成する電池セルのうち、セルグループG1の側(低電位側)における端部に配置されている電池セルV3に対して、スタック間ワイア40を介して、直列接続されている。
次に、外部回路Ufnについて説明する。外部回路Ufnは、各電池セルV1~V4の各端子に、それぞれ一端が接続された電気経路L0,L1,L21、L22,L3,L4が設けられている。
具体的には、電気経路L0は、電池セルV1の負極端子(より詳しくは、電池セルV1の負極端子から図示しないグランド側(低電位側)に向かう電気経路)に一端が接続され、他端が監視回路Uwnの入力端子S1に接続されている。
電気経路L1は、電池セルV1の正極端子及び電池セルV2の負極端子に(より詳しくは、電池セルV1の正極端子と電池セルV2の負極端子との間の電気経路に)一端が接続されている。この電気経路L1は、途中で2つの経路に分岐しており、一方の電気経路L1n(図2において上側)は、監視回路Uwnの入力端子S2に接続されており、他方の電気経路L1p(図2において下側)は、監視回路Uwnの入力端子P1に接続されている。
電気経路L21は、電池セルV2の正極端子(より詳しくは、電池セルV2の正極端子とスタック間ワイア40との間の電気経路)に一端が接続されており、他端が、監視回路Uwnの入力端子P2に接続されている。
電気経路L22は、電池セルV3の負極端子(より詳しくは、スタック間ワイア40と電池セルV3の負極端子との間の電気経路)に一端が接続されており、他端が、監視回路Uwnの入力端子S3に接続されている。
電気経路L3は、電池セルV3の正極端子及び電池セルV4の負極端子(より詳しくは、電池セルV3の正極端子と電池セルV4の負極端子との間の電気経路)に一端が接続されている。この電気経路L3は、途中で2つの経路に分岐しており、一方の電気経路L3n(図2において上側)は、監視回路Uwnの入力端子S4に接続されており、他方の電気経路L3p(図2において下側)は、監視回路Uwnの入力端子P3に接続されている。
電気経路L4は、電池セルV4の正極端子(より詳しくは、電池セルV4の正極端子から図示しない電気負荷側(高電位側)に向かう電気経路)に一端が接続されている。この電気経路L4は、途中で2つの経路に分岐しており、一方の電気経路L4n(図2において上側)は、監視回路Uwnの入力端子S5に接続されており、他方の電気経路L4p(図2において下側)は、監視回路Uwnの入力端子P4に接続されている。
そして、各電気経路L0,L1,L21、L22,L3、L4には、それぞれヒューズfuとインダクタLとが直列接続されて設けられている。ヒューズfuとインダクタLにより回路の保護がなされる。
また、各電気経路L0,L1,L21、L22,L3、L4の間において、各電池セルV1~V4と並列となるように、コンデンサC1、C2,C4,C5が設けられている。例えば、電気経路L0と、電気経路L1との間において、電池セルV1に対して並列となるコンデンサC1が設けられている。コンデンサC1の両端は、インダクタLに対して、電池セルV1とは反対側の一端にそれぞれ接続されている。コンデンサC2,C4,C5も同様である。
また、電気経路L21、L22の間において、スタック間ワイア40と並列となるように、コンデンサC3が設けられている。コンデンサC3の両端は、インダクタLに対して、スタック間ワイア40とは反対側の一端にそれぞれ接続されている。
また、各電気経路L0,L1,L21、L22,L3、L4の間において、各電気経路L0,L1,L21、L22,L3、L4を繋ぐように、バイパス経路B1~B5が設けられている。例えば、電気経路L0と、電気経路L1との間において、バイパス経路B1が設けられている。バイパス経路B2~B5も同様である。そして、バイパス経路B1,B2,B4,B5においては、低電位側から高電位側への電流の流れを許可するツェナーダイオードD1,D2,D4,D5が設けられている。例えば、電気経路L0と電気経路L1との間に設けられるツェナーダイオードD1のアノードには、電気経路L1に対して低電位側となる電気経路L0が接続され、カソードには、電気経路L0に対して高電位側となる電気経路L1が接続されている。ツェナーダイオードD1,D2,D4,D5を備えることにより、監視回路Uwnに過電圧が印加されることを抑制することができる。このため、監視回路Uwnの信頼性が低下することを回避できる。
一方で、電気経路L21と電気経路L22との間を繋ぐバイパス経路B3には、双方向ツェナーダイオードD3が設けられている。すなわち、バイパス経路B3には、ツェナーダイオードD3a及びツェナーダイオードD3bの直列接続体が設けられている。詳しくは、ツェナーダイオードD3a及びツェナーダイオードD3bのカソード同士が接続されている。
なお、本実施形態において、ツェナーダイオードD3aが、バイパス経路50のうち低電位側から高電位側への電流の流通を許容し、逆方向の電流の流通を自身の端子間電圧がブレークダウン電圧Vz(「規定電圧」に相当)を超えた場合にのみ許容する「第1の整流素子」に相当する。また、ツェナーダイオードD3bが、バイパス経路50のうち高電位側から低電位側への電流の流通を許容し、逆方向の電流の流通を自身の端子間電圧が上記ブレークダウン電圧Vzを超えた場合にのみ許容する「第2の整流素子」に相当する。
本実施形態において、ツェナーダイオードD3a及びツェナーダイオードD3bのブレークダウン電圧Vzは、組電池10が充放電される場合においてスタック間ワイア40の端子間電圧の取り得る最大値よりも高い電圧に設定されている。なお、ツェナーダイオードD3a及びツェナーダイオードD3bのブレークダウン電圧Vzと、ツェナーダイオードD1、D2,D4,D5のブレークダウン電圧(「所定電圧」に相当)とは、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。
また、電気経路L0,L1n,L22,L3n,L4nには、抵抗体R0n,R1n,R2n,R3n,R4nがそれぞれ設けられている。これら抵抗体R0n,R1n,R2n,R3n,R4nは、監視回路Uwnを過電流から保護する役割を果たす。
また、電気経路L1p,L21,L3p、L4pには、ローパスフィルタF1~F4(RC回路)がそれぞれ設けられている。より詳しくは、各電気経路L1p,L21,L3p、L4pの経路上に、ローパスフィルタF1~F4を構成する抵抗体FR1~FR4が設けられている。そして、ローパスフィルタF1~F4を構成するコンデンサFC1~FC4は、各電池セルV1~V4と並列になるように、設けられている。例えば、電気経路L0と、電気経路L1pとの間において、コンデンサFC1が設けられている。コンデンサFC1の一端は、電気経路L0において、抵抗体R0nを介して入力端子S1に接続されている。そして、コンデンサFC1の他端は、電気経路L1pにおいて、抵抗体FR1と入力端子P1との間に接続されている。他のコンデンサFC2~FC4も同様である。このローパスフィルタF1~F4によりノイズが低減される。
次に監視回路Uwnについて説明する。監視回路Uwnは、MOSFET等の半導体スイッチ素子である均等化スイッチSW1~SW4と、電圧検出部30と、を備える。均等化スイッチSW1~SW4は、入力端子S1と入力端子S2との間、入力端子S2と入力端子S3との間、入力端子S3と入力端子S4との間、入力端子S4と入力端子S5との間をそれぞれ短絡するように設けられている。
均等化スイッチSW1~SW4は、各電池セルV1~V4を放電させることにより、電池セルV1~V4の端子間電圧の均等化を図るために設けられている。例えば、電池セルV1を放電させる場合、均等化スイッチSW1を閉操作する。これにより、電池セルV1→電気経路L1→電気経路L1n→均等化スイッチSW1→電気経路L0→電池セルV1から構成される閉回路に電流が流れ、電池セルV1が放電される。均等化スイッチSW1~SW4は、例えば、MOSFETなどの半導体スイッチにより構成されている。
各均等化スイッチSW1~SW4には、それぞれ低電位側から高電位側への電流を許容するダイオードD11~D14が並列に接続されている。これらのダイオードD11~D14は、均等化スイッチSW1~SW4のボディダイオードにより構成されていてもよい。そして、均等化スイッチSW1~SW4は、マイコン14などによりオンオフ制御される。均等化スイッチSW1~SW4、及び当該均等化スイッチSW1~SW4に並列接続されるダイオードD11~D14が、均等化スイッチ部に相当する。
電圧検出部30は、各電池セルV1~V4の電圧を検出する回路である。詳しくは、電圧検出部30は、入力端子P1と入力端子S1との間の電圧(電位差)を検出する入力チャネル(電圧検出チャネル)を有している。そして、電圧検出部30は、入力端子P1と入力端子S1との間の電圧(電位差)に基づいて電池セルV1の電圧を取得する。同様に、電圧検出部30は、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧(電位差)を検出する入力チャネルを有している。そして、電圧検出部30は、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧(電位差)に基づいて電池セルV2の電圧を取得する。また、電圧検出部30は、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧(電位差)を検出する入力チャネルを有している。そして、電圧検出部30は、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧(電位差)に基づいて電池セルV3の電圧を取得する。また、電圧検出部30は、入力端子P4と入力端子S4との間の電圧(電位差)を検出する入力チャネルを有している。そして、電圧検出部30は、入力端子P4と入力端子S4との間の電圧(電位差)に基づいて電池セルV4の電圧を取得する。
なお、電圧検出部30は、図示しないマルチプレクサやAD変換器などを備えている。そして、電圧検出部30は、マルチプレクサにより入力チャネルを選択することにより、検出される各電池セルV1~V4の電圧を選択する。そして、電圧検出部30は、AD変換器などによりデジタル信号に変換して、出力するように構成されている。出力されたデジタル信号は、インターフェース12を介してマイコン14に入力される。
ところで、上述した外部回路Ufnでは、監視回路Uwnの信頼性の低下を回避しつつ、監視回路Uwnによる電圧検出精度の悪化を回避するために、バイパス経路B3を設け、さらに双方向ツェナーダイオードD3を設けている。
すなわち、スタック間ワイア40のインピーダンスが高いことから、組電池10に充放電電流が流れると、スタック間ワイア40に起電力が生じることが知られている。しかしながら、スタック間ワイア40の端子間電圧(起電力)がツェナーダイオードD3a,D3bのブレークダウン電圧Vz以下であれば、バイパス経路B3には、電流が流れない。これにより、スタック間ワイア40に隣接する一対の電気経路L21,L22に電流が流れ込まなくなり、一対の電気経路L21,L22において電圧降下が生じることを回避することができる。したがって、スタック間ワイア40に隣接する電池セルV2,V3の電圧検出精度の悪化を好適に回避することができる。
なお、スタック間ワイア40の端子間電圧(起電力)がブレークダウン電圧Vzを超えたときには、バイパス経路B3に電流を流通させる。このため、スタック間ワイア40に隣接する一対の電気経路L21,L22間の電位差が増大することを回避でき、監視回路Uwnの信頼性が低下することを好適に回避できる。
しかしながら、従来の外部回路においても、本実施形態と同様に、バイパス経路B3を設け、さらに双方向ツェナーダイオードD3を設けているものもあったが、電圧検出精度が悪化する場合があった。ここで、従来の回路構成を図3に例示し、電圧検出精度が悪化する場合における原因について説明する。
図3に示すように、従来の外部回路Ufnでは、他の電気経路L0,L1,L3,L4と同様に、スタック間ワイア40の一端(低電位側)に接続されている電気経路L21は、途中で2つの電気経路L21n,L21pに分岐している。そして、一方の電気経路L21n(図3において上側)は、監視回路の入力端子S40に接続されており、他方の電気経路L21p(図3において下側)は、監視回路の入力端子P2に接続されている。なお、電気経路L21nには、抵抗体R40が設けられている。
同様に、スタック間ワイア40の他端(高電位側)に接続されている電気経路L22は、途中で2つの電気経路L22n,L22pに分岐している。そして、一方の電気経路L22n(図3において上側)は、監視回路の入力端子S3に接続されており、他方の電気経路L22p(図3において下側)は、監視回路の入力端子P40に接続されている。なお、電気経路L22pには、他の電気経路L1p,L3p,L4pのローパスフィルタF1,F3,F4と同様に、ローパスフィルタF40が設けられている。
そして、監視回路Uwnにおいては、MOSFET等の半導体スイッチ素子である均等化スイッチSW40が設けられている。均等化スイッチSW40は、入力端子S40と入力端子S3との間を短絡するように設けられている。また、均等化スイッチSW40には、低電位側から高電位側への電流を許容するダイオードD40が並列に接続されている。ダイオードD40は、均等化スイッチSW40のボディダイオードである。
なお、監視回路Uwnにおいて、スタック間ワイア40と並列に接続される箇所においてのみ回路構成や接続態様を変更することは、製造上において手間がかかるという理由により、均等化スイッチSW40が設けられている。同様の理由から、入力端子P40と入力端子S40との間の電圧を検出可能なように、電圧検出部30の入力チャネルが確保されている。
このように構成することにより、スタック間ワイア40に起電力(負電圧)が生じると、破線に示すように、スタック間ワイア40→電気経路L21→電気経路L21n→入力端子S40→ダイオードD40→入力端子S3→電気経路L22n→電気経路L22→スタック間ワイア40という閉回路において電流が流れる。つまり、バイパス経路B3を迂回して、電流が流れる。これにより、電気経路L22nにおいて、電圧降下が生じるため、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧を検出する際、その精度が悪化することとなる。
また、従来においては、ダイオードD40を介して電流が迂回することによる電圧検出精度の悪化を防止すべく、図4のような回路構成が考えられていた。図3に示す外部回路Ufnとの違いについて説明する。図4に示す外部回路Ufnでは、電気経路L3と電気経路L22との間に、バイパス経路B4に対して並列となるバイパス経路B10がさらに設けられている。このバイパス経路B10では、ツェナーダイオードD10aとツェナーダイオードD10bとが直列接続されて、設けられている。これらのツェナーダイオードD10a,D10bは、低電位側から高電位側への電流の流れを許容するように設けられている。
そして、図4において、外部回路Ufnには、電気経路L10n,L10pが設けられている。図4において電気経路L3pの下側に設けられている電気経路L10nの一端は、バイパス経路B10において、ツェナーダイオードD10aとツェナーダイオードD10bの間の接続点M1に、接続されており、他端は、監視回路Uwnの入力端子S10に接続されている。また、電気経路L10nには、抵抗体R10が設けられている。なお、ローパスフィルタF3を構成するコンデンサFC3の一端は、電気経路L10nにおいて、抵抗体R10に対して、入力端子S10の反対側に接続されている。また、コンデンサC4の一端は、電気経路L10nに接続されている。
図4において電気経路L10nの下側に設けられている電気経路L10pの一端は、電気経路L10nに接続されており、他端は監視回路Uwnの入力端子P10に接続されている。なお、電気経路L10pの一端は、電気経路L10nにおいて、コンデンサC4とコンデンサFC3との間の接続点M2に接続されている。
また、電気経路L10pには、ローパスフィルタF10が設けられている。より詳しくは、電気経路L10pの経路上に、ローパスフィルタF10を構成する抵抗体FR10が設けられている。そして、ローパスフィルタF10を構成するコンデンサFC10は、電気経路L10pと、電気経路L22nとの間に設けられている。具体的には、コンデンサFC10の一端は、電気経路L22nにおいて、抵抗体R2nを介して入力端子S3に接続されている。そして、コンデンサFC10の他端は、電気経路L10pにおいて、抵抗体FR10と入力端子P10との間に接続されている。
また、電気経路L10nと、電気経路L22nとの間において、ツェナーダイオードD10bと平行となるように、抵抗体R11が設けられている。抵抗体R11の一端は、電気経路L10nにおいて、接続点M1と、電気経路L10nと電気経路L10pとの接続点M2との間に接続されている。抵抗体R11の他端は、電気経路L22nにおいて、接続点M3と接続点M4との間に接続されている。接続点M3は、ツェナーダイオードDbのカソード側の接続点であり、接続点M4は、電気経路L22nと電気経路L22pとの接続点である。
そして、図4に示す監視回路Uwnにおいては、MOSFET等の半導体スイッチ素子である均等化スイッチSW10が設けられている。均等化スイッチSW10は、入力端子S10と入力端子S3との間を短絡するように設けられている。また、均等化スイッチSW10には、低電位側から高電位側への電流を許容するダイオードD10が並列に接続されている。ダイオードD10は、均等化スイッチSW10のボディダイオードである。また、電圧検出部30には、入力端子P10と入力端子S3との間の電圧を検出可能なように、入力チャネルが確保されている。また、電圧検出部30には、入力端子P3と入力端子S10との間の電圧を検出可能なように、入力チャネルが確保されており、入力端子P3と入力端子S10との間の電圧を検出することにより、電池セルV3の電圧を取得するようになっている。
このように構成することにより、スタック間ワイア40に起電力が生じると、図3と同様に、電流が流れる(図4において破線で示す)。しかしながら、当該電流は、電気経路L22nを流れ、電気経路L10nを流れない。このため、入力端子P3と入力端子S10との間における電圧には影響を与えない。したがって、図4に示す回路構成により、電池セルV3の電圧検出の精度悪化を防止できる。
その一方、このように構成することにより、外部回路Ufnは、冗長となり、複雑化するという問題がある。すなわち、電気経路L10n,L10pやローパスフィルタF10などを設ける必要がある。また、電圧を検出する必要がないにもかかわらず、入力端子P40,S40,P10,S3を設け、さらに、入力端子P40,S40間、及び入力端子P10,S3間において、電圧検出部30の入力チャネルを設けている。同様に、放電させる必要がないにもかかわらず、均等化スイッチSW10,SW40も余分に設けている。なお、電圧検出部30の入力チャネル、入力端子P40,S40,P10,S3や均等化スイッチSW10,SW40を省略することも考えられるが、監視回路Uwnを一律に構成できなくなり、この場合においても製造上の手間が増えるという問題がある。
そこで、本実施形態では、図2に示すような回路構成とすることにより、電圧検出の精度悪化を防止しつつ、余分な構成を省略している。すなわち、セルグループG1を構成する電池セルV1,V2のうち、スタック間ワイア40側の端部には、スタック間ワイア40に直列接続されている第1セルとしての電池セルV2が配置されている。第1セルの両側端子のうちスタック間ワイア40とは反対側の第1端子としての負極端子には、第1の電気経路としての電気経路L1を介して、監視回路Uwnの第1入力端子としての入力端子S2に接続されている。
また、スタック間ワイア40の両端のうち、電池セルV2とは反対側は、第2の電気経路としての電気経路L22を介して、監視回路Uwnの第2入力端子としての入力端子S3に接続されている。
そして、監視回路Uwnの均等化スイッチ部としての均等化スイッチSW2は、監視回路Uwnにおいて、入力端子S2と入力端子S3との間の電気経路上に配置され、当該電気経路の通電及び通電遮断を切り替えることにより、電池セルV2の放電を制御するように構成されている。
これにより、電池セルV2側が高電位となるようにスタック間ワイア40に起電力が生じたとしても、電池セルV2の正極端子とスタック間ワイア40とが、直列接続されているため、電流は流れない。つまり、電池セルV2の端子間電圧は、スタック間ワイア40の端子間電圧よりも十分高いため、起電力に基づいて、スタック間ワイア40→電池セルV2→電気経路L1→電気経路L1n→入力端子S2→ダイオードD12→入力端子S3→電気経路L22→スタック間ワイア40となる閉回路において電流が流れることはない。これにより、入力端子S2において電圧降下が生じないため、電気経路L1と電気経路L21との間の電圧、すなわち、入力端子P2と入力端子S2の間の電圧に基づいて、電池セルV2の端子間電圧を精度よく検出することが可能となる。
一方で、電池セルV2を放電させる場合には、均等化スイッチSW2をオンすることにより放電させることができる。すなわち、図2において破線で示すように、電池セルV2→スタック間ワイア40→電気経路L22→入力端子S3→均等化スイッチSW2→入力端子S2→電気経路L1n→電気経路L1→電池セルV2となる閉回路において電流を流すことができる。
また、図2に示すように、図3や図4に示すような従来の回路構成に比較して、電圧検出部30の入力チャネルや、均等化スイッチ、及び監視回路Uwnの入力端子(ピン端子)の数を減らすことができる。その一方で監視回路Uwnの構成及び外部回路Ufnとの接続態様を一律にすることができ、設計を簡単にすることができ、簡単に製造することが可能となる。また、外部回路Ufnにおいて電気経路などを一部省くことができ、設計や製造を容易に行うことができる。また、電圧検出部30は、スタック間ワイア40において生じる電圧を検出しないように構成されている。つまり電圧検出部30は、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧、及び入力端子P2と入力端子S2との間の電圧を検出するように構成されている。このため、電圧検出精度が悪化することを抑制することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。図5に、第2実施形態にかかる外部回路及び監視回路の構成図を示す。第2実施形態において、第1実施形態で説明した構成と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
第1実施形態の回路構成(図2)では、スタック間ワイア40における起電力により、電気経路L21に電流が流れなくなるように構成している。また、均等化スイッチSW2をオンした場合においても、図2において破線で示すように、電気経路L21に電流が流れることはない。このため、電気経路L21において、断線が生じていたとしても検出することができない。なお、電気経路L0,L1,L22,L3,L4では、均等化スイッチSW1~SW4をオンすれば、電流が流れるため、断線を検出することが可能となっている。
そこで、第2実施形態では、電気経路L21における断線を検出可能とすべく、外部回路Ufnの構成を一部変更した。具体的には、図5において破線で囲まれた回路を加えている。詳しく説明すると、電気経路L3nにおいて、抵抗体R3nと入力端子S4との間に一端が接続されている第1スイッチ部としてのスイッチSW21が設けられている。スイッチSW21は、抵抗体R31を介して、電気経路L21において、ローパスフィルタF2を構成する抵抗体FR2とインダクタLとの間の接続点M20に接続されている。また、スイッチSW21に対して、並列に接続されているダイオードD21が設けられている。ダイオードD21は、低電位側から高電位側への電流の流れを許容するように設けられている。ダイオードD21は、スイッチSW21のボディダイオードであってもよい。
また、電気経路L1nにおいて、抵抗体R1nと入力端子S2との間に一端が接続されている第2スイッチ部としてのスイッチSW22が設けられている。スイッチSW22の他端は、スイッチSW21と抵抗体R31との間に接続されている。つまり、スイッチSW22は、抵抗体R31を介して、電気経路L21の接続点M20に接続されているともいえる。また、スイッチSW22に対して、並列に接続されているダイオードD22が設けられている。ダイオードD22は、低電位側から高電位側への電流の流れを許容するように設けられている。ダイオードD22は、スイッチSW22のボディダイオードであってもよい。
すなわち、図5の回路構成では、電池セルV2の両側端子のうちスタック間ワイア40に接続されている第2端子としての正極端子は、第3の電気経路としての電気経路L21を介して、監視回路Uwnに接続されている。また、スタック間ワイア40の両端のうち、電池セルV2とは反対側には、スタック間ワイア40に直列接続されている第2セルとしての電池セルV3が設けられている。そして、スイッチSW21は、電池セルV3の両側端子のうち、スタック間ワイア40とは反対側の端子(正極端子)に接続された第4の電気経路としての電気経路L3と電気経路L21との間で、通電及び通電遮断を切り替えるように設けられている。また、スイッチSW22は、電池セルV2に対して並列に接続され、電気経路L1と電気経路L21との間で、通電及び通電遮断を切り替えるように設けられている。そして、コンデンサC2は、電気経路L1と電気経路L21との間で、電池セルV2に対して並列に接続されている。
電気経路L21を判定する判定部としてのマイコン14は、スイッチSW21及びスイッチSW22を交互にオンオフ制御させる判定期間において、電圧検出部30により電気経路L1と電気経路L21との間における電位差を検出し、検出した電位差に基づいて断線を判定している。より具体的には、マイコン14は、電圧検出部30により入力端子P2と入力端子S2との間の電圧(電位差)を検出し、検出した電圧に基づいて断線を判定している。図6に基づいて、電気経路L21における断線検出処理の流れについてより詳しく説明する。断線検出処理は、例えば、マイコン14などにより、所定のタイミング、例えば、システム始動時などに実行される。
断線検出処理が開始されると、まず、スイッチSW21をオフ(通電遮断)させつつ、スイッチSW22をオン(通電)させる(ステップS101)。そして、予め決められた第1の期間経過後、スイッチSW21,SW22を共にオフさせる(ステップS102)。スイッチSW21,SW22を共にオフさせてから予め決められた第2の期間経過後、電圧検出部30により、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧を第1の電圧として検出させる(ステップS103)。
次に、スイッチSW21をオンさせつつ、スイッチSW22をオフさせる(ステップS104)。予め決められた第3の期間経過後、スイッチSW21,SW22を共にオフさせる(ステップS105)。スイッチSW21,SW22を共にオフさせてから予め決められた第4の期間経過後、電圧検出部30により、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧を第2の電圧として検出させる(ステップS106)。
そして、第1の電圧と第2の電圧とを比較し、所定の閾値以上の差があるか否かを判定する(ステップS107)。所定の閾値以上の差が存在する場合(すなわち、ステップS107の判定結果が肯定の場合)には、断線していると判定する(ステップS108)。一方、閾値未満の差である場合(すなわち、ステップS107の判定結果が否定の場合)には、断線していないと判定する(ステップS109)。そして、断線検出処理を終了する。
ここで、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧に基づいて、断線の有無を判定可能である原理について説明する。まず、電気経路L21が断線していないときにおいて、検出電圧がどのように変化するかについて説明する。
図7に示すように、電気経路L21が断線していないとき、スイッチSW22をオンした場合、電池セルV2→電気経路L21→スイッチSW22→電気経路L1n→電気経路L1→電池セルV2の閉回路において電流が流れる(破線で示す)。
図8に示すように、スイッチSW22をオンした場合(時点t1~t2)、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧は、抵抗体R31及び抵抗体FR2により分圧されることにより、電池セルV2の電圧よりも低くなる。ただし、ゼロとはならない。
そして、スイッチSW21,SW22が共にオフとなると(時点t2~t3)、電気経路L21が断線していないため、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧は、電池セルV2の電圧と一致する。つまり、スイッチSW21,SW22が共にオフしてから第2の期間経過後(時点Ta)に検出される第1の電圧は、電池セルV2の電圧と一致することとなる。
また、図7に示すように、電気経路L21が断線していないとき、スイッチSW21をオンした場合(時点t3~t4)、電池セルV3→電気経路L3→電気経路L3n→スイッチSW21→電気経路L21→スタック間ワイア40→電池セルV3の閉回路において電流が流れる(二点鎖線で示す)。そして、図8に示すように、この期間において、電池セルV2から電流が流れることはないので、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧は、電池セルV2の電圧と一致することとなる。
その後、スイッチSW21,SW22が共にオフとなると(時点t4~)、電気経路L21が断線していないため、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧は、電池セルV2の電圧と一致する。つまり、スイッチSW21,SW22が共にオフしてから第4の期間経過後(時点Tb)に検出される第2の電圧は、電池セルV2の電圧と一致することとなる。
したがって、電気経路L21が断線していない場合、第1の電圧及び第2の電圧は、電池セルV2の電圧とほぼ一致し、その差は、ゼロに近くなる。
次に、電気経路L22が断線しているときにおいて、検出電圧がどのように変化するかについて説明する。電気経路L21が断線しているとき、スイッチSW22をオンしても、電池セルV2から電流がながれることはない。この場合、電池セルV2に対して並列に接続されているコンデンサC2に蓄えられている電荷が放電される。
具体的には、図9に示すように、コンデンサC2→電気経路L21→スイッチSW22→電気経路L1n→電気経路L1→コンデンサC2の閉回路において電流が流れる(破線で示す)。そして、図10に示すように、スイッチSW22をオンした場合(時点t1~t2)、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧は、コンデンサC2の放電に従って、低くなり、その後、ゼロとなる。
そして、スイッチSW21,SW22が共にオフとなると(時点t2~t3)、電気経路L21が断線しており、かつ、コンデンサC2の電圧もゼロとなっているため、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧は、引き続きゼロとなる。つまり、スイッチSW21,SW22が共にオフしてから第2の期間経過後(時点Ta)に検出される第1の電圧は、ゼロとなる。
その後、スイッチSW21をオンすると(時点t3~t4)、図9に示すように、電池セルV2→スタック間ワイア40→電池セルV3→電気経路L3→電気経路L3n→スイッチSW21→コンデンサC2→電気経路L1→電池セルV2の閉回路において電流が流れる(二点鎖線で示す)。これにより、コンデンサC2が充電される。
そして、この場合(スイッチSW21をオンした場合)、図10に示すように、入力端子P2と入力端子S2との間の電圧は、コンデンサC2の充電に従って、高くなり、電池セルV2の電圧と電池セルV3の合計電圧と一致する。
その後、スイッチSW21,SW22が共にオフとなると(時点t4~)、電気経路L21が断線しており、コンデンサC2を含む閉回路は存在しない。このため、コンデンサC2から放電されないため、コンデンサC2の電圧は、引き続き、電池セルV2の電圧と電池セルV3の合計電圧と一致することとなる。したがって、スイッチSW21,SW22が共にオフしてから第4の期間経過後(時点Tb)に検出される第2の電圧は、電池セルV2の電圧と電池セルV3の合計電圧と同じとなる。したがって、電気経路L21が断線している場合、第1の電圧と第2の電圧の差は、電池セルV2の電圧と電池セルV3の合計電圧とほぼ同じとなる。以上により、第1の電圧と第2の電圧を比較することにより、電気経路L21が断線しているか否かを判定することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。なお、以下では、各実施形態で互いに同一又は均等である部分には同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
・上記実施形態において、ツェナーダイオードD3a,D3bの代わりに、バイパス経路B3を開閉するスイッチを備えるものであってもよい。例えば、監視回路Uwnによって検出されたスタック間ワイア40の端子間電圧が規定電圧以下となる場合にスイッチを開操作し、上記端子間電圧が規定電圧を超えた場合にスイッチを閉操作すればよい。これにより、スタック間ワイア40の端子間電圧が規定電圧を超えた場合にのみバイパス経路B3の電流の流通を許可することができる。
・上記実施形態において「第1の整流素子」及び「第2の整流素子」としては、ツェナーダイオードに限らない。要は、バイパス経路のうち低電位側から高電位側(又は高電位側から低電位側)への電流の流通を許容し、逆方向の電流の流通を自身の端子間電圧が規定電圧を超えた場合にのみ許容する機能を有するなら、他の素子であってもよい。
・上記実施形態において、セルグループG1及びセルグループG2を構成する電池セルの数が相違していてもよい。また、監視回路の監視対象となる電池セルの数は、監視回路毎に相違してもよい。
・上記実施形態において、「導電部材」としては、ワイアに限らない。例えば、組電池を構成するセルグループのうちバスバーによって接続されたセルグループもあることから、「導電部材」をバスバーとしてもよい。
・上記実施形態において、「電池セル」としては、リチウムイオン2次電池に限らず、例えばニッケル水素2次電池であってもよい。
・上記第1実施形態において、図11に示すような回路構成とすることにより、電圧検出の精度悪化を防止しつつ、余分な構成を省略してもよい。すなわち、セルグループG2を構成する電池セルV3,V4のうち、スタック間ワイア40側の端部には、スタック間ワイア40に直列接続されている第1セルとしての電池セルV3が配置されている。そして、電池セルV3の両側端子のうちスタック間ワイア40とは反対側の第1端子としての正極端子は、第1の電気経路としての電気経路L3を介して、監視回路Uwnの第1入力端子としての入力端子S4に接続されている。
また、スタック間ワイア40の両端のうち、電池セルV3とは反対側は、第2の電気経路としての電気経路L21を介して、監視回路Uwnの第2入力端子としての入力端子S40に接続されている。なお、電気経路L21は、途中で電気経路L21pと電気経路L21nに分岐している。電気経路L21n上には抵抗体R40が設けられており、入力端子S40に接続されている。一方、電気経路L21pは、ローパスフィルタF2が設けられており、入力端子P2に接続されている。
均等化スイッチSW3は、監視回路Uwnにおいて、入力端子S4と入力端子S40との間の電気経路上に配置され、当該電気経路の通電及び通電遮断を切り替えることにより、電池セルV3の放電を制御するように構成されている。なお、均等化スイッチSW2は、入力端子S2と入力端子S40とを短絡するように構成されている。
これにより、電池セルV2側が高電位となるようにスタック間ワイア40に起電力が生じたとしても、電池セルV3とスタック間ワイア40とが、直列接続されているため、電流は流れない。つまり、電池セルV3の端子間電圧は、スタック間ワイア40の端子間電圧よりも十分高いため、起電力に基づいて、スタック間ワイア40→電気経路L21→電気経路L21n→入力端子S40→ダイオードD13→入力端子S4→電気経路L3n→電気経路L3→電池セルV3→スタック間ワイア40となる閉回路において電流が流れることはない。これにより、電圧降下が生じないため、入力端子P3と入力端子S3の間の電圧に基づいて、電池セルV3の端子間電圧を精度よく検出することが可能となる。
一方で、電池セルV3を放電させる場合には、均等化スイッチSW3をオンすることにより放電させることができる。すなわち、図11において破線で示すように、電池セルV3→電気経路L3→電気経路L3n→入力端子S4→均等化スイッチSW3→入力端子S40→電気経路L21n→電気経路L21→スタック間ワイア40→電池セルV3となる閉回路において電流を流すことができる。
また、図11に示すように、図3や図4に示すような従来の回路構成に比較して、電圧検出部30の入力チャネルや、均等化スイッチ、及び監視回路Uwnの入力端子(ピン端子)の数を減らすことができる。また、外部回路Ufnにおいて電気経路などを一部省くことができ、設計や製造を容易に行うことができる。
・上述したように、図11に示すような別例の回路構成にした場合、電気経路L22に電流が流れなくなるため、第2実施形態と同様に、電気経路L22の断線を検出することができなくなる。そこで、図12,13に示すような回路構成にしてもよい。
すなわち、電池セルV3の両側端子のうちスタック間ワイア40に接続されている第2端子としての負極端子は、第3の電気経路としての電気経路L22を介して、監視回路Uwnに接続されている。スタック間ワイア40の両端のうち、電池セルV3とは反対側には、スタック間ワイア40に直列接続されている第2セルとしての電池セルV2が設けられている。
また、電池セルV2の両側端子のうち、スタック間ワイア40とは反対側の端子(負極端子)に接続された第4の電気経路としての電気経路L1と電気経路L22との間で、通電及び通電遮断を切り替える第1スイッチ部としてのスイッチSW32が設けられている。そして、電池セルV3に対して並列に接続され、電気経路L3と電気経路L22との間で、通電及び通電遮断を切り替える第2スイッチ部としてのスイッチSW31が設けられている。また、電気経路L3と電気経路L22との間で、電池セルV3に対して並列に接続されたコンデンサC4が設けられている。
そして、マイコン14は、第2実施形態と同様にして、スイッチSW32及びスイッチSW31を交互にオンオフ制御させる判定期間において、電圧検出部30により電気経路L3と電気経路L22との間における電圧を検出し、検出した電圧に基づいて断線を判定する。具体的には、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧を検出して断線を判定する。
すなわち、電気経路L22が断線していない場合、スイッチSW31をオンした場合には、図12の破線で示す閉回路を電流が流れる。したがって、スイッチSW31をオフすれば、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧(電気経路L3と電気経路L22との間の電圧)は、電池セルV3の電圧と一致する。そして、電気経路L22が断線していない場合、スイッチSW32をオンした場合には、図12の2点鎖線で示す閉回路を電流が流れる。したがって、スイッチSW32をオフすれば、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧は、電池セルV3の電圧と一致する。
一方、電気経路L22が断線している場合、スイッチSW31をオンした場合には、図13の破線で示す閉回路を電流が流れる。つまり、コンデンサC4が放電する。したがって、スイッチSW31のオン後、スイッチSW31をオフすると、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧は、ゼロとなる。
そして、電気経路L22が断線している場合、スイッチSW32をオンした場合には、図13の2点鎖線で示す閉回路を電流が流れる。すなわち、コンデンサC4が充電され、コンデンサC4の電圧は、電池セルV2と電池セルV3の合計電圧となる。したがって、スイッチSW32のオン後、スイッチSW32をオフすると、入力端子P3と入力端子S3との間の電圧は、電池セルV2と電池セルV3の合計電圧となる。以上により、第2実施形態と同様に、検出された電圧を比較することにより、電気経路L22の断線を判定することが可能となっている。
・上記実施形態の監視回路Uwnにおいて、入力端子S3と入力端子P2との間に双方向ツェナーダイオードを設けてもよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。