JP7309156B2 - 球状架橋粒子 - Google Patents

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Description

本開示は球状架橋粒子、特に撥剤用途の球状架橋粒子に関する。
近年、フッ素系樹脂や炭化水素系樹脂で基材をコーティングしたり、サブミクロンサイズの微粒子を基材に付着させたりすることによって、基材表面に撥水性を付与し得ることが知られている。
引用文献1においては、2個以上の不飽和二重結合を有する単量体と、親水性官能基または活性水素基を有する不飽和単量体と、を含む原料モノマーを、この原料モノマーは溶解するが生成するポリマーは溶解しない媒体中で重合開始剤を用いて溶液重合することで、粒子径分布が狭く、比較的均一な粒子径を有する架橋ポリマー微粒子が得られることが開示されている。
特開2006-282772
しかしながら、引用文献1は、撥水性の発現の観点について記載していない。また、引用文献1における粒子を構成するポリマーは原料として親水性モノマーが必須であり、表面凹凸効果による基材への撥水性の付与は実現し難い。さらに、ミクロンオーダーのような比較的粒径の大きく疎水性球形架橋粒子は、粒形が球状にならなかったり、粒径が揃わなかったりする等の問題が生じやすく、その製造は容易ではない。本開示は、平均粒径が比較的大きく(ミクロンオーダー)、かつ、粒径が揃っており、表面凹凸効果により基材に撥水性を付与することができる新規な球状架橋粒子を提供することを目的とする。
本開示における一実施形態は、次のとおりである。
[項1]
平均粒径1μm以上、かつ、粒径分散度(CV値)が20%以下の球状架橋粒子であって、
疎水性単量体から誘導された繰り返し単位を含み、
前記疎水性単量体が非架橋性であって、ホモポリマーの水接触角が90°以上である、球状架橋粒子。
[項2]
前記球状架橋粒子を80℃1時間加熱した後における前記平均粒径及び前記粒径分散度が、加熱前(室温)と比較して、±10%以内である、項1に記載の球状架橋粒子。
[項3]
前記疎水性単量体が
式:CH=C(-R12)-C(=O)-Y11-(R11)
[式中、
11は炭素数6~40の脂肪族炭化水素基であり、
12は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、
11は、直接結合、2~4価の炭素数1の炭化水素基、-C-、-O-、-C(=O)-、-S(=O)-及び-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1つ以上で構成される2~4価の基であり、
kは1~3である。]
で表される疎水性単量体(1);
及び
式:CH=C(-R22)-Y21-(H)5-l-(R21)
[式中、
21は炭素数1~30の炭化水素基であり、
22はそれぞれ独立的に水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、
21はベンゼン環からl+1個の水素原子を取り除いた基であり、
Hは水素原子であり、
H及びR21はY21にそれぞれ直接結合しており、
lはそれぞれ独立的に1~3である。]
で表される疎水性単量体(2);
からなる群から選択される少なくとも一種を含む、項1又は2に記載の球状架橋粒子。
[項4]
前記疎水性単量体から誘導された繰り返し単位の量が、前記球状架橋粒子に対して、50重量%以上である、項1~3のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
[項5]
反応性基及び/又は親水性基を有する反応性/親水性単量体から誘導された繰り返し単位の量が、前記球状架橋粒子に対して、10重量%以下である、項1~4のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
[項6]
少なくとも2つの重合性二重結合を有する架橋性単量体から誘導された繰り返し単位によって架橋がなされている、項1~5のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
[項7]
前記架橋性単量体から誘導された繰り返し単位の量が40重量%未満である、項6に記載の球状架橋粒子。
[項8]
前記平均粒径が50μm以下である、項1~7のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
[項9]
前記粒径分散度が10%以下である、項1~8のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
[項10]
項1~9のいずれか一項に記載の球状架橋粒子から構成されるコア、及び、シェル重合体から構成される前記コアを被覆するシェルを有する、コアシェル粒子。
[項11]
平均粒径1μm以上、粒径分散度(CV値)20%以下の球状架橋粒子の製造方法であって、
重合率が60%以上となるまで疎水性単量体を重合する第一重合工程;及び
前記第一重合工程後、架橋性単量体を添加して前記疎水性単量体と前記架橋性単量体とを共重合する第二重合工程を含み、
前記疎水性単量体が非架橋性であって、ホモポリマーの水接触角が90°以上である、製造方法。
[項12]
項11に記載の製造方法により得られた前記球状架橋粒子をシードとして、シェル単量体を重合するシード重合工程を含む、コアシェル粒子の製造方法。
[項13]
項1~9のいずれか一項に記載の球状架橋粒子又は項10に記載のコアシェル粒子を含む、撥剤組成物。
[項14]
繊維処理用である、項13に記載の撥剤組成物。
[項15]
項1~9のいずれか一項に記載の球状架橋粒子又は項10に記載のコアシェル粒子が付着した処理基材。
[項16]
前記球状架橋粒子又は前記コアシェル粒子が付着した表面における表面積/面積で定義される面積比が1.1以上の凹凸表面を形成してなる、項15に記載の処理基材。
本開示における球状架橋粒子は、平均粒径が大きく(ミクロンオーダー)、かつ、粒径が揃っている。本開示における球状架橋粒子を基材に付着することで、表面凹凸効果が発現し基材に撥水性を付与することができる。
参考実施例における重合時間と重合率の関係を示すグラフである。 実施例1の球状架橋粒子のSEM写真である。 実施例1の球状架橋粒子(加熱後)のSEM写真である。 比較例2の重合体粒子のSEM写真である。 比較例2の重合体粒子(加熱後)のSEM写真である。 実施例2のコアシェル粒子のSEM写真である。 実施例3において、実施例1の球状架橋粒子で処理した処理布の表面SEM写真である。 実施例3において、実施例2のコアシェル粒子で処理した処理布の表面SEM写真である。
<球状架橋粒子>
本開示における球状架橋粒子は真球状に限定されず、略求状粒子であってもよい。略求状粒子はアスペクト比が1~1.5、1~1.3、好ましくは1~1.2の範囲にある粒子(アスペクト比とは、粒子の長径と短径の比率(長径/短径)である)であってもよい。本開示における球状架橋粒子はその一部に架橋構造を有するものである。架橋構造は化学架橋、物理架橋であってもよいが、化学架橋で在ることが好ましい。球状架橋粒子は、撥剤の成分として用いられた場合において、基材上に付着し、基材の撥水性を発揮する有効成分として働く。
[平均粒径]
球状架橋粒子の平均粒径は、1μm以上、2μm以上、3μm以上、5μm以上、又は10μm以上であってよい。球状架橋粒子の平均粒径は、50μm以下、30μm以下、10μm以下、又は5μm以下であってよい。上記範囲にあることで、良好な凹凸表面撥水性が発現し得る。平均粒径は顕微鏡(光学顕微鏡、又は走査型電子顕微鏡)で測定することができる。具体的には、顕微鏡を用いて、粒子が付着した基材の任意の位置を任意の倍率により上方から観察する。視野内に存在する全ての粒子の粒径を測定し、視野を移動して再度粒径を測定することを繰り返すことで、粒径を100点以上測定し、その平均値を平均粒径とする。
球状架橋粒子を80℃1時間加熱した後における平均粒径が、加熱前(室温)と比較して、±10%以内、±7.5%以内、±5%以内、±2.5%以内、±1%以内、又は±0.5%以内であってよい。上記範囲にあることで、基材に付与される撥水性の熱安定性に優れ得るため好適である。
[粒径分散度]
本開示における球状架橋粒子の粒径分散度(CV値(Coefficient of Variation))が、20%以下、15%以下、10%以下、7.5%以下、5%以下、又は2.5%以下であってよい。CV値が20%以下、特に10%以下であることにより、架橋球状粒子の性能(撥水性)や信頼性に優れ得る。本開示において、上記CV値は粒径(直径)の均一さを意味し、下記計算式により求められる値のことをいう。
CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
CV値は顕微鏡(走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡)で測定することができる。具体的には、顕微鏡を用いて、粒子が付着した基材の任意の位置を任意の倍率により上方から観察する。視野内に存在する全ての粒子の粒径を測定し、視野を移動して再度粒径を測定することを繰り返すことで、粒径を100点以上測定し、平均粒径と標準偏差とを算出し、上記式によりCV値を決定できる。
球状架橋粒子を80℃1時間加熱した後における粒径分散度が、加熱前(室温)と比較して、±10%以内、±7.5%以内、±5%以内、±2.5%以内、±1%以内、又は±0.5%以内であってよい。上記範囲にあることで、基材に付与される撥水性の熱安定性に優れ得るため好適である。
[疎水性単量体]
球状架橋粒子は疎水性単量体から誘導された繰り返し単位を含む。疎水性単量体は、非架橋性の単量体である。非架橋性の単量体とは、典型的には一つのみ重合性二重結合を有する単量体であるが、ジエンの環化重合のように重合性二重結合を2個又は複数個有する場合もある。疎水性単量体はそのホモポリマーが疎水性(水接触角が90°以上)である。球状架橋粒子を構成する全ての非架橋性単量体が疎水性単量体であってよい。疎水性単量体のホモポリマーの水接触角は90°以上、93°以上、96°以上、100°以上、105°以上、110°以上、115°以上、又は120°以上であってよく、好ましくは100°以上である。疎水性単量体のホモポリマーの水接触角は160°以下、140°以下、130°以下、125°以下、又は110°以下であってよい。水接触角が上記範囲にあることが球状架橋粒子の撥水性の観点等から好ましい。水接触角とは、実施例に示すように重合体のスピンコート膜に対する静的接触角であって、スピンコート膜上に、2μLの水を滴下し、着滴1秒後の接触角を測定して得られるものをいう。
疎水性単量体は少なくとも1つの炭素数4~40の炭化水素基を有していてよい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、特に飽和の脂肪族炭化水素基、特別にアルキル基であることが好ましい。当該炭化水素基は直鎖状又は分岐鎖状であってよい。当該炭化水素基の炭素数は4以上、6以上、8以上、10以上、11以上、12以上、14以上、又は16以上であってよく、好ましくは6以上である。当該炭化水素基の炭素数は40以下、30以下、25以下、22以下、又は20以下であってよく、好ましくは30以下である。
・疎水性単量体(1)
疎水性単量体は
CH=C(-R12)-C(=O)-Y11-(R11)
[式中、
11は炭素数6~40の脂肪族炭化水素基であり、
12は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、
11は直接結合、2~4価の炭素数1の炭化水素基、-C-、-O-、-C(=O)-、-S(=O)-及び-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1つ以上で構成される2~4価の基であり、
kは1~3である。]
で表される疎水性単量体(1)であってよい。
11は、分岐状又は長鎖(もしくは長鎖の直鎖状)の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、特に飽和の脂肪族炭化水素基、特別にアルキル基であることが好ましい。-CH基は-CH-に比べ表面自由エネルギーが低く撥水性を示しやすい。このため分岐が多く、-CH基が多い構造が好ましい。また、一方で一定の長さの長鎖アルキル基はその結晶性由来の高い撥水性を示す。よって、分岐状の炭化水素基(例えば、分岐状のアルキル基)、特にt-ブチル基やイソプロピル基、多分岐構造の基、あるいは長鎖の炭化水素基(もしくは長鎖の直鎖状炭化水素基)、例えばアルキル基であってよい。R11の炭素数は、6以上、8以上、10以上、12以上、14以上、16以上、又は18以上であってよく、好ましくは12以上である。R11の炭素数は35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、又は10以下であってよく、好ましくは25以下である。
12は、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であってよい。R12及びR22の例は、水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基である。R12は、水素原子、メチル基、塩素原子であることが好ましい。R12はメチル基であることがより好ましい。R12がメチル基であることにより、より高い撥水性が得られる。
11は、2価の基であることが好ましい。2~4価の炭素数1の炭化水素基の例は、-CH-、枝分かれ構造を有する-CH=及び枝分かれ構造を有する-C≡である。
11は、-Y’-、-Y’-Y’-、-Y’-C(=O)-、-C(=O)-Y’-、-Y’-C(=O)-Y’-、-Y’-X’-、-Y’-X’-Y’-、-Y’-X’-Y’-C(=O)-、-Y’-X’-C(=O)-Y’-、-Y’-X’-Y’-C(=O)-Y’-、又は-Y’-X’-Y’-X’-
[式中、Y’はそれぞれ独立して、直接結合、-O-、-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)又は-S(=O)-であり、
X’は-(CH-(mは1~5の数である)、炭素数1~5の不飽和結合を有する直鎖状の炭化水素基、炭素数1~5の枝分かれ構造を有する炭化水素基、又は-(CH-C-(CH-(lはそれぞれ独立して0~5の数であり、-C-はフェニレン基である)である。]
であってよい。Y11は2価の炭化水素基のみでないことが好ましい。R11が-(CH13であるとき、Y11は直接結合であってよい。
11の具体例は、-O-、-NH-、-O-C(=O)-、-NH-C(=O)-、-O-C(=O)-NH-、-NH-C(=O)-O-、-NH-C(=O)-NH-、-O-C-、-NH-C-、-O-(CHm-O-、-NH-(CHm-NH-、-O-(CHm-NH-、-NH-(CHm-O-、-O-(CHm-O-C(=O)-、-O-(CHm-C(=O)-O-、-NH-(CHm-O-C(=O)-、-NH-(CHm-C(=O)-O-、-O-(CHm-O-C(=O)-NH-、-O-(CHm-NH-C(=O)-O-、-O-(CHm-C(=O)-NH-、-O-(CHm-NH-C(=O)-、-O-(CHm-NH-C(=O)-NH-、-O-(CHm-O-C-、-O-(CHm-NH-S(=O)-、-O-(CHm-S(=O)-NH-、-NH-(CHm-NH-S(=O)-、-NH-(CHm-S(=O)-NH-、-NH-(CHm-O-C(=O)-NH-、-NH-(CHm-NH-C(=O)-O-、-NH-(CHm-C(=O)-NH-、-NH-(CHm-NH-C(=O)-、-NH-(CHm-NH-C(=O)-NH-、-NH-(CHm-O-C-、又は-NH-(CHm-NH-C-である[式中、mは1~5の数、特に2又は4である。]。
11は、-O-、-NH-、-O-(CHm-O-C(=O)-、-O-(CHm-NH-C(=O)-、-O-(CHm-O-C(=O)-NH-、-O-(CHm-NH-C(=O)-O-、-O-(CHm-NH-C(=O)-NH-、-O-(CHm-NH-S(=O)-又は-O-(CHm-S(=O)-NH-、-NH-(CHm-O-C(=O)-、-NH-(CHm-NH-C(=O)-、-NH-(CHm-O-C(=O)-NH-、-NH-(CHm-NH-C(=O)-O-、-NH-(CHm-NH-C(=O)-NH-
[式中、mは1~5の数、特に2又は4である。]
であることが好ましい。Y11は、-O-、-O-(CHm-O-C(=O)-NH-、-O-(CHm-NH-C(=O)-O-、又は-O-(CHm-NH-C(=O)-、-O-(CHm-NH-S(=O)-又は-O-(CHm-S(=O)-NH-、特に-O-、-O-(CHm-NH-C(=O)-であることがより好ましい。
kは1、2又は3である。Y11が4価の炭素数1の炭化水素基を有する場合等において、k=3である。Y11が3価の炭素数1の炭化水素基を有する場合等において、k=2である。Y11が3価及び4価の炭素数1の炭化水素基を有しない場合(例えば、Y11が2価の炭素数1の炭化水素基(-CH-)を(例えば1~6個)有する場合)に、k=1である。
・疎水性単量体(2)
疎水性単量体は
CH=C(-R22)-Y21-(H)5-l-(R21)
[式中、
21は炭素数1~30の炭化水素基であり、
22はそれぞれ独立的に水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、
21はベンゼン環からl+1個の水素原子を取り除いた基であり、
Hは水素原子であり、
H及びR21はY21にそれぞれ直接結合しており、
lはそれぞれ独立的に1~3である。]
で表される疎水性単量体(2)であってよい。
21は、分岐状又は長鎖(もしくは長鎖の直鎖状)の炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、特に飽和の脂肪族炭化水素基、特別にアルキル基であることが好ましい。-CH基は-CH-に比べ表面自由エネルギーが低く撥水性を示しやすい。このため分岐が多く、-CH基が多い構造が好ましい。また、一方で一定の長さの長鎖アルキル基はその結晶性由来の高い撥水性を示す。よって、分岐状の炭化水素基(例えば、分岐状のアルキル基)、特にt-ブチル基やイソプロピル基、多分岐構造の基、あるいは長鎖の炭化水素基(もしくは長鎖の直鎖状炭化水素基)、例えばアルキル基であってよい。R21の炭素数は1以上、2以上、4以上、6以上、8以上、10以上、又は12以上であってよい。R21の炭素数は25以下、15以下、又は10以下であってよい。
22は、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であってよい。R12及びR22の例は、水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基である。R22は、水素原子、メチル基、塩素原子であることが好ましい。R22は、特に反応性の観点から、水素原子であることが好ましい。
21はベンゼン環からl+1個の水素原子を取り除いた基である。Y21を有する単量体は、スチリル基を有する。Y21を有する単量体において、1~3個のR21基が存在していてよい。
lは1、2又は3である。
・疎水性単量体(1)又は(2)の具体例
疎水性単量体(1)又は(2)の具体例は、次のとおりである。下記の化学式の化合物は、α位が水素原子であるアクリル化合物であるが、α位がメチル基であるメタクリル化合物及びα位が塩素原子であるαクロロアクリル化合物であってよい。またスチレン誘導体においても、下記の化学式の化合物はα位が水素原子であるが、具体例は、α位がメチル基であるαメチルスチレン化合物及びα位が塩素原子であるαクロロスチレン化合物であってよく、α位が水素原子であるスチレン化合物が好ましい。
具体的な疎水性単量体(1)の構造をY11に含まれる化学結合種で分類例示する。ここでいうY11に含まれる化学結合種はY11に隣接するカルボニル基とともに形成されるものであってもよい。また、以下の例示では含まれる化学結合種をすべて挙げているわけではなく、代表的な化学結合種から分類例示したものである。
11が-O-を含み、隣接するカルボニル基とともにエステル結合を形成する例:
CH=CHC(=O)OC2n+1
11がアミド結合を含む例:
CH=CHC(=O)OC2mNHC(=O)C2n+1
11がウレア結合を含む例:
CH=CHC(=O)OC2mNHC(=O)NHC2n+1
11がウレタン結合を含む例:
CH=CHC(=O)OC2mOC(=O)NHC2n+1
CH=CHC(=O)OC2mNHC(=O)OC2n+1
11がウレタン結合とアミド結合を含む例:
CH=CHC(=O)NHC2mOC(=O)NHC2n+1
11がスルホアミド結合を含む例:
CH=CHC(=O)OC2mNHSO2n+1
CH=CHC(=O)OC2mSONHC2n+1
上記において、nは6~40であってよく、例えば11~40である。上記において、mは1~5であってよく、例えば2~4である。Y11に上記で示したような化学結合種(エステル、アミド、ウレア、ウレタン、スルホアミド)が含まれると、撥水性が向上するため好ましい。
上記において、好ましくはmは2で、nは12以上30以下である。さらに好ましくはmは2で、nは14以上25以下である。より好ましくはmは2で、nは16以上20以下である。疎水性単量体(1)の特に好ましい例として
CH=CHC(=O)OC1837
CH=CHC(=O)OC2041
CH=CHC(=O)OCNHC(=O)C1837
CH=CHC(=O)OCNHC(=O)C2041
CH=CHC(=O)OCOC(=O)NHC1837
CH=CHC(=O)OCOC(=O)NHC2041
等が挙げられ、中でも
CH=CHC(=O)OC1837
CH=CHC(=O)OCNHC(=O)C1837
CH=CHC(=O)OCOC(=O)NHC1837
が好ましい。
また、分岐構造を有する疎水性単量体(1)の具体例として下記式:
Figure 0007309156000001
[式中、nはそれぞれ独立して6~40の数である。]
で表される単量体が挙げられる。
nは例えば11以上40以下である。nは好ましくは12以上30以下である。nはさらに好ましくは14以上25以下である。nはより好ましくは16以上20以下である。特に好ましいnは18である。
分岐構造を有する疎水性単量体(1)のさらなる具体例として以下の構造が挙げられる:
Figure 0007309156000002
疎水性単量体(2)の例としては
CH=CH-Ph-C2n+1
CH=CH-Ph(C2n+1)(C2m+1
[式中、Phはベンゼン環であり、nは1~30の数であり、mは1~30の数である。]
が挙げられる。
上記式中、-C2n+1や-C2m+1は分岐構造が好ましい。分岐の例としてはターシャルブチル基(tBu)やイソプロピル基などがあげられる。また、-C2n+1や-C2m+1の位置はベンゼン環の任意の位置であってよい。
分岐構造を有する疎水性単量体(2)の具体例として以下の構造が挙げられる:
CH=CH-Ph-tBu
Figure 0007309156000003
[架橋性単量体]
球状架橋粒子は、架橋性単量体(特に少なくとも2つの重合性二重結合を有する架橋性単量体)から誘導された繰り返し単位を有してよい。即ち球状架橋粒子は架橋されていてよい。架橋性単量体から誘導された繰り返し単位を有することで、基材に付与される撥水性の熱安定性に優れ得る。
架橋性単量体は、少なくとも2つ(特に、2つ、3つ、又は4つ)の重合性二重結合を有してよい。
架橋性単量体は、式:
Figure 0007309156000004

Figure 0007309156000005
又は
Figure 0007309156000006
[式中、R51及びR61は、それぞれ独立的に直接結合、あるいは炭素数1~20の炭化水素基、-(CHCHO)-(rは1~10の数)、-C-、-O-、又は-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1つ以上で構成される2~6価の基であり、
52及びR62は、水素原子、一価の有機基、又はハロゲン原子であり、
51は、-O-、又は-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)であり、
pは、2~6であり、
qは1~5である。]
で表される単量体であることが好ましい。
51及びR61の例としては、直接結合、2~6価(例えば、2~4価、又は2~3価)の炭化水素基、エチレングリコール基、プロピレングリコール基、グリセロール基、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、イソボロニル基、ナフタレン基、ボルニル基、トリシクロデカニル基、フェニル基を含む基等が挙げられる。
52及びR62は、それぞれ独立的に、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、置換又は非置換のベンジル基、置換又は非置換のフェニル基であってよい。R52及びR62の例は、水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基である。R52及びR62は、水素原子、メチル基、塩素原子であることが好ましい。R52はメチル基であることがより好ましい。R52がメチル基であることにより、より高い撥水性が得られる。R62は、特に反応性の観点から、水素原子であることが好ましいが、撥水性の観点ではメチル基が好ましく、その反応性と撥水性を両立するようにR62を選択することが好ましい。
架橋性単量体の具体例としては、ジビニルベンゼン、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチエレングルコールジ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、メチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシ-1,3-アダマンタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、又は二以上を併用してもよい。
[反応性/親水性単量体]
球状架橋粒子は、反応性基及び/又は親水性基を有する反応性/親水性単量体から誘導された繰り返し単位を有してもよいが、有しない又はその量が少ないことが撥水性発現の観点から好ましい。反応性基の例は、エポキシ基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ブロックイソシアネート基である。親水性基の例は、ヒドロキシル基、ポリアルキレンオキシド基、アミノ基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸、スルホン酸、リン酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩基、塩素又は臭素、ヨウ素イオンが対アニオンであるアンモニウム塩基、その他イオン性基等である。
反応性基及び/又は親水性基を有する反応性/親水性単量体の例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アクリル酸、メタクリル酸、トリメチルシリル(メタ)アクリレート、2-(トリメチルシリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2-(tert-ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、又は二以上を併用してもよい。
[球状架橋粒子の組成]
球状架橋粒子において、疎水性単量体から誘導された繰り返し単位の量は、球状架橋粒子に対して、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、又は95重量%以上であってよい。球状架橋粒子において、疎水性単量体から誘導された繰り返し単位の量は、球状架橋粒子に対して、100重量%以下、99重量%以下、97.5重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、又は80重量%以下であってよい。
球状架橋粒子において、架橋性単量体から誘導された繰り返し単位の量は、球状架橋粒子に対して、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.5重量%以上、0.75重量%以上、1.5重量%以上、3重量%以上、5重量%以上、又は10重量%以上であってよい。球状架橋粒子において、架橋性単量体から誘導された繰り返し単位の量は、球状架橋粒子に対して、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、3重量%以下、1.5重量%以下、1.0重量%以下、又は0.5重量%以下であってよい。
球状架橋粒子において、反応性/親水性単量体から誘導された繰り返し単位の量は、球状架橋粒子に対して、0.1重量%以上、0.3重量%以上、0.5重量%以上、0.75重量%以上、1.5重量%以上、3重量%以上、又は5重量%以上であってよい。球状架橋粒子において、反応性/親水性単量体から誘導された繰り返し単位の量は、球状架橋粒子に対して、10重量%以下、7.5重量%以下、5重量%以下、2.5重量%以下、1重量%以下、又は0.5重量%以下であってよい。球状架橋粒子において、反応性/親水性単量体から誘導された繰り返し単位の量は0%であってもよい。
<球状架橋粒子の製造方法>
本開示における球状架橋粒子の製造方法は、
重合率が80%以上となるまで疎水性単量体を重合する第一重合工程;及び
前記第一重合工程後、架橋性単量体を添加して前記疎水性単量体と前記架橋性単量体とを共重合する第二重合工程を含む。
第一重合工程においては、重合率が60%以上となるまで疎水性単量体を重合する。第二重合工程に入るのは、疎水性単量体の重合率が60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上となった段階であってもよい。第二重合工程に入るのは、疎水性単量体の重合率が98%以下、95%以下、92%以下、90%以下、88%以下、又は85%以下となった段階であってもよい。上記範囲であることにより、良好な撥水性球状架橋粒子が得られやすい。
第二重合工程においては、架橋性単量体を重合溶液に添加して、架橋性単量体を添加して前記疎水性単量体と前記架橋性単量体とを共重合する。架橋性単量体は一気に添加してもよいし、滴下などにより時間をかけて添加してもよい。
第二重合工程において架橋性単量体と共重合する疎水性単量体は第一重合工程において既に添加されている単量体と同一であってもよいし、異なっていてもよい。第二重合工程において添加される疎水性単量体と第二重合工程において添加される架橋性単量体とのモル比率(疎水性単量体/架橋性単量体)は1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、又は6以上であってよく、好ましくは2.5以上である。第二重合工程において添加される疎水性単量体と第二重合工程において添加される架橋性単量体とのモル比率(疎水性単量体/架橋性単量体)は20以下、18以下、15以下、12以下、9以下、又は6以下であってよく、好ましくは10以下である。上記範囲であることにより、良好な撥水性球状架橋粒子が得られやすい。
上記工程を経ることによって、平均粒径が大きく、かつ、粒径が揃っている球状架橋粒子を得ることが可能となる。
球状架橋粒子の製造するための重合方法は、特に限定されず、懸濁重合法、乳化重合法、膨潤重合法、分散重合法等が挙げられるが、比較的粒径が大きく、粒径の揃った粒子が得られやすいことから、分散重合が好ましい。分散重合においては、重合開始時には単量体が媒体に溶解しており、重合により生成した重合体が析出、凝集して粒子が形成される。
重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t-ブチルパーベンゾエート、1-ヒドロキシシクロヘキシルヒドロ過酸化物、3-カルボキシプロピオニル過酸化物、過酸化アセチル、アゾビスイソブチルアミジン-二塩酸塩、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ニ塩酸塩、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、過酸化ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性のものやアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t-ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の油溶性のものが用いられる。重合開始剤は単量体100モル部に対して、0.01~10モル部の範囲で用いられる。必要に応じて、ロンガリット、アスコルビン酸、酒石酸、二亜硫酸ナトリウム、イソアスコルビン酸、硫酸第一鉄等の還元剤を併用してもよい。これらは単独で用いてもよいし、又は二以上を併用してもよい。
重合溶媒としては、特に限定されるものではなく、一般的な溶媒の中から、使用する原料等に応じて適宜なものを選択すればよい。分散重合を行う場合、球状架橋粒子を得る観点からは単量体は溶解するが生成する重合体は溶解しない溶媒が選択されてよい。重合溶媒の例としては、エステル(例えば、炭素数2~10のエステル、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン(例えば、炭素数2~10のケトン、具体的には、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン)、アルコール(例えば、炭素数1~10のアルコール、具体的には、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール)等が挙げられる。重合溶媒の具体例としては、アセトン、クロロホルム、HCHC225、イソプロピルアルコール、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油エーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1,1,2,2-テトラクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、テトラクロロジフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、又は二以上を併用してもよい。溶媒は単量体と有機溶媒の合計を100重量部とすると、そのうち50~99.5重量部、例えば70~99重量部の範囲で用いられる。
本開示の球状架橋粒子の製造方法を行う際には、重合方法に応じてその他の(高分子)分散剤、安定剤、乳化剤(界面活性剤)等を、単量体100重量部に対して、0.01~50重量部、例えば0.5~20重量部の範囲で用いられてよい。
分散剤としては、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ビニルフェノール-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-ビニルフェノール-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリスチレン誘導体;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポチエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体;ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリイソブチルビニルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル誘導体;セルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル誘導体;ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリ-2-メチル-2-オキサゾリン等の含窒素ポリマー誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル誘導体等の各種疎水性または親水性の分散剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、又は二以上を併用してもよい。
乳化剤(界面活性剤)としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系乳化剤;アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等のカチオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、又は二以上を併用してもよい。乳化剤の使用量を減ずる(単量体100重量部に対して、5重量部以下、3重量部以下、1重量部以下、0.5重量部以下、又は0.3重量部以下)又は乳化剤を使用しないことにより、球状架橋粒子の粒径が本開示における範囲となり得る。
<コアシェル粒子>
本開示におけるコアシェル粒子は上述の球状架橋粒子から構成されるコア、及び、シェル重合体から構成される前記コアを被覆するシェルを有する。コアとシェルは、化学的及び/又は物理的に結合している。
[コア]
コアシェル粒子のコアは上述の球状架橋粒子から構成される。球状架橋粒子は炭化水素系重合体によって形成されていてよい。本明細書において、「炭化水素系重合体」とは炭化水素基を有し、当該炭化水素基が重合体の撥水性の発現に寄与している重合体をいう。球状架橋粒子はブロック共重合体又はランダム重合体によって形成されていてよい。
[シェル]
コアシェル粒子のシェルはシェル重合体から構成される。シェル重合体は炭化水素系重合体によって形成されていてよい。シェル重合体は、ブロック共重合体又はランダム重合体によって形成されていてよい。
シェル重合体は、上述の球状架橋粒子(コア)における疎水性単量体から誘導された繰り返し単位により構成されていてよい。
シェル重合体のTg又は融点は、球状架橋粒子の10%熱分解温度未満、5%熱分解温度未満、又は、1%熱分解温度未満よりも低くてよい。球状架橋粒子の10%熱分解温度をT10としたとき、シェル重合体のTg又は融点はT10未満であってよく、好ましくはT10-10℃、より好ましくはT10-20℃、さらに好ましくはT10-50℃以下である。この差が大きいほど、球状架橋粒子の加工範囲(用途)を広げることが可能になる。ここで、10%熱分解温度はTGA(熱重量分析)によって空気中、昇温速度10℃/分の条件で得られる値である。
シェル重合体のTg又は融点は-120℃以上、-100℃以上、-80℃以上、-60℃以上、-50℃以上、-45℃以上、又は-40℃以上であってよく、好ましくは-100℃以上である。シェル重合体のTg又は融点は200℃未満、150℃未満、100℃未満、又は50℃未満であってよい。シェル重合体のTg又は融点が上記範囲にあることが、造膜性の観点等から好ましい。
(非水溶性シェル単量体)
シェル重合体は非架橋性単量体である非水溶性シェル単量体から誘導された繰り返し単位を有するシェル重合体を構成する全ての非架橋性単量体が非水溶性シェル単量体であってよい。
非水溶性シェル単量体は、上述の球状架橋粒子(コア)における疎水性単量体で説明したものの中から選択されてもよい。上述の疎水性単量体についての説明は非水溶性シェル単量体についての説明においても援用される。例えば、疎水性単量体(1)~(6)の中から選択される一以上の組み合わせであってよい。コアに用いられている疎水性単量体と同一又は異なるものを非水溶性シェル単量体として用いることができる。例えば、球状架橋粒子における疎水性単量体と非水溶性シェル単量体はともに同一の疎水性単量体(1)(例えば、長鎖アルキルアクリレート、例えばステアリルアクリレート)であってもよい。
非水溶性シェル単量体のホモポリマーの水接触角は10°以上、30°以上、50°以上、70°以上、80°以上、又は90°であってよい。非水溶性シェル単量体のホモポリマーの水接触角は160°以下、140°以下、130°以下、125°以下、又は110°以下であってよい。非水溶性シェル単量体のホモポリマーの水接触角が上記範囲にあることが撥水性及び分散液中の分散性の観点等から好ましい。
非水溶性シェル単量体は、25℃水溶解度が10g/l以下、5g/l以下、3g/l以下、1g/l以下、0.5g/l以下、又は0.1g/l以下であってよく、好ましくは3g/l以下である。
非水溶性シェル単量体のホモポリマーの25℃水溶解度が10g/l以下、5g/l以下、3g/l以下、1g/l以下、0.5g/l以下、又は0.1g/l以下であってよく、好ましくは3g/l以下である。
水溶性シェル単量体(例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸単量体;ポリ(エチレングリコール)メタクリラートのようなポリエチレングリコール鎖含有単量体;2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、カルボキシメチルベタインモノマー等の両親媒性単量体;第4級アンモニウム塩含有アクリレート等)を用いた場合、シェル重合体の親水性が向上する結果、撥水性が非常に低下するため良くない。
非水溶性シェル単量体は少なくとも1つの炭素数3~40の炭化水素基を有していてよい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、特に飽和の脂肪族炭化水素基、特別にアルキル基であることが好ましい。当該炭化水素基は直鎖状又は分岐鎖状であってよい。当該炭化水素基の炭素数は3以上、4以上、5以上、6以上、又は7以上であってよい。当該炭化水素基の炭素数は30以下、20以下、10以下、又は9以下であってよい。
非水溶性シェル単量体は脂肪族化合物を含むことが好ましい。非水溶性シェル単量体は脂肪族化合物のみからなってよい。
(架橋性シェル単量体)
シェル重合体は、少なくとも2つの重合性二重結合を有する架橋性シェル単量体から誘導された繰り返し単位を有してよいが、有しないことが好ましい。即ちシェル重合体は非架橋であってよい。
架橋性シェル単量体は、上記で求状架橋粒子の架橋性単量体について説明したものと同様であってよい。
(シェル重合体の組成)
シェル重合体において、非水溶性シェル単量体から誘導された繰り返し単位は、繰り返し単位の合計100モル部に対して、70モル部以上、75モル部以上、80モル部以上、85モル部以上、90モル部以上、又は95モル部以上であってよい。シェル重合体において、非水溶性シェル単量体から誘導された繰り返し単位は、繰り返し単位の合計100モル部に対して、100モル部以下、99モル部以下、97.5モル部以下、95モル部以下、又は92.5モル部以下であってよい。
シェル重合体において、架橋性シェル単量体から誘導された繰り返し単位は、繰り返し単位の合計100モル部に対して、0.5モル部以下、又は0.1モル部以下、であってよく、好ましくは0モル部(非架橋)である。
(コアシェル粒子の組成)
コアシェル粒子において、球状架橋粒子の重量比率は5重量%以上、15重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、75重量%以上、又は90重量%以上であってよく、好ましくは30重量%以上である。コアシェル粒子において、球状架橋粒子の重量比率は95重量%以下、75重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、30重量%以下、又は25重量%以下であってよい。コアシェル粒子において、シェル重合体の重量比率は5重量%以上、15重量%以上、30重量%以上、50重量%以上、75重量%以上、又は90重量%以上であってよく、好ましくは30重量%以上である。コアシェル粒子において、シェル重合体の重量比率は95重量%以下、75重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、30重量%以下、又は25重量%以下であってよい。
<コアシェル粒子の製造方法>
コアシェル粒子を製造するための重合方法としてシード重合が用いられる。シード重合では球状架橋粒子をシード粒子として使用し、このシード粒子表面でシェル重合体の原料となる単量体を重合させることで、コアシェル粒子を得ることができる。
<撥剤組成物>
[球状架橋粒子又はコアシェル粒子]
本開示における撥剤組成物は、上述した球状架橋粒子又はコアシェル粒子を含む。撥剤組成物は、さらに、液状媒体、バインダー樹脂、分散剤、界面活性剤、及びその他添加剤から選択される少なくとも一種を含んでいてよい。
球状架橋粒子又はコアシェル粒子の量は、撥剤組成物に対して0.1重量%以上、1重量%以上、3重量%以上、5重量%以上、又は10重量%以上であってよい。球状架橋粒子又はコアシェル粒子の量は、撥剤組成物に対して75重量%以下、50重量%以下、30重量%以下、15重量%以下、又は10重量%以下であってよい。
[液状媒体]
撥剤組成物は、液状媒体を含有し、好ましくは水性媒体を含有する。液状媒体は水の単独、有機溶媒の単独、又は水と有機溶媒の混合物であり、好ましくは水の単独又は水と有機溶媒の混合物である。
液状媒体が水と有機溶媒の混合物の場合、有機溶媒の量は、液状媒体に対して、30重量%以上、50重量%以上、75重量%以上、又は90重量%以上であってよい。有機溶媒の量は、液状媒体に対して、90重量%以下、50重量%以下、30重量%以下、又は10重量%以下であってよい。
液状媒体の量は、組成物に対して30重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、75重量%以上、又は90重量%以上であってよい。液状媒体の量は、組成物に対して95重量%以下、75重量%以下、又は50重量%以下であってよい。
[バインダー樹脂]
撥剤組成物はバインダー樹脂を含んでいてよい。バインダー樹脂は球状架橋粒子を基材に結合させるバインダーとして働く。バインダー樹脂としては撥水性樹脂が好ましい。撥水性樹脂は、撥水性を発揮する有効成分としても働く。バインダー樹脂の例は、アクリル重合体、ウレタン重合体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、シリコーン重合体である。バインダー樹脂の量は、球状架橋粒子100重量部に対して、0.1~20重量部、例えば0.1~10重量部であってよい。
[分散剤]
撥剤組成物は、球状架橋粒子の分散性を高めるために分散剤を含有してもよいし、含有しなくてもよい。分散剤としては上述した球状架橋粒子の重合又はシェル重合体の重合に用いられる分散剤を用いてもよい。分散剤の量は、球状架橋粒子100重量部に対して、0.1~20重量部、例えば0.1~10重量部であってよい。撥水処理の前に、撥剤組成物から分散剤を除去してもよい。
[界面活性剤]
撥剤組成物は、分散液の安定化のために界面活性剤(乳化剤)を含有してもよいし、含有しなくてもよい。界面活性剤としては上述した球状架橋粒子の重合又はシェル重合体の重合に用いられる界面活性剤を用いてもよい。
被処理物が繊維製品である場合において特に、撥剤組成物において、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。さらに、界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤から選択された一種以上の界面活性剤を含むことが好ましい。ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤の組み合わせを用いることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤のそれぞれが一種又は二以上の組み合わせであってよい。界面活性剤の量は、球状架橋粒子100重量部に対して0.1重量部以上、0.5重量部以上、2.5重量部以上、又は5重量部以上であってよい。界面活性剤の量は、球状架橋粒子100重量部に対して15重量部以下、10重量部以下、7.5重量部以下、5重量部以下、2.5重量部以下であってよい。一般に界面活性剤を添加すると、水分散体の安定性や布への浸透性は向上するが、撥水性能は低下する。これらの効果を両立するように界面活性剤の種類や量を選定することが好ましい。本開示の球状架橋粒子は、良好な撥水性及び分散性(特に水分散性)を示すため、界面活性剤の量を減ずることが可能である。
[その他添加剤]
撥剤組成物は、その他添加剤を含有してもよい。その他添加剤の例は、撥水剤、撥油剤、乾燥速度調整剤、架橋剤、造膜助剤、相溶化剤、凍結防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤、消泡剤、風合い調整剤、すべり性調整剤、帯電防止剤、親水化剤、抗菌剤、防腐剤、防虫剤、芳香剤、難燃剤等である。その他添加剤の量は、球状架橋粒子100重量部に対して、0.1~20重量部、0.1~10重量部、0.1~5重量部、又は0.1~2.5重量部であってよい。
16
[撥剤組成物の製造方法]
撥剤組成物は、球状架橋粒子又はコアシェル粒子の製造で得られた重合液に対して、必要により、成分を除去又は上記成分を添加して製造してもよい。撥剤組成物は、球状架橋粒子又はコアシェル粒子の製造で得られた重合液から球状架橋粒子又はコアシェル粒子のみを取り出して、その他成分を添加することにより、製造してもよい。
[撥剤組成物の用途]
撥剤組成物(又は球状架橋粒子の水分散体)は、外的処理剤(表面処理剤)又は内的処理剤として使用できる。撥剤組成物(及び球状架橋粒子の水分散体)は、撥剤(撥水剤、撥油剤、撥水撥油剤、好ましくは撥水剤)、防汚剤、汚れ脱離剤、剥離剤又は離型剤として使用できる。撥剤組成物は特に繊維処理用(繊維製品処理用)であってもよい。
基材が撥剤組成物により処理されることで、撥剤組成物中の球状架橋粒子が基材表面に配置された表面コーティング構造を形成する。表面コーティング構造は球状架橋粒子に由来する凹凸表面構造を有する。
処理基材の球状架橋粒子又はコアシェル粒子が付着した表面における表面積/面積で定義される面積比は1.1以上、1.2以上、1.3以上、又は1.4以上であってよい。処理基材の球状架橋粒子又はコアシェル粒子が付着した表面における表面積/面積で定義される面積比は2.5以下、2.0以下、又は1.8以下であってよい。
コアシェル粒子が付着した基材(例えば繊維製品)は、良好な撥水性を発現させるために、乾燥され、好ましくは、シェル重合体のTg以上の温度、例えば100~200℃で加熱されることが好ましい。シェル重合体のTg以上の温度で処理することにより、シェル重合体が基材側へ移行する。一方で、疎水性のコアはTgが高いため形状を保つ。これにより、疎水性に優れた表面コーティング構造が形成され得る。
表面コーティング構造は、撥剤組成物を従来既知の方法により被処理物(基材)に適用することで形成することができる。通常、該撥剤組成物を有機溶媒又は水に分散して希釈して、浸漬塗布、スプレー塗布、泡塗布等のような既知の方法により、被処理物の表面に付着させ、乾燥する方法が採られる。また、必要ならば、適当な架橋剤(例えば、ブロックイソシアネート)と共に適用し、キュアリングを行ってもよい。さらに、撥剤組成物に、防虫剤、柔軟剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、塗料定着剤、防シワ剤等を添加して併用することも可能である。基材と接触させる処理液における重合体の濃度は0.01~10重量%(特に、浸漬塗布の場合)、例えば0.05~10重量%であってよい。
撥剤組成物(及び球状架橋粒子の水分散体)で処理される被処理物としては、繊維製品、石材、フィルター(例えば、静電フィルター)、防塵マスク、燃料電池の部品(例えば、ガス拡散電極及びガス拡散支持体)、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属及び酸化物、窯業製品、プラスチック、塗面、及びプラスター等を挙げることができる。繊維製品としては種々の例を挙げることができる。例えば、綿、麻、羊毛、絹等の動植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維等の無機繊維、あるいはこれらの混合繊維が挙げられる。
撥剤組成物は外部離型剤としても使用できる。例えば、基材の表面を、他の表面(該基材における他の表面、あるいは他の基材における表面)から容易に剥離することができる。
撥剤組成物は、繊維製品を液体で処理するために知られている方法のいずれかによって繊維状基材(例えば、繊維製品等)に適用することができる。繊維製品が布であるときには、布を溶液に浸してよく、あるいは、布に溶液を付着又は噴霧してよい。
撥剤組成物はクリーニング法によって繊維製品に適用してよく、例えば、洗濯適用又はドライクリーニング法等において繊維製品に適用してよい。
処理される繊維製品は、典型的には、布であり、これには、織物、編物及び不織布、衣料品形態の布及びカーペットが含まれるが、繊維又は糸又は中間繊維製品(例えば、スライバー又は粗糸等)であってもよい。繊維製品材料は、天然繊維(例えば、綿又は羊毛等)、化学繊維(例えば、ビスコースレーヨン又はレオセル等)、又は、合成繊維(例えば、ポリエステル、ポリアミド又はアクリル繊維等)であってよく、あるいは、繊維の混合物(例えば、天然繊維及び合成繊維の混合物等)であってよい。
あるいは、繊維状基材は皮革であってよい。球状架橋粒子を、皮革を疎水性及び疎油性にするために、皮革加工の様々な段階で、例えば、皮革の湿潤加工の期間中に、又は、皮革の仕上げの期間中に、水溶液又は水性乳化物から皮革に適用してよい。
あるいは、繊維状基材は紙であってもよい。球状架橋粒子を、予め形成した紙に適用してよく、又は、製紙の様々な段階で、例えば、紙の乾燥期間中に適用してもよい。
「処理」とは、処理剤を、浸漬、噴霧、塗布等により被処理物に適用することを意味する。処理により、処理剤の有効成分である球状架橋粒子が被処理物の内部に浸透する及び/又は被処理物の表面に付着する。
水平から30°の角度で配置した処理された基材表面(特に繊維製品)において、20μLの水を静かに滴下した場合に、水の転落速度が、100mm/秒以上、例えば、130mm/秒以上又は150mm/秒以上であることが好ましい。処理された基材は、着霜を防止する効果を発現する。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
以下、実施例を挙げて本開示を詳しく説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。以下において、部又は%又は比は、特記しない限り、重量部又は重量%又は重量比を表す。
<試験方法>
[重合体の水接触角]
重合体の水接触角は得られた重合体の固形分濃度1.0%の溶液をシリコンウエハ基板上にスピンコートし、スピンコート膜上に、2μLの水を滴下し、着滴1秒後の接触角を測定して得られた。
[平均粒径及び粒径分散度]
平均粒径は、光学顕微鏡を用いて、粒子が付着した基材の任意の位置を任意の倍率により上方から観察した。視野内に存在する全ての粒子の粒径を測定し、視野を移動して再度粒径を測定することを繰り返すことで、粒径を100点以上測定し、その平均値を平均粒径とした。粒径分散度は下記計算式により求めた。
CV値(%)=(粒径の標準偏差/平均粒径)×100
[処理布の撥水性]
処理布上に2μLの水を滴下し、着滴1秒後の静的接触角を測定した。
<参考実施例:重合時間と重合率の検討>
[表1]に従い、所定量のステアリルアクリレート(SA)、開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ポリビニルピロリドン(PVP)(分子量40,000)、エタノールを仕込み、窒素雰囲気下、60℃、シュレンクフラスコ中にて重合した。
[表1]
Figure 0007309156000007
表に示した時間において少量サンプリングし、ガスクロマトグラフィにて未反応モノマー量を定量することで、各時間における重合率を算出した。その結果を[表1-2]および[図1]に示す。
[表1-2]
Figure 0007309156000008
<実施例1:球状架橋粒子の作製>
参考実施例と同様の組成及び条件にて、重合を開始した。重合開始3時間後に[表2]に示す組成物(SAと架橋モノマーとしてジビニルベンゼン(DVB)、溶媒としてエタノール)を加えた。組成物を追加する直前の重合率は参考実施例の結果より、84.1%であった。重合開始から24時間後に室温に戻し、静置置換により、エタノールで数回洗浄後、エタノールを常温で揮発させて、球状架橋粒子を得た。別途作製したSAのホモポリマーであるPSAの対水接触角は102°であった。
[表2]
組成物組成
Figure 0007309156000009
得られた球状架橋粒子のSEM写真を[図2]に示す。アスペクト比はほぼ1:1の球状であった。平均粒径は1.31μmでCV値が5.5%であった。対水接触角が117.1°であった。
この球状架橋微粒子を80℃1時間の条件で加熱後のSEM写真を[図3]に示す。アスペクト比がほぼ1:1の球状であった。平均粒径が1.43μmでCV値が6.0%であった。対水接触角が123.5°であった。
加熱前後での変化率は、平均粒径が1.31μmから1.43μmで9.2%の増加、分散度CV値が5.5%から6.0%で9.1%の増加であった。変化率は((変化後の値-変化前の値)/(変化前の値)×100%)で算出した。
<比較例1>
[表2]に示す組成物を添加するタイミングを重合開始30分後に変更した以外は実施例1と同様にして、重合体粒子を得た。参考実施例の結果から、30分経過時点での重合率は28.8%である。理由は定かではないが、球状架橋粒子は得られず、異形粒子が得られた。
<比較例2>
[表2]に示す組成物を添加しなかった以外は実施例1と同様にして、重合体粒子を得た。室温で単離した粒子のSEM写真を[図4]に示す
この重合体粒子を80℃1時間の条件で加熱後のSEM写真を[図5]に示す。重合体粒子は溶融し均一な表面となり、粒子形状は残っていなかった。
<実施例2:コアシェル粒子の作製>
実施例1で得られた球状架橋粒子をコア粒子としてさらにSAをシェルモノマーとしてコアシェル重合を行った。具体的には[表3]に従い、実施例1で得られた所定量の球状架橋粒子をシードとして、SA、AIBN、PVP、エタノールを仕込み、窒素雰囲気下、60℃、24h、シュレンクフラスコ中にて重合した。得られたコアシェル粒子は静置置換により、エタノールで数回洗浄後、エタノールを常温で揮発させて、コアシェル球状架橋粒子を得た。
[表3]
Figure 0007309156000010
得られた粒子のSEM写真を[図6]に示す。対水接触角は119°であった。
<実施例3:処理布の作製>
実施例1および実施例2で得られた球状架橋粒子をそれぞれ濃度1%でエタノールに分散させ、布処理浴とした。PET布を5cm×10cmにカットしたものを用い、上記の各処理浴に30秒間浸漬後、ドラフト内で風乾した。風乾した布を送風式乾燥機にて170℃でそれぞれ3分間、10分間の条件で熱処理を実施し、処理布とした。各処理布の対水接触角を測定した。結果を[表4]に示す
[表4]
Figure 0007309156000011
各処理布表面のSEM写真を示す。実施例1で得られた球状架橋粒子で処理した処理布の表面SEM写真を[図7]に示す。
実施例1で得られた球状架橋粒子で処理した処理布に関してレーザー顕微鏡(キーエンス社製)にて表面積/面積で定義される面積比を計算した。その結果、面積比は1.1以上であった。
実施例2で得られたコアシェル粒子で処理した処理布の表面SEM写真を[図8]に示す。明らかにシェルを形成している架橋されていないSA重合体のメルトが観察された。

Claims (14)

  1. 平均粒径1μm以上、かつ、粒径分散度(CV値)が20%以下の球状架橋粒子であって、
    疎水性単量体から誘導された繰り返し単位を含み、
    前記疎水性単量体が非架橋性であって、ホモポリマーの水接触角が90°以上であり、
    前記疎水性単量体は、
    式:CH =C(-R 12 )-C(=O)-Y 11 -(R 11 )
    [式中、
    11 は炭素数6~40の脂肪族炭化水素基であり、
    12 は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、
    11 は、直接結合、2~4価の炭素数1の炭化水素基、-C -、-O-、-C(=O)-、-S(=O) -及び-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1つ以上で構成される2~4価の基であり、
    kは1~3である。]
    で表される疎水性単量体(1)であり、
    少なくとも2つの重合性二重結合を有する架橋性単量体から誘導された繰り返し単位によって架橋がなされており、
    前記架橋性単量体は、
    Figure 0007309156000012

    [式中、R 51 及びR 61 は、それぞれ独立的に直接結合、あるいは炭素数1~20の炭化水素基、-(CH CH O) -(rは1~10の数)、-C -、-O-、又は-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1つ以上で構成される2~6価の基であり、
    52 及びR 62 は、水素原子、一価の有機基、又はハロゲン原子であり、
    51 は、-O-、又は-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)であり、
    pは、2~6であり、
    qは1~5である。]
    で表される単量体、またはジビニルベンゼンである、
    球状架橋粒子。
  2. 前記球状架橋粒子を80℃1時間加熱した後における前記平均粒径及び前記粒径分散度が、加熱前(室温)と比較して、±10%以内である、請求項1に記載の球状架橋粒子。
  3. 前記疎水性単量体から誘導された繰り返し単位の量が、前記球状架橋粒子に対して、50重量%以上である、請求項1または2に記載の球状架橋粒子。
  4. 反応性基及び/又は親水性基を有する反応性/親水性単量体から誘導された繰り返し単位の量が、前記球状架橋粒子に対して、10重量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
  5. 前記架橋性単量体から誘導された繰り返し単位の量が40重量%未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
  6. 前記平均粒径が50μm以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
  7. 前記粒径分散度が10%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の球状架橋粒子。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載の球状架橋粒子から構成されるコア、及び、シェル重合体から構成される前記コアを被覆するシェルを有する、コアシェル粒子。
  9. 平均粒径1μm以上、粒径分散度(CV値)20%以下の球状架橋粒子の製造方法であって、
    重合率が60%以上となるまで疎水性単量体を重合する第一重合工程;及び
    前記第一重合工程後、同一系の重合溶液に、架橋性単量体を添加して前記疎水性単量体と前記架橋性単量体とを共重合する第二重合工程を含み、
    前記疎水性単量体が非架橋性であって、ホモポリマーの水接触角が90°以上であり、
    前記疎水性単量体は、
    式:CH =C(-R 12 )-C(=O)-Y 11 -(R 11 )
    [式中、
    11 は炭素数6~40の脂肪族炭化水素基であり、
    12 は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、
    11 は、直接結合、2~4価の炭素数1の炭化水素基、-C -、-O-、-C(=O)-、-S(=O) -及び-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1つ以上で構成される2~4価の基であり、
    kは1~3である。]
    で表される疎水性単量体(1)であり、
    前記架橋性単量体は、
    Figure 0007309156000013

    [式中、R 51 及びR 61 は、それぞれ独立的に直接結合、あるいは炭素数1~20の炭化水素基、-(CH CH O) -(rは1~10の数)、-C -、-O-、又は-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)から選ばれる少なくとも1つ以上で構成される2~6価の基であり、
    52 及びR 62 は、水素原子、一価の有機基、又はハロゲン原子であり、
    51 は、-O-、又は-NR’-(R’は、H又は炭素数1~4の炭化水素基)であり、
    pは、2~6であり、
    qは1~5である。]
    で表される単量体、またはジビニルベンゼンである、
    製造方法。
  10. 請求項に記載の製造方法により得られた前記球状架橋粒子をシードとして、シェル単量体を重合するシード重合工程を含む、コアシェル粒子の製造方法。
  11. 請求項1~のいずれか一項に記載の球状架橋粒子又は請求項に記載のコアシェル粒子を含む、撥剤組成物。
  12. 繊維処理用である、請求項11に記載の撥剤組成物。
  13. 請求項1~のいずれか一項に記載の球状架橋粒子又は請求項に記載のコアシェル粒子が付着した処理基材。
  14. 前記球状架橋粒子又は前記コアシェル粒子が付着した表面における表面積/面積で定義される面積比が1.1以上の凹凸表面を形成してなる、請求項13に記載の処理基材。
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