JP7307850B2 - リアクトル - Google Patents
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本発明は、コアとコイルを樹脂によってモールドしたリアクトルに関する。
最近、コアとコイルの外周を樹脂によって被覆した樹脂モールドタイプのリアクトルが各所で使用されている。この種のリアクトルでは、放熱性を確保するため、コイルの表面の一部、特にリアクトルの上面や下面に位置するコイルの平坦部をモールド樹脂で覆うことなく、露出させることが一般的である。コイルの表面を露出させるには、特許文献1から3に示すように、コイル表面に金型を押し付けた状態でその周囲にモールド樹脂を充填させる。
しかしながら、コイルは線材を巻いて作成するので、凹凸が存在し、必ずしも表面が平滑面でない。また、コイルは一方向に線材を巻いていくことから、コイルの巻き始めと巻き終わりでコイル表面に捻れが生じることがある。コイル表面の捻れがあると、金型にコイルを密着させようとしても金型表面の間に隙間が発生し、その部分から侵入した樹脂によりバリができる。また、コイルの製造上の寸法公差も、リアクトルの性能上からは許容の範囲とは言え存在することから、バリの発生を完全に防止することは不可能である。
バリの発生を抑制するためには、金型をコイル表面に強く押し付けて、金型とコイル表面との隙間をなくしたり、金型によってコイル表面の捻れを矯正することが行われる。しかし、金型をコイル表面に強く押し付けると、コイルを傷付けたり、コイルの導体の被覆を破損させて絶縁性を損なうなどの問題が発生する。このように、開口部を有する樹脂モールドタイプのリアクトルにおいては、コイルを傷付けることなく、しかもバリの発生を抑止することが要求されていたが、前記の従来技術では、このような要望に応えることはできなかった。
本発明は前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。本発明の目的は、モールド樹脂に設けられた開口部にコイル表面が露出しているリアクトルにおいて、コイル表面にモールド樹脂のバリが発生することを防止することにある。
前記の目的を達成するために、本発明のリアクトルは、コアと、前記コアを被覆するコア被覆樹脂と、前記コアの外周に筒状に装着されたコイルと、前記コイルの表面の一部に開口部が形成されるように前記コアと前記コイルの外周を被覆するモールド樹脂と、前記開口部の縁に沿って、前記コイル表面から前記モールド樹脂表面に達する厚さを有する樹脂製の障壁枠と、を備え、前記コアがその周囲を前記コア被覆樹脂によって被覆された樹脂モールドコアであり、前記障壁枠は、前記樹脂モールドコアとは別体であり、前記樹脂モールドコアの前記コア被覆樹脂に前記障壁枠と係合し、前記障壁枠を前記コイルの所定の位置に係止する位置決め部材が設けられており、前記開口部は、前記コイルの表面を露出させていること、を特徴とする。
本発明において、次のような構成を採用することができる。
(1)前記コイルが、上下に平坦部を有する筒状に巻回されたものであって、前記開口部が前記上下の平坦部のすくなとも一つが露出する位置に設けられている。
(2)前記障壁枠は、完成状態のリアクトルにおいては、コイルの表面からモールド樹脂表面に達する寸法を有し、リアクトルの組み立て前は、硬化後のモールド樹脂3の肉厚よりも厚い寸法を有する。
(3)前記障壁枠は、弾性を有する樹脂により構成されている。
(1)前記コイルが、上下に平坦部を有する筒状に巻回されたものであって、前記開口部が前記上下の平坦部のすくなとも一つが露出する位置に設けられている。
(2)前記障壁枠は、完成状態のリアクトルにおいては、コイルの表面からモールド樹脂表面に達する寸法を有し、リアクトルの組み立て前は、硬化後のモールド樹脂3の肉厚よりも厚い寸法を有する。
(3)前記障壁枠は、弾性を有する樹脂により構成されている。
本発明によれば、障壁枠は弾性のある樹脂によって構成されているので、金型によってコイルを加圧した場合に、その圧力によって変形し、コイル表面と金型の表面に密着する。その結果、コイル表面にバリが侵入する隙間が生じることがなく、しかも金型とコイル表面が接触することがないため、コイルが傷付くおそれもない。
[1.第1実施形態]
[1-1.第1実施形態の構成]
以下、本発明の第1実施形態を図面に従って具体的に説明する。
[1-1.第1実施形態の構成]
以下、本発明の第1実施形態を図面に従って具体的に説明する。
本実施形態のリアクトルは、図1乃至図3に示すように、樹脂モールドタイプのコア1と、その外周に筒状に装着された左右の2つのコイル2と、各コイル2の外周を被覆するモールド樹脂3を備える。2つのコイル2の上方のコーナー部分の間に設けられた隙間には、温度センサ4がモールド樹脂3に埋設された状態で挿入される。
コア1は、圧粉磁心、フェライト磁心又は積層鋼板などの磁性体により構成され、それぞれコア被覆樹脂5内にインサート成型された2つのU字形コア1a,1bを環状に組み合わせたものである。コア被覆樹脂5の四隅には、リアクトルをその設置箇所に固定するためのねじ挿入孔51が設けられる。コア被覆樹脂5の上面には、2つのコイル2の引き出し部21を嵌め込む突起52が設けられる。
2つのコイル2は、それぞれ平角線を角筒状にエッジワイズ巻きすることにより構成される。各コイル2は、2つのU字形コア1a,1bを向き合わせて環状に組み立てる際に、U字形コア1a,1bの脚部を各コイル2の内側に挿入することにより、コア1の外側に装着される。
モールド樹脂3は、2つのコイル2及びコア被覆樹脂5におけるコイル2の引き出し部21を周囲から被覆する。モールド樹脂3及びコア被覆樹脂5としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等を用いることができる。
モールド樹脂3は、コイル2の表面が露出する開口部31を有する。この開口部31は、角筒状に巻回されたコイル2の上下の平坦部22が露出する位置に設けられる。開口部31の縁に沿って、コイル2表面からモールド樹脂3表面に達するように設けられた樹脂製の障壁枠6が設けられる。障壁枠6は、完成状態のリアクトルにおいては、コイル2の表面からモールド樹脂3表面に達する寸法、すなわちモールド樹脂3の肉厚と同じ高さを有する。一方、リアクトルの組み立て前の障壁枠6単体の場合は、モールド樹脂3表面、すなわちモールド樹脂3の表面を規制する金型10の表面と、コイル2の表面との間の寸法誤差を吸収できるように、硬化後のモールド樹脂3の肉厚よりも厚い寸法となっている。そのため、障壁枠6はコイル2を金型10内にセットした場合に、金型10の締め付け圧力により変形可能な弾性を有する樹脂、例えば、ポリエステル系、スチレン系、オレフィン/アルケン系、塩ビ系、ウレタン系、アミド系のエラストマーを材料とする。
また、障壁枠6は細い枠材から構成され、コイル2の捻れ方向や湾曲方向に変形することができることから前記の弾性を有する樹脂以外に、モールド樹脂3と同様な材料、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等を用いることができる。
図4に示すように、上下の開口部31に設けられた上下の障壁枠6は、連結枠7a,7bによって一体化される。連結枠7a,7bは、2つのコイル2の上方の障壁枠6と一体に成型された上部連結枠7aと、2つのコイル2の下方の障壁枠6と一体に成型された下部連結枠7bとから構成される。各連結枠7a,7bは、コイル2の軸方向と直交して2つの障壁枠6を連結する3本の横枠71と、各障壁枠6の側方からコイル2のコーナー部分に沿って下方に伸びる3本のコーナー枠72と、各コーナー枠72の端部を繋ぐ縦枠73から構成される。連結枠7a,7bの両端に位置する横枠71とコーナー枠72には、コイル2の巻き始め及び巻き終わりの端面に係合する突起部74が設けられる。
上部連結枠7aは下面が開口した籠状の部材であり、下部連結枠7bは上部連結枠7aを反転させた上面が開口した籠状の部材である。上下の連結枠7a,7bをその開口部を向き合わせて結合することにより、上下の障壁枠6をコイル2の平坦面に配置した状態で、連結枠7a,7bがコイル2の周囲に固定される。上下の連結枠7a,7bの四隅、すなわち連結枠7a,7bの両端に位置する横枠71の端部には、両者をコイル2の外周に配置した場合において、上下の連結枠7a,7bを結合するための係合部75と被係合部76が設けられる。
図5に示すように、上部連結枠7aと下部連結枠7bに設けられた係合部75と被係合部76は、先端にテーパー部を有する矢印状の突起と、この突起が引っ掛かる凹部を備える。係合部75と被係合部76は、両者の係合状態において上下方向に所定の隙間を有する。この隙間は、コイル2の製造上の寸法公差を吸収できる寸法である。
連結枠7a,7bは、上下の障壁枠6よりも薄く、コイル2を金型10に内にセットした場合に、連結枠7a,7bと金型10の表面との間及び連結枠とコイル2の表面の間に隙間が形成される。そのため、コイル2と金型10との間に注入されたモールド樹脂3がその隙間を通って隣接する空間に流入可能になっている。連結枠7a,7bは、障壁枠6と同一材料の樹脂によって一体成形されることが望ましいが、必ずしも障壁枠6と同様な弾力性を必要としないので、異なる材料、例えば金属ワイヤなどによって構成されても良い。
2つのコイル2の上方のコーナー部の間の空間に充填されたモールド樹脂3内に、温度センサ4が埋め込まれる。この温度センサ4には、図6に示すように、温度センサ4に設けられた位置決め部、すなわち温度センサ4の表面に設けられた凹部41が連結枠7aの横枠71と係合している。
[1-2.第1実施形態の作用]
本実施形態のリアクトルを製造する場合には、樹脂モールドコア1の左右の脚部の外周にコイル2をそれぞれ嵌め込んだ状態で、上下の連結枠7a,7bを左右のコイル2の外側に上下から挟み込むようにして被せ、その後、係合部75と被係合部76を噛み合わせることで上下の連結枠7a,7bを結合する。この場合、係合部75と被係合部76との間には寸法公差を考慮した隙間が設けられているので、コイル2の上下寸法に多少のばらつきがあっても、係合部75と被係合部76が確実に噛み合うので、連結枠7a,7b及び障壁枠6をコイル2の外周に装着することができる。また、横枠71とコーナー枠72に設けられた突起部74をコイル2の巻き始めと巻き終わりの端面に当接させることにより、連結枠7a,7b及び障壁枠6とコイル2との位置決めを正確に行うことができる。
本実施形態のリアクトルを製造する場合には、樹脂モールドコア1の左右の脚部の外周にコイル2をそれぞれ嵌め込んだ状態で、上下の連結枠7a,7bを左右のコイル2の外側に上下から挟み込むようにして被せ、その後、係合部75と被係合部76を噛み合わせることで上下の連結枠7a,7bを結合する。この場合、係合部75と被係合部76との間には寸法公差を考慮した隙間が設けられているので、コイル2の上下寸法に多少のばらつきがあっても、係合部75と被係合部76が確実に噛み合うので、連結枠7a,7b及び障壁枠6をコイル2の外周に装着することができる。また、横枠71とコーナー枠72に設けられた突起部74をコイル2の巻き始めと巻き終わりの端面に当接させることにより、連結枠7a,7b及び障壁枠6とコイル2との位置決めを正確に行うことができる。
コイル2の外周に連結枠7a,7b及び障壁枠6を装着した後は、温度センサ4を2つのコイル2の上方のコーナー部の間にセットする。その場合、温度センサ4に設けられた凹部41を横枠71に嵌め込むことで、温度センサ4の位置決めを正確に行うことができる。
コイル2の外周に連結枠7a,7bと障壁枠6、及び温度センサ4を装着した後は、これらをモールド樹脂3注入用の金型10内にセットする。弾性材料から形成された障壁枠6は、モールド樹脂3の肉厚よりも背が高い寸法であるが、下方の金型10内にコイル2をセットした後、上方の金型10をコイル2に被せて上下の金型10を密着させコイル2を加圧すると、その圧力によって障壁枠6が押し潰され、図7の断面図に示すように、コイル2表面と金型10の表面に密着する。
この状態で金型10に設けられたゲートと呼ばれる注入口から、コイル2表面と金型10の内面との間にモールド樹脂3を注入する。注入口は、金型10の障壁枠6によって囲まれた部分を除く任意の位置に複数個設けられるが、注入されたモールド樹脂3は、障壁枠6よりも背の低い連結枠7a,7bを乗り越えてコイル2表面と金型10の内面全体に行き渡ることができるため、連結枠7a,7bによって囲まれた空間のすべてに設ける必要はない。障壁枠6の部分に達したモールド樹脂3は、障壁枠6がコイル2表面と金型10内面との間に弾力的に密着し隙間がないことから、障壁枠6内側の開口部31には進入することがない。
上方の金型10の温度センサ4に対向する部分には、温度センサ4の周囲にモールド樹脂3の皮膜を形成することができるように間隙部には形成される。コイル2表面と金型10の表面の間に注入されたモールド樹脂3は、温度センサ4周囲の間隙部にも入り込む。
コイル2表面と金型10の内面の全域及び温度センサ4の周囲にモールド樹脂3が注入され、そのモールド樹脂3が硬化した後は、上下の金型10を開いて、金型10内から樹脂モールドコア1、コイル2及び温度センサ4の外周がモールド樹脂3によって被覆された本実施形態のリアクトルを取り出す。
[1-3.第1実施形態の効果]
このような構成を有する本実施形態の効果は次の通りである。
(1)コイル2表面を露出させる開口部31の縁に沿って障壁枠6が設けられ、金型10とコイル2表面との間に流入したモールド樹脂3がこの障壁枠6によって阻止されることから、露出しているコイル2表面に対しモールド樹脂3が入り込んでバリが発生することがない。特に、障壁枠6は弾性のある樹脂によって構成されているので、金型10によってコイル2を加圧した場合にその圧力によって変形して、コイル2表面と金型10の表面に密着するため、コイル2表面にバリが侵入する隙間が生じることがない。
このような構成を有する本実施形態の効果は次の通りである。
(1)コイル2表面を露出させる開口部31の縁に沿って障壁枠6が設けられ、金型10とコイル2表面との間に流入したモールド樹脂3がこの障壁枠6によって阻止されることから、露出しているコイル2表面に対しモールド樹脂3が入り込んでバリが発生することがない。特に、障壁枠6は弾性のある樹脂によって構成されているので、金型10によってコイル2を加圧した場合にその圧力によって変形して、コイル2表面と金型10の表面に密着するため、コイル2表面にバリが侵入する隙間が生じることがない。
(2)上下の障壁枠6が、上下の障壁枠6よりも薄く、モールド樹脂3の流入を可能とする連結枠7a,7bを介して一体に設けられているので、コイル2の上面と下面に障壁枠6を配置する場合にその位置決めが正確に行える。また、連結枠7a,7bは金型10とコイル2表面との間に配置されるが、その厚みが薄くなっていて連結枠7a,7bを越えてモールド樹脂3の流入が可能となっているので、連結枠7a,7bの存在にもかかわらずコイル2の外周全体、すなわち連結枠7a,7bと金型10の表面との間の隙間と、連結枠7a,7bとコイル2の表面との間の隙間にモールド樹脂3を注入することが可能である。
(3)連結枠7a,7bが、上方の障壁枠6と一体化された上部連結枠7aと、下方の障壁枠6と一体化された下部連結枠7bとから構成されているので、コイル2を上下から挟み込むことによって、上下の障壁枠6をコイル2端面の適正な箇所に簡単に位置決めすることができる。また、上部連結枠7aと下部連結枠7bには、両者を結合する係合部75と被係合部76が設けられているので、上下の障壁枠6によってコイル2を挟み込んだ場合に、この係合部75と被係合部76を組み合わせることで、コイル2の周囲に配置した上下の障壁枠6がコイル2から外れることがないように固定される。その結果、予め障壁枠6を装着したコイル2を多数用意することが可能となり、金型10内に対するコイル2及び装着枠のセット作業が円滑かつ迅速に行える。
(4)係合部75と被係合部76が、両者の係合状態において上下方向に所定の隙間を有するので、コイル2の外形寸法にばらつきがあっても、この隙間によって吸収することができ、障壁枠6をコイル2の平坦面に常に密着させることができる。
(5)連結枠7a,7bの突起部74が、コイル2の巻き始め及び巻き終わりの端面に係合するので、コイル2と障壁枠6及び連結枠7a,7bの位置決めが正確に行える。
(6)上下の障壁枠6と連結枠7a,7bによってコイル2が取り囲むようにしたので、コイル2の外側から障壁枠6と連結枠7a,7bを被せることでコイル2の適正な位置に障壁枠6を配置することができる。
(7)温度センサ4に設けられた位置決め部が連結枠7a,7bと係合しているので、温度センサ4の位置決めを正確に行うことができ、また、樹脂モールドの差異に金型10内に流入した樹脂の圧力による温度センサ4の位置ずれのおそれがない。
[2.他の実施形態]
本発明は、図示の実施形態に限定されるものではなく、次のような他の実施形態も包含する。
(1)リアクトルを構成するコア1やコイル2は第1実施形態のものに限定されるものではなく、コイル2の外周をモールド樹脂3によって被覆したリアクトルであって、モールド樹脂3に放熱用の開口部31を有するものであれば各種のコア1やコイル2を適宜使用可能である。必ずしも樹脂モールドコア1を使用する必要はなく、コア1の周囲に絶縁材を配置して直接コイル2を巻回するリアクトルにも適用可能である。また、第1実施形態では2つのU字形コア1a,1bを環状に組み合わせているが、I字形コアあるいはE字形コアなどを組み合わせてリアクトルを構成しても良い。
本発明は、図示の実施形態に限定されるものではなく、次のような他の実施形態も包含する。
(1)リアクトルを構成するコア1やコイル2は第1実施形態のものに限定されるものではなく、コイル2の外周をモールド樹脂3によって被覆したリアクトルであって、モールド樹脂3に放熱用の開口部31を有するものであれば各種のコア1やコイル2を適宜使用可能である。必ずしも樹脂モールドコア1を使用する必要はなく、コア1の周囲に絶縁材を配置して直接コイル2を巻回するリアクトルにも適用可能である。また、第1実施形態では2つのU字形コア1a,1bを環状に組み合わせているが、I字形コアあるいはE字形コアなどを組み合わせてリアクトルを構成しても良い。
(2)コイル2表面に対する障壁枠6の位置決めが可能であれば、連結枠7a,7bを使用する必要はない。例えば、コイル2の下部においては、金型10に凹部や突起を設けて障壁枠6の位置決めを行うことができる。コイル2の上部においては、樹脂モールドコア1のコア被覆樹脂5に障壁枠6と係合し、障壁枠6をコイル2の平坦部22の所定の位置に係止する位置決め部材、例えば位置決め用の突起を設ける。また、コイル2の表面にマーカーを記載しておきそれに合わせて障壁枠6を配置しても良い。
(3)障壁枠6の材質としては、金型10によってコイル2を挟み込んだ場合に、その圧力によって変形し、コイル2表面の凹凸や捻れによる寸法誤差を吸収することのできるような弾性を有するものであれば、各種の樹脂を使用することができる。また、障壁枠6の背の高さや肉厚は、金型10内に流入するモールド樹脂3の圧力によって変形することがないように、障壁枠6の材質及びモールド樹脂3の流入圧力に応じて適宜選択する。
(4)連結枠7a,7bの構成は、上下の障壁枠6をコイル2表面の適正な位置に配置した状態で連結することのできるものであれば特に限定はない。例えば、コイル2の外周に輪ゴムのように巻き付けることで障壁枠6をコイル2表面に固定するものや、針金のような金属部材から連結枠7a,7bを構成することもできる。実施形態では連結枠7a,7b全体を障壁枠6よりも背の低い部材から構成したが、障壁枠6と同じ高さの部材の一部にモールド樹脂3の流通を可能とする開口部を設けても良い。
(5)上下の連結枠7a,7bを固定する係合部75と被係合部76は、図示のような対称形である必要はなく、フック状の突起とそれが引っ掛かる凹部や段部でも良い。また、円柱状の突起とそれが圧入される円孔などが使用できる。
(6)コイル2の放熱を平坦部22のみに限らず、コーナー部や側面から行う場合には、コイル2の表面に沿って湾曲した障壁枠6を使用することができる。
(7)2つのコイル2のコーナー部の間に温度センサ4を設けることは本発明において必ずしも必要な構成ではなく、温度センサ4を他の箇所に設けたリアクトルや温度センサ4を有しないリアクトルにも本発明は適用可能である。また、予め温度センサ4と障壁枠6及び連結枠7a,7bを一体に成型することも可能である。
(8)障壁枠6の樹脂としてPPSなどの押し潰されない樹脂を用いることが可能である。その場合、硬化後のモールド樹脂3の肉厚と同じ厚さ寸法の障壁枠6を使用する。障壁枠6の樹脂として押しつぶされることはないが、障壁枠6の樹脂は細い枠状に形成されているため、コイル2表面に線で当たることができ、コイル2の形状に合わせて変形し、コイル2表面と金型10表面に密着することができる。この場合、障壁枠6の樹脂が変形しないためコイル2の線材間の隙間には密着しないが、成形時にコイル2の全長も圧縮しているため、モールド樹脂3が流れ込まない程度の小さい隙間となり、開口部にモールド樹脂3が侵入することはない。
1…コア
2…コイル
3…モールド樹脂
4…温度センサ
5…コア被覆樹脂
6…障壁枠
7a,7b…連結枠
71…横枠
72…コーナー枠
73…縦枠
74…突起部
75…係合部
76…被係合部
10…金型
2…コイル
3…モールド樹脂
4…温度センサ
5…コア被覆樹脂
6…障壁枠
7a,7b…連結枠
71…横枠
72…コーナー枠
73…縦枠
74…突起部
75…係合部
76…被係合部
10…金型
Claims (4)
- コアと、
前記コアを被覆するコア被覆樹脂と、
前記コアの外周に筒状に装着されたコイルと、
前記コイルの表面の一部に開口部が形成されるように前記コアと前記コイルの外周を被覆するモールド樹脂と、
前記開口部の縁に沿って、前記コイル表面から前記モールド樹脂表面に達する厚さを有する樹脂製の障壁枠と、
を備え、
前記コアがその周囲を前記コア被覆樹脂によって被覆された樹脂モールドコアであり、
前記障壁枠は、前記樹脂モールドコアとは別体であり、
前記樹脂モールドコアの前記コア被覆樹脂に前記障壁枠と係合し、前記障壁枠を前記コイルの所定の位置に係止する位置決め部材が設けられており、
前記開口部は、前記コイルの表面を露出させていること、
を特徴とするリアクトル。 - 前記コイルが、上下に平坦部を有する筒状に巻回されたものであって、
前記開口部が前記上下の平坦部のすくなくとも一つが露出する位置に設けられている請求項1に記載のリアクトル。 - 前記障壁枠は、完成状態のリアクトルにおいては、コイルの表面からモールド樹脂表面に達する寸法を有し、リアクトルの組み立て前は、硬化後のモールド樹脂の肉厚よりも厚い寸法を有する請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
- 前記障壁枠は、弾性を有する樹脂により構成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
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