JP7307731B2

JP7307731B2 - ストーマ周囲領域用スキンケア組成物

Info

Publication number: JP7307731B2
Application number: JP2020536973A
Authority: JP
Inventors: ラモスガレゴモーニカ; カトリーネカデホイスロトオウアゴーアネ; モーセアドミラ
Original assignee: コロプラストアクティーゼルスカブ
Priority date: 2018-01-03
Filing date: 2018-12-20
Publication date: 2023-07-12
Anticipated expiration: 2038-12-20
Also published as: BR112020013117A2; CA3087616A1; RU2020125407A; AU2018399899B2; WO2019134726A1; US20210059912A1; JP2021510147A; AU2018399899A1; EP3735300A1; EP3735300B1; CN111556778A; US11583484B2

Description

ストーマアウトプット中の酵素を中和し得る中和剤組成物が提供される。

ストーマ患者は、ストーマ周囲皮膚の損傷を治療又は予防するためにスキンケア組成物を使用することが多い。スキンケア組成物はストーマ装具中に取り込むことができ、又は例えば、ローション剤、クリーム剤若しくはゲル剤の形態の別個の組成物として使用することができる。

ストーマアウトプットは、皮膚を損傷させることが公知の酵素を含有する。酵素活性を中和し（すなわち、不活性化させ）得る中和剤が開発されてきた。酵素中和は、酵素活性を妨害するプロセスである。酵素中和は、混合物から酵素を例えば表面上への吸着により除去する酵素隔離により誘導することができる。

ストーマ周囲領域は、患者の移動に起因する機械的ストレス並びに発汗及び体温を特徴とする。さらに、ストーマアウトプットは、低いｐＨ及び高い酵素活性を有する環境を提供する。スキンケア組成物は、そのような環境因子に対処する一方、良好なスキンケア特性を維持するように配合しなければならない。さらに、スキンケア組成物は、アウトプット中の酵素濃度を増加させ得る水の過剰吸収を回避すべきである。

したがって、スキンケア組成物であって、
ａ．少なくとも１つのクレー、
ｂ．１３００未満の数平均分子量（Ｍ_ｎ）を有するポリエチレングリコール（ＰＥＧ）ポリマー又はコポリマーである少なくとも１つの第１の結合剤；及び
ｃ．３０００未満、例えば、２５００未満の数平均分子量（Ｍ_ｎ）を有するポリブテンである少なくとも１つの第２の結合剤
を含むスキンケア組成物が提供される。

ストーマ周囲環境における、本明細書に定義されるスキンケア組成物の使用も提供される。スキンケア組成物の特定の使用は、酵素活性、特に、トリプシン活性を中和するための使用である。

皮膚損傷及び／又は浸軟を予防する方法が提供される。アウトプット中の酵素活性を低減させる方法が提供される。

本明細書に定義されるスキンケア組成物を含むストーマ装具も提供される。本明細書に定義されるスキンケア組成物を含むストーマ装具用面板が提供される。

スキンケア組成物であって、
ａ．少なくとも１つのクレー、
ｂ．１３００未満のＭＷを有するポリエチレングリコール（ＰＥＧ）ポリマー又はコポリマーである少なくとも１つの第１の結合剤；及び
ｃ．２５００未満の数平均分子量（Ｍ_ｎ）を有するポリブテンである少なくとも１つの第２の結合剤
を含むスキンケア組成物が提供される。

スキンケア組成物は、ストーマアウトプット又は水に曝露された場合、一般に、クレーを周囲に放出し、そこでそれがアウトプット中の酵素を中和し得る。重要なことに、クレーの中和特性は、結合剤との配合及び周囲へのその後続の放出後であっても維持される。

「アウトプット」は、ストーマからの流出物を意味し、それは事実上、粘性形態の糞便及び／又は尿であり、消化管の上皮層から分泌される粘液を伴うことがある。コロストミーの場合、アウトプットは完全に固体であり得る一方、イレオストミーはより液状のアウトプットを産生し得る。アウトプットは、皮膚に対して侵襲性であり得る酵素及び他の構成成分を有する消化液を含有し得、したがって、皮膚の浸軟及び接触性皮膚炎を引き起こし得る。アウトプットは、ストーマ装具それ自体を攻撃し、分解し得る構成成分、例えば、付着物も含み得る。

挙げられる全ての分子量は、ｇ／ｍｏｌの単位の数平均分子量（Ｍ_ｎ）である。

スキンケア組成物は、少なくとも１つのクレーを含む。クレーは、粒子状のフィロシリケート材料である。クレーは、荷電アルモシリケート（ａｌｕｍｏｓｉｌｉｃａｔｅ）層及び層間カチオンを含み得る。クレーは、組成物の２０～８０重量％、例えば、２０～７０重量％、例えば、２０～５０重量％の量で、又は２５～８０重量％、例えば、２５～７０重量％、例えば、２５～５０重量％、好ましくは、４０～８０重量％、より好ましくは、５０～６５重量％の量で存在し得る。クレーは、好適には、スメクタイトクレー、好ましくは、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト及びヘクトライトからなる群から選択されるものである。クレーは、ヘクトライト型スメクタイトクレー、好ましくは、ラポナイト、好適には、ＣＡＳ番号５３３２０－８６－８、ＣＡＳ番号６４０６０－４８－６又はそれらの組合せを有するものであり得る。化学的には、クレーは好適にはケイ酸リチウムマグネシウムナトリウム又はフルオロケイ酸ナトリウムマグネシウムである。

ラポナイトＲＤは、化粧品原料国際命名法（ＩＮＣＩ）の名称であるケイ酸リチウムマグネシウムナトリウムのＢＹＫファミリーに属し、それには、ラポナイトＸＬＧ及びＤも含まれる。ラポナイトＲＤについての実験式は、Ｎａ^＋ _０．７［（Ｓｉ_８Ｍｇ_５．５Ｌｉ_０．３）Ｏ_２０（ＯＨ）_４］^－０．７である。

ラポナイトＸＬ２１は、フルオロケイ酸ナトリウムマグネシウム（ＣＡＳ６４０６０－４８－６）のＩＮＣＩファミリーに属する。この材料は、ヒドロキシル基（ＯＨ^－）に加えてフッ素（Ｆ^－）を含有する。ラポナイトＸＬ２１についての実験式は、Ｎａ^＋ _０．７［（Ｓｉ_８Ｍｇ_５．５Ｌｉ_０．３）Ｏ_２０（ＯＨ）_２．５Ｆ_１．５］^－０．７である。

クレーは、スキンケア組成物の正確なコンシステンシー、及び同時にストーマアウトプットとの接触時に活性クレーの放出を確保するように協調して機能する少なくとも２つの結合剤と配合される。スキンケア組成物は、粉末、生地状物又は流動物の形態であり得る。

スキンケア組成物は、１３００未満のＭ_ｎを有するポリエチレングリコール（ＰＥＧ）ポリマー又はコポリマーである第１の結合剤をさらに含む。第１の結合剤は、１３００未満、好適には、１０００未満、例えば、７００未満、例えば、５００未満のＭ_ｎを有する。

第１の結合剤は、組成物の１０～４０重量％、好ましくは、１０～３０重量％の量で存在する。一態様において、第１の結合剤は、ポリエチレングリコール（ＰＥＧ）である。好適には、第１の結合剤は、ＰＥＧ２００である。

スキンケア組成物は、２５００未満のＭ_ｎを有するポリブテンである少なくとも１つの第２の結合剤をさらに含む。好適には、第２の結合剤は、２０００未満、好ましくは、１５００未満のＭ_ｎを有する。実施形態において、第２の結合剤は、１３００～２１００のＭ_ｎを有する。好適には、第２の結合剤は、少なくとも１０００のＭ_ｎを有する。第２の結合剤は、組成物の１０～４０重量％、好ましくは、２０～３０重量％の量で存在し得る。第２の結合剤は、イソブテン及びブテンのコポリマーであり得る。

理論により拘束されるものではないが、第１及び第２の結合剤のＭ_ｎの上限は、クレー粒子が、混合されると、重力の効果に起因して沈殿せずに組成物中で均等に分布されたままになるように組成物の正確な粘度を確保することが考えられる。

さらに、第１及び第２の結合剤のＭ_ｎに対する相対的な下限は、クレー粒子の、例えば、放出により提供される正確な利用可能性及び組成物の所望の混和性を確保する。

本発明者らは、第１及び第２の結合剤としての１３００未満のＭ_ｎを有するＰＥＧポリマー又はコポリマー及び２５００未満のＭ_ｎを有するポリブテンの使用が、良好な粘度及び好適なコンシステンシーを有する組成物をもたらすことを見出した。特に、組成物は、ストーマアウトプットに曝露された場合であっても安定のままであり得ることが見出された。その上、組成物のクレーは、十分に曝露及び／又は放出されて酵素活性の所望の中和を提供した。これは、より高いＭ_ｎ結合剤を用いて本発明者らにより得られた結果と対照的である。典型的には、このようなより高いＭ_ｎ結合剤は、おそらくクレーの過剰結合のために酵素中和を遅延させ、又は阻害することが見出された。

したがって、第１及び第２の結合剤としての１３００未満のＭ_ｎを有するＰＥＧポリマー又はコポリマー及び２５００未満のＭ_ｎを有するポリブテンと一緒にクレーを有する本組成物は、有利な安定性及び中和特性を提供する。

スキンケア組成物は、好適には、それがストーマ装具の他の構成成分を妨害せず、それに付着もしないように非付着性である。

実施形態において、スキンケア組成物は、ジャガイモデンプンをさらに含む。実施形態において、組成物は、２０～６０重量％、例えば、２５～５０重量％、又は２０～３０重量％、又は４０～５０重量％のジャガイモデンプンを含む。

１つの特定の態様において、スキンケア組成物は、以下の組成：
ａ．２０～８０重量％のクレー；
ｂ．１０～４０重量％の第１の結合剤；
ｃ．１０～４０重量％の第２の結合剤
を有し、
前記クレー、第１の結合剤及び第２の結合剤は、上記定義のとおりである。別の特定の態様において、スキンケア組成物は、以下の組成：
ａ．５０～６５重量％のクレー；
ｂ．１５～２５重量％の第１の結合剤；
ｃ．２０～２５重量％の第２の結合剤
を有し、
前記クレー、第１の結合剤及び第２の結合剤は、上記定義のとおりである。

実施形態において、スキンケア組成物は、１８～３５重量％のクレー；及び１～２０重量％の第１の結合剤、例えば、２～１０重量％の第１の結合剤；及び２０～３５重量％の第２の結合剤、例えば、２０～３０重量％の第２の結合剤を含む。

実施形態において、スキンケア組成物は、１８～３５重量％のクレー；及び１～２０重量％の第１の結合剤、例えば、２～１０重量％の第１の結合剤；及び２０～３５重量％の第２の結合剤、例えば、２０～３０重量％の第２の結合剤；及び２０～６０重量％のジャガイモデンプン、例えば、２５～５０重量％のジャガイモデンプンを含む。

スキンケア組成物は、以下の組成ａ～ｉの１つを有し得る：

ストーマ周囲環境における、本明細書に記載のスキンケア組成物の使用も提供される。スキンケア組成物は、酵素活性、特に、トリプシン活性の中和に使用される。挙げられるとおり、クレーの粒子は、スキンケア組成物から放出される。

アウトプット中の酵素活性を低減させる方法が提供される。この方法は、本明細書に定義されるスキンケア組成物を提供し、スキンケア組成物をストーマ周囲皮膚に、及び／又はストーマウエハーに施与するステップを含む。これにより、スキンケア組成物は、組成物と接触するあらゆるアウトプット中の酵素活性を中和し得る。

皮膚損傷及び／又は浸軟を予防する方法が提供される。この方法は、本明細書に定義されるスキンケア組成物を提供し、スキンケア組成物をストーマ周囲皮膚に、及び／又はストーマウエハーに施与するステップを含む。これにより、スキンケア組成物は、ストーマ周囲皮膚と接触し得るあらゆるアウトプット中の酵素活性を中和し、それによりアウトプットの侵襲性を低減させ、皮膚損傷を予防し得る。

本明細書に記載のスキンケア組成物を含むストーマ装具、及び本明細書に記載のスキンケア組成物を含むストーマ装具用面板も提供される。
本開示は更に以下の態様を含んでいる：
《態様１》
スキンケア組成物であって、
ａ．少なくとも１つのクレー、
ｂ．１３００未満のＭ _ｎを有するポリエチレングリコール（ＰＥＧ）ポリマー又はコポリマーである少なくとも１つの第１の結合剤；及び
ｃ．３０００未満のＭ _ｎを有するポリブテンである少なくとも１つの第２の結合剤
を含むスキンケア組成物。
《態様２》
前記クレーが、前記スキンケア組成物の２０～８０重量％、好ましくは、４０～８０重量％、より好ましくは、５０～６５重量％の量で存在する、態様１に記載のスキンケア組成物。
《態様３》
前記クレーが、スメクタイトクレー、好ましくは、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト及びヘクトライトからなる群から選択されるものである、態様１又は２に記載のスキンケア組成物。
《態様４》
前記クレーが、ヘクトライト型スメクタイトクレー、好ましくは、ラポナイト、より好ましくは、ＣＡＳ番号５３３２０－８６－８、ＣＡＳ番号６４０６０－４８－６又はそれらの組合せを有するもの、好ましくは、ラポナイトＲＤ又はラポナイトＸＬ２１である、態様１～３のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様５》
前記第１の結合剤が、前記スキンケア組成物の１０～４０重量％、好ましくは、１０～３０重量％の量で存在する、態様１～４のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様６》
前記第１の結合剤が、１０００未満、好適には、５００未満のＭＷを有する、態様１～５のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様７》
前記第１の結合剤が、ポリエチレングリコール、例えば、ＰＥＧ２００である、態様１～６のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様８》
前記第２の結合剤が、前記スキンケア組成物の１０～４０重量％、好ましくは、２０～３０重量％の量で存在する、態様１～７のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様９》
前記第２の結合剤が、２５００未満、例えば、２０００未満、好ましくは、１５００未満のＭＷを有する、態様１～８のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様１０》
前記第２の結合剤が、イソブテン及びブテンのコポリマーである、態様１～９のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様１１》
ジャガイモデンプンをさらに含む、態様１～１０のいずれか一つに記載のスキンケア組成物。
《態様１２》
ストーマ周囲環境における、態様１～１１のいずれか一つに記載のスキンケア組成物の使用。
《態様１３》
酵素活性、特に、トリプシン活性を中和するための、態様１２に記載の使用。
《態様１４》
態様１～１１のいずれか一つに記載のスキンケア組成物を含むストーマ装具。
《態様１５》
態様１～１１のいずれか一つに記載のスキンケア組成物を含むストーマ装具用面板。

Claims

スキンケア組成物であって、
ａ．少なくとも１つのクレー、
ｂ．１３００未満のＭ_ｎを有するポリエチレングリコール（ＰＥＧ）ポリマー又はコポリマーである少なくとも１つの第１の結合剤；及び
ｃ．３０００未満のＭ_ｎを有するポリブテンである少なくとも１つの第２の結合剤
を含むスキンケア組成物。
前記クレーが、前記スキンケア組成物の２０～８０重量％、好ましくは、４０～８０重量％の量で存在する、請求項１に記載のスキンケア組成物。
前記クレーが、スメクタイトクレーである、請求項１又は２に記載のスキンケア組成物。
前記クレーが、ヘクトライト型スメクタイトクレーである、請求項１～３のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
前記第１の結合剤が、前記スキンケア組成物の１０～４０重量％の量で存在する、請求項１～４のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
前記第１の結合剤が、１０００未満のＭＷを有する、請求項１～５のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
前記第１の結合剤が、ポリエチレングリコールである、請求項１～６のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
前記第２の結合剤が、前記スキンケア組成物の１０～４０重量％の量で存在する、請求項１～７のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
前記第２の結合剤が、２５００未満のＭＷを有する、請求項１～８のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
前記第２の結合剤が、イソブテン及びブテンのコポリマーである、請求項１～９のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
ジャガイモデンプンをさらに含む、請求項１～１０のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
請求項１～１１のいずれか一項に記載のスキンケア組成物を含むストーマ装具。
請求項１～１１のいずれか一項に記載のスキンケア組成物を含むストーマ装具用面板。